JPH08182094A - 超音波プローブ - Google Patents

超音波プローブ

Info

Publication number
JPH08182094A
JPH08182094A JP6318776A JP31877694A JPH08182094A JP H08182094 A JPH08182094 A JP H08182094A JP 6318776 A JP6318776 A JP 6318776A JP 31877694 A JP31877694 A JP 31877694A JP H08182094 A JPH08182094 A JP H08182094A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric vibrator
ultrasonic probe
intermediate layer
ultrasonic
backing material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6318776A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Yamazaki
聡 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP6318776A priority Critical patent/JPH08182094A/ja
Publication of JPH08182094A publication Critical patent/JPH08182094A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ultra Sonic Daignosis Equipment (AREA)
  • Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】超音波プローブの生体接触部での温度上昇を低
減させることにより、送信信号強度を音響パワー上限値
に対応する値まで上昇可能にする。 【構成】圧電振動子2と、この圧電振動子2の背面側に
配設されたバッキング材3とを備え、圧電振動子2の前
面から超音波信号を送受信するようにした超音波プロー
ブ。圧電振動子2とバッキング材3との間に、バッキン
グ材3が有する減衰係数よりも低い減衰係数を有する中
間層4を介在させている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検体等に超音波信号
を送受信する超音波プローブに係り、特に、超音波プロ
ーブが送信する超音波信号のパワーを規制値まで高める
ことを可能にした超音波プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】対象物に対し超音波信号を送信し、その
対象物内からの反射信号(エコー信号)を受信して当該
対象物内を画像化する医療用の超音波診断装置や超音波
画像検査装置等では、前記超音波信号送受信機能を有す
る超音波プローブが用いられている。
【0003】例えば医療用の超音波プローブは、図10
及び図11に示すように、ケース(筐体)20の内部
に、背面側にバッキング材21が配設された圧電振動子
22と、この圧電振動子22の超音波信号送信面側(前
面側)に音響整合層23を介して配設された音響レンズ
24とを有している。また、図12、図13に示すよう
に、圧電振動子22の駆動タイミングを制御する制御回
路や圧電振動子22に受信された受信信号を増幅するた
めのアンプ回路等を有した信号処理回路25を内蔵して
いるものもある。
【0004】このような超音波プローブは、図13に示
すように、製造時においてケース20内部に単一の充填
材26を充填(モールド)して形成される。
【0005】一方、超音波プローブの使用態様として
は、診断時に例えばその超音波プローブの音響レンズ側
を被検体に当接させて圧電振動子を駆動させることによ
り、圧電振動子前面から超音波信号を被検体内に送信す
る。この結果超音波信号は、圧電振動子の駆動タイミン
グによる電子フォーカス及び音響レンズによるフォーカ
スにより被検体内の所要位置に集束される。この圧電振
動子の駆動タイミングを制御することにより、被検体内
の所要範囲に超音波信号を送信することができるため、
そのエコー信号を受信処理した結果、前記所要範囲の超
音波画像(断層像)が得られる。
【0006】なお、圧電振動子の駆動により背面側にも
超音波信号が放出されるが、この信号はバッキング材に
より吸収されるため、装置に悪影響を与えることのない
ようになっている。
