JP2013095683A - フラーレン誘導体 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた開放電圧を付与しうるフラーレンの誘導体の提供。
【解決手段】式(1)で表されるフラーレン誘導体。
Figure 2013095683

〔式(1)中、A環はフラーレン骨格を表す。R、R及びRは、水素、ハロゲン、ハロゲンで置換されていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよい複素環基又は特定式で表される基を表す。nは1〜3の整数を表す。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、フラーレン誘導体及びかかるフラーレン誘導体を用いた有機光電変換素子に関する。
電荷(電子、ホール)輸送性を有する有機半導体材料は、有機光電変換素子(有機太陽電池、光センサー等)等への適用が検討されている。例えば、有機半導体材料であるフラーレン誘導体は、有機太陽電池への適用が検討されている。フラーレン誘導体としては、例えば、[6,6]−フェニルC61−酪酸メチルエステル(以下、[60]−PCBMということがある。)が知られている(非特許文献1)。
Advanced Functional Materials Vol.13 (2003) 85p
しかし、[60]−PCBMを含む有機光電変換素子は、開放電圧(Voc)が必ずしも十分高くないという問題点がある。
そこで、本発明は、有機光電変換素子に用いた場合に、優れた開放電圧を付与しうるフラーレンの誘導体を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、下記[1]〜[7]を提供する。
[1]下記式(1)で表されるフラーレン誘導体。
Figure 2013095683
〔式(1)中、A環はフラーレン骨格を表す。R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよい複素環基又は下記式(2)で表される基を表す。nは、1〜3の整数を表す。Rが複数個ある場合、複数個あるRは同一でも相異なっていてもよい。Rが複数個ある場合、複数個あるRは同一でも相異なっていてもよい。Rが複数個ある場合、複数個あるRは同一でも相異なっていてもよい。ただし、R1、R2及びR3のうちの少なくともひとつは、アルキル基で置換されたアミノ基を有するアリール基、置換シリル基を有するアリール基、アルキル基で置換されたアミノ基を有するアリールアルキル基、置換シリル基を有するアリールアルキル基、アルキル基で置換されたアミノ基を有する複素環基、又は、置換シリル基を有する複素環基である。〕
Figure 2013095683
〔式(2)中、mは1〜6の整数を表す。qは1〜4の整数を表す。pは0〜5の整数を表す。Xは、メチル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。mが複数個ある場合、複数個あるmは同一でも相異なっていてもよい。〕
[2]R1が、式(2)で表される基である、[1]に記載のフラーレン誘導体。
[3]R2がアルキル基で置換されたアミノ基を有するアリール基、又は、置換シリル基を有するアリール基であり、R3が水素原子である、[1]又は[2]に記載のフラーレン誘導体。
[4][1]〜[3]のいずれか1つに記載のフラーレン誘導体と電子供与性化合物とを含む組成物。
[5]電子供与性化合物が高分子化合物である、[4]に記載の組成物。
[6][1]〜[3]のいずれか1つに記載のフラーレン誘導体を含む層を有する有機光電変換素子。
[7][4]又は[5]に記載の組成物を含む層を有する有機光電変換素子。
本発明のフラーレンの誘導体を用いれば、優れた開放電圧を示す有機光電変換素子を製造することができるので、本発明は極めて有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
<フラーレン誘導体>
本発明のフラーレン誘導体は、下記式(1)で表されるフラーレン誘導体である。
Figure 2013095683
式(1)中、A環はフラーレン骨格を表す。CはA環を構成する炭素原子を表す。R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、基中の水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよい複素環基又は下記式(2)で表される基を表す。nは、1〜3の整数を表す。Rが複数個ある場合、複数個あるRは同一でも相異なってもよい。Rが複数個ある場合、複数個あるRは同一でも相異なっていてもよい。Rが複数個ある場合、複数個あるRは同一でも相異なっていてもよい。ただし、R、R及びRのうち、少なくともひとつは、アルキル基で置換されたアミノ基を有するアリール基、置換シリル基を有するアリール基、アルキル基で置換されたアミノ基を有するアリールアルキル基、置換シリル基を有するアリールアルキル基、アルキル基で置換されたアミノ基を有する複素環基、又は、置換シリル基を有する複素環基である。
Figure 2013095683
式(2)中、mは1〜6の整数を表す。qは1〜4の整数を表す。pは0〜5の整数を表す。Xは、メチル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。mが複数個ある場合、複数個あるmは同一でも相異なっていてもよい。
本明細書において、「置換基を有していてもよい」とは、その化合物又は基を構成するすべての水素原子が無置換の場合、及び1個以上の水素原子の一部又は全部が置換基によって置換されている場合の両方の態様を含む。
、R及びRで表されるハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。有機光電変換素子に用いた場合に光電変換効率を高めることができるので、ハロゲン原子は、フッ素原子が好ましい。
、R及びRで表されるアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、シクロアルキル基でもよい。アルキル基の炭素原子数は、通常1〜20である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、3−メチルブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基及びラウリル基が挙げられる。アルキル基はハロゲン原子で置換されていてもよい。ハロゲン原子で置換されているアルキル基は、フッ素原子で置換されているアルキル基が好ましい。フッ素原子で置換されているアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基及びパーフルオロオクチル基が挙げられる。
