JPWO2014076973A1 - 超音波探触子 - Google Patents

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Abstract

超音波診断装置本体に接続可能な超音波探触子は、電気信号と超音波とを相互に変換する素子部と、素子部に電気的に接続される電気信号処理回路と、素子部と電気信号処理回路を収納するケースと、素子部と電気信号処理回路とを電気的に接続する素子部基板と、ケースに接するように配置され、素子部と電気信号処理回路を分離する仕切り部とを備え、ケース内であって仕切り部で分離された素子部側の空間にケースの内壁面を形成する物質の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する第1の材料が充填されることにより、電気信号処理回路などの回路部で発生する熱をより効率的に放熱することができる。

Description

本開示技術は、超音波診断装置本体に接続して使用可能な超音波探触子に関する。
被検体に超音波を送信しその反射してくる超音波を受信して被検体の断層像を得る超音波診断装置は、主に医療現場などで用いられている。超音波探触子は、コネクタおよびケーブルを介して超音波診断装置本体に接続され、超音波診断装置本体からの電気信号を超音波に変換する。超音波探触子は、被検体に接触した状態にて、超音波信号を被検体に送信し、被検体から反射した超音波信号を受信して電気信号に変換する。
超音波探触子の素子部は、圧電素子と、例えば音響整合層、音響レンズ、バッキング材などで構成され、電気信号と超音波信号の変換を行っている。超音波探触子の素子部と超音波診断装置本体は、ケーブル又はコネクタを介して接続されている。近年では、マトリックスアレイ素子を用いた三次元表示などを実現するために、素子部は、以前よりはるかに多くの信号の授受が必要になっている。このような多くの信号を超音波探触子と超音波診断装置本体との間でケーブルを介して授受するためには、例えば数千本のケーブルが必要となる。このような場合、ケーブルが太くなることで使用性(使い勝手)が低下したり、ケーブル又はコネクタのコストが増大するおそれがある。そこで、実用化されているマトリックス超音波探触子では、超音波診断装置本体ではなく超音波探触子の内部に、サブビームフォーマー回路が配置される。これにより、信号を授受するケーブル又はコネクタの数が低減される。また、超音波探触子の性能を向上させる目的で、超音波探触子の素子部により近い場所にアンプ又はスイッチ回路が配置されるものもある。
一方、超音波探触子における被検体との接触部および操作者との接触部は、超音波探触子の素子部に印加される電力による発熱や、素子部の近傍に配置した回路部の発熱により、温度が上昇しやすい。よって、これらの接触部の温度に対しては安全性の観点から規制がある。また上述したとおり、超音波探触子の内部に回路が内蔵される場合、内蔵された回路の消費電力による発熱により、超音波探触子の素子部や筐体の温度が上昇するという課題が生じる。
そこで例えば、特許文献1に開示される超音波探触子が提案されている。特許文献1の超音波探触子では、図22に示すとおり、ケース100内に回路基板101が収納される。回路基板101には、熱伝達率の高い材料で形成された熱伝達板102が接続される。熱伝達板102とシールドケース103は、信号を授受するケーブル104の周りを被覆した電磁シールド用金属部材105に接続される。回路基板101には、熱を伝達分散するヒートスプレッダ(図示せず)を設けて熱伝達板102に接続している。このような構成により、回路基板101で発生する熱を放熱している。また、特許文献1の超音波探触子では、ケース100内に収納された素子部106及び熱伝達板102に接続されるシールドケース103が電磁シールド用金属部材105に接続されるとともに、回路基板101とシールドケース103の隙間は断熱性の高い硬質ウレタンフォームで覆われている。このような構成により、回路基板101の熱が素子部106に伝熱することを抑制する。
特開2006−25892号公報
しかしながら、特許文献1の超音波探触子によれば、回路部101の熱が素子部106に伝熱することを十分に抑制することができない。
特許文献1の超音波探触子では、素子部106は、シールドケース103を経由して、電磁シールド用金属部材105又はケーブル104近傍の電磁シールド部材に接続される。また回路基板101が、ヒートスプレッダと熱伝達板102を経由して、電磁シールド用金属部材105に接続されることで、回路部101から発生する熱が放熱される。このような構成では、電磁シールド用金属部材105又はケーブル104近傍のシールドケース103に集まった熱によって、ケース100とシールドケース103の間に存在する空間において、空気の対流が生じる。特に、素子部106が上を向いた状態で保持される場合には、回路部101から発生した熱が素子部106に伝達されるため、素子部106の温度が上昇するという課題がある。
そこで本開示技術は、電気信号と超音波とを相互に変換する素子部と、素子部に電気的に接続される電気信号処理回路などの回路部とを有する超音波探触子であって、回路部で発生する熱が素子部に伝わることを抑制することができる超音波探触子を提供することを目的とする。
そしてこの目的を達成するために本開示技術は、超音波診断装置本体に接続可能な超音波探触子であって、
電気信号と超音波とを相互に変換する素子部と、
素子部に電気的に接続される電気信号処理回路と、
素子部と電気信号処理回路を収納するケースと、
素子部と電気信号処理回路とを電気的に接続する素子部基板と、
ケースに接するように配置され、素子部と電気信号処理回路を分離する仕切り部とを備え、
ケース内であって仕切り部で分離された素子部側の空間にケースの内壁面を形成する物質の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する第1の材料が充填される。
また、電気信号処理回路は気体と接触している構成であってもよい。
また、電気信号処理回路を実装した回路部基板と、
電気信号処理回路と超音波診断装置本体とを電気的に接続し信号を伝達するケーブルと、
ケーブルと接続し、回路部基板を支持する少なくとも1本以上のアームとを備え、
アームの熱伝導率は、第1の材料の熱伝導率よりも高い構成であってもよい。
また、アームは導電材料からなり、
回路部基板は、アームとの接触部に電気信号処理回路のグラウンド電極を有する構成であってもよい。
また、ケーブルを固定するケーブルクランプを備え、
ケーブルは、ケーブルクランプを介してアームと接続する構成であってもよい。
また、ケーブルクランプには、ケーブルを囲むように配置される放熱板が接続されている構成であってもよい。
また、ケーブルクランプとアームは一体的に形成される構成であってもよい。
また、アームは金属からなり、
アームの長手方向における中央よりもケーブルクランプ側の表面に、酸化処理または熱放射塗料の塗布が施されている構成であってもよい。
また、ケースの外側においてケーブルを貫通させるとともにケースに接触するストレインレリーフをさらに備え、
放熱板は、ケースとケーブルとの間に配置される第1の放熱板と、ストレインレリーフ内に配置されるとともに第1の放熱板に接触する第2の放熱板とを備える構成であってもよい。
また、ケースは少なくとも第1の部品と第2の部品を有し、
第1の部品と第2の部品が接合されている構成であってもよい。
また、第1の部品及び第2の部品は、それぞれが素子部から電気信号処理回路までを覆う構成であってもよい。
また、仕切り部は、第1の部品と一体的に形成されている構成であってもよい。
また、ケースのうち、仕切り部と素子部の間に位置する部分には穴が形成され、
ケース内の素子部側の空間に第1の材料が充填された状態にて、穴の素子部側の開口は第1の材料によって封止されている構成であってもよい。
また、第1の部品は素子部を収納し、
第2の部品は電気信号処理回路を収納し、
第1の部品と第2の部品は素子部と電気信号処理回路の間で接合されている構成であってもよい。
また、仕切り部は、第1の部品と第2の部品の接合面の平面上に形成されている構成であってもよい。
また、仕切り部には、素子部基板が貫通する第1の穴と、第1の穴とは異なる第2の穴が形成され、
ケース内の素子部側の空間に第1の材料が充填された状態にて、第2の穴の素子部側の開口は第1の材料によって封止されている構成であってもよい。
また、第1の部品と第2の部品の接合面において、仕切り部は第1の部品と第2の部品に挟まれている構成であってもよい。
また、仕切り部は少なくとも2以上の仕切り板からなる構成であってもよい。
また、少なくとも2以上の仕切り板のうち、少なくとも2以上の仕切り板同士の間の空間に第1の材料が充填され、素子部と仕切り板との間の空間に第1の材料よりも熱伝導率の高い第2の材料が充填されている構成であってもよい。
また、第1の部品の熱伝導率は、仕切り部の熱伝導率よりも高い構成であってもよい。
また、ケースの内壁面はグラファイト層が形成されている構成であっても良い。
本開示技術の超音波探触子は、電気信号処理回路などの回路部で発生する熱が素子部に伝わることを抑制することができる。
