JP2017024580A - 鉄道車両の台車装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鉄道車両10の台車装置110であって、車体間連接棒装置120を介して連接された2つの車体100にまたがって取り付けられる台車枠130と、台車枠130に車体100の進行方向に沿って設けられる3組の輪軸140、150と、台車枠130の前後の横ばり131の横方向中央位置を中心に旋回する操舵フレーム160と、を備え、台車枠130の前後両端に設けられる輪軸140は、輪軸140を回転させる動力が伝達される動力輪軸であり、かつ操舵フレーム160に連結されて一体に旋回し、台車枠130の中央に設けられる輪軸150は、輪軸150を回転させる動力が伝達されない無動力輪軸であり、かつ旋回が規制されて動力輪軸の操舵の起点となることを特徴とする。
【選択図】図2
Description
台車装置110は、車体間連接棒装置120(図2〜図5)と、車体間連接棒装置120を介して連接された2つの車体100の車体フレーム101にまたがって取り付けられる台車枠130(図6〜図9)と、台車枠130に車体100の進行方向に沿って設けられる3組の輪軸141、142、150(図6〜図9)と、台車枠130の前後の横ばり131の横方向中央位置を中心に旋回する操舵フレーム160(図10〜図12)と、操舵フレーム160に旋回力を付与する操舵緩衝器200(図13)と、操舵フレーム160に連結されるブレーキ装置210(図14〜図15)と、中央輪軸150と台車枠130とを連結する軸箱支持空気バネ221(図14〜図15)と、前後の輪軸141、142に動力を伝達する主電動機230(図16〜図20)と、主電動機230に動力を伝達する動力伝達装置240(図16〜図20)と、を主に備えて構成される。
(1)車体間連接棒装置120:図2〜図5
(2)台車枠130、輪軸140(141、142)、150及び軸箱支持空気バネ221:図6〜図9
(3)操舵フレーム160:図10〜図12
(4)操舵緩衝器200:図13
(5)ブレーキ装置210:図14、図15
(6)主電動機230及び動力伝達装置240:図16〜図20
車体間連接棒装置120とその周辺の構成について、主に図2〜図5を参照しながら説明する。車体間連接棒装置120は、図2に示したように、1本の連接棒121の両端をゴムブッシュ122を介してピンで車体フレーム101に結合することにより、2つの車体100を連結する。ピンを外せば2つの車体100を分離できる。本実施形態にかかる台車装置110が取り付けられる車体100間は、永久連結とされるため、通常運用では、連結や非連結の切り替えはない。
台車枠130とその周辺の構成について、主に図6〜図9を参照しながら説明する。台車枠130は、図6〜図9に示したように、輪軸141、142、150や後述するモータなどの各装置を装備し、台車装置110に作用する各荷重を負担する主要フレームである。台車枠130は、前述の横ばり131と、車体100の側部に沿って延びる左右の側ばり132を備え、前後の横ばり131によって左右の側ばり132の端部近傍同士を連結することによって枠が構成されている。
台車枠130の前後の両端部に設けられる前後の輪軸141、142は、後述する主電動機230から回転力が伝達される動力輪軸であり、かつ軸箱190を介して操舵フレーム160に連結されて、操舵フレーム160と一体に旋回する。
台車枠130の中央に設けられる中央輪軸150は、回転力が伝達されない無動力輪軸であり、かつ旋回が規制された固定輪軸である。中央輪軸150は、図9に示したように、車軸の左右の先端が中央軸箱220によって支持されている。そして、中央軸箱220と台車枠130とが軸箱支持空気バネ221を介して連結されている。軸箱支持空気バネ221は、中央輪軸150に掛かる上下と左右の荷重を支持する。
粘着係数μは、μ=μc(Wc/W)+μh(Wh/W)と定義される。
各パラメータは以下のとおりである。
μc:微小な突起の接触部の境界摩擦係数
W :輪重
Wc:微小な突起同士の接触で分担する輪重
μh:水膜のせん断係数
Wh:水膜で分担する輪重
上式より、輪重を可変にすると、粘着係数を最適領域に調整できると言える。
