JP6516028B2 - 組成物及び単層塗布型水平配向フィルム - Google Patents
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Description
1.(A)下記式[1a]、[1b]及び[1c]で表される繰り返し単位を含有する重合体A(ただし、下記式[6]で表される繰り返し単位を含有しない。)、
(B)下記式[6]で表される繰り返し単位を含有する重合体B(ただし、下記式[1a]及び[1b]で表される繰り返し単位を含有しない。)、及び
(C)有機溶媒
を含有することを特徴とする組成物であって、
重合体Bが、重合体A100質量部に対して1〜15質量部含まれる組成物。
M1は下記式[4]で表される基であり、M2は下記式[5]で表される基であり、
Aは、炭素数4〜15の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、
m、n及びpは、それぞれ0<m<1、0<n<1、0≦p≦0.5、かつ、m+n+p≦1を満たす数であり、
q及びrは、それぞれ独立に2〜9の整数である。]
2.1の組成物から得られる単層塗布型水平配向フィルム。
3.2の単層塗布型水平配向フィルムを備える光学部材。
4.1の組成物を基板に塗布し、次いで偏光を照射し、硬化させることにより得られる単層塗布型水平配向フィルムの製造方法。
5.上記偏光が、直線偏光紫外線である4の単層塗布型水平配向フィルムの製造方法。
また、ケイ皮酸エステル構造を有する液晶性のベースポリマーの溶液に液晶性を示さないポリ(メタ)アクリル酸エステルを添加することにより、得られる配向フィルムの配向角度(水平方向)のずれが低減された単層塗布型水平配向フィルム得ることができる。
本発明の組成物の(A)成分である重合体(以下、重合体A)は、下記式[1a]及び[1b]で表される繰り返し単位を含有し、必要に応じて、更に下記式[1c]で表される繰り返し単位を含有するものである。
これらのうち、X、Yともに式[3]で表される基が好ましい。
上記アルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、またその炭素数も特に限定されるものではないが、本発明においては、直鎖の炭素数1〜10のアルキル基が好ましい。上記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。これらのうち、炭素数1〜3のアルキル基が更に好ましく、特にメチル基、エチル基等が好ましい。
なお、上記アルキル基、アルコキシ基において、その水素原子の一部又は全部がフッ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
なお、本発明において、重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算測定値である。
重合体Aの原料となる重合性化合物は、下記式[7]、[8]又は[9]で表される。
X'及びY'は、それぞれ独立に下記式[10]又は[11]で表される重合性基である。
また、上記式[12]及び[13]で表される化合物は、X'が式[11]で表される基の場合は、例えば、Talaga等(P. Talaga,M. Schaeffer,C. Benezra and J. L. Stampf,Synthesis,530 (1990))が提案する手法を用いて合成することができる。この手法は、下記合成スキーム(A1)で表されるように、SnCl2を用いて2−(ブロモメチル)アクリル酸と、アルデヒド又はケトンとを反応させる方法である。なお、2−(ブロモメチル)アクリル酸は、Ramarajan等が提案する方法で得ることができる(K. Ramarajan,K. Kamalingam,D. J. O'Donnell and K. D. Berlin,Organic Synthesis,vol. 61,pp. 56-59 (1983))。
アセタール又はケタールとしては、ジメチルアセタール基、ジエチルアセタール基、1,3−ジオキサン基、1,3−ジオキソラン基等を有する化合物が挙げられる。下記合成スキーム(A2)に、アセタール又はケタールを用いた場合の合成法及び保護基を示す。
(式中、R3、G2、r、s3及びs4は、上記と同じ。)
重合体A及びBを合成する方法としては、特に限定されず、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等を採用し得る。これらのうち、特にラジカル重合が好ましく、具体的には、溶媒中、上記繰り返し単位を与え得る重合性化合物を重合開始剤の存在下で加熱し、重合させればよい。
反応温度は、0℃から使用する溶媒の沸点までで適宜設定すればよいが、20〜100℃程度が好ましい。反応時間は、0.1〜30時間程度が好ましい。
