JPWO2014196080A1 - 横圧を低減できる鉄道車両および横圧低減方法 - Google Patents

横圧を低減できる鉄道車両および横圧低減方法 Download PDF

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Abstract

鉄道車両が曲線を通過する際、進行方向に応じて、空気ばね(6a、6b)の前後剛性(前後方向の変位に対する剛性)を切り替える。台車に作用する反力モーメントの方向が、台車の旋回を妨げる方向(C)に作用する空気ばね(6a)については、前後剛性を相対的に低減させ、車体の旋回を助長する方向(J)に作用する空気ばね(6b)については、前後剛性を相対的に増大させる。このように、進行方向に応じて空気ばね(6a、6b)の前後剛性を変更する機構を追加するだけで、大幅なコスト上昇、ばね下質量の増大を招くことなく、横圧(H、G)により軌道に与える影響を最小限に抑制する。

Description

本発明は、曲線を通過する際に、鉄道車両を支持する台車と軌道との間に生じる横圧を低減できる機構を備える鉄道車両に関する。
一般的な鉄道車両用台車は、車軸の両端部に車輪を有する輪軸と、輪軸を回転自由に保持する軸箱体と、台車の骨格をなす台車枠と、から構成されている。軸箱体は、軸箱支持装置によって台車枠に対して前後、左右、上下方向に弾性支持されている。また、台車枠の上面と車体の下面との間には空気ばねが備えられており、この空気ばねによって、車体は台車に対して前後、左右、上下の各方向に弾性支持されている。
軸箱支持装置による軸箱体の前後方向の支持剛性は比較的大きいので、鉄道車両が曲線を通過する時に輪軸が十分に曲線に追従することができず、車輪がレールにより枕木方向に押される力である横圧が発生しやすい。この横圧は、車輪およびレールの摩耗を促進したり、車輪とレールと間のきしみによる騒音の原因になるため、これをいかに低減するかが重要な課題となっている。
特許文献1に、曲線通過時の横圧を低減できる鉄道車両用台車が開示されている。特許文献1の要約には、「鉄道車両用台車の操舵装置6は、台車枠2に対してある角度回動可能に設けられた前後2本の車輪軸3を、台車に対して対称的に回動させるものである。同装置6は、車体1に対する台車枠2の相対回動角度(α、)をとらえ、台車枠2に対する車輪軸3の相対回動角度(β、)をもたらす。そして、理論的相対回動角度の20〜35%増しの回動を車輪軸に与えるべく操舵装置6が動作するように構成されている。また、操舵装置6のリンク機構を水平配置としたので、台車の前後の車輪軸に同等な操舵操作を与える。」と記載されている。
特開平10−203364号公報
特許文献1に示される鉄道車両用台車は、台車枠の回転中心と同心の回転軸を有し、曲線軌道では車体と同様の回転運動をする操舵梁と、台車枠の左右の側梁前後方向中央付近に各々回転中心を持つ台車枠左右の一対の水平テコと、操舵梁と水平テコを連結するリンクと、水平テコの回転中心から左右に等距離の点と台車装置の左右同じ側の前後の軸箱体とを連結する連結棒と、から構成されている。
この鉄道車両用台車は、車体に対する台車の相対回動角度をとらえて輪軸を操舵する、いわゆる操舵台車を構成しており、複雑な構造を採用しているため、コスト上昇や耐久性低下、信頼性低下の原因ともなる。しかも、直線と円曲線を接続する緩和曲線区間では、操舵梁の回転動作の遅れや操舵に必要な台車の旋回角度が不足し、操舵が十分に行えず横圧低減効果が減少する可能性がある。
また、連結棒が軸箱と直結しているため、ばね下質量が増大し、軌道へ与える影響が大きくなるという問題もある。
そこで、本発明の課題は、軌道保守コストを高める可能性があるばね下質量を大きくしたり、保守コストを上昇させる要因となり得る複雑な装置(構成)を用いることなく、横圧を低減することによって、車輪やレールの摩耗を抑制し、さには、両者間のきしみ音等の騒音を低減することができる鉄道車両及び横圧低減方法を提供することである。
上記の課題を解決するため、本発明の鉄道車両は、乗客等が乗車する車体と、前記車体を弾性支持する空気ばねを備えた台車と、前記空気ばねの前後方向の剛性を制御する空気ばね変位抑制装置と、前記車体と前記台車とからなる鉄道車両の進行方向を検知して前記空気ばね変位抑制装置を制御する制御装置とを備えることを特徴とする。
また、本発明の鉄道車両の横圧低減方法は、車両の進行方向を検知し、前記車両を支持する台車に備えられる空気ばねの前後剛性を制御することを特徴とする。
上記の構成により、ばね下質量を大きくしないで、さらに、保守コストを上昇させる要因となり得る複雑な装置(構成)を用いることなく、横圧を低減することによって、車輪やレールの摩耗を抑制するとともに両者間のきしみ音等の騒音を低減し、さらに、軌道の保守コストを小さくできる鉄道車両および鉄道車両の横圧低減方法を提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
図1は、実施例1による鉄道車両の平面図である。 図2は、実施例1において、曲線通過時の前台車の空気ばねの状態を示す断面図である。 図3は、実施例1において、曲線通過時の後台車の空気ばねの状態を示す断面図である。 図4は、曲線通過時において、車体と台車との間で生じる空気ばね反力によるモーメントを示す図である。 図5は、曲線通過時において、台車に作用する操舵モーメントと抵抗モーメントの内訳とその釣り合いを示す図である。 図6は、実施例1による横圧低減効果を示す図である。 図7は、実施例1において、当板の支持構造を変更した変形例による、曲線通過時の前台車の空気ばねの状態を示す断面図である。 図8は、実施例1において、当板の支持構造を変更した変形例による、曲線通過時の後台車の空気ばねの状態を示す断面図である。 図9は、実施例2による鉄道車両台車の平面図である。 図10は、実施例2において、曲線通過時の前台車の空気ばねの状態構造を示す断面図である。 図11は、実施例2において、曲線通過時の後台車の空気ばねの状態構造を示す断面図である。 図12は、実施例3による鉄道車両用台車の平面図である。 図13は、実施例4による2点空気ばね支持方式の連接車両に、本発明の実施例2を適用した場合の平面図である。 図14は、実施例4による2点空気ばね支持方式の連接車両の曲線通過時において、台車に作用する操舵モーメントと抵抗モーメントの内訳と釣り合いを示す図である。 図15は、実施例5による4点空気ばね支持方式の連接車両に、本発明の実施例2を適用した平面図である。 図16は、実施例5による4点空気ばね支持方式の連接車両の曲線通過時において、台車に作用する操舵モーメントと抵抗モーメントの釣り合いを示す図である。 図17は、通常の鉄道車両の側面図である。
以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