【0007】ところで、超音波プローブは上述したよう
に被検体に当接して使用する場合があるため、生体接触
部(一般的に前述した音響レンズ表面、以下レンズ表面
という)の温度上昇には、安全上の配慮から上限値が設
定されている。この温度上昇の理由には、上述したバッ
キング材の超音波信号吸収に伴う発熱が挙げられてい
る。また、信号処理回路を内蔵した超音波プローブで
は、その信号処理回路の処理時に生ずる発熱もレンズ表
面温度上昇の要因の1つに挙げられている。
【0008】さらに、超音波プローブを医療用に使用す
る場合、被検体に対する安全上の配慮から送信超音波の
強度(音響パワー)には上限値が設定されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】断層像の画質向上や超
音波プローブ感度の向上のための方法の1つに、受信信
号の強度増加が挙げられている。この受信信号の強度を
増加するために、送信信号の強度を増加する手法があ
る。しかし、送信信号の強度増加は、送信時におけるプ
ローブ内部の発熱(バッキング材の発熱、信号処理回路
の発熱等)の増加に起因したレンズ表面の温度上昇を招
くため、温度上限値に対応した強度までしか上昇させる
ことができない。
【0010】一方、この温度上限値に対応する送信強度
における音響パワーは、該音響パワーの上限値までは到
底到達することができない。つまり、温度上限値に規制
された送信強度では、音響パワーの出力可能マージンを
使いきることができないため、非常に効率が悪かった。
したがって、プローブ感度の向上や断層像の画質向上に
ついても目立った効果が得られていないのが現状であっ
た。
【0011】本発明は上述した事情に鑑みてなされたも
ので、超音波プローブの生体接触部での温度上昇を低減
させることにより、送信信号強度を音響パワー上限値に
対応する値まで上昇可能にし、その結果、得られる断層
像の画質を向上させることをその目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項1に記載した超音波プローブは、圧電振動子と、
この圧電振動子の背面側に配設されたバッキング材とを
備え、前記圧電振動子の前面から超音波信号を送受信す
るようにした超音波プローブにおいて、前記圧電振動子
と前記バッキング材との間に、当該バッキング材が有す
る減衰係数よりも低い減衰係数を有する中間層を介在さ
せている。
【0013】また、請求項2に記載した超音波プローブ
では、前記中間層は所要の熱伝導率を有する材料で形成
されている。
【0014】さらに、請求項3に記載した超音波プロー
ブでは、前記材料は樹脂材料である。
【0015】さらにまた、請求項4に記載した超音波プ
ローブでは、前記樹脂材料は、ポリメチルペンテンであ
る。
【0016】特に、請求項5に記載した超音波プローブ
では、前記圧電振動子と前記中間層との間に音響整合層
を介在させるとともに、この音響整合層は、その音響イ
ンピーダンスが前記圧電体が有する音響インピーダンス
と前記中間層が有する音響インピーダンスとの幾何平均
値であり、且つ当該音響整合層を通過する前記超音波信
号の中心周波数に対応する波長をλとするとき、積層方
向の厚みw1 が
【数3】 w1 =1/4×λ(2n−1){n≧1:整数} で決まる値又はその近傍の値に設定されている。
【0017】また特に、請求項6に記載した超音波プロ
ーブでは、前記中間層と前記バッキング材との間に音響
整合層を介在させるとともに、この音響整合層は、その
音響インピーダンスが前記中間層が有する音響インピー
ダンスと前記バッキング材が有する音響インピーダンス
との幾何平均値であり、且つ当該音響整合層を通過する
前記超音波信号の中心周波数に対応する波長をλとする
とき、積層方向の厚みw2 が、
【数4】 w2 =1/4×λ(2n−1){n≧1:整数} で決まる値又はその近傍の値に設定されている。
【0018】一方、上記目的を達成するために、請求項
7に記載した超音波プローブでは、圧電振動子と、この
圧電振動子の背面側に設けられ、当該圧電振動子の前面
から送受信される超音波信号に係る信号処理を行なう信
号処理回路とを内蔵し、内部に充填材を充填せしめて形
成された超音波プローブにおいて、前記超音波プローブ
を前記圧電振動子に接する側の第1の領域とそれ以外の
第2の領域とに分け、この第1及び第2の領域に前記充
填材として熱伝導率の異なる2つの充填材を充填させる
とともに、前記第1の領域に充填される充填材は、前記
第2の領域に充填される充填材が有する熱伝導率よりも
低い熱伝導率を有している。
【0019】また、請求項8に記載した超音波プローブ
では、前記第1及び第2の領域は、前記信号処理回路の
