JP6323762B2 - 鉄道車両の台車装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鉄道車両の台車装置(以下、単に台車装置ともいう。)に関する。
従来の鉄道車両の台車装置としては非特許文献1に示されるものが知られている。非特許文献1に示されるような台車装置は、2軸ボギー台車と称されている。2軸ボギー台車は、台車枠の進行方向に沿って2組の輪軸が設けられており、台車枠と各輪軸とが適切なバネ定数を有するバネにて結合されている。台車枠と2組の輪軸がこのように結合されることにより、2軸ボギー台車は、走行中の輪軸を台車枠に対して適切な位置に保持すると同時に、線路状況によって発生する振動を吸収するようになっている。
また、2軸ボギー台車の車輪のレールに当接する面である踏面は、外側の半径が小さく内側の半径が大きい円錐の一部を切り取った形状をしている。踏面は、このような形状のため、レールとの接触位置によって、1回転したときに左右の車輪の進む距離が異なることになる。車輪の進む距離が左右で異なると、車輪は自己操舵力によって進行する向きを自然に変え、レールの中央に戻ろうとする復元力が働く。この復元力によって、レール中心側に進行方向を変えた車輪は、反対側に少し行き過ぎて同じように戻されるという動きを繰り返す。このようにして、2軸ボギー台車は、全体としてレールに沿って走行する。
鉄道車両工業 460号 2011.10 初級講座 鉄道車両用台車の構造と特徴 p.47
ところで、台車装置の走行を、速度の大小やレールの直線・曲線にかかわらず安定させるためには、台車装置がレールの曲線部分を走行するときの曲線通過性能の向上と、高速でレールの直線部分を走行するときの蛇行動安定性の向上とを両立させる必要がある。しかし、非特許文献1に開示されるような従来の2軸ボギー台車では、以下に述べるように、曲線通過性能の向上と蛇行動安定性の向上とを両立させることができなかった。
まず、台車装置がレールの曲線部分を走行するときの曲線通過性能について説明する。2軸ボギー台車は、レールの曲線部分を通過するときに、台車が曲線の接線に対して外側に向くアンダーステアリング姿勢となる。このとき、進行方向の前方の輪軸にはアタック角が発生し、アタック角により前方の輪軸に外軌側方向の横クリープ力が発生する。一方、後方の輪軸は軌道中心付近に位置するため、輪径差が不足して後方の輪軸に縦クリープ力が発生する。前の輪軸に発生する横クリープ力と後方の輪軸に発生する縦クリープ力が台車に対して反操舵モーメントとして作用して、前方の輪軸の外軌道側に高い横圧を発生させる。このため、2軸ボギー台車では、曲線通過時に、高周波騒音、フランジ摩耗、ゲージコーナー摩耗などの車輪・レール接触に関する問題が発生する。この曲線通過性能の問題は、台車装置の速度の大きさにかかわらず発生するものである。
次に、台車装置が高速でレールの直線部分を走行するときの蛇行動安定性について説明する。2軸ボギー台車は、高速になると、車輪の行き過ぎが徐々に拡大して運動が不安定になる。このような輪軸の不安定な動きを蛇行動という。高速での2軸ボギー台車の蛇行動は、輪軸と台車枠を結合するバネが硬くなると、発生する速度が高くなる。そこで、蛇行動安定性を向上させるために、バネを硬くすることが考えられる。しかし、バネを硬くすると、上述の曲線通過性能がさらに悪化することが知られており、有効な対策にはならない。
以上のように、非特許文献1に開示されるような従来の2軸ボギー台車では、台車装置がレールの曲線部分を走行するときの曲線通過性能の向上と、台車装置が高速でレールの直線部分を走行するときの蛇行動安定性の向上とを両立させることができないという問題があった。
そこで本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、曲線通過性能の向上と蛇行動安定性の向上とを両立させることの可能な、新規かつ改良された鉄道車両の台車装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明によれば、鉄道車両の台車装置であって、車体間連接棒装置を介して連接された2つの車体にまたがって取り付けられる台車枠と、前記台車枠に前記車体の進行方向に沿って設けられる3組の輪軸と、前記台車枠の前後の横ばりの横方向中央位置を中心に旋回する操舵フレームと、を備え、前記台車枠の前後両端に設けられる前記輪軸は、前記輪軸を回転駆動させる動力が伝達される動力輪軸であり、かつ前記操舵フレームに連結されて一体に旋回し、前記台車枠の前記中央に設けられる前記輪軸は、前記輪軸を回転駆動させる動力が伝達されない無動力輪軸であり、かつ旋回が規制されて前記動力輪軸の操舵の起点となることを特徴とする、鉄道車両の台車装置が提供される。
かかる構成によれば、台車枠の前後両端に設けられる輪軸は動力輪軸であり、かつ操舵フレームに連結されて一体に旋回し、台車枠の中央に設けられる輪軸は、無動力輪軸でありかつ旋回が規制されて動力輪軸の操舵の起点となるようにした。このため、中央の固定輪軸を起点として前後両端の動力輪軸が操舵されるため、走行速度がある速度以上になると発生する蛇行動と、曲線通過時におけるアンダーステアリング姿勢が抑制される。よって、曲線通過性能の向上と蛇行動安定性の向上とを両立させることができる。
また、曲線通過性能が向上することによって、高周波騒音、フランジ摩耗、ゲージコーナー摩耗などの車輪やレール接触に関する問題が防止されるため、メンテナンスコストを低減することができる。さらに、中央の固定軸輪は無動力輪であるため、レールからの逸脱防止ガイド機能が期待できる。
本発明は様々な応用が可能である。例えば、さらに、前記操舵フレームに旋回力を付与する操舵緩衝器を備えてもよい。操舵緩衝器で操舵フレームに旋回力を付与することによって、緩和曲線区間での横圧を低減することができるとともに、車輪のフランジ摩耗を防止することができる。