(a)第1の実施形態における超音波探触子Pの一例を示す断面図、(b)図1(a)における超音波探触子PのA−A’断面から見た一例を示す断面図 第1の実施形態における超音波探触子Pの各構成部品を分解した一例を示す立体図 第1の実施形態における超音波探触子Pのケースの片側を分離し各構成部品を組み込んだ状態が見える一例を示す図 第1の実施形態における超音波探触子のケース内に断熱材を充填する方法の一例を示す図 電気信号処理回路から発生する熱の伝熱をシミュレーションするために用いた超音波探触子の説明図 (a)超音波探触子の素子部を地上に対して上方に向けて保持した場合の超音波探触子の表面温度の計算結果を示す図、(b)超音波探触子の素子部を地上に対して下方に向けて保持した場合の超音波探触子の表面温度の計算結果を示す図 (a)分離された素子部と電気信号処理回路との間を空気とした場合の超音波探触子の表面温度の計算結果を示す図、(b)ケース内の空間すべてを断熱材で充填させた場合の超音波探触子の表面温度の計算結果を示す図 ケース内の素子部と仕切り部の間に断熱材を充填させ、電気信号処理回路からケースの間の空間は空気とした場合の超音波探触子の表面温度の計算結果を示す図 ケース内の素子部と仕切り部の間に断熱材を充填させ、回路部基板をアームに接続した場合の超音波探触子の表面温度の計算結果を示す図 (a)ケースの材料として変性PPE樹脂を用いた場合の超音波探触子の表面温度の計算結果を示す図、(b)ケースの材料として非導電性高熱伝導PBTを用いた場合の超音波探触子の表面温度の計算結果を示す図 ケース内の素子部と仕切り部の間に断熱材を充填させ、回路部基板をアームに接続し、ケースの材料として非導電性高熱伝導PBTを用いた場合の超音波探触子の表面温度の計算結果を示す図 (a)第1の実施形態の変形例1における超音波探触子Qの一例を示す断面図、(b)図12(a)における超音波探触子QのA−A’断面から見た一例を示す断面図 (a)第1の実施形態の変形例2における超音波探触子Rの一例を示す断面図、(b)図13(a)における超音波探触子RのA−A’断面から見た一例を示す断面図 (a)第2の実施形態における超音波探触子Sの一例を示す断面図、(b)図14(a)における超音波探触子SのA−A’断面から見た一例を示す断面図 第2の実施形態における超音波探触子Sのケース9を分離して立体的に示した一例を示す図 第2の実施形態における超音波探触子のケース内に断熱材を充填する方法の一例を示した図 (a)第2の実施形態の変形例1における超音波探触子Tの一例を示す断面図、(b)図17(a)における超音波探触子TのA−A’断面から見た一例を示す断面図 (a)第2の実施形態の変形例2における超音波探触子Uの一例を示す断面図、(b)図18(a)における超音波探触子UのA−A’断面から見た一例を示す断面図 超音波探触子Uの一部の一例を説明する図 超音波探触子Uのケース内に断熱材を充填する方法の一例を示した図 (a)第2の実施形態の変形例3における超音波探触子Vの一例を示す断面図、(b)図21(a)における超音波探触子VのA−A’断面から見た一例を示す断面図 従来例を示す図
以下に、本開示技術に係る超音波探触子の第1、第2の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
図1(a)は、本開示技術の超音波探触子Pの第1の実施形態の断面図である。図1(b)は、図1(a)における超音波探触子PのA−A’断面から見た断面図である。図1(a)、1(b)は、本開示技術の超音波探触子の一例を示す。
素子部1は、電気信号と超音波信号を変換する部分である。素子部1は、素子部基板2と接続され、素子部基板2を介して電気信号処理回路3に電気的に接続される。電気信号処理回路3は、ケーブル4に電気的に接続され、ケーブル4およびコネクタ(図示せず)を介して、図示しない超音波診断装置本体に電気的に接続される。これにより、超音波探触子Pの一端は、ケーブル4などを介して、図示しない超音波診断装置本体に接続可能となる。
ケーブル4は、信号線5と、信号線5の外表を覆うケーブルシールド6を含む。信号線5は、電気信号処理回路3と超音波診断装置本体を互いに電気的に接続している。超音波診断装置本体からの送信信号は、電気信号処理回路3を経由して、素子部1に伝達される。これにより、素子部1から被検体に超音波が送信される。送信された超音波は被検体にて反射される。素子部1は、被検体から反射された超音波を電気信号に変換する。電気信号処理回路3は、その電気信号の信号処理を行う。電気信号処理回路3によって処理された電気信号が、ケーブル4を経由して超音波診断装置本体に伝達される。これにより、超音波診断装置本体に接続されたディスプレイ(display)などに超音波診断画像が表示される。なお、素子部1は少なくとも圧電素子を含む。第1の実施形態では、素子部1はさらに、音響整合層、バッキング材7、音響レンズなどを含む。
ここで、超音波探触子Pの素子部1において、超音波診断装置本体からの送信信号のエネルギーの一部が熱となるため、素子部1の温度が上昇する。
電気信号処理回路3は、回路部基板8に実装されている。電気信号処理回路3は、送信用駆動回路、切り替えスイッチ、受信信号の増幅回路、受信信号を遅延加算する回路などから構成される。電気信号処理回路3では、超音波診断装置本体からの送信信号の信号処理を行う回路、又は、素子部1からの受信信号の信号処理を行う回路が集積化される。これらの回路における信号の授受の過程で電気信号処理回路3が発熱する。
ケース9は、素子部1及び電気信号処理回路3を収納する。「収納」には、図1(a)、1(b)に示すように、対象物である素子部1を全体的ではなく部分的に収納する場合も含まれる。ケース9は、上下2つの部品(第1の部品と第2の部品)に分かれている。ケース9のそれぞれの部品は、素子部1及び電気信号処理回路3の両者を覆うように接着剤などで接合される。すなわち、ケース9のそれぞれの部品が、素子部1から電気信号処理回路3までを覆うように接合される。このような接合により、素子部1、素子部基板2、電気信号処理回路3などの構成部品がケース9に収納される。
ケース9は、絶縁性かつ高熱伝導性の材料が好ましい。ケース9は例えば、PBT樹脂、PPS樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂などの樹脂に、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどのフィラーを混入して形成される。これらの材料は、2〜15W/m・Kという高い熱伝導率を有するとともに、絶縁性を有する。このような高熱伝導性材料をケース9の材料として用いることにより、ケース9全体に熱を分散させることができる。これにより、ケース9の特定の部分のみが高温となることを抑制することができる。また、ケース9は少なくとも内側(素子部1などを収納している側)の表面が高熱伝導性を有していれば、ケース9の外側の熱伝導性の高低に関わらず、ケース9の特定の部分のみが高温となることを抑制することができる。従って、ケース9は内側の表面に高熱伝導性の材料の層を形成しているものであってもよい。具体例として、ケース9の内側の表面に高熱伝導性の材料としてグラファイトを塗布していてもよい。ケース9の内側の表面のうち、電気信号処理回路3側に高熱伝導性の材料の層を形成し、素子部1側は高熱伝導性の材料層を形成しない構成としてもよい。このようにすることで、電気信号処理回路3から発生した熱をケース9に分散しつつ、素子部1側には熱の分散を防止することができる。
ケース9の一方の部品には、素子部1と電気信号処理回路3を空間的に分離する仕切り部10が設けられている。第1の実施形態では仕切り部10がケース9の一方の部品と一体的に形成されているが、このような場合に限らず、ケース9とは別に形成した仕切り部10をケース9の内側に設けてもよい。なお、ケース9の外表は、仕切り部10によって分離されず、素子部1から電気信号処理回路3までを覆っている。仕切り部10は、ケース9のもう一方の部品の内面に接するように配置される。
仕切り部10には貫通穴11が設けられており、貫通穴11を通るように素子部基板2が貫通している。素子部基板2は例えば、ガラス又はエポキシ樹脂により構成される。貫通穴11の大きさは概ね、仕切り部10と素子部基板2が接触する大きさであることが好ましいが、これに限らず、貫通穴11を介した空気の対流による伝熱が無視できる程度の隙間があってもよい。また、仕切り部10をケース9のそれぞれの部品の両方に設けるとともに、素子部基板2が貫通する仕切り部10の部分に切欠きを設けることで、貫通穴11を形成しても良い。また、仕切り部10は、ケース9と同じ材料によってケース9と一体的に形成されてもよい。仕切り部10がケース9と一体的に形成されることで、仕切り部10とケース9とが隙間なく接合される。これにより、ケース9内の素子部1側の空間と電気信号処理回路3側の空間との間において、空気の対流を防止することができる。
仕切り部10で分離されたケース9内の素子部1側の空間には、熱伝導率の低い断熱材12(第1の材料12)として、硬質ウレタンフォームなどが充填されている。仕切り部10で分離された素子部1側の空間とは、素子部1と仕切り部10とで囲まれるケース9内の空間のことであり、より具体的には、素子部1のバッキング材7と仕切り部10とで囲まれるケース9内の空間のことである。断熱材12としては、ケース9の少なくとも内側の表面の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有するものであれば良いため、空気であっても良いが、断熱材12は固体材料であることがより好ましい。その他には、発泡ポリスチレンフォーム、グラスウール、ロックウール、木材などでも良い。素子部1側にある断熱材12の熱伝導率がケース9の内側の表面の熱伝導率より低いことにより、ケース9内の電気信号処理回路3側の空間と素子部1との間で熱が伝わりにくくなる。これにより、電気信号処理回路3から発生する熱が素子部1へ伝わることを抑制することができる。
貫通穴11の大きさが、仕切り部10と素子部基板2が接触しない大きさである場合には、仕切り部10と素子部基板2との間の隙間を断熱材12によって埋めることが好ましい。また、断熱材12は、仕切り部10によって分離される素子部1側の空間の全てに充填されていなくても良いが、仕切り部10及び素子部1の両方に密着するように充填されることが好ましい。このように断熱材12を充填するとともに、ケース9に接触する仕切り部10を形成することによって、電気信号処理回路3で発生する熱が素子部基板2やケース9を介して素子部1へ伝わることを抑制することができる。