前記圧電振動子側の前面を境界の一部として形成されて
いる。
【0020】さらに、請求項9に記載した超音波プロー
ブでは、前記第1及び第2の領域は、前記信号処理回路
の側面を切断する面を境界の一部として形成されてい
る。
【0021】さらにまた、請求項10に記載した超音波
プローブでは、前記第1の領域に充填される充填材は発
泡性の樹脂材料であり、前記第2の領域に充填される充
填材は非発泡性の樹脂材料である。
【0022】
【作用】請求項1乃至6記載の超音波プローブによれ
ば、圧電振動子から背面側に放出された超音波信号の吸
収により発熱したバッキング材と圧電振動子との間が、
バッキング材の有する減衰係数より小さい、つまり、発
熱効果の低い中間層により熱的に隔離されているため、
バッキング材の発熱に起因した当該圧電振動子の前面側
の温度上昇が従来に比べて抑制される。
【0023】特に、請求項2乃至4記載の超音波プロー
ブによれば、前記中間層が、所要の熱伝導率を有するポ
リメチルペンテン等の樹脂材料により形成されているた
め、中間層はその熱伝導率に応じた熱抵抗体の役割をも
担っている。したがって、バッキング材から発生した熱
流はその中間層を通過する際に低減され、バッキング材
の発熱に起因した当該圧電振動子の前面側の温度上昇が
従来に比べて抑制される。
【0024】又特に、請求項5及び6記載の超音波プロ
ーブによれば、圧電振動子と中間層との間、あるいは中
間層とバッキング材との間に音響整合層が介在されてい
る。そして、この音響整合層は、その音響インピーダン
スが圧電体が有する音響インピーダンスと中間層が有す
る音響インピーダンスとの幾何平均値であり、且つ当該
音響整合層を通過する超音波信号の中心周波数に対応す
る波長をλとするとき、積層方向の厚みwが
【数5】 で決まる値又はその近傍の値に設定されているため、中
間層と圧電振動子、あるいはバッキング材と中間層の間
の超音波の透過性が中間層介在前と略同等に維持され、
前記中間層と圧電振動子、あるいはバッキング材と中間
層との間の境界面における超音波の反射を抑制すること
ができる。
【0025】一方、請求項7乃至10記載の超音波プロ
ーブによれば、超音波プローブに内蔵された信号処理回
路からの発熱は、第1の領域である圧電振動子側ではな
く、その第1の領域に充填された充填材より熱伝導率の
高い充填材が充填された第2の領域である圧電振動子と
は反対側に効果的に伝熱される。したがって、信号処理
回路の発熱に起因した当該圧電振動子の前面側の温度上
昇が従来に比べて抑制される。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照して
説明する。
【0027】(第1実施例)図1及び図2は、本発明に
係る超音波プローブ1をそれぞれ異なった方向から見た
場合の斜視図である。
【0028】図1及び図2に示した超音波プローブ1
は、例えば1次元のアレイ振動子を有する経皮スキャン
用の超音波プローブ1であり、図示しない駆動回路によ
り駆動されることにより超音波信号を放射する圧電振動
子2と、この圧電振動子2の背面側に配設されたバッキ
ング材3と、圧電振動子2とバッキング材3との間に介
在された中間層4とを備え、全体で積層構造となってい
る。
【0029】バッキング材3は、例えばエポキシ系の合
成材料から形成され、その音響インピーダンスZ1 が、
「Z1 =略2.2[ Mrayl]」、減衰係数α1 が、「α
1 =5[dB /MHz ・cm](評価周波数3.5MHz )」に
設定されている。
【0030】また、中間層4は、例えば樹脂材料(本実
施例ではポリメチルペンテン(以下、TPXとする)を
用いている)から形成され、音響インピーダンスZ2
が、「Z2 =略1.7[ Mrayl]」、減衰係数α2 が、
「α2 =1[dB /MHz ・cm](評価周波数3.5MHz
)」、及び熱伝導率kが、「k=0.25[ W/m・K
]」に設定されている。
【0031】さらに、超音波プローブ1は、圧電振動子
2の前面側に音響整合層5を介して設けられた音響レン
ズ6と、圧電振動子2と図示しない装置本体とを接続す
る電気信号送受信用の信号線(ケーブル)7とを備えて
いる。そして、上記超音波プローブ1全体は、プローブ
ケース8に収納されている。なお、ケース8内部は充填
材によりモールドされている。
【0032】次に作用を述べる。
【0033】本実施例において、図示しない駆動回路に
より圧電振動子2を駆動させると、その前面から超音波
信号が音響整合層5、音響レンズ6を介して放射され
る。一方、このとき、該圧電振動子2の背面からも同様
の超音波信号が放射される。
【0034】この圧電振動子2の背面から放射された超