また、前記操舵フレームは、ブレーキキャリパーを介してブレーキ装置に連結されるようにしてもよい。これにより、ブレーキ装置を旋回のためだけに、特別な改造をする必要がない。
また、前記中央輪軸と前記台車枠とは空気バネを介して連結されており、前記空気バネに空気が注入されると、前記空気バネを介して前記中央輪軸に掛かる前記台車枠の重量が増加し、前記空気バネの空気を抜くと、前記中央輪軸に掛かる前記台車枠の重量が軽減するようにしてもよい。これにより、空気バネに圧縮空気を充填・排出すれば、走行中に輪軸の軸重を変更させて、粘着限界が向上させられる。よって、天候などの環境や走行条件に応じて粘着限界が向上させられることによって、最高速度を向上し、かつ、ブレーキ距離を短縮することができる。
また、前記動力輪軸(前記台車枠の前後両端に設けられる前記輪軸)に動力を伝達する主電動機が前記動力輪軸に対して各1台設けられ、前記主電動機は互いに背面合わせで配置されるようにしてもよい。これにより、各主電動機の回転方向が同じであるため、同じ仕様の主電動機を使用できる。
また、前記動力軸輪(前記台車枠の前後両端に設けられる前記輪軸)に動力を伝達する主電動機が前記中央輪軸上に設けられるようにしてもよい。これにより、主電動機を台車枠の中に配置することができるため、大型の電動機を搭載することができる。
また、前記動力輪軸は、前記台車枠に対して、両者間の捩れを吸収する軸箱支持装置を介して連結されており、前記軸箱支持装置は、両端部が球体状に形成された軸と、前記軸の一方の球体状の端部を回転可能に支持する球面状の第1の軸受けと、前記軸の他方の球体状の端部を回転可能に支持する球面状の第2の軸受けと、を備え、前記第1の軸受けは、前記台車枠に支持され、前記第2の軸受けは、前記動力輪軸に支持され、前記軸の前記球体状の両端部が前記第1の軸受け及び前記第2の軸受けで回転して前記動力輪軸と前記台車枠との捩れを吸収するようにしてもよい。このように、軸箱支持装置は、球体状の両端部が球面状の軸受け回転可能に支持されることにより、球体状の両端部が球面状の軸受けで回転することにより、動力輪軸と台車枠との捩じれを吸収する。このような軸箱支持装置の構成は、摩擦抵抗の非常に小さい機構であるため、操舵フレームは、旋回抵抗が小さく、脱線の危険性が小さくなる。
以上の応用例は、任意に組み合わせることが可能である。
本発明によれば、鉄道車両の台車装置において、曲線通過性能の向上と蛇行動安定性の向上とを両立させることが可能である。本発明のその他の効果については、以下の発明を実施するための形態の項でも説明する。
本発明の一実施形態にかかる台車装置を実施した鉄道車両を側面方向から見た図である。 台車装置の構成を説明するための図である。 台車装置を上面方向から見た図である。 前後輪軸を正面方向から見た図である。 中央輪軸を正面方向から見た図である。 台車装置の台車枠より下方の部分を側面方向から見た図である。 台車装置の台車枠より下方の部分を上面方向から見た図である。 台車装置の台車枠より下方の部分における前後輪軸を正面方向から見た図である。 台車装置の台車枠より下方の部分における中央輪軸を正面方向から見た図である。 前後輪軸部分の構成を説明するための図である。 操舵フレームが分解された状態を示す図であり、(a)は上面方向から見た図、(b)は正面方向から見た部分断面図、(c)は側面方向から見た部分断面図である。 操舵フレームが台車枠に組み付けられた状態を示す図であり、(a)は上面方向から見た図、(b)は正面方向から見た部分断面図、(c)は側面方向から見た部分断面図である。 操舵緩衝器を説明するための図である。 ブレーキ装置を説明するための図である。 ブレーキ装置を説明するための図である。 主電動機を説明するための図である。 動力伝達装置を説明するための図である。 動力伝達装置の構成を説明するための図である。 動力伝達装置が主電動機に連結される状態を正面方向から見た図である。 動力伝達装置が前後輪軸に連結される状態を正面方向から見た図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
まず、本実施形態の台車装置を実施した鉄道車両の全体構成について、図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる台車装置110を実施した鉄道車両を側面方向から見た図である。鉄道車両10は、図1に示したように、レール20に沿って進行方向に連接され、人や物などを収容する複数の車体100と、隣り合う2つの車体100にまたがって取り付けられ、車体100を移動させる駆動部である台車装置110を備えて構成される。なお、図1に示したもののうち、鉄道車両のごく一般的な構成については、詳細な説明を省略する。
以下、本実施形態にかかる台車装置110の各構成要素について説明する。
台車装置110は、車体間連接棒装置120(図2〜図5)と、車体間連接棒装置120を介して連接された2つの車体100の車体フレーム101にまたがって取り付けられる台車枠130(図6〜図9)と、台車枠130に車体100の進行方向に沿って設けられる3組の輪軸141、142、150(図6〜図9)と、台車枠130の前後の横ばり131の横方向中央位置を中心に旋回する操舵フレーム160(図10〜図12)と、操舵フレーム160に旋回力を付与する操舵緩衝器200(図13)と、操舵フレーム160に連結されるブレーキ装置210(図14〜図15)と、中央輪軸150と台車枠130とを連結する軸箱支持空気バネ221(図14〜図15)と、前後の輪軸141、142に動力を伝達する主電動機230(図16〜図20)と、主電動機230に動力を伝達する動力伝達装置240(図16〜図20)と、を主に備えて構成される。
以下、台車装置110の各構成要素について、以下の図面を参照しながら説明する。
(1)車体間連接棒装置120:図2〜図5