(C)成分の有機溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の極性溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等のエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸エチル等のアルコキシエステル類;エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル等のグリコールジアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のジグリコールジアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のジグリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート、エチルセロソルブアセテート等のグリコールモノアルキルエーテルエステル類;シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン等のケトン類等を挙げることができる。これらの有機溶媒は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
有機溶媒の使用量は、組成物中、60〜95質量%程度とすることが好適である。
また、本発明の組成物には、基板との親和性を向上させる目的で、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等が挙げられるが、基板との親和性改善効果の高いフッ素系界面活性剤が好ましい。
本発明の組成物は、(A)少なくとも1種の重合体A、(B)少なくとも1種の重合体B、(C)有機溶媒、及び必要に応じてその他の成分を混合することにより得られる。本発明の組成物の調製方法は特に限定されるものではなく、有機溶媒に、重合体A、重合体B及びその他の成分を同時に又は任意の順序で添加し、混合すればよい。
以上説明した本発明の組成物を基板(例えば、シリコン/二酸化シリコン被覆基板、シリコンナイトライド基板、金属、例えば、アルミニウム、モリブデン、クロム等が被覆された基板、ガラス基板、石英基板、ITO基板等)やフィルム(例えば、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、アクリルフィルム等の樹脂フィルム)等の上に、バーコート、スピンコート、フローコート、ロールコート、スリットコート、スリットコートに続いたスピンコート、インクジェット法、印刷法等の方法によって塗布して塗膜を形成し、その後、ホットプレート又はオーブン等で加熱乾燥することにより、膜を形成することができる。
直線偏光の照射方法としては、通常150〜450nmの波長の紫外線〜可視光線が用いられ、室温又は加熱した状態で、直線偏光を照射することによって行われる。
[1]NMR
化合物を重水素化クロロホルム(CDCl3)に溶解し、核磁気共鳴装置(300MHz、ジオール社製)を用いて1H−NMRを測定した。
[2]平均分子量測定
昭和電工(株)製Shodex GPC−101(溶媒:テトラヒドロフラン、検量線:標準ポリスチレン)を用いて、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)を測定した。
[3]フィルムのリタデーション値
リタデーション測定装置(RETS−100、大塚電子(株)製)を用いて波長550nmのリタデーション値のα角度依存性を測定した。
[4]偏光顕微鏡観察
(株)ニコン製の偏光顕微鏡E600−Polを用いて観察を行った。
1H-NMR(CDCl3) δ: 1.57(m,4H),1.70(m,2H),1.86(m, 2H),4.00(m,2H),4.19(m,2H),5.82(m,1H),6.12(m,1H),6.39(m,1H),6.97(d,2H),7.29(m,2H),7.36(m,1H),7.47(m,2H),7.62(m,4H),8.18(m,2H)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.62 (m, 2H), 1.76 (m, 2H), 1.87 (m, 2H),3.85 (m, 2H), 4.00 (m, 4H), 4.90 (m, 1H), 6.87 (m, 4H), 7.42 (m, 4H)
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.60-1.95 (m, 6H), 2.64 (m, 1H), 3.11 (s, 1H), 4.02 (t, 2H), 4.60(m, 1H), 4.82(s, 1H), 5.64 (s, 1H), 6.24 (s, 1H), 6.88 (d, 2H), 6.94 (d, 2H), 7.44 (m, 4H)
1H-NMR(CDCl3) δ: 1.60-1.90(m,6H),2.63(m,1H),3.09(m,1H),3.87(s,3H),4.03(m,2H),4.57(m,1H),5.64(m,1H),6.24 (d,1H),6.54 (d,1H),6.95(m,4H),7.26(m,2H),7.44(m,2H),7.57(m,4H),7.86(d,1H)
得られた重合体のMnは10,828、Mwは23,822であった(Mw/Mn=2.2)。
冷却管を備えたフラスコに、メチルメタクリレート10.0g(100mmol)、トルエン100mL、AIBN160mgを仕込み、フラスコ内を窒素置換した後、温度60℃で20時間攪拌して反応させた。得られた反応溶液を600mLのヘキサンに投入し、白色粉末を沈殿させた。この白色粉末をろ過した後、室温で真空乾燥を行い、PMMAを8.1g得た(収率81%)。