音波信号は、中間層4を介してバッキング材3により吸
収される。
【0035】ここで、このバッキング材3による超音波
信号の吸収により発生する熱に基づいた音響レンズ6の
表面温度(の上昇率)を図3に示した熱抵抗等価回路C
1 で見積もることにする。なお、前提として、次の4つ
の条件を仮定している。
【0036】(1)バッキング材3内部での温度勾配は
無く一様である。(2)圧電振動子2、音響整合層5、
音響レンズ6、ケース8等の厚みを無視している。
(3)バッキング材3の中間層4との接触面の温度上昇
に応じた伝熱だけを考え、その接触面と対向する面から
の伝熱は無いものとする。(4)積層方向における熱流
の流れ、つまり1次元の熱抵抗簡易等価回路としている
(バッキング材3の側面からの放熱は無視している)。
【0037】このときの熱抵抗簡易等価回路を図3に示
す。なお、ここでは、バッキング材3の温度上昇により
発生する熱流が中間層4、圧電振動子2、及び音響レン
ズ6を介して空気層に流れるときの音響レンズ6の表面
の温度(レンズ表面温度)の上昇の度合いを、中間層4
と圧電振動子2との接触面の温度と空気層の温度との差
で表し、この温度差と、従来例である中間層4が無い場
合のバッキング材3の温度と空気層の温度との差とを比
べることにより、レンズ表面温度の変化の度合いを類推
している。
【0038】今、自身の温度上昇によりバッキング材3
から熱量Q(温度T0 )の熱流が発生した場合におい
て、(1)中間層4が介在している場合、(2)中間層
4が無い場合、についてそれぞれ考える。
【0039】(1)中間層4が介在している場合 中間層4の積層方向の厚みをx(x=10mm)、バッキ
ング材3、中間層4の断面積をA、中間層4の圧電振動
子2接触面を4a、その接触面4aの温度をT1 、及び
空気層の温度をT2 とする。また、空気層の熱抵抗をφ
A 、中間層4の熱抵抗をφB とすると、
【数6】 φA =1/(hA)(両端面同一) ……(2) (h:熱伝達率)と表され、また、
【数7】 φB =x/(kA) ……(3) で表される。
【0040】このとき、中間層4の接触面4aの温度T
1 と空気層の温度T2 との差は、
【数8】 T1 −T2 =Q′φA ……(4) で表される。ただし、Q′は熱量Qの熱流が圧電振動子
2方向、装置本体側方向に分流されているため、
【数9】 となる。
【0041】(2)中間層4が無い場合 図3において、中間層4の熱抵抗φB が無いと考えられ
るので、バッキング材3から圧電振動子2方向及び装置
本体方向は、対称な熱抵抗回路とみなすことができる。
つまり、バッキング材3で発生する熱量Qは両方向に等
量流れると考えられるため、バッキング材3の温度T0
と空気層の温度T2 との差は、
【数10】 で表される。今、「h=15 W/m2 ・K 」とすると、
(2)式〜(6)式から、(T1 −T2 )/(T0 −T
2 )をZ1 とおくと、
【数11】 となる。
【0042】この結果から類推すれば、レンズ表面温度
の上昇の度合いは、中間層4を介在させる前と後では、
少なくとも略77%に低減されていることになる。
【0043】この値は、例えば送信超音波の強度を上限
値付近まで上昇させた際に音響レンズ6の温度が上昇し
ても、その温度は当該音響レンズ6の温度上限値にまで
は到達しない値になっている。
【0044】つまり、中間層4の働きによりレンズ表面
の温度上昇を抑制することができるため、送信超音波信
号の強度をその上限値付近にまで高めることができる。
【0045】なお、バッキング材として音響インピーダ
ンスが2.2[ Mrayl](通常のバッキング材3)から
1.7[ Mrayl](中間層4)に変化するが、その影響
が無視できない場合は、中間層4と圧電振動子2の間及
び中間層4とバッキング材3との間に、図4に示すよう
に、積層方向の厚みwが「w=λ/4」の音響整合層9
A,9Bを介在させる。この音響整合層9A,9Bを介
在させることにより、圧電振動子2と中間層4との境界
面、及びバッキング材3と中間層4との境界面での超音
波信号の反射が無くなる。したがって、超音波信号の透
過性を維持しつつ、レンズ表面温度の上昇を抑制するこ
とができる。
【0046】この音響整合層9A,9Bを介在させるこ
とは、本実施例におけるバッキング材3、及び中間層4
との組み合わせに限らず、バッキング材3、中間層4の
それぞれの材料の音響インピーダンスのミスマッチング
が更に大きい場合にも同様に有効である。
【0047】なお、本実施例では、音響整合層9A,9
Bの厚みwをλ/4としたが、本発明はこれに限定され
るものではなく、λ/4の奇数倍であればよい。
