JPWO2014119282A1 - 有機シラン系組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明にかかるコーティング組成物の製造方法は、エポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物を、水、及び水素原子が1以上結合しているアミノ基又はイミノ基を2以上1分子内に有するポリアミン類またはイミダゾール類と混合、撹拌することを特徴とする。また、本発明にかかるコーティング組成物は、(A)エポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物、(B)ポリアミン類、及び(C)(C−1)n−ペンタノール、又は(C−2)25℃におけるpKaが2.0〜6.0の範囲の有機酸又はパーフルオロアルキル基及び/又はパーフルオロアルキレン基を有する炭素数2〜5のアルコール類を含有する。

Description

本発明は、有機シラン系組成物に関し、特に、プラスチック基板、金属基板等への密着性に優れ、さらに保存安定性にも優れた組成物に関する。
本願は、2013年1月29日に出願された日本国特許出願第2013−013845号、2013年5月16日に出願された日本国特許出願第2013−104509号に対し優先権を主張し、その内容をここに援用する。
ポリカーボネートなどの透明プラスチック成形体は、軽量、易加工性、耐衝撃性などの長所を生かして、無機ガラス製品の代替として広く用いられているが、溶媒に侵されやすい、表面改質が困難であるなどの欠点がある。そのため、無機ガラスに比べるとまだ劣る点があり、これらの性質を改良するための試みが従来よりなされてきている。
例えば、グリシドキシトリメトキシシランをアルコール中、硝酸水を用いて加水分解し、さらに、ジエチレントリアミンを添加しさらに反応させ、コーティングすることにより、ポリカーボネート板上に、鉛筆硬度2Hに相当するハードコート膜が形成できることが知られている。(非特許文献1)
J. Korean Ind. Eng. Chem., Vol17, No2, April 2006, 170-176.
しかしながら、前記コーティング組成物は、加水分解に24時間という長時間を要し、塗膜後の硬化に15時間をも要するという作業性の問題があり、さらに後述するようにその保存安定性にも問題があった。
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、プラスチックを含む広範囲の基材に適応可能であり、ガラス様に表面改質でき、短時間で製造することができ、さらに短時間の硬化で十分な硬度を有する塗膜が得られる組成物Aの原料となるトリアルコキシシランの加水分解縮合物の製造方法、及びさらに長期の保存安定性に優れる組成物Aの改良品を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、エポキシ基含有トリアルコキシシランを特定のポリアミン類またはイミダゾール類を水中で、短時間、混合撹拌するだけで得られる該トリアルコキシシランの加水分解縮合物を含む組成物が、塗布後の加熱時間も短時間で十分な硬度の塗膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。さらに、エポキシ基含有トリアルコキシシラン加水分解縮合物とポリアミン類を含む組成物にさらに、特定のpKaを有する有機酸又はパーフルオロアルキル基等を有するアルコール類を混合撹拌して得られる組成物が、その保存安定性にも優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)エポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物を、水、及び水素原子が1以上結合しているアミノ基又はイミノ基を2以上1分子内に有するポリアミン類またはイミダゾール類と混合、撹拌する、エポキシ基含有トリアルコキシシラン加水分解縮合物の製造方法、
(2)室温で、混合、撹拌する、(1)に記載のエポキシ基含有トリアルコキシシラン加水分解縮合物の製造方法、
(3)ポリアミン類が、ポリアルキレンポリアミン類である、(1)に記載のエポキシ基含有トリアルコキシシラン加水分解縮合物の製造方法、
(4)エポキシ基含有トリアルコキシシランが、グリシドキシアルキルトリアルコキシシランである、(1)に記載のエポキシ基含有トリアルコキシシラン加水分解縮合物の製造方法、
(5)水を、エポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物1モルに対して、0.5モル以上の範囲で用いる、(1)に記載のエポキシ基含有トリアルコキシシラン加水分解縮合物の製造方法、及び、
(6)酸とともに、混合、撹拌する、(1)〜(5)のいずれかに記載のエポキシ基含有トリアルコキシシラン加水分解縮合物の製造方法に関する。
また、本発明は、
(7)(A)エポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物、
(B)ポリアミン類、及び
(C−1)n−ペンタノール
を含有する組成物、
(8)(A)エポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物、
(B)ポリアミン類、並びに
(C−2)25℃におけるpKaが2.0〜6.0の範囲の有機酸又はパーフルオロアルキル基及び/又はパーフルオロアルキレン基を有する炭素数2〜5のアルコール類
を含有する組成物、
(9)エポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物の動的光散乱法で測定したz−平均粒子径が5〜50nmの範囲である、(8)に記載の組成物、
(10)ポリアミン類が、アルキレンポリアミン、ポリアルキレンポリアミン、ポリ(フェニレンアルキレン)ポリアミン、及びシクロアルキレンアルキルポリアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリアミンである、(8)に記載の組成物、
(11)ポリアミン類を、エポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物中のエポキシ基1モルに対して、1/(ポリアミン類1分子中の全窒素原子上の全水素原子数)モル以上、1/(ポリアミン類1分子中の全窒素原子上の全水素原子数)の10倍モル以下の範囲で用いる、(8)に記載の組成物、
(12)pKaが2.0〜6.0の範囲の有機酸をポリアミン類1モルに対して、0.3〜1.2モルの範囲で用いる、(8)に記載の組成物、
(13)パーフルオロアルキル基及び/又はパーフルオロアルキレン基を有する炭素数2〜5のアルコール類が、組成物全体の30質量%以上である、(8)に記載の組成物、
(14)さらに、パーフルオロアルキル基及び/又はパーフルオロアルキレン基を有する炭素数2〜5のアルコール類以外の炭素数1〜5のアルコール及び水を含む、(8)に記載の組成物、及び、
(15)(8)〜(14)のいずれかに記載の組成物を基材上に塗布し室温乾燥及び/又は加熱して得られる薄膜に関する。
本発明の製造方法によれば、エポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物を短時間で製造することができ、従って当該加水分解縮合物を含有する組成物をも短時間に製造することができ、さらに、本発明の組成物は、短時間の加熱で硬度、密着性、及び外観が優れた塗膜をプラスチック等の基材の上に形成することができ、さらに絶縁性、耐腐食性を付与することができる。また、得られた薄膜上に、シラン系の撥水剤や単分子膜形成溶液などを処理して、耐溶剤性、撥水性等の機能を付与する等の基材表面の改質をすることができる。
また、本発明の組成物は、上記非特許文献1に記載の方法で得られた該加水分解縮合物を含む組成物と同様の機能を有するとともに、その保存安定性の点において格段の向上が見られた。
実施例1で得られた組成物(A−1)で処理したPC樹脂基板(B−1)のX線光電子分光法(ESCA)による膜の深さ方向の元素濃度を示す図である。 実施例5で得られた各種溶媒を用いた組成物中の固形分のz−平均粒子径の経時変化を示す図である。 実施例7で得られた各種溶媒を用いた組成物中の固形分のz−平均粒子径の経時変化を示す図である。 実施例8で得られた各種溶媒を用いた組成物中の固形分のz−平均粒子径の経時変化を示す図である。 実施例9で得られた用組成物(A−1)で処理したPC樹脂基板(B−1)のX線光電子分光法(ESCA)による膜の深さ方向の元素濃度を示す図である。 実施例10で得られた安息香酸の含有量のことなる組成物中の固形分のz−平均粒子径の経時変化を示す図である。 実施例11で得られた各種有機酸を用いて得られた組成物中の固形分のz−平均粒子径の経時変化を示す図である。
(1)エポキシ基含有トリアルコキシシラン加水分解縮合物の製造方法又はそれを含有する組成物の製造方法
本発明のエポキシ基含有トリアルコキシシラン加水分解縮合物の製造方法は、エポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物を、水、及びポリアミン類またはイミダゾール類と混合、撹拌するものである。
非特許文献1に記載の従来の製造方法は、エポキシ基含有トリアルコキシシランと、炭素数1〜5のアルコール、水、及び鉱酸又は有機酸等の酸を用いて加水分解縮合を行う方法であり、ポリアミン類、又はイミダゾール類は、その後に添加して組成物を調製するのが一般的であったが、このような方法では、加水分解縮合の工程に長時間を有する、また、得られた加水分解物を含む組成物を硬化させる場合にも、その塗膜に十分な硬度を具備するためには、長時間、高温の加熱が必要となるという問題があり、実用性に欠けるものであった。本発明の方法は、ポリアミン類またはイミダゾール類存在下で当該トリアルコキシシランの加水分解縮合物を調製することで、従来の欠点を克服する組成物を製造できるものである。
