JP2013237828A - 含窒素化合物の製造方法 - Google Patents

含窒素化合物の製造方法 Download PDF

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純平 桑原
Takaki Kanbara
貴樹 神原
Yuta Nohara
雄太 野原
Ken Yoshimura
研 吉村
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Abstract

【課題】複素5員環又は複素5員環を含む縮合環と含窒素多環とを含有する構成単位を含む高分子化合物を製造する。
【解決手段】式(100)で表される複素5員環又は複素5員環を含む縮合環を含む化合物と、式(2)で表される含窒素多環を含む化合物とを、触媒の存在下で反応させる、複素5員環又は複素5員環を含む縮合環と含窒素多環とを含有する構成単位を含む高分子化合物の製造方法。
Figure 2013237828

〔式(100)中、Arは、複素5員環を有する2価の基、又は複素5員環を含む縮合環を有する2価の基を表す。Hは、水素原子を表す。〕
Figure 2013237828

〔式(2)中、Arは、含窒素多環式化合物から水素原子を2個取り除いた2価の基を表す。Xは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、含窒素化合物の製造方法に関する。
近年、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という場合がある。)、有機薄膜太陽電池、有機薄膜トランジスタなどの、有機機能層を含む電子素子の開発が盛んに行われている。特に、有機機能層の材料として高分子化合物を用いれば、塗布法を用いる塗布成膜により電子素子の作製が可能であるため、電子素子の大面積化が可能であり、さらには大幅な製造コスト削減が期待されている。高分子化合物の製造方法としては、高分子化合物の構造を制御し易く、比較的温和な条件でより分子量の大きい化合物を合成できるので、鈴木カップリング、Stilleカップリング等のカップリング反応を用いた高分子化合物の製造方法が広く採用されている。
例えば、Stilleカップリングを用いた高分子化合物の製造方法としては、下記式(A)で表される複素5員環を含む化合物と、下記式(B)で表される含窒素多環を含む化合物とを反応させ、下記式(C)で表される構成単位からなる高分子化合物を製造する方法が提案されている(非特許文献1参照)。
Figure 2013237828
ジャーナル オブ マテリアルズ ケミストリ(J. Mater. Chem.)、2011年、第21巻、p.851−862
しかしながら、鈴木カップリングを用いた高分子化合物の製造方法ではホウ酸エステル残基を含むモノマーが用いられ、又はStilleカップリングを用いた高分子化合物の製造方法では有機スズ残基を含むモノマーが用いられるため、製造された高分子化合物中にホウ酸エステル残基又は有機スズ残基に由来する構造が含まれ、これらが電子素子の特性低下の要因となっていた。
そこで、本発明は、ホウ酸エステル残基を含むモノマー及び有機スズ残基を含むモノマーを用いることなく、光電変換素子などの電子素子の機能性材料として有用な複素5員環又は複素5員環を含む縮合環と含窒素多環とを含有する構成単位を含む高分子化合物を製造し得る化合物の製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、下記[1]〜[9]を提供する。
[1] 式(100):
Figure 2013237828
〔式(100)中、Arは、式(1)で表される2価の基、又は式(101)で表される2価の基を表す。Hは、水素原子を表す。〕
Figure 2013237828
〔式(1)および式(101)中、Y、YおよびYは、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子、セレン原子又は−N(A)−で表される基を表す。A、A、A、AおよびAは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基又は1価の有機基を表す。kは、1〜10の整数を表す。jは、1〜10の整数を表す。Yが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。Yが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。Yが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。Aが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。Aが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。Aが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。Aが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。Aが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。〕
で表される化合物と、
式(2):
Figure 2013237828
〔式中、Arは、式(2−1)で表される2価の基、式(2−2)で表される2価の基、又は式(2−3)で表される2価の基を表す。Xは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。2個あるXは、同一でも相異なってもよい。〕
Figure 2013237828
〔式(2−1)〜(2−3)中、Z、Z、Z及びZは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭素環又は置換基を有していてもよい複素環を表す。A、A及びA5は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基又は1価の有機基を表す。2個あるAは、同一でも相異なってもよい。2個あるAは、同一でも相異なってもよい。Ar及びArは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリーレン基又は置換基を有していてもよいヘテロアリーレン基を表す。〕
で表される化合物とを、触媒の存在下で反応させる、式(3):
Figure 2013237828
〔式中、Ar及びArは、前述と同じ意味を表す。〕
で表される構成単位を含む化合物の製造方法。
[2] 前記Arが、前記式(1)で表される2価の基である、[1]に記載の化合物の製造方法。
[3] 触媒が遷移金属化合物である、[1]又は[2]に記載の化合物の製造方法。
[4] 式(100)で表される化合物と式(2)で表される化合物とを、塩基性化合物の存在下で反応させる、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の化合物の製造方法。
[5] 式(100)で表される化合物と式(2)で表される化合物とを、ホスフィン化合物の存在下で反応させる、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の化合物の製造方法。
[6] [1]〜[5]のいずれか1つに記載の製造方法で製造した化合物。
[7] 質量分析法で求めた化合物中のスズの含有量と化合物中のホウ素の含有量の和が、1重量ppm未満である、[6]に記載の化合物。
[8] [6]又は[7]に記載の化合物を含む電子素子。
[9] 第1の電極と、第2の電極と、該第1の電極と該第2の電極との間に設けられた活性層とを有し、該活性層が[6]又は[7]に記載の化合物を含む光電変換素子。
本発明の化合物の製造方法は、ホウ酸エステル残基を含むモノマー及び有機スズ残基を含むモノマーを用いることなく、光電変換素子などの電子素子の機能性材料として有用な複素5員環又は複素5員環を含む縮合環と含窒素多環とを含有する構成単位を含む高分子化合物を製造し得る。
上記製造方法により製造された本発明の化合物は、ホウ酸エステル残基を含むモノマー及び有機スズ残基を含むモノマーを用いることなく製造することができるため、化合物中のスズの含有量及び化合物中のホウ素の含有量を極めて微量とすることができる。よって本発明の化合物を電子素子の機能性材料として用いた場合に、電子素子の電気的特性のさらなる向上が期待される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の化合物の製造方法は、式(100)で表される化合物と、
Figure 2013237828
式(2)で表される化合物とを、触媒の存在下で反応させる、
Figure 2013237828
式(3)で表される構成単位を含む化合物の製造方法である。
Figure 2013237828
式(100)中、Arは、式(1)で表される2価の基、又は式(101)で表される2価の基を表す。Hは、水素原子を表す。
Figure 2013237828
式(1)および式(101)中、Y、YおよびYは、それぞれ独立に硫黄原子、酸素原子、セレン原子又は−N(A)−で表される基を表す。A、A、A、AおよびAは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基又は1価の有機基を表す。kは、1〜10の整数を表す。jは、1〜10の整数を表す。Yが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。Yが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。Yが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。Aが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。Aが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。Aが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。Aが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。Aが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。
、YおよびYは、硫黄原子又は酸素原子が好ましく、硫黄原子がより好ましい。
、A、A、AおよびAで表される1価の有機基としては、例えば、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基、フッ素原子で置換されていてもよいアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルキルオキシ基及びヘテロアリール基が挙げられる。
