JPWO2014087510A1 - 田植機 - Google Patents

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Abstract

植付部及び前記植付部を昇降する昇降部を備える田植機において、前記植付部への動力を入切する植付クラッチと、前記昇降部を駆動する油圧アクチュエータと、前記植付クラッチ、及び、前記油圧アクチュエータを連動して作動するクラッチ作動装置と、前記植付クラッチの作動、及び、前記油圧アクチュエータの作動を操作する操作具とを備え、前記クラッチ作動装置は、前記植付クラッチに連結される第一操作アームと、前記油圧アクチュエータに連結される第二操作アームと、前記第一操作アーム及び第二操作アームに当接する制御カムと、前記制御カムを回転駆動するアクチュエータとを備える。

Description

本発明は、植付部及び前記植付部を昇降する昇降部を備える田植機に関する。
特開平5−316835号公報には、植付クラッチの入切作動に関する構成が開示される。特開2010−213617号公報には、整地装置のロータクラッチの入切作動に関する構成が開示される。特開2011−55802号公報には、植付部を昇降する昇降シリンダの構成が開示される。
しかし、植付クラッチとロータクラッチとを、若しくは、植付クラッチと昇降シリンダとを連動させて作動する構成については開示されていない。
特開平5−316835号公報 特開2010−213617号公報 特開2011−55802号公報
本発明は、植付クラッチとロータクラッチとを、若しくは、植付クラッチと昇降シリンダとを連動させて作動し、かつ、それらを任意のタイミングで操作する技術を提供する。
本発明の第一実施形態に係る田植機は、植付部及び前記植付部を昇降する昇降部を備える田植機において、前記植付部への動力を入切する植付クラッチと、前記昇降部を駆動する油圧アクチュエータと、前記植付クラッチ、及び、前記油圧アクチュエータを連動して作動するクラッチ作動装置と、前記植付クラッチの作動、及び、前記油圧アクチュエータの作動を操作する操作具とを備え、前記クラッチ作動装置は、前記植付クラッチに連結される第一操作アームと、前記油圧アクチュエータに連結される第二操作アームと、前記第一操作アーム及び第二操作アームに当接する制御カムと、前記制御カムを回転駆動するアクチュエータとを備える。
前記油圧アクチュエータの作動を規制する油圧ストップバルブをさらに備え、前記油圧ストップバルブが前記油圧アクチュエータを規制する側に操作されると、前記操作具の操作に依らずに、前記油圧アクチュエータを中立に設定するように前記制御カムを制御する。
前記制御カムは、前記植付クラッチと前記油圧アクチュエータの設定が、それぞれ(切、上昇)、(切、中立)、(切、下降)、(入、下降)、(入、中立)となる五つのポジションを有する。
前記制御カムが(切、中立)のポジションに位置し、かつ、前記油圧ストップバルブが前記油圧アクチュエータを規制する側に操作された状態で、前記操作具を下降操作しても前記制御カムのポジションを変更せず、その状態から再度前記操作具を下降操作すると、前記制御カムのポジションを(入、中立)に変更するとともに、前記制御カムのポジションを変更している途中に前記油圧ストップバルブが前記油圧アクチュエータの規制を解除する側に操作された場合でも前記制御カムの駆動は中断しない。
本発明の第二実施形態に係る田植機は、植付部、前記植付部を昇降する昇降部及び整地装置を備える田植機において、前記植付部への動力を入切する植付クラッチと、前記整地装置への動力を入切するロータクラッチと、前記植付クラッチ、及び、前記ロータクラッチを連動して作動するクラッチ作動装置と、前記植付クラッチの作動、及び、前記ロータクラッチの作動を操作する操作具とを備え、前記クラッチ作動装置は、前記植付クラッチに連結される第一操作アームと、前記ロータクラッチに連結される第二操作アームと、前記第一操作アーム及び第二操作アームに当接する制御カムと、前記制御カムを回転駆動するアクチュエータとを備える。前記植付部による植付作業中に、前記操作具を上昇操作すると、前記植付部の上昇を伴うことなく、前記植付クラッチが切状態に切り替えられるとともに、前記植付部が下降中、かつ、前記植付クラッチが入状態のときに、前記操作具によって前記植付部を上昇するように操作すると、前記植付部を停止させて前記植付クラッチが切状態に切り替えられる。
前記植付部が上昇中、かつ、前記植付クラッチが切状態のときに、前記操作具を下降操作すると、前記植付クラッチの切状態を維持しつつ前記植付部を停止し、さらに前記操作具を下降操作すると、前記植付クラッチの切状態を維持しつつ前記植付部を下降させ、さらに前記操作具を下降操作すると、前記植付部を下降させつつ前記植付クラッチを入状態に切り替える。
前記アクチュエータにより回転駆動される制御カムは、外周に180度の位相差を有するカムプロフィールが形成される。
前記植付クラッチ及び前記ロータクラッチの入切設定に応じて前記制御カムの回転方向が判定され、最も回転角度が小さい方向に回転するように前記アクチュエータが制御される。
前記ロータクラッチの入切設定よりも前記植付クラッチの入切設定を優先するように前記アクチュエータが制御される。
本発明によれば、植付クラッチとロータクラッチとを、若しくは、植付クラッチと昇降シリンダとを連動させて作動し、かつ、それらを任意のタイミングで操作できる。
田植機の側面図である。 植付クラッチとロータクラッチとを作動するクラッチ作動装置の後方斜視図である。 クラッチ作動装置を示す拡大図である。 クラッチ作動装置における制御カムの動作を示す図である。 クラッチ作動装置における制御カムの回転制御を示す図である。 植付部の制御構成を示すブロック図である。 クロスレバーの操作に基づいた植付部の制御構成を示す表である。 植付クラッチと油圧アクチュエータとを作動するクラッチ作動装置の制御カムを示す図である。 クラッチ作動装置における制御カムの動作を示す図である。 植付部の制御構成を示すブロック図である。 クラッチ作動装置における制御カムの回転制御を示す図である。 植付ユニットクラッチ及び縦送りユニットクラッチを示す図である。 施肥ユニットクラッチを示す図である。 整地装置の別実施形態を示す図である。
図1に示すように、田植機1は、エンジン2、動力伝達部3、植付部4及び昇降部5を備える。植付部4は、昇降部5を介して機体に連結されており、昇降部5によって上下方向に昇降可能である。植付部4には、動力伝達部3を介してエンジン2からの動力が伝達される。田植機1は、エンジン2の駆動によって走行しながら、植付部4によって圃場に苗を植え付ける。
エンジン2からの駆動力は、動力伝達部3においてトランスミッション6を介して、PTO軸7に伝達される。PTO軸7はトランスミッション6から後方に突出して設けられる。PTO軸7からユニバーサルジョイントを介して植付伝動ケース8に動力が伝達されて、植付部4が駆動される。また、トランスミッション6から後方に向けて駆動軸9が設けられ、駆動軸9からリアアクスルケース10に駆動力が伝達される。さらに、リアアクスルケース10から枕地整地用の整地装置20に動力が伝達される。
リアアクスルケース10の右側前方に株間変速ケース11が設けられる。PTO軸7からの動力は、株間変速ケース11を介して、植付伝動ケース8に伝達される。
株間変速ケース11内には、植付部4への動力を入切する植付クラッチ12が設けられる。また、リアアクスルケース10内には、駆動軸9から整地装置20への動力を入切するロータクラッチ13が設けられている。
植付部4における植え付け位置前方には複数のフロート14が配置される。植付部4において、フロート14の前方に整地装置20が配置されている。
植付部4の左右両側方には、電動マーカ15が側方に向けて突出可能に設けられる。電動マーカ15は、下端部を回動支点として、側方に回動することにより先端部を機体から側方に突出させるとともに、先端部を圃場面に接触させてラインを引く回転式のマーカである。
[植付クラッチとロータクラッチを作動するクラッチ作動装置]
次に、図2から図5を参照して、クラッチ作動装置30について説明する。
クラッチ作動装置30は、植付クラッチ12及びロータクラッチ13を連動して入切作動させるものである。クラッチ作動装置30は、株間変速ケース11の上方に配置される。クラッチ作動装置30は、略六角形状の台座31、台座31に対して回動可能に設けられる円盤状の伝動ギア32、伝動ギア32の回動軸に固定され、伝動ギア32と一体的に回動する制御カム33、伝動ギア32及び制御カム33を回転駆動するクラッチモータ34、適宜のワイヤを介して植付クラッチ12に連結される植付側操作アーム35、及び、適宜のワイヤを介してロータクラッチ13に連結されるロータ側操作アーム36を備える。植付側操作アーム35及びロータ側操作アーム36は制御カム33の外周に常時当接するように設けられる。
クラッチモータ34は、制御装置40に電気的に接続されており、その作動が制御される。また、伝動ギア32及び制御カム33の回動軸の回転角度は適宜の角度センサによって検知され、制御装置40に回転角度に対応する電気信号が送信されている。
制御装置40からの制御信号によってクラッチモータ34を作動させ、制御カム33を回転駆動することで、植付側操作アーム35及びロータ側操作アーム36を操作する。このようにして、クラッチ作動装置30における植付クラッチ12及びロータクラッチ13の入切が操作される。なお、伝動ギア32及び制御カム33は、クラッチモータ34の作動方向に応じて、時計回り及び反時計回りの両方向に回動可能である。
図3に示すように、植付側操作アーム35及びロータ側操作アーム36は、それぞれベルクランク状に形成されており、これらの回転支軸は、制御カム33の回動軸を中心にして左右対称に配置される。植付側操作アーム35及びロータ側操作アーム36の回転支軸は、制御カム33の回動軸よりも上方にオフセットされた状態で配置される。植付側操作アーム35及びロータ側操作アーム36における回転支軸から制御カム33に向けて延出されるアーム長は同じになるように形成される。