なお、本発明の製造方法により得られるエポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物は、エポキシ基含有トリアルコキシシランの縮合したポリマー又はオリゴマーである。原料が既に加水分解縮合物の場合は、生成物は加水分解縮合物がさらに加水分解縮合したものである。
(原料としてのエポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物)
本発明の方法に用いられるエポキシ基含有トリアルコキシシランは、加水分解等により失われてしまう官能基部分以外にエポキシ基が含まれているトリアルコキシシランであれば、その構造は特に制限されないが、例えば、下記式(I)で表される化合物を例示することができる。
R−Si(OR1 3 …(I)
(式中、Rは、エポキシ基又はグリシドキシ基を有する炭化水素基を表し、R1 は無置換又は置換基を有する炭素数1〜10のアルキル基を表す。)
R中、エポキシ基、又はグリシドキシ基は、1個以上含まれていればよく、1〜3個有するのが好ましく、エポキシ基、グリシドキシ基両方を含んでいてもよい。
Rの「エポキシ基又はグリシドキシ基を有する炭化水素基」の「炭化水素基」としては、具体的には、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基等を例示することができ、炭素数としては、1〜30個の範囲が好ましく、1〜10個の範囲がさらに好ましい。
「アルキル基」として、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基等、ラウリル基、トリデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、パルミチル基、ヘプタデシル基、ステアリル基等を例示することができる。
「シクロアルキル基」としては、具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等を例示することができる。
「シクロアルキルアルキル基」として、具体的には、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロプロピルプロピル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロへキシルメチル基、シクロヘプチルメチル基、シクロオクチルメチル基等を例示することができ、炭素数3〜10のシクロアルキル基と炭素数1〜10のアルキル基が結合しているのが好ましい。
「アルケニル基」として、具体的には、ビニル基、プロパ−1−エン−1−イル基、アリル基、ブタ−1−エン−1−イル基、ブタ−2−エン−1−イル基、ブタ−3−エン−1−イル基、ブタ−1−エン−2−イル基、ブタ−3−エン−2−イル基、ペンタ−1−エン−1−イル基、ペンタ−4−エン−1−イル基、ペンタ−1−エン−2−イル基、ペンタ−4−エン−2−イル基、3−メチル−ブタ−1−エン−1−イル基、ヘキサ−1−エン−1−イル基、ヘキサ−5−エン−1−イル基、ヘプタ−1−エン−1−イル基、ヘプタ−6−エン−1−イル基、オクタ−1−エン−1−イル基、オクタ−7−エン−1−イル基、ブタ−1,3−ジエン−1−イル基等を例示することができる。
「シクロアルケニル基」として具体的には、1−シクロペンテン−1−イル基、2−シクロペンテン−1−イル基、1−シクロヘキセン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基、3−シクロヘキセン−1−イル基等を例示することができる。
「アルキニル基」として具体的には、エチニル基、プロパ−1−イン−1−イル基、プロパ−2−イン−1−イル基、ブタ−1−イン−1−イル基、ブタ−3−イン−1−イル基、ペンタ−1−イン−1−イル基、ペンタ−4−イン−1−イル基、ヘキサ−1−イン−1−イル基、ヘキサ−5−イン−1−イル基、ヘプタ−1−イン−1−イル基、オクタ−1−イン−1−イル基、オクタ−7−イン−1−イル基等を例示することができる。
「アリール基」は、単環又は多環のアリール基を意味し、多環アリール基の場合は、完全不飽和に加え、部分飽和の基も包含する。具体的には、フェニル基、ナフチル基、アズレニル基、インデニル基、インダニル基、テトラリニル基等が例示することができる。
「アリールアルキル基」として具体的には、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニル−n−プロピル基、4−フェニル−n−ブチル基、5−フェニル−n−ペンチル基、8−フェニル−n−オクチル基等を例示することができ、炭素数6−10のアリール基と炭素数1〜10のアルキル基が結合した基であるのが好ましい。
「アリールアルケニル基」は、アリール基とアルケニル基が結合した基であり、具体的には、スチリル基、3−フェニル−プロパ−1−エン−1−イル基、3−フェニル−プロパ−2−エン−1−イル基、4−フェニル−ブタ−1−エン−1−イル基、4−フェニル−ブタ−3−エン−1−イル基、5−フェニル−ペンタ−1−エン−1−イル基、5−フェニル−ペンタ−4−エン−1−イル基、8−フェニル−オクタ−1−エン−1−イル基、8−フェニル−オクタ−7−エン−1−イル基、ナフチルエテニル基等を例示することができ、炭素数6〜10のアリール基と炭素数2〜10のアルケニル基とが結合した基であるのが好ましい。
上述した「炭化水素基」には、エポキシ基及びグリシドキシ基以外の置換基を有していてもよく、そのような置換基として、具体的には、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、(メタ)アクリロキシ基等を例示することができる。
ここで、ハロゲン原子として具体的には、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を例示することができる。
アルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基等を例示することができる。
アルキル基、アルケニル基としては、上記Rにおけるアルキル基、アルケニル基と同じ具体例を例示することができる。
1 の「無置換または置換基を有する炭素数1〜10のアルキル基」の「炭素数1〜10のアルキル基」としては、上記Rにおけるアルキル基と同じものを例示することができる。
「置換基を有する」の置換基として具体的には、ハロゲン原子、アルコキシ基、(メタ)アクリロキシ基等を例示することができる。ハロゲン原子、アルコキシ基として具体的には、上記Rにおけるエポキシ基及びグリシドキシ基以外の置換として例示されたハロゲン原子、アルコキシ基と同じ具体例を例示することができる。
原料であるエポキシ基含有トリアルコキシシラン又はその加水分解縮合物として具体的には、次の化合物を例示することができるが、これに限られるものではない。また、これらは、1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
Figure 2014119282
中でも、グリシドキシアルキルトリアルコキシシラン、またはグリシドキシアルケニルアルコキシシランが好ましく、具体的には、下記式に示す化合物を例示することができる。
Figure 2014119282
これらは、1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
(エポキシ基含有トリアルコキシシラン以外のアルコキシシラン類)
本発明の製造方法には、前記したエポキシ基含有トリアルコキシシランに、適宜、テトラアルコキシシラン類、エポキシ基含有トリアルコキシシラン以外のトリアルコキシシラン類、又はジアルコキシシラン類を添加して用いることができる。そのようなアルコキシシラン類として、具体的には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ(n−プロポキシ)シラン、テトラ(イソプロポキシ)シラン、テトラ(n−ブトキシ)シラン等のテトラアルコキシシラン類;
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリn−プロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリイソプロポキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシラン類;
ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジ−n−ブチルジメトキシシラン、ジ−n−ブチルジエトキシシラン、ジ−n−ペンチルジメトキシシラン、ジ−n−ペンチルジエトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−ヘキシルジエトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジメトキシシラン、ジ−n−ヘプチルジエトキシシラン、ジ−n−オクチルジメトキシシラン、ジ−n−オクチルジエトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジメトキシシラン、ジ−n−シクロヘキシルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、ヘプタデカフルロデシルメチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラン類等を例示することができ、これらの部分加水分解縮合物も同様に使用することができる。そのような部分加水分解縮合物として、具体的には、三菱化学社製の商品名「MKCシリケートMS51」、「MKCシリケートMS56」、「MKCシリケートMS57」、「MKCシリケートMS60」(いずれもテトラメトキシシランの縮合物);コルコート社製の商品名「エチルシリケート40」、「エチルシリケート48」(いずれもテトラエトキシシランの縮合物)等を例示することができ、また、含有するアルキル基が異なるテトラアルコキシシランの縮合物の具体例として、三菱化学社製の商品名「MKCシリケートMS56B15」、「MKCシリケートMS56B30」、「MKCシリケートMS58B15」、「MKCシリケートMS56I30」、「MKCシリケートMS56F20」;コルコート社製の商品名「EMS−485」等を例示することができる。