上記フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、シクロアルキル基であってもよい。フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基の炭素原子数は、通常1〜30であり、1〜20が好ましい。フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、2−メチルブチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、3−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−メチルペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基等の鎖状アルキル基、及び、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。
上記フッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基は、直鎖状でも分岐状でもよく、シクロアルキルオキシ基であってもよい。フッ素原子で置換されていてもよいアルキルオキシ基の炭素原子数は、通常1〜30程度であり、1〜20が好ましい。フッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基、パーフルオロオクチルオキシ基、メトキシメチルオキシ基、及び2−メトキシエチルオキシ基が挙げられる。
上記フッ素原子で置換されていてもよいアルキルチオ基は、直鎖状でも分岐状でもよく、シクロアルキルチオ基であってもよい。フッ素原子で置換されていてもよいアルキルチオ基の炭素原子数は、通常1〜30程度であり、1〜20が好ましい。フッ素原子で置換されていてもよいアルキルチオ基の具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基、及びトリフルオロメチルチオ基が挙げられる。
上記アリール基は、置換基を有していてもよい芳香族炭素環化合物から水素原子を1個取り除いた基である。アリール基としては、例えば、置換基を有していてもよい単環の芳香族炭素環化合物から水素原子を1個取り除いた基、置換基を有していてもよい単環の芳香族炭素環化合物から選ばれる2個以上が互いに縮合した、置換基を有していてもよい縮合多環式芳香族炭素環化合物から水素原子を1個取り除いた基、及び、置換基を有していてもよい2個以上の芳香族炭素環化合物同士を、直接結合、又はメチレン基、エチレン基、カルボニル基等の2価の基で橋かけした構造を有する、置換基を有していてもよい有橋多環式芳香族炭素環化合物から水素原子を1個取り除いた基が挙げられる。
芳香族炭素環化合物が有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基、及びフッ素原子で置換されていてもよいアルキルチオ基が挙げられる。該フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基及びフッ素原子で置換されていてもよいアルキルチオ基の炭素原子数及び具体例は、Aで表される1価の有機基として説明した前述のフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基及びフッ素原子で置換されていてもよいアルキルチオ基の炭素原子数及び具体例と同じである。
アリール基の炭素原子数は、通常6〜60程度であり、6〜20が好ましい。アリール基の具体例としては、フェニル基、C1〜C12アルキルオキシフェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、及びペンタフルオロフェニル基が挙げられる。
ここで「Cm〜Cn」(m及びnはm<nを満たす正の整数である。)という用語は、この用語の直後に記載されたアルキル(オキシ)基の炭素原子数がm〜nであることを表す。即ち、上記「C1〜C12アルキルオキシフェニル基」とは、炭素原子数が1〜12のアルキルオキシ基を有するフェニル基を表し、上記「C1〜C12アルキルフェニル基」とは、炭素原子数が1〜12のアルキル基を有するフェニル基を表し、以下において同様である。アルキル(オキシ)基の炭素原子数は、好ましくは1〜8であり、より好ましくは1〜6である。アルキル(オキシ)基におけるアルキル基の具体例としては、上記フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基で説明し例示したものが挙げられる。
上記アリールオキシ基は、炭素原子数が通常6〜60程度であり、6〜20が好ましい。アリールオキシ基の具体例としては、フェノキシ基、C1〜C12アルキルオキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、及びペンタフルオロフェニルオキシ基が挙げられる。
上記アリールアルキル基は、炭素原子数が通常7〜60程度であり、7〜20が好ましい。アリールアルキル基の具体例としては、フェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルオキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基、及び2−ナフチル−C1〜C12アルキル基が挙げられる。
上記アリールアルキルオキシ基は、炭素原子数が通常7〜60程度であり、7〜20が好ましい。アリールアルキルオキシ基の具体例としては、フェニル−C1〜C12アルキルオキシ基、C1〜C12アルキルオキシフェニル−C1〜C12アルキルオキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルオキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルオキシ基、及び2−ナフチル−C1〜C12アルキルオキシ基が挙げられる。
上記ヘテロアリール基は、置換基を有していてもよい芳香族複素環式化合物から水素原子を1個取り除いた基である。ヘテロアリール基としては、例えば、置換基を有していてもよい単環の芳香族複素環式化合物から水素原子を1個取り除いた基、置換基を有していてもよい単環の芳香族複素環式化合物2個以上が互いに縮合した、置換基を有していてもよい縮合多環式芳香族複素環式化合物から水素原子を1個取り除いた基、及び、置換基を有していてもよい2個以上の芳香族複素環式化合物同士又は置換基を有していてもよい1個以上の芳香族複素環式化合物と置換基を有していてもよい1個以上の芳香族炭素環化合物とを、直接結合、又はメチレン基、エチレン基、カルボニル基等の2価の基で橋かけした構造を有する、置換基を有していてもよい有橋多環式芳香族複素環式化合物から水素原子を1個取り除いた基が挙げられる。
芳香族複素環式化合物が有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基、フッ素原子で置換されていてもよいアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、及びアリールアルキルオキシ基が挙げられる。該フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基、フッ素原子で置換されていてもよいアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基及びアリールアルキルオキシ基の炭素原子数及び具体例は、Aで表される1価の有機基として説明した前述のフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基、フッ素原子で置換されていてもよいアルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基及びアリールアルキルオキシ基の炭素原子数及び具体例と同じである。
芳香族複素環式化合物としては、例えば、フラン、チオフェン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾール、ピラゾリン、プラゾリジン、フラザン、トリアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、チオピラン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペラジン、モルホリン、トリアジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、イソインドール、インドリジン、インドリン、イソインドリン、クロメン、クロマン、イソクロマン、ベンゾピラン、キノリン、イソキノリン、キノリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、インダゾール、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、キナゾリジン、シンノリン、フタラジン、プリン、プテリジン、カルバゾール、キサンテン、フェナントリジン、アクリジン、β-カルボリン、ペリミジン、フェナントロリン、チアントレン、フェノキサチイン、フェノキサジン、フェノチアジン、及びフェナジンが挙げられる。
式(100)で表される化合物は、式(2)で表される化合物との反応中の架橋反応を抑制するために、sp混成軌道を形成する炭素原子と水素原子との単結合を2個含有することが好ましい。sp混成軌道を形成する炭素原子と水素原子との単結合を3個以上含有すると、架橋反応が進行する場合があり、得られる式(3)で表される構成単位を含む化合物の溶解性を低下させる原因となる場合がある。架橋反応を抑制する観点からは、A、A、AおよびAは、フッ素原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基又は1価の有機基が好ましく、フッ素原子、シアノ基、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基、アリール基又はアリールオキシ基がより好ましく、フッ素原子、シアノ基、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基がさらに好ましく、シアノ基又はフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基が特に好ましい。
式(1)中、Yが−N(A)−で表される基である場合、Aは、水素原子、アルキル基、アリール基が好ましく、水素原子、アルキル基がより好ましく、アルキル基がさらに好ましい。
Arが式(1)で表される2価の基である式(100)で表される化合物としては、例えば、式(1−1)〜式(1−40)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013237828
Figure 2013237828
Figure 2013237828
Figure 2013237828
式(1−1)〜式(1−40)で表される化合物の中でも、式(1−2)〜式(1−10)で表される化合物、式(1−22)〜式(1−30)で表される化合物、及び、式(1−32)〜式(1−40)で表される化合物が好ましく、式(1−2)で表される化合物、式(1−4)で表される化合物、式(1−8)で表される化合物、式(1−22)で表される化合物、式(1−24)で表される化合物、式(1−29)で表される化合物、式(1−32)で表される化合物、式(1−34)で表される化合物、及び、式(1−39)で表される化合物がより好ましく、式(1−2)で表される化合物、式(1−4)で表される化合物、及び、式(1−22)で表される化合物がさらに好ましい。
