JP2017155124A - コーティング剤、コーティング剤の製造方法及びコーティング膜の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリイミド樹脂基材表面を保護することを目的とした高硬度で耐熱水性を有したコーティング膜を形成できるコーティング剤を提供する。
【解決手段】グリシドキシアルキル基を含有したポリシルセスキオキサンにイミダゾール化合物を添加したコーティング剤であり、そのコーティング膜とポリイミド表面との熱水剥離耐性を高めた。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリイミド基材表面にコーティング膜を形成できるコーティング剤、コーティング剤の製造方法及びコーティング膜の形成方法に関する。
ポリイミドは、耐熱性、耐溶剤性、電気特性などに優れた樹脂であり、特にエレクトロニクス分野において、半導体素子の表面保護用被膜や絶縁膜、液晶ディスプレイ基板の配向膜、フレキシブルプリント基板の基板材料等広く用いられている。しかし、有機高分子樹脂であるため柔らかく傷つきやすいので、その表面をコーティング膜などにより保護する必要がある。そのコーティング膜には密着・接着性、耐水性などに優れ、高硬度であることが求められている。
また、ポリイミド上にコーティング膜を形成させるにあたって、ポリイミドは他の部材との接着性に劣るため、他の部材との界面で剥がれが生じやすいという問題がある。
そこで、従来からポリイミド表面を化学的に処理し、他の部材との接着性を向上させる方法が検討されている。例えば、ポリイミドを水酸化ナトリウム水溶液、エチレンジアミン水溶液などのアルカリ水溶液と接触させることより、イミド結合を加水分解してカルボキシル基と酸アミド結合を生成させ、エポキシ樹脂などとの反応性を高める方法、イミド結合を加水分解した後、さらにシランカップリング剤で処理する方法、ポリイミドを高温のヒドロキシルアミン溶液で処理する方法、ポリイミドをアミン溶液で処理する方法、ポリイミドをエタノールアミンと、N−メチルピロリドンまたはジメチルホルムアミドとの混合液で処理する方法などが提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
一方、ポリイミド上に形成されるコーティング膜に関しては、ポリイミドの前駆体組成物、もしくはポリイミド前駆体にある種の添加剤を加えたコーティング剤組成物などが提案されているが、表面硬度を高められるものではない(例えば、特許文献4)。
特開平4−231474 特開平7−273466 特開平11−49880 特開2013−256642
本発明の目的は、ポリイミド表面に強固に接着でき、高硬度で耐水性を有するコーティング膜を形成することができるコーティング剤、コーティング剤の製造方法及びコーティング膜の形成方法を提供することにある。
本発明のコーティング剤は、グリシドキシアルキル基を含有したポリシロキサンと、前記ポリシロキサンのグリシドキシ基の反応を促進する反応促進剤と、前記ポリシロキサンのシラノール基間及びシラノール基とアルコキシシリル基間のシロキサン結合形成を促進する硬化促進剤と、からなることを特徴とする。
本発明のコーティング剤の製造方法は、メチルトリメトキシシランもしくはフェニルトリメトキシシランとグリシドキシプロピルトリメトキシシランを、酸触媒として無機酸またはルイス酸を用いて共加水分解縮合反応によりポリシロキサンを得る工程と、前記工程で得られたポリシロキサンに、前記ポリシロキサンのグリシドキシ基の反応を促進する反応促進剤及び、前記ポリシロキサンのシラノール基間及びシラノール基とアルコキシシリル基間のシロキサン結合形成を促進する硬化促進剤を加える工程と、を含むことを特徴とする。
本発明のコーティング膜の形成方法は、前記コーティング剤の有機溶媒を除去し、基材上に膜状に配した後に、加熱硬化反応を行って硬化膜を形成することを特徴とするコーティング膜の形成方法。
本発明のコーティング剤は、ポリイミドとの接着性が良好で耐熱水性を有した高硬度のコーティング膜を得ることができる。
本発明に係るコーティング剤、コーティング剤の製造方法及びコーティング膜の形成方法の実施の形態を詳細に説明する。
ポリイミドは、その前駆体を高温処理することによりイミド化を行い製造されるが、多くの場合、そのイミド化率は100%ではないことが知られている。したがって、ポリイミド表面にはカルボキシル基と酸アミド結合が残存している。本実施形態のコーティング剤は、そのカルボキシル基と酸アミド結合に反応することが期待される側鎖にグリシドキシ基を含んだシロキサンに反応促進剤や硬化促進剤を添加したものであり、そのコーティング膜はポリイミドに強固に接着し、耐熱水性の高い高硬度な膜である。
