JPWO2014073094A1 - 質量分析装置及び質量較正方法 - Google Patents

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Abstract

同一被検試料に対しm/zが既知(m/z=M)であるプリカーサイオンを設定した複数回のMS/MS分析を繰り返し行う際に、その一部でCIDが起こりにくいような解離条件の下でのMS/MS分析を実施する(S3〜S9)。そうして得られたスペクトルデータを積算することでMS/MSスペクトルを作成すると(S10)、m/z=Mで既知であるプリカーサイオンが必ず観測される。そこで、MS/MSスペクトル上で該イオンに相当するピークを検出し、そのm/z実測値とm/z理論値Mとの質量偏差を求め(S11)、質量偏差に基づき他のピークの質量ずれを較正したスペクトルを作成する(S12)。これにより、MS/MSスペクトルにおいても実質的に内部標準法による質量較正を行うことができ、従来よりも質量精度を向上させることができる。

Description

本発明は、MSn(ここでnは2以上の整数)分析が可能な質量分析装置、及び該質量分析装置における質量較正方法に関する。
質量分析装置では化合物由来のイオンの質量電荷比m/zを測定することができるが、この質量電荷比値は様々な要因で変動する。この質量電荷比値の変動の幅がその装置の質量精度となる。質量精度を向上させるために、質量分析装置では、質量電荷比の理論値(又はきわめて正確な測定値)が既知である化合物に対する測定結果を利用した質量較正が行われている。
例えば特許文献1などに記載の装置では、質量電荷比の理論値が既知である所定の化合物を含む標準試料を測定し、そのときの質量電荷比の実測値と上記理論値とを比較することにより該質量電荷比における質量偏差を求める。そして、複数の化合物に対する異なる質量電荷比においてそれぞれ得られる質量偏差から、質量電荷比と質量偏差との関係を示す較正曲線を作成する。こうして作成された較正曲線に基づいて、目的試料中の任意の化合物を測定した際に得られる質量電荷比の実測値を較正する。こうした質量較正により、目的とする化合物の質量電荷比を高い精度で以て求めることができる。
上記質量較正法では、標準試料の測定と目的試料の測定とが別々に行われるため、両測定時における測定条件や周囲環境の相違などに起因する質量偏差をなくすことはできない。そこで、目的試料を測定して得られるマススペクトル中に、質量電荷比の理論値が知られている既知化合物由来のピークが存在する場合には、このピークの質量電荷比実測値と理論値とから質量偏差を求め、該マススペクトル中の他のピークの質量電荷比をその質量偏差に基づいて修正するという内部標準法による質量較正も行われている。この質量較正法では、同時刻に実施された測定結果に基づいて質量較正が行われるので、より高精度な質量較正が可能である。
しかしながら、上述したような内部標準法による質量較正を行うことができるのは、取得されたマススペクトル中に既知化合物由来のピークが存在し、それを検出することができる場合だけである。
イオントラップ飛行時間型質量分析装置やタンデム四重極型質量分析装置などで得られるMSnスペクトルでは、多くの場合、質量電荷比に基づいて選別された単一の化合物が解離して生成された各種のプロダクトイオンが観測され、それらプロダクトイオン以外の、正確な質量電荷比が既知である化合物イオンピークは存在しない。そのため、上述したような内部標準法による質量較正を行うことができない。そこで、従来一般的には、同じ試料に対して解離操作を伴わずに得られたMS1スペクトル(マススペクトル)において内部標準法による質量較正を行う際に求まる質量偏差値や質量較正テーブルを使用して、便宜的に、MSnスペクトル中の各ピークの質量較正を行っていた(特許文献2など参照)。そのため、MSnスペクトルの質量精度はMS1スペクトルの質量精度に比べると劣ることが避けられなかった。
特開2005−292093号公報 米国特許第7071463号明細書
発明が解決すべき課題
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、MSnスペクトルの質量較正の精度を向上させることで、従来よりも質量精度の高いMSnスペクトルを得ることができる質量分析装置及び質量較正方法を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る質量分析装置の第1の態様は、試料中の化合物由来のイオンを解離させるイオン解離部と、その解離操作によって生成されたイオンを質量分析する質量分析部と、を具備するMSn(ここでnは2以上の整数)分析可能な質量分析装置において、
a)イオンに対する解離操作を行わずに得られるMS1スペクトル中に観測される既知の質量電荷比を持つピークがMSnスペクトル中に残るように解離条件を調整した解離操作を行うべく前記イオン解離部を動作させる分析制御部と、
b)前記分析制御部による制御の下で前記イオン解離部による解離操作を実施したときに得られるスペクトルデータに基づいて、MSnスペクトルを作成するスペクトル作成部と、
c)前記スペクトル作成部により作成されたMSnスペクトル中で前記既知の質量電荷比を持つピークを検出し、該ピークの質量電荷比の実測値と既知である質量電荷比値との差を利用して、前記MSnスペクトル中の各ピークの質量電荷比を較正する質量較正部と、
を備えることを特徴としている。
また上記課題を解決するために成された本発明に係る質量較正方法の第1の態様は、試料中の化合物由来のイオンを解離させ、その解離操作によって生成されたイオンを質量分析するMSn(ここでnは2以上の整数)分析可能な質量分析装置における質量較正方法であって、
イオンに対する解離操作を行わずに得られるMS1スペクトル中に観測される既知の質量電荷比を持つピークがMSnスペクトル中に残るように解離条件を調整した解離操作を実施し、そのときに得られるスペクトルデータに基づいてMSnスペクトルを作成するスペクトル作成ステップと、
