JP2003237571A - 鉄道車両用一軸台車 - Google Patents

鉄道車両用一軸台車

Info

Publication number
JP2003237571A
JP2003237571A JP2002043036A JP2002043036A JP2003237571A JP 2003237571 A JP2003237571 A JP 2003237571A JP 2002043036 A JP2002043036 A JP 2002043036A JP 2002043036 A JP2002043036 A JP 2002043036A JP 2003237571 A JP2003237571 A JP 2003237571A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bogie
uniaxial
bogie frame
independent wheel
wheel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002043036A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3604668B2 (ja
Inventor
Hideji Akashi
秀二 明石
Junichi Terai
淳一 寺井
Shinya Matsuki
信哉 松木
Yukinobu Kono
行伸 河野
Hirohide Matsushima
博英 松嶋
Hideaki Ezaki
秀明 江崎
Koji Kadota
浩次 門田
Osamu Murakishi
治 村岸
Toru Nishida
徹 西田
Noboru Kobayashi
昇 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Kawaju Sharyo Engineering KK
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Kawaju Sharyo Engineering KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Heavy Industries Ltd, Kawaju Sharyo Engineering KK filed Critical Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority to JP2002043036A priority Critical patent/JP3604668B2/ja
Publication of JP2003237571A publication Critical patent/JP2003237571A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3604668B2 publication Critical patent/JP3604668B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低床式の路面電車に好適であり、軌道上に走
行可能に載置される車輪を備えた独立車輪部を操向可能
に台車枠に取り付け、駆動部を備える場合にも全体構造
が簡単で小形軽量化でき、最小回転半径が小さく急な曲
線路においても車輪が線路に沿って円滑に操向する鉄道
車両用一軸台車を提供する。 【解決手段】 ケーシング6aの一端に回転自在な車輪
5aを備えた独立車輪部5を台車枠2の両側にキングピ
ン11を介して水平旋回可能に設け、各独立車輪部5の
前後部と台車枠2の前後部との間に、板状リンク部材1
6a・16bを垂直軸16cを介して水平面内の一定領
域内で変位可能に接続した水平リンク機構16の両端
を、それぞれ垂直軸16d・16eにて枢支・連結して
介設している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両用一軸台
車(一つの台車枠に一対の車輪を備えた)に関するもの
で、鉄道車両のうちでも、とくに低床式路面電車に好適
であり、詳しくは回転半径の小さな(たとえば30m未
満)曲線路を走行可能で、左右の各車輪がそれぞれ個々
に独立して操向(水平旋回)する独立車輪部を備えた一
軸台車に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギー、低公害およびバリ
アフリーなどの特性を有することから、LRT(Lig
ht Rail Transit)と称される路面電車
が再評価され、欧米をはじめ各都市で導入が進んでい
る。この種の路面電車は、車両重量が軽く、軌道上を走
行する台車部分を一軸台車で構成することができる。一
軸台車は周知のように、台車枠には左右に車輪を一つず
つしか備えていないことから、台車がピッチングしやす
いという欠点がある。
【0003】そこで、たとえば車両の床面が軌道上から
かなり高い位置(800〜1100mm)に位置してい
る高床式の一軸台車では、台車枠の前後に上下一対のラ
ジアスロッドを配置して、これらのロッドの踏ん張りに
よってピッチングを防止することを基本にした、DSB
(Danske Stads Banen:デンマーク
国鉄)の一軸台車が運用されている。
【0004】その他の先行技術として、特開平10−2
50573号公報に記載の一軸台車がある。この台車
は、1本の輪軸の両端を高弾性率の軸ばねを介して台車
枠に支持し、この台車枠と車体との間に複数個の枕ばね
を介して車体を支持し、前記台車枠と前記車体とを前後
方向の相対的な移動を規制する牽引機構により連結した
構造からなっている。また、特開昭60−64065号
公報に記載の台車もある。
【0005】ところで、上記した先行技術に係る各台車
は、いずれも左右の車輪を軸支した台車ごと旋回させて
曲線路を走行する構造からなることから、曲線路の回転
半径が例えば30m以下のような急なカーブになると、
カーブした軌道に沿って車輪が追随して操向(水平旋
回)できなくなるおそれがある。つまり、そのような急
カーブでは、車輪の持つ踏面勾配のみでは左右の車輪の
半径差を補足しきれず、車輪がレールに対して逆アタッ
クアングルを持つような挙動が見られる。これを回避す
るために、左右の車輪を個々に独立して操向させる必要
がでてくるが、こうした構造の台車については、たとえ
ば欧州特許公開第308720号に提案されている。こ
の台車においては、台車枠の内側に垂直なピン(一種の
キングピン)を介して相対向する一対の車輪をそれぞれ
水平旋回自在に支持している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のDSB台車および上記公報に記載の台車では、
次のような点で不都合がある。
