JPWO2014065327A1 - ヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物及びその製造方法 - Google Patents

ヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2014065327A1
JPWO2014065327A1 JP2014543325A JP2014543325A JPWO2014065327A1 JP WO2014065327 A1 JPWO2014065327 A1 JP WO2014065327A1 JP 2014543325 A JP2014543325 A JP 2014543325A JP 2014543325 A JP2014543325 A JP 2014543325A JP WO2014065327 A1 JPWO2014065327 A1 JP WO2014065327A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
hydrogen atom
hydroxyl group
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2014543325A
Other languages
English (en)
Inventor
佳和 原田
佳和 原田
近藤 光正
光正 近藤
耕平 後藤
耕平 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Chemical Corp filed Critical Nissan Chemical Corp
Publication of JPWO2014065327A1 publication Critical patent/JPWO2014065327A1/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C69/00Esters of carboxylic acids; Esters of carbonic or haloformic acids
    • C07C69/66Esters of carboxylic acids having esterified carboxylic groups bound to acyclic carbon atoms and having any of the groups OH, O—metal, —CHO, keto, ether, acyloxy, groups, groups, or in the acid moiety
    • C07C69/67Esters of carboxylic acids having esterified carboxylic groups bound to acyclic carbon atoms and having any of the groups OH, O—metal, —CHO, keto, ether, acyloxy, groups, groups, or in the acid moiety of saturated acids
    • C07C69/675Esters of carboxylic acids having esterified carboxylic groups bound to acyclic carbon atoms and having any of the groups OH, O—metal, —CHO, keto, ether, acyloxy, groups, groups, or in the acid moiety of saturated acids of saturated hydroxy-carboxylic acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C273/00Preparation of urea or its derivatives, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C275/00Derivatives of urea, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups
    • C07C275/04Derivatives of urea, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups having nitrogen atoms of urea groups bound to acyclic carbon atoms
    • C07C275/06Derivatives of urea, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups having nitrogen atoms of urea groups bound to acyclic carbon atoms of an acyclic and saturated carbon skeleton
    • C07C275/10Derivatives of urea, i.e. compounds containing any of the groups, the nitrogen atoms not being part of nitro or nitroso groups having nitrogen atoms of urea groups bound to acyclic carbon atoms of an acyclic and saturated carbon skeleton being further substituted by singly-bound oxygen atoms

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】ヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物の提供、並びに、これらの製造方法の提供。【解決手段】下記式[1]で表されるヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物。【化1】(式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2及びR3は、互いに独立して水素原子、炭素数1から20のアルキル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基であり、R4は、ヒドロキシル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基である。)【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物に機能を付与するための添加剤としての利用が期待されるヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物の提供、並びに、これらの製造方法に関する。
近年、液晶パネルを用いたテレビ等のディスプレイの分野や、半導体分野においては、ある種の樹脂組成物を基板に塗布した後、光を照射することでパターニングを行う場面が増加している。また、高性能化に向けた取り組みとして、そのような樹脂組成物に低分子化合物を添加し、紫外線に対する感度を増加させたり、膜の硬度を増加させる等のことが行われている。
ここで、同一分子内に、光反応性基であるアクリル基またはメタクリル基を有し、なおかつ、架橋性の基であるヒドロキシ基を複数有する化合物であれば、そのような樹脂組成物の高性能化に寄与することが大いに期待される。エポキシ基とアクリレート基を有する化合物と、ヒドロキシル基を含んだカルボン酸ポリマーとを反応させることはすでに知られている(例えば、特許文献1)。また、エポキシ基とアクリレート基を有する化合物とサリチル酸との反応例によるモノマーの合成例も知られている(例えば、非特許文献1)。
また、イソシアネート基とアミノ基とを反応させることにより得られる、同一分子内に、光反応性基であるアクリル基またはメタクリル基を有し、なおかつ、架橋性の基であるヒドロキシ基を複数有する、ある種の化合物も知られている(特許文献2)。
特開2006−39103号公報 特開2001−125257号公報
Proceedings - Indian Academy of Sciences, Chemical Sciences (1991), 103(4), 549-56
