JPWO2014163203A1 - 自動車用構造部材、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(3)荷重伝達部20は、曲部12bと第2の構成部材13〜15との間に形成される隙間22の一部又は全てを埋める接合部21の一部であって、接合部21は、第2の構成部材13〜15と接する範囲である接合幅Lが、荷重伝達部20の幅WTよりも長いことを特徴とする。
(4)曲部12bのうち、少なくとも荷重伝達部20が接する範囲の硬さが第1の構成部材12の母材の硬さよりも硬いことを特徴とする。
(5)荷重伝達部20は、該自動車用構造部材2〜4の長手方向に亘って断続的に形成されることを特徴とする。
(8)複数回の溶接のうち少なくとも2回の溶接ではそれぞれ溶接長が異なることを特徴とする。
(9)荷重伝達部20は、曲部12bと第2の構成部材13〜15との間に形成される隙間の一部又は全てを埋める接合部21の一部であって、荷重伝達部20を、前記溶加材を用いた複数回の溶接によって形成し、1回目の溶接では、荷重伝達部20の幅WTがWT<0.6t、かつ接合部21が第2の構成部材13〜15と接する範囲である接合幅Lが0<Lになるように溶接し、2回目以降の溶接において、荷重伝達部20の幅WTが0.6t≦WT≦1.0tになるように溶接することを特徴とする。
(10)荷重伝達部20を、該自動車用構造部材2〜4の長手方向に亘って断続的に形成することを特徴とする。
(11)荷重伝達部20を、アーク溶接又はレーザ・アークハイブリッド溶接により前記溶加材を用いて形成することを特徴とする。
自動車用構造部材1は、第1の構成部材10と第2の構成部材11とを有する。
第1の構成部材10と第2の構成部材11とは、外向きフランジ10a、10aを溶接代としてスポット溶接されて組み立てられる。
第1の構成部材12は、板材の成形体からなり、溝底部12eと、2つの稜線部12d、12dと、2つの縦壁部12c、12cと、2つの曲部12b、12bと、2つの内向きフランジ12a、12aとを有する。
なお、図1Bには、縦壁部12c、12cと曲部12b、12bの境界、曲部12b、12bと内向きフランジ12a、12aの境界を二点鎖線で示している。
なお、曲部の曲率半径とは、曲部12bの湾曲面のうち曲率半径が大きい外側の湾曲面の曲率半径をいうものとする。
第2の構成部材13〜15は、内向きフランジ12a、12aを介して第1の構成部材12と接合される。これにより、自動車用構造部材2〜4は、第1の構成部材12及び第2の構成部材13〜15により構成される閉じた横断面形状を有する。
自動車用構造部材3、4は、第1の構成部材12に形成された内向きフランジ12a、12aと、第2の構成部材14、15に形成された内向きフランジ16a、16aとが重ね合わせて構成される。
一方、第3の実施形態の第2の構成部材15は、第1の構成部材12よりも溝底部16e及び内向きフランジ16a、16aが幅方向に長い横断面形状を有する。したがって、第1の構成部材12の幅をW1とし、第2の構成部材15の幅をW2とすると、W2>W1になるように形成される。
ここでは、図2に示すように第1の実施形態の自動車用構造部材2が有する荷重伝達部20について説明するが、第2及び第3の実施形態の自動車用構造部材3、4も同様である。
図2に示すように、荷重伝達部20は、第1の構成部材12の曲部12bと第2の構成部材13との間であって、かつ縦壁部12cを第2の構成部材13へ向けて延長した領域の一部又は全部の領域に形成される。
接合幅Lを荷重伝達部幅WTよりも長くするには、図1Bに示す自動車用構造部材2及び図1Dに示す自動車用構造部材4のように、第2の構成部材13、15の幅W2が第1の構成部材12の幅W1よりも長く形成することが望ましい。すなわち、第2の構成部材13、15の幅方向の両端が、第1の構成部材12の幅方向の両端よりも外側に位置することが望ましい。
このように接合部21の接合幅Lを長くすることで、結果的に接合部21が第2の構成部材13に向かって末広がり状に形成され、第2の構成部材13、15から第1の構成部材12へ伝達される衝撃荷重を効果的に縦壁部12cに伝達することができる。
