JPWO2014185536A1 - フラーレン誘導体、及びn型半導体材料 - Google Patents

フラーレン誘導体、及びn型半導体材料 Download PDF

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Abstract

本発明は、n型半導体、特に有機薄膜太陽電池等の光電変換素子用のn型半導体として優れた性能を有する材料を提供することを目的とする。本発明は、式(1)[式中、R1a及びR1bは、同一又は異なって、水素原子、又はフッ素原子を表し、R1c及びR1dは、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、エステル基、又はシアノ基を表し、R2は、(1)フッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、エステル基、及びシアノ基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基、又は(2)1〜3個のメチル基で置換されていてもよい5員ヘテロアリール基を表し、及び環Aは、フラーレン環を表す。但し、R1a、R1b、R1c及びR1dが、水素原子である場合、R2は、1又は2個のフッ素原子で置換されたフェニル基、又は1〜3個のメチル基で置換されていてもよい5員ヘテロアリール基である。]で表されるフラーレン誘導体に関する。

Description

本発明は、フラーレン誘導体、及びn型半導体材料等に関する。
有機薄膜太陽電池は、光電変換材料として有機化合物を用い、溶液からの塗布法によって形成されるものであり、1)デバイス作製時のコストが低い、2)大面積化が容易である、3)シリコン等の無機材料と比較してフレキシブルであり使用できる場所が広がる、4)資源枯渇の心配が少ない、等の各種の利点を有するものである。このため、近年、有機薄膜太陽電池の開発が進められており、特に、バルクヘテロジャンクション構造を採用することによって変換効率を大きく向上させることが可能となり、広く注目を集めるに至っている。
有機薄膜太陽電池に用いる光電変換素地用材料の内で、p型半導体については、特に、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)が優れた性能を有する有機p型半導体材料として知られている。最近では、より高機能を目指して、太陽光の広域の波長を吸収できる構造やエネルギー準位を調節した構造を有する化合物が開発され(ドナーアクセプター型π共役高分子)、性能向上に大きく貢献している。このような化合物の例としては、ポリ−p−フェニレンビニレン、ポリ[[4,8−ビス[(2−エチルヘキシル)オキシ]ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−2,6−ジイル][3−フルオロ−2−[(2−エチルヘキシル)カルボニル]チエノ[3,4−b]チオフェンジイル]](PTB7)が挙げられる。
一方、n型半導体についても、フラーレン誘導体が盛んに検討されており、優れた光電変換性能を有する材料として、[6,6]−フェニルC61−酪酸メチルエステル(PCBM)が報告されている(後記特許文献1,2等参照)。しかしながら、PCBM以外のフラーレン誘導体に関しては、安定して良好な変換効率を達成できることが実証された例は殆どない。
近年、PCBM以外の有機太陽電池用フラーレン誘導体が報告されている。しかしながらそれらは、陽極(ITO電極)の集電材料を取り除いた特殊なデバイス構成での比較(非特許文献1)や、PCBMとほとんど同程度の性能のものである(非特許文献2)。また、Y. Li らにより報告されている二置換誘導体(非特許文献3)は、E. T. Hoke らの報告のように、P3THではPCBMより高い変換効率を実現しているが、ドナーアクセプター型π共役高分子では、低い変換効率しか得られていない(非特許文献4)。
このように、p型材料に限定の無い、かつ高い変換効率を実現できる、PCBM以外の高機能なn型材料はこれまで知られていなかった。
フラーレン誘導体の合成方法に関しては、幾つかの合成方法が提案されており、収率、純度の点から、ジアゾ化合物を用いた3員環部分を有するフラーレン誘導体の合成方法と、グリシン誘導体とアルデヒドから発生させたアゾメチンイリドを付加させた5員環部分を有するフラーレン誘導体の合成方法が優れた方法として知られている。
前述したPCBMは、3員環部分を有するフラーレン誘導体であり、フラーレン骨格にカルベン中間体が付加した3種類の生成物の混合物を得た後、光照射又は加熱処理による変換反応を経由することによって得られるものである。しかしながら、この製造方法で得られる3員環部分の誘導体は、置換基の導入位置、個数に関して制限が有るために、新規なn型半導体の開発には大きな制約がある。
一方、5員環部分を有するフラーレン誘導体に関しては、構造上の多様性面で優れていると考えられるが、有機薄膜太陽電池のn型半導体材料として優れた性能を有するフラーレン誘導体についての報告は殆どない。その少ない例の一つとしては、後記特許文献3に記載のフラーレン誘導体が挙げられる。
特開2009−84264号公報 特開2010―92964号公報 特開2012−089538号公報
T. Itohら、Journal of Materials Chemistry, 2010年, 20巻, 9226頁 T. Ohnoら、Tetrahedron, 2010年, 66巻, 7316頁 Y. Li ら、Journal of American Chemical Society, 2010年, 132巻, 1377頁 E. T. Hoke ら、Advanced Energy Materials, 2013年, 3巻, 220頁
本発明は、前記した従来技術の現状に鑑みてなされてものであり、その主な目的は、n型半導体、特に有機薄膜太陽電池等の光電変換素子用のn型半導体として優れた性能を有する材料を提供することである。
特許文献3によれば、これに記載されたフラーレン誘導体は、高い光電変換効率を有している。この高い光電変換効率は、本発明者らの検討によれば、フラーレン誘導体に含まれるピロリジン部位におけるアミンとしての塩基性が重要な要素であると考えられた。
本発明者らは、更に継続して検討した結果、ピロリジン部位の2位の置換基構造の立体的嵩高さがn型半導体としての性能に影響を与えること、詳細には、よりバルキーな置換基を有する誘導体では、変換効率が低下してしまう、という新たな知見を得た。しかしながら、一方、ピロリジン部位の2位に置換基を有さない場合は、溶解度が低くなり、かつ低い変換効率しか得られないこともまた明らかになった。
本発明者らは、以上の知見を元に、鋭意検討を重ねて、後記式(1)で表されるフラーレン誘導体がn型半導体として優れた性能を有することを見出した。
本発明は、後記式(1)で表されるフラーレン誘導体、それからなるn型半導体材料等を提供するものである。
項1.
式(1):
Figure 2014185536
[式中、
1a及びR1bは、同一又は異なって、
水素原子、又は
フッ素原子
を表し、
1c及びR1dは、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基、エステル基、又はシアノ基を表し、
は、
(1)フッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、エステル基、及びシアノ基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基、
(2)1〜3個のメチル基で置換されていてもよい5員ヘテロアリール基、又は
(3)アルキル基、アルコキシ基、エーテル基、アシル基、エステル基、又はシアノ基を表し、及び
環Aは、フラーレン環を表す。
但し、R1a、R1b、R1c及びR1dが、水素原子である場合、
は、1又は2個のフッ素原子で置換されたフェニル基、又は
1〜3個のメチル基で置換されていてもよい5員ヘテロアリール基
である。]
で表されるフラーレン誘導体。
項2.
