JPWO2014157484A1 - 二酸化塩素の溶液を調製するための錠剤 - Google Patents

二酸化塩素の溶液を調製するための錠剤 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2014157484A1
JPWO2014157484A1 JP2015508679A JP2015508679A JPWO2014157484A1 JP WO2014157484 A1 JPWO2014157484 A1 JP WO2014157484A1 JP 2015508679 A JP2015508679 A JP 2015508679A JP 2015508679 A JP2015508679 A JP 2015508679A JP WO2014157484 A1 JPWO2014157484 A1 JP WO2014157484A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tablet
weight
chlorine
chlorine dioxide
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015508679A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6304239B2 (ja
Inventor
諒 加藤
諒 加藤
安史 近田
安史 近田
植田 秀昭
秀昭 植田
小田 実生
実生 小田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Soda Co Ltd
Original Assignee
Osaka Soda Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Soda Co Ltd filed Critical Osaka Soda Co Ltd
Publication of JPWO2014157484A1 publication Critical patent/JPWO2014157484A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6304239B2 publication Critical patent/JP6304239B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N59/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing elements or inorganic compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N43/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds
    • A01N43/64Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds having rings with three nitrogen atoms as the only ring hetero atoms
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B11/00Oxides or oxyacids of halogens; Salts thereof
    • C01B11/02Oxides of chlorine
    • C01B11/022Chlorine dioxide (ClO2)
    • C01B11/023Preparation from chlorites or chlorates
    • C01B11/024Preparation from chlorites or chlorates from chlorites
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/72Treatment of water, waste water, or sewage by oxidation
    • C02F1/76Treatment of water, waste water, or sewage by oxidation with halogens or compounds of halogens
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F2305/00Use of specific compounds during water treatment
    • C02F2305/14Additives which dissolves or releases substances when predefined environmental conditions are reached, e.g. pH or temperature

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Agronomy & Crop Science (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Pest Control & Pesticides (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geology (AREA)
  • Dentistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Water Supply & Treatment (AREA)
  • Hydrology & Water Resources (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

金属亜塩素酸塩、水と接触したときに塩素を放出する塩素放出化合物、固体酸源、ステアリン酸金属塩、及び高分子系の崩壊剤を含有し、ステアリン酸金属塩と高分子系の崩壊剤の合計量が錠剤全体に対して、0.3〜10重量%である錠剤は、処理対象となる施設の規模の大小を問わず、十分な濃度の二酸化塩素を実用的な時間で生成させることができ、運搬や梱包等の取り扱い時にも破損を生じない十分な強度を有し、かつ生産性がよい錠剤である。

