JP4332706B2 - 超音波探触子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波診断装置に用いる超音波探触子に関し、具体的には超音波探触子の温度上昇を抑制するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波探触子は、駆動信号を振動子により超音波に変換して被検体に送波すると共に、その被検体からの反射エコー信号を受波するものである。そして、受波した反射エコー信号は、超音波診断装置の画像構成部により超音波診断像、例えば断層像やドプラ像に再構成される。
【0003】
この超音波探触子は、通常、ハウジングに振動子を有する探触子本体を収容し、この探触子本体の振動子に配列された複数の振動子素子の一方の面に音響整合層を配設するとともに、他方の面にバッキング材を配設して構成されている。
【0004】
このような超音波探触子において、例えば、深い部位を診断する場合、反射エコー信号のSN比を向上させるため、振動子に供給する駆動信号のエネルギを増大して被検体に超音波を送波するようにしている。したがって、浅い部位を診断する場合に比べ、超音波探触子内で減衰する超音波のエネルギが増加し、その超音波のエネルギが熱的エネルギに変わることで超音波探触子の温度が上昇することがある。
【0005】
このような温度上昇を防止するため、従来、バッキング材に熱伝導体を熱的に接続し、この熱伝導体により探触子本体に生じた熱をバッキング材からハウジングに伝熱させ、この熱をハウジングの外表面から外気へ放熱するすることにより、超音波探触子を冷却することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−22955号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般に、超音波探触子は、探触子本体の超音波射出面側を被検体に当接させて用いることから、使い勝手を考慮して、その超音波射出面を先端に位置させた矩形または長方形の縦長の角筒状に形成される。したがって、探触子本体で生じた熱をバッキング材からハウジングに伝熱する熱伝導体は、探触子本体に配設されたバッキング材の超音波射出方向に対し反対側に位置する背面に延在して配設される。
【0008】
また、探触子本体の振動子素子と駆動信号や反射エコー信号を伝送するための送受信ケーブルとを接続する電気回路基板が、探触子本体の背面側ではなく、側面の方に配設される。すなわち、電気回路基板は、熱伝導体の側面とハウジングの内側面との間に配置される。したがって、その電気回路基板により熱伝導体からハウジングへの熱伝導が妨げられることから、超音波探触子の冷却効率が低下するという問題がある。
【0009】
本発明の課題は、超音波探触子の冷却効率を向上させることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の超音波探触子は、複数の振動子素子が配列されてなる振動子と、この振動子の各振動子の一方の面に配設された音響整合層と、その振動子の他方の面に配設されたバッキング材とを有してなる探触子本体と、この探触子本体を収容するハウジングと、バッキング材に熱的に接続された熱伝導体と、前記振動子の側面に配設され、前記振動子と超音波信号の送受信ケーブルとを電気的に接続する電気回路基板とを備え、その熱伝導体は、ハウジングの一部の内側面に接触可能に配設され、かつ、その接触面の反対面とハウジングの内側面との間に空隙を有して配設され、その空隙に位置させて熱伝導体を接触面の方向に押圧する弾性部材が設けられたことを特徴とする。
【0011】
このように構成すれば、弾性部材の押圧力により熱伝導体がハウジングの内面に接触した状態に保持されることから、その接触部分を介して探触子本体に生じた熱が熱伝導体からハウジングに効率よく伝達して超音波探触子の冷却効率を向上させることができる。
【0012】
ところで、従来、深い部位を診断するため、振動子素子を駆動する信号のエネルギを増大して被検体に超音波を送波するとき、各振動子素子の背面からバッキング材に入射する超音波のエネルギも増大する。したがって、バッキング材に入射した超音波を確実に減衰するため、バッキング材の厚みを厚く設計することが考えられる。しかし、バッキング材の厚みを厚くすると、バッキング材による超音波の減衰効果を十分に得ることができる一方、バッキング材による熱抵抗が増大して伝熱効率が低下するおそれがある。