前記スペクトル作成ステップにおいて作成されたMSnスペクトル中で前記既知の質量電荷比を持つピークを検出し、該ピークの質量電荷比の実測値と既知である質量電荷比値との差を利用して、前記MSnスペクトル中の各ピークの質量電荷比を較正する質量較正ステップと、
を有することを特徴としている。
本発明に係る質量分析装置及び質量較正方法の第1の態様において、上記既知の質量電荷比を持つピークは、例えばMSn分析のためのプリカーサイオン又は該プリカーサイオンと元素組成が同一で安定同位体以外の元素を含む同位体イオンのピークとすることができる。なお、ここでいう「既知の質量電荷比」とは、化合物の元素組成から計算によって求まる質量電荷比の理論値のみならず、十分に高い精度である質量分析装置やそのほかの装置によって実測により得られた精密な測定値であってもよい。
この場合、上記スペクトル作成部は、複数回のMSn分析によりそれぞれ得られたスペクトルデータを積算してMSnスペクトルを作成するものであり、上記分析制御部は、同一試料に対する複数回のMSn分析のうちの少なくとも1回、プリカーサイオンを解離させない質量分析を実行する、又はイオンを解離させるためにプリカーサイオンに付与するエネルギをMSnスペクトル中にプリカーサイオンが十分に残ると想定される値まで下げた解離操作を伴う質量分析を実行する構成とすることが好ましい。
イオントラップ型質量分析装置や三連四重極型質量分析装置などの質量分析装置においてイオンを解離させる手法としては、衝突誘起解離(CID)がよく利用されている。この衝突誘起解離において、プリカーサイオン由来のピークがMSnスペクトル中に残るようにするには、例えば解離操作の際にイオンに付与する衝突エネルギ(コリジョンエネルギ)を小さくする、衝突誘起解離ガスのガス圧を下げる、といった解離条件の変更が考えられる。後者は迅速な制御の変更には不向きであるのに対し、衝突エネルギの変更は電極に印加する電圧を変更しさえすればよいので制御が容易である。なお、イオントラップ内でイオンを解離させるのであれば解離時間を短縮するようにしても、MSnスペクトル中にプリカーサイオンが十分に残るようにすることができる。
上述したような特徴的なMSn分析により得られたデータに基づくMSnスペクトル中には既知の質量電荷比を持つピークが観測される筈であるから、質量較正部は該ピークを検出し、該ピークの質量電荷比の実測値と既知である質量電荷比値との質量偏差を利用して、MSnスペクトル中の各ピークの質量電荷比を較正する。解離条件を変えて同一試料に対して複数回のMSn分析を実行する場合、厳密にいえば分析を実行する時刻は全く同一ではないものの、同一であるとみなせる時刻に得られたスペクトルデータが1つのMSnスペクトルに反映される。したがって、MSnスペクトルに基づいて得られる質量偏差は実質的に内部標準法により得られる質量偏差とほぼ同等であり、これを利用することでMSnスペクトルの質量較正を従来に比べて高い精度で行うことができる。
また上記課題を解決するために成された本発明に係る質量分析装置の第2の態様は、試料中の化合物由来のイオンを解離させるイオン解離部と、その解離操作によって生成されたイオンを質量分析する質量分析部と、を具備するMSn(ここでnは2以上の整数)分析可能な質量分析装置において、
a)前記イオン解離部における解離操作によって生成されたイオンを前記質量分析部で質量分析する前に、該イオンに質量電荷比が既知であるイオンを加えるイオン加算部と、
b)前記イオン加算部によりイオンが加算されたときに得られるスペクトルデータに基づいて、MSnスペクトルを作成するスペクトル作成部と、
c)前記スペクトル作成部により作成されたMSnスペクトル中で前記質量電荷比が既知であるイオンに対応するピークを検出し、該ピークの質量電荷比の実測値と既知である質量電荷比値との差を利用して、前記MSnスペクトル中の各ピークの質量電荷比を較正する質量較正部と、
を備えることを特徴としている。
この第2の態様におけるイオン加算部は、例えばその内部でイオンを解離させて保持する又は外部で解離されたイオンを保持するイオントラップと、該イオントラップに解離により生成した各種プロダクトイオンが保持されている状態で該イオントラップ中に質量電荷比が既知であるイオンを外部から追加的に導入し、もともと保持されていたイオンと併せて保持するようにイオントラップを駆動制御する制御部と、からなるものとすることができる。こうしたイオンの追加はMSn分析の直後に実行され、それに引き続いて質量分析部による質量分析が実施されるから、MSnスペクトルに基づいて得られる質量偏差は実質的に内部標準法により得られる質量偏差とほぼ同等である。それにより、この第2の態様においても第1の態様と同様に、MSnスペクトルの質量較正を従来に比べて高い精度で行うことができる。
また上記課題を解決するために成された本発明に係る質量分析装置の第3の態様は、試料中の化合物由来のイオンを解離させるイオン解離部と、その解離操作によって生成されたイオンを質量分析する質量分析部と、を具備するMSn(ここでnは2以上の整数)分析可能な質量分析装置において、
a)被検試料に対するMSn分析の直前又は直後に、既知の質量電荷比を持つイオンに対し解離操作を行わない質量分析を行うように前記イオン解離部及び質量分析部を動作させる分析制御部と、
b)前記被検試料に対するMSn分析により得られたスペクトルデータと、前記分析制御部による制御の下で既知の質量電荷比を持つイオンに対する質量分析により得られたスペクトルデータとを併せて、MSnスペクトルを作成するスペクトル作成部と、
c)前記スペクトル作成部により作成されたMSnスペクトル中で前記既知の質量電荷比を持つピークを検出し、該ピークの質量電荷比の実測値と既知である質量電荷比値との差を利用して、前記MSnスペクトル中の各ピークの質量電荷比を較正する質量較正部と、
を備えることを特徴としている。
