JP4095257B2 - 車両構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両の車両構造に関し、特にボルスタレス台車を有する車両構造に関するものである。
【0002 】
【従来の技術】
一般に、車体と台車の間を許容変位量の大きな空気ばね(まくらばね)で直結し、駆動、制動力を牽引装置で伝達するボルスタレス台車は鉄道車両の構造として広く採用されている。ボルスタレス台車は、ボルスタ付台車と比較して、台車の軽量化、簡素化を図ることができる。
【0003 】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来のボルスタレス台車にあっては、車体と台車の間を直結するまくらばねは、上側および下側ばね座で車体と台車に固定されており、前後左右方向に移動することができなかった。このため、台車が急曲線を通過する際に台車が車体に対して大きく回転し、まくらばねが前後方向に大きく捻られ、まくらばねが復元しようとするときに、回転した台車が戻ろうとする力が車輪とレール間に加わり、車軸とレール間で進行方向に向かって横方向に作用する力(横圧)をより大きなものにすると云う欠点が存在した。
本発明は、かかる従来の問題を解決するためになされたもので、まくらばねの受け座を急曲線通過時に前後方向に移動可能とし、急曲線通過性能を向上させた車両構造を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の請求項1に係る車両構造は、ボルスタレス台車構造を有する車両構造において、台車と車体との間に配設されたまくらばねの受け座を車両の進行方向の前後に移動可能な移動機構を備え、急曲線通過時のみ前記受け座を移動可能とすることを特徴とするものである。
【0005 】
また、本発明の請求項2に係る車両構造は、まくらばねの上下に配置された受け座の内、車体側の上受け座を移動することを特徴とするものである。
【0007 】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る車両構造を示す側面図、図2は同車両構造を示す拡大正面図である。図において車両構造は、台車10と車体11との間にまくらばね12が配設されている。また、まくらばね12の上受け座13aを車両の走行方向の前後に移動可能な移動機構14を備えている。
【0008 】
ボルスタレス台車は、台車10と車体11との間を許容変位量の大きなまくらばね(空気ばね)12で直結し、駆動・制動力を牽引装置15で伝達する。また、まくらばね12は、上受け座13aによって滑り板16を介して車体11と接触しており、下受け座13bによって台車10に固定されている。
【0009 】
移動機構14は、上受け座13aの前後に配置されたアクチュエータ14a、14bを駆動して、アクチュエータ14aを固定したり、前後方向に移動可能とすることができる。また、まくらばね12の上受け座13aは、摩擦係数の小さな滑り板16を介して車体11と接触している。したがって、アクチュエータ14a、14bが開放状態にある時、上受け座13aは小さな力でスライドすることができる。
【0010 】
図3は、車両が曲線を通過する際に生じるボギー角ψBを示す説明図である。曲線半径をR、台車10の中心間距離を2Lとした時、ボギー角ψB≒L/Rで表すことができる。一般に台車10のボギー角ψBが増大すると、まくらばね12は主に前後方向に大きく撓む。これは台車10を中心位置に戻そうとするモーメントとなり、この台車の回転を押さえるように作用する横力Fyが発生し、この力は主に前軸外軌側の横圧となる。本発明は、この横力Fyを軽減するものである。
【0011 】
次に、本発明の実施の形態について、図4〜図6を用いて説明する。図4は、車両が通常の直線区間または半径の大きな曲線区間を走行する場合を示す説明図である。この状態では、まくらばね12の上受け座13aは、移動機構14のアクチュエータ14a、14bによって固定されており、前後左右方向に移動することができない。このことで、通常の直線区間または半径の大きな曲線区間を走行する場合の安定性を確保している。
【0012 】
次に、急曲線(曲線半径の小さい)を車両が走行する場合について説明する。急曲線を走行するとボギー角が生じ、ボルスタレス台車はまくらばね12が台車を中正位置(直線走行時の真っ直ぐの状態)に戻そうとする力を発生する。この力は反力として急曲線通過時の横圧(車輪がレールを横方向に押し出そうとする力)を増加させる。したがって、図5に示すように移動機構14のアクチュエータ14a、14bを解除して上受け座13aが前後方向に移動できるようする。上受け座13aと車体11の間には、上受け座13aが移動するときに発生する力(例えば摩擦力)を減ずる装置としての滑り板16(例えば、摩擦式や回転式のスライドなど)を配する 。
【0013 】