【0013】
そこで、振動子とバッキング材との間に、その振動子に比べて低い音響インピーダンスを有する低音響インピーダンス層を設けることが好ましい。これにより、振動子素子の背面から送波された超音波の一部が、バッキング材に入射する前に、低音響インピーダンス層により反射されるので、バッキング材に入射する超音波のエネルギを低減することができる。したがって、バッキング材の厚みを薄く設計でき、バッキング材による熱抵抗の増大を抑制することができる。
【0014】
また、一般に、直方体状に形成されるバッキング材の厚みは一様であるため、複数の振動子素子から背面方向に送波された各超音波は、バッキング材に入射した後、バッキング材と熱伝導体との接合面において同じタイミングで反射される。そして、反射された各超音波は、レンズにより収束された後、被検体に向かって伝播し、振動子素子から被検体側に送波された診断用の超音波に対しノイズ成分として影響を及ぼす。その結果、被検体からの反射エコー信号のSN比が低下することがある。
【0015】
そこで、バッキング材の厚みを振動子の短軸方向に変化させて形成することが好ましい。例えば、バッキング材の熱伝導体が配設される面に複数の凸状部を設け、この凸状部を間隔を空けて振動子の長軸方向に延在するように形成する。これにより、複数の振動子素子の背面からバッキング材に入射した各超音波は、バッキング材の熱伝導体が配設される面である背面に形成された凸状部によって、振動子の短軸方向に異なるタイミングで反射される。したがって、反射されて振動子方向に戻る超音波が時間的に分散されることから、ノイズ成分の大きさを低減することができるので、反射エコー信号のSN比が低下することを回避できる。
【0016】
また、探触子本体に生じた熱をバッキング材から熱伝導体に効率よく伝達させるため、熱伝導体に探触子本体がバッキング材の方からはめ込まれる凹部を形成し、この凹部に探触子本体がはめ込まれたとき、凹部を形成する側壁の内面と凹部を形成する底部の内面とがバッキング材に接触するようにしてもよい。これにより、単にバッキング材の背面が熱伝導体に接触する場合に比べ、熱伝導体とバッキング材との接触面積を大きくすることができるため、バッキング材から熱伝導体への熱を効率よく伝熱することができる。なお、振動子の超音波射出方向側に位置した面の長辺に沿う方向を振動子の長軸方向と称し、短辺に沿う方向を振動子の短軸方向と称している。
【0017】
また、熱伝導体は、通常、バッキング材に比べ質量の大きい材料、例えば銅やアルミニウムなどの金属から形成されるため、単に接着剤などにより熱伝導体をバッキング材の背面に接着しても、熱伝導体がバッキング材から剥離する場合がある。
【0018】
そこで、探触子本体の一部をバッキング材の方から凹部にはめ込んだとき、凹部を形成する側壁とバッキング材の側壁とを共に貫通して固定する伝熱棒を設けることが望ましい。これにより、単に接着剤によって熱伝導体をバッキング材に接着した場合に比べ、熱伝導体をバッキング材に確実に固定することができる。しかも、固定する伝熱棒は、熱伝導性を有することから、バッキング材から熱伝導体に熱をより一層効率よく伝熱させることができる。
【0019】
上記場合において、熱伝導体とその熱伝導体に接触するハウジングの内側面との間に、空気に比べて高い熱伝導性を有する物質を介在することが好ましい。これにより、熱伝導体とハウジングの空間に熱伝導性物質が充填されることから、熱伝導体からハウジングに熱をより一層効率よく伝達することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
(実施形態1)
超音波探触子のハウジング内に板バネを設けた第1の実施形態について図1乃至図3を参照して説明する。図1は、本発明を適用してなる超音波探触子の断面図、図2は、超音波探触子の図1のII―II線から見た断面図、図3は、超音波探触子を用いた超音波診断装置のブロック図を示している。
【0021】