Description

本発明は、細菌、ウイルス、悪臭物質、カビ、および藻の除去、水の異臭味の除去、水の二価金属イオンの除去などの各用途において用いる二酸化塩素水溶液を安全かつ簡便に調製するための錠剤に関する。
二酸化塩素は強力な酸化剤として漂白、殺菌、ウイルス不活化、殺藻、除鉄、除マンガン、水の異臭味の除去など広範な用途で利用されている。しかし、このように有用な用途を有する二酸化塩素であるが、実用的な側面において様々な問題があった。
二酸化塩素はガス(気体)の状態では、爆発性、毒性、光および熱に対する分解性があるため、ガスの状態としてそのままでは運搬することができない。また、ガスに比べて比較的安定性の高い二酸化塩素溶液の状態でも、溶液中での二酸化塩素濃度の維持が難しい。そのためアメリカ環境保護局、アメリカ食品医薬品局、厚生労働省などは、実際に使用する場所で二酸化塩素を発生させることを定めている。
その結果、大規模な水の処理用に、二酸化塩素溶液の生成装置が数多く開発、販売されている。しかし、二酸化塩素溶液の生成装置は高価である。また、反応の制御が難しく、複雑な薬品の管理も必要であった。
具体的には、従来、二酸化塩素による処理は、取扱いの上で危険な塩素ガス、塩酸や硫酸などの強酸を用いる方法が一般的である。このような強酸や塩素ガスは、高い反応性により効率的な二酸化塩素の生成が可能である反面、取扱いが危険である。従って、安全性を保つために、次亜塩素酸塩、酸化剤、亜塩素酸塩を別々の槽に用意し、各溶液を水で希釈しつつ反応槽に分注し、二酸化塩素溶液を生成する方法、あるいは亜塩素酸塩と塩酸を同様に反応槽内で反応させ二酸化塩素溶液を生成する方法が用いられてきた。
しかし、このような方法は、必然的に様々な装置の導入が必要であり、経済的な負担が多大であり、かつ、薬剤に伴う設備への悪影響があるといった問題があった。さらに、このような方法で二酸化塩素を生成するためには、数百トン以上の水量を保持できる大規模な設備が必要であった。
一方、例えば温浴設備、食品製造装置、クーリングタワー、及び数十トン規模の水の殺菌、ウイルスの不活化、異臭味の除去、消臭など比較的小規模かつ柔軟な運用が求められる用途では、上記のような殺菌方法では採算が取れない。また、上記のような殺菌装置は、画一的な処理しかできないため、これらの小規模で多様な用途に用いることが困難で、非実用的であった。
他方で、このような小規模で多様な用途に供することができる二酸化塩素発生剤としては、ゲル、並びに固形剤の成型によって二酸化塩素ガスの徐放性を確保した固形物及び粉末などが提案されている。
しかしながら、これらの種のものは、多量の水処理に用いるには、コスト高であり、二酸化塩素の発生効率が悪い点から実用化が困難であり、多くの場合空間内の消臭に用いられているに過ぎなかった。特に多孔性物質に二酸化塩素を含有させることにより、保存性や反応性を確保している場合は、水中に投入すると不溶性の沈殿物が形成されるなどの理由で、質的にも水処理において使用することは困難であった。
具体的には、近年、亜塩素酸塩と多孔性物質を混合することによって、多孔性物質の持つ除湿、および調湿機能により、二酸化塩素ガスの徐放性を担持させるといった技術(特許文献1)が提案されている。しかし、この方法は限定的な空間内で二酸化塩素ガスを徐放させるだけであり、この混合物は不溶性の多孔性物質を多量に含むため、水系において溶解させて使用することは困難であった。
また、亜塩素酸塩と固体酸と遊離塩素源を含む原料で錠剤を作製し、水に溶解させることで、低濃度の安定した二酸化塩素水溶液を調製する方法が提案されている(特許文献2、特許文献3)。しかし、従来の提案された錠剤は、発生する二酸化塩素の量が非常に少量で有効な効果がなかったり、顆粒を作製してから製造するため高価であった。また、錠剤の硬度が低く輸送途中で破砕が発生する等の課題があった。
特開2002−370910 特開昭52−123399 特表2003−521526
本発明は、処理対象となる施設の規模の大小を問わず、十分な濃度の二酸化塩素を実用的な時間で生成させることができ、運搬や梱包等の取り扱い時にも破損を生じない十分な強度を有し、かつ生産性がよい錠剤を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明者は鋭意研究を重ね、金属亜塩素酸塩、水と接触したときに塩素を放出する塩素放出化合物、固体酸源、ステアリン酸金属塩、及び高分子系の崩壊剤を含有する錠剤であり、ステアリン酸金属塩と高分子系の崩壊剤との合計量が錠剤全体に対して、0.3〜10重量%である錠剤は、実用上短時間で十分量の二酸化塩素を発生させることができ、破損し難く、打錠による生産性が良好であることを見出した。
本発明は上記知見に基づき完成されたものであり、下記の錠剤などを提供する。
項1. 金属亜塩素酸塩、水と接触したときに塩素を放出する塩素放出化合物、固体酸源、ステアリン酸金属塩、及び高分子系の崩壊剤を含有し、ステアリン酸金属塩と高分子系の崩壊剤の合計量が錠剤全体に対して、0.3〜10重量%であることを特徴とする錠剤。
項2. ステアリン酸金属塩が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛、及びステアリン酸亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種である項1に記載の錠剤。
項3. 高分子系の崩壊剤が、ポリビニルピロリドン、及びカルボキシビニルポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種である項1または2に記載の錠剤。
項4. さらに、炭酸水素ナトリウムを含有する項1〜3のいずれかに記載の錠剤。
項5. ステアリン酸金属塩と高分子系の崩壊剤の重量比(ステアリン酸金属塩:高分子系の崩壊剤)が1:0.5〜1:50の範囲である項1〜4のいずれかに記載の錠剤。
項6. 水と接触したときに塩素を放出する塩素放出化合物がナトリウムジクロロイソシアヌレートである項1〜5のいずれかに記載の錠剤。
項7. 固体酸源が、硫酸水素ナトリウム、クエン酸、コハク酸、およびマレイン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である項1〜6のいずれかに記載の錠剤。