【0007】すなわち、車両の床面の高さが軌道から3
00mm程度しかない低床式の路面電車に適用しようと
する場合に、台車が配置される位置の床面をかなり高く
する必要があり、床面に凹凸が生じる。いいかえれば、
100%低床式の路面電車には適用できない。また、特
開昭60−64065号公報に記載の台車などの従来の
技術にかかる台車は、鉄道の一般の台車と曲線通過性を
向上した操舵台車に関する二軸台車であり、また各車軸
は回転式で左右の車輪を一体回転可能に連結した構成で
あるから、一軸台車を対象とし、左右の車輪を連結する
車軸部分を省こうとする本発明の対象とする台車には不
向きである。
【0008】さらに、上記した従来の台車は、台車枠又
は連結はりに駆動用モータが搭載され、台車枠又は連結
はりに装着された減速機を介して車輪に駆動力が伝達さ
れるが、たわみ継手などを用いて減速機を介し車輪を駆
動するために非常に構造が複雑になり、またこの台車の
ばね下重量は車輪車軸と車軸に装架される減速機の重量
のほか、連結はりから減速機および駆動用モータの一部
までが含まれることから、ばね下重量がきわめて大きく
なるために、乗り心地が悪化する。
【0009】また、上記欧州特許公開公報に記載の、操
舵式車輪を備えた台車では、車軸部材が拡大されて台車
枠部材となり、この台車枠部材に駆動用モータや減速機
が直接搭載されている。このため、本方式においては、
車輪を操舵する際、モータと車輪が相対的に変位するた
め、駆動装置にはこれを吸収するための機構が必要にな
り、構造が複雑になる。これによって、ばね下重量が大
きくなるので、モータへの振動や軌道に対する振動荷重
が大きく、耐久性ならびに乗り心地に悪い影響を与え
る。しかも、車輪を操舵する方式であるため、台車枠と
車体間の結合用を含めてリンク機構が多くて構造が複雑
である。
【0010】本発明は上述の点に鑑みなされたもので、
低床式の路面電車に好適であり、軌道上に走行可能に載
置される車輪を備えた独立車輪部を操向可能に台車枠に
取り付け、駆動部を備える場合にも全体構造が簡単で小
形軽量化でき、最小回転半径が小さく(たとえば30m
以下)急な曲線路においても車輪が線路に沿って円滑に
走行する鉄道車両用一軸台車を提供することを目的とし
ている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明にかかる鉄道車両用一軸台車(非駆動台車お
よび駆動台車)は、a)側はり部分を備えた台車枠の端部
を車体の底部に台車枠はりピンなどの支軸を介して他端
側が上下方向に揺動可能に連結し、車体と台車枠間に空
気ばね等の弾性体を介設し、b)左右の各前記側はり部分
の下方に、駆動部又は軸受け部のケーシングの一端に回
転自在な車輪を備えた独立車輪部をキングピンを介して
水平旋回可能に設け、c)前記各独立車輪部の前後部と前
記台車枠内の前後部との間に、リンク部材を垂直軸を介
して水平面内の一定領域内で変位可能に接続した水平リ
ンク機構の両端をそれぞれ垂直軸にて枢支・連結したこ
とを特徴とする。なお、駆動台車にあっては、請求項1
0・11のように独立車輪部のケーシング内に駆動装置
が組み込まれる。
【0012】上記の構成を有する本発明にかかる一軸台
車によれば、左右の各独立車輪部は台車枠の左右の側は
り部分にキングピンを介して水平旋回自在(操向自在)
に取り付けられており、左右の車輪はそれぞれ水平に旋
回するから、たとえば最小回転半径が30m以下の曲線
路においても各車輪がレール(軌道)のカーブに沿って
円滑に走行する。とくに各独立車輪部は、その前後部と
台車枠の前後部との間をそれぞれ水平方向に開閉自在に
接続した水平リンク機構により枢支・連結したから、独
立車輪部は上記キングピンおよび水平リンク機構の少な
くとも一方により垂直荷重が支持され、かつ水平リンク
機構により転倒防止が図られているので、スムーズに水
平旋回する。
【0013】また、台車枠は少なくとも一端が車体の底
部に台車枠はりピン(支軸)を介して上下方向に揺動可
能に連結されており、台車枠(の少なくとも他端)と車
体との間にはそれぞれ空気ばねなどの弾性体が介設され
ているので、走行時の振動等は弾性体で吸収される。さ
らに、駆動台車・非駆動台車を問わず独立車輪部が台車
枠の側はり部分の下方に取り付けられ、構造が簡略化さ
れているので、レール等の軌道から受ける振動が少な
く、車体に伝わる振動が低減されるとともに、軌道に対
する負担が軽減される。そのうえ、主に台車枠と、左右
一対の独立車輪部と、水平リンク機構と、台車枠はりピ
ンおよび弾性体とから構成されているから、部品点数が
少なくて全体構造が簡単で、小形軽量化が図れる。
【0014】請求項2に記載のように、前記各独立車輪
部のケーシングおよび前記側はり部分の垂直部に二股状
ブラケットを縦向きに固設し、垂直軸を介して水平方向
に開閉可能に接続した二つの板状リンク部材の両端を前
記各ブラケットの二股部間に垂直軸にて枢支連結するこ
とができる。
【0015】請求項2記載の鉄道車両用一軸台車によれ
ば、各独立車輪部の旋回に伴って前後の二つの板状リン
ク部材が垂直軸を中心に水平方向に開閉しながら一定領
域内で変位しつつ独立車輪部を支持する。これにより独
立車輪部の転倒防止が図られ、リンク機構も簡略化され
る。
【0016】請求項3に記載のように、前記側はり部分
の下面にキングピン受けを下向きに設けるとともに、前
記各独立車輪部のケーシング上面からキングピンを上向
きに突設して前記キングピン受けに緩挿し、前記各独立
車輪部を水平旋回自在に支持することが好ましい。
【0017】請求項3記載の鉄道車両用一軸台車によれ
ば、左右の各独立車輪部の回転中心がケーシング側のキ
ングピンと側はり部分のキングピン受けとの嵌め合い関
係によって物理的に決定される。また、キングピン部に
よって独立車輪部の垂直荷重が支持され、同時に独立車
輪部の転倒防止も図られる。
【0018】請求項4に記載のように、前記キングピン
受けに緩挿された前記キングピンをスラスト軸受けによ
り支持し、前記各独立車輪部を1つの水平リンク機構に
て水平旋回自在に支持することができる。
【0019】請求項4記載の鉄道車両用一軸台車によれ
ば、左右の各独立車輪部のキングピンをスラスト軸受け
を介して旋回自在に支持したので、1つの水平リンク機
構だけで各独立車輪部の転倒防止を図れる。これによ
り、構造が一層簡略化される。
【0020】請求項5に記載のように、前記側はり部分
の下面に開口を下向きに設け、該開口内に前記キングピ
ン受け部をウレタンゴムなどの弾性体を介して嵌め込む
ことができる。
【0021】請求項5記載の鉄道車両用一軸台車によれ
ば、台車枠や車輪等にあらゆる方向の外力が作用した場
合でも、キングピン受け部と側はり部分の開口との間に
介在させた弾性体によってキングピンがこじれるのが防
止される。
