JP2021087493A - 超音波探触子及び超音波診断装置 - Google Patents

超音波探触子及び超音波診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】超音波探触子を広帯域化することである。【解決手段】超音波探触子2は、超音波を放射及び受信する圧電体部23と、圧電体部23の被検体への超音波の放射方向と反対側の背面方向に配置され、圧電体部23から放射された超音波を吸収する音響吸収層21と、圧電体部23と音響吸収層21との間で、かつ超音波が放射されるエレベーション方向の有効開口内の端部に配置され、圧電体部23に信号を出力し、圧電体部23から受信信号が入力されるFPC22と、圧電体部23と音響吸収層21との間で、かつ有効開口内のFPC22がない領域に配置され、音響周波数を調整する音響調整層27と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、超音波探触子及び超音波診断装置に関する。
超音波診断は、超音波探触子を患者の被検体の体表又は体腔内から当てるという簡単な操作で心臓や胎児の様子が超音波画像として得られ、かつ安全性が高いため繰り返して検査を行うことができる。このような超音波診断を行うために用いられる超音波診断装置が知られている。超音波画像データは、圧電体の素子(圧電素子)を有する超音波探触子から超音波が被検体に送信され、反射した超音波を超音波探触子が受信し、その受信した信号に様々な処理を行うことで得られる。
超音波探触子は、複数の層が積層された構造の積層部を有し、アジマス方向(方位方向、ラテラル方向、長軸方向、走査方向)に圧電素子が複数配列される構成を有する。図11(a)は、従来の超音波探触子2Aの積層部の縦断面の断面図である。図11(b)は、従来の超音波探触子2Bの積層部の縦断面の断面図である。
図11(a)に示す従来の超音波探触子2Aは、アジマス方向に垂直なエレベーション方向(短軸方向)に平行な面において、下面から上面に、音響吸収層21A、FPC(Flexible Printed Circuit)22A、圧電体部23A、音響整合層24Aが順に積層された積層部を有する。図11(b)に示す従来の超音波探触子2Bは、エレベーション方向に平行な面において、下面から上面に、音響吸収層21A、FPC22A、背面反射層28、圧電体部23A、音響整合層24Aが順に積層された積層部を有する。
また、FPCのアジマス方向に平行な横断面において、上面のFPC電極のアジマス方向の長さ(エレベーション方向に平行な縦断面の奥行方向の長さ)が、エレベーション方向の端部分よりも中央部分の方が狭い積層部を有する超音波プローブ(超音波探触子)が知られている(特許文献1参照)。この構成の超音波探触子により、エレベーション方向の超音波ビームの均一性を向上し、サイドローブを低減している。
特開2013−243449号公報
しかし、特許文献1の超音波探触子では、FPC電極がない部分にFPCの基材(FPCベース)があるため、当該基材の音響インピーダンスに縛られてしまうため、音響インピーダンスを下げることができず、広帯域化の効果が小さかった。
本発明の課題は、超音波探触子を広帯域化することである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の超音波探触子は、
超音波を放射及び受信する圧電体部と、
前記圧電体部の被検体への超音波の放射方向と反対側の背面方向に配置され、当該圧電体部から放射された超音波を吸収する音響吸収層と、
前記圧電体部と前記音響吸収層との間で、かつ超音波が放射されるエレベーション方向の有効開口内の端部に配置され、前記圧電体部に駆動信号を出力し、当該圧電体部から受信信号が入力されるFPC部と、
前記圧電体部と前記音響吸収層との間で、かつ前記有効開口内の前記FPC部がない領域に配置され、音響周波数を調整する音響調整層と、を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の超音波探触子において、
前記音響調整層は、音響インピーダンスが3[MRayls]未満である。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の超音波探触子において、
前記音響調整層は、音響インピーダンスが前記FPC部の音響インピーダンス未満である。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の超音波探触子において、
前記音響調整層は、シリコンゴム粒子を含む。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の超音波探触子において、
前記音響調整層は、中空粒子を含む。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の超音波探触子において、
前記FPC部は、前記音響吸収層の外側を沿うように配置されている。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の超音波探触子において、
前記FPC部は、電極層を有し、
最上部の前記電極層は、音響インピーダンスの高い導電性の材料を有する。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の超音波探触子において、
前記最上部の電極層は、音響インピーダンスが10[MRayls]以上である。
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の超音波探触子において、
前記FPC部は、電極層を有し、
最上部の前記電極層は、厚さが5[μm]以上である。