即ち、第1の態様では質量電荷比が既知であるプリカーサイオンなどが意図的に残るように解離条件が調整されたMSn分析が実行されていたが、この第3の態様では、例えばプリカーサイオン選択のみが実施され、通常はそれに引き続いて実施される解離操作が省略された質量分析がMSn分析の直前又は直後(MSn分析が複数回実行される場合には、その複数回のMSn分析の途中でもよい)に実施され、その結果がMSnスペクトルに反映される。したがって、この第3の態様においても第1の態様と同様に、MSnスペクトル中に質量電荷比が既知であるイオンピークが明瞭に現れ、該ピークに基づく質量偏差を利用して質量較正を従来に比べて高い精度で行うことができる。
nが3以上のMSn分析の場合、つまりは2段階以上の解離操作を行う場合には、第1の態様のように解離条件を変更してもMSnスペクトルに元のプリカーサイオンを十分な強度で以て残すのは難しくなる。これは解離の段数を増やすほど顕著である。そこで、例えば第1の態様のような手法でMS2スペクトルにおいて高精度に質量較正されたプロダクトイオンをMS3分析のプリカーサイオンとしてMS3スペクトルに残すようにし、その質量電荷比の実測値と質量較正された精度の高い質量電荷比値との差を質量偏差とする、という作業をnが増加するに伴い段階的に実施するようにしてもよい。
即ち、上記課題を解決するために成された本発明に係る質量分析装置の第4の態様は、試料中の化合物由来のイオンをn−1段階に解離させるイオン解離部と、その解離操作によって生成されたイオンを質量分析する質量分析部と、を具備するMSn分析(ここでnは3以上の整数)分析可能な質量分析装置において、
a)MSm分析(ここでmは2、3、…、n)の際のm−1段目の解離操作のためのプリカーサイオンが、MSmスペクトル中に残るように解離条件を調整した解離操作を行うように前記イオン解離部を動作させる分析制御部と、
b)前記分析制御部による制御の下で前記イオン解離部による解離操作を実施したときに得られるスペクトルデータに基づいて、MSmスペクトルを作成するスペクトル作成部と、
c)mが2であるときには、前記スペクトル作成部により作成されたMS2スペクトル中で質量電荷比が既知であるプリカーサイオンのピークを検出し、該ピークの質量電荷比の実測値と既知である質量電荷比値との差を利用して、前記MS2スペクトル中の各ピークの質量電荷比を較正し、mが3以上n−1以下であるときには、前記スペクトル作成部により作成されたMSmスペクトル中で質量電荷比が較正されたプリカーサイオン又はプロダクトイオンのピークを検出し、該ピークの質量電荷比の実測値と既知である較正後の質量電荷比値との差を利用して、前記MSmスペクトル中の各ピークの質量電荷比を較正する質量較正部と、
を備えることを特徴としている。
この構成によれば、nが3以上であるMSn分析を実行する場合であって、上述の第2、第3の態様が採用できない場合でも、MSnスペクトルの質量較正を高い精度で以て行うことができる。
本発明に係る質量分析装置及び質量分析方法によれば、MSnスペクトルを取得する際に内部標準法と同等又はそれに近い手法で質量較正を行うことができるので、高精度な質量較正により質量精度の高いMSnスペクトルを得ることができる。
本発明に係る質量較正方法を実施する質量分析装置の第1実施例の概略構成図。 第1実施例の質量分析装置において質量較正されたMS/MSスペクトルを取得するための分析動作及び処理動作のフローチャート。 第1実施例の質量分析装置におけるMS/MSスペクトルの質量較正手法を説明するためのスペクトル図。 第2実施例の質量分析装置の概略構成図。 第3実施例の質量分析装置におけるMS3スペクトルの質量較正手法を説明するためのスペクトル図。
以下、本発明に係る質量較正方法を実施する質量分析装置の一実施例について、添付図面を参照しながら説明する。
[第1実施例]
図1は第1実施例の質量分析装置の概略構成図である。
本装置における分析部1は、イオン源10、イオンガイド等のイオン輸送光学系11、3次元四重極型のイオントラップ12、飛行時間型質量分析器(TOFMS)13、イオン検出器14などを含み、イオントラップ12内にはその途中にバルブが設けられたガス供給管15によりアルゴンなどのCIDガスが供給される。イオン源10としては、測定対象である試料の態様によって、マトリクス支援脱離レーザイオン化(MALDI)法、エレクトロスプレイイオン化(ESI)法などの大気圧イオン化法、又は電子イオン化法などの様々な方式のイオン源が適宜用いられる。電源部16は後述するMS分析、MS/MS(=MS2)分析等を実行するために、分析制御部3の制御の下で、各部に必要な電圧を印加する。
イオン検出器14による検出信号はアナログ/デジタル変換器(ADC)17によりデジタルデータに変換されてデータ処理部2に入力される。データ処理部2は、本発明に特徴的な機能ブロックとして、データ格納部21、スペクトル作成部22、質量較正処理部23などを備える。分析制御部3は電源部16を制御するとともに、ガス供給管15上のバルブの開閉などを制御する。また、分析制御部3は、本発明に特徴的な機能ブロックとして質量較正時制御部30を備える。中央制御部4は装置全体の統括的な制御及びユーザインターフェイスを担うものであり、操作部5及び表示部6が接続されている。なお、中央制御部4、データ処理部2、及び分析制御部3の一部は、パーソナルコンピュータをハードウエア資源として、該コンピュータにインストールされた専用の処理/制御プログラムを実行することにより具現化される構成とすることができる。
本実施例の質量分析装置では、イオン源10で生成された試料由来の各種イオンをイオントラップ12に一旦捕捉し、イオントラップ12の内部で特定の質量電荷比を有するイオン(プリカーサイオン)を選択した上でCIDにより解離させ、その解離により生じたプロダクトイオンをTOF13で質量分析することで、MS/MSスペクトルデータを取得することができる。もちろん、イオントラップ12においてプリカーサイオンの選択と解離操作を2回以上繰り返すことで、nが3以上であるMSn分析を行うことも可能である。本実施例の質量分析装置は、MS/MS分析を含むMSn分析(ここでnは2以上の整数)で得られるMSnスペクトルの質量較正を行うために、特徴的な分析動作及びデータ処理動作を実行する。