【0022】請求項6に記載のように、左右の前記各独
立車輪部のケーシングからナックルアームをそれぞれ前
方へ延設し、両側のナックルアーム同士を内軌側車輪が
外軌側車輪に比べて大きく操向されるようにタイロッド
により枢支連結することが望ましい。
【0023】請求項6記載の鉄道車両用一軸台車によれ
ば、内外の車輪(独立車輪部)の操舵角(旋回角度)が
曲線部における軌道の接線方向にほぼ一致するようにな
って外軌道側に大きな押圧力が作用するのが防止される
から、軌道の曲線部に沿ってスムーズに旋回する。
【0024】請求項7に記載のように、前記台車枠の基
端側垂直部の両側と前記車体側の垂直部との間を、それ
ぞれ上下一対の支持リンクにて縦向きの平行リンクを構
成するように枢支連結するとともに、前記各支持リンク
の取付部にて車体と台車枠間で相対横移動を許容させ、
その許容範囲の横移動を所定範囲内に規制する横動スト
ッパーを前記車体と前記台車枠間に設けるとよい。
【0025】請求項7記載の鉄道車両用一軸台車によれ
ば、車体に対する一軸台車の幅(左右)方向の相対移動
が可能になり、また車体と一軸台車間に弾性体を介在さ
せたことにより車体の横振動等が低減される。
【0026】請求項8に記載のように、前記台車枠を、
間隔をあけ平行に配した前後一対の横はりと、同横はり
間の両側に跨って一体に設けられ開口を下向きにした側
方より見て「コ」の字形の側はり部分とから構成し、前
記横はりの両端部と前記車体との間に空気ばね等の弾性
体を介設することができる。
【0027】請求項8記載の鉄道車両用一軸台車によれ
ば、台車枠の幅方向の両側に側はり部分が形成され、そ
の下方に独立車輪部がそれぞれ旋回自在に配置されるか
ら、台車枠の幅方向の中間部分には比較的大きな空間が
形成されることになるので、たとえば路面電車の前後に
適用した場合には、一軸台車が配置される車体前後の床
面の中央部分を下げられるために100%低床の路面電
車を構成し得る。
【0028】請求項9に記載のように、前記独立車輪部
のケーシングから前方へ延設したナックルアームの少な
くとも一方の一端にロッドの一端を枢支連結し、このロ
ッドに一体に設けた略V状又は略U状のカム部に対しカ
ム従動子を添接するとともに、前記カム部の範囲を一定
に制限したうえで復元ばねを介してカム従動子を直交す
る方向に付勢することにより前記独立車輪部の直進性を
保つようにすることが望ましい。
【0029】請求項9記載の鉄道車両用一軸台車によれ
ば、復元ばねの付勢力によりカム従動子を介して独立車
輪部に接続されたロッドと一体のカム部を付勢し、その
勾配による分力をロッドの軸方向力として取り出して独
立車輪部が中立位置、つまり直進方向を向くように保持
されているから、高速での直進走行時や力行、制動時な
どに外乱が作用した場合の安定性が確保される。一方、
急曲線路通過時など車輪を大きく操舵する必要がある場
合には、カム部の領域を越えて独立車輪部が操舵される
ことにより、車輪が旋回する際に復元ばねによる抵抗力
を受けることがない。またカム部の形状を略V状又は略
U状にし、中立位置では少々の遊びができるようにした
ことから、直線路から曲線路への移行時などにロッドの
軸方向力が急変するのが防げるとともに、カム従動子の
局部接触面圧を下げる作用も生じる。
【0030】請求項10に記載のように、前記独立車輪
部を、前記ケーシング内に組み込んだダイレクトドライ
ブモータ(DDM)とこの駆動軸に直結された車輪とか
ら構成することができる。
【0031】請求項10記載の鉄道車両用一軸台車によ
れば、モータ直結の車輪を左右に配置して車両を駆動す
ることで、構造が簡略化され、かつ軽量化が図られる。
【0032】請求項11に記載のように、前記独立車輪
部を、前記ケーシング内に組み込んだ減速機構付きモー
タとこの駆動軸に直結された車輪とから構成することが
できる。
【0033】請求項11記載の鉄道車両用一軸台車によ
っても、モータ直結の車輪を左右に配置して車両を駆動
することで、構造が簡略化され、かつ軽量化が図られ
る。
【0034】請求項12に記載のように、前記台車枠
を、横はり端部と側はり部分端部とを直角に結合して平
面視略「L」形の台車枠はりの一対を構成し、これらの
台車枠はりを対向するように端部を突き合わせて平面視
長方形状に組み合わせ、各突き合わせ端部同士を連結ピ
ンを介して枢支連結するか、球面軸受け又はゴムブッシ
ュを介して弾性結合するかすることが望ましい。
【0035】請求項12記載の鉄道車両用一軸台車によ
れば、台車枠をL形の台車枠はりに二分割し、枢支連結
するか弾性的に結合するかすることにより台車枠のねじ
りに対し自由度を与えているので、左右のレールのねじ
れなどいわゆる軌道の不整に対して輪重変動を最小限に
抑制することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の鉄道車両用一軸台
車を低床式路面電車に適用した実施例について図面を参
照して説明する。
【0037】図11は本発明の実施例にかかる一軸台車
を適用した100%低床式単一車両を示す側面図であ
る。図1〜図3は本発明の実施例にかかる、図11の車
両に配置した一軸台車を示すもので、図1(a)は右半
分を省略した平面図、図1(b)は左側面図、図2
(a)は図1(a)の一軸台車の車輪を右方向に操向さ
せた状態を示す平面図、図2(b)は図2(a)のB方
向矢視図、図3は図1(a)の一軸台車を示す正面図で
ある。
【0038】図11に示すように、各路面電車31は床
面33が軌道としてのレール35から300mm前後の
高さに位置する100%低床式で、車体32の前後の台
車は全て一軸台車1からなり、床面33は一軸台車1の
中央位置で幅がやや狭くなっているが、車体32の全長
にわたり連続して平坦な床面から構成されている。
【0039】図1(a)に示すように、上記車体32の
前後に配置される各一軸台車1は台車枠2および駆動モ
ータ(DDM:ダイレクトドライブモータ)6と一体の
車輪5aをもつ独立車輪部5などを備えている。台車枠
2は前後一対の横はり3・3を前後方向に間隔をあけて
平行に備え、先端側の横はり3の両端部3aをあけ基端
側横はり3は両端部3bをあけずにその両方に跨って、
図1(b)のように開口を下向きにした側方より見て
「コ」の字形の側はり部分4・4を幅(左右)方向に間
隔をあけて平行にかつ一体に備えている。このように台
車枠2は横はり3・3と側はり部分4・4とにより平面
視が略長方形の剛体に形成され、各側はり部分4の上部
4aの前後方向の中間部4bが図1(a)のように略六
角形状に幅方向へ張り出して幅広に形成されている。
【0040】一軸台車1は、図11のように車体32の
床面33の前後に設けられた凹所34内に配置されてい
る。凹所34内の車体32の両側で基端側垂直壁34a
に二股状ブラケット8aが固設され、一軸台車1の側は
