JPWO2014098228A1 - 車両 - Google Patents

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Abstract

車両の左右方向および前後方向の大きさを小型化できる傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両を提供すること。
リンク支持部は、上クロス部材および下クロス部材の回転軸線に垂直な仮想平面と車体フレームの上下方向とがなす鋭角がステアリングシャフトの回転軸線と車体フレームの上下方向のなす鋭角より小さくなる態様で上クロス部材および下クロス部材を回転可能に支持する。上下フレーム部は、その前縁の上端がステアリングシャフトの回転軸線に平行で車両直立状態における右前輪および左前輪の後部に接する仮想平面より前方に配置され、その前縁の上端と下端の間の左右方向の幅が右前輪と左前輪の間隔より小さく形成され、上端と下端を通る仮想線と車体フレームの上下方向とがなす鋭角がステアリングシャフトの回転軸線と車体フレームの上下方向のなす鋭角より小さくなる態様に形成される。

Description

本発明は、傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両に関する。
特許文献1に記載の車両は、傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えている。また、その車両は、2つの前輪を車体フレームの上下方向に変位可能に支持するリンク機構を備えている。その傾斜可能な車体フレームは、リンク機構を支持するリンク支持部を含んでいる。また、その車体フレームは、リンク支持部の下部から車体フレームの前後方向の後方に向かって延びる上前後フレーム部と、その上前後フレーム部の後部から車体フレームの上下方向の下方に向かって延びる上下フレーム部と、その上下フレーム部の下部から車体フレームの前後方向の後方に向かって延びる下前後フレーム部を含んでいる。リンク機構は、中間部がリンク支持部に回転可能に支持される上クロス部材および、上クロス部材より下方に配置され、中間部がリンク支持部に回転可能に支持される下クロス部材を含んでいる。また、リンク機構は、上クロス部材および下クロス部材の右端部に回転可能に支持される右サイド部材および上クロス部材および下クロス部材の左端部に回転可能に支持される左サイド部材を含んでいる。右サイド部材は、右緩衝器を介して右前輪を支持している。左サイド部材は、緩衝器を介して左前輪を支持している。車体フレームが直立状態において、上クロス部材、下クロス部材、右サイド部材、左サイド部材は、右前輪および左前輪より車体フレームの上下方向の上方に配置されている。また、上クロス部材および下クロス部材は、車体フレームの前後方向に対して傾斜し、前方が後方より上方に位置する上中間軸線および下中間軸線回りに回転可能にリンク支持部に支持されている。
日本国特開2005−313876号公報
特許文献1に記載されている車両において、上クロス部材、下クロス部材、右サイド部材、左サイド部材が、右前輪と左前輪の間ではなく、右前輪および左前輪より上方に配置されている。そのため、右前輪と左前輪の間隔を小さくすることができる。その結果、車両の左右方向の大きさを小型化できる。
ところが、特許文献1に記載されている車両は、2つの前輪を車体フレームの上下方向に変位可能に支持するリンク機構を備えている。また、上クロス部材および下クロス部材が、車体フレームの前後方向に対して傾斜し、前方が後方より上方に位置する上中間軸線および下中間軸線回りに回転可能にリンク支持部に支持されている。そのため、リンク機構が作動して右前輪または左前輪が車体フレームの上下方向の上方に移動すると、車体フレームの前後方向の後方に移動する。更に、右前輪および左前輪は、後方に移動した状態で操舵により回転する。そのため、車体フレームの上下フレーム部は、右前輪および左前輪との干渉を避けた位置に設けられている。その結果、左右前輪と車体フレームの間隔が大きくなり、ホイールベースが大型化していた。そして、車両の前後方向の大きさが大型化していた。
特許文献1に記載の車両は、車両の左右方向の大きさは小型化できているが、車両の前後方向の大きさが大型化していた。
本発明は、車両の左右方向および前後方向の大きさを小型化できる、傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両を提供することを目的としている。
(1)傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両であって、
車両の前方から見て左右に配置され、ハンドルの操作により操舵可能な右前輪および左前輪と、
車両直立状態において、前記右前輪および前記左前輪より上方に配置される上クロス部材と、前記上クロス部材より車体フレームの上下方向の下方に配置され、前記右前輪および前記左前輪より上方に配置される下クロス部材と、上部が前記上クロス部材の右部に回転可能に支持され、下部が前記下クロス部材の右部に回転可能に支持され、前記右前輪および前記左前輪より上方に配置され、前記右前輪を支持する右サイド部材と、上部が前記上クロス部材の左部に回転可能に支持され、下部が前記下クロス部材の左部に回転可能に支持され、前記右前輪および前記左前輪より上方に配置され、前記左前輪を支持する左サイド部材と、を有するリンク機構と、
上部に前記リンク機構の前記上クロス部材の中間部を回転可能に支持し、下部に前記下クロス部材の中間部を回転可能に支持するリンク支持部と、前記リンク支持部の下部から前記車体フレームの前後方向の後方に延びる上前後フレーム部と、前記上前後フレーム部の後部から前記車体フレームの上下方向の下方に延びる上下フレーム部と、前記上下フレーム部の下部から後方に延びる下前後フレーム部とを有し、車両の左右方向に傾斜可能な前記車体フレームと、
前記ハンドルが上部に設けられ、前記リンク支持部に回転可能に支持され、下部が上部より前記車体フレームの前後方向の前方に位置するステアリングシャフトと、を備え、
前記車体フレームの前記リンク支持部は、前記上クロス部材および前記下クロス部材の回転軸線に垂直な仮想平面と前記車体フレームの上下方向とがなす鋭角が前記ステアリングシャフトの回転軸線と前記車体フレームの上下方向のなす鋭角より小さくなる態様で前記上クロス部材および前記下クロス部材を回転可能に支持し、
前記車体フレームの前記上下フレーム部は、
その前縁の上端が、前記ステアリングシャフトの回転軸線に平行で車両直立状態における前記右前輪および前記左前輪の後部に接する仮想平面より前方に配置され、
前記前縁の前記上端と下端の間の左右方向の幅が、前記右前輪と前記左前輪の間隔より小さく形成され、
前記上端と前記下端を通る仮想線と前記車体フレームの上下方向とがなす鋭角が、前記ステアリングシャフトの回転軸線と前記車体フレームの上下方向のなす鋭角より小さくなる態様に形成されたことを特徴とする。
(1)の構成によれば、車体フレームのリンク支持部は、上クロス部材および下クロス部材の回転軸線に垂直な仮想平面と車体フレームの上下方向とがなす鋭角がステアリングシャフトの回転軸線と車体フレームの上下方向のなす鋭角より小さくなる態様で上クロス部材および下クロス部材を回転可能に支持する。そのため、リンク機構が作動して右前輪または左前輪が上方に移動しても、後方への移動量を減らすことができる。
(1)の構成によれば、リンク機構が作動して右前輪または左前輪が上方に移動した時の後方への移動量を減らしたことに加えて、車体フレームの上下フレーム部を、その前縁の上端がステアリングシャフトの回転軸線に平行で車両直立状態における右前輪および左前輪の後部に接する仮想平面より前方に配置し、前縁の上端と下端の間の左右方向の幅が右前輪と左前輪の間隔より小さく形成する。リンク機構が作動して右前輪または左前輪が上方に移動したときの後方への移動量を減らし、かつ、上下フレーム部の上端と下端の間の左右方向の幅を小さくしたため、上下フレーム部の前縁の上端を車体フレームの前後方向で右前輪および左前輪に近づけても、上下フレーム部の前縁の上端と右前輪および左前輪との干渉を抑制できる。
(1)の構成によれば、上下フレーム部の前縁の上端を車体フレームの前後方向で右前輪および左前輪に近づけたことに加えて、さらに、上下フレーム部の上端と下端を通る仮想線と車体フレームの上下方向とがなす鋭角がステアリングシャフトの回転軸線と車体フレームの上下方向のなす鋭角より小さくなる態様に形成する。これにより、上下フレーム部と右前輪および左前輪との干渉を抑制しつつ、上下フレーム部の前縁の上端に対して前縁の下端を前方に近づけたため、上下フレーム部の前縁の上端および下端の両方を左右前輪に近づけることができる。
(1)の構成によれば、右前輪および左前輪の後端の移動軌跡と車体フレームの上下方向とがなす鋭角および上下フレーム部の前縁と車体フレームの上下方向とがなす鋭角は、いずれもステアリングシャフトの回転軸線と車体フレームの上下方向のなす鋭角より小さい。そのため、車体フレームと右前輪および左前輪との干渉を避けつつ、右前輪および左前輪の後端の移動軌跡と上下フレーム部の前縁を車体フレームの前後方向で近づけることができる。そのため、車両のホイールベースを小さくでき、車両の前後方向の大きさを小型化できる。さらに、上下フレーム部の上端と下端の間の左右方向の幅を小さくしたため、上下フレーム部を配置するために右前輪と左前輪の間隔が大きくなることを抑制しながら、上下フレーム部の前縁の上端と右前輪および左前輪との干渉を抑制できる。
(1)の構成によれば、車体フレームのリンク支持部と上下フレーム部を工夫することで、車体フレームと右前輪および左前輪との干渉を避けつつ、右前輪および左前輪の後端の移動軌跡と上下フレーム部の前縁を車体フレームの前後方向で近づけている。そのため、車両の前後方向を小さくするために、車両の左右方向が大きくなることが抑制されている。
従って、(1)の構成によれば、傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両の左右方向および前後方向の大きさを小型化できる。
(2)傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両であって、
前記車体フレームの前記上下フレーム部は、前記上端と前記下端を通る仮想線と前記車体フレームの上下方向とがなす鋭角が前記上クロス部材および前記下クロス部材の回転軸線に垂直な仮想平面と前記車体フレームの上下方向のなす鋭角より小さくなる態様に形成されても良い。
(2)の構成によれば、上下フレーム部の前縁の下端を右前輪および左前輪に近づけることができる。これにより、車体フレームと右前輪および左前輪との干渉を避けつつ、右前輪および左前輪の後端の移動軌跡と上下フレーム部の前縁を車体フレームの前後方向でより近づけることができる。そのため、車両のホイールベースを小さくでき、車両の前後方向の大きさを小型化できる。従って、傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両の左右方向および前後方向の大きさを小型化できる。
(3)傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両であって、
前記車体フレームの前記上下フレーム部は、前記上端が前記ステアリングシャフトの回転軸線より前記ステアリングシャフトの回転軸線に平行で車両直立状態における前記右前輪および前記左前輪の後部に接する仮想平面に近い位置に配置されても良い。
(3)の構成によれば、上下フレーム部の前縁の上端を車体フレームの前後方向で右前輪および左前輪に近接し過ぎないように配置する。これにより、車体フレームと右前輪および左前輪との干渉を避けつつ、右前輪および左前輪の後端の移動軌跡と上下フレーム部の前縁を車体フレームの前後方向でより近づけることができる。そのため、車両のホイールベースを小さくでき、車両の前後方向の大きさを小型化できる。従って、傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両の左右方向および前後方向の大きさを小型化できる。
(4)傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両であって、
前記右前輪および前記左前輪は、その上端が前記車体フレームの前記上下フレーム部の前記上端より前記車体フレームの上下方向の上方まで移動可能に支持されても良い。