項8. 金属亜塩素酸塩、水と接触したときに塩素を放出する塩素放出化合物、固体酸源、ステアリン酸金属塩、及び高分子系の崩壊剤を含有し、水への溶解時間が10分以内であることを特徴とする錠剤。
項9. 二酸化塩素生成剤である請求項1〜8のいずれかに記載の錠剤。
項10. 項1〜8のいずれかに記載の錠剤の二酸化塩素生成剤の製造のための使用。
項11. 項1〜8のいずれかに記載の錠剤の二酸化塩素生成剤としての使用。
項12. 項1〜8のいずれかに記載の錠剤を水と接触させる工程を含む二酸化塩素の発生方法。
項13. 項1〜8のいずれかに記載の錠剤を水含有液に溶解させる工程を含む二酸化塩素溶液の生成方法。
項14. 項1〜8のいずれかに記載の錠剤を水含有液に溶解させることにより得られる二酸化塩素溶液。
本発明の錠剤は、二酸化塩素溶液を調製するのに有効である。即ち、保管時には二酸化塩素を発生させず、水に溶解時に二酸化塩素を発生させ、安定した二酸化塩素水溶液を調製することができる。
さらに、本発明の錠剤は水への適度な溶解性を有するため、実用的な時間内に十分量の二酸化塩素を発生することができる。本発明の錠剤は、取り扱い容易な形態でありながら、強酸及び/又は塩素を用いて二酸化塩素を発生させる方法と同程度の反応性で二酸化塩素を発生させることができる。また、強酸及び塩素などと異なり、未反応成分が水中に残留した場合や、錠剤の廃棄時に、環境や人に悪影響を与えない安全な材料で構成されている。また、物理的強度に優れるため長期の保存や運搬にも適している。また、使用時には安定した二酸化塩素を発生するにもかかわらず爆発の危険性がない点で優れる。また、本発明の錠剤は、打錠時に型から剥離し易いため、打錠時の破損が抑制されており、生産性が良好である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の錠剤は、金属亜塩素酸塩、水と接触したときに塩素を放出する塩素放出化合物、固体酸源、ステアリン酸金属塩、及び高分子系の崩壊剤を含有する錠剤であり、ステアリン酸金属塩と高分子系の崩壊剤との合計量が、錠剤全体に対して、0.3〜10重量%である錠剤である。
金属亜塩素酸塩
本発明の錠剤に用いることのできる金属亜塩素酸塩は、特に限定されない。例えば、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸リチウムなどの亜塩素酸アルカリ金属塩;亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸カルシウムなどの亜塩素酸アルカリ土類金属塩を例示することができる。経済性および実用性の面から、亜塩素酸アルカリ金属塩が好ましく、亜塩素酸ナトリウムが最も好ましい。
金属亜塩素酸塩は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することもできる。
錠剤中の金属亜塩素酸塩の量は、錠剤全体に対して、1重量%以上が好ましく、5重量%以上がより好ましく、10重量%以上がさらに好ましい。上記範囲であれば、十分な濃度の二酸化塩素を実用的な時間で生成させることができる。また、25重量%を超えると劇物に該当するため、25重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましく、15重量%以下がさらに好ましい。上記範囲であれば、加熱、摩擦、又は衝撃等による燃焼の助長作用を小さくできる。
錠剤中の亜塩素酸塩の量としては、錠剤全体に対して、1〜25重量%、1〜20重量%、1〜15重量%、5〜25重量%、5〜20重量%、5〜15重量%、10〜25重量%、10〜20重量%、10〜15重量%が挙げられる。
含水率
本発明の錠剤は、乾燥度合い(含水率)が二酸化塩素溶液を調製するための錠剤の性能に極めて大きな影響を与える。即ち、錠剤の含水率が高いと、金属亜塩素酸塩から塩素酸塩を生成する分解反応が促進される。また、錠剤中の水分により使用前に二酸化塩素が生成するため、錠剤中の含水率が高いと使用時に発生する二酸化塩素量が少なくなる。以上の理由より、錠剤中の含水率は10重量%以下が好ましく、5重量%以下がより好ましく、2重量%以下がさらに好ましい。水は全く含まれないことが好ましいが、錠剤保存中に雰囲気中の水分を吸収して不可避の量の水が含まれる場合がある。特に、0.5重量%以上、又は1重量%以上含まれる場合がある。
錠剤中の含水率(錠剤全体重量に対する水の重量の比率)としては、0.5〜10重量%、0.5〜5重量%、0.5〜2重量%、1〜10重量%、1〜5重量%、1〜2重量%が挙げられる。
塩素放出化合物
本発明の錠剤に用いることのできる水と接触したときに塩素を放出する塩素放出化合物(以下、「塩素放出化合物」ということもある)は、通常、亜塩素酸塩及び固体酸と共に二酸化塩素を発生させるために用いることのできるものであれば、特に制限なく使用することができる。例えば、ナトリウムジクロロイソシアヌレート、カリウムジクロロイソシアヌレート、ナトリウムN−クロロ−p−トルエンスルホンアミド、ナトリウムN−クロロベンゼンスルホンアミド、次亜塩素酸カルシウムなどを例示することができる。経済性および実用性の面からナトリウムジクロロイソシアヌレートが最も好ましい。なお、上記化合物は、目的とする塩素放出率、および対応する二酸化塩素発生率に応じて、当業者が適宜選択することができる。塩素放出化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
錠剤中の、水と接触したときに塩素を放出する塩素放出化合物の量は、錠剤全体に対して、1重量%以上が好ましく、3重量%以上がより好ましく、5重量%以上がさらにより好ましい。上記範囲であれば、高収率で二酸化塩素を発生させることができる。また、30重量%以下が好ましく、20重量%以下がより好ましく、10重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、塩素の放出量を抑えることができる。
錠剤中の塩素放出化合物の量としては、錠剤全体に対して、1〜30重量%、1〜20重量%、1〜10重量%、3〜30重量%、3〜20重量%、3〜10重量%、5〜30重量%、5〜20重量%、5〜10重量%が挙げられる。
固体酸源