(2)台車枠130、輪軸140(141、142)、150及び軸箱支持空気バネ221:図6〜図9
(3)操舵フレーム160:図10〜図12
(4)操舵緩衝器200:図13
(5)ブレーキ装置210:図14、図15
(6)主電動機230及び動力伝達装置240:図16〜図20
(1)車体間連接装置120(図2〜図5)
車体間連接棒装置120とその周辺の構成について、主に図2〜図5を参照しながら説明する。車体間連接棒装置120は、図2に示したように、1本の連接棒121の両端をゴムブッシュ122を介してピンで車体フレーム101に結合することにより、2つの車体100を連結する。ピンを外せば2つの車体100を分離できる。本実施形態にかかる台車装置110が取り付けられる車体100間は、永久連結とされるため、通常運用では、連結や非連結の切り替えはない。
車体フレーム101と台車枠130とは、図2〜図5に示したように、車体支持空気バネ170を介して連結されている。車体支持空気バネ170は、台車枠130の4隅に設けられている。車体支持空気バネ170は、車体100の荷重を支えながら、車体100の曲線通過をスムーズに走行するためのものである。車体支持空気バネ170は、ゴム製ダイヤフラム内に圧縮空気を使用し、バネ定数を小さく設定し、曲線通過時の車体100と台車装置110のずれを、ゴムのせん断変形を利用することで許容する。1つの車体支持空気バネ170の圧力差圧が規定値以上となった場合、差圧弁が開いて2つの車体支持空気バネ170の圧力差をなくし、各車体支持空気バネ170が支える荷重が均等になるよう調整する。
台車装置110は、図2及び図3に示したように、車体フレーム101から垂下したけん引棒ブラケット102に、けん引棒装置180を介して連結されている。これにより、けん引棒装置180を介して、台車装置110からけん引棒ブラケット102に牽引力が伝達される。けん引棒装置180は、台車装置110の中央から後方に突出する1本の棒によって構成されており、けん引棒装置180の両端は、ブッシュ等を介してピンにて結合される。
(2)台車枠130(図6〜図9)
台車枠130とその周辺の構成について、主に図6〜図9を参照しながら説明する。台車枠130は、図6〜図9に示したように、輪軸141、142、150や後述するモータなどの各装置を装備し、台車装置110に作用する各荷重を負担する主要フレームである。台車枠130は、前述の横ばり131と、車体100の側部に沿って延びる左右の側ばり132を備え、前後の横ばり131によって左右の側ばり132の端部近傍同士を連結することによって枠が構成されている。
左右の側張り132の前後の端部付近から側ばりブロック133が下方に延びている。側ばりブロック133には、後述の操舵緩衝器200が連結される。台車枠130の左右の側ばり132から枠内に向かって突出して主電動機受座134が形成されている。主電動機受座134には、後述する主電動機230が取り付けられる。台車枠130は、炭素繊維強化プラスチック成型(以下、CFRPという)の一体構造である。
輪軸141、142、150は車輪と車軸を組み立てたものであり、図6〜図9に示したように、1つの台車枠130に3組の輪軸141、142、150が車体の進行方向に沿って設けられる。なお、前後の輪軸141、142は同じ構成であるため、以下、これらを区別しないで説明する場合は、端部輪軸140という。以下、端部輪軸140と中央輪軸150について順に説明する。
(端部輪軸140)
台車枠130の前後の両端部に設けられる前後の輪軸141、142は、後述する主電動機230から回転力が伝達される動力輪軸であり、かつ軸箱190を介して操舵フレーム160に連結されて、操舵フレーム160と一体に旋回する。
軸箱190は、特に図8に示したように、端部輪軸140の車軸の左右の先端を軸受するものであり、軸箱190は軸箱支持装置191に支持される。軸箱支持装置191は、後述する操舵フレーム160が、上部ピン162と下部ピン163とで構成されるピンを中心に旋回するときに、旋回する角度分だけ台車枠130に対して捩れか生じる。したがって、軸箱支持装置191は、この捩れを吸収できる機構を必要とする。仮に、軸箱支持装置191の捩れを吸収できる機構が摩擦抵抗の大きなものであるとすると、操舵フレーム160の旋回抵抗が大きくなる。操舵フレーム160の旋回抵抗が大きいと、レール20の急な曲線の入り口で摩擦抵抗に打ち勝った途端、はずみで操舵フレーム191が急旋回する可能性がある。操舵フレーム191が急旋回すると、最悪、脱線するなどして、非常に危険である。このため、軸箱支持装置191は、摩擦抵抗の非常に小さい機構とされる。以下に、軸箱支持装置191の構成を説明する。
軸箱支持装置191は、図8に示したように、台車枠130に固定され、球面状の受け部が形成された上部軸受け(第1の軸受け)192と、上部軸受け192に噛み合う球体上部193と、球体上部193に設けられる上部バネ受け194と、軸箱190に固定され、球面状の受け部が形成された下部軸受け(第2の軸受け)195と、下部軸受け195に噛み合う球体下部196と、球体下部196に設けられる下部バネ受け197と、上部バネ受け194と下部バネ受け197に取り付けられる軸バネ198を備えて構成される。
球体上部193には、軸心を貫通するカイド孔193aが設けられている。このガイド孔193aに球体下部196の軸心から軸方向に突出するガイド棒(軸)196aが嵌め合わされている。これにより、球体下部196が球体上部193にガイドされる。
軸バネ198は、本実施形態では、適切なバネ定数を有するコイルばねである。軸バネ198は、球体上部193と球体下部196よりも外側に配置され、上下の端部が上部バネ受け194と下部バネ受け197に取り付けられる。軸バネ198は、前後の輪軸141、142が旋回しても捩れることなく上下方向の衝撃を吸収できる。なお、軸バネ198をバネとしたが、適切な弾性力を有するものであれば、ゴムなどの他の部材でもよい。