式(1)中、kは、1〜7が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。
Arが式(101)で表される2価の基である式(100)で表される化合物としては、例えば、下記式(101−1)〜式(101−55)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013237828
Figure 2013237828
Figure 2013237828
Figure 2013237828
Figure 2013237828
Figure 2013237828
式(101−1)〜式(101−55)の中でも、式(101−1)、式(101−6)、式(101−11)、式(101−16)、式(101−21)、式(101−26)、式(101−31)、式(101−36)、式(101−41)、式(101−46)、式(101−51)が好ましく、式(101−6)、式(101−11)、式(101−16)、式(101−21)がさらに好ましい。
式(101)中、jは1〜7が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましい。
式(2)中、Xは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。2個あるXは、同一でも相異なってもよい。Xは、塩素原子又は臭素原子が好ましく、臭素原子がより好ましい。
式(2)中、Arは、式(2−1)で表される2価の基、式(2−2)で表される2価の基、又は式(2−3)で表される2価の基を表す。
Figure 2013237828
式(2−1)及び式(2−3)中、Z、Z、Z及びZは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭素環又は置換基を有していてもよい複素環を表す。置換基を有していてもよい複素環としては、置換基を有していてもよい芳香族複素環が好ましい。
芳香族炭素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、ペリレン環、テトラセン環及びペンタセン環が挙げられる。芳香族炭素環は、ベンゼン環又はナフタレン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
芳香族複素環としては、例えば、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環、キナゾリン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、チオフェンオキシド環、ベンゾチオフェンオキシド環、ジベンゾチオフェンオキシド環、チオフェンジオキシド環、ベンゾチオフェンジオキシド環、ジベンゾチオフェンジオキシド環、フラン環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、ピロール環、インドール環、ジベンゾピロール環、シロール環、ベンゾシロール環、ジベンゾシロール環、ボロール環、ベンゾボロール環及びジベンゾボロール環が挙げられる。芳香族複素環は、チオフェン環、フラン環又はピロール環が好ましく、チオフェン環及びフラン環がより好ましく、チオフェン環がさらに好ましい。
〜Zで表される芳香族炭素環及び複素環が有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基及び1価の有機基が挙げられる。該1価の有機基の具体例は、Aで表される1価の有機基の具体例と同じである。芳香族炭素環及び複素環が有していてもよい置換基は、式(3)で表される構成単位を含む化合物の溶解性を高めることができるので、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基、アリールオキシ基又はアリール基が好ましい。
式(2−1)〜式(2−3)中、A、A及びA5は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基又は1価の有機基を表す。該1価の有機基の具体例は、Aで表される1価の有機基の具体例と同じである。2個あるAは、同一でも相異なってもよい。2個あるAは、同一でも相異なってもよい。A、A及びA5は、式(3)で表される構成単位を含む化合物の溶解性を高めることができるので、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよいアルコキシ基、アリールオキシ基又はアリール基が好ましく、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基がより好ましい。
式(2−2)中、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリーレン基又は置換基を有していてもよいヘテロアリーレン基を表す。
置換基を有していてもよいアリーレン基としては、例えば、置換基を有していてもよい単環の芳香族炭素環から水素原子を2個取り除いた基、及び、置換基を有していてもよい単環の芳香族炭化水素環2個以上が互いに縮合した、置換基を有していてもよい縮合多環式芳香族炭化水素化合物から水素原子を2個取り除いた基が挙げられる。アリーレン基が有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基及び1価の有機基が挙げられる。該1価の有機基の具体例は、Aで表される1価の有機基の具体例と同じである。
Ar及びArで表される置換基を有していてもよいアリーレン基としては、例えば、式201〜式244で表される基が挙げられる。
Figure 2013237828
Figure 2013237828
Figure 2013237828
Figure 2013237828
Figure 2013237828
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式201〜式244中、Rは、水素原子、フッ素原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基又は1価の有機基を表す。複数個あるRは、同一でも相異なってもよい。該1価の有機基の具体例は、Aで表される1価の有機基の具体例と同じである。
式201〜式244中、Rは、水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよいアルキルオキシ基又はフッ素原子で置換されていてもよいアルキルチオ基が好ましく、水素原子、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよいアルキルオキシ基がより好ましく、水素原子又はフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基がさらに好ましい。
式201〜式244で表される基の中でも、式201〜式203で表される基が好ましく、式201で表される基がより好ましい。
Ar及びArで表される置換基を有していてもよいヘテロアリーレン基としては、例えば、置換基を有していてもよい単環の芳香族複素環式化合物から水素原子を2個取り除いた基、置換基を有していてもよい単環の芳香族複素環式化合物2個以上が互いに縮合した、置換基を有していてもよい縮合多環式芳香族複素環式化合物から水素原子を2個取り除いた基、及び、置換基を有していてもよい2個以上の芳香族複素環式化合物同士を、直接結合、又はメチレン基、エチレン基、カルボニル基等の2価の基で橋かけした構造を有する、置換基を有していてもよい有橋多環式芳香族複素環式化合物から水素原子を2個取り除いた基が挙げられる。
ヘテロアリーレン基が有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基及び1価の有機基が挙げられる。該1価の有機基の具体例は、Aで表される1価の有機基の具体例と同じである。
置換基を有していてもよいヘテロアリーレン基としては、例えば、式39〜式161で表される基が挙げられる。
Figure 2013237828
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Figure 2013237828
Figure 2013237828
式39〜式161中、Rは、前述と同じ意味を表す。
式39〜式161中、Rは、水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、フッ素原子で置換されていてもよいアルキルオキシ基又はフッ素原子で置換されていてもよいアルキルチオ基が好ましく、水素原子、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよいアルキルオキシ基がより好ましく、水素原子又はフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基がさらに好ましい。
式39〜式161で表される基の中でも、式94で表される基、及び、式128〜式130で表される基が好ましく、式94で表される基、及び、式128で表される基がより好ましく、式94で表される基がさらに好ましい。
式(2−1)で表される2価の基の具体例としては、式(2−1−1)〜式(2−1−10)で表される2価の基が挙げられる。
Figure 2013237828
式(2−1−1)〜式(2−1−10)中、Aは、前述と同じ意味を表す。
式(2−1−1)〜式(2−1−10)で表される2価の基の中でも、式(2−1−1)で表される2価の基、及び、式(2−1−6)で表される2価の基が好ましく、式(2−1−1)で表される2価の基がより好ましい。
式(2−2)で表される2価の基の具体例としては、式(2−2−1)〜式(2−2−10)で表される2価の基が挙げられる。
Figure 2013237828
式(2−2−1)〜式(2−2−10)中、Aは、前述と同じ意味を表す。
式(2−2−1)〜式(2−2−10)で表される2価の基の中でも、式(2−2−1)で表される2価の基、及び、式(2−2−2)で表される2価の基が好ましく、式(2−2−1)で表される2価の基がより好ましい。
式(2−3)で表される2価の基の具体例としては、式(2−3−1)〜式(2−3−10)で表される2価の基が挙げられる。
Figure 2013237828
式(2−3−1)〜式(2−2−10)中、Aは、前述と同じ意味を表す。
式(2−3−1)〜式(2−2−10)で表される2価の基の中でも、式(2−3−1)で表される2価の基が好ましい。
本発明の化合物の製造方法は、式(100)で表される化合物と式(2)で表される化合物とを、触媒の存在下で反応させ、式(3)で表される構成単位を含む化合物を製造する方法である。
Figure 2013237828
式(3)中、Ar及びArは、前述と同じ意味を表す。