図3に示すように、本実施形態の超音波診断装置1は、まず、送受信部12から電気パルスである駆動信号が超音波探触子2に印加される。印加された駆動信号は超音波探触子2により超音波に変換され、変換された超音波は被検体の診断領域に照射される。そして、被検体から発生した反射エコー信号が超音波探触子2により受波されて電気信号に変換される。変換された反射エコー信号は、整相加算部16により位相の整相及び加算が施され後、画像処理部18により超音波診断画像、例えば断層像やドプラ像に再構成される。再構成された超音波診断画像は表示部20のモニタに表示されるようになっている。
【0022】
本実施形態の超音波探触子2は、図1に示すように、探触子本体28、ハウジング30、熱伝導体32、電気回路基板34、弾性部材である板バネ36などを有して構成されている。
【0023】
探触子本体28は、振動子22と、音響整合層24と、バッキング材26とを有して構成されている。振動子22は、圧電セラミックスなどの圧電材料からなる短冊状の振動子素子が複数配列されて形成されている。なお、振動子22の超音波射出方向側に位置した面の長辺に沿う方向を振動子22の長軸方向と称し、短辺に沿う方向を振動子22の短軸方向と称する。また、各振動子素子は、電気的及び機械的に独立して超音波信号と電気信号を相互に変換するものである。その各振動子素子の超音波射出面に音響整合層24が接合して配設されている。この音響整合層24は、振動子22からの超音波を被検体へ効率よく伝達するものであり、ポリウレタンやエポキシなどの樹脂、または、その樹脂と金属粉との混合物、あるいは、ガラスやセラミックスなどの材料から作製されている。また、振動子22の振動子素子の超音波射出面の反対面つまり背面にバッキング材26が接合して配設されている。このバッキング材26は、ゴム又は金属粉などが混入されたゴムなどの超音波減衰率の比較的大きな材料から作製されており、振動子素子の背面から放射された不必要な超音波を吸収して減衰するとともに、振動子22の振動を抑えるものである。
【0024】
ハウジング30は、縦長の角筒状に形成されている。このハウジング30の先端部に開口31が形成される一方、他端部は湾曲形状に封止されて形成されている。開口31の縁部に沿って超音波窓となるレンズ25が取り付けられている。このレンズ25は、シリコンゴムなどから作製されており、超音波射出面を曲率させて形成されている。このハウジング30の開口31に、探触子本体28の音響整合層24の部分がはめ込まれて支持されている。すなわち、探触子本体28は、ハウジング30の先端部分に内包して収納されており、電気的、機械的、または耐薬品的に保護されている。
【0025】
熱伝導体32は、熱伝導物質である銅やアルミニウムなどの金属により形成されており、伝熱された熱を効率よく全体に拡散するものである。この熱伝導体32は、バッキング材26の背面つまり振動子22が配設された面の反対面に接着剤などにより接合され、この接合面から超音波射出方向の反対方向(以下、背面方向と称する。)に延在して設けられている。この熱伝導体32は、一方の側面32aがハウジング30の内側面30aの一部と接触可能に形成され、かつ、その側面32aの反対側に位置する側面32bは、ハウジング30の内側面30bに対峙して形成されている。また、熱伝導体32の側面32bに、電気回路基板34などを収納する収納空間42が形成されている。この収納空間42は、熱伝導体32の側面32bの延在方向に位置する部分が切削されることで形成されている。
【0026】
電気回路基板34は、振動子22の振動子素子と駆動信号及び反射エコー信号を伝送するシールドされた送受信用のケーブル38とを接続するものであり、探触子本体28の側面に配置されて探触子本体28の振動子に電気的に接続されている。したがって、この電気回路基板34は、探触子本体28の側面から収納空間42の方に延在して配置されている。電気回路基板34には、電気回路基板34に配線された信号線やグランド線とケーブル38とを電気的に中継するコネクタ44が設けられている。ケーブル38は、収納空間42からハウジング30の封止端部に挿通して設けられたケーブル管40を通って送受信部12に接続している。このケーブル38を熱伝導体32に接触させて配設すると、ケーブル38を介して熱伝導体32の熱を外気へ放熱することができる。
【0027】