1a及びR1bは、同一又は異なって、水素原子、又はフッ素原子であり、かつR1a及びR1bの少なくとも一方が、フッ素原子であり、
が、式:
Figure 2014185536
[式中、
2a及びR2bは、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、アルキル基、又はアルコキシ基を表し、及び
2c及びR2dは、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、エステル基、又はシアノ基
を表す。]
で表される基である、
項1に記載のフラーレン誘導体。
項3.
1a及びR1bは、同一又は異なって、水素原子、又はフッ素原子であり、かつR1a及びR1bの少なくとも一方が、フッ素原子であり、
1c及びR1dは、同一又は異なって、水素原子、又はフッ素原子であり、
2a及びR2bは、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、アルキル基、又はアルコキシ基であり、及び
2c及びR2dは、水素原子である、
項2に記載のフラーレン誘導体。
項4.
環Aは、C60フラーレン、又はC70フラーレンである項1〜3のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体。
項5.
項1〜4のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体からなるn型半導体材料。
項6.
有機薄膜太陽電池用である項5に記載のn型半導体材料。
項7.
項6に記載のn型半導体材料を含有する有機発電層。
項8.
項7に記載の有機発電層を備える光電変換素子。
項9.
有機薄膜太陽電池である、項8に記載の光電変換素子。
項10.
光センサーアレイ用である項5に記載のn型半導体材料。
項11.
光センサーアレイである、項8に記載の光電変換素子。
本発明のフラーレン誘導体は、n型半導体材料、特に有機薄膜太陽電池等の光電変換素子用のn型半導体として有用である。
本明細書中、特に断りのない限り、「アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、及びヘキシル等の、直鎖状又は分枝鎖状の、炭素数1〜10のアルキル基が挙げられる。
本明細書中、特に断りのない限り、「アルコキシ基」としては、例えば、RO−(式中、Rはアルキル基である。)で表される基である。
本明細書中、特に断りのない限り、「エステル基」は、例えば、RCO−(式中、Rはアルキル基である。)で表される基である。
本明細書中、特に断りのない限り、「エーテル基」は、エーテル結合(−O−)を有する基を意味し、ポリエーテル基を包含する。ポリエーテル基は、式:R−(O−R−(式中、Rはアルキル基であり、Rは各出現において同一又は異なって、アルキレン基であり、及びnは1以上の整数である。)で表される基を包含する。アルキレン基は前記アルキル基から水素原子を1個除去して形成される2価の基である。
本明細書中、特に断りのない限り、「アシル基」は、アルカノイル基を包含する。本明細書中、特に断りのない限り、「アルカノイル基」は、例えば、RCO−(式中、Rはアルキル基である。)で表される基である。
本明細書中、特に断りのない限り、「5員ヘテロアリール基」としては、例えば、ピロリル(例、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、フリル(例、2−フリル、3−フリル)、チエニル(例、2−チエニル、3−チエニル)、ピラゾリル(例、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、イミダゾリル(例、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル)、イソキサゾリル(例、3−イソキサゾリル、4−イソキサゾリル、5−イソキサゾリル)、オキサゾリル(例、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、イソチアゾリル(例、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル)、チアゾリル(例、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、トリアゾリル(例、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル)、オキサジアゾリル(例、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)、チアジアゾリル(例、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル)等の、環構成原子として、酸素、硫黄、及び窒素からなる群より選択される1個以上(例、1個、2個、又は3個)のヘテロ原子を有する5員ヘテロアリール基が挙げられる。
以下、本発明のフラーレン誘導体、それからなるn型半導体材料等について具体的に説明する。
フラーレン誘導体
本発明のフラーレン誘導体は、後記式(1)で表されるフラーレン誘導体である。
式(1):
Figure 2014185536
[式中、
1a及びR1bは、同一又は異なって、水素原子、又はフッ素原子を表し、
1c及びR1dは、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基、エステル基、又はシアノ基を表し、
は、
(1)フッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、エステル基、及びシアノ基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基、
(2)1〜3個のメチル基で置換されていてもよい5員ヘテロアリール基、又は
(3)アルキル基、アルコキシ基、エーテル基、アシル基、エステル基、又はシアノ基を表し、及び
環Aは、フラーレン環を表す。
但し、R1a、R1b、R1c及びR1dが、水素原子である場合、
は、1又は2個のフッ素原子で置換されたフェニル基、又は
1〜3個のメチル基で置換されていてもよい5員ヘテロアリール基
である。]
本発明のフラーレン誘導体は、式(1)におけるピロリジン部位の構成原子である窒素原子上に
部分構造式:
Figure 2014185536
[式中の記号は前記と同意義を表す。]
で表される基を有することにより、当該窒素原子に起因する塩基としての性質を低減し、その結果、n型半導体材料として優れた性質を有することができる。
当該基は、好ましくは、例えば、2−フルオロフェニル、又は2,6−ジフルオロフェニルである。
は、好ましくは、式:
Figure 2014185536
[式中、
2a及びR2bは、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、アルキル基、又はアルコキシ基を表し、及び
2c及びR2dは、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、エステル基、又はシアノ基
を表す。]
で表される基である。
は、好ましくは、例えば、2−フルオロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、2−メトキシフェニル、又は2,6−ジメトキシフェニルである。
本発明の好適な一態様においては、
1a及びR1bは、同一又は異なって、水素原子、又はフッ素原子であり、かつR1a及びR1bの少なくとも一方が、フッ素原子であり、及び
が、式:
Figure 2014185536
[式中、
2a及びR2bは、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、アルキル基、又はアルコキシ基を表し、及び