また、図2に示すように、曲部12bの幅(以下、曲部幅)をWbとすると、接合幅Lを曲部幅Wbよりも長くすることでも、接合部21が第2の構成部材13に向かって末広がり状に形成することができる。
[最大曲げ荷重の比較]
次に、比較例の自動車用構造部材と本発明例の自動車用構造部材との間の性能について比較した。
図3Aは第1比較例の自動車用構造部材31の横断面形状を示す図である。
第1比較例の自動車用構造部材31は、第1の構成部材であるハット部材10の外向きフランジ10aと第2の構成部材であるクロージングプレート11をスポット溶接することで製作した。ここでは、図3Aに示す曲部10bの曲率半径Rを6mmとした。
第2比較例の自動車用構造部材32は、第1の構成部材12の内向きフランジ12aと縦壁部12cとの間に形成される曲部12bと、第2の構成部材であるクロージングプレート13とを矢印B方向からレーザ溶接することで製作した。図3Bに示すRは、曲部12b、12bの曲率半径を示している。また、第1の構成部材12の高さHを60mmとした。
レーザ溶接は、長手方向の全長600mmに亘る連続溶接とし、溶接速度は2m/min一定で、板厚に応じて出力を変化させ、後述する板厚1.2mmに対しては2.5kW、板厚2.0mmに対しては4.0kWで行った。また、レーザ焦点はジャストフォーカスとした。
本発明例の自動車用構造部材33は、第1の構成部材12の内向きフランジ12aと縦壁部12cとの間に形成される曲部12bと、第2の構成部材であるクロージングプレート13とをアーク溶接することで製作した。図3Cに示すRは、曲部12b、12bの曲率半径を示している。また、第1の構成部材12の高さHを60mmとした。
アーク溶接は、長手方向の全長600mmに亘る連続溶接とし、溶接速度は60mm/min一定で、溶接電流および溶接電圧を板厚に応じて、110A〜170A、15V〜20Vの間で変化させた。また、シールドガスにはAr+20%CO2、溶接ワイヤにはφ1.2mmの60kgf級を用いた。
表1に、最大曲げ荷重の試験結果を示す。
図4に板厚2.0mm、曲部の曲率半径Rが6mmの場合を代表してインパクターを変位させたときの荷重−変位曲線のグラフを示す。
図5Aに板厚1.2mmのときの最大曲げ荷重−曲部の曲率半径のグラフを示し、図5Bに板厚2.0mmのときの最大曲げ荷重−曲部の曲率半径のグラフを示す。
また、図5A及び図5Bに示すように、曲率半径Rが6mmの場合で比較すると、本発明例、第1比較例、第2比較例の順に最大曲げ荷重が大きかった。このように、本発明例では曲げ圧潰性能が大幅に向上することが検証できた。なお、第2比較例よりも第1比較例の最大曲げ荷重が大きいのは、各フランジの長さ及び第2の構成部材の長さの相違によるものである。
また、第2比較例と本発明例とを比較すると、曲部12bの曲率半径Rが2mm以上8mm以下である場合、さらには曲率半径Rが2mm以上6mm以下である場合に本発明例が第2比較例よりも最大曲げ荷重が大幅に大きかった。本発明例及び第2比較例は、それぞれ第1の構成部材12及び第2の構成部材13の形状が同一であることから、最大曲げ荷重の相対的な相違は荷重伝達部幅WTの相違によるものと考えられる。
また、表1の板厚2.0mmの試験結果から、荷重伝達部幅WTが0.3t≦WT≦1.0tである場合、好ましくは0.6t≦WT≦1.0tである場合に、第2比較例よりも最大曲げ荷重を特に大きくすることができる。
すなわち、板厚1.2mmと板厚2.0mmの共通する範囲を抜き出すと、荷重伝達部幅WTが0.3t≦WT≦1.0t、好ましくは0.6t≦WT≦1.0tの関係を満足するように、荷重伝達部20を形成することが望ましい。
次に、溶接後における本発明例の自動車用構造部材33の硬さについて検証した。
図6は、本発明例の自動車用構造部材33の内向きフランジ12a周辺の横断面形状を示す図である。本発明例の自動車用構造部材33は、表1に示す440MPa級非めっき鋼板の板厚1.2mmを用い、曲部12bの曲率半径Rを6mmとして製作したものである。アーク溶接の条件は、表1のアーク溶接における溶接条件と同一である。