、R及びRで表されるアリール基は、無置換の芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いた原子団であり、ベンゼン環を有する基、縮合環を有する基、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が直接又はビニレン等の基を介して結合した基も含まれる。アリール基の炭素原子数は、通常6〜60であり、6〜30が好ましい。なお、前記のアリール基の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。アリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基及び2−ナフチル基が挙げられる。アリール基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基及び式(2)で表される基が挙げられる。
該ハロゲン原子及びハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基の具体例は、前述のR、R及びRで表されるハロゲン原子及びハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基の具体例と同じである。
置換基である、ハロゲン原子で置換されていてもよい前述のアルコキシ基の炭素原子数は、通常1〜20である。アルコキシ基中のアルキル部は鎖状でも環状でもよく、アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基及びラウリルオキシ基が挙げられる。ハロゲン原子で置換されているアルコキシ基としては、フッ素原子で置換されているアルコキシ基が好ましい。フッ素原子で置換されているアルコキシ基としては、例えば、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基及びパーフルオロオクチルオキシ基が挙げられる。
置換基である前述の置換アミノ基とは、アミノ基の水素原子の1個又は2個が置換基で置換されたものであり、置換アミノ基の置換基は、例えば、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基である。ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基の具体例は、前述のR、R及びRで表されるハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基の具体例と同じである。置換アミノ基の炭素原子数は通常1〜40である。置換アミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、ジトリフルオロメチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノ基(「C」に付された数字は炭素原子数を表す。以下同じ。)、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基、フェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基及び2−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基が挙げられる。
置換基である前述の置換アミノ基は、アミノ基の水素原子の1個又は2個がアルキル基で置換された基が好ましく、アミノ基の水素原子の2個がアルキル基で置換された基がより好ましい。
置換基である前述の置換シリル基とは、シリル基の水素原子の1個、2個又は3個が置換された基である。置換シリル基は、一般に、シリル基中の3個の水素原子全てが置換基で置換されたものであり、置換基は、例えば、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基である。ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基の具体例は、前述のR、R及びRで表されるハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基の具体例と同じである。置換シリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基及びジメチルフェニルシリル基が挙げられる。
置換シリル基としては、シリル基中の3個の水素原子全てがアルキル基で置換された基が好ましい。
前記式(2)で表される基において、mは1〜6の整数を表し、qは1〜4の整数を表し、pは0〜5の整数を表す。mが複数個ある場合、複数個あるmは同一でも異なっていてもよい。有機光電変換素子に用いた場合の光電変換効率を高めることができるので、mは2であることが好ましく、qは2であることが好ましく、pは0であることが好ましい。Xは、メチル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。置換基を有していてもよいアリール基の具体例は、前述のR、R及びRで表される置換基を有していてもよいアリール基の具体例と同じである。
、R及びRで表される、置換基を有していてもよいアリールアルキル基の炭素原子数は、通常7〜60であり、7〜30が好ましい。アリールアルキル基の具体例としては、フェニル−C1〜C12アルキル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基及び2−ナフチル−C1〜C12アルキル基が挙げられる。アリールアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基及び式(2)で表される基が挙げられる。該ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、置換アミノ基及び置換シリル基の定義及び具体例は、前述のアリールが有していてもよい置換基であるハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、置換アミノ基及び置換シリル基の定義及び具体例と同じである。