2c及びR2dは、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、エステル基、又はシアノ基
を表す。]
で表される基である。
当該態様において、より好ましくは、
1a及びR1bは、同一又は異なって、水素原子、又はフッ素原子であり、かつR1a及びR1bの少なくとも一方が、フッ素原子であり、
1c及びR1dは、同一又は異なって、水素原子、又はフッ素原子であり、
2a及びR2bは、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、アルキル基、又はアルコキシ基であり、及び
2c及びR2dは、水素原子である。
環Aは、好ましくは、C60フラーレン、又はC70フラーレン、より好ましくはC60フラーレンである。
式(1)のフラーレン誘導体は、環AがC60フラーレンであるフラーレン誘導体、及び環AがC70フラーレンであるフラーレン誘導体の混合物であってもよい。
なお、本明細書中、C60フラーレンを、当該技術分野において、しばしば行われるように、次のような構造式:
Figure 2014185536
で表す場合がある。
環AがC60フラーレンである場合、式(1)のフラーレン誘導体は、次の一般式:
Figure 2014185536
で表すことができる。
本発明の一態様のフラーレン誘導体は、後記式(1A)で表されるフラーレン誘導体である。
Figure 2014185536
[式中、
1a及びR1bは、同一又は異なって、
水素原子、又は
フッ素原子
を表し、
Arは、
1又は2個のフッ素原子で置換されていてもよいフェニル基、又は
1〜3個のメチル基で置換されていてもよい5員ヘテロアリール基
を表し、及び
環Aは、フラーレン環を表す。
但し、R1a及びR1bの両方が、水素原子である場合、
Arは、1又は2個のフッ素原子で置換されたフェニル基、又は
1〜3個のメチル基で置換されていてもよい5員ヘテロアリール基
である。]
当該態様のフラーレン誘導体は、式(1A)におけるピロリジン部位の構成原子である窒素原子上に
部分構造式:
Figure 2014185536
で表される、コンパクトな、置換又は非置換のフェニル基(すなわち、フェニル、2−フルオロフェニル、又は2,6−ジフルオロフェニル)を有することにより、当当該窒素原子に起因する塩基としての性質を低減し、その結果、n型半導体材料として優れた性質を有することができる。
当該態様において、Arは、好ましくは、1又は2個のフッ素原子で置換されたフェニル基、又は1〜3個のメチル基で置換されていてもよい5員ヘテロアリール基である。
Arがこのような、コンパクトな、置換又は非置換の芳香族基であることにより、本発明のフラーレン誘導体は、n型半導体材料として優れた性質を有することができる。
当該態様において、Arで表される「1又は2個のフッ素原子で置換されたフェニル基」は、好ましくは、オルト位において1又は2個のフッ素原子で置換されたフェニル基(すなわち、2−フルオロフェニル、又は2,6−ジフルオロフェニル)である。
当該態様において、Arは、好ましくは、例えば、フェニル、2−フルオロフェニル、又は2,6−ジフルオロフェニル、2−チエニル、又は2−チアゾリル、より好ましくは、例えば、フェニル、2−フルオロフェニル、又は2,6−ジフルオロフェニルである。
式(1A)で表されるフラーレン誘導体の好適な一態様は、R1a及びR1bの少なくとも一方が、フッ素原子であるフラーレン誘導体である。
式(1A)で表されるフラーレン誘導体の別の好適な一態様は、R1a及びR1bの両方が、水素原子であり、
Arは、
1又は2個のフッ素原子で置換されたフェニル基、又は
1〜3個のメチル基で置換されていてもよい5員ヘテロアリール基
であるフラーレン誘導体である。
前記式(1)で表されるフラーレン誘導体は、各種の有機溶媒に対して良好な溶解性を示すので、塗布法による薄膜の形成が容易である。
更に、前記式(1)で表されるフラーレン誘導体は、n型半導体材料として、有機p型半導体材料と共に用いて有機発電層を調製した際に、バルクヘテロジャンクション構造を容易に形成できる。
フラーレン誘導体の製造方法
前記式(1)で表されるフラーレン誘導体は、公知のフラーレン誘導体の製造方法、又はこれに準じた方法によって製造することができる。
前記式(1)で表されるフラーレン誘導体は、具体的には、例えば、下記のスキームの方法に従って、合成できる。スキーム中の記号は前記と同意義を表す。
Figure 2014185536
<工程A>
工程Aでは、グリシン誘導体(化合物(b))をアルデヒド化合物(化合物(a))及びフラーレン(化合物(c))と反応させて、式(1)で表されるフラーレン誘導体(化合物(1))を得る。
アルデヒド化合物(化合物(a))、グリシン誘導体(化合物(b))及びフラーレン(化合物(c))の量比は任意だが、収率を高くする観点から、通常、フラーレン(化合物(c))1モルに対して、アルデヒド化合物(化合物(a))及びグリシン誘導体(化合物(b))をそれぞれ0.1〜10モル、好ましくは0.5〜2モルの量で用いる。
当該反応は、無溶媒又は溶媒中で行われる。
当該溶媒としては、例えば、二硫化炭素、クロロホルム、ジクロロエタン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等が挙げられる。なかでも、クロロホルム、トルエン、及びクロロベンゼン等が好ましい。これらの溶媒は、適当な割合で混合して用いてもよい。
反応温度は、通常、室温〜およそ150℃の範囲内であり、好ましくはおよそ80〜およそ120℃の範囲内である。本明細書中、室温は、15〜30℃の範囲内である。
反応時間は、通常およそ1時間〜およそ4日間の範囲内であり、好ましくはおよそ10〜およそ24時間の範囲内である。
得られた化合物(1)を、必要に応じて慣用の精製方法で精製できる。
例えば、得られた化合物(1)を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒としては、例えば、ヘキサン−クロロホルム、ヘキサン−トルエン、又はヘキサン−二硫化炭素が好ましい。)で精製し、その後、更にHPLC(分取GPC)(展開溶媒としては、例えば、クロロホルム、又はトルエンが好ましい。)で精製できる。
当該工程Aで用いられる、アルデヒド化合物(化合物(a))、グリシン誘導体(化合物(b))及びフラーレン(化合物(c))は、それぞれ公知の化合物であり、公知の方法、又はこれに準じた方法によって合成するか、商業的に入手可能である。
アルデヒド化合物(化合物(a))は、具体的には、例えば、後記の方法(a1)、(a2)又は(a3)で合成することができる。
これらの方法を示す反応式において、Rは前記式(1)におけるRと同義であり、目的とするフラーレン誘導体のRに対応する。
方法(a1):R −CH OHで表されるアルコールの酸化
この方法における酸化には、公知の方法、例えば、(i)酸化剤としてクロム酸、酸化マンガン等を用いる方法、(ii)ジメチルスルホキシドを酸化剤として用いるスワーン(swern)酸化、又は(iii)触媒共存下に過酸化水素、酸素、空気等を用いて酸化する方法などを適用できる。
方法(a2):R −COOHで表されるカルボン酸、その酸ハライド、そのエステル、又はその酸アミドなどの還元
この方法における還元には、公知の方法、例えば、(i)還元剤として金属水素化物を用いる方法、(ii)触媒存在下に水素還元する方法、又は(iii)ヒドラジンを還元剤とする方法などを適用できる。
方法(a3):R −X(Xは、ハロゲンを表す。)で表されるハロゲン化物のカルボニル化
