JPWO2014073610A1 - ドリル及び穿孔の形成方法 - Google Patents

ドリル及び穿孔の形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2014073610A1
JPWO2014073610A1 JP2014545750A JP2014545750A JPWO2014073610A1 JP WO2014073610 A1 JPWO2014073610 A1 JP WO2014073610A1 JP 2014545750 A JP2014545750 A JP 2014545750A JP 2014545750 A JP2014545750 A JP 2014545750A JP WO2014073610 A1 JPWO2014073610 A1 JP WO2014073610A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cutting
spiral
groove
finishing
blade
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014545750A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6393620B2 (ja
Inventor
輝雄 沢辺
輝雄 沢辺
斉藤 耕治
耕治 斉藤
加藤 勝
勝 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MIYAGITANOI CO., LTD.
Akita Prefecture
Original Assignee
MIYAGITANOI CO., LTD.
Akita Prefecture
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MIYAGITANOI CO., LTD., Akita Prefecture filed Critical MIYAGITANOI CO., LTD.
Publication of JPWO2014073610A1 publication Critical patent/JPWO2014073610A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6393620B2 publication Critical patent/JP6393620B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B51/00Tools for drilling machines
    • B23B51/0018Drills for enlarging a hole
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B51/00Tools for drilling machines
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B51/00Tools for drilling machines
    • B23B51/02Twist drills
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B51/00Tools for drilling machines
    • B23B51/06Drills with lubricating or cooling equipment
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B2226/00Materials of tools or workpieces not comprising a metal
    • B23B2226/27Composites
    • B23B2226/275Carbon fibre reinforced carbon composites
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B2250/00Compensating adverse effects during turning, boring or drilling
    • B23B2250/12Cooling and lubrication
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23BTURNING; BORING
    • B23B2251/00Details of tools for drilling machines
    • B23B2251/24Overall form of drilling tools
    • B23B2251/248Drills in which the outer surface is of special form
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T408/00Cutting by use of rotating axially moving tool
    • Y10T408/03Processes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T408/00Cutting by use of rotating axially moving tool
    • Y10T408/44Cutting by use of rotating axially moving tool with means to apply transient, fluent medium to work or product
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T408/00Cutting by use of rotating axially moving tool
    • Y10T408/89Tool or Tool with support
    • Y10T408/904Tool or Tool with support with pitch-stabilizing ridge
    • Y10T408/9046Tool or Tool with support with pitch-stabilizing ridge including tapered section
    • Y10T408/90473Tool or Tool with support with pitch-stabilizing ridge including tapered section including work-embracing cutting edges
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T408/00Cutting by use of rotating axially moving tool
    • Y10T408/89Tool or Tool with support
    • Y10T408/909Having peripherally spaced cutting edges

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Drilling Tools (AREA)
  • Drilling And Boring (AREA)
  • Auxiliary Devices For Machine Tools (AREA)

Abstract

CFRP等の難削加工材の穴あけ加工が高品位に効率良く行えるドリルを提供する後部側をシャンク部2とし前部側を切削部3とするドリル本体4と、切削部3に形成された第1のランドA〜第4のランドDと、このランド間に形成された第1の切削部溝5a〜第4の切削部溝5dと、切削部3の先端に設けられたパイロット刃6と、このパイロト刃6に続いて形成された拡径螺旋山AK1〜DK4の山群からなる拡径螺旋山部9と、この拡径螺旋山部9に続いて形成された山の高さが同じ仕上螺旋山AF1〜DF5(図2参照)の山群からなる仕上螺旋山部12と、拡径螺旋山AK1〜DK4拡径刃の刃群からなる拡径螺旋刃部18と、仕上螺旋山AF1〜DF5仕上刃の刃群からなる仕上螺旋刃部19とからなり、切削送り量が前記被加工材に切削形成される切削穴の壁面に螺旋凸部位が形成されない平璧面仕上とする送り量としている。