基板に樹脂組成物を塗布する場合において、樹脂組成物中に架橋剤と、架橋剤と反応する低分子化合物の導入により強固なネットワークを形成させて機能を高める手法はよく用いられるが、光反応性基を有していない場合、光照射工程後に満足な特性が得られず、膜強度に起因する剥離が見られたり、劣化速度が速いという課題があった。
さらに、一般的に芳香環を有する化合物は紫外線吸収能を持つため光エネルギーを吸収し、光パターニングを阻害したり、酸化反応による着色によって透明性が損なわれることもあり、好ましくない。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意努力した結果、光反応性基であるアクリル基またはメタクリル基を有し、なおかつ、架橋性の基であるヒドロキシ基を複数有する化合物の製造方法を見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は、
1.下記式[1]で表されるヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物。
Figure 2014065327
(式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2及びR3は、互いに独立して水素原子、炭素数1から20のアルキル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基であり、R4は、ヒドロキシル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基である。)、
2.R2及びR3の少なくとも1つが炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基である上記1に記載のヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物、
3.下記式[2]で表されるヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物、
Figure 2014065327
(式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2は、水素原子または炭素数1から20のアルキル基である。)、
4.下記式(A)
Figure 2014065327
(式中、R1は水素原子またはメチル基である。)で表されるグリシジルアクリレートあるいはグリシジルメタクリレートと下記式(B)
Figure 2014065327
(式中、R2及びR3は、互いに独立して水素原子、炭素数1から20のアルキル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基であり、R4は、ヒドロキシル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基である。)で表されるヒドロキシル基を有するカルボン酸化合物とを反応させることを特徴とする下記式[1]
Figure 2014065327
(式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2及びR3は、互いに独立して水素原子、炭素数1から20のアルキル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基であり、R4は、ヒドロキシル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基である。)で表されるヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物の製造方法、
5.R2及びR3の少なくとも1つが炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基である上記4に記載の製造方法、
6.R2が水素原子または炭素数1から20のアルキル基であり、R3とR4がともにヒドロキシメチル基である上記4に記載の製造方法、
7.反応させる際に重合禁止剤の存在下反応させることを特徴とする上記4〜6のいずれかに記載の製造方法、
8.反応させる際に触媒の存在下反応させることを特徴とする上記4〜7のいずれかに記載の製造方法、
9.下記式[3]で表されるヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物。
Figure 2014065327
(式中、R5は水素原子またはメチル基であり、R6は、ヒドロキシル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基であり、R7及びR8は、炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基であり、Lは炭素数2から20のアルキレンである。)、
10.下記式(C)
Figure 2014065327
(式中、R5は水素原子またはメチル基であり、Lは炭素数2から20のアルキレンである。)で表されるイソシアネート化合物と下記式(D)
Figure 2014065327
(式中、R6は、ヒドロキシル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基であり、R7及びR8は、炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基である。)で表されるヒドロキシル基を有するアミン化合物とを反応させることを特徴とする下記式[3]
Figure 2014065327
(式中、R5は水素原子またはメチル基であり、R6は、ヒドロキシル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基であり、R7及びR8は、炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基であり、Lは炭素数2から20のアルキレンである。)で表されるヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物の製造方法、
11.反応させる際に重合禁止剤の存在下反応させることを特徴とする上記10記載の製造方法、
12.反応させる際に触媒の存在下反応させることを特徴とする上記10又は11記載の製造方法、
である。
本発明の化合物によれば、架橋効果により樹脂組成物の機能を向上させることができ、なおかつ、光照射工程後の架橋効果によりさらなる機能の向上が期待できる。また芳香環を含まない化合物であることから着色のおそれがなく透明性に優れ、耐熱性、耐水性などの耐久性に優れる樹脂組成物を得ることができる。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
上記式[1]で表されるヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物(以下、化合物1略記する)の製造法は、下記の反応スキームで表される。すなわち、下記式(A)で表されるグリシジルアクリレート(GA)またはグリシジルメタクリレート(GMA)と、下記式(B)で表されるカルボン酸化合物とを反応させることにより、目的の化合物1が製造される。
Figure 2014065327
式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2及びR3は、互いに独立して水素原子、炭素数1から20のアルキル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基であり、R4は、ヒドロキシル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基である。
炭素数1から20のアルキル基としては、直鎖及び分岐のいずれでもよい。
その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル及びn−エイコシル基等が一例として挙げられる。
なお、nはノルマルを、iはイソを、sはセカンダリーを、tはターシャリーを、それぞれ表す。