【0048】また、本実施例では、中間層4の材料をT
PXとしたが、本発明はこれに限定されるものではな
い。例えば、低減衰係数の樹脂等材料でもよく、また、
シリコンゴムをベースに絶縁体の微粒子を添加材として
混合充填した材質のものであってもよい。
【0049】さらに、本実施例では、1次元のアレイ振
動子を有する経皮スキャン用の超音波プローブ1につい
て説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、例えば、体腔内スキャン用超音波プローブ等同様の
構成(圧電振動子2の背面側にバッキング材3が設けら
れている構成)のものであればよい。さらにまた、圧電
振動子2に関しても、単板や2次元のアレイ振動子でも
同様の効果を達成することができる。
【0050】(第2実施例)本実施例の超音波プローブ
1の概略構成を示す斜視図は、図1と略同様である。ま
た、図1におけるX方向から見た際の左側面図を図5に
示し、その図5におけるA−A矢視断面図を図6に示
す。
【0051】この超音波プローブ10は、圧電振動子1
1と、この圧電振動子11の背面側に配設されたバッキ
ング材12と、圧電振動子11の前面側に配設された音
響整合層13と、この音響整合層13に接着された音響
レンズ14とを備えている。
【0052】また、超音波プローブ10は、圧電振動子
11の駆動回路や受信信号増幅アンプ等から構成された
信号処理回路15を備えている。この信号処理回路15
は、圧電振動子11と電気信号送受信用の信号線(ケー
ブル)16により接続されている。さらに、この超音波
プローブ10全体は、プローブケース17に収納されて
いる。
【0053】そして、ケース17の内部は、信号処理回
路15の圧電振動子11側の面を含む当該プローブ1の
中心軸に直交する平面を境界面として異なった性質の充
填材によりモールドされている。
【0054】すなわち、境界面を境にして圧電振動子1
1側は、図6に示すように、比較的熱伝導率の低い材料
である発泡性のウレタン18(熱伝導率k1 :k1 =
0.024[ W/m・K ])によりモールドされている。
また、境界面を境にして装置本体側は、図6に示すよう
に、比較的熱伝導率の大きい材料である非発泡性のウレ
タン19(熱伝導率k2 :k2 =0.2[ W/m・K ])
によりモールドされている。
【0055】次に作用を述べる。
【0056】本実施例において、信号処理回路15によ
り圧電振動子11を駆動させると、その圧電振動子11
の前面から超音波信号が音響整合層13、音響レンズ1
4を介して放射される。この信号処理回路15の駆動に
より当該信号処理回路15は発熱する。
【0057】ここで、この信号処理回路15の発熱に基
づいた音響レンズ14の表面温度(の上昇率)を図7に
示した熱抵抗等価回路C2 で見積もることにする。な
お、前提条件は、第1実施例と同一の条件を満足し、さ
らに、(5)充填材18及び19内部での温度勾配は無
く一様である、という条件が加えられている。
【0058】また、第2実施例においては、信号処理回
路15の温度上昇により発生する熱流が発泡性のウレタ
ン18、バッキング材12、圧電振動子11、及び音響
レンズ14を介して空気層に流れるときのレンズ表面温
度の上昇の度合いを、発泡性のウレタン18の温度と空
気層との温度との差で表し、この温度差と、従来例であ
る非発泡性のウレタン19′のみで超音波プローブ10
内が充填されていた場合の非発泡性のウレタン19の温
度と当該空気層との温度差とを比べることにより、レン
ズ表面温度の変化の度合いを類推している。
【0059】今、信号処理回路15の振動子側端面によ
り熱量QA (温度T0A)の熱流が発生した場合におい
て、(1)信号処理回路15の振動子側端面を境にして
超音波プローブ10内部がそれぞれ、圧電振動子11側
には発泡性のウレタン18、装置本体側には非発泡性の
ウレタン19によりモールドされている場合、(2)超
音波プローブ10内部が均一の非発泡性のウレタン1
9′によりモールドされている場合、について考える。
【0060】(1)の場合 発泡性のウレタン18の積層方向の厚みをx(x=50
×10-3m)、バッキング材12、圧電振動子11の断
面積をA、発泡性ウレタン18の温度をT1a、非発泡性
ウレタン19の積層方向の厚みをx(x=50×10-3
m)、非発泡性ウレタン19の温度をT1b、及び空気層
の温度をT2aとする。また、空気層の熱抵抗をφA 、発
泡性ウレタン18の熱抵抗をφC 、非発泡性ウレタン1
9の熱抵抗をφD とすると、φA は上式(2)で表され
る。そして、φC 、φD は、
【数12】 φC =x/(k1 A) ……(8)
【数13】 φD =x/(k2 A) ……(9) で表される。