植付側操作アーム35及びロータ側操作アーム36は、制御カム33の外周カム部との当接位置に応じて、植付クラッチ12の入切及びロータクラッチ13の入切がそれぞれ設定される。
制御カム33は、略楕円形状に形成され、その外周面には、45度程度の大径カム部及び105度程度の小径カム部が略15度程度の遷移部を挟んで交互に形成される。つまり、制御カム33の外周には、大径カム部及び小径カム部が対角に形成されており、180度の位相差を有するカムプロフィールが形成されている。
本実施形態では、植付側操作アーム35が制御カム33の小径カム部と当接する場合に植付クラッチ12を「切」、大径カム部と当接する場合に「入」となるように設定される。ロータ側操作アーム36が制御カム33の大径カム部と当接する場合にロータクラッチ13を「切」、小径カム部と当接する場合に「入」となるように設定される。
図4に示すように、制御カム33が一方向(反時計回り)に180度回転する場合、(植付クラッチ12、ロータクラッチ13)の設定が、(「切」、「切」)の状態から略45度毎に(「入」、「切」)、(「切」、「入」)、(「入」、「入」)の順に切り替わり、180度回転したところで、(「切」、「切」)の状態に戻る。
つまり、図5に示すように、制御カム33の周方向に沿って、植付クラッチ12とロータクラッチ13の遷移状態として、(「切」、「切」)、(「入」、「切」)、(「切」、「入」)、(「入」、「入」)の四つのポジションが二セットずつ配置され、八つのポジションによって構成されている。また、制御カム33において、(「入」、「入」)と(「切」、「切」)の両側に(「入」、「切」)と(「切」、「入」)のポジションが位置するように設定されている。
このとき、制御装置40は、制御カム33の現在位置と、植付クラッチ12及びロータクラッチ13の入切設定に対応する二つの目標位置とから、制御カム33の回転方向を判定し、最も回転角度が小さい方向に回転するように制御する。
これにより、制御カム33が現在位置から目標位置まで回動する時間(作動時間)を短縮することができる。従って、植付クラッチ12及びロータクラッチ13の作動時間を短縮して、欠株や無駄な植付を防止することができる。
さらに、制御装置40では、ロータクラッチ13の入切設定よりも植付クラッチ12の入切設定が優先される。
すなわち、(植付クラッチ12、ロータクラッチ13)の設定が、(「入」、「切」)の状態から、(「切」、「入」)となるように操作した直後に機体を走行させると、目標位置へ制御カム33が回転する間に、苗が植え付けられる可能性がある。つまり、植付作業を行いたくない整地前の圃場に苗が植え付けられることを避けるために、整地作業の停止よりも植付作業の停止を優先している。
また、制御カム33のポジションが、(植付クラッチ12:「入」、ロータクラッチ13:「切」)のときに、ロータクラッチ13が「入」に設定されると、目標位置を(「入」、「入」)としてクラッチモータ34を制御するが、この制御カム33が目標位置に到達する間に植付クラッチ12が「切」に設定されると、制御装置40は、制御カム33の目標位置を(「入」、「入」)を経た後の(「切」、「入」)ではなく、(「切」、「切」)を経た後の(「切」、「入」)に変更してクラッチモータ34を制御する。
このように、ロータクラッチ13の入切設定よりも植付クラッチ12の入切設定を優先するようにクラッチモータ34を制御するので、ロータクラッチ13の入切設定によらず植付クラッチ12が先に作動して、欠株や無駄な植付を防止することができる。
なお、電源投入時は、制御装置40は、制御カム33のポジションが(植付クラッチ12:「切」、ロータクラッチ13:「切」)になるようにクラッチモータ34を制御する。
また、電源停止時は、植付クラッチ12及びロータクラッチ13の入切状態は、制御カム33の停止位置に対応した状態で停止される。これに対して、電源停止時に自己保持回路等により植付クラッチ12及びロータクラッチ13がともに「切」となるように、クラッチモータ34を制御することも可能である。
以上のように、クラッチ作動装置30を備える田植機1によれば、植付クラッチ12及びロータクラッチ13を連動させ、かつ、任意のタイミングで入切操作することが可能である。また、植付クラッチ12とロータクラッチ13の二種類のクラッチを一つのクラッチモータ34の作動で操作することができるため、部品点数を削減することができる。
なお、制御カム33の回転位置と植付クラッチ12及びロータクラッチ13の入切操作との関係は上記のものに限定されることはなく、制御カム33の何れかの回転方向に沿って順に(「入」、「入」)、(「切」、「入」)、(「切」、「切」)、(「切」、「入」)のポジションとなるように設定されていれば良い。
[植付部の制御]
次に、図6を参照して、クラッチ作動装置30を用いた植付部4の制御について説明する。
図6に示すように、クラッチ作動装置30を制御する制御装置40には、クラッチモータ34に加えて、植付部4の昇降、植付クラッチ12の断接及び電動マーカ15の動作を操作するクロスレバー41、フロート14の接地/非接地を検知するフロートセンサ42、植付部4の上昇位置を検知する上昇上限スイッチ43、整地装置20の昇降を操作するロータ操作レバー44、田植機1の進行方向を操作する操向ハンドル45等がそれぞれ接続されている。
クロスレバー41は、少なくとも二方向に操作可能な中央復帰型の操作レバーである。本実施形態において、クロスレバー41は、植付部4を昇降する際又は植付クラッチ12を入切する際の操作方向である前後方向と、左右何れかの電動マーカ15をセットする際の操作方向である左右方向の二方向に操作可能に構成されている。クロスレバー41の操作方向が検出されて、その検出信号が制御装置40に送信される。
フロートセンサ42は、圃場に対する植付部4の高さを検出するものであり、ポテンショメータによって構成される。フロートセンサ42は、センサーフロートとして用いられるフロート14の支持リンクの回動量を検出し、フロート14が圃場に接地しているか否かを判断する。フロートセンサ42によって検出される回動量に対応する検出信号が制御装置40に送信され、制御装置40において、フロート14の接地/非接地を判断する。
上昇上限スイッチ43は、植付部4が所定の上昇位置に位置するか否かを検出する。上昇上限スイッチ43はマイクロスイッチで構成され、植付部4を昇降する昇降部5に設けられる。上昇上限スイッチ43は、植付部4が下降位置から所定の上昇位置に到達するとONとなり、その信号が制御装置40に送信される。
ロータ操作レバー44は、整地装置20を昇降する際に操作されるレバーである。ロータ操作レバー44は、整地装置20を上昇させて収納する位置と、下降させて整地する位置との間で操作される。本実施形態では、ロータ操作レバー44の基端部にはマイクロスイッチが設けられる。マイクロスイッチは、ロータ操作レバー44が収納位置に操作されるとONとなり、その信号が制御装置40に送信される。
操向ハンドル45は、操向角度を検出する角度センサを有する。その角度センサによって検出される角度信号が制御装置40に送信される。例えば、所定角度以上の操向角度となった場合に旋回と判断し、旋回方向の外側の(左旋回の場合、右側の)電動マーカ15を作動させるように制御される。
制御装置40は、クロスレバー41、フロートセンサ42、上昇上限スイッチ43、ロータ操作レバー44からの各信号に応じて、植付クラッチ12及びロータクラッチ13の入切設定を行い、クラッチモータ34に適宜の制御信号を送信する。
クロスレバー41が下降方向に二回操作され、フロートセンサ42により接地を検知し、かつ、上昇上限スイッチ43がOFFの場合、植付クラッチ12を「入」に設定する。この状態から、クロスレバー41が上昇方向に一回操作されると植付クラッチ12を「切」に設定し、「入」から「切」に切り替える。
このとき、植付部4を上昇させずに、植付クラッチ12を切状態にするのみとすることで、圃場面に苗を植え付ける植付作業中であっても、植付部4を一旦上昇させることなく、植付クラッチ12を「切」状態にすることができる。このため、植付作業を行うことなく植付部4を下降させたまま、圃場面を走行することが可能となり、圃場面に車輪跡を残すことがなく植付作業性の向上を図ることができる。さらに、植付部4の上昇に伴って電動マーカ15も上昇してしまうことを防止でき、操作性を向上することができる。
また、植付クラッチ12が「入」の状態から、フロートセンサ42により非接地が検知され、かつ、植付部4が下降中のときに、クロスレバー41を上昇方向に一回操作すると、植付部4の下降を停止するとともに、植付クラッチ12を「切」状態に切り替える。
このように、一回のレバー操作のみで、植付部4の下降を停止し、かつ、植付クラッチ12を切状態にできるので、操作性の向上を図れる。
さらに、植付クラッチ12が「入」の状態から、フロートセンサ42により非接地が検知され、かつ、植付部4が所定の上昇位置よりも下方で停止しているときに、クロスレバー41を上昇方向に一回操作すると、植付部4を上昇させるとともに、植付クラッチ12を「切」状態に切り替える。この状態からクロスレバー41を下降方向に一回操作すると、植付クラッチ12の「切」状態を維持しつつ、植付部4の上昇を停止する。さらに、クロスレバー41を下降方向に一回操作すると、植付クラッチ12の「切」状態を維持しつつ、植付部4を下降させる。
つまり、植付部4の上昇中に植付部4を下げたい場合、クロスレバー41の一回目の下降操作によって植付部4が停止し、さらに二回目のクロスレバー41の下降操作によって植付部4が下降を開始する。そして、三回目のクロスレバー41の下降操作によって、植付クラッチ12を「入」状態とすることで、作業者に違和感を与えることがなく、操作性を確保できる。
上昇上限スイッチ43がOFF、かつ、ロータ操作レバー44がOFFの場合、ロータクラッチ13を「入」に設定する。この状態から、上昇上限スイッチ43のON又はロータ操作レバー44のONの少なくとも一つが検出されると、ロータクラッチ13を「切」に設定し、「入」から「切」に切り替える。