[実施例1]
本発明の実施例1について説明する。
図17に、一般的な鉄道車両の側面図を示す。鉄道車両1は、乗客や貨物を搭載する車体1と、この車体1を支持する台車2とから構成されている。台車2は、その骨格をなす台車枠3と、車軸の両端部に車輪を有す輪軸5と、輪軸5を回転可能に保持している軸箱体4と、台車枠3の上面に備えられる空気ばね6などから構成されている。
軸箱体4は、台車枠3に対して軸箱支持装置によって前後、左右(枕木)、上下の各方向に弾性支持されており、車体1は台車2に備えられる空気ばね6によって、前後、左右(枕木)、上下の各方向に弾性支持されている。
台車枠3の中央部には、車体の下面から下方に延伸する中心ピン(図示なし)が挿入される部位(図示なし)が備えられており、鉄道車両が曲線等を進行する際、台車2はこの中心ピン周りに略水平面内で旋回する。
図1は、本実施例による鉄道車両を模式的に示す平面図である。車体1は、空気ばね6aを介して前台車2aと、空気ばね6bを介して後台車2bと、によって支持されている。図2、図3を用いて後述するように、空気ばね6a、6bの前後には、それぞれ空気ばね変位抑制装置95a、95bが備えられており、各アクチュエータ81a、81bを、図1に示す制御装置7により、鉄道車両の進行方向に応じて切り替えるようにしている。なお、制御装置7は、車体1の床下に備えても、車体1の車内の機器室に備えてもよい。
空気ばね変位抑制装置95a、95bは、略同一構成であるので、図2を用いて、空気ばね変位抑制装置95aの構成について説明する。
空気ばね6aの前後(車両1の長手方向に沿う方向)に空気ばねを挟んで対向する態様で備えられている。空気ばね変位抑制装置は、空気ばね6を構成するダイアフラム63の変形を抑制する当板84aと、当板84aとダイアフラム63aとの間隔(隙間)を制御するアクチュエータ81aと、から構成されている。
なお、図1において、鉄道車両の進行方向が矢印Eとなるとき、台車2aが前台車となり、台車2bが後台車となる。一方、進行方向が矢印Fとなるとき、台車2aが後台車となり、台車2bが前台車となる。本実施例を含め、以下の実施例では、鉄道車両の進行方向に依らず同様の作用効果が得られるので、矢印Eの場合の一方の進行方向についてのみ説明する。
図2及び図3は、本実施例による空気ばね周りの構造を示す断面図である。鉄道車両の進行方向を矢印E、または、矢印Fで示しており、鉄道車両が曲線を通過する時において、図2は前台車2aの空気ばね変位抑制装置95aの動作状態を示し、図3は後台車2bの空気ばね変位抑制装置95bの動作状態を示している。
図2において、空気ばね6aは、上面板61a、下面板62a、上面板61aと下面板62aとを接続するダイアフラム63a、そして、下面板62aの下方に配置される金属板64aとゴム65aからなる積層ゴム66aなどから構成されている。金属板64aおよびゴム65aは中央部に開口部を有する円環状の板材であり、これらが交互に積層されて中央部に空間を備える円筒状の積層ゴム66aが構成されている。ダイアフラム63aの内部には高圧空気が充填されている。また、車体1の下面の空気ばね6aの近傍には、車両長手方向に伸縮可能な一組の空気ばね変位抑制装置95aが、車体1の前後方向に沿って空気ばね6aを挟んで対向する態様で備えられている。
空気ばね変位抑制装置95aは、主に、空気ばねを構成するダイアフラム63aの変位を抑制する当板84aと、この当板84aに接続されるととともに当板84aとダイアフラム63aとの間隔(隙間)を制御するアクチュエータ81aとから構成されている。当板84aは、ダイアフラム63aに当接される低摩擦係数の部材からなる接触部82aと、接触部82aを支持するとともにアクチュエータ81aに接続される支持部83aとから構成されている。
図1に示される制御装置7からの指令に基づいて、アクチュエータ81aが伸縮することにより、当板84aの接触部82aとダイアフラム63aとの間の距離(隙間)を制御することができる。空気ばねやアクチュエータ等の配置形態や構造、制御装置7からの指令に基づく作動は、図3に示す後台車2bについても同様である。
図3に示すように、アクチュエータ81bを伸長させ、接触部82bをダイアフラム63bに接近させた状態で、台車2aが旋回して空気ばね6bに前後変位が発生すると、変形したダイアフラム63bの側面が接触部82bに接触(当接)する。これに伴い、ダイアフラム63bの変位が抑制されるとともに、ダイアフラム63bの空気反力が増加するため、空気ばね6bの前後変位に対する剛性(以下、前後剛性という。)が高められる。
図4に、曲線通過時に台車2に作用する空気ばね反力によるモーメントを模式的に表したものを示す。鉄道車両が矢印Eの向きに進行する時、台車2aは前台車となり、台車2bは後台車となる。
鉄道車両が直線から曲線に進行するとき、台車は曲線の曲率に追従して旋回するので、車体1に対して相対的な回転角度を持つ。その結果、車体1に対して旋回した状態の台車2の左右に位置する空気ばね6a、6bの上端部(上面板61a、61b)は車体1に追随するとともに、空気ばね6a、6bの下端部(下面板62a、62bおよび積層ゴム66a、66b)は台車2に追随するので、空気ばね6a、6bは前後方向(矢印100の方向)に変形する。前後方向に変形した空気ばね6a、6bは、元の形状に復元しようとするため、車体1から台車2に対して空気ばね反力が生じる。
曲線を通過中の前台車2aに生じる、空気ばね6aの反力は、左右それぞれ矢印A、A’に示す方向であり、同様に、後台車2bに生じる空気ばね6bの反力は、左右それぞれ矢印B、B’のようになる。
これら空気ばね反力A(A’)、B(B’)は、前台車2a、後台車2bを旋回させようとするモーメント、あるいは、旋回方向と逆向きの抵抗モーメントを生じる。
すなわち、前台車2aに生じる空気ばね6aに起因するモーメントCは、図4において反時計周りのモーメントであり、後台車2bに生じる空気ばね6bに起因するモーメントDは、図4において時計周りのモーメントである。
このとき、前台車2aに作用するモーメントCは、直線から曲線に進行するときの前台車2aの旋回方向と反対(逆)向きであるため、前台車2aの旋回を妨げる抵抗モーメントとして作用する。一方、後台車2bに作用するモーメントDは、鉄道車両が直線から曲線に進行するときの後台車2bの旋回方向と同じ向きであるため、後台車2bの旋回を促進する操舵モーメントとして作用する。
図5に、曲線通過時の各台車に作用するモーメントの内訳とその釣り合いを示す。
前台車2aに生じる操舵モーメントは、横圧HによるモーメントKと、縦クリープ力等の他の要因によるモーメントαである。また、前台車2aに生じる抵抗モーメントは、空気ばね反力A、A’に起因するモーメントCと、縦クリープ力等の他の要因によるモーメントβである。