(4)の構成によれば、車体フレームと右前輪および左前輪との干渉を避けつつ、右前輪および左前輪の後端の移動軌跡と上下フレーム部の前縁を車体フレームの前後方向でより近づけることに加えて、右前輪および左前輪は、その上端が車体フレームの上下フレーム部の上端より車体フレームの上下方向の上方まで移動可能に構成される。従来、右前輪および左前輪の上下方向の移動量を大きくすると、後方への移動量も大きくなり、車両の前後方向が大型化していた。しかしながら、右前輪および左前輪の上下方向の移動による後方への移動量が抑制されているため、右前輪および左前輪の上下方向の移動量を大きくすることができる。従って、傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両の左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、右前輪および左前輪の上下方向の移動量を大きくすることができる。
(5)傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両であって、
前記右前輪と前記右サイド部材の間に設けられるテレスコピック式の右緩衝器と、
前記左前輪と前記左サイド部材の間に設けられるテレスコピック式の左緩衝器と、を備え、
前記右緩衝器および前記左緩衝器は、その伸縮方向と前記車体フレームの上下方向とがなす鋭角が前記ステアリングシャフトの回転軸線と前記車体フレームの上下方向のなす鋭角より小さくなる態様で設けられていても良い。
(5)の構成によれば、右緩衝器および左緩衝器は、その伸縮方向と車体フレームの上下方向とがなす鋭角がステアリングシャフトの回転軸線と車体フレームの上下方向のなす鋭角と同じかそれより小さくなる態様で設けられる。従来、伸縮量の大きい緩衝器を採用すると、右前輪および左前輪の後方への移動量も大きくなり、車両の前後方向が大型化していた。しかしながら、右前輪および左前輪の上下方向の移動による後方への移動量が抑制されているため、車体フレームと右前輪および左前輪との干渉を避けつつ、伸縮量の大きい緩衝器を採用することができる。従って、傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両の左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、伸縮量の大きい緩衝器を採用することができ、右前輪および左前輪の上下方向の移動量を大きくすることができる。
(6)傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両であって、
前記リンク機構は、前記上クロス部材および前記下クロス部材の回転軸線に垂直な仮想平面と前記車体フレームの上下方向のなす鋭角が前記右緩衝器および前記左緩衝器の伸縮方向と前記車体フレームの上下方向とがなす鋭角より小さくなる態様に設けられていても良い。
(6)の構成によれば、リンク機構は、上クロス部材および下クロス部材の回転軸線に垂直な仮想平面と車体フレームの上下方向のなす鋭角が右緩衝器および左緩衝器の伸縮方向と車体フレームの上下方向とがなす鋭角より小さくなる態様に設けられる。そのため、傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両の左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、より伸縮量の大きい緩衝器を採用することができ、右前輪および左前輪の上下方向の移動量をより大きくすることができる。
(7)傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両であって、
前記車体フレームの前記上下フレーム部は、その前縁を構成する車体フレームの左右方向において前記右前輪と前記左前輪の中央に配置される単一の筒状部材を含んでいても良い。
(7)の構成によれば、車体フレームと右前輪および左前輪との干渉を避けつつ、右前輪および左前輪の後端の移動軌跡に前縁を近づけた上下フレーム部の前縁を単一の筒状部材で構成する。剛性を確保しながらコンパクトにできる単一の筒状部材で右前輪および左前輪の後端に近い上下フレーム部の前縁を構成したので、車体フレームと右前輪および左前輪との干渉を避けつつ、右前輪および左前輪の後端の移動軌跡と上下フレーム部の前縁を車体フレームの前後方向でより近づけることができる。そのため、車両のホイールベースを小さくでき、車両の前後方向の大きさを小型化できる。従って、傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両の左右方向および前後方向の大きさを小型化できる。
(8)傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両であって、
前記車体フレームは、前記上端と前記上下フレーム部の前縁を構成する前記単一の筒状部材の下部の後端を通る仮想線と前記車体フレームの上下方向とがなす鋭角が前記ステアリングシャフトの回転軸線と前記車体フレームの上下方向のなす鋭角より小さくなる態様に形成されても良い。
(8)の構成によれば、上下フレーム部の下部の後端を右前輪および左前輪に近づけて配置する。これにより、車体フレームと右前輪および左前輪との干渉を避けつつ、右前輪および左前輪の後端の移動軌跡と上下フレーム部の前縁を車体フレームの前後方向でより近づけることができる。そのため、車両のホイールベースを小さくでき、車両の前後方向の大きさを小型化できる。従って、傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両の左右方向および前後方向の大きさを小型化できる。
本発明の実施形態に係る車両の全体側面図である。 車体カバーおよびフロントフェンダーを外した状態での車両の全体正面図である。 車体カバーおよびフロントフェンダーを外した状態での車両の部分側面図である。 車体カバーを外した状態での車両の部分平面図である。 車体フレームの前部の斜視図である。 図5のA矢視図である。 図5のB矢視図である。 車両の前部を水平方向に切断した概略断面図である。 操舵動作を説明する図であり、車体カバーを外した状態での車両の部分平面図である。 傾斜動作を説明する図であり、車体カバーを外した状態での車両の全体正面図である。 傾斜動作時における前輪等の動きを説明する図であり、車両の前部を水平方向に切断した概略断面図である。 車両前部の部分側面図である。
[方向の定義]
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る車両の一種である車両1について説明する。図において、形状が異なっていても、機能が同一又は相当部分には同一符号を付す。以下、図中の矢印Fは、車両が直立状態での車両1の前後方向の前方向を示す。図中の矢印Rは、車両が直立状態での車両1の左右方向の右方向を示す。矢印Uは、車両が直立状態での車両1の上下方向の上方向を示す。また、図中の矢印Fは、車両1の車体フレームの前後方向の前方向と同一である。図中の矢印Rは、車両1の車体フレームの左右方向の右方向と同一である。矢印Uは、車両1の車体フレームの上下方向の上方向と同一である。なお、車体フレームが鉛直方向に対して車体フレームの左右方向に傾斜した場合、車両1の車体フレームの左右方向は、車両が直立状態での車両1の左右方向と異なる。車体フレームが鉛直方向に対して車体フレームの左右方向に傾斜した場合、車両1の車体フレームの上下方向は、車両が直立状態での車両1の上下方向と異なる。図1は、車両1の全体側面図である。なお、以下の説明において前後左右と方向を示す場合、車両1を運転する乗員から見た前後左右の方向を意味するものとする。
[構成]
車両1は、右前輪31、左前輪32、リンク機構5、車体フレーム21、ステアリングシャフト60を備える。右前輪31および左前輪32は、車両1の前方から見て左右に配置され、ハンドル23の操作により操舵可能である。
リンク機構5は、上クロス部材51と下クロス部材52と右サイド部材53と左サイド部材54を有する。上クロス部材51は、車両1の直立状態において、右前輪31および左前輪32より上方に配置される。下クロス部材52は、上クロス部材51より車体フレーム21の上下方向の下方に配置される。車両1の直立状態の側面視で、下クロス部材52の前端は、上クロス部材51の前端より車体フレーム21の前後方向の前方に配置される。下クロス部材52は、右前輪31および左前輪32より上方に配置される。右サイド部材53は、上部が上クロス部材51の右部に回転可能に支持される。右サイド部材53は、下部が下クロス部材52の右部に回転可能に支持される。右サイド部材53は、右前輪31および左前輪32より上方に配置され、右前輪31を支持する。左サイド部材54は、上部が上クロス部材51の左部に回転可能に支持される。左サイド部材54は、下部が下クロス部材52の左部に回転可能に支持される。左サイド部材54は、右前輪31および左前輪32より上方に配置され、左前輪32を支持する。リンク機構5は、右前輪31および左前輪32より上方に配置される。
車体フレーム21は、車両1の左右方向に傾斜可能である。車体フレーム21は、リンク支持部211と連結部材215(本発明の上前後フレーム部の一例)とダウンフレーム212(本発明の上下フレーム部の一例)とアンダーフレーム214(本発明の下前後フレーム部の一例)を有する。リンク支持部211は、上部にリンク機構5の上クロス部材51の中間部を回転可能に支持し、下部に下クロス部材52の中間部を回転可能に支持する。連結部材215は、リンク支持部211の下部から車体フレーム21の前後方向の後方に延びる。ダウンフレーム212は、連結部材215の後部から車体フレーム21の上下方向の下方に延びる。アンダーフレーム214は、ダウンフレーム212の下部から後方に延びる。アンダーフレーム214は、車両1の直立状態の側面視で、右前輪31および左前輪32の後方に位置する。アンダーフレーム214の少なくとも一部は、車両1の直立状態の側面視で、右前輪31および左前輪32の回転軸線WAよりも下方に位置する。
ステアリングシャフト60は、ハンドル23が上部に設けられ、リンク支持部211に回転可能に支持される。ステアリングシャフト60は、下部が上部より車体フレーム21の前後方向の前方に位置する。
車体フレーム21のリンク支持部211は、上クロス部材51の回転軸線AUCおよび下クロス部材52の回転軸線ALCに垂直な仮想平面VPVCと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘVCが前記ステアリングシャフト60の回転軸線SAと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘSAより小さくなる態様で上クロス部材51および下クロス部材52を回転可能に支持する。車両1の直立状態の側面視において、上クロス部材51の回転軸線AUCおよび下クロス部材52の回転軸線ALCに垂直な仮想平面VPVCと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘVCが、前記ステアリングシャフト60の回転軸線SAと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘSAより小さい。
車体フレーム21のダウンフレーム212は、その前縁FEの上端UEFEがステアリングシャフト60の回転軸線SAに平行で車両1の直立状態における右前輪31および左前輪32の後部に接する仮想平面VPTTより前方に配置される。車体フレーム21のダウンフレーム212は、その前縁FEの下端LEFEがステアリングシャフト60の回転軸線SAに平行で車両1の直立状態における右前輪31および左前輪32の後部に接する仮想平面VPTTより後方に配置される。車体フレーム21のダウンフレーム212の前縁FEは、車両1の直立状態の側面視におけるダウンフレーム212の前端をつないだ線である。
図2に示すように、車体フレーム21のダウンフレーム212は、前縁FEの上端UEFEと下端LEFEの間の左右方向の幅が右前輪31と左前輪32の間隔より小さく形成される。車体フレーム21のダウンフレーム212は、車両直立状態の正面視において、前縁FEの上端UEFEと下端LEFEが右前輪31と左前輪32の間に配置される。
図1に戻り、車体フレーム21のダウンフレーム212は、上端UEFEと下端LEFEを通る仮想線VLFULと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘLFULがステアリングシャフト60の回転軸線SAと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘSAより小さくなる態様に形成される。車両1の直立状態の側面視において、上端UEFEと下端LEFEを通る仮想線VLFULと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘLFULが、ステアリングシャフト60の回転軸線SAと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘSAより小さい。