ただし、ロータクラッチ13を「入」に設定する条件に、クロスレバー41が下降方向に操作されたことを検出する条件、又は、植付部4が下降するように昇降部5に駆動信号を送信する条件を追加することも可能である。これにより、植付部4が自重や走行時の揺れ等で下降して上昇上限スイッチ43がOFFとなった場合でもロータクラッチ13が「入」に設定されることを防止できる。
また、田植機1を多目的仕様として、昇降部5を介して植付部4とは異なる作業機械を装着させるような場合には、クロスレバー41の傾倒操作によって、以下に示すような制御(昇降部5のインチング操作)がなされるように構成することも可能である。
昇降部5に作業機械が装着されていない状態で、昇降部5を移動させたい方向に、クロスレバー41を実際に傾倒操作している間、昇降部5が移動するような構成としても良い。このような構成により、昇降部5を少しだけ上昇させる、あるいは少しだけ下降させる必要が生じた場合、所望する方向に所望する移動量だけクロスレバー41を傾倒させることで容易に操作することができる。
次に、図7を参照して、クロスレバー41の操作に基づいた植付部4及び植付クラッチ12の制御について説明する。図7は、植付部4が停止、下降中、又は上昇中の状態、植付クラッチ12が入又は切の状態、及び、フロートセンサ42が非接地又は接地の状態を含む三種類の条件下で、クロスレバー41を上昇操作又は下降操作した後に、植付部4及び植付クラッチ12がどのように切り替えられるかということに関する制御構成を示す表である。
(条件No.1)
植付部4が最上昇位置で停止し、植付クラッチ12が「切」、かつ、フロートセンサ42が非接地の状態から、クロスレバー41を下降操作すると、植付クラッチ12の「切」状態が維持されたまま植付部4は下降を開始する。
(条件No.2)
植付部4が最上昇位置よりも下方で停止し、植付クラッチ12が「入」、かつ、フロートセンサ42が非接地の状態から、クロスレバー41を下降操作すると、植付クラッチ12の入状態が維持されたまま植付部4は下降を開始する。
(条件No.3)
植付部4が最上昇位置よりも下方で停止し、植付クラッチ12が「切」、かつ、フロートセンサ42が非接地の状態から、クロスレバー41を上昇操作すると、植付クラッチ12の切状態が維持されたまま植付部4は上昇を開始する。
(条件No.4)
植付部4が最上昇位置よりも下方で停止し、植付クラッチ12が「入」、かつ、フロートセンサ42が非接地の状態から、クロスレバー41を上昇操作すると、植付クラッチ12が切状態に切り替えられるとともに植付部4は上昇を開始する。
つまり、条件No.4において、クロスレバー41の一回の上昇操作で、植付クラッチ12を切操作が行われるとともに、植付部4が上昇する。
(条件No.5)
クロスレバー41の下降操作により植付部4が下降中、植付クラッチ12が「切」、かつ、フロートセンサ42が非接地の状態で、もう一回クロスレバー41を下降操作すると、植付部4の下降が維持されたまま植付クラッチ12が「入」に切り替えられる。
(条件No.6)
クロスレバー41の下降操作により植付部4が下降中、植付クラッチ12が「入」、かつ、フロートセンサ42が非接地の状態で、もう一回クロスレバー41を下降操作した場合、植付クラッチ12の「入」、及び植付部4の下降が維持される。
(条件No.7)
クロスレバー41の下降操作により植付部4が下降中、植付クラッチ12が「切」、かつ、フロートセンサ42が非接地の状態で、クロスレバー41を上昇操作すると、植付部4の下降が停止され、植付クラッチ12の切状態が維持される。
(条件No.8)
クロスレバー41の下降操作により植付部4が下降中、植付クラッチ12が「入」、かつ、フロートセンサ42が非接地の状態で、クロスレバー41を上昇操作すると、植付部4の下降が停止されるとともに、植付クラッチ12が切状態に切り替えられる。
つまり、条件No.8において、クロスレバー41の一回の上昇操作で、植付部4の下降を停止するとともに、植付クラッチ12の切操作が行われる。
(条件No.9)
クロスレバー41の上昇操作により植付部4が上昇中、植付クラッチ12が「切」、かつ、フロートセンサ42が非接地の状態で、クロスレバー41を下降操作すると、植付クラッチ12の切状態を維持しつつ植付部4の上昇が停止される。
(条件No.10)
クロスレバー41の上昇操作により植付部4が上昇中、植付クラッチ12が「切」、かつ、フロートセンサ42が非接地の状態で、クロスレバー41を上昇操作すると、植付クラッチ12の「切」、及び植付部4の上昇が維持される。
(条件No.11)
クロスレバー41の下降操作によって、植付部4が下降してフロートセンサ42が接地となり、植付部4が田面に追従した状態、かつ、植付クラッチ12が「切」の状態で、クロスレバー41を下降操作すると、植付クラッチ12が「入」に切り替えられる。
(条件No.12)
クロスレバー41の下降操作によって、植付部4が下降してフロートセンサ42が接地となり、植付部4が田面に追従した状態、かつ、植付クラッチ12が「入」の状態で、クロスレバー41を下降操作すると、植付部4の田面追従の状態、及び植付クラッチ12の入状態が維持される。
(条件No.13)
クロスレバー41の下降操作によって、植付部4が下降してフロートセンサ42が接地となり、植付部4が田面に追従した状態、かつ、植付クラッチ12が「切」の状態で、クロスレバー41を上昇操作すると、植付クラッチ12の切状態を維持しつつ植付部4の上昇が開始される。
(条件No.14)
クロスレバー41の下降操作によって、植付部4が下降してフロートセンサ42が接地となり、植付部4が田面に追従した状態、かつ、植付クラッチ12が「入」の状態で、クロスレバー41を上昇操作すると、植付部4の田面追従の状態を維持しつつ、植付クラッチ12が切状態に切り替えられる。
以上のように、植付部4が下降中(条件No.7・8)や上昇中(条件No.9)に、クロスレバー41を植付部4の昇降方向と反対方向に操作すると、植付部4の昇降が停止されて、植付クラッチ12が入から切に切り替えられる。
他方、植付部4が上昇中(条件No.10)や下降中(条件No.5・6)に、植付部4の昇降方向と同方向にクロスレバー41を操作すると、植付部4の昇降が継続される。
また、植付クラッチ12が入状態で、クロスレバー41が下降操作されると(条件No.2・6・12)、植付クラッチ12の入状態が継続される。
他方、植付クラッチ12が入状態で、クロスレバー41が上昇操作されると(条件No.4・8・14)、植付クラッチ12は切状態となる。
また、植付クラッチ12が切状態で、クロスレバー41が上昇操作されると(条件No.3・7・10・13)、植付クラッチ12の切状態が継続される。
他方、植付クラッチ12が切状態で、クロスレバー41が下降操作されると、植付部4が下降中(条件No.5)または田面追従(条件No.11)である場合には、植付クラッチ12は入状態となり、また植付部4が上昇位置で停止している場合には(条件No.1)、植付部4は下降して植付クラッチ12は切状態のままとなり、また植付部4が上昇中の場合(条件No.9)には、植付部4の上昇は停止されて植付クラッチ12は切状態が継続される。
[植付クラッチと油圧アクチュエータを作動するクラッチ作動装置]
以下では、図8から図11を参照して、クラッチ作動装置50について説明する。
クラッチ作動装置50は、植付クラッチ12と、昇降部5に設けられ、植付部4を昇降する際に駆動される油圧シリンダ51とを連動して作動させるものである。
クラッチ作動装置50の配置は限定されるものではないが、クラッチ作動装置30と同様に株間変速ケース11の上方等、植付クラッチ12及び油圧シリンダ51の近傍に配置される。
ここで、図1に示すように、昇降部5は、油圧シリンダ51、トップリンク52及びロワリンク53を含むリンク機構によって構成され、油圧シリンダ51の作動により、トップリンク52及びロワリンク53を介して植付部4を昇降する。油圧シリンダ51は適宜の昇降バルブを介してその操作が制御される。
図8に示すように、クラッチ作動装置50は、制御カム54、及び、制御カム54を回転駆動するクラッチモータ55を備える。制御カム54は、適宜のワイヤを介して植付クラッチ12に連結される植付側操作アーム56と適宜の連結具を介して油圧シリンダ51への油路を切り替える制御弁のスプール57に連結される昇降側操作アーム58と常時当接するように設けられる。クラッチモータ55は上述のクラッチモータ34と同様の構成を有するものであり、制御カム54と一体的に回動する伝動ギアに噛み合うことで、モータの回転力が制御カム54に伝達される。
図8に示すように、制御カム54の外周面には、回転方向一方向に向けて、大径カム部、中径カム部、小径カム部、中径カム部が遷移部を挟んで順に形成される。つまり、制御カム54の外周には、三種類の径を有する360度のカムプロフィールが形成されている。
そして、大径カム部では、植付クラッチ12が切、油圧シリンダ51が上昇、中径カム部では、植付クラッチ12が切、油圧シリンダ51が中立、小径カム部では、植付クラッチ12が入、油圧シリンダ51が下降となるようにそれぞれ設定される。
図9に示すように、制御カム54が一方向(反時計回り)に360度回転する場合、(植付クラッチ12、油圧シリンダ51)の設定が、(切、上昇)の状態から72度毎に(切、中立)、(切、下降)、(入、下降)、(入、中立)の順に切り替わる。つまり、制御カム54は、上記五つのポジションを持つように構成されている。
図10に示すように、クラッチモータ55は、制御装置40に電気的に接続されており、その作動が制御される。また、制御カム54の回動軸の回転角度は適宜の角度センサ又はポジションスイッチ等によって検知され、制御装置40に検知結果に応じた電気信号が送信されている。そして、制御装置40からの制御信号によってクラッチモータ55を作動することにより、制御カム54を回転させて、植付側操作アーム56と昇降側操作アーム58を操作することで、植付クラッチ12の入切が操作されるとともに、昇降バルブを介して油圧シリンダ51のピストンロッドの伸縮が操作されて、植付部4の昇降が操作される。