、R及びRで表される、置換基を有していてもよい複素環基は、複素環式化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団をいう。複素環基の炭素原子数は通常4〜60程度、好ましくは4〜20である。なお、前記の複素環基の炭素原子数には、置換基の炭素原子数は含まれない。前記複素環式化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、燐、硼素、珪素等のヘテロ原子を環内に含む化合物をいう。複素環基としては、芳香族の複素環基が好ましい。複素環基の具体例としては、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジル基、キノリル基及びイソキノリル基が挙げられる。置換基を有していてもよい複素環基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基及び式(2)で表される基が挙げられる。該ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、置換アミノ基及び置換シリル基の定義及び具体例は、前述のアリールが有していてもよい置換基であるハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基、置換アミノ基及び置換シリル基の定義及び具体例と同じである。
式(1)中、R、R及びRのうち、少なくともひとつは、アルキル基で置換されたアミノ基を有するアリール基、置換シリル基を有するアリール基、アルキル基で置換されたアミノ基を有するアリールアルキル基、置換シリル基を有するアリールアルキル基、アルキル基で置換されたアミノ基を有する複素環基、又は、置換シリル基を有する複素環基である。
アルキル基で置換されたアミノ基とは、アミノ基中の水素原子の1個又は2個がアルキル基で置換された基を意味する。
式(1)中、nは、1〜2が好ましく、1がより好ましい。
式(1)で表されるフラーレン誘導体の例としては、具体的には下記化合物が挙げられる。
Figure 2013095683
Figure 2013095683
Figure 2013095683
上記式中、A環及びA環中のCは前述と同じ意味を表す。
1は、有機光電変換素子に用いた場合の開放電圧を高めることができるので、式(2)で表される基であることが好ましい。
2及びR3は、有機光電変換素子に用いた場合の開放電圧を高めることができるので、R2がアルキル基で置換されたアミノ基を有するアリール基又は置換シリル基を有するアリール基であり、かつ、R3が水素原子であることが好ましく、R2がアルキル基で置換されたアミノ基を有するアリール基又はシリル基中の3個の水素原子全てがアルキル基で置換された基を有するアリール基であり、かつ、R3が水素原子であることがより好ましい。
式(1)中のフラーレン骨格であるA環(炭素クラスター)の炭素原子数は、好ましくは960以下、より好ましくは240以下、更に好ましくは96以下である。特に炭素原子数60のC60フラーレン及び炭素原子数70のC70フラーレンが、原料調達の観点からは好ましい。
<フラーレン誘導体の製造方法>
本発明のフラーレン誘導体は、例えば、フラーレン、下記式(3)で表されるグリシン誘導体及び下記式(4)で表されるアルデヒド化合物を反応させて製造することができる。具体的には、グリシン誘導体とアルデヒド化合物との反応によりイミンが生成し、該イミンの脱炭酸によりイミニウムカチオンを生成し、該イミニウムカチオンとフラーレンとの1,3−双極子環化付加反応(Prato反応、Accounts of Chemical Research Vol.31 1998 519-526ページ参照。)によりフラーレン誘導体を生成する。
Figure 2013095683
式(3)及び式(4)中、R1、R及びRは前述と同じ意味を表す。
式(3)で表されるグリシン誘導体としては、例えば、N−メチルグリシン、N−オクチルグリシン、N−フェニルグリシン、N−メトキシメチルグリシン及びN−(2−(2−メトキシエトキシ)エチル)グリシンが挙げられる。反応に用いられるグリシン誘導体の量は、フラーレン1モルに対して、通常0.1モル〜10モルであり、好ましくは0.5モル〜3モルの範囲である。
式(4)で表されるアルデヒド化合物としては、例えば、ジメチルアミノベンズアルデヒド、トリメチルシリルベンズアルデヒド、ジメチルアミノナフチルアルデヒド及びトリメチルシリルナフチルアルデヒドが挙げられる。反応に用いられるアルデヒド化合物の量は、フラーレン1モルに対して、通常0.1モル〜10モルであり、好ましくは0.5モル〜4モルの範囲である。
上記反応は、溶媒中で行なわれる。溶媒としては、トルエン、キシレン、ヘキサン、オクタン、クロルベンゼン等の反応に対して不活性な溶媒が用いられる。反応に用いられる溶媒の量は、フラーレン1重量部に対して、通常1重量部〜10000重量部である。
反応に際しては、フラーレン、グリシン誘導体及びアルデヒド化合物を溶媒中で混合し加熱反応させればよく、反応温度は、通常50℃〜350℃の範囲で行なわれる。反応時間は、通常、30分間から50時間行なわれる。加熱反応後、反応物を室温まで放冷し、溶媒をロータリーエバポレータで減圧留去することで、反応混合物が得られる。
前記反応混合物は、通常、本発明のフラーレン誘導体、反応の副生物及び未反応の原料等を含む。該反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー法により分離精製し、フラーレン誘導体を得ることができる。
高純度のフラーレン誘導体を得る精製方法としては、例えば、二硫化炭素と酢酸エステルとを展開溶媒として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製する方法、及び、芳香族炭化水素と酢酸エステルとを展開溶媒として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製する方法が挙げられる。高純度のフラーレン誘導体を得る精製方法としては、芳香族炭化水素と酢酸エステルを展開溶媒として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製する方法が好ましい。シリカゲルカラムクロマトグラフィーとしては、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーが好ましい。