車体フレーム21の前記ダウンフレーム212は、上端UEFEと下端LEFEを通る仮想線VLFULと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘLFULが上クロス部材51の回転軸線AUCおよび下クロス部材52の回転軸線ALCに垂直な仮想平面VPVCと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘVCより小さくなる態様に形成される。車両1の直立状態の側面視において、上端UEFEと下端LEFEを通る仮想線VLFULと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘLFULが、上クロス部材51の回転軸線AUCおよび下クロス部材52の回転軸線ALCに垂直な仮想平面VPVCと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘVCより小さい。
車体フレーム21のダウンフレーム212は、上端UEFEがステアリングシャフト60の回転軸線SAよりもステアリングシャフト60の回転軸線SAに平行で車両1の直立状態における右前輪31および左前輪32の後部に接する仮想平面VPTTに近い位置に配置される。車両1の直立状態の側面視の車体フレーム21の前後方向において、上端UEFEとステアリングシャフト60の回転軸線SAに平行で車両1の直立状態における右前輪31および左前輪32の後部に接する仮想平面VPTTの距離は、ステアリングシャフト60の回転軸線SAと上端UEFEの距離よりも小さい。車両1の直立状態の側面視の車体フレーム21の前後方向において、上端UEFEは、ステアリングシャフト60の回転軸線SAとステアリングシャフト60の回転軸線SAに平行で車両1の直立状態における右前輪31および左前輪32の後部に接する仮想平面VPTTの中間よりも後方に位置する。
右前輪31および左前輪32は、その上端が車体フレーム21のダウンフレーム212の上端UEFEより車体フレーム21の上下方向の上方まで移動可能に支持される。右前輪31または左前輪32が最も上方に移動したときの右前輪31または左前輪32の上端は、車体フレーム21の上下方向において、ダウンフレーム212の上端UEFEよりも上方に位置する。
車両1は、右前輪31と右サイド部材53の間に設けられるテレスコピック式の右緩衝器33と、左前輪32と左サイド部材54の間に設けられるテレスコピック式の左緩衝器35と、を備える。
右緩衝器33および左緩衝器35は、その伸縮方向TAと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘTAがステアリングシャフト60の回転軸線SAと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘSAと同じかそれより小さくなる態様で設けられる。車両1の直立状態の側面視で、右緩衝器33および左緩衝器35の伸縮方向TAと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘTAが、ステアリングシャフト60の回転軸線SAと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘSAと同じかそれより小さいと良い。図示の例では、車両1の直立状態の側面視で、右緩衝器33および左緩衝器35の伸縮方向TAと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘTAが、ステアリングシャフト60の回転軸線SAと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘSAと同じである。
リンク機構5は、上クロス部材51の回転軸線AUCおよび下クロス部材52の回転軸線ALCに垂直な仮想平面VPVCと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘVCが右緩衝器33および左緩衝器35の伸縮方向TAと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘTAより小さくなる態様に設けられる。車両1の直立状態の側面視で、上クロス部材51の回転軸線AUCおよび下クロス部材52の回転軸線ALCに垂直な仮想平面VPVCと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘVCが、右緩衝器33および左緩衝器35の伸縮方向TAと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘTAより小さい。
車体フレーム21のダウンフレーム212は、車体フレーム21の左右方向において右前輪31と左前輪32の中央に配置される筒状部材である。筒状部材の前縁が、ダウンフレーム212の前縁である。
車体フレーム21は、上端UEFEとダウンフレーム212の前縁FEを構成する単一の筒状部材の下部の後端REFを通る仮想線VLFURと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘLFURがステアリングシャフト60の回転軸線SAと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘSAより小さくなる態様に形成される。車体フレーム21は、筒状部材の前縁FEの上端UEFEと筒状部材の下部の後端REFを通る仮想線VLFURと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘLFURがステアリングシャフト60の回転軸線SAと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘSAより小さくなる態様に形成される。車両1の直立状態の側面視で、筒状部材の前縁FEの上端UEFEと筒状部材の下部の後端REFを通る仮想線VLFURと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘLFURが、ステアリングシャフト60の回転軸線SAと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘSAより小さい。
[作用効果]
車体フレーム21のリンク支持部211は、上クロス部材51の回転軸線AUCおよび下クロス部材52の回転軸線ALCに垂直な仮想平面VPVCと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘVCがステアリングシャフト60の回転軸線SAと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘSAより小さくなる態様で上クロス部材51および下クロス部材52を回転可能に支持する。そのため、リンク機構5が作動して右前輪31または左前輪32が上方に移動しても、後方への移動量を減らすことができる。
リンク機構5が作動して右前輪31または左前輪32が上方に移動した時の後方への移動量を減らしたことに加えて、車体フレーム21のダウンフレーム212(上下フレーム部)を、その前縁FEの上端UEFEがステアリングシャフト60の回転軸線SAに平行で車両1の直立状態における右前輪31および左前輪32の後部に接する仮想平面VPTTより前方に配置し、前縁FEの上端UEFEと下端LEFEの間の左右方向の幅が右前輪31と左前輪32の間隔より小さく形成する。リンク機構5が作動して右前輪31または左前輪32が上方に移動したときの後方への移動量を減らし、かつ、ダウンフレーム212(上下フレーム部)の上端UEFEと下端LEFEの間の左右方向の幅を小さくしたため、ダウンフレーム212(上下フレーム部)の前縁FEの上端UEFEを車体フレーム21の前後方向で右前輪31および左前輪32に近づけても、ダウンフレーム212(上下フレーム部)の前縁FEの上端UEFEと右前輪31および左前輪32との干渉を抑制できる。
ダウンフレーム212(上下フレーム部)の前縁FEの上端UEFEを車体フレーム21の前後方向で右前輪31および左前輪32に近づけたことに加えて、さらに、ダウンフレーム212(上下フレーム部)の上端UEFEと下端LEFEを通る仮想線と車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘLFULがステアリングシャフト60の回転軸線SAと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘSAより小さくなる態様に形成する。これにより、ダウンフレーム212(上下フレーム部)と右前輪31および左前輪32との干渉を抑制しつつ、ダウンフレーム212(上下フレーム部)の前縁FEの上端UEFEに対して前縁FEの下端LEFEを前方に近づけたため、ダウンフレーム212(上下フレーム部)の前縁FEの上端UEFEおよび下端LEFEの両方を左右前輪31に近づけることができる。
よって、右前輪31および左前輪32の後端の移動軌跡VLRTと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘLRTおよびダウンフレーム212(上下フレーム部)の前縁FEと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘLFULは、いずれもステアリングシャフト60の回転軸線SAと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘSAより小さい。そのため、車体フレーム21と右前輪31および左前輪32との干渉を避けつつ、右前輪31および左前輪32の後端の移動軌跡VLRTとダウンフレーム212(上下フレーム部)の前縁FEを車体フレーム21の前後方向で近づけることができる。そのため、車両1のホイールベースを小さくでき、車両1の前後方向の大きさを小型化できる。さらに、ダウンフレーム212(上下フレーム部)の上端UEFEと下端LEFEの間の左右方向の幅を小さくしたため、ダウンフレーム212(上下フレーム部)を配置するために右前輪31と左前輪32の間隔が大きくなることを抑制しながら、ダウンフレーム212(上下フレーム部)の前縁FEの上端UEFEと右前輪31および左前輪32との干渉を抑制できる。
車体フレーム21のリンク支持部211とダウンフレーム212(上下フレーム部)を工夫することで、車体フレーム21と右前輪31および左前輪32との干渉を避けつつ、右前輪31および左前輪32の後端の移動軌跡VLRTとダウンフレーム212(上下フレーム部)の前縁FEを車体フレーム21の前後方向で近づけている。そのため、車両1の前後方向を小さくするために、車両1の左右方向が大きくなることが抑制されている。
従って、前記構成によれば、傾斜可能な車体フレーム21と2つの前輪を備えた車両1の左右方向および前後方向の大きさを小型化できる。
また、車体フレーム21の前記ダウンフレーム212(上下フレーム部)は、上端UEFEと下端LEFEを通る仮想線VLFULと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘLFULが上クロス部材51の回転軸線AUCおよび下クロス部材52の回転軸線ALCに垂直な仮想平面VPVCと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘVCより小さくなる態様に形成されても良い。
この場合、ダウンフレーム212(上下フレーム部)の前縁FEの下端LEFEを右前輪31および左前輪32に近づけることができる。これにより、車体フレーム21と右前輪31および左前輪32との干渉を避けつつ、右前輪31および左前輪32の後端の移動軌跡VLRTとダウンフレーム212(上下フレーム部)の前縁FEを車体フレーム21の前後方向でより近づけることができる。そのため、車両1のホイールベースを小さくでき、車両1の前後方向の大きさを小型化できる。従って、傾斜可能な車体フレーム21と2つの前輪を備えた車両1の左右方向および前後方向の大きさを小型化できる。
また、車体フレーム21の前記ダウンフレーム212(上下フレーム部)は、上端UEFEが前記ステアリングシャフト60の回転軸線SAよりステアリングシャフト60の回転軸線SAに平行で車両1の直立状態における右前輪31および左前輪32の後部に接する仮想平面VPTTに近い位置に配置されても良い。