一方、後台車2bに生じる操舵モーメントは、横圧GによるモーメントJと、空気ばね反力B、B’に起因するモーメントDと、縦クリープ力等の他の要因によるモーメントγである。また、後台車2bに生じる抵抗モーメントは、縦クリープ力等の他の要因によるモーメントδである。
鉄道車両が曲線を通過する際、各台車は車体に対して相対的な回転(旋回)角度を有した状態(姿勢)で維持されるため、各台車において、操舵(旋回)方向の各モーメントの和である操舵モーメントと、旋回方向と逆向きの各モーメントの和である抵抗モーメントとが釣り合った状態が維持される。
つまり、曲線通過時の定常状態において、前台車2aでは、モーメントαとモーメントKの和である操舵モーメント(操舵方向のモーメント)と、モーメントβとモーメントCとの和である抵抗モーメント(操舵方向と逆向きのモーメント)が釣り合うことになる。
同様に、後台車2bでは、モーメントJとモーメントDとモーメントγとの和である操舵モーメントと、抵抗モーメントであるモーメントδが釣り合うことになる。このように、曲線を通過中の各台車において、操舵モーメントとなる各モーメントの和と、抵抗モーメントとなる各モーメントの和が釣り合う関係にあることは、後述する各実施例においても共通である。
ここで、前台車2aでは、横圧HによるモーメントKと、空気ばね反力A、A’によるモーメントCとが互いに反対(逆)向きである。このため、前台車2aに作用する操舵モーメントと抵抗モーメントとは釣り合い状態が維持されるので、抵抗モーメントであるモーメントCを低減すれば、横圧Hによる操舵モーメントであるモーメントKが低減される。すなわち、モーメントKが低減されれば、モーメントKを生じさせている横圧H自体を結果的に低減することができる。
一方、後台車2bでは、横圧GによるモーメントJと、空気ばね反力B、B’によるモーメントDとが同じ向きである。後台車2bにおいても、操舵モーメントと抵抗モーメントとは釣り合い状態が維持されるので、操舵モーメントであるモーメントDを増大させれば、横圧Gによる操舵モーメントであるモーメントJが低減され、後台車2bの横圧Gを結果的に低減することができる。
つまり、前台車2aでは空気ばね6aの前後剛性を小さくすることで横圧Hを低減することができ、後台車2bでは空気ばね6bの前後剛性を大きくすることで横圧Gを低減することができる。
そこで、本実施例において、曲線通過時に、前台車2aにおける空気ばね6aの前後剛性を許容できる最小値とすることにより、前台車2aに作用するモーメントCを小さくして横圧Hを低減させる。同時に後台車2bにおける空気ばね6bの前後剛性を大きくして、後台車2bに作用するモーメントDを増大させることによって横圧Gを低減させる。
図2及び図3を参照しながら、実施例1の鉄道車両に備えられる台車が横圧を低減するメカニズム(作用)を説明する。
鉄道車両の進行方向を図1における矢印Eの方向とすると、制御装置7は鉄道車両の進行方向を検知し、車体1を支持する前台車2aの空気ばね変位抑制装置95aを構成するアクチュエータ81aに対しては収縮するように、そして、後台車2bの空気ばね変位抑制装置95bのアクチュエータ81bに対しては伸長するように指令信号を出す。
この実施例では、前台車2a、後台車2bのいずれにおいても、空気ばね6a、6bの前後剛性の初期値(空気ばね6a、6bにおいて、ダイアフラム63a、63bと、接触部82a、82bと、が接触していない場合の前後剛性)は、曲線走行時においても乗り心地を悪化させない範囲の最小値に設定されている。したがって、制御装置7からアクチュエータ81aに収縮指令が送出され、当板84aがダイアフラム63aから離隔したときは、空気ばね6aの前後剛性は、この初期値となる。
一方、制御装置7からアクチュエータ81bに伸長指令が送出されたときは、当板84bがダイアフラム63bに向けて伸長して近接することにより、空気ばね6bが前後方向に変位すると、ダイアフラム63bの側面が当板84bに当接して、ダイアフラム63bの変形が抑制されて空気反力が増大するので、空気ばね6の前後剛性が高められる。
これにより、前台車2aにおいては、空気ばね6aの前後剛性が初期値となり、図5に示す操舵モーメントと抵抗モーメントの関係から、抵抗モーメントとなる、空気ばね反力A、A’に起因するモーメントCが低減されるので、操舵モーメントとなる横圧Hによる操舵モーメントKがその分低減されることになる。
一方、後台車2bにおいても、操舵モーメントと抵抗モーメントとは釣り合い状態が維持されるので、空気ばね6bの前後剛性を高め、操舵モーメントである、空気ばね反力B、B’に起因するモーメントDを増大させることにより、結果として、操舵モーメントである、横圧GによるモーメントJが低減され、後台車2bの横圧Gを低減することができる。
なお、この実施例では、制御装置7は、例えば、始発となる折り返し駅で進行方向を切り替えるたびに、前台車となる側のアクチュエータ81aに対して収縮指令、後台車となる側のアクチュエータ81bに対して伸長指令を送出し、終着となる折り返し駅に到着するまで、その状態を保持するようにしている。したがって、アクチュエータ81a、81bの収縮、伸長に伴い、各アクチュエータの収縮、伸長を保持するロック装置を備えることによって、アクチュエータの作動に必要な消費電力を低減することができる。
鉄道車両の進行方向については、折り返し運転開始時のみならず、制御装置7が、車上の速度検出器、地上装置から受信した信号、さらには、GPS等により検知すればよく、その進行方向における曲線通過時に発生する横圧を低減する方向に、空気ばね変位抑制装置としてのアクチュエータを制御して、車体を弾性支持する空気ばねの前後剛性を最適な値に調整するのであればよい。
さらに、制御装置7の故障等により、収縮および伸長のいずれの指令信号も出力されないときは、このロック装置は、アクチュエータ81a、81bを、アクチュエータ非作動時の収縮位置と、作動の伸長位置との中間位置に固定する。
これにより、空気ばね6a、6bが曲線走行時などに前後方向に変位しても、当板84a、84bがダイアフラム63a、63bの変形を抑制する力が、アクチュエータが伸長位置にある時に比べて緩和されるので、各アクチュエータ81a、81bが中間位置に固定された際の空気ばね6a、6bの前後剛性は、上述した最小値より大きい一般的な値に設定され、走行性能に支障を与えないようにしている。
このように、前台車2aの空気ばね6aにおいては、アクチュエータ81aが収縮しており、当板84aとダイアフラム63aとの間の距離が拡大するため、曲線通過時に空気ばね6aが前後に変位しても、ダイアフラム63aと当板84aは当接(接触)せず、空気ばね6aの前後剛性は、上述の初期値となり、旋回を妨げるモーメントC(図4参照)は増大しない。
