JP4690712B2 - 車両 - Google Patents
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Description
車体と台車とを走行方向に沿って少なくとも1つの牽引ロッドで互いに結合されている構造のものが、例えば特許文献1(特開平11−342844号公報)に開示されている。
また左右2本並行に配置された牽引ロッドの両端に球面軸受を使用していることから、車体と台車は左右方向に並行な牽引ロッドの動きに制約されることになる。
さらに牽引ロッドに常に台車及び車体の両方から無理がかかっていることになり、牽引ロッドの両端接続部に設けられた球面軸受の磨耗を増やし、牽引ロッドのガタを大きくして、車両の振動や騒音を大きくすることになる。
台車がこの車体の動きに追従してしまうと、車輪がレールの接線方向より外方へ向くことになり、いわゆるアタック角が大きくなり、車輪は大きな横圧を受けることになる。この横圧と車輪重量との比が一定値を超えると脱線することになるので、横圧は極力低く抑えることが安全上必要となる。
また防振ゴムのたわみは、台車がレールに対しある程度拘束されて動かないため、車体に対する復元力となって働くことから、車体をレールの軌道中心に戻す作用も出てくる。
これによって車両がカーブに進入するときに発生する車体と台車の動きのズレを吸収し、車輪の特に先頭車両の車輪のレールその他の軌道に対するアタック角を小さくするとともに、横圧の低減及び車輪のフランジ磨耗の軽減を実現することができる。
2本の牽引ロッド33を平行に配置した場合は、前述のようにトレーリング効果とストッパー当りした場合の横圧低減効果のみとなる。
これは台車のアタック角を大きくし横圧を大きくし脱線し易くすることになり、全く逆の効果となる。
また防振ゴムのたわみは、台車がレールに対しある程度拘束されて動かないため、車体に対する復元力となって働くことから、車体をレールの軌道中心に戻す作用も出てくる。
これによって車両がカーブに進入するときに発生する車体と台車の動きのズレを吸収し、車輪の特に先頭車両の車輪のレールその他の軌道に対するアタック角を小さくするとともに、横圧の低減及び車輪のフランジ磨耗の軽減を実現することができる。
従って車両がカーブに進入するときの車輪のアタック角を小さくするとともに、横圧の低減及びフランジ磨耗の軽減を実現することができる。これによって乗客に与える不快感をなくし、乗り心地を良くし、車両の安定性を高めることができる。
これにより車輪、特に先頭車両の車輪のアタック角はさらに小さくなり、横圧が低減されるとともに、フランジの磨耗を軽減することができる。このことは、車体に加わる衝撃を小さくするとともに、車体の動きも速やかに収斂され、乗り心地を良くするとともに、車両の安全性を高めることになる。
図3は、本発明車両の第1実施例を模式的に示す平面図、図4は、前記第1実施例における台車部の拡大平面図、図5は、図4中のB−B断面図、図6は、図4中のA−A断面図、図7は、前記第1実施例の牽引ロッドの一部断面立面図、図8は、前記牽引ロッドの平面図、図9は、前記第1実施例において、先頭車両のカーブ進入時の挙動を示す平面図、図10は、前記第1実施例において、後尾車両のカーブ進入時の挙動を示す平面図、図11は、前記第1実施例において、ストッパ機構8等の作動状況を示す平面図である。
なお、aは車両進行方向である。
またストッパ機構8は、台車側に固定された1対のストッパ12と、車体側に固定され、ストッパ12間に配置された係止部材11とが、互いに同一高さ水準に配置されてなり、台車フレーム1aに対し車体の横方向のズレが生じたときに車体側に固定された係止部材11が台車側に固定されたストッパ12に接触して係止される。本実施例において、ストッパ機構8は台車中心c(図3参照)より後方側に配置されている。
なお後尾車両2は、先頭車両とは、逆の配置をしており、このため進行方向aが逆になり、後尾車両2が先頭車両となったときは、現先頭車両1と同様の構造、配置となり、現先頭車両1と同様の機能を有することになる。
車両がカーブに進入するときの挙動を図9〜11に基づいて説明する。図9は先頭車両の挙動であり、図10は後尾車両の挙動を示す。図9〜10において、dは車体に作用する遠心力、e及びiは台車に働くモーメント、fは車体の傾きを示す曲線、gは台車の傾きを示す曲線、hはカーブする軌道の中心を示す曲線である。
次に先頭車両1において、ストッパ機構8の位置は台車中心cよりも後ろ側にあるため、車体側に接続された係止部材11が左右ストッパ12、12に当った場合、台車には時計廻りのモーメントeが作用し、牽引ロッド7の両端に介在された防振ゴム16及び17が撓んだ分だけ、車体の傾きとは逆にカーブ軌道中心hに向う方向に台車が旋回する。