炭素数1から20のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシ基がアルキル基の末端に置換したものが好ましく、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、7−ヒドロキシヘプチル、8−ヒドロキシオクチル、9−ヒドロキシノニル、10−ヒドロキシデシル、11−ヒドロキシウンデシル、12−ヒドロキシドデシル、13−ヒドロキシトリデシル、14−ヒドロキシテトラデシル、15−ヒドロキシペンタデシル、16−ヒドロキシヘキサデシル、17−ヒドロキシヘプタデシル、18−ヒドロキシオクタデシル、19−ヒドロキシノナデシル及び20−ヒドロキシエイコシル等が一例として挙げられる。
GAまたはGMAに対するカルボン酸化合物の使用量は特に限定されないが、GAまたはGMAを消失させた上で、過剰のカルボン酸化合物を水洗により除去する方法が効率的である。すなわちカルボン酸化合物の量はGAまたはGMAに対し1.0当量〜3.0当量が好ましい。さらに好ましくは1.0当量〜1.2当量である。
反応溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;酢酸エチル、プロピオン酸エチル等のカルボン酸エステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の含窒素非プロトン性極性溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄非プロトン性極性溶媒;ピリジン、ピコリン等のピリジン類等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても、これらのうちの2種類以上を混合して用いても良い。好ましくはDMF、酢酸エチル、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、であり、さらに好ましくはDMF、酢酸エチルである。
溶媒の使用量(反応濃度)は特に限定されないが、溶媒を用いずに反応を実施しても良く、また溶媒を使用する場合にはGAまたはGMAに対し、0.1〜100質量倍の溶媒を用いてもよい。好ましくは1〜10質量倍であり、さらに好ましくは2〜5質量倍である。
反応温度は特に限定されないが、例えば−90〜200℃、好ましくは0〜150℃で、さらに好ましくは50℃から120℃である。
反応時間は、通常、0.05ないし200時間、好ましくは0.5ないし100時間である。
反応させる際に、重合禁止剤を添加してもよい。そのような重合禁止剤としてはBHT(2,6−ジ−ターシャリーブチル−パラ−クレゾール)やハイドロキノン、パラ−メトキシフェノールなどを用いることができ、アクリル基、メタクリル基の重合を阻害するものであれば特に限定はされない。
重合禁止剤を添加する場合の添加量は特に限定されないが、アクリル酸エステル化合物(GA)またはメタクリル酸エステル化合物(GMA)のモル数に対し、0.00001モル〜0.1モルであり、好ましくは0.001〜0.01モルである。
反応時間を短縮させるために触媒を添加してもよく、その例としては、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(BTMAC)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(BTEAC)、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド(BTMAB)、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド(BTEAB)、テトラブチルアンモニウムクロリド(TBAC)、テトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB)などの第4級アンモニウム塩や、テトラフェニルホスホニウムブロミド(TPPB)などの第4級ホスホニウム塩などを挙げることができる。
触媒としては、塩基触媒を加えてもよく、その例としてはトリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、イミダゾール、N,N−ジメチルアミノ−4−ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザ−ビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)などの有機塩基や、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど、アルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化カルシウム、水酸化バリウムなど、アルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど、アルカリ土類金属炭酸塩、例えば炭酸バリウム、炭酸カルシウムなど、アルカリ金属重炭酸塩、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなど、無機酸のアルカリ金属塩、例えばリン酸2−または3−ナトリウム、リン酸2−または3−カリウムなどの無機塩基が挙げられる。
触媒を添加する場合の添加量は、GAまたはGMAの1モルに対し0.003〜1モル使用してもよく、好ましくは0.03〜0.5モル、さらに好ましくは0.05〜0.2モルである。触媒量が多い場合には触媒除去のために多量の水が必要となり、また、経済的にも好ましくない。一方触媒量が少ない場合には反応が遅延し、反応完結までに多大な時間を要するため好ましくない。
本反応は、常圧または加圧下で行うことができ、また回分式でも連続式でもよい。
反応後は、有機溶媒と水を加えて分液操作を行い、有機相を濃縮してから減圧乾燥すると目的化合物が得られる。
水洗に使用する水の量は反応に使用した触媒を除去できる量であればよいが、水の量が多い場合には目的物が水層へ移行してしまい回収率が低下する。そのため、水と水洗溶媒の比率は5対1〜1対100が好ましく、より好ましくは2対1〜1対20である。
上記式[3]で表されるヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物(以下、化合物3と略記する)の製造法は、下記の反応スキームで表される。すなわち、下記式(C)で表されるイソシアナトアルキルアクリレート(IAA)またはイソシアナトアルキルメタクリレート(IAM)と、下記式(D)で表されるアミン化合物とを反応させることにより、目的の化合物3が製造される。
Figure 2014065327
式中、R5は水素原子またはメチル基であり、R6は、ヒドロキシル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基であり、R7及びR8は、炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基であり、Lは炭素原子数2乃至20のアルキレンである。
炭素数1から20のアルキル基としては、直鎖及び分岐のいずれでもよい。
その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、1−メチル−n−ブチル、2−メチル−n−ブチル、3−メチル−n−ブチル、1,1−ジメチル−n−プロピル、n−ヘキシル、1−メチル−n−ペンチル、2−メチル−n−ペンチル、1,1−ジメチル−n−ブチル、1−エチル−n−ブチル、1,1,2−トリメチル−n−プロピル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−トリデシル、n−テトラデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−オクタデシル、n−ノナデシル及びn−エイコシル基等が一例として挙げられる。
なお、nはノルマルを、iはイソを、sはセカンダリーを、tはターシャリーを、それぞれ表す。
炭素数1から20のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシ基がアルキル基の末端に置換したものが好ましく、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、5−ヒドロキシペンチル、6−ヒドロキシヘキシル、7−ヒドロキシヘプチル、8−ヒドロキシオクチル、9−ヒドロキシノニル、10−ヒドロキシデシル、11−ヒドロキシウンデシル、12−ヒドロキシドデシル、13−ヒドロキシトリデシル、14−ヒドロキシテトラデシル、15−ヒドロキシペンタデシル、16−ヒドロキシヘキサデシル、17−ヒドロキシヘプタデシル、18−ヒドロキシオクタデシル、19−ヒドロキシノナデシル及び20−ヒドロキシエイコシル等が一例として挙げられる。