得られた重合体のMnは9,045、Mwは19,899であった(Mw/Mn=2.2)。
冷却管を備えたフラスコに、n−ドデシルアクリレート12.0g(50mmol)、1,4−ジオキサン100g、AIBN80mgを仕込み、フラスコ内を窒素置換した後、温度60℃で20時間攪拌して反応させた後、得られた反応溶液を2,000mLの水/メタノール(1/1)に投入した。得られた生成物が粘性液体であったため、生成物をデカンテーションにより分離し、乾燥させることにより、PDAを7.4g得た(収率62%)。
得られた重合体のMnは14,120、Mwは38,124であった(Mw/Mn=2.7)。
合成例で得られた重合体を用いて組成物を調製し、フィルムを作製し、その特性を検討した。
重合体(1)300mg、PMMA(ALDRICH社製、Mw=120,000)15mg、及び界面活性剤であるR−30(DIC(株)製)0.6mgをトルエン/シクロヘキサノン(75/25、w/w)1.700gに溶解し、組成物を得た。
重合体(1)300mg、合成例4で合成したPMMA15mg、及び界面活性剤であるR−30(DIC(株)製)0.6mgをトルエン/シクロヘキサノン(75/25、w/w)1.700gに溶解し、組成物を得た。
重合体(1)300mg、合成例4で合成したPMMA30mg、及び界面活性剤であるR−30(DIC(株)製)0.6mgをトルエン/シクロヘキサノン(75/25、w/w)1.700gに溶解し、組成物を得た。
重合体(1)300mg、ポリメタクリル酸エチル(PEMA)(ALDRICH社製、Mw=515,000)15mg、及び界面活性剤であるR−30(DIC(株)製)0.6mgをトルエン/シクロヘキサノン(75/25、w/w)1.700gに溶解し、組成物を得た。
重合体(1)300mg及び界面活性剤であるR−30(DIC(株)製)0.6mgをトルエン/シクロヘキサノン(75/25、w/w)1.700gに溶解し、組成物を得た。
重合体(1)300mg、ポリメタクリル酸ブチル(PBMA)(ALDRICH社製、Mw=337,000)15mg、及び界面活性剤であるR−30(DIC(株)製)0.6mgをトルエン/シクロヘキサノン(75/25、w/w)1.700gに溶解し、組成物を得た。
重合体(1)300mg、ポリメタクリル酸t−ブチル(PtBMA)(ALDRICH社製、Mw=170,000)15mg、及び界面活性剤であるR−30(DIC(株)製)0.6mgをトルエン/シクロヘキサノン(75/25、w/w)1.700gに溶解し、組成物を得た。
重合体(1)300mg、合成例5で合成したPDA15mg、及び界面活性剤であるR−30(DIC(株)製)0.6mgをトルエン/シクロヘキサノン(75/25、w/w)1.700gに溶解し、組成物を得た。
各組成物をTACフィルム上にバーコート(バー#5)により塗布し、ホットプレートを用いて60℃で2分間プリベークした後、室温まで放冷した。このとき、フィルム上に得られた膜は透明であった。
次に、10×10cmのTACフィルムに形成された塗膜を下記プロセスによって露光した後、オーブンを用いて110℃で15分間ポストベークした。得られたフィルムの膜厚は1μm程度であり、偏光顕微鏡でそれを観察したところ、フィルムが基板面に対して水平配向していることを確認した。
[露光方法(パターン化プロセス)]
・パターン1:マスクなしで直線偏光紫外線20mJ/cm2照射を行った。
・パターン2:パターン1による露光後、フィルムの半分をマスクし、更に垂直の方向(角度90°)から直線偏光紫外線60mJ/cm2照射を行った。この方法により、配向方向90°の差を示すパターン化フィルムを得た。なお、露光の際、TACフィルムの延伸方向を定めて照射を行い、パターン1とパターン2が延伸方向を軸に左右対称となるように照射を行った。
Claims (5)
- (A)下記式[1a]、[1b]及び[1c]で表される繰り返し単位を含有する重合体A(ただし、下記式[6]で表される繰り返し単位を含有しない。)、
(B)下記式[6]で表される繰り返し単位を含有する重合体B(ただし、下記式[1a]及び[1b]で表される繰り返し単位を含有しない。)、及び
(C)有機溶媒
を含有することを特徴とする組成物であって、
重合体Bが、重合体A100質量部に対して1〜15質量部含まれる組成物。
M1は下記式[4]で表される基であり、M2は下記式[5]で表される基であり、
Aは、炭素数4〜15の直鎖状又は分岐状のアルキル基であり、
m、n及びpは、それぞれ0<m<1、0<n<1、0≦p≦0.5、かつ、m+n+p≦1を満たす数であり、
q及びrは、それぞれ独立に2〜9の整数である。]
- 請求項1記載の組成物から得られる単層塗布型水平配向フィルム。
- 請求項2記載の単層塗布型水平配向フィルムを備える光学部材。
- 請求項1記載の組成物を基板に塗布し、次いで偏光を照射し、硬化させることにより得られる単層塗布型水平配向フィルムの製造方法。
- 上記偏光が、直線偏光紫外線である請求項4記載の単層塗布型水平配向フィルムの製造方法。
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