原料であるグリシン誘導体及びアルデヒド類の使用量、反応時間といった反応条件等を適宜調整し、また分離精製条件を適宜調整することにより、フラーレンに付加する付加基(構造)の数を調節し、所望の数の付加基が付加されたフラーレン誘導体を選択的に得ることができる。
<有機光電変換素子>
本発明のフラーレン誘導体を用いる有機光電変換素子は、一対の電極と、該一対の電極間に本発明のフラーレン誘導体を含む層を有する。本発明のフラーレン誘導体は、電子受容性化合物として用いることも電子供与性化合物として用いることもできるが、電子受容性化合物として用いることが好ましい。本発明のフラーレン誘導体を電子受容性化合物として用いる場合、有機光電変換素子は、本発明のフラーレン誘導体のみを含む層を有していてもよく、本発明のフラーレン誘導体と電子供与性化合物とを含む組成物を含有する層を有していてもよい。前記組成物が含み得る電子供与性化合物は、高分子化合物が好ましい。
本発明のフラーレン誘導体を用いる有機光電変換素子としては、
1.少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、該一対の電極間に設けられ電子受容性化合物として本発明のフラーレン誘導体を含有する第1の有機層と、該第1の有機層に隣接して設けられた電子供与性化合物を含有する第2の有機層とを有する有機光電変換素子、及び、
2.少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、該一対の電極間に設けられ電子受容性化合物として本発明のフラーレン誘導体及び電子供与性化合物を含有する有機層を少なくとも一層有する有機光電変換素子が好ましい。
ヘテロ接合界面を多く含むという観点からは、前記2.の有機光電変換素子が好ましい。また、本発明の有機光電変換素子には、一対の電極のうちの少なくとも一方の電極と該有機光電変換素子中の有機層との間に付加的な層を設けてもよい。付加的な層としては、例えば、ホール又は電子を輸送する電荷輸送層及びバッファ層が挙げられる。
前記2.の有機光電変換素子において、有機層中のフラーレン誘導体の量は、電子供与性化合物100重量部に対して、10重量部〜1000重量部であることが好ましく、50重量部〜500重量部であることがより好ましい。
本発明のフラーレン誘導体を含む有機層は、該フラーレン誘導体を含む有機薄膜を有することが好ましい。該有機薄膜の厚さは、通常、1nm〜100μmであり、好ましくは2nm〜1000nmであり、より好ましくは5nm〜500nmであり、さらに好ましくは20nm〜200nmである。
前記電子供与性化合物は、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。低分子化合物としては、例えば、フタロシアニン、金属フタロシアニン、ポルフィリン、金属ポルフィリン、オリゴチオフェン、テトラセン、ペンタセン及びルブレンが挙げられる。高分子化合物としては、例えば、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミン構造を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体が挙げられる。塗布性の観点からは、高分子化合物が好ましい。
有機光電変換素子の光電変換効率を高めることができるので、前記電子供与性化合物は、下記式(5)で表される構造単位及び下記式(6)で表される構造単位からなる群から選ばれる構造単位を有する高分子化合物であることが好ましく、下記式(5)で表される構造単位を有する高分子化合物であることがより好ましい。
Figure 2013095683
式(5)及び式(6)中、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。
式(5)中、R4及びR5で表される、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基の定義及び具体例は、前述のR、R及びRで表されるハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基の定義及び具体例と同じである。R4及びR5で表されるハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基の具体例は、前述のR、R及びRで表されるアリール基が有していてもよい置換基であるハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基の具体例と同じである。
式(5)中、有機光電変換素子の光電変換効率を高めることができるので、R4及びR5の少なくとも一方が、炭素原子数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数4〜8のアルキル基であることがより好ましい。
前記式(6)中、R〜R13で表される、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基の定義及び具体例は、前述のR、R及びRで表されるハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基及び置換基を有していてもよいアリール基の定義及び具体例と同じである。R〜R13で表されるハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基の具体例は、前述のR、R及びRで表されるアリール基が有していてもよい置換基であるハロゲン原子で置換されていてもよいアルコキシ基の具体例と同じである。
式(6)中、モノマーの合成の行いやすさの観点からは、R8〜R13は水素原子であることが好ましい。また、有機光電変換素子に用いた場合に光電変換効率を高めることができるので、R6及びR7は、炭素原子数1〜20のアルキル基又は炭素原子数6〜20のアリール基であることが好ましく、炭素原子数5〜8のアルキル基又は炭素原子数6〜15のアリール基であることがより好ましい。
電子供与性化合物として用いられる高分子化合物の具体例は、例えば、式(7)で表される繰り返し単位からなる高分子化合物が挙げられる。
Figure 2013095683
