JPWO2014122938A1 - 有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置 - Google Patents

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Abstract

有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板1と、光透過性電極2と発光層を含む機能層3と対電極4とを有する有機発光体5と、封止材6とを備えている。有機発光体5は封止材6によって覆われて封止されている。光透過性電極2に接して配線材8によりグリッド状のパターンの補助電極7が設けられている。有機エレクトロルミネッセンス素子は、補助電極7を構成するグリッド状のパターンの交差位置に、配線材8が設けられていない光透過可能部15を有する。機能層3の補助電極7側の表面には、平面視において補助電極7と重複する位置に絶縁膜10が設けられている。

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及びそれを用いた照明装置に関する。
一般的な構造を有する有機エレクトロルミネッセンス素子(以下「有機EL素子」ともいう)として、光透過性の基板の表面に、光透過性電極、発光層を含む機能層、対電極が積層されたものが知られている。そして、このような有機EL素子を利用して面状発光素子(照明パネル)を得ることが知られている。有機EL素子では、陽極と陰極の間に電圧を印加することによって有機発光層で発した光は、光透過性電極、基板を通して取り出される。
特開2006−331920号公報
有機EL素子では、光透過性と導電性とを有する材料(ITOなど)で光透過性電極を形成しているが、通常、光透過性電極の材料は比抵抗が高く、通電性があまりよくない。特に発光効率の向上のために電極層を薄膜化した場合や、素子の発光面積を大面積化した場合にはシート抵抗が大きくなる。そこで、光透過性電極よりも導電性の高い材料でグリッド状の補助電極を形成し、この補助電極で光透過性電極の電気伝導性を補って電極の通電性を高めることが行われる場合がある。例えば、特許文献1には、光透過性の電極と導通するように配線を設けた有機エレクトロルミネッセンス表示装置が開示されている。
しかしながら、補助電極が形成された部分は、通常、透明ではなく光を取り出すことができない部分であるため、補助電極に対応してグリッド状の非発光形状が視認される場合がある。そして、非発光の形状が確認されると、照明用途などにおいて意匠性を低下させるなどの問題が発生するおそれがある。また、補助電極の形成された部分は光を取り出すことができないため、この部分で生じた発光は外部に取り出すことができず無駄になって、発光効率が低下するおそれがある。
本発明の目的は、補助電極によって効率よく電気伝導性を向上させることができるとともに、補助電極の非発光の形状が視認されることを抑制することができ、光取り出し性の優れた有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置を提供することにある。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板と、光透過性電極と発光層を含む機能層と対電極とを有する有機発光体と、封止材とを備えている。前記有機発光体は前記封止材によって覆われて封止されている。前記光透過性電極に接して配線材によりグリッド状のパターンの補助電極が設けられている。有機エレクトロルミネッセンス素子は、前記補助電極を構成する前記グリッド状のパターンの交差位置に、前記配線材が設けられていない光透過可能部を有している。前記機能層の前記補助電極側の表面には、平面視において前記補助電極と重複する位置に絶縁膜が設けられている。
前記光透過可能部は、前記交差位置において前記配線材が離間していることにより形成されていることが好ましい一態様である。
前記補助電極は、前記交差位置において、前記配線材が繋がって前記交差位置を通過する配線連続部を有し、前記配線連続部は、前記交差位置において屈曲形状を有することが好ましい一態様である。
前記補助電極は、前記交差位置において、前記配線材が繋がって前記交差位置を通過する配線連続部を有し、前記配線連続部は、前記交差位置において略直線形状を有することが好ましい一態様である。
前記補助電極は、前記光透過性電極の前記機能層側とは反対側の表面に接するように形成されており、側面が傾斜面となっていることが好ましい一態様である。
前記交差位置又はその近傍において、前記配線材間を接続する接続配線が設けられていることが好ましい一態様である。
本発明に係る照明装置は、上記の有機エレクトロルミネッセンス素子を備える。
本発明によれば、補助電極によって効率よく電気伝導性を向上させることができるとともに、補助電極の非発光の形状が視認されることを抑制することができ、光取り出し性の優れた有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置を得ることができる。
図1は図1A及び図1Bから構成される。図1は、有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す。図1Aは断面図である。図1Bは一部を分解した平面図である。 図2は図2A及び図2Bから構成される。図2Aは補助電極の形態の一例を示す平面図である。図2Bは補助電極が設けられた部分の拡大断面図である。 図3は図3A及び図3Bから構成される。図3は、有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の他の一例を示す。図3Aは断面図である。図3Bは補助電極が設けられた部分の拡大断面図である。 図4は図4A及び図4Bから構成される。図4は、有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の他の一例を示す。図4Aは一部を分解した平面図である。図4Bは補助電極を示す平面図である。 図5は、有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の他の一例を示し、一部を分解した平面図である。 図6は図6A〜図6Fから構成される。図6Aは補助電極のパターンの一例である。図6Bは補助電極のパターンの一例である。図6Cは補助電極のパターンの一例である。図6Dは補助電極のパターンの一例である。図6Eは補助電極のパターンの一例である。図6Fは補助電極のパターンの一例である。 図7は図7A、図7B及び図7Cから構成される。図7Aは補助電極のパターンの一例である。図7Bは補助電極のパターンの一例である。図7Cは補助電極のパターンの一例である。 図8は図8A及び図8Bから構成される。図8はグリッドの説明図である。図8Aは四角格子の一例である。図8Bは六角格子の一例である。 照明装置の一例を示す斜視図である。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)は、基板1と有機発光体5と封止材6とを備えている。有機発光体5は、光透過性電極2と、発光層を含む機能層3と、対電極4とを有する。有機発光体5は封止材6によって覆われて封止されている。光透過性電極2に接して配線材8によりグリッド状のパターンの補助電極7が設けられている。有機EL素子は、補助電極7を構成するグリッド状のパターンの交差位置に、配線材8が設けられていない光透過可能部15を有している。機能層3の補助電極7側の表面には、平面視において補助電極7と重複する位置に絶縁膜10が設けられている。
図1は、有機EL素子の実施の形態の一例を示している。図1は図1A及び図1Bから構成される。この有機EL素子は、基板1の表面に、光透過性電極2と発光層を含む機能層3と対電極4とを有する有機発光体5が形成されている。有機発光体5は封止材6によって覆われて封止されている。光透過性電極2に接して配線材8によりグリッド状のパターンの補助電極7が設けられている。ただし、この配線材8は、補助電極7を構成するグリッド状のパターンの交差位置において途切れている。交差位置には、配線材8が設けられないことにより、光透過可能部15が形成されている。また、機能層3の補助電極7側の表面には、平面視において補助電極7と重複する位置に絶縁膜10が設けられている。このように、本形態の有機EL素子では、補助電極7が設けられているため、補助電極7によって光透過性電極2の通電性を高めることができる。また、補助電極7を構成する配線材8は、グリッド状のパターンの交差位置で途切れて、光を透過させる光透過可能部15が形成されているため、非発光の形状を視認させにくくすることができる。また、補助電極7の位置に絶縁膜10が形成されているため、外部に光を取り出せる補助電極7のない部分に電気をより供給して発光させることができ、効率よく発光を行うことができる。そのため、補助電極7によって効率よく電気伝導性を向上させることができるとともに、補助電極7の非発光の形状が視認されることを抑制することができ、光取り出し性の優れた有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができるものである。以下、さらに説明する。
図1Aは、有機EL素子の断面図を示している。図1Aでは素子の構成が分かりやすいように、左側に第1電極引き出し部12a側の端部を図示し、右側に第2電極引き出し部12b側の端部を図示している。図1Bは、図1Aの有機EL素子を平面視(基板1の表面に垂直な方向から見た場合)した様子を示している。図1Bでは、素子の内部構成が分かりやすいように、封止材6を取り除いて図示し、封止材6が接着される領域に設けられる封止接着部14を斜線で示している。また、図1Bでは、隠れている補助電極7(補助電極7を構成する複数の配線材8)を破線で示している。