この方法におけるカルボニル化には、例えば、n−BuLiを用いて前記ハロゲン化物からアニオンを形成させ、これにカルボニル基を導入化する方法を適用できる。ここでのカルボニル基導入試薬としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF);又はピペリジン、モルホリン、ピペラジン若しくはピロリジンのN−ホルミル誘導体等のアミド化合物が用いられる。
グリシン誘導体(化合物(b))は、具体的には、例えば、後記の方法(b1)、(b2)又は(b3)によって合成することができる。
これらの方法を示す反応式において、Arは式:
Figure 2014185536
[式中の記号は、前記と同意義を表す。]
で表される基である。
方法(b1):アニリン誘導体とハロゲン化酢酸との反応
Figure 2014185536
当該反応は、水、メタノール、エタノール、又はそれらの混合物などを溶媒として用い、及び必要に応じて塩基の存在下で実施できる。
方法(b2):アニリン誘導体とハロゲン化酢酸エステルとの反応、及び当該反応で得られたグリシン誘導体エステルの加水分解
Figure 2014185536
この方法において、アニリン誘導体とハロゲン化酢酸エステルの反応は、例えば、メタノール、エタノールなどを溶媒として用い、酢酸塩、炭酸塩、リン酸塩、3級アミンなどの塩基の存在下に行うことができる。グリシン誘導体エステルの加水分解は、通常、水溶性アルカリの存在下に、室温で行うことができる。
方法(b3):芳香族ハロゲン化物とグリシンとの反応
Figure 2014185536
この反応は、例えば、触媒として一価銅を用い、及びバルキーなアミン、アミノ酸、又はアミノアルコールなどの存在下で行うことができる。反応溶媒としては、水、メタノール、エタノール、又はこれらの混合物が好ましく用いられる。反応温度は、室温〜100℃程度である。
本発明のフラーレン誘導体は、このように、グリシン誘導体とアルデヒド誘導体を原料として簡単な方法で合成できるので、低コストで製造可能である。
フラーレン誘導体の用途
本発明のフラーレン誘導体は、n型半導体材料、特に有機薄膜太陽電池等の光電変換素子用のn型半導体材料として好適に使用できる。
本発明のフラーレン誘導体をn型半導体材料として使用する場合、通常、有機p型半導体材料(有機p型半導体化合物)と組み合わせて用いられる。
当該有機p型半導体材料としては、例えば、ポリ−3−ヘキシルチオフェン(P3HT)、ポリ−p−フェニレンビニレン、ポリ−アルコキシ−p−フェニレンビニレン、ポリ−9,9−ジアルキルフルオレン、ポリ−p−フェニレンビニレンなどが挙げられる。
これらは太陽電池としての検討例が多く、かつ入手が容易であるので、容易に安定した性能のデバイスを得ることができる。
また、より高い変換効率を得るためには、バンドギャップを狭くすることで(ローバンドギャップ)長波長光の吸収を可能にした、ドナーアクセプター型π共役高分子が有効である。
これらドナーアクセプター型π共役高分子は、ドナーユニットとアクセプターユニットとを有し、これらが交互に配置された構造を有する。
ここで用いられるドナーユニットとしては、ベンゾジチオフェン、ジチエノシロール、N−アルキルカルバゾールが、またアクセプターユニットとしては、ベンゾチアジアゾール、チエノチオフェン、チオフェンピロールジオンなどが挙げられる。
具体的には、これらのユニットを組み合わせた、ポリ(チエノ[3,4−b]チオフェン−co−ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]チオフェン)(PTBxシリーズ)、ポリ(ジチエノ[1,2−b:4,5−b’][3,2−b:2’,3’−d]シロール−alt−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)類などの高分子化合物が挙げられる。
これらのうちでも、好ましいものとしては、
(1)ポリ({4,8−ビス[(2−エチルヘキシル)オキシ]ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−2,6−ジイル}{3−フルオロ−2−[(2−エチルヘキシル)カルボニル]チエノ[3,4−b]チオフェンジイル})(PTB7、構造式を以下に示す)、
(2)ポリ[(4,8−ジ(2−エチルヘキシルオキシ)ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン)−2,6−ジイル−alt−((5−オクチルチエノ[3,4−c]ピロール−4,6−ジオン)−1,3−ジイル)(PBDTTPD、構造式を以下に示す)、
(3)ポリ[(4,4’−ビス(2−エチルヘキシル)ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]シロール)−2,6−ジイル−alt−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)−4,7−ジイル](PSBTBT、構造式を以下に示す)、
(4)ポリ[N−9’’−ヘプタデカニル−2,7−カルバゾール−アルト−5,5−(4’,7’−ジ−2−チエニル−2’,1’,3’−ベンゾチアジアゾール)](PCDTBT、構造式を以下に示す)、及び
(5)ポリ[1−(6−{4,8−ビス[(2−エチルヘキシル)オキシ]−6−メチルベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−2−イル}{3−フルオロ−4−メチルチエノ[3,4−b]チオフェン−2−イル}−1−オクタノン)(PBDTTT−CF、構造式を以下に示す)
などが挙げられる。
なかでも、より好ましい例としては、アクセプターユニットとしてチエノ[3,4−b]チオフェンの3位にフッ素原子を有するPTB系化合物が挙げられ、特に好ましい例としては、PBDTTT−CF及びPTB7が挙げられる。
Figure 2014185536
(式中、nは繰り返し数を表す。)
Figure 2014185536
(式中、nは繰り返し数を表す。)
Figure 2014185536
(式中、nは繰り返し数を表す。)
Figure 2014185536
(式中、nは繰り返し数を表す。)
Figure 2014185536
(式中、nは繰り返し数を表す。)
本発明のフラーレン誘導体を、有機p型半導体材料との組み合わせにおいて、n型半導体材料として用いて調製された有機発電層は、高い変換効率を発現できる。
本発明のフラーレン誘導体は、各種の有機溶媒に対して良好な溶解性を示すので、これをn型半導体材料として使用した場合、塗布法による有機発電層の調製が可能であり、大面積の有機発電層の調製も容易である。
また、本発明のフラーレン誘導体は、有機p型半導体材料との相溶性が良好であって、且つ適度な自己凝集性を有する化合物である。このため、当該フラーレン誘導体をn型半導体材料(有機n型半導体材料)としてバルクジャンクション構造の有機発電層を容易に形成する。この有機発電層を用いることによって、高い変換効率を有する有機薄膜太陽電池、或いは光センサーを得ることができる。
よって、本発明のフラーレン誘導体をn型半導体材料として用いることによって、低コストで優れた性能を有する有機薄膜太陽電池を作製することが可能となる。
また、本発明のn型半導体材料を含有する(又は、からなる)有機発電層の別の応用として、デジタルカメラ用イメージセンサーがある。デジタルカメラの高機能化(高精細化)の要求に対して、既存のシリコン半導体からなるイメージセンサーには、感度低下の課題が指摘されている。これに対して、光感度の高い有機材料からなるイメージセンサーにより、高感度と高精細化が可能になると期待されている。このようなセンサーの受光部を構築する材料には、光を感度良く吸収し、ここから電気信号を高効率で発生させることが求められる。このような要求に対して、本発明のn型半導体材料を含有する(又は、からなる)有機発電層は、可視光を効率良く電気エネルギーに変換できるので、上記イメージセンサー受光部材料としても、高い機能を発現できる。