請求項10に記載の発明は、請求項1から9のいずれか一項に記載の超音波探触子において、
前記音響調整層は、前記有効開口の20[%]以上80[%]以下の割合の領域に配置されている。
請求項11に記載の発明は、請求項1から10のいずれか一項に記載の超音波探触子において、
前記FPC部と前記圧電体部との間で、かつ前記有効開口の端部に配置され、前記圧電体部から放射された背面方向の超音波を被検体の方向へ反射する背面反射層を備る。
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の超音波探触子において、
前記音響調整層は、前記有効開口内の前記背面反射層がない領域に配置されている。
請求項13に記載の発明は、請求項1から12のいずれか一項に記載の超音波探触子において、
前記FPC部と前記圧電体部との間で、かつ前記有効開口の端部に配置され、前記音響吸収層の音響インピーダンスと前記圧電体部の音響インピーダンスとの間の音響インピーダンスを有する背面整合層を備える。
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の超音波探触子において、
前記音響調整層は、前記有効開口内の前記背面整合層がない領域に配置されている。
請求項15に記載の発明の超音波診断装置は、
請求項1から14のいずれか一項に記載の超音波探触子と、
前記超音波探触子で得られた受信信号に基づいて超音波画像データを生成する画像生成部と、を備える。
本発明によれば、超音波探触子を広帯域化できる。
本発明の実施の形態の超音波診断装置の外観図である。 超音波診断装置の機能構成を示すブロック図である。 超音波探触子の積層部の斜視図である。 超音波探触子の積層部のエレベーション方向に平行な縦断面の断面図である。 FPCのエレベーション方向に平行な縦断面の断面図である。 超音波探触子の周波数応答を示す図である。 高域18[MHz]における音響調整層の音響インピーダンスに対する超音波探触子の感度を示す図である。 低域3[MHz]における電極の音響インピーダンスに対する超音波探触子の感度を示す図である。 超音波探触子の電極厚さに対するFL6を示す図である。 超音波探触子のFPCがある領域の割合に対する感度を示す図である。 (a)は、従来の第1の超音波探触子の積層部の縦断面の断面図である。図11(b)は、従来の第2の超音波探触子の縦断面の断面図である。
添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
まず、図1及び図2を参照して、本実施の形態の全体の装置構成を説明する。図1は、本実施の形態の超音波診断装置100の外観図である。図2は、超音波診断装置100の機能構成を示すブロック図である。
本実施の形態の超音波診断装置100は、病院、医院などの医療施設に設けられる。図1及び図2に示すように、超音波診断装置100は、超音波診断装置本体1と、超音波探触子2と、を備える。超音波探触子2は、図示しない患者の生体などの被検体に対して超音波(送信超音波)を送信するとともに、この被検体で反射した超音波の反射波(反射超音波:エコー)を受信する。超音波診断装置本体1は、ケーブル3を介して、超音波探触子2と接続され、超音波探触子2に電気信号の駆動信号を送信することによって被検体に対して送信超音波を送信させるとともに、超音波探触子2にて受信した被検体内からの反射超音波に応じて超音波探触子2で生成された電気信号である受信信号に基づいて被検体内の内部状態を超音波画像として画像化する。
超音波探触子2は、複数の圧電素子からなる圧電体部23を備えており、この圧電素子は、例えば、アジマス方向に一次元アレイ状に複数配列されている。本実施の形態では、例えば、192個の圧電素子を備えた超音波探触子2を用いている。なお、圧電素子は、二次元アレイ状に配列されたものであってもよい。また、圧電素子の個数は、任意に設定することができる。また、本実施の形態では、超音波探触子2について、リニア走査方式で電子走査方式の探触子を採用するが、リニア走査方式、セクタ走査方式あるいはコンベックス走査方式の何れの方式を採用することもできる。また、超音波探触子2は、電子走査方式あるいは機械操作方式のいずれも原理的には用いることができる。
図2に示すように、超音波診断装置本体1は、例えば、操作入力部11と、送信部12と、受信部13と、画像生成部14と、画像処理部15と、表示制御部16と、表示部17と、制御部18と、記憶部19と、を備える。
操作入力部11は、例えば、診断開始を指示するコマンドや被検体の個人情報などのデータの入力などを行うための各種スイッチ、各種キー(ハードキー)、トラックボール、マウス、キーボードなどを備え、医師、技師などの操作者からの操作入力に応じた操作信号を制御部18に出力する。なお、操作入力部11は、表示部17の表示画面上に形成されたタッチパネルを含み、操作者からのタッチ操作を受け付け、タッチ操作情報を制御部18に出力する構成としてもよい。
送信部12は、制御部18の制御に従って、超音波探触子2にケーブル3を介して電気信号である駆動信号を供給して超音波探触子2に送信超音波を発生させる回路である。また、送信部12は、例えば、クロック発生回路、遅延回路、パルス発生回路、若しくはそれらの機能を持つ演算回路を備える。クロック発生回路は、駆動信号の送信タイミングや送信周波数を決定するクロック信号を発生させる回路である。遅延回路は、駆動信号の送信タイミングを圧電素子毎に対応した個別経路毎に遅延時間を設定し、設定された遅延時間だけ駆動信号の送信を遅延させて送信超音波によって構成される送信ビームの集束を行うための回路である。パルス発生回路は、所定の周期で駆動信号としてのパルス信号を発生させるための回路である。上述のように構成された送信部12は、例えば、超音波探触子2に配列された圧電体部23の複数(例えば、192個)の圧電素子のうちの連続する一部(例えば、64個)を駆動して送信超音波を発生させる。