(水)
本発明の方法において用いられる水の量は、用いられるエポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物がある程度加水分解縮合できるだけの量以上であれば、特に制限されず、具体的には、用いるエポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物(但し、エポキシ基含有トリアルコキシシラン及びその加水分解縮合物を併用する場合にはその両者の合計を表し、また、エポキシ基含有トリアルコキシシラン以外のアルコキシシランを併用する場合にも、それら全体の合計を表す。)1モルに対して、0.5モル以上が好ましく、1.0モル以上、2.0モル以上、5.0モル以上、または10モル以上がさらに好ましい。
(ポリアミン類)
本発明に用いられるポリアミン類は、1以上の水素原子が結合しているアミノ基またはイミノ基を1分子中に2以上有する化合物であれば、特に制限されず、具体的には、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレントリアミン、メチルアミノプロピルアミン、エチルアミノプロピルアミン、N,N’−ジメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(2−メチルアミノエチル)エーテル、メンタンジアミン、イソホロンジアミン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキシスピロ(5,5)ウンデカンアダクト、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、m−キシレンジアミン等を例示することができ、これらは、1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。中でも、ポリアルキレンポリアミン類が好ましく、具体的には、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレントリアミン等を例示することができる。
用いられるポリアミン類の使用量は、特に制限されないが、エポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物中のエポキシ基1モルに対して1/(ポリアミン類1分子中の全窒素原子上の全水素原子数)モル以上用いるのが好ましく、1/(ポリアミン類1分子中の全窒素原子上の全水素原子数)の1.2倍〜10倍モルの範囲、1.5倍〜5倍モル、または1.8倍〜2.5倍モルの範囲が好ましい。1/(ポリアミン類1分子中の全窒素原子上の全水素原子数)モルより少ない場合には、硬化が不十分で、高い硬度の膜が得られない場合があり、1/(ポリアミン類1分子中の全窒素原子上の全水素原子数)の10倍モルよりも大きい場合、ポリアミン類が残存して十分な硬度の膜が得られない場合がある。
(イミダゾール類)
また、本発明に用いられるイミダゾール類として、具体的には、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−n−プロピルイミダゾール、2−ウンデシル−1H−イミダゾール、2−ヘプタデシル−1H−イミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−1H−イミダゾール、4−メチル−2−フェニル−1H−イミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル−)−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4−イミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル−4,5−ジ(2−シアノエトキシ)メチルイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール塩酸塩、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト等を例示することができ、これらは1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
用いるイミダゾール類の量は、触媒量以上であれば特に制限されず、用いられるトリアルコキシシランに含まれるエポキシ基1モルに対して、0.001〜1.0モルの範囲が好ましく、0.001〜0.5モル、又は0.01〜0.1モルの範囲がさらに好ましい。
(酸)
本発明においては、必要に応じて、加水分解工程に、さらに酸を共存させて該工程を行うのが好ましい。
用いられる酸として具体的には、有機酸、鉱酸等を例示することができ、さらに具体的には、有機酸としては酢酸、ギ酸、シュウ酸、炭酸、フタル酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等、鉱酸としては、塩酸、硝酸、ホウ酸、ホウフッ化水素酸等を例示することができ、なかでも20℃でのpKaが2.0〜6.0の範囲の有機酸を用いるのが好ましい。そのような有機酸として、具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、イソカプロン酸、クロロ酢酸、フルオロ酢酸、ブロモ酢酸、3−クロロプロピオン酸、2−ブロモプロピオン酸、2−ヒドロキシ酪酸、フェニル酢酸、フェニルプロピオン酸、4−フェニル酪酸、フェノキシ酢酸、シアノ酢酸、シュウ酸、マロン酸、2,2−ジメチルマロン酸、アジピン酸、コハク酸、ピメリン酸、フタル酸、グルタル酸、オキザロ酢酸、クエン酸、イソクエン酸、シクロヘキサン−1,1−ジカルボン酸、酒石酸、o−、m−、p−アニス酸、安息香酸、o−クロロ安息香酸、m−フルオロ安息香酸、2,3−ジフルオロ安息香酸、o−、m−、p−ニトロ安息香酸、m−、p−アミノ安息香酸、サリチル酸、フタル酸、イロフタル酸、trans−ケイ皮酸、2−フランカルボン酸、グリオキシル酸、グルコール酸、クロトン酸、乳酸、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸、ピルビン酸、マンデル酸、リンゴ酸、レブリン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、ニコチン酸等を例示することができる。用いる酸の量は、特に制限されないが、用いられるポリアミン類またはイミダゾール類1モルに対して、0.3〜1.2モルの範囲が好ましく、0.5〜1.0モル、又は0.6〜0.9モルの範囲がさらに好ましい。
0.3モルより少ない場合には、組成物の保存安定性が低下する場合があり、1.2モルよりも大きい場合には、十分な硬度の塗膜を形成できない場合がある。
(溶媒)
本発明の製造方法において、必要に応じて有機溶媒を用いることができ、そのような溶媒として、溶液の均一性、安定性等をある程度保持できる溶媒であれば、特に限定されないが、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、イソペンタノール、s−ペンタノール、t−ペンタノール、ネオペンタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−アセトキシエタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロピラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類;酢酸メチル、エチレングリコールモノアセテート等のエステル類;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等のアミド類等を例示することができ、中でも炭素数1〜5のアルコールが好ましい。これらは1種単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。炭素数1〜5のアルコールは、適当な炭素上にハロゲン原子等の置換基を有していてもよく、そのようなアルコールとして、具体的には、パーフルオロエタノール、パーフルオロペンタノール等を例示することができる。
これらは1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。作業環境、及び塗膜への残留を少なくする等を考慮した場合、炭素数3以下のアルコールが好ましく、イソプロパノール、n−プロパノール等を特に好ましく例示することができる。加水分解縮合物の保存安定性を考慮した場合には、n−ペンタノールを用いるのが好ましい。
その他の溶媒として、水を用いるのが好ましく、その場合、用いる有機溶媒は、水に溶解する有機溶媒が好ましい。また、水と有機溶媒の比率は、おのおの必要な量を用いた上で、均一な溶液になる量比が好ましい。炭素数3以下のアルコール等の水に比較的良く溶解する有機溶媒を用いた場合には、水と有機溶媒の質量比(水/有機溶媒)は、30/70〜95/5の範囲が好ましく、50/50〜90/10、60/40〜80/20、または65/35〜75/25の範囲がさらに好ましい。
また、炭素数4以上のアルコール等の水に比較的溶解しにくい有機溶媒を用いた場合に、有機溶媒に対する水の溶解度が低いために、使用する水の量は、トリアルコキシシランの加水分解に必要な量以上、溶液が均一になる範囲の量で使用するのが好ましい。
用いる溶媒量は、特に制限されないが、本発明の製造方法によって作られた加水分解縮合物を含む組成物を用いた塗膜の外観、該組成物の塗工性、硬化性、該組成物を用いた塗膜の性質、該組成物または加水分解縮合物の保存安定性等を考慮して、反応液中の固形分濃度が0.5〜50質量%の範囲になる量を用いるのが好ましく、1.0〜30質量%、1.0〜20質量%、1.0〜10質量%、1.5〜5.0質量%、または1.8〜3質量%の範囲がさらに好ましい。
(製造条件)