ここで、断熱材12を素子部1と仕切り部10とケース9で囲まれる空間に配置するには、あらかじめ成型した断熱材12を設置しても良い。あるいは、図4に示す通り、ケース9の片方の部品に、素子部1と仕切り部10の間の空間に連通する穴13を設けて、穴13から断熱材12を注入しても良い。すなわち、ケース9の上下の部品を嵌合させた後に、穴13から断熱材12を注入し、断熱材12の注入後に、穴13を覆うように蓋14で封止する。これにより、素子部1と仕切り部10とケース9で囲まれた空間に、確実に隙間無く、断熱材12を充填することができる。このとき、ケース9内の素子部1側の空間に断熱材12が充填された状態にて、穴13は蓋14によって封止されている。すなわち、少なくとも穴13の素子部1側の開口が断熱材12で封止されている。なお、断熱材12によって蓋14が構成されても良い。
図2は、超音波探触子Pの第1の実施形態の各構成部品を分解して立体的に示す。図3は、超音波探触子Pの第1の実施形態について、ケース9の片側(上側))を分離した状態で超音波探触子Pの内部にある各構成部品などを示す。図2、3に示す超音波探触子Pでは、各構成部品をケース9内に収納し、ケース9を接合した後に、図4に示すように、ケース9内の素子部1と仕切り部10の間の空間に対応する位置に設けられた穴13に断熱材12を注入している。穴13はその後、蓋14により封止される。
仕切り部10で分離されたケース9内の電気信号処理回路3側の空間は、仕切り部10とケース9で囲まれる電気信号処理回路3側の空間であり、この空間には、空気などの気体が充填されている。すなわち、電気信号処理回路3には気体が接触している。
ケース9の内部には、ケーブル4の一部であるケーブルシールド6を挟み込むケーブルクランプ15が配置されている。ケーブルクランプ15は、少なくとも上下二つの部品で構成される。ケーブルクランプ15の2つの部品における締結面16が互いに向かい合うようにして、ケーブルクランプ15がケーブルシールド6を挟み込む。このような状態で、ねじ17がケーブルクランプ15の両方の部品を貫通することで、ケーブルクランプ15がケーブル4とともに固定される。なお、図1では、ストレインレリーフ15の形状が上方視でT字形の場合を図示しているが、図2では、ストレインレリーフ15の形状が上方視で長方形である場合を図示している。
ケーブルクランプ15には、少なくとも1本以上のアーム18が接続される。アーム18は、回路部基板8にも接続される。すなわち、アーム18はケーブルクランプ15と回路部基板8を支持している。第1の実施形態では、回路部基板8とアーム18は、ねじによって互いに固定されている。第1の実施形態では、2本のアームがケーブルクランプ15に接続しているが、1本でも、3本以上であってもよい。なお、アーム18は、ケーブルクランプ15の一部として、ケーブルクランプ15と一体的に形成されていてもよい。すなわち、ケーブルクランプ15とアーム18は一連の一つの部材から形成されてもよい。例えばアルミダイカストなどの金属ダイカストを用いて、ケーブルクランプ15とアーム18を一体成型により製作しても良い。これにより、ケーブル4の固定や電気信号処理回路3からの放熱に適した複雑な形状を安価に実現することができる。また、アーム18がケーブルクランプ15の一部としてケーブルクランプ15と一体的に形成されている場合、図1(b)に示すとおり、ケーブルクランプ15は、アーム18に続く部位(下側の部位)と、その部位に対向する部位(上側の部位)でケーブルシールド6を上下方向に挟む。これにより、回路部基板8の熱を、アーム18を介して効率よくケーブルシールド6に伝熱することができる。
さらに、第1の実施形態のように、ねじ17がケーブルクランプ15を圧接することでケーブルクランプ15がケーブルシールド6を挟む場合に限らず、ケーブルクランプ15を設けずに、ケーブルシールド6をアーム18に接着してもよい。この場合の接着は、高熱伝導性又は高導電性の接着剤を用いて行っても良い。また、ケーブルクランプ15でケーブルシールド6を挟まなくても良い。すなわち、ケーブルクランプ15を圧接するねじ17を設けずに、高熱伝導性又は高導電性の接着剤を用いて、ケーブルシールド6をケーブルクランプ15の一部に接着して固定してもよい。
なお、アーム18は、断熱材12よりも高い熱伝導率を有する材料で構成される。このような材料を採用することで、電気信号処理回路3側で発生する熱を素子部1に伝熱することを抑制しながら、アーム18を通じてケーブルシールド6へ伝熱することができる。
例えば、ケーブルクランプ15及びアーム18の材料としては、金、銀、銅などの金属材料が好ましい。さらには、金属材料の中でも、電気抵抗率が低く、熱伝導率が高く、かつ軽量で安価なアルミなどがより好ましい。このような材料を採用するとともに、回路部基板8におけるアーム18との接触部に、電気信号処理回路3のグラウンド電極を配置しても良い。このような配置によれば、ケーブルクランプ15によってケーブルシールド6を挟み込んでケーブル4を固定することに加え、電気信号処理回路3のグラウンド電極を、比較的太い線材であるケーブルシールド6に電気的に接続することができる。これにより、電気信号処理回路3のグラウンドインピーダンスを小さくすることができる。グラウンドインピーダンスを小さくすることにより、電気信号処理回路3は、外部からの電磁波ノイズの影響を低減することができ、あるいは、外部に放出する電磁波ノイズを少なくすることができる。
また、電気信号処理回路3で発生する熱は、回路部基板8に形成される広いグラウンド電極及びグラウンド電極と直接接触するアーム18を経由して、ケーブルシールド6に伝わる。このような構成により、電気信号処理回路3の熱をケーブルシールド6まで伝熱させることにより、放熱専用の熱伝達板、ヒートスプレッダ又は電磁シールド部材などを設けることなく、効率よく放熱することができる。
また、アーム18を金属により形成した場合には、アーム18の表面の状態によって放射率が大きく変わる。例えばアルミの場合には、波長約1.6μmの非酸化面の放射率が0.09であるのに対して、表面のアルミを酸化させて酸化面とした場合には、放射率は0.4となる(4倍以上)。また、表面の酸化処理以外にも、アーム18の表面に熱放射塗料(放熱塗料)を塗布しても、同様に放射率を向上させることができる。また、アルミで形成されたアーム18と接続されるケーブルクランプ15の表面に酸化処理を施しても良い。ケーブルクランプ15の表面に酸化処理を施すことで、電気信号処理回路3の熱を効率良く放熱することができる。酸化処理は、アーム18及びケーブルクランプ15の全面に施しても良い。あるいは、アーム18のうち、ケーブルクランプ15の配置されるケーブル4に近い部分にのみ酸化処理または放熱塗料の塗布を施しても良い。アーム18の長手方向における中央よりもケーブルクランプ15側の表面に酸化処理または放熱塗料の塗布を施し、アーム18の長手方向において中央よりもケーブルクランプ15とは反対側の端部側の表面は酸化処理または放熱塗料の塗布を施さない構成としてもよい。これにより、温度の上昇が比較的少ないケーブル4の近傍からの放熱を増加させることができるため、素子部1やケース9の温度上昇をさらに軽減することができる。あるいは、アーム18の表面のうち、ケーブルクランプ15に接触する部分にのみ酸化処理または放熱塗料の塗布を施しても良い。
さらに、ケーブルクランプ15及びアーム18は、カーボンまたは金属フィラーを配合した樹脂で形成されても良い。この場合、ケーブル4の固定や電気信号処理回路3からの放熱に適した複雑な形状を、樹脂成型により安価に製作することができる。カーボンとしては、カーボンブラック、炭素繊維、黒鉛、又は、カーボングラファイトなどを使用することができる。金属フィラーとしては、銀、銅、ニッケルなどの微粉末、酸化亜鉛若しくは酸化スズのような金属酸化物、又は、アルミ若しくはステンレスの金属繊維などを使用することができる。樹脂としては、ポリオレフィン、ポリエステル、フェノール、又はナイロンなどを使用することができる。このようなカーボンまたは金属フィラーが配合された導電性の樹脂は、電気抵抗が小さく、かつ熱伝導率も一般の樹脂と比較して高いため、電気信号処理回路3からの放熱やグラウンドインピーダンスの低減に好適な材料である。
さらに、回路部基板8とアーム18が接触する箇所に、回路部基板8よりも熱伝導率の高い放熱用グリスを塗布してもよい。これにより、電気信号処理回路3からアーム18への伝熱効率をさらに向上させることができる。放熱用グリスとしては例えば、3W/m・K程度の熱伝導率を有するシリコングリスなどを利用することができる。また、放熱用グリスが、高い熱伝導率だけでなく導電性を有する場合には、電気信号処理回路3のグラウンドインピーダンスを低減することができるため、外部からの電磁波ノイズや放射ノイズを低減することができる。熱伝導率の高いグリスを導電性グリスとするためには、カーボン又は金属フィラーを混入させればよい。金属フィラーとしては、銀、銅若しくはニッケルなどの微粉末、酸化亜鉛若しくは酸化スズのような金属酸化物、又はアルミ若しくはステンレスの金属繊維などを使用することができる。カーボンとしては、カーボンブラック、炭素繊維、黒鉛又はカーボングラファイトなどを使用することができる。
また、ケース9とケーブル4が接続する箇所には、ケーブル4を貫通させるストレインレリーフ19が設けられる。具体的には、ケース9の外側においてケーブル4を貫通させるとともにケースに9に接触するストレインレリーフ19が設けられる。ストレインレリーフ19は、ケーブル4の急峻な曲がりによる断線を防止するために設けられている。