受信部13は、制御部18の制御に従って、超音波探触子2からケーブル3を介して電気信号である受信信号を受信する回路である。受信部13は、例えば、増幅器、A/D変換回路、整相加算回路を備えている。増幅器は、受信信号を、圧電素子毎に対応した個別経路毎に、予め設定された増幅率で増幅させるための回路である。A/D変換回路は、増幅された受信信号をA/D変換するための回路である。整相加算回路は、A/D変換された受信信号に対して、圧電素子毎に対応した個別経路毎に遅延時間を与えて時相を整え、これらを加算(整相加算)して音線データを生成するための回路である。
画像生成部14は、制御部18の制御に従って、受信部13からの音線データに対して包絡線検波処理やログ圧縮などを実施し、ダイナミックレンジやゲインの調整を行って輝度変換することにより、超音波画像データとしての断層画像データであるB(Brightness)モード画像データを生成する。すなわち、Bモード画像データは、受信信号の強さを輝度によって表したものである。2次元断層像を得るために、送受信に用いる開口の位置を少しずつずらす。
なお、画像生成部14は、BモードでのBモード画像データだけでなく、A(Amplitude)モード、M(Motion)モード、カラードプラモードなど、他の画像モードの超音波画像データなどが生成できるものであってもよい。
画像処理部15は、制御部18の制御に従って、画像生成部14から出力されたBモード画像データに対して情報処理を施す。画像処理部15は、画像メモリー部15aを有する。画像メモリー部15aは、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体メモリーによって構成され、画像生成部14から出力されたBモード画像データをフレーム単位で一時的に記憶する。画像処理部15は、制御部18の制御に従って、画像メモリー部15aに記憶されたBモード画像データを表示制御部16に送信する。
表示制御部16は、制御部18の制御に従って、画像処理部15より受信したBモード画像データに座標変換などを施して表示部17用の画像信号に変換して表示部17に出力する。
表示部17は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electronic Luminescence)ディスプレイ、無機ELティスプレイ及びプラズマディスプレイなどの表示装置が適用可能である。表示部17は、制御部18からの表示制御情報、又は表示制御部16から出力された画像信号に従って表示画面上に超音波画像(Bモード画像)などの表示情報の表示を行う。
制御部18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備え、ROMに記憶されているシステムプログラムなどの各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムに従って超音波診断装置100の各部の動作を集中制御する。ROMは、半導体などの不揮発メモリーなどにより構成され、超音波診断装置100に対応するシステムプログラム及び該システムプログラム上で実行可能な、例えば、後述する超音波画像表示処理を実行するための超音波画像表示プログラムなどの各種処理プログラムや、ガンマテーブルなどの各種データなどを記憶する。これらのプログラムは、コンピューターが読み取り可能なプログラムコードの形態で格納され、CPUは、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。RAMは、CPUにより実行される各種プログラム及びこれらプログラムに係るデータを一時的に記憶するワークエリアを形成する。
記憶部19は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの大容量記録媒体によって構成されており、超音波画像データなどを記憶する。
超音波診断装置100が備える各部について、各々の機能ブロックの一部又は全部の機能は、集積回路などのハードウェア回路として実現することができる。集積回路とは、例えばLSI(Large Scale Integration)であり、LSIは集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよいし、FPGA(Field Programmable Gate Array)やLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。また、各々の機能ブロックの一部又は全部の機能をソフトウェアにより実行するようにしてもよい。この場合、このソフトウェアは一つ又はそれ以上のROMなどの記憶媒体、光ディスク、又はハードディスクなどに記憶されており、このソフトウェアが演算処理器により実行される。
つぎに、図3〜図5を参照して、超音波探触子2の装置構成を説明する。図3は、超音波探触子2の積層部の斜視図である。図4は、超音波探触子2の積層部のエレベーション方向に平行な縦断面の断面図である。図5は、FPC22のエレベーション方向に平行な縦断面の断面図である。
図3、図4に示すように、超音波探触子2の筐体内部は、アジマス方向と、アジマス方向に垂直なエレベーション方向と、の平面上に、複数の部材が積層された積層部を有する。超音波探触子2は、下面(背面)から上面(被検体側)へ、音響吸収層21と、FPC部としてのFPC22及び音響調整層27と、圧電体部23と、音響整合層24と、音響レンズ25と、を順に有し、また充填部26を有する。これらの各層間は、接着剤を用いて接着されることで、超音波探触子2が形成されている。図4の超音波探触子2の積層部のエレベーション方向の有効開口は、圧電体部23から被検体へ超音波が放射されるエレベーション方向の開口部分となる。