操舵フレーム160とその周辺の構成について、主に図10〜図12を参照しながら説明する。操舵フレーム160は、前述のように、端部輪軸140に連結されて、端部輪軸140と一体に旋回するものである。操舵フレーム160は、図10及び図11に示したように、台車枠130の前後の横ばり132にピン結合されることにより旋回可能に設けられており、操舵フレーム160の両端部が端部輪軸140に連結されることにより、端部輪軸140と一体に旋回する。
操舵緩衝器200とその周辺の構成について、主に図13を参照しながら説明する。台車装置110の操舵は、台車枠130の中央の中央輪軸150が固定であることから、中央輪軸150を起点として台車枠130の前後の端部輪軸140が自己操舵機能により操舵フレーム160が旋回することによって行われる。操舵緩衝器200は、操舵フレーム160が蛇行動によりふらつかないようにするものであり、図6に示したように、前後の各軸箱190と側張りブロック133の間に設けられる。
ブレーキ装置210とその周辺の構成について、主に図14、図15を参照しながら説明する。ブレーキ装置210は、鉄道車両10のスピードを減じるものであり、図14及び図15に示したように、端部輪軸140に設けられる。ブレーキ装置210は、ブレーキディスク211と、ディスクパッド212及びブレーキキャリパー213から構成される。ブレーキディスク211は、端部輪軸140に取り付けられて一体に回転する。ディスクパッド212は、間にブレーキディスク211を挟むように配置され、ブレーキディスク211の両面を挟み付けることにより、ブレーキディスク211の回転を止めるものである。ブレーキキャリパー213は、一端にブレーキパッド212が設けられ、他端が操舵フレーム160に連結されることにより、ブレーキパッド212を操舵フレーム160に連結する。
主電動機230及び動力伝達装置240とその周辺の構成について、主に図16〜図20を参照しながら説明する。主電動機230は、端部軸輪140に動力を伝達する電動機であり、図16及び図17に示したように、前方の輪軸141と後方の軸輪142に対して各1台設けられる。前方の輪軸141の主電動機231と後方の輪軸142の主電動機232は互いに背面合わせで配置される。なお、2台の主電動機231、232は同じ構成であるため、互いを区別する必要がない場合は、主電動機230として説明する。
レールの直線区間と円曲線区間には、乗り心地を悪化させないために、これらの区間を滑らかに接続する緩和曲線区間が設けられている。車体100が緩和曲線区間を通過するとき、自己操舵機能を利用して操舵フレーム160を旋回させるだけでは、レールに作用する横圧の発生をゼロにすることはできない。そこで、本実施形態では、緩和曲線区間での横圧低減効果を改善するために、電気的な制御システムによって外部から操舵力を補助して曲線通過性能を向上させる。
台車装置110の輪重は、中央輪軸150の中央軸箱220に設けられている軸箱支持空気バネ221の圧縮空気を充填・排出することによって行われる。軸箱支持空気バネ221のバルブの開閉は、電子制御装置からの指令により各輪軸140、150の粘着係数を最適領域に調整するように制御される。各輪軸140、150の輪重の大きさは、制御指令により線路や運転状況に応じて車両停車中のみならず、走行中でも任意に調整されるものである。
以上説明したように、本実施形態によれば、台車枠130の中央に設けられた中央輪軸150を起点として端部輪軸140が操舵されるため、蛇行動安定性と曲線通過性能を向上させることができる。このため、高周波騒音、フランジ摩耗、ゲージコーナー摩耗などの車輪やレール接触に関する問題が防止されるため、メンテナンスコストを低減することができる。また、中央輪軸150は、無動力輪軸であることに加え、操舵の機能を有さない固定輪軸であるため、台車装置110がレールから逸脱することを防止する逸脱防止ガイドとしての機能も備える。
20 レール
100 車体
101 車体フレーム
102 けん引棒ブラケット
110 台車装置
120 車体間連接棒装置
121 連接棒
122 ゴムブッシュ
130 台車枠
131 横ばり
132 側ばり
133 側ばりブロック
134 主電動機受け座
140 端部輪軸(動力輪軸)
140a 軸
141 前方の輪軸
142 後方の輪軸
150 中央輪軸(無動力輪軸)
151 車輪踏面
160 操舵フレーム
161 フレーム
161a 小径部
162 上部ピン
162a、163a 半円溝
162b、163b 凸部
163 下部ピン
164 上部ピンブラケット
164a、165a 凹溝