基板1としては、光透過性を有する透明な基板であることが好ましい。本形態では、基板1は、ガラス基板で構成することができる。基板1がガラスで構成されることにより、ガラスは水分の透過性が低いので、基板1側からの水分の浸入を抑制することができる。また、基板1は、ガラスと他の材料との複合材によって構成されていてもよい。例えば、ガラス表面に光取り出し性の樹脂層を設けた基板1を用いた場合、光取り出し性を効果的に高めることができる。この樹脂層は基板1の有機発光体5側の面に設けられるものであってよい。光取り出し性の樹脂層としては、散乱構造を有する層などが例示される。樹脂層はプラスチック材の貼り付けにより設けてもよい。プラスチック材料としては、PET、PENなどを用いることができる。また、アクリル樹脂系、エポキシ樹脂系などの材料を用いてもよい。あるいは、樹脂層は、高屈折率層と低屈折率層の複層構造にしたり、さらにその複層構造の界面に微細な凹凸構造を設けたりした層であってもよい。
有機発光体5は、光透過性電極2、機能層3及び対電極4の積層体によって形成されている。光透過性とは、光を透過させることが可能なことであり、完全に透明な場合及び半透明な場合を含む。光透過性は透光性を含む。有機発光体5の設けられる領域は、平面視(基板表面と垂直な方向から見た場合)において、基板1の中央部の領域である。有機発光体5は、有機発光体5を取り囲む外周の位置において基板1に接合される封止材6によって覆われて封止されており、有機発光体5は封止領域の内部に配置されている。本形態では、基板1側から、光透過性電極2、機能層3及び対電極4がこの順で設けられているが、その逆に、いわゆる逆層構造として、基板1側から、対電極4、機能層3及び光透過性電極2がこの順で設けられた素子であってもよい。
光透過性電極2は光透過性を有する電極である。また、対電極4は、光透過性電極2と対となる電極である。通常、光透過性電極2は陽極を構成し、対電極4は陰極を構成するが、その逆であってもよい。光透過性電極2は、光透過性を有するため、光取り出し側の電極を構成することができる。また、対電極4は光反射性を有していてもよい。その場合、対電極4側に向って発せられる発光層からの光を、対電極4で反射させて光透過性の基板1側から取り出すことができる。また、対電極4は光透過性の電極であってもよい。対電極4が光透過性の場合、封止材6側の面(背面)から光を取り出す構造にすることが可能である。あるいは、対電極4が光透過性の場合、対電極4の背面(機能層3とは反対側の面)に光反射性の層を設けることによって、対電極4の方向に進行した光を反射させて、基板1側から取り出すことが可能である。その際、光反射性の層は、散乱反射性であってもよいし、鏡面反射性であってもよい。
光透過性電極2は、透明な電極材料を用いて構成することができる。例えば、導電性の金属酸化物などを好ましく用いることができる。透明金属酸化物としては、ITO、IZO、AZOなどが例示される。光透過性電極2はスパッタ法などで形成され得る。光透過性電極2の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、10nm〜1000nmの範囲にすることができる。
対電極4は、適宜の電極材料を用いて構成することができる。例えば、対電極4は、AlやAgなどにより形成することができる。対電極4は蒸着法やスパッタ法などで形成され得る。対電極4の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、10nm〜1000nmの範囲にすることができる。
機能層3は、発光を生じさせる機能を有する層であり、通常、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、中間層などから適宜選ばれる複数の層によって構成されるものである。機能層3の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、60〜300nm程度にすることができる。
機能層3の積層構造は、例えば、光透過性電極2を陽極とし、対電極4を陰極とした場合、光透過性電極2側から順に、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層とすることができる。なお、積層構造は、これに限定されるものではなく、例えば、発光層の単層としたり、ホール輸送層と発光層と電子輸送層との積層構造にしたり、ホール輸送層と発光層との積層構造にしたり、発光層と電子輸送層との積層構造にしたりすることができる。また、発光層は単層構造でも多層構造でもよく、例えば発光色が白色の場合には、発光層中に赤色、緑色、青色の3色のドーパント色素をドーピングしたり、赤、緑、青の発光層を積層させたりしてもよい。また、対となる二つの電極に挟んでこの電極間に電圧を印加した際に発光が生じる積層構造を1つの発光ユニットとした場合に、複数の発光ユニットが光透過性及び導電性を有する中間層を介して積層されたマルチユニット構造になっていてもよい。マルチユニット構造とは、対となる電極(陽極と陰極)の間に、厚み方向に重なる複数の発光ユニットを備えた構造である。
封止材6は、水分の透過性が低い基板材料を用いて形成することができる。例えば、ガラス基板などを用いることができる。具体的には、ソーダライムガラス、無アルカリガラスなどが挙げられる。これらは比較的安価なガラス材料であるため素子の製造コストを抑えることが可能になる。封止材6には、有機発光体5を収容するための凹部を有してもよいが、有していなくてもよい。本形態の封止材6では、封止材6は凹部を有しており、この凹部によって外周に封止側壁6aが形成されている。封止材6が凹部を有している場合、有機発光体5の側方を覆って封止することができるため、水分の浸入をより抑制することができ、封止性を高めることができる。凹部を有する封止材6としては、例えば、キャップガラスを用いることが可能である。封止材6が凹部を有していない場合、封止材6の平坦な面を基板1に対向させて封止することが可能になり、また、板状の封止材6をそのまま用いることができる。ただし、封止材6が凹部を有していない場合には、封止接着部14の厚み(高さ)を大きくして、封止接着部14によって有機発光体5を封止するためのスペーサとなる側壁が形成されることを要する。
封止材6は、接着材料により構成される封止接着部14により基板1に接合されている。封止接着部14は、有機発光体5の外周を取り囲んで基板1に設けられるものである。図1Bにおける斜線部分で示すように、本形態では、封止接着部14は、光透過性電極2を構成する導電層の表面と、その導電層が分断された隙間における基板1の表面とに接して設けられている。このように、封止材6が封止接着部14によって基板1に接着されることにより、有機発光体5は、外部空間から遮断されて封止されることになる。
封止接着部14の材料は、接着剤として機能する適宜の材料により構成されるものであり、例えば、樹脂性の接着材料を用いることができる。樹脂性の接着材料は、防湿性を有していることが好ましい。例えば、乾燥剤を含有することにより防湿性を高めることができる。樹脂性の接着材料は、熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂などを主成分とするものであってもよい。
基板1と封止材6とに挟まれて有機発光体5(及び機能層3)が封止された部分(封止内部間隙)には、充填剤が充填されていてもよいし、空洞となった封止空間が形成されていてもよい。封止内部間隙を封止空間にする場合、封止材6で簡単に封止することができ、素子を容易に作製することができる。また、封止内部間隙に充填剤が充填されずに封止空間が形成された場合、封止空間には乾燥材13を設けることが好ましい。それにより、封止空間に水分が浸入したとしても、浸入した水分を吸収することができる。例えば、封止材6の有機発光体5側の面に貼り付けることにより乾燥材13を封止空間内に設けることができる。あるいは、乾燥材13は塗布により設けられてもよい。
また、基板1と封止材6とに挟まれた封止領域の封止内部間隙を充填剤で満たした場合、封止材6で封止する際に、封止材6が内側に湾曲するなどしたとしても、有機発光体5に接触したりすることを低減でき、より安全に素子を製造することができる。充填剤は乾燥剤や吸湿剤が配合された樹脂組成物で構成することができる。また、流動性を有する樹脂組成物を用いることにより、封止内部間隙に充填剤を簡単に充填することができる。充填剤は硬化するものであっても、硬化しないものであってもよい。また、充填剤が乾燥剤や吸湿剤を含有することによって、内部に水分が浸入したとしても、充填剤で水分を吸収することができ、機能層3に水分が到達することを抑制することができる。
有機EL素子では、光透過性電極2と対電極4とに電圧を印加し、機能層3において正孔と電子を結合させて発光を生じさせる。そのため、光透過性電極2及び対電極4のそれぞれと導通する電極端子を封止領域よりも外部に引き出して設ける必要がある。電極端子は、外部電極と電気的に接続するための端子である。図1の形態では、光透過性電極2を構成する導電層を基板1の端部に引き出すことにより、電極引き出し部12を形成している。そして、この電極引き出し部12の表面に、電極端子を構成する電極パッド11が設けられている。
電極引き出し部12は、基板1の端部表面に設けられている。電極引き出し部12は、光透過性電極2と導通する第1電極引き出し部12aと、対電極4と導通する第2電極引き出し部12bとに区分される。本形態では、電極引き出し部12は、光透過性電極2を構成する導電層が基板1の端部側に引き出され、封止材6が設けられる領域よりも外側に延出されることによって形成されている。すなわち、光透過性電極2を構成する導電層は、第1電極引き出し部12aが設けられる端部では、この導電層が延伸することにより封止領域からはみ出して基板1の表面に形成されている。そして、第1電極引き出し部12aは、光透過性電極2の延長部分により構成されている。また、光透過性電極2を構成する導電層は、第2電極引き出し部12bが設けられる端部では、この導電層が分断されるとともに分断された導電層が延伸することにより封止領域からはみ出して基板1の表面に形成されている。そして、第2電極引き出し部12bは、光透過性電極2から分離した導電層の延長部分により構成されている。第2電極引き出し部12bは、封止領域の内部において、積層された対電極4と接触しており、それにより第2電極引き出し部12bと対電極4とが導通する構造となっている。