式(3)で表される構成単位を含む化合物の分子量は、500以上が好ましく、1000以上がより好ましく、3000以上がさらに好ましい。式(3)で表される構成単位を含む化合物が分子量分布を有する場合、式(3)で表される構成単位を含む化合物のポリスチレン換算の数平均分子量は、500以上が好ましく、1000以上がより好ましく、3000以上がさらに好ましく、5000以上が特に好ましい。
式(3)で表される構成単位を含む化合物を電子素子の機能性材料として用いる場合、電子素子の特性をより向上させることができるので、式(3)で表される構成単位を含む化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量は、5000以上1000000以下が好ましく、10000以上500000以下がより好ましい。
式(3)で表される構成単位を含む化合物の好ましい一態様は、式(3)で表される構成単位のみからなる化合物である。
本発明の化合物の製造方法において、触媒としては、遷移金属化合物が好ましい。遷移金属化合物としては、例えば、パラジウム化合物、ルテニウム化合物、ロジウム化合物、ニッケル化合物、鉄化合物、及び銅化合物が挙げられる。遷移金属化合物は、パラジウム化合物又はロジウム化合物が好ましく、パラジウム化合物がより好ましい。
パラジウム化合物としては、例えば、Pd(0)化合物、及びPd(II)化合物が挙げられる。パラジウム化合物の具体例としては、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウムアセテート、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、及びビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムが挙げられる。反応(重合)操作が容易であり且つ反応(重合)速度を向上させることができるので、パラジウムアセテートが好ましい。
パラジウム化合物の添加量は、特に限定されず、触媒としての有効量であればよい。パラジウム化合物の添加量は、式(100)で表される化合物1モルに対して、0.0001モル〜0.5モルが好ましく、0.0003モル〜0.2モルがより好ましい。
本発明の化合物の製造方法において、式(100)で表される化合物と式(2)で表される化合物とを、塩基性化合物の存在下で反応させることが好ましい。
塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸水素カリウム、リン酸水素ナトリウム、及びtert−ブトキシカリウムが挙げられる。塩基性化合物は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸水素カリウム、又はリン酸水素ナトリウムが好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、又はリン酸セシウムがより好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、又は炭酸リチウムがさらに好ましい。
塩基性化合物の添加量は、式(100)で表される化合物1モルに対して、0.5モル〜100モルが好ましく、0.9モル〜20モルがより好ましく、1モル〜10モルがさらに好ましい。
式(3)で表される構成単位を含む化合物の分子量を大きくする観点からは、式(100)で表される化合物と式(2)で表される化合物とを反応させる際に、任意の有機酸を添加することが好ましい。有機酸としては、例えば、カルボン酸及びスルホン酸が挙げられる。有機酸は、炭素原子数が1〜20の有機酸が好ましく、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ピバル酸及び安息香酸がより好ましく、ピバル酸がさらに好ましい。
有機酸の使用量には、特に制限はないが、塩基性化合物及び有機酸を使用する場合、塩基性化合物の使用量(mol)に対する有機酸の使用量は、0.01mol%〜90mol%が好ましく、0.1mol%〜70mol%がより好ましく、2mol%〜30mol%がさらに好ましい。
本発明の化合物の製造方法において、式(100)で表される化合物と式(2)で表される化合物とを、配位子の存在下で反応させてもよい。配位子としては、例えば、ホスフィン化合物、アミン化合物、及びピリジン類が挙げられる。ホスフィン化合物としては、例えば、トリアリールホスフィン、トリアルキルホスフィン、ジアリールモノアルキルホスフィン、及びモノアリールジアルキルホスフィンが挙げられる。トリアリールホスフィンとしては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、及びトリ(o−メトキシフェニル)ホスフィンが挙げられる。トリアルキルホスフィンとしては、例えば、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、及びビス(tert−ブチル)メチルホスフィンが挙げられる。モノアリールジアルキルホスフィンとしては、例えば、ビス(シクロヘキシル)ビフェニルホスフィン、及びビス(tert−ブチル)ビフェニルホスフィンが挙げられる。アミン化合物としては、例えば、トリアリールアミン、トリアルキルアミン、ジアリールモノアルキルアミン、及びモノアリールジアルキルアミンが挙げられる。ピリジン類としては、例えば、ピリジン、及びビピリジンが挙げられる。配位子は、ホスフィン化合物が好ましく、トリアルキルホスフィンがより好ましく、トリシクロヘキシルホスフィンがさらに好ましい。
式(100)で表される化合物と式(2)で表される化合物との反応は、通常、溶媒中で行われる。溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」という場合がある。)、N,N−ジメチルアセトアミド(以下、「DMAc」という場合がある。)、トルエン、ジメトキシエタン、及びテトラヒドロフランが挙げられる。溶媒は、式(3)で表される構成単位を含む化合物の溶解性を向上させる観点からは、トルエン、又はテトラヒドロフランが好ましい。
また、式(100)で表される化合物と式(2)で表される化合物とは、塩基性化合物の水溶液をさらに加え、水相と有機相との2相からなる溶媒中で反応させてもよい。塩基性化合物として無機塩を用いる場合には、無機塩の溶解性を向上させることができるので、通常、無機塩の水溶液として加え、反応させる。
なお、式(100)で表される化合物と式(2)で表される化合物とを、水相と有機相との2相からなる溶媒中で反応させる場合には、必要に応じて、第4級アンモニウム塩などの相間移動触媒を加えてもよい。
式(100)で表される化合物と式(2)で表される化合物との反応の温度は、前記溶媒にもよるが、通常、50℃〜160℃程度であり、式(3)で表される構成単位を含む化合物の分子量をより大きくすることができるので、60℃〜120℃が好ましい。また、溶媒の沸点近くまで昇温し、還流させてもよい。反応時間は、目的の重合度に達したときを終了時間としてもよいが、通常、0.1時間〜200時間程度である。反応時間は、1時間〜30時間が効率的で好ましい。
式(100)で表される化合物と式(2)で表される化合物との反応を触媒の存在下で行う場合、アルゴンガス及び窒素ガス等の不活性雰囲気下など、触媒が失活しない反応系で行う。例えば、アルゴンガス及び窒素ガス等の不活性ガスで、十分脱気された系で反応を行う。具体的には、内部の気体を窒素ガスで十分置換した重合容器(反応系)に、式(100)で表される化合物、式(2)で表される化合物、及びパラジウム化合物を仕込み、さらに、重合容器内の気体を窒素ガスで十分置換する。次いで、あらかじめ窒素ガスでバブリングすることにより脱気した溶媒(例えば、N、N−ジメチルアセトアミド)を加え、得られた溶液に、あらかじめ窒素ガスでバブリングすることにより脱気した塩基性化合物(例えば、炭酸カリウム)をさらに添加した後、加熱して昇温し、例えば、100℃で24時間、不活性雰囲気を保持しながら反応させる。
本発明の製造方法で製造される式(3)で表される構成単位を含む化合物を電子素子の機能性材料として用いる場合、電子素子の特性をより高めることができるので、該化合物中に含まれる金属元素及びホウ素元素の量が少ないことが好ましい。中でも、式(3)で表される構成単位を含む化合物に含まれる遷移金属元素、典型金属元素及びホウ素元素の量が少ないことが好ましい。遷移金属元素としては、例えば、パラジウム、鉄、スズ、ニッケル、及び銅が挙げられる。中でも、パラジウム、鉄、及びスズの量が少ないことが好ましく、特に好ましくはスズの量が少ないことが好ましい。本発明の製造方法で製造される式(3)で表される構成単位を含む化合物に含まれる不純物元素の量は、元素分析で測定される。不純物元素の量は、スズとホウ素の合計含有量が、好ましくは50重量ppm以下であり、より好ましくは10重量ppm以下であり、さらに好ましくは1重量ppm以下であり、特に好ましくは0.5重量ppm以下である。
元素分析の方法としては、例えば、原子吸光分析法、発光分光分析法、プラズマ発光分析法、蛍光X線分析法、プラズマ質量分析法、グロー放電質量分析法、及びイオンクロマトグラフ分析法が挙げられる。
本発明の製造方法で製造される、式(3)で表される構成単位を含む化合物は、高い電子輸送性及び/又は正孔(ホール)輸送性を発揮し得ることから、該化合物を含む有機薄膜を電子素子の機能層として用いた場合、電極から注入された電子、正孔、或いは、光吸収によって発生した電荷を効率よく輸送することができる。これらの特性を活かして光電変換素子、有機薄膜トランジスタ、有機エレクトロルミネッセンス素子等の種々の電子素子に好適に用いることができる。以下、これらの電子素子について個々に説明する。
<光電変換素子>
本発明の製造方法で製造される式(3)で表される構成単位を含む化合物を含む光電変換素子は、第1の電極と第2の電極との間に、本発明の製造方法で製造される、式(3)で表される構成単位を含む化合物を含む1層以上の機能層を有する。
一実施形態において、光電変換素子は、第1の電極と、第2の電極と、該第1の電極と該第2の電極との間に設けられた活性層とを有し、該活性層が、本発明の製造方法で製造した式(3)で表される構成単位を含む化合物を含む。
好ましい一形態において、光電変換素子は、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、電子供与性化合物と電子受容性化合物との有機組成物から形成される活性層とを有する。本発明の製造方法で製造される式(3)で表される構成単位を含む化合物は、電子供与性化合物として用いることが好ましい。
光電変換素子は、通常、基板上に形成される。この基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に化学的に変化しないものであればよい。基板の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、及びシリコンが挙げられる。不透明な基板の場合には、反対の電極(即ち、基板から遠い方の電極)が透明又は半透明であることが好ましい。