n型半導体材料
本発明のn型半導体材料は、本発明のフラーレン誘導体からなる。
有機発電層
本発明の有機発電層は、n型半導体材料(n型半導体化合物)として、本発明のフラーレン誘導体を含有する。
本発明の有機発電層は、光変換層(光電変換層)であることができる。
また、本発明の有機発電層は、通常、本発明のフラーレン誘導体、すなわち本発明のn型半導体材料との組み合わせにおいて、前記有機p型半導体材料(有機p型半導体化合物)を含有する。
また、本発明の有機発電層は、通常、本発明のn型半導体材料及び前記有機p型半導体からなる。
本発明の有機発電層においては、好ましくは、本発明のn型半導体材料と前記有機p型半導体材料とがバルクヘテロジャンクション構造を形成している。
本発明の有機発電層は、例えば、本発明のn型半導体材料及び前記有機p型半導体材料を有機溶媒に溶解させ、得られた溶液から、スピンコート法、キャスト法、ディッピング法、インクジェット法、及びスクリーン印刷法等の公知の薄膜形成方法を採用して、基板上に薄膜を形成することにより、調製できる。
当該有機発電層の薄膜形成において、本発明のフラーレン誘導体は、有機p型半導体材料(好ましくは、P3HT、又はPTB7)との相溶性が良好であって、且つ適度な自己凝集性を有するので、n型半導体材料としての本発明のフラーレン誘導体及び有機p型半導体材料を含有し、かつバルクヘテロジャンクション構造を有する有機発電層を容易に得ることができる。
有機薄膜太陽電池
本発明の有機薄膜太陽電池は、前記で説明した本発明の有機発電層を備える。
このため、本発明の有機薄膜太陽電池は、高い変換効率を有する。
当該有機薄膜太陽電池の構造は特に限定されず、公知の有機薄膜太陽電池と同様の構造であることができ、及び本発明の有機薄膜太陽電池は、公知の有機薄膜太陽電池の製造方法に従って製造できる。
当該フラーレン誘導体を含む有機薄膜太陽電池の一例としては、例えば、基板上に、透明電極(陰極)、陰極側電荷輸送層、有機発電層、陽極側電荷輸送層及び対極(陽極)が順次積層された構造の太陽電池を例示できる。当該有機発電層は、好ましくは、有機p型半導体材料、及びn型半導体材料としての本発明のフラーレン誘導体を含有し、バルクヘテロジャンクション構造を有する半導体薄膜層(すなわち、光電変換層)である。
このような構造の太陽電池において、有機発電層以外の各層の材料としては、公知の材料を適宜使用できる。具体的には、電極の材料としては、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、及び酸化インジウム(ITO)等が挙げられる。電荷輸送層の材料としては、例えば、PFN(ポリ[9,9−ビス(3’−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル−2,7−フルオレン)−alt−2,7−(9,9−ジオクチルフルオレン)])及びMoO(酸化モリブデン)等が挙げられる。
光センサー
上記のように、本発明で得られる光電変換層は、デジタルカメラの高機能製品における、イメージセンサー用受光部として有効に機能する。従来のシリコンフォトダイオードを用いた光センサーに比較して、明るいところで白トビが起こらず、また暗いところでもはっきりした映像を得ることができる。このため、従来のカメラより高品位の映像を得ることができる。光センサーは、シリコン基板、電極、光電変換層からなる光受光部、カラーフィルター、及びマイクロレンズから構築される。当該受光部の厚さは数100nm程度であることができ、従来のシリコンフォトダイオードの数分の1の厚さで構成され得る。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例中の記号及び略号は、以下の意味で用いられる。この他にも、本明細書中、本発明が属する技術分野において、通常用いられる記号及び略号が用いられ得る。
s:シングレット
d:ダブレット
d−d:ダブルダブレット
t:トリプレット
m:マルチプレット
Calcd:計算値
Found:実測値
以下の例において、GPCには、日本分析工業株式会社製GPCカラム(JAIGEL Hシリーズ、2H及び1Hの2本のカラムを連結して使用)を使用した。
合成例1(化合物1の合成)
Figure 2014185536
2−フルオロベンツアルデヒド (62 mg, 0.5 mmol)、N−フェニルグリシン (151 mg, 1 mmol)及びC60フラーレン (350 mg, 0.5 mmol) を、トルエン100mL中で120℃で15時間撹拌した。冷却後、溶媒を溜去し、反応物をカラムクロマトグラフィー(SiO2, n−ヘキサン:トルエン = 20:1〜5:1)により分離して、化合物1を得た後(72.1 mg, 収率15.4%)、更に分取GPC(クロロホルム)で精製した。
1H-NMR (CDCl3)δ: 5.09 (1H, d, J = 9.9 Hz), 5.65 (1H, d, J = 9.9 Hz), 6.61 (1H, s), 7.02 - 7.18 (3H, m), 7.20 - 7.28(2H, m), 7.28 - 7.42 (4H, m), 7.84 (1H, d-d, J = 6.3, 6.3 Hz).
19F-NMR (CDCl3)δ:-114.0 - -115.5 (m).
MS (FAB) m/z 934 (M+1). HRMS calcd for C74H13FN 934.1032; found 934.1023.
合成例2(化合物2の合成)
Figure 2014185536

2−チアゾールカルボアルデヒド (56 mg, 0.5 mmol)、N−フェニルグリシン (76 mg, 0.5 mmol)及びC60フラーレン (175 mg, 0.25 mmol) を、トルエン100mL中で120℃で62時間撹拌した。冷却後、溶媒を溜去し、反応物をカラムクロマトグラフィー(SiO2, n−ヘキサン:トルエン = 1:1〜トルエン)により分離して、化合物2を得た後(95 mg, 収率41%)、更に分取GPC(クロロホルム)で精製した。
1H-NMR (CDCl3)δ: 5.27 (1H, d, J = 9.9 Hz), 5.78 (1H, d, J = 9.9 Hz), 6.91 (1H, s), 7.06 (1H, t, J = 7.1 Hz), 7.30 - 7.46(5H, m), 7.84 (1H, d, J = 3.2 Hz).
MS (FAB) m/z 922 (M+). HRMS calcd for C71H10N2S 922.0565; found 922.0562.
合成例3(化合物3の合成)
Figure 2014185536

60フラーレン(360 mg, 0.5 mmol)、ベンツアルデヒド(212 mg, 2 mmol)及び N−(2,6−ジフルオロフェニル)グリシン(187 mg, 1 mmol)をクロロベンゼン(100mL)中で、130℃で4日間撹拌した。冷却後、溶媒を溜去し、反応物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:トルエン = 20:1〜5:1)で分離して、化合物3を得た(108mg、収率22.8%)後、更に分取GPC(クロロホルム)で精製した。
1H-NMR(CDCl3)δ:5.12 (1H, d, J = 9.1 Hz), 5.26 (1H, d, J = 9.1 Hz), 6.46 (1H, s), 6.96 (2H, t, J = 8.7 Hz), 7.12 - 7.35 (4H, m), 7.77(2H, d, J = 7.5 Hz).
19F-NMR (CDCl3)δ:-117.06 - -117.15 (m).
MS (FAB) m/z 951 (M+). HRMS calcd for C74H11F2N 951.0860; found 951.0861.