電極引き出し部12の表面には、電極パッド11が設けられている。電極パッド11は、非発光領域に形成されるものであるため、光透過性を有さなくてもよい。電極パッド11を設けることにより、外部電源との接続を電極パッド11で行うことができ、電気接続性を高めることができる。また、電極パッド11を設けることにより、光透過性電極2及び電極引き出し部12を構成する導電層の通電性を高めることができる。電極パッド11は、補助電極7を構成する配線材8と同じ材料の層であってよい。それにより、簡単に導通性の高い電極パッド11を形成することができる。
なお、電極引き出し部12の構造(電極を封止領域よりも外部に引き出す構造)は、図1の形態の構造に限られるものではなく、例えば、第1電極引き出し部12a及び第2電極引き出し部12bの一方又は両方を、光透過性電極2を構成する導電層とは別の導電層を用いて形成してもよい。また、基板1側に対電極4が配設され、封止材6側に光透過性電極2が配設される構造(封止材6側から光を取り出す構造)の場合、対電極4の延長部分により、電極引き出し部12が構成されてもよい。
そして、本形態の有機EL素子では、グリッド状のパターンとなった補助電極7が光透過性電極2に接して設けられている。補助電極7は、導電材料で構成される配線材8により形成されている。補助電極7は光透過性電極2の機能層3側の表面に形成されている。補助電極7を設けることにより、光透過性電極2の通電性を高めることができ、発光面における電流分布を改善し、面内での発光がより均一になった有機EL素子を得ることができる。ここで、光透過性電極2は、光透過性を有する材料(透明金属酸化物など)で形成されるため、通常、比抵抗が高く、通電性があまりよくない。そこで、光透過性電極2よりも抵抗が低い材料で配線材8を形成し、この配線材8で補助電極7を構成することにより、光透過性電極2の電気伝導性を補って通電性をより高めることができる。例えば、ガラス基板上に膜厚50nm程度で形成されたITOにおいてはシート抵抗が70Ω程度となり、シート抵抗が比較的高くなるが、グリッド状の補助電極7を設けると、シート抵抗を下げることが可能になる。補助電極7がグリッド状に形成されていることにより、補助電極7の網目の間(穴)から光を基板1側に取り出すことが可能になる。
図1Bに示すように、本形態では、補助電極7は、複数の短冊状の配線材8により形成されている。短冊状とは、長辺が短辺に比べてはるかに長い(例えば10倍以上)ものとなった四角形形状であってよい。また、個々の配線材8は、直線状の配線であってよい。個々の配線材8はグリッドパターンを構成する格子の四角形形状の各辺に配置されている。
図2Aは、補助電極7の拡大図である。図2は図2A及び図2Bから構成される。補助電極7においては、配線材8は、補助電極7を構成するグリッド状のパターンの交差位置において途切れている。配線材8が設けられていない部分は、光透過可能部15となる。すなわち、図2Aに示すように、本形態では、個々の線状の配線材8は、グリッドパターンの交差する位置である交差部Cの位置に重複しないように配置されており、この交差部Cには配線材8の材料は設けられていない。補助電極7は、いわば複数の格子線の交差点において線が分断されている不完全なグリッド形状となっていると言える。
グリッド状のパターンの交差位置(交差部C)に補助電極7が設けられた場合、補助電極7は、光を遮断し非発光の部分となるため、有機EL素子を駆動した際には、格子形状の交差位置が非発光となり、非発光の部分が目立ちやすくなるおそれがある。しかしながら、本形態では、交差位置(交差部C)に、補助電極7を構成する配線材8が設けられていない光透過可能部15を設けるようにしているため、交差位置において光が遮られないようにすることができる。そのため、グリッドパターンの交差位置から光を取り出すことができるので、非発光形状を目立ちにくくすることができる。
光透過可能部15は発光層から生じた光を透過させることができる部分である。配線材8は光透過性を有さないことが多く、もしくは光透過性が低いため、配線材8が存在する部分においては、光が透過できないか、もしくは光透過性が低い。しかしながら、光透過可能部15は、配線材8が存在していないため、光を透過させることができ、発光層からの光を基板側に伝えることができる。
ここで、交差位置とは、配線材8が繋がっていると仮定したときに、配線材8が交差して通る部分(図2Aの交差部C)及びその近傍を意味する。図2Aには、交差位置の範囲を交差位置7aとして図示している。交差位置7aの中に、光透過可能部15が形成されている。図2Aの例は、交差部Cにおいて配線材8が全く設けられていない例であると言える。
光透過可能部15は、交差位置において配線材8が離間していることにより形成されていることが好ましい。それにより、効率よく交差位置における発光性を高めることができ、補助電極7を視認しにくくすることができる。
図1Bに示されるように、補助電極7のグリッドパターンは、縦横に延伸する直線が等間隔で配置されて構成されているものであってよい。ここで、補助電極7のグリッドパターンとは、配線材8を分断しないで繋いだときのパターン形状がグリッドのパターンとなるものであってよい。
ここで、図8によりグリッドパターンを説明する。図8は、グリッドの形状の説明図である。図8は、図8A及び図8Bにより構成される。グリッドは四角格子又は六角格子であってよい。図8Aは、四角格子の説明図である。四角格子のグリッドでは、全体形状が、図8Aのような四角格子(グリッドG4)となる。図8Bは、六角格子の説明図である。六角格子のグリッドでは、全体形状が図8Bのような六角格子(グリッドG6)となる。図8は、グリッドの説明のために、完全なグリッド状を示している。図8A及び図8Bでは、グリッドパターンの交差位置が、交差位置gで示されている。グリッドパターンは網目状のパターンであってよい。図8の説明図により、各形態のグリッドパターンが理解されるであろう。
図1Bのグリッド形状は四角格子である。四角格子は六角格子よりも形成が容易であり得る。図1Bの形態では、縦5本、横5本の直線によって、16個の矩形の穴が設けられてグリッドの網目が形成されているが、網目の個数や線の本数は、これに限定されるものではない。図1Bではグリッドパターンの概略を示しており、実際には、より密にグリッドパターンが構成されていてよい。例えば、縦横それぞれ10〜100本の範囲などの適宜の数であってもよい。具体的には、例えば、発光する領域の形状が、縦10〜1000mm、横10〜1000mmの長方形又は正方形である場合には、グリッドを構成する直線が縦10〜100本×横10〜100本のようなパターンにすることができる。
本形態の有機EL素子では、機能層3の補助電極7側の表面に絶縁膜10が設けられている。この絶縁膜10は、部分的に設けられており、平面視において補助電極7と重複する位置に設けられている。ここで、補助電極7が設けられた部分は、通常、補助電極7は光透過性を有していないため、光を取り出すことができないので、この部分で発光が生じると、発光のロスが生じ、発光効率が低下するおそれがある。しかしながら、絶縁膜10を設けると、補助電極7が設けられた部分では発光が生じないようし、光取り出し可能な補助電極7以外の領域(格子の網目)に電流をより多く流すことができるため、発光ロスを低減して発光効率を向上させることができる。また、補助電極7と対電極4との間で直接電気が流れると、補助電極7の部分で過剰発光が生じ、光透過性電極2と対電極4と間の発光が適切に得られなくなるおそれがある。しかしながら、絶縁膜10を設けると、補助電極7が設けられた部分で過剰発光が生じるのを抑制することができ、光透過性電極2と対電極4とに電気を流して、面状の発光を適切に得ることができる。
また、図1の有機EL素子では、補助電極7は光透過性電極2の表面で盛り上がって形成されている。そのため、この表面に機能層3及び対電極4を直接形成した際には、層が分断されたり薄くなったりして、電気的にショートしやすくなるおそれがある。しかしながら、本形態では、補助電極7が絶縁膜10によって電気的に絶縁されているので、たとえ補助電極7の位置で機能層3が途切れて対電極4が積層されたとしても、絶縁膜10によって光透過性電極2と対電極4とが直接接することがない。そのため、電気的にショートすることを防ぐことができる。
絶縁膜10は補助電極7と略同じ形状のパターンで設けられるものであってよい。すなわち、グリッド状のパターンで設けられるものであってよい。このとき、グリッド状のパターンの線の交差位置には、絶縁膜10が設けられてもよいし、設けられていなくてもよい。グリッド状のパターンの線の交差位置に絶縁膜10が設けられる場合、絶縁膜10のパターンが簡単になって形成が容易になる。グリッド状のパターンの線の交差位置に絶縁膜10が設けられると、絶縁膜10は完全なグリッドパターンになり得る。この場合、交差位置では絶縁膜10が設けられているため直接発光は生じないが、交差位置では光透過性を有さない配線材8が設けられていないため、周囲で生じた光を透明な絶縁膜10を通して外部に取り出すことができる。しかし、より好ましくは、絶縁膜10は、補助電極7と同じように、グリッド状のパターンの線の交差位置に設けられていない形態である。その場合、グリッドの交差位置で線が分断した不完全なグリッド形状の絶縁膜10となる。グリッドパターンの線の交差位置に絶縁膜10が設けられていないと、この交差位置(交差部C)において、電流を流して発光することができ、この部分を発光させて光を取り出すことができるため、非発光部分をより視認させにくくすることができる。また、交差部Cにおいては、配線材8がグリッドの網目の内部よりも近くに配置されることになり、また、4本の配線が放射状になって配置された中心となるため、光透過性電極2の抵抗をより小さくすることができる。そのため、交差部Cにおいて電流をより多く流すことが可能になり、この部分の発光性を高め、グリッドの網目の内部よりも強く光らせて輝度を向上することができる。そのため、非発光形状をより視認させにくくすることができる。