ケーブルクランプ15は、後述するケース内放熱板24と接続し、更にケース内放熱板24はケース9の外側に向かって延びるねじ部20と接続している。ねじ部20には放射板21(第2の放熱板21)が螺合している。この放熱板21は、ストレインレリーフ19内にインサート成型された1つ以上の円板形状の板であり、アルミなどの金属で構成される。放熱板21の中心には、ねじ部20に螺合するねじ穴が形成されている。第1の実施形態では、放熱板21は、3枚の円板形状を有する。このような構成によれば、放熱板21をストレインレリーフ19とともに回転させてねじ部20内にねじ込むことで、ねじ部20と放熱板21が連結される。ねじによる連結部には、伝熱効率を向上させる目的で、高熱伝導グリス又は高熱伝導接着剤を塗布しても良い。ただし、このようなねじを用いた方法に限らず、他の方法を用いてケーブルクランプ15と放熱板21を連結しても良い。また、ケーブルクランプ15、ケース内放熱板24、及びねじ部20は一体的に形成されていてもよい。このとき、ケーブルクランプ15、ケース内放熱板24、及びねじ部20が一体形成された部品は、ケーブル4を挟み込むために上下二つの部品からなり、この二つの部品はねじ17で固定される。このように一体形成する構成とすると、別部品で形成してから接続するよりも熱伝導効率がよくなり、好ましい。
放熱板21を覆うストレインレリーフ19の断面積は、ケーブル4の軸方向において、ケーブルクランプ15との接続部(接触部)から超音波診断装置本体側に向かうにつれて、徐々に小さくなっている。このようなストレインレリーフ19の形状により、ケーブル4の急峻な屈曲が妨げられる。これにより、ケーブル4の信号線5やケーブルシールド6の断線を防止することができる。さらに、例えばアルミなどの金属で製作された放熱板21の周囲を、熱伝導率が高く非導電性のエラストマーからなるストレインレリーフ19で覆っても良い。これにより、超音波探触子Pの電気的絶縁が確保される。同時に、エラストマーの放射率は約0.95であり、アルミなどの金属の放射率よりもはるかに高いため、エラストマーからなるストレインレリーフ19で放熱板21を被覆することで、より効率的な放熱を実現することができる。
アーム18とケーブルクランプ15は別々の部品として製作しても良いが、このような場合に限らない。例えば、機械加工、金属ダイカスト又は樹脂成型などによってアーム18とケーブルクランプ15を1つの部品として製作した後、アーム18とケーブルクランプ15を分割しても良い。このような方法によれば、アーム18とケーブルクランプ15を分割する前に、ねじ部20を加工することができる。
また、放熱板21がインサートされたストレインレリーフ19をねじ部20にねじ込んでいくことで、ケーブルクランプ15に挟まれたケーブル4を強固に固定することができる。ねじ部20に、ケーブルクランプ15がケーブル4を挟み込む方向と直交する方向(ケーブル4の軸方向)に延びる溝23を形成しても良い。少なくとも1つの溝23を形成することで、ねじ部20が複数の領域に分割される(例えば3分割や4分割)。これにより、ねじ部20にストレインレリーフ19をねじ込んで行く際に、ケーブル4を複数の方向(例えば3方向や4方向)から締め付けることができるため、より強固にケーブル4を固定することができる。また、ねじ部20の先端を細くテーパー状にすると、ストレインレリーフ19をねじ部20にねじ込んでケーブル4を締め付ける際に有利である。
さらに、ケース9の部品の接合部において、ケース9の二つの部品に挟まれるようにケース内放熱板24(第1の放熱板24)を形成してもよい。ケース内放熱板24は、ケーブルクランプ15と放熱板21に接触している。このような構成とすることで、ケーブルクランプ15の熱がケース内放熱板24に伝わるため、放熱性を向上させることができる。ケース内放熱板24は例えば、アルミなどの金属材料で構成される。さらに、図1(a)、1(b)に示すように、ケース内放熱板24と放熱板21を接触させるように配置しても良い。ケース内放熱板24と放熱板21により、ケーブル4を囲むとともにケーブルクランプ15に接続される放熱板が構成される。これにより、ケーブルクランプ15の熱を、ケース内放熱板24を介して放熱板21により多く伝えることができるため、ケース内放熱板24がない場合に比べて、電気信号処理回路3で発生した熱の放熱板21への伝熱効率を上げることができる。結果として、ストレインレリーフ19側の放熱板21を経由した外部への放熱効率を向上させることができる。
また、ケース9とストレインレリーフ19における互いの接続部分に窪み22を形成してもよい。図1(a)、1(b)では、ケース9に形成される窪み22と、ストレインレリーフ19に形成する窪み22はそれぞれ向かいあうように位置している。ケース9とストレインレリーフ19の間に接着剤を塗布して両者を接着する際に、窪み22は接着剤を貯留する空間として機能する。これにより、余剰な接着剤が窪み22に貯留されることとなる。窪み22に接着剤が貯留されて硬化することで、ストレインレリーフ19とケース9との間の隙間から水が浸入する際に、窪み22を設けない場合に比べて、ケース9内に到達するまでの水の流入経路が長くなる。これにより、外部からの水分の流入をより確実に防止することができるので、より確実に電気的絶縁性を確保できる。
また、ケーブルクランプ15におけるケーブルシールド6との接触面に凹凸を設けてもよい。このような凹凸を設けることで、ケーブル4をより強固に固定することができる。同時に、ケーブルクランプ15からケーブルシールド6への伝熱面積が広がるため、放熱のための伝熱効果をより向上させることができる。
さらに、ケーブルクランプ15におけるケーブル4との接触面に、ケーブルクランプ15よりも熱伝導率の高いグリス又は接着剤を塗布してもよい。このようなグリス又は接着剤を塗布することで、ケーブルクランプ15からケーブルシールド6への伝熱効率が向上するとともに、接着剤であればケーブル4をより確実に固定することが出来る。熱伝導率の高いグリスとしては例えば、熱伝導率が3W/m・K程度のシリコングリスなどが利用できる。また、このようなグリス又は接着剤は、導電性を有することが好ましい。ケーブルクランプ15に導電性のグリス又は接着剤を塗布することで、電気信号処理回路3のグラウンドを低インピーダンスでケーブル4へ電気的に接続することができる。これにより、外部からの電磁波ノイズの影響や、外部に放出する電磁波ノイズを低減することができる。熱伝導率の高いグリス又は接着剤を導電性とするためには、カーボン又は金属フィラーを混入させればよい。金属フィラーとしては例えば、銀、銅、ニッケルなどの微粉末、酸化亜鉛若しくは酸化スズのような金属酸化物、アルミ若しくはステンレスの金属繊維などがある。カーボンとしては例えば、カーボンブラック、炭素繊維、黒鉛、カーボングラファイトなどがある。
ここで、本開示技術の効果を説明するため、超音波探触子の発熱状態をシミュレーションした結果について、図5〜図11を用いて説明する。
図5は、シミュレーションで用いる超音波探触子Xの分解図である。超音波探触子Xは、素子部1と、素子部基板2と、電気信号処理回路3と、信号線5と、ケーブルシールド6と、バッキング材7と、回路部基板8と、ケース9と、ケーブルクランプ15と、ストレインレリーフ19とを備える。これらの構成を備える点で、図5に示す超音波探触子Xは図1−3に示す超音波探触子Pと共通する。電気信号処理回路3の構造やケーブルクランプ15の形状が異なるが、基本的な構成は概ね共通しており、図5に示す超音波探触子Xでも図1−3と同様の符号を用いる。簡略化のため、電磁シールド部材は省略されている。素子部1は、素子部基板2を介して電気信号処理回路3に電気的に接続される。電気信号処理回路3は、信号線5を介して超音波診断装置本体へ電気的に接続される。図5では、ケース9の2つの部品が接合される前の状態を示しているが、シミュレーション時においては、素子部1、電気信号処理回路3、ケーブルシールド6、ケーブルクランプ15などを内包するようにケース9の2つの部品が接合されている。
まずは、超音波探触子Xにケース9内の空間を仕切る仕切り部を設けなかった超音波探触子X1のシミュレーション結果について、図6、7を用いて説明する。
図6(a)、6(b)は、超音波探触子X1を用いて、素子部1には電力を印加せず、電気信号処理回路3の消費電力を3Wとした場合の各部位の表面温度を計算したシミュレーション結果を示す。図6(a)、6(b)では、ケース9内の全体に空気が充填されている場合のシミュレーション結果を示す。なお、図6(a)は、超音波探触子X1の素子部1を地上に対して上方に向けて保持した場合のシミュレーション結果を示す。図6(b)は、超音波探触子X1の素子部1を地上に対して下方に向けて保持した場合のシミュレーション結果を示す。
図6(a)に示すとおり、超音波探触子X1の素子部1を上方に向けて保持した場合、素子部1の温度は、電気信号処理回路3の熱の伝播により44.8℃まで上昇している。さらに、ケース9の側面の温度は、ケース9の内部の空気の対流により45.8℃まで上昇している。一方、図6(b)に示すとおり、超音波探触子X1の素子部1を下方に向けて保持した場合、素子部1の温度は38.2℃程度であるが、ケース9の側面の温度は、ケース9内部の空気の対流により42.8℃まで上昇している。
使用時において、超音波探触子X1はあらゆる向きに向けられる。一方で、不使用時における超音波探触子X1は例えば、素子部1を上方に向けた状態にて、超音波診断装置本体のプローブホルダー(図示せず)に収納される。このような状況では、電気信号処理回路3で発生する熱が、ケース9内の空気の対流により素子部1に伝熱されるため、素子部1の温度が上昇してしまう。素子部1には温度規制があるため、素子部1の温度が上昇すると、素子部1に印加できる電圧が制限される。これにより、超音波探触子X1への送信電圧の出力を必要な超音波出力値まで上昇させることができず、超音波診断装置の感度が低下するという問題が発生する。本シミュレーション結果により、本発明者らは、特に素子部1を上方に向けて保持した場合にケース9内の空気の対流による熱の伝播が素子部1の深刻な温度上昇につながることを突き止めた。
次に、超音波探触子Xにおいてケース9内の空間を仕切る仕切り部を設けずに、ケース9内の全てに空気以外の断熱材を充填させた超音波探触子X2の発熱状態について説明する。