合成例4(化合物4の合成)
Figure 2014185536

60フラーレン(360 mg, 0.5 mmol)、 ベンツアルデヒド(106 mg, 1 mmol)及び N−(2−フルオロフェニル)グリシン(169 mg, 1 mmol)をクロロベンゼン(100mL)中で、130℃で4日間撹拌した。冷却後、溶媒を溜去し、反応物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:トルエン = 20:1〜5:1)で分離して、化合物4を得た後(177mg、収率37.9%)、更に分取GPC(クロロホルム)で精製した。
1H-NMR(CDCl3)δ:4.74 (1H, d, J = 9.6 Hz), 5.66 (1H, d, J = 9.6 Hz), 6.10 (1H, s), 7.10 -7.38 (7H, m), 7.77(2H, d, J = 7.3 Hz).
19F-NMR (CDCl3)δ:-119.50 - -119.75 (m).
MS (FAB) m/z 934 (M+1). HRMS calcd for C74H13FN 934.1032; found 934.1052.
合成例5(化合物5の合成)
Figure 2014185536

2,6−ジフルオロベンツアルデヒド (36 mg, 0.25 mmol)、N−フェニルグリシン (76 mg, 0.5 mmol)及びC60フラーレン (175 mg, 0.25 mmol) を、トルエン100mL中で120℃で48時間撹拌した。冷却後、溶媒を溜去し、反応物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO2, n−ヘキサン:トルエン = 20:1)により分離して、化合物5を得た後(103 mg, 収率43%)、更に分取GPC(クロロホルム)で精製した。
1H-NMR (CDCl3)δ: 5.40 (1H, d-d, J = 9.9, 5.9 Hz), 5.66 (1H, d-d, J = 9.9, 2.4 Hz), 6.88 - 7.02 (2H, m), 7.14 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.20 - 7.30(3H, m), 7.37(1H, t, J = 7.5 Hz).
19F-NMR (CDCl3)δ:-105.30 - -105.39 (1F), -114.35 - -114.45 (1F).
MS (FAB) m/z 951 (M+). HRMS calcd for C74H11F2N 951.0860; found 951.0867.
合成例6(化合物6の合成)
Figure 2014185536

2−チオフェンカルボアルデヒド (56 mg, 0.5 mmol)、N−フェニルグリシン (76 mg, 0.5 mmol)及びC60フラーレン (175 mg, 0.25 mmol) を、トルエン100mL中で120℃で60時間撹拌した。冷却後、溶媒を溜去し、反応物をカラムクロマトグラフィー(SiO2, n−ヘキサン:トルエン = 10:1〜2:1)により分離して、化合物6を得た後(113 mg, 収率49%)、更に分取GPC(クロロホルム)で精製した。
1H-NMR (CDCl3)δ: 5.11 (1H, d, J = 10.1 Hz), 5.60 (1H, d, J = 10.1 Hz), 6.60 (1H, s), 6.96 - 7.02(1H, m), 7.04 - 7.12(1H, m), 7.22 - 7.30 (1H, m) 7.32 - 7.48(5H, m).
合成例7(化合物8の合成)
Figure 2014185536
60フラーレン(360 mg, 0.5 mmol)、2-アニスアルデヒド(136 mg, 1 mmol)及び N−(2,6−ジフルオロフェニル)グリシン(187 mg, 1 mmol)をクロロベンゼン(100mL)中で、140℃で4日間撹拌した。冷却後、溶媒を溜去し、反応物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:トルエン = 10:1〜5:1)で分離して、化合物7を得た(219mg、収率44.6%)後、更に分取GPC(クロロホルム)で精製した。
1H-NMR(CDCl3)δ:3.86 (3H, s), 5.20 (1H, d, J = 9.1 Hz), 5.34 (1H, d, J = 9.1 Hz), 6.88 - 6.95 (2H, m), 6.99 - 7.07 (2H, m), 7.16 (1H, s), 7.20 - 7.29 (2H, m), 7.81(1H, d, J = 7.9 Hz).
19F-NMR (CDCl3)δ:-114.80 - -114.98 (m).
MS (FAB) m/z 981 (M+). HRMS calcd for C75H13F2NO 981.0965; found 981.0972.
合成例8(化合物8の合成)
Figure 2014185536
60フラーレン(180 mg, 0.25 mmol)、2-アニスアルデヒド(68 mg, 0.5 mmol)及び N−(2-フルオロフェニル)グリシン(85 mg, 0.5 mmol)をクロロベンゼン(80mL)中で、130℃で4日間撹拌した。冷却後、溶媒を溜去し、反応物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:トルエン = 20:1〜2:1)で分離後、更に分取GPC(クロロホルム)で精製し、化合物8を得た(82.5mg、収率34.2%)。
1H-NMR(CDCl3)δ:3.75 (3H, s), 4.71 (1H, d, J = 10.3 Hz), 5.65 (1H, d, J = 10.3 Hz), 6.68 (1H, s), 6.82 - 6.93 (2H, m), 7.02 - 7.29 (5H, m), 7.77(1H, d-d, J = 7.9, 1.6 Hz).
19F-NMR (CDCl3)δ:-121.23 - -121.34 (m).
MS (FAB) m/z 964 (M+1). HRMS calcd for C75H15FNO 963.1059; found 963.1036.
合成例9(化合物9の合成)
Figure 2014185536
60フラーレン(360 mg, 0.5 mmol)、2,6-ジメトキシベンツアルデヒド(166 mg, 1 mmol)及び N−(2,6−ジフルオロフェニル)グリシン(187 mg, 1 mmol)をクロロベンゼン(100mL)中で、140℃で2日間撹拌した。冷却後、溶媒を溜去し、反応物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:トルエン = 10:1〜5:1)で分離して、化合物9を得た(205mg、収率40.5%)後、更に分取GPC(クロロホルム)で精製した。
1H-NMR(CDCl3)δ:3.66 (3H, s), 3.78 (3H, s), 5.04 (1H, d, J = 9.1 Hz), 5.52 (1H, d, J = 9.1 Hz), 6.38 (1H, d, J = 7.7 Hz), 6.55 (1H, d, J = 7.7 Hz), 6.86 - 6.95 (1H, m), 6.97 - 7.06 (1H, m), 7.11 - 7.20 (2H, m), 7.38 (1H, s).
19F-NMR (CDCl3)δ: -119.23 -118.31 (2F, m).
MS (FAB) m/z 1012 (M+1). HRMS calcd for C76H16F2NO2 1012.1149; found 1012.1116.
合成例10(化合物10の合成)
Figure 2014185536
60フラーレン(360 mg, 0.5 mmol)、2,6−ジフルオロベンツアルデヒド (284 mg, 2 mmol)、及び N−(2,6−ジフルオロフェニル)グリシン(187 mg, 1 mmol)をクロロベンゼン(100mL)中で、140℃で4日間撹拌した。冷却後、溶媒を溜去し、反応物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:トルエン = 20:1〜5:1)で分離後、更に分取GPC(クロロホルム)で精製し、化合物10を得た(108.9mg、収率22.0%)。
1H-NMR(CDCl3)δ:5.02 (1H, d-d, J = 9.6, 2.4 Hz), 5.41 (1H, d, J = 9.6 Hz), 6.76 (2H, t, J = 8.8 Hz), 6.91 - 7.05 (3H, m), 7.06(1H, d, J = 2.4 Hz), 7.08 - 7.18 (1H, m), 7.18 - 7.27 (1H, m).