図2Bに示すように、本形態では、補助電極7は、光透過性電極2に接していない部分が、絶縁膜10によって被覆されている。すなわち、補助電極7の上には補助電極7を覆うように絶縁膜10が積層され、補助電極7は表面だけでなく側面7sも絶縁膜10に被覆されている。このように補助電極7が絶縁膜10によって被覆されていると、層の分断を生じにくくすることができるとともに、絶縁性を確保できるため、ショート不良をさらに抑制することができる。また、光をより取り出しやすい補助電極7以外の部分に電流を多く流すことができるため、発光効率をさらに高めることができる。絶縁膜10の側面10sは傾斜していることが好ましい。それにより、層の分断をより一層抑制することができる。
補助電極7は、電極材料で構成される層である。透明性は有さなくてもよい。補助電極7は、例えば、導電性の金属材料で形成することができる。具体的には、銅、銀、金、アルミ、ニッケル、モリブデン、クロムなどが例示される。
補助電極7の好ましい材料の一つは、MAMと称せられるモリブデン/アルミニウム/モリブデン積層体(Mo/Al/Mo)である。MAMを用いた場合、光透過性電極2の導電性を効果的に補助して向上することができる。MAMでは、例えばシート抵抗を0.07Ωにすることができる。また、補助電極7は、Cr/Al/Crなどで構成することもできる。その場合も、低抵抗化することが可能である。
補助電極7の好ましい他の材料としては、金属粒子が挙げられる。金属粒子としては、例えば、銀粒子、銅粒子などが好ましい。金属粒子は、後述するように、例えば、印刷法によって好適に塗布され得る。
絶縁膜10は、絶縁性を有する材料によって構成される。例えば、絶縁性樹脂又は無機材料により形成される。絶縁性の樹脂としては、アクリル樹脂、ノボラック樹脂、ポリイミド樹脂などが例示される。無機材料としては、Si系材料などが例示される。
本形態では、グリッドパターンの交差位置(交差部C)において、補助電極7を構成する配線材8が離間している。すなわち、配線材8が交差部Cに設けられない構造としては、配線材8の端部が交差部Cの外縁に位置する構造も可能であるが、本形態では、図2Aに示すように、交差部Cよりも外側に配線材8の端部が配置されている。そのため、垂直な方向に延伸する配線材8同士は、互いに接触していない。このように、配線材8を離間させることにより交差部Cに配線材8が形成されないようにすると、簡単に交差位置に配線材8を形成しないパターンを形成することができる。また、配線材8が離間していると、絶縁膜10を塗布して形成する際に、絶縁膜10を塗布しやすくすることができる。例えば、絶縁膜10は、絶縁材料が全面に塗布された後に、部分的に硬化され不要部分が除去されて形成され得るが、その際に配線材8が離間していると、絶縁材料がグリッドパターンの網目に溜まって広がりにくくなることが抑制される。つまり、配線材8が離間していると、配線材8の壁が途切れて、交差位置においてグリッドの網目が連通し、そのため、交差位置を通して網目間で塗布液を広げることができるのである。したがって、絶縁膜10を容易に形成することができる。
図2Aに示すように、グリッドパターンを構成する線のピッチPは、隣り合う線の中心間の距離として表される。このピッチPは、例えば、200〜4000μmの範囲にすることができ、好ましくは400〜2000μmの範囲にすることができる。補助電極7を構成する配線材8の配線幅Wは、例えば、10〜50μmの範囲にすることができ、例えば、30μmにすることができる。グリッド線が延伸する方向で隣り合う二つの配線材8の端部間の距離Tは、配線材8の幅Wよりも大きいことが好ましい。すなわち、T>Wの関係になる。この距離Tは、例えば、配線幅Wの2倍以上であってよく、あるいは配線幅Wの3倍以上であってよく、もしくは配線幅Wの5倍以上であってもよい。ただし、配線材8間の距離Tが大きくなりすぎると、電極を補助する作用が小さくなるおそれがある。そのため、例えば、距離Tは、例えば、配線幅Wの20倍以下であってよく、または配線幅Wの10倍以下であってもよい。
補助電極7を構成する配線材8の膜厚は、例えば、100〜1000nmの範囲にすることができる。例えば、MAMで補助電極7を構成する場合、膜厚20〜80nmのMoと膜厚200〜800nmのAlと膜厚20〜800nmのMoとの積層構造にすることができる。具体的には、膜厚50nmのMoと膜厚500nmのAlと膜厚50nmのMoとの積層構造にすることができる。
絶縁膜10は、補助電極7を構成する配線材8に対して平面視においてはみ出して設けられていることが好ましい。図2Bに示すように、絶縁膜10のはみ出し量Sは、配線材8の配線幅Wの半分以下が好ましく、3分の1以下がより好ましい。このはみ出し量Sは、例えば、10μm未満にすることができる。また、絶縁膜10の厚みは、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることがより好ましい。例えば、絶縁膜10の厚みは1μmにすることができる。
図2Bに示すように、断面形状において絶縁膜10の側面10sは基板1の表面に対して傾斜していることが好ましい。この場合、絶縁膜10の側面10sは傾斜面となる。絶縁膜10の側面10sが傾斜面となることにより、層の段切れを抑制することができる。補助電極7は、光透過性電極2の表面に盛り上がって形成されるため、補助電極7の形状に沿って機能層3及び対電極4を積層して形成した際には、層が分断されたり薄くなったりして、電気的にショートしやすくなるおそれがある。特に機能層3は薄膜の積層構造で構成され得るものであり、層の分断が発生しやすくなるおそれがある。しかしながら、絶縁膜10の側面10sを傾斜するようにすると、傾斜面に機能層3及び対電極4を積層させることができるため、層の分断を生じにくくすることができる。絶縁膜10の側面10sの傾斜角θは、例えば、15〜75°又は30〜60°の範囲に設定することができる。
本形態では、断面形状において補助電極7(配線材8)の側面7sは基板1の表面に対して傾斜していることが好ましい。この場合、配線材8の側面は傾斜面となる。配線材8の側面が傾斜面となることにより、層の段切れを簡単に抑制することができる。補助電極7の側面7sを傾斜するようにすると、簡単に絶縁膜10の側面10sを傾斜させることができる。それにより、傾斜面に機能層3及び対電極4を積層させることができるため、層の分断を生じにくくすることができる。補助電極7(配線材8)の側面の傾斜角φは、例えば、15〜75°又は30〜60°の範囲に設定することができる。
本形態では、配線材8の側面が傾斜面となり、その形状に沿って絶縁膜10が形成されて傾斜面となった例を示しているが、傾斜面の形成は、これに限定されるものではない。例えば、補助電極7の側面が基板1の表面に対して略垂直な面となって、その上に形成される絶縁膜10の側面が傾斜面となっていてもよい。また、例えば、補助電極7の側面が基板1の表面に対して急傾斜の面となって、その上に形成される絶縁膜10の側面が補助電極7の傾斜よりも緩やかな傾斜の傾斜面となっていてもよい。例えば、傾斜角は、θ<φの関係になるが、もちろん、θ>φの関係になってもよい。
図1の形態では、基板1の表面(光透過性電極2側の表面及び光透過性電極2とは反対側の表面のいずれか一方又は両方)に、光散乱構造が設けられていてもよい。補助電極7を構成する配線材8の部分は、通常、光透過性を有していないため、この部分からは光を取り出すことができない。しかしながら、基板1の表面に光散乱構造が設けられると、光が散乱されるため、補助電極7によって形成される非発光の領域に光を拡散することができる。そのため、補助電極7による非発光を失くしたり目立たなくしたりして、より自然な発光を得ることができる。光散乱構造は、光散乱層が設けられたり、基板1に凹凸構造が設けられたりして形成されていてよい。光散乱層の具体的な構成は、前述した通りである。
図3は、有機EL素子の実施の形態の他の一例を示している。図3は図3A及び図3Bから構成される。図3の形態では、補助電極7が基板1光透過性電極2との間に形成され、絶縁膜10が光透過性電極2と機能層3との間に形成されている点で、図1の形態とは異なる。それ以外の構成は、図1の形態と同様である。図3の有機EL素子の平面図は、図1Bであると考えてよい。図2Aは、図3の有機EL素子の補助電極7の拡大図でもあると考えてよい。図1の形態と同様の構成には同じ符号を付して説明を省略する。
図3の有機EL素子は、図1の形態と同様に、基板1の表面に、光透過性電極2と発光層を含む機能層3と対電極4とを有する有機発光体5が形成されている。有機発光体5は封止材6によって覆われて封止されている。光透過性電極2に接して配線材8によりグリッド状のパターンの補助電極7が設けられている。補助電極7のパターンは、図1Bの形状と同様のパターンになっており、補助電極7を構成するグリッド状のパターンの交差位置において、配線材8が途切れている。そして、配線材8が設けられていないことにより、光透過可能部15が形成されている(図1B参照)。補助電極7はいわば不完全なグリッド状に形成されている。機能層3の補助電極7側の表面には、平面視において補助電極7と重複する位置に絶縁膜10が設けられている。このように、本形態の有機EL素子では、補助電極7が設けられているため、補助電極7によって光透過性電極2の通電性を高めることができる。また、補助電極7を構成する配線材8は、グリッド状のパターンの交差位置で途切れて、光を透過させる光透過可能部15が形成されているため、非発光の形状を視認させにくくすることができる。また、補助電極7の位置に絶縁膜10が形成されているため、外部に光を取り出せる部分に電気をより供給して発光させることができ、効率よく発光を行うことができる。そのため、補助電極7によって効率よく電気伝導性を向上させることができるとともに、補助電極7の非発光の形状が視認されることを抑制することができ、光取り出し性の優れた有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