Description

本発明は、特にCFRP(炭素繊維強化プラスチック)、BFRP(ボロン繊維強化プラスチック)、AFRP、(アラミド繊維強化プラスチック)、KFRP等のFRP(繊維強化プラスチック)に代表される、加工の難しい材料により構成された部材(難削加工部材)の穴あけ(穿孔)に適したドリル及び穿孔の形成方法に関するものである。
FRPに代表される繊維強化複合材、中でもCFRPは自動車・船舶・医療機器・鉄道車両・航空・宇宙分野などの用途に軽量・高性能な材料として使用されている。
特許文献1には、このような繊維強化複合材の穴あけに用いるドリルが記載されている。
特開2009-172708号公報
しかしながら、CFRPの切削加工は加工が難しく、デラミネーション(層間剥離)、表面剥離、未切断の繊維によるバリ、または樹脂や繊維の欠損が生じやすい。さらに、繊維が繊維軸半径方向に割れやすく微粉となるため、さらなる加工効率の向上が大きな課題となっている。
即ち、CFRPは細い炭素繊維をエポキシ樹脂等で固めて作っているため、ガラス転移温度(Tg)が250℃〜350℃と低温である。そのため、工具の切れ味が低下すると加工トルク(切削抵抗)の上昇(増大)と切削温度上昇、該切削温度上昇による樹脂軟性化ないし粘性化(以下「軟性化」という。)し易い。
この樹脂軟性化により樹脂剥離がしやすくなり、さらに先端刃の切れ味が低下する。これにより、炭素繊維の一部が切断されずに残り非切断長尺繊維が増大する。また、この非切断長尺繊維が回転工具に巻き込まれて引っ張られることによる被加工部材の破断や、非切断長尺繊維の残存による毛羽立ちが発生するので、加工品質が著しく低下する。
穴あけ加工用のドリルや該ドリルで加工した穴を仕上げる穴仕上げ加工用のリーマは、刃部の外周に逃げ面が付いていないマージン部がある。そのため、マージン部全体が被加工部材と接触した状態で切削動作するため、摩擦による発熱が大きくなり刃先の摩耗は全刃におよぶ。よって刃先が摩耗すると加工トルクが上昇し、そのトルク一部は軸方向(スラスト方向)への力となる。このスラスト方向への力が、CFRP等の切削加工に当たっては、特に穴の入口部や出口部においてデラミネーション等が発生する主要な原因となる。しかし、通常の金属材料を加工する場合は、デラミネーション等が発生しないので、ドリル業界ではスラスト方向へ力が働くことは問題視されていなかった。
また、CFRP等の切削加工においては、刃先部分(加工ポイント)の冷却や潤滑及び切屑を排出するための切削油を使用できない場合(例えば、航空機の製造や手動ドライバーによる穿孔)がある。
この場合は、ドライ加工となる。この冷却油の供給無しの切削による急激な温度上昇によって樹脂が劣化する。また、穴あけで発生する切屑は、非常に硬い微細粉を大量に含むことから、工具の刃先摩耗が急速に進み切れ味が低下し、これがデラミネーション等の発生を助長する。さらに、飛散した微細粉が人体への悪影響(例えば「じん肺」)や、周辺機械への悪影響(例えば「滑り面の摩耗」)を及ぼす。
特許文献1に記載のドリルは、最外周刃部(4c)を繊維の向きに対して垂直に近づけているため、繊維の切断機能を外周側で高めることができる。また、被削域の外周側が加工されるときの新たなバリの発生が抑えられ、穴面のさらえ効果も得られるような構成となっており、穴の面粗さも従来のドリルに比べると良くなる。またマージン(7)を分断する溝(8)を設けて切り屑の排出性を高めている。
しかし、特許文献1のドリルは以下に述べるような欠点を有する。
(1)切屑は、極めて微細な微細粉状態で噴出し空気中に飛散しながら大量に排出される(本願の図5(従来ドリル)参照)。これは、マージン(7)と切削壁との間に入った切屑が、粉挽き臼のように磨り潰されて微細な微細粉が生成されているからである。この微細粉の飛散現象は、湾曲した二枚刃を有しており溝をストレート溝としたドリル(例えば、特開2010-214478公報)においても同様に発生する。穴あけ時のスラスト力はすべて刃先にかかるので、F(機械側スラスト力)=f(切り刃スラスト力)となる。
(2)特許文献1の実施の形態4は、図4に示されるように、螺旋ランドの先端に設けられたマージン(7)のみに、浅く小さい幅からなるストレート小溝形態の溝(8)(ニック)を複数設けた形態である。このようなストレート小溝形態の溝(8)に、軟性化した樹脂および硬化した微細粉が張り付いて行き、遅からず詰り状態となる。そのため特許文献1のドリルでは、1mm以下の壁面にデラミネーション(特許文献1では「むしれ」といっている。)を生じてしまい、穴仕上げを高精度にできないという欠点を有する。
(3)内部組成に不均一性を有するアルミダイキャストなどの軟材の穴あけでは、材料の不均一性のためにドリル先端の切削進行方向が曲げられてドリルの直進性が悪くなり、そのために高精度の切削穴を形成するのが難しかった。
本発明は以上のような従来技術の欠点に鑑みてなされたものであって、CFRP等からなる難削加工部材に対して、穴あけ加工(穿孔加工)を高品質で効率良く行えるドリル及び穿孔の形成方法を提供することを目的とする。なお、本明細書においては、「穿孔」の語は、貫通孔及び貫通していない止まり穴の双方を含むものとして使用する。
以上の発明の白的を達成するために本発明は以下のような構成となっている。
本発明の第1の態様に係るドリルは、
後部側をシャンク部とし前部側を切削部とするドリル本体と、
前記切削部に形成された第1のランド〜第nのランドと、
この第1のランド〜第nのランドのランド間に形成された第1の切削部溝〜第nの切削部溝と、
前記切削部の先端に設けられた被加工材に先行切削穴あけを行うパイロット刃と、
このパイロト刃に続いて前記第1のランド〜第nのランドに形成された、前記先行切削穴を拡径切削しながら螺旋凸部位を形成して行く、拡径螺旋山の山群からなる拡径螺旋山部と、
この拡径螺旋山部に続いて前記第1のランド〜第nのランドに形成された、前記螺旋凸部位を切削して平壁面仕上とする、山の高さが同じ仕上螺旋山の山群からなる仕上螺旋山部と、
前記拡径螺旋山および前記仕上螺旋山の螺旋山と螺旋山の間に、前記第1の切削部溝〜第nの切削部溝の隣の切削部溝同士を連絡する形態で形成された螺旋谷と、
前記拡径螺旋山と前記第1の切削部溝〜第nの切削部溝の溝面とによって形成された該拡径螺旋山の山縁部位である、前記パイロット刃によって切削形成された先行切削穴を分断拡径切削ないし分割拡径切削して行く拡径刃の刃群からなる拡径螺旋刃部と、
前記仕上螺旋山と前記第1の切削部溝〜第nの切削部溝の溝面とによって形成された山縁部位である、前記拡径螺旋刃部によって切削形成された拡径切削穴を分断仕上切削ないし分割仕上切削して行く仕上刃の刃群からなる仕上螺旋刃部と、を備えてなる
ことを特徴とする。
「仕上螺旋刃部」は、仕上螺旋山部の全部ではない複数回りに形成された形態、あるいは仕上螺旋山部の全部の仕上螺旋山に形成された形態のいずれも含むものである。
「第1のランド〜第nのランドのランド」および「第1の切削部溝〜第nの切削部溝」は、直線形態であるもの、わずかにねじれ形態であるもの、螺旋形態(スパイラル形態)であるものが技術的範疇に含まれるものである。
本発明の第2の他の態様に係るドリルは、上記第1の態様のドリルであって、前記パイロット刃にマージンを有さない、前記パイロット刃および前記拡径螺旋山部の双方にマージンを有さない、または前記パイロット刃、前記拡径螺旋山部および仕上螺旋山部のいずれにもマージンを有さないことを特徴とする。
本発明の第3の態様に係るドリルは、上記第1または第2の態様に係るドリルであって、前記シャンク部の外周側に前記第1の切削部溝〜第nの切削部溝のいずれかに直接に連通したサイドスルー溝が形成され、前記サイドスルー溝が連通した切削部溝が連通切削部溝とされ、前記シャンク部をチャッキングしたチャック装置側から供給されるクーラントが、前記サイドスルー溝を通り前記連通切削部溝に流入案内されて前記パイロット刃に供給されるようにし、
前記第1の切削部溝〜第nの切削部溝のうち前記サイドスルー溝の連通の無い切削溝が非連通切削部溝とされ、
前記パイロット刃が形成されている部位に、前記連通切削部溝と前記非連通切削部溝を直接に連通する切削部溝連通凹部が形成されていて、
前記連通切削部溝に流入した前記クーラントが、前記切削部溝連通凹部を通り前記非連通切削部溝に流入し切削穴の入口から排出されるようにされ、
前記第1の切削部溝〜第nの切削部溝の溝形態が、前記サイドスルー溝からの前クーラントが前記パイロット刃に供給されるストレート溝形態あるいは弱ねじれ溝形態であることを特徴とする。
クーラントは、エアー、エアー以外のガス、ミスト、潤滑液、潤滑剤、水、研削油剤、切削剤などである。
本発明の第4の態様に係るドリルは、上記第1〜第3のいずれか1つの態様に係るドリルであって、前記第1の切削部溝〜第nの切削部溝は、加工時にスラスト方向への応力が発生しない方向に、前記拡径螺旋山部および前記仕上螺旋山部のリード角だけねじった形態であることを特徴とする。
本発明の第5の態様に係るドリルは、上記第1〜第4のいずれか1つの態様に係るドリルであって、前記パイロット刃の終端外径は前記拡径螺旋山部の先端外径と同じであることを特徴とする。
本発明の第6の態様に係るドリルは、上記第1〜第5のいずれか1つの態様に係るドリルであって、ピッチをPとし、αを0.01mm〜0.5mmとし、
前記仕上螺旋山部の所望の外径寸法の位置である前記仕上刃の山頂の山頂幅を、P/8よりも幅広であるP/8+αとし、前記山頂幅を前記P/8+αとするための尖がりねじ山がねじ研削によって形成され、
前記尖がりねじ山の外径研削によって、前記P/8+αの山頂幅である前記所望の外径寸法が得られる位置に、前記尖がりねじ山が形成されてなることを特徴とする。
本発明の第7の態様に係るドリルは、上記第1〜第5のいずれか1つの態様に係るドリルであって、ピッチをP、前記切削部溝の溝数をnとし、前記仕上螺旋山部の所望の外径寸法位置である前記仕上刃の山頂の山頂幅をP/nとしたことを特徴とする。
本発明の第8の態様に係るドリルは、上記第1〜第5または第7のいずれかの1つ態様に係るドリルであって、ピッチをPとし、αを0.01mm〜0.5mmとし、前記切削部溝の溝数をnとし、
前記仕上螺旋山部の所望の外径寸法位置である前記仕上刃の山頂の山頂幅を、P/n+αとしたことを特徴とする。
本発明の第9の態様に係るドリルは、上記第1〜第8のいずれか1つの態様に係るドリルであって、前記拡径螺旋山部の前記螺旋谷の谷底が2度〜8度の傾斜角度線状に形成されてなることを特徴とする。
本発明の第10の態様に係るドリルは、上記第1〜第8のいずれか1つの態様に係るドリルであって、前記シャンク部のチャック装置にチヤツキングされない部分に直接的にあるいは他の部材を介した鍔部を設けてなるとともに、
前記被加工材面に当接するワーク面当接開口部、このワーク面当接開口部から延長された筒状部、この筒状部に設けられた吸引装置が接続される吸引口、前記筒状部の後部側に設けられた前記シャンク部あるいは前記他の部材を通しかつ前記鍔部が通らない形態のシャンク側通し部とを備えてなる、切削穴の入口から排出される切屑を吸引する吸引カバーを設ける、あるいは取り付け可能とし、
前記シャンク側通し部の縁の前記鍔部への当たりによって前記前部側への移動が止められ、前記ワーク面当接開口部の前記被加工材面への当接によって、切削送りに伴う前記吸引カバーの後部側への移動が可能とされてなることを特徴とする。
本発明の第1の態様に係る穿孔の形成方法は、被加工材に先行切削穴を形成する先行切削工程と、前記先行切削穴を拡径切削しながら螺旋凸部位を形成する拡径切削工程と、前記螺旋凸部位を切削して、開口孔部の壁面を滑らかにする平壁面仕上を行う仕上切削工程とを備え、前記各工程を1本のドリルで行うことにより前記被加工材に穿孔を形成することを特徴とする。ここで、「穿孔」の語は、貫通孔及び貫通していない止まり穴の双方を含む。
本発明よると、ドリルによる切屑は、穿孔入口の周りに綺麗に推績山形態(蟻の巣の入口の推績山状態)に綺麗に盛られる(図6参照)。そのため、微細な切屑は殆ど発生せず、切屑の飛散は殆ど発生しない。
その理由は、パイロット刃により先行して開口される先行切削穴は、拡径螺旋山部の多数の拡径刃によって、少しずつ分断され拡径されるように切削されて行くので、切屑は硬質状態のままを顆粒状の切屑となる。その顆粒状切屑は、多数の螺旋谷へ円滑に分散流入して隣の切削部溝に円滑に排出され、切削穴入口へと円滑に運ばれて行く。
そして、本願発明に係るドリルを使用すると、顆粒状切屑はマージンが在る場合にはその殆どがマージンへ入ることなく、螺旋谷へ円滑に流入し切削部溝へ排出される。そのため、顆粒状切削屑は殆ど磨り潰されることなく(微細紛体になることなく)顆粒状態のまま切削穴入口から緩やかに排出されて行く。
よって、マージンと切削穴壁との間に切屑が入ることが極めて少ないので、マージンと切削穴の壁との間の接触圧力が上昇しない。従って、発熱により温度が著しく上昇することや、切削刃先の摩耗が著しく促進されることもない。
本願発明に係るドリルを用いて穴あけを行うと、発熱が少なく、ドリルと切削穴壁との接触圧力が低いので、軟化や溶融・融解が起こらずデラミネーションも発生しない。そのため、硬質状態での切削が切削工程全体を通して行われる。また、螺旋山部の仕上げのために、多数の仕上刃によって仕上のための切削が行われて行く。これにより、FRP等の加工の難しい材料であっても、デラミネーション(層間剥離)、表面剥離、未切断の繊維によるバリ、または樹脂や繊維の欠損の少ない、高品位な切削穴(穿孔)の加工が可能となる。