この場合、ダウンフレーム212(上下フレーム部)の前縁FEの上端UEFEを車体フレーム21の前後方向で右前輪31および左前輪32に近接し過ぎないように配置できる。これにより、車体フレーム21と右前輪31および左前輪32との干渉を避けつつ、右前輪31および左前輪32の後端の移動軌跡VLRTとダウンフレーム212(上下フレーム部)の前縁FEを車体フレーム21の前後方向でより近づけることができる。そのため、車両1のホイールベースを小さくでき、車両1の前後方向の大きさを小型化できる。従って、傾斜可能な車体フレーム21と2つの前輪を備えた車両1の左右方向および前後方向の大きさを小型化できる。
また、車体フレーム21と右前輪31および左前輪32との干渉を避けつつ、右前輪31および左前輪32の後端の移動軌跡VLRTとダウンフレーム212(上下フレーム部)の前縁FEを車体フレーム21の前後方向でより近づけることに加えて、右前輪31および左前輪32は、右前輪31および左前輪32の上端が車体フレーム21のダウンフレーム212(上下フレーム部)の上端UEFEより車体フレーム21の上下方向の上方まで移動可能に構成されてもよい。従来、右前輪31および左前輪32の上下方向の移動量を大きくすると、後方への移動量も大きくなり、車両1の前後方向が大型化していた。しかしながら、右前輪31および左前輪32の上下方向の移動による後方への移動量が抑制されているため、右前輪31および左前輪32の上下方向の移動量を大きくすることができる。従って、傾斜可能な車体フレーム21と2つの前輪を備えた車両1の左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、右前輪31および左前輪32の上下方向の移動量を大きくすることができる。
また、右緩衝器33および左緩衝器35は、その伸縮方向TAと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘTAがステアリングシャフト60の回転軸線SAと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘSAと同じかそれより小さくなる態様で設けられてもよい。従来、伸縮量の大きい緩衝器を採用すると、右前輪31および左前輪32の後方への移動量も大きくなり、車両1の前後方向が大型化していた。しかしながら、右前輪31および左前輪32の上下方向の移動による後方への移動量が抑制されているため、車体フレーム21と右前輪31および左前輪32との干渉を避けつつ、伸縮量の大きい緩衝器を採用することができる。従って、傾斜可能な車体フレーム21と2つの前輪を備えた車両1の左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、伸縮量の大きい緩衝器を採用することができ、右前輪31および左前輪32の上下方向の移動量を大きくすることができる。
また、リンク機構5は、上クロス部材51の回転軸線AUCおよび下クロス部材52の回転軸線ALCに垂直な仮想平面VPVCと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘVCが右緩衝器33および左緩衝器35の伸縮方向TAと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘTAより小さくなる態様に設けられてもよい。この場合、傾斜可能な車体フレーム21と2つの前輪を備えた車両1の左右方向および前後方向の大型化を抑制しつつ、より伸縮量の大きい緩衝器を採用することができ、右前輪31および左前輪32の上下方向の移動量をより大きくすることができる。
また、車体フレーム21のダウンフレーム212(上下フレーム部)は、その前縁FEを構成する車体フレーム21の左右方向において右前輪31と左前輪32の中央に配置される単一の筒状部材を含んでもよい。
この場合、車体フレーム21と右前輪31および左前輪32との干渉を避けつつ、右前輪31および左前輪32の後端の移動軌跡VLRTに前縁FEを近づけたダウンフレーム212(上下フレーム部)の前縁FEを単一の筒状部材で構成する。剛性を確保しながらコンパクトにできる単一の筒状部材で右前輪31および左前輪32の後端に近いダウンフレーム212(上下フレーム部)の前縁FEを構成したので、車体フレーム21と右前輪31および左前輪32との干渉を避けつつ、右前輪31および左前輪32の後端の移動軌跡VLRTとダウンフレーム212(上下フレーム部)の前縁FEを車体フレーム21の前後方向でより近づけることができる。そのため、車両1のホイールベースを小さくでき、車両1の前後方向の大きさを小型化できる。従って、傾斜可能な車体フレーム21と2つの前輪を備えた車両1の左右方向および前後方向の大きさを小型化できる。
また、車体フレーム21は、上端UEFEとダウンフレーム212(上下フレーム部)の前縁FEを構成する前記単一の筒状部材の下部の後端REFを通る仮想線VLFURと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘLFURがステアリングシャフト60の回転軸線SAと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘSAより小さくなる態様に形成されてもよい。
この場合、ダウンフレーム212(上下フレーム部)の下部の後端REFを右前輪31および左前輪32に近づけて配置する。これにより、車体フレーム21と右前輪31および左前輪32との干渉を避けつつ、右前輪31および左前輪32の後端の移動軌跡VLRTとダウンフレーム212(上下フレーム部)の前縁FEを車体フレーム21の前後方向でより近づけることができる。そのため、車両1のホイールベースを小さくでき、車両1の前後方向の大きさを小型化できる。従って、傾斜可能な車体フレーム21と2つの前輪を備えた車両1の左右方向および前後方向の大きさを小型化できる。
〈全体構成〉
図1に示すように、車両1は、車両本体部2、前輪3、後輪4、操舵機構7、リンク機構5を備えている。車両本体部2は、主に、車体フレーム21、車体カバー22、ハンドル23、シート24およびパワーユニット25から構成されている。
車体フレーム21は、パワーユニット25やシート24等を支持する。パワーユニット25は、エンジンおよびミッション装置等を含んでいる。図1では車体フレーム21は破線で示されている。
車体フレーム21は、ヘッドパイプ(リンク支持部の一例)211と、連結部材215(上前後フレーム部の一例)と、ダウンフレーム(上下フレーム部の一例)212と、アンダーフレーム(下前後フレーム部の一例)214と、リアフレーム213とを含んでいる。ヘッドパイプ211は、車両の前部に配置されている。ヘッドパイプ211は、車両を側面から見て、垂直方向に対して車両後方にやや傾斜して配置されている。すなわち、ヘッドパイプ211は、図3中矢印H方向に沿って、配置されている。
ヘッドパイプ211の周囲には、操舵機構7およびリンク機構5が配置されている。ヘッドパイプ211には、ステアリングシャフト60が回転自在に挿入されている。ステアリングシャフト60は略上下方向に延びている。ステアリングシャフト60の上部には、ハンドル23が取り付けられている。
連結部材215は、ヘッドパイプ211の下部から車体フレーム21の前後方向の後方に延びている。ダウンフレーム212は、連結部材215の後部から車体フレーム21の上下方向の下方に延びている。アンダーフレーム214は、ダウンフレーム212の下部から後方に延びている。リアフレーム213は、シート24およびテールランプ等を支持する。
車体フレーム21は、車体カバー22によって覆われている。車体カバー22は、フロントカバー221、フロントフェンダー(フェンダーの一例)223、リアフェンダー224およびレッグシールド225を含んでいる。
フロントカバー221は、シート24の前端よりも前方に位置している。フロントカバー221は、操舵機構7の少なくとも一部を覆っている。フロントカバー221は、リンク機構5の少なくとも一部を覆っている。
フロントフェンダー223は、フロントカバー221の下方に配置されている。フロントフェンダー223は、左右1対の前輪3の上方にそれぞれ配置されている。リアフェンダー224は、後輪4の上方に配置されている。レッグシールド225は、ダウンフレーム212を覆うように設けられている。
前輪3は、ヘッドパイプ211よりも下方に位置している。前輪3は、フロントカバー221の下方に配置されている。後輪4は、車体カバー22の下方に配置されている。
操舵機構7、リンク機構5および車体カバー22について説明する。図2は、車体カバー22およびフロントフェンダー223を外した状態での車両1の全体正面図である。図3は、車体カバー22およびフロントフェンダー223を外した状態での車両1の部分側面図である。図4は、車体カバー22を外した状態での車両1の部分平面図である。図5は、車体フレームの前部の斜視図である。図6は、図5のA矢視図である。図7は、図5のB矢視図である。図8は、車両の前部を水平方向に切断した概略断面図である。
〈操舵機構〉
図2から図4に示すように、操舵機構7は、ハンドル23、ステアリングシャフト60、操作力伝達機構6、右緩衝器33、第1回転防止機構34、左緩衝器35、第2回転防止機構36、左右1対の前輪3、第1ブラケット317および第2ブラケット327などを含んでいる。
前輪3は、右前輪31および左前輪32を含んでいる。右前輪31は、車両の前方から見て、車体フレーム21の左右方向についてヘッドパイプ211より右方に配置されている。右前輪31の上方には、フロントフェンダー223が配置されている。左前輪32は、車両の前方から見て、車体フレーム21の左右方向についてヘッドパイプ211より左方に配置されている。左前輪32の上方には、フロントフェンダー223が配置されている。
右緩衝器33は第1外筒312を含んでいる。右前輪31は第1外筒312に支持されている。右前輪31は第1外筒312の下部に接続されている。第1外筒312は、下部に第1支持軸314を有している。第1支持軸314は、右前輪31を支持している。第1外筒312は車体フレーム21の上下方向に延びている。
第1回転防止機構34は、第1ガイド313を含んでいる。第1外筒312の上部には、第1ガイド313が配置されている。第1ガイド313は、第1外筒312の上部に固定されている。右前輪31は、第1中心軸Xを中心に回転可能である。右前輪31は、第1中心軸Xを中心に回転して向きを変えることができる。
左緩衝器35は第2外筒322を含んでいる。左前輪32は第2外筒322に支持されている。左前輪32は第2外筒322の下部に接続されている。第2外筒322は、下部に第2支持軸324を有している。第2支持軸324は、左前輪32を支持している。第2外筒322は、車体フレーム21の上下方向に延びている。
第2回転防止機構36は、第2ガイド323を含んでいる。第2外筒322の上部には、第2ガイド323が配置されている。第2ガイド323は、第2外筒322の上部に固定されている。左前輪32は第2中心軸Yを中心に回転する。左前輪32は、第2中心軸Yを中心に回転して向きを変えることができる。
右緩衝器33は、いわゆるテレスコピック式の緩衝器であり、路面からの振動を減衰させる。右緩衝器33は、第1外筒312および第1内筒316を含んでいる。第1内筒316は、第1外筒312の上方に配置されている。第1外筒312には、第1内筒316の一部が挿入されている。第1内筒316は、第1外筒312の延びる方向において、第1外筒312に対して相対移動可能である。第1内筒316の上部は、第1ブラケット317に固定されている。
第1回転防止機構34は、第1外筒312の第1内筒316に対する回転を防止する。第1回転防止機構34は、第1ガイド313、第1回転防止ロッド341および第1ブラケット317を含んでいる。第1ガイド313は、第1回転防止ロッド341の移動方向をガイドしている。第1ガイド313は、第1ガイド筒313bを含んでいる。第1ガイド筒313bには、第1回転防止ロッド341が挿入されている。第1回転防止ロッド341は、第1ガイド筒313bに対して相対移動可能である。第1回転防止ロッド341は、右前輪31の第1内筒316に対する相対回転を防止する。第1回転防止ロッド341は、右緩衝器33と平行に配置されている。第1回転防止ロッド341の上部は、第1ブラケット317に固定されている。第1回転防止ロッド341は、第1内筒316に対して相対移動不能である。第1ブラケット317は、第1内筒316と第1回転防止ロッド341を固定する。
左緩衝器35は、いわゆるテレスコピック式の緩衝器であり、路面からの振動を減衰させる。左緩衝器35は、右緩衝器33と同様で左右対称な構成である。左緩衝器35は、第2外筒322および第2内筒326を含んでいる。第2内筒326の上部は、第2ブラケット327に固定されている。