以下、本実施例の質量分析装置における質量較正動作について、図2、図3を参照して詳述する。図2は質量較正されたMS/MSスペクトルを取得するための分析動作及び処理動作の一例を示すフローチャート、図3はこのMS/MSスペクトルの質量較正手法を説明するためのスペクトルの一例を示す図である。
分析制御部3の制御の下に分析部1では、被検試料に対するプリカーサイオン選択やCID操作を伴わない通常の質量分析(MS1分析)が実行され、このMS1分析で得られたスペクトルデータに基づいてスペクトル作成部22はMS1スペクトルを作成する(ステップS1)。
即ち、イオン源10では被検試料中の化合物がイオン化され、生成された各種イオンはイオン輸送光学系11により収束されてイオントラップ12に導入される。このときイオントラップ12にはCIDガスは導入されず、プリカーサイオン選択やCID操作は実施されない。イオントラップ12内に一旦捕捉された各種イオンは、クーリングされた後にほぼ一斉にイオントラップ12から出射されてTOF13の飛行空間へ送り込まれる。この飛行空間を飛行する間に、各種イオンはそれぞれの質量電荷比に応じて分離され、時間差をもってイオン検出器14に入射する。イオン検出器14では、イオントラップ12からのイオン出射時点を起点として、到達するイオン量が時間経過に伴って変化する検出信号が得られる。この検出信号がA/D変換されたデータは、各イオンの飛行時間と信号強度との関係を示すスペクトルデータである。
スペクトル作成部22は、飛行時間を質量電荷比に換算することで、質量電荷比と信号強度との関係を示すMS1スペクトルを作成し、中央制御部4を通して表示部6の画面上にこのMS1スペクトルを表示する。図3(a)はこのときに得られるMS1スペクトルの一例である。分析者は画面上でMS1スペクトルを確認し、解析対象であって高い精度で質量電荷比が既知であるイオンをプリカーサイオンとして決定する(ステップS2)。ここでは、このプリカーサイオンの既知の質量電荷比がm/z=Mであるとする。
次いで、同じ被検試料に対し上記プリカーサイオンを設定したMS/MS分析を実行するが、その際に高精度の質量較正が可能であるような特徴的な分析を行う(ステップS3)。具体的にいうと、同じ被検試料に対し同じプリカーサイオンを設定したMS/MS分析を複数回繰り返すが、その過程でイオントラップ12におけるCID条件を予め決められた手順で変更する。本実施例の質量分析装置の構成では、イオンを解離させるためにイオンを励振させる励振エネルギ(実際には、イオントラップ12を構成するリング電極やエンドキャップ電極に印加する電圧の値やその周波数など)、解離時間、CIDガス圧などがCID条件であるが、ここでは、解離時間、CIDガス圧を一定とし、励振エネルギを予め決められた複数の値に順次切り替えることでCID条件を変更する。
一般にMS/MS分析では、プロダクトイオンを高い感度で検出するために、高いCID効率が達成できるようにCID条件(励振エネルギ)が決められる。通常、こうしたCID条件の下でCID操作が実施されると、プリカーサイオンはほぼ全て解離され殆ど残らない。それに対し、ここでは、同一被検試料に対する複数回のMS/MS分析の繰り返しの中で1回、又は全回数のうちの10%〜30%程度の回数、CID操作後にもプリカーサイオンが十分な強度で以て残ると想定される程度まで励振エネルギを下げたMS/MS分析が実行され、そのほかのMS/MS分析は従来通り、良好なCID効率が得られるような励振エネルギの下で実施される。
上述したようなMS/MS分析を実行するべく、質量較正時制御部30はまず解離時間やCIDガス圧を所定値に設定し、励振エネルギを予め決められた複数の値の中の最大値、つまりCID効率が良好になるような値に設定して(ステップS4)、MS/MS分析を実行する(ステップS5)。MS/MS分析の際には、MS1分析時と同様に、イオン源10において被検試料中の化合物がイオン化され、生成された各種イオンがイオントラップ12に導入される。各種イオンがイオントラップ12内に一旦捕捉されたあと、指定されたプリカーサイオンのみがイオントラップ12内に残り、他のイオンがイオントラップ12から排出されるようにイオン選択操作が実行される。そのあとに、残されたプリカーサイオンを励振させてCIDガスとの接触を促すことにより、該プリカーサイオンを解離させる。解離により生じたプロダクトイオンはイオントラップ12内に捕捉され、所定時間のCID操作が実施されクーリングが行われたあとに、捕捉されているイオンはほぼ一斉にイオントラップ12から出射されてTOF13の飛行空間へ送り込まれる。MS1分析時と同様に、TOF13において各種イオンはその質量電荷比に応じて分離され、イオン検出器14は検出信号を出力する。検出信号がA/D変換されたスペクトルデータはデータ格納部21に一旦格納される。このときにはCID効率が良好であるので、得られたスペクトルデータには元のプリカーサイオンの情報は殆ど存在しない。
質量較正時制御部30の制御の下に、ステップS4→S5→S6→S5→…の繰り返しにより同一被検試料に対するMS/MS分析が実行されるが、予め決められた繰り返し回数に達すると(ステップS6でYes)、質量較正時制御部30は上述したようにプリカーサイオンが十分に残ると想定される程度まで励振エネルギを下げるようにCID条件を変更し(ステップS7)、MS/MS分析を実行する(ステップS8)。励振エネルギが下がることでCIDが起こりにくくなり、得られたスペクトルデータには元のプリカーサイオンの情報が含まれる。ステップS9でYesと判定されるまで励振エネルギを下げたMS/MS分析が繰り返され、そのあとにMS/MS分析が終了される(ステップS10)。
MS/MS分析が終了すると、データ処理部2においてスペクトル作成部22はデータ格納部21からMS/MS分析に対して得られた全てのスペクトルデータを読み出し、時間を質量電荷比に換算した上で質量電荷比毎に信号強度値を積算することで、MS/MSスペクトルを作成する(ステップS11)。上述したように複数回のMS/MS分析においてはCID条件が変更されているために、プリカーサイオンが十分な強度で観測されるようなスペクトルデータが含まれる。そのため、積算により作成されたMS/MSスペクトルには、質量電荷比m/zがMであるプリカーサイオンが解離して生じたプロダクトイオンのピークはもちろんのこと、該プリカーサイオンのピーク自体も現れる。