炭素数2から20のアルキレンとしては、上記炭素数1〜20のアルキル基のうち、炭素原子数2以上のものから水素原子をさらに1つ取り去った2価の基が挙げられる。
アミン化合物に対するIAAまたはIAMの使用量は特に限定されないが、アミン化合物に対し、0.9当量〜3.0当量が好ましい。さらに好ましくは1.0当量〜1.2当量である。
反応溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に限定はないが、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素類;四塩化炭素、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン系炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;酢酸エチル、プロピオン酸エチル等のカルボン酸エステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の含窒素非プロトン性極性溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄非プロトン性極性溶媒;ピリジン、ピコリン等のピリジン類等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても、これらのうちの2種類以上を混合して用いても良い。中でも、得られる化合物3をろ過で簡便に単離することができるという点で、IAAやIMAは溶解するが化合物3を溶解しにくい溶媒が好ましく、そのような溶媒として好ましくはテトラヒドロフラン、酢酸エチル、トルエン、アセトニトリルであり、さらに好ましくはテトラヒドロフランである。
溶媒の使用量(反応濃度)は特に限定されないが、溶媒を用いずに反応を実施しても良く、また溶媒を使用する場合にはIAAまたはIAMに対し、0.1〜100質量倍の溶媒を用いてもよい。好ましくは1〜10質量倍であり、さらに好ましくは2〜5質量倍である。
反応温度は特に限定されないが、例えば−90〜200℃、好ましくは−50〜150℃で、さらに好ましくは−20℃から120℃である。
反応時間は、通常、0.05ないし200時間、好ましくは0.5ないし100時間である。
反応させる際に、重合禁止剤を添加してもよい。そのような重合禁止剤としてはBHT(2,6−ジ−ターシャリーブチル−パラ−クレゾール)やハイドロキノン、パラ−メトキシフェノールなどを用いることができ、アクリル基、メタクリル基の重合を阻害するものであれば特に限定はされない。
重合禁止剤を添加する場合の添加量は特に限定されないが、アクリル酸エステル化合物(IAA)またはメタクリル酸エステル化合物(IAM)のモル数に対し、0.00001モル〜0.1モルであり、好ましくは0.001〜0.01モルである。
反応時間を短縮させるために触媒を添加してもよく、その例としては、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(BTMAC)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(BTEAC)、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド(BTMAB)、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド(BTEAB)、テトラブチルアンモニウムクロリド(TBAC)、テトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB)などの第4級アンモニウム塩や、テトラフェニルホスホニウムブロミド(TPPB)などの第4級ホスホニウム塩などを挙げることができる。
触媒としては、塩基触媒を加えてもよく、その例としてはトリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、イミダゾール、N,N−ジメチルアミノ−4−ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザ−ビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)などの有機塩基や、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど、アルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化カルシウム、水酸化バリウムなど、アルカリ金属炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど、アルカリ土類金属炭酸塩、例えば炭酸バリウム、炭酸カルシウムなど、アルカリ金属重炭酸塩、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなど、無機酸のアルカリ金属塩、例えばリン酸2−または3−ナトリウム、リン酸2−または3−カリウムなどの無機塩基が挙げられる。
触媒を添加する場合の添加量は、IAAまたはIAMの1モルに対し0.001〜1モル使用してもよく、好ましくは0.005〜0.5モル、さらに好ましくは0.01〜0.2モルである。
本反応は、常圧または加圧下で行うことができ、また回分式でも連続式でもよい。
反応後は、析出してくる化合物3の結晶をろ過で取り、テトラヒドロフランまたは酢酸エチル等の溶媒で洗浄すると目的化合物が得られる。このように簡便な方法で目的物を単離することができる点が、本発明の製法の特徴である。
以下に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、本発明における略号はそれぞれ以下の意味を示す。
GMA:グリシジルメタクリレート
2HM−PA:2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸
BHT:2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール
BTMAC:ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド
BTEAC:ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド
TPPB:テトラフェニルホスホニウムブロミド
DMF:ジメチルホルムアミド
実施例1:2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸 2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルの合成
Figure 2014065327
窒素気流下中、3l四つ口フラスコに酢酸エチル1200.0g、GMA400.0g(2.81mol)及び2HM−PA396.3g(2.95mol)、BHT4.0g(18.15mmol)、BTEAC64.09g(0.28mol)を室温にて仕込み、マグネチックスターラー攪拌下にて80℃まで昇温し、23時間加熱撹拌した。反応液を高速液体クロマトグラフィーにて分析した結果、GMAが0.5面積%、GMA−2HM−PAEが69.5面積%、二種の副生成物がそれぞれ27.6面積%、1.9面積%であった。
その後この反応液を室温まで冷却した後、反応液に酢酸エチル2698.4gを加え、攪拌して均一溶液とした後、続いて純水を432.2g加え、分液ロートにて水洗を実施し、水層を廃棄した。この水洗操作を2回繰り返した後、硫酸マグネシウム262.2gを加え、1時間攪拌後、硫酸マグネシウムをろ過し、ろ液をエバポレーターにて45℃で完全濃縮し、オイル状物質を583.1g(2.11mol、収率75.1%)得た。このオイル状物質は、1H−NMR分析結果より、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸 2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピル(以下、GMA−2HM−PAEと称する)であることを確認した。
化合物[2]の構造は、1H−NMR分析により以下のスペクトルデータを得て確認した。
1H−NMR(CDCl3):δ6.07−6.05(m,1H),5.69(s,1H),5.29(s,1H),5.03−4.93(m,1H),4.66−4.60(m,1H),4.20−4.00(m,4H),3.61−3.37(m,4H),1.89(s,3H),1.13−1.02(m,3H).