また、炭素当量Ceqを0.15以上にすることで、溶接時の入熱によって第1の構成部材12の曲部12b及び曲部12bの近傍を硬化させることができる。
ここで、炭素当量Ceqは、以下の式で表される。
Ceq=
C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4+V/4
逆に、炭素当量Ceqをあまり高くすると脆性破断や水素脆化が懸念されるため、炭素当量Ceqは0.6以下であることが望ましい。
次に、第1の構成部材12の高さHと板厚tとが最大曲げ荷重に与える影響について検証した。ここでは、440MPa級非めっき鋼板の板厚1.2mmと板厚2.0mmを用いてそれぞれ図3Bに示す第2比較例の自動車用構造部材32、図3Cに示す本発明例の自動車用構造部材33を製作した。このとき、板厚1.2mmの鋼板では第1の構成部材12の高さHを30mm、60mmとし、板厚2.0mmの鋼板では第1の構成部材12の高さHを30mm、60mm、90mmとしたものを製作した。なお、曲部12bの曲率半径Rは全て6.0mmとした。
表2に最大曲げ試験の試験結果を示す。
図7Aに板厚1.2mmのときの最大曲げ荷重−高さのグラフを示し、図7Bに板厚2.0mmのときの最大曲げ荷重−高さのグラフを示す。
図7A及び図7Bに示すように、第1の構成部材12の高さHが30mmの場合で比較すると、本発明例は第2比較例よりも最大曲げ荷重が大きかった。
また、第1の構成部材12の高さHが60mm、90mmの場合を比較すると、本発明例は第2比較例よりも最大曲げ荷重が大幅に大きかった。第1の構成部材12の高さHが60mm、90mmのように高い場合には、高さHが30mmのように低い場合に比べて縦壁部12cが座屈変形し易い形状である。したがって、荷重伝達部20を形成することで、より縦壁部12cの変形を抑制させていると想定される。したがって、本発明例のように、縦壁部12cが座屈変形し易い第1の構成部材12において、荷重伝達部20を形成することで、より横断面形状の変形抑制の効果を発揮できる。
逆に、H/tがあまり大きすぎると自動車用構造部材が大型化してしまうためにH/tは90以下であることが望ましい。
次に、荷重伝達部20を含む接合部21を溶接で形成する場合に、第1の構成部材12又は第2の構成部材が溶け落ちを防止するために同一箇所を複数回に分けて溶接する場合について説明する。
例えば、1回目では荷重伝達部幅WTが0<WT<0.3t(好ましくは0<WT<0.6t)になるように、あるいはWT<0.3t(好ましくはWT<0.6t)かつ接合幅Lが0<Lになるように自動車用構造部材の全長に亘って溶接し、2回目(あるいは2回目以降)で荷重伝達部幅WTが0.3t≦WT≦1.0t(好ましくは0.6t≦WT≦1.0t)になるように全長に亘って溶接する。
また、例えば、1回目では荷重伝達部幅WTが0.3t≦WT≦1.0t(好ましくは0.6t≦WT≦1.0t)になるように自動車用構造部材の全長に亘って溶接し、2回目(あるいは2回目以降)で接合幅Lが荷重伝達部幅WTよりも大きくなるように全長に亘って形状を整えるように溶接する。
このように同一箇所を複数回に分けて溶接することで、1回で荷重伝達部20及び接合部21を所望の荷重伝達部幅WTにする場合などに比べて、1回毎の溶接において第1の構成部材12及び第2の構成部材への溶接入熱量を低下させることができ、第1の構成部材12又は第2の構成部材13の溶け落ちを防止することができる。特に、曲部12の曲率半径Rが8mmよりも大きい場合には、複数回溶接することで容易に荷重伝達部幅WTを0.6t≦WT≦1.0tにすることができ、さらに溶け落ちも防止することができる。
次に、荷重伝達部20を含む接合部21を溶接で形成する場合に熱ひずみの影響を低減するために、溶接の長さを断続的に形成する場合について検証した。