軸箱支持装置191の側面には、図6に示したように、軸バネ198と並列に配置されるように軸ダンパ199が付設される。軸ダンパ199は、軸バネ198そのものに振動を減衰させる機能がないため、走行によって伸縮する軸バネ198の振動を減衰させる。これにより、軸ダンパ199は、組み立てた上下の球体193、196が振動などで外れないように引っ張り方向に作用する。このように、軸箱支持装置191は、端部輪軸140と台車枠130とを適切なバネ定数を有する軸バネ198で結合することにより、走行中の端部輪軸140を台車枠130に対して適切な位置に保持すると同時に、線路状況によって発生する振動を吸収する。
(中央輪軸150)
台車枠130の中央に設けられる中央輪軸150は、回転力が伝達されない無動力輪軸であり、かつ旋回が規制された固定輪軸である。中央輪軸150は、図9に示したように、車軸の左右の先端が中央軸箱220によって支持されている。そして、中央軸箱220と台車枠130とが軸箱支持空気バネ221を介して連結されている。軸箱支持空気バネ221は、中央輪軸150に掛かる上下と左右の荷重を支持する。
軸箱支持空気バネ221には図示していないレベリングバルブが設けられている。レベリングバルブは、図示していない空気タンクに連通している。レベリングバルブが開かれることにより、空気タンクからレベリングバルブを介して軸箱支持空気バネ221内に圧縮空気を入れたり抜いたりすることができる。このようにして、中央輪軸150に掛る荷重を変化させることができる。また、レベリングバルブが閉じられることにより、空気タンクと軸箱支持空気バネ221の連通が遮断され、軸箱支持空気バネ221内の圧縮空気量を一定に保つことができる。このようにして、中央輪軸150に掛る荷重を一定に保つことができる。
中央軸箱220と左右の側ばりブロック133とは、特に図6に示したように、中央軸ダンパ222によって連結されている。中央軸ダンパ222は、オイルダンパであり、両端にはゴムが装備されている。よって、中央軸ダンパ222は、中央軸箱220の上下、前後の動きを支えて、中央輪軸150の前後方向の荷重を支持している。側ばりブロック133には、中央輪軸150に当接して、回転を規制する2組の中央ブレーキ装置223が取り付けられている。
中央ブレーキ装置223は、ブレーキシリンダと制輪子をユニット化したものであり、中央輪軸150のレール20との当接面である車輪踏面151に制輪子を押し付けることによって中央輪軸150の回転を規制する。また、中央ブレーキ装置223は、車両10が長時間停車する場合のパーキングブレーキとしての機能も兼ね備えている。
軸箱支持空気バネ221は空気が注入されると、軸箱支持空気バネ221を介して中央輪軸150に掛かる台車枠130の重量が増加して、端部輪軸140に掛かる重量が減少する。これに対して、軸箱支持空気バネ221から空気を抜くと、中央輪軸150に掛かる台車枠130の重量が軽減して、端部輪軸140に掛かる重量が増加する。このようにして、動力輪軸である端部輪軸140に掛かる重量を変更することができるため、粘着係数を変更することができる。
ここで、端部輪軸140に掛かる重量である輪重と粘着係数の関係について説明する。
粘着係数μは、μ=μc(Wc/W)+μh(Wh/W)と定義される。
各パラメータは以下のとおりである。
μc:微小な突起の接触部の境界摩擦係数
W :輪重
Wc:微小な突起同士の接触で分担する輪重
μh:水膜のせん断係数
Wh:水膜で分担する輪重
上式より、輪重を可変にすると、粘着係数を最適領域に調整できると言える。
次に、粘着係数を変更することによる作用について説明する。車輪がレールの上をスムーズに転動して加速や減速をすることができるためには、車輪とレールの接触面で走行方向の接線力、すなわち、粘着力が必要である。最大の接線力である最大粘着力を静止輪重で除した値である粘着係数が低下すると、最高速度向上に障害が発生するとともに、力走時の空転やブレーキ作動時の滑走を起こす可能性がある。
空転は、レール頭頂面に車輪の形状に擦れた空転傷を形成する。また、滑走は、車輪踏面の一部に偏平状の擦傷や熱亀裂を形成し、車輪の転動によって擦傷や熱亀裂が転がり疲れ亀裂へと進展して剥離が生じる。
これらの材料損傷は、乗り心地の低下、騒音や振動の発生に繋がり、さらに衝撃荷重が加わることにより、車軸、軸受け、レールなどの寿命が短縮され、メンテナンスコストを向上させる原因となっている。
実際に鉄道車両を走行させる際には、輪重は、車両完成時の重量と乗客などの積載により変動する重量とを加えた値になる。また、粘着係数は、路線環境条件や車両走行条件がお互いに絡み合って作用する。このため、実用上有効な粘着係数は、輪重、路線環境条件、車両走行条件が変化するため、ばらつきが大きくなる。しかし、従来の2軸ボギー台車では、輪重、路線環境条件、車両走行条件に応じて粘着力を最適に調整できる対応が施されていない。よって、天候など環境や走行条件に応じて最高速度を向上し、かつブレーキ距離を短縮するためには粘着限界を向上する必要がある。
この点、本実施形態では、前述のように、軸箱支持空気バネ221の圧縮空気を充填・排出すれば、走行中に端部輪軸140の軸重を変更することができる。よって、走行中に粘着限界を向上させることができる。
バルブの開閉は、電子制御装置からの指令により各輪軸140、150の粘着係数を最適領域に調整するように制御される。各輪軸140、150の輪重の大きさは、制御指令により線路や運転状況に応じて車両停車中のみならず、走行中でも任意に調整される。
(3)操舵フレーム160(図10〜図12)