165 下部ピンブラケット
166 ブラケット取付けボルト
170 車体支持空気バネ
180 けん引棒装置
190 軸箱
191 軸箱支持装置
192 上部軸受け(第1の軸受け)
193 球体上部
193a カイド孔
194 上部バネ受け
195 下部軸受け(第2の軸受け)
196 球体下部
196a ガイド棒(軸)
197 下部バネ受け
198 軸バネ
199 軸ダンパ
200 操舵緩衝器
201 サーボモータ
202 減速機
203 ボールネジ
204 噛み合いクラッチ
205 第1関節球体
206 操舵バネ
207 第2関節球体
208 第1球体受け
209 第2球体受け
210 ブレーキ装置
211 ブレーキディスク
212 ディスクパッド
213 ブレーキキャリパー
220 中央軸箱
221 軸箱支持空気バネ
222 中央軸ダンパ
223 中央ブレーキ装置
230、231、232 主電動機
240 動力伝達装置
241 サイレントチェーン
242 駆動側ローラ
243 チェーンテンショナー
244 非駆動側ローラ
245 伝動軸
246 空気ピストン
247 ストッパーピン
248 圧縮空気出入栓
249 たわみ継手
250 プロペラ軸
251 ピニオン側スプライン
252 シリンダ
253 ハイポイドギア
254 ハイポイドピニオン
Claims (7)
- 鉄道車両の台車装置であって、
車体間連接棒装置を介して連接された2つの車体にまたがって取り付けられる台車枠と、
前記台車枠に前記車体の進行方向に沿って設けられる3組の輪軸と、
前記台車枠の前後の横ばりの横方向中央位置を中心に旋回する操舵フレームと、
を備え、
前記台車枠の前後両端に設けられる前記輪軸は、前記輪軸を回転駆動させる動力が伝達される動力輪軸であり、かつ前記操舵フレームに連結されて一体に旋回し、
前記台車枠の前記中央に設けられる前記輪軸は、前記輪軸を回転駆動させる動力が伝達されない無動力輪軸であり、かつ旋回が規制されて前記動力輪軸の操舵の起点となることを特徴とする、鉄道車両の台車装置。 - さらに、前記操舵フレームに旋回力を付与する操舵緩衝器を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の鉄道車両の台車装置。
- 前記操舵フレームは、ブレーキキャリパーを介してブレーキ装置に連結されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の鉄道車両の台車装置。
- 前記中央輪軸と前記台車枠とは空気バネを介して連結されており、
前記空気バネに空気が注入されると、前記空気バネを介して前記中央輪軸に掛かる前記台車枠の重量が増加し、前記空気バネの空気を抜くと、前記中央輪軸に掛かる前記台車枠の重量が軽減することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の鉄道車両の台車装置。 - 前記動力輪軸に動力を伝達する主電動機が前記動力輪軸に対して各1台設けられ、
前記主電動機は互いに背面合わせで配置されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の鉄道車両の台車装置。 - 前記動力輪軸に動力を伝達する主電動機が前記中央輪軸上に設けられることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の鉄道車両の台車装置。
- 前記動力輪軸は、前記台車枠に対して、両者間の捩れを吸収する軸箱支持装置を介して連結されており、
前記軸箱支持装置は、両端部が球体状に形成された軸と、前記軸の一方の球体状の端部を回転可能に支持する球面状の第1の軸受けと、前記軸の他方の球体状の端部を回転可能に支持する球面状の第2の軸受けと、を備え、
前記第1の軸受けは、前記台車枠に支持され、
前記第2の軸受けは、前記動力輪軸に支持され、
前記軸の前記球体状の両端部が前記第1の軸受け及び前記第2の軸受けで回転して前記動力輪軸と前記台車枠との捩れを吸収することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の鉄道車両の台車装置。
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2015
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