本発明の有機光電変換素子は、通常、基板上に形成される。この基板は、電極を形成し、有機物を含む層(有機層)を形成する際に化学的に変化しないものであればよい。基板の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコンが挙げられる。不透明な基板を用いる場合には、反対の電極(即ち、基板から遠い方の電極)が透明又は半透明であることが好ましい。
前記の透明又は半透明の電極の例としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜が挙げられる。透明又は半透明の電極の材料としては、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウムスズオキサイド(ITO)、インジウム亜鉛オキサイド(IZO)、NESA、金、白金、銀及び銅が挙げられ、ITO、IZO及び酸化スズが好ましい。電極の作製方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法及びメッキ法が挙げられる。また、透明又は半透明の電極として、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体等の有機の透明導電膜を用いてもよい。
不透明な電極の材料としては、金属、導電性高分子等を用いることができる。好ましくは一対の電極のうち一方の電極は仕事関数の小さい材料が好ましい。仕事関数の小さい材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、及びこれらの金属のうち2つ以上の金属の合金、これらの金属のうち1つ以上の金属と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上の金属との合金、グラファイト、及び、グラファイト層間化合物が挙げられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金及びカルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
前記バッファ層に用いられる材料としては、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物又は酸化物が挙げられ、具体的にはフッ化リチウムが挙げられる。また、酸化チタン等の無機半導体の微粒子を用いることもできる。
<有機薄膜の製造方法>
前記有機薄膜の製造方法は、特に制限されず、例えば、本発明のフラーレン誘導体を含む溶液からの成膜による方法が挙げられる。
溶液からの成膜に用いる溶媒の例としては、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン等の炭化水素溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル溶媒が挙げられる。前記フラーレン誘導体は、通常、前記溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
前記溶液は、さらに高分子化合物を含んでいてもよい。該溶液に用いられる溶媒の具体例としては、前述の溶媒が挙げられるが、高分子化合物の溶解性の観点からは、炭化水素が好ましく、トルエン、キシレン及びメシチレンがより好ましい。
溶液からの成膜には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法等の塗布法を用いることができ、スピンコート法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法が好ましい。
有機光電変換素子は、透明又は半透明の電極側に太陽光等の光を照射することにより、電極間に光起電力が発生し、有機薄膜太陽電池として動作させることができる。有機薄膜太陽電池を複数集積することにより有機薄膜太陽電池モジュールとして用いることもできる。
また、電極間に電圧を印加した状態で、透明又は半透明の電極側に光を照射することにより、光電流が流れ、有機光センサーとして動作させることができる。有機光センサーを複数集積することにより有機イメージセンサーとして用いることもできる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示す。本発明は下記実施例に限定されるものではない。
合成に用いた試薬及び溶媒は、市販品をそのまま使用するか、または乾燥剤存在下で蒸留精製して使用した。
NMRスペクトルは、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準に使用し、JEOL社製 MH500を用いて測定した。
赤外吸収スペクトルは島津製作所社製 FT−IR 8000を用いて測定した。
MALDI−TOF MSスペクトルはBRUKER AutoFLEX−T2を用いて測定した。
合成例1
(ベンジル(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ)アセテート(化合物2)の合成)
下記の反応式にしたがってベンジル(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ)アセテート(化合物2)を合成した。
Figure 2013095683
ディーン−スターク(Dean−Stark)トラップを装着した2口フラスコに、ブロモ酢酸を20.8g(150mmol)、ベンジルアルコールを16.2g(150mmol)、p−トルエンスルホン酸を258mg(1.5mmol)、ベンゼンを300mL加え、120℃で24時間脱水縮合させた。溶媒をエバポレーターで減圧留去し、次いで、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/エチルアセテート=10/1、5/1)で精製し、黄色油状のブロモ酢酸ベンジルエステル34.3g(150mmol)を定量的に得た。
0.71(ヘキサン/酢酸エチル=4/1(体積比));
1H NMR (500 MHz, ppm, CDCl3, J=Hz) δ 3.81 (s, 2H), 5.14 (s, 2H), 7.31 (s, 5H);
13C NMR (125 MHz, ppm, CDCl3) δ 25.74, 67.79, 128.27, 128.48, 128.54, 134.88, 166.91;