り4の基端側垂直部分4cに支持ブラケット8bが突設
され、ブラケット8a間に挿入されて支軸としての台車
枠はりピン8にて枢着されている。一軸台車1側の支持
ブラケット8bは、車体32側のブラケット8aの台車
枠はりピン(支軸)8に対し車体32の左右(幅)方向
への横移動を許容するように支持されている。そして、
この台車枠2の横移動を制限するための一対のストッパ
ー9・9(・9)が、基端側垂直壁34aと基端側の横
はり3とに相対向するように突設されている。さらに凹
所34内の車体32の底面32aと先端側横はり3の両
端部3aとの間に、積層ゴム、空気ばねなどの弾性体や
圧縮スプリングなどからなる枕ばね10が上下両端にば
ね受け座10aを介して介設されている。
【0041】駆動モータとしてのDDM6は円筒形ケー
シング6a内に組み込まれており、ケーシング6aの一
端から駆動軸5b(図1(a))を突出させて、この駆
動軸5bに車輪5aが一体回転可能に直結され、独立車
輪部5が構成されている。なお、図示は省略するが、こ
の独立車輪部5内にはDDM6のほか、軸受け装置やブ
レーキ装置などが組み込まれている。ケーシング6aの
上面には、図4(a)のようにキングピン11が上向き
に突設され、側はり部分4の上部中間部4bに下向きに
取り付けたキングピン受け12内に円筒状のブッシュ1
4を介して旋回自在に緩挿されている。一方、キングピ
ン受け12は側はり部分4の上部中間部4bに下向きに
設けた開口13内に圧入されており、またキングピン受
け12の開口部周囲にはスラスト軸受け15が配設さ
れ、キングピン11を回転自在に支持している。
【0042】DDM6のケーシング6aの前後両側に二
股状ブラケット19がそれぞれ回転軸が垂直になるよう
に突設されている。一方、台車枠2の前後の横はり3の
下端部と側はり部分4の垂直部4cとの間に、それぞれ
二股状ブラケット20がそれぞれ回転軸が垂直になるよ
うに突設されている。そして、長さの異なる二枚の板状
リンク部材16aと16bとを垂直軸16cを介して水
平方向に開閉自在に連結して水平リンク機構16が構成
されている。左右の独立車輪部5と台車枠2との間に一
対ずつの水平リンク機構16の両端が、前後のブラケッ
ト19と20との間に跨って垂直軸16d・16eにて
枢支連結されている。この構成により、図2に示すよう
に車輪5aを含め独立車輪部5がキングピン11を中心
に旋回可能になるとともに、前後一対の水平リンク機構
16にて支持されることにより独立車輪部5の転倒が防
止され、さらにスラスト軸受け15(図4)により独立
車輪部5の垂直荷重が支持される。なお、スラスト軸受
け15を省いて、水平リンク機構16で総ての垂直荷重
を支持させることもできる。一方、スラスト軸受け15
を備えている場合には、水平リンク機構16を一対でな
く片側だけに設けても実施できる。
【0043】また、ケーシング6aの下端部からナック
ルアーム17を、先端側中央寄りに張り出させている。
そして、両側のナックルアーム17同士は、タイロッド
18によりそれぞれ垂直ピン18aを介して転回自在に
枢支・接続されている。なお、タイロッド18と左右の
各ナックルアーム17との接続関係は、レール35の曲
線部で左右の車輪5aが一方へ操向される際に、内軌側
の車輪5aが外軌側車輪5aに比べてやや大きく操向
(旋回)するようにナックルアーム17の傾斜角や寸法
などが設定されている。
【0044】一方の独立車輪部5のナックルアーム17
においてタイロッド18との接続点(垂直ピン18a)
より先端側に、図2(a)のように復元装置21用のロ
ッド21aの一端が枢支ピン21cを介して軸着されて
いる。ロッド21aの他端には第2ロッド21bの一端
が枢支ピン21dを介して枢着されており、この第2ロ
ッド21bの長さ方向の中間部にはカム部22が一体に
形成されている。カム部22は、図5(a)に示すよう
に略Vの字状で、カム部22の移動方向に直交してカム
従動子22aが添接され復元ばね22bによりカム部2
2に向けて付勢されている。復元ばね22bの強さは調
整ねじ22cで調整可能で、カム従動子22aに対向す
る一対のローラ22dでカム部22が移動可能に支持さ
れている。カム部22のカム形状は、図5(b)にロッ
ドのストロークとばね力との関係を表すカム曲線sに示
すように中立点を保持するようにロッド21a・21b
に軸方向力が作用するが、車輪5aの操舵角が大きくな
ると、つまり旋回角度が大きくなって所定の角度を越え
る時には中立点への復元力が作用しないように設定され
ている。なお、カム部22はカムケース23内に収納さ
れ、カムケース23の両端の挿通孔23aから第2ロッ
ド21bが摺動自在に出入りする。
【0045】以上のようにして、本発明の第1実施例に
かかる一軸台車1が構成されるが、この一軸台車1ある
いは同一軸台車1を備えた路面電車31はつぎのように
作動する。すなわち、図1〜図3および図11におい
て、路面電車31は前後の一軸台車1における左右の車
輪5aがDDM6により駆動され、レール35上を走行
する。レール35が直線部では、各一軸台車1における
左右の車輪5aはタイロッド18を介して連動され、そ
れぞれ直進状態に維持されるとともに、復元装置21に
より各車輪5aが直進性つまり中立を保つように維持さ
れる。したがって、高速での直進走行時や力行、制動時
などに外乱が作用した場合でも、各車輪5aは安定した
直進性を確保する。こうした状態は、たとえばレール3
5の緩やかな曲線部を走行する場合にも確保されてお
り、レール35の曲線部から直線部に乗り入れる際など
にも復元装置21により左右の車輪5aがスムーズに中
立状態に戻る。
【0046】また、レール35の直線部から曲線部に乗
り入れる際には、左右の車輪5aはタイロッド18を介
して連動して同一方向へ操舵されるが、正確には、内軌
側車輪5aが外軌側車輪5aよりやや大きく操舵され
る。レール35の比較的緩やかな曲線部上では、左右の
車輪5aはそれぞれ復元装置21の復元ばね22b(図
5(a))の付勢力に抗して操向する。そして、レール
35の曲線状態が急になってくると、カム従動子22a
がカム部22の一方の勾配(カム曲線s)部を乗り越え
るので、復元ばね22bの付勢力が左右の車輪5aには
作用せず、したがって車輪5aはレールの曲線に沿って
スムーズに操舵される。
【0047】こうした車輪5aの操向は、独立車輪部5
がキングピン11を中心に旋回するとともに、前後一対
の水平リンク機構16にて台車枠2の前後部との間で支
持されることにより独立車輪部5の転倒が防止され、本
例ではさらにスラスト軸受け15により独立車輪部5の
垂直荷重が支持される。
【0048】つぎに、図4(b)は独立車輪部5の旋回
中心支持構造の他の実施例を示すもので、この例のキン
グピン受け12’は、上部中間部4bに下向きに設けた