また中間車両3は車体の前後に別な車両が連接されているため、中間車両3の動きは前後で抑えられ、そのため左右に振られることはあまりなく、特に本発明の構成を採用しなくてもさほど支障はない。
(a)において、車両が右カーブに進入した場合は、先頭車両1及び後尾車両2ともに、車体が横力jを受け、車両の中心が車体−台車中心線l上から変位後の中心線m上に移るとともに、車体側に接続された係止部材11が左側のストッパ12に当たる。車体が横力jを受けることによって牽引ロッド7は車体側接続端7bが左側に振られ、7’に移動する。
図11の(c)において、車両が左カーブに進入した場合は、先頭車両1と後尾車両2において(a)の場合と全く左右を逆にした挙動となる。即ち車両1、2には右方向の横力nが加わり、車両の中心が車体−台車中心線l上から変位後の中心線m上に移るとともに、車体側に接続された係止部材11が右側のストッパ12に当たる。車体が横力nを受けることによって牽引ロッド7は車体側接続端7bが右側に振られ、7’に移動する。
かかる第2実施例によれば、車体側接続端21b間の間隔L2を台車側接続端21a間の間隔L1より広くすることによって、先頭車両がカーブに進入した場合、車体が超過遠心力によりカーブ外方へ振られると、牽引ロッド21の台車側接続端21aが台車中心より後側で台車と接続されているため、先頭車両の台車はカーブに内方に向くように傾く。このことは、カーブ外方向に振られる車体の動きとは逆に、先頭台車はカーブの曲がり方向に沿った動きとなり、これによって先頭車両の車輪のアタック角も小さくなり、抑圧の低減、及び車輪のフランジ磨耗の軽減を達成できる。その他ストッパ機構8等による作用効果は前記第1実施例と同一である。
また図13(a)及び(b)に示すように、1車体に1台車を装備しても、1車両に2台車両を装備してもよい。
1a、2a 台車フレーム
1c、2c 台車輪郭
1d、2d 車体輪郭
2 後尾車両
3 中間車両
4、31、31a 車輪
5 連接軸
6 車端ダンパ
7 牽引ロッド
7a 台車側接続端
7b 車体側接続端
8 ストッパ機構
9 台車側接続軸
10 車体側接続軸
11 係止部材
12 ストッパ
13 横方向ダンパ
13a 台車側接続端
13b 車体側接続端
14 台車側接続軸
15 車体側接続軸
16、17 防振ゴム
30、30a 台車
32、32a 車体
33、33a 牽引ロッド
34、34a 車体側接続部
35、35a 台車側接続部
a 車両進行方向
b 車両長手軸線
c 台車中心
e、i 回転モーメント
f 車体の傾き曲線
g 台車の傾き曲線
h カーブ軌道中心曲線
j、n 横力
k、o 台車の旋回角
l 車体−台車中心線
m 車体変位後の中心線
Claims (3)
- 車体と車体を載置し走行車輪を備えた台車とからなり、一端側が車体側に接続され他端側が台車に接続されて台車の牽引力を車体に伝達する牽引ロッドを備え、台車側に固定された抑止部材と、同抑止部材に対し同じ高さ水準で許容範囲以内の隙間を有して車体側に固定された係止部材からなり、車体と台車との左右方向の相対的変位を制限するストッパ機構を備えた車両において、少なくとも先頭車両において、前記牽引ロッドを車両の長手軸線に沿ってその両側に2本並行に配置し、前記牽引ロッドの一端と車体側との接続部を台車中心より先頭側に位置させるとともに、同牽引ロッドの他端と台車側との接続部を台車中心より後側に位置させ、前記両接続部に防振ゴムを介在させ、更に前記ストッパ機構を台車中心より後側に設けたことを特徴とする車両。
- 車体と車体を載置し走行車輪を備えた台車とからなり、一端側が車体側に接続され他端側が台車に接続されて台車の牽引力を車体に伝達する牽引ロッドを備え、台車側に固定された抑止部材と、同抑止部材に対し同じ高さ水準で許容範囲以内の隙間を有して車体側に固定された係止部材からなり、車体と台車との左右方向の相対的変位を制限するストッパ機構を備えた車両において、少なくとも先頭車両において、前記牽引ロッドを車両の長手軸線に沿ってその両側に2本並行に配置し、前記牽引ロッドの一端と車体側との接続部を台車中心より先頭側に位置させるとともに、同牽引ロッドの他端と台車側との接続部を台車中心より後側に位置させ、前記両接続部に防振ゴムを介在させ、更に前記2本の牽引ロッドの車体側接続部間の間隔を台車側接続部間の間隔より広くしたことを特徴とする車両。
- 後尾車両において、前記牽引ロッドの一端と車体側との接続部を台車中心より後尾側に位置させるとともに、同牽引ロッドの他端と台車側との接続部を台車中心より前側に位置させ、前記ストッパ機構を台車中心より前側に設けたことを特徴とする請求項1記載の車両。
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