板バネ36は、弾性を持たせた状態で収納空間42に挿入して設けられている。この板バネ36は、熱伝導性を有する金属材料などから形成されており、図1又は図2に示すように、湾曲部36a、押圧部36b、36c、支持部36dなどを有して構成されている。湾曲部36aは、円弧状に形成されており、その湾曲部36aの外周表面がハウジング30の内側面30bに接して設けられている。また、湾曲部36aの一方の端部は、ハウジング30の内側面32eに接触して位置されるとともに、他方の端部は、内側面32に対向した内側面32fに接触して位置されている。その内側面32eに接触した端部に押圧部36bが形成されるとともに、内側面32fに接触した端部に押圧部36cが形成されている。この押圧部36b、36cは、ハウジング30の中心軸に向かって突出し、かつ、熱伝導体32の側壁32dに接触可能に形成されている。すなわち、押圧部36b、36cは、熱伝導体32を熱伝導体32とハウジング30の接触面の方向に押圧している。この湾曲部36aと押圧部36b、36cにより形成された空間に電気回路基板34などが収納されるようになっている。
【0028】
また、板バネ36の湾曲部36aに支持部36dが形成されている。この支持部36dは、湾曲部材36aからハウジング30の内側面30bに沿って背面方向に延在して形成され、その延在部分が湾曲状に曲げられて熱伝導体32の背面にネジなどにより固定されている。
【0029】
このように構成される超音波探触子2を用いた超音波診断の動作について説明する。まず、超音波探触子2のレンズ25の部分を被検体の体表に接触させる。次いで、送信部12から供給された電気パルスである駆動信号は、ケーブル38を介して振動子22の電極に印加される。印加された駆動信号は振動子22により超音波に変換され、変換された超音波は音響整合層24を介してレンズ25により集束されて被検体の診断領域にい向けて伝播される。また、振動子22の背面から送波された不要な超音波はバッキング材26により減衰される。そして、超音波が照射された被検体から反射エコー信号が発生し、発生した反射エコー信号が振動子22により受波されて電気信号に変換される。変換された反射エコー信号は、送受信部12により増幅処理などが施された後、A/D変換部14に入力されるようになっている。
【0030】
ところで、電気回路基板34を熱伝導体32の側面32bとハウジング30の内側面30bとの間に配設すると、その電気回路基板34により熱伝導体32からハウジング30への熱伝導が妨げられ、超音波探触子2の被検体に接触する部分の冷却効率が低下する。
【0031】
この点、本実施形態の超音波探触子2によれば、板バネ36の押圧力により熱伝導体32がハウジング30の内面に接触した状態に保持されることから、その接触部分を介して探触子本体28に生じた熱が熱伝導体32からハウジング30に効率よく伝達して超音波探触子2の冷却効率を向上させることができる。
【0032】
また、探触子本体28と熱伝導体32との接合面部に電気回路基板34を配設していないから、探触子本体28に生じた熱が熱伝導体32へ移動するのを妨げられない。
【0033】
また、IEC60601−1等により規定されている制限を遵守することができ、被検体の体表に超音波探触子2を安全に接触させて超音波診断を行うことができる。
【0034】
ここで、板バネ36の形状は、図1及び図2の形状に限られるものではなく、要は、熱伝導体32をハウジング30の内面に押圧するものであればよい。
(実施形態2)
次に、熱伝導体がハウジングに接触する部分に熱伝導性物質を設けた第2の実施形態について図4を参照して説明する。図4は、第2の実施形態における超音波探触子の断面図を示している。図4に示すように、本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、熱伝導体32と熱伝導体32に接触するハウジング30の内側面30aとの間に、空気に比べて熱伝導率が高い物質からなる熱伝導性物質46を介在させたことにある。したがって、第1の実施形態と同様の機能及び構成を有する部品には同一の符号を付して説明を省略する。なお、熱伝導性物質46は、例えば、銀、銅、アルミニウムなどの金属粉を樹脂などに混入することによってグリース状に作製されたものである。