実施例2
水洗操作までは実施例1と同様の操作を実施し、水洗後、以下操作を行った。水洗を2回行った後の有機層にPGME803.0g、硫酸マグネシウム262.2gを加え、1時間攪拌後、硫酸マグネシウムをろ過し、ろ液をエバポレーターにて45℃、100Torrにて溶媒が留去しなくなるまで濃縮し、1102.2gの溶液を得た。この溶液は、高速液体クロマトグラフィーによる定量分析結果より、GMA−2HM−PAEの52.9wt%溶液であることを確認した。
実施例3
窒素気流下中、3l四つ口フラスコにDMF1350.0g、GMA458.2g(3.22mol)及び2HM−PA528.8g(3.94mol)、BHT4.6g(20.87mmol)、BTMAC13.5g(72.70mmol)を室温にて仕込み、マグネチックスターラー攪拌下にて80℃まで昇温し、24時間加熱撹拌した。GMAが0.5面積%未満となったことを確認し、DMFを濃縮した。DMF濃縮液へ酢酸エチル4101.0gを加え、続いて純水を4059.0g加え、分液ロートにて水洗を実施し、水層を廃棄した。有機層に硫酸マグネシウム262.0gを加え、1時間攪拌後、硫酸マグネシウムをろ過し、ろ液をエバポレーターにて45℃で完全濃縮し、オイル状物質を377.2g得た。このオイル状物質は、1H−NMR分析結果より、GMA−2HM−PAEであることを確認した。
実施例4
一連の操作は実施例1と同様に実施し、触媒のみBTMACに変更して21時間加熱撹拌した。反応液を高速液体クロマトグラフィーにて分析した結果、GMAが0.5面積%以下であることを確認した。
実施例5
一連の操作は実施例1と同様に実施し、触媒のみTPPBに変更して実施し、21時間加熱撹拌した。反応液を高速液体クロマトグラフィーにて分析した結果、GMAが0.5面積%以下であることを確認した。
実施例6
一連の操作は実施例1と同様に実施し、触媒のみBTMACに変更して実施し、触媒量をGMAのモル数に対し0.025モル使用した。21時間後に反応液を高速液体クロマトグラフィーにて分析した結果、GMAが17.5面積%残存しており、GMAが0.5面積%以下であることが確認されたのは44時間後であった。
Figure 2014065327
<実施例7および比較例1>
CIN1:6−ヒドロキシヘキシルオキシけい皮酸メチルエステル
Figure 2014065327
CIN2:3−メトキシ−6−ヒドロキシヘキシルオキシけい皮酸メチルエステル
Figure 2014065327
<ヒドロキシ基およびカルボキシル基を有するポリマー>
PEPO:ポリエステルポリオール重合体
Figure 2014065327
(上記式中、Rは、アルキレンを表す。)
<架橋剤>
HMM:下記の構造式で表されるメラミン架橋剤
Figure 2014065327
<架橋触媒>
PTSA:パラトルエンスルホン酸
Figure 2014065327
<ヒドロキシ基およびアクリル基を有する化合物>
GMA−2HM−PAE
Figure 2014065327
<溶剤>
実施例および比較例の各硬化膜形成組成物は溶剤を含有し、その溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PM−P)と酢酸エチルを用いた。
表2に示す組成にて実施例7および比較例1の各硬化膜形成組成物を調製した。次に、各硬化膜形成組成物を用い、硬化膜を形成し、得られた硬化膜のそれぞれについて、密着性、配向感度、パターン形成性、および透過率の評価を行った。
Figure 2014065327
[密着性の評価]
実施例および比較例の各硬化膜形成組成物をTACフィルム上にバーコータを用いて塗布した後、温度110℃で120秒間、熱循環式オーブン中で加熱乾燥を行い、硬化膜を形成した。この各硬化膜に313nmの直線偏光を垂直に20mJ/cm2〜40mJ/cm2照射した。露光後の基板上の硬化膜の上に、メルク株式会社製の水平配向用重合性液晶溶液RMS03−013Cを、スピンコータを用いて塗布し、次いで、60℃で60秒間ホットプレート上においてプリベークを行い、膜厚1.0μmの塗膜を形成した。このフィルムを1000mJ/cm2で露光し、重合性液晶を重合させて、位相差材を作製した。得られた基板上の位相差材にカッターナイフを用いてクロスカット(1mm×1mm×100マス)を入れ、その後、セロハンテープを貼り付けた。次いで、そのセロハンテープを剥がした時に、基板上の位相差材において、重合した重合性液晶の膜が下層の硬化膜上で剥がれず残っているマス目の個数をカウントした。評価結果は、「初期」とし、(膜が剥がれず残っているマス目の数)/100の形式で、表2にまとめて示した。膜が剥がれず残っているマス目が90個以上残っているもの、すなわち、90/100〜100/100の場合を密着性が良好であると判断した。
[耐久密着性の評価]
上述の密着性の評価と同様に方法でTACフィルム上に位相差材を、温度80℃湿度90%に設定されたオーブンに入れ、24時間以上静置した。その後、位相差材を取り出し、上述の密着性の評価と同様に方法で、密着性を評価した。評価結果は、密着耐久性として、表2にまとめて示した。
[配向感度の評価]