開口13内に、下端部周囲に外向きの鍔部24aを一体
に備え上下両端を開口した円筒状弾性体(ウレタンゴム
など)24を嵌め込んでいる。そして、下端部周囲に外
向きに鍔部12aを一体に備え上下両端を開口した円筒
状のキングピン受け12’を圧入したうえで、キングピ
ン11がブッシュ14を介してキングピン受け12’内
に旋回自在に緩挿されており、キングピン受け12’の
開口部周囲にスラスト軸受け15が配設され、独立車輪
部5がキングピン11を中心に水平旋回するところは、
前記実施例と共通している。本例のキングピン受け1
2’では、台車枠2と独立車輪部5との間に相対的な外
力が作用した際に、円筒状弾性体24によりキングピン
11とスラスト軸受け15とがこじられるのが防止され
る。
【0049】図6(a)は復元装置の他の実施例を示す
もので、この例の復元装置21’では、カム部22’が
略Uの字状で、中立点近傍を緩やかな湾曲部22aに形
成して遊びを設けている。またカム従動子22aに対向
する一対のローラ22dを省いて構造を簡素化してい
る。これら以外の構成については、前記例の復元装置2
1と共通しているので、共通する部材には同一の符号を
用いて示し、説明を省略する。カム部22’のカム形状
は、同図(b)のロッドストロークとロッド反力との関
係を表すカム曲線s’に示すように、中立点付近を広範
囲に保持するようにロッド21a・21bに軸方向力が
作用するが、車輪5aの操舵角が大きくなると、つまり
旋回角度が大きくなって所定の角度を越える時には中立
点への復元力が作用しないようにしているところは、前
記復元装置21と共通している。
【0050】図7は他の実施例にかかる一軸台車を示す
もので、図7(a)は右半分を省略した平面図、図7
(b)は左側面図である。
【0051】図7(a)に示すように本例の一軸台車1
−2は、凹所34内の車体32の両側で基端側垂直壁3
4aに、上下に間隔をあけて一対の支持リンク7・7の
一方がそれぞれ二股状ブラケット8dと支軸8にて軸着
され、支持リンク7・7の他方がそれぞれ一軸台車1の
側はり4の基端側垂直部分4cに二股状ブラケット8e
と支軸8にて軸着されている。また、両側上下の支持リ
ンク7・7は、前後の支軸8・8に対し台車枠2の左右
(幅)方向への横移動を許容するように支持されてい
る。そして、この台車枠2の横移動を制限するための一
対のストッパー9・9が、基端側垂直壁34aと基端側
の横はり3とに相対向するように突設されている。さら
に凹所34内の車体32の底面32aと横はり3の両端
部3aとの間に、積層ゴムなどの弾性体や圧縮スプリン
グなどからなる枕ばね10が上下両端にばね受け座10
aを介して合計で4本ほど介設されている。なお、その
他の構成については、上記した実施例1の一軸台車1に
共通するので、共通する構成部材については同一の符号
を付して説明を省略する。
【0052】以上のようにして構成される本実施例にか
かる一軸台車1−2は、つぎのようなメリットがある。
すなわち、車体32の凹所34内の基端側垂直壁34a
の両側に、台車枠2の基端側を上下一対の縦型平行リン
ク7・7によりそれぞれ枢支連結し、一軸台車1−2が
垂直壁34aと平行に垂直方向に上下動するようにし、
先端側の左右二対の枕ばね10で一軸台車1−2の上下
移動時の振動等を緩衝するようにしている。このため、
台車枠2の剛性を高めても、レール35のねじれ等のい
わゆる軌道の不整に対して輪重変動が少なくなるととも
に、両側の車輪5aがともにレール35の不整に追従す
る。
【0053】図8および図9は本発明のさらに別の実施
例にかかる一軸台車を示すもので、図8(a)は平面
図、図8(b)は左側面図、図9は図8(a)の正面図
である。
【0054】図8・図9に示すように、本例に係る一軸
台車1−3は、横はり3に端部3aをあけて側方視
「コ」の字形の側はり部分4の一方の下端をコの字形開
口を下向きにして一体に連結した一対の平面視「L」形
の台車枠はり2aを、対角線位置で相対向して長方形状
に組み合わせて配置し、一対の台車枠はり2aの突き合
わせ端部をそれぞれ連結ピン29により枢支連結して台
車枠2’を構成している。詳しくは、側はり部分4の垂
直部4cに二股状ブラケット29aを突設し、横はり3
の端部3cの幅を狭くしてブラケット29a(の二股
部)内に挿入し、連結ピン29で枢支連結している。
【0055】そして、各台車枠はり2aの対角線上に対
向する端部を、車体32の基端側垂直壁34aおよび車
体32の底面32aから垂設した先端側の支持部36若
しくは先端側垂直壁にそれぞれ台車枠はりピン(支軸)
8により枢着し、各台車枠はりピン8と対向する側で台
車枠はり2aの直角部近傍と車体32の底面32aとの
間に枕ばね10を介設している。その他の構成について
は、上記実施例の一軸台車1あるいは1−2と共通する
ので、共通する部材を同一の符号を用いて示し、説明を
省略する。
【0056】以上のようにして構成される本実施例にか
かる一軸台車1−3は、つぎのようなメリットがある。
本実施例の一軸台車1−3は台車枠2’を二分割し、左
右のレール35の不整、つまり、ねじれなどに対して台
車枠2’のねじり剛性を低くしているので、いわゆる輪
重変動を最小限に抑制することができる。
【0057】なお、本実施例の連結ピン29による枢支
・連結構造に代えて、たとえば球面軸受けやゴムブッシ
ュを介在させて弾性的に結合し、ねじりに対応して台車
枠2の変形を許容できるようにしてもよい。
【0058】図10は本発明のさらに別の実施例にかか
る一軸台車を示すもので、図10(a)は平面図、図1
0(b)は左側面図である。
【0059】本実施例にかかる一軸台車1−4が上記の
一軸台車1−3と相違するのは、台車枠2’の基端側を
車体32の基端側垂直壁34aの両側に台車枠はりピン
(支軸)8により枢着し、台車枠はり2’の先端側の両
側と車体32の底面32a間に枕ばね10を介設したこ
とであり、その他の構成については全く共通するもので
ある。本例の一軸台車1−4は、レール35の不整に対
して、いわゆる輪重変動を最小限に抑制することができ
るなどのメリットを有する点は、上記実施例3の一軸台
車1−3と同様である。
【0060】ところで、上記実施例では独立車輪部5が
DDM6を備える場合について説明したが、DDM6に
代わりに、独立車輪5aと同一の回転軸上に誘導電動機
と遊星歯車減速機とをケーシング6aに内蔵してもよ
い。この場合でもモータと独立車輪5aとの間に相対変
位が生じないため、複雑な機構は必要なく、その結果、
構造が簡略化される。また、独立車輪部5がDDM6を
備えない、いわゆる従動車輪の場合にも適用できること
は言うまでもない。さらに、水平リンク機構16は3枚
以上のリンク部材を組み合わせて構成してもよく、さら
にまた板状のリンク部材に限らず、棒状のリンク部材を