また、拡径螺旋山部の切削動作は食付き切削動作であるので、拡径螺旋山部によって直進性が確保される。よって、直進性のために設けられる従来ドリルの必須の構成要件であるマージンを、パイロット刃、パイロット刃および拡径螺旋山部あるいはパイロット刃、拡径螺旋山部および仕上螺旋山部に有さないドリルを可能としている。 本発明に係る穿孔の形成方法も上記した効果と同様の効果を得ることができる。
本発明の実施例1の側面図、拡大正面図(パイロット刃側)および拡大背面図(シャンク部側)。 本発明の実施例1の拡径螺旋山部の簡略図および切削部の分解図。 本発明の実施例1の拡径螺旋山の形状図および仕上螺旋山部の簡略図。 本発明の実施例1のねじれの説明図。 本発明の実施例1の切削状況図および従来ドリルによる切削状況図。 本発明の実施例1の切削の流れ説明図。 本発明の実施例1の山頂の形成位置を示す概念図。 本発明の実施例2のチャック装置にチヤツキングした状態図および使用状態図。 本発明の実施例3のドリルの形態1の概念図、形態2の概念図および実施例1のドリルの概念図。 本発明の実施例4のドリルの形態3の部分断面図および概念図。 本発明の実施例5の側面図、切削部の簡略図および拡大正面図。 本発明の実施例6のパイロット刃の部分正面図。 本発明の実施例7の部分側面図。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明は、パイロト刃により先行して開口した先行切削穴を、パイロット刃に続く徐々に径が大きくなる拡径螺旋山部で先行切削穴の径を広げるように切削(拡径切削)することにより、螺旋状の凸部位(以下「螺旋凸部位」という)を形成し、その後拡径螺旋山部に続く仕上螺旋山部で螺旋凸部位を切削して除去し、滑らかな壁面の穿孔を形成するものであり、これまでにない新しい考え方によるものである。本発明はこれらの加工処理を一本のドリルで行うことができる。
本発明のドリルの拡径螺旋山部および仕上螺旋山部の螺旋山形態(螺旋形態、山形状、谷形状)は、多様な螺旋山形態をその技術的範疇としている。その中には、ねじ規格(例えばJIS規格)の螺旋山形態のものも含まれる。
以下、本発明を実施するための実施の形態である実施例について説明する。但し、本発明をこれら実施例のみに限定する趣旨のものではない。また、後述する実施例の説明に当って、前述した実施例の同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
[実施例1]
図1〜図7に示す本発明の実施例1において、1はドリルであってドリル1は次のような構成となっている。
ドリル本体4は、後部側に設けられたシャンク部2と前部側に設けられた切削部3を有している。
切削部3には第1のランドA〜第4のランドDが形成されており、この第1のランドA〜第4のランドDの間には、第1〜第4の切削部溝5a〜5dが設けられている。第1〜第2の切削部溝5a〜5dは、ドリル本体4の軸方向に伸びており、第1のランドA〜第4のランドDをそれぞれ分離している。
第1のランドA〜第4のランドDには仕上螺旋山部12が形成されている。
切削部3の先端には、回転して切削することにより被加工材S(「被切削材」、「被穿孔材」ともいう。)に先行切削穴をあける〈初期穿孔する〉ための、仕上螺旋山部12の外周径より小径のパイロット刃6が設けられている。このパイロト刃6に連絡され前記後部側に行くに従って径が大きくなり、切削溝部5a〜5dにより分断されており、仕上螺旋山部12に向かって伸びる拡径螺旋山AK1〜DK4(図2参照)が形成されている。拡径螺旋山AK1〜DK4は、食付き切削動作により先行切削穴を拡径切削しながら、螺旋凸部位20を形成して行く。拡径螺旋山AK1〜DK4の山群を総称して、拡径螺旋山部9と称する。
この拡径螺旋山部9に続いて第1のランドA〜第4のランドDに、山の高さが同じであり、4本の切削溝部5a〜5dにより分断された、前記螺旋凸部位を切削して平壁面仕上とする、仕上螺旋山AF1〜DF5(図2参照)が形成されている。この複数の仕上螺旋山AF1〜DF5の山群を総称して、前記した仕上螺旋山部12と称する。
拡径螺旋山AK1〜DK4および仕上螺旋山AF1〜DF5の軸方向に隣接する各山の間には、第1〜第5の切削溝5a〜5dの隣接する切削溝同士を連絡するように形成された螺旋谷14を備えている。
パイロット刃6のパイロット刃の切れ刃51は、拡径螺旋山AK1〜DK4と第1の切削部溝5a〜第4の切削部溝5dの溝面との交線によって形成された該拡径螺旋山AK1〜DK4の山縁部位(パイロット刃のすくい面52とパイロット刃の逃げ面50の交線部位)により形成される。(図12参照)
穴あけに際しては、まず、このパイロット刃6によって先行切削穴が切削形成され、拡径螺旋山AK1〜DK4の拡径刃の刃群からなる拡径螺旋刃部18により、この先行切削孔の径を拡げるように切削(「拡径切削」と称する)しながら螺旋凸部位を形成して行く、すなわち食付き切削動作で拡げるよう切削して行く。このようにして、形成された切削穴を拡径切削穴と称する。
仕上螺旋刃部19は、仕上螺旋山AF1〜DF5と第1の切削部溝〜第4の切削部溝の溝面との交線部に形成される複数の仕上刃からなる刃群の総称である。この仕上刃は、仕上螺旋山AF1〜DF5の山縁部位(すくい面と逃げ面の交線部位)に形成される。拡径切削穴は仕上螺旋刃部19により切削されることにより、螺旋凸部位が切削された滑らかな壁面(「平壁面仕上」と称する)の最終穴に仕上げられる。
切削時のドリルの送り量は、ドリルが被加工材を切削することにより形成される切削穴の壁面に、螺旋凸部位20が形成されず、平らな壁面に仕上がりとなる送り量に設定する。送り量と仕上螺旋刃部の関係は、後述する。
なお、この実施例では、切削溝を4本設けているが、本発明はこれに限定されることなく、切削溝を2〜3本設けても、または4本以上設けても良い。
シャンク部2の外周側にシャンク部の後端から第2の切削部溝5b、第4の切削部溝5d(以下「連通切削部溝」という。)に直接に連通した直線形態のサイドスルー溝21a、21bが形成されている。
シャンク部2をチャッキングしたチャック装置22(図8参照)側から供給されるクーラントの一種である冷却・切屑排出用エアー、ドライアイスガス、窒素ガスやこれらの混合ガスを含む冷却・切屑排出用ガスGが、サイドスルー溝21a、21bを通り「連通切削部溝」に流入案内されてパイロット刃6にまで到達供給される。
第1の切削部溝5a〜第4の切削部溝5dの溝形態が、サイドスルー溝21a、21bからの冷却・切屑排出用ガスが、略直線的にパイロット刃6に供給されるストレート溝形態あるいは弱ねじれ溝形態(例えば、1度〜5度)である。
切削部溝連通凹部23aは第2の切削部溝5bと第3の切削部溝5cを直接に連通し、切削部溝連通凹部23bは第2の切削部溝5bと第1の切削部溝5aを直接に連通している。
切削穴が非貫通状態にあっては「連通切削部溝」に流入した冷却・切屑排出用ガスGが、切削部溝連通凹部23a、23bを通り「非連通切削部溝」に流入し、切削穴の入口から切屑を含んで排出されるようにされる。
図4に示すように、第1の切削部溝5a〜第4の切削部溝5dは、加工時にスラスト方向への応力が発生しない方向(通常は左方向)に、拡径螺旋山部9および仕上螺旋山部12のリード角だけねじった形態(1度〜5度のねじれ範囲である。)としている。
即ち、図4の上図に示すように、切削部溝が直溝(ストレート溝)の場合は、特に拡径螺旋刃部18において、ドリル進行方向に発生する応力F3が刃先に傾いて作用するため、回転方向に発生する応力F2と進行方向への応力F1とに分かれて無用な応力が発生する。
しかるに、図4の下図に示すように、第1の切削部溝5a〜第4の切削部溝5dが左ねじれ溝の場合は、特に拡径螺旋刃部18において、進行方向に発生する応力F3が拡径螺旋山AK1〜DK4の拡径刃(刃先)に直角に作用するため、回転方向への応力F2はドリル進行方向に発生する応力F1と同一になり、スラスト方向への応力F3は発生しない。
先端のドリル刃であるパイロット刃6は、その外径寸法Tが拡径螺旋山部9の先端径と同じに設定されるとともに、その先端角度θは75度〜120度(図では90度)に設定して、極力切削抵抗や摩耗による加工トルクの上昇を抑制するようにしている。
パイロット刃6の終端外径は前記拡径螺旋山部9の先端外径と同じであることによって、パイロット刃6によって切削形成された先行切削穴に最初に食い込む拡径刃の食い込み量を浅い食い込み量にできるので、その切削抵抗を小さくしその耐久性を向上させている。
切削部溝連通凹部は切削部溝連通凹部23a、23bのように二つ設けた形態が、冷却・切屑排出用ガスによる切屑の排出およびパイロット刃6の先端および切削刃全体を、最も効率的に冷却することができる。よって、パイロット刃は4枚刃、ランド及び切削部溝を4本とするのが最も良い形態である。
クーラントは冷却・切屑排出用ガスに限られものではなく、ミスト、液体でもよい。被切削部材の加工条件、使用、環境、生産性などによって最適なクーラントを選択すればよい。
4枚刃である拡径螺旋山部9の拡径螺旋山は、拡径螺旋山1.5山から拡径螺旋山3山が適当であるが、ドリル1は最も好適な食付き結果が得られた拡径螺旋山2.5山を採用している。
シャンク部2は、その後端に後述するマシニングセンター(図示せず省略)のチャック装置22(スピンドル)とは保持方式が異なるスピンドル(図示せず)に回り止めされて係合するための四角部24が形成され、四角部24の端部にはザグリ穴25が形成され、このザグリ穴25にサイドスルー溝21a、21bが直接に連通され、ザグリ穴25に溜まった冷却・切屑排出用ガスGがサイドスルー溝21a、21bにその漏斗効果により効率的に流入するようになっている。
四角部24の4角はシャンク部2の外径より若干小さくする。これは、軸研削のときの砥石の摩耗を防ぐことと、軸のバラツキをなくすためのものである。対抗関係にある二つの角に直線形態のサイドスルー溝21a、21bを形成し、このサイドスルー溝21a、21bの真下に切削部溝が形成されている。
四角部24は、主に再研削の際に螺旋山の出発点を見出すために必要であるが、四角部のない丸棒シャンク部でもよい。
送り量について説明する。
例えば、1ピッチ=1.0mm、呼び径6mmで、1回転当りの送り量を0.1mmとした場合では、螺旋凸部位は1回転するごとに仕上螺旋刃部によって0.1mmずつ削り取られて行く。よって、10回転目で全て切削されて螺旋凸部位の無い穿孔が形成される。
実際には、一般的なドリルはその発熱量等の理由から送り量は通常0.05mm〜0.2mmであり、本発明のドリルにおいては0.05mm〜0.4mmの送り量が適当である。
手動ドライバーで0.2mm以上の送り量操作では、ドリルの破損を作業者が身体で感じるほどの強いスラスト抵抗となって行くので、0.2mmを超えるような送り量での使用にはならず、手動では0.05mm以下が操作者の身体が安全と感じる適当な送り量である。
ドリル1は、その1回転当りの切削送り量が一般的なドリル(送り量0.05mm〜0.2mm)やエンドミルより大きくすることを可能にするため(例えば、0.4mmの送り量)、図3に示すように、拡径螺旋山AK1〜DK4にマージンの無い逃げ面16を形成し、仕上螺旋山AF1〜DF5にマージンの無い逃げ面17を形成し拡径螺旋山AK1〜DK4から、仕上螺旋山AF1〜DF5に亘って各刃で分割して切削加工を施し刃先の摩耗に対応している。
逃げ面16および逃げ面17によって、切削壁面との接触する部位を可能なかぎり少なくし、刃先に切れ味を鋭いものにし、拡径螺旋山AK1〜DK4および仕上螺旋山AF1〜DF5の稜線に切屑がとどまることのないようにしている。
切削穴を螺旋凸部位の無い平壁面とするための切削送り量は、拡径螺旋山AK1〜DK4および仕上螺旋山AF1〜DF5あるいはいずれか一方の山頂幅より小さくしなければならない。すなわち、係る山頂幅は切削送り量より大きくなければならない。
ドリル1のように4枚刃の場合は第1のランドA〜第4のランドDの刃は0.25ピッチずらして切削するのがよい。
また、切削部溝は偶数とすることにより全ての切削部溝を切削部溝連通凹部で連通された連通切削部溝と非連通切削部溝にできるので、冷却・切屑排出用ガスGによる全ての切屑の偏りのないスムーズな排出移動と回収を実現し、切削部を偏りなくその隅々までくまなく効率的に冷却することができる。
摩擦係数が小さく耐摩耗性の高いDIA(超微結晶ダイヤコーティング 硬度9000Hv)、DG(グラファイト専用のコーティング 硬度9000Hv)、DLC(Diamond Like Carbon 硬度6000Hv)、NPD(ナノ多結晶ダイヤモンド)などのダイヤモンドコーティングをはじめとする、高硬質膜を施すのがよい。
パイロット刃6を含む切削部3およびシャンク部2を一本の素材から一体に研削形成しても良いし、パイロット刃6を別体で研削形成して、後付接合するようにしても良い。
ランドおよび切削部溝は本実施例の4つ形態に限定されず、2つ形態、3つ形態、5つ形態、6つ形態それ以上の形態のものでもよい。姿勢安定性からランドおよび切削部溝を偶数とするのが好ましい。