図8Aは、断続的に溶接した自動車用構造部材41の一例を示す斜視図である。図8Aに示す自動車用構造部材41では、第1の構成部材12の全長をLAとして、接合部21の長さ、すなわち溶接の長さ(以下、溶接長という)をLBとして、溶接ピッチをPとしている。このように、断続的に溶接することで、熱ひずみの影響を低減することができ、寸法誤差の発生を抑制することができる。
表3に最大曲げ試験の試験結果を示す。
表3に示すように、断続的にアーク溶接する第2発明例及び第3発明例は、全長にアーク溶接する第1発明例に比べて最大曲げ荷重が小さかった。一方、第3発明例は、第2発明例に比べて溶接長LB及び溶接ピッチPが短いものの、最大曲げ荷重が大きかった。したがって、荷重伝達部20を含む接合部21を溶接で断続的に形成する場合には、溶接長LB及び溶接ピッチPを短くすることで、熱ひずみの影響を低減でき、最大曲げ荷重の低下を抑制することができる。
図8Bは、溶接の回数に応じて溶接長を変更した自動車用構造部材42の一例を示す斜視図である。図8Bに示す自動車用構造部材42では、1回目で溶接長を第1の構成部材12の全長であるLAとして、2回目で溶接長をLB、溶接ピッチをPとしている。
表4に最大曲げ試験の試験結果を示す。
表4に示すように、2回目を断続的にアーク溶接する第5発明例は、全ての回で全長にアーク溶接する第4発明例よりも最大曲げ荷重が5%だけ小さかった。したがって、複数回溶接する場合に、2回目以降を断続的に溶接することで、溶け落ちを熱ひずみの影響を低減でき、最大曲げ荷重の低下を抑制することができる。
例えば、1回目で荷重伝達部幅WTが0<WT<0.3t(好ましくは0<WT<0.6t)になるように、あるいはWT<0.3t(好ましくはWT<0.63t)かつ接合幅Lが0<Lになるように全長に亘って溶接し、2回目(あるいは2回目以降)で0.3t≦WT≦1.0t(好ましくは0.6t≦WT≦1.0t)になるように全長よりも短い溶接長で溶接することで、最大曲げ荷重の低下を抑制した上で、溶加材の量を削減することができる。
一方、第3の実施形態の第2の構成部材15は、第1の構成部材12よりも溝底部16e及び内向きフランジ16a、16aが幅方向に長い横断面形状を有する。したがって、第1の構成部材12の幅をW1とし、第2の構成部材15の幅をW2とすると、第3の実施形態の第2の構成部材15は、W2>W1になるように形成される。
逆に、H/tがあまり大きすぎると自動車用構造部材が大型化してしまうためにH/tは90以下であることが望ましい。
表4に示すように、2回目を断続的にアーク溶接する第5発明例は、全ての回で全長にアーク溶接する第4発明例よりも最大曲げ荷重が5%だけ小さかった。したがって、複数回溶接する場合に、2回目以降を断続的に溶接することで、溶け落ちと熱ひずみの影響を低減でき、最大曲げ荷重の低下を抑制することができる。
例えば、1回目で荷重伝達部幅WTが0<WT<0.3t(好ましくは0<WT<0.6t)になるように、あるいはWT<0.3t(好ましくはWT<0.63t)かつ接合幅Lが0<Lになるように全長に亘って溶接し、2回目(あるいは2回目以降)で0.3t≦WT≦1.0t(好ましくは0.6t≦WT≦1.0t)になるように全長よりも短い溶接長で溶接することで、最大曲げ荷重の低下を抑制した上で、溶加材の量を削減することができる。
(2)自動車用構造部材2〜4は、少なくとも、金属板の成形体からなる第1の構成部材12、及び金属板又は金属板の成形体からなるとともに第1の構成部材12と接合される第2の構成部材13〜15により構成される閉じた横断面形状を有する自動車用構造部材2〜4であって、第1の構成部材12は、縦壁部12c、該縦壁部12cにつながるとともに閉じた横断面形状の内側へ向けて屈曲する曲部12b、及び該曲部12bにつながる内向きフランジ12aを有するとともに、曲部12bと第2の構成部材13〜15との間であって縦壁部12cを第2の構成部材13〜15へ向けて延長した領域の少なくとも一部の領域に形成されて、曲部12b及び第2の構成部材13〜15を接合する荷重伝達部20を有し、第1の構成部材12の高さをHとし、縦壁部12cの板厚をtとした場合にH/t≧30であることを特徴とする。