また、図4に示すように、超音波探触子2は、FPC22に対応する層において、エレベーション方向に平行な縦断面の左右の端部にFPC22が配置され、同じく中央部分に音響調整層27が配置されている。ただし、図3では、積層部分から露出したFPC22については、図示を省略している。
音響吸収層21は、FPC22、圧電体部23、音響調整層27、音響整合層24、音響レンズ25を支持し、圧電体部23から出力された不要な超音波を吸収する超音波吸収体である。音響吸収層21は、圧電体部23の被検体に超音波を送受信する方向と反対の板面(背面)に装着され、被検体方向の反対側に発生する超音波を吸収する。
音響吸収層21を構成する材料(音響吸収材)としては、天然ゴム、フェライトゴム、エポキシ樹脂や、これらの材料に酸化タングステンや酸化チタン、フェライト等の粉末を入れてプレス成形したゴム系複合材やエポキシ樹脂複合材、塩化ビニル、ポリビニルブチラール(PVB)、ABS樹脂、ポリウレタン(PUR)、ポリビニルアルコール(PVAL)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)、ポリエチレンテレフタレート(PETP)、フッ素樹脂(PTFE)ポリエチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート−ポリエチレングリコール共重合体などの熱可塑性樹脂などが適用できる。好ましい音響吸収材としては、ゴム系複合材料、及び/又は、エポキシ樹脂複合材からなるものであり、その形状は圧電体部23やこれを含む超音波探触子2のヘッドの形状に応じて、適宜選択することができる。
FPC22は、圧電体部23と音響吸収層21との間に配置され、超音波診断装置本体1から電気信号を圧電体へ伝達するために配置される。FPC22は、下面から上面へ、複数の層を有する積層構造とされ、電極層と基板層とを有する。電極層には、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)などが使われる。基板層には、ポリイミドやポリエステルなどが使われる。また、カバーレイなどで電極がカバーされていてもよい。カバーレイには基材で使われるような材料が使用されており、カバーレイを接着させる接着剤としては、エポキシ樹脂や、アクリル樹脂などの接着剤が使用される。
図5に示すように、例えば、FPC22は、下面から上面へ、基板層221と、接着剤層222と、(下部)電極層223と、基板層224と、(上部)電極層225と、を順に有する。なお、図5のFPC22では、基板層221,224、電極層223,225は、それぞれ2層ずつとしたが、これに限定されるものではなく、基板層と電極層とが、各一層ずつや、それぞれ3層以上の複数層としてもよい。
圧電体部23は、電気信号を印加することで超音波を発生させる層である。圧電体部23に用いられる材料(圧電材)としては、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、リラクサ系,ニオブ酸鉛系及びチタン酸鉛系のセラミック等の圧電セラミックや、チタン酸亜鉛酸ニオブ酸鉛(PZNT)、マグネシウム酸ニオブ酸チタン酸(PMNT)などの単結晶が好適である。
圧電体部23は、被検体へ超音波を放射する方向に対して圧電素子(図3の1素子)に分割するための切込(溝)が入れられ、その隙間には充填材が充填されて充填部26が形成される。なお、圧電体部23は、複合圧電体でもよい。複合圧電体は、被検体へ超音波を放射する方向に対して複合圧電体とするための切込(溝)が入れられ、その隙間には充填材が充填されて充填部が形成される。複合圧電体は、当該充填部の充填材を含めて圧電素子として機能する。複合圧電体は、電気機械結合係数が圧電材と概ね同等である一方で、音響インピーダンスを圧電材に比べて下げることができる。これにより、音響整合層との音響インピーダンス差を小さくすることができ、共振周波数特性は、広い周波数帯域を有することができる。
圧電体部23の超音波を送受する面及びそれに対向する面には、一対の電極層である電極と共通電極とが設けられている。この電極は、信号引き出しのFPC22からの電源電圧を圧電体部23に対して印加する。また、この共通電極は、グランド引き出しのFPC22を通じてアース接続される。なお、圧電体部23の側面に回り込み電極を設け、圧電体下面側で電極と絶縁されるように共通電極を引き出す構成にし、FPC22を通じて電源やアースと接続してもよい。これら電極及び共通電極に用いられる材料としては、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)などが挙げられる。電極及び共通電極は、まず、チタン(Ti)やクロム(Cr)などの下地金属をスパッタ法により0.002〜1.0[μm]の厚さに形成した後、上記金属元素を主体とする金属及びそれらの合金からなる金属材料、さらには必要に応じ一部絶縁材料をスパッタ法、蒸着法その他の適当な方法で0.02〜10[μm]の厚さに形成する。これらの電極形成はスパッタ法以外でも微粉末の金属粉末と低融点ガラスを混合した導電ペーストをスクリーン印刷やディッピング法、溶射法で形成することもできる。
音響整合層24は、圧電体部23と被検体の間の音響インピーダンスを整合させ、境界面での超音波の反射を抑制するものである。音響整合層24は、超音波の送受信が行われる圧電体部23の送受信方向である被検体側に、圧電体部23の共通電極を介して装着される。音響整合層24は、圧電体部23と被検体との概ね中間の音響インピーダンスを有する。
