JP2003276600A - 台車操舵式鉄道車両 - Google Patents

台車操舵式鉄道車両

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JP2003276600A JP2002087974A JP2002087974A JP2003276600A JP 2003276600 A JP2003276600 A JP 2003276600A JP 2002087974 A JP2002087974 A JP 2002087974A JP 2002087974 A JP2002087974 A JP 2002087974A JP 2003276600 A JP2003276600 A JP 2003276600A
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steering
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Eiichi Maehashi
栄一 前橋
Hiroaki Ishida
弘明 石田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連接車両に関する台車操舵を実現できる技術
を提供する。 【解決手段】 前後の車両の床板1、2とボルスタ台車
10の台車枠11間には、空気圧駆動アクチュエータ3
0が取り付けられている。ボルスタ台車10を備える連
接式の鉄道車両の曲線軌道の走行時には、前後の車両の
車体とボルスタ台車10間にかかる回動抵抗(摺動摩擦
力)を打ち消すようにアクチュエータ30の作動を制御
する。空気圧駆動アクチュエータ30は、特別な装備を
持たない台車に対して、比較的容易に追加改造して設置
することができる利点がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前後2台の車体間
に1台の台車が配置され、この台車で2台の車体を水平
面内相対回動可能に支える連接車両において、台車を車
体に対して操舵する台車操舵式鉄道車両に関する。
【0002】
【背景技術及び発明が解決しようとする課題】鉄道車両
における通常の操舵台車は、1台の台車の前後2本の輪
軸を台車に対して操舵する(角度を変える)ものであ
る。このような操舵台車では、車両の曲線軌道通過時に
輪軸が曲線軌道の中心方向に向くように操舵して、車輪
の軌道に対するアタック角を小さくすることができる。
アタック角を小さくすると、曲線軌道通過時に車両に働
く横圧を低減でき、車両の脱線係数Q/P(横圧(Q)
÷輪重(P))を下げるとともに、車輪がレールに擦れ
て発生する騒音(スキール音)も小さくできる。
【0003】一方、前後2台の車体間に1台の台車が配
置され、この台車で2台の車体を水平面内相対回動可能
に支える連接車両が、従来より、一部の国・路線で使用
されている。そして、このような連接車両の操舵台車と
しては、リンクによる1軸台車強制操舵(タルゴ車等)
が知られているが、連接車両に関する操舵台車は現状で
は実用化されていない。
【0004】本発明は、前記の観点に着目してなされた
ものであり、連接車両に関する台車操舵を実現できる技
術を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の台車操舵式鉄道車両は、前後2台の車体間
に、該2台の車体を水平面内相対回動可能に支える台車
が配置されている連接車両であって、 前記台車を前記
車体に対して回転駆動する空気圧駆動アクチュエータを
含む台車操舵機構を備えることを特徴とする。
【0006】本発明は、台車枠に対して輪軸を強制的に
回動する方式とは異なり、台車操舵機構の空気圧駆動ア
クチュエータの作動によって、台車を車体に対して回転
駆動する。本発明によって連接車両に対する台車操舵を
実現でき、連接車両の曲線通過時の台車転向横圧を低減
することができ、車両の走行安定性を向上できる。空気
圧駆動アクチュエータは、例えば既存の車両の台車ヨー
ダンパに併設する等、従来の特別な装備を持たない台車
に対して、比較的容易に追加改造して設置することがで
きる利点がある。
【0007】本発明の台車操舵式鉄道車両においては、
前記アクチュエータが、曲線軌道において前記台車と前
記車体間にかかる回動抵抗を打ち消すものとすることが
できる。この場合、台車と車体間にかかる回動抵抗を打
ち消すことで、車両の急曲線部通過時の台車転向横圧を
一層低減し、安定した走行性能を実現することができ