(3)自動車用構造部材2〜4は、少なくとも、金属板の成形体からなる第1の構成部材12、及び金属板又は金属板の成形体からなるとともに第1の構成部材12と接合される第2の構成部材13〜15により構成される閉じた横断面形状を有する自動車用構造部材2〜4であって、第1の構成部材12は、縦壁部12c、該縦壁部12cにつながるとともに閉じた横断面形状の内側へ向けて屈曲する曲部12b、及び該曲部12bにつながる内向きフランジ12aを有するとともに、曲部12bと第2の構成部材13〜15との間であって縦壁部12cを第2の構成部材13〜15へ向けて延長した領域の少なくとも一部の領域に形成されて、曲部12b及び第2の構成部材13〜15を接合する荷重伝達部20を有し、荷重伝達部20は、溶着金属が、同一箇所で曲部12bと第2の構成部材13〜15との間から離れる方向に複数、重なっていることを特徴とする。
(5)荷重伝達部20は、曲部12bと第2の構成部材13〜15との間に形成される隙間22の一部又は全てを埋める接合部21の一部であって、接合部21は、第2の構成部材13〜15と接する範囲である接合幅Lが、荷重伝達部20の幅WTよりも長いことを特徴とする。
(6)曲部12bのうち、少なくとも荷重伝達部20が接する範囲の硬さが第1の構成部材12の母材の硬さよりも硬いことを特徴とする。
(7)荷重伝達部20は、該自動車用構造部材2〜4の長手方向に亘って断続的に形成されることを特徴とする。
(9)少なくとも、金属板の成形体からなる第1の構成部材12、及び金属板又は金属板の成形体からなるとともに第1の構成部材12と接合される第2の構成部材13〜15により構成される閉じた横断面形状を有し、第1の構成部材12は、縦壁部12c、該縦壁部12cにつながるとともに閉じた横断面形状の内側へ向けて屈曲する曲部12b、及び該曲部12bにつながる内向きフランジ12aを有する自動車用構造部材2〜4の製造方法であって、曲部12bと第2の構成部材13〜15との間であって縦壁部12cを第2の構成部材13〜15へ向けて延長した領域の少なくとも一部の領域に、溶加材を用いた溶接により、曲部12b及び第2の構成部材13〜15を接合する荷重伝達部20を形成し、第1の構成部材12の高さをHとし、縦壁部12cの板厚をtとした場合にH/t≧30であるようにすることを特徴とする。
(10)少なくとも、金属板の成形体からなる第1の構成部材12、及び金属板又は金属板の成形体からなるとともに第1の構成部材12と接合される第2の構成部材13〜15により構成される閉じた横断面形状を有し、第1の構成部材12は、縦壁部12c、該縦壁部12cにつながるとともに閉じた横断面形状の内側へ向けて屈曲する曲部12b、及び該曲部12bにつながる内向きフランジ12aを有する自動車用構造部材2〜4の製造方法であって、曲部12bと第2の構成部材13〜15との間であって縦壁部12cを第2の構成部材13〜15へ向けて延長した領域の少なくとも一部の領域に、溶加材を用いた溶接により、曲部12b及び第2の構成部材13〜15を接合する荷重伝達部20を形成し、荷重伝達部20は、同一箇所で溶加材を用いた複数回の溶接により、曲部12bと第2の構成部材13〜15との間から離れる方向に重なって形成することを特徴とする。
(12)荷重伝達部20を、前記溶加材を用いた複数回の溶接により形成することを特徴とする。
(13)複数回の溶接のうち少なくとも2回の溶接ではそれぞれ溶接長が異なることを特徴とする。
(14)荷重伝達部20は、曲部12bと第2の構成部材13〜15との間に形成される隙間の一部又は全てを埋める接合部21の一部であって、荷重伝達部20を、前記溶加材を用いた複数回の溶接によって形成し、1回目の溶接では、荷重伝達部20の幅WTがWT<0.6t、かつ接合部21が第2の構成部材13〜15と接する範囲である接合幅Lが0<Lになるように溶接し、2回目以降の溶接において、荷重伝達部20の幅WTが0.6t≦WT≦1.0tになるように溶接することを特徴とする。
(15)荷重伝達部20を、該自動車用構造部材2〜4の長手方向に亘って断続的に形成することを特徴とする。
(16)荷重伝達部20を、アーク溶接又はレーザ・アークハイブリッド溶接により前記溶加材を用いて形成することを特徴とする。