本形態では、光透過性電極2の基板1側に、補助電極7が設けられている。補助電極7は、図1の形態の補助電極7と、同じ材料、同じパターン形状で形成されるものであってよい。すなわち、補助電極7は、図1B及び図2Aに示すような、不完全なグリッド状のパターンであってよい。補助電極7を設けることにより、通電性を高めることができ、面内において電流分布を改善し、面内での発光がより均一になった有機EL素子を得ることができる。光透過性電極2は、光透過性を有する材料(透明金属酸化物など)で形成されるため、通常、比抵抗が高く、通電性があまりよくない。そこで、光透過性電極2よりも通電性の高い材料で配線を構成し、この配線で補助電極7を形成することにより、光透過性電極2の電気伝導性を補って通電性をより高めることができる。補助電極7と光透過性電極2とは接触して設けられている。それにより、光透過性電極2の通電性を高めることができる。
図3に示すように、本形態では、補助電極7は、基板1の表面に接して設けられている。このように、基板1の表面に補助電極7を設けると、補助電極7を基板1表面に直接形成することができ、補助電極7のパターニングが簡単になって、効率よく容易に補助電極7を形成することができる。もちろん、基板1の有機発光体5が設けられる側の表面には光散乱構造が設けられていてもよい。光散乱構造は、樹脂層により構成されてもよい。その場合も、容易に補助電極7を形成することができる。
図1Bの形態と同様に、補助電極7は、グリッド状のパターンとなっており、格子状になっている。格子状の補助電極7によってより均一な電流分布が得られる。このグリッドパターンは、縦横に延伸する直線状の線が等間隔で配置されて構成されている。グリッドパターンを構成する複数の配線材8の配置は、図1の形態で説明したものと同様であってよい。また、配線幅W、配線ピッチP、配線間の距離Tについても、図2で説明したものと同じであってよい。
補助電極7は、電極材料で構成される層である。透明性は有さなくてよい。例えば、導電性の金属材料で形成することができる。具体的には、銅、銀、金、アルミ、ニッケル、モリブデン、クロムなどが例示される。補助電極7は、図1の形態の補助電極7と同様の材料で構成されるものであってよい。
本形態では、補助電極7の基板1側の表面は、光反射性が、光透過性電極2の基板1側の面の光反射性よりも高いことが好ましい。それにより、基板1内で反射して素子内部側に戻ってきた光が光透過性電極2で吸収されるのを抑制することができるとともに、素子内部側に向かう光を補助電極7で反射させて外部側に向かう光に変換することができ、より多く外部に光を取り出すことができる。多重反射する光が光透過性電極2において減衰することを抑制することができるのである。
本形態においては、補助電極7の材料として、Al/Moの積層構造を好ましく用いることができる。この積層構造は、基板1側からAlとMoとを順に積層させた構造である。その場合、光透過性電極2の導電性を効果的に補助して向上することができるとともに、反射性を高めることができ、基板1内で反射する光をより多く外部に取り出すことができる。ここで、AlとMoとを用いた積層構造においては、図1の形態では、Mo/Al/Moの方が有利であるが、これは、透明電極層や樹脂層などに直接接する層がAlであると劣化しやすくなる傾向があるのでそれを抑制するため、Moを表面層として入れるからである。一方、本形態においては、補助電極7は防湿性の高い基板1の表面に形成されるため、基板1側の表面にMoを表面層(下地層)として設けなくてもよい。そして、Alを基板1側に直接設けた場合、Alは反射性が高いので、基板1内の光をより反射させて外部に取り出すことができる。そのため、本形態では、Al/Moの積層構造による補助電極7が好ましいのである。もちろん、Al/Crの積層構造であってもよい。その場合も、光反射性を高めることができる。
本形態では、絶縁膜10は、機能層3の光透過性電極2側の表面に形成されている。この絶縁膜10は、光透過性電極2における補助電極7が形成された位置の表面に形成されている。すなわち、光透過性電極2は、補助電極7の上に乗り上げて形成され、補助電極7と同じパターンで補助電極7の位置が盛り上がって形成されており、その光透過性電極2が盛り上がった部分を覆うように絶縁膜10が積層されている。絶縁膜10は、光透過性電極2の盛り上がった部分の表面だけでなく側面も形成されている。このように補助電極7が設けられた位置に絶縁膜10が設けられると、層の分断を生じにくくすることができるとともに、絶縁性を確保できるため、ショート不良をさらに抑制することができる。また、光をより取り出しやすい補助電極7以外の部分に電流を多く流すことができるため、発光効率をさらに高めることができる。
補助電極7の側面7sは傾斜していることが好ましい。すなわち、図3Bに示すように、補助電極7を構成する配線材8の側面が傾斜面となっていることが好ましい。それにより、層の分断を抑制することができる。補助電極7は、基板1の表面に盛り上がって形成されるため、補助電極7の形状に沿って機能層3及び対電極4を積層して形成した際には、層が分断されたり薄くなったりして、電気的にショートしやすくなるおそれがある。特に機能層3は薄膜の積層構造で構成され得るものであり、層の分断が発生しやすくなるおそれがある。しかしながら、補助電極7の側面7sを傾斜するようにすると、傾斜面に機能層3及び対電極4を積層させることができるため、層の分断を生じにくくすることができる。補助電極7(配線材8)の側面7sの傾斜角φは、例えば、15〜75°又は30〜60°の範囲に設定することができる。
絶縁膜10の側面10sは傾斜していることが好ましい。それにより、層の分断をより一層抑制することができる。補助電極7は、基板1の表面に盛り上がって形成されるため、補助電極7の形状に沿って機能層3及び対電極4を積層して形成した際には、層が分断されたり薄くなったりして、電気的にショートしやすくなるおそれがある。しかしながら、補助電極7の位置に設けられた絶縁膜10の側面10sを傾斜するようにすると、傾斜面に機能層3及び対電極4を積層させることができるため、層の分断を生じにくくすることができる。また、補助電極7の位置は絶縁膜10が形成されて電気的に絶縁されているので、たとえ補助電極7の位置で機能層3が途切れて対電極4が積層されたとしても、絶縁膜10によって光透過性電極2と対電極4とが直接接することがない。そのため、電気的にショートすることを防ぐことができる。ここで、補助電極7が設けられた部分は、通常、補助電極7は光透過性を有していないため、光を取り出すことができないので、この部分で発光が生じると、発光のロスが生じ、発光効率が低下するおそれがある。しかしながら、本形態のように絶縁膜10を設けていると、補助電極7が設けられた部分では発光が生じないようし、光取り出し可能な補助電極7以外の領域(網目)に、電流をより多く流すことができるため、発光ロスを低減して発光効率を向上させることができる。絶縁膜10の側面10sの傾斜角θは、例えば、15〜75°又は30〜60°の範囲に設定することができる。
本形態では、配線材8の側面が傾斜面となり、その形状に沿って光透過性電極2及び絶縁膜10が形成されて傾斜面となった例を示しているが、傾斜面の形成は、これに限定されるものではない。例えば、補助電極7の側面が基板1の表面に対して略垂直な面となって、その上に形成される絶縁膜10の側面が傾斜面となっていてもよい。また、例えば、補助電極7の側面が基板1の表面に対して急傾斜の面となって、その上に形成される絶縁膜10の側面が補助電極7の傾斜よりも緩やかな傾斜の傾斜面となっていてもよい。例えば、傾斜角は、θ<φの関係になるが、もちろん、θ>φの関係になってもよい。
絶縁膜10は、図1の形態で説明した材料と同様の材料を用いて形成することができる。また、絶縁膜10のパターンも、図1の形態と同様であってよい。すなわち、絶縁膜10は、完全なグリッド形状であってもよく、あるいは、グリッド線の交差位置で分断した不完全なグリッド形状であってもよい。このうち、絶縁膜10は、グリッド線の交差位置で分断した不完全なグリッド形状である方が好ましい。絶縁膜10の側面の傾斜角θは、例えば、15〜75°又は30〜60°に設定することができる。
図4は、有機EL素子の実施の形態の他の一例を示している。図4は図4A及び図4Bから構成される。図4の形態では、補助電極7のパターン形状が、図1の形態とは異なる。それ以外の構成は、図1の形態と同様である。図1の形態と同様の構成には同じ符号を付して説明を省略する。
図4の有機EL素子は、図1の形態と同様の断面形状を有する。したがって、図1Aは、図4の有機EL素子の断面図と考えてよい。図4の有機EL素子は、基板1の表面に、光透過性電極2と発光層を含む機能層3と対電極4とを有する有機発光体5が形成されている。有機発光体5は封止材6によって覆われて封止されている。光透過性電極2に接して配線材8によりグリッド状のパターンの補助電極7が設けられている。
図4Bで示すように、補助電極7のパターンは、補助電極7を構成するグリッド状のパターンの交差位置(交差部C)において、配線材8が途切れている。そして、配線材8が設けられていないことにより、光透過可能部15が形成されている。補助電極7は不完全なグリッド状に形成されている。配線材8は、図4の例では、グリッドパターンの線に沿った部分に形成されている。機能層3の補助電極7側の表面には、平面視において補助電極7と重複する位置に絶縁膜10が設けられている。このように、本形態の有機EL素子では、補助電極7が設けられているため、補助電極7によって光透過性電極2の通電性を高めることができる。また、補助電極7を構成する配線材8は、グリッド状のパターンの交差位置で途切れて、光を透過させる光透過可能部15が形成されているため、非発光の形状を視認させにくくすることができる。また、補助電極7の位置に絶縁膜10が形成されているため、外部に光を取り出せる部分に電気をより供給して発光させることができ、効率よく発光を行うことができる。そのため、補助電極7によって効率よく電気伝導性を向上させることができるとともに、補助電極7の非発光の形状が視認されることを抑制することができ、光取り出し性の優れた有機エレクトロルミネッセンス素子を得ることができる。
本形態では、グリッドパターンの交差位置(交差部C)又はその近傍において、補助電極7を構成する配線材8間を接続する接続配線9が設けられている。接続配線9が設けられることにより、交差部Cに電流をより多く流すことができ、交差部Cをより発光させることができるので、非発光の形状をより視認させにくくすることができる。また、複数の配線材8が接続配線9で電気的に接続されるため、補助電極7自体の通電性をより高めることができ、電極の補助機能をより高めることができる。図4の形態では、接続配線9は交差部Cの近傍に設けられていると考えてよい。接続配線9は、交差位置に設けられていてもよいし、交差位置の近傍に設けられていてもよい。