IR (neat, cm-1) 2959, 1751, 1458, 1412, 1377, 1167, 972, 750, 698。
アルゴン雰囲気下、ブロモ酢酸ベンジルエステル13.7g(60mmol)をジクロロメタン90mLに溶解させた溶液に、0℃でトリエチルアミンを17mL(120mmol)加え、得られた混合液を0℃で20分間攪拌し、次いで、2−(2−アミノエトキシ)エタノール12mL(120mmol)をジクロロメタン40mLに溶解させた溶液を加え、室温で4時間攪拌した。次いで、反応液の有機層を3回水洗した後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、エバポレーターで溶媒を減圧留去後、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/メタノール=1/0、10/1、5/1)で精製し、無色油状のベンジル(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ)アセテート(化合物2)を12.2(48.0mmol)を得た。化合物2の収率は80%であった。
0.48(エチルアセテート/メタノール=2/1(体積比));
1H NMR (500 MHz, ppm, CDCl3, J=Hz) δ 2.83 (t, 2H, J=5.1 Hz), 3.50 (s, 2H), 3.52 (t, 2H, J= 4.6 Hz), 3.58 (t, 2H, J= 5.0 Hz), 3.65 (t, 2H, J= 4.6 Hz), 5.11 (s, 2H), 7.28-7.30 (m, 5H);
13C NMR (125 MHz, ppm, CDCl3) δ 48.46, 50.25, 61.29, 66.38, 69.80, 72.23, 126.63, 128.12, 128.37, 135.30, 171.78;
IR (neat, cm-1) 3412, 2880, 1719, 1638, 1560, 1508, 1458, 1067, 669。
合成例2
([2−(2−メトキシエトキシ)エチルアミノ]酢酸(化合物1)の合成)
下記の反応式にしたがって[2−(2−メトキシエトキシ)エチルアミノ]酢酸(化合物1)を合成した。
Figure 2013095683
アルゴン雰囲気下、6.58gの化合物2(26mmol)をジクロロメタン50mLに溶解させた溶液に、0℃でトリエチルアミンを4.3mL(31mmol)加え、次いで、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)を32mg(0.26mmol)加え、得られた混合液を20分間攪拌した。その後、該混合液に、ジ−tert−ブチルジカルボネート6.77g(31mmol)をジクロロメタン10mLに溶解させた溶液を滴下した。得られた混合液を室温で4時間攪拌し、水を入れた3角フラスコ中に該混合液を注ぎ入れて反応を停止させ、ジエチルエーテルを用いた有機層の抽出を3回行った。得られた有機層を乾燥させ、減圧濃縮し、次いで、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=3/1、2.5/1、2/1)で精製を行い、無色油状のベンジル{tert−ブトキシカルボニル−[2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)エチル]アミノ}アセテートを5.83g(16.5mmol)得た。ベンジル{tert−ブトキシカルボニル−[2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)エチル]アミノ}アセテートの収率は63%であった。
0.58(エチルアセテート/メタノール=20/1(体積比));
1H NMR (500 MHz, ppm, CDCl3, J=Hz) δ 1.34 (d, 9H, J= 54.5 Hz), 2.19 (brs, 1H), 3.38-3.45 (m, 4H), 3.50-3.60 (m, 4H), 3.99 (d, 2H, J= 41.3 Hz), 5.09 (d, 2H, J= 4.1 Hz), 7.25-7.30 (m, 5H);
13C NMR (125 MHz, ppm, CDCl3) δ 27.82, 28.05, 47.90, 48.20, 49.81, 50.39, 61.23, 66.42, 69.92, 72.12, 80.08, 127.93, 128.14, 135.25, 154.99, 155.19, 169.94, 170.07;
IR (neat, cm-1) 3449, 2934, 2872, 1751, 1701, 1458, 1400, 1367, 1252, 1143;
Anal. Calcd for C18H27NO6: C, 61.17; H, 7.70; N, 3.96。 Found: C, 60.01; H, 7.75; N, 4.13。
アルゴンガス雰囲気下、水素化ナトリウム1.2g(24.8mmol)をテトラヒドロフラン(THF)10mLに溶解させた溶液に、ベンジル{tert−ブトキシカルボニル−[2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)エチル]アミノ}アセテート5.83g(16.5mmol)をTHF20mLに溶解させた溶液を0℃で滴下し、0℃で20分間攪拌した後、0℃でヨードメタンを1.6mL(24.8mmol)加えた。得られた混合液を室温で20時間攪拌し、次いで、アイスバスで冷却しながら該混合液に水を加えて反応を停止させた。反応液中の有機層をエーテルで3回抽出し、有機層を乾燥させ、減圧濃縮し、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=5/1、3/1)で精製を行い、無色油状のベンジル{tert−ブトキシカルボニル−[2−(2−メトキシ−エトキシ)エチル]アミノ}アセテートを3.02g(8.21mmol)得た。ベンジル{tert−ブトキシカルボニル−[2−(2−メトキシ−エトキシ)エチル]アミノ}アセテートの収率は、50%であった。
0.54(ヘキサン/エチルアセテート=1/1(体積比));