これに対し、後台車2b側の空気ばね6bにおいては、アクチュエータ81bが伸長しており、当板84bとダイアフラム63bとの間の距離(隙間)が縮小している。このため、空気ばねの前後方向変位に伴って、ダイアフラム63bの側面が接触部82bに接触し、ダイアフラム63bの変形が抑制されて空気反力が増大し、旋回を助長するモーメントD(図4参照)が増大される。
以上の作用により、前台車2aの横圧Hおよび後台車2bの横圧Gは効果的に低減されるので、レールおよび車輪の摩耗を抑制するとともに、両者間で生じるきしみ音を低減できる。
なお、当板84a、84bに取り付けられる接触部82a、82bは、自己潤滑性を有する樹脂など、低摩擦係数の素材で形成されているため、ダイアフラム63a、63bの摩耗を抑制することができる。さらに、接触部82a、82bの形状を、ダイアフラム63a、63bの外形(ドーナツ状の曲面)に合わせると、ダイアフラム63a、63bの摩耗をさらに抑制することができる。
上述したダイアフラム63a、63bの摩耗を抑制する方法によって、アクチュエータ81a、81bによる空気ばねの前後剛性を高める操作に対して、ダイアフラム63a、63bの寿命(交換周期)が短期化するのを抑制することができる。
以上、鉄道車両の進行方向が矢印Eのときの動作を説明したが、図1において進行方向が矢印Fとなり、台車2aが後台車、台車2bが前台車となるときは、アクチュエータ81は反対(逆)の動作となり、アクチュエータ81aを伸長させ、アクチュエータ81bを収縮させるよう、制御装置7が指令を出力する。
図6に、本実施例による横圧の低減効果の一例を示す。図6において、横軸は、円曲線の前後に緩和曲線が設定されたキロ程(m)であり、縦軸は横圧(KN)である。本図から明らかなように、緩和曲線、円曲線ともに通常台車に対して横圧を低減可能になる。
図2及び図3に示す構成では、アクチュエータ81a、81bの伸縮により当板84が車両長手方向に並進移動する構成としているが、図7に示すように、当板84aの上端部に枕木方向に沿う方向に配設された軸85aと、軸85aを備えるとともに、車体1の下面に固定されたブラケット86aと、車体下面に設置されたアクチュエータ81aの伸縮によって、当板84aが軸85aを中心に回動してダイアフラム63aと当板84a間の距離を変更可能とする構成としても、図2及び図3で示した構成と同様の効果を得ることができる。
なお、図7は、鉄道車両の進行方向を矢印E(図4参照)としたときの曲線通過時において、前台車2b側でアクチュエータ81aが収縮し、当板84aの接触部82aがダイアフラム63aから離れる方向に回動した状態を示している。
一方、図8は、前台車2b側とは逆に、後台車2b側でアクチュエータ81bが伸長し、当板84bの接触部82bがダイアフラム63bに接近して対向する方向に回動した状態を示している。
このように、当板84a、84bの上端部が、軸85a、85bによって回転自在にブラケット86a、86bに連結され、当板84a、84bの下端部にアクチュエータ81a、81bの先端を回動可能に連結しているため、出力の小さい小型のアクチュエータ81a、81bによっても、当板84a、84bを最適位置に確実に位置決めすることができる。これによって、空気ばね6a、6b近傍の設計の自由度を高めることができるとともに、アクチュエータ81a、81bの作動に必要な消費電力を低減でき、さらに、軽量化を促進できる。
[実施例2]
次に、本発明の実施例2について説明する。図9は、本実施例による鉄道車両を模式的に示す平面図であり、図10、図11に示すように、この鉄道車両は、制御装置7とアクチュエータ81a、81bからなる空気ばね変位抑制装置95a、95bを備えている。図10、図11に示す空気ばね変位抑制装置95a、95bは、実施例1のものとは異なり、各空気ばね6a、6bに対し、それぞれ1個設けることで、その前後剛性を変更することが可能となっている。
図10は、鉄道車両の進行方向を矢印E(図9参照)としたときの曲線通過時における前台車2aに備えられる空気ばね変位抑制装置95aの状態を、図11は、これに対応して、後台車2bに備えられる空気ばね変位抑制装置95bの状態をそれぞれ示したものである。
空気ばね変位制御装置95aは、空気ばね6aの内部の円筒状の積層ゴム66aの中央部の空間に備えられる上下方向に伸縮可能なアクチュエータ81aと、空気ばね6aを構成する積層ゴム66aの上部の下面板62aに備えられるストッパ当板88aとから構成されている。
積層ゴム66aの中央部に設けられた空間に備えられるアクチュエータ81aは、その先端部に内部ストッパ87aを備えている。ストッパ当板88aは、その中央部に空間を有す円板状の部材であり、アクチュエータ81aが上下方向に延伸した際に、内部ストッパ87aがストッパ当板88aの中央部に嵌入されて、積層ゴム66aの前後方向の変位が抑制される。
内部ストッパ87aは、外径の大きな部位の上に同軸に外径の小さい部位を備えた段付き形状の外周面を備えている。外径の小さい部位がストッパ当板88aの中央部の空間に嵌入される。内部ストッパ87aが嵌入されるストッパ当板88aの中央部の空間は、下方に向けてその内径を大きくした裾広がりの開口部とし、この開口部の下面の外径を内部ストッパ87aの外径より大きく設定することにより、確実に嵌入できるようにしてもよい。
アクチュエータ81aが下方に退避(収縮)しているときは、内部ストッパ87aの小径部はストッパ当板88aと係合(干渉)することはなく、積層ゴム66aは前後方向に変位可能である。
また、図11は、後台車2b側の状態を示したもので、空気ばね変位制御装置95bは、空気ばね変位制御装置95aと同様の構成を採用しているが、アクチュエータ81bにより、上方に伸長されて内部ストッパ87bがストッパ当板88bの内部に進入した態様で保持されており、空気ばね6の前後方向の変位が抑制されている状態を示している。
なお、本実施例で使用されるアクチュエータ81a、81bは、筒状に構成されており、その内部を空気が通過できる構成を備えている。アクチュエータ81a、81bは、空気ばね6a、6bに圧縮空気を供給する際の供給管路としても機能している。
図10に示すように、アクチュエータ81a、81bを伸長させたり、退避(収縮)させることにより、内部ストッパ87a、87bの外周(面)と、ストッパ当板88a、88bの内周(面)とを、係合(嵌入)したり、係合を解除することによって、空気ばね6a、6bの前後方向の剛性を変更することができる。
次に、図10及び図11を参照しながら図9に示される実施例2の作用を説明する。
図9において、鉄道車両の進行方向を矢印Eとすると、制御装置7は鉄道車両の進行方向を検知し、前台車2aのアクチュエータ81aを収縮するとともに、後台車2bのアクチュエータ81bを伸長する。このとき、前台車2aの空気ばね6aにおいては、図10に示されるように、アクチュエータ81aの収縮に伴い、内部ストッパ87aとストッパ当板88aの距離が拡大し、内部ストッパ87aとストッパ当板88aとの係合が解除される。このため、曲線通過時に空気ばね6aが前後に変位しても、内部ストッパ87aとストッパ当板88aとは接触(当接)せず、空気ばね6aの初期の前後剛性が維持される。