図3(c)はこうして得られるMS/MSスペクトルの一例である。また、図3(b)は、励振エネルギを小さくすることなく、十分に高いCID効率が得られるようなCID条件の下でMS/MS分析を実行して得られたMS/MSスペクトルの一例である。図3(b)では、点線で示すようにM=400であるプリカーサイオンは観測されず、その代わりにプロダクトイオンが高い感度で観測されている。一方、図3(c)では、各プロダクトイオンのピーク強度は若干下がるものの、プリカーサイオンが十分な強度で観測されている。これが、励振エネルギを意図的に下げた結果である。
質量較正処理部23は上記MS/MSスペクトル上でプリカーサイオン(m/z=M)に相当するピークを検出する。これは例えばプリカーサイオンの正確な質量電荷比Mに対し所定の幅Δを設定した検出窓M±Δを定め、その検出窓内に所定の閾値以上の強度を持つピークがあったならばそれをプリカーサイオンピークであると判断すればよい。そうしてプリカーサイオンに相当するピークが検出されたならば、該ピークの質量電荷比の値(実測値)M’を求め、その実測値M’と正確な値Mとの質量偏差ΔM=M−M’を計算する(ステップS12)。この質量偏差ΔMがMS/MS分析における質量ずれである。続いて質量較正処理部23は、ステップS10において作成されたMS/MSスペクトル上の各ピークの位置(質量電荷比)を上記質量偏差ΔMに応じて修正することで、質量較正がなされたMS/MSスペクトルを作成する(ステップS13)。
図3の例では、質量偏差ΔM=400−398=2であるから、図3(c)のMS/MSスペクトルの各ピークの質量電荷比を2Daだけ高質量電荷比方向にシフトさせることで、図3(d)に示すMS/MSスペクトルを作成する。もちろん、MS/MSスペクトルの各ピークをシフトする代わりに、時間軸を反対方向にずらすようにしてもよい。
このようにして、この第1実施例の質量分析装置では、MS/MSスペクトルにおいて内部標準法と同等の質量較正を行うことができるので、従来に比べて精度の高い質量較正を行うことができる。
上記第1実施例では、MS/MS分析実行時にプリカーサイオンを意図的に残すために励振エネルギを下げるようにしたが、それに代えて解離時間を短縮してもよい。CIDガス圧を下げることでCID効率を下げてもよいが、CIDガスの供給量を減らしても即座にCIDガス圧が低い状態で安定するわけではないので、CIDガス圧を利用して安定的にCID条件を変更するのは実際的には難しい。
また、上述したように同一被検試料に対しMS/MS分析を複数回実行する中で、少なくとも1回、イオントラップ12においてプリカーサイオンを選択したあとにCID操作を実行しないMS/MS分析(CID操作を行わないので厳密にはMS/MS分析ではないが、プリカーサイオン選択を行っているので便宜上MS/MS分析という)を実行するようにしてもよい。この場合には、MS/MSスペクトルにプリカーサイオンが十分な強度で確実に残る。ただし、その分だけプロダクトイオンの強度が相対的に低くなる。
また、目的化合物由来のプリカーサイオンそのものでなく、該イオンと元素組成が同じで安定同位体以外の同位体元素を含む、質量電荷比がプリカーサイオンから所定質量だけ異なるイオンをMS/MSスペクトル上で検出して、そのイオンピークの質量電荷比の実測値と理論値(又は高精度な測定値)とを比較して質量偏差を求めてもよい。
[第2実施例]
次に本発明の第2実施例による質量分析装置について、図4を参照して説明する。図4は第2実施例の質量分析装置の概略構成図である。上記第1実施例では、プリカーサイオンの質量電荷比が高い精度で既知である必要がある。これに対し、この第2実施例は、プリカーサイオンの質量電荷比が正確に分かっていなくても、内部標準法による質量較正が可能である。図4において、図1に示した質量分析装置と同じ構成要素には同一符号を付して詳しい説明を省略する。
この第2実施例の質量分析装置は、標準試料供給源7と試料切替部8とを備え、測定対象である被検試料に代えて、既知の化合物(当然、質量電荷比の正確な値も既知である)を含む標準試料をイオン源10に導入できるようになっている。なお、この構成は液体試料や気体試料を外部からイオン源10に供給する場合を前提としているが、イオン源10がMALDIイオン源である場合には、レーザ光を照射するサンプルを適宜交換すれば同様の機能を達成し得ることは明白である。
第2実施例の質量分析装置においては、質量較正時制御部31の制御の下に、良好なCID効率が得られるような同一のCID条件の下で被検試料に対するMS/MS分析を複数回実行して、それぞれスペクトルデータを取得してデータ格納部21に格納する。そのあと、質量較正時制御部31は試料切替部8を切り替えてイオン源10に標準試料を導入し、該標準試料に対するCID操作を伴わない通常のMS1分析、又はイオントラップ12において標準試料中の既知化合物由来のプリカーサイオンを選択したあとにCID操作を実行しないMS/MS分析を実行し、スペクトルデータを取得する。この標準試料に対する分析を1回のみではなく複数回実行してもよい。
標準試料に対して得られたスペクトルデータには、高い精度で質量電荷比が既知であるイオンのピーク情報が必ず含まれる。そのため、このスペクトルデータを含んで積算して作成されたMS/MSスペクトルには、被検試料由来のプリカーサイオンが解離して生成されたプロダクトイオンと、高い精度で質量電荷比が既知である標準試料由来のイオンピークとが現れる。そこで、質量較正処理部23はこの質量電荷比が既知であるイオンピークを利用して、第1実施例と同様に、MS/MSスペクトル上の他のピーク、つまりは被検試料由来のプロダクトイオンの質量電荷比を較正すればよい。