接続配線9の配線幅W1は、配線材8の配線幅Wよりも小さいことが好ましい。例えば、接続配線9の配線幅W1は、配線材8の配線幅Wの半分以下又は3分の1以下にすることができる。具体的には、接続配線9の配線幅W1は5〜20μmにすることができる。
接続配線9は、グリッドパターンの交差位置の近傍において、4本の配線材8の端部間を繋ぐように設けられることが好ましい。さらに、接続配線9は、グリッドパターンの線の交差位置(交差部C)を囲むように枠状に設けられることが好ましい。それにより、パターンが簡単になるとともに、交差位置における通電性を効果的に高めることができる。本形態では、接続配線9は、枠状の配線構造として設けられ、グリッドの交差位置が枠の中心となるように配置されている。枠状の接続配線9の中に、光透過可能部15が形成されている。接続配線9は、補助電極7を構成する配線材8の端部と連結されている。枠状の接続配線9のパターン形状は、四角形形状(正方形又は長方形の形状)であってもよく、円状であってもよい。接続配線9が正方形の場合、配線材8の端部間の距離Tは、接続配線9の枠の内縁で構成される正方形の一辺の長さであってよい。また、接続配線9が円形の場合、配線材8の端部間の距離Tは、接続配線9の内縁で構成される円形の直径の長さであってよい。配線材8の端部間距離T、すなわち、枠状の接続配線9の対向する線の距離は、例えば、20〜300μmにすることができ、好ましくは50〜100μmにすることができる。
接続配線9の厚み(高さ)は、補助電極7を構成する配線材8の厚み(高さ)と同じであってよい。それにより、簡単に接続配線9を形成することができる。また、配線材8と同じ厚みで接続配線9を設けることにより、グリッドパターンの交差位置において高く通電を補助することができる。もちろん、接続配線9の高さは、配線材8の高さと異なっていてもよく、配線材8の高さよりも低くてもよいし、高くてもよい。
接続配線9は補助電極7と一体に形成されていてよい。すなわち、補助電極7を構成する配線材8の一部が飛び出して接続配線9が形成されていてよい。また、接続配線9と配線材8とが一体になって補助電極7としての機能を有するものであってよい。
接続配線9は、補助電極7を構成する配線材8と同じ材料で形成されていることが好ましい。それにより、簡単に接続配線9を形成することができる。
本形態では、絶縁膜10は、接続配線9の位置にも設けられることが好ましい。光透過性電極2の上に接続配線9を形成し、その上に絶縁膜10を形成した場合、接続配線9は絶縁膜10によって被覆される。それにより、電力効率をさらに高めることができる。ただし、接続配線9は、配線材8よりも細い線で構成され得るものであり、この部分の発光による発光効率の低下がそれほど多くなければ、接続配線9の位置に絶縁膜10が設けられていなくてもよい。接続配線9の位置に絶縁膜10を設けない場合、絶縁膜10のパターン形成が容易になる。
ところで、図4の形態では、図1の形態のように補助電極7が光透過性電極2と機能層3との間に形成された形態において、接続配線9が設けられた例を示したが、接続配線9を設ける形態はこれに限定されるものではない。接続配線9は、図3の形態のように補助電極7が基板1と光透過性電極2との間に形成された形態において設けられるようにしてもよい。この場合、接続配線9は基板1と光透過性電極2との間に設けられる。この形態は、断面図が図3Aであり、平面図が図4Aであると考えてよい。また、図4Bが補助電極7の拡大図と考えてよい。接続配線9が設けられた位置における光透過性電極2の表面には、配線材8の位置と同じように、絶縁膜10が設けられてもよいし、設けられなくてもよいが、電気効率向上のためには、設けられる方が好ましい。なお、図4の形態で説明した接続配線9は、以降の形態においても適用することができる。
図5は、有機EL素子の実施の形態の他の一例を示している。図5の形態では、補助電極7のパターン形状が、図1の形態とは異なる。それ以外の構成は、図1の形態と同様である。図1の形態と同様の構成には同じ符号を付して説明を省略する。図5の形態の断面図は、図1Aと考えてよい。図2Bは、図5の形態における補助電極7の拡大図と考えてよい。
有機EL素子においては、光透過可能部15は、交差位置において配線材8が離間していることにより形成されていることが好ましい。ここで、交差位置とは、グリッド状のパターンが繋がったと仮定した際に、配線材8が交差した部分(交差部C)とその部分の近傍を意味している。したがって、グリッドパターンの線が交差する部分(交差部C)において配線材8が繋がっていても、交差部Cの近傍を含めた交差位置において配線材8が設けられていない部分を有していれば、その部分により光透過可能部15を構成し得る。図5の形態は、交差位置において配線材8が繋がった部分を有する形態の一例である。交差位置において配線材8が繋がった部分は、配線連続部16となる。グリッド状のパターンの交差位置は、図2Aの交差位置7aで理解される。
図5の形態では、補助電極7は、交差位置において、配線材8が繋がって交差位置を通過する配線連続部16を有している。配線連続部16を有することにより、補助電極7を構成する配線材8に電気が通りやすくなるため、光透過性電極2に対する補助効果をより高めることができる。また、面内の発光をより均一にすることができる。
図5の形態では、配線連続部16は、交差位置において屈曲形状を有している。屈曲形状を有する場合、直線状の場合に比べて、配線材8が繋がった部分の面内での広がりを大きくすることができる。そのため、面内に電気をより均一に流すことができる。屈曲形状は、平面視におけるパターン形状において、配線材8が曲がる形状であってよい。
図5では、配線材8は、ジグザグ状となっている。配線材8は、角張った波状であるといってもよい。一つの繋がった配線材8は、斜め方向に延伸している。具体的には、縦方向に延伸する部分8aと、横方向に延伸する部分8bとが交互に配置されている。縦方向及び横方向は、直交する二つの方向を図面に合わせて便宜的に表現したものであり、実際の配置においては、縦及び横が入れ替わってもよい。縦方向に延伸する部分8aと、横方向に延伸する部分8bとの境界部分は、屈曲しており、この部分が配線連続部16となっている。そして、交差位置においては、隣接する配線材8の配線連続部16同士が接近している。このようなパターン形状となることにより、全体としてはグリッド状のパターンとなりながら、交差位置においては配線材8を離間させて光透過可能部15を有する補助電極7を得ることができる。図5の補助電極7のパターン例はギザギザ状といってもよい。あるいは、三角波状といってもよい。
隣り合う配線材8の最も接近した部分の距離は、図2Aで説明した距離Tと同じであってよい。
一つの配線材8が繋がった部分は一筆書き可能であることが好ましい。それにより、補助電極7のパターン形成が容易になり得る。パターン形成方法の詳細については、後述する。配線材8は、有機EL素子における一の端部から他の端部まで一筆書き可能なことがより好ましい。それにより、パターン形成がより容易になる。図5では、配線材8が斜め方向に延伸するため、上側と右側との端部で、及び、左側と下側との端部で、一筆書き可能であり得る。配線材8が一筆書き可能である場合、絶縁膜10が一筆書き可能であることが好ましい。絶縁膜10は配線材8に対応した形状になり得る。
なお、図5では、配線材8の縦方向に延伸する部分8aについて、複数の部分8aを縦方向に沿って見たときに、横方向にずれている様子が示されているが、実際の有機EL素子においては、隣り合う配線材8の間隔に比べて、配線材8の幅は小さい。そのため、このずれはほとんど無視できる。したがって、補助電極7は全体としてグリッド状のパターンとなる。また、図5は、有機EL素子を簡略化して記載しており、実際の配線材8の本数は、例えば、100本以上などにすることができる。
ここで、図5の形態は、図1の形態において補助電極7のパターン形状を変更したものとして説明したが、図3の形態のように、補助電極7が光透過性電極2の基板1側に形成されたものであってもよい。その場合、図3Aを図5の形態の断面図と考え、図3Bを図5の形態の拡大図と考えることができる。以降の形態においても、補助電極7は光透過性電極2のどちらの面に形成されていてもよい。
図6は、補助電極7のパターン例を説明する説明図である。図6は、図6A〜図6Fから構成される。補助電極7が配線連続部16を有する形態は、図5の形態に限られない。補助電極7は、適宜のパターンで形成され得る。なお、図6の縦及び横は、図面での配置に合わせて便宜上設定したものであり、縦と横が入れ替わってももちろんよい。
図6Aは、図5の形態の補助電極7のパターンの変形例である。図6Aでは、複数の平行四辺形により格子が形成されている。この例では、配線材8の縦方向に延伸する部分8aは、縦方向に対して傾斜して斜め方向に延伸している。配線材8における縦方向に延伸する部分8aと横方向に延伸する部分8bとの境界部分により、配線連続部16が構成されている。配線連続部16は屈曲形状を有している。隣り合う配線材8は離間している。この離間部分により光透過可能部15が形成されている。このパターンでは、縦方向に延伸する部分8aと横方向に延伸する部分8bとの境界部分(配線連続部16)は、複数の配線材8において、縦方向に沿って見たときに、横方向の位置が揃っている。図5のパターンでは、配線材8が多くなると、配線材8の配置が横方向にずれて、全体として格子模様の縦線が斜めに延伸する平行四辺形の格子状になる可能性があるが、図6Aのパターンでは、縦方向に延伸する部分8aが斜め方向に延伸することによって、ずれを吸収している。そのため、全体としてずれのない長方形又は正方形の格子模様を形成することが容易である。