第2回転防止機構36は、第2外筒322の第2内筒326に対する回転を防止する。第2回転防止機構36は、第1回転防止機構34と同様で左右対称な構成である。第2回転防止機構36は、第2ガイド323、第2ガイド筒323b、第2回転防止ロッド361および第2ブラケット327を含んでいる。第2回転防止ロッド361は、左緩衝器35と平行に配置され、左前輪32の第2内筒326に対する相対回転を防止する。
右緩衝器33および左緩衝器35は、車両の加減速時または悪路走行時等に伸縮する。
操作力伝達機構6は、ステアリングシャフト60、第1伝達プレート61、第2伝達プレート62、第3伝達プレート63、第1ジョイント64、第2ジョイント65、第3ジョイント66、タイロッド67、第1ブラケット317および第2ブラケット327を含んでいる。
操作力伝達機構6は、乗員によるハンドル操作に伴って、ハンドル23の操作力を右前輪31および左前輪32に伝達する。操作力伝達機構6は、右前輪31および左前輪32よりも上方に配置されている。
第1伝達プレート61は、ステアリングシャフト60に接続されている。第1伝達プレート61は、ステアリングシャフト60と相対回転不能である。ハンドル23をヘッドパイプ211に対して回転させると、ステアリングシャフト60がヘッドパイプ211に対して回転する。ステアリングシャフト60の回転に伴って、第1伝達プレート61は回転する。
第2伝達プレート62は、右サイド部材53に接続されている。第2伝達プレート62は、右サイド部材53に対して回転可能に接続されている。第2伝達プレート62は、第1ブラケット317に固定されている。第2伝達プレート62は、第1ブラケット317の下方に位置している。
第3伝達プレート63は、左サイド部材54に接続されている。第3伝達プレート63は、左サイド部材54に対して回転可能に接続されている。第3伝達プレート63は、正面視において、第1伝達プレート61を中心として第2伝達プレート62と対称に配置されている。第3伝達プレート63は、第2ブラケット327に固定されている。第3伝達プレート63は、第2ブラケット327の下方に位置している。
タイロッド67は、ステアリングシャフト60から伝達された操作力を第1ブラケット317および第2ブラケット327に伝達する。タイロッド67は、車体フレーム21の左右方向に延びている。第1伝達プレート61の前部の幅(車体フレーム21の左右方向の寸法)は、第1伝達プレート61の後部の幅よりも狭い。第1伝達プレート61の前部には第1ジョイント64が配置されている。第2伝達プレート62の前部の幅は、第2伝達プレート62の後部の幅よりも狭い。第2伝達プレート62の前部には第2ジョイント65が配置されている。第2伝達プレート62は、第1伝達プレート61より右方に配置されている。第3伝達プレート63の前部の幅は、第3伝達プレート63の後部の幅よりも狭い。第3伝達プレート63の前部には第3ジョイント66が配置されている。第3伝達プレート63は、第1伝達プレート61より左方に配置されている。
タイロッド67は、第1フロントロッド641、第2フロントロッド651および第3フロントロッド661を含んでいる。第1フロントロッド641は、第1ジョイント64で第1伝達プレート61に対して相対回転可能に支持されている。第1フロントロッド641は、車体フレーム21の左右方向についてタイロッド67の中間に設けられている。第2フロントロッド651は、第2ジョイント65で第2伝達プレート62に対して相対回転可能に支持されている。第2フロントロッド651は、第1フロントロッド641の右方に配置されている。第3フロントロッド661は、第3ジョイント66で第3伝達プレート63に対して相対回転可能に支持されている。第3フロントロッド661は、第1フロントロッド641の左方に配置されている。
タイロッド67は、第1リング671、第2リング672、第3リング673を含んでいる。第1リング671には、第1フロントロッド641が挿入されて第4ジョイントを構成している。第2リング672には、第2フロントロッド651が挿入されて第5ジョイントを構成している。第3リング673には、第3フロントロッド661が挿入されて第6ジョイントを構成している。
〈リンク機構〉
図2から図4に示すように、リンク機構5は、ハンドル23の下方に配置されている。リンク機構5は右前輪31および左前輪32の上方に配置されている。リンク機構5は、ヘッドパイプ211に支持されている。
上クロス部材51は、支持部Aによって車体フレーム21のヘッドパイプ211に支持されている。上クロス部材51は、回転軸線(支持部A)を中心として回転可能に車体フレーム21に支持されている。上クロス部材51は、上クロス部材51と下クロス部材52を含む平面内で回転可能にヘッドパイプ211に支持されている。上クロス部材51は、ステアリングシャフト60に対して左右方向に相対回転自在である。ハンドル23の回転に伴ってステアリングシャフト60が車体フレーム21に対して回転した場合であっても、上クロス部材51は、車体フレーム21に対して回転しない。
上クロス部材51は、1対の板状の部材512を含んでいる。上クロス部材51は、車体フレーム21の左右方向に延びている。1対の板状の部材512は、車体フレーム21の前後方向においてヘッドパイプ211を挟んでいる。上クロス部材51の右部は、接続部Bによって右サイド部材53に接続されている。上クロス部材51は、右サイド部材53に回転軸線(接続部B)を中心に回転可能に接続されている。上クロス部材51の左部は、接続部Cによって左サイド部材54に接続されている。上クロス部材51は、回転軸線(接続部C)を中心に左サイド部材54に相対回転自在に取り付けられている。
下クロス部材52は、支持部Dによって車体フレーム21のヘッドパイプ211に支持されている。下クロス部材52は、回転軸線(支持部D)を中心として回転可能に車体フレーム21に支持されている。下クロス部材52は、車体フレーム21の上下方向について、上クロス部材51の下方に配置されている。車体フレーム21の左右方向について、下クロス部材52は、上クロス部材51と同じ長さである。下クロス部材52は、ステアリングシャフト60に対して左右方向に相対回転自在である。ハンドル23の回転に伴ってステアリングシャフト60が車体フレーム21に対して回転した場合であっても、下クロス部材52は、車体フレーム21に対して回転しない。
下クロス部材52は、1対の板状の部材522を含んでいる。下クロス部材52は、車幅方向に延びている。1対の板状の部材522は、車体フレーム21の前後方向においてヘッドパイプ211を挟んでいる。下クロス部材52の右部は、接続部Eによって右サイド部材53に接続されている。下クロス部材52は、右サイド部材53に回転軸線(接続部E)を中心に回転可能に接続されている。下クロス部材52の左部は、接続部Fによって左サイド部材54に接続されている。下クロス部材52は、左サイド部材54に回転軸線(接続部F)を中心に回転可能に接続されている。
右サイド部材53は、車体フレーム21の左右方向についてヘッドパイプ211より右方に配置されている。右サイド部材53は、車体フレーム21の上下方向に延びている。右サイド部材53は、ヘッドパイプ211の延びる方向に延びている。右サイド部材53はステアリングシャフト60の延びる方向に延びている。
右サイド部材53は、右前輪31より上方に配置されている。右サイド部材53は、下部で第1ブラケット317に接続されている。右サイド部材53は、第1ブラケット317に対して第1中心軸Xを中心に回転可能に取り付けられている。
第1ブラケット317は、ハンドル23を回転させることで、右サイド部材53との接続部分を中心に回転する。右サイド部材53は、第1ブラケット317が回転した場合に車体フレーム21に対して回転しない。右サイド部材53は、車体フレーム21の左右方向について右緩衝器33よりも右方に配置されている。右サイド部材53は、車体フレーム21の上下方向について右緩衝器33よりも上方に配置されている。
左サイド部材54は、車体フレーム21の左右方向についてヘッドパイプ211より左方に配置されている。左サイド部材54は、車体フレーム21の上下方向に延びている。左サイド部材54は、ヘッドパイプ211の延びる方向に延びている。左サイド部材54は、ステアリングシャフト60の延びる方向に延びている。
左サイド部材54は、車体フレーム21の上下方向について左前輪32より上方に配置されている。左サイド部材54は、下部で第2ブラケット327に接続されている。左サイド部材54は、第2ブラケット327に対して第2中心軸Yを中心に回転可能に取り付けられている。
第2ブラケット327は、ハンドル23を回転させることで、左サイド部材54との接続部分を中心に回転する。左サイド部材54は、第2ブラケット327が回転した場合に車体フレーム21に対して回転しない。左サイド部材54は、車体フレーム21の左右方向について左緩衝器35よりも左方に配置されている。左サイド部材54は、車体フレーム21の上下方向について左緩衝器35より上方に配置されている。
車体フレーム21の前後方向において、ヘッドパイプ211の上部は、1対の板状の部材512に挟まれている。車体フレーム21の前後方向において、ヘッドパイプ211の下部は、1対の板状の部材522に挟まれている。車体フレーム21の側面視において、回転軸線(支持部A)は、ステアリングシャフト60と交差するように延びている。側面視において、回転軸線(支持部D)は、ステアリングシャフト60と交差するように延びている。
〈車体フレーム〉
図1および図3に示すように、車体フレーム21は、ヘッドパイプ(リンク支持部の一例)211と、ダウンフレーム(上下フレーム部の一例)212と、アンダーフレーム(下前後フレーム部の一例)214と、リアフレーム213とを含んでいる。ヘッドパイプ211は、リンク機構5を支持する。
図5から図7に示すように、ダウンフレーム212の上部が連結部材215によってヘッドパイプ211の下部の後部に接続されている。ダウンフレーム212は、車体フレームの上下方向に延びている。アンダーフレーム214は、中央アンダーフレーム214aと、車体フレーム21の左右方向についてこの中央アンダーフレーム214aの左方および右方に配置された2本の側部アンダーフレーム214bとを含んでいる。つまり、アンダーフレーム214は、3本の部材で構成されている。中央アンダーフレーム214aは、ダウンフレーム212の下部から車体フレーム21の前後方向の後方へ延びている。側部アンダーフレーム214bは、ダウンフレーム212の下部からそれぞれ車体フレーム21の左方および右方へ延び、さらに、車体フレーム21前後方向の後方へ向けて延びている。
ダウンフレーム212は、アンダーフレーム214を構成する中央アンダーフレーム214aおよび側部アンダーフレーム214bのいずれよりも曲げ剛性が大きくされている。ここでいう曲げ剛性は、各フレーム部材を単体で見た場合に、各フレーム部材に対して軸線方向に直交する方向の力を加えたときの曲げ(いわゆる一次曲げ)の曲げ剛性を意味する。ダウンフレーム212は、例えば、中央アンダーフレーム214aおよび側部アンダーフレーム214bのいずれよりも太くすることで曲げ剛性が大きくされている。車体フレーム21の左右方向から見て、ダウンフレーム212は、アンダーフレーム214に対して略垂直とされている。アンダーフレーム214を構成する中央アンダーフレーム214aおよび側部アンダーフレーム214bは、水平方向に沿って互いに並列されている。
ダウンフレーム212の下部の後方において、中央アンダーフレーム214aと側部アンダーフレーム214bとの間には、車体フレーム21の左右方向に延びる連結部材228が設けられている。連結部材228は、中央アンダーフレーム214aと側部アンダーフレーム214bとを連結している。連結部材228は、例えば剛性の高い金属板で形成され、ダウンフレーム212の下部の後部と、中央アンダーフレーム214aと側部アンダーフレーム214bの前部とを連結している。このように、連結部材228によって、ダウンフレーム212とアンダーフレーム214の連結部分の剛性が補強されている。
側部アンダーフレーム214b同士の間には、補強パイプ214cが車体フレーム21の左右方向に沿って設けられている。補強パイプ214cの両端が、側部アンダーフレーム214bに連結されている。中央アンダーフレーム214aの後端が、補強パイプ214cに連結されている。
アンダーフレーム214の上部には、ブラケット216が設けられている。ブラケット216は、車両の幅方向に沿って設けられている。ブラケット216は、下方へ向かって突出する固定部216aを有している。ブラケット216の各固定部216aは、アンダーフレーム214を構成する中央アンダーフレーム214aおよび側部アンダーフレーム214bに固定されている。ブラケット216には、足置き板217が固定される(図1参照)。足置き板217はブラケット216に固定されてアンダーフレーム214の上部で水平に配置される。足置き板217の上方は、足置きスペースSとされている。足置きスペースSは、車両1における右前輪31および左前輪32の後方において車体フレーム21の左右方向に貫通している。