19F-NMR (CDCl3)δ: -104.08 -104.17 (1F, m), -112.32 (1F, t, J=7.9 Hz), -118.64 -118.76 (2F, m).
MS (FAB) m/z 988 (M+1). HRMS calcd for C74H10F4N 988.0749; found 988.0747.
合成例11(化合物11の合成)
Figure 2014185536
60フラーレン(90 mg, 0.12 mmol)、iso-バレルアルデヒド (22 mg, 0.25 mmol)、及び N−(2,6−ジフルオロフェニル)グリシン(23 mg, 0.12 mmol)をクロロベンゼン(60mL)中で、130℃で3日間撹拌した。冷却後、溶媒を溜去し、反応物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:トルエン = 20:1)で分離後、更に分取GPC(クロロホルム)で精製し、化合物11を得た(10.5mg、収率9.0%)。
1H-NMR(CDCl3-CS2)δ:0.95 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.03 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.88 - 2.00(1H, m), 2.36 - 2.46 (2H, m), 5.12 (1H, d, J = 9.6 Hz), 5.19 (1H, d, J = 9.6 Hz), 5.40 (1H, d-d, J = 6.4, 6.4 Hz), 7.00 - 7.35 (3H, m).
19F-NMR (CDCl3)δ: -117.13 - -117.20 (m).
MS (FAB) m/z 932 (M+1). HRMS calcd for C72H14F2N 931.1173; found 931.1206.
合成例12(化合物12の合成)
Figure 2014185536
60フラーレン(180 mg, 0.25 mmol)、2,5,8-トリオキサデカナール (162 mg, 0.25 mmol)、及び N−(2,6−ジフルオロフェニル)グリシン(46.8 mg, 0.25 mmol)をクロロベンゼン(80mL)中で、135℃で4日間撹拌した。冷却後、溶媒を溜去し、反応物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢酸エチル = 50:1)で分離後、更に分取GPC(クロロホルム)で精製し、化合物11を得た(47.9mg、収率19.0%)。
1H-NMR(CDCl3)δ:3.33 (3H, s), 3.41 - 3.72 (6H, m), 4.28 (1H, d-d-d, J=9.9, 5.5,5.5 Hz), 4.47 (1H, d-d-d, J=9.9, 5.5, 5.5 Hz), 5.12 (1H, d, J = 9.6 Hz), 5.19 - 5.26 (2H, m), 5.30 (1H, d, J=9.6 Hz), 5.54 (1H, d-d, J=6.0, 6.0 Hz), 7.06 (2H, d-d, J=8.5, 8.5 Hz), 7.12 - 7.25 (1H, m).
19F-NMR (CDCl3)δ: -117.56 - -117.65 (m).
MS (FAB) m/z 1009 (M+1). HRMS calcd for C74H19F2NO3 1007.1330; found 1007.1308.
合成例13
Figure 2014185536

(1)N−(2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)グリシンの合成
既存文献(Brooke,G.M.ら、Tetrahedron、1971年、27巻、5653頁)に従い合成した。
水素化ナトリウム(15 mmol)のTHF溶液(12mL)中に、−30℃で、2,3,5,6-テトラフルオロアニリン(2.5g, 15 mmol)のTHF溶液(25mL)を1時間かけて滴下した。滴下後、反応液を室温で1時間撹拌した。この反応溶液に、クロロ酢酸エチル(15 mmol)のTHF溶液(12mL)を室温で滴下し、過熱還流下に1時間撹拌した。冷後、反応液を氷水中に開け、エーテル抽出した。硫酸マグネシウムで脱水後、減圧下に濃縮した(収量1.8g)。この反応物0.3gを、30%水酸化ナトリウム水溶液25mL中で、還流下に3時間撹拌した。冷後、この反応液を濃塩酸でpH3に調整し、酢酸エチルで抽出した。有機相を水洗し、硫酸マグネシウムで脱水後、減圧下に濃縮した(収量1.2g)。
1H-NMR(CD3OD)δ:4.00 - 4.14 (2H, m), 6.48 - 6.61 (1H, m).
19F-NMR (CD3OD)δ: -144.11 - -144.25 (2F, m), -163.14 - -163.28 (2F, m).
(2)化合物13の合成
Figure 2014185536
60フラーレン(180 mg, 0.25 mmol)、ベンツアルデヒド(1.06 g, 10 mmol)、及び N−(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)グリシン(45mg, 0.2 mmol)をクロロベンゼン(100mL)中で、145℃で2日間撹拌した。冷却後、溶媒を溜去した。1H-NMR (CDCl3)における4.60(1H, d, J=10.0Hz)、5.66 (1H, d, J=10.0Hz)、及び5.84 (1H, s)(δ(ppm))のピーク、及び19F-NMR (CDCl3)における-138.70 - -138.90 (2F, m)、及び-150.20 - -150.35 (2F, m)(δ(ppm))のピークにより、目的物を確認した。
化合物14(化合物14の合成)
Figure 2014185536

60フラーレン(180 mg, 0.25 mmol)、ペンタナール(1 mL)、及び N−(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)グリシン(45mg, 0.2 mmol)をクロロベンゼン(100mL)中で、145℃で4日間撹拌した。冷却後、溶媒を溜去し、反応物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:トルエン = 20:1)で分離した。目的物を(11.8mg、収率4.8%)得た。
1H-NMR(CDCl3)δ:0.85 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.20 - 1.70(8H, m), 2.40 - 2.60 (2H, m), 5.11 (1H, d, J = 9.6 Hz), 5.37 (1H, d, J = 9.6 Hz), 5.50 (1H, d-d, J = 6.4, 6.4 Hz), 6.85 - 7.00 (1H, m).
19F-NMR (CDCl3)δ: -139.00 - -139.20 (2F, m), -146.60 - -146.80 (2F, m).
化合物15の合成
Figure 2014185536
60フラーレン(360 mg, 0.50 mmol)、ペンタナール(1 mL)、及び N−(2,6−ジフルオロフェニル)グリシン(94 mg, 0.50 mmol)をクロロベンゼン(150mL)中で、130℃で4日間撹拌した。冷却後、溶媒を溜去し、反応物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:トルエン = 50:1)で分離後、更に分取HPLC(使用カラム:コスモシールBuckyprep(20φx250mm)(ナカライテスク社);溶媒:トルエン)で精製し、化合物15を得た(35.5mg、収率7.4%)。
1H-NMR(CDCl3)δ:0.81 (3H, d, J = 6.9 Hz), 1.10 - 1.75(8H, m), 2.25 - 2.36 (1H, m), 2.44 - 2.55 (1H, m), 5.08 (1H, d, J = 9.8 Hz), 5.18 (1H, d, J = 9.8 Hz), 5.50 (1H, d-d, J = 6.9, 5.9 Hz), 7.08 (2H, d-d, J=8.7, 8.7 Hz), 7.15 - 7.28 (1H, m).