図7(a)、7(b)は、超音波探触子X1、X2をそれぞれ用いて、素子部1を上方に向けて保持した状態で、素子部1には電力を印加せず、電気信号処理回路3の消費電力を3Wとした場合の各部位の表面温度を計算したシミュレーション結果を示す。なお、図7(a)は、比較対象として、ケース9内の空間の全てに空気を充填した場合のシミュレーション結果(図6(a)に示した結果)を示す。図7(b)は、ケース9内の空間の全てに空気以外の断熱材、具体的には硬質ウレタンフォームを充填した場合のシミュレーション結果を示す。
図7(a)に示すとおり、ケース9内の空間の全てに空気を充填した場合には、素子部1の最高表面温度は44.8℃、ケース9の正面(電気信号処理回路3が配置される側の面)の最高表面温度は42.4℃、ケース9の側面の最高表面温度は45.8℃である。図7(b)に示すとおり、ケース9内の空間の全てに空気以外の断熱材を充填した場合、素子部1の最高表面温度は50.9℃、ケース9の正面の最高表面温度は45.2℃、ケース9の側面の最高表面温度は49.3℃である。これらの結果より、ケース9内の空間の全てに空気以外の断熱材を充填した場合の方が、ケース9内の空間の全てに空気を充填した場合よりも、素子部1およびケース9の表面温度が高くなることがわかる。これより、ケース9の内部全体を空気以外の断熱材で埋め尽くしても、電気信号処理回路3の素子部1及びケース9の表面温度を低下させる効果はなく、特定の部位の表面温度が上昇してしまうことがわかる。
次に、超音波探触子Xにおいて、ケース9内の空間を仕切る仕切り部10を設けた超音波探触子X3の発熱状態について図8を用いて説明する。超音波探触子X3においては、素子部1と電気信号処理回路3の間に、素子部1と電気信号処理回路3を空間的に分離し、かつケース9に接するように配置される仕切り部10が設けられる。また、分離されたケース9内の空間のうち、素子部1側の空間には空気以外の断熱材、具体的には硬質ウレタンフォームを充填させ、電気信号処理回路3側の空間には空気を充填している。
図8は、超音波探触子X3において、素子部1を地上に対して上方に向けて保持した状態で、素子部1には電力を印加せず、電気信号処理回路3の消費電力を3Wとした場合の各部位の表面温度を計算したシミュレーション結果を示す。図8に示すとおり、素子部1の最高表面温度は35.7℃である。これは、図7(a)を用いて説明したケース9内の空間の全てに空気を充填した場合の温度(44.8℃)よりも低い。図8に示すとおり、ケース9の正面の最高表面温度は44.8℃、ケース9の側面の最高表面温度は45.2℃である。
さらに、図8で用いた超音波探触子X3において、回路部基板8をアーム18に接続させた場合の超音波探触子X4の発熱状態について、図9を用いて説明する。図9では、ケーブルクランプ15と回路部基板8をともにアーム18に接続させた超音波探触子X4を用いる。
図9は、超音波探触子X4において、素子部1を地上に対して上方に向けて保持した状態で、素子部1には電力を印加せず、電気信号処理回路3の消費電力を3Wとした場合の各部位の表面温度を計算したシミュレーション結果である。図9に示すとおり、素子部1の最高表面温度は35.7℃、ケース9の正面の最高表面温度は44.0℃、ケース9の側面の最高表面温度は43.5℃である。図9における素子部1の最高表面温度(35.7℃)は、図7(a)を用いて説明した場合の温度(44.8℃)よりも低い。さらに、図9におけるケース9の正面の最高表面温度(44.0℃)も、図8を用いて説明したアーム18が設けられていない場合の温度(44.8℃)よりも低いことがわかる。図9に示す超音波探触子X4では、回路部基板8をアーム18に接続することで、電気信号処理回路3から発生する熱をアーム18とケーブルクランプ15を通じて、ストレインレリーフ19に効率よく伝熱することができる。これにより、素子部1の表面温度だけでなく、ケース9の正面の表面温度も低下させることができる。
次に、図6で用いた超音波探触子X1において、ケース9の材料として非導電性の高熱伝導PBTを用いた場合の超音波探触子X5の発熱状態について、図10を用いて説明する。
図10(a)、10(b)は、超音波探触子X1、X5において、素子部1を地上に対して上方に向けて保持した状態で、素子部1には電力を印加せず、電気信号処理回路3の消費電力を3Wとした場合の各部位の表面温度を計算したシミュレーション結果を示す。図10(a)は、比較対象として、ケース9の材料として変性PPE樹脂を用いた場合のシミュレーション結果(図6(a)に示す結果)である。図10(b)は、ケース9の材料として、PBT樹脂に窒化ホウ素のフィラーを混入した非導電性の高熱伝導PBTを用いた場合のシミュレーション結果である。図10(a)に示すように、ケース9の材料として変性PPE樹脂を用いた場合、素子部1の最高表面温度は44.8℃、ケース9の正面の最高表面温度は42.4℃、ケース9の側面の最高表面温度は45.8℃である。一方で、図10(b)に示すように、ケース9の材料として非導電性の高熱伝導PBTを用いた場合、素子部1の最高表面温度は42.1℃、ケース9の正面の最高表面温度は41.0℃、ケース9の側面の最高表面温度は43.9℃である。これらの結果より、図10(b)に示すように、ケース9の材料として熱伝導率の高い樹脂を使用することによって、素子部1や電気信号処理回路3からケース9へ伝熱される熱が効率的に拡散されて、素子部1やケース9の表面温度が低下することがわかる。
次に、図9に示した超音波探触子X4において、ケース9の材料として、非導電性の高熱伝道PBTを用いた超音波探触子X6の発熱状態について、図11を用いて説明する。図11は、超音波探触子X6において、素子部1を地上に対して上方に向けて保持した状態で、素子部1には電力を印加せず、電気信号処理回路3の消費電力を3Wとした場合の各部位の表面温度を計算したシミュレーション結果である。図11に示すとおり、素子部1の最高表面温度は35.5℃、ケース9の正面の最高表面温度は41.8℃、ケース9の側面の最高表面温度は44.2℃である。したがって、図6(a)、6(b)に示した超音波探触子X1の場合と比べて、素子部1が地上に対して上向きに保持されている場合であっても、素子部1及びケース9のいずれの表面温度も低下させることができることがわかる。
以上に説明したとおり、本開示技術の第1の実施形態に係る超音波探触子X3、X4、X6(図8、9、11)によれば、断熱材12とケース9に接触するように形成された仕切り部10により、ケース9内の空間を素子部1側の空間と電気信号処理回路3を側の空間に分離する。これにより、ケース9内の素子部1側の空間と電気信号処理回路3側の空間の間における空気の対流を無くし、電気信号処理回路3から素子部1への伝熱を抑制することができる。すなわち、ケース内の仕切り部10と素子部1の間に断熱層(断熱材12)が形成されている、あるいは断熱媒体(断熱材12)が充填されているといえる。また、図9などを用いて説明したように、電気信号処理回路3で発生する熱は、ケーブルクランプ15を支持するアーム18を経由して、ケーブル4やストレインレリーフ19に効率よく伝わる。さらに、電気信号処理回路3で発生する熱は、ケース9内の電気信号処理回路3側の空間における空気の対流により、ケース9のうち電気信号処理回路3を覆っている部分などに伝熱される。これにより、電気信号処理回路3の熱を放熱することができる。
すなわち、超音波診断装置本体に接続可能な超音波探触子X3、X4、X6(および超音波探触子P)は、電気信号と超音波とを相互に変換する素子部1と、素子部1に電気的に接続される電気信号処理回路3と、素子部1と電気信号処理回路3を収納するケース9と、素子部1と電気信号処理回路3とを電気的に接続する素子部基板2と、ケース9に接するように配置され、素子部1と電気信号処理回路3を分離する仕切り部10とを備え、ケース9内であって仕切り部10で分離された素子部1側の空間にケース9の内壁面を形成する物質の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する第1の材料(断熱材12)が充填される。これにより、熱源である電気信号処理回路3から発生する熱を効率よく放熱することができるとともに、素子部1への伝熱を抑制することができる。少なくともこれらの構成を有していれば、前述した本開示技術の目的を達成することができる。
第1の実施形態では、特に素子部1を上向きに保持した状態において、電気信号処理回路3などで生じる熱が空気の対流によって素子部1へ伝熱することを抑制することができる。これにより、素子部1の温度上昇を軽減することができるため、素子部1の表面温度の規制に関連する超音波出力の制限による超音波探触子の感度低下を軽減することができる。
(第1の実施形態の変形例1)
図12(a)は、第1の実施形態の変形例1にかかる超音波探触子Qの断面図である。図12(b)は、図12(a)における超音波探触子QのA−A’断面から見た断面図である。ここで、第1の実施形態において説明したものと同じ超音波探触子の構成には、同じ符号を用いてその詳細な説明を省略する。
第1の実施形態の変形例1では、仕切り部10として、所定の間隔をあけてケース9に接触するように配置される複数の平板からなる仕切り板25が形成される。なお、複数の仕切り板25同士の間の空間や、仕切り板25と素子部1との間の空間には、それぞれ空気が充填されている。