上記第1実施例で説明した質量較正方法を利用してnが3以上であるMSnスペクトル、例えばMS3スペクトルの質量較正を行う場合、一つのやり方として、質量電荷比が高い精度で既知であるMS2分析のプリカーサイオンをMS3分析を行う際にも残すようにCID条件を調整することが考えられる。これは理論的には可能であるものの、実用的には、1段目のCID操作の際に強度がかなり低下するプリカーサイオンを、次の段階のCID操作においても十分な強度で残すのは必ずしも容易ではない。さらにCID操作を重ねる場合には、元のプリカーサイオンを利用することは実質的に不可能である。そこで、nが3以上のMSnスペクトルの質量較正を行う場合には、上記第2実施例で説明した質量較正方法を用いるか、或いは、以下に説明する第3の実施例による質量較正方法を利用するとよい。
[第3実施例]
次に、本発明の第3実施例による質量分析装置について、図5を参照して説明する。図5は第3実施例の質量分析装置におけるMS3スペクトルの質量較正手法を説明するためのスペクトル図である。なお、この第3実施例の質量分析装置の基本的な構成は第1実施例と同じであり、質量較正時制御部30や質量較正処理部23の動作が若干異なるだけである。
概略的に言えば、この第3実施例の質量分析装置では、nが3以上であるMSnスペクトルの質量較正を行う際に、MSn-1スペクトルにおいて質量較正されたイオンピークの質量電荷比が高精度な値であるつまりは理論値であるとみなして、MSnスペクトル上で観測される該イオンピークの実測値と理論値とから質量偏差を求め、MSnスペクトルの質量較正を行う。
図5に示した例で説明すると、図5(a)、(b)、(c)は図3の(a)、(c)、(d)に相当するスペクトルであり、第1実施例で説明した質量較正方法により図5(c)に示すような質量較正されたMS/MSスペクトルが得られる。この質量較正により、実測により得られたMS/MSスペクトル上でm/z=303であるプロダクトイオンの質量電荷比は305に修正される。いまここでは、このプロダクトイオンをMS3分析のプリカーサイオンに設定してMS3分析を実行する。質量較正時制御部30の制御の下に、分析部1は、MS3分析のための2段目のCID操作を行う際に、このプリカーサイオンが十分な強度で残るように励振エネルギを下げたMS3分析を複数回の繰り返しの中で少なくとも1回実施する。MS3分析とMS/MS分析との相違はあるものの、分析実行時の制御やそのあとのデータ処理の手順は図2に示した第1実施例における手順と同様である。
MS3分析の結果、例えば図5(d)に示したMS3スペクトルが作成されると、質量較正処理部23は、MS3分析の際のプリカーサイオンに相当するピークを検出し、その質量電荷比の実測値を求める。ここでは、この実測値が304であるとする。このイオンピークの正確な質量電荷比値(上記の理論値であるとみなされた値)は305であるから、質量偏差ΔMは1Daであり、MS3スペクトルをこの質量偏差だけ高質量電荷比方向にシフトさせることで、図5(e)に示すMS3スペクトルを作成する。
nが4以上であるMSnスペクトルの質量較正も上述した方法を繰り返すことで行えることは明らかである。この質量較正方法は厳密な意味での内部標準法ではないが、目的とするMSnスペクトルを得るためのMSn分析実行時に最も近い時点で実行されたMSn分析の結果に基づいて質量較正された情報を利用して質量較正が行われるので、内部標準法に近い精度で質量較正を行うことができる。
なお、上記実施例はいずれも本発明の一例にすぎないから、本発明の趣旨の範囲で適宜に修正、変更、追加などを行っても本願請求の範囲に包含されることは明らかである。
1…分析部
10…イオン源
11…イオン輸送光学系
12…イオントラップ
13…飛行時間型質量分析器(TOF)
14…イオン検出器
15…ガス供給管
16…電源部
17…アナログ/デジタル変換器(ADC)
2…データ処理部
21…データ格納部
22…スペクトル作成部
23…質量較正処理部
3…分析制御部
30、31…質量較正時制御部
4…中央制御部
5…操作部
6…表示部
7…標準試料供給源
8…試料切替部
上記課題を解決するために成された本発明に係る質量分析装置の第1の態様は、試料中の化合物由来のイオンを解離させるイオン解離部と、その解離操作によって生成されたイオンを質量分析する質量分析部と、を具備するMSn(ここでnは2以上の整数)分析可能な質量分析装置において、
a)イオンに対する解離操作を行わずに得られるMS1スペクトル中に観測される既知の質量電荷比を持つピークがMSnスペクトル中に残るように解離条件を調整した解離操作を行うべく前記イオン解離部を動作させる分析制御部と、
b)前記分析制御部による制御の下で前記イオン解離部による解離操作を実施したときに得られるスペクトルデータに基づいて、MSnスペクトルを作成するスペクトル作成部と、
c)前記スペクトル作成部により作成されたMSnスペクトル中で前記既知の質量電荷比を持つピークを検出し、該ピークの質量電荷比の実測値と既知である質量電荷比値との差を利用して、前記MSnスペクトル中の各ピークの質量電荷比を較正する質量較正部と、
を備え、前記既知の質量電荷比を持つピークは、MS n 分析のためのプリカーサイオン又は該プリカーサイオンと元素組成が同一で安定同位体以外の元素を含む同位体イオンのピークであることを特徴としている。
また上記課題を解決するために成された本発明に係る質量較正方法の第1の態様は、試料中の化合物由来のイオンを解離させ、その解離操作によって生成されたイオンを質量分析するMSn(ここでnは2以上の整数)分析可能な質量分析装置における質量較正方法であって、
イオンに対する解離操作を行わずに得られるMS1スペクトル中に観測される既知の質量電荷比を持つピークがMSnスペクトル中に残るように解離条件を調整した解離操作を実施し、そのときに得られるスペクトルデータに基づいてMSnスペクトルを作成するスペクトル作成ステップと、
前記スペクトル作成ステップにおいて作成されたMSnスペクトル中で前記既知の質量電荷比を持つピークを検出し、該ピークの質量電荷比の実測値と既知である質量電荷比値との差を利用して、前記MSnスペクトル中の各ピークの質量電荷比を較正する質量較正ステップと、