【0061】このとき、発泡性ウレタン18の温度T1a
と空気層の温度T2 との差は、
【数14】 T1 −T2 =QA ′φA ……(10) で表される。ただし、QA ′は熱量QA の熱流が分流さ
れているため、
【数15】 となる。
【0062】(2)の場合 図7において、φC =φD と考えられるので、バッキン
グ材12から圧電振動子11方向及び装置本体方向は、
対称な熱抵抗回路とみなすことができる。つまり、信号
処理回路15で発生する熱量QA は両方向に等量流れる
と考えられるため、非発泡性ウレタン19′の温度T1b
と空気層の温度T2 との差は、
【数16】 T1b−T2 =QA ・φA ……(12) で表される。
【0063】したがって、(8)式〜(12)式から、
(T1 −T2 )/(T1b−T2 )をZ2 とおくと、
【数17】 となる。
【0064】この結果から類推すれば、レンズ表面温度
の上昇の度合いは、非発泡性のウレタン19′のみを均
一に充填した場合と本実施例の場合とを比べて、少なく
とも略26%に低減されていることになる。
【0065】つまり、熱伝導率の低い充填材である発泡
性のウレタン18を圧電振動子11側にモールドし、熱
伝導率の高い充填材である非発泡性のウレタン19を装
置本体側にモールドしたため、レンズ表面の温度上昇を
抑制することができ、送信超音波信号の強度をその上限
値付近まで高めることができる。
【0066】なお、本実施例では、信号処理回路15の
圧電振動子11側の面を含む当該プローブ1の中心軸に
直交する平面を境界面として、圧電振動子11側には発
泡性の充填材18を、装置本体側には非発泡性の充填材
19をモールドしたが、本発明はこれに限定されるもの
ではない。例えば、図8に示すように、その境界面を信
号処理回路15とバッキング材12との間に設定するこ
ともできるし、また、図9に示すように、信号処理回路
15の側面と交わる面とすることもできる。
【0067】また、本実施例では、熱伝導率の低い材料
として発泡性ウレタン18、及び熱伝導率の高い材料と
して非発泡性のウレタン19によりプローブ1をモール
ドしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、圧
電振動子11側にモールドされる充填材の熱伝導率を、
装置本体側にモールドされる充填材の熱伝導率よりも低
く設定すればよい。
【0068】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、圧電
振動子とバッキング材との間に、バッキング材が有する
減衰係数よりも低い減衰係数を有する中間層を介在させ
たため、この中間層の働きにより、バッキング材の発熱
に基づく圧電振動子の前面側、つまり生体接触部の温度
上昇を抑制し、超音波プローブの送信強度を上限値近傍
まで上昇させることが可能になる。したがって、受信強
度が増加し、この結果、診断装置の感度及び診断画像の
画質を向上させることができる。
【0069】また、本発明によれば、超音波プローブの
圧電振動子に接する側の第1の領域に充填される充填材
は、装置本体側の第2の領域に充填される充填材が有す
る熱伝導率よりも低い熱伝導率を有するため、信号処理
回路の発熱に基づく圧電振動子の前面側(生体接触部)
の温度上昇を抑制し、超音波プローブの送信強度を上限
値近傍まで上昇させることが可能になる。したがって、
受信強度が増加し、この結果、診断装置の感度及び診断
画像の画質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例における超音波プロー
ブの概略構成を示す斜視図。
【図2】本発明に係る第1実施例における超音波プロー
ブの概略構成を示す斜視図。
【図3】第1実施例の超音波プローブにおける熱抵抗等
価回路を示す図。
【図4】第1実施例におけるその他の超音波プローブの
概略構成を示す斜視図。
【図5】第2実施例における超音波プローブの概略構成
を示す左側面図。
【図6】図5におけるA−A矢視断面図。
【図7】第2実施例における熱抵抗等価回路を示す図。
【図8】第2実施例におけるその他の超音波プローブの
構成を説明するための図5におけるA−A矢視断面図。
【図9】第2実施例におけるその他の超音波プローブの
構成を説明するための図5におけるA−A矢視断面図。
【図10】従来例における超音波プローブの概略構成を
示す斜視図。
【図11】従来例における超音波プローブの概略構成を
示す斜視図。
【図12】第2実施例における超音波プローブの概略構
成を示す左側面図。
【図13】図12におけるB−B矢視断面図。
【符号の説明】