また、制御装置40には、昇降部5及び植付クラッチ12の断接を操作するクロスレバー41,フロート14の接地/非接地を検知するフロートセンサ46、及び、油圧シリンダ51をロック/解除を検出する油圧ストップスイッチ47等がそれぞれ接続されている。
フロートセンサ46は、フロート14が圃場に接地したか否かを検出するマイクロスイッチであり、フロート14の先端部に設けられる。フロートセンサ46により、フロート14の前部の浮き上がりを検出し、その検出信号が制御装置40に送信される。なお、フロートセンサ46に換えて前述のフロートセンサ42を用いても良い。
油圧ストップスイッチ47は、油圧シリンダ51の油圧回路に設けられる油圧ストップバルブ59の開閉を検出するスイッチである(図8参照)。
油圧ストップバルブ59は、適宜の操作レバーに連結され、その操作レバーの操作によって、油圧シリンダ51への送油の有無(弁の開閉)を切り替えるメカ式の制御弁である。油圧ストップバルブ59が閉じられると、油圧シリンダ51がロックされる。これにより、昇降部5が停止し、植付部4が任意の高さで停止する。このとき、油圧ストップスイッチ47がONになり、その信号が制御装置40に送信される。油圧ストップバルブ59は開状態となると、油圧シリンダ51のロックが解除され、油圧ストップスイッチ47がOFFになる。
制御装置40は、クロスレバー41、フロートセンサ46、油圧ストップスイッチ47からの各信号に応じて、クラッチモータ55を制御することによって植付クラッチ12の入切設定及び油圧シリンダ51の切替設定を行い、クラッチモータ55に適宜の制御信号を送信する。
制御装置40における制御カム54のポジション制御(植付クラッチ12の入/切、油圧シリンダ51の上昇/中立/下降)について図11に示す。
油圧ストップスイッチ47がOFFの状態で、(切、中立)からクロスレバー41を上昇操作すると、(切、上昇)に遷移し、その後、油圧ストップスイッチ47がONを検出すると、(切、中立)に戻る。
油圧ストップスイッチ47がOFFの状態で、(切、中立)からクロスレバー41を下降操作すると、(切、下降)に遷移し、さらにもう一度クロスレバー41を下降操作すると、(入、下降)に遷移する。他方、(切、下降)から油圧ストップスイッチ47がONを検出すると、(切、中立)に戻る。
つまり、油圧ストップスイッチ47がONの状態では、クロスレバー41の操作に関わらず(切、中立)を維持する。このような制御により、油圧ストップスイッチ47がONを検出した際に、直前のクロスレバー41の昇降操作をキャンセルし、植付部4が不意に昇降することを防止している。
(入、下降)の状態で油圧ストップスイッチ47がONを検出すると、(入、中立)に遷移するが、(入、中立)に遷移した後に、油圧ストップスイッチ47がOFFを検出しても、フロートセンサ46が接地を検知していなければ(入、下降)には戻らず、(入、中立)の状態を維持する。
(入、中立)の状態から、フロートセンサ46が非接地を検知し、かつ、クロスレバー41を上昇操作すると、油圧ストップスイッチ47のON/OFFに関係なく(切、上昇)に遷移する。油圧ストップスイッチ47がONを検出した場合は、(切、上昇)に遷移した後、(切、中立)まで遷移させる。この場合、途中で油圧ストップスイッチ47がOFFを検出しても、遷移は中断されない。
このように制御することにより、油圧ストップバルブ59が開状態となり油圧ストップスイッチ47がOFFを検出した際に、植付部4が不意に上昇することを防止している。
また、(切、中立)の状態から、油圧ストップスイッチ47がONを検出し、かつ、クロスレバー41を二回下降操作すると、(切、上昇)側ではなく、(切、下降)、(入、下降)を経て(入、中立)に遷移する。この場合、途中で油圧ストップスイッチ47がOFFを検出しても、遷移は中断されない。
以上のように、クラッチ作動装置50を備える田植機1によれば、植付クラッチ12及び油圧シリンダ51を連動させ、かつ、任意のタイミングで操作することができる。
特に、植付部4の操作に中央復帰型のクロスレバー41と油圧ストップバルブ59を併用する場合に、油圧ストップバルブ59の操作を優先し、油圧ストップバルブ59が閉状態となった場合(油圧アクチュエータ51の作動を規制する場合)に、油圧シリンダ51を中立位置に設定することで、植付部4の昇降を確実に管理することが可能である。
また、制御カム54に(植付クラッチ12:入、油圧シリンダ51:中立)ポジションを設けるとともに、油圧ストップスイッチ47のON/OFFをチェックすることで、植付部4を適宜の高さに停止させた状態で駆動する空回しを実現することができる。
また、本実施形態に係る田植機1は、整地装置20を備えるものに限定されることなく、整地装置20を有しない田植機についても適用可能である。
[条止めクラッチ]
田植機1は、条止めを行うためのクラッチとして各条に対応する植付ユニットクラッチと、縦送りユニットクラッチと、施肥ユニットクラッチと、を備える。植付ユニットクラッチ及び縦送りユニットクラッチは、植付クラッチよりも動力伝達経路における下流側に位置して、施肥ユニットクラッチは、施肥クラッチよりも動力伝達経路における下流側に位置する。
植付ユニットクラッチ及び縦送りユニットクラッチは、図12に示すクラッチ作動装置60により入切作動するように構成される。クラッチ作動装置60は、苗載台61の左右中央上側に取り付けられる。クラッチ作動装置60は、クラッチ作動装置30と制御カムの形状を除き略同じ構成であり、これら部品の共通化によりコストを低減している。
なお、制御カムは略扇形状とされ、該制御カムの一側又は他側から順次、各条に対応する操作アームと当接して入切作動するように構成される。制御カムは、クラッチモータ62により回転駆動される。
施肥ユニットクラッチは、図13に示すクラッチ作動装置70により入切作動するように構成される。クラッチ作動装置70は、施肥装置71の後部であって左右中央よりやや左側に取り付けられる。クラッチ作動装置70は、クラッチ作動装置30・60と略同じ構成であり、部品の共通化によりコストを低減している。制御カムは、クラッチモータ72により回転駆動される。
クラッチモータ62・72は、クラッチモータ34と同様に一方向及び他方向に駆動可能に構成され、つまり、これらに対応する制御カムは、時計方向及び反時計方向の何れにも回動可能に構成される。
クラッチモータ62・72は、制御装置40と接続される。制御装置40は、前記植付ユニットクラッチ、縦送りユニットクラッチ、及び施肥クラッチの入切設定に応じて前記制御カムの回転方向を判定し、最も回転角度が小さい方向に回転するように制御する。こうして、制御カムが現在位置から目標位置まで回動する時間を短縮することができる。従って、植付ユニットクラッチ、縦送りユニットクラッチ、施肥クラッチの作動時間を短縮して、欠株や無駄な植付及び施肥を防止することができる。
なお、電源停止時における条止め状態に関する情報は、制御装置40に記憶され、電源投入時に以前の状態に復帰するように設定されている。これにより、田植機1の操作性を向上できる。
[整地装置の別実施形態]
図14に示すように、整地装置20に換えて、上下方向に振動するプレート81を有する整地装置80としても良い。
プレート81は、水平に設けられる板状の部材であり、フロート14の前方に配置される。プレート81は、ロータクラッチ13に接続される振動発生装置82によって上下方向に振動可能に支持される。そして、振動発生装置72を作動させてプレート81で圃場面を連続的に叩くことで、圃場面を整地する。
振動発生装置82は、ロータクラッチ13が入状態のときに作動してプレート81を上下に振動させ、ロータクラッチ13が切状態のときに作動を停止してプレート81の振動を停止させる。また、プレート81及び振動発生装置72は、例えばリンク機構(不図示)を介して植付部4に接続されており、植付部4と共に昇降する。
プレート81で圃場面を叩いて整地する整地装置80によれば、泥の巻き上げを抑制することが可能となる。
なお、プレート81の配置場所については、本実施形態のような後輪とフロート14の間に限定されず、例えば前輪と後輪の間や、前輪の前方に設けてもよい。また、プレート81を複数箇所に設けても良い。
本発明は、植付部への動力を入切する植付クラッチと、整地装置への動力を入切するロータクラッチと、を備える田植機に利用可能である。
1:田植機、4:植付部、5:昇降部、12:植付クラッチ、13:ロータクラッチ、20:整地装置、30:クラッチ作動装置、33:制御カム、34:クラッチモータ(アクチュエータ)、35:植付側操作アーム(第一操作アーム)、36:ロータ側操作アーム(第二操作アーム)、40:制御装置、50:クラッチ作動装置、51:油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)、54:制御カム、56:植付側操作アーム(第一操作アーム)、58:昇降側操作アーム(第二操作アーム)、59:油圧ストップバルブ
本発明は、植付部及び前記植付部を昇降する昇降部を備える田植機に関する。
特開平5−316835号公報には、植付クラッチの入切作動に関する構成が開示される。特開2010−213617号公報には、整地装置のロータクラッチの入切作動に関する構成が開示される。特開2011−55802号公報には、植付部を昇降する昇降シリンダの構成が開示される。しかし、植付クラッチとロータクラッチとを、若しくは、植付クラッチと昇降シリンダとを連動させて作動する構成については開示されていない。
特開平5−316835号公報 特開2010−213617号公報 特開2011−55802号公報
本発明は、植付クラッチとロータクラッチとを、若しくは、植付クラッチと昇降シリンダとを連動させて作動し、かつ、それらを任意のタイミングで操作する技術を提供する。