一方、後台車2bの空気ばね6bにおいては、図11に示されるように、アクチュエータ81bの伸長に伴い、内部ストッパ87bとストッパ当板88bの距離が縮小し、内部ストッパ87aとストッパ当板88aとが係合する。そのため、曲線通過時に空気ばね6bが前後に変位(変形)すると、内部ストッパ87bとストッパ当板88bが接触(当接)する。内部ストッパ87bとストッパ当板88bが接触すると、積層ゴム66bのせん断変形が拘束されるため、積層ゴム66bの剛性が無限大相当に大きくなる。
空気ばね6a、6bの前後剛性は、ダイアフラム63a、63bの前後剛性と積層ゴム66a、66bの前後剛性の和(直列剛性)で表されるため、積層ゴム66bの剛性が無限大相当となると、空気ばね6bの前後剛性は空気ばね6aの前後剛性に比較して大きくすることができる。
本実施例においても、前台車2aと後台車2bとに作用する操舵モーメントと抵抗モーメントを生じさせる要因、そしてそれらの内訳は、図5と同様である。
したがって、本実施例においても、アクチュエータ81a、81bの動作によって、前台車2aの空気ばね6aの前後剛性と、後台車2bの空気ばね6bの前後剛性とを、鉄道車両の進行方向によって切り替えることによって、前台車2aの横圧Hおよび後台車2bの横圧Gを低減することができる。
つまり、曲線を通過する前台車2aにおいて、操舵モーメント(操舵(旋回)方向の各モーメントの和)と、抵抗モーメント(操舵方向と逆向きの各モーメントの和)と釣り合っている。このため、横圧Hに起因するモーメントKの向きと、空気ばね反力A、A’によるモーメントCの向きとは互いに反対(逆)向きなので、抵抗モーメントであるモーメントCを低減すれば、抵抗モーメントに釣り合っている操舵モーメントであるモーメントKも低減される。
アクチュエータ81aを収縮して空気ばね6aの前後剛性を小さく維持することによって、抵抗モーメントとなる空気ばね反力A、A’に起因するモーメントcを低減することができる。この抵抗モーメントCの低減に伴って、操舵モーメントとなる横圧HによるモーメントKも低減されるため、モーメントKを生じさせる原因である横圧Hも、結果的に低減される。
これにより、前台車2aにおいては、空気ばね6aの前後剛性が初期値となり、図5に示す操舵モーメントと抵抗モーメントの関係から、抵抗モーメントとなる空気ばね反力A、A’に起因するモーメントCが低減されるので、操舵モーメントとなる横圧Hによる操舵モーメントKがその分低減されることになる。
一方、後台車2bにおいても、操舵モーメントと抵抗モーメントとは釣り合い状態が維持されるので、空気ばね6bの前後剛性を高め、操舵モーメントである、空気ばね反力B、B’に起因するモーメントDを増大させることにより、結果として、操舵モーメントである、横圧GによるモーメントJが低減され、後台車2bの横圧Gを低減することができる。
さらに、曲線を通過する後台車2bにおいても、同様に、操舵モーメント(操舵(旋回)方向の各モーメントの和)、抵抗モーメント(操舵方向と逆向きの各モーメントの和)とは釣り合っている。このため、横圧Gに起因するモーメントJの向きと、空気ばね反力B、B’によるモーメントDの向きとが同じ向きなので、モーメントDを大きくすれば、横圧Gに起因するモーメントJを小さくすることができる。
このように、アクチュエータ81bを伸長して空気ばね6bの前後剛性を大きく維持することによって、空気ばね反力B、B’によるモーメントDを大きくすることができる。その結果、この操舵モーメントであるモーメントDの増加に見合う分だけ、モーメントJが低減されるため、モーメントJを生じさせる原因である横圧Gも結果的に低減される。
以上により、前台車2aの横圧Hおよび後台車2bの横圧Gは効果的に低減されるので、レールおよび車輪の摩耗を抑制するとともに、両者間で生じるきしみ音を低減できる。
鉄道車両の進行方向が矢印Eのときのアクチュエータ81a、81bの動作と、最終的に横圧Gおよび横圧Hとが低減される作用効果を説明したが、図9において進行方向が矢印Fとなり、台車2aが後台車、台車2bが前台車となるときは、アクチュエータ81a、81bの伸長および収縮動作は前述した例とは反対(逆)の動作となり、アクチュエータ81aは伸長し、アクチュエータ81bは収縮するよう制御装置7は指令を送出する。
本実施例は、実施例1とは異なり、車体下面にアクチュエータの取付けスペースを必要としないため、車体下面の空気ばね近傍に他の機器を配置することが可能になるなど設計の自由度を高める効果も期待できる。
なお、空気ばね6a、6bの前後剛性初期値については、実施例1と同様に設定されている。
[実施例3]
本発明の実施例3を説明する。
図12は、本実施例による鉄道車両台車を模式的に示す車両の平面図であり、制御装置7と給排気弁89a、89bとを備えている。図12において、鉄道車両の進行方向が矢印Eとなるとき、台車2aは前台車となり、台車2bは後台車となる。進行方向が矢印Fとなるとき、台車2aは後台車となり、台車2bは前台車となる。
鉄道車両の進行方向を矢印Eとすると、制御装置7は鉄道車両の進行方向を検知し、空気ばね6a、6bの空気圧力を調整する給排気弁89a、89bを作動させる。
すなわち、前台車2aの空気ばね6aについては、そのダイアフラム63aの内部空気を排気して内圧を低下させるとともに、後台車2bの空気ばね6bについては、そのダイアフラム63bの内部に空気を給気し内圧を高める。
内圧が低下した前台車2aの空気ばね6aの前後剛性は小さくなり、内圧が高められた後台車2bの空気ばね6bの前後剛性は大きくなる。
図5に示すように、実施例1、2と同様、前台車2aおよび後台車2bでは操舵モーメント(操舵(旋回)方向の各モーメントの和)と、抵抗モーメント(操舵方向と逆向きの各モーメントの和)が釣り合っている。
したがって、前台車2aでは、横圧HによるモーメントKの向きと、空気ばね反力A、A’によるモーメントCの向きとが反対(逆)向きであるので、抵抗モーメントであるモーメントCを低減すれば、横圧Hに起因するモーメントKが低減される。モーメントKが低減されるので、モーメントKの原因となっている横圧Hが結果的に低減される。
一方、後台車2bでは、横圧GによるモーメントJの向きと、空気ばね反力B、B’によるモーメントDの向きが同じ方向であるので、モーメントDを大きくすれば、横圧Gに起因するモーメントJから、モーメントDの増加に見合うモーメント量が減じられて、モーメントJが小さくなる。モーメントJが低減されるので、モーメントJの原因となっている横圧Gが結果的に低減される。