操舵フレーム160とその周辺の構成について、主に図10〜図12を参照しながら説明する。操舵フレーム160は、前述のように、端部輪軸140に連結されて、端部輪軸140と一体に旋回するものである。操舵フレーム160は、図10及び図11に示したように、台車枠130の前後の横ばり132にピン結合されることにより旋回可能に設けられており、操舵フレーム160の両端部が端部輪軸140に連結されることにより、端部輪軸140と一体に旋回する。
以下、操舵フレーム160の構成を詳細に説明する。操舵フレーム160は、図11(a)〜(c)に示したように、略コ字状のフレーム161と、フレーム161の外周に上下方向から嵌め合わされる上部ピン162及び下部ピン163と、上部ピン162に取り付けられる上部ピンブラケット164と、下部ピン163に取り付けられる下部ピンブラケット165と、上部ピンブラケット164と下部ピンブラケット165を台車枠130の横ばり132に取り付けるブラケット取付けボルト166を備えて構成される。操舵フレーム160は、CFRP成形の一体品で製造され、これにより、車体支持空気バネ170のバネ下荷重が軽減される。
フレーム161の左右方向中央部は、他の部分に比べて小径に形成された小径部161aとなっている。上部ピン162と下部ピン163は、同形状の部材であり、上下対称に配置して用いられる。上部ピン162と下部ピン163は、略凸状の形状をしており、互いに対向する面に半円溝162a、163aが形成されている。半円溝162a、163aはフレーム161の小径部162aに嵌め合わされる。上部ピンブラケット164と下部ピンブラケット165には、凹溝164a、165aが形成されており、上部ピン162と下部ピン163の凸部162b、163bが嵌め合わされる。
次に、操舵フレーム160の前後の横ばり132への組み付け方法を説明する。上部ピン162及び下部ピン163は、図12(a)〜(c)に示したように、フレーム161の小径部161aの上半周に上部ピン162を嵌め合わせ、下半周に下部ピン163を嵌め合わせる。これにより、フレーム161の左右方向への移動が規制される。また、上部ピン162の凸部162bに上部ピンブラケット164の凹溝164aを嵌め合わせ、下部ピン163の凸部163bに下部ピンブラケット165の凹溝165aを嵌め合わせ、上部ピンブラケット164と下部ピンブラケット165をブラケット取付けボルト166によって台車枠130の横ばり131に取り付ける。これにより、操舵フレーム160が台車枠130の横ばり131に取り付けられる。
このように、操舵フレーム160を台車枠130の横ばり131に取り付けることにより、操舵フレーム160は、操舵のための左右方向の動きを許容するとともに、輪軸140、150に掛かる上下方向の動きを許容する。
(4)操舵緩衝器200(図13)
操舵緩衝器200とその周辺の構成について、主に図13を参照しながら説明する。台車装置110の操舵は、台車枠130の中央の中央輪軸150が固定であることから、中央輪軸150を起点として台車枠130の前後の端部輪軸140が自己操舵機能により操舵フレーム160が旋回することによって行われる。操舵緩衝器200は、操舵フレーム160が蛇行動によりふらつかないようにするものであり、図6に示したように、前後の各軸箱190と側張りブロック133の間に設けられる。
操舵緩衝器200は、図13(a)、(b)に示したように、同一軸状に配置される、サーボモータ201、減速機202、ボールネジ203、噛み合いクラッチ204、第1関節球体205、操舵バネ206、第2関節球体207、第1球体受け208及び第2球体受け209を備えて構成される。
サーボモータ201は、図示していない制御装置によって制御された電力が供給されて作動する。減速機202は、サーボモータ201に連結されており、サーボモータ201の回転を減速してトルクを高める。ボールネジ203は、減速機202に連結されており、減速機202から出力される回転力を直線運動に変換する。
噛み合いクラッチ204は、サーボモータ201に異常が発生した場合は、操舵フレーム160に不必要な力が伝達して車輪が脱線しないようにするために作用力を切断する安全装置である。すなわち、噛み合いクラッチ204は、ボールネジ203に連結されており、サーボモータ201が正常に作動しているときには、クラッチが締結してボールネジ203と一体に直進運動をする。一方、噛み合いクラッチ204は、サーボモータ201に異常が発生した場合は、クラッチがスリップしてサーボモータ201を即座に停止させて、舵フレーム160に不必要な力が伝達しないようにする。
第1関節球体205は、操舵緩衝器200の一端に配置され、噛み合いクラッチ204と一体に直進運動する。操舵バネ206は、噛み合いクラッチ204と第1関節球体205との間に設けられ、直線走行時の蛇行動に対して、操舵フレーム160が不安定なふらつきを起こさないように作用する。第2関節球体207は、操舵緩衝器200の他端に移動しないように配置されている。
第1関節球体205は第1球体受け208に軸受され、第2関節球体207は第2球体軸受け209に軸受される。第1関節球体205は第1球体受け208を介して軸箱190に連結され、第2関節球体207は第2球体軸受け209を介して側張りブロック133に連結される。
操舵緩衝器200は、通常時には、図13(a)に示したように、噛み合いクラッチ204が噛み合っており、サーボモータ201の回転力をボールネジ203によって直進運動に変換して第1関節球体205に伝達する。そして、この際、制御装置は、操舵補助力のターゲットとして外部から与えられた目標値と、実際に発生している力とを比較して、サーボモータ201の回転を制御して、必要に応じた適切な補助力を端部輪軸140に与える動作を行う。また、操舵緩衝器200は、操舵と反対方向に何か異常な力が作動した場合、図13(b)に示したように、噛み合いクラッチ204がスリップして、即座にサーボモータ201を停止させる。これにより、事故が起こることを防止する。
(5)ブレーキ装置210(図14、図15)