すると、図6に示すように急曲線では台車10の回転と共にまくらばね12の上受け座13aが前後方向に移動してまくらばね12の前後方向の変形を解消する。したがって、ボルスタレス台車の回転抵抗が小さくなり、急曲線通過時に発生する横圧を減少させ車両の安定走行を達成することができる。台車10の左右に配置されたまくらばね12の上受け座13aはそれぞれカーブの方向に応じて逆方向に移動して、台車10をカーブに合わせて回転する。
【0014 】
また、曲線通過中の車両の走行性能を評価する値の一つである、外軌側横圧Qの値は、以下のようにして求められる。
Q=ΔQ1+ΔQ2+ΔQ3+ΔQ4
ここで、ΔQ1は転向横圧、ΔQ2は超過遠心力による横圧、ΔQ3はボギー角により生じる横圧、ΔQ4は軌道の狂いや車両動揺等によって生じる横圧である。本発明では、ボギー角ψBにより生じる横圧であるΔQ3 を減少させることを目的としている。ボギー角ψBにより生じる横圧であるΔQ3 は以下のようにして求められる。
ΔQ3 =β2k2 χb2 2L/(αTR)
ここで、βは前軸負担率、k2 χは、まくらばね前後剛性、b2は、まくらばね座取り付け間隔(左右)/2、2Lは台車中心間距離、αTは軸間距離、Rは曲線半径である。本実施例では、急曲線通過中におけるボルスタレス台車の上下の受け座に生じる相対変位である、b2L/(αTR)を非常に小さく出来ることから、ボギー角ψBにより生じる横圧を小さくすることができる。
【0015 】
例えば、曲線半径150mを通過する通常のボルスタレス台車を有する車両に生じる第一外軸軌側の横圧が約20kNだとすると、本発明の車両構造では、上下のまくらばね受け座13a、13b間に生じる相対変位を略ゼロに出来るので、約7.8kNに低減することができる。
【0016 】
尚、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想にもとづいて種々の設計変更が可能である。
【0017 】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に係る車両構造は、ボルスタレス台車構造を有する車両構造において、台車と車体との間に配設されたまくらばねの受け座を車両の進行方向の前後に移動可能な移動機構を備えたので、まくらバネにおける台車の回転抵抗を小さくすることによって、急曲線を通過する際に発生する横圧を小さくすることができる。
【0018 】
また、本発明の請求項2に記載の車両構造は、まくらばねの上下に配置された受け座の内、車体側の上受け座を移動可能とするので、受け座の移動、固定の制御が容易である。
【0019 】
また、本発明の請求項3に記載の車両構造における移動機構は、急曲線通過時のみ前記受け座を移動可能とし、直線走行時には固定しているので、直線走行時の走行安定性を損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る車両構造を示す側面図である。
【図2】 同車両構造を示す拡大正面図である。
【図3】 同車両構造が曲線を通過する際に生じるボギー角を示す説明図である。
【図4】 同車両構造が通常走行する場合を示す説明図である。
【図5】 同車両構造が急曲線を走行する状態を示す説明図である。
【図6】 同車両構造が急曲線を走行する状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 台車
11 車体
12 まくらばね
13 受け座
14 移動機構
15 牽引装置
16 滑り板
Claims (2)
- ボルスタレス台車構造を有する車両構造において、台車と車体との間に配設されたまくらばねの受け座を車両の進行方向の前後に移動可能な移動機構を備え、前記移動機構は、急曲線通過時のみ前記受け座を移動可能とすることを特徴とする車両構造。
- 前記まくらばねの上下に配置された受け座の内、車体側の上受け座を移動することを特徴とする請求項1に記載の車両構造。
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DE112013007135B4 (de) | 2013-06-07 | 2018-05-03 | Hitachi, Ltd. | Schienenfahrzeug, das Seitenkraft reduzieren kann, und Verfahren zum Reduzieren von Seitenkraft |
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2001
- 2001-03-30 JP JP2001100529A patent/JP4095257B2/ja not_active Expired - Lifetime
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