【0035】
通常、熱伝導体32をハウジング30の内側面32aに接触させた場合、その熱伝導体32と内側面32aの間に、面粗さに応じた微少な空隙が形成される結果、熱伝導体32からハウジング30への熱移動が妨げられることがある。
【0036】
この点、本実施形態の超音波探触子3によれば、その空隙に熱伝導性物質46が充填されることから、熱伝導体32の熱をハウジング30に効率よく伝熱させることができる。
【0037】
ここで、熱伝導性物質46を設けることに加えて、ハウジング30の内面全体に渡って伝熱層47を設けるようにしてもよい。この伝熱層47は、銅やアルミニウムなどの熱伝導性を有する物質から形成されている。これにより、熱伝導体32の熱は、伝熱層47を介してハウジング30の内面全体に分散される結果、超音波探触子3aを効率よく冷却することができる。
(実施形態3)
また、バッキング材の超音波減衰効率を維持しながらバッキング材による熱抵抗の増大を抑制する第3の実施形態について図6を参照して説明する。図6は、第3の実施形態における超音波探触子の断面図を示している。図6に示すように、本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、振動子22とバッキング材26との間に低音響インピーダンス層48を介在させたことにある。したがって、第1の実施形態と同様の機能及び構成を有する部品には同一の符号を付して説明を省略する。なお、低音響インピーダンス層48は、振動子22に比べて音響インピーダンス(単位:10kg/m・s)が十分低い物質、例えば、ポリウレタン(音響インピーダンス:約2)やエポキシ(音響インピーダンス:約3)などの樹脂を固めた材料から形成されたものである。
【0038】
このような超音波探触子において、振動子22の背面からバッキング材26に入射する不要な超音波を確実に減衰させるために、バッキング材26の厚みを厚く設計すると、そのバッキング材26による熱抵抗が増大して伝熱効率が低下する。
【0039】
この点、本実施形態の超音波探触子4によれば、振動子22と低音響インピダンス48は異なる音響インピーダンスを有するため、振動子22から背面方向に送波された超音波の一部が、バッキング材26に入射する前に低音響インピーダンス層48により反射されてバッキング材26に入射する超音波が低減される。したがって、バッキング材26の厚みを薄く設計でき、バッキング材26による熱抵抗の増大を抑制することができる。
(実施形態4)
さらに、振動子から被検体に送波される診断用の超音波に影響を与えるノイズ成分を低減する第4の実施形態について図7を参照して説明する。図7は、第4の実施形態における超音波探触子の断面図を示している。本実施形態が第3の実施形態と異なる点は、バッキング材26の厚みを振動子の短軸方向に沿って変化させたことにある。したがって、第3の実施形態と同様の機能及び構成を有する部品には同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
図7に示すように、超音波探触子5は、バッキング材26の熱伝導体32が設けられる面に複数の凸状部50a〜50e、つまり複数の起状部が等間隔を空けて配設して構成されている。この凸状部50a〜50eは、振動子22の長軸方向と同一方向に延在して形成されている。これにより、バッキング材26の厚みは、振動子22の短軸方向に変化している。また、熱伝導体32は、バッキング材26の背面に接合するように、バッキング材26の背面に形成した凸状部50a〜50eに対応して形成されている。
【0041】
通常、振動子22に配列された複数の振動子素子の背面から送波された各超音波は、バッキング材26と熱伝導体32との接合面において同じタイミングで反射され、反射された超音波が診断用の超音波に影響を与えてノイズが発生する。
【0042】
この点、本実施形態の超音波探触子5によれば、バッキング材26の厚みが振動子22の短軸方向に一様ではないことから、複数の振動子素子の背面からバッキング材26に入射した各超音波は、バッキング材26と熱伝導体32との接合面において異なるタイミングで反射される。したがって、反射されて被検体方向に進行する超音波が時間的に分散されることから、診断用の超音波への影響を低減することができる。