より詳細に説明すると、上下2つの部品に分かれたケース9の一方の部品に、素子部1と電気信号処理回路3を空間的に分離する複数の仕切り板25からなる連続仕切り部が設けられている。ここでは、仕切り板25がケース9の一方の部品と一体的に形成されているが、仕切り板25を個別に形成した後にケース9の内側に配置してもよい。ケース9の外表は、仕切り板25によって分離されず、素子部1から電気信号処理回路3までを覆っている。仕切り板25は、ケース9に接するように配置され、素子部基板2が貫通している。素子部基板2は、それぞれの仕切り板25に設けられた貫通穴11を貫通している。この貫通穴11の大きさは、仕切り板25と素子部基板2が接触する大きさであることが好ましい。また、仕切り板25がケース9の一方の部品に形成されるのではなく、ケース9の上下2つの部品の両側に仕切り板25を設けても良い。この場合、上下それぞれの仕切り板25に切り欠きを設けることで、素子部基板2が貫通する貫通穴11を形成しても良い。また、仕切り板25は、ケース9と同じ材料で、ケース9と一体的に形成されていてもよい。仕切り板25がケース9と一体的に形成されることで、仕切り板25とケース9とが隙間なく接合される。これにより、ケース9内の素子部1側の空間と電気信号処理回路3側の空間との間の空気の対流を防止することができる。
なお、図12では、4枚の仕切り板25が形成されているが、少なくとも2枚以上の仕切り板25があれば良い。
このように、ケース9内の空間を仕切り板25によって仕切るとともに、仕切られた空間のそれぞれに空気層を設けることによって、ケース9内に空気以外の断熱材を配置しなくても、電気信号処理回路3から素子部1への伝熱を防止することが可能となる。
(第1の実施形態の変形例2)
図13(a)は、第1の実施形態の変形例2にかかる超音波探触子Rの断面図である。図13(b)は、図13(a)における超音波探触子RのA−A’断面から見た断面図である。ここで、第1の実施形態において説明したものと同じ超音波探触子の構成には、同じ符号を用いてその詳細な説明を省略する。
第1の実施形態の変形例2では、仕切り部10として、所定の間隔をあけてケース9に接するように配置される2つの平板からなる仕切り板26が用いられる。さらに、2つの仕切り板26の間には空気以外の断熱材27が、仕切り板26の対向する面とケース9に接するように充填されている。また、素子部1と仕切り板26との間の空間には、断熱材27の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する高熱伝導材料28が充填されている。すなわち、仕切り板26によって仕切られるケース9内の素子部1側の空間には、断熱材27と高熱伝導材料28が充填されている。
より詳細に説明すると、上下2つの部品に分かれたケース9の一方の部品に、素子部1と電気信号処理回路3を空間的に分離する2つの仕切り板26が設けられている。ここでは、仕切り板26がケース9の一方の部品と一体的に形成されているが、仕切り板26を個別に形成した後にケース9の内側に配置してもよい。なお、ケース9の外表は、仕切り板26によって分離されず、素子部1から電気信号処理回路3までを覆っている。仕切り板26は、ケース9に接するように配置され、素子部基板2が貫通している。素子部基板2は、仕切り板26に設けられたそれぞれの貫通穴11を貫通している。この貫通穴11の大きさは、仕切り板26と素子部基板2が接触する大きさであることが好ましい。また、仕切り板26がケース9の一方の部品に形成されるのではなく、ケース9の上下2つの部品の両側に仕切り板26を設けても良い。この場合、上下それぞれの仕切り板26に切り欠きを設けることで、素子部基板2が貫通する貫通穴11を形成しても良い。仕切り板26は、ケース9と同じ材料で、ケース9と一体的に形成されていてもよい。仕切り板26がケース9と一体的に形成されることで、仕切り板26とケース9とが隙間なく接合される。これにより、ケース9内の素子部1側の空間と電気信号処理回路3側の空間との間の空気の対流を防止することができる。
なお、断熱材27は例えば、硬質ウレタンフォーム、発泡ポリスチレンフォーム、グラスウール、ロックウール、空気、木材などであっても良い。高熱伝導材料28は例えば、PBT樹脂、PPS樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂などの樹脂に、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどのフィラーを混入したものであっても良い。
断熱材27及び高熱伝導材料28を充填する際には、超音波探触子Rの各構成部品をケース9内に収納し、ケース9を接合した後に、ケース9に設けられた穴から断熱材27及び高熱伝導材料28のそれぞれの材料を注入し、蓋で封止してもよい。ケース9の穴は、ケース9内の断熱材27及び高熱伝導材料28が配置される空間に連通する。このようにケース9に穴を形成し、その穴から断熱材27及び高熱伝導材料28の材料を注入することで、より確実に隙間無く、ケース9内に断熱材27及び高熱伝導材料28を充填する事が出来る。
第1の実施形態の変形例2では、仕切り板26同士の間に断熱材27を配置し、素子部1と仕切り板26との間の空間に高熱伝導材料28を配置する。このような配置によれば、断熱材27により、電気信号処理回路3で発生する熱が素子部1へ伝熱することが抑制される。また、素子部1で発生する熱は、高熱伝導材料28を介してケース9へ伝わることで放熱することができる。これにより、素子部1の表面温度上昇を軽減することができるため、素子部1の表面温度の規制に関連する超音波出力の制限による超音波探触子Rの感度低下を軽減することができる。
(第2の実施形態)
図14(a)は、本開示技術の超音波探触子の第2の実施形態の断面図である。図14(b)は、図14(a)における超音波探触子SのA−A’断面から見た断面図である。ここで、第1の実施形態において説明したものと同じ超音波探触子の構成には、同じ符号を用いてその詳細な説明を省略する。超音波探触子Sの一端は、ケーブル4を介して超音波診断装置本体(図示)に接続可能である。
第2の実施形態と第1の実施形態で異なる点はケース9の構造である。具体的には、第1の実施形態ではケース9が上下二つの部品に分かれているのに対して、第2の実施形態では、素子部1を収納する素子部ケース29(第1の部品29)と、電気信号処理回路3を収納する回路部ケース30(第2の部品30)とに分かれている。
素子部1を覆う素子部ケース29と、電気信号処理回路3を覆う回路部ケース30が、接着剤などで接合されることにより、ケース9内に素子部1、素子部基板2、電気信号処理回路3などの構成部品が収納される。このようにして、素子部1や電気信号処理回路3がケース9に収納される。
ケース9は、絶縁性および高熱伝導性を有する材料(絶縁性の高熱伝導材料)で形成されることが好ましい。そのような材料としては例えば、PBT樹脂、PPS樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂などの樹脂に、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどのフィラーを混入したものなどがある。これらの材料は、2〜15W/m・Kという高い熱伝導率を有し、かつ絶縁性を有する。ケース9の材料として高熱伝導材料を用いることにより、ケース9全体に熱を分散させることができるため、ケース9の特定の部分のみが高温となることを抑制することができる。また、ケース9は少なくとも内側(素子部1などを収納している側)の表面が高熱伝導性を有していれば、ケース9の外側の熱伝導性の高低に関わらず、ケース9の特定の部分のみが高温となることを抑制することができる。従って、ケース9は内側の表面に高熱伝導性の材料の層を形成しているものであってもよい。具体例として、ケース9の内側の表面に高熱伝導性の材料としてグラファイトを塗布していてもよい。特に回路部ケース30の内側の表面に高熱伝導性の材料の層を形成し、素子部ケース29の内側の表面には高熱伝導性の材料の層を形成しないような構成としても良い。このような構成により、電気信号処理回路部3から放熱される熱が分散され、且つ素子部1側への熱の分散は抑制できるため望ましい。
ケース9内の、素子部1と電気信号処理回路3の間には、素子部1と電気信号処理回路3を空間的に分離する素子ケース蓋31が設けられている。素子ケース蓋31は、第1の実施形態における仕切り部10に対応する。素子ケース蓋31は、ケース9に接するように配置され、素子部基板2が貫通している。素子部基板2は、素子ケース蓋31に設けられた貫通穴11を貫通している。この貫通穴11の大きさは、素子ケース蓋31と素子部基板2が接触する大きさにであることが好ましい。この素子ケース蓋31は、素子部ケース29の開口(素子部ケース29の電気信号処理回路3側の開口)を覆う。さらに、素子ケース蓋31は、素子部ケース29と回路部ケース30の接合面を含む平面上に形成されている。すなわち、素子部ケース29と回路部ケース30は、素子ケース蓋31と接触する位置で互いに接合されている。素子ケース蓋31は例えば、変性PPE樹脂で形成されてもよい。また素子ケース蓋31はケース9と同じ材料で形成されてもよい。
素子ケース蓋31で分離された素子部1側の空間には、熱伝導率の低い断熱材12(第1の材料12)として、硬質ウレタンフォームなどが充填されている。素子ケース蓋31で分離された素子部1側の空間とは、素子部1と素子ケース蓋31と素子部ケース29で囲まれるケース9内の空間のことであり、より具体的には、素子部1のバッキング材7と素子ケース蓋31と素子部ケース29とで囲まれるケース9内の空間のことである。なお、断熱材12の熱伝導率は、素子部ケース29の少なくとも内側の表面の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有するものであれば良いため、空気であっても良いが、断熱材12は固体材料であることがより好ましい。その他には例えば、発泡ポリスチレンフォーム、グラスウール、ロックウール、木材などでもよい。素子部1側にある断熱材12の熱伝導率が素子部ケース29の内側の表面の熱伝導率より低いことにより、ケース9内の電気信号処理回路3側の空間と素子部1との間で熱が伝わりにくくなる。これにより、電気信号処理回路3から発生する熱が素子部1へ伝わることを抑制することができる。