実施例および比較例の各硬化膜形成組成物をアルカリガラス上にスピンコータを用いて2000rpmで30秒間回転塗布した後、温度110℃で120秒間、熱循環式オーブン中で加熱乾燥を行い、硬化膜を形成した。この各硬化膜に313nmの直線偏光を垂直に照射し、配向材を形成した。基板上の配向材の上に、メルク株式会社製の水平配向用重合性液晶溶液RMS03−013Cを、スピンコータを用いて塗布し、次いで、60℃で60秒間ホットプレート上においてプリベークを行い、膜厚1.0μmの塗膜を形成した。この基板上の塗膜を1000mJ/cm2で露光し、位相差材を作製した。作製した基板上の位相差材を一対の偏光板で挟み込み、位相差材における位相差特性の発現状況を観察し、配向材が液晶配向性を示すのに必要な偏光UVの露光量を配向感度とした。評価結果は、後に表2にまとめて示す。実施例1〜実施例3および比較例の各硬化膜形成組成物を用いて形成された配向材は、液晶配向性を示すのに必要な偏光UVの露光量がいずれも20mJ/cm2〜40mJ/cm2と低い値であり、良好な配向感度を示した。
[パターン形成性の評価]
実施例および比較例の各硬化膜形成組成物をTACフィルム上にバーコータを用いて塗布した後、温度110℃で120秒間、熱循環式オーブン中で加熱乾燥を行い、硬化膜を形成した。この硬化膜に350μmのラインアンドスペースマスクを介し313nmの直線偏光を40mJ/cm2垂直に照射した。次に、マスクを取り外し、基板を90度回転させた後、313nmの直線偏光を20mJ/cm2垂直に照射し、液晶の配向制御方向が90度異なる2種類の液晶配向領域が形成された配向材を得た。この基板上の配向材の上に、メルク株式会社製の水平配向用重合性液晶溶液RMS03−013Cを、スピンコータを用いて塗布し、次いで、60℃で60秒間ホットプレート上においてプリベークを行い、膜厚1.0μmの塗膜を形成した。この基板上の塗膜を1000mJ/cm2で露光し、異なる位相差特性を有する2種類の領域が規則的に配列されたパターン化位相差材を作製した。作製した基板上のパターン化位相差材を、偏光顕微鏡を用いて観察し、配向欠陥なく位相差パターンが形成されているものを○、配向欠陥が見られるものを×として評価した。評価結果は、後に表3に示す。
[光透過率(透明性)の評価]
実施例および比較例の各硬化膜形成組成物を石英基板上にスピンコータを用いて2000rpmで30秒間回塗布した後、温度110℃で120秒間ホットプレート上において加熱乾燥ベークを行い膜厚300nmの硬化膜を形成した。膜厚はFILMETRICS社製 F20を用いて測定した。この硬化膜を紫外線可視分光光度計((株)島津製作所製SHIMADZU UV−2550型番)を用いて波長400nmの光に対する透過率を測定した。
[評価の結果]
以上の評価を行った結果を、上述したように、表3に示す。
Figure 2014065327
実施例7の硬化膜形成組成物を用いて得られた硬化膜は、高温高湿処理しても高い密着性を維持し、優れた密着耐久性を示した。それに対し、比較例1の硬化膜形成組成物を用いて得られた硬化膜は、高温高湿処理後、初期の密着性を維持することが困難であった。
実施例7の硬化膜形成組成物を用いて得られた配向材は、比較例の硬化膜形成組成物を用いて得られた配向材と同様に、液晶配向性を示すのに必要な偏光UVの露光量がいずれも20mJ/cm2〜40mJ/cm2と低い値であり、良好な配向感度を示した。
実施例7の硬化膜形成組成物を用いて得られた配向材は、比較例の硬化膜形成組成物を用いて得られた配向材と同様に、良好なパターン形成性を示した。
実施例7の硬化膜形成組成物を用いて得られた硬化膜は、比較例の硬化膜形成組成物を用いて得られた硬化膜と同様に、波長400nmの光に対して、100%の透過率を示し、良好な光透過特性を示した。
以上の実施例と比較例により、本願発明の化合物は、硬化膜形成組成物の密着耐久性を向上させる効果を有しており、また、光透過性やパターン形成性等の特性には影響を与えないことが確認された。
実施例8
2−(3−(1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−イル)ウレイド)エチルメタクリレートの合成
Figure 2014065327
窒素気流下中、THF(テトラヒドロフラン)100ml、THAM(トリスヒドロキシメチルアミノメタン)2.42g(20.0mmol)及びBHT(2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール)33.0mg(0.150mmol)を25℃にて仕込み、マグネチックスターラー攪拌下で2−IEM(2−イソシアナトエチルメタクリレート)3.26g(21.0mmol)を加えた。そのまま25℃で24時間攪拌した後、析出した結晶をろ過し、ろ取した結晶をテトラヒドロフラン20mlで2回洗浄し、結晶を乾燥させて白色固体の2−(3−(1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−イル)ウレイド)エチルメタクリレートを得た(2.99g(10.8mmol)、収率54.1%)。この化合物の構造は1H−NMR分析により以下のスペクトルデータを得て確認した。
1H−NMR(CDCl3):δ6.62(t,1H),6.08(s,1H),5.84(s,1H),5.70(s,1H),5.00(t,3H),4.05(t,2H),3.43(d,6H),3.26(m,2H),1.89(s,3H).