る。
【0008】また、本発明の台車操舵式鉄道車両におい
ては、前記台車がボルスタ式の台車であり、 前記アク
チュエータがボルスタはりと前記車体又は台車間に配置
されているものとすることができる。
【0009】さらに、本発明の台車操舵式鉄道車両にお
いては、前記台車がボルスタレス式の台車であり、 前
記アクチュエータが前記車体と前記台車間に配置されて
いるものとすることができる。
【0010】また、本発明の台車操舵式鉄道車両におい
ては、前記アクチュエータが簡易・小型のダイヤフラム
式であるものとすることができる。この場合、よりシン
プルなアクチュエータを用いて台車操舵を実現すること
ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。なお、以下の説明では、特に断
らない限り、レールの長手方向(車両の進行方向)を前
後方向、軌道面におけるレール長手方向と直角の方向を
左右方向、軌道面に垂直な方向を上下方向と呼ぶ。
【0012】[第1実施例;ボルスタ台車の場合]図1
は、本発明の第1実施例に係るボルスタ台車を備える連
接車両の台車部分を示す斜視図である。図1には、前側
の車両の車体床板1と、後側の車両の車体床板2と、こ
れら前後車両間のボルスタ台車10とが示されている。
後床板2の前端には、舌片状の連結突片3が設けられて
いる。この連結突片3の下面には、垂直下方に延び出た
中心ピン4が設けられている。一方、前床板1の後端に
は、舌片状の連結突片5が設けられている。前後の連結
突片3、5は、ジョイント6で水平方向回動可能に連結
されている。
【0013】ボルスタ台車10は、この例では中はり1
1Aと左右の側はり11Bを有する台車枠11を備えて
いる。台車枠11の下部には、車輪13と車軸14から
なる輪軸15が前後一組ずつ組み込まれている。車輪1
3は、車軸14の両側に圧入されて固定されている。両
車輪13の外側において、車軸14の両端部には軸箱1
7が外嵌されている。台車枠11と各軸箱17上面間に
は、軸バネ19が取り付けられている。
【0014】台車枠11の上面左右には、2個の枕バネ
12が固定されている。これら枕バネ12の上には、ボ
ルスタはり16が搭載されている。ボルスタはり16の
幅方向中央部には、挿通孔16aが形成されている。こ
の挿通孔16aには、前述の中心ピン4が回動可能に挿
通される。台車枠11とボルスタはり16は、ボルスタ
アンカー39で連結されている。枕バネ12が車体荷重
を受け、ボルスタアンカー39が車両の前後力を伝達
し、ボルスタはり16が車体荷重や車両の前後力を同時
に受ける。
【0015】前後床板1、2の左右下面には、それぞれ
ブラケット状のアンカー7が設けられている。一方、ボ
ルスタはり16にも、それぞれアンカー8が設けられて
いる。そして、これらのアンカー7、8間には、空気圧
駆動アクチュエータ30(以下、単にアクチュエータと
呼ぶ)が取り付けられている。左右のアクチュエータ3
0は、中心ピン4を中心として、左右点対称に配置され
ている。本実施例のアクチュエータ30は、シリンダ3
1とピストンロッド33を備えている。シリンダ31は
台車側のアンカー8にジョイント等を介して接続されて
おり、ピストンロッド33は車体側のアンカー7にジョ
イント等を介して接続されている。これらアクチュエー
タ30は、図示せぬエアーの供給系統に接続されてい
る。
【0016】アクチュエータ30へのエアーの供給と台
車10の回動との関係は、以下の通りである。 (I)台車10を上から見て時計回りに回動する場合
は、両方のアクチュエータ30L、30Rのロッドが縮
む。 (II)台車11を上から見て反時計回りに回動する場
合は、前記(I)とは逆に、両方のアクチュエータ30
L、30Rのロッドが伸びる。なお、故障時にフェール
セーフとする場合は、左右のアクチュエータ30内の空
気圧が大気開放されるようにする。
【0017】次に、前記の構成からなる台車操舵式鉄道
車両の作用について説明する。図2は、図1の台車操舵
式鉄道車両の曲線軌道通過時の作用を説明するための説
明図である。前述のボルスタ台車10を備える鉄道車両
は、台車旋回抵抗や横圧が走行する方向によって余り変
化しない。しかし、曲線軌道を走行する際には、曲率変
化による摺動摩擦力に伴い、台車が曲線軌道の接線方向
を向かずに大きい値の横圧が発生する場合がある。そこ
で、曲線走行時には、車体とボルスタ台車10間にかか
る回動抵抗(摺動摩擦力)を打ち消すようにアクチュエ
ータ30の作動を制御する。