1H NMR (500 MHz, ppm, CDCl3, J=Hz) δ 1.34 (d, 9H, J= 51.8 Hz), 3.28 (d, 3H, J= 2.7 Hz), 3.37-3.46 (m, 6H), 3.52 (dt, 2H, J= 5.4Hz, 16.5 Hz), 4.02 (d, 2H, J= 34.8 Hz), 5.09 (d, 2H, J=4.5 Hz), 7.24-7.30 (m, 5H);
13C NMR (125 MHz, ppm, CDCl3) δ 24.93, 25.16, 44.68, 45.00, 46.70, 47.40, 55.78, 63.30, 67.22, 68.60, 76.95, 124.98, 125.14, 125.36, 132.49, 151.99, 152.31, 166.84, 166.96;
IR (neat, cm-1) 2880, 1751, 1701, 1560, 1458, 1400, 1366, 1117, 698, 617;
Anal. Calcd for C19H29NO6: C, 62.11; H, 7.96; N, 3.81。 Found: C, 62.15; H, 8.16; N, 3.83。
アルゴン雰囲気下、ベンジル{tert−ブトキシカルボニル−[2−(2−メトキシ−エトキシ)エチル]アミノ}アセテート3.02g(8.21mmol)をジクロロメタン17mLに溶解させた溶液に、トリフルオロ酢酸(TFA)を9.0mL加え、室温で7時間攪拌した。次いで、反応液に10重量%の炭酸ナトリウム水溶液を加えて反応液のpHを10に調整し、反応液中の有機層をジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧濃縮し、黄色油状のベンジル[2−(2−メトキシ−エトキシ)エチルアミノ]アセテート2.18g(8.19mmol)を定量的に得た。
0.32(エチルアセテート/メタノール=20/1(体積比));
1H NMR (500 MHz, ppm, CDCl3, J=Hz) δ 1.99 (brs, 1H), 2.83 (t, 2H, J= 5.3 Hz), 3.38 (s, 3H), 3.50 (s, 2H), 3.54 (t, 2H, J= 4.6 Hz), 3.60-3.62 (m, 4H), 5.17 (s, 2H), 7.32-7.38 (m, 5H);
13C NMR (125 MHz, ppm, CDCl3) δ 48.46, 50.66, 58.76, 66.20, 70.00, 70.44, 71.64, 128.09, 128.33, 135.44, 171.84;
IR (neat, cm-1) 3350, 2876, 1736, 1560, 1458, 1117, 1030, 698, 619;
Anal. Calcd for C14H21NO4: C, 62.90; H, 7.92; N, 5.24。 Found: C, 62.28; H, 8.20; N, 5.05。
ベンジル[2−(2−メトキシ−エトキシ)エチルアミノ]アセテート2.19g(8.19mmol)をメタノール27mLに溶解させた溶液に、パラジウムを10重量%担持させた活性炭219mgを室温で加え、反応液を水素ガスでパージした。その後、水素雰囲気下、室温で7時間反応液を攪拌した。セライトパッドをしきつめたグラスフィルターでパラジウム及び活性炭を除去し、セライト層をメタノールで洗浄し、濾液を減圧濃縮し、黄色油状の[2−(2−メトキシエトキシ)エチルアミノ]酢酸(化合物1)を1.38g(7.78mmol)得た。化合物1の収率は、95%であった。
1H NMR (500 MHz, ppm, MeOD, J=Hz) δ 3.21 (t, 2H, J= 5.1 Hz), 3.38 (s, 3H), 3.51 (s, 2H), 3.57 (t, 2H, J= 4.4 Hz), 3.65 (t, 2H, J= 4.6 Hz), 3.73 (t, 2H, J= 5.1 Hz);
13C NMR (125 MHz, ppm, MeOD) δ 48.13, 50.49, 59.16, 67.08, 71.05, 72.85, 171.10;
IR (neat, cm-1) 3414, 2827, 1751, 1630, 1369, 1111, 1028, 851, 799;
Anal. Calcd for C7H15NO4: C, 47.45; H, 8.53; N, 7.90。 Found: C, 46.20; H, 8.49; N, 7.43。
実施例1(フラーレン誘導体Aの合成)
ジムロートコンデンサーを装着した100mLの2口フラスコに、C60フラーレンを250mg(0.35mmol)、化合物1を92mg(0.519mmol)、3−(トリメチルシリル)ベンズアルデヒドを123mg(0.694mmol)、クロロベンゼンを50mL入れて均一な溶液とし、3時間加熱還流させた。その後、25℃まで冷却し、ロータリーエバポレータで溶媒を除去し、次いで、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:二硫化炭素/酢酸エチル=1/0〜30/1)、及び、分取薄層クロマトグラフィ(展開溶媒:二硫化炭素)で精製し、下記式で表されるフラーレン誘導体Aを132mg(0.14mmol)得た。フラーレン誘導体Aの収率は、41%であった。
Figure 2013095683
1H NMR (500 MHz, ppm, CDCl3, J= Hz) δ 0.21 (9H, s), 2.90-2.95 (1H, m), 3.44 (3H, s), 3.46-3.51 (1H, m), 3.65-3.67 (2H, m), 3.79-3.80 (2H, m), 3.97-4.01 (1H, m), 4.03-4.08 (1H, m), 4.32 (1H, d), 5.21 (1H, d), 5.29 (1H, s), 7.35-7.38 (1H, t), 7.44-7.45 (1H, m), 7.74 (1H, br), 7.95 (1H, br)
実施例2(フラーレン誘導体Bの合成)
ジムロートコンデンサーを装着した100mLの2口フラスコに、C60フラーレンを250mg(0.35mmol)、化合物1を92mg(0.519mmol)、2−(ジメチルアミノ)ベンズアルデヒドを104mg(0.694mmol)、クロロベンゼン を50mL入れて均一な溶液とし、3時間加熱還流した。その後、25℃まで冷却し、ロータリーエバポレータで溶媒を除去し、ついでシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:二硫化炭素/酢酸エチル=1/0〜30/1)、分取薄層クロマトグラフィ(展開溶媒:二硫化炭素)で精製し、下記式で表されるフラーレン誘導体Bを126mg(0.13mmol)得た。フラーレン誘導体Bの収率は、39%であった。