【0043】
また、バッキング材26に進入する超音波の送波方向が、バッキング材26と熱伝導体32との接合面に対して垂直にならないようにバッキング材26の背面が形成されているため、超音波の屈折や散乱効果により、反射超音波によるノイズ成分の大きさのピークをより一層小さくすることができる。
【0044】
ここで、バッキング材26の背面の形状は、図7の形状に限られるものではなく、要は、低音響インピーダンス48とバッキング材26の境界面が平面で、かつ、その境界面からバッキング材26と熱伝導体32の境界面までの距離が振動子22の短軸方向に変化するようにすればよい。例えば、図8に示すように、バッキング材26の厚みが、電気回路基板34が配置された側面から反対側に位置する側面に向かうにつれて厚くなるようにしてもよい。また、図9に示すように、バッキング材26の厚みが、熱伝導体32が設けられる面の中心部からその面の端部に向かうにつれて厚くなるように形成することもできる。さらに、図10に示すように、バッキング材26の厚みが、熱伝導体32が設けられる面の中心部からその面の端部に向かうにつれて薄くなるように形成してもよい。
(実施形態5)
本発明を適用してなる超音波探触子の第5の実施形態について図11、図12を参照して説明する。図11Aは、熱伝導体に設けられた凹部に探触子本体がはめ込まれた超音波探触子の片側断面図、図11Bは、図11Aの矢印100の指示する方向から見た超音波探触子の横断面図、図11Cは、図11Aの凹部の側壁と探触子本体とを共に貫通する2つの伝熱棒が設けられた超音波探触子の片側断面図、図11Dは、図11Cの矢印101の指示する方向から見た超音波探触子の横断面図を示している。また、図12は、伝熱棒により貫通された探触子本体と熱伝導体の斜視図である。
【0045】
本実施形態が第2の実施形態と異なる点は、熱伝導体32の探触子本体28が接続する部分に窪みである凹部51を形成し、この凹部51に探触子本体28の一部をバッキング材26の方からはめ込んで収納するようにしたことにある。したがって、第2の実施形態と同様の機能及び構成を有する部品には同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
図11A、図11Bに示すように、超音波探触子6には、熱伝導体32の探触子本体28が接続する部分に凹部51が形成されている。この凹部51は、熱伝導体32のバッキング材26に接合する面の部分が切削されて形成されている。また、凹部51にはめ込まれた探触子本体28の側面に電気回路基板34を接続させるため、凹部51は、4つの側壁のうち1つの側壁が取り除かれ、3つの側壁51a、51b、51cに囲まれることにより形成されている。その凹部51の底面の寸法は、探触子本体28の背面の寸法と同じである。
【0047】
本実施形態の超音波探触子6によれば、凹部51に探触子本体28がはめ込まれたとき、凹部51を形成する側壁51a〜51cの内面と凹部51の底面とが探触子本体28の表面に接触する。したがって、単に探触子本体28の背面を熱伝導体32に接触させる場合に比べ、熱伝導体32と探触子本体28との接触面積が増加することから、探触子本体28に生じた熱を熱伝導体32に効率よく伝熱することが可能になる。
【0048】
また、探触子本体28と熱伝導体32との接触面積が増加することから、その熱伝導体32と探触子本体28との接合力を増加させることができるので、熱伝導体32が探触子本体28から剥離することを回避できる。
【0049】
ところで、熱伝導体32は、通常、探触子本体28のバッキング材26に比べて質量の大きい材料、例えば銅やアルミニウムなどの金属から形成されるため、熱伝導体32がバッキング材26から剥離する場合がある。
【0050】
したがって、図11C、図11D、図12に示すように、超音波探触子6aには、凹部51に探触子本体28がはめ込まれたとき、凹部51を形成する側壁51a、51cと探触子本体28のバッキング材26の側壁とを共に貫通して固定する2つの伝熱棒52a、52bが設けられている。この伝熱棒52a、52bは、棒の径が凹部51の側壁51a、51cに設けられた貫通穴の径と同じになるように形成され、その貫通穴にかしめられたり、接合されたりして固定されている。また、伝熱棒52a、52bは、探触子本体28の熱をバッキング材26に効率良く伝達するため、熱伝導性を有する物質から形成されており、また、振動子素子から送波される超音波の音響特性の劣化を低減するため、振動子22の長軸方向に平行になるように設けられている。
