JP5348005B2 - 自動車用構造部材およびその製造方法 - Google Patents
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Description
さらに、特許文献3には、形成される高周波焼入れ層である焼入れ領域が、要請される強度分布に対応する硬度変化を呈する強度分布を備えるプレス成形品が開示されている。
すなわち、特許文献1により開示された自動車用強度部材は、その断面形状が限定されるため、自動車用強度部材へ適用が大きく制限される。また、特許文献2により開示された高強度鋼板部材や特許文献3により開示されたプレス成形品では、レーザ照射や高周波加熱の処理コストが嵩むといった問題や、加熱に伴う熱変形、あるいは酸化スケールの発生に伴う塗装後の耐食性の劣化の問題があるため、やはり、自動車用構造部材を提供することは難しい。
図3は、片ハット部材6における荷重−変位曲線を示すグラフであり、図中の実線と破線はそれぞれ樹脂8を介装した部材(樹脂介装材)と樹脂を介していない部材(樹脂非介装材)である。また、図4は、両ハット部材12における荷重−変位曲線を示すグラフであり、図中の実線と破線はそれぞれ樹脂介装材と樹脂非介装材である。
これらの本発明では、自動車用構造部材が、バンパーリンフォース、サイドシル、Bピラーリンフォースまたはドアビームであることが望ましい。
図7は、本実施の形態の片ハット部材20と両ハット部材21の断面形状の一部を示す模式図であり、図7(a)は片ハット部材20であり、図7(b)は両ハット部材21である。
片ハット部材20は、さらに、フランジ22aに隣接する曲がり部22bと、平板素材23とで挟まれた第1の領域と、フランジ22aと平板素材23とで挟まれた第2の領域との両方に、樹脂24が介装される。
樹脂24の介装幅は、曲がり部22b、25bまたは26bの曲率半径Rの0.5倍以上2.0倍以下とすることが望ましい。
両ハット部材21は、さらに、一方のハット素材25のフランジ25aに隣接する曲がり部25bと、他方のハット素材26のフランジ26aに隣接する曲がり部26bとで挟まれた第1の領域と、両方のフランジ25b、26bで挟まれた第2の領域の両方に樹脂24が介装される。図7(b)は、第1の領域と第2の領域の両方に樹脂24が介装された例であるが、第1の領域のみに樹脂24が介装されている部材とすることもできる。ただし、好ましくは、図7(b)に示すように、第1の領域と第2の領域の両方に樹脂24を介装した部材であり、第1の領域のみに樹脂24を介装する場合に比べて、曲がり強度を一層高めることができる。第1の領域の少なくとも一部に樹脂24を介装すればよく、望ましくは、介装幅wは、曲がり部の曲率半径Rの0.5倍以上2.0倍以下である。
図8に示すように、第1の領域に樹脂24を介装する場合や第2の領域に樹脂を介装する場合、長手方向の少なくとも40%以上の領域を介装する。望ましくは、長手方向の70%以上である。図8は、両ハット部材21の例であるが、片ハット部材20においても同様である。
図9(a)は、ハット素材22と平板素材23とをハット素材22のフランジ22aで接合し、ハット素材22のフランジ22aに隣接する曲がり部22bと平板素材23とで挟まれた領域に樹脂24を介装した片ハット部材20−1である。
本発明の自動車用構造部材としては、バンパーリンフォース、サイドシルリンフォース、Bピラーリンフォース、ドアビームなど、衝突の際に曲げ荷重が負荷される部材が挙げられる。本発明により、部材の重量増加を小さく抑えつつ、衝突の際の曲げ強度と吸収エネルギを大幅に向上できる。
第1の製造方法は、第1の素材のフランジ、および、第2の素材における第1の素材のフランジとの重ねあわせ部のうちの少なくともいずれか一方に液状の樹脂を塗布する第1の工程と、第1の素材と第2の素材とを第1の素材のフランジでスポット溶接して閉断面の筒体を組み立てる第2の工程と、塗布された樹脂を硬化させる第3の工程とを備える。以下、第1の素材に液状の樹脂を塗布し、片ハット部材を製造する例で説明する。
図10に示すように、樹脂29は、ハット素材28の曲がり部28b、フランジ28aあるいは曲がり部28bとフランジ28aの両方に塗布することができる。曲がり部28bへの塗布量が多めになるように傾斜的に塗布しても良い。
図11に示すように、ハット素材28の長手方向の全領域、長手方向の中央部のみ、長手方向の端部のみなど強度が必要な部位に樹脂29を適宜塗布することができる。また、長手方向に間欠的に塗布しても良い。また、長手方向に塗布量を変化させても良い。少なくとも長手方向の40%以上を覆うように塗布する。望ましくは、70%以上である。
図12(a)に示すように、先端が曲げられた形状のフランジ30aを有するハット素材30の曲がり部30bに樹脂32を塗布しておき、先端が曲げられていない形状のフランジ31aを有するハット素材31を重ねることにより、フランジ30aの先端部側からの樹脂32のはみ出しを防止し、曲がり部に十分に樹脂を供給することができる。