以上により、前台車2aの横圧Hおよび後台車2bの横圧Gは効果的に低減されるので、レールおよび車輪の摩耗を抑制するとともに、両者間で生じるきしみ音を低減できる。
鉄道車両の進行方向が矢印Eのときの動作を説明したが、図12において進行方向が矢印Fとなり、台車2aが後台車、台車2bが前台車となるときは、空気ばね6aを給気し、空気ばね6bを排気するように、制御装置7は指令を出す。なお、空気ばね6a、6bの前後剛性初期値については、実施例1と同様に設定されている。
本実施例は、実施例1、2とは異なり、アクチュエータおよび当板を必要としないため、床下機器の設計自由度を高める効果や、軽量化を促進できる効果を奏する。
[実施例4]
実施例1〜3は、車体の長手方向の両端部を2台の台車で支えるボギー車両を対象としているが、実施例4は、車両と車両との連結部の下方に台車を配置し、この台車に備えられる2個の空気ばねの上部に、一方の車体の端部を載置し、この一方の車体の端部の上に、他方の車両の端部を載置する形態の連接車両に適用したものである。
図13及び図14に、実施例2の装置構成を、本実施例に関わる2点空気ばね支持方式の連接車両に適用した場合を説明する。
図13は、2点空気ばね支持方式の連接台車2と車体1を示す平面図である。2点空気ばね支持方式では、一方の車体1aの台枠から他方の車両1bに向けて延伸する枕梁91の幅方向の両端部が、連接台車2に備えられる1対の空気ばね6の上に載置されている。そして、この枕梁91の幅方向(枕木方向)の中央部に、他方の車体1bの台枠から一方の車体1aに向けて延伸する態様で備えられる連結装置90が連結されている。
つまり、車体1aの枕梁91の上部に、車体1bの連結装置90が載置される態様で連結されるとともに、連結部を構成する車体1aの枕梁91の下面が、連接台車2に備えられる空気ばね6によって弾性支持されている。
鉄道車両の進行方向が矢印Eとなるとき、連接台車2からみると、車体1aが前車体、車体1bが後車体となり、進行方向が矢印Fとなるときは、車体1aが後車体、車体1bが前車体となる。
実施例1などで説明したように、曲線通過時において、連接台車2は車体1aと車体1bとの連結部の下方において水平面内で旋回するため、連接台車2と車体1aおよび車体1bとの間に相対角度が生じる。さらに、空気ばね6には、この相対角度に対応する前後変位が生じるため、車体1aから連接台車2に作用する空気ばね反力が生じる。
車体1aから連接台車2に作用する空気ばね反力は矢印L、L’の向きであり、車体1aから連接台車2に空気ばね反力に起因するモーメントMが作用する。
鉄道車両が矢印Eの向きに進行し、車体1aが前車体となるときは、モーメントMは台車の旋回を助長する操舵モーメントとして作用する。一方、鉄道車両が矢印Fの向きに進行し、車体1aが後車体となるときは、モーメントMは台車の旋回を妨げる抵抗モーメントとして作用する。
図14に、曲線通過時の空気ばね2点支持方式の連接台車2に作用するモーメントの釣り合いを示す。鉄道車両が矢印Eの向きに進行し、車体1aが前車体となるとき、操舵モーメントをなす各モーメントは、横圧NによるモーメントPと、空気ばね反力L、L’に起因するモーメントMと、縦クリープ力等の他の要因によるモーメントεである。一方、抵抗モーメントをなす各モーメントは、縦クリープ力等の他の要因によるモーメントζである。このとき、実施例1と同様に、操舵モーメント(操舵(旋回)方向の各モーメントの和)と、抵抗モーメント(操舵方向と逆向きの各モーメントの和)のモーメントζとは、釣り合っている。
また、鉄道車両が矢印Fの向きに進行し、車体1bが前車体となる場合は、操舵モーメントと同方向のモーメントは、横圧N’によるモーメントP’と、クリープ力等の他の要因によるモーメントε’であり、抵抗モーメントと同方向のモーメントは、空気ばね反力L、L’に起因するモーメントMと、縦クリープ力等の他の要因によるモーメントζ’である。このとき、操舵モーメント(操舵(旋回)方向の各モーメントの和)と、抵抗モーメント(操舵方向と逆向きの各モーメントの和)とは、釣り合っている。
鉄道車両の進行方向が矢印Eの向きで、車体1aが前車体となる場合には、横圧NによるモーメントPの向きと、空気ばね反力L、L’によるモーメントMの向きとが同じ方向であるので、モーメントMを増大させれば、この増大分に見合うモーメントがモーメントPから減算される。モーメントPが低減されれば、モーメントPを生じさせている横圧Nが結果的に低減される。
同様に、鉄道車両の進行方向が矢印Fの向きで、車体1bが前車体となる場合には、横圧N’によるモーメントP’の向きと、空気ばね反力L、L’によるモーメントMの向きと反対(逆)向きなので、モーメントMを低減すれば、横圧N’によるモーメントP’も低減され、モーメントP’を生じさせている横圧N’を結果的に低減することができる。
つまり、空気ばね6により支持される車体1aが前車体(進行方向が矢印Eのとき)となる時には、空気ばね6の前後剛性を増大させることで、空気ばね6により支持されない車体1bが前車体(進行方向が矢印Fのとき)となる時には空気ばね6の前後剛性を減少させることで、台車2に作用する横圧Nを低減することができる。
そこで、鉄道車両が矢印Eの向きに進む時であって、車体1aが前車体となるときには、制御装置7はアクチュエータ81を伸長させるよう指令を出し、空気ばね6の前後剛性を大きくする。このとき、台車2に作用する横圧NによるモーメントPと、空気ばね6の前後剛性に起因するモーメントMの向きは等しいため、空気ばね前後剛性が増加し、モーメントMが増大するとモーメントPが小さくなるため、モーメントPを生じさせる横圧Nが小さくなる。
なお、例えば、5両の車両からなる編成車両であって、この編成車両中の4ヶ所に図13に示す連結部構成を備えている場合、この編成車両が矢印Eの向きに進み、進行方向の側の車体が空気ばねに支持される場合は、4ヶ所の連結部の全ての空気ばねの前後剛性を大きくする。この制御によって、横圧Nを低減することができる。
一方、鉄道車両が矢印Fの向きに進み、車体1bが前車体となる場合には、制御装置7はアクチュエータ81を収縮させるよう指令を出し、4ヶ所の連結部の空気ばね6の前後剛性を小さくする。空気ばね6の前後剛性が低下すると、抵抗モーメントと同方向のモーメントMが低減する。
このとき、連接台車2に作用する横圧N’によるモーメントP’と、空気ばね6の前後剛性に起因するモーメントMの向きが反対であるため、空気ばね前後剛性が低減しモーメントMが減少すると、横圧によるモーメントP’がその分低減されるので、横圧N’も低減される。
[実施例5]
図15は、4点空気ばね支持方式の連接台車2と車体1を示す平面図である。図15及び図16に、実施例2の装置構成を4点空気ばね支持方式の連接車両に適用した場合を説明する。