貫通穴11の大きさが、素子ケース蓋31と素子部基板2が接触しない大きさである場合には、断熱材12によって素子ケース蓋31と素子部基板2との間の隙間を埋めることが好ましい。また、断熱材12は、素子ケース蓋31及び素子部1の両方に密着するように充填されることが好ましい。このように断熱材12を充填するとともに、ケース9に接触する素子ケース蓋31を形成することによって、電気信号処理回路3で発生する熱が素子部基板2やケース9を介して素子部1へ伝わることを抑制することができる。
ここで、断熱材12を素子部1と素子ケース蓋31と素子部ケース29で囲まれる空間に配置するには、あらかじめ成型した断熱材12を素子部ケース29内に設置した後、素子ケース蓋31により素子部ケース29の開口を覆っても良い。あるいは、素子ケース蓋31に穴13を設けて、穴13から断熱材12を注入しても良い。すなわち、素子ケース蓋31により素子部ケース29の開口を覆った後に、穴13から断熱材12を注入し、断熱材12の注入後に、穴13を覆うように蓋14で封止する。これにより、素子部1と素子ケース蓋31と素子部ケース29で囲まれた空間に、確実に隙間無く、断熱材12を充填することができる。このとき、ケース9内の素子部1側の空間に断熱材12が充填された状態にて、穴13は蓋14によって封止されている。すなわち、少なくとも穴13の素子部1側の開口が断熱材12で封止されている。
図15は、第2の実施形態にかかる超音波探触子Sにおいて、素子部ケース29と回路部ケース30が離れた状態を立体的に示す。図16は、穴13から断熱材12を注入している状態を示す。図16に示すように、素子部1を素子部ケース29に収納し、素子ケース蓋31で素子部ケース29の開口を覆った後に、予め設けられていた素子ケース蓋31の穴13に断熱材12を注入する。断熱材12の注入後、穴13を蓋14により封止する。その後、素子部基板2と電気信号処理回路3が電気的に接続され、素子部ケース29と回路部ケース30が接合される。
ケース9内において素子ケース蓋31で分離された空間のうち、素子ケース蓋31と回路部ケース30で囲まれる電気信号処理回路3側の空間には、空気などの気体が充填されている。すなわち、電気信号処理回路3には気体が接触している。
なお、図15では、回路部ケース30は、素子部1側に開口した箱型の形状を有しているが、回路部ケース30の形状はこれに限らない。例えば、第1の実施形態のケース9のように、回路部ケース30を上下2つの部品で構成し、それらの部品によって電気信号処理回路3を上下から挟んでも良い。このような構成の場合には、第1の実施形態に関連して説明したように、回路部ケース30の2つの部品に挟まれるケース内放熱板24を容易に配置することができるため、電気信号処理回路3から発生する熱をより効率的に放熱することができる。
以上のとおり、本開示技術の第2の実施形態に係る超音波探触子Sは、断熱材12とケース9に接触するように形成された素子ケース蓋31により、素子部1と電気信号処理回路3を空間的に分離する。これにより、ケース9内での素子部1側の空間と電気信号処理回路3側の空間との間の空気の対流を無くすことができ、電気信号処理回路3から素子部1への伝熱を抑制することができる。また、電気信号処理回路3で発生する熱は、ケーブルクランプ15を支持するアーム18を経由して、ケーブル4やストレインレリーフ19に効率よく伝熱される。
すなわち、超音波診断装置本体に接続可能な超音波探触子Sは、電気信号と超音波とを相互に変換する素子部1と、素子部1に電気的に接続される電気信号処理回路3と、素子部1と電気信号処理回路3を収納するケース9と、素子部1と電気信号処理回路3とを電気的に接続する素子部基板2と、ケース9に接するように配置され、素子部1と電気信号処理回路3を分離する素子ケース蓋31とを備え、ケース9内であって素子ケース蓋31で分離された素子部1側の空間にケース9の内壁面を形成する物質の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する第1の材料(断熱材12)が充填される。これにより、熱源である電気信号処理回路3から発生する熱を効率よく放熱することができるとともに、素子部1への伝熱を抑制することができる。少なくともこれらの構成を有していれば、前述した本開示技術の目的を達成することができる。
本実施の形態2では、特に素子部1を上向きに保持した状態において、電気信号処理回路3などで生じる熱が空気の対流によって素子部1へ伝熱することを抑制することができる。これにより、素子部1の温度上昇を軽減することができるため、素子部1の表面温度の規制に関連する超音波出力の制限による超音波探触子の感度低下を軽減することができる。
(第2の実施形態の変形例1)
図17(a)は、第2の実施形態の変形例1にかかる超音波探触子Tの断面図である。図17(b)は、図17(a)における超音波探触子TのA−A’断面から見た断面図である。ここで、第1の実施形態及び第2の実施形態において説明したものと同じ超音波探触子の構成には、同じ符号を用いてその詳細な説明を省略する。
第2の実施形態の変形例1では、素子ケース蓋31よりも素子部1側に、素子ケース蓋31に対しておよび互いに所定の間隔をあけて配置される3枚の仕切り板32がさらに設けられている。それぞれの仕切り板32と素子ケース蓋31は連結部34によって貫通されることで互いに連結されている。それぞれの仕切り板32は、素子ケース蓋31と同様に、素子部ケース29に接するように配置される。なお、仕切り板32同士の間の空間、仕切り板32と素子ケース蓋31の間の空間、および仕切り板32と素子部1との間の空間には、空気が充填され、空気層となっている。
より詳細に説明すると、ケース9内の、素子部1と電気信号処理回路3の間には、素子部1と電気信号処理回路3を空間的に分離する素子ケース蓋31が設けられている。素子ケース蓋31よりも素子部1側に、互いに所定の間隔をあけて配置される平板からなる3枚の仕切り板32がさらに設けられている。それぞれの仕切り板32と素子ケース蓋31が連結部34により連結される。それぞれの仕切り板32は素子部ケース29に接するように配置され、素子部基板2がそれぞれの仕切り板32と素子ケース蓋31を貫通している。素子部基板2は、それぞれの素子ケース蓋31及び仕切り板32の中央付近に設けられた貫通穴11を貫通している。この貫通穴11の大きさは、それぞれの仕切り板32および素子ケース蓋31が素子部基板2と接触する大きさであることが好ましいが、これに限らず、貫通穴11を介した空気の対流による伝熱が無視できる程度の隙間があってもよい。さらに、素子部基板2が貫通した貫通穴11を接着剤などで封止してもよい。
ここでは、仕切り板32は3枚形成されているが、少なくとも1枚以上あれば良い。仕切り板32は例えば、素子ケース蓋31と同じ材料で形成されていても良く、あるいは素子部ケース29と同じ材料で形成されていてもよい。素子ケース蓋31と仕切り板32を連結部34で連結することで、素子ケース蓋31で素子部ケース29の開口を覆うときに、素子ケース蓋31に連結された仕切り板32も同時に素子部ケース29内に一定の間隔を保って収納することができる。
このように、ケース9内の空間を素子ケース蓋31と仕切り板32によって仕切るとともに、仕切られた空間のそれぞれに空気層を設けている。これにより、ケース9内に空気以外の断熱材を配置しなくても、電気信号処理回路3から素子部1への伝熱を防止することが可能となる。
(第2の実施形態の変形例2)
図18(a)は、第2の実施形態の変形例2にかかる超音波探触子Uの断面図である。図18(b)は、図18(a)における超音波探触子UのA−A’断面から見た断面図である。ここで、第1の実施形態及び第2の実施形態において説明したものと同じ超音波探触子の構成には、同じ符号を用いてその詳細な説明を省略する。
第2の実施形態の変形例2では、素子ケース蓋31よりも素子部1側に、素子ケース蓋31に対して所定の間隔をあけて配置される平板からなる1枚の仕切り板33がさらに設けられる。仕切り板33と素子ケース蓋31は、連結部34により貫通されることで互いに連結されている。仕切り板33は、素子ケース蓋31と同様に、素子部ケース29に接するように配置される。さらに、仕切り板33と素子ケース蓋31の間には断熱材27が配置されている。断熱材27は、対向する仕切り板33及び素子ケース蓋31の面と素子部ケース29に接するように配置されている。また、素子部1と仕切り板33との間の空間には、断熱材27の熱伝導率よりも高い熱伝導率を有する高熱伝導材料28が配置されている。
より詳細に説明すると、素子ケース蓋31と仕切り板33には素子部基板2が貫通している。素子部基板2は、仕切り板33及び素子ケース蓋31の中央付近に設けられた貫通穴11を貫通している。貫通穴11の大きさは、素子ケース蓋31および仕切り板33が素子部基板2に接触する大きさであることが好ましい。
仕切り板33は例えば、素子ケース蓋31と同じ材料で形成されていても良く、あるいは素子部ケース29と同じ材料で形成されていてもよい。素子ケース蓋31と仕切り板33を連結部34で連結することで、素子ケース蓋31で素子部ケース29の開口を覆うときに、素子ケース蓋31に連結された仕切り板33も同時に素子部ケース29内に一定の間隔を保って収納することができる。
なお、断熱材27は例えば、硬質ウレタンフォーム、発泡ポリスチレンフォーム、グラスウール、ロックウール、空気、木材などであっても良い。高熱伝導材料28は例えば、PBT樹脂、PPS樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂などの樹脂に、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどのフィラーを混入したものであっても良い。