本発明の製造方法で製造される、式(3)で表される構成単位を含む化合物を有する光電変換素子の他の態様は、少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極間に、本発明の製造方法で製造される式(3)で表される構成単位を含む化合物を含む第1の活性層と、該第1の活性層に隣接して、フラーレン誘導体等の電子受容性化合物を含む第2の活性層とを備える光電変換素子である。
上記の光電変換素子に用いる式(3)で表される構成単位を含む化合物は、高分子化合物であることが好ましい。
一対の電極のうち、少なくとも一方は透明又は半透明である。透明又は半透明の電極材料としては、例えば、導電性の金属酸化物膜、及び半透明の金属薄膜が挙げられる。透明又は半透明の電極材料の具体例としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、及びそれらの複合体であるインジウムスズオキサイド(以下、「ITO」という場合がある。)、インジウム亜鉛オキサイド(以下、「IZO」という場合がある。)等からなる導電性材料を用いて形成された膜、NESA、金、白金、銀、銅等を用いて形成された膜が挙げられ、ITO、IZO、酸化スズを用いて形成された膜が好ましい。電極の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、及びメッキ法が挙げられる。
また、電極材料として、ポリアニリン及びその誘導体の膜、ポリチオフェン及びその誘導体の膜等の有機の透明導電膜を用いてもよい。
一対の電極のうち、一方の電極は不透明であってもよい。不透明な電極材料としては、例えば、金属、及び導電性高分子等を用いることができる。不透明な電極材料の具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、及びイッテルビウム等の金属;2種以上の前記金属からなる合金;1種以上の前記金属と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン及び錫からなる群から選ばれる1種以上の金属との合金;グラファイト;グラファイト層間化合物;ポリアニリン若しくはその誘導体;及びポリチオフェン若しくはその誘導体が挙げられる。合金としては、例えば、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、及びカルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
光電変換効率を向上させるために、活性層以外の付加的な中間層を設けてもよい。中間層に用いられる材料としては、例えば、フッ化リチウム等のアルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、酸化チタン等の酸化物、及びPEDOT(ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン)が挙げられる。
<活性層>
活性層は、本発明の製造方法で製造される、式(3)で表される構成単位を含む化合物を1種単独で含んでいても2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。また、活性層の正孔輸送性を高めるため、活性層中に電子供与性化合物及び/又は電子受容性化合物として、本発明の製造方法で製造される、式(3)で表される構成単位を含む化合物以外の化合物を混合してもよい。なお、電子供与性化合物、電子受容性化合物は、これらの化合物のエネルギー準位のエネルギーレベルから相対的に決定される。
電子供与性化合物としては、本発明の製造方法で製造される、式(3)で表される構成単位を含む化合物のほか、例えば、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、オリゴチオフェン若しくはその誘導体、ポリビニルカルバゾール若しくはその誘導体、ポリシラン若しくはその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミン残基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリフェニレンビニレン若しくはその誘導体、及びポリチエニレンビニレン若しくはその誘導体が挙げられる。
電子受容性化合物としては、本発明の製造方法で製造される、式(3)で表される構成単位を含む化合物のほか、例えば、炭素材料、酸化チタン等の金属酸化物、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン若しくはその誘導体、ベンゾキノン若しくはその誘導体、ナフトキノン若しくはその誘導体、アントラキノン若しくはその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン若しくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン若しくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン若しくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリン若しくはその誘導体、ポリキノキサリン若しくはその誘導体、ポリフルオレン若しくはその誘導体、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(バソクプロイン)等のフェナントロリン誘導体、フラーレン、及びフラーレン誘導体が挙げられる。電子受容性化合物は、好ましくは、酸化チタン、カーボンナノチューブ、フラーレン、又はフラーレン誘導体であり、特に好ましくはフラーレン、又はフラーレン誘導体である。
フラーレンとしては、例えば、C60フラーレン、C70フラーレン、C76フラーレン、C78フラーレン、及びC84フラーレンが挙げられる。なお、Cは炭素原子を意味し、下付で付された数字はフラーレンの炭素原子数を表している(以下、同様である)。
フラーレン誘導体は、これらのフラーレンの少なくとも一部が修飾された化合物を表す。
フラーレン誘導体としては、例えば、下記式(I)で表される化合物、下記式(II)で表される化合物、下記式(III)で表される化合物、及び下記式(IV)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013237828
式(I)〜式(IV)中、Rは、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基又はエステル構造を有する基である。複数個あるRは、同一でも相異なってもよい。Rはフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、又はアリール基を表す。複数個あるRは、同一でも相異なってもよい。
で表されるフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基の炭素原子数及び具体例は、前述のAで表されるフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基の炭素原子数及び具体例と同じである。
で表されるフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、及びアリール基の炭素原子数及び具体例は、前述のAで表されるフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基及びアリール基の炭素原子数及び具体例と同じである。
で表されるエステル構造を有する基としては、例えば、式(V)で表される基が挙げられる。
Figure 2013237828
式(V)中、u1は、1〜6の整数を表す。u2は、0〜6の整数を表す。Rは、フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
で表されるフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基の炭素原子数及び具体例は、前述のAで表されるフッ素原子で置換されていてもよいアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基の炭素原子数及び具体例と同じである。
60フラーレンの誘導体の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2013237828
70フラーレンの誘導体の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2013237828
また、フラーレン誘導体の例としては、[6,6]フェニル−C61酪酸メチルエステル(C60PCBM、[6,6]-Phenyl C61 butyric acid methyl ester)、[6,6]フェニル−C71酪酸メチルエステル(C70PCBM、[6,6]-Phenyl C71 butyric acid methyl ester)、[6,6]フェニル−C85酪酸メチルエステル(C84PCBM、[6,6]-Phenyl C85 butyric acid methyl ester)、[6,6]チエニル−C61酪酸メチルエステル([6,6]-Thienyl C61 butyric acid methyl ester)も挙げられる。
本発明の製造方法で製造することができる式(3)で表される構成単位を含む化合物とフラーレン誘導体とを活性層中に含む場合、フラーレン誘導体の割合が、本発明の製造方法で製造することができる式(3)で表される構成単位を含む化合物100重量部に対して、10重量部〜1000重量部であることが好ましく、20重量部〜500重量部であることがより好ましい。
活性層の厚さは、通常、1nm〜100μmが好ましく、より好ましくは2nm〜1000nmであり、さらに好ましくは5nm〜500nmであり、特に好ましくは20nm〜200nmである。
活性層は、如何なる方法で製造してもよく、形成方法としては、例えば、高分子化合物と溶媒とを含む溶液を用いて塗布成膜する塗布法、及び真空蒸着法が挙げられる。
<光電変換素子の製造方法>
光電変換素子の好ましい製造方法は、第1の電極と第2の電極とを有し、該第1の電極と該第2の電極との間に活性層を有する素子の製造方法であって、該第1の電極上に本発明の製造方法で製造される式(3)で表される構成単位を含む化合物と溶媒とを含む溶液(インキ)を塗布法により塗布成膜して活性層を形成する工程と、該活性層上に第2の電極を形成する工程とを含む。
溶液を用いる塗布成膜に用いられる溶媒は、本発明の製造方法で得られる式(3)で表される構成単位を含む化合物を溶解させるものであればよい。溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン及びtert−ブチルベンゼン等の不飽和炭化水素系溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン及びブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン及びトリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン及びテトラヒドロピラン等のエーテル系溶媒が挙げられる。本発明の製造方法で得られる式(3)で表される構成単位を含む化合物は、通常、前記溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