4点空気ばね支持方式は、1台の台車2の上面に、2個1組の空気ばね6aと、2個1組の空気ばね6bの計4個の空気ばねが載置されている。車体1aの長手方向の一方の端部は空気ばね6a上に載置されて弾性支持されており、車体1bの長手方向の他方の端部は空気ばね6b上に載置されて弾性支持されている。
車体1aと車体1bとは、車体1aの一方の端部に備えられる連結装置92と、車体1bの他方の端部に備えられる連結装置90とによって連結されている。
鉄道車両が矢印Eの向きに進行する時、車体1aが前車体となり、車体1bが後車体となる。一方、鉄道車両が矢印Fの向きに進行する時、車体1aが後車体となり、車体1bが前車体となる。
鉄道車両が矢印Eの向きに曲線を進行する場合、連接台車2は曲線に沿って旋回するため、連接台車2と、車体1aおよび車体1bとの間に相対角度が生じるとともに、空気ばね6は前後方向に変位(変形)する。空気ばね6の変位は、車体1a、1bから連接台車2へ作用する空気ばね反力を生じる。
車体1aにおいては、連接台車2に加わる空気ばね6aの反力は、矢印Q、Q’の方向となり、連接台車2にモーメントRが生じる。
一方、後車体1bにおいては、連接台車2に加わる空気ばね6bの反力は、矢印S、S’の方向となり、連接台車2にモーメントTが生じる。
図16に、曲線通過時の空気ばね4点支持方式の連接台車2に作用するモーメントの釣り合いを示す。
鉄道車両が矢印Eの向きに進行し、車体1aが前車体となるときには、操舵モーメントと同方向のモーメントは、横圧UによるモーメントVと、空気ばね反力Q、Q’によるモーメントR、縦クリープ力等の他の要因によるモーメントηであり、抵抗モーメントと同方向のモーメントは、空気ばね反力S、S’によるモーメントTと、縦クリープ力等の他の要因によるモーメントθである。
一方、鉄道車両が矢印Fの向きに進行し、車体1bが前車体となるときには、操舵モーメントと同方向のモーメントは、横圧U’によるモーメントV’と、空気ばね反力S、S’に起因するモーメントTと、縦クリープ力等の他の要因によるモーメントη’とであり、抵抗モーメントと同方向のモーメントは、空気ばね反力Q、Q’に起因するモーメントRと、縦クリープ力等の他の要因によるモーメントθ’である。
鉄道車両が矢印Eの方向に進行し、車体1aが前車体となるとき、横圧UによるモーメントVの向きは、空気ばね6a反力Q、Q’によるモーメントRの向きと等しく、後車体1bを支持する空気ばね6bの空気ばね反力S、S’によるモーメントTの向きに対して反対(逆)向きとなる。
操舵モーメント(操舵(旋回)方向の各モーメントの和)と、抵抗モーメント(操舵方向と逆向きの各モーメントの和)とは釣り合っているので、操舵モーメントと同方向のモーメントRを大きくすることで、その分、同じく操舵モーメントと同方向の横圧Uに起因するモーメントVが小さくなるので、結果的にモーメントVを生じさせている横圧Uを低減することができる。
さらに、抵抗モーメントと同方向のモーメントTを低減すると、抵抗モーメントの和自体が小さくなるとともに、この抵抗モーメントと同方向のモーメントの和に釣り合うよう、操舵モーメントと同方向のモーメントの和も小さくなる。
したがって、操舵モーメントの和の一部である操舵モーメントの横圧Uに起因するモーメントVが低減されるので、モーメントVを生じさせている横圧Uを低減することができる。
鉄道車両が矢印Fの方向に進行し、車体1bが前車体となるにとき、横圧U’によるモーメントV’の向きは、前車体1bを支持する空気ばね6bの空気ばね反力S、S’によるモーメントTの向きに等しく、後車体1aを支持する空気ばね6aの空気ばね反力Q、Q’によるモーメントRの向きに対して反対(逆)向きとなる。
操舵モーメント方向のモーメントの和と、抵抗モーメント方向のモーメントの和は釣り合っているので、操舵モーメント方向のモーメントTを大きくすること、操舵モーメント方向のモーメントであって、横圧U’によるモーメントV’が小さくなるので、モーメントVを生じさせている横圧U’を結果的に低減することができる。
さらに、抵抗モーメント方向のモーメントであるモーメントRを低減すると、抵抗モーメント方向のモーメントの和自体が小さくなるとともに、これに釣り合う操舵モーメント方向のモーメントの和も小さくなる。したがって、操舵モーメントと同方向のモーメントである、操舵モーメントの横圧U’に起因するモーメントV’が低減されるので、モーメントV’を生じさせている横圧U’を低減することができる。
つまり、鉄道車両の進行方向に応じて、前車体を支持する空気ばねの前後剛性を増加させ、後車体を支持する空気ばねの剛性を低減させることで、連接台車2に作用する横圧を低減させることができる。
そこで、鉄道車両が矢印Eの方向に進行し、車体1aが前車体となるときは、制御装置7は、アクチュエータ81aに対して進行方向側の空気ばね6aの前後剛性を大きくする伸長指令を送出し、アクチュエータ81bに対して進行方向側と反対側の空気ばね6bの前後剛性を小さくする収縮指令を送出する。
上記の制御により、空気ばね6aの前後剛性を増加させ、空気ばね6bの前後剛性を低減する。このとき、連接台車2に作用する横圧UによるモーメントVの向きと、空気ばね6aによるモーメントRの向きは等しいため、モーメントRが増大すると、横圧UによるモーメントVが低減されるため、モーメントVを生じさせている横圧Uが低減される。
鉄道車両が矢印Fの方向に進行し、車体1bが前車体となるときには、制御装置7は、アクチュエータ81aに対して進行方向側の空気ばね6bの前後剛性を大きくする伸長指令を送出し、アクチュエータ81bに対して進行方向側と反対側の空気ばね6aの前後剛性を小さくする収縮指令を送出する。
上記の制御により、連接台車2に作用する横圧U’によるモーメントV’と、空気ばね6bの空気ばね反力S,S’によるモーメントTの向きは等しいため、空気ばね6bの前後剛性が増加しモーメントTを大きくすると、横圧U’によるモーメントV’が小さくなるため、モーメントV’を生じさせている横圧U’が結果的に低減される。
以上により、横圧Uおよび横圧U’は効果的に低減されるので、レールおよび車輪の摩耗を抑制するとともに、両者間で生じるきしみ音を低減できる。
以上説明したように、鉄道車両の連結部に台車が配置される連接車両であっても、曲線通過時における進行方向に応じて、操舵モーメントに関係する空気ばねの前後剛性を小さくして、抵抗モーメントに関係する空気ばねの前後剛性を大きくすればよい。なお、空気ばね6a、6bの前後剛性初期値については、実施例1と同様に設定されている。
本実施例では、空気ばね4点支持方式の連接台車2に、第2の実施例を適用したが、第1、第3の実施例も、こうした連接車両に適用可能である。
また、複数の鉄道車両が連結されて編成を構成している場合、空気ばねの内圧の変更及びアクチュエータの動作を、編成全体で切り替え可能なものとしてもよい。
各実施例では、進行方向前側となる側の空気ばねの前後剛性を小さくし、進行方向後側となる空気ばねの前後剛性を大きくしたが、これに限らず、様々な変更が可能である。