19F-NMR (CDCl3)δ: -117.76 (2F,d-d, J=7.5, 7.0 Hz).
試験例1
前記合成例4で得た各フラーレン誘導体をn型半導体材料として用いて、後記の方法で太陽電池を作製し、機能を評価した。
有機p型半導体材料としてはPTB7を、電荷輸送層材料としてはPFN(ポリ[9,9−ビス(3’−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル−2,7−フルオレン)−alt−2,7−(9,9−ジオクチルフルオレン)])及びMoO(酸化モリブデン)を、電極としてはITO(酸化インジウムスズ)(陰極)及びアルミニウム(陽極)をそれぞれ用いた。
(1)試験用太陽電池の作製
以下の手順により試験用太陽電池を作製した。
1)基板の前処理
ITOパターニングガラス板(三容真空社製)をプラズマ洗浄機(Harrick plasma社、PDC-32G)中に入れて、酸素ガスを流入しながら発生したプラズマにより基板表面を10分間洗浄処理した。
2)PFN薄膜(陰極側電荷輸送層)の作製
ABLE/ASS−301型のスピンコート法製膜装置を用い、PFNメタノール溶液(2%w/v)を用いて、前記で前処理を施したITOガラス板上にPFN薄膜を形成した。形成されたPFN薄膜の膜厚は約10nmであった。
3)有機半導体膜(有機発電層)の作製
上記基板をグローブボックス中でMIKASA/MS−100型のスピンコート法製膜装置を用い、事前にクロロベンゼンに溶かしたPTB7とフラーレン誘導体、さらにはジヨードオクタン(クロロベンゼンに対して3%v/v)とを含む溶液をPFN薄膜の上に1000rpm、2分間スピンコートし、約90〜110nmの有機半導体薄膜(有機発電層)を得た。
4)陽極側電荷輸送層及び金属電極の真空蒸着
小型高真空蒸着装置(エイコー社、VX-20)を用い、前記で作製した積層体を高真空蒸着装置中のマスクの上に置き、陽極側電荷輸送層としてのMoO層(10nm)、及び金属電極としてのアルミニウム層(80nm)を順次蒸着した。
(2)擬似太陽光照射による電流測定
擬似太陽光照射による電流測定には、ソースメーター(Keithley社、型番2400)、電流電圧計測ソフト及び疑似太陽光照射装置(三永電気製作所社、XES-301S)を用いた。
前記(1)で作製した各試験用太陽電池に対して一定量の疑似太陽光を照射して、発生した電流と電圧を測定して、以下の式によりエネルギー変換効率を算出した。
短絡電流、開放電圧、曲線因子(FF)及び変換効率の測定結果を表1に示す。尚、変換効率は、下記式により求めた値である。
変換効率η(%)=FF(Voc×Jsc/Pin)×100
FF:曲線因子、Voc:開放電圧、Jsc:短絡電流、Pin:入射光強度(密度)
Figure 2014185536
試験例2
試験例1と同様の電池構造において、後記構造式の比較化合物1、又は前記合成例1〜10で得た各フラーレン誘導体をn型半導体材料として用いて、後記の方法で太陽電池を作製し、各フラーレン誘導体の機能を評価した。ここで用いた各フラーレン誘導体は、カラム分離後、さらにHPLC(使用カラム:コスモシールBuckyprep(20φx250mm)(ナカライテスク社);溶媒:トルエン)よる精製を行ってから用いた。
Figure 2014185536
結果を表2に示す。
Figure 2014185536
試験例3
試験例1、2と同様の電池構造において、後記構造式の比較化合物2、又は化合物15をn型半導体材料として用いて、後記の方法で太陽電池を作製し、各フラーレン誘導体の機能を評価した。比較化合物1、2は特許文献3に従い合成した。
Figure 2014185536
フェニル基に置換基の無い比較例1、2(比較化合物1、2)に対して、本発明の化合物からなる太陽電池は、総じて開放電圧が向上している。また、置換基の数に応じて開放電圧も向上する。
この傾向は、ピロリジン環の1位(窒素)に結合したフェニル基において、2位に結合したフェニル基よりも顕著である。これまでにフラーレン誘導体において、その構造中に含まれるフェニル基の置換基と開放電圧に関する記述は存在する[後記文献 1)〜4)]が、含ピロリジン誘導体の窒素に結合したフェニル基においては、そのような知見は存在しない。また、ピロリジン環の1位と2位の両方に、上記の置換基が存在する事例も存在しない。
<文献>
1)伊藤ら、Journal of Materials Chemistry, 2010年、20巻、9226頁(非特許文献1)
2)Hummelenら、Organic Letters, 2007年、9巻、551頁
3)Troshinら、Advanced Functional Materials、2009年、19巻、779頁
4)特開2011-181719

Claims (9)

  1. 式(1):
    Figure 2014185536
    [式中、
    1a及びR1bは、同一又は異なって、水素原子、又はフッ素原子を表し、
    1c及びR1dは、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、1個以上のフッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基、エステル基、又はシアノ基を表し、
    は、
    (1)フッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、エステル基、及びシアノ基からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基、
    (2)1〜3個のメチル基で置換されていてもよい5員ヘテロアリール基、又は
    (3)アルキル基、アルコキシ基、エーテル基、アシル基、エステル基、又はシアノ基を表し、及び
    環Aは、フラーレン環を表す。
    但し、R1a、R1b、R1c及びR1dが、水素原子である場合、
    は、1又は2個のフッ素原子で置換されたフェニル基、又は
    1〜3個のメチル基で置換されていてもよい5員ヘテロアリール基
    である。]
    で表されるフラーレン誘導体。
  2. 1a及びR1bは、同一又は異なって、水素原子、又はフッ素原子であり、かつR1a及びR1bの少なくとも一方が、フッ素原子であり、
    が、式:
    Figure 2014185536
    [式中、
    2a及びR2bは、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、アルキル基、又はアルコキシ基を表し、及び
    2c及びR2dは、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、エステル基、又はシアノ基
    を表す。]
    で表される基である、
    請求項1に記載のフラーレン誘導体。
  3. 1a及びR1bは、同一又は異なって、水素原子、又はフッ素原子であり、かつR1a及びR1bの少なくとも一方が、フッ素原子であり、
    1c及びR1dは、同一又は異なって、水素原子、又はフッ素原子であり、
    2a及びR2bは、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、アルキル基、又はアルコキシ基であり、及び
    2c及びR2dは、水素原子である、
    請求項2に記載のフラーレン誘導体。
  4. 環Aは、C60フラーレン、又はC70フラーレンである請求項1〜3のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のフラーレン誘導体からなるn型半導体材料。
  6. 有機薄膜太陽電池用である請求項5に記載のn型半導体材料。
  7. 請求項6に記載のn型半導体材料を含有する有機発電層。
  8. 請求項7に記載の有機発電層を備える光電変換素子。
  9. 有機薄膜太陽電池である、請求項8に記載の光電変換素子。
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