本発明では、エポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物と、水、及び水素原子が1以上結合しているアミノ基もしくはイミノ基を2以上1分子内に有するポリアミン類、またはイミダゾール類、必要に応じて酸、有機溶媒を混合、撹拌してエポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物を製造するが、その混合順序、及び撹拌速度は特に限定されず、任意の順序、または任意の速度を設定できる。混合時及び撹拌時の温度は、特に限定されず、室温から、用いる溶媒の沸点の範囲で行うのが好ましく、室温で行うのがさらに好ましい。室温とは、この場合、混合撹拌を行う場所での外気温度になるが、15〜35℃の範囲の温度が好ましい。
エポキシ基含有トリアルコキシシランと、水、及び、水素原子が1以上結合しているアミノ基もしくはイミノ基を2以上1分子内に有するポリアミン類、またはイミダゾールすべてが共存している状態で、室温で2時間から3時間撹拌するのが好ましい。
加水分解後、必要ならば、有機溶媒や水で希釈する。
本発明の製造方法で得られた加水分解縮合物を含む組成物の固形分濃度は、特に限定されないが、0.5〜50質量%の範囲で使用するのが好ましく、1.0〜30質量%、1.0〜20質量%、1.0〜10質量%、1.5〜5.0質量%、又は1.8〜3.0質量%の範囲がさらに好ましい。0.5質量%より小さい場合には、膜を均質に成膜するのが困難な場合があり、50質量%より大きい場合には、組成物の安定性、塗膜の透明性、外観、または塗工性等に問題が生じる場合がある。固形分濃度は、最初から所定の固形分濃度に調整してもよく、濃い状態で組成物を調製した後、希釈して所定の固形分濃度に調整することもできる。
(2)組成物
本発明の組成物は、本発明の製造方法またはその他の方法により得られるエポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物(A)、(B)及び(C)を含有する組成物を包含する。
(A)エポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物
(B)ポリアミン類、及び
(C)
(C−1)n−ペンタノール、又は
(C−2)20℃におけるpKaが2.0〜6.0の範囲の有機酸又はパーフルオロアルキル基及び/若しくはパーフルオロアルキレン基を有する炭素数2〜5のアルコール類
以下に、成分(A)、(B)及び(C)を含有する組成物について詳述する。
(エポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物)
組成物中のエポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物等の固形分濃度は、特に制限されないが、1〜50質量%の範囲が好ましく、1〜10質量%、または1.5〜3質量%の範囲がさらに好ましい。
固形分濃度は、最初から所定の固形分濃度に調整してもよく、濃い状態で組成物を調製した後、希釈して所定の固形分濃度に調整することもできる。
成分(A)のエポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物の製造方法は、好ましくは、(1)において前述した本発明の製造方法を例示することができるが、それ以外に、具体的には、エポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物に水、必要に応じてシラノール縮合触媒を添加し、5〜100℃、好ましくは20〜60℃において、1分〜10日、好ましくは30分〜24時間反応させる方法等を例示することができる。
エポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物に水、必要に応じてシラノール縮合触媒を添加する方法において、原料であるエポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物は、本発明の製造方法の項で示したものと同様のものを用いることができる。また、本発明の製造方法の部分で記載したのと同様に、テトラアルコキシシラン、エポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物以外のトリアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、またはそれらの部分加水分解縮合物を共存させて製造することもできる。
水の量は、用いられるエポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物がある程度加水分解縮合できるだけの量以上であれば、特に制限されず、具体的には、用いるトリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物1モルに対して、0.5モル以上が好ましく、1.0モル以上、2.0モル以上、5.0モル以上、または10モル以上がさらに好ましい。
シラノール縮合触媒の使用量は、特に制限はされないが、原料であるエポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物中の全て未縮合として換算したトリアルコキシシリル基の量に対して、モル比(シラノール触媒/当該シリル基)で、0.001〜1.0の範囲が好ましく、0.01〜1.0、又は0.1〜0.5の範囲がさらに好ましい。
シラノール縮合触媒としては、エポキシ基含有トリアルコキシシランのアルコキシ基を加水分解し、シラノールを縮合してシロキサン結合とするものであれば特に制限されず、具体的には、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジエチルヘキサノエート、ジブチル錫ジオクテート、ジブチル錫ジメチルマレート、ジブチル錫ジエチルマレート、ジブチル錫ジブチルマレート、ジブチル錫ジイソオクチルマレート、ジブチル錫ジトリデシルマレート、ジブチル錫ジベンジルマレート、ジブチル錫マレエート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジエチルマレート、ジオクチル錫ジイソオクチルマレート等のジアルキル錫ジカルボキシレート類、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫ジフェノキシド等のジアルキル錫アルコキサイド類、ジブチル錫ジアセチルアセトナート、ジブチル錫ジエチルアセトアセテートなどのジアルキル錫キレート類、ジブチル錫オキサイドやジオクチル錫オキサイド等のジアルキル錫オキサイドとジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレート、メチルマレエート等のエステル化合物との反応物、ジアルキル錫オキサイド、カルボン酸およびアルコール化合物を反応させて得られる錫化合物、ジブチル錫ビストリエトキシシリケート、ジオクチル錫ビストリエトキシシリケート等のジアルキル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、およびこれらジアルキル錫化合物のオキシ誘導体(スタノキサン化合物)等の4価の錫化合物類、オクチル酸錫、ナフテン酸錫、ステアリン酸錫、フェルザチック酸錫等の2価の錫化合物類、あるいはこれらと後述のラウリルアミン等のアミン系化合物との反応物および混合物、モノブチル錫トリスオクトエートやモノブチル錫トリイソプロポキシド等のモノブチル錫化合物やモノオクチル錫化合物等のモノアルキル錫類、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、イソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)等のチタン酸エステル類、アルミニウムトリスアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジ−イソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類、カルボン酸ビスマス、カルボン酸鉄、カルボン酸チタニウム、カルボン酸鉛、カルボン酸バナジウム、カルボン酸ジルコニウム、カルボン酸カルシウム、カルボン酸カリウム、カルボン酸バリウム、カルボン酸マンガン、カルボン酸セリウム、カルボン酸ニッケル、カルボン酸コバルト、カルボン酸亜鉛、カルボン酸アルミニウム等のカルボン酸(2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、バーサチック酸、オレイン酸、ナフテン酸等)金属塩、あるいはこれらと後述のラウリルアミン等のアミン系化合物との反応物および混合物、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトナート、ジブトキシジルコニウムジアセチルアセトナート、ジルコニウムアセチルアセトナートビス(エチルアセトアセテート、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン等の脂肪族第一アミン類、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ジデシルアミン、ジラウリルアミン、ジセチルアミン、ジステアリルアミン、メチルステアリルアミン、エチルステアリルアミン、ブチルステアリルアミン等の脂肪族第二アミン類、トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン等の脂肪族第三アミン類、トリアリルアミン、オレイルアミン、などの脂肪族不飽和アミン類、ラウリルアニリン、ステアリルアニリン、トリフェニルアミン等の芳香族アミン類、および、その他のアミン類として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン(DBU)等のアミン系化合物、あるいはこれらのアミン系化合物のカルボン酸等との塩、ラウリルアミンとオクチル酸錫の反応物あるいは混合物のようなアミン系化合物と有機錫化合物との反応物および混合物、過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量ポリアミド樹脂、過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等を例示することができる。また、これらを変性した誘導体である、アミノ変性シリルポリマー、シリル化アミノポリマー、不飽和アミノシラン錯体、フェニルアミノ長鎖アルキルシラン、アミノシリル化シリコーン等のアミノ基を有するシランカップリング剤等のシラノール縮合触媒、さらにはフェルザチック酸等の脂肪酸や有機酸性リン酸エステル化合物等他の酸性触媒、塩基性触媒等の公知のシラノール縮合触媒等が例示できる。