組み合わせることも可能である。
【0061】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明にかかる鉄道車両用一軸台車には、次のような優
れた効果がある。
【0062】(1)各独立車輪部は台車枠の左右の側は
り部分にキングピンを介して水平旋回自在に取り付けら
れており、左右の車輪はそれぞれ水平に旋回するから、
たとえば最小回転半径が30m以下の曲線路においても
各車輪がレール(軌道)のカーブに沿って円滑に走行す
る。とくに各独立車輪部は、その前後部と台車枠の前後
部との間をそれぞれ水平面内の一定範囲内で変位可能に
接続した水平リンク機構により枢支連結したから、独立
車輪部は上記キングピンおよび水平リンク機構の少なく
とも一方により垂直荷重が支持されることで独立車輪部
の垂直荷重が支持され、かつ水平リンク機構により転倒
防止が図られているので、スムーズに水平旋回する。
【0063】(2)台車枠は少なくとも一端が車体の底
部に台車枠はりピンを介して上下方向に揺動可能に連結
されており、台車枠の少なくとも他端と車体との間には
それぞれ空気ばねなどの弾性体が介設されているので、
走行時の振動等は弾性体で吸収される。さらに、駆動台
車・非駆動台車を問わず独立車輪部は台車枠の側はり部
分の下方に取り付けられているので、構造が簡略化され
るために、レール等の軌道から受ける振動が少なく、車
体に伝わる振動が低減されるとともに、軌道に対する負
担が軽減される。
【0064】(3)台車枠の幅方向の両側に側はり部分
が形成され、その下方に独立車輪部がそれぞれ旋回自在
に配置されるから、台車枠の幅方向の中間部分には比較
的大きな空間が形成されることになるので、たとえば路
面電車の前後に適用した場合には、一軸台車が配置され
る車体前後の床面の中央部分を下げられるために100
%低床式の路面電車に好適で、駆動台車・非駆動台車を
問わずに適用可能であり、しかも部品点数が少なくて全
体構造が簡単で、小形軽量化が図れる。
【0065】(4)左右の各独立車輪部の回転中心がケ
ーシング側のキングピンと側はり部分のキングピン受け
部との嵌め合い関係によって物理的に決定され、またス
ラスト軸受けによって独立車輪部の垂直荷重が支持さ
れ、同時に独立車輪部の転倒防止も図られているから、
軌道の曲線に沿ってスムーズに操向される。
【0066】(5)復元ばねの付勢力によりカム従動子
を介して独立車輪部に接続されたロッドと一体のカム部
を付勢し、その勾配による分力をロッドの軸方向力とし
て取り出して独立車輪部が中立位置、つまり直進方向を
向くように保持されているから、高速での直進走行時や
力行、制動時などに外乱が作用した場合の安定性が確保
される。一方、急曲線路通過時など車輪を大きく操舵す
る必要がある場合には、カム部の領域を越えて独立車輪
部が操舵されることにより、車輪が旋回する際に復元ば
ねによる抵抗力を受けることがない。またカム部の形状
を略V状又は略U状にし、中立位置では少々の遊びがで
きるようにしたことから、直線路から曲線路への移行時
などにロッドの軸方向力が急変するのが防げるととも
に、カム従動子の局部接触面圧を下げる作用も生じる。
【0067】(6)独立車輪部を、前記ケーシング内に
組み込んだダイレクトドライブモータ(DDM)あるい
は減速機付きモータとこの駆動軸に直結された車輪とか
ら構成し、モータ直結の車輪を左右に配置して車両を駆
動することで、構造が簡略化され、かつ軽量化が図られ
る。
【0068】(7)台車枠を、一対の台車枠はりに二分
割し、これらの台車枠はりの端部を突き合わせて長方形
状に組み合わせ、各突き合わせ端部同士を連結ピンを介
して枢支連結するか、球面軸受け又はゴムブッシュを介
して弾性結合するかすることにより台車枠のねじり剛性
を低くしているので、軌道のねじれなどのいわゆる不整
に対して輪重変動を最小限に抑制することができる。
【0069】(8)左右の操舵用ナックルアームを、内
軌側車輪が外軌側車輪に比べて大きく操向されるように
傾斜角度をつけるなどしてタイロッドにより枢支連結す
ることにより、内外の車輪の回転角(操舵角)が曲線部
における軌道の接線方向にほぼ一致するようになって外
軌道側に大きな押圧力が作用するのが防止されるから、
軌道の曲線部に沿ってスムーズに旋回する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1〜図3は本発明の実施例にかかる、図11
の車両に配置した一軸台車を示すもので、図1(a)は
右半分を省略した平面図、図1(b)は左側面図であ
る。
【図2】図2(a)は図1(a)の一軸台車の車輪を右
方向に操向させた状態を示す平面図、図2(b)は図2
(a)のB方向矢視図である。
【図3】図1(a)の一軸台車を示す正面図である。
【図4】図4(a)は独立車輪部5の旋回中心支持構造
の実施例を示す一部断面図、4(b)は独立車輪部5の
旋回中心支持構造の他の実施例を示す一部断面図であ
る。
【図5】図5(a)は復元装置の実施例を示す、一部を
切り欠いて示す拡大正面図、図5(b)は図5(a)の
カム部によるカム曲線を示す線図である。
【図6】図6(a)は復元装置の他の実施例を示す、一
部を切り欠いて示す拡大正面図、図6(b)は図6
(a)のカム部によるカム曲線を示す線図である。
【図7】本発明の他の実施例にかかる一軸台車を示すも
ので、図7(a)は右半分を省略した平面図、図7
(b)は左側面図である。
【図8】図8および図9は本発明のさらに別の実施例に
かかる一軸台車を示すもので、図8(a)は平面図、図
8(b)は左側面図である。
【図9】図8(a)の一軸台車を示す正面図である。
【図10】本発明のさらに別の実施例にかかる一軸台車
を示すもので、図10(a)は平面図、図10(b)は
左側面図である。
【図11】本発明の実施例に係る一軸台車を適用した1
00%低床式の単一車両を示す側面図である。
【符号の説明】