1 超音波プローブ 2 圧電振動子 3 バッキング材 4 中間層 5 音響整合層 6 音響レンズ 7 ケーブル 8 ケース 9A 音響整合層 9B 音響整合層 10 超音波プローブ 11 圧電振動子 12 バッキング材 13 音響整合層 14 音響レンズ 15 信号処理回路 16 ケーブル 17 ケース 18 発泡性のウレタン 19 非発泡性のウレタン C1 熱抵抗等価回路 C2 熱抵抗等価回路 W 音響整合層の厚み

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電振動子と、この圧電振動子の背面側
    に配設されたバッキング材とを備え、前記圧電振動子の
    前面から超音波信号を送受信するようにした超音波プロ
    ーブにおいて、前記圧電振動子と前記バッキング材との
    間に、当該バッキング材が有する減衰係数よりも低い減
    衰係数を有する中間層を介在させたことを特徴とする超
    音波プローブ。
  2. 【請求項2】 前記中間層は所要の熱伝導率を有する材
    料で形成された請求項1記載の超音波プローブ。
  3. 【請求項3】 前記材料は樹脂材料である請求項2記載
    の超音波プローブ。
  4. 【請求項4】 前記樹脂材料はポリメチルペンテンであ
    る請求項3記載の超音波プローブ。
  5. 【請求項5】 前記圧電振動子と前記中間層との間に音
    響整合層を介在させるとともに、この音響整合層は、そ
    の音響インピーダンスが前記圧電体が有する音響インピ
    ーダンスと前記中間層が有する音響インピーダンスとの
    幾何平均値であり、且つ当該音響整合層を通過する前記
    超音波信号の中心周波数に対応する波長をλとすると
    き、積層方向の厚みw1 が 【数1】 w1 =1/4×λ(2n−1){n≧1:整数} で決まる値又はその近傍の値に設定された請求項1、
    2、又は3記載の超音波プローブ。
  6. 【請求項6】 前記中間層と前記バッキング材との間に
    音響整合層を介在させるとともに、この音響整合層は、
    その音響インピーダンスが前記中間層が有する音響イン
    ピーダンスと前記バッキング材が有する音響インピーダ
    ンスとの幾何平均値であり、且つ当該音響整合層を通過
    する前記超音波信号の中心周波数に対応する波長をλと
    するとき、積層方向の厚みw2 が、 【数2】 w2 =1/4×λ(2n−1){n≧1:整数} で決まる値又はその近傍の値に設定された請求項1、
    2、3、又は5記載の超音波プローブ。
  7. 【請求項7】 圧電振動子と、この圧電振動子の背面側
    に設けられ、当該圧電振動子の前面から送受信される超
    音波信号に係る信号処理を行なう信号処理回路とを内蔵
    し、内部に充填材を充填せしめて形成された超音波プロ
    ーブにおいて、前記超音波プローブを前記圧電振動子に
    接する側の第1の領域とそれ以外の第2の領域とに分
    け、この第1及び第2の領域に前記充填材として熱伝導
    率の異なる2つの充填材を充填させるとともに、前記第
    1の領域に充填される充填材は、前記第2の領域に充填
    される充填材が有する熱伝導率よりも低い熱伝導率を有
    したことを特徴とする超音波プローブ。
  8. 【請求項8】 前記第1及び第2の領域は、前記信号処
    理回路の前記圧電振動子側の前面を境界の一部として形
    成された請求項7記載の超音波プローブ。
  9. 【請求項9】 前記第1及び第2の領域は、前記信号処
    理回路の側面を切断する面を境界の一部として形成され
    た請求項7記載の超音波プローブ。
  10. 【請求項10】 前記第1の領域に充填される充填材は
    発泡性の樹脂材料であり、前記第2の領域に充填される
    充填材は非発泡性の樹脂材料である請求項7、8、又は
    9記載の超音波プローブ。
JP6318776A 1994-12-21 1994-12-21 超音波プローブ Pending JPH08182094A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6318776A JPH08182094A (ja) 1994-12-21 1994-12-21 超音波プローブ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6318776A JPH08182094A (ja) 1994-12-21 1994-12-21 超音波プローブ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08182094A true JPH08182094A (ja) 1996-07-12