〈車体カバー〉
図1や図4に示すように、車体カバー22は、フロントカバー221、フロントフェンダー223およびリアフェンダー224を含んでいる。
フロントフェンダー223は、操舵機構7を構成する第1ブラケット317または第2ブラケット327に支持されている。第1ブラケット317および第2ブラケット327には、下方へ突出する複数のスタッドボルト223aが設けられている。それぞれのフロントフェンダー223は、第1ブラケット317および第2ブラケット327に対して、相対回転することなく締結固定されている。
車体カバー22のフロントカバー221は、リンク機構5よりも前方に配置される前部221aを含んでいる。フロントカバー221の前部221aの下端は、車両1の側面視において、右前輪31および左前輪32の上端よりも上方に設けられている。フロントカバー221の前部221aは、車両1の側面視において、右前輪31および左前輪32の前端よりも後方に設けられている。
図8に示すように、車体カバー22の一部を構成するレッグシールド225は、ダウンフレーム212を覆うように設けられている。レッグシールド225は、車両の前方の前方部材226と車両の後方の後方部材227とを有している。レッグシールド225の前方部材226には、2つの凹部226a,226bが形成されている。レッグシールド225の後方部材227は、略平面とされている。前方部材226の凹部226aは、車両1の前方から見て、右前輪31および右前輪31を覆うフロントフェンダー223の後方に配置されている。前方部材226の凹部226bは、車両1の前方から見て、左前輪32および左前輪32を覆うフロントフェンダー223の後方に配置されている。
〈緩衝器の伸縮動作〉
図8に示すように、右前輪31および右前輪31を覆うフロントフェンダー223は、車両の直立時の位置(図8中実線で示す位置)に対して、減速時や悪路走行時などに右緩衝器33が最大に収縮した最大収縮時の位置(図8中点線で示す位置)まで可動する。右緩衝器33の伸縮動作では、右緩衝器33が最大に収縮した最大収縮時の位置と右緩衝器33が最大に伸長した最大伸長時の位置との間の範囲が可動範囲となる。左前輪32および左前輪32を覆うフロントフェンダー223は、左緩衝器35の伸縮動作により、右前輪31および右前輪31を覆うフロントフェンダー223と同様に可動する。
〈操舵動作〉
図9は、操舵動作を説明する図であり、車体カバーを外した状態での車両の部分平面図である。
図9に示すように、ハンドル23が回されると、操舵機構7の操作力伝達機構6が動作し、操舵動作が行われる。ハンドル23が回転されることでステアリングシャフト60が回転すると、ステアリングシャフト60の回転に伴って第1伝達プレート61が回転する。例えば、ステアリングシャフト60が図9の矢印Gの方向に回転すると、第1伝達プレート61の回転に伴って、タイロッド67が右後方に移動する。このとき、タイロッド67は第1ジョイント64を介して第1伝達プレート61に対して回転可能に支持されているので、タイロッド67は姿勢を維持しながら右後方に移動する。タイロッド67の右後方への移動に伴って、第2伝達プレート62および第3伝達プレート63は、それぞれ右サイド部材53および左サイド部材54を中心として、矢印Gの方向に回転する。
第2伝達プレート62および第3伝達プレート63が矢印Gの方向に回転すると、第1ブラケット317および第2ブラケット327が矢印Gの方向に回転する。第1ブラケット317および第2ブラケット327が矢印Gの方向に回転すると、右前輪31が右緩衝器33を介して第1中心軸Xを中心として回転し、左前輪32が左緩衝器35を介して第2中心軸Yを中心として回転する。
この操舵動作において、第1ブラケット317および第2ブラケット327が回転することで、これらの第1ブラケット317および第2ブラケット327に固定されたフロントフェンダー223が連動して移動し、車体フレーム21に対して平面視で傾く。操舵機構による操舵動作では、上記のようなフロントフェンダー223の回転動作の範囲が可動範囲であり、前輪の回転動作の範囲が可動範囲である。
〈傾斜動作〉
図10は、傾斜動作を説明する図であり、車体カバーを外した状態での車両の全体正面図である。図11は、傾斜動作時における車輪等の動きを説明する図であり、車両の前部を水平方向に切断した概略断面図である。
図10に示すように、車両1が左右方向に傾斜すると、リンク機構5は作動する。乗員が車両1を左方に傾斜させると、ヘッドパイプ211が垂直に対して左方に傾斜する。ヘッドパイプ211が傾斜すると、上クロス部材51は支持部Aを中心としてヘッドパイプ211に対して回転し、下クロス部材52は支持部Dを中心としてヘッドパイプ211に対して回転する。すると、上クロス部材51が下クロス部材52よりも左方に移動し、右サイド部材53および左サイド部材54は、ヘッドパイプ211と平行に、垂直方向に対して傾斜する。右サイド部材53および左サイド部材54が傾斜する際に、右サイド部材53および左サイド部材54は、上クロス部材51および下クロス部材52に対して回転する。したがって、車両1を傾斜させると、右サイド部材53および左サイド部材54の傾斜に伴って、右サイド部材53および左サイド部材54に支持された右前輪31および左前輪32はそれぞれ垂直方向に対してヘッドパイプ211と平行に傾斜する。
この傾斜動作において、ヘッドパイプ211とともにステアリングシャフト60が傾斜する。この傾斜動作において、第1ブラケット317および第2ブラケット327が固定された右サイド部材53および左サイド部材54が傾斜する。これにより、第1ブラケット317および第2ブラケット327に固定されたフロントフェンダー223が連動して移動し、垂直方向に対して正面視で傾く。
図11は、リンク機構5の傾斜動作において、リンク機構5の左サイド部材54が上方に移動し、リンク機構5の右サイド部材53が下方に移動した場合における、右前輪31および右前輪31を覆うフロントフェンダー223の可動範囲と左前輪32および左前輪32を覆うフロントフェンダー223の可動範囲を示している。
リンク機構5の作動に伴い、左サイド部材54がヘッドパイプ211に沿って(図3中矢印H方向に沿って)上方に移動すると、左前輪32および左前輪32を覆うフロントフェンダー223も、ヘッドパイプ211に沿って上方に移動しつつ右方に移動する。この動作を平面図で見ると、図11に破線で示すように、左前輪32および左前輪32を覆うフロントフェンダー223は、左サイド部材54がヘッドパイプ211に沿って上方に移動するのに伴い、レッグシールド225の前方部材226とダウンフレーム212とに近づくように移動する(なお、左前輪32の車両直立時の位置は図11では実線で示されている)。また、このとき、左前輪32および左前輪32を覆うフロントフェンダー223が凹部226b内に配置される。また、このとき、ダウンフレーム212の前端部分は、左前輪32および左前輪32を覆うフロントフェンダー223の後端部分よりも前方に位置する。
また、このとき、右前輪31および右前輪31を覆うフロントフェンダー223は、リンク機構5の作動に伴い右サイド部材53がヘッドパイプ211に沿って(図3中矢印H方向に沿って)下方に移動し、レッグシールド225の前方部材226から離れるように移動する。
また、上記の動作とは逆に、リンク機構5が、左サイド部材54が下方に移動し、右サイド部材53が上方に移動するように作動すると、左前輪32および左前輪32を覆うフロントフェンダー223はレッグシールド225の前方部材226から離れるように移動し、右前輪31および右前輪31を覆うフロントフェンダー223は、レッグシールド225の前方部材226に近づくように移動する。このとき、右前輪31および左前輪31を覆うフロントフェンダー223が凹部226a内に配置される。
〈可動範囲〉
図12は、車両前部の左部分側面図であり、前輪3および前輪を覆うフロントフェンダー223の可動範囲Wを図示している。前輪3および前輪を覆うフロントフェンダー223は、操舵機構7による操舵動作とリンク機構5による傾斜動作と緩衝器の伸縮動作の少なくとも1つの動作に伴い一定の範囲を可動する。符号Waは、前輪3および前輪を覆うフロントフェンダー223がレッグシールド225に最も近づく最近接位置を示し、符号Wbは、前輪3および前輪を覆うフロントフェンダー223がレッグシールド225から最も離れる最離間位置を示している。
図12に示すように、車体フレーム21の左右方向から見て、ダウンフレーム212は、その上部の一部が、前輪3および前輪3を覆うフロントフェンダー223の可動範囲Wと重なる。
以上、説明したように、本実施形態に係る車両1によれば、ダウンフレーム212がヘッドパイプ211に接続されるとともにその接続箇所より後方かつ下方に向けて延びている。さらに、車体フレーム21の左右方向から見て、ダウンフレーム212の一部が、2つの前輪3の可動範囲および2つの前輪3の一部を覆うフロントフェンダー223の可動範囲と重なるように配置されている。このような構成により、ダウンフレーム212は、2つの前輪3に近い位置に配置されて垂直に近い姿勢になる。このように、車体フレーム21のうち2つの前輪3の後方に位置する部分を従来よりも前方寄りに配置できるため、2つの前輪3の後方において左右に貫通する足置きスペースSを広く確保することができる。よって、乗りにくさや降りにくさを改善することができる。
重量が大きくなりやすいリンク機構5の回転軸が前輪3の上方に配置される構成では、リンク機構5を介して伝達してくる前後方向の力を車体フレーム21で支持する。車体フレーム21には高い剛性が求められる。例えば、従来の構成のように、単に上フレームを無くしてしまうと、前後方向の力を支持することが難しい。しかし、本実施形態の上記のダウンフレーム212はアンダーフレーム214を構成する中央アンダーフレーム214aおよび側部アンダーフレーム214bのいずれよりも大きい曲げ剛性を有するため、従来の構成のように上フレームを設けることなく前述の前後方向の力を支持するのに十分な曲げ剛性を確保できる。従って、右前輪31および左前輪32の後方において左右に貫通する足置きスペースSを広く確保しつつ、前後方向の力に対する剛性を十分に確保できる。
本実施形態では、車体フレーム21の左右方向から見て、ダウンフレーム212をアンダーフレーム214に対して略垂直にしたことにより、右前輪31および左前輪32の後方において左右に貫通する足置きスペースSをより広く確保することができる。よって、乗りにくさや降りにくさを改善することができる。
本実施形態では、アンダーフレーム214を構成する中央アンダーフレーム214aおよび側部アンダーフレーム214bを水平方向に沿って互いに並列させたことで、アンダーフレーム214の上方に平らな足置き板217を設置でき、乗車時に足置き板217に足を置いて良好に乗車することができる。
本実施形態では、ダウンフレーム212を覆う車体カバー22のレッグシールド225の後方部材227を略平面としたことで、乗車時に車体カバー22が邪魔となることがなく、よって、乗員が乗り降りしやすくなる。
また、本実施形態の車体フレーム22は、ダウンフレーム212の下部に設けられ複数のアンダーフレーム214と接続される部分を有する連結部材228を有している。そして、ダウンフレーム212の下部には、連結部材228と、ダウンフレーム212の下部と連結部材228とが接続する部分と、アンダーフレーム214の前方部分と連結部材228とが接続する部分と、を含む部分である連結部が形成されている。車両側面視において、ダウンフレーム212と複数本のアンダーフレーム214(214a,214b)とは略直角の向きに配置され、ダウンフレーム212の曲げ剛性は、複数本のアンダーフレーム214のいずれの曲げ剛性よりも大きく、連結部の前後方向の曲げ剛性は、ダウンフレーム212の前後方向の曲げ剛性より大きく、連結部の上下方向の曲げ剛性は、複数本のアンダーフレーム214の合計の上下方向の曲げ剛性より大きい。
このような構成では、ダウンフレーム212に伝達してきた力は、連結部に集中する場合がある。しかし、連結部はダウンフレーム212より前後方向の曲げ剛性が大きいため、連結部は変形しにくく、ダウンフレーム212を強固に支持することができる。さらに、ダウンフレーム212まで伝達してきた力の一部がアンダーフレーム214まで伝達してアンダーフレーム214に上下方向の力が加わる場合がある。しかし、連結部の上下方向の曲げ剛性は、複数本のアンダーフレーム214の合計の上下方向の曲げ剛性より大きいため、連結部は変形しにくくアンダーフレーム214を強固に支持することができる。