本発明の錠剤に用いることのできる固体酸源は、通常、亜塩素酸塩及び上記のような塩素放出化合物と共に二酸化塩素を発生させるために用いることのできるものであれば、特に制限なく使用することができる。例えば、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム等の無機酸塩;塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硝酸セリウム、硫酸鉄等の強酸のアニオンと弱塩基のカチオンとを含んでなる塩;クエン酸、フマル酸、マロン酸、ステアリン酸、ピルビン酸、フタル酸、リンゴ酸、マレイン酸、アコニット酸、シュウ酸、コハク酸、氷酢酸、プロピオン酸、アスコルビン酸、乳酸、安息香酸、酒石酸、ケイ皮酸、イタコン酸、スルファミン酸、無水酢酸、無水クエン酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水安息香酸等の有機固体酸などを例示することができる。安全性、反応性、作業性の観点から、無機酸塩及び有機固体酸が好ましく、硫酸水素ナトリウム、クエン酸、コハク酸、マレイン酸が特に好ましい。固体酸源は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
錠剤中の固体酸源の量は、錠剤全体に対して、1重量%以上が好ましく、10 重量%以上がより好ましく、20重量%以上がさらにより好ましい。上記範囲であれば、高収率で二酸化塩素を発生させることができる。また、40重量%以下が好ましく、35重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、過剰量の水素イオン遊離によるpHの低減を抑えることができる。
錠剤中の固体酸源の量としては、錠剤全体に対して、1〜40重量%、1〜35重量%、1〜30重量%、10〜40重量%、10〜35重量%、10〜30重量%、20〜40重量%、20〜35重量%、20〜30重量%が挙げられる。
錠剤中に含まれる金属亜塩素酸塩と、塩素放出化合物と、固体酸源との重量比(金属亜塩素酸塩:塩素放出化合物:固体酸源)は、1:0.1〜1:1〜3が好ましく、1:0.2〜0.9:1.2〜2.5がより好ましく、1:0.3〜0.7:1.3〜2がさらにより好ましい。
ステアリン酸金属塩
本発明の錠剤に用いることのできるステアリン酸金属塩は、通常、錠剤の滑剤として用いることのできるものであれば、特に制限なく使用することができる。例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛、またはステアリン酸亜鉛などが挙げられ、経済性および実用性の面からステアリン酸マグネシウムが特に好ましい。ステアリン酸金属塩は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ステアリン酸金属塩は混合した粉末を圧縮式の打錠機を用いて打錠成型し錠剤とする際に、打錠機の杵と臼に原料粉末が付着することを防止するために添加するものである。ステアリン酸金属塩は、打錠型からの錠剤の剥離を助けることにより、錠剤の破損を抑制すると共に、打錠機のメンテナンス操作の頻度を減らすことができる。その結果、錠剤を生産性よく作製することが可能となる。
錠剤中のステアリン酸金属塩の量は、錠剤全体に対して、0.05重量%以上が好ましく、0.1重量%以上がより好ましく、0.2重量%以上がさらにより好ましい。また、5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好ましく、1重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、ステアリン酸金属塩添加による効果が十分に得られると共に、キャッピング現象(錠剤の層状剥離)や二酸化塩素放出速度の低下を防ぐことができる。
錠剤中のステアリン酸金属塩の量としては、錠剤全体に対して、0.05〜5重量%、0.05〜3重量%、0.05〜1重量%、0.1〜5重量%、0.1〜3重量%、0.1〜1重量%、0.2〜5重量%、0.2〜3重量%、0.2〜1重量%が挙げられる。
高分子系の崩壊剤
本発明の錠剤に用いることのできる高分子系の崩壊剤は、通常、錠剤の崩壊剤として用いることのできるものであれば、特に制限なく使用することができる。本発明の錠剤に用いることのできる高分子系の崩壊剤としては、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、架橋ポリビニルピロリドン(クロスポビドン)、カルボキシビニルポリマー、水溶性アクリルポリマー、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩(ナトリウム塩、カルシウム塩など)、アルギン酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げられる。高分子系の崩壊剤は有機物であるため、燃焼の可能性があるが、これらの高分子崩壊剤は少量で効果を発揮する。経済性および実用性の面からポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマーが特に好ましい。高分子系の崩壊剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、高分子系の崩壊剤とは、水に接触することで膨張する高分子化合物である。高分子系の崩壊剤を含有することにより錠剤の成型状態では、非常に物理的強度の高い状態を保つことが可能となり、さらに水中に浸漬させることにより膨張して錠剤自体が崩壊し、錠剤の溶解性を上げ、錠剤の溶解時間を短縮させることができる。これにより、運搬や梱包等の取り扱い時にも破損を生じない十分な強度を持った錠剤となると共に、必要とする濃度の二酸化塩素を実用的な時間で生成させ得る錠剤となる。
錠剤中の高分子系の崩壊剤の量は、錠剤全体に対して、0.1重量%以上が好ましく、1重量%以上がより好ましく、2重量%以上がさらにより好ましい。また、10重量%以下が好ましく、7重量%以下がより好ましく、5重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、高分子系の崩壊剤添加による効果が十分に得られると共に、吸湿による錠剤の劣化を抑えることができる。