本発明の第一実施形態に係る田植機は、植付部及び前記植付部を昇降する昇降部を備える田植機において、前記植付部への動力を入切する植付クラッチと、前記昇降部を駆動する油圧アクチュエータと、前記植付クラッチ、及び、前記油圧アクチュエータを連動して作動するクラッチ作動装置と、前記クラッチ作動装置を介して、前記植付クラッチの作動、及び、前記油圧アクチュエータの作動を操作する操作具とを備え、前記クラッチ作動装置は、前記植付クラッチに連結される第一操作アームと、前記油圧アクチュエータに連結される第二操作アームと、前記第一操作アーム及び第二操作アームに当接する制御カムと、前記制御カムを回転駆動するアクチュエータとを備え、前記油圧アクチュエータの作動を規制する油圧ストップバルブをさらに備え、前記油圧ストップバルブが前記油圧アクチュエータを規制する側に操作されると、前記操作具の操作に依らずに、前記油圧アクチュエータを中立に設定するように前記制御カムを制御するものである。
本発明の第二実施形態に係る田植機は、植付部、前記植付部を昇降する昇降部及び整地装置を備える田植機において、前記植付部への動力を入切する植付クラッチと、前記整地装置への動力を入切するロータクラッチと、前記植付クラッチ、及び、前記ロータクラッチを連動して作動するクラッチ作動装置と、前記クラッチ作動装置を介して、前記植付クラッチの作動、及び、前記ロータクラッチの作動を操作する操作具とを備え、前記クラッチ作動装置は、前記植付クラッチに連結される第一操作アームと、前記ロータクラッチに連結される第二操作アームと、前記第一操作アーム及び第二操作アームに当接する制御カムと、前記制御カムを回転駆動するアクチュエータとを備え、前記植付部による植付作業中に、前記操作具を上昇操作すると、前記植付部の上昇を伴うことなく、前記植付クラッチが切状態に切り替えられるとともに、前記植付部が下降中、かつ、前記植付クラッチが入状態のときに、前記操作具によって前記植付部を上昇するように操作すると、前記植付部を停止させて前記植付クラッチが切状態に切り替えられるものである。
前記植付部が上昇中、かつ、前記植付クラッチが切状態のときに、前記操作具を下降操作すると、前記植付クラッチの切状態を維持しつつ前記植付部を停止し、さらに前記操作具を下降操作すると、前記植付クラッチの切状態を維持しつつ前記植付部を下降させ、さらに前記操作具を下降操作すると、前記植付部を下降させつつ前記植付クラッチを入状態に切り替えるものである。
前記アクチュエータにより回転駆動される制御カムは、外周に180度の位相差を有するカムプロフィールが形成されるものである。
前記植付クラッチ及び前記ロータクラッチの入切設定に応じて前記制御カムの回転方向が判定され、最も回転角度が小さい方向に回転するように前記アクチュエータが制御されるものである。
前記ロータクラッチの入切設定よりも前記植付クラッチの入切設定を優先するように前記アクチュエータが制御されるものである。
本発明によれば、植付クラッチとロータクラッチとを、若しくは、植付クラッチと昇降シリンダとを連動させて作動し、かつ、それらを任意のタイミングで操作できる。
田植機の側面図である。 植付クラッチとロータクラッチとを作動するクラッチ作動装置の後方斜視図である。 クラッチ作動装置を示す拡大図である。 クラッチ作動装置における制御カムの動作を示す図である。 クラッチ作動装置における制御カムの回転制御を示す図である。 植付部の制御構成を示すブロック図である。 クロスレバーの操作に基づいた植付部の制御構成を示す表である。 植付クラッチと油圧アクチュエータとを作動するクラッチ作動装置の制御カムを示す図である。 クラッチ作動装置における制御カムの動作を示す図である。 植付部の制御構成を示すブロック図である。 クラッチ作動装置における制御カムの回転制御を示す図である。 植付ユニットクラッチ及び縦送りユニットクラッチを示す図である。 施肥ユニットクラッチを示す図である。
図1に示すように、田植機1は、エンジン2、動力伝達部3、植付部4及び昇降部5を備える。植付部4は、昇降部5を介して機体に連結されており、昇降部5によって上下方向に昇降可能である。植付部4には、動力伝達部3を介してエンジン2からの動力が伝達される。田植機1は、エンジン2の駆動によって走行しながら、植付部4によって圃場に苗を植え付ける。
エンジン2からの駆動力は、動力伝達部3においてトランスミッション6を介して、PTO軸7に伝達される。PTO軸7はトランスミッション6から後方に突出して設けられる。PTO軸7からユニバーサルジョイントを介して植付伝動ケース8に動力が伝達されて、植付部4が駆動される。また、トランスミッション6から後方に向けて駆動軸9が設けられ、駆動軸9からリアアクスルケース10に駆動力が伝達される。さらに、リアアクスルケース10から枕地整地用の整地装置20に動力が伝達される。
リアアクスルケース10の右側前方に株間変速ケース11が設けられる。PTO軸7からの動力は、株間変速ケース11を介して、植付伝動ケース8に伝達される。株間変速ケース11内には、植付部4への動力を入切する植付クラッチ12が設けられる。また、リアアクスルケース10内には、駆動軸9から整地装置20への動力を入切するロータクラッチ13が設けられている。
植付部4における植え付け位置前方には複数のフロート14が配置される。植付部4において、フロート14の前方に整地装置20が配置されている。植付部4の左右両側方には、電動マーカ15が側方に向けて突出可能に設けられる。電動マーカ15は、下端部を回動支点として、側方に回動することにより先端部を機体から側方に突出させるとともに、先端部を圃場面に接触させてラインを引く回転式のマーカである。
[植付クラッチとロータクラッチを作動するクラッチ作動装置]
次に、図2から図5を参照して、クラッチ作動装置30について説明する。クラッチ作動装置30は、植付クラッチ12及びロータクラッチ13を連動して入切作動させるものである。クラッチ作動装置30は、株間変速ケース11の上方に配置される。クラッチ作動装置30は、略六角形状の台座31、台座31に対して回動可能に設けられる円盤状の伝動ギア32、伝動ギア32の回動軸に固定され、伝動ギア32と一体的に回動する制御カム33、伝動ギア32及び制御カム33を回転駆動するクラッチモータ34、適宜のワイヤを介して植付クラッチ12に連結される植付側操作アーム35、及び、適宜のワイヤを介してロータクラッチ13に連結されるロータ側操作アーム36を備える。植付側操作アーム35及びロータ側操作アーム36は制御カム33の外周に常時当接するように設けられる。
クラッチモータ34は、制御装置40に電気的に接続されており、その作動が制御される。また、伝動ギア32及び制御カム33の回動軸の回転角度は適宜の角度センサによって検知され、制御装置40に回転角度に対応する電気信号が送信されている。制御装置40からの制御信号によってクラッチモータ34を作動させ、制御カム33を回転駆動することで、植付側操作アーム35及びロータ側操作アーム36を操作する。このようにして、クラッチ作動装置30における植付クラッチ12及びロータクラッチ13の入切が操作される。なお、伝動ギア32及び制御カム33は、クラッチモータ34の作動方向に応じて、時計回り及び反時計回りの両方向に回動可能である。
図3に示すように、植付側操作アーム35及びロータ側操作アーム36は、それぞれベルクランク状に形成されており、これらの回転支軸は、制御カム33の回動軸を中心にして左右対称に配置される。植付側操作アーム35及びロータ側操作アーム36の回転支軸は、制御カム33の回動軸よりも上方にオフセットされた状態で配置される。植付側操作アーム35及びロータ側操作アーム36における回転支軸から制御カム33に向けて延出されるアーム長は同じになるように形成される。植付側操作アーム35及びロータ側操作アーム36は、制御カム33の外周カム部との当接位置に応じて、植付クラッチ12の入切及びロータクラッチ13の入切がそれぞれ設定される。
制御カム33は、略楕円形状に形成され、その外周面には、45度程度の大径カム部及び105度程度の小径カム部が略15度程度の遷移部を挟んで交互に形成される。つまり、制御カム33の外周には、大径カム部及び小径カム部が対角に形成されており、180度の位相差を有するカムプロフィールが形成されている。
本実施形態では、植付側操作アーム35が制御カム33の小径カム部と当接する場合に植付クラッチ12を「切」、大径カム部と当接する場合に「入」となるように設定される。ロータ側操作アーム36が制御カム33の大径カム部と当接する場合にロータクラッチ13を「切」、小径カム部と当接する場合に「入」となるように設定される。図4に示すように、制御カム33が一方向(反時計回り)に180度回転する場合、(植付クラッチ12、ロータクラッチ13)の設定が、(「切」、「切」)の状態から略45度毎に(「入」、「切」)、(「切」、「入」)、(「入」、「入」)の順に切り替わり、180度回転したところで、(「切」、「切」)の状態に戻る。
つまり、図5に示すように、制御カム33の周方向に沿って、植付クラッチ12とロータクラッチ13の遷移状態として、(「切」、「切」)、(「入」、「切」)、(「切」、「入」)、(「入」、「入」)の四つのポジションが二セットずつ配置され、八つのポジションによって構成されている。また、制御カム33において、(「入」、「入」)と(「切」、「切」)の両側に(「入」、「切」)と(「切」、「入」)のポジションが位置するように設定されている。
このとき、制御装置40は、制御カム33の現在位置と、植付クラッチ12及びロータクラッチ13の入切設定に対応する二つの目標位置とから、制御カム33の回転方向を判定し、最も回転角度が小さい方向に回転するように制御する。これにより、制御カム33が現在位置から目標位置まで回動する時間(作動時間)を短縮することができる。従って、植付クラッチ12及びロータクラッチ13の作動時間を短縮して、欠株や無駄な植付を防止することができる。
さらに、制御装置40では、ロータクラッチ13の入切設定よりも植付クラッチ12の入切設定が優先される。すなわち、(植付クラッチ12、ロータクラッチ13)の設定が、(「入」、「切」)の状態から、(「切」、「入」)となるように操作した直後に機体を走行させると、目標位置へ制御カム33が回転する間に、苗が植え付けられる可能性がある。つまり、植付作業を行いたくない整地前の圃場に苗が植え付けられることを避けるために、整地作業の停止よりも植付作業の停止を優先している。