音響整合層24は、単層でもよいし複数層から構成されてもよいが、好ましくは2層以上、より好ましくは4層以上であるとよい。ここでは、音響整合層24は、下面から上面へ、音響整合層24a,24bの2層を有するものとした。音響整合層24aの音響インピーダンスは、音響整合層24bの音響インピーダンスよりも圧電体部23の音響インピーダンスに近い。音響整合層24a,24bの層厚は、超音波の波長をλとすると、λ/4となるように定めるのが好ましい。音響整合層の層厚が適切になされないと、本来の共振周波数とは異なる周波数ポイントに複数の不要スプリアスが出現し、基本音響特性が大きく変動してしまう場合がある。結果、残響時間の増加、反射エコーの波形歪みによる感度やS/N(Signal/Noise Ratio)の低下を引き起こす場合がある。このような音響整合層24a,24bの厚さとしては、通常、概ね20〜500[μm]の範囲のものが用いられる。
音響整合層24a,24bに用いられる材料としては、アルミ、アルミ合金(例えばAL−Mg合金)、マグネシウム合金、マコールガラス、ガラス、溶融石英、コッパーグラファイト、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)、ABC樹脂、ABS樹脂、AAS樹脂、AES樹脂、ナイロン(PA6、PA6−6)、PPO(ポリフェニレンオキシド)、PPS(ポリフェニレンスルフィド:ガラス繊維入りも可)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PAI(ポリアミドイミド)、PETP(ポリエチレンテレフタレート)、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂などを用いることができる。音響整合層24a,24bに用いられる材料としては、好ましくはエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂に、充填剤として、亜鉛華、酸化チタン、シリカやアルミナ、ベンガラ、フェライト、酸化タングステン、酸化イットリビウム、硫酸バリウム、タングステン、モリブデンなどを入れて成形したものが適用できる。
充填部26は、圧電体部23を複数の圧電素子に分割するため、エレベーション方向に平行に上面から下面へ、音響整合層24、圧電体部23、FPC22と、音響吸収層21の途中までと、に切込(溝)が形成され、その切込に充填材が充填されることにより形成される。充填材としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリウレタン樹脂等の有機合成高分子材を用いることができる。なお、天然ゴムなどの有機天然高分子材を適用してもよい。
また、圧電体部23を複合圧電体にする場合に、アジマス方向に平行に上面から下面へ、圧電体部23に切込(溝)が形成され、その切込に充填材が充填されることにより形成される。複合圧電体に適用される充填材は、充填部26と同様の充填材を用いることができる。複合圧電体に適用される充填材の有機高分子材は、切断処理時における圧電材料に対する物理的損傷を防止することができる。複合圧電体に適用される充填材の有機高分子材は、切断処理時の切削加工精度を良好にするため所定の硬度を有する硬質樹脂を適用するのがよく、例えば、ロックウェル硬度が80以上のものが好適である。また、アレイ化した後の素子特性を良好にするため、高分子材の音速として1[km/s]以上が好適である。例えば、音速が2[km/s]以上であり、ロックウェル硬度がM80以上であるエポキシ樹脂が適用される。これらの有機高分子材は、上述した圧電材料に比べて比熱が大きく、熱伝導率が小さいので、後述する切断処理において発生する摩擦熱等の熱ダメージを抑制することができる。例えば、エポキシ樹脂は、熱伝導率が約0.2[W/(m・K)]であり、比熱及び熱伝導率の点で有利である。なお、有機高分子材に代えて、無機高分子材を適用してもよい。
上述のように構成された圧電体部23は、上記圧電材や単結晶などの圧電材を所定の大きさにダイヤモンド砥石などを使用して切削し、所定間隔の間隙を設けて複数の圧電素子を形成する。複数の圧電素子をモールドにより成形してもよい。そして、圧電体部23の複数の圧電素子間における間隙を含む切込(溝)に上記充填材を充填・硬化させて充填部26を形成する。
音響レンズ25は、例えば、被検体と音響整合層24との中間の音響インピーダンスを有する軟質の高分子材料により構成される。当該高分子材料の例には、シリコーン系ゴム、ブタジエン系ゴム、ポリウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、及び、エチレンとプロピレンとを共重合させてなるエチレン−プロピレン共重合体ゴム、が含まれる。中でも、上記高分子材料は、シリコーン系ゴム及びブタジエン系ゴムからなることが好ましい。上記シリコーン系ゴムの例には、シリコーンゴム及びフッ素シリコーンゴムが含まれる。特に、音響レンズ25の特性の観点からは、シリコーンゴムが好ましい。当該シリコーンゴムとは、Si−O結合からなる分子骨格を有し、そのSi原子に複数の有機基が主結合したオルガノポリシロキサンをいい、通常は、その主成分はメチルポリシロキサンで、その全体の有機基のうち90%以上がメチル基である。上記シリコーンゴムは、上記メチルポリシロキサンのメチル基の少なくとも一部が、水素原子、フェニル基、ビニル基又はアリル基も置き換わっていてもよい。
上記シリコーンゴムは、例えば、高重合度のオルガノポリシロキサンに過酸化ベンゾイルなどの硬化剤(加硫剤)を混練し、加熱加硫し硬化させることにより得ることができる。音響レンズにおける音速の調整や密度の調整などの目的に応じ、シリカやナイロン粉末などの有機又は無機の充填剤や、硫黄や酸化亜鉛などの加硫助剤などがさらに添加されてもよい。