次に、本発明の第2の製造方法を説明する。
次に、第3の製造方法について説明する。
第3の製造方法は、第1の素材と第2の素材の少なくともいずれか一方の素材に液状の樹脂を塗布する第1の工程と、第1の素材のフランジを介して第1の素材と第2の素材とを重ね合わせた後、フランジを介して第1の素材と第2の素材とをスポット溶接して閉断面の筒体を製作する第2の工程と、筒体におけるフランジに隣接する曲がり部と第2の素材とに挟まれた領域の少なくとも一部に液状の樹脂を塗布する第3の工程と、樹脂を硬化する第4の工程とを備える。
第1の素材は、熱延鋼板、冷延鋼板をプレス成形する方法、或いは、熱間プレス用鋼板を熱間プレス成形する方法により得られ、その強度は270MPa〜1800MPaとすることができる。鋼板の表面をめっきした溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板などを用いることもできる。
本発明に係る自動車用構造部材は、衝突の際に軸方向荷重が負荷される部材にも同様に適用することができ、部材の重量増加を小さく抑えつつ、衝突の際の軸方向強度を高めて吸収エネルギーを大幅に向上することもできる。
次に、片ハット部材34と両ハット部材35を用いて、図14(a)または図14(b)に示す3点曲げ試験を実施し、インパクタ36を衝突させたときに衝突荷重と変位の関係を調査し、衝突性能を荷重の最大値で評価した。
片ハット部材34において、試番2〜6の本発明例は、樹脂を介装しない試番1の比較例に比べ、最大荷重が高く良好であった。特に、樹脂の介装幅が1.5R(R:曲がり部の曲率半径)である試番3と6は、比較例に比べ最大荷重が著しく高く極めて良好であった。
2 片ハット部材
3 支持台
4 ハット素材
4a フランジ
4b 曲がり部
4c 縦壁
5 平板素材
6 片ハット部材
7 スポット溶接部
8 樹脂
9、10 ハット素材
9a、10a フランジ
9b、10b 曲がり部
9c、10c 縦壁
11 スポット溶接部
12 両ハット部材
13 樹脂
20、20−1、20−2 片ハット部材
21、21−1〜20−4 両ハット部材
ハット素材 22
22a フランジ
22b 曲がり部
23 平板素材
24 樹脂
25、26、27 ハット素材
25a、26a フランジ
25b、26b 曲がり部
28 ハット素材
28a フランジ
28b 曲がり部
29 樹脂
30 ハット素材
30a,31a フランジ
30b 曲がり部
32 樹脂
33 ハット素材
33a フランジ
Claims (6)
- フランジを有する第1の素材と第2の素材とにより形成された閉じた断面を有し、かつ前記第1の素材および前記第2の素材が前記フランジでスポット溶接された筒体を備える自動車用構造部材であって、前記フランジに隣接する曲がり部と前記第2の素材とにより挟まれた第1の領域に介装された樹脂を備え、当該樹脂の介装幅は、前記曲がり部の曲率半径の0.5倍以上2.0倍以下であることを特徴とする自動車用構造部材。
- 前記フランジと前記第2の素材とに挟まれた第2の領域に介装された樹脂を備える請求項1に記載された自動車用構造部材。
- 前記樹脂はエポキシ系接着剤である請求項1または請求項2に記載された自動車用構造部材。
- 前記自動車用構造部材は、バンパーリンフォース、サイドシル、Bピラーリンフォースまたはドアビームである請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された自動車用構造部材。
- フランジ、および該フランジに隣接する曲がり部を有する第1の素材と、第2の素材との少なくともいずれか一方の素材に液状の樹脂を塗布する第1の工程と、前記第1の素材と前記第2の素材とを前記フランジで重ね合わせてスポット溶接して閉断面の筒体を組み立てることによって塗布された前記樹脂を前記曲がり部と前記第2の素材とに挟まれた第1の領域に介装させる第2の工程と、介装された前記樹脂を硬化させる第3の工程とを有し、前記第1の領域に介装された前記樹脂の介装幅を、前記曲がり部の曲率半径の0.5倍以上2.0倍以下とすることを特徴とする自動車用構造部材の製造方法。
- フランジを有する第1の素材と第2の素材とを前記フランジでスポット溶接して閉断面の筒体を組み立てる第1の工程と、前記第1の素材における前記フランジに隣接する曲がり部と、前記第2の素材とにより挟まれた第1の領域に液状の樹脂を塗布する第2の工程と、塗布された前記樹脂を硬化させる第3の工程とを有し、前記第1の領域に介装された前記樹脂の介装幅を、前記曲がり部の曲率半径の0.5倍以上2.0倍以下とすることを特徴とする自動車用構造部材の製造方法。
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