【0051】
このような超音波探触子6aによれば、伝熱棒52a、52bにより熱伝導体32とバッキング材26の接合面への応力などが低減されることから、単に接着剤などにより熱伝導体32をバッキング材26の背面に接合した場合に比べ、熱伝導体32をバッキング材26に確実に固定することが可能になる。
【0052】
ここで、熱伝導体32の凹部51の形状は、図11及び図12の形状に限られるものではなく、要は、熱伝導体32と探触子本体28との接触面積を確保できるものであればよい。例えば、凹部51の1つの側面と1つの底部が探触子本体28に接触するように形成してもよい。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、超音波探触子の冷却効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる超音波探触子の断面図である。
【図2】超音波探触子の図1のII―II線から見た断面図である。
【図3】超音波探触子を用いた超音波診断装置のブロック図である。
【図4】第2の実施形態における超音波探触子の断面図である。
【図5】第2の実施形態における超音波探触子の他の構成例を示している。
【図6】第3の実施形態における超音波探触子の断面図である。
【図7】第4の実施形態における超音波探触子の断面図である。
【図8】第4の実施形態における超音波探触子の他の構成例を示している。
【図9】第4の実施形態における超音波探触子の他の構成例を示している。
【図10】第4の実施形態における超音波探触子の他の構成例を示している。
【図11】第5の実施形態における超音波探触子の断面図である。
【図12】伝熱棒により貫通された探触子本体と熱伝導体の斜視図である。
【符号の説明】
1 超音波診断装置
2 超音波探触子
22 振動子
24 音響整合層
26 バッキング材
28 探触子本体
30 ハウジング
32 熱伝導体
34 電気回路基板
36 板バネ
38 ケーブル
40 ケーブル管
46 熱伝導性物質
47 伝熱層
48 低音響インピーダンス層
50a 凸状部
51 凹部
52a 伝熱棒

Claims (5)

  1. 複数の振動子素子が配列されてなる振動子と、この振動子の一方の面に配設された音響整合層と、前記振動子の他方の面に配設されたバッキング材とを有してなる探触子本体と、この探触子本体を収容するハウジングと、前記バッキング材に熱的に接続された熱伝導体とを備えた超音波探触子において、
    前記熱伝導体は金属で形成されてなり、かつ該熱伝導体の前記バッキング材に接続される部分には凹部が形成され、この凹部に前記探触子本体の一部が前記バッキング材の方からはめ込まれたとき、前記凹部を形成する側壁の内面と底部の内面が前記バッキング材に接触することを特徴とする超音波探触子。
  2. 前記凹部に前記探触子本体の一部が前記バッキング材の方からはめ込まれたとき、前記凹部を形成する側壁と前記バッキング材の側壁とを共に貫通して固定する伝熱棒が前記振動子の長軸方向に平行に設けられてなることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
  3. 前記振動子と超音波信号の送受信ケーブルとを電気的に接続する電気回路基板が、前記探触子本体の側面に配設されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波探触子。
  4. 前記振動子と前記バッキング材との間に、前記振動子に比べて低い音響インピーダンスを有する低音響インピーダンス層を備えることを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
  5. 前記バッキング材の厚みを前記振動子の短軸方向に変化させて形成したことを特徴とする請求項1に記載の超音波探触子。
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