また、制御カム33のポジションが、(植付クラッチ12:「入」、ロータクラッチ13:「切」)のときに、ロータクラッチ13が「入」に設定されると、目標位置を(「入」、「入」)としてクラッチモータ34を制御するが、この制御カム33が目標位置に到達する間に植付クラッチ12が「切」に設定されると、制御装置40は、制御カム33の目標位置を(「入」、「入」)を経た後の(「切」、「入」)ではなく、(「切」、「切」)を経た後の(「切」、「入」)に変更してクラッチモータ34を制御する。このように、ロータクラッチ13の入切設定よりも植付クラッチ12の入切設定を優先するようにクラッチモータ34を制御するので、ロータクラッチ13の入切設定によらず植付クラッチ12が先に作動して、欠株や無駄な植付を防止することができる。
なお、電源投入時は、制御装置40は、制御カム33のポジションが(植付クラッチ12:「切」、ロータクラッチ13:「切」)になるようにクラッチモータ34を制御する。また、電源停止時は、植付クラッチ12及びロータクラッチ13の入切状態は、制御カム33の停止位置に対応した状態で停止される。これに対して、電源停止時に自己保持回路等により植付クラッチ12及びロータクラッチ13がともに「切」となるように、クラッチモータ34を制御することも可能である。
以上のように、クラッチ作動装置30を備える田植機1によれば、植付クラッチ12及びロータクラッチ13を連動させ、かつ、任意のタイミングで入切操作することが可能である。また、植付クラッチ12とロータクラッチ13の二種類のクラッチを一つのクラッチモータ34の作動で操作することができるため、部品点数を削減することができる。なお、制御カム33の回転位置と植付クラッチ12及びロータクラッチ13の入切操作との関係は上記のものに限定されることはなく、制御カム33の何れかの回転方向に沿って順に(「入」、「入」)、(「切」、「入」)、(「切」、「切」)、(「切」、「入」)のポジションとなるように設定されていれば良い。
[植付部の制御]
次に、図6を参照して、クラッチ作動装置30を用いた植付部4の制御について説明する。図6に示すように、クラッチ作動装置30を制御する制御装置40には、クラッチモータ34に加えて、植付部4の昇降、植付クラッチ12の断接及び電動マーカ15の動作を操作するクロスレバー41、フロート14の接地/非接地を検知するフロートセンサ42、植付部4の上昇位置を検知する上昇上限スイッチ43、整地装置20の昇降を操作するロータ操作レバー44、田植機1の進行方向を操作する操向ハンドル45等がそれぞれ接続されている。
クロスレバー41は、少なくとも二方向に操作可能な中央復帰型の操作レバーである。本実施形態において、クロスレバー41は、植付部4を昇降する際又は植付クラッチ12を入切する際の操作方向である前後方向と、左右何れかの電動マーカ15をセットする際の操作方向である左右方向の二方向に操作可能に構成されている。クロスレバー41の操作方向が検出されて、その検出信号が制御装置40に送信される。
フロートセンサ42は、圃場に対する植付部4の高さを検出するものであり、ポテンショメータによって構成される。フロートセンサ42は、センサーフロートとして用いられるフロート14の支持リンクの回動量を検出し、フロート14が圃場に接地しているか否かを判断する。フロートセンサ42によって検出される回動量に対応する検出信号が制御装置40に送信され、制御装置40において、フロート14の接地/非接地を判断する。
上昇上限スイッチ43は、植付部4が所定の上昇位置に位置するか否かを検出する。上昇上限スイッチ43はマイクロスイッチで構成され、植付部4を昇降する昇降部5に設けられる。上昇上限スイッチ43は、植付部4が下降位置から所定の上昇位置に到達するとONとなり、その信号が制御装置40に送信される。
ロータ操作レバー44は、整地装置20を昇降する際に操作されるレバーである。ロータ操作レバー44は、整地装置20を上昇させて収納する位置と、下降させて整地する位置との間で操作される。本実施形態では、ロータ操作レバー44の基端部にはマイクロスイッチが設けられる。マイクロスイッチは、ロータ操作レバー44が収納位置に操作されるとONとなり、その信号が制御装置40に送信される。
操向ハンドル45は、操向角度を検出する角度センサを有する。その角度センサによって検出される角度信号が制御装置40に送信される。例えば、所定角度以上の操向角度となった場合に旋回と判断し、旋回方向の外側の(左旋回の場合、右側の)電動マーカ15を作動させるように制御される。
制御装置40は、クロスレバー41、フロートセンサ42、上昇上限スイッチ43、ロータ操作レバー44からの各信号に応じて、植付クラッチ12及びロータクラッチ13の入切設定を行い、クラッチモータ34に適宜の制御信号を送信する。
クロスレバー41が下降方向に二回操作され、フロートセンサ42により接地を検知し、かつ、上昇上限スイッチ43がOFFの場合、植付クラッチ12を「入」に設定する。この状態から、クロスレバー41が上昇方向に一回操作されると植付クラッチ12を「切」に設定し、「入」から「切」に切り替える。このとき、植付部4を上昇させずに、植付クラッチ12を切状態にするのみとすることで、圃場面に苗を植え付ける植付作業中であっても、植付部4を一旦上昇させることなく、植付クラッチ12を「切」状態にすることができる。このため、植付作業を行うことなく植付部4を下降させたまま、圃場面を走行することが可能となり、圃場面に車輪跡を残すことがなく植付作業性の向上を図ることができる。さらに、植付部4の上昇に伴って電動マーカ15も上昇してしまうことを防止でき、操作性を向上することができる。
また、植付クラッチ12が「入」の状態から、フロートセンサ42により非接地が検知され、かつ、植付部4が下降中のときに、クロスレバー41を上昇方向に一回操作すると、植付部4の下降を停止するとともに、植付クラッチ12を「切」状態に切り替える。このように、一回のレバー操作のみで、植付部4の下降を停止し、かつ、植付クラッチ12を切状態にできるので、操作性の向上を図れる。
さらに、植付クラッチ12が「入」の状態から、フロートセンサ42により非接地が検知され、かつ、植付部4が所定の上昇位置よりも下方で停止しているときに、クロスレバー41を上昇方向に一回操作すると、植付部4を上昇させるとともに、植付クラッチ12を「切」状態に切り替える。この状態からクロスレバー41を下降方向に一回操作すると、植付クラッチ12の「切」状態を維持しつつ、植付部4の上昇を停止する。さらに、クロスレバー41を下降方向に一回操作すると、植付クラッチ12の「切」状態を維持しつつ、植付部4を下降させる。つまり、植付部4の上昇中に植付部4を下げたい場合、クロスレバー41の一回目の下降操作によって植付部4が停止し、さらに二回目のクロスレバー41の下降操作によって植付部4が下降を開始する。そして、三回目のクロスレバー41の下降操作によって、植付クラッチ12を「入」状態とすることで、作業者に違和感を与えることがなく、操作性を確保できる。
上昇上限スイッチ43がOFF、かつ、ロータ操作レバー44がOFFの場合、ロータクラッチ13を「入」に設定する。この状態から、上昇上限スイッチ43のON又はロータ操作レバー44のONの少なくとも一つが検出されると、ロータクラッチ13を「切」に設定し、「入」から「切」に切り替える。ただし、ロータクラッチ13を「入」に設定する条件に、クロスレバー41が下降方向に操作されたことを検出する条件、又は、植付部4が下降するように昇降部5に駆動信号を送信する条件を追加することも可能である。これにより、植付部4が自重や走行時の揺れ等で下降して上昇上限スイッチ43がOFFとなった場合でもロータクラッチ13が「入」に設定されることを防止できる。
また、田植機1を多目的仕様として、昇降部5を介して植付部4とは異なる作業機械を装着させるような場合には、クロスレバー41の傾倒操作によって、以下に示すような制御(昇降部5のインチング操作)がなされるように構成することも可能である。昇降部5に作業機械が装着されていない状態で、昇降部5を移動させたい方向に、クロスレバー41を実際に傾倒操作している間、昇降部5が移動するような構成としても良い。このような構成により、昇降部5を少しだけ上昇させる、あるいは少しだけ下降させる必要が生じた場合、所望する方向に所望する移動量だけクロスレバー41を傾倒させることで容易に操作することができる。
次に、図7を参照して、クロスレバー41の操作に基づいた植付部4及び植付クラッチ12の制御について説明する。図7は、植付部4が停止、下降中、又は上昇中の状態、植付クラッチ12が入又は切の状態、及び、フロートセンサ42が非接地又は接地の状態を含む三種類の条件下で、クロスレバー41を上昇操作又は下降操作した後に、植付部4及び植付クラッチ12がどのように切り替えられるかということに関する制御構成を示す表である。
(条件No.1)
植付部4が最上昇位置で停止し、植付クラッチ12が「切」、かつ、フロートセンサ42が非接地の状態から、クロスレバー41を下降操作すると、植付クラッチ12の「切」状態が維持されたまま植付部4は下降を開始する。
(条件No.2)
植付部4が最上昇位置よりも下方で停止し、植付クラッチ12が「入」、かつ、フロートセンサ42が非接地の状態から、クロスレバー41を下降操作すると、植付クラッチ12の入状態が維持されたまま植付部4は下降を開始する。
(条件No.3)
植付部4が最上昇位置よりも下方で停止し、植付クラッチ12が「切」、かつ、フロートセンサ42が非接地の状態から、クロスレバー41を上昇操作すると、植付クラッチ12の切状態が維持されたまま植付部4は上昇を開始する。
(条件No.4)
植付部4が最上昇位置よりも下方で停止し、植付クラッチ12が「入」、かつ、フロートセンサ42が非接地の状態から、クロスレバー41を上昇操作すると、植付クラッチ12が切状態に切り替えられるとともに植付部4は上昇を開始する。つまり、条件No.4において、クロスレバー41の一回の上昇操作で、植付クラッチ12を切操作が行われるとともに、植付部4が上昇する。
(条件No.5)