このように、本実施形態の車体フレーム212は、従来の上フレームを設けることなく、車両前部から伝達してきた力を支持するのに十分な曲げ剛性(連結部が変形するよりも先に他の部分が変形する程度の曲げ剛性)を確保することができる。例えば、悪路走行時であっても充分な剛性を確保することができる。さらに、車体フレーム22のうちリンク機構5を支持して後方かつ下方に延びる部分を従来よりも前方寄りに配置できるため、ダウンフレーム212を従来よりも前方寄りに配置できる。このため、前輪3の後方において左右に貫通する足置きスペースを広く確保することができる。
なお、複数本のアンダーフレーム214の曲げ剛性の合計が、ダウンフレーム212の曲げ剛性に対して大きくても小さくても良い。
また、連結部は、ダウンフレーム212とアンダーフレーム214とが直接は溶接されずガゼット構造物を介して連結される形態や、アンダーフレーム214がガゼット構造物内でダウンフレーム212と直接溶接されて連結される形態等を例示できる。
なお、上記実施形態では、車体フレーム21の左右方向から見て、ダウンフレーム212の一部を、減速時や悪路走行時などに右緩衝器33または左緩衝器35が大きく収縮したり、リンク機構5が作動した時に2つの前輪3およびフロントフェンダー223と重なるように配置させたが、車体フレーム21の左右方向から見て、車両が直立状態である時にダウンフレーム212の一部を、前輪3およびフロントフェンダー223の可動範囲と重なるように配置させても良い。また、車両を停止させた状態で乗員が車両に乗車して、乗員の重量により車体が下方に沈んだ状態において、ダウンフレーム212の一部を、前輪3およびフロントフェンダー223の可動範囲と重なるように配置させる構成でも良い。
また、上記実施形態では、車体フレーム21の左右方向から見て、ダウンフレーム212の一部を、2つの前輪3およびフロントフェンダー223の可動範囲と重なるように配置させたが、ダウンフレーム212の一部を、2つの前輪3またはフロントフェンダー223のいずれかの可動範囲と重なるように配置させても良い。
また、上記実施形態では、アンダーフレーム214は、中央アンダーフレーム214aと、2本の側部アンダーフレーム214bとからなる3本で構成を例示したが、数はこの例に限らず、例えば中央アンダーフレーム214aの1本としても良い。
以上、本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
特許文献1に記載の傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両の車体フレームは、ヘッドパイプのうちリンク機構より上方の部分から車体後方に向かって延びる上フレームと、リンク機構より下方の部分から車体後方へ延びる下フレームとが、それぞれシート下方まで延びている。
このような車体フレームの構造では、上フレームが存在するため、左右に貫通する足置きスペースSを設けることができない。そのため、乗員は、乗車時に車体をまたぐ動作が必要となる。
本実施例に係る傾斜可能な車体フレーム21と2つの前輪3を備えた車両1は、車両1の前方から見て左右に配置される右前輪31および左前輪32を備えている。その車両1は、右前輪31および左前輪32より上方に配置される回転軸を中心に回転する回転部材51、52を含み、回転部材51、52の回転動作に連動して傾斜動作を行うことで右前輪31および左前輪32をそれぞれ傾けるためのリンク機構5を備えている。その車両1は、リンク機構5を支持する第1支持部と、第1支持部に接続されるとともにその接続箇所より後方かつ下方に向けて延びる第2支持部と、を有する車体フレーム21を備えている。また、その車両1は、車体フレーム21の左右方向から見て、第2支持部の一部が、右前輪31または左前輪32の可動範囲および、右前輪31の一部または左前輪32の一部を覆うフェンダー223の可動範囲の少なくとも一方と重ねられている。
上記の車両1では、第2支持部が第1支持部に接続されるとともにその接続箇所より後方かつ下方に向けて延び、さらに、車体フレーム21の左右方向から見て、第2支持部の一部が、右前輪31および左前輪32の可動範囲または右前輪31および左前輪32の一部を覆うフェンダー223の可動範囲の少なくとも一方と重なるように配置されている。このような構成により、第2支持部は、右前輪31および左前輪32に近い位置に配置されて垂直に近い姿勢にすることができる。このように、車体フレーム21のうちリンクを支持して後方かつ下方に延びる部分を従来よりも前方寄りに配置できるため、右前輪31および左前輪32の後方において左右に貫通する足置きスペースSを広く確保することができる。よって、乗りにくさや降りにくさを改善することができる。
車両1において、車体フレーム21は、第2支持部の下部から後方へ向けて延びる複数本の第3支持部を含み、複数本の第3支持部のいずれよりも第2支持部の曲げ剛性が大きいことが好ましい。重量が大きくなりやすいリンク機構5の回転軸が前輪3の上方に配置される構成では、リンク機構5を介して伝達してくる前後方向の力を車体フレーム21で支持しなければならない。例えば、上記の従来の構成において、単に上フレームを無くしてしまうと、前後方向の力を支持することが難しい。しかし、本発明の車両1の第2支持部は複数本の第3支持部のいずれよりも大きい曲げ剛性を有するため、従来の構成のように上フレームを設けることなく前述の前後方向の力を支持するのに十分な曲げ剛性を確保することができる。また、第3支持部は、第2支持部の下部から後方へ向けて複数本延びるように設けられているため、リンク機構5の重量や車両1前方から伝わってきた力を支持するのに十分な剛性を確保することができる。従って、右前輪31および左前輪32の後方において左右に貫通する足置きスペースを広く確保しつつ、前後方向の力に対する剛性を十分に確保することができる。
車両1において、複数本の第3支持部は、水平方向に沿って互いに並列されていることが好ましい。上記の車両1では、複数本の第3支持部を水平方向に沿って互いに並列させたことで、第3支持部の上方に平らな足置き板を設置しやすくなる。よって、乗車時に足置き板に足を置いて乗車することができる。
車両1において、車体フレーム21の左右方向から見て、第2支持部は、第3支持部に対して略垂直であることが好ましい。上記の車両1では、車体フレーム21の左右方向から見て、第2支持部を第3支持部に対して略垂直にしたことにより、右前輪31および左前輪32の後方において左右に貫通する足置きスペースをより広く確保することができる。よって、乗りにくさや降りにくさを改善することができる。
車両1において、第2支持部を覆う車体カバー22の後面が略平面であることが好ましい。上記の車両1では、第2支持部を覆う車体カバー22の後面を略平面としたことで、足置きスペースSの前部を左右方向にフラットにして、足置きスペースSをより広く確保することができる。また、乗車時に車体カバー22が障害となることがなく、乗員が乗り降りしやすくなる。本発明によれば、左右に貫通する足置きスペースSを設けることが可能な車両1を提供できる。
[鋭角]
なお、本発明および上記実施形態における鋭角とは、0°を含み90°より小さい角度とする。本来、鋭角は、0°を含まないが、本発明および上記実施形態においては、鋭角は0°を含むものとする。また、上記実施例では、クロス部材の上軸線および下軸線と垂直に交わる仮想平面は、後方かつ上方に延びる平面である。しかしながら、これに限定されることなく、クロス部材の上軸線および下軸線と垂直に交わる仮想平面が、前方かつ上方に延びる平面であっても良い。
[平行・延びる・沿う]
本明細書において、「平行」は、±10°の範囲で傾斜し、部材として交わらない2つの直線も含む。本発明において、「方向」および「部材」等に対して「沿う」は、±40°の範囲で傾斜する場合も含む。本発明において、「方向」に対して「延びる」は、±40°の範囲で傾斜する場合も含む。
[四輪・パワーユニット・車体カバー]
本発明に係る車両は、傾斜可能な車体フレームと2つの前輪を備えた車両である。後輪の数は1つに限らず2つでも良い。また、車体フレームを覆う車体カバーを備えていても良い。車体フレームを覆う車体カバーを備えていなくても良い。パワーユニットは、動力源を含む。動力源は、エンジンに限らず電動モータであっても良い。
[ヘッドパイプとサイド部材]
上記各実施形態においては、車体フレーム21の左右方向見て、右サイド部材53、左サイド部材54およびヘッドパイプ211は、重なる位置に設けられている。しかしながら、車体フレーム21の左右方向から見て、右サイド部材53と左サイド部材54に対しヘッドパイプ211が前後方向の異なる位置に設けられていてもよい。また、右サイド部材53と左サイド部材54の車体フレーム21の上下方向に対する傾斜角度が、ヘッドパイプ211の傾斜角度と異なっていてもよい。
[リンク支持部]
なお、リンク支持部は、一片の部品で構成されていても、複数の部品で構成されていても良い。複数の部品で構成されている場合、溶接、接着などにより結合されていても、ボルト、リベットなどの締結部材で結合されていても良い。
[クロス部材・サイド部材]
なお、上クロス部材は、一片の部品で構成される上前クロス部材、一片の部品で構成される上後クロス部材、およびそれらの間に設けられ、複数の部品で構成される連結部材を含んでいても良い。複数の部品で構成されている場合、溶接、接着などにより結合されていても、ボルト、リベットなどの締結部材で結合されていても良い。
なお、下クロス部材は、一片の部品で構成される下前クロス部材、一片の部品で構成される下後クロス部材、およびそれらの間に設けられ、複数の部品で構成される連結部材を含んでいても良い。複数の部品で構成されている場合、溶接、接着などにより結合されていても、ボルト、リベットなどの締結部材で結合されていても良い。
なお、右サイド部材および左サイド部材は、一片の部品で構成されていても、複数の部品で構成されていても良い。複数の部品で構成されている場合、溶接、接着などにより結合されていても、ボルト、リベットなどの締結部材で結合されていても良い。また、上クロス部材または下クロス部材より車体フレームの前後方向の前方に配置される部位と後方に配置される部位を含んでいても良い。右サイド部材および左サイド部材の前方に配置される部位と後方に配置される部位の間に上クロス部材または下クロス部材が配置されても良い。
[車体フレームの構成:一体・別体、一体の場合の前縁の上端、上下フレーム部の構成]
本実施例において、車体フレーム21は、リンク支持部211と連結部材215(上前後フレーム部)とダウンフレーム212(上下フレーム部)とアンダーフレーム214(下前後フレーム部)を有し、それらが溶接により接続されている。しかしながら、本発明の車体フレーム21は上記実施形態に限定されない。車体フレーム21は、リンク支持部と上前後フレーム部と上下フレーム部と下前後フレーム部を有していればよい。例えば、車体フレーム21は、鋳造等により全部または一部が一体に形成されていてもよい。また、車体フレーム21は、上前後フレーム部と上下フレーム部が1つの部材で構成されていてもよいし、別部材で構成されていてもよい。
なお、上前後フレーム部と上下フレーム部が1つの部材で構成され、しかも、湾曲する形状に構成されている場合、車両が直立状態の車体フレームを左右方向から見て、湾曲する車体フレームの前縁の接線と車体フレームの上下方向がなす鋭角が45度となる部位を上下フレーム部の上端とする。従って、湾曲する車体フレームの前縁の接線と車体フレームの上下方向がなす鋭角が45度以下の部位を上下フレーム部とし、湾曲する車体フレームの前縁の接線と車体フレームの上下方向がなす鋭角が45度より大きい部位を上前後フレーム部とする。
なお、下前後フレーム部と上下フレーム部が1つの部材で構成され、しかも、湾曲する形状に構成されている場合、車両が直立状態の車体フレームを左右方向から見て、湾曲する車体フレームの前縁の接線と車体フレームの上下方向がなす鋭角が45度となる部位を上下フレーム部の下端とする。従って、湾曲する車体フレームの前縁の接線と車体フレームの上下方向がなす鋭角が45度以上の部位を上下フレーム部とし、湾曲する車体フレームの前縁の接線と車体フレームの上下方向がなす鋭角が45度より大きい部位を下前後フレーム部とする。
また、車体フレーム21の上下フレーム部は、その前縁FEの上端UEFEがステアリングシャフト60の回転軸線SAに平行で車両1の直立状態における右前輪31および左前輪32の後部に接する仮想平面VPTTより前方に配置され、前縁FEの上端UEFEと下端LEFEの間の左右方向の幅が右前輪31と前左前輪32の間隔より小さく形成され、上端UEFEと下端LEFEを通る仮想線VLFULと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘLFULがステアリングシャフト60の回転軸線SAと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘSAより小さくなる態様に形成されていればよい。例えば、車体フレーム21の上下フレーム部は、複数のフレーム部材で構成されていてもよい。例えば、車体フレーム21の上下フレーム部は、前縁を構成するフレーム部材と、そのフレーム部材よりも後方に配置される他のフレーム部材を有していてもよい。