ブレーキ装置210とその周辺の構成について、主に図14、図15を参照しながら説明する。ブレーキ装置210は、鉄道車両10のスピードを減じるものであり、図14及び図15に示したように、端部輪軸140に設けられる。ブレーキ装置210は、ブレーキディスク211と、ディスクパッド212及びブレーキキャリパー213から構成される。ブレーキディスク211は、端部輪軸140に取り付けられて一体に回転する。ディスクパッド212は、間にブレーキディスク211を挟むように配置され、ブレーキディスク211の両面を挟み付けることにより、ブレーキディスク211の回転を止めるものである。ブレーキキャリパー213は、一端にブレーキパッド212が設けられ、他端が操舵フレーム160に連結されることにより、ブレーキパッド212を操舵フレーム160に連結する。
このように、ブレーキ装置210はブレーキキャリパー213を介して操舵フレーム160に取り付ける構成であるため、端部輪軸140が旋回する構成であっても、旋回することができない動力輪軸で用いられていた従来のブレーキ装置を、特別な改造をすることなしに用いることができる。
(6)主電動機230、動力伝達装置240(図16〜図20)
主電動機230及び動力伝達装置240とその周辺の構成について、主に図16〜図20を参照しながら説明する。主電動機230は、端部軸輪140に動力を伝達する電動機であり、図16及び図17に示したように、前方の輪軸141と後方の軸輪142に対して各1台設けられる。前方の輪軸141の主電動機231と後方の輪軸142の主電動機232は互いに背面合わせで配置される。なお、2台の主電動機231、232は同じ構成であるため、互いを区別する必要がない場合は、主電動機230として説明する。
主電動機231、232は互いに背面合わせで配置され、台車枠130の主電動機受け座134にそれぞれ載置される。主電動機231、232をこのように配置することにより、電動機の回転方向が同じになるため、同じ仕様の主電動機を使用することができる。また、主電動機230を台車枠130の中に配置することができるため、大型の電動機を搭載することができる。
主電動機230は、図16及び図17に示したように、動力伝達装置240を介して端部輪軸140に連結される。動力伝達装置240は、図16〜図20に示したように、サイレントチェーン241、駆動側ローラ242、チェーンテンショナー243、非駆動側ローラ244、伝動軸245、空気ピストン246、ストッパーピン247、圧縮空気出入栓248、たわみ継手249、プロペラ軸250、ピニオン側スプライン251、シリンダ252、ハイポイドギア253及びハイポイドピニオン245を備えて構成される。
サイレントチェーン241は、図18及び図19に示したように、主電動機230の動力を伝動軸245に伝達するものであり、伝動軸245には、伝動軸245の外周に設けられる非駆動側ローラ244を介して動力が伝達される。サイレントチェーン241の外周には、図19に示したように、チェーンテンショナー243が配置されており、サイレントチェーン241の張力は、サイレントチェーン241にチェーンテンショナー243を接触させることによって調整される。
伝達軸245は、端部輪軸140の軸140a(図19参照)とほぼ同じ高さに配置されている。伝達軸245は、たわみ継手249を介して伝達軸245と同軸に配置されるプロペラ軸250に連結されており、プロペラ軸250の先端にはピニオン側スプライン251が設けられている。ピニオン側スプライン251は、端部輪軸140に設けられたハイポイドギア253とハイポイドピニオン254を介して連結されており、端部輪軸140に動力を伝達する。動力伝達時における伝達軸245の軸方向の曲げに対してはたわみ継手249が用いられ、軸方向の移動に対してはピニオン側スプライン251が用いられる。
伝達軸245は、これの軸方向後方に配置される空気ピストン246によって軸方向に移動する。空気ピストン246に空気が注入されると、空気ピストン246が前進して、伝達軸245を前進させる。また、空気ピストン246から空気が抜かれると、空気ピストン246は後退して、伝達軸245も後退する。
ストッパーピン247は、空気ピストン246が後退したときに、空圧で作動して、空気ピストン246の前方に突出するように構成される。突出してストッパーピン247はその状態でロックされる。空気ピストン246が収納されるシリンダ252内の圧縮空気は、シリンダ252の前端部に設けられる圧縮空気出入栓248を介して出入りする。
動力伝達装置240は、これを搭載した台車装置110が別の台車装置でけん引される非動力運転時には、空気ピストン246から空気が抜かれて伝動軸245が後退する。これにより、ピニオン側スプライン251が後退して、端部輪軸140のスプラインとの連結が解除される。よって、端部輪軸140に動力が伝達されなくなる。また、被動力運転時には、ストッパーピン247が空圧で作動しロックされるため、空気ピストン246の前進が規制される。よって、空気ピストン246が不用意に前進して端部輪軸140に動力が伝達されてしまうことを防止することができる。
以上、本実施形態の台車装置110の構成について説明した。以下、台車装置110の操舵方法について説明する。
(台車装置110の操舵方法)
レールの直線区間と円曲線区間には、乗り心地を悪化させないために、これらの区間を滑らかに接続する緩和曲線区間が設けられている。車体100が緩和曲線区間を通過するとき、自己操舵機能を利用して操舵フレーム160を旋回させるだけでは、レールに作用する横圧の発生をゼロにすることはできない。そこで、本実施形態では、緩和曲線区間での横圧低減効果を改善するために、電気的な制御システムによって外部から操舵力を補助して曲線通過性能を向上させる。