酸性触媒の有機酸性リン酸エステル化合物として、具体的には、(CHO)P(=O)(OH)、(CHO)P(=O)(OH)、(CO)P(=O)(OH)、(CO)P(=O)(OH)、(CO)P(=O)(OH)、(C3H7O)P(=O)(OH)、(CO)P(=O)(OH)、(CO)P(=O)(OH)、(C17O)P(=O)(OH)、(C17O)P(=O)(OH)、(C1021O)2P(=O)(OH)、(C1021O)P(=O)(OH)、(C1327O)P(=O)(OH)、(C1327O)P(=O)(OH)、(C1633O)P(=O)(OH)、(C1633O)P(=O)(OH)、(HOC12O)P(=O)(OH)、(HOC12O)P(=O)(OH)、(HOC16O)P(=O)(OH)、(HOC O)P(=O)(OH)、[(HOCHCH(OH)O]P(=O)(OH)、[(HOCHCH(OH)O]P(=O)(OH)、[(HOCHCH(OH)C O]P(=O)(OH)、[(HOCHCH(OH)CO]P(=O)(OH)等を例示することができる。
また、シラノール縮合触媒として光酸発生剤を使用することもできる。光酸発生剤として、具体的には、テトラフルオロボレート(BF )、ヘキサフルオロホスフェート(PF )、フルオロアルキルホスフェート(PFm(RF)6-m (RFはフッ素化アルキル基を表す。mは0〜5の整数を示す。))、ヘキサフルオロアンチモネート(SbF )、ヘキサフルオロアルセネート(AsF )、ヘキサクロルアンチモネート(SbCl )、テトラフェニルボレート、テトラキス(トリフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロメチルフェニル)ボレート、過塩素酸イオン(ClO )、トリフルオロメタンスルフォン酸イオン(CFSO )、フルオロスルフォン酸イオン(FSO )、トルエンスルフォン酸イオン、トリニトロベンゼンスルフォン酸アニオン、トリニトロトルエンスルフォン酸アニオン等のアニオンを有するスルホニウム塩又はヨードニウム塩を使用することができる。
シラノール縮合触媒は1種単独、又は、2種以上の組合せで使用することができる。
本発明の組成物においては、エポキシ基含有トリアルコキシシランの硬化剤または硬化促進剤としてポリアミン類、又はイミダゾール類を用いることから、シラノール縮合触媒としても、ポリアミン類、イミダゾール類を用いるのが好ましい。ポリアミン類、及びイミダゾール類の詳細については、本発明の製造方法の部分で前述した通りである。
本発明において使用されるエポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物の動的光散乱法で測定したz−平均粒子径は、膜の硬度や、塗工時の塗りムラ等の観点から、5〜50nmの範囲が好ましく、5〜30nmがさらに好ましい。50nmより大きい場合、可使時間が短く、保存安定性に問題があったり、塗工後に塗り斑が生じる場合あり、5nmより小さい場合には、本組成物から得られる塗膜の硬度が不十分となる場合がある。
(ポリアミン類及び他の硬化剤または硬化促進剤)
本発明の組成物には、特定のポリアミン類を含有する。ポリアミン類としては、上記(1)の製造方法において示したポリアミン類を例示することができる。その使用量についても、前記(1)の製造方法において記載された通りである。
さらに、必要に応じてこれら以外の硬化剤または硬化促進剤を添加することができる。
具体的には、上記(1)の製造方法において示したイミダゾール類;
ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ペンタンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ペンタメチルジエチレントリアミン、アルキル−t−モノアミン、1,4−ジアザビシクロ(2,2,2)オクタン(トリエチレンジアミン)、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、ジメチルアミノヘキサノール等の脂肪族アミン系、ピペリジン、ピペラジン、メンタンジアミン、イソホロンジアミン、メチルモルホリン、エチルモルホリン、N,N’,N”−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−s−トリアジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキシスピロ(5,5)ウンデカンアダクト、N−アミノエチルピペラジン、トリメチルアミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、N,N’−ジメチルピペラジン、1,8−ジアザビシクロ(4,5,0)ウンデセン−7等の脂環式や複素環式アミン系、ベンジルメチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ピリジン、ピコリン等の芳香族アミン系、エポキシ化合物付加ポリアミン、マイケル付加ポリアミン、マンニッヒ付加ポリアミン、チオ尿素付加ポリアミン、ケトン封鎖ポリアミン等の変性アミン系、ジシアンジアミド、グアニジン、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル、アミンイミド、三フッ化ホウ素−ピペリジン錯体、三フッ化ホウ素−モノエチルアミン錯体等のその他のアミン系等のアミン系化合物;
2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾリン系化合物;
ダイマー酸とポリアミンとの縮合により得られるポリアミド等のアミド系化合物;
カルボン酸のアリール及びチオアリールエステル等の活性カルボニル化合物;
フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ポリオール、ポリメルカプタン、ポリサルファイド、2−(ジメチルアミノメチルフェノール)、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールのトリ−2−エチルヘキシル塩酸塩等のフェノール、アルコール系、チオール系、エーテル系、又はチオエーテル系化合物;
ブチル化尿素、ブチル化メラミン、ブチル化チオ尿素、三フッ化ホウ素等の尿素系、チオ尿素系、又はルイス酸系化合物;
エチルホスフィン、ブチルホスフィン等のアルキルホスフィン、フェニルホスフィン等の第1ホスフィン、ジメチルホスフィン、ジプロピルホスフィン等のジアルキルホスフィン、ジフェニルホスフィン、メチルエチルホスフィン等の第2ホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン等の第3ホスフィン等のリン系化合物;
無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、テトラメチレン無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水クロレンド酸、無水ピロメリット酸、ドデセニル無水コハク酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物等の酸無水物系化合物;
アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリフェニルシラノール−アルミニウム錯体、トリフェニルメトキシシラン−アルミニウム錯体、シリルペルオキシド−アルミニウム錯体、トリフェニルシラノール−トリス(サリシルアルデヒダート)アルミニウム錯体等のオニウム塩系、または活性ケイ素化合物−アルミニウム錯体系化合物等を例示することができる。
(有機酸)
本発明の組成物に用いられる有機酸は、25℃におけるpKaが、2.0〜6.0の範囲、好ましくは、3.0〜5.0の範囲の有機酸であれば、特に制限されず、具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、イソカプロン酸、クロロ酢酸、フルオロ酢酸、ブロモ酢酸、3−クロロプロピオン酸、2−ブロモプロピオン酸、2−ヒドロキシ酪酸、フェニル酢酸、フェニルプロピオン酸、4−フェニル酪酸、フェノキシ酢酸、シアノ酢酸、シュウ酸、マロン酸、2,2−ジメチルマロン酸、アジピン酸、コハク酸、ピメリン酸、フタル酸、グルタル酸、オキザロ酢酸、クエン酸、イソクエン酸、シクロヘキサン−1,1−ジカルボン酸、酒石酸、o−、m−、p−アニス酸、安息香酸、o−クロロ安息香酸、m−フルオロ安息香酸、2,3−ジフルオロ安息香酸、o−、m−、p−ニトロ安息香酸、m−、p−アミノ安息香酸、サリチル酸、フタル酸、イロフタル酸、trans−ケイ皮酸、2−フランカルボン酸、グリオキシル酸、グルコール酸、クロトン酸、乳酸、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸、ピルビン酸、マンデル酸、リンゴ酸、レブリン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、ニコチン酸等を例示することができ、中でも、脂肪族モノカルボン酸、または置換または無置換安息香酸を好ましく例示することができる。
用いる酸の量は、特に制限されないが、用いられるポリアミン類1モルに対して、0.3〜1.2モルの範囲が好ましく、0.5〜1.0モル、又は0.6〜0.9モルの範囲がさらに好ましい。
0.3モルより少ない場合には、組成物の保存安定性が低下する場合があり、1.2モルよりも大きい場合には、十分な硬度の塗膜を形成できない場合がある。
(パーフルオロアルキル基及び/又はパーフルオロアルキレン基を有する炭素数2〜5のアルコール類)