本実施形態に係るコーティング剤は、アルキルもしくはアリールトリアルコキシシランとグリシドキシアルキルトリアルコキシシランとを共加水分解縮合して得られるポリシロキサンと反応促進剤と硬化促進剤とからなる。
即ち、本実施形態に係るコーティング剤は、グリシドキシアルキル基を含有したポリシロキサンと、前記ポリシロキサンのグリシドキシ基の反応を促進する反応促進剤と、前記ポリシロキサンのシラノール基間及びシラノール基とアルコキシシリル基間のシロキサン結合形成を促進する硬化促進剤と、からなる。
(ポリシロキサン)
本実施形態に係るコーティング剤の第一の成分であるポリシロキサンは、アルキルもしくはアリールトリアルコキシシランとグリシドキシアルキルトリアルコキシシランとを共加水分解縮合することによって得られる。なお、上記アルキルもしくはアリールトリアルコキシシランとグリシドキシアルキルトリアルコキシシラン以外のシランカップリング剤は通常使用しなくてもよいが、本実施形態のコーティング剤およびそれから得られるコーティング膜の特性に悪影響を及ぼさない量であれば、共加水分解縮合の際に併用しても構わない。
上記アルキルトリアルコキシシランは、形成される膜の硬度を高める点でメチルトリアルコキシシランが好ましい。メチルトリアルコキシシランの例として、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシランなどが挙げられるが、容易に入手できる点でメチルトリメトキシシランが好ましい。また、上記アリールトリアルコキシシランは、形成される膜の硬度と耐水性の点でアリール基が非置換芳香族基であることが好ましく、特にフェニル基が好ましい。フェニルトリアルコキシシランの例として、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシランなどが挙げられるが、容易に入手できる点でフェニルトリメトキシシランが好ましい。
一方、上記グリシドキシアルキルトリアルコキシシランは、コーティング膜のポリイミド表面への接着性を高める目的で用いられる。グリシドキシアルキルトリアルコキシシランとしては、グリシドキシエチルトリメトキシシラン、グリシドキシエチルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられるが、反応性および材料入手性の点から、グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
上記アルキルもしくはアリールトリアルコキシシランとグリシドキシアルキルトリアルコキシシランの混合物の共加水分解縮合反応は同時に行うことができ、原料アルコキシシランを有機溶媒に溶解し、水および酸触媒を加えて行うことができる。
上記有機溶媒としては、上記原料アルコキシシラン、水およびその加水分解縮合体を溶解することができるものを用いることが好ましい。上記有機溶媒として、アルコール、ケトン等が挙げられる。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプルピルアルコール、アセトン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン等が好ましく用いられ得る。また、上記有機溶媒でない有機溶媒を併用して、溶解性を制御することができる。上記有機溶媒でない有機溶媒としては、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン等が挙げられる。なお、上記有機溶媒の水への溶解度(20℃)としては、好ましくは5g/100gH2O以上、より好ましくは20g/100gH2O以上、さらに好ましくは100g/100gH2O以上である。
上記有機溶媒の量は、原料アルコキシシランの質量に対して、0.5〜5倍の量であることが好ましい。
上記原料アルコキシシランの加水分解縮合反応に用いられる水の量は、原料アルコキシシランが有するアルコキシシリル基のモル量の半分〜同量とすることが好ましい。