溶液を用いて塗布成膜する塗布法としては、例えば、スリットコート法、ナイフコート法、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットコート法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法及びキャピラリーコート法が挙げられ、スリットコート法、キャピラリーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、バーコート法、ナイフコート法、ノズルコート法、インクジェットコート法又はスピンコート法が好ましい。
成膜性を良好にできるので、25℃における溶媒の表面張力が15mN/mより大きいことが好ましく、15mN/mより大きく100mN/mよりも小さいことがより好ましく、25mN/mより大きく60mN/mよりも小さいことがさらに好ましい。
<有機薄膜トランジスタ>
本発明の製造方法で製造される式(3)で表される構成単位を含む化合物は、有機薄膜トランジスタにも用いることができる。好ましい一形態において、有機薄膜トランジスタは、ソース電極及びドレイン電極と、これらの電極間の電流経路となる有機半導体層(活性層)と、この電流経路を通る電流量を制御するゲート電極とを備え、前記有機半導体層が上述した式(3)で表される構成単位を含む化合物を含む有機薄膜によって構成される。このような有機薄膜トランジスタとしては、例えば、電界効果型有機薄膜トランジスタ、及び静電誘導型有機薄膜トランジスタが挙げられる。
電界効果型有機薄膜トランジスタは、ソース電極及びドレイン電極、これらの間の電流経路となる有機半導体層(活性層)、この電流経路を通る電流量を制御するゲート電極、並びに、有機半導体層とゲート電極との間に配置される絶縁層を備えることが好ましい。
特に、ソース電極及びドレイン電極が、有機半導体層(活性層)に接して設けられており、さらに有機半導体層に接した絶縁層を挟んでゲート電極が設けられていることが好ましい。電界効果型有機薄膜トランジスタにおいては、有機半導体層が、本発明の製造方法で製造される式(3)で表される構成単位を含む化合物を含む有機薄膜によって構成される。
静電誘導型有機薄膜トランジスタは、ソース電極及びドレイン電極、これらの間の電流経路となる有機半導体層(活性層)、並びに電流経路を通る電流量を制御するゲート電極を有し、このゲート電極が有機半導体層中に設けられていることが好ましい。特に、ソース電極、ドレイン電極及び有機半導体層中に設けられたゲート電極が、有機半導体層に接して設けられていることが好ましい。ここで、ゲート電極の構造としては、ソース電極からドレイン電極へ流れる電流経路が形成され、且つゲート電極に印加した電圧で電流経路を流れる電流量が制御できる構造であればよく、例えば、くし形電極が挙げられる。静電誘導型有機薄膜トランジスタにおいても、有機半導体層が、本発明の製造方法で製造される式(3)で表される構成単位を含む化合物を含む有機薄膜によって構成される。
上記の有機薄膜トランジスタに用いられる式(3)で表される構成単位を含む化合物は、高分子化合物であることが好ましい。
<電子素子の用途>
本発明の製造方法で製造される式(3)で表される構成単位を含む化合物を用いた光電変換素子は、透明又は半透明の電極から太陽光等の光を入射させることにより、電極間に光起電力を発生させ、有機薄膜太陽電池として動作させることができる。有機薄膜太陽電池を複数集積することにより有機薄膜太陽電池モジュールとして用いることもできる。
また、電極間に電圧を印加した状態、あるいは無印加の状態で、透明又は半透明の電極から光を入射させると、光電流が流れ、有機光センサーとして動作させることができる。
有機光センサーを複数集積することにより有機イメージセンサーとして用いることもできる。
上述の有機薄膜トランジスタは、例えば電気泳動ディスプレイ、液晶ディスプレイ及び有機ELディスプレイ等において、画素の制御、画面輝度の均一性、画面書き換え速度を制御するために用いられる画素駆動素子等として用いることができる。
<太陽電池モジュール>
光電変換素子を有機薄膜太陽電池として用いて太陽電池モジュールを構成する場合、該太陽電池モジュールは、従来の太陽電池モジュールと基本的には同様のモジュール構造をとり得る。太陽電池モジュールは、一般的には金属又はセラミック等からなる支持基板の上にセルが構成され、その上を充填樹脂や保護ガラス等で覆い、支持基板の反対側から光を入射させる構造をとるが、支持基板に強化ガラス等の透明材料を用い、その上にセルを構成してその透明の支持基板側から光を入射させる構造とすることもできる。太陽電池モジュールの公知のモジュール構造として、例えば、スーパーストレートタイプ、サブストレートタイプ、ポッティングタイプ等のモジュール構造、及びアモルファスシリコン太陽電池などで用いられる基板一体型モジュール構造等が挙げられる。本発明の製造方法で製造される、式(3)で表される構成単位を含む化合物を用いて製造される有機薄膜太陽電池も使用目的、使用場所及び環境を勘案して、適宜これらのモジュール構造のうちから選択できる。
代表的なモジュール構造であるスーパーストレートタイプあるいはサブストレートタイプの太陽電池モジュールでは、一対の支持基板の間に、一定間隔にセルが配置されている。支持基板の一方又は両方は、透明で反射防止処理を施されている。隣り合うセル同士は金属リード及びフレキシブル配線等の配線によって電気接続されている。モジュールの外縁部には、集電電極が配置されており、発生した電力を外部に取り出される構造となっている。支持基板とセルの間には、セルの保護性向上、集電効率向上のため、目的に応じエチレンビニルアセテート(EVA)等様々な種類のプラスチック材料をフィルム状又は充填樹脂として設けてもよい。また、外部からの衝撃が少ない場所等、表面を硬い素材で覆う必要のない場所において太陽電池モジュールを使用する場合には、表面保護層を透明プラスチックフィルムで構成し、又は上記充填樹脂を硬化させることによって保護機能を付与し、片側の支持基板を省いてもよい。
支持基板の周囲は、内部の密封及びモジュールの剛性を確保するため、通常、金属製のフレームでサンドイッチ状に固定されており、支持基板とフレームとの間は封止材料で密封シールされている。また、セル自体、支持基板、充填材料及び封止材料に可撓性の素材を用いれば、曲面の上に太陽電池モジュールを構成することもできる。
ポリマーフィルム等のフレキシブル支持体を用いた太陽電池モジュールの場合、ロール状のフレキシブル支持体を送り出しながら順次セルを形成し、所望のサイズに切断した後、周縁部をフレキシブルで防湿性のある素材でシールすることにより太陽電池モジュール本体を作製できる。また、Solar Energy Materials and Solar Cells, 48, p383-391記載の「SCAF」とよばれるモジュール構造とすることもできる。更に、フレキシブル支持体を用いた柔軟性を有する太陽電池モジュールは曲面ガラス等に接着固定して使用することもできる。
<有機EL素子>
本発明の方法で得られる式(3)で表される構成単位を含む化合物は、有機EL素子に用いることもできる。有機EL素子は、第1の電極と第2の電極との間に発光層を有する。有機EL素子は、発光層の他に、正孔輸送層、電子輸送層を含んでいてもよい。該発光層、正孔輸送層、電子輸送層のいずれかの層中に本発明の製造方法で製造される式(3)で表される構成単位を含む化合物が含まれる。
有機EL素子は、式(3)で表される構成単位を含む化合物を含有する発光層を有していることが好ましい。この場合、発光層中には、本発明の方法で得られる式(3)で表される構成単位を含む化合物の他にも、電子輸送材料及び正孔輸送材料(これらを総称して「電荷輸送材料」と称する場合がある。)を含んでいてもよい。有機EL素子としては、例えば、陽極と発光層と陰極とを有する素子;さらに陰極と発光層の間に、該発光層に隣接して電子輸送材料を含有する電子輸送層を有する陽極と発光層と電子輸送層と陰極とを有する素子;さらに陽極と発光層の間に、該発光層に隣接して正孔輸送材料を含む正孔輸送層を有する陽極と正孔輸送層と発光層と陰極とを有する素子;陽極と正孔輸送層と発光層と電子輸送層と陰極とを有する素子が挙げられる。第1の電極及び第2の電極のうちの少なくとも一方は、透明又は半透明である。
上記の有機EL素子に用いられる式(3)で表される構成単位を含む化合物は、高分子化合物であることが好ましい。
以下、本発明にかかる実施例を示す。本発明は下記実施例に限定されるものではない。
<NMRスペクトル測定>
化合物(重合体)のNMRスペクトルは、重溶媒である重クロロホルムに重合体を溶解させ、核磁気共鳴スペクトル測定装置(JNM−ECS−400)を用いて測定した。
<分子量測定>
化合物の分子量は、溶離液としてクロロホルムを用いたGPCシステム(SHIMADZU Prominence GPCシステム)により、標準ポリスチレン換算で分子量を測定した。
実施例1(高分子化合物1の製造)
Figure 2013237828
磁気回転子を入れた容量25mLのシュレンク管に、窒素雰囲気下で、2,7−ジブロモ−9−n−オクタデシルカルバゾールを288.7mg(0.50mmol)、3,4,3’,4’−テトラメチル−2,2’−ビチオフェンを111.2mg(0.50mmol)、酢酸パラジウムを2.2mg(0.010mmol)、炭酸カリウムを172.8mg(1.3mmol)、ピバル酸を0.017mL(0.15mmol)、及びジメチルアセトアミドを1.67mL加えた。オイルバスを用いて反応液を100℃に加熱し、攪拌しながら3時間反応させた。反応終了後、オイルバスを外し、反応液を室温まで放冷させた。その後、反応液に、pH8のエチレンジアミン四酢酸−ジカリウム水溶液を約20mL加え、一晩攪拌した。析出した生成物を濾別し、生成物をpH8のエチレンジアミン四酢酸−ジカリウム水溶液、0.1Mの塩酸、純水、メタノール及びヘキサンで順次洗浄した後、濾物をクロロホルムに溶解させた。得られたクロロホルム溶液を、セライトを用いて濾過し、濾液を濃縮した。濃縮した濾液をメタノールに注ぎ、固体を再沈殿させることで、淡黄色の高分子化合物1を得た。高分子化合物1の収率は47%であった。高分子化合物1のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は32,900であり、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)に対するポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)の比(分子量分布;Mw/Mn)は5.36であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ= 0.86(t, J= 6.8 Hz, 3H), 1.19-1.47(br, 30H), 1.93(br, 2H), 2.23(s, 6H), 2.37(s, 6H), 4.34(br, 2H), 7.39(d, J= 8.4 Hz, 2H), 7.51(br, 2H), 8.13(d, J= 8.4 Hz, 2H).