Family

ID=18102822

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6318776A Pending JPH08182094A (ja) 1994-12-21 1994-12-21 超音波プローブ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08182094A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010143387A1 (ja) * 2009-06-08 2010-12-16 パナソニック株式会社 超音波探触子
WO2014076973A1 (ja) * 2012-11-19 2014-05-22 コニカミノルタ株式会社 超音波探触子

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010143387A1 (ja) * 2009-06-08 2010-12-16 パナソニック株式会社 超音波探触子
US8519600B2 (en) 2009-06-08 2013-08-27 Panasonic Corporation Ultrasonic transducer
JP5741432B2 (ja) * 2009-06-08 2015-07-01 コニカミノルタ株式会社 超音波探触子
WO2014076973A1 (ja) * 2012-11-19 2014-05-22 コニカミノルタ株式会社 超音波探触子
JPWO2014076973A1 (ja) * 2012-11-19 2017-01-05 コニカミノルタ株式会社 超音波探触子
US9719968B2 (en) 2012-11-19 2017-08-01 Konica Minolta, Inc. Ultrasound probe

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6537224B2 (en) Multi-purpose ultrasonic slotted array transducer
JP5789618B2 (ja) 超音波探触子
US20070016064A1 (en) Convex ultrasonic probe and ultrasonic diagnostic apparatus
US7432638B2 (en) Acoustic backing composition, ultrasonic probe and ultrasonic diagnostic apparatus
JP3420954B2 (ja) 超音波探触子
US8378557B2 (en) Thermal transfer and acoustic matching layers for ultrasound transducer
WO2004064643A1 (ja) 超音波深触子及び超音波診断装置
JPH07121158B2 (ja) 超音波探触子
JPH09238399A (ja) 超音波探触子及びその製造方法
US20050075571A1 (en) Sound absorption backings for ultrasound transducers
JP3776520B2 (ja) 超音波探触子
US11691177B2 (en) Ultrasound probe with acoustic amplifier
JP5358078B2 (ja) 超音波探触子
JPH08182094A (ja) 超音波プローブ
JPH02203846A (ja) 超音波探触子
KR101638578B1 (ko) 열 분산 향상을 위한 흡음층을 가진 초음파 트랜스듀서
JP2021087493A (ja) 超音波探触子及び超音波診断装置
JPS6243640B2 (ja)
JPH08223697A (ja) 配列型の超音波探触子
JPH08275944A (ja) 配列型の超音波探触子
KR102608457B1 (ko) 초음파 진단용 프로브 및 그 제조방법
US20240099694A1 (en) Ultrasound probe and ultrasound diagnostic apparatus
US20240099693A1 (en) Ultrasound probe and ultrasound diagnostic apparatus
JPH05168094A (ja) 超音波探触子
CN115414068A (zh) 一种用于超声换能器的匹配层和制备方法