上記原料アルコキシシランの共加水分解縮合反応には、酸触媒が用いられる。酸触媒は、触媒作用が適度であるので、生成したポリヒドロキシシロキサンの縮合が適切な度合いで進行するためである。酸触媒としては、アルコキシシリル基の加水分解反応に対して触媒作用を有するプロトン酸類やルイス酸類であれば、任意の適切なものを使用することができる。具体的には、プロトン酸として、例えば、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸や酢酸、乳酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸が、ルイス酸として、例えば、チタン、アルミニウム、ジルコニウム等の金属アルコキシドまたはキレート化合物等が挙げられる。
上記共加水分解縮合反応において、グリシドキシ基を残存させるために、塩酸、硝酸、硫酸等の無機酸を用いることが好ましい。
上記酸触媒の使用量としては、原料アルコキシシランが有するアルコキシシリル基の加水分解反応に対して触媒作用を発現する量以上であればよい。具体的には、上記原料アルコキシシランの質量に対して、0.1ppm〜10%であることが好ましい。
上記原料アルコキシシランの加水分解縮合反応の温度は、室温〜約100℃の範囲で行うことが好ましい。室温で加水分解反応を先に進めた後に加温して、縮合反応を進めたり、最初から加熱して加水分解反応と縮合反応とを同時に進めたりすることが可能である。また、必要に応じて反応を進みにくくするため、加水分解反応および縮合反応で生じたアルコールや水を系外に除去することも可能である。
なお、メチルトリメトキシシランとフェニルトリメトキシシランとグリシドキシプロピルトリメトキシシランの共加水分解縮合反応の場合では、得られるポリシロキサンに濁りは認められない。
(反応促進剤)
本実施形態に係るコーティング剤の第二の成分として、グリシドキシ基同士の縮合反応に加えて、ポリイミド表面のカルボキシル基とグリシドキシ基間の付加反応、酸アミド結合へのグリシドキシ基の挿入反応の促進が期待される化合物として、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2−エチルイミダゾール−4−ジチオカルボン酸、2−メチルイミダゾール−4−カルボン酸、1−(2−アミノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、ベンゾイミダゾール、2−エチル−4−チオカルバモイルイミダゾール等のイミダゾール類が挙げられる。
(硬化促進剤)
本実施形態に係るコーティング剤の第三の成分である硬化促進剤は、コーティング膜の硬化を促進するために用いられる。シラノール基間もしくはシラノール基とメトキシシリル基間の縮合反応促進が期待される化合物としては、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ビス(アセトキシジブチルスズ)オキサイド及びビス(ラウロキシジブチルスズ)オキサイドなどが挙げられる。
(コーティング剤)
本実施形態に係るコーティング剤は、先のポリシロキサンと反応促進剤及び硬化促進剤を含んでいる。反応促進剤と硬化促進剤の含有量は、ポリシロキサンの固形分に対して、それぞれ0.1以上10%以下であることが好ましい。0.1%未満であると、反応促進と硬化促進の度合いが不十分となり、期待されるコーティング膜の物性が得られないおそれがある。また、10%を超えても、それに見合うだけのさらなる効果が期待できない。
本実施形態に係るコーティング剤中におけるポリシロキサンの固形分は、1質量%以上であることが好ましい。1質量%未満では、得られるコーティング膜の厚みが所定の膜物性を付与するのには不十分となる場合がある。
(コーティング剤の製造方法)
本実施形態に係るコーティング剤の製造方法は、メチルトリメトキシシランもしくはフェニルトリメトキシシランとグリシドキシプロピルトリメトキシシランを、酸触媒として無機酸またはルイス酸を用いて共加水分解縮合反応によりポリシロキサンを得る工程、および、前記工程で得られたポリシロキサンに反応促進剤及び硬化促進剤を加える工程を含む。詳細については、すでに説明した内容がそれぞれ適用される。
即ち、メチルトリメトキシシランもしくはフェニルトリメトキシシランとグリシドキシプロピルトリメトキシシランを、酸触媒として無機酸またはルイス酸を用いて共加水分解縮合反応によりポリシロキサンを得る工程と、前記工程で得られたポリシロキサンに、前記ポリシロキサンのグリシドキシ基の反応を促進する反応促進剤及び、前記ポリシロキサンのシラノール基間及びシラノール基とアルコキシシリル基間のシロキサン結合形成を促進する硬化促進剤を加える工程と、を含む。