実施例2(高分子化合物2の製造)
Figure 2013237828
磁気回転子を入れた容量25mLのシュレンク管に、窒素雰囲気下で、3,6−ジブロモ−9−n−オクタデシルカルバゾールを288.7mg(0.50mmol)、3,4,3’,4’−テトラメチル−2,2’−ビチオフェンを111.2mg(0.50mmol)、酢酸パラジウムを2.2mg(0.010mmol)、炭酸カリウムを172.8mg(1.3mmol)、ピバル酸を0.017mL(0.15mmol)、及びジメチルアセトアミドを1.67mL加えた。オイルバスを用いて反応液を100℃に加熱し、攪拌しながら3時間反応させた。反応終了後、オイルバスを外し、反応液を室温まで放冷させた。その後、反応液に、pH8のエチレンジアミン四酢酸−ジカリウム水溶液を約20mL加え、一晩攪拌した。析出した生成物を濾別し、生成物をpH8のエチレンジアミン四酢酸−ジカリウム水溶液、0.1Mの塩酸、純水、メタノール及びヘキサンで順次洗浄した後、濾物をクロロホルムに溶解させた。得られたクロロホルム溶液を、セライトを用いて濾過した後、濾液を濃縮した。濃縮した濾液をメタノールに注ぎ、固体を再沈殿させることで、薄緑色の高分子化合物2を得た。高分子化合物2の収率は81%であった。高分子化合物2のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は7,250であり、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)に対するポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)の比(分子量分布;Mw/Mn)は2.13であった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ= 0.86(br, 3H), 1.14-1.49(br, 30H), 1.91(br, 2H), 2.21(s, 6H), 2.31(s, 6H), 4.32(br, 2H), 7.45(br, 2H), 7.59(br, 2H), 8.21(br, 2H).
実施例3(高分子化合物3の製造)
Figure 2013237828
磁気回転子を入れた容量25mLのシュレンク管に、窒素雰囲気下で、マクロモリキュールズ(Macromolecules)、2006年、第39巻、p.8347−8355に記載された方法で合成した2,5−ジ−n−ヘキシル−3,6−ビス(4−ブロモフェニル)ピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオンを123.9mg(0.20mmol)、3,4−ジ−n−オクチルチオフェンを62.2mg(0.20mmol)、酢酸パラジウムを0.9mg(0.004mmol)、炭酸カリウムを69.7mg(0.50mmol)、ピバル酸を6.8μL(0.061mmol)、及びジメチルアセトアミドを0.67mL加えた。オイルバスを用いて反応液を100℃に加熱し、攪拌しながら3時間反応させた。反応終了後、オイルバスを外し、反応液を室温まで放冷させた。その後、反応液に、pH8のエチレンジアミン四酢酸−ジカリウム水溶液を約20mL加え、一晩攪拌した。析出した生成物を濾別し、生成物をpH8エチレンジアミン四酢酸−ジカリウム水溶液、0.1Mの塩酸、純水、メタノール及びヘキサンで順次洗浄した後、濾物をクロロホルムに溶解させた。得られたクロロホルム溶液を、セライトを用いて濾過した後、濾液を濃縮した。濃縮した濾液をメタノールに注ぎ、固体を再沈殿させることで、赤色の高分子化合物3を得た。高分子化合物3の収率は69%であった。高分子化合物3のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は10,000であり、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)に対するポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)の比(分子量分布;Mw/Mn)は2.58であった。
1H NMR(400 MHz, CDCl3): δ= 0.81-0.92(m, 12H), 1.27(br, 32H), 1.54(br, 4H), 1.68(br, 4H), 2.71(br, 4H), 3.84(br, 4H), 7.66(m, 4H), 7.94(d, J= 8.0 Hz, 2H).
実施例4(高分子化合物4の製造)
Figure 2013237828
磁気回転子を入れた容量25mLのシュレンク管に、窒素雰囲気下で、マクロモリキュールズ(Macromolecules)、2010年、第43巻、p.8348−8352に記載された方法で合成した6,6’−ジブロモ−1,1’−ビス(2−エチルヘキシル)−[3,3’−ビインドリニリデン]−2,2’−ジオンを311.2mg(0.50mmol)、3,4−ジオクチルチオフェンを154.3mg(0.50mmol)、酢酸パラジウムを2.2mg(0.010mmol)、炭酸カリウムを172.8mg(1.3mmol)、ピバル酸を0.017mL(0.15mmol)、及びジメチルアセトアミドを1.67mL加えた。オイルバスを用いて反応液を100℃に加熱し、攪拌しながら3時間反応させた。反応終了後、オイルバスを外し、反応液を室温まで放冷させた。その後、反応液に、pH8のエチレンジアミン四酢酸−ジカリウム水溶液を約20mL加え、一晩攪拌した。析出した生成物を濾別し、生成物をpH8のエチレンジアミン四酢酸−ジカリウム水溶液、0.1Mの塩酸、純水、メタノール及びヘキサンで順次洗浄した後、濾物をクロロホルムに溶解させた。得られたクロロホルム溶液を、セライトを用いて濾過した後、濾液を濃縮した。濃縮した濾液をメタノールに注ぎ、固体を再沈殿させることで、赤紫色の高分子化合物4を得た。高分子化合物4の収率は60%であった。高分子化合物4のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は9,400であり、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)に対するポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)の比(分子量分布;Mw/Mn)は1.93であった。
1H NMR(400 MHz, CDCl3): δ= 0.58-0.92(br, 18H), 1.25-1.48(br, 40H), 1.93(br, 2H), 2.74(br, 4H), 3.73(br, 4H), 6.94(br, 4H), 7.21(br, 4H), 9.21(br, 4H).
実施例5(高分子化合物5の製造方法)
Figure 2013237828
磁気回転子を入れた容量25mLのシュレンク管に、窒素雰囲気下で、6,6’−ジブロモ−1,1’−ビス(2−エチルヘキシル)−[3,3’−ビインドリニリデン]−2,2’−ジオンを322.2mg(0.50mmol)、3,4,3’,4’−テトラメチル−2,2’−ビチオフェンを111.2mg(0.50mmol)、酢酸パラジウムを2.2mg(0.010mmol)、炭酸カリウムを172.8mg(1.3mmol)、ピバル酸を0.017mL(0.15mmol)、及びジメチルアセトアミドを1.67mL加えた。オイルバスを用いて反応液を100℃に加熱し、攪拌しながら6時間反応させた。反応終了後、オイルバスを外し、反応液を室温まで放冷させた。その後、反応液に、pH8のエチレンジアミン四酢酸−ジカリウム水溶液を約20mL加え、一晩攪拌した。析出した生成物を濾別し、生成物をpH8のエチレンジアミン四酢酸−ジカリウム水溶液、0.1Mの塩酸、純水、メタノール及びヘキサンで順次洗浄した後、濾物をクロロホルムに溶解させた。得られたクロロホルム溶液を、セライトを用いて濾過した後、濾液を濃縮した。濃縮した濾液をメタノールに注ぎ、固体を再沈殿させることで、黒色の高分子化合物5を得た。高分子化合物5の収率は82%であった。高分子化合物5のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は11,300であり、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)に対するポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)の比(分子量分布;Mw/Mn)は2.76であった。
1H NMR(400 MHz, CDCl3): δ= 9.21(d, J= 8.4 Hz, 2H), 7.19(d, J= 8.4 Hz, 2H), 6.92(s, 2H), 3.80-3.60(br, 4H), 2.35(s, 6H), 2.19(s, 6H), 2.00-1.80(br, 2H), 1.55-1.20(br, 16H), 1.04-0.84(br, 12H).
13C [1H] NMR(600 MHz, CDCl3): δ= 168.7, 145.4, 138.7, 138.2, 138.1, 134.9, 132.4, 129.8, 129.3, 122.7, 120.7, 108.5, 44.3, 37.8, 30.9, 28.9, 24.2, 23.1, 14.6, 14.5, 14.1, 10.9.
実施例6(高分子化合物6の製造方法)
Figure 2013237828
磁気回転子を入れた容量25mLのシュレンク管に、窒素雰囲気下で、2,5−ジ−2−エチルヘキシル−3,6−ビス(4−ブロモフェニル)ピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオンを335.3mg(0.50mmol)、3,4,3’,4’−テトラメチル−2,2’−ビチオフェンを111.2mg(0.50mmol)、酢酸パラジウムを2.2mg(0.010mmol)、炭酸カリウムを172.8mg(1.3mmol)、ピバル酸を0.017mL(0.15mmol)、及びジメチルアセトアミドを1.67mL加えた。オイルバスを用いて反応液を100℃に加熱し、攪拌しながら30分間反応させた。反応終了後、オイルバスを外し、反応液を室温まで放冷させた。その後、反応液に、pH8のエチレンジアミン四酢酸−ジカリウム水溶液を約20mL加え、数時間攪拌した。析出した生成物を濾別し、生成物をpH8のエチレンジアミン四酢酸−ジカリウム水溶液、0.1Mの塩酸、純水、メタノール及びヘキサンで順次洗浄した後、濾物をクロロホルムに溶解させた。得られたクロロホルム溶液を、セライトを用いて濾過した後、濾液を濃縮した。濃縮した濾液をメタノールに注ぎ、固体を再沈殿させることで、赤色の高分子化合物6を得た。高分子化合物6の収率は85%であった。高分子化合物6のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は15,200であり、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)に対するポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)の比(分子量分布;Mw/Mn)は2.10であった。
1H NMR(400 MHz, CDCl3): δ= 7.89(d, J= 8.0 Hz, 4H), 7.65(d, J= 8.4 Hz, 4H), 3.90-3.70(br, 4H), 2.33(s, 6H), 2.18(s, 6H), 1.60-1.50(br, 2H), 1.30-1.00(br, 16H), 0.84-0.70(br, 12H).