【0018】[第2実施例;ボルスタレス台車(枕バネ
2個)の場合]図3は、本発明の第2実施例に係るボル
スタレス台車を備える連接車両の台車部分を示す図であ
る。(A)は斜視図であり、(B)は側面図である。第
2実施例のボルスタレス台車40は、第1実施例のボル
スタ台車10と比較して、ボルスタはり16が設けられ
ていない点で大きく異なる。図3に示すように、このボ
ルスタレス台車40においては、台車枠11の中はり1
1Aに設けられた枕バネ12上に、後側車両の床板2の
前端が直接載せられている。この場合の枕バネ12は、
低剛性空気バネである。図3に示す例では、後床板2の
前端中央2Aが切り込まれ、後床板2の前端左右2Bが
突片状に形成されている。そして、後床板2の前端中央
2Aに連結突片3が設けられている。中心ピン4と台車
40は、牽引装置39´で連結されている。なお、この
他の構成は、第1実施例の構成とほぼ同様である。
【0019】図3のようなボルスタレス台車40は、前
後の連結突片3、5を連結するジョイント6で前側の車
両の車体荷重と前後力を受け止める。そして、枕バネ1
2の捩れで台車40の回動を許容する。これは、通常の
ボルスタレス式ボギー台と同様である。枕バネ12が後
床板2に固定されているため、ボルスタレス台車40は
後側の車両で拘束される。そのため、車両の走行する方
向によって、台車の回転復元力に伴う横圧が異なる。
【0020】次に、第2実施例の台車操舵式鉄道車両の
作用について説明する。ボルスタレス台車40は、車体
に対する一定の旋回抵抗が与えられている。ボルスタレ
ス台車40は、曲線軌道の曲率変化点や急曲線軌道を通
過する際等に、枕バネ12の復元力が台車40の旋回抵
抗となって外軌横圧として作用し、外軌側輪重が小さく
なると脱線係数Q/P(横圧(Q)÷輪重(P))が大き
くなる傾向がある。
【0021】そこで、曲線軌道を走行する際には、アク
チュエータ30を制御して枕バネ12の復元力を相殺す
るような台車回転力を加える。このようなアクチュエー
タ30の動作は、車体のアンカー7、台車枠のアンカー
(台車枠の受け)8を支点として、中心ピン4を中心に
台車40の反時計方向(上から見て)への回動をサポー
トする力となって作用する。さらに、アクチュエータ3
0によって、枕バネ12の復元力を緩和する効果もあ
る。
【0022】なお、アクチュエータ30は、予め入力さ
れている地点情報に基づきエアー供給量をコントロール
したり、車両の速度から逆算した時間差に基づいて制御
したり、前側の車体と台車間に変位センサを設け、この
変位センサの出力に基づき制御したりすることができ
る。このようにして適宜アクチュエータ30を制御する
ことにより、曲線通過性能や通過速度を向上させること
ができ、車両の横圧を低減して安全性を向上することが
できる。
【0023】なお、アクチュエータ30の誤作動が検知
された場合は、左右のアクチュエータ30L、30Rの
空気圧を大気開放してフェールセーフとする。この場
合、アクチュエータ30L、30Rからは台車旋回力が
付与されないので、脱線を引き起こす危険性を低減でき
る。
【0024】[第3実施例;ボルスタレス台車(枕バネ
4個)の場合]図4は、本発明の第3実施例に係るボル
スタレス台車を備える連接車両の台車部分を示す図であ
る。(A)は斜視図であり、(B)は側面図である。第
3実施例のボルスタレス台車50は、第2実施例のボル
スタレス台車40と比較して、枕バネ12が4個設けら
れている点で異なる。図4に示すように、このボルスタ
レス台車50においては、前側の2個の枕バネ12Aが
前床板1後端に固定されており、後側の2個の枕バネ1
2Bが後床板2の前端に固定されている。
【0025】図4のようなボルスタレス台車50は、前
後の連結突片3、5を連結するジョイント6、中心ピン
4と台車枠11との間の牽引装置39´で前後力を受け
止める。そして、前側の2個の枕バネ12Aで前側の車
体荷重を負担するとともに、後側の2個の枕バネ12B
で後側の車体荷重を負担する。このようなボルスタレス
台車50も、第2実施例で述べたボルスタレス台車40
と同様にアクチュエータ30を制御することにより、曲
線通過性能や通過速度を向上させることができ、車両の
横圧を低減して安全性を向上することができる。
【0026】このように、ボルスタレス式の台車40、
50は、1台につき2個あるいは4個の枕バネを有する
が、ボルスタレス式の台車においては、枕バネの復元力
(台車旋回抵抗)をアクチュエータ30の駆動力で相殺