この製造方法によって得られたコーティング剤は、グリシドキシ基が残存しており、ポリイミド表面との優れた接着性及び硬化性を有することが期待できる。
(コーティング膜)
コーティング膜の形成は、室温で30分放置して溶媒を除去した上記コーティング剤をポリイミド上に乾燥膜厚0.5〜10μmになるように塗装を行い、150℃で6時間加熱することで加熱硬化反応を行い、硬化膜を形成する。
即ち、上記コーティング剤の有機溶媒を除去し、基材上に膜状に配した後に、加熱硬化反応を行って、硬化膜を形成する。
塗装には、スピンコーター、スリットコーター、スプレー、ディップコーター、バーコーター等が使用される。
これにより、ポリイミドとの接着性が良好で耐熱水性を有した高硬度のコーティング膜を得ることができる。これは、耐熱性の高い膜を形成できる成分であるアルキルもしくはアリールトリアルコキシシランとポリイミドとの接着性を向上させる成分であるグリシドキシアルキルトリアルコキシシランとを共加水分解縮合させ、さらに加熱硬化時に、グリシドキシ基の反応を促進する反応促進剤としてイミダゾール化合物を、シラノール基間及びシラノール基とアルコキシシリル基間のシロキサン結合形成を促進する硬化促進剤を用いたことによるものである。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、特に明記しない限り、実施例における部および%は質量基準である。
実施例1
メチルトリメトキシシラン47.7部、フェニルトリメトキシシラン69.4部、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン79.8部をイソプロピルアルコールとメチルイソブチルケトンとの2:1(質量比)混合物154部に溶解した。ここに、系内のアルコキシシリル基のモル数と同じモル数となる水56.7部と酸触媒として塩酸1部とを添加して、40℃で2時間攪拌し、さらに80℃で3時間攪拌を行った後、濃縮してポリシロキサンを得た。
得られたポリシロキサン100部をテトラヒドロフランとメチルイソブチルケトンとの1:4(質量比)混合物50部に加えて溶解後、さらに反応促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール(EMI)2部と硬化促進剤としてジブチルスズジラウレート(DBDL)4部を添加して、コーティング剤を得た。
実施例2
実施例1において、メチルトリメトキシシランの量を143.1部に、水の量を94.5部に、および、塩酸の量を2部にそれぞれ変更すること以外は同様にして、ポリシロキサンを得た。
得られたポリシロキサン100部をテトラヒドロフランとメチルイソブチルケトンとの1:4(質量比)混合物50部に加えて溶解後、反応促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール(EMI)2部と硬化促進剤ジブチルスズジラウレート(DBDL)4部を添加して、コーティング剤を得た。
実施例3
実施例1において、フェニルトリメトキシシランの量を208.2部に、水の量を94.5部に、および、塩酸の量を2部にそれぞれ変更すること以外は同様にして、ポリシロキサンを得た。
得られたポリシロキサン100部をテトラヒドロフランとメチルイソブチルケトンとの1:4(質量比)混合物50部に加えて溶解後、反応促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール(EMI)2部と硬化促進剤ジブチルスズジラウレート(DBDL)4部を添加して、コーティング剤を得た。
比較例1
実施例1で得られたポリシロキサン100部をテトラヒドロフランとメチルイソブチルケトンとの1:4(質量比)混合物50部に加えて溶解後、反応促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール(EMI)2部を添加したが、硬化促進剤としてジブチルスズジラウレート(DBDL)を添加しない比較用コーティング剤を得た。
比較例2
実施例1で得られたポリシルセスキオキサン100部をテトラヒドロフランとメチルイソブチルケトンとの1:4(質量比)混合物50部に加えて溶解後、反応促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール(EMI)を添加せず、硬化促進剤ジブチルスズジラウレート(DBDL)4部を添加した比較用コーティング剤を得た。
比較例3