[上下フレーム部の形状]
本実施形態において、車体フレーム21のダウンフレーム212の前縁FEは、車両1の直立状態の側面視において、直線状に形成されている。しかしながら、本発明における車体フレームの上下フレーム部の前縁は、上記実施形態に限定されない。例えば、本発明における車体フレームの上下フレーム部の前縁は、車両の直立状態の側面視において、湾曲していてもよいし、複数の直線から構成されていてもよい。
[上下フレーム部の形状]
本実施形態において、車体フレーム21のダウンフレーム212は、上端UEFEが下端LEFEよりも前方に位置している。しかしながら、本発明の車体フレームの上下フレーム部は、上記実施形態に限定されない。本発明の車体フレームの上下フレーム部は、上端UEFEと下端LEFEを通る仮想線VLFULと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘLFULがステアリングシャフト60の回転軸線SAと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘSAよりも小さければよい。例えば、車両の直立状態の側面視で、車両の直立状態の車両前後方向において、上端UEFEと下端LEFEが同じ位置であってもよいし、上端UEFEが下端LEFEよりも後方に位置していてもよい。
本発明における上端UEFEと下端LEFEを通る仮想線VLFULと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘLFULは、車両1が直立状態の側面視において、車体フレーム21の上下方向に対して上端UEFEと下端LEFEを通る仮想線VLFULの上方が前方に位置するように傾斜して形成されてもよいし、車体フレーム21の上下方向に対して上端UEFEと下端LEFEを通る仮想線VLFULの上方が後方に位置するように傾斜して形成されてもよい。
[(2)の変形例]
本実施形態において、車体フレーム21のダウンフレーム212は、上端UEFEと下端LEFEを通る仮想線VLFULと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘLFULが上クロス部材51の回転軸線AUCおよび下クロス部材52の回転軸線ALCに垂直な仮想平面VPVCと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘVCより小さくなるように形成される。しかしながら、本発明は上記実施形態に限定されない。本発明における上下フレーム部は、その上端と下端を通る仮想線VLFULと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角が上クロス部材51の回転軸線AUCおよび下クロス部材52の回転軸線ALCに垂直な仮想平面VPVCと車体フレームの上下方向のなす鋭角ΘVCより大きくなるように形成されてもよいし、一致するように形成されてもよい。
[鋭角の大きさ:ステアリングとテレスコ]
本実施形態において、ステアリングシャフト60の回転軸線SAと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘSAは、右緩衝器33および左緩衝器35の伸縮方向TAと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘTAは一致している。しかしながら、本発明においては、上記実施形態に限定されない。例えば、ステアリングシャフト60の回転軸線SAと車体フレーム21の上下方向のなす鋭角ΘSAは、右緩衝器33および左緩衝器35の伸縮方向TAと車体フレーム21の上下方向とがなす鋭角ΘTAよりも小さくても良いし、大きくてもよい。
また、本実施形態において、ステアリングシャフト60の回転軸線SAと右緩衝器33および左緩衝器35の伸縮方向TAは、一致している。しかしながら、本発明においては、上記実施形態に限定されない。車両の直立状態の側面視で、ステアリングシャフト60の回転軸線SAと右緩衝器33および左緩衝器35の伸縮方向TAは、前後方向に離間していてもよい。また、例えば、交差していてもよい。
[(4)の変形例]
本実施形態において、右前輪31および左前輪32は、その上端が車体フレーム21のダウンフレーム212の上端UEFEより車体フレーム21の上下方向の上方まで移動可能に支持される。しかしながら、本発明は、上記実施形態に限定されない。本発明において、右前輪31および左前輪32は、車体フレーム21の上下方向においてその上端が車体フレーム21のダウンフレーム212の上端UEFEと同じ高さまたはそれよりも下方まで移動可能であってもよい。
[クロス部材について]
なお、本発明では、リンク機構は、上クロス部材と下クロス部材の他にさらにクロス部材を備えていても良い。上クロス部材と下クロス部材は、相対的な上下関係で命名しているに過ぎない。上クロス部材は、リンク機構における最上位のクロス部材を示していない。上クロス部材は、それより下方の別のクロス部材より上方にあるクロス部材を意味する。下クロス部材は、リンク機構における最下位のクロス部材を示していない。下クロス部材は、それより上方の別のクロス部材より下方にあるクロス部材を意味する。また、クロス部材は、右クロス部材と左クロス部材の2つの部品で構成されていても良い。このように、上クロス部材および下クロス部材は、リンク機能を有する範囲で、複数のクロス部材で構成しても良い。さらに、上クロス部材と下クロス部材の間に他のクロス部材を設けても良い。リンク機構は、上クロス部材および下クロス部材を含んでいれば良い。
本発明は、多くの異なった形態で具現化され得るものである。この開示は本発明の原理の実施形態を提供するものと見なされるべきである。それらの実施形態は、本発明をここに記載しかつ/または図示した好ましい実施形態に限定することを意図するものではないという了解のもとで、多くの図示実施形態がここに記載されている。
本発明の図示実施形態を幾つかここに記載した。本発明は、ここに記載した各種の好ましい実施形態に限定されるものではない。本発明は、この開示に基づいて当業者によって認識され得る、均等な要素、修正、削除、組み合わせ(例えば、各種実施形態に跨る特徴の組み合わせ)、改良および/または変更を含むあらゆる実施形態をも包含する。クレームの限定事項はそのクレームで用いられた用語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書あるいは本願のプロセキューション中に記載された実施形態に限定されるべきではない。そのような実施形態は非排他的であると解釈されるべきである。例えば、この開示において、「好ましくは」や「よい」という用語は非排他的なものであって、「好ましいがこれに限定されるものではない」や「よいがこれに限定されるものではない」ということを意味するものである。
本出願は、2012年12月21日に提出された日本国特許出願2012−279996、2012年12月21日に提出された日本国特許出願2012−278879及び2013年7月1日に提出された日本国特許出願2013−138481に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
1:車両(車両)、3:前輪、5:リンク機構、21:車体フレーム、22:
車体カバー、31:右前輪、32:左前輪、211:ヘッドパイプ(第1支持部の一例)、212:ダウンフレーム(第2支持部の一例)、214:アンダーフレーム(第3支持部の一例)、214a:中央アンダーフレーム、214b:側部アンダーフレーム、223:フロントフェンダー(フェンダーの一例)、S:足置きスペース

Claims (8)

  1. 車両の前方から見て左右に配置され、ハンドルの操作により操舵可能な右前輪および左前輪と、
    車両直立状態において、前記右前輪および前記左前輪より上方に配置される上クロス部材と、前記上クロス部材より車体フレームの上下方向の下方に配置され、前記右前輪および前記左前輪より上方に配置される下クロス部材と、上部が前記上クロス部材の右部に回転可能に支持され、下部が前記下クロス部材の右部に回転可能に支持され、前記右前輪および前記左前輪より上方に配置され、前記右前輪を支持する右サイド部材と、上部が前記上クロス部材の左部に回転可能に支持され、下部が前記下クロス部材の左部に回転可能に支持され、前記右前輪および前記左前輪より上方に配置され、前記左前輪を支持する左サイド部材と、を有するリンク機構と、
    上部に前記リンク機構の前記上クロス部材の中間部を回転可能に支持し、下部に前記下クロス部材の中間部を回転可能に支持するリンク支持部と、前記リンク支持部の下部から前記車体フレームの前後方向の後方に延びる上前後フレーム部と、前記上前後フレーム部の後部から前記車体フレームの上下方向の下方に延びる上下フレーム部と、前記上下フレーム部の下部から後方に延びる下前後フレーム部とを有し、車両の左右方向に傾斜可能な前記車体フレームと、
    前記ハンドルが上部に設けられ、前記リンク支持部に回転可能に支持され、下部が上部より前記車体フレームの前後方向の前方に位置するステアリングシャフトと、
    を備え、
    前記車体フレームの前記リンク支持部は、前記上クロス部材および前記下クロス部材の回転軸線に垂直な仮想平面と前記車体フレームの上下方向とがなす鋭角が前記ステアリングシャフトの回転軸線と前記車体フレームの上下方向のなす鋭角より小さくなる態様で前記上クロス部材および前記下クロス部材を回転可能に支持し、
    前記車体フレームの前記上下フレーム部は、その前縁の上端が前記ステアリングシャフトの回転軸線に平行で車両直立状態における前記右前輪および前記左前輪の後部に接する仮想平面より前方に配置され、前記前縁の前記上端と下端の間の左右方向の幅が前記右前輪と前記左前輪の間隔より小さく形成され、前記上端と前記下端を通る仮想線と前記車体フレームの上下方向とがなす鋭角が前記ステアリングシャフトの回転軸線と前記車体フレームの上下方向のなす鋭角より小さくなる態様に形成された車両。
  2. 前記車体フレームの前記上下フレーム部は、前記上端と前記下端を通る仮想線と前記車体フレームの上下方向とがなす鋭角が前記上クロス部材および前記下クロス部材の回転軸線に垂直な仮想平面と前記車体フレームの上下方向のなす鋭角より小さくなる態様に形成された請求項1に記載の車両。
  3. 前記車体フレームの前記上下フレーム部は、前記上端が前記ステアリングシャフトの回転軸線より前記ステアリングシャフトの回転軸線に平行で車両直立状態における前記右前輪および前記左前輪の後部に接する仮想平面に近い位置に配置された請求項1または2に記載の車両。
  4. 前記右前輪および前記左前輪は、その上端が前記車体フレームの前記上下フレーム部の前記上端より前記車体フレームの上下方向の上方まで移動可能に支持された請求項1、2または3のいずれか一項に記載の車両。
  5. 前記右前輪と前記右サイド部材の間に設けられるテレスコピック式の右緩衝器と、
    前記左前輪と前記左サイド部材の間に設けられるテレスコピック式の左緩衝器と、を備え、
    前記右緩衝器および前記左緩衝器は、その伸縮方向と前記車体フレームの上下方向とがなす鋭角が前記ステアリングシャフトの回転軸線と前記車体フレームの上下方向のなす鋭角と同じかそれより小さくなる態様で設けられた請求項1、2、3または4のいずれか一項に記載の車両。
  6. 前記リンク機構は、前記上クロス部材および前記下クロス部材の回転軸線に垂直な仮想平面と前記車体フレームの上下方向のなす鋭角が前記右緩衝器および前記左緩衝器の伸縮方向と前記車体フレームの上下方向とがなす鋭角より小さくなる態様に設けられた請求項5に記載の車両。
  7. 前記車体フレームの前記上下フレーム部は、その前縁を構成する前記車体フレームの左右方向において前記右前輪と前記左前輪の中央に配置される単一の筒状部材を含む請求項1、2、3、4または5のいずれか一項に記載の車両。
  8. 前記車体フレームは、前記上端と前記上下フレーム部の前縁を構成する前記単一の筒状部材の下部の後端を通る仮想線と前記車体フレームの上下方向とがなす鋭角が前記ステアリングシャフトの回転軸線と前記車体フレームの上下方向のなす鋭角より小さくなる態様に形成された請求項7に記載の車両。
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