Figure 2013095683
1H NMR (500 MHz, ppm, CDCl3, J= Hz) δ2.64 (6H, s), 2.80-2.85 (1H, m), 3.41-3.47 (4H, m), 3.62-3.65 (2H, m), 3.74-3.79 (2H, m), 3.96-4.00 (1H, m), 4.02-4.06 (1H, m), 4.27 (1H, d), 5.19 (1H, d), 5.88 (1H, s), 7.14-7.25 (3H, m), 8.01-8.03 (1H, m)
実施例3(有機薄膜太陽電池の作製、評価)
レジオレギュラーポリ(3−ヘキシルチオフェン)(アルドリッチ社製、ロット番号:08510JJ)を1重量%の濃度でクロロベンゼンに溶解させた。得られた液に、フラーレン誘導体Aをレジオレギュラーポリ(3−ヘキシルチオフェン)の重量に対して等倍重量加えた。得られた液を、孔径1.0μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過し、塗布溶液を作製した。
レジオレギュラーポリ3−ヘキシルチオフェンは電子供与性化合物として作用し、フラーレン誘導体Aは電子受容性化合物として作用する。
スパッタ法により150nmの厚さでITO膜を付けたガラス基板を、紫外線−オゾン洗浄装置を用いてオゾンUV処理して表面処理を行った。次に、前記塗布溶液をスピンコート法によりITO膜が形成された基板に塗布し、有機薄膜太陽電池の活性層を得た。活性層の厚さは、約100nmであった。その後、窒素雰囲気下、130℃の条件で10分間ベークを行った。その後、真空蒸着機によりフッ化リチウムを4nmの厚さで蒸着し、次いでAlを100nmの厚さで蒸着した。蒸着のときの真空度は、すべて1〜9×10-3Paであった。また、得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。得られた有機薄膜太陽電池の特性(光電変換効率、短絡電流密度(Jsc)、開放電圧(Voc)、及び、フィルファクター(FF))は、ソーラシミュレーター(分光計器製、商品名OTENTO-SUNII:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm2)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定して求めた。結果を表1に示す。
実施例4(有機薄膜太陽電池の作製、評価)
フラーレン誘導体Aの代わりにフラーレン誘導体Bを用いた以外は、実施例3と同様の方法で有機薄膜太陽電池を作製し、有機薄膜太陽電池の特性を求めた。結果を表1に示す。
比較例1(有機薄膜太陽電池の作製、評価)
フラーレン誘導体Aの代わりに[60]PCBMを用いた以外は、実施例2と同様の方法で有機薄膜太陽電池を作製し、有機薄膜太陽電池の特性を求めた。結果を表1に示す。なお、[60]PCBMは、商品名E100(フロンティアカーボン社製、ロット番号:9B0024−A)を用いた。
Figure 2013095683

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表されるフラーレン誘導体。
    Figure 2013095683
    〔式(1)中、A環はフラーレン骨格を表す。R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアリールアルキル基、置換基を有していてもよい複素環基又は下記式(2)で表される基を表す。nは、1〜3の整数を表す。Rが複数個ある場合、複数個あるRは同一でも相異なっていてもよい。Rが複数個ある場合、複数個あるRは同一でも相異なっていてもよい。Rが複数個ある場合、複数個あるRは同一でも相異なっていてもよい。ただし、R1、R2及びR3のうちの少なくともひとつは、アルキル基で置換されたアミノ基を有するアリール基、置換シリル基を有するアリール基、アルキル基で置換されたアミノ基を有するアリールアルキル基、置換シリル基を有するアリールアルキル基、アルキル基で置換されたアミノ基を有する複素環基、又は、置換シリル基を有する複素環基である。〕
    Figure 2013095683
    〔式(2)中、mは1〜6の整数を表す。qは1〜4の整数を表す。pは0〜5の整数を表す。Xは、メチル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。mが複数個ある場合、複数個あるmは同一でも相異なっていてもよい。〕
  2. 1が、式(2)で表される基である、請求項1に記載のフラーレン誘導体。
  3. 2がアルキル基で置換されたアミノ基を有するアリール基、又は、置換シリル基を有するアリール基であり、R3が水素原子である、請求項1又は2に記載のフラーレン誘導体。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のフラーレン誘導体と電子供与性化合物とを含む組成物。
  5. 電子供与性化合物が高分子化合物である、請求項4に記載の組成物。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のフラーレン誘導体を含む層を有する有機光電変換素子。
  7. 請求項4又は5に記載の組成物を含む層を有する有機光電変換素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015013844A (ja) * 2013-07-08 2015-01-22 住友化学株式会社 フラーレン誘導体
CN105209433A (zh) * 2013-05-16 2015-12-30 大金工业株式会社 富勒烯衍生物和n型半导体材料
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JP2020196771A (ja) * 2019-05-30 2020-12-10 Jsr株式会社 組成物、レジスト下層膜、レジスト下層膜の形成方法及びパターニングされた基板の製造方法

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