すなわち、本実施形態では、走行位置毎に線路状態に合わせた操舵力の目標値を事前に作成した操舵パターンを、予め制御装置に保存しておく。そして、車体100が走行している現在位置を常に検出し、その位置で必要な操舵力の目標値と実際の発生力とを比較してサーボモータ201を作動させる。
以上、台車装置110の操舵方法について説明した。次に、台車装置110の輪重の変更方法について説明する。
(台車装置110の輪重の変更方法)
台車装置110の輪重は、中央輪軸150の中央軸箱220に設けられている軸箱支持空気バネ221の圧縮空気を充填・排出することによって行われる。軸箱支持空気バネ221のバルブの開閉は、電子制御装置からの指令により各輪軸140、150の粘着係数を最適領域に調整するように制御される。各輪軸140、150の輪重の大きさは、制御指令により線路や運転状況に応じて車両停車中のみならず、走行中でも任意に調整されるものである。
まず、粘着係数を大きくする場合は、レベリングバルブを開いて空気タンクから軸箱支持空気バネ221に圧縮空気を入れる。これにより、軸箱支持空気バネ221が拡張し、中央輪軸150に台車装置110の重量が掛かる。その反力として、軸箱支持空気バネ221が台車枠130を押し上げる。このため、台車枠130の前後に設けられた端部輪軸140に掛かる重量は軽減され、動力輪軸である端部輪軸140に掛かる輪重は軽くなる。よって、端部輪軸140の粘着係数が大きくなる。
次に、粘着係数を小さくする場合は、レベリングバルブを開いて軸箱支持空気バネ221から圧縮空気を抜く。これにより、軸箱支持空気バネ221が縮小し、中央輪軸150がレールから離間する方向に引っ張られる。このため、中央輪軸150に掛かる重量が軽減され、その反力として、台車枠130の前後に設けられた端部輪軸140に掛かる重量は増大する。よって、動力輪軸である端部輪軸140に掛かる輪重は重くなり、端部輪軸140の粘着係数が小さくなる。
粘着係数を変えない場合は、レベリングバルブを閉じる。これにより、軸箱支持空気バネ221から空気が漏れない限り、軸箱支持空気バネ221内の空気量が一定に保たれる。よって、各軸に掛かる重量は一定になる。このようにして、粘着係数を変更する必要がない路線や運転状況においては、一定の輪重で走行される。
このように、走行中に輪重を変更することができるため、天候などの環境や走行条件に応じて粘着限界を向上させることができる。よって、最高速度を向上し、かつブレーキ距離を短縮することができる。
(本実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、台車枠130の中央に設けられた中央輪軸150を起点として端部輪軸140が操舵されるため、蛇行動安定性と曲線通過性能を向上させることができる。このため、高周波騒音、フランジ摩耗、ゲージコーナー摩耗などの車輪やレール接触に関する問題が防止されるため、メンテナンスコストを低減することができる。また、中央輪軸150は、無動力輪軸であることに加え、操舵の機能を有さない固定輪軸であるため、台車装置110がレールから逸脱することを防止する逸脱防止ガイドとしての機能も備える。
また、操舵フレーム160に旋回力を付与する操舵緩衝器200が設けられるため、緩和曲線区間での横圧を低減することができるとともに、車輪のフランジ摩耗を防止することができる。
また、操舵フレーム160はブレーキキャリパー213を介して中央ブレーキ装置223に連結されるため、中央ブレーキ装置223を旋回のためだけに、特別に改造する必要がない。
また、中央輪軸150と台車枠130は軸箱支持空気バネ221を介して連結されており、軸箱支持空気バネ221に空気が注入されると、軸箱支持空気バネ221を介して中央輪軸150に掛かる台車枠130の重量が増加し、軸箱支持空気バネ221の空気を抜くと、中央輪軸150に掛かる台車枠130の重量が軽減するようにしている。このため、軸箱支持空気バネ221に圧縮空気を充填・排出すれば、走行中に端部輪軸140の輪重を変更させて、粘着限界が向上させられる。よって、天候などの環境や走行条件に応じて粘着限界が向上させられることによって、最高速度を向上し、かつ、ブレーキ距離を短縮することができる。
また、前後の端部輪軸141、142に動力を伝達する主電動機231、232が前後の端部輪軸141、142に対して各1台設けられ、主電動機231、232は互いに背面合わせで配置されるようにした。このため、各主電動機231、232の回転方向が同じであるため、同じ仕様の主電動機231、232を使用できる。
また、前後の端部輪軸141、142に動力を伝達する主電動機231、232が中央輪軸150の上方に設けられるようにした。これにより、主電動機231、232を台車枠130の中に配置することができるため、大型の電動機を搭載することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、操舵フレーム160に旋回力を付与する操舵緩衝器200が設けたが、本発明は必ずしもこれに限定されない。例えば、操舵緩衝器200を設けずに操舵フレーム160のみを設けた構成としても、蛇行動安定性と曲線通過性能を向上させた台車装置110とすることができる。
また、上記実施形態では、操舵フレーム160はブレーキキャリパー213を介して中央ブレーキ装置223に連結したが、本発明は必ずしもこれに限定されない。
また、上記実施形態では、中央軸箱220と台車枠130とが軸箱支持空気バネ221を介して連結されており、軸箱支持空気バネ221に空気が注入されると、軸箱支持空気バネ221を介して中央輪軸150に掛かる台車枠130の重量が増加し、軸箱支持空気バネ221の空気を抜くと、中央輪軸150に掛かる台車枠130の重量が軽減するようにしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、軸箱支持空気バネ221は中央輪軸150の任意の位置に配置することができる。