図6Bは、図5の形態の補助電極7のパターンの変形例である。この例では、配線材8における縦方向に延伸する部分8aと横方向に延伸する部分8bとの境界部分(配線連続部16)が斜め方向に延伸している。図6Bでは、配線材8の縦の部分8aと配線材8の横の部分8bとの境界部分(配線連続部16)における角が丸まることで、配線連続部16が斜め方向に進行している。配線連続部16は曲線状となっている。配線材8は、配線連続部16の部分ではカーブして延伸している。もちろん、配線連続部16は、配線材8の縦の部分8aと配線材8の横の部分8bとの間に、斜め方向に進行する直線状の部分として設けられていてもよい。また、配線連続部16は、W状に形成されたり、蛇行した形状に形成されたりしてもよい。隣り合う配線材8は離間しており、この離間部分により光透過可能部15が形成されている。このパターンでは、配線材8の縦方向に延伸する部分8aは、複数の部分8aで縦横の位置が揃っている。また、配線材8の横方向に延伸する部分8bは、複数の部分8bで縦横の位置がそろっている。図5のパターンでは全体として平行四辺形の格子状になる可能性があり、図6Aのパターンでは個々の格子が平行四辺形になる可能性があるが、図6Bのパターンでは、配線連続部16が斜め方向に延伸することによって、格子形状の縦横の線の位置を整えている。そのため、全体としてずれのない長方形又は正方形の格子模様を形成することが容易である。図6Bのパターンは、波状と言ってよい。図6Bのパターンでは、交差部C(図2A参照)に配線材8を形成しないことが可能である。
図6Cは、補助電極7のパターンの変形例である。図6Cでは、配線材8は、縦方向に延伸する部分8aと横方向に延伸する部分8bとが交互に配置されている。ただし、図6Cでは、縦方向に延伸する部分8aにおいて、隣り合う部分8aは逆方向に延伸している。そのため、一つの繋がった配線材8は、縦方向に行ったり来たりしながら全体として横方向に延伸している。配線材8における縦方向に延伸する部分8aと横方向に延伸する部分8bとの境界部分により、配線連続部16が構成されている。配線連続部16は屈曲形状を有している。隣り合う配線材8は離間している。この離間部分により光透過可能部15が形成されている。交差位置においては、配線連続部16が接近している。このようなパターンとなることにより、補助電極7は全体としてグリッド状のパターンとなる。図6Cでも、一つの繋がった配線材8は、好ましくは、一筆書き可能である。図6Cでは、左右の両端部の間で一筆書き可能であり得る。図6Cのパターン例は、凸凹状といってもよい。あるいは、歯状といってもよい。あるいは、矩形波状といってもよい。
ここで、図6A、図6B及び図6Cでは、配線材8が一筆書き可能である。図6A及び図6Bでは、配線材8が斜め方向に延伸するため、面内の発光の均一性をより高めることができる利点がある。図6Cでは、配線材8が横方向に延伸するため、精度よくパターン形成しやすいという利点がある。
図6Dは、補助電極7のパターン全体に亘って横方向に延伸する複数の配線材8の部分8bと、この横方向に延伸する複数の配線材8の部分8bの間で、縦方向に延伸する複数の配線材8の部分8aとにより、補助電極7のグリッドパターンが構成されている。縦方向の複数の配線材8の部分8aは、横方向に所定の間隔で並んで配置されている。複数の縦方向の配線材8の部分8aは、全体形状が、縦方向に沿うように、縦方向に並んで配置されている。横方向に延伸する配線材8の部分8bと、縦方向に延伸する配線材8の部分8aとは離間している。この離間した部分により、光透過可能部15が形成されている。図6Dのパターンは、はしご状といってもよい。図6Dのパターン例でも、光透過可能部15が形成されるため、補助電極7を視認させにくくすることができる。
図6Eは、補助電極7のパターン全体に亘って横方向に延伸する配線材8の部分8bに、複数の縦方向に延伸する配線材8の部分8aの一端が繋がることにより、補助電極7のグリッドパターンが構成されている。縦方向に延伸する配線材8の部分8aの他端は、横方向に延伸する配線材8の部分8bとは離間している。この離間した部分により、光透過可能部15が形成されている。図6Eのパターンは、櫛状といってもよい。図6Eのパターン例でも、光透過可能部15が形成されるため、補助電極7を視認させにくくすることができる。
図6Fは、補助電極7のパターン全体に亘って横方向に延伸する配線材8の部分8bに、複数の縦方向に延伸する配線材8の部分8aの一端が繋がることにより、補助電極7のグリッドパターンが構成されている。ただし、図6Eでは、縦方向に延伸する複数の配線材8の部分8aの同じ側の端部が繋がっているのに対し、図6Fでは、複数の縦方向に延伸する配線材8の部分8aにおいては、その一方の端部と他方の端部とが交互に繋がっている。縦方向に延伸する配線材8の部分8aの先端部は、隣り合う配線材8の横方向に延伸する部分8bとは離間している。この離間した部分により、光透過可能部15が形成されている。図6Fのパターン例でも、光透過可能部15が形成されるため、補助電極7を視認させにくくすることができる。
図6D〜図6Fのパターンでは、配線連続部16は、交差位置において略直線形状を有している。そのため、パターン形成が容易になり得る。図6E及び図6Fのパターンでは、配線連続部16は、交差位置において略直線形状を有するとともに、屈曲形状を有している。そのため、電気的な補助効果を高めることができる。
図7は、グリッド状の補助電極7のパターンの他の例を示している。図7は、図7A〜図7Cにより構成される。
上記の各形態においては、グリッド状として四角格子状のものを説明した。グリッド状(格子状)は、四角格子には限られない。グリッド状の他の格子形状の例としては、六角格子が挙げられる。六角格子は、六角形が面状に配置された形状である。六角格子は、ハニカム状とも呼ばれる。六角格子は蜂の巣状とも呼ばれる。グリッドとは、四角格子及び六角格子を含むものであってよい。
図8に、グリッド形状が示されている。上記で説明した四角格子のグリッド状では、全体形状が、図8Aのような四角格子(グリッドG4)となる。図7における六角格子のグリッド状では、全体形状が図8Bのような六角格子(グリッドG6)となる。図8では、グリッドパターンの交差位置が、交差位置gで示されている。
図7A〜図7Cにおいても、グリッド状のパターンの交差位置には、配線材8が設けられていない部分を有する。この部分により、光透過可能部15が形成されている。光透過可能部15は、配線材8の離間により形成されている。
図7Aは、交差位置(交差部C)において、配線材8が全く設けられていない例である。図7Aでは、交差位置における発光性を高めることができる点に利点がある。
図7B及び図7Bは、交差位置において、配線連続部16を有する例である。配線連続部16は屈曲形状を有する。図7Bでは、配線材8は横方向に延伸している。図7Cでは、配線材8は斜め方向に延伸している。
図7A〜図7Cのように、六角格子のグリッド状の場合も、光透過可能部15を有することにより、補助電極7を視認させにくくすることができる。ただし、六角格子よりも、四角格子の方がパターン形成には有利である。
以下、有機EL素子の製造について説明する。以下の説明では、光透過性電極2と補助電極7とがこの順で積層される形態を中心に説明する。図3のように、補助電極7が光透過性電極2の基板1側に形成された形態の製造は、光透過性電極2と補助電極7との積層順を入れ替えることで理解できる。製造方法の説明にあたっては、図1、図4、図5及び図6等を適宜参照されたい。
有機EL素子を製造するにあたっては、まず、基板1の表面に透明導電層を設け、この透明導電層をパターニングする。透明導電層の中央部分は光透過性電極2となり、透明導電層の端部は電極引き出し部12となる。光透過性電極2の領域は有機発光体5が形成される領域となる。
そして、この透明導電層のうちの有機発光体5が形成される領域に、グリッド状の補助電極7を導電材料によって形成する。補助電極7のパターニングは適宜の方法により行うことができる。
補助電極7の形成はスパッタで行うことが好ましい一態様である。その場合、パターニングは、マスクスパッタやフォトリソ法により行うことができる。この方法では、特に、図1〜4のような形態を好適にパターン形成できる。もちろん、この方法は、その他の形態にも適用可能である。パターン形成では、例えば、グリッドの交差位置で途切れたパターンのマスクを用いれば、不完全なグリッドのパターニングを容易に行うことができる。スパッタでは、MAMなどの積層構造の補助電極7において、好適にパターン形成することができる。また、補助電極7のパターニングは、例えば、全面塗布した後、不要部分を除去して行ってもよい。不要部分の除去は、エッチングにより行うことができる。エッチングは、エッチング液を用いる湿式の方法などを用いることができる。
補助電極7は、印刷法により形成することが好ましい他の一態様である。印刷法により、補助電極7のパターニングを容易に行うことができる。印刷は塗布の一種である。印刷はパターンに沿って塗布するものであってよい。この方法では、図5〜7のような形態を好適にパターン形成できる。もちろん、この方法は、その他の形態にも適用可能である。図5〜図7に示すような、配線連続部16を有する補助電極7においては、連続してパターンに沿った印刷をすることができる。そのため、補助電極7は、塗布によって好ましくパターン形成され得る。特に、インクノズルをパターン状に動かす塗布法が好ましい。配線材8が一筆書き可能な形状では、インクノズルをパターンに従って動かして塗布できるため、効率よくパターン形成が可能である。一つの配線材8が繋がった部分が、一筆書き可能であると、インクノズルから塗布液を連続して吐出して印刷できるため、塗布液の吐出の開始及び停止の回数を減らすことができる。そのため、配線材8は、有機EL素子における一の端部から他の端部まで一筆書き可能なことがより好ましい。一筆書き可能な形状は、静電塗布による直接描画において、特に効果的である。また、この方法では、配線材8は交差しないことが好ましい。配線材8が交差すると、交差した部分が盛り上がって形成されやすくなるため、絶縁膜10によって被覆しにくくなったり、層が段切れしやすくなったりするおそれがある。