音響調整層27は、圧電体部23と音響吸収層21との間に配置され、圧電体部23で発生した超音波を整合、反射する層であり、圧電体部23の被検体と反対側の面(背面)に配置される。音響調整層27は、圧電体部23とFPC22と音響吸収層21とが接着される際に充填されてもよいし、シート状の材料を挟み込んであってもよい。
電圧を印加するために使用されているFPC22がある領域とない領域(音響調整層27がある領域)とを超音波探触子2に設けることで、共振周波数が違う領域を作成することができる。FPC22を設けている領域では、FPCが付加されているため、共振周波数が下がり周波数が低い周波数応答を有する。一方、FPC22を設けていない領域においては、代わりに音響インピーダンスの小さい音響調整層27があるため、FPCが付加されている場合に比べて共振周波数を高くすることができ、高周波な周波数応答となる。
これら二つ以上の領域を設けることにより、広帯域にすることができ、ペネトレーションと分解能との両立を実現することが可能となる。ペネトレーションに寄与する外側部分(端部)には、共振周波数が低くなる構成(FPC22)にし、中央部分においては、共振周波数を高くする構成(音響調整層27)にすることで、より高分解能な画像にすることができる。
音響調整層27の材料としては、音響整合層24、充填剤、接着材に使われているような材料でもよい。例えば、エポキシ樹脂とフィラーを用いて、フィラーの含有量を調整し、音響インピーダンスを連続的に変化させた材料でもよい。フィラーは2種類以上の材料を使用していてもよい。特に音響インピーダンスを低くすることができるシリコンゴム粒子や中空粒子などをフィラーとして用いるのがよい。また、音響調整層27は、充填ではなく、シート状の材料を挟み込んでもよい。また、超音波探触子2は、使用されるFPC層を、1層だけではなく、2層以上の複数層を有していてもよい。
つぎに、図6〜図10を参照して、超音波探触子2の各種シミュレーションの結果を説明する。図6は、超音波探触子2の周波数応答を示す図である。図7は、高域18[MHz]における音響調整層27の音響インピーダンスに対する超音波探触子2の感度を示す図である。図8は、低域3[MHz]における電極層225の音響インピーダンスに対する超音波探触子2の感度を示す図である。図9は、超音波探触子2の電極厚さに対するFL6を示す図である。図10は、超音波探触子2のFPC22がある領域の割合に対する感度を示す図である。
まず、図6に示すように、図4、図5の構成の超音波探触子2のエレベーション方向に平行な縦断面において、FPC22がある領域と、音響調整層27がある領域と、のループゲインをシミュレーションした。ループゲイン[dB]は、超音波探触子2から放射した超音波が反射板で帰ってきた超音波のゲインを示す物理量であり、感度と同じである。また、シミュレーションの条件として、超音波探触子2のFPC22の基板層221をポリイミド製で厚さを13[μm]とし、接着剤層222の厚さを16[μm]とし、電極層223を銅製で厚さを3[μm]とし、基板層224をポリイミド製で厚さを25[μm]とし、電極層225を金メッキの銅製で厚さを12.5[μm]とした。また、音響調整層27には、音響インピーダンスが1.5[MRayls]の材料を使用した。
図6において、上記条件の超音波探触子2の周波数[MHz]に対する、FPC22がある領域のループゲイン[dB]を実線で示し、同じく音響調整層27がある領域のループゲイン[dB]を一点鎖線で示した。FPC22がある領域は、低周波にシフトしており、中央部のFPC22が存在せずに音響調整層27がある領域においては、高周波な周波数成分を持っている。このため、超音波探触子2は、広帯域になっている。
ついで、図7に示すように、図6と同様の条件の超音波探触子2について、音響調整層27の音響インピーダンス[MRayls]に対する高域(高い周波数帯域)18[MHz]の感度[dB]をシミュレーションした。ただし、超音波探触子2のFPC22の電極層225の厚さを50[μm]とし、音響調整層27の音響インピーダンスを変化させた。また、図7で、FPC22の基板層221,224の音響インピーダンスを3[MRayls]として破線で示した。
図7において、超音波探触子2は、音響調整層27の音響インピーダンスが低いほど、高域の感度を上げることができ、広帯域になる。特に、音響調整層27の音響インピーダンスが、基板層221,224の音響インピーダンスである3[MRayls]未満であると、高域の感度をより高くすることができ、超音波探触子2は、より広帯域になる。
ついで、図8に示すように、図6と同様の条件の超音波探触子2について、電極層225の音響インピーダンス[MRayls]に対する低域(低い周波数帯域)3[MHz]の感度[dB]をシミュレーションした。ただし、超音波探触子2のFPC22の電極層225の厚さを50[μm]とし、電極層225の音響インピーダンスを変化させた。また、図8で、電極層225の音響インピーダンスが、音響吸収層21、音響調整層27の音響インピーダンスよりも高い10[MRayls]の場合と、超音波探触子2の低域の感度が−80[dB]の場合と、を破線で示した。
図8において、超音波探触子2は、電極層225の音響インピーダンスが高いほど、低域の感度が高くなり、広帯域になる。特に、電極層225の音響インピーダンスが10[MRayls]以上であると、低域の感度をより高くすることができ、超音波探触子2は、より広帯域になる。
ついで、図9に示すように、図6と同様の条件の超音波探触子2について、電極層225の厚さ[μm]に対するFL6[MHz]をシミュレーションした。FL6[MHz]は、超音波探触子2の感度のピーク値から−6dB感度低下したときの低い側の周波数である。ただし、超音波探触子2のFPC22の電極層225を銅製とし、最上部の電極層225の厚さを変化させた。