断熱材27及び高熱伝導材料28を配置するには、素子部ケース29内に素子部1を収納した後、高熱伝導材料28、仕切り板33、断熱材27、素子ケース蓋31を順に配置してもよい。あるいは、図19に示すように、仕切り板33及び素子ケース蓋31に設けた穴13を利用して、素子部ケース29内に断熱材27及び高熱伝導材料28を配置しても良い。具体的には、素子部1を素子部ケース29内に収納し、素子部ケース29の開口を覆うように仕切り板33及び素子ケース蓋31を配置した後、図20に示すように、穴13から、素子部1と仕切り板33の間の空間に高熱伝導材料28を注入する。注入された高熱伝導材料28は冷却されて固形化する。次に、穴13から、仕切り板33と素子ケース蓋31の間の空間に断熱材27を注入する。このような方法により高熱伝導材料28及び断熱材27を配置することで、素子部1と仕切り板33と素子部ケース29に囲われた空間に、より確実に隙間なく高熱伝導材料28を充填することができる。また、仕切り板33と素子ケース蓋31と素子部ケース29に囲われた空間に、より確実に隙間なく断熱材27を充填することができる。さらに、仕切り板33と素子ケース蓋31に形成された穴13のそれぞれを蓋により封止していてもよい。その後、素子部ケース29と回路部ケース30が接合される。
なお、断熱材27は例えば、硬質ウレタンフォーム、発泡ポリスチレンフォーム、グラスウール、ロックウール、空気、木材などであっても良い。高熱伝導材料28は例えば、PBT樹脂、PPS樹脂、ナイロン樹脂、フェノール樹脂などの樹脂に、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウムなどのフィラーを混入したものであっても良い。
第2の実施形態の変形例2によれば、素子ケース蓋31と仕切り板33の間に断熱材27を配置するとともに、素子部1と仕切り板33の間に高熱伝導材料28を配置する。このような配置によれば、断熱材27により、電気信号処理回路3で発生する熱が素子部1へ伝熱することを抑制することができる。さらに、高熱伝導材料28により、素子部1で発生する熱が高熱伝導材料28を経由して素子部ケース29へ伝わるため、放熱することができる。これにより、素子部1の表面温度上昇を軽減することができるため、素子部1の表面温度の規制に関連する超音波出力の制限による超音波探触子の感度低下を軽減することができる。
(第2の実施形態の変形例3)
図21(a)は、第2の実施形態の変形例3にかかる超音波探触子Vの断面図である。図21(b)は、図21(a)における超音波探触子VのA−A’断面から見た断面図である。ここで、第1の実施形態及び第2の実施形態において説明したものと同じ超音波探触子の構成には、同じ符号を用いてその詳細な説明を省略する。
第2の実施形態の変形例3では、素子ケース蓋31が素子部ケース29と回路部ケース30に挟まれている。すなわち、素子ケース蓋31は、素子部ケース29と回路部ケース30の接合面を含む平面に形成されている。これにより、素子部ケース29と回路部ケース30は直接接触しないように、素子ケース蓋31を介して接続されている。すなわち、素子部ケース29と回路部ケース30の接合部まで素子ケース蓋31が延伸している。素子ケース蓋31は、素子部ケース29及び回路部ケース30の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する材料(例えば変性PPE樹脂)などで形成される。
このような構成によれば、熱伝導率の高い材料で形成される素子部ケース29と回路部ケース30の間には、熱伝導率の低い素子ケース蓋31が介在しており、素子部ケース29と回路部ケース30は直接接触しない。そのため、素子部ケース29と回路部ケース30の間の伝熱を抑制することができる。特に、電気信号処理回路3の消費電力が大きくなれば、回路部ケース30の温度上昇が素子部ケース29の温度上昇より大きくなる。このような場合に、素子ケース蓋31を設けることで、回路部ケース30から素子部ケース29への伝熱を抑制することができれば、素子部1の表面温度上昇を軽減することができる。よって、素子部1の表面温度の規制に関連する超音波出力の制限による超音波探触子の感度低下を軽減することができる。
なお、第2の実施形態の変形例3には、第2の実施形態の変形例1あるいは変形例2を適宜、組み合わせることができる。すなわち、例えば、仕切り板32(変形例1)及び仕切り板33(変形例2)を素子部ケース29の内壁に接触するように配置するとともに、変形例3のように、素子ケース蓋31を素子部ケース29と回路部ケース30の間に挟むように配置して、素子部ケース29と回路部ケース30が接合されてもよい。
本開示技術は、超音波探触子のケース内において、素子部1と発熱源である回路部(電気信号処理回路3)との間における空気の対流を防止し、回路部からの熱を効率よく放熱することができるため、特にケース内に発熱源である回路部を有する超音波探触子に好適である。

Claims (21)

  1. 超音波診断装置本体に接続可能な超音波探触子であって、
    電気信号と超音波とを相互に変換する素子部と、
    前記素子部に電気的に接続される電気信号処理回路と、
    前記素子部と前記電気信号処理回路を収納するケースと、
    前記素子部と前記電気信号処理回路とを電気的に接続する素子部基板と、
    前記ケースに接するように配置され、前記素子部と前記電気信号処理回路を分離する仕切り部とを備え、
    前記ケース内であって前記仕切り部で分離された素子部側の空間に前記ケースの内壁面を形成する物質の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する第1の材料が充填された超音波探触子。
  2. 前記電気信号処理回路は気体と接触している請求項1に記載の超音波探触子。
  3. 前記電気信号処理回路を実装した回路部基板と、
    前記電気信号処理回路と前記超音波診断装置本体とを電気的に接続し信号を伝達するケーブルと、
    前記ケーブルと接続し、前記回路部基板を支持する少なくとも1本以上のアームとを備え、
    前記アームの熱伝導率は、前記第1の材料の熱伝導率よりも高い請求項1又は2に記載の超音波探触子。
  4. 前記アームは導電材料からなり、
    前記回路部基板は、前記アームとの接触部に前記電気信号処理回路のグラウンド電極を有する請求項3に記載の超音波探触子。
  5. 前記ケーブルを固定するケーブルクランプを備え、
    前記ケーブルは、前記ケーブルクランプを介して前記アームと接続する請求項3又は4に記載の超音波探触子。
  6. 前記ケーブルクランプには、前記ケーブルを囲むように配置される放熱板が接続されている請求項5に記載の超音波探触子。
  7. 前記ケーブルクランプと前記アームは一体的に形成される請求項5又は6に記載の超音波探触子。
  8. 前記アームは金属からなり、
    前記アームの長手方向における中央よりも前記ケーブルクランプ側の表面に、酸化処理または熱放射塗料の塗布が施されている請求項5から7のいずれか1項に記載の超音波探触子。
  9. 前記ケースの外側において前記ケーブルを貫通させるとともに前記ケースに接触するストレインレリーフをさらに備え、
    前記放熱板は、前記ケースと前記ケーブルとの間に配置される第1の放熱板と、前記ストレインレリーフ内に配置されるとともに前記第1の放熱板に接触する第2の放熱板とを備える請求項5から8のいずれか1項に記載の超音波探触子。
  10. 前記ケースは少なくとも第1の部品と第2の部品を有し、
    前記第1の部品と前記第2の部品が接合されている請求項1から9のいずれか1項に記載の超音波探触子。
  11. 前記第1の部品及び前記第2の部品は、それぞれが前記素子部から前記電気信号処理回路までを覆う請求項10に記載の超音波探触子。
  12. 前記仕切り部は、前記第1の部品と一体的に形成されている請求項10又は11のいずれか1項に記載の超音波探触子。
  13. 前記ケースのうち、前記仕切り部と前記素子部の間に位置する部分には穴が形成され、
    前記ケース内の前記素子部側の空間に前記第1の材料が充填された状態にて、前記穴の前記素子部側の開口は前記第1の材料によって封止されている請求項1から12のいずれか1項に記載の超音波探触子。
  14. 前記第1の部品は前記素子部を収納し、
    前記第2の部品は前記電気信号処理回路を収納し、
    前記第1の部品と前記第2の部品は前記素子部と前記電気信号処理回路の間で接合されている請求項10に記載の超音波探触子。
  15. 前記仕切り部は、前記第1の部品と前記第2の部品の接合面の平面上に形成されている請求項14に記載の超音波探触子。
  16. 前記仕切り部には、前記素子部基板が貫通する第1の穴と、第1の穴とは異なる第2の穴が形成され、
    前記ケース内の前記素子部側の空間に前記第1の材料が充填された状態にて、前記第2の穴の前記素子部側の開口は前記第1の材料によって封止されている請求項14又は15に記載の超音波探触子。
  17. 前記第1の部品と前記第2の部品の接合面において、前記仕切り部は前記第1の部品と前記第2の部品に挟まれている請求項14から16のいずれか1項に記載の超音波探触子。
  18. 前記仕切り部は少なくとも2以上の仕切り板からなる請求項1から17のいずれか1項に記載の超音波探触子。
  19. 前記少なくとも2以上の仕切り板のうち、前記少なくとも2以上の仕切り板同士の間の空間に前記第1の材料が充填され、前記素子部と前記仕切り板との間の空間に前記第1の材料よりも熱伝導率の高い第2の材料が充填されている請求項18に記載の超音波探触子。
  20. 前記第1の部品の熱伝導率は、前記仕切り部の熱伝導率よりも高い請求項10から19のいずれか1項に記載の超音波探触子。
  21. 前記ケースの内壁面はグラファイト層が形成されている請求項1から20のいずれか1項に記載の超音波探触子。
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