クロスレバー41の下降操作により植付部4が下降中、植付クラッチ12が「切」、かつ、フロートセンサ42が非接地の状態で、もう一回クロスレバー41を下降操作すると、植付部4の下降が維持されたまま植付クラッチ12が「入」に切り替えられる。
(条件No.6)
クロスレバー41の下降操作により植付部4が下降中、植付クラッチ12が「入」、かつ、フロートセンサ42が非接地の状態で、もう一回クロスレバー41を下降操作した場合、植付クラッチ12の「入」、及び植付部4の下降が維持される。
(条件No.7)
クロスレバー41の下降操作により植付部4が下降中、植付クラッチ12が「切」、かつ、フロートセンサ42が非接地の状態で、クロスレバー41を上昇操作すると、植付部4の下降が停止され、植付クラッチ12の切状態が維持される。
(条件No.8)
クロスレバー41の下降操作により植付部4が下降中、植付クラッチ12が「入」、かつ、フロートセンサ42が非接地の状態で、クロスレバー41を上昇操作すると、植付部4の下降が停止されるとともに、植付クラッチ12が切状態に切り替えられる。つまり、条件No.8において、クロスレバー41の一回の上昇操作で、植付部4の下降を停止するとともに、植付クラッチ12の切操作が行われる。
(条件No.9)
クロスレバー41の上昇操作により植付部4が上昇中、植付クラッチ12が「切」、かつ、フロートセンサ42が非接地の状態で、クロスレバー41を下降操作すると、植付クラッチ12の切状態を維持しつつ植付部4の上昇が停止される。
(条件No.10)
クロスレバー41の上昇操作により植付部4が上昇中、植付クラッチ12が「切」、かつ、フロートセンサ42が非接地の状態で、クロスレバー41を上昇操作すると、植付クラッチ12の「切」、及び植付部4の上昇が維持される。
(条件No.11)
クロスレバー41の下降操作によって、植付部4が下降してフロートセンサ42が接地となり、植付部4が田面に追従した状態、かつ、植付クラッチ12が「切」の状態で、クロスレバー41を下降操作すると、植付クラッチ12が「入」に切り替えられる。
(条件No.12)
クロスレバー41の下降操作によって、植付部4が下降してフロートセンサ42が接地となり、植付部4が田面に追従した状態、かつ、植付クラッチ12が「入」の状態で、クロスレバー41を下降操作すると、植付部4の田面追従の状態、及び植付クラッチ12の入状態が維持される。
(条件No.13)
クロスレバー41の下降操作によって、植付部4が下降してフロートセンサ42が接地となり、植付部4が田面に追従した状態、かつ、植付クラッチ12が「切」の状態で、クロスレバー41を上昇操作すると、植付クラッチ12の切状態を維持しつつ植付部4の上昇が開始される。
(条件No.14)
クロスレバー41の下降操作によって、植付部4が下降してフロートセンサ42が接地となり、植付部4が田面に追従した状態、かつ、植付クラッチ12が「入」の状態で、クロスレバー41を上昇操作すると、植付部4の田面追従の状態を維持しつつ、植付クラッチ12が切状態に切り替えられる。
以上のように、植付部4が下降中(条件No.7・8)や上昇中(条件No.9)に、クロスレバー41を植付部4の昇降方向と反対方向に操作すると、植付部4の昇降が停止されて、植付クラッチ12が入から切に切り替えられる。他方、植付部4が上昇中(条件No.10)や下降中(条件No.5・6)に、植付部4の昇降方向と同方向にクロスレバー41を操作すると、植付部4の昇降が継続される。
また、植付クラッチ12が入状態で、クロスレバー41が下降操作されると(条件No.2・6・12)、植付クラッチ12の入状態が継続される。他方、植付クラッチ12が入状態で、クロスレバー41が上昇操作されると(条件No.4・8・14)、植付クラッチ12は切状態となる。
また、植付クラッチ12が切状態で、クロスレバー41が上昇操作されると(条件No.3・7・10・13)、植付クラッチ12の切状態が継続される。他方、植付クラッチ12が切状態で、クロスレバー41が下降操作されると、植付部4が下降中(条件No.5)または田面追従(条件No.11)である場合には、植付クラッチ12は入状態となり、また植付部4が上昇位置で停止している場合には(条件No.1)、植付部4は下降して植付クラッチ12は切状態のままとなり、また植付部4が上昇中の場合(条件No.9)には、植付部4の上昇は停止されて植付クラッチ12は切状態が継続される。
[植付クラッチと油圧アクチュエータを作動するクラッチ作動装置]
以下では、図8から図11を参照して、クラッチ作動装置50について説明する。クラッチ作動装置50は、植付クラッチ12と、昇降部5に設けられ、植付部4を昇降する際に駆動される油圧シリンダ51とを連動して作動させるものである。クラッチ作動装置50の配置は限定されるものではないが、クラッチ作動装置30と同様に株間変速ケース11の上方等、植付クラッチ12及び油圧シリンダ51の近傍に配置される。ここで、図1に示すように、昇降部5は、油圧シリンダ51、トップリンク52及びロワリンク53を含むリンク機構によって構成され、油圧シリンダ51の作動により、トップリンク52及びロワリンク53を介して植付部4を昇降する。油圧シリンダ51は適宜の昇降バルブを介してその操作が制御される。
図8に示すように、クラッチ作動装置50は、制御カム54、及び、制御カム54を回転駆動するクラッチモータ55を備える。制御カム54は、適宜のワイヤを介して植付クラッチ12に連結される植付側操作アーム56と適宜の連結具を介して油圧シリンダ51への油路を切り替える制御弁のスプール57に連結される昇降側操作アーム58と常時当接するように設けられる。クラッチモータ55は上述のクラッチモータ34と同様の構成を有するものであり、制御カム54と一体的に回動する伝動ギアに噛み合うことで、モータの回転力が制御カム54に伝達される。
図8に示すように、制御カム54の外周面には、回転方向一方向に向けて、大径カム部、中径カム部、小径カム部、中径カム部が遷移部を挟んで順に形成される。つまり、制御カム54の外周には、三種類の径を有する360度のカムプロフィールが形成されている。そして、大径カム部では、植付クラッチ12が切、油圧シリンダ51が上昇、中径カム部では、植付クラッチ12が切、油圧シリンダ51が中立、小径カム部では、植付クラッチ12が入、油圧シリンダ51が下降となるようにそれぞれ設定される。
図9に示すように、制御カム54が一方向(反時計回り)に360度回転する場合、(植付クラッチ12、油圧シリンダ51)の設定が、(切、上昇)の状態から72度毎に(切、中立)、(切、下降)、(入、下降)、(入、中立)の順に切り替わる。つまり、制御カム54は、上記五つのポジションを持つように構成されている。
図10に示すように、クラッチモータ55は、制御装置40に電気的に接続されており、その作動が制御される。また、制御カム54の回動軸の回転角度は適宜の角度センサ又はポジションスイッチ等によって検知され、制御装置40に検知結果に応じた電気信号が送信されている。そして、制御装置40からの制御信号によってクラッチモータ55を作動することにより、制御カム54を回転させて、植付側操作アーム56と昇降側操作アーム58を操作することで、植付クラッチ12の入切が操作されるとともに、昇降バルブを介して油圧シリンダ51のピストンロッドの伸縮が操作されて、植付部4の昇降が操作される。
また、制御装置40には、昇降部5及び植付クラッチ12の断接を操作するクロスレバー41、フロート14の接地/非接地を検知するフロートセンサ46、及び、油圧シリンダ51をロック/解除を検出する油圧ストップスイッチ47等がそれぞれ接続されている。
フロートセンサ46は、フロート14が圃場に接地したか否かを検出するマイクロスイッチであり、フロート14の先端部に設けられる。フロートセンサ46により、フロート14の前部の浮き上がりを検出し、その検出信号が制御装置40に送信される。なお、フロートセンサ46に換えて前述のフロートセンサ42を用いても良い。
油圧ストップスイッチ47は、油圧シリンダ51の油圧回路に設けられる油圧ストップバルブ59の開閉を検出するスイッチである(図8参照)。油圧ストップバルブ59は、適宜の操作レバーに連結され、その操作レバーの操作によって、油圧シリンダ51への送油の有無(弁の開閉)を切り替えるメカ式の制御弁である。油圧ストップバルブ59が閉じられると、油圧シリンダ51がロックされる。これにより、昇降部5が停止し、植付部4が任意の高さで停止する。このとき、油圧ストップスイッチ47がONになり、その信号が制御装置40に送信される。油圧ストップバルブ59は開状態となると、油圧シリンダ51のロックが解除され、油圧ストップスイッチ47がOFFになる。
制御装置40は、クロスレバー41、フロートセンサ46、油圧ストップスイッチ47からの各信号に応じて、クラッチモータ55を制御することによって植付クラッチ12の入切設定及び油圧シリンダ51の切替設定を行い、クラッチモータ55に適宜の制御信号を送信する。
制御装置40における制御カム54のポジション制御(植付クラッチ12の入/切、油圧シリンダ51の上昇/中立/下降)について図11に示す。
油圧ストップスイッチ47がOFFの状態で、(切、中立)からクロスレバー41を上昇操作すると、(切、上昇)に遷移し、その後、油圧ストップスイッチ47がONを検出すると、(切、中立)に戻る。油圧ストップスイッチ47がOFFの状態で、(切、中立)からクロスレバー41を下降操作すると、(切、下降)に遷移し、さらにもう一度クロスレバー41を下降操作すると、(入、下降)に遷移する。他方、(切、下降)から油圧ストップスイッチ47がONを検出すると、(切、中立)に戻る。つまり、油圧ストップスイッチ47がONの状態では、クロスレバー41の操作に関わらず(切、中立)を維持する。このような制御により、油圧ストップスイッチ47がONを検出した際に、直前のクロスレバー41の昇降操作をキャンセルし、植付部4が不意に昇降することを防止している。
(入、下降)の状態で油圧ストップスイッチ47がONを検出すると、(入、中立)に遷移するが、(入、中立)に遷移した後に、油圧ストップスイッチ47がOFFを検出しても、フロートセンサ46が接地を検知していなければ(入、下降)には戻らず、(入、中立)の状態を維持する。