参考例9
2−(3−(1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル)ウレイド)エチルメタクリレートの合成
Figure 2014065327
窒素気流下中、テトラヒドロフラン40.0ml、2−アミノプロパン1,3−ジオール1.82g(20.0mmol)、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール29.5mg(0.134mmol)及びDBU(ジアザビシクロウンデセン)58.9mg(0.387mmol)を25℃にて仕込み、マグネチックスターラー攪拌下で2−イソシアナトエチルメタクリレート2.95g(19.0mmol)を加えた。30分後、白い結晶が析出し、さらにテトラヒドロフラン30.0mlを加えてそのまま25℃で48時間攪拌した。その後ヘキサン120mlを加え結晶をろ過し、ろ取した結晶を酢酸エチル10mlで2回洗浄し、結晶を乾燥させて白色固体の2−(3−(1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル)ウレイド)エチルメタクリレートを得た(2.70g(11.0mmol)、収率57.8%)。この化合物の構造は1H−NMR分析により以下のスペクトルデータを得て確認した。
1H−NMR(CDCl3):δ6.22(t,1H),6.08(s,1H),5.85(d,1H),5.70(s,1H),4.67(t,2H),4.05(t,2H),3.51−3.43(m,1H),3.41−3.27(m,6H),1.90(s,3H).
参考例10
2−(3−(1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル)ウレイド)エチルアクリレートの合成
Figure 2014065327
窒素気流下中、テトラヒドロフラン40.0ml、2−アミノプロパン1,3−ジオール1.82g(20.0mmol)及び2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール28.8mg(0.131mmol)を25℃にて仕込み、マグネチックスターラー攪拌下で2−IEA(2−イソシアナトエチルアクリレート)2.88g(20.4mmol)を加えた。そのまま25℃で24時間攪拌し、ヘキサン120mlを加えて析出した結晶をろ過し、ろ取した結晶をヘキサン20mlで2回洗浄し、結晶を乾燥させて白色固体の2−(3−(1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル)ウレイド)エチルアクリレートを得た(3.41g(14.7mmol)、収率73.4%)。この化合物の構造は1H−NMR分析により以下のスペクトルデータを得て確認した。
1H−NMR(CDCl3):δ6.35(d,1H),6.23−6.14(m,2H),5.97(d,1H),5.81(d,1H),4.63(t,2H),4.06(t,2H),3.52−3.43(m,1H),3.42−3.38(m,2H),3.36−3.31(m,2H),3.30−3.24(m,2H).
実施例11
2−(3−(1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−イル)ウレイド)エチルアクリレートの合成
Figure 2014065327
窒素気流下中、テトラヒドロフラン100ml、トリスヒドロキシメチルアミノメタン6.06g(50.0mmol)を25℃にて仕込み、マグネチックスターラー攪拌下で2−イソシアナトエチルアクリレート7.41g(52.5mmol)を加えた。30分後、白い結晶が析出し、さらにテトラヒドロフラン100mlを加えてそのまま25℃で24時間攪拌した。析出した結晶をろ過し、ろ取した結晶をテトラヒドロフラン20mlで2回洗浄し、結晶を乾燥させて白色固体の2−(3−(1,3−ジヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−2−イル)ウレイド)エチルアクリレートを得た(8.30g(31.7mmol)、収率63.3%)。この化合物の構造は1H−NMR分析により以下のスペクトルデータを得て確認した。
1H−NMR(CDCl3):δ6.65(t,1H),6.36(d,1H),6.21−6.14(m,1H),5.97(d,1H),5.84(s,1H),5.00(t,3H),4.07(t,2H),3.43(d,6H),3.33−3.24(m,2H).
本発明の化合物は、液晶パネルを用いたテレビ等のディスプレイの分野や、半導体分野において用いられる樹脂組成物に添加することで、得られる硬化膜等の性能を向上させ、透明性等の特性には影響を与えない添加剤等として有用である。

Claims (12)

  1. 下記式[1]で表されるヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物。
    Figure 2014065327
    (式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2及びR3は、互いに独立して水素原子、炭素数1から20のアルキル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基であり、R4は、ヒドロキシル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基である。)
  2. 2及びR3の少なくとも1つが炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基である請求項1に記載のヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物。
  3. 下記式[2]で表されるヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物。
    Figure 2014065327
    (式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2は、水素原子または炭素数1から20のアルキル基である。)
  4. 下記式(A)
    Figure 2014065327
    (式中、R1は水素原子またはメチル基である。)で表されるグリシジルアクリレートあるいはグリシジルメタクリレートと下記式(B)
    Figure 2014065327
    (式中、R2及びR3は、互いに独立して水素原子、炭素数1から20のアルキル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基であり、R4は、ヒドロキシル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基である。)で表されるヒドロキシル基を有するカルボン酸化合物とを反応させることを特徴とする下記式[1]
    Figure 2014065327
    (式中、R1は水素原子またはメチル基であり、R2及びR3は、互いに独立して水素原子、炭素数1から20のアルキル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基であり、R4は、ヒドロキシル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基である。)で表されるヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物の製造方法。
  5. 2及びR3の少なくとも1つが炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基である請求項4に記載の製造方法。
  6. 2が水素原子または炭素数1から20のアルキル基であり、R3とR4がともにヒドロキシメチル基である請求項4記載の製造方法。
  7. 反応させる際に重合禁止剤の存在下反応させることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 反応させる際に触媒の存在下反応させることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 下記式[3]で表されるヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物。