Claims (11)
- 少なくとも、金属板の成形体からなる第1の構成部材、及び金属板又は金属板の成形体からなるとともに前記第1の構成部材と接合される第2の構成部材により構成される閉じた横断面形状を有する自動車用構造部材であって、
前記第1の構成部材は、縦壁部、該縦壁部につながるとともに前記閉じた横断面形状の内側へ向けて屈曲する曲部、及び該曲部につながる内向きフランジを有するとともに、
前記曲部と前記第2の構成部材との間であって前記縦壁部を前記第2の構成部材へ向けて延長した領域の少なくとも一部の領域に形成されて、前記曲部及び前記第2の構成部材を接合する荷重伝達部を有すること
を特徴とする自動車用構造部材。 - 前記縦壁部の板厚方向への前記荷重伝達部の幅をWTとするとともに、前記縦壁部の板厚をtとした場合に
0.3t≦WT≦1.0t
であることを特徴とする請求項1に記載の自動車用構造部材。 - 前記荷重伝達部は、前記曲部と前記第2の構成部材との間に形成される隙間の一部又は全てを埋める接合部の一部であって、
前記接合部は、前記第2の構成部材と接する範囲である接合幅が、前記荷重伝達部の幅よりも長いことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車用構造部材。 - 前記曲部のうち、少なくとも前記荷重伝達部が接する範囲の硬さが前記第1の構成部材の母材の硬さよりも硬いことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の自動車用構造部材。
- 前記荷重伝達部は、該自動車用構造部材の長手方向に亘って断続的に形成されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の自動車用構造部材。
- 少なくとも、金属板の成形体からなる第1の構成部材、及び金属板又は金属板の成形体からなるとともに前記第1の構成部材と接合される第2の構成部材により構成される閉じた横断面形状を有し、
前記第1の構成部材は、縦壁部、該縦壁部につながるとともに前記閉じた横断面形状の内側へ向けて屈曲する曲部、及び該曲部につながる内向きフランジを有する自動車用構造部材の製造方法であって、
前記曲部と前記第2の構成部材との間であって前記縦壁部を前記第2の構成部材へ向けて延長した領域の少なくとも一部の領域に、溶加材を用いた溶接により、前記曲部及び前記第2の構成部材を接合する荷重伝達部を形成することを特徴とする自動車用構造部材の製造方法。 - 前記荷重伝達部を、前記溶加材を用いた複数回の溶接により形成することを特徴とする請求項6に記載の自動車用構造部材の製造方法。
- 複数回の溶接のうち少なくとも2回の溶接ではそれぞれ溶接長が異なることを特徴とする請求項7に記載の自動車用構造部材の製造方法。
- 前記荷重伝達部は、前記曲部と前記第2の構成部材との間に形成される隙間の一部又は全てを埋める接合部の一部であって、
前記荷重伝達部を、前記溶加材を用いた複数回の溶接によって形成し、
1回目の溶接では、前記荷重伝達部の幅WTがWT<0.6t、かつ前記接合部が前記第2の構成部材と接する範囲である接合幅Lが0<Lになるように溶接し、
2回目以降の溶接において、前記荷重伝達部の幅WTが0.6t≦WT≦1.0tになるように溶接することを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載の自動車用構造部材の製造方法。 - 前記荷重伝達部を、該自動車用構造部材の長手方向に亘って断続的に形成することを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項に記載の自動車用構造部材の製造方法。
- 前記荷重伝達部を、アーク溶接又はレーザ・アークハイブリッド溶接により前記溶加材を用いて形成することを特徴とする請求項6乃至10の何れか1項に記載の自動車用構造部材の製造方法。
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