図9において、超音波探触子2は、電極層225の厚さが厚いほど、FL6が低周波に推移しており、広帯域になる。特に、電極層225の厚さが5[μm]以上であると、FL6をより低くすることができ、超音波探触子2は、より広帯域になる。
ついで、図10に示すように、図6と同様の条件の超音波探触子2について、エレベーション方向に平行な縦断面における有効開口に対するFPC22がある領域(のエレベーション方向の長さ)の割合[%]をシミュレーションした。ただし、超音波探触子2のFPC22の電極層225の厚さを25[μm]とし、FPC22がある領域の割合を変化させた。また、図10で、超音波探触子2の深部(距離20[mm])での低周波(3[MHz])感度を「△」で示し、同じく浅部(距離10[mm])での高周波(18[MHz])感度を「●」で示し、同じく当該深部での低周波感度と当該浅部での高周波感度との合計感度を「〇」で示した。さらに、超音波探触子2のエレベーション方向に平行な縦断面における有効開口に対するFPC22が全面にない場合が、FPC22がある領域の割合0[%]に対応し、同じく有効開口に対するFPC22が全面にある場合が、FPC22がある領域の割合100[%]に対応する。
図10において、超音波探触子2は、FPC22がある領域の割合0[%]の合計感度[dB]と、FPC22がある領域の割合100[%]の合計感度[dB]と、のいずれよりも、破線の枠の領域内の合計感度[dB]が高い。これにより、超音波探触子2の有効開口のうちFPC22がある領域の割合が20〜80[%]である場合に、超音波探触子2は、広帯域になる。
以上、本実施の形態によれば、超音波探触子2は、超音波を放射及び受信する圧電体部23と、圧電体部23の被検体への超音波の放射方向と反対側の背面方向に配置され、圧電体部23から放射された超音波を吸収する音響吸収層21と、圧電体部23と音響吸収層21との間で、かつ超音波が放射されるエレベーション方向の有効開口内の端部に配置され、圧電体部23に駆動信号を出力し、圧電体部23から受信信号が入力されるFPC22と、圧電体部23と音響吸収層21との間で、かつ有効開口内のFPC22がない領域に配置され、音響周波数を調整する音響調整層27と、を備える。
このため、音響調整層27により高域の感度を高くすることができるので、超音波探触子2を広帯域化できる。
また、音響調整層27は、音響インピーダンスが3[MRayls]未満である。このため、高域の感度をより高くすることができ、超音波探触子2をより広帯域にできる。
また、音響調整層27は、音響インピーダンスがFPC22の基板層221,224の音響インピーダンス未満である。このため、高域の感度をより高くすることができ、超音波探触子2をより広帯域にできる。
また、音響調整層27は、シリコンゴム粒子を含む。このため、シリコンゴム粒子により音響インピーダンスを低くするので、音響調整層27に対応する中央部分の高域の感度をより高くすることができ、超音波探触子2をより広帯域にできる。
また、音響調整層27は、中空粒子を含む。このため、中空粒子により音響インピーダンスを低くするので、音響調整層27に対応する中央部分の高域の感度をより高くすることができ、超音波探触子2をより広帯域にできる。
また、FPC22は、音響吸収層21の外側を沿うように配置されている。このため、FPC22の電極引き出しを容易にすることができる。
また、FPC22は、電極層223,225を有する。最上部の電極層225は、音響インピーダンスの高い導電性の材料を有する。このため、感度の低周波側を広げて周波数ずらしの効果を大きくすることができ、超音波探触子2をより広帯域にできる。
また、最上部の電極層225は、音響インピーダンスが10[MRayls]以上である。このため、感度の低周波側を広げることができ、超音波探触子2をより広帯域にできる。
また、最上部の電極層225は、厚さが5[μm]以上である。このため、感度の低周波側をより広げることができ、超音波探触子2をより広帯域にできる。
また、音響調整層27は、有効開口の20[%]以上80[%]以下の割合の領域に配置されている。このため、深部での低周波感度と浅部での高周波感度との合計感度を高くすることができ、超音波探触子2をより広帯域にできる。
また、超音波診断装置100は、超音波探触子2と、超音波探触子2から得られた受信信号に基づいて超音波画像データを生成する画像生成部14と、を備える。このため、超音波探触子2を広帯域化できる。
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る好適な超音波探触子及び超音波診断装置の一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、超音波探触子2の積層部が、FPC22と圧電体部23との間(圧電体部23の放射面と反対の背面側)で、かつエレベーション方向の有効開口の端部に配置された背面反射層を備える構成としてもよい。背面反射層は、圧電体部23から背面方向に放射された超音波を被検体への方向に反射する層である。このため、背面反射層の材料は、タングステンやタンタルなど、圧電体部23より大きな音響インピーダンスを有する材料である。背面反射層は、単層でもよいし複数層から構成されてもよい。背面反射層の一方の面は圧電体部23の裏面と接合され、他方の面はFPC22を介して音響吸収層21と接合される。背面反射層は、複合圧電体のように分割され、分割の切込(溝)には圧電素子間の切込の充填材のような材料、音響調整層のような材料が充填されてもよい。