    Figure 2014065327
    (式中、R5は水素原子またはメチル基であり、R6は、ヒドロキシル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基であり、R7及びR8は、炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基であり、Lは炭素数2から20のアルキレンである。)
  10. 下記式(C)
    Figure 2014065327
    (式中、R5は水素原子またはメチル基であり、Lは炭素数2から20のアルキレンである。)で表されるイソシアネート化合物と下記式(D)
    Figure 2014065327
    (式中、R6は、ヒドロキシル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基であり、R7及びR8は、炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基である。)で表されるヒドロキシル基を有するアミン化合物とを反応させることを特徴とする下記式[3]
    Figure 2014065327
    (式中、R5は水素原子またはメチル基であり、R6は、ヒドロキシル基または炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基であり、R7及びR8は、炭素数1から20のヒドロキシルアルキル基であり、Lは炭素数2から20のアルキレンである。)で表されるヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物の製造方法。
  11. 反応させる際に重合禁止剤の存在下反応させることを特徴とする請求項10記載の製造方法。
  12. 反応させる際に触媒の存在下反応させることを特徴とする請求項10又は11記載の製造方法。
JP2014543325A 2012-10-24 2013-10-23 ヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物及びその製造方法 Withdrawn JPWO2014065327A1 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012234672 2012-10-24
JP2012234671 2012-10-24
JP2012234672 2012-10-24
JP2012234671 2012-10-24
PCT/JP2013/078711 WO2014065327A1 (ja) 2012-10-24 2013-10-23 ヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2014065327A1 true JPWO2014065327A1 (ja) 2016-09-08

Family

ID=50544702

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014543325A Withdrawn JPWO2014065327A1 (ja) 2012-10-24 2013-10-23 ヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物及びその製造方法

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JPWO2014065327A1 (ja)
KR (1) KR20150074059A (ja)
CN (1) CN104718184A (ja)
TW (1) TW201434814A (ja)
WO (1) WO2014065327A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI773743B (zh) * 2017-03-27 2022-08-11 日商日產化學工業股份有限公司 硬化膜形成組成物、配向材料及相位差材料

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ZA7303227B (en) * 1972-05-15 Ciba Geigy Ag Method of bonding surfaces together using adhesive compositions
EP0243890A3 (en) * 1986-04-30 1988-08-03 EASTMAN KODAK COMPANY (a New Jersey corporation) Novel diol monomers and polymers thereof
JP2001125257A (ja) * 1999-10-29 2001-05-11 Fuji Photo Film Co Ltd 平版印刷版用原版
JP4364986B2 (ja) * 1999-12-06 2009-11-18 関西ペイント株式会社 フォトレジスト用感光性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法
JP4625659B2 (ja) * 2004-07-26 2011-02-02 富士フイルム株式会社 重合性組成物

Also Published As

Publication number Publication date
CN104718184A (zh) 2015-06-17
KR20150074059A (ko) 2015-07-01
WO2014065327A1 (ja) 2014-05-01
TW201434814A (zh) 2014-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6296244B2 (ja) 新規重合性化合物及びその製造方法
TWI421244B (zh) A polymerizable liquid crystal compound and a polymerizable liquid crystal composition and an alignment film
KR101819061B1 (ko) 중합성 화합물, 중합성 액정 조성물, 중합체 및 배향 필름
CN107108797A (zh) 新型的含溴聚合物和其制造方法
KR101988377B1 (ko) 중합체, 이 중합체를 포함하는 조성물 및 단층 도포형 수평 배향 필름
TWI521048B (zh) A polymerizable liquid crystal compound, a polymerizable liquid crystal composition, and a alignment film
JPWO2014065327A1 (ja) ヒドロキシル基を有するアクリルまたはメタクリル化合物及びその製造方法
JP6516028B2 (ja) 組成物及び単層塗布型水平配向フィルム
TWI717463B (zh) 液晶組成物、及單層塗佈型水平配向膜
JPWO2017006922A1 (ja) 液晶配向膜製造用組成物、該組成物を用いた液晶配向膜及びその製造方法、並びに液晶配向膜を有する液晶表示素子及びその製造方法
WO2015076296A1 (ja) 含臭素n-フェニルジアクリルイミド誘導体及びその製造方法
CN108794333A (zh) 制备肉桂酸苯甲酰基甲酯类化合物的方法
JP6425048B2 (ja) 重合性基と架橋性基とを有する化合物及びその製造方法
KR20140103028A (ko) 인계 (메타)아크릴레이트 화합물 및 그 제조 방법
WO2023223639A1 (ja) 重合性化合物、重合性組成物、光学フィルムおよび表示装置
TWI461455B (zh) 經修飾的三芳醯基苯骨架聚合物
TW201527393A (zh) 膜形成用組成物及單層塗布型水平配向薄膜
JP2017075096A (ja) チアベンダゾールモノ(メタ)アクリレート化合物及びその製造方法
JP2010037243A (ja) ノルボルネンラクトンモノマーの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161005

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20170407