を有し、前記既知の質量電荷比を持つピークは、MS n 分析のためのプリカーサイオン又は該プリカーサイオンと元素組成が同一で安定同位体以外の元素を含む同位体イオンのピークであることを特徴としている。
記既知の質量電荷比を持つピーク「既知の質量電荷比」とは、化合物の元素組成から計算によって求まる質量電荷比の理論値のみならず、十分に高い精度である質量分析装置やそのほかの装置によって実測により得られた精密な測定値であってもよい。
即ち、上記課題を解決するために成された本発明に係る質量分析装置の第の態様は、試料中の化合物由来のイオンをn−1段階に解離させるイオン解離部と、その解離操作によって生成されたイオンを質量分析する質量分析部と、を具備するMSn分析(ここでnは3以上の整数)分析可能な質量分析装置において、
a)MSm分析(ここでmは2、3、…、n)の際のm−1段目の解離操作のためのプリカーサイオンが、MSmスペクトル中に残るように解離条件を調整した解離操作を行うように前記イオン解離部を動作させる分析制御部と、
b)前記分析制御部による制御の下で前記イオン解離部による解離操作を実施したときに得られるスペクトルデータに基づいて、MSmスペクトルを作成するスペクトル作成部と、
c)mが2であるときには、前記スペクトル作成部により作成されたMS2スペクトル中で質量電荷比が既知であるプリカーサイオンのピークを検出し、該ピークの質量電荷比の実測値と既知である質量電荷比値との差を利用して、前記MS2スペクトル中の各ピークの質量電荷比を較正し、mが3以上n−1以下であるときには、前記スペクトル作成部により作成されたMSmスペクトル中で質量電荷比が較正されたプリカーサイオン又はプロダクトイオンのピークを検出し、該ピークの質量電荷比の実測値と既知である較正後の質量電荷比値との差を利用して、前記MSmスペクトル中の各ピークの質量電荷比を較正する質量較正部と、
を備えることを特徴としている。
この構成によれば、nが3以上であるMSn分析を実行する場合でも、MSnスペクトルの質量較正を高い精度で以て行うことができる。
本発明に係る質量較正方法を実施する質量分析装置の第1実施例の概略構成図。 第1実施例の質量分析装置において質量較正されたMS/MSスペクトルを取得するための分析動作及び処理動作のフローチャート。 第1実施例の質量分析装置におけるMS/MSスペクトルの質量較正手法を説明するためのスペクトル図。 参考例の質量分析装置の概略構成図。 実施例の質量分析装置におけるMS3スペクトルの質量較正手法を説明するためのスペクトル図。
参考例]
次に本発明には含まれない、第1実施例に関連する参考例の質量分析装置について、図4を参照して説明する。図4はこの参考例の質量分析装置の概略構成図である。上記第1実施例では、プリカーサイオンの質量電荷比が高い精度で既知である必要がある。これに対し、この参考例は、プリカーサイオンの質量電荷比が正確に分かっていなくても、内部標準法による質量較正が可能である。図4において、図1に示した質量分析装置と同じ構成要素には同一符号を付して詳しい説明を省略する。
この参考例の質量分析装置は、標準試料供給源7と試料切替部8とを備え、測定対象である被検試料に代えて、既知の化合物(当然、質量電荷比の正確な値も既知である)を含む標準試料をイオン源10に導入できるようになっている。なお、この構成は液体試料や気体試料を外部からイオン源10に供給する場合を前提としているが、イオン源10がMALDIイオン源である場合には、レーザ光を照射するサンプルを適宜交換すれば同様の機能を達成し得ることは明白である。
参考例の質量分析装置においては、質量較正時制御部31の制御の下に、良好なCID効率が得られるような同一のCID条件の下で被検試料に対するMS/MS分析を複数回実行して、それぞれスペクトルデータを取得してデータ格納部21に格納する。そのあと、質量較正時制御部31は試料切替部8を切り替えてイオン源10に標準試料を導入し、該標準試料に対するCID操作を伴わない通常のMS1分析、又はイオントラップ12において標準試料中の既知化合物由来のプリカーサイオンを選択したあとにCID操作を実行しないMS/MS分析を実行し、スペクトルデータを取得する。この標準試料に対する分析を1回のみではなく複数回実行してもよい。
上記第1実施例で説明した質量較正方法を利用してnが3以上であるMSnスペクトル、例えばMS3スペクトルの質量較正を行う場合、一つのやり方として、質量電荷比が高い精度で既知であるMS2分析のプリカーサイオンをMS3分析を行う際にも残すようにCID条件を調整することが考えられる。これは理論的には可能であるものの、実用的には、1段目のCID操作の際に強度がかなり低下するプリカーサイオンを、次の段階のCID操作においても十分な強度で残すのは必ずしも容易ではない。さらにCID操作を重ねる場合には、元のプリカーサイオンを利用することは実質的に不可能である。そこで、nが3以上のMSnスペクトルの質量較正を行う場合には、上記参考例で説明した質量較正方法を用いるか、或いは、以下に説明する第実施例による質量較正方法を利用するとよい。
[第実施例]
次に、本発明の第実施例による質量分析装置について、図5を参照して説明する。図5は第実施例の質量分析装置におけるMS3スペクトルの質量較正手法を説明するためのスペクトル図である。なお、この第実施例の質量分析装置の基本的な構成は第1実施例と同じであり、質量較正時制御部30や質量較正処理部23の動作が若干異なるだけである。
概略的に言えば、この第実施例の質量分析装置では、nが3以上であるMSnスペクトルの質量較正を行う際に、MSn-1スペクトルにおいて質量較正されたイオンピークの質量電荷比が高精度な値であるつまりは理論値であるとみなして、MSnスペクトル上で観測される該イオンピークの実測値と理論値とから質量偏差を求め、MSnスペクトルの質量較正を行う。

Claims (7)

  1. 試料中の化合物由来のイオンを解離させるイオン解離部と、その解離操作によって生成されたイオンを質量分析する質量分析部と、を具備するMSn(ここでnは2以上の整数)分析可能な質量分析装置において、