メチルトリメトキシシラン47.7部、フェニルトリメトキシシラン69.4部をイソプロピルアルコールとメチルイソブチルケトンとの2:1(質量比)混合物92部に溶解した。ここに、系内のアルコキシシリル基のモル数と同じモル数となる水37.8部と酸触媒として塩酸0.7部とを添加して、40℃で2時間攪拌し、さらに80℃で3時間攪拌を行った後、濃縮してポリシロキサンを得た。
得られたポリシロキサン100部をテトラヒドロフランとメチルイソブチルケトンとの1:4(質量比)混合物50部に加えて溶解後、さらに反応促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール(EMI)2部と硬化促進剤としてジブチルスズジラウレート(DBDL)4部を添加して、コーティング剤を得た。
実施例4、5、6および比較例4、5、6
実施例1、2、3で得られたコーティング剤および比較例1、2、3で得られた比較用のコーティング剤をバーコーターを用いて、イソプロピルアルコールで表面を洗浄したポリイミドフィルムの片面に硬化後のコーティング膜厚が5μm以下になるよう塗布、150℃で6時間加熱し、透明なコーティング膜をそれぞれ得た。
得られたコーティング膜の下記の項目について評価を行った。結果を表1と2に示す。
(鉛筆硬度)
JIS K 5600−5−4に準じて、斜め45度の角度に固定した鉛筆に真上から750gの荷重をかけ引っかき試験を行った。鉛筆硬度が2H以上の場合を合格とする。
(密着性)
JIS K 5600−5−6に準じて、調製した試験片にカッターにより1mm間隔の縦横6本ずつの切れ目を入れ、その上にセロハンテープを貼付してはがし、25個のます目のうち、残存したます目の数をカウントした(碁盤目試験、残ったます目数/全てのます目数(25))。下記の耐熱水性試験前において、全てのます目が残る場合を合格とする。
(耐熱水性)
試験片を電導度が1.0μs/cmのイオン交換水(90℃)に48時間浸漬し、試験後の密着性を測定した。試験後の碁盤目試験において、密着性の保持率が100%の場合を合格とする。
Figure 2017155124
Figure 2017155124
本発明の実施例1、2、3のコーティング剤から得られたコーティング膜(実施例4、5、6)は、いずれも3H以上の鉛筆硬度を有していた。また、ポリイミド基材との密着性は良好であり、耐熱水性も良好であった。
これに対して、比較用コーティング剤(比較例1、2、3)から得られたコーティング膜(比較例4、5、6)では、それぞれ問題点を有していた。実施例1で得られた側鎖にメチル基、フェニル基、グリシドキシ基を等モルずつ有するポリシロキサンに反応促進剤または硬化促進剤を添加しない比較例1と2では鉛筆硬度も低く、特に反応促進剤を添加しないと耐熱水性が低下した。また、グリシドキシアルキルトリアルコキシシランを原料アルコキシシランとして用いないポリシロキサン(比較例3)では、反応促進剤と硬化促進剤を添加してもポリシロキサンにグリシドキシ基が含まれていないため、密着性がほとんどなく、耐熱水性も極端に低下した。
本発明のコーティング剤は、ポリイミド表面へのハードコーティング膜及び水や湿気に関わる半導体素子の表面保護用被膜や絶縁膜、フレキシブルプリント基板の基板保護膜等広い分野で好適に用いられる。

Claims (3)

  1. グリシドキシアルキル基を含有したポリシロキサンと、
    前記ポリシロキサンのグリシドキシ基の反応を促進する反応促進剤と、
    前記ポリシロキサンのシラノール基間及びシラノール基とアルコキシシリル基間のシロキサン結合形成を促進する硬化促進剤と、からなるコーティング剤。
  2. メチルトリメトキシシランもしくはフェニルトリメトキシシランとグリシドキシプロピルトリメトキシシランを、酸触媒として無機酸またはルイス酸を用いて共加水分解縮合反応によりポリシロキサンを得る工程と、
    前記工程で得られたポリシロキサンに、前記ポリシロキサンのグリシドキシ基の反応を促進する反応促進剤及び、前記ポリシロキサンのシラノール基間及びシラノール基とアルコキシシリル基間のシロキサン結合形成を促進する硬化促進剤を加える工程と、を含むコーティング剤の製造方法。
  3. 請求項1に記載のコーティング剤の有機溶媒を除去し、基材上に膜状に配した後に、加熱硬化反応を行って硬化膜を形成することを特徴とするコーティング膜の形成方法。
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