本発明の組成物に使用されるパーフルオロアルキル基及び/若しくはパーフルオロアルキレン基を有する炭素数2〜5のアルコール類として、具体的には、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエタノール、3,3,3−トリフルオロ−1−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロ−1−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2−トリフルオロメチル−2−プロパノール、2−メチル−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノール、ノナフルオロ−t−ブタノール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール等を例示することができる。
本組成物中のフルオロアルコールの使用量は、特に制限されないが、組成物全体の30質量%以上が好ましく、40質量%以上がさらに好ましい。30質量%より小さい場合には、組成物の長期保存安定性が低下する場合がある。
(有機溶媒)
本発明の組成物は、組成物中の固形分濃度を調製するために、有機溶媒を用いることができ、そのような溶媒として、溶液の均一性、安定性等を保持できる溶媒であれば、特に限定されないが、具体的には、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロピラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン等のケトン類、酢酸メチル、エチレングリコールモノアセテート等のエステル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等のアミド類等を例示することができ、中でも炭素数1〜5のアルコールが好ましい。これらは1種単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
その他の溶媒とし、水を用いるのが好ましく、その場合、用いる有機溶媒は、水に溶解する有機溶媒が好ましい。また、水と有機溶媒の比率は、おのおの必要な量を用いた上で、組成物として均一な溶液になる量比であれば特に制限されない。炭素数3以下のアルコール等の水に比較的良く溶解する有機溶媒を用いた場合には、水と有機溶媒の質量比(水/有機溶媒)は、30/70〜95/5の範囲が好ましく、50/50〜90/10、60/40〜80/20、または65/35〜75/25の範囲がさらに好ましい。
また、炭素数4以上のアルコール等の水に比較的溶解しにくい有機溶媒を用いた場合に、有機溶媒に対する水の溶解度が低いために、使用する水の量は、トリアルコキシシランの加水分解に必要な量以上、組成物が均一になる範囲の量で使用するのが好ましい。
(配合割合)
本発明の組成物中の固形分濃度は、特に制限されないが、塗膜の外観、塗工性、硬化性、塗膜の性質、組成物の保存安定性等を考慮して、0.5〜50質量%の範囲になる量を用いるのが好ましく、1.0〜30質量%、1.0〜20質量%、1.0〜10質量%、1.5〜5.0質量%、または1.8〜3質量%の範囲がさらに好ましい。0.5質量%より小さい場合には、膜を均質に成膜するのが困難な場合があり、50質量%より大きい場合には、組成物の安定性、塗膜の透明性、外観、または塗工性等に問題が生じる場合がある。
有機溶媒、及び水の使用量は、上記固形分濃度に調製できる範囲で併用するフルオロアルコール類の量も考慮して適宜定めることができる。
(その他の配合成分)
本発明の組成物には、その用途に応じて、他の成分を添加することができ、具体的には、コロイド状シリカやコロイド状アルミナ等の無機微粒子、各種界面活性剤、染料、顔料、分散材、撥水材、増粘材、香料、抗菌性成分等を例示することができる。
(組成物の製造条件)
本発明の組成物の製造方法は、特に制限されないが、具体的には、以下の方法等を例示することができる。
i)エポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物、シラノール縮合触媒、水と必要に応じて有機溶媒(n−ペンタノールを含む)を室温で混合、撹拌し、次いで、ポリアミン類、必要に応じて有機酸またはフルオロアルコール類を加え、有機溶媒(n−ペンタノールを含む)と必要に応じて水で希釈する。
ii)エポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物、水、有機溶媒(n−ペンタノールを含む)、ポリアミン類を室温で混合、撹拌し、さらに必要に応じて有機酸またはフルオロアルコール類を添加し、さらに有機溶媒(n−ペンタノールを含む)と必要に応じて水で希釈する。
iii)エポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物、水、溶媒としてのアルコール(n−ペンタノールを含む)、ポリアミン類、必要に応じて有機酸またはフルオロアルコール類を室温で混合、撹拌し、さらに有機溶媒(n−ペンタノールを含む)と必要に応じて水で希釈する。
iv)エポキシ基含有トリアルコキシシラン、水、溶媒としてのアルコール(n−ペンタノールを含む)、ポリアミン類、必要に応じて有機酸またはフルオロアルコール類を室温で混合、撹拌する。
撹拌温度は、特に制限されないが、室温〜用いる溶媒の沸点温度の範囲が好ましく、室温で行うのが、さらに好ましい。この場合、室温とは、撹拌を行っている場所の外気温になるが、15〜35℃の範囲が好ましい。
(3)本発明の組成物の使用の態様
本発明の組成物は、対象物である基材の表面に刷毛、スプレー、ディッピング、スピンコート、バーコート、グラビア印刷等の公知のあらゆる塗装手段により塗膜を形成することができる。乾燥は、室温乾燥及び/又は加熱により行うことができる。具体的には20℃〜250℃、好ましくは20℃〜150℃で、10秒〜24時間、好ましくは30秒〜10時間程度行なう。
得られる薄膜は、特に制限されないが、10nmを超え、5μm以下であることが好ましい。
本発明の組成物を処理する基材としては、処理が可能であれば特に制限されず、具体的には、鉄、ステンレス、銅、アルミニウム及びその他の金属、セラミックス、セメント、ガラス、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、液晶ポリマー樹脂、ポリエーテルスルフォン等の樹脂基材等を例示することができ、他のコーティング材で表面がコーティングされていてもよい。これらの中でも特に樹脂基材や金属基材が好ましい。
本発明の組成物から得られた薄膜上に、さらに撥水層や金属界面活性剤の加水分解縮合物を含有する層、または自己組織化単分子膜等を積層することができる。
本発明の組成物は、例えば、熱交換器、熱交換器用フィン、建築材料、屋根、窓ガラス、風防ガラス、各種ミラー、プラスチックレンズ、レンズ、タイヤ、ゴム、磁気記録媒体、半導体材料表面等への処理、降雪地帯のアンテナ、鉄塔、電気通信施設、道路交通標識、信号機等への処理、船舶と水との摩擦抵抗の低減化、車両・航空機のボデイの汚れ付着防止、各種金属材料表面や電池材料等の電極の腐食防止、魚網表面への処理、シーラント、耐火防水シール剤、カーワックス等への添加などに使用することができる。また、本発明の組成物を処理した樹脂基板は、その表面が硬質化されていることから、自動車のフロントガラス等の従来ガラスが使用されていた用途の代替品として使用することも可能である。
以下に、実施例を記載するが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定されない。
[実施例1]
1.コーティング組成物の調製
1.25gの水に分散させた0.54gの2−メチルイミダゾールに酢酸0.44gを加え、溶解させた。得られた水溶液に、16.5gの3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS)を加え、室温で2時間の撹拌を行なった。10.0gの縮合反応液を40.0gのソルミックス(登録商標)(AP−7、日本アルコール販売株式会社製)で希釈し、固形分20wt%のコーティング組成物(A−1)を得た。
2.コーティング組成物の成膜および撥液処理
ポリカーボネート(PC)樹脂基板上にコーティング用組成物(A−1)の成膜を行った。まず、PC樹脂基板に、調製したコーティング用組成物(A−1)をディップコートした。コートした基板はオーブン内で乾燥し(120℃、20min)、コーティング用組成物処理基板(B−1)を得た。得られた処理後基板にフッ素系のガラス表面撥液処理剤超ガラコ(登録商標)(ソフト99社製)を塗工し、下地膜‐撥液処理PC樹脂基板(C−1)を得た。
3.撥液性の評価
得られた(C−1)の静的接触角を接触角測定器(Drop Master 700、協和界面科学社製)を用いて測定を行った。その結果を表1に示す。比較のために超ガラコ(登録商標)を処理したソーダ石灰ガラス(SLG)基板(cC−1)を作成し、同様に、静的接触角測定を行なった。
Figure 2014119282
その結果、本発明のコーティング組成物を用いることで、PC樹脂基板上にも、ソーダライムガラス基板上と同様の撥水性膜を形成することができることがわかった。
4.X線光電子分光法(ESCA)による測定
コーティング用組成物処理基板(B−1)について、X線光電子分光装置(QuanteraII、アルバック・ファイ社製)による測定を実施した。1kVのスパッタ条件で100サイクル行い、約200nmの深さまで測定した。測定結果を図1に示す。図1から、確かにSi成分に富んだ、ガラスライクな無機膜が形成されていることが分かった。
5.碁盤目試験
(B−1)の碁盤目剥離試験をJIS K−5400(1999年)に記載された碁盤目テープ剥離試験法に準じて行った。PC樹脂基板上のコーティング膜を1mm×1mmの碁盤目状にクロスカットし、透明粘着テープを用いて剥離試験を行なった。各碁盤目のコーティング膜について、光学顕微鏡により評価したところ、全く剥離は観測されなかった(非剥離数/試験数 = 100/100)。その結果、PC樹脂基板とコーティング膜が良く密着していることがわかった。
[実施例2]
1.コーティング用組成物の調製