また、上記実施形態では、前後の端部輪軸141、142に動力を伝達する主電動機231、232が前後の端部輪軸141、142に対して各1台設けられ、主電動機231、232は互いに背面合わせで配置されるようにしたが、本発明はこれに限定されず、各主電動機231、232は任意の形態で配置されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、前後の端部輪軸141、142に動力を伝達する主電動機231、232が中央輪軸150の上方に設けられるようにしたが、本発明はこれに限定されず、主電動機231、232は任意の位置に設けられるようにしてもよい。
本発明は、鉄道車両の台車装置に利用可能である。
10 鉄道車両
20 レール
100 車体
101 車体フレーム
102 けん引棒ブラケット
110 台車装置
120 車体間連接棒装置
121 連接棒
122 ゴムブッシュ
130 台車枠
131 横ばり
132 側ばり
133 側ばりブロック
134 主電動機受け座
140 端部輪軸(動力輪軸)
140a 軸
141 前方の輪軸
142 後方の輪軸
150 中央輪軸(無動力輪軸)
151 車輪踏面
160 操舵フレーム
161 フレーム
161a 小径部
162 上部ピン
162a、163a 半円溝
162b、163b 凸部
163 下部ピン
164 上部ピンブラケット
164a、165a 凹溝
165 下部ピンブラケット
166 ブラケット取付けボルト
170 車体支持空気バネ
180 けん引棒装置
190 軸箱
191 軸箱支持装置
192 上部軸受け(第1の軸受け)
193 球体上部
193a カイド孔
194 上部バネ受け
195 下部軸受け(第2の軸受け)
196 球体下部
196a ガイド棒(軸)
197 下部バネ受け
198 軸バネ
199 軸ダンパ
200 操舵緩衝器
201 サーボモータ
202 減速機
203 ボールネジ
204 噛み合いクラッチ
205 第1関節球体
206 操舵バネ
207 第2関節球体
208 第1球体受け
209 第2球体受け
210 ブレーキ装置
211 ブレーキディスク
212 ディスクパッド
213 ブレーキキャリパー
220 中央軸箱
221 軸箱支持空気バネ
222 中央軸ダンパ
223 中央ブレーキ装置
230、231、232 主電動機
240 動力伝達装置
241 サイレントチェーン
242 駆動側ローラ
243 チェーンテンショナー
244 非駆動側ローラ
245 伝動軸
246 空気ピストン
247 ストッパーピン
248 圧縮空気出入栓
249 たわみ継手
250 プロペラ軸
251 ピニオン側スプライン
252 シリンダ
253 ハイポイドギア
254 ハイポイドピニオン

Claims (7)

  1. 鉄道車両の台車装置であって、
    車体間連接棒装置を介して連接された2つの車体にまたがって取り付けられる台車枠と、
    前記台車枠に前記車体の進行方向に沿って設けられる3組の輪軸と、
    前記台車枠の前後の横ばりの横方向中央位置を中心に旋回する操舵フレームと、
    を備え、
    前記台車枠の前後両端に設けられる前記輪軸は、前記輪軸を回転駆動させる動力が伝達される動力輪軸であり、かつ前記操舵フレームに連結されて一体に旋回し、
    前記台車枠の前記中央に設けられる前記輪軸は、前記輪軸を回転駆動させる動力が伝達されない無動力輪軸であり、かつ旋回が規制されて前記動力輪軸の操舵の起点となることを特徴とする、鉄道車両の台車装置。
  2. さらに、前記操舵フレームに旋回力を付与する操舵緩衝器を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の鉄道車両の台車装置。
  3. 前記操舵フレームは、ブレーキキャリパーを介してブレーキ装置に連結されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の鉄道車両の台車装置。
  4. 前記中央輪軸と前記台車枠とは空気バネを介して連結されており、
    前記空気バネに空気が注入されると、前記空気バネを介して前記中央輪軸に掛かる前記台車枠の重量が増加し、前記空気バネの空気を抜くと、前記中央輪軸に掛かる前記台車枠の重量が軽減することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の鉄道車両の台車装置。
  5. 前記動力輪軸に動力を伝達する主電動機が前記動力輪軸に対して各1台設けられ、
    前記主電動機は互いに背面合わせで配置されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の鉄道車両の台車装置。
  6. 前記動力輪軸に動力を伝達する主電動機が前記中央輪軸上に設けられることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の鉄道車両の台車装置。
  7. 前記動力輪軸は、前記台車枠に対して、両者間の捩れを吸収する軸箱支持装置を介して連結されており、
    前記軸箱支持装置は、両端部が球体状に形成された軸と、前記軸の一方の球体状の端部を回転可能に支持する球面状の第1の軸受けと、前記軸の他方の球体状の端部を回転可能に支持する球面状の第2の軸受けと、を備え、
    前記第1の軸受けは、前記台車枠に支持され、
    前記第2の軸受けは、前記動力輪軸に支持され、
    前記軸の前記球体状の両端部が前記第1の軸受け及び前記第2の軸受けで回転して前記動力輪軸と前記台車枠との捩れを吸収することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の鉄道車両の台車装置。
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