すなわち、例えば、実施例1において、進行方向の前側および後側の空気ばね6a、6bの前後剛性初期値を、直線走行時、曲線走行時を含め、乗り心地や走行安定性を悪化させない範囲で、予め最適な値に設定しておく。一方、制御装置7からアクチュエータ81a、81bへの制御信号が出力されないときは、進行方向の前側および後側の空気ばね6a、6bが前後方向に変位しても、ダイアフラム63a、53bが、当板84a、84bに当接しないで、空気ばね6の前後剛性が変更されない位置にアクチュエータ81a、81bを固定しておく。
そして、進行方向の後側の空気ばねに係るアクチュエータのみに、空気ばねの前後剛性を高める指令を送出するようにすれば、進行方向の前側の空気ばねのダイアフラムが当板に当接することなく、空気ばねの前後剛性は変更されない。この構成は、制御装置7による制御を簡略化し、アクチュエータの低コスト化、長寿命化を図ることができる。このような変更は、実施例2〜5にも同様に適用できる。
さらに、曲線通過時に発生する横圧は、曲線の曲率半径(R)、運行速度のみならず、車両の形式や仕様、さらには、乗客数等にも影響を受けるため、前台車2a、後台車2bにおける空気ばね6a、6bの前後剛性を、それぞれ、地上子から受信した走行位置情報やGPSによる位置情報、曲線の半径(R)等を含む路線情報、ダイアグラム等のデータベースに基づいて、リアルタイムに、各アクチュエータ81a、81bの伸長量あるいは収縮量の最適値を呼び出し、指令値として与えるようにしてもよい。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
要するに、本発明には、鉄道車両の進行方向を、車上の速度検出器、地上装置、折り返し運転開始時、さらには、GPS等により検知して、曲線通過時に発生する横圧を低減する方向に、空気ばね変位抑制装置としてのアクチュエータを制御して、車体を弾性支持する空気ばねの前後剛性を最適な値に調整するものが含まれる。
1 車体
2 台車
3 台車枠
4 軸箱体
5 輪軸
6 空気ばね
7 制御装置
61 上面板
62 下面板
63 ダイアフラム
66 積層ゴム
81 アクチュエータ
84 当板
87 内部ストッパ
88 ストッパ当板
89 給排気弁
90 連結装置
91 枕ハリ
92 連結装置受け
95 空気ばね変位抑制装置
上記の課題を解決するため、本発明の鉄道車両は、乗客等が乗車する車体と、前記車体を弾性支持する空気ばねを備えた台車と、前記空気ばねの前後方向の剛性を制御する空気ばね変位抑制装置と、前記車体と前記台車とからなる鉄道車両の進行方向を検知して前記空気ばね変位抑制装置を制御する制御装置とを備え、さらに、前記空気ばね変位抑制装置は、前記空気ばねを挟む態様で、前記車体の前後方向に沿って対向して配置されており、前記空気ばねのダイアフラムに当接する当板と、前記当板に接続されるとともに、前記ダイアフラムと前記当板との間隔を調整するアクチュエータと、から構成されていること、又は、前記空気ばね変位抑制装置は、前記空気ばねを構成する積層ゴムの内部に備えられるとともに先端部にストッパを有するアクチュエータと、前記積層ゴムの上部に備えられ、且つ、前記ストッパが係合される開口部を有する当板と、から構成されることを特徴とする。
また、本発明の鉄道車両の横圧低減方法は、車両の進行方向を検知し、前記車両を支持する台車に備えられる空気ばねの前後剛性を制御することを特徴とする。
図13は、2点空気ばね支持方式の連接台車2と車体1を示す平面図である。2点空気ばね支持方式では、一方の車体1aの台枠から他方の車体1bに向けて延伸する枕梁91の幅方向の両端部が、連接台車2に備えられる1対の空気ばね6の上に載置されている。そして、この枕梁91の幅方向(枕木方向)の中央部に、他方の車体1bの台枠から一方の車体1aに向けて延伸する態様で備えられる連結装置90が連結されている。
つまり、車体1aの枕梁91の上部に、車体1bの連結装置90が載置される態様で連結されるとともに、連結部を構成する車体1aの枕梁91の下面が、連接台車2に備えられる空気ばね6によって弾性支持されている。

Claims (8)

  1. 乗客等が乗車する車体と、
    前記車体を弾性支持する空気ばねを備えた台車と、
    前記空気ばねの前後方向の剛性を制御する空気ばね変位抑制装置と、
    前記車体と前記台車とからなる鉄道車両の進行方向を検知して前記空気ばね変位抑制装置を制御する制御装置と、を備えること
    を特徴とする鉄道車両。
  2. 請求項1に記載される鉄道車両において、
    前記空気ばね変位抑制装置は、
    前記空気ばねを挟む態様で、前記車体の前後方向に沿って対向して配置されており、
    前記空気ばねのダイアフラムに当接する当板と、
    前記当板に接続されるとともに、前記ダイアフラムと前記当板との間隔を調整するアクチュエータと、
    から構成されていること
    を特徴とする鉄道車両。
  3. 請求項1に記載される鉄道車両において、
    前記空気ばね変位抑制装置は、
    前記空気ばねを構成する積層ゴムの内部に備えられるとともに先端部にストッパを有すアクチュエータと、
    前記積層ゴムの上部に備えられ、且つ、前記ストッパが係合される開口部を有す当板と、
    から構成されること
    を特徴とする鉄道車両。
  4. 請求項1に記載される鉄道車両において、
    前記空気ばね変位抑制装置は、
    前記空気ばねの空気圧力を調整する給排気弁を
    有すること
    を特徴とする鉄道車両。
  5. 請求項2から請求項4のいずれかの一項に記載される鉄道車両は、
    前記車体の長手方向の両端部を前記台車によって支持されるボギー車両であること
    を特徴とする鉄道車両。
  6. 請求項3に記載される鉄道車両は、
    前記台車は2点の前記空気ばねを備えており、
    一方の前記車両の端部が他方の前記車両の端部の上部に載置されるとともに、
    前記他方の前記車両の前記端部が前記台車の前記空気ばねの上部に載置される2点支持式連接車両であること
    を特徴とする鉄道車両。
  7. 請求項3に記載される鉄道車両は、
    前記台車は4点の前記空気ばねを備えており、
    一方の前記車体の端部が2点の前記空気ばねに上に載置されるとともに、他方の前記車体の端部が2点の前記空気ばねに上に載置される4点支持式連接車両であること
    を特徴とする鉄道車両。
  8. 車両の進行方向を検知し、
    前記車両を支持する台車に備えられる空気ばねの前後剛性を制御すること
    を特徴とする請求項1に記載の鉄道車両の横圧低減方法。
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