錠剤中の高分子系の崩壊剤の量としては、錠剤全体に対して、0.1〜10重量%、0.1〜7重量%、0.1〜5重量%、1〜10重量%、1〜7重量%、1〜5重量%、2〜10重量%、2〜7重量%、2〜5重量%が挙げられる。
本発明の錠剤は、ステアリン酸金属塩と高分子系の崩壊剤の両方を含有することで、打錠成型時の生産性がよく、運搬や梱包等の取り扱い時にも破損を生じない十分な強度を持ったものとなり、必要とする二酸化塩素濃度を実用的な時間で生成させ得るものとなる。
錠剤が、ステアリン酸金属塩と高分子系の崩壊剤のうち、ステアリン酸金属塩のみを含有する場合は、錠剤成型時の打錠は円滑に行えるが、成型後の錠剤の物理的強度が期待できない。また、水中に浸漬させる際に錠剤自体が崩壊しにくく、錠剤の溶解時間が長く(溶解性が悪化する)なってしまう。一方、錠剤中に、ステアリン酸金属塩と高分子系の崩壊剤のうち、高分子系の崩壊剤のみを含有する場合は、成型後の錠剤は非常に物理的強度の高い状態を保つことが可能となる。さらに、水中に浸漬させることにより膨張して錠剤自体が崩壊し、錠剤の溶解性が高く、錠剤の溶解時間が短くなる。しかしながら、錠剤成型時の打錠を円滑に行うことができないため、錠剤化装置のメンテナンスの頻度が高くなると共に、適切な錠剤剥離および錠剤完全性が保証されない。
ステアリン酸金属塩と高分子系の崩壊剤の合計量は、錠剤全体重量に対して、0.3〜10重量%であればよく、1〜8重量%が好ましく、2〜7重量%がより好ましい。上記範囲であれば、ステアリン酸金属塩及び高分子系の崩壊剤を配合することによる効果が十分に得られると共に、錠剤の溶解性を損なったり、錠剤を投入した場合に水中に錠剤の小片が浮遊することがない。錠剤の溶解性が悪かったり、錠剤を投入した場合に水中に錠剤の小片が浮遊すると、二酸化塩素が発生し難くなる。
本発明の錠剤中におけるステアリン酸金属塩と高分子系の崩壊剤の重量比(ステアリン酸金属塩:高分子系の崩壊剤)は、約1:0.5〜1:50の範囲であることが好ましく、約1:2〜1:30の範囲であることがより好ましく、約1:3〜1:25の範囲であることがさらにより好ましい。
発泡剤
本発明における錠剤には、上記各成分の他にも、錠剤化工程を助け、製造された錠剤の物理的あるいは外観的な性能を改善し、及び/又は錠剤の溶解性や二酸化塩素の発生収率を向上させるための成分を1種又は2種以上追加することができる。
特に、錠剤を水へ溶解した際の崩壊性と溶解性を促進する発泡剤を添加することができる。本発明の錠剤に用いることができる発泡剤は、通常、酸と反応して発泡するものであればよく特に制限されない。例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等が例示できるが、経済性および実用性の面から炭酸水素ナトリウムが最も好ましい。発泡剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
錠剤中の発泡剤の量は、錠剤全体に対して、1重量%以上が好ましく、3重量%以上がより好ましく、5重量%以上がさらにより好ましい。上記範囲であれば、錠剤の崩壊及び溶解を十分に促進することができる。また、錠剤中の発泡剤の量は、錠剤全体重量に対して、20重量%以下が好ましく、15重量%以下がより好ましく、10重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、固体酸が過剰に消費されることがない。
錠剤中の発泡剤の量としては、錠剤全体に対して、1〜20重量%、1〜15重量%、1〜10重量%、3〜20重量%、3〜15重量%、3〜10重量%、5〜20重量%、5〜15重量%、5〜10重量%が挙げられる。
その他に添加することのできる成分としては、無水塩化カルシウムや無水塩化マグネシウムのような充填乾燥剤、硫酸ナトリウムのような安定剤、染料、固化防止剤等が挙げられる。なお、無水塩化カルシウム及び無水塩化マグネシウムは、結合剤としても機能し、硫酸ナトリウムは賦形剤としても機能する。
本発明は、金属亜塩素酸塩、水と接触したときに塩素を放出する塩素放出化合物、固体酸源、ステアリン酸金属塩、及び高分子系の崩壊剤を含有し、水への溶解時間が10分以内である錠剤も包含する。1錠当たりの重量を約0.1〜20gとし、各成分の種類及び使用量を上記説明した範囲で調整することにより、水への溶解時間が10分以内である錠剤が得られる。また、発砲泡剤や水についても上記説明した範囲で調整できる。
溶解時間は、1錠を1000mlの蒸留水に投入し30℃で完全に溶解するまでの時間を測定することで決定する。
本発明の錠剤は、通常用いることのできる錠剤の製造方法により製造することができる。例えば、金属亜塩素酸塩、水と接触したときに塩素を放出する塩素放出化合物、固体酸源を個別に乾燥させ各成分中の水分を除去した後、各成分を混合し、さらにステアリン酸金属塩と高分子系の崩壊剤を、これらの合計量が錠剤全体に対して、0.3〜10重量%の範囲になるように添加し、市販の打錠機に投入し、圧力をかけて打錠加工することによって、錠剤を得ることができる。また、得られた錠剤は、必要に応じて、乾燥工程に付してもよい。なお、その際の乾燥方法は特に限定されないが、真空乾燥機、流動乾燥機、棚段乾燥機、回転式乾燥機等が例示される。
本発明の錠剤は水と接触させることにより二酸化塩素を発生する。従って、二酸化塩素生成剤として使用できる。例えば、本発明の錠剤を処理対象となる水含有液(処理対象水など)に、例えば投入及び/又は浸漬させることで、溶解させることによって二酸化塩素溶液が生成する。水含有液は水を含んでいればよく、水道水などが挙げられる。この方法により、安定した二酸化塩素溶液が得られる。本発明の錠剤を用いることにより、二酸化塩素溶液は安全で、制御された方法で迅速に生成する。得られた二酸化塩素溶液の二酸化塩素濃度が水道水の通常の二酸化塩素濃度(0.5〜200重量ppm)である場合には、この二酸化塩素溶液は、実質的に遊離塩素、遊離亜塩素酸アニオン、及び/または遊離次亜塩素酸アニオンを含有せず、おおむね中性のpH(すなわちpH7〜9)を有する。なお、迅速に生成するとは、例えば20分以内、好ましくは15分以内、より好ましくは10分以内で二酸化塩素生成が終了することをいう。
本発明の錠剤は、保管時は二酸化塩素を発生させずに水に溶解時に二酸化塩素を発生させ、安定した二酸化塩素水溶液を調製することができる。即ち、使用時までは、錠剤と水との接触を抑制する、好ましくは遮断することにより、使用時まで二酸化塩素の発生を抑えることが可能となる。