さらに、音響調整層27が、有効開口内の背面反射層がない領域にも配置されている構成としてもよい。つまり、FPC部22に合わせて、層の外側(有効開口内の端部)を背面反射層、同層の内側(有効開口内の中央部)を音響調整層という形にしてもよい。この構成により、音響調整層27により超音波探触子2を広帯域化できるとともに、背面反射層により圧電体部23から背面方向に放射される超音波を、被検体への方向に反射させ、被検体に入射する超音波のパワーを増加させことができる。
また、超音波探触子2の積層部が、FPC22と圧電体部23との間(圧電体部23の放射面と反対の背面側)で、かつエレベーション方向の有効開口の端部に配置された背面整合層(中間層)を備える構成としてもよい。背面整合層は、圧電体部23と音響吸収層21との音響インピーダンスを整合する層で、圧電体部23の音響インピーダンスと音響吸収層21の音響インピーダンスとの間の音響インピーダンスを有する。背面整合層は、単層でもよいし複数層から構成されてもよい。背面整合層に用いられる材料としては、音響整合層24で使われるような材料が適用できる。また、背面整合層に用いられる材料は、FPC22と圧電体部23とを電気的に接続するように導電性の材料でもよいし、内部や外側に導電部を有していてもよい。また、背面整合層に用いられる材料は、導電性のフィラーなどを混ぜ込み、導電性を付加した材料でもよい。背面整合層は、複合圧電材のように分割され、分割の切込(溝)には圧電素子間の切込の充填材のような材料、音響調整層のような材料が充填されてもよい。
さらに、音響調整層27が、エレベーション方向の有効開口内の背面整合層がない領域にも配置されている構成としてもよい。つまり、FPC部22に合わせて、層の外側(有効開口内の端部)を背面整合層、同層の内側(有効開口内の中央部)を音響調整層という形にしてもよい。この構成により、音響調整層27により超音波探触子2を広帯域化できるとともに、背面方向の超音波が被検体への方向に反射されるのを防ぎ、効率的に音響吸収層75に吸収させることができる。
また、以上の実施の形態における超音波診断装置100を構成する各部の細部構成及び細部動作に関して本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
100 超音波診断装置
1 超音波診断装置本体
11 操作入力部
12 送信部
13 受信部
14 画像生成部
15 画像処理部
15a 画像メモリー部
16 表示制御部
17 表示部
18 制御部
19 記憶部
2,2A,2B 超音波探触子
21,21A 音響吸収層
22,22A FPC
221,224 基板層
222 接着剤層
223,225 電極層
23,23A 圧電体部
24,24a,24b,24A 音響整合層
25 音響レンズ
26 充填部
27 音響調整層
28 背面反射層
3 ケーブル

Claims (15)

  1. 超音波を放射及び受信する圧電体部と、
    前記圧電体部の被検体への超音波の放射方向と反対側の背面方向に配置され、当該圧電体部から放射された超音波を吸収する音響吸収層と、
    前記圧電体部と前記音響吸収層との間で、かつ超音波が放射されるエレベーション方向の有効開口内の端部に配置され、前記圧電体部に駆動信号を出力し、当該圧電体部から受信信号が入力されるFPC部と、
    前記圧電体部と前記音響吸収層との間で、かつ前記有効開口内の前記FPC部がない領域に配置され、音響周波数を調整する音響調整層と、を備える超音波探触子。
  2. 前記音響調整層は、音響インピーダンスが3[MRayls]未満である請求項1に記載の超音波探触子。
  3. 前記音響調整層は、音響インピーダンスが前記FPC部の音響インピーダンス未満である請求項1又は2に記載の超音波探触子。
  4. 前記音響調整層は、シリコンゴム粒子を含む請求項1から3のいずれか一項に記載の超音波探触子。
  5. 前記音響調整層は、中空粒子を含む請求項1から4のいずれか一項に記載の超音波探触子。
  6. 前記FPC部は、前記音響吸収層の外側を沿うように配置されている請求項1から5のいずれか一項に記載の超音波探触子。
  7. 前記FPC部は、電極層を有し、
    最上部の前記電極層は、音響インピーダンスの高い導電性の材料を有する請求項1から6のいずれか一項に記載の超音波探触子。
  8. 前記最上部の電極層は、音響インピーダンスが10[MRayls]以上である請求項7に記載の超音波探触子。
  9. 前記FPC部は、電極層を有し、
    最上部の前記電極層は、厚さが5[μm]以上である請求項1から8のいずれか一項に記載の超音波探触子。
  10. 前記音響調整層は、前記有効開口の20[%]以上80[%]以下の割合の領域に配置されている請求項1から9のいずれか一項に記載の超音波探触子。
  11. 前記FPC部と前記圧電体部との間で、かつ前記有効開口の端部に配置され、前記圧電体部から放射された背面方向の超音波を被検体の方向へ反射する背面反射層を備る請求項1から10のいずれか一項に記載の超音波探触子。
  12. 前記音響調整層は、前記有効開口内の前記背面反射層がない領域に配置されている請求項11に記載の超音波探触子。
  13. 前記FPC部と前記圧電体部との間で、かつ前記有効開口の端部に配置され、前記音響吸収層の音響インピーダンスと前記圧電体部の音響インピーダンスとの間の音響インピーダンスを有する背面整合層を備える請求項1から12のいずれか一項に記載の超音波探触子。
  14. 前記音響調整層は、前記有効開口内の前記背面整合層がない領域に配置されている請求項13に記載の超音波探触子。
  15. 請求項1から14のいずれか一項に記載の超音波探触子と、
    前記超音波探触子で得られた受信信号に基づいて超音波画像データを生成する画像生成部と、を備える超音波診断装置。
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