実施例1と同様の方法でコーティング用組成物(A−1)を得た。
2.SUS304鏡面板およびCu鏡面板への成膜
得られたコーティング用組成物(A−1)を用いて、SUS304鏡面板およびCu鏡面板に成膜を行った。まず、SUS304鏡面板およびCu鏡面板に、調製したコーティング用組成物(A−1)をディップコートした。コートした基板はオーブン内で加熱硬化し(200℃、20min)、処理基板(B−2)、及び(B−3)を得た。加熱処理後のCu鏡面板を目視で評価したところ、未処理品は錆びにより鏡面が失われているが、コーティング用組成物処理品(B−3)は加熱前と変化が見られず、鏡面が維持されていた。
3.ヒートサイクル試験
(B−2)、(B−3)のヒートサイクル試験を行なった。試験は熱風乾燥機(LC−234、Espec社製)を用いた。2時間で25℃から200℃をサイクルするように設定し、処理基板を入れ、5周のヒートサイクル試験を行った。(B−2)及び(B−3)とも、目視により、試験後にクラックや剥がれがないことを確認した。
[実施例3]
1.コーティング組成物の調製
2.0gのGPTMS、0.5gのジエチレントリアミン、0.3gの水および8.0gのn−ペンタノールを混合し、室温で2時間撹拌した。1.0gの反応溶液を9.0gのn−ペンタノールで希釈し、固形分の質量濃度換算で2%のコーティング組成物(A−2)を調製した。コーティング用組成物中のGPTMSの加水分解縮合物の平均粒径を粒度分布計(ゼーターサイザーナノ、マルバーン社製:測定条件;溶液粘度 3.31、粒子の屈折率 1.50)により測定したところ、コーティング組成物調製1日後の粒径は11nmであった。
2.PC樹脂基板への成膜
PC樹脂基板(80×80mm)を水、炭化水素系洗浄剤(NSクリーン100、JX日鉱日石エネルギー社製)およびイソプロパノール中で超音波による洗浄を各10分間ずつ行った。洗浄後PC樹脂基板に、調製したコーティング用組成物(A−2)約0.5mlをドロップし、キムワイプで均一に塗り延ばしたのち、25℃に温度管理されたキャビネット内で8時間静置して、処理基板(B−4)を得た。同様の基板上に同様にコーティング組成物(A−2)を塗り伸ばしたのちに、オーブン内で120℃で20分間加熱して、処理基板(B−5)を得た。得られた(B−4)及び(B−5)について、表面硬度計(ピコデンター、フィッシャー社製:測定条件;最大負荷 0.5mN、クリープ速度 20sec)を用いてビッカース硬さ(HV、単位N/mm)、およびマルテンス硬さ(HM、単位N/mm)の測定を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2014119282
[実施例4]
1 コーティング組成物の調製
GPTMS、ジエチレントリアミンを用いて、実施例3と同様の方法でコーティング組成物(A−2)を調製した。
2 基板上への成膜
約0.5mlのコーティング組成物(A−2)をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にドロップし、キムワイプで均一になるように塗り延ばした。オーブンにて120℃で20分間の加熱を行い、コーティング組成物処理PETフィルム(B−6)を得た。
同液を同様の手法によりSUS304鏡面板に塗り延ばしたのち、オーブンにて200℃で20分間の加熱を行い、コーティング組成物処理SUS304鏡面板(B−7)を得た。
3 自己組織化単分子膜(SAM)処理基板の作成
得られた両基板(B−6),(B−7)について、コーティング膜上を10分間のUVオゾン処理(約12,000mJ/cm)した後、SAM形成溶液(SAMLAY(登録商標)、日本曹達社製)に5分間、浸漬し、その後、その表面を炭化水素系洗浄剤(NSクリーン100、JX日鉱日石エネルギー社製)中で超音波洗浄し、SAM処理基板(C−2)、(C−3)を得た。それぞれの基板について前記と同様の方法で静的接触角測定を行った。その結果を表3に示す。
Figure 2014119282
水、TD共にSAMの典型的な接触角が観測された。
[実施例5]
2.0gのGPTMS、0.5gのジエチレントリアミン、0.22g(GPTMSに対して2モル当量)の水および8.0gのn−ペンタノールを混合し、室温で2時間撹拌し、さらに90gのn−ペンタノールで希釈し、固形分の質量濃度換算で2.5%のコーティング組成物(A−3)を調製した。コーティング用組成物中のGPTMSの加水分解縮合物の平均粒径を粒度分布計(ゼーターサイザーナノ、マルバーン社製:測定条件;溶液粘度を主溶剤であるn−ペンタノールの粘度に設定、粒子の屈折率 1.50)により測定したところ、コーティング組成物調製1日後の粒径は11nmであった。
n−ペンタノールの代わりに、イソプロパノール、メタノール、エタノール、n−ブタノールを用いて上記方法と同様の方法で、コーティング組成物(A−31)〜(A−34)を調製した。
(A−3)及び(A−31)〜(A−34)を密栓した瓶にいれ、25℃で保存し、前記粒度分布計(測定条件は、n−ペンタノールの場合と同様、各主溶剤の粘度に設定、粒子の屈折率は先と同様)で各組成物中のz−平均粒子径の経時変化を測定した。その結果を図2に示す。
図2より、n−ペンタノールを用いた場合に、保存安定性が最もよくなることがわかった。
[実施例6](GPTMSの加水分解縮合物の組成物中のz−平均粒子径による効果の確認)
2.0gのGPTMS、0.5gのジエチレントリアミン、0.22gの水および8.0gのn−ペンタノールを混合した後、室温で撹拌し、コーティング組成物を調製した。混合直後にサンプリングし、n−ペンタノールで10倍に希釈し、粒度分布計(ゼーターサイザーナノ、マルバーン社製:測定条件;実施例3と同様)でz−平均粒子径を測定した。残りのコーティング組成物は室温で1時間、8時間、1日、2日および3日の撹拌の後にサンプリングを行い、同様の条件で希釈し、z−平均粒子径を測定した。
水、炭化水素系洗浄剤(NSクリーン100、JX日鉱日石エネルギー社製)およびイソプロパノール中で超音波による洗浄を各10分間ずつ行ったPC樹脂基板(80×80mm)に、サンプリングした各コーティング用組成物約0.5mlドロップし、キムワイプで均一に塗り延ばしたのち、120℃のオーブンで10分間の加熱硬化を行い、処理基板を得、目視にて塗りムラの有無を確認した(外観評価)。塗りムラがない場合を○判定、塗りムラがある場合を×判定とした。また、得られた成膜をキムワイプで10回軽く擦り、目視にて傷の有無を確認した(ラビング試験)。傷がない場合を○判定、傷がある場合を×判定とした。その結果を表4に示す。
Figure 2014119282
以上のことから、平均粒径が5nm以下では、十分な硬度の膜が得られず、平均粒径50nm以上では、塗膜の塗工性が悪く、塗り斑がところどころに見られることがわかった。
[実施例7]アルコール類と水の比率による保存安定性の差
2.0gのGPTMS、0.5gのジエチレントリアミン、水とイソプロパノール(IPA)の質量比(水/IPA)が5/2である混合溶媒8.0gを混合し、室温で2時間撹拌し、さらに水/IPAの質量比が5/2の混合溶媒90gで希釈して固形分の質量濃度換算で2.5%のコーティング組成物(A−4)を調製した。
2.0gのGPTMS、0.5gのジエチレントリアミン、水とイソプロパノール(IPA)の質量比(水/IPA)が5/2である混合溶媒8.0gを混合し、室温で2時間撹拌し、IPA90gで希釈して固形分の質量濃度換算で2.5%のコーティング組成物(A−41)を調製した。
(A−4)及び(A−41)を密栓した瓶に入れ、25℃で保存し、組成物中の固形分のz−平均粒径を粒度分布計(ゼーターサイザーナノ、マルバーン社製:測定条件;実施例3と同様)により測定し、その経時変化を測定した。その結果を図3に示す。
[実施例8]
2.0gのGPTMS、0.5gのジエチレントリアミン、水とイソプロパノール(IPA)の質量比(水/IPA)が5/2である混合溶媒8.0gを混合し、室温で2時間撹拌し、さらに、2,2,2−トリフルオロエタノール(TFE)を16g、32g、48g、または0.5g、1.0g、2.0gの1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(HFIP)を加え、さらに水/IPA質量比が5/2の混合溶媒で、組成物全体が100gになるように希釈してコーティング組成物(A−51)〜(A−56)を調製した。また、TFE及びHFIPを添加しない以外上記方法と同じ方法で調製し、コーティング組成物(A−50)を得た。
(A−50)〜(A−54)を密栓した瓶に入れ、25℃で保存し、組成物中の固形分のz−平均粒径を粒度分布計(ゼーターサイザーナノ、マルバーン社製:測定条件;実施例3と同様)により測定し、その経時変化を測定した。その結果を図4に示す。
以上のことから、長期保存するためには、TFEを組成物全体の30質量%以上用いるのが好ましいことがわかった。また、HFIPを少量添加した場合であっても、ある程度の保存安定性が確保できることがわかった。
[実施例9]
1.コーティング組成物の調製
2.0gのGPTMS、0.5gのジエチレントリアミン、0.5gの安息香酸、70.0gの水および28.0gのIPAを混合した後、室温で2時間撹拌し、固形分の質量濃度換算で3%のコーティング組成物(A−6)を調製した。コーティング用組成物中の固形分の平均粒径を粒度分布計(ゼーターサイザーナノ、マルバーン社製)により測定したところ、コーティング組成物調製1日後の粒径は8.5nmであった。
2.PC樹脂基板への成膜
PC樹脂基板(80×80mm)を水、炭化水素系溶媒(NSクリーン100)およびIPA中で超音波による洗浄を各10分間行った。洗浄後PC樹脂基板に、調製したコーティング用組成物を、バーコードを用いて成膜し、100℃に温度管理された循環型オーブン内で10分間の加熱乾燥を行い、コーティング組成物(A−6)から形成された塗膜の膜厚が約50nmの処理基板(B−8)を得た。
3.処理基板(B−8)の濁度及び色彩評価
色彩・濁度測定器(COH400、日本電子工業株式会社製)を用いて、(B−8)のヘイズ率、及びL値、a値、b値をそれぞれ求めた。比較のために、無処理のPC樹脂基板も同様に測定した。その結果を表5に表す。