より具体的には、未使用時は、水を透過し難い材質の容器に入れるもしくは包装材で梱包するなどの方法により、二酸化塩素の発生を抑え、使用する時に、容器から取り出す、又は包装材を取り去るなどして、初めて水と接触させることにより、二酸化塩素ガスを徐々に発生させ、安定した二酸化塩素水溶液を調製することができる。
本発明の錠剤は、未使用時に水との接触を抑制するために、錠剤を、水蒸気の透過率が、好ましくは5×10−9cc(STP)/cm・sec・cmHg以下、より好ましくは1000×10−10cc(STP)mm/cm・sec・cmHg以下の容器に収容するか又は梱包材で包装しておけばよい。特に、厚さ50μmのフィルムで構成された容器又は梱包材の場合、その容器又は梱包材は、1000×10−10cc(STP)mm/cm・sec・cmHg以下が好ましい。水蒸気を透過しにくい材料としては、金属やガラス等も考えられるが、包装材料や容器材料としては、プラスチック製フィルムが使用し易い。プラスチックとしては、アルミ蒸着ポリエチレン(特にアルミ蒸着ポリエチレンフィルム)、塩化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレンなどが挙げられる。
以下、実施例及び比較例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1(錠剤成型)
以下で示される組成の成分をあらかじめ70℃で1時間乾燥したのち各成分を混合した。混合した成分7gを直径20mmの金型に入れ、菊水製作所製連続打錠機で錠剤硬度が30kgになるように錠剤成型を行なった。
錠剤の組成
亜塩素酸ナトリウム 1.050g
ナトリウムジクロロイソシアヌレート 0.525g
コハク酸 1.820g
無水塩化マグネシウム 2.100g
炭酸水素ナトリウム 0.560g
硫酸ナトリウム 0.749g
ステアリン酸マグネシウム(滑剤) 0.021g
ポリビニルピロリドン(崩壊剤) 0.175g
(滑剤と崩壊剤との合計量 2.8重量%)
上記組成の錠剤を1000個作製し、打錠性、錠剤としての壊れやすさ、及び溶解性を測定して、平均値又は平均評価を求めた。結果を表1に示す。
(評価方法)
打錠性
打錠性はスティッキングの程度で評価し、スティッキングが全くない場合を○、少し発生した場合を△、直ぐに付着する場合を×とした。
スティッキングとは、打錠時に混合粉末が杵先表面に付着する現象であり、スティッキングの程度が大きい場合、連続打錠が不能なることに加えて、粉末が打錠杵に付着することで錠剤表面が荒れ、品質の低下を招く。また、錠剤硬度(錠剤の壊れやすさ)が大きくなりすぎる等、錠剤の品質にもばらつきが生じる。
壊れやすさ
錠剤の壊れやすさは、1.5mの高さからコンクリート面に向けて錠剤を自然落下させた時に、ほとんど破損しない場合を○、大きく欠けてしまう場合を×とした。
溶解性
錠剤の溶解性(溶解時間)は、1錠(7g)を1000mlの蒸留水に投入し30℃で完全に溶解するまでの時間を測定することで評価した。
二酸化塩素濃度、亜塩素酸イオン濃度、残留塩素イオン濃度(ヨウ素滴定法)
以下に記載の測定方法により二酸化塩素濃度、亜塩素酸イオン濃度、残留塩素イオン濃度を測定した。
1.容器に指定量の蒸留水を取り、錠剤を投入する。
2.錠剤溶解終了後、均一な溶液になるようにポリ瓶を攪拌する。
3.メスシリンダーを用いて2.で得られた二酸化塩素溶液を10mL秤量し、蒸留水にて100ppmの二酸化塩素溶液に希釈する。
試験1
300mL三角フラスコに約200mLの蒸留水を取り、ヨウ化カリウム約0.5gとpH=7の緩衝液約1mLを添加する。上記で調製した10mL量の二酸化塩素溶液を、ピペットにて正確に秤量し、加える。直ちに調整した溶液を「0.01Nチオ硫酸ナトリウム溶液」にて滴定する。この滴定量をA(mL)とする。
A(mL)=Cl+1/5ClO
上記滴定した溶液に2.3M塩酸を2〜3mLを加え、暗所にて約5分間反応を進行させる。そして、再び「0.01Nチオ硫酸ナトリウム溶液」にて滴定する。この滴定量をB(mL)とする。
B(mL)=4/5ClO+ClO
試験2
ガス洗浄ビンの中に、pH=7の緩衝液約1mLを加えた蒸留水約200mLを用意する。上記試験1と同様に、10mL量の二酸化塩素溶液をピペットにて正確に秤量し加える。次に、約10分間、窒素ガスで曝気(0.4L/min)して二酸化塩素を除去する。そして、そのサンプルを300mL三角フラスコに移し替え、ヨウ化カリウム約0.5gを加える。直ちに調整した溶液を「0.01Nチオ硫酸ナトリウム溶液」にて滴定する。
この滴定量をC(mL)とする。
C(mL)=Cl
上記滴定した溶液に2.3M塩酸を2〜3mLを加え、暗所にて約5分間反応を進行させる。そして、再び「0.01Nチオ硫酸ナトリウム溶液」にて滴定する。この滴定量をD(mL)とする。
D(mL)=ClO
試験3
5%臭化カリウム溶液約1mLと、12N塩酸約10mLとを、50mLガラス栓付フラスコに取る。注意深く、上記で調製した二酸化塩素溶液をピペットにて10mL正確に秤量し、上記フラスコに加える。直ちに栓をしめ、攪拌後、暗所に20〜30分反応させる。ヨウ化カリウム約1gを加え、攪拌する。これを300mL三角フラスコに移し、飽和リン酸ナトリウム溶液25mLを加え、蒸留水にて200mLまで希釈する。「0.01Nチオ硫酸ナトリウム溶液」にて滴定する。このサンプリングを3回繰り返す。さらに、通常の供給水を使って(即ち、二酸化塩素溶液サンプルを添加しないで)、同様の手順で資料調製し測定を行い、ブランク値とする。
結果E(mL)=サンプル滴定量−ブランク滴定量
E(mL)=Cl+ClO+ClO +ClO
計算方法
下記の計算式より各酸化剤の含量を計算する。
亜塩素酸イオンppm=D×F×0.01×16,863/10
二酸化塩素ppm=(B−D)×F×0.01×16,863/10
遊離塩素ppm=[A−(B−D)/4]×F×0.01×35,450/10
塩素酸イオンppm=[E−(A+B)]×F×0.01×13,908/10
F:0.01Mチオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
10:サンプル量10mL
実施例1の錠剤の評価結果を以下の表1に示す。