(入、中立)の状態から、フロートセンサ46が非接地を検知し、かつ、クロスレバー41を上昇操作すると、油圧ストップスイッチ47のON/OFFに関係なく(切、上昇)に遷移する。油圧ストップスイッチ47がONを検出した場合は、(切、上昇)に遷移した後、(切、中立)まで遷移させる。この場合、途中で油圧ストップスイッチ47がOFFを検出しても、遷移は中断されない。このように制御することにより、油圧ストップバルブ59が開状態となり油圧ストップスイッチ47がOFFを検出した際に、植付部4が不意に上昇することを防止している。
また、(切、中立)の状態から、油圧ストップスイッチ47がONを検出し、かつ、クロスレバー41を二回下降操作すると、(切、上昇)側ではなく、(切、下降)、(入、下降)を経て(入、中立)に遷移する。この場合、途中で油圧ストップスイッチ47がOFFを検出しても、遷移は中断されない。
以上のように、クラッチ作動装置50を備える田植機1によれば、植付クラッチ12及び油圧シリンダ51を連動させ、かつ、任意のタイミングで操作することができる。特に、植付部4の操作に中央復帰型のクロスレバー41と油圧ストップバルブ59を併用する場合に、油圧ストップバルブ59の操作を優先し、油圧ストップバルブ59が閉状態となった場合(油圧アクチュエータ51の作動を規制する場合)に、油圧シリンダ51を中立位置に設定することで、植付部4の昇降を確実に管理することが可能である。また、制御カム54に(植付クラッチ12:入、油圧シリンダ51:中立)ポジションを設けるとともに、油圧ストップスイッチ47のON/OFFをチェックすることで、植付部4を適宜の高さに停止させた状態で駆動する空回しを実現することができる。また、本実施形態に係る田植機1は、整地装置20を備えるものに限定されることなく、整地装置20を有しない田植機についても適用可能である。
[条止めクラッチ]
田植機1は、条止めを行うためのクラッチとして各条に対応する植付ユニットクラッチと、縦送りユニットクラッチと、施肥ユニットクラッチと、を備える。植付ユニットクラッチ及び縦送りユニットクラッチは、植付クラッチよりも動力伝達経路における下流側に位置して、施肥ユニットクラッチは、施肥クラッチよりも動力伝達経路における下流側に位置する。
植付ユニットクラッチ及び縦送りユニットクラッチは、図12に示すクラッチ作動装置60により入切作動するように構成される。クラッチ作動装置60は、苗載台61の左右中央上側に取り付けられる。クラッチ作動装置60は、クラッチ作動装置30と制御カムの形状を除き略同じ構成であり、これら部品の共通化によりコストを低減している。なお、制御カムは略扇形状とされ、該制御カムの一側又は他側から順次、各条に対応する操作アームと当接して入切作動するように構成される。制御カムは、クラッチモータ62により回転駆動される。
施肥ユニットクラッチは、図13に示すクラッチ作動装置70により入切作動するように構成される。クラッチ作動装置70は、施肥装置71の後部であって左右中央よりやや左側に取り付けられる。クラッチ作動装置70は、クラッチ作動装置30・60と略同じ構成であり、部品の共通化によりコストを低減している。制御カムは、クラッチモータ72により回転駆動される。
クラッチモータ62・72は、クラッチモータ34と同様に一方向及び他方向に駆動可能に構成され、つまり、これらに対応する制御カムは、時計方向及び反時計方向の何れにも回動可能に構成される。クラッチモータ62・72は、制御装置40と接続される。制御装置40は、前記植付ユニットクラッチ、縦送りユニットクラッチ、及び施肥クラッチの入切設定に応じて前記制御カムの回転方向を判定し、最も回転角度が小さい方向に回転するように制御する。こうして、制御カムが現在位置から目標位置まで回動する時間を短縮することができる。従って、植付ユニットクラッチ、縦送りユニットクラッチ、施肥クラッチの作動時間を短縮して、欠株や無駄な植付及び施肥を防止することができる。
なお、電源停止時における条止め状態に関する情報は、制御装置40に記憶され、電源投入時に以前の状態に復帰するように設定されている。これにより、田植機1の操作性を向上できる。
[整地装置の別実施形態]
整地装置20に換えて、上下方向に振動するプレート81を有する整地装置80としても良い。プレート81は、水平に設けられる板状の部材であり、フロート14の前方に配置される。プレート81は、ロータクラッチ13に接続される振動発生装置82によって上下方向に振動可能に支持される。そして、振動発生装置72を作動させてプレート81で圃場面を連続的に叩くことで、圃場面を整地する。振動発生装置82は、ロータクラッチ13が入状態のときに作動してプレート81を上下に振動させ、ロータクラッチ13が切状態のときに作動を停止してプレート81の振動を停止させる。また、プレート81及び振動発生装置72は、例えばリンク機構(不図示)を介して植付部4に接続されており、植付部4と共に昇降する。プレート81で圃場面を叩いて整地する整地装置80によれば、泥の巻き上げを抑制することが可能となる。
なお、プレート81の配置場所については、本実施形態のような後輪とフロート14の間に限定されず、例えば前輪と後輪の間や、前輪の前方に設けてもよい。また、プレート81を複数箇所に設けても良い。
本発明は、植付部への動力を入切する植付クラッチと、整地装置への動力を入切するロータクラッチと、を備える田植機に利用可能である。
1:田植機、4:植付部、5:昇降部、12:植付クラッチ、13:ロータクラッチ、20:整地装置、30:クラッチ作動装置、33:制御カム、34:クラッチモータ(アクチュエータ)、35:植付側操作アーム(第一操作アーム)、36:ロータ側操作アーム(第二操作アーム)、40:制御装置、50:クラッチ作動装置、51:油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)、54:制御カム、56:植付側操作アーム(第一操作アーム)、58:昇降側操作アーム(第二操作アーム)、59:油圧ストップバルブ

Claims (9)

  1. 植付部及び前記植付部を昇降する昇降部を備える田植機において、
    前記植付部への動力を入切する植付クラッチと、
    前記昇降部を駆動する油圧アクチュエータと、
    前記植付クラッチ、及び、前記油圧アクチュエータを連動して作動するクラッチ作動装置と、
    前記植付クラッチの作動、及び、前記油圧アクチュエータの作動を操作する操作具とを備え、
    前記クラッチ作動装置は、前記植付クラッチに連結される第一操作アームと、前記油圧アクチュエータに連結される第二操作アームと、前記第一操作アーム及び第二操作アームに当接する制御カムと、前記制御カムを回転駆動するアクチュエータとを備えることを特徴とする田植機。
  2. 前記油圧アクチュエータの作動を規制する油圧ストップバルブをさらに備え、
    前記油圧ストップバルブが前記油圧アクチュエータを規制する側に操作されると、前記操作具の操作に依らずに、前記油圧アクチュエータを中立に設定するように前記制御カムを制御する請求項1に記載の田植機。
  3. 前記制御カムは、前記植付クラッチと前記油圧アクチュエータの設定が、それぞれ(切、上昇)、(切、中立)、(切、下降)、(入、下降)、(入、中立)となる五つのポジションを有する請求項2に記載の田植機。
  4. 前記制御カムが(切、中立)のポジションに位置し、かつ、前記油圧ストップバルブが前記油圧アクチュエータを規制する側に操作された状態で、前記操作具を下降操作しても前記制御カムのポジションを変更せず、その状態から再度前記操作具を下降操作すると、前記制御カムのポジションを(入、中立)に変更するとともに、
    前記制御カムのポジションを変更している途中に前記油圧ストップバルブが前記油圧アクチュエータの規制を解除する側に操作された場合でも前記制御カムの駆動は中断しない請求項3に記載の田植機。
  5. 植付部、前記植付部を昇降する昇降部及び整地装置を備える田植機において、
    前記植付部への動力を入切する植付クラッチと、
    前記整地装置への動力を入切するロータクラッチと、
    前記植付クラッチ、及び、前記ロータクラッチを連動して作動するクラッチ作動装置と、
    前記植付クラッチの作動、及び、前記ロータクラッチの作動を操作する操作具とを備え、
    前記クラッチ作動装置は、前記植付クラッチに連結される第一操作アームと、前記ロータクラッチに連結される第二操作アームと、前記第一操作アーム及び第二操作アームに当接する制御カムと、前記制御カムを回転駆動するアクチュエータとを備え、
    前記植付部による植付作業中に、前記操作具を上昇操作すると、前記植付部の上昇を伴うことなく、前記植付クラッチが切状態に切り替えられるとともに、
    前記植付部が下降中、かつ、前記植付クラッチが入状態のときに、前記操作具によって前記植付部を上昇するように操作すると、前記植付部を停止させて前記植付クラッチが切状態に切り替えられることを特徴とする田植機。
  6. 前記植付部が上昇中、かつ、前記植付クラッチが切状態のときに、前記操作具を下降操作すると、前記植付クラッチの切状態を維持しつつ前記植付部を停止し、
    さらに前記操作具を下降操作すると、前記植付クラッチの切状態を維持しつつ前記植付部を下降させ、
    さらに前記操作具を下降操作すると、前記植付部を下降させつつ前記植付クラッチを入状態に切り替える請求項5に記載の田植機。
  7. 前記アクチュエータにより回転駆動される制御カムは、外周に180度の位相差を有するカムプロフィールが形成される請求項6に記載の田植機。
  8. 前記植付クラッチ及び前記ロータクラッチの入切設定に応じて前記制御カムの回転方向が判定され、最も回転角度が小さい方向に回転するように前記アクチュエータが制御される請求項7に記載の田植機。
  9. 前記ロータクラッチの入切設定よりも前記植付クラッチの入切設定を優先するように前記アクチュエータが制御される請求項8に記載の田植機。
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