し、急曲線軌道通過時の車体の横圧を低減することがで
きる。なお、急曲線が介在する線区においては、センサ
が急曲線を検知する毎に、その曲率に応じた操舵を行う
こともできる。
【0027】次に、第3実施例の変形例について述べ
る。図5(A)〜(C)は、本発明に係る鉄道車両の他
の例を示す側面図である。図5(A)に示す連接車両
は、前後床板1、2の左右側面からそれぞれそれぞれア
ンカー9が垂下している。そして、台車50の台車枠1
1の側面とアンカー9間に、前後に突き合わせて2個の
アクチュエータ35、36が取り付けられている。この
アクチュエータ35、36は、車両側部反対側(右側)
にも設けられている。
【0028】図5(B)に示す連接車両は、図5(A)
で説明した連接車両において、2個のアクチュエータ3
5、36が上下に並列に取り付けられている。この図で
は、上側のアクチュエータ35が前側の車両のアンカー
9に接続され、下側のアクチュエータ36が後側の車両
のアンカー9に接続されている。このアクチュエータ3
5、36は、車両側部反対側(右側)にも設けられてい
る。
【0029】図5(C)に示す連接車両は、前後の連結
突片3、5や中心ピン4等は前述とほぼ同様に設けられ
ている。この連接車両では、台車枠11に縦板11Cが
立ち上げて取り付けられている。そして、前後の車両の
床板1、2と縦板11C間に、それぞれ簡易・小型のダ
イヤフラム式アクチュエータ38が設けられている。こ
の場合、前後の床板1、2の端面は、図5(A)や
(B)に比べて広く形成されている。このような連接車
両では、より簡素なアクチュエータを用いて台車操舵を
実現することができる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
連接車両に関する台車操舵を実現できる台車操舵式鉄道
車両を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るボルスタ台車を備え
る連接車両の台車部分を示す斜視図である。
【図2】図1の台車操舵式鉄道車両の曲線軌道通過時の
作用を説明するための説明図である。
【図3】本発明の第2実施例に係るボルスタレス台車を
備える連接車両の台車部分を示す図である。(A)は斜
視図であり、(B)は側面図である。
【図4】本発明の第3実施例に係るボルスタレス台車を
備える連接車両の台車部分を示す図である。(A)は斜
視図であり、(B)は側面図である。
【図5】本発明に係る鉄道車両の他の例を示す側面図で
ある。
【符号の説明】
1 (前側の車両の)車体床板 2 (後側の車
両の)車体床板 3、5 連結突片 4 中心ピン 6 ジョイント 7、8、9 ア
ンカー 10 ボルスタ台車 11 台車枠 11A 中はり 11B 側はり 12 枕バネ 13 車輪 14 車軸 15 輪軸 16 ボルスタはり 16a 挿通孔 17 軸箱 19 軸バネ 30、35、36 空気圧駆動アクチュエータ 31 シリンダ 33 ピストン
ロッド 38 ダイヤフラム式アクチュエータ 39 ボルスタアンカー 39´ 牽引装
置 40、50 ボルスタレス台車

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前後2台の車体間に、該2台の車体を水
    平面内相対回動可能に支える台車が配置されている連接
    車両であって、 前記台車を前記車体に対して回転駆動する空気圧駆動ア
    クチュエータを含む台車操舵機構を備えることを特徴と
    する台車操舵式鉄道車両。
  2. 【請求項2】 前記アクチュエータが、曲線軌道におい
    て前記台車と前記車体間にかかる回動抵抗を打ち消すこ
    とを特徴とする請求項1記載の台車操舵式鉄道車両。
  3. 【請求項3】 前記台車がボルスタ式の台車であり、 前記アクチュエータがボルスタはりと前記車体又は台車
    間に配置されていることを特徴とする請求項1又は2記
    載の台車操舵式鉄道車両。
  4. 【請求項4】 前記台車がボルスタレス式の台車であ
    り、 前記アクチュエータが前記車体と前記台車間に配置され
    ていることを特徴とする請求項1又は2記載の台車操舵
    式鉄道車両。
  5. 【請求項5】 前記アクチュエータが簡易・小型のダイ
    ヤフラム式であることを特徴とする請求項1〜4いずれ
    か1項記載の台車操舵式鉄道車両。
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