Figure 2014157484
また、実施例1の錠剤を溶解させて得られた二酸化塩素水溶液の二酸化塩素濃度、亜塩素酸イオン濃度、残留塩素イオン濃度をヨウ素滴定法を用いて測定した。結果を表2に示す。
Figure 2014157484
表2に示すように、実用的な濃度の安定した二酸化塩素濃度を有する溶液を調製することができ、また亜塩素酸イオンや残留塩素イオンをほぼ含有しない安全性の高い溶液を得ることができた。なお、亜塩素酸イオン濃度44ppmは、定量下限を大幅に下回る無視できる程度の量である。
実施例2〜5および比較例1〜3
実施例1と同様にして表3に示される組成物を用いて実施例2〜5及び比較例1〜3の錠剤を作製した。


Figure 2014157484
得られた錠剤を実施例1と同様にして打錠性、錠剤の壊れやすさ、溶解性を評価した。結果を表4に示す。実施例1の結果についても表4に追記した。
Figure 2014157484
表4の結果から明らかなように、ステアリン酸マグネシウムと高分子系の崩壊剤の両方を含有する錠剤では、打錠性もよく、錠剤としての適度な硬度をもち、溶解時間も早いため取り扱いが容易であり、任意の濃度の二酸化塩素溶液を良好に調製することが可能であった。
実施例6〜10
実施例1と同様にして表5で示される組成物を用いて実施例6〜9の錠剤を作製した。
Figure 2014157484
得られた錠剤を実施例1と同様にして打錠性、錠剤の壊れやすさ、溶解性を評価した。また、溶解させて得られた二酸化塩素水溶液の二酸化塩素濃度、亜塩素酸イオン濃度、残留塩素イオン濃度をヨウ素滴定法を用いて測定した。結果を表6に示す。
Figure 2014157484
表6に示すように、実施例6〜9の錠剤は実施例1の錠剤と同程度の二酸化塩素濃度の溶液を生成した。また、残留する亜塩素酸イオンおよび塩素イオンはいずれの錠剤でもほぼ検出されなかった。この結果より本発明の二酸化塩素の溶液を調製するための錠剤は製造が容易であり、錠剤を水に浸漬させるだけで、短時間で任意の濃度の二酸化塩素溶液を良好に調製することが可能であった。
本発明の錠剤は、細菌、ウイルス、悪臭物質、カビ、および藻の除去、水の異臭味の除去、並びに水の二価金属イオンの除去などの各用途において用いる二酸化塩素水溶液を安全かつ簡便に調製するために好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 金属亜塩素酸塩、水と接触したときに塩素を放出する塩素放出化合物、固体酸源、ステアリン酸金属塩、及び高分子系の崩壊剤を含有し、ステアリン酸金属塩と高分子系の崩壊剤の合計量が錠剤全体に対して、0.3〜10重量%であることを特徴とする錠剤。
  2. ステアリン酸金属塩が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸鉛、及びステアリン酸亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の錠剤。
  3. 高分子系の崩壊剤が、ポリビニルピロリドン、及びカルボキシビニルポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載の錠剤。
  4. さらに、炭酸水素ナトリウムを含有する請求項1〜3のいずれかに記載の錠剤。
  5. ステアリン酸金属塩と高分子系の崩壊剤の重量比(ステアリン酸金属塩:高分子系の崩壊剤)が1:0.5〜1:50の範囲である請求項1〜4のいずれかに記載の錠剤。
  6. 水と接触したときに塩素を放出する塩素放出化合物がナトリウムジクロロイソシアヌレートである請求項1〜5のいずれかに記載の錠剤。
  7. 該固体酸源が、硫酸水素ナトリウム、クエン酸、コハク酸、およびマレイン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜6のいずれかに記載の錠剤。
  8. 金属亜塩素酸塩、水と接触したときに塩素を放出する塩素放出化合物、固体酸源、ステアリン酸金属塩、及び高分子系の崩壊剤を含有し、水への溶解時間が10分以内であることを特徴とする錠剤。
JP2015508679A 2013-03-29 2014-03-27 二酸化塩素の溶液を調製するための錠剤 Active JP6304239B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013072852 2013-03-29
JP2013072852 2013-03-29
PCT/JP2014/058785 WO2014157484A1 (ja) 2013-03-29 2014-03-27 二酸化塩素の溶液を調製するための錠剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2014157484A1 true JPWO2014157484A1 (ja) 2017-02-16
JP6304239B2 JP6304239B2 (ja) 2018-04-04