ドリルの切削送り量は、ねじ研削で形成したものでは、前記被加工材Sに切削形成される切削穴の壁面に螺旋凸部位20が形成されない平璧面仕上とする1回転あたりの送り量は、山頂幅(P(ピッチ)/8)以下とする。
しかるに、ねじの規格とは異なる山頂幅、谷底幅、山高さ、谷深さ、螺旋線形態、山形状のものにするのもよい。特に、拡径螺旋山部9および仕上螺旋山部12の山頂幅を、ねじ山の山頂幅であるP(ピッチ)/8よりも広くすることが、送り量の自由度を広げることができる。
また、谷底を浅くすることにより、工具の剛性を高めることができる。
FRPには、以下のような種類がある。
ガラス繊維強化プラスチック(GFRP):比較的安価で、電波透過性に優れる。
炭素繊維強化プラスチック(CFRP):アルミニウム合金の後継材料として使用される。
ボロン繊維強化プラスチック(BFRP):強度、対弾丸性が大きく、軍事兵器などによく使用される。
アラミド繊維強化プラスチック(AFRP,KFRP)アラミド繊維(ケブラー)による強化で耐衝撃性に優れる。
その耐熱性は、JIS−K−6911にて熱変形温度が200℃以上と定められている。
(1)ドリル1による切屑の殆どは顆粒状の切屑(以下「顆粒状切屑」ともいう。)であって、従来のドリルによる切屑が微細粉であるのと、大きく異なるものである。
具体的には、従来ドリルの切屑は指に着け指間で擦ると、大量の微粉末を感じることができ、指から払い落としても皮膚の微細な隙間に微細粉が残り、さらに水洗いしても微細粉が落ちないで残るほどの大量の微細粉を含むものである。
これに対して、本発明の実施例であるドリル1の切屑は、微粉末の存在を感じることはできず、指から払い落とすと切屑は殆ど落とすことができ、さらに水洗いすると略完全に落とすことができるものである。
よって、切屑は微細粉を殆ど含まない顆粒状のものだけであると言っても過言ではないものである。
それは、吸引無しでの切削で排出される切屑が、ドリル1では空気中に殆ど飛散することなく穿孔の周りに推績されて行くのに対して、従来ドリルにあっては微細粉塵が空気中に飛散して行くことからも(図5参考)、指で穿孔入口と出口を撫でての粗さの少なさからも、その違いが一目瞭然であるものである。
その理由は、パイロット刃および切削部で切削された顆粒状切屑は、第1の切削部溝5a〜第4の切削部溝5dに入るとその殆どが多数の螺旋谷14へ円滑に流入して隣の切削部溝に円滑に排出され、これを繰り返しながら螺旋谷構造によって切削穴入口へと円滑に運ばれて行く。すなわち、顆粒状切屑はマージンが在る場合にはマージンへ入ることなく、螺旋谷14へ流入し切削部溝へ排出され次の螺旋谷へ流入し次の切削部溝へ排出されるという流れ動作をしながら、磨り潰されることなく(微細紛体になることなく)顆粒状態のまま切削穴入口から円滑に排出されて行く。
すなわち、マージンが在る場合でも切屑は螺旋谷14へ円滑に流入し、その殆どがマージンへ無理して入ることなく、よって、マージンと切削穴壁との接触圧力が上昇することが生じない。よって発熱により温度が著しく上昇することが生じない。また、切削刃先の摩耗が著しく促進されることもない。すなわち、発熱し難く、切削穴壁との接触圧力も低いので、切削穴の仕上が高品位なものになる。
また、切削温度がCFRPの樹脂が軟性化することのない低温度で加工できるので、CFRPの熱による劣化を回避でき、かつ切削穴の仕上を高品位のものにすることができる。
(2)前記(1)によって、切屑および切削壁面は熱による軟性化がないので、くっ付き貼り付きの生じない硬質状態のままの切屑が円滑に移動し排出がなされる。また、拡径螺旋山部9の多数の拡径刃(例えば、実施例1のランドが第1のランド〜第4のランドの4ランドであり、第1のランドの拡径刃が4枚で、拡径刃の全数は16枚の拡径螺旋山部<図2参照>)によって、パイロット刃6によって形成された先行切削穴を少しずつ分断拡径切削ないし分割拡径切削して行くので、切屑は顆粒状切屑で硬質状態を維持し切屑同士がくっ付かない貼り付かない状態で効率よく円滑に螺旋谷へと流入して行く。
このときの切削送り量は、切削穴の壁面に螺旋凸部位が形成されない平璧面とする送り量であるので拡径切削は高品位な平壁面となる。
また、拡径螺旋山AK1〜DK4の拡径刃および仕上螺旋山AF1〜DF5の仕上刃が第1の切削部溝〜第4の切削部溝によって分断ないし分割されているので、炭素繊維は各拡径刃および各仕上刃によってその都度切断されるので短いものとなる。
すなわち、炭素繊維の非切断長尺繊維の増大、該非切断長尺繊維の回転工具の巻引っ張りによる軟性化樹脂を付着させての破断、非切断長尺繊維の残存による毛羽立ちが発生しないか、あるいは発生し難い機構・動作を実現している。
(3)切削部3は切削部溝と拡径螺旋山部9および仕上螺旋山部12からなる螺旋山部が交互に配置されている。よって、拡径螺旋刃部18の切削でも残ったデラミネーションを24刃の仕上刃の仕上螺旋刃部19で、同じ箇所を次々と切削してきれいに仕上る(リーマー的機能)ものであり、この点によっても、デラミネーション等が残らない切削穴を実現し、その切削面を高精度仕上げ加工とするものである。
すなわち、本発明のドリルは分断刃形態ないし分割刃形態のリーマ―部(仕上部)を有する分割リーマ―刃付ドリルである。
(4)ドリルの抜き動作においては、切削穴が平壁面となっているので切削時の回転のまま抜き動作を行うことが可能である。
この切削時の回転のまま抜き動作をさせることによって、抜き動作時においても仕上螺旋山AF1〜DF5の仕上刃群による抜き動作切削が行われることになり、この抜き動作切削によって残っているわずかな毛羽立ちの刈取りが行われる。
(5)発熱量が小さいので切削送り量を大きくとることができ、それによるパイロット刃6での先行切削穴が粗面となっても、続く拡径螺旋山部および仕上螺旋山部の切削が多数の切り刃による丁寧な分断切削ないし分割切削によって、高品位な切削穴に仕上げることができる。
実際、切削穴6mmを開ける本発明のドリルを使い、1回転あたり0.4mmの切削送り量で穴切削を行ったが、デラミネーションの発生は確認できない、良好な穴仕上げとなった。これは、炭素繊維用ドリル、鋼材用ドリルともに1回転あたりの送り量は0.05mm〜0.2mmであることからみると、格別で顕著なものである。
試作品による加工試験について説明する。
<ドリルの形状と表面処理>
*母材:超硬
*ドリル:呼び径6mm。
*パイロット刃の形状:
・ドリル刃(実施例1のパイロット刃6に相当)
・ボールエンドミルは(実施例5のパイロット刃43に相当)
*表面処理
・無処理品
・水素フリーDLCコート
・薄膜ダイヤDIAコート
<加工条件>
*被加工材:CFRP(厚さ5mm、表面クロス織り、両面艶出し)
*主軸回転数:2500rpm
*切削速度:47m/min
*送り速度:125mm/min
*1回転当りの送り量:0.05mm/rev
*クーラント:無し
*切屑の除去:ドリルに掃除機の吸引ノズルを近づけての吸引
*固定サイクル:G18ノンステップ
*加工機:VKC45II(日立精機製)
<加工目標>
無処理品:30穴を加工してもパリやデラミネーションが発生していないこと。
コート品:150穴を加工してもパリやデラミネーションが発生していないこと。
<加工試験結果>
表面処理 パイロット刃 加工穴数 デラミネーションが
出始めた穴数
無処理品 パイロット刃43 200穴 50穴
DLC パイロット刃43 400穴 100穴
DIA パイロット刃43 2000穴 1400穴
DIA パイロット刃6 1400穴 400穴
また、DIAコートのパイロット刃6で厚み5mmのKFRP(アラミド繊維強化プラスチック)の切削では、デラミネーションが出始めた穴は200穴であった。
薄膜ダイヤDIAコート品に関しては、当初の目標穴数を大幅に超えることができ、特にパイロット刃43は極めて良好な結果を得ることができた。
また、DIAコートをしたパイロット刃43の2穴目(切削送り量0.05mm)の発熱温度Maxは62.41℃(切削開始前温度18.68℃)であり、発熱による温度上昇は43.73℃であった。温度測定条件は、赤外線サーモグラフィでドリルの温度お監視しながら、ドリルが切削を完了してドリル先端が切削入口に来た時の、最も高い温度である。
本発明のドリルは、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)等のFRPに代表される難削加工材の穴あけ(穿孔)に適しているが、被加工材(ワーク材)はこれらに限定されるものではない。アルミダイキャスト、銅製ダイキャスト、チタン合金、CFRPとそれらの合金の複合型材料など、各種の金属製部材、金属製部材と合成樹脂などの複合製部材ないし複層製部材、木製部材、合成樹脂製部材の穿孔工具として好適ものである。
本発明のドリルは、ネジを切るものではないので、ネジの規格に規定されることなく螺旋谷を浅くすることが可能であり、そうすることによりドリルの鋼性を高いものにでき、例えば3mm以下のドリルも実現可能とすることができる。
仕上螺旋刃部12が、ねじ研削によって形成するねじ山と同じにするのもよい。
それは、切削タップを制作する装置および技術によって容易にドリルを制作できるからである。
ねじ研削によるドリルの制作とする場合は、仕上刃(仕上螺旋山AF1〜DF5)の山頂幅が前記P/8+αとなる位置まで山頂を削り取って形成するのがよい。
これは、ねじ研削の山頂切削をP/8よりも多く削り取ることによって容易に実現できるからである。
また、山頂切削をP/8+αの位置まで、外径研削によって形成するものであるので、ねじの呼び寸法通りの規格のねじ研削では、所望の外径寸法を得られない可能性が生じる。
この場合は、所望の外径寸法(山頂幅をP/8+αとする位置)が得られる位置まで、有効径寸法(図7参照)を大きくすることによって実現することが容易にできる。
しかるに、ねじ研削によるドリル1の形成は、ねじ研削を行い全ての螺旋山の山頂幅がP/8あるいはP/8+αとし、次に拡径螺旋山部となる箇所に拡径螺旋山の傾斜をつける拡径螺旋山形成研削を行い、最後にパイロット刃を形成する。よって、拡径螺旋山は先端側に近付くほど山頂幅は広くなる。
仕上刃の山頂幅をP/8+αとする方法として、ねじ山の高さを低くすることで行うのが最適である。
具体的には、呼び寸法を所望の外径寸法Wとし、有効径寸法W2を所望の外径寸法Wを得られる大きさにし、ねじ山の高さH2を切削して低くすることで容易に実現できる。
山頂幅をP/8より0.1mm広くするには、H2を0.1×√3=0.173mm低くする。この場合、所望の外径寸法Dである呼び寸法を確保するために、ねじ研削の有効径寸法を0.346mm(0.173×2)(図7のG=0.173mm)大きくする。(図7参照)
山頂幅をP/8より0.2mm広くするには、H2を0.2×√3=0.346mmを低くする。この場合、所望の外径寸法である呼び寸法(外径寸法D)を確保するために、ねじ研削の有効径寸法は0.692mm(0.346×2)(図7のG=0.346mm)大きくする。(図7参照)
山頂幅をP/8+αとするための尖がりねじ山(=尖がり山の群)がねじ研削によって形成され、前記尖がりねじ山の外径研削によって、P/8+αの山頂幅の所望の外径寸法Wが得られる位置に前記尖がりねじ山が形成され、前記外径研削後に番研削によって拡径螺旋山部を形成してドリル1の構成を実現する。
ねじ山の高さH2(谷底の位置によって変わる)を切削して低くすることは、ねじ研削用の砥石を修正せずに使用でき、ねじ研削の通常品より有効径寸法を大きくして研削し、外径研削で山頂幅を決めることができる。よって、従来のねじ研削用砥石を、そのまま使用して制作できるという、コスト面、技術面、設備・装置面でメリットがある。
山頂幅をP/n+α(nは切削溝数(以下「溝数」という。αは0.01mm〜0.5mm))とするのもよい。図7の「(P/8+α)(α:0.01mm〜0.5mm)」を、「(P/n+α)(n:溝数 α:0.01mm〜0.5mm)」と置き換えることもできる。
前記<請求項7記載の発明の効果>で説明したように、山頂幅をP/n+αは山頂幅P/8+αより広い山頂幅であり、切削自由度をますものである。
溝数n=4とした場合、山頂幅はP/4である。仕上刃はランド毎にP/4ずつピッチ(P)がずれることになるので、山頂幅がP/4以上すなわちP/4+αであれば、段差のない穿孔が可能となる。
螺旋凸部位20が切削されていく様子を、図6を参照して説明する。山頂幅がP/4で、P/4ずつ後行の仕上螺旋山の仕上刃で螺旋凸部位20を切削して行く状態は、第1ランドAの仕上螺旋山AF1とAF2の間に螺旋凸部位20が形成され、次に仕上螺旋山AF1の後行の第2ランドBの仕上螺旋山BF1で螺旋凸部位20の1/4が切削され、次に仕上螺旋山BF1の後行の第3ランドCの仕上螺旋山CF1で残る螺旋凸部位20の1/4が切削され、次に仕上螺旋山CF1の後行の第4ランドDの仕上螺旋山DF1で残りの螺旋凸部位20(残りの1/4)の全部が切削される。
P/8+α、P/4+αの「α」について。
ドリル1を使用しての穴あけはピッチと同じ送り量ではやらず、ピッチより小さい送り量で行うので、計算上では螺旋凸部位は残らず切削されるので、計算上ではαは必要ない。
しかし、実際には、ねじ研削時のピッチ誤差、角度誤差により山頂幅にバラツキが発生する。そうすると、このバラツキによる螺旋凸部位20の残痕が穿孔内に残される可能性が生ずる。また、送り量に個人差のある手動ドライバーによる穿孔加工のように、1回転あたりの送り量が不均一になる場合も、切り残しが発生する可能性がある。