Figure 2014119282
以上のことから、本発明の塗膜は、無色、透明な塗膜であることがわかった。
4.各種基材への密着性評価
各種基材を用いて、表5に示す条件でコーティング組成物(A−6)を用いて処理した基板を、JIS K5400(1999年)に記載の碁盤目テープ剥離試験に準じた方法で、試験を行った。その結果を表6に示す。
Figure 2014119282
以上のことより、無機、有機、金属問わず、あらゆる基材に対して密着性の優れた塗膜を形成することができることがわかった。
5.X線光電子分光法(ESCA)による測定
コーティング用組成物処理基板(B−8)について、X線光電子分光装置(Quantera II、アルバック・ファイ社製:測定条件;電圧:1kV、100サイクル数、約200nm深さまで測定。)による測定を実施した。測定結果を図5に示す。
6.表面改質の検討
約0.5mLのコーティング組成物(A−6)をPETフィルム上にバーコードを用いて成膜し、オーブンにて100℃で10分間の加熱を行い、コーティング組成物処理PETフィルム(B−9)を得た。さらに、(B−9)のコーティング面を10分間のUVオゾン処理(約12000mJ/cm)したフィルム(B−10)を得た。さらに、(B−10)をSAMLAY(登録商標)に5分間浸漬し、その後、その表面をNSクリーン100中で超音波洗浄し、SAM処理フィルム(C−4)を得た。
無処理PETフィルムをSAMLAY(登録商標)で処理したフィルム(cC−4)を比較のために作成した。
無処理のPETフィルム、(B−9)、(B−10)、(C−4)、及び(cC−4)それぞれのフィルムについて前記と同様の方法で静的接触角を測定した。その結果を表7にまとめて示す。
Figure 2014119282
以上のことから、本発明の塗膜を用いることにより、ポリマー上に、ガラスと同様な表面処理を行うことができることがわかった。
[実施例10]
2.0gのGPTMS、0.5gのジエチレントリアミン、0.5g、0.2g、0.08gの安息香酸、70.0gの水および28.0gのIPAを混合した後、室温で2時間撹拌し、コーティング組成物(A−71)〜(A−73)を調製した。安息香酸を用いない組成物(A−70)も同様に調製した。得られた(A−70)及び(A−71)〜(A−73)を、密栓した瓶に入れ、25℃で保存し、組成物中の固形分のz−平均粒径の経時変化を粒度分布計(ゼーターサイザーナノ、マルバーン社製)により測定した。その結果を図6に示す。
[実施例11]
0.5gのGPTMS、0.125gのジエチレントリアミン、0.171gのp−ニトロ安息香酸、17.5gの水および7.0gのIPAを混合した後、室温で2時間撹拌し、コーティング組成物(A−80)を調製した。同様の操作にて、p−ニトロ安息香酸のかわりに0.156gのp−アニス酸、または0.0615gの酢酸を用いたコーティング組成物(A−81)又は(A−82)を調製した。
(A−80)、(A−81)及び(A−82)を密栓した瓶に入れ、25℃で保存し、組成物中の固形分のz−平均粒径を粒度分布計(ゼーターサイザーナノ、マルバーン社製:測定条件;実施例3と同様)により測定し、その経時変化を測定した。その結果を図7に示す。
約0.5mLのコーティング組成物(A−80)、(A−81)及び(A−82)をPETフィルム上にバーコードを用いて成膜し、オーブンにて100℃で10分間の加熱を行い、コーティング組成物処理PETフィルム(B−11)、(B−12)及び(B−13)を得た。さらに、コーティング面を10分間のUVオゾン処理(約12000mJ/cm)した後、SAMLAY(登録商標)に5分間浸漬し、その後、その表面をNSクリーン100中で超音波洗浄し、SAM処理フィルム(C−5)、(C−6)及び(C−7)を得た。それぞれのフィルムについて前記と同様の方法で静的接触角測定を行った。その結果を表8にまとめて示す。
Figure 2014119282
[実施例12]
0.5gのGPTMS、0.05gの3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン0.05g、0.125gのジエチレントリアミン、0.125gの安息香酸、2,2,2−トリフルオロエタノール2.0g、16.0gの水および6.5gのIPAを混合した後、室温で24時間撹拌し、コーティング組成物(A−8)を調製した。
PC樹脂基板(80×80mm)を水、NSクリーンおよびIPA中で超音波による洗浄を各10分間行った。洗浄後PC樹脂基板に、調製したコーティング用組成物(A−8)を、バーコードを用いて成膜し、120℃に温度管理された循環型オーブン内で20分間の加熱乾燥を行い、処理基板(B−11)を得た。
得られた処理基板(B−11)及び該処理基板(B−11)をさらにラビングした処理基板(B−12)の前記と同様の方法で静的接触角を測定した。比較のために、フルオロトリメトキシシランを添加せずに調製した得られた処理基板(R−1)についても同様の測定を行った。その結果を表9に示す。
Figure 2014119282
[比較例1]
1 コーティング組成物の調製
16.5gの3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学社製 KBM−403)に1vol%酢酸水溶液1.27gを加え、室温で3日間の撹拌を行なった。得られた反応液に0.54gの2−メチルイミダゾールを加え、94.3gのアルコール系混合溶媒ソルミックス(登録商標)(AP−7、日本アルコール販売株式会社製)を加え、固形分20wt%のコーティング組成物(cA−2)を得た。
2 コーティング組成物の成膜および撥液処理
PC樹脂基板に、調製したコーティング組成物(cA−2)をディップコートした。コートした基板はオーブン内で乾燥し(120℃、20分)、コーティング組成物処理基板(cB−1)を得た。得られた処理基板にフッ素系のガラス表面撥液処理剤超ガラコ(登録商標)(株式会社ソフト99コーポレーション製)を塗工し、コーティング組成物‐撥液処理PC基板(cC−2)を得た。
比較のために、ソーダライムガラスにフッ素系のガラス表面撥液処理剤超ガラコ(登録商標)(株式会社ソフト99コーポレーション製)を塗工処理した基板(cC−3)を得た。
3 撥液性の評価
得られた(cC−2)、(cC−3)の静的接触角を前記と同様の方法で測定した。その結果を表10に示す。
Figure 2014119282
その値はソーダ石灰ガラス(SLG)基材に超ガラコ処理を行なった場合と同等の撥液性であったが、コーティング組成物の調製に3日も要した。

Claims (15)

  1. エポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物を、水、及び水素原子が1以上結合しているアミノ基又はイミノ基を2以上1分子内に有するポリアミン類またはイミダゾール類と混合、撹拌する、エポキシ基含有トリアルコキシシラン加水分解縮合物の製造方法。
  2. 室温で、混合、撹拌する、請求項1に記載のエポキシ基含有トリアルコキシシラン加水分解縮合物の製造方法。
  3. ポリアミン類が、ポリアルキレンポリアミン類である、請求項1に記載のエポキシ基含有トリアルコキシシラン加水分解縮合物の製造方法。
  4. エポキシ基含有トリアルコキシシランが、グリシドキシアルキルトリアルコキシシランである、請求項1に記載のエポキシ基含有トリアルコキシシラン加水分解縮合物の製造方法。
  5. 水を、エポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物1モルに対して、0.5モル以上の範囲で用いる、請求項1に記載のエポキシ基含有トリアルコキシシラン加水分解縮合物の製造方法。
  6. 酸とともに、混合、撹拌する、請求項1〜5のいずれかに記載のエポキシ基含有トリアルコキシシラン加水分解縮合物の製造方法。
  7. (A)エポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物、
    (B)ポリアミン類、及び
    (C−1)n−ペンタノール
    を含有する組成物。
  8. (A)エポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物、
    (B)ポリアミン類、並びに
    (C−2)25℃におけるpKaが2.0〜6.0の範囲の有機酸又はパーフルオロアルキル基及び/又はパーフルオロアルキレン基を有する炭素数2〜5のアルコール類
    を含有する組成物。
  9. エポキシ基含有トリアルコキシシランの加水分解縮合物の動的光散乱法で測定したz−平均粒子径が5〜50nmの範囲である、請求項8に記載の組成物。
  10. ポリアミン類が、アルキレンポリアミン、ポリアルキレンポリアミン、ポリ(フェニレンアルキレン)ポリアミン、及びシクロアルキレンアルキルポリアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種のポリアミンである、請求項8に記載の組成物。
  11. ポリアミン類を、エポキシ基含有トリアルコキシシラン及び/又はその加水分解縮合物中のエポキシ基1モルに対して、1/(ポリアミン類1分子中の全窒素原子上の全水素原子数)モル以上、1/(ポリアミン類1分子中の全窒素原子上の全水素原子数)の10倍モル以下の範囲で用いる、請求項8に記載の組成物。
  12. pKaが2.0〜6.0の範囲の有機酸をポリアミン類1モルに対して、0.3〜1.2モルの範囲で用いる、請求項8に記載の組成物。
  13. パーフルオロアルキル基及び/又はパーフルオロアルキレン基を有する炭素数2〜5のアルコール類が、組成物全体の30質量%以上である、請求項8に記載の組成物。
  14. さらに、パーフルオロアルキル基及び/又はパーフルオロアルキレン基を有する炭素数2〜5のアルコール類以外の炭素数1〜5のアルコール及び水を含む、請求項8に記載の組成物。
  15. 請求項8〜14のいずれかに記載の組成物を基材上に塗布し室温乾燥及び/又は加熱して得られる薄膜。
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