    a)イオンに対する解離操作を行わずに得られるMS1スペクトル中に観測される既知の質量電荷比を持つピークがMSnスペクトル中に残るように解離条件を調整した解離操作を行うように前記イオン解離部を動作させる分析制御部と、
    b)前記分析制御部による制御の下で前記イオン解離部による解離操作を実施したときに得られるスペクトルデータに基づいて、MSnスペクトルを作成するスペクトル作成部と、
    c)前記スペクトル作成部により作成されたMSnスペクトル中で前記既知の質量電荷比を持つピークを検出し、該ピークの質量電荷比の実測値と既知である質量電荷比値との差を利用して、前記MSnスペクトル中の各ピークの質量電荷比を較正する質量較正部と、
    を備えることを特徴とする質量分析装置。
  2. 請求項1に記載の質量分析装置であって、
    前記既知の質量電荷比を持つピークは、MSn分析のためのプリカーサイオン又は該プリカーサイオンと元素組成が同一で安定同位体以外の元素を含む同位体イオンのピークであることを特徴とする質量分析装置。
  3. 請求項2に記載の質量分析装置であって、
    前記スペクトル作成部は、複数回のMSn分析によりそれぞれ得られたスペクトルデータを積算してMSnスペクトルを作成するものであり、
    前記分析制御部は、同一試料に対する複数回のMSn分析のうちの少なくとも1回、プリカーサイオンを解離させない質量分析を実行する、又はイオンを解離させるためにプリカーサイオンに付与するエネルギをMSnスペクトル中にプリカーサイオンが十分に残ると想定される値まで下げた解離操作を伴う質量分析を実行することを特徴とする質量分析装置。
  4. 試料中の化合物由来のイオンを解離させるイオン解離部と、その解離操作によって生成されたイオンを質量分析する質量分析部と、を具備するMSn(ここでnは2以上の整数)分析可能な質量分析装置において、
    a)前記イオン解離部における解離操作によって生成されたイオンを前記質量分析部で質量分析する前に、該イオンに質量電荷比が既知であるイオンを加えるイオン加算部と、
    b)前記イオン加算部によりイオンが加算されたときに得られるスペクトルデータに基づいて、MSnスペクトルを作成するスペクトル作成部と、
    c)前記スペクトル作成部により作成されたMSnスペクトル中で前記質量電荷比が既知であるイオンに対応するピークを検出し、該ピークの質量電荷比の実測値と既知である質量電荷比値との差を利用して、前記MSnスペクトル中の各ピークの質量電荷比を較正する質量較正部と、
    を備えることを特徴とする質量分析装置。
  5. 試料中の化合物由来のイオンを解離させるイオン解離部と、その解離操作によって生成されたイオンを質量分析する質量分析部と、を具備するMSn(ここでnは2以上の整数)分析可能な質量分析装置において、
    a)被検試料に対するMSn分析の直前又は直後に、既知の質量電荷比を持つイオンに対し解離操作を行わない質量分析を行うように前記イオン解離部及び質量分析部を動作させる分析制御部と、
    b)前記被検試料に対するMSn分析により得られたスペクトルデータと、前記分析制御部による制御の下で既知の質量電荷比を持つイオンに対する質量分析により得られたスペクトルデータとを併せて、MSnスペクトルを作成するスペクトル作成部と、
    c)前記スペクトル作成部により作成されたMSnスペクトル中で前記既知の質量電荷比を持つピークを検出し、該ピークの質量電荷比の実測値と既知である質量電荷比値との差を利用して、前記MSnスペクトル中の各ピークの質量電荷比を較正する質量較正部と、
    を備えることを特徴とする質量分析装置。
  6. 試料中の化合物由来のイオンをn−1段階に解離させるイオン解離部と、その解離操作によって生成されたイオンを質量分析する質量分析部と、を具備するMSn分析(ここでnは3以上の整数)分析可能な質量分析装置において、
    a)MSm分析(ここでmは2、3、…、n)の際のm−1段目の解離操作のためのプリカーサイオンが、MSmスペクトル中に残るように解離条件を調整した解離操作を行うように前記イオン解離部を動作させる分析制御部と、
    b)前記分析制御部による制御の下で前記イオン解離部による解離操作を実施したときに得られるスペクトルデータに基づいて、MSmスペクトルを作成するスペクトル作成部と、
    c)mが2であるときには、前記スペクトル作成部により作成されたMS2スペクトル中で質量電荷比が既知であるプリカーサイオンのピークを検出し、該ピークの質量電荷比の実測値と既知である質量電荷比値との差を利用して、前記MS2スペクトル中の各ピークの質量電荷比を較正し、mが3以上n−1以下であるときには、前記スペクトル作成部により作成されたMSmスペクトル中で質量電荷比が較正されたプリカーサイオン又はプロダクトイオンのピークを検出し、該ピークの質量電荷比の実測値と既知である較正後の質量電荷比値との差を利用して、前記MSmスペクトル中の各ピークの質量電荷比を較正する質量較正部と、
    を備えることを特徴とする質量分析装置。
  7. 試料中の化合物由来のイオンを解離させ、その解離操作によって生成されたイオンを質量分析するMSn(ここでnは2以上の整数)分析可能な質量分析装置における質量較正方法であって、
    イオンに対する解離操作を行わずに得られるMS1スペクトル中に観測される既知の質量電荷比を持つピークがMSnスペクトル中に残るように解離条件を調整した解離操作を実施し、そのときに得られるスペクトルデータに基づいてMSnスペクトルを作成するスペクトル作成ステップと、
    前記スペクトル作成ステップにおいて作成されたMSnスペクトル中で前記既知の質量電荷比を持つピークを検出し、該ピークの質量電荷比の実測値と既知である質量電荷比値との差を利用して、前記MSnスペクトル中の各ピークの質量電荷比を較正する質量較正ステップと、
    を有することを特徴とする質量較正方法。
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