そこで、α(0.01mm〜0.5mmの間)を加えた広めの山頂幅とすることで、前記のようなバラツキがあっても、穿孔内に螺旋凸部位(段差)が形成されないようにしている。
仕上螺旋山部の山頂幅は、溝数(=刃数)とピッチにより下記のように選定する。
溝数をn、ピッチをPで表す。
山頂幅は(P/n+α)である。
αは、0.01mm〜0.5mmの範囲、好ましくは0.01mm〜0.3mmの範囲、より好ましくは0.01mm〜0.2mmとするのがよい。また、0.05mm〜0.5mmの範囲、0.05mm〜0.3mmの範囲、0.05mm〜0.2mmの範囲とするのもよい。これは、ピッチ誤差・角度誤差によるバラツキが出て、切り残しが発生するのを防止するためであり、山頂幅のバラつきを是正する程度で十分であることによる。
以下に、ピッチ:P、溝数:n、+αの具体的な関係例を下記に示す。
P n 山頂幅+(α) n 山頂幅+(α)
(mm) (本) (mm) (本) (mm)
1.0 3 0.3333+(0.1〜0.2) 4 0.2500+(0.1〜0.2)
1.25 3 0.4167+(0.1〜0.2) 4 0.3125+(0.1〜0.2)
1.5 3 0.5000+(0.1〜0.2) 4 0.3750+(0.1〜0.2)
1.0÷3=0.3333 1.25÷3=0.4167 1.5÷3=0.5000
1.0÷4=0.2500 1.25÷4=0.3125 1.5÷3=0.3750
しかるに、ねじ研削では、谷幅を狭くする分だけ磁石をドレスして薄くしなければならない。磁石を薄くすると当然に磁石の減りが早くなり、よって磁石の摩耗が早くなり、その分ドレス回数が増えてコスト高になる。
よって、ねじ研削によって本発明のドリルを形成するのが技術的にも設備的にも好適である。
実際上のドリル1の穿孔動作(穴あけ動作)は、ピッチ、山頂幅、ピッチのズレ、送り量、回転数の合成された動作によって行われる。
できるだけ奇数溝を選ばず偶数溝を選択するのがよいが、ねじ研削による3mm以下のドリルの場合は、その強度を確保するために溝数は3本とするのが良い。この場合のサイドスルー溝は1本ないし2本とし、それに直接に連通する連通切削部溝は1本ないし2本とし、サイドスルー溝が連絡しない非連通切削溝は2本ないし1本とする。
3本溝を採用する小径寸法のドリルとする必要がある場合、パイロット刃に切削部溝連通凹部23a、23bを設けると、ドリルの直進性に影響が出る場合には、切削部溝連通凹部23a、23bを設けずに、通常のドリルの先端形状にし、発生する切屑は外部よりの吸引のみで処理するのがよい。
図7において、H2の高さを変えずに、山頂幅をP/8+αとするのもよい。この場合、谷幅はその分狭くなるので、ねじ研削ようの砥石では形成できないことになる。
しかるに、本発明のドリルはねじ山を形成するものでないので、先端を幅広とした砥石によって、ねじ谷よりも底幅の広い螺旋谷とすることが可能である。その砥石はねじ研削用のものよりも先端幅の広いものとなるので、砥石の持ちが良くなりドレス回数をねじ研削のものよりも減らすことができる。
拡径螺旋山部、仕上螺旋山部、螺旋谷は、ネジの規格や形態に規定されるものではなく、螺旋山部と螺旋谷の幅(ピッチ)が異なる形態、螺旋が螺子の螺旋と異なる形態(ねじよりも螺旋のねじれが少ない)、螺旋山の形態が螺子のような台形形態ではない形態(例えば、四角形態)であるのもよい。
切削部溝連通凹部23a、23bを設けない形態でも冷却効果を得ることができる。
すなわち、サイドスルー溝21a、21bから供給され第2の切削部溝5bおよび第4の切削部溝5dに流入した冷却・切屑排出用ガスGは、螺旋谷に流入し第1、第3の切削部溝5a、5cに流出し該第1、第3の切削部溝5a、5cを逆流して切削穴入口から排出されて行く。この際、冷却・切屑排出用ガスGは拡径螺旋刃部18の螺旋谷にも流入して冷却をするので、パイロット刃の熱も奪われ結果パイロット刃の発熱を低減させるものである。
[実施例2]
図8に示す本発明の実施例2において実施例1と主に異なる点は、シャンク部2のチャック装置22にチヤツキングされない部分に、線部側(図では下部側)に鍔部27を有するガス飛散防止筒34が動かないように嵌着された構成とした点にある。
さらに、被加工材S面に当接するワーク面当接開口部28、このワーク面当接開口部28から延長された筒状部29、この筒状部29に設けられた吸引装置(図示せず省略)が接続される吸引口30、筒状部29の後部側(図では上部側)に設けられた、ガス飛散防止筒34は通しかつ前記鍔部27が通らない形態のシャンク側通し部31とを備えている。
切削穴32の切削穴入口35から排出される切屑を吸引する吸引カバー33を設けるか、あるいは取り付け可能とし、シャンク側通し部31の縁の鍔部27への当たりによって前部側への移動が止められ、ワーク面当接開口部28の被加工材S面への当接によって、切削送りに伴う前記吸引カバー33の後部側への移動が可能とされている。
切削穴32が未貫通の状態でサイドスルー溝21a、21bからの冷却・切屑排出用ガスGによって、連通切削部溝と切削穴入口35の開口から吹き出す切屑を吸引カバー33に閉じ込め、外に飛散させることなく、吸引装置で効率的に吸引処理できる。
また、切削穴32が貫通した瞬間においても、その切削穴出口36と非連通切削部溝である第1の切削部溝5a、第3の切削部溝5cとで形成される開口は、吸引装置の吸引により外の空気を吸い込む吸引口となるので切屑は飛散することなく外の空気とともに吸い込まれ、切削穴32が貫通した瞬間および後においても、切屑の飛散を防止できる。
鍔部27に変えて、シャンク部2の形成時に突出形成した鍔部を一体的に形成する形態もよい。この場合のシャンク側通し部31はシャンク部2に通される。
[実施例3]
図9に示す本発明の実施例3において実施例1と主に異なる点は、拡径螺旋山部を実施例1のドリルの拡径螺旋山部9と同じ長さで、その螺旋谷47aの谷底が2度〜8度の傾斜角度線状に形成されてなる拡径螺旋山部40aとし、パイロット刃を実施例1のパイロット刃6よりも小刃径のパイロット刃39aとし、切削部を切削部41aとしてなる形態1のドリル42aを形成した点にある。
拡径螺旋山部40を2度〜8度の緩やかな傾斜としたことによって、該拡径螺旋山部40aの先端径は小さくなり、この小さくなった拡径螺旋山部40aの先端に同径のパイロット刃39aが設けられるので、該パイロット刃39aの刃径は小さいものになり、よって、切削抵抗(スラスト力)を小さいものにできる。
また、拡径螺旋山部を実施例1のドリルの拡径螺旋山部9より長い形態で、その螺旋谷47bの谷底が2度〜8度の傾斜角度線状に形成されてなる拡径螺旋山部40bとし、パイロット刃を実施例1のパイロット刃6よりも小刃径のパイロット刃39bとし、切削部を切削部41bとしてなる形態2のドリル42bを形成した点にある。
傾斜が緩くなった分だけ拡径螺旋山部の距離も長くなり、よって拡径螺旋山数も増え、その分1拡径刃の被加工材への食い込み量(切削深さ)も小さくなるので、拡径螺旋刃部のスラスト力(切削抵抗)を小さくできその耐久性も向上する。貫通孔形成に好適である。
図9の下図は、対比用に実施例1のドリル1を示したものであり、螺旋谷14の谷底は水平(0度)である。パイロット刃39がパイロット刃6に比べて小刃径であることが分かる。
[実施例4]
図10に示す本発明の実施例4において実施例3の形態1のドリル42aと主に異なる点は、拡径螺旋山部を仕上螺旋山部12側に距離Sだけずらして、形態1のドリル42aでは仕上螺旋山である部位の一部の山を、拡径螺旋山とした拡径螺旋山部40cとした構成の形態3のドリル42cを形成した点にある。
この「距離S分のずらし」によって、拡径螺旋山部40cとパイロット刃39cとの連絡部位の幅Taを形態1のドリル42aの連絡部位の幅Tbより広くすることができ、パイロット刃39cの強度をあげることができる。
これは、パイロット刃が小さくなりすぎる懸念のある、6mm以下の細いドリルで有効な形態である。
[実施例5]
図11に示す本発明の実施例5において前記実施例1と主に異なる点は、パイロット刃をボールエンドミル刃(又は、底刃付きのエンドミル刃でも良い)からなるパイロット刃43とし、切削部を切削部44として、シャンク部2にガス飛散防止筒45を嵌着してなるドリル46を形成した点にある。
パイロット刃43の高さHはH=r/3〜r/2とし、切削抵抗や摩耗による加工トルクの上昇を極力抑制している。
パイロット刃の形状、構造には多様な構成のものが含まれる。例えば、パイロット刃43のような膨らみ形湾曲形態ではなく、その逆の凹み形湾曲形態であるものなどがある。
[実施例6]
図12に示す本発明の実施例6において実施例1と主に異なる点は、パイロット刃6の底刃のマージンが形成される部位(以下「マージン形成部位」という)、そのマージン形成部位がマージンではなく被加工材Sの切削面と接触しないようにするための1度〜5度の逃げ48を設けた点にある。
これにより、切れ味が増すようにし、切削抵抗を小さくし、切屑を磨り潰す面を少なくしている。
また、拡径螺旋山AK1〜DK4および仕上螺旋山AF1〜DF5にマージンが在る場合に同様の逃げ48を設けるのもよい。
ドリル形成当初からマージン部位を有さない逃げ面を形成するのがよい。
ダイヤモンドコートからなる高硬質膜49をパイロット刃のすくい面52のみに施し逃げ面50(逃げ48を含む)の全部あるいは一部には施さない構成としている。
こうすることによって、摩耗によって逃げ48側が先に摩耗し、高硬質膜49は摩耗しにくいので、常に硬質膜49が切り刃を形成して行く、すなわち常に切れ刃が研がれて行く状態となり、よって切れ味が衰えないドリルとすることができる。
逃げ面50のパイロット刃の切り刃51に近接する部位ないし逃げ面50全体に高硬質膜49は施さない。マージンが在る場合には該マージンには高硬質膜49を施さない構成とするのもよい。高硬質膜49は施さない形態には、コーティングした高硬質膜49を後で研磨除去した形態、イオン粒子を衝突させるスパッタリング等で除去した形態等を含む。
硬質膜49をすくい面のみに設ける箇所は、パイロット刃、パイロット刃および拡径螺旋山部、あるいは切削部全体とする形態がある。
[実施例7]
図13に示す本発明の実施例7において実施例1と主に異なる点は、パイロット刃をローソク型の刃先とするパイロット刃55とし、拡径螺旋山部をのこ刃形状の拡径螺旋山の群からなる拡径螺旋山部56と、仕上螺旋山部をのこ刃形状の仕上螺旋山の群からなる仕上螺旋山部57とした切削部8を形成し、ドリル59とした点にある。
のこ刃形状は、先行山面は略垂直(垂直でなくてもよい)で、後行山面が緩やかな傾斜面であるので、その表面積が大きい後行山面からの放熱をアップさせることができ、切削効率アップに寄与する。
ローソク型のパイロット刃55は、外周刃で切削しかつ向心性に優れているので、アラミド繊維等がCFRP材の表面についている場合には、効果的に切削を行うことができる。
のこ刃形状は拡径螺旋山部56の仕上螺旋山部57両方、あるはいずれか一方でもよい。
以下に、本発明の態様及び実施例の効果を整理して説明する。
ねじ研削により形成されている仕上螺旋山部の切り刃の山頂幅はP/8である。この場合は、ドリルの送り量を山頂幅P/8より小さくすることによって、回転ごとに螺旋凸部位は仕上螺旋山部によって少しずつ切削されて行き、何回転かすると全部切削されて、螺旋凸部位の無い穿孔が形成される。
本発明の具体的な効果を、その代表的な難削加工材であるCFRP(炭素繊維強化プラスチック)の穴あけに、用いた場合ついて説明する。
(1)従来ドリルによる切屑の大きさと本発明のドリルによる切屑の大きさは、切屑を指に着けて指同士を擦り揉み込んで、払い落とす、水洗いするという実験から容易に判断できる。
すなわち、従来ドリルによる切削屑は、払い落としても水洗いしても指の皮膚隙間に残るほど微細である。これに対して本発明のドリルによる切屑は、払い落しによっても、水洗によっても皮膚の隙間に殆ど残らないで落ちる大きさである。
切屑の吸引無しでの切削では、従来のドリルは微粉となった切屑が外気中に噴出飛散する。これに対して本発明のドリルによる切屑は、切屑は穿孔入口の周りに綺麗に推績山形態(蟻の巣の入口の推績山状態)に綺麗に盛られて行き、飛散は肉眼では確認できないものである。(図6のイメージ図参照)
その理由は、切削部で削り形成された顆粒状切屑は、多数の螺旋谷へ円滑に分散流入して隣の切削部溝に円滑に排出され、さらに次のランドの多数の螺旋谷に分散流入して行く。これを繰り返しながら多数の螺旋谷構造によって切削穴入口へと円滑に運ばれて行く。
そして、顆粒状切屑はマージンが在る場合にはその殆どがマージンへ無理して入ることなく、螺旋谷へ円滑に流入し切削部溝へ排出されため、顆粒状切削屑は殆ど磨り潰されることなく(微細紛体になることなく)顆粒状態のまま切削穴入口から緩やかに排出されて行く。
よって、マージンと切削穴壁との間に切屑が入ることが極めて少ないので、その接触圧力が上昇することが生じない。よって、発熱温度が著しく上昇することがなく、かつ切削刃先の摩耗が著しく促進されることもない。
発熱し難く、ドリルと切削穴壁との接触圧力が低いので、軟化や溶融・融解が起こらずデラミネーションも発生しない。よって、硬質状態での切削が切削工程全体を通して行われて、切削穴(穿孔)の仕上が高品位なものになる。