1〜1−4 一軸台車 2・2’台車枠 2a 台車枠はり 3 横はり 4 側はり部分 5 独立車輪部 5a 車輪 5b 駆動軸 6 DDM(ダイレクトドライブモータ) 6a ケーシング 7 支持リンク(平行リンク機構) 8 支軸(台車枠はりピン) 9 ストッパー 10 枕ばね 11 キングピン 12 キングピン受け 13 開口 14 ブッシュ 15 スラスト軸受け 16 水平リンク機構 16a・16b 板状リンク部材 17 ナックルアーム 18 タイロッド 19・20 二股状ブラケット 21 復元装置 22 カム部 22aカム従動子 22b復元ばね 29 連結ピン 31 路面電車 32 車体 33 床面 34 凹所 34a 基端側垂直壁 35 レール 36 支持部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 明石 秀二 兵庫県神戸市兵庫区和田山通2丁目1番18 号 川崎重工業株式会社兵庫工場内 (72)発明者 寺井 淳一 兵庫県神戸市兵庫区和田山通2丁目1番18 号 川崎重工業株式会社兵庫工場内 (72)発明者 松木 信哉 兵庫県神戸市兵庫区和田山通2丁目1番18 号 川崎重工業株式会社兵庫工場内 (72)発明者 河野 行伸 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 松嶋 博英 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 江崎 秀明 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 門田 浩次 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 村岸 治 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 西田 徹 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工業 株式会社明石工場内 (72)発明者 小林 昇 兵庫県神戸市和田山通2丁目12番14号 川 重車両エンジニアリング株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 側はり部分を備えた台車枠の端部を車体
    の底部に台車枠はりピンなどの支軸を介して他端側が上
    下方向に揺動可能に連結し、車体と台車枠間に空気ばね
    等の弾性体を介設し、 左右の各前記側はり部分の下方に、駆動部又は軸受け部
    のケーシングの一端に回転自在な車輪を備えた独立車輪
    部をキングピンを介して水平旋回可能に設け、 前記各独立車輪部の前後部と前記台車枠の前後部との間
    に、リンク部材を垂直軸を介して水平面内の一定領域内
    で変位可能に接続した水平リンク機構の両端をそれぞれ
    垂直軸にて枢支・連結して介設したことを特徴とする鉄
    道車両用一軸台車。
  2. 【請求項2】 前記各独立車輪部のケーシングおよび前
    記側はり部分の垂直部に二股状ブラケットを縦向きに固
    設し、垂直軸を介して水平面内の一定領域内で変位可能
    に接続した二つの板状リンク部材の両端を前記各ブラケ
    ットの二股部間に垂直軸にて枢支・連結したことを特徴
    とする請求項1記載の鉄道車両用一軸台車。
  3. 【請求項3】 前記側はり部分の下面にキングピン受け
    を下向きに設けるとともに、前記各独立車輪部のケーシ
    ング上面からキングピンを上向きに突設して前記キング
    ピン受けに緩挿し、前記各独立車輪部を水平旋回自在に
    支持したことを特徴とする請求項1又は2記載の鉄道車
    両用一軸台車。
  4. 【請求項4】 前記キングピン受けに緩挿された前記キ
    ングピンをスラスト軸受けにより支持し、前記各独立車
    輪部を1つの水平リンク機構にて水平旋回自在に支持支
    持したことを特徴とする請求項3記載の鉄道車両用一軸
    台車。
  5. 【請求項5】 前記側はり部分の下面に開口を下向きに
    設け、該開口内に前記キングピン受けをウレタンゴムな
    どの弾性体を介して嵌め込んだことを特徴とする請求項
    3又は4記載の鉄道車両用一軸台車。
  6. 【請求項6】 左右の前記各独立車輪部のケーシングか
    らナックルアームをそれぞれ前方へ延設し、両側のナッ
    クルアーム同士を内軌側車輪が外軌側車輪に比べて大き
    く操向されるようにタイロッドにより枢支連結したこと
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の鉄道車両用
    一軸台車。
  7. 【請求項7】 前記台車枠の基端側垂直部の両側と前記
    車体側の垂直部との間を、それぞれ上下一対の支持リン
    クにて縦向きの平行リンクを構成するように枢支連結す
    るとともに、前記各支持リンクの取付部にて車体と台車
    枠間で相対横移動を許容させ、その許容範囲の横移動を
    所定範囲内に規制する横動ストッパーを前記車体と前記
    台車枠間に設けたことを特徴とする請求項1〜6のいず
    れか記載の鉄道車両用一軸台車。
  8. 【請求項8】 前記台車枠を、間隔をあけ平行に配した
    前後一対の横はりと、同横はり間の両側に跨って一体に
    設けられ開口を下向きにした側方より見て「コ」の字形
    の側はり部分とから構成し、前記横はりの両端部と前記
    車体との間に空気ばね等の弾性体を介設したことを特徴
    とする請求項1〜7のいずれか記載の鉄道車両用一軸台
    車。
  9. 【請求項9】 前記独立車輪部のケーシングから前方へ
    延設したナックルアームの少なくとも一方の一端にロッ
    ドの一端を枢支連結し、このロッドに一体に設けた略V
    状又は略U状のカム部に対しカム従動子を添接するとと
    もに、前記カム部の範囲を一定に制限したうえで復元ば
    ねを介してカム従動子を直交する方向に付勢することに
    より前記独立車輪部の直進性を保つようにしたことを特
    徴とする請求項1〜8のいずれか記載の鉄道車両用一軸
    台車。
  10. 【請求項10】 前記独立車輪部を、前記ケーシング内
    に組み込んだダイレクトドライブモータとこの駆動軸に
    直結された車輪とから構成したことを特徴とする請求項
    1〜9のいずれか記載の鉄道車両用一軸台車。
  11. 【請求項11】 前記独立車輪部を、前記ケーシング内
    に組み込んだ減速機構付きモータとこの駆動軸に直結さ
    れた車輪とから構成したことを特徴とする請求項1〜9
    のいずれか記載の鉄道車両用一軸台車。
  12. 【請求項12】 前記台車枠を、横はり端部と側はり部
    分端部とを直角に結合して平面視略「L」形の台車枠は
    りの一対を構成し、これらの台車枠はりを対向するよう
    に端部を突き合わせて平面視長方形状に組み合わせ、各
    突き合わせ端部同士を連結ピンを介して枢支連結する
    か、球面軸受け又はゴムブッシュを介して弾性結合する
    かしたことを特徴とする請求項1〜11のいずれか記載
    の鉄道車両用一軸台車。
JP2002043036A 2002-02-20 2002-02-20 鉄道車両用一軸台車 Expired - Fee Related JP3604668B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002043036A JP3604668B2 (ja) 2002-02-20 2002-02-20 鉄道車両用一軸台車