印刷法で補助電極7を形成する場合、塗布法としては、静電塗布、インクジェット印刷塗布などが例示される。静電塗布による印刷がより好ましい。塗布法では、導電性の粒子を溶剤に分散させたペースト材を好ましく用いることができる。導電性の粒子としては、金属粒子を好ましく用いることができる。金属粒子を塗布することにより、導電層のパターン形成が容易となり、補助電極7を精度高く効率よく形成することができる。金属粒子として、特に、銀粒子が好ましい。なかでも銀ナノ粒子は補助電極7の材料として好適である。ナノ金属粒子を溶剤に分散させたナノペーストを用いると、効率よく精度高くパターン形成ができる。ペースト材による補助電極7の形成では、塗布後に加熱焼成することが好ましい。それにより、導電性粒子が密着して導電層ができやすくなるため、光透過性電極2よりも抵抗の低い金属配線を容易に得ることができる。
補助電極7の形成の際には、電極引き出し部12の上に補助電極7と同じ導電材料を積層させて、電極パッド11を形成することが好ましい。補助電極7と電極パッド11とを同時に形成するようにすると、製造効率が向上する。もちろん、電極パッド11と補助電極7は、同時に形成されなくてもよい。
ここで、図4のように、接続配線9を有する有機EL素子では、補助電極7の形成の際に、グリッドパターンの線の交差位置近傍に接続配線9のパターンを設けて、補助電極7を形成することにより、製造することができる。
補助電極7の形成後、絶縁膜10を形成する。絶縁膜10は補助電極7の形状に対応した形状で形成される。そのパターニングは適宜の方法であってよい。
絶縁膜10の形成は、塗布後に不要な部分を除去する方法が好ましい一態様である。この方法では、特に、図1〜4のような形態を好適にパターン形成できる。もちろん、この方法は、その他の形態にも適用可能である。この方法では、まず、絶縁膜10を形成する材料を基板1の補助電極7が設けられた面に塗布する。例えば、スピンコートにより塗布することができる。塗布は全面塗布であってよい。このとき、グリッドパターンの交差位置(交差部C)に配線材8が設けられず、配線材8が離間していると、塗布液は、グリッドの網目に溜らずに、交差位置を通って複数のグリッドの網目に広がることができる。そのため、より均一な塗布が容易になる。そして、フォトリソ法により、補助電極7の位置と同じ位置を硬化させるとともにそれ以外の部分を除去してパターニングすることにより、グリッドパターンとなった絶縁膜10を形成する。不完全なグリッド形状で絶縁膜10を設ける場合、絶縁膜10はグリッドパターンの交差位置には設けられないようにする。もし完全なグリッド形状で絶縁膜10を設ける場合には、絶縁膜10は完全なグリッドパターンであってよい。パターン形状は、マスクパターンの開口形状により調整することができる。塗布及びフォトリソ法により絶縁膜10を形成すると、精度よく絶縁膜10を形成することができる。絶縁膜10は樹脂膜などで構成され得る。なお、塗布に変えて蒸着によって絶縁膜10を形成してもよい。
ここで、絶縁膜10を塗布で形成する場合、絶縁膜10の材料の塗布性を上げるためには、図4のように接続配線9が設けられた形態よりも、接続配線9が設けられていない図4以外の形態の方が有利である。接続配線9が設けられていないと、グリッドの交差位置とグリッドの網目との間に、接続配線9で構成される壁ができないので、塗布液が広がりやすくなるからである。もちろん、交差位置の通電性向上のためには、接続配線9を設けた方が有利である。なお、図4の形態において、接続配線9の高さを配線材8の高さよりも低くしても、絶縁膜10の材料の塗布性を高めることは可能である。接続配線9で構成される壁が低くなって、塗布液が広がりやすくなるからである。
絶縁膜10の形成は、印刷法で行うことが好ましい他の一態様である。印刷法により、絶縁膜10のパターニングを容易に行うことができる。印刷は塗布の一種である。印刷はパターンに沿って塗布するものであってよい。この方法では、図5〜7のような形態を好適にパターン形成できる。もちろん、この方法は、その他の形態にも適用可能である。図5〜図7に示すような、配線連続部16を有する補助電極7においては、絶縁膜10も連続して形成されるため、パターンに沿った印刷をすることができる。そのため、絶縁膜10は、塗布によって好ましくパターン形成され得る。特に、インクノズルをパターン状に動かす塗布法が好ましい。絶縁膜10が一筆書き可能な形状では、インクノズルをパターンに従って動かして塗布できるため、効率よくパターン形成が可能である。一つの絶縁膜10が繋がった部分が、一筆書き可能であると、インクノズルから塗布液を連続して吐出して印刷できるため、塗布液の吐出の開始及び停止の回数を減らすことができる。そのため、絶縁膜10は、有機EL素子における一の端部から他の端部まで一筆書き可能なことがより好ましい。一筆書き可能な形状は、静電塗布による直接描画において、特に効果的である。また、この方法では、絶縁膜10は交差しないことが好ましい。絶縁膜10が交差すると、交差した部分が盛り上がって形成されやすくなるため、層が段切れしやすくなるおそれがある。
印刷法で絶縁膜10を形成する場合、塗布法としては、静電塗布、インクジェット印刷塗布などが例示される。静電塗布による印刷がより好ましい。塗布法では、材料として樹脂組成物を好ましく用いることができる。なお、絶縁膜10は、パターン状に蒸着されて形成されてもよい。
絶縁膜10の形成後、機能層3の各層、対電極4を順次に積層して有機発光体5を形成する。積層方法は、例えば、蒸着などを利用することができる。その後、封止材6で有機発光体5を覆いながら、封止接着部14で封止材6を基板1に接着する。封止材6としては、あらかじめ凹部に乾燥材13が設けられたものを用いることができる。乾燥材13は、吸湿性シートの貼り付けや、吸湿材料の塗布により設けることができる。これにより、有機EL素子を形成することができる。
ところで、図3の形態のように、補助電極7が光透過性電極2の基板1側に形成された有機EL素子の製造では、上記の製造方法を次のように変更する。まず、基板1の表面に補助電極7を形成する。形成方法は、上記の説明における補助電極7の形成方法と同じであってよい。補助電極7の形成後に、光透過性電極2及び電極引き出し部12を形成する。そして、光透過性電極2が補助電極7によって盛り上がった部分に絶縁膜10を形成する。絶縁膜10の形成方法は、上記の説明での方法と同じであってよい。その後は、上記と同様に、機能層3及び対電極4を積層形成し、封止材6により封止する。これにより、図3の形態の有機EL素子を形成することができる。
図1〜図7で示す形態の有機EL素子は、発光特性に優れており、特に発光面積の大きい素子として利用することができる。そのため、面状の発光素子、特に照明パネルとして有用である。
上記の有機EL素子により、照明装置を得ることができる。照明装置は、上記の有機EL素子を備える。それにより、光取り出し性に優れ、省電力の照明装置を得ることができる。照明装置は、複数の有機EL素子が面状に配置されたものであってよい。照明装置は、一つの有機EL素子で構成される面状の照明体であってもよい。照明装置は、有機EL素子に給電するための配線構造を備えるものであってよい。照明装置は、有機EL素子を支持する筐体を備えるものであってよい。照明装置は、有機EL素子と電源とを電気的に接続するプラグを備えるものであってよい。照明装置は、パネル状に構成することができる。照明装置は、厚みを薄くすることができるため、省スペースの照明器具を提供することが可能である。
図9は、照明装置100の一例である。この照明装置は、有機EL素子101と、筐体102と、プラグ103と、配線104とを有する。図9では、複数(4つ)の有機EL素子101が面状に配設されている。有機EL素子101は、筐体102に収容されている。プラグ103及び配線104を通して電気が供給されて有機EL素子101が発光し、照明装置100から光を発することができる。
1 基板
2 光透過性電極
3 機能層
4 対電極
5 有機発光体
6 封止材
7 補助電極
8 配線材
9 接続配線
10 絶縁膜
11 電極パッド
12 電極引き出し部
14 封止接着部
15 光透過可能部
16 配線連続部

Claims (7)

  1. 基板と、光透過性電極と発光層を含む機能層と対電極とを有する有機発光体と、封止材とを備え、前記有機発光体は前記封止材によって覆われて封止されている有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記光透過性電極に接して配線材によりグリッド状のパターンの補助電極が設けられ、
    前記補助電極を構成する前記グリッド状のパターンの交差位置に、前記配線材が設けられていない光透過可能部を有し、
    前記機能層の前記補助電極側の表面には、平面視において前記補助電極と重複する位置に絶縁膜が設けられていることを特徴とする、有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記光透過可能部は、前記交差位置において前記配線材が離間していることにより形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記補助電極は、前記交差位置において、前記配線材が繋がって前記交差位置を通過する配線連続部を有し、
    前記配線連続部は、前記交差位置において屈曲形状を有することを特徴とする、請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記補助電極は、前記交差位置において、前記配線材が繋がって前記交差位置を通過する配線連続部を有し、
    前記配線連続部は、前記交差位置において略直線形状を有することを特徴とする、請求項2又は3に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記補助電極は、前記光透過性電極の前記機能層側とは反対側の表面に接するように形成されており、側面が傾斜面となっていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記交差位置又はその近傍において、前記配線材間を接続する接続配線が設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた照明装置。
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