Family

ID=51624446

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015508679A Active JP6304239B2 (ja) 2013-03-29 2014-03-27 二酸化塩素の溶液を調製するための錠剤

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6304239B2 (ja)
CN (1) CN104995133B (ja)
TW (1) TWI605759B (ja)
WO (1) WO2014157484A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6536286B2 (ja) * 2015-08-25 2019-07-03 株式会社大阪ソーダ 二酸化塩素の溶液を調製するための錠剤
US10512270B2 (en) 2016-04-01 2019-12-24 Eagle Us 2 Llc Acid tablet composition and methods of preparing and using the same
CN105766881A (zh) * 2016-04-11 2016-07-20 深圳欧泰华工程设备有限公司 一种生姜大田种植的土壤消毒方法
JP6739282B2 (ja) * 2016-08-10 2020-08-12 株式会社カーメイト 二酸化塩素発生組成物
CN109438011A (zh) * 2018-11-30 2019-03-08 湖北三宁化工股份有限公司 盐酸分解石灰石制备大颗粒氮肥的方法
CN110214883A (zh) * 2019-06-11 2019-09-10 宁波大学 一种长效缓释二氧化氯保鲜剂及其制备方法和使用方法
JPWO2021066080A1 (ja) * 2019-10-01 2021-04-08
CN111480657A (zh) * 2020-05-20 2020-08-04 陈冠荣 一种稳定复合型二氧化氯固体锭剂及其制备方法
CN113207877A (zh) * 2021-05-18 2021-08-06 陕西科技大学 一种缓释型固体二氧化氯及其制备方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52123399A (en) * 1976-03-23 1977-10-17 Minnesota Mining & Mfg Producing process for chlorine dioxide for disinfection and sterilization and its composition
JP2003521526A (ja) * 2000-02-02 2003-07-15 エンゲルハード・コーポレーシヨン 高変換された二酸化塩素の溶液を製造するための重量物体
JP2008507399A (ja) * 2004-07-21 2008-03-13 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 水処理

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1565192A (zh) * 2003-06-18 2005-01-19 定州市荣鼎水环境生化技术有限公司 一元片剂二氧化氯消毒剂的制备方法
CN1984846A (zh) * 2004-07-21 2007-06-20 纳幕尔杜邦公司 水处理
CN100534305C (zh) * 2007-06-14 2009-09-02 河北科技大学 芳香型二氧化氯空气消毒片剂及其制备方法
CN101228868B (zh) * 2008-02-27 2010-06-09 河北科技大学 一元固体二氧化氯泡腾片及其制备方法
CN102379310A (zh) * 2011-07-27 2012-03-21 中北大学 一元包装反应型二氧化氯片剂及其制备方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52123399A (en) * 1976-03-23 1977-10-17 Minnesota Mining & Mfg Producing process for chlorine dioxide for disinfection and sterilization and its composition
JP2003521526A (ja) * 2000-02-02 2003-07-15 エンゲルハード・コーポレーシヨン 高変換された二酸化塩素の溶液を製造するための重量物体
JP2008507399A (ja) * 2004-07-21 2008-03-13 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー 水処理

Also Published As

Publication number Publication date
WO2014157484A1 (ja) 2014-10-02
JP6304239B2 (ja) 2018-04-04
CN104995133A (zh) 2015-10-21
TW201446140A (zh) 2014-12-16
CN104995133B (zh) 2017-11-21
TWI605759B (zh) 2017-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6304239B2 (ja) 二酸化塩素の溶液を調製するための錠剤
JP5376958B2 (ja) 二酸化塩素ベースのクリーナー/清浄薬
JP6212018B2 (ja) 二酸化塩素ガスの発生方法、二酸化塩素ガス発生用キットおよびゲル状組成物
JP6536286B2 (ja) 二酸化塩素の溶液を調製するための錠剤
CN111972431A (zh) 一种有机稳定性二氧化氯消毒剂及其制备方法
CN110558318A (zh) 一种稳定型二氧化氯泡腾剂及其制备方法
WO2010019491A1 (en) Methods and composition for making chlorine dioxide on demand
JP2017141140A (ja) 徐放性二酸化塩素剤
JP2015174786A (ja) 二酸化塩素ガスの発生方法およびゲル状組成物
JP5664838B2 (ja) 二酸化塩素を安全かつ効率的に任意の濃度を任意の時間で生成する方法
US7651628B2 (en) Compression molded product of effervescent chlorinated isocyanuric acid
JP4356970B2 (ja) 速溶性塩素化イソシアヌル酸成形物
CN111547683A (zh) 净化用试剂、装置和方法
WO2015162440A1 (en) Process for preparing chlorine dioxide
JP2005041813A (ja) ハロゲン化ヒダントイン成形物
JP4925245B2 (ja) ハロゲン化ヒダントイン成形物
JP2009143752A (ja) 高炉水砕スラグの固結防止方法
KR101071231B1 (ko) 이산화염소를 생성하기 위한 정제 및 그 제조방법
JP2003160405A (ja) 速溶性塩素化イソシアヌル酸成形物
US20240208816A1 (en) A solid formulation for generating chlorine dioxide in situ and a process for preparation thereof
JPH0769813A (ja) 殺菌消毒用錠剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171205

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180123

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180219

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6304239

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150