例えば、実施例1で述べている実験結果(冷却無し)によると、DIAコートをしたパイロット刃43(実施例5のドリル46)の2穴目(切削送り量0.05mm)の発熱温度Maxは62.41℃(切削開始前温度18.68℃)であり、温度上昇は43.73℃であることからも、CFRPのガラス転移温度(Tg)の250℃〜350℃よりも、はるかに低温域であることが明らかである。
(2)上述したように、切屑および切削壁面は熱による軟性化がない。よって、くっ付きの生じない硬質状態のままの切屑と空気の円滑な移動による排出がなされる。
また、パイロット刃によって形成された先行切削穴は、拡径螺旋山部の多数の拡径刃(例えば、実施例1では、パイロット刃を加えた20枚の切り刃)によって、少しずつ分断拡径切削ないし分割拡径切削して行くので、切屑は顆粒状切屑で硬質状態を維持した、切屑同士がくっ付かない状態で効率よく円滑に螺旋谷へと入って隣の切削部溝へと円滑に流れて行く。
(3)仕上螺旋山部は、先行する仕上刃の切れ味が鈍ってきても、後行する仕上刃の切れ味によって仕上切削されて行くので、穿孔仕上面を高品質に形成し続けて行く高耐久で実現する。
(4)拡径螺旋刃部の切削でも残ったデラミネーションや繊維の切り残しは、仕上螺旋刃部の多数の仕上刃が同じ箇所を次々に通る分断切削動作ないし分割切削動作(例えば、実施例1にあっては24刃の仕上螺旋刃)によって、切削穴の入口と出口の縁を含めその切削面を高品質仕上とするものである。
すなわち、炭素繊維の非切断長尺繊維の増大、該非切断長尺繊維の回転工具の巻引っ張りによる軟性化樹脂を付着させての破断、非切断長尺繊維の残存による毛羽立ちが発生しない、切削動作を実現している。
特に、穿孔出口はドリルによって外に押されているので、最表面層が押し出されて剥離し易いのであるが、本発明のドリルでは、間欠的に多数の切り刃によって少しずつ削られ出口が拡径されて行くので、切削刃の押し当たり圧力が小さい。よって最表面層が剥離することが生じない。
このことは、穿孔の入口、出口を指でなでてみることで、穿孔の入口、出口のいずれの側でも毛羽立ち、デラミ、縁の荒れが極めて少ないことで分かる。
(5)多数の拡径刃による螺旋凸部位形成の分断拡径切削ないし分割拡径切削であるので、切削負荷が分散され(図5参照:例えば実施例1のドリルにおいては、機械側からのスラスト力Fは、20枚の刃に図の計算式のように分散される。よって、拡径刃(刃先)の切削抵抗が小さく発熱量も少なくできるので該拡径刃の寿命を長くできる。
(6)ドリルを抜く動作は、切削穴が平らな壁面となっているので切削時の回転のまま抜き動作を行うことができる。よって、抜き動作時においても仕上螺旋山の仕上刃群による抜き動作切削が行われ、残っているわずかな毛羽立ちの刈取りが行われる。
(7)上述したように、切屑が顆粒状であるため粒が大きく重い。そのため、作業空間への切屑の飛散量が極めて少ない。また、その粒の大きさから作業者の防塵マスクに確実に捕捉されるので、作業者が吸い込む危険が大幅に軽減される。
切削屑を吸引装置(吸引時に外気も同時に吸引されるようにしたもの。)により吸引することもできる。この場合、切削開始時から切屑が飛散することなく、より確実に吸引されて行く。また、横穴を開ける場合、重い切削屑は落下して行くので、強靭な吸引力は必要ではない)切屑を下で受け止めつつ吸引する装置を設ければよい。
(8)発熱量が小さいので切削送り量を大きくとることを可能としている。パイロット刃の切削食い込み量が大きくて、該パイロット刃での先行切削穴が粗面となったとしても、続く拡径螺旋山部および仕上螺旋山部の切削において、多数の切り刃による丁寧な分断切削動作ないし分割切削動作が行われるので、高品位な切削穴に仕上げられる。
(9)パイロット刃直後の拡径螺旋刃部による螺旋凸部位を形成して行く食い付き切削動作が、ドリルの直進性を保持する機能を有するので、ドリルの直進を阻害するような力が作用しても、直進性が損なわれない。従って、CFRPのみならず内部組成に不均一性を有するアルミダイキャストなどの難削材であっても、直進性が損なわれず、高精度の切削穴あけ動作を実現することができる。
従来のドリルでは、その直進性を維持するためにマージン部が必須とされていた。しかし、本願発明によると、マージン部が無くても直進性を維持できるので、マージン部のないドリルを提供することが可能となった。
すなわち、パイロット刃、パイロット刃および拡径螺旋刃、あるいはパイロット刃、拡径螺旋刃および仕上刃の下流側である稜線側を、マージン部を有さない全て逃げ面(「逃げ」ともいう。)としたドリルを提供することが可能となった。
これらの、稜線側をマージン部の無い必要部位を全て逃げ面としたドリルによって、切れ味の持続化、スラスト抵抗の低減化、ラジアル抵抗の低減化、切削屑の粉挽き磨り潰し現象の解消が可能となる。
このように、マージン部が無いことにより、切屑の磨り潰し微細化現象が生じることがなく、かつ、切削抵抗およびスラスト抵抗が軽減されるため、良い切れ味が長く続き、発熱量が小さく耐久性を向上させることができる。
シャンク部に一部の切削部溝と直接に連通して、該切削溝にクーラントを供給するサイドスルー溝を設けるのがよい。この構成によって、チャック装置側から供給されるクーラントがサイドスルー溝を通り連通切削部溝に流入し、該連通切削部溝に案内されて強制的にパイロット刃に供給され、該パイロット刃に届いたクーラントは切削部溝連通凹部を通り隣の非連通切削部溝に強制的に流入し、非連通切削部溝を逆流して切削穴入口から強制排出される。
この構成にすると、強制的に噴入供給され強制的に切削部溝および螺旋谷を高速に流される冷却・切屑排出用ガスによって、切削部、切削穴の壁面および切屑は強力に冷却されるので、より低い温度での切削を実現する。よって、耐久性を著しく向上させることができる。また、寸法の点でも、面精度の点でも、より高精度の切削仕上げが可能となる。
また、クーラントの高速化によって切屑は高速で移動するので、切削壁面とドリルとの間の隙間または螺旋谷に切屑が溜まることなく排出される。
切削部溝を、加工時にスラスト方向への応力が発生しない方向に、拡径螺旋山部および仕上螺旋山部のリード角だけねじった形態とすることにより、切削抵抗を低減できる。切削部溝をリード角分だけ、例えば左方向(正ねじ螺旋の逆方向)にねじり、面直角で被加工材を切削する構成とすることにより、スラスト力(切削抵抗)を低減できる。これにより、ドリルの耐久性を向上させかつ切削穴の加工品位を向上させることができる。
パイロット刃の終端外径を拡径螺旋山部の先端外径と同じにすることにより、パイロット刃を小さくすることができる。これにより、パイロット刃の切削抵抗を小さくできる。また、拡径刃の食い込み量を浅い食い込み量にできるので拡径刃の寿命を長くすることができる。
山頂幅を前記P/8+αとするための尖がりねじ山がねじ研削によって形成され、尖がりねじ山の外径研削によって、P/8+αの山頂幅である前記所望の外径寸法が得られる位置に、前記尖がりねじ山が形成された構成とすることにより、以下の効果を得ることができる。
山頂幅がP/8では、実際上はピッチ誤差、角度誤差によるバラツキが出て、切り残しが発生する可能性がある。また、送りが一定となり難く送り量に個人差のある手動ドライバーによる穿孔加工のように、1回転あたりの送り量が不均一になる場合も、切り残しが発生する可能性がある。切り残しは穿孔面に螺旋状の凸部の形態で残るため、正回転のままではドリルを抜くことができないという不具合が生じる。
山頂幅をP/8+αとすることによって、このようなバラツキによる切り残しの発生を防止することができ、よって、正回転のままでのドリルの確実な抜き操作と、高品質な穿孔面を実現する。
切削送り量には個人差が生じる、人が直接手に持って穴あけ作業を行うドリルドライバによる穴あけであっても、広い山頂幅によって確実に螺旋凸部位の無い穿孔を実現するので、正回転のまま抜き操作が確実に行える。
ピッチをP、切削部溝の溝数をnとし、仕上螺旋山部の所望の外径寸法位置である仕上刃の山頂の山頂幅をP/nとした構成とすることにより、以下の効果を得ることができる。
例えば、切削部溝数n=6、P=1.0mmとした場合の山頂幅は1.0/6=0.16mm、切削部溝数n=4とした場合の山頂幅は1.0/4=0.25mm、切削部溝数n=3とした場合の山頂幅は1.0/3=0.33mm、切削部溝数n=2とした場合の山頂幅は1.0/2=0.5mmである。
すなわち、いずれの上記溝数でも、ねじ規格の山頂幅の1.0/8=0.125mmよりも広い山頂幅となるので、それだけ送り量の自由度が増すという効果を奏する。
切削送り量には個人差が生じる、人が直接手に持って穴あけ作業を行うドリルドライバによる穴あけであっても、広い仕上刃の山頂の山頂幅によって確実に螺旋凸部位の無い穿孔を実現するので、正回転のまま抜き操作が確実に行える。
山頂幅をP/n+αとするための尖がりねじ山がねじ研削によって形成され、尖がりねじ山の外径研削によって、P/n+αの山頂幅である所望の外径寸法が得られる位置に、尖がりねじ山が形成されてなる構成により、次のような効果を得ることができる。
山頂幅がP/nでは、実際上はピッチ誤差、角度誤差によるバラツキが出て、切り残しが発生する可能性がある。また、送り量に個人差のある手動ドライバーによる穿孔加工のように、1回転あたりの送り量が不均一になる場合も、切り残しが発生する可能性がある。切り残しは穿孔面に螺旋状の凸部として残り、正回転のままではドリルを抜くことができないという不具合が生じる。
山頂幅をP/n+αとすることによって、このようなバラツキによる切り残しの発生を防止することができる。これにより、正回転のままでのドリルの確実な抜き操作と、高品質な穿孔面を実現するという効果を奏する。
拡径螺旋山部の螺旋谷の谷底が2度〜8度の傾斜角度線状に形成されることにより、拡径螺旋山部の先端外径が小さくなる。これにより、拡径螺旋山部の先端に設けられるパイロット刃が小さくなるので、パイロット刃のスラスト力(切削抵抗)を小さくでき、その耐久性も向上する。
また、シャンク部のチャック装置にチヤツキングされない部分に直接的にあるいは他の部材を介した鍔部を設けて、
被加工材面に当接するワーク面当接開口部、このワーク面当接開口部から延長された筒状部、この筒状部に設けられた吸引装置が接続される吸引口、筒状部の後部側に設けられたシャンク部あるいは他の部材を通しかつ鍔部が通らない形態のシャンク側通し部を備える、切削穴の入口から排出される切屑を吸引する吸引カバーを設けて、
シャンク側通し部の縁の鍔部への当たりによって前部側への移動が止められ、ワーク面当接開口部の被加工材面への当接によって、切削送りに伴う吸引カバーの後部側への移動が可能とする構成とすることにより、以下の効果を有する。
切削穴が未貫通の状態でサイドスルー溝からのクーラントの一種である冷却・切屑排出用ガスによって切削穴入口から吹き出す切屑を吸引カバーに閉じ込め、外に飛散させることなく、吸引装置で効率的に吸引処理できる。
また、切削穴が貫通した瞬間においても、その切削穴出口と非連通切削部溝で形成される開口は、吸引装置の吸引により外の空気を吸い込む吸引口となるので、切削穴出口側の切屑は飛散することなく外の空気とともに吸い込まれる。よって、切削穴32が貫通した瞬間および後の切削穴出口側での切屑の飛散を防止できる。
実施例1〜7のドリルは、上述の説明から明らかな通り、被加工材に先行切削穴を形成する先行切削工程と、先行切削穴を拡径切削しながら螺旋凸部位を形成する拡径切削工程と、螺旋凸部位を切削して、開口孔部の壁面を滑らかにする平壁面仕上を行う仕上切削工程とを備える被加工材に穿孔を形成する穿孔の形成方法を、1本のドリルで実施すること可能とするものである。
本発明は、特にCFRP(炭素繊維強化プラスチック)、BFRP(ボロン繊維強化プラスチック)、AFRP、KFRP(アラミド繊維強化プラスチック)等のFRP(繊維強化プラスチック)、アルミダイキャスト、銅製ダイキャストなどの難削材に切削穴あけをする産業で利用される。
A〜D:第1のランド〜第4のランド
AK1〜DK4:拡径螺旋山
AF1〜DF5:仕上螺旋山
G:冷却・切屑排出用ガス
1:ドリル
2:シャンク部
3:切削部
4:ドリル本体
5a〜5d:第1の切削部溝〜第4の切削部溝
6:パイロット刃
9:拡径螺旋山部
12:仕上螺旋山部
12:仕上螺旋山部
14:螺旋谷
16:逃げ面
17:逃げ面
18:拡径螺旋刃部
19:仕上螺旋刃部
20:螺旋凸部位
21a、21b:サイドスルー溝
22:チャック装置
23a、23b:切削部溝連通凹部
24:四角部
25:ザグリ穴
27:鍔部
28:ワーク面当接開口部
29:筒状部
30:吸引口
31:シャンク側通し部31
32:切削穴
33:吸引カバー
34:ガス飛散防止筒
35:切削穴入口
36:切削穴出口
39a、39b、39c:パイロット刃
40a、40b、40c:拡径螺旋山部
41a、41b、41c:切削部
42a:形態1のドリル
42b:形態2のドリル
42c:形態3のドリル
43:パイロット刃
44:切削部
45:ガス飛散防止筒
46:ドリル
47a、47b、47c:螺旋谷
48:逃げ
49:高硬質膜
50:パイロット刃の逃げ面
51:パイロット刃の切り刃
52:パイロット刃のすくい面
55:パイロット刃
56:拡径螺旋山部
57:仕上螺旋山部
58:切削部
59:ドリル

Claims (11)

  1. 後部側をシャンク部とし前部側を切削部とするドリル本体と、
    前記切削部に形成された第1のランド〜第nのランドと、
    この第1のランド〜第nのランドのランド間に形成された第1の切削部溝〜第nの切削部溝と、
    前記切削部の先端に設けられた被加工材に先行切削穴あけを行うパイロット刃と、
    このパイロト刃に続いて前記第1のランド〜第nのランドに形成された、前記先行切削穴を拡径切削しながら螺旋凸部位を形成して行く、拡径螺旋山の山群からなる拡径螺旋山部と、
    この拡径螺旋山部に続いて前記第1のランド〜第nのランドに形成された、前記螺旋凸部位を切削して平壁面仕上とする、山の高さが同じ仕上螺旋山の山群からなる仕上螺旋山部と、
    前記拡径螺旋山および前記仕上螺旋山の螺旋山と螺旋山の間に、前記第1の切削部溝〜第nの切削部溝の隣の切削部溝同士を連絡する形態で形成された螺旋谷と、
    前記拡径螺旋山と前記第1の切削部溝〜第nの切削部溝の溝面とによって形成された該拡径螺旋山の山縁部位である、前記パイロット刃によって切削形成された先行切削穴を分断拡径切削ないし分割拡径切削して行く拡径刃の刃群からなる拡径螺旋刃部と、
    前記仕上螺旋山と前記第1の切削部溝〜第nの切削部溝の溝面とによって形成された山縁部位である、前記拡径螺旋刃部によって切削形成された拡径切削穴を分断仕上切削ないし分割仕上切削して行く仕上刃の刃群からなる仕上螺旋刃部と、
    を備えることを特徴とするドリル。
  2. 前記パイロット刃にマージンを有さない、前記パイロット刃および前記拡径螺旋山部の双方にマージンを有さない、または、前記パイロット刃、前記拡径螺旋山部および仕上螺旋山部のいずれにもマージンを有さないことを特徴とする請求項1記載のドリル。
  3. 前記シャンク部の外周側に前記第1の切削部溝〜第nの切削部溝のいずれかに直接に連通したサイドスルー溝が形成され、前記サイドスルー溝が連通した切削部溝が連通切削部溝とされ、前記シャンク部をチャッキングしたチャック装置側から供給されるクーラントが、前記サイドスルー溝を通り前記連通切削部溝に流入案内されて前記パイロット刃に供給されるようにし、
    前記第1の切削部溝〜第nの切削部溝のうち前記サイドスルー溝の連通の無い切削溝が非連通切削部溝とされ、
    前記パイロット刃が形成されている部位に、前記連通切削部溝と前記非連通切削部溝を直接に連通する切削部溝連通凹部が形成されていて、
    前記連通切削部溝に流入した前記クーラントが、前記切削部溝連通凹部を通り前記非連通切削部溝に流入し切削穴の入口から排出されるようにされ、
    前記第1の切削部溝〜第nの切削部溝の溝形態が、前記サイドスルー溝からの前記クーラントが前記パイロット刃に供給されるストレート溝形態あるいは弱ねじれ溝形態であることを特徴とする請求項1、2のいずれか1項に記載のドリル。
  4. 前記第1の切削部溝〜第nの切削部溝は、加工時にスラスト方向への応力が発生しない方向に、前記拡径螺旋山部および前記仕上螺旋山部のリード角だけねじった形態であることを特徴とする請求項1、2、3のいずれか1項に記載のドリル。
  5. 前記パイロット刃の終端外径は前記拡径螺旋山部の先端外径と同じであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のドリル。
  6. ピッチをPとし、αを0.01mm〜0.5mmとし、
    前記仕上螺旋山部の所望の外径寸法の位置である前記仕上刃の山頂の山頂幅を、P/8よりも幅広であるP/8+αとし、
    前記山頂幅を前記P/8+αとするための尖がりねじ山がねじ研削によって形成され、
    前記尖がりねじ山の外径研削によって、前記P/8+αの山頂幅である前記所望の外径寸法が得られる位置に、前記尖がりねじ山が形成されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のドリル。
  7. ピッチをP、前記切削部溝の溝数をnとし、
    前記仕上螺旋山部の所望の外径寸法位置である前記仕上刃の山頂の山頂幅をP/nとしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のドリル。
  8. ピッチをPとし、αを0.01mm〜0.5mmとし、前記切削部溝の溝数をnとし、
    前記仕上螺旋山部の所望の外径寸法位置である前記仕上刃の山頂の山頂幅を、P/n+αとしたことを特徴とする請求項1〜5、7のいずれか1項に記載のドリル。
  9. 前記拡径螺旋山部の前記螺旋谷の谷底が2度〜8度の傾斜角度線状に形成されてなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のドリル。
  10. 前記シャンク部のチャック装置にチヤツキングされない部分に、直接的にあるいは他の部材を介した鍔部を設けてなるとともに、
    前記被加工材面に当接するワーク面当接開口部、このワーク面当接開口部から延長された筒状部、この筒状部に設けられた吸引装置が接続される吸引口、前記筒状部の後部側に設けられた前記シャンク部あるいは前記他の部材を通しかつ前記鍔部が通らない形態のシャンク側通し部とを備えてなる、切削穴の入口から排出される切屑を吸引する吸引カバーを設ける、あるいは取り付け可能とし、
    前記シャンク側通し部の縁の前記鍔部への当たりによって前記前部側への移動が止められ、前記ワーク面当接開口部の前記被加工材面への当接によって、切削送りに伴う前記吸引カバーの後部側への移動が可能とされてなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のドリル。
  11. 被加工材に先行切削穴を形成する先行切削工程と、
    前記先行切削穴を拡径切削しながら螺旋凸部位を形成する拡径切削工程と、
    前記螺旋凸部位を切削して、開口孔部の壁面を滑らかにする平壁面仕上を行う仕上切削工程と、
    を備え、前記各工程を1本のドリルで行うことにより前記被加工材に穿孔を形成することを特徴とする穿孔の形成方法。
JP2014545750A 2012-11-09 2013-11-07 ドリル及び穿孔の形成方法 Active JP6393620B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012247210 2012-11-09
JP2012247210 2012-11-09
JP2013184400 2013-09-05
JP2013184400 2013-09-05
PCT/JP2013/080126 WO2014073610A1 (ja) 2012-11-09 2013-11-07 ドリル及び穿孔の形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2014073610A1 true JPWO2014073610A1 (ja) 2016-09-08
JP6393620B2 JP6393620B2 (ja) 2018-09-19

Family

ID=50684710

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014545750A Active JP6393620B2 (ja) 2012-11-09 2013-11-07 ドリル及び穿孔の形成方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US9475128B2 (ja)
EP (1) EP2918361B1 (ja)
JP (1) JP6393620B2 (ja)
KR (1) KR20150082176A (ja)
CN (1) CN103987482B (ja)
TW (1) TW201429584A (ja)
WO (1) WO2014073610A1 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9839984B2 (en) * 2014-08-14 2017-12-12 Kennametal Inc. Method of making a cutting tap with a correction grind
JP2016155178A (ja) * 2015-02-23 2016-09-01 泰介 森藤 回転工具、及び回転工具の製造方法
USD810158S1 (en) * 2015-11-18 2018-02-13 Shajeng Hardware Co., Ltd. Drilling and tapping cutter
US11007583B2 (en) * 2016-02-14 2021-05-18 Hongjia Wang Twist drill
KR102032079B1 (ko) * 2016-06-13 2019-10-14 미츠비시 가스 가가쿠 가부시키가이샤 드릴 비트 및 구멍 형성 방법
TWM536990U (zh) * 2016-09-29 2017-02-21 Ming-Gong Wu 正反旋向銑刀結構
USD847225S1 (en) * 2017-10-25 2019-04-30 Shanghai Well-Sun Precision Tools Co., Ltd. Grinder bistrique
CN107717144A (zh) * 2017-11-06 2018-02-23 温岭市多宝力工具厂(普通合伙) 一种螺纹孔加工钻头
CA3083251A1 (en) * 2017-12-27 2019-07-04 3D Studio Engineering S.R.L. Cutting tool and cooling method thereof
DE102018115986A1 (de) * 2018-07-02 2020-01-02 EMUGE-Werk Richard Glimpel GmbH & Co. KG Fabrik für Präzisionswerkzeuge Werkzeug zum Erzeugen eines Gewindes
DE102019102726A1 (de) 2019-02-04 2020-08-06 EMUGE-Werk Richard Glimpel GmbH & Co. KG Fabrik für Präzisionswerkzeuge Bohrwerkzeug und Verfahren zur Erzeugung einer Bohrung
DE102019202165B4 (de) * 2019-02-19 2022-10-27 Kennametal Inc. Bohrer und Verfahren zur Bearbeitung eines Werkstücks
EP3847924B1 (en) * 2019-02-22 2023-10-18 Shanghai Well-Sun Procision Tool Co., Ltd. Five-in-one polishing head
US10807132B2 (en) 2019-02-26 2020-10-20 Henry B. Crichlow Nuclear waste disposal in deep geological human-made caverns
CN113165127B (zh) * 2019-03-04 2023-02-03 国立大学法人东海国立大学机构 机械加工方法和机械加工装置
CN110449727A (zh) * 2019-08-21 2019-11-15 谢仁贤 一种用于管材的激光加工设备
CN113351947B (zh) * 2021-06-30 2023-03-31 成都工具研究所有限公司 一种新型小管径螺纹加工排屑的刀具
TWI833336B (zh) * 2022-08-23 2024-02-21 彭政嘉 擴徑工具頭及其擴徑方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4127355A (en) * 1977-09-06 1978-11-28 Oakes Harry C Wood bit
US7246976B2 (en) * 2003-10-21 2007-07-24 Textron Innovations Inc. Spade bit
JP2007268657A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Hitachi Tool Engineering Ltd 穴開け工具
US7357606B1 (en) * 2006-02-03 2008-04-15 United States Of America As Represented By The Administrator Of The National Aeronautics And Space Administration Self-advancing step-tap tool
WO2010095249A1 (ja) * 2009-02-20 2010-08-26 オーエスジー株式会社 ドリル付きタップ

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US1752262A (en) * 1928-09-20 1930-03-25 Firm Of Peter Friedr Muhlhoff Bit for boring long holes
DE716227C (de) * 1938-03-03 1942-01-15 Gewerkschaft Reuss Bohrwerkzeug fuer das Hereingewinnen von Kohle
US3147646A (en) * 1961-10-19 1964-09-08 Universal American Corp Special purpose drill
US4536107A (en) * 1983-08-29 1985-08-20 Ex-Cell-O Corporation Drill bit
JPS6328504A (ja) * 1986-07-22 1988-02-06 Honda Motor Co Ltd ドリル
JPH0832382B2 (ja) * 1988-10-31 1996-03-29 ジーエヌツール株式会社 ニック付切削工具
US5221163A (en) 1988-10-31 1993-06-22 Gn Tool Co., Ltd. Nicked cutting tool
US5378091A (en) 1992-06-17 1995-01-03 Makino Milling Machine Co., Ltd. Method and apparatus for machining a workpiece
JP2525893Y2 (ja) * 1992-06-17 1997-02-12 株式会社牧野フライス製作所 切削工具
JPH0755404B2 (ja) * 1992-12-14 1995-06-14 富士重工業株式会社 穿孔機の冷却集塵装置
US5636948A (en) * 1995-05-04 1997-06-10 Fullerton Tool Company, Inc. Drill for synthetic fiber filled plastic and like materials
JP2001054810A (ja) * 1999-08-13 2001-02-27 Nissan Motor Co Ltd ドリル
CN1733399A (zh) * 2004-08-13 2006-02-15 上海品华冶金机械设备制造厂 更换风口用钻头
JP2007075942A (ja) * 2005-09-14 2007-03-29 Hitachi Tool Engineering Ltd 穴開け工具
JP2009039811A (ja) * 2007-08-08 2009-02-26 Kumamoto Univ 繊維強化複合材の穴あけ工具と穴あけ方法
JP5184902B2 (ja) 2008-01-23 2013-04-17 住友電気工業株式会社 繊維強化複合材の穴あけ工具と穴あけ方法
JP4996739B2 (ja) * 2008-02-29 2012-08-08 オーエスジー株式会社 切りくず吸引ドリル
JP5176110B2 (ja) * 2008-06-02 2013-04-03 Fsテクニカル株式会社 電動ドリルのガイドアタッチメントおよびこれを備えた穿孔装置
JP5276486B2 (ja) 2009-03-13 2013-08-28 富士重工業株式会社 ドリル
CN101524768B (zh) * 2009-04-10 2011-01-26 柳德春 新副刃多刃尖航空钻
WO2011020859A1 (de) * 2009-08-19 2011-02-24 Cemecon Ag Beschichtetes werkzeug
DE102009038173A1 (de) * 2009-08-20 2011-03-17 Gühring Ohg Werkzeug zur Herstellung eines Gewindes
US20120269591A1 (en) 2009-10-21 2012-10-25 Fukui Prefectural Government Drill for composite material as well as machining method using same and machining apparatus using same
CN201572947U (zh) * 2009-12-18 2010-09-08 昆山兼房高科技刀具有限公司 一种钻头
AT12005U1 (de) * 2010-02-26 2011-09-15 Johann Eberhard Ges M B H Bohrer

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4127355A (en) * 1977-09-06 1978-11-28 Oakes Harry C Wood bit
US7246976B2 (en) * 2003-10-21 2007-07-24 Textron Innovations Inc. Spade bit
US7357606B1 (en) * 2006-02-03 2008-04-15 United States Of America As Represented By The Administrator Of The National Aeronautics And Space Administration Self-advancing step-tap tool
JP2007268657A (ja) * 2006-03-31 2007-10-18 Hitachi Tool Engineering Ltd 穴開け工具
WO2010095249A1 (ja) * 2009-02-20 2010-08-26 オーエスジー株式会社 ドリル付きタップ

Also Published As

Publication number Publication date
EP2918361B1 (en) 2020-03-04
WO2014073610A1 (ja) 2014-05-15
JP6393620B2 (ja) 2018-09-19
EP2918361A4 (en) 2016-07-27
US20140212234A1 (en) 2014-07-31
KR20150082176A (ko) 2015-07-15
EP2918361A1 (en) 2015-09-16
TW201429584A (zh) 2014-08-01
US9475128B2 (en) 2016-10-25
CN103987482B (zh) 2018-01-12
CN103987482A (zh) 2014-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6393620B2 (ja) ドリル及び穿孔の形成方法
JP5135614B2 (ja) 複合材料用ドリル並びにそれを用いた機械加工方法及び機械加工装置
JP5600765B2 (ja) ツイストドリルおよびラミネート材の穿孔方法
JP5184902B2 (ja) 繊維強化複合材の穴あけ工具と穴あけ方法
JP6589506B2 (ja) ドリル及びドリルヘッド
US5221163A (en) Nicked cutting tool
CN104999118B (zh) 一种用于碳纤维复合材料制孔的高效专用钻头
US7033643B2 (en) Process of manufacturing a coated body
JP5366003B2 (ja) ルーターエンドミル
US7090442B2 (en) Shaper router and method
JP5451831B2 (ja) 繊維強化複合材の穴あけ工具と穴あけ方法
JP2009039811A (ja) 繊維強化複合材の穴あけ工具と穴あけ方法
JP2013525129A (ja) 先端材料用のツイストドリル
KR20120023659A (ko) 날끝교환식 드릴 및 드릴본체
TW201842173A (zh) 切削加工輔助潤滑材料、切削加工輔助潤滑片及利用此等之切削加工方法
JP5476590B1 (ja) 複合材料用ドリル並びにそれを用いた機械加工方法及び機械加工装置
GB2494784A (en) Drill reamer with axially displaced cutting sections
JP2009039810A (ja) 繊維強化複合材の穴あけ方法
CN112351852B (zh) 深孔钻、以及用于生产深孔钻的方法
WO2020261999A1 (ja) 炭素繊維複合材用ドリル
JPH0871845A (ja) 複合材料加工用リーマ
JP2010260115A (ja) 繊維強化複合材料用穴あけ工具
JP2012106307A (ja) ドリル
TWM586181U (zh) 具不等分割刀刃及螺旋角漸縮導程的r溝立銑刀
TWM586182U (zh) 具不等分割刀刃及不等螺旋角的立銑刀

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170818

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20171013

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180511

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180817

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180827

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6393620

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250