13C [1H] NMR(600 MHz, CDCl3): δ= 162.9, 148.2, 137.84, 137.80, 137.5, 137.2, 134.7, 129.24(2×CH), 129.2, 129.0, 127.2, 110.0, 45.1, 38.6, 30.4, 28.3, 23.8, 22.9, 14.42, 14.37, 14.0, 10.5.
実施例7(高分子化合物7の製造方法)
Figure 2013237828
磁気回転子を入れた容量25mLのシュレンク管に、窒素雰囲気下で、2,5−ジ−2−エチルヘキシル−3,6−ビス(4−ブロモフェニル)ピロロ[3,4−c]ピロール−1,4−ジオンを201.2mg(0.30mmol)、マクロモリキュールズ(Macromolecules),2008年,第41巻、p.568−578に記載された方法で合成した3,6−ジ−ノニル−チエノ[3,2−b]チオフェンを117.8mg(0.30mmol)、酢酸パラジウムを1.4mg(0.0060mmol)、炭酸カリウムを103.7mg(0.75mmol)、ピバル酸を0.010mL(0.090mmol)、及びジメチルアセトアミドを2.00mL加えた。オイルバスを用いて反応液を100℃に加熱し、攪拌しながら24時間反応させた。反応終了後、オイルバスを外し、反応液を室温まで放冷させた。その後、反応液に、pH8のエチレンジアミン四酢酸−ジカリウム水溶液を約20mL加え、数時間攪拌した。析出した生成物を濾別し、生成物をpH8のエチレンジアミン四酢酸−ジカリウム水溶液、約0.1Mの塩酸、純水、メタノール及びヘキサンで順次洗浄した後、濾物をクロロホルムに溶解させた。得られたクロロホルム溶液を、セライトを用いて濾過した後、濾液を濃縮した。濃縮した濾液をメタノールに注ぎ、固体を再沈殿させることで、赤色の高分子化合物7を229.5mg得た。高分子化合物7の収率は85%であった。高分子化合物7のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は16,500であり、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)に対するポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)の比(分子量分布;Mw/Mn)は6.23であった。その後、ヘキサンを用いたソックスレー抽出によって低分子量成分を除いた。さらにクロロホルムを用いて高分子量成分を回収し、Mnが28500、Mw/Mnが5.67の高分子化合物7を118.4mg得た。
1H NMR(400 MHz, CDCl3): δ= 8.10-6.80(br), 4.00-3.40(br), 3.10-2.40(br), 2.00-0.0(br).
実施例8
(インク及び有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
スパッタ法により厚さ150nmのITO膜を設けたガラス基板を、オゾンUV装置を用いて表面処理した。次に、PEDOT:PSS溶液(H.C.スタルク社製CleviosP VP AI4083)をスピンコートによりITO膜上に塗布し、大気中120℃で10分間加熱することにより、膜厚50nmの正孔注入層を作製した。次に、高分子化合物5及びフェニルC61−酪酸メチルエステル(C60PCBM)(フロンティアカーボン社製)を、高分子化合物5:C60PCBM(重量比)=1:2となるように、オルトジクロロベンゼンに溶解させ、インク1を製造した。インク1中、高分子化合物5とC60PCBMの合計重量は、インク1の重量に対して2.0重量%であった。該インク1をスピンコート法によりガラス基板の正孔注入層上に塗布して、高分子化合物5を含む活性層を形成した。該活性層の膜厚は、約100nmであった。その後、チタンイソプロポキシドをイソプロパノールで希釈してなる塗布液を活性層上にスピンコート法により塗布し、暗所において室温で1時間乾燥させた。その後、真空蒸着装置内で、アルミニウムを厚さ100nmで蒸着し、有機薄膜太陽電池を作製した。
得られた有機薄膜太陽電池の形状は、2mm×2mmの正方形であった。得られた有機薄膜太陽電池にソーラーシミュレーター(分光計器製、商品名OTENTO−SUN II:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定して短絡電流密度、開放端電圧、及びフィルファクターを求め、光電変換効率を算出した。結果を表1に示す。
実施例9
(インク及び有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
実施例8において、高分子化合物5の代わりに高分子化合物6を用いた以外は同様にして有機薄膜太陽電池を作製した。得られた有機薄膜太陽電池について、実施例8と同様にして短絡電流密度、開放端電圧、及びフィルファクターを求め、光電変換効率を算出した。結果を表1に示す。
実施例10
(インク及び有機薄膜太陽電池の作製及び評価)
活性層を形成する工程において、高分子化合物5の代わりに高分子化合物7を用い、「チタンイソプロポキシドをイソプロパノールで希釈してなる塗布液を活性層上にスピンコート法により塗布し、暗所において室温で1時間乾燥させる」工程に代えて、「真空蒸着機でカルシウムを膜厚4nmで蒸着する」工程としたこと以外は、実施例8と同様にして有機薄膜太陽電池を作製した。得られた有機薄膜太陽電池について、実施例8と同様にして短絡電流密度、開放端電圧、及びフィルファクターを求め、光電変換効率を算出した。結果を表1に示す。
Figure 2013237828

Claims (9)

  1. 式(100):
    Figure 2013237828
    〔式(100)中、Arは、式(1)で表される2価の基、又は式(101)で表される2価の基を表す。Hは、水素原子を表す。〕
    Figure 2013237828
    〔式(1)および式(101)中、Y、YおよびYは、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子、セレン原子又は−N(A)−で表される基を表す。A、A、A、AおよびAは、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基又は1価の有機基を表す。kは、1〜10の整数を表す。jは、1〜10の整数を表す。Yが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。Yが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。Yが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。Aが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。Aが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。Aが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。Aが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。Aが複数個ある場合、それらは同一でも相異なってもよい。〕
    で表される化合物と、
    式(2):
    Figure 2013237828
    〔式(2)中、Arは、式(2−1)で表される2価の基、式(2−2)で表される2価の基、又は式(2−3)で表される2価の基を表す。Xは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。2個あるXは、同一でも相異なってもよい。〕
    Figure 2013237828
    〔式(2−1)〜(2−3)中、Z、Z、Z及びZは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい芳香族炭素環又は置換基を有していてもよい複素環を表す。A、A及びA5は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、シアノ基、ニトロ基、アミノ基又は1価の有機基を表す。2個あるAは、同一でも相異なってもよい。2個あるAは、同一でも相異なってもよい。Ar及びArは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリーレン基又は置換基を有していてもよいヘテロアリーレン基を表す。〕
    で表される化合物とを、触媒の存在下で反応させる、式(3):
    Figure 2013237828
    〔式中、Ar及びArは、前述と同じ意味を表す。〕
    で表される構成単位を含む化合物の製造方法。
  2. 前記Arが、前記式(1)で表される2価の基である、請求項1に記載の化合物の製造方法。
  3. 触媒が遷移金属化合物である、請求項1又は2に記載の化合物の製造方法。
  4. 式(100)で表される化合物と式(2)で表される化合物とを、塩基性化合物の存在下で反応させる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物の製造方法。
  5. 式(100)で表される化合物と式(2)で表される化合物とを、ホスフィン化合物の存在下で反応させる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法で製造した化合物。
  7. 質量分析法で求めた化合物中のスズの含有量と化合物中のホウ素の含有量の和が、1重量ppm未満である、請求項6に記載の化合物。
  8. 請求項6又は7に記載の化合物を含む電子素子。
  9. 第1の電極と、第2の電極と、該第1の電極と該第2の電極との間に設けられた活性層とを有し、該活性層が請求項6又は7に記載の化合物を含む光電変換素子。
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