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002043036A JP3604668B2 (ja) 2002-02-20 2002-02-20 鉄道車両用一軸台車

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003237571A true JP2003237571A (ja) 2003-08-27
JP3604668B2 JP3604668B2 (ja) 2004-12-22

Family

ID=27782952

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002043036A Expired - Fee Related JP3604668B2 (ja) 2002-02-20 2002-02-20 鉄道車両用一軸台車

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3604668B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007230508A (ja) * 2006-03-03 2007-09-13 Ntn Corp 鉄道車両用車輪駆動構造
JP5669914B1 (ja) * 2013-10-18 2015-02-18 三菱重工業株式会社 走行台車、及び軌道系交通システムの車両
CN105270428A (zh) * 2015-10-12 2016-01-27 南车青岛四方机车车辆股份有限公司 低地板车辆用轴桥及安装有该轴桥的低地板转向架
CN113665618A (zh) * 2021-09-28 2021-11-19 株洲中车特种装备科技有限公司 一种单轮对铰接式端部转向架

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110395313B (zh) * 2019-08-13 2020-07-03 唐慧英 一种转向节总成及前轮转向系统

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007230508A (ja) * 2006-03-03 2007-09-13 Ntn Corp 鉄道車両用車輪駆動構造
JP5669914B1 (ja) * 2013-10-18 2015-02-18 三菱重工業株式会社 走行台車、及び軌道系交通システムの車両
WO2015056560A1 (ja) * 2013-10-18 2015-04-23 三菱重工業株式会社 走行台車、及び軌道系交通システムの車両
US10131367B2 (en) 2013-10-18 2018-11-20 Mitsubishi Heavy Industries Engineering, Ltd. Steering bogie, and vehicle for track-based transportation system
CN105270428A (zh) * 2015-10-12 2016-01-27 南车青岛四方机车车辆股份有限公司 低地板车辆用轴桥及安装有该轴桥的低地板转向架
CN105270428B (zh) * 2015-10-12 2018-08-03 中车青岛四方机车车辆股份有限公司 低地板车辆用轴桥及安装有该轴桥的低地板转向架
CN113665618A (zh) * 2021-09-28 2021-11-19 株洲中车特种装备科技有限公司 一种单轮对铰接式端部转向架

Also Published As

Publication number Publication date
JP3604668B2 (ja) 2004-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4486695B1 (ja) ガイドレール式車両用台車
KR101324803B1 (ko) 궤도계 차량용 대차
JP4979374B2 (ja) 低床式鉄道車両用台車
JP5669914B1 (ja) 走行台車、及び軌道系交通システムの車両
JP3448445B2 (ja) 鉄道車両用台車の操舵装置
US4164188A (en) Self steering railway car
JP3524500B2 (ja) 鉄道車両用一軸台車
JP3524511B2 (ja) 鉄道車両用一軸台車
WO2019163153A1 (ja) 台車、及び車両
JP2014144710A (ja) 軌道式車両
JP2003237571A (ja) 鉄道車両用一軸台車
EP2184214A1 (en) Self-steering platform car
JP3188939B2 (ja) 案内軌道式車両用台車
JP2002220050A (ja) 鉄道車両用一軸台車
JP3679063B2 (ja) 鉄道車両用一軸台車
JP3667663B2 (ja) 鉄道車両用一軸台車
JP2002234434A (ja) 鉄道車両用一軸台車
JP3667696B2 (ja) 鉄道車両用一軸台車
JP4656738B2 (ja) 鉄道車両用1軸台車
JPH078647B2 (ja) 軌道車両
JP4618903B2 (ja) 鉄道車両の連接部用一軸台車
JPH044185B2 (ja)
KR100389673B1 (ko) 한 개의 관절을 갖는 유연 대차
CN216034393U (zh) 一种转向架和车辆
JP4656739B2 (ja) 鉄道車両用1軸台車

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040901

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040928

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040929

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081008

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091008

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101008

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111008

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111008

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121008

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121008

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131008

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141008

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees