JPWO2014057678A1 - 有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置 - Google Patents

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Abstract

有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板と、第1電極と有機発光層と第2電極とをこの順で有する有機発光体と、前記有機発光体を覆う封止材とを備えている。基板の端部表面には、電極引き出し部が封止材よりも外側に引き出されて設けられている。封止材の基板とは反対側に、配線接続電極を表面に有する配線板が設けられている。配線板は、配線接続電極と電気的に接続された外部電極パッドを備えている。配線接続電極と電極引き出し部とは塗布型導電材料によって電気的に接続されている。

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置に関する。
近年、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下「有機EL素子」ともいう)が照明パネルなどの用途に応用されている。有機EL素子としては、透光性の第1電極(陽極)と、発光層を含む複数の層により構成される有機層と、第2電極(陰極)とが、この順で透光性基板の表面に積層形成されたものが知られている。有機EL素子では、陽極と陰極の間に電圧を印加することによって、発光層で発した光が透光性の電極及び基板を通して外部に取り出される。
特開2009−217984号公報
図11A〜図11Cは、従来の有機EL素子の一例を示している。この有機EL素子は、基板1の表面に、第1電極7と、有機発光層8と、第2電極9とをこの順で有する有機発光体10が形成され、有機発光体10は、基板1に接着された封止材2によって覆われて封止されたものである。発光領域は、有機EL素子を基板1の表面に垂直な方向から見て平面視したときに、第1電極7と有機発光層8と第2電極9とが積層されている領域となる。また、平面視において封止材2で封止された領域が封止領域となる。図11Bでは、発光領域を領域Pで表している。図11Aでは、封止領域を領域Qで表し、この封止領域よりも外側の領域である封止外領域を領域Tで表している。
図11B及び図11Cに示すように、有機EL素子では、基板1の表面において、透明な導電層がパターン形状に形成され、このパターン形状の導電層の中央領域が、第1電極7として構成されている。また、この第1電極7の表面に、有機発光層8及び第2電極9を積層させることにより、有機発光体10が形成されている。そして、封止材2によって有機発光体10が封止されている。図11Bでは、封止材2の外周端部を二点鎖線Xで示している。
ここで、有機EL素子では、第1電極7及び第2電極9を介して有機発光層8に電気を供給するために、通常、各電極と電気的に接続される電極引き出し部5を有機EL素子の端部に設け、この電極引き出し部5に電気を供給することが行われている。電極引き出し部5は、第1電極7と電気的に接続する第1電極引き出し部5aと、第2電極9と電気的に接続する第2電極引き出し部5bとによって構成されている。図11Cでは、素子構造が分かりやすいように、右側に第1電極引き出し部5a側の端部を表し、左側に第2電極引き出し部5b側の端部を表している。
各電極引き出し部5の表面には、取出し電極30が形成されている。取出し電極30は、基板1表面における封止材2よりもはみ出した部分である封止外領域(領域T)に設けられている。そして、取出し電極30に外部電源を接続することにより有機発光層8に給電できるようにしている。この取出し電極30は、外部電源との接続を行う電極端子であり、導電性が高いとともに、例えばワイヤボンディング性など電気接続に対する耐久性を有するものである。取出し電極30を設けることにより外部電源との接続性を高めることができる。
しかしながら、取出し電極30が基板端部にせり出して配置されると、取出し電極30は非発光の領域となるために、非発光領域の割合が増えてしまう。しかも、ワイヤボンディング接続など電気接続を行うためには、取出し電極30に一定の領域面積を確保する必要があり、取出し電極30の幅を小さくすることは困難である。そして、取出し電極30によって外周部のスペースが占有されると、非発光領域が有機EL素子の外周において額縁状に形成されることになる。非発光領域の割合が大きくなると、有機EL素子の全体面積に対する面内の発光割合が小さくなり、面内の有効発光率が低下するおそれがある。
特許文献1には、封止板に穴を設けてこの穴に外部端子を挿入して電極に接続する構造により、有機EL素子の発光面積を広げる技術が開示されている。しかしながら、この文献の方法では、封止板に穴を形成し、さらにこの穴に外部端子を挿入しなければならないため、簡単に素子を作製できなくなるといった問題がある。また、封止板の穴よりも外側には非発光の領域が形成されてしまうため、十分に発光領域を広げることができなくなるおそれがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、発光面積の割合が高く、作製が容易で接続信頼性に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置を提供することを目的とするものである。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板と、第1電極と有機発光層と第2電極とをこの順で有する有機発光体と、前記有機発光体を覆う封止材と、を備えている。前記基板の端部表面に、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方と電気的に接続された電極引き出し部が、前記封止材よりも外側に引き出されて設けられている。前記封止材の前記基板とは反対側に、前記電極引き出し部に対向して配置された配線接続電極を前記基板側の表面に有する配線板が設けられている。前記配線板は、前記配線接続電極と電気的に接続された外部電極パッドを前記配線接続電極が形成された面とは反対側の面に備えている。前記配線接続電極と前記電極引き出し部とは塗布型導電材料によって電気的に接続されている。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、前記塗布型導電材料は側方に盛り上がった凸部を有して硬化していることが好ましい一態様である。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、前記凸部は厚み方向に複数設けられていることが好ましい一態様である。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、前記凸部は厚み方向に一つ設けられており、この凸部の頂点は、前記基板と前記配線板との間の距離の中間から±20%以内の距離の範囲内に形成されていることが好ましい一態様である。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、前記凸部は、前記塗布型導電材料と前記配線接続電極との接触部分の端縁、及び、前記塗布型導電材料と前記電極引き出し部との接触部分の端縁よりも内側の位置で形成されていることが好ましい一態様である。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、前記塗布型導電材料は、前記配線接続電極との境界部分が鋭角の傾斜角度で前記配線接続電極に接触しているとともに、前記電極引き出し部との境界部分が鋭角の傾斜角度で前記電極引き出し部に接触していることが好ましい一態様である。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、前記基板における前記電極引き出し部の外側に絶縁壁部が設けられていることが好ましい一態様である。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、前記塗布型導電材料は、樹脂により形成された保護部で被覆されていることが好ましい一態様である。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、前記基板及び前記配線板の少なくとも一方の側部に接着され、前記塗布型導電材料の側方を覆う絶縁シートを有することが好ましい一態様である。
本発明に係る照明装置は、上記の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた照明装置である。
本発明によれば、発光面積の割合が高く、作製が容易で接続信頼性に優れた有機エレクトロルミネッセンス素子及び照明装置を得ることができる。
有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す分解斜視図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す拡大断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子に用いる配線板の一例を示す拡大断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す拡大断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す拡大断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す拡大断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す拡大断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す拡大断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す拡大断面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す平面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す平面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す平面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す平面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す平面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す平面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す平面図である。 有機エレクトロルミネッセンス素子の実施形態の一例を示す平面図である。 従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す平面図である。 従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す分解平面図である。 従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の一例を示す断面図である。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)は、基板1と、第1電極7と有機発光層8と第2電極9とをこの順で有する有機発光体10と、有機発光体10を覆う封止材2と、を備えている。基板1の端部表面に、第1電極7及び第2電極9の少なくとも一方と電気的に接続された電極引き出し部5が、封止材2よりも外側に引き出されて設けられている。封止材2の基板1とは反対側に、電極引き出し部5に対向して配置された配線接続電極11を基板1側の表面に有する配線板4が設けられている。配線板4は、配線接続電極11と電気的に接続された外部電極パッド12を配線接続電極11が形成された面とは反対側の面に備えている。配線接続電極11と電極引き出し部5とは塗布型導電材料3によって電気的に接続されている。
図1は、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の実施形態の一例を示している。図1A及び図1Bのことをまとめて、図1という。図1Aでは、有機発光体10が形成された基板1と、有機発光体10を封止する封止材2と、一方の面に外部電極パッド12が形成されるとともに他方の面に配線接続電極11が形成された配線板4と、を分解して図示している。また、封止材2の壁部となる封止壁部2bが設けられる領域を斜線で示している。図1Bの断面図では、素子構造が分かりやすいように、右側に第1電極引き出し部5a側の端部を表し、左側に第2電極引き出し部5b側の端部を表している。
図1に示すように、有機EL素子は、基板1の表面に、第1電極7と有機発光層8と第2電極9とをこの順で有する有機発光体10が形成されており、有機発光体10は、基板1に接着された封止材2によって覆われて封止されている。有機EL素子では、基板1の端部表面に、第1電極7及び第2電極9の少なくとも一方と電気的に接続された電極引き出し部5が、封止材2よりも外側に引き出されて設けられている。封止材2の基板1とは反対側には配線板4が設けられている。この配線板4は、電極引き出し部5に対向して配置された配線接続電極11を基板1側の表面に有している。また、この配線板4は、配線接続電極11と電気的に接続された外部電極パッド12を配線接続電極11が形成された面とは反対側の面に備えている。そして、配線接続電極11と電極引き出し部5とは塗布型導電材料3によって電気的に接続されている。
本形態では、電極引き出し部5が塗布型導電材料3によって配線接続電極11と接続されているため、基板端部において外部に取り出すための電極(取出し電極)を設けるスペースを形成しなくてもよい。そのため、封止外領域の幅を小さくすることができるので、外周部の非発光領域の割合を少なくして発光領域の割合を高くすることができ、素子の発光面積の割合を高くすることができる。また、配線接続電極11は配線板4によって外部電極パッド12と導通しており、この外部電極パッド12は配線接続電極11が設けられた側とは反対側の面、すなわち、光取り出し側とは反対側の面に設けられている。そのため、外部配線との接続を簡単に行うことができるとともに導通性高く接続することができる。また、電極引き出し部5と配線接続電極11とは塗布型導電材料3によって電気的に接続されているため、電極引き出し部5と配線接続電極11との電気的導通性を高く確保することができる。また、配線板4の導体パターンによって外部電極パッド12を形成でき、塗布型導電材料3によって電気接続を行うため、外部電源と接続して給電するための電極(取出し電極)として機能する外部電極パッド12を簡単に有機EL素子に形成することができる。その結果、本形態の有機EL素子は、発光面積の割合が高く、作製が容易で接続信頼性に優れたものとなるのである。以下、さらに本形態の有機EL素子について説明する。
基板1は、光透過性を有する基板1であることが好ましい。基板1は透明であってよい。基板1としては、ガラス基板、樹脂基板などを用いることができる。基板1をガラス基板で構成した場合、ガラスは水分の透過性が低いので、封止領域の内部に水分が浸入することを抑制することができる。基板1の表面における第1電極7との界面には、光取り出し層が設けられていてもよい。光取り出し層が設けられることにより、光取り出し性を高めることができる。光取り出し層は、ガラスよりも屈折率の高い樹脂層や、光散乱粒子を含む樹脂層や、高屈折率ガラスなどによって形成することができる。本形態では、基板1は、矩形状のものが用いられている。
有機発光体10は、第1電極7、有機発光層8及び第2電極9の積層体である。有機発光体10の設けられる領域は、平面視(基板表面に垂直な方向から見た場合)において、基板1の中央部の領域である。有機EL素子では、平面視における有機発光体10が設けられた領域が発光領域となる(図11Bの領域Pを参照)。
第1電極7及び第2電極9は、互いに対となる電極であり、一方が陽極を構成し、他方が陰極を構成する。本形態では、第1電極7により陽極を構成し、第2電極9により陰極を構成することができるが、その逆であってもよい。第1電極7は、光透過性を有することが好ましく、その場合、第1電極7は光取り出し側の電極となる。第1電極7は、透明な導電層によって構成することができる。導電層の材料としては、ITO、IZOなどが例示される。また、第2電極9は光反射性を有していてもよい。その場合、第2電極9側に向って発せられる発光層からの光を、第2電極9で反射させて基板1側から取り出すことができる。また、第2電極9は光透過性の電極であってもよい。第2電極9が光透過性の場合、封止材2側の面から光を取り出す構造にすることが可能である。あるいは、第2電極9が光透過性の場合、第2電極9における有機発光層8とは反対側の面に光反射性の層を設けることによって、第2電極9の方向に進行した光を反射させて、基板1側から取り出すことが可能である。第2電極9は、例えば、AlやAgなどにより形成することができる。第1電極7及び第2電極9の膜厚は、特に限定されるものではないが、例えば、10〜300nm程度にすることができる。
有機発光層8は、発光を生じさせる機能を有する層であり、ホール注入層、ホール輸送層、発光層(発光材料を含有する層)、電子輸送層、電子注入層、中間層などから適宜選ばれる複数の機能層によって構成されるものである。有機発光層8の厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、60〜300nm程度にすることができる。
有機EL素子では、第1電極7と第2電極9とに電圧を印加し、発光層(発光材料含有層)において正孔と電子を結合させて発光を生じさせる。そのため、第1電極7及び第2電極9のそれぞれと導通する電極を基板端部に引き出して設ける必要がある。引き出された電極は、外部電極と電気的に接続するための端子である外部電極パッド12と導通するものとなる。本形態では、基板1の表面に、第1電極7及び第2電極9と導通する電極引き出し部5を設け、発光層に電圧を印加できるようにしている。
電極引き出し部5は、基板1の端部表面に形成されている。電極引き出し部5は、第1電極7と導通する第1電極引き出し部5aと、第2電極9と導通する第2電極引き出し部5bとによって構成されている。本形態では、電極引き出し部5は、第1電極7を構成する導電層によって形成されている。
第1電極引き出し部5aは、第1電極7を構成する導電層が基板1の端部側に分断されずに引き出され外側に向かって延出されることによって形成されている。すなわち、第1電極7を構成する導電層は、第1電極引き出し部5aが設けられる端部では封止材2からはみ出して基板1の端部にまで形成されている。第1電極7と導通する第1電極引き出し部5aが封止領域よりも外側にまで延出されることにより、封止領域の外部と素子内部とを電気的に接続させることが可能になる。このように、第1電極7を延長することによって第1電極引き出し部5aを形成すると、簡単に第1電極引き出し部5aを形成することができる。
また、本形態では、第2電極引き出し部5bは、第1電極7を形成するための導電層の一部が第1電極7から分離されるとともに、基板1の端部側に引き出され外側に向かって延出されることによって形成されている。すなわち、第2電極引き出し部5bを構成する導電層は、第1電極7から分離されるとともに、封止材2からはみ出して基板1の端部にまで形成されている。第2電極9と導通する第2電極引き出し部5bが封止領域よりも外側にまで延出されることにより、封止領域の外部と素子内部とを電気的に接続させることが可能になる。そして、パターン形成された導電層によって第2電極引き出し部5bを形成すると、簡単に第2電極引き出し部5bを形成することができる。第2電極引き出し部5bは、素子の内部において、積層された第2電極9と接触しており、それにより第2電極引き出し部5bと第2電極9とが導通する構造となっている。
図1では、電極引き出し部5が基板1の外周端縁よりもやや小さい範囲内に形成された形態を示しているが、電極引き出し部5は基板1の端縁まで延長されていてもよい。電極引き出し部5の端縁が基板1の端縁の位置になると、封止外領域を小さくすることがさらに可能になり、基板端部の非発光領域をさらに小さくすることができる。また、有機EL素子は、複数個、面状に並べて照明装置を形成することができるが、その際、電極引き出し部5を基板1の端縁まで形成した場合には、他の有機EL素子を必要な箇所で導通させて電気的に接続することが容易になる。また、本形態のように、電極引き出し部5が基板1の端縁まで形成されていない構造も好ましい。電極引き出し部5が基板1の端縁まで形成されていないと、面状に有機EL素子を並べたときに、隣り合う有機EL素子において絶縁距離を確保することができ、ショート不良を抑制することができる。
第1電極7、第1電極引き出し部5a及び第2電極引き出し部5bは、同じ導電材料を用いて形成することができる。それにより、有機EL素子を簡単に製造することができる。第1電極7の導電層は、例えば、透明金属酸化物により形成することができる。具体的には、例えば、この導電層をITOで構成することができる。導電層の厚みは、特に限定されるものではないが、0.01〜0.5μmの範囲にすることができる。好ましくは、例えば、この導電層の厚みを0.1〜0.2μm程度にすることができる。
封止材2は、本形態では、基板1に対向し表面が平坦な平板状の封止基板2aと、封止基板2aの外周部における基板1と封止基板2aとに挟まれた部分に設けられた封止壁部2bとを有して構成されている。
封止基板2aは、水分の透過性が低い基板材料を用いて形成することができる。封止基板2aとしては、例えば、ガラス基板を用いることができる。ガラス基板を用いることにより、水分が浸入するのを抑制することができる。本形態のように封止基板2aとして表面が平坦な面となったものを用いた場合には、有機発光体10を封止するための凹部を設けなくてよく、簡単に封止を行うことができる。
封止壁部2bは封止樹脂材によって構成することができる。封止樹脂材としては、熱硬化性又は光硬化性の樹脂組成物を用いることができる。封止樹脂材には乾燥剤が含まれていることが好ましい。また、封止樹脂材は接着性を有することが好ましく、その場合、封止樹脂材によって、封止基板2aを基板1に接着することができる。封止壁部2bの厚みは有機発光体10よりも厚くなっている。それにより、有機発光体10の厚み分のスペースを確保して、平坦な封止基板2aで封止することができる。封止壁部2bは、有機発光体10の外周を取り囲む領域に設けることができる。それにより、基板1と封止基板2aとを外周に亘って接着し、有機発光体10を密封性高く封止して外部から遮断することができる。封止壁部2bを樹脂で構成する場合には封止壁部2bの厚みを簡単に調整できる。したがって、封止材2の高さを容易に調整することができるため、塗布型導電材料3によって導通性を確保しやすい高さに封止材2の高さを調整することが可能になる。
封止材2による有機発光体10の封止によって、封止材2の内側には封止間隙6が設けられている。本形態の有機EL素子では、この封止間隙6に封止充填材6aを充填して充填密封構造にしてもよい。封止間隙6を封止充填材6aで充填する場合には、乾燥剤を含んだ充填材を用いることができる。それにより、素子内部に水分が浸入したとしても、浸入した水分を吸収することができる。また、この充填材は乾燥剤を含むとともに接着性を有することが好ましい。封止壁部2bは、充填材を充填する際にせき止めるいわばダム層として機能することができる。
また、有機EL素子は、封止基板2aが有機発光体10を収納する収納凹部を有し、この収納凹部で有機発光体10を封止するようにしてもよい。すなわち、封止基板2aが封止材2を構成することになる。このとき、封止壁部2bは、収納凹部の側壁として、封止基板2aの一部として形成されるものであってよい。いわゆるキャップ状の封止基板2aである。収納凹部を設けた封止基板2aを用いることにより、側方における封止性を高めることができ、有機発光体10を密封性よく封止することができる。その際、封止材2は、接着材料によって基板1に接着することができる。接着材料としては、例えば、樹脂性の接着材料を用いることができる。樹脂性の接着材料は、防湿性を有しているものが好ましい。例えば、乾燥剤を含有することにより防湿性を高めることができる。樹脂性の接着材料は、熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂などを主成分とするものであってもよい。
また、有機EL素子は、封止間隙6が空洞となった封止空間として形成された中空構造になっていてもよい。例えば、収納凹部を有するキャップガラス状の封止材2(封止基板2a)を用いた場合、収納凹部を空洞にすることにより、封止空間を形成することができる。封止間隙6を封止空間にする場合には、封止空間に乾燥材を設けることができる。それにより、封止空間に水分が浸入したとしても、浸入した水分を吸収することができる。
そして、本形態の有機EL素子では、外部電極パッド12と配線接続電極11とを有する配線板4が、封止材2の有機発光体10が設けられた側とは反対側、すなわち有機EL素子の背面側に設けられている。また、配線接続電極11と電極引き出し部5とが塗布型導電材料3によって電気接続されている。
図2Aは、図1の有機EL素子の電極引き出し部5(第1電極引き出し部5a)付近を拡大した様子を示している。図2Aでは、第1電極引き出し部5aの構造を示しているが、第2電極引き出し部5bも同様の構造にすることができる。図2Bは、配線板4の一例を示している。図2A及び図2Bのことをまとめて、図2という。なお、図2は素子を説明するための概略を示しているため、図1に示すものとは各部の寸法が異なっている。
配線板4は、封止材2の基板1とは反対側の表面に接着されている。このように外部電極パッド12を有する配線板4を介して電極引き出し部5からの電極配線の取り出しを行うと、配線板4を貼り付けるだけで封止材2の表面に外部電極パッド12を設けることができるため、簡単に安全に外部電極パッド12を設けることができる。また、外部電極パッド12は配線板4に設けられるため、適宜のパターンで外部電極パッド12を設けたり、配線板4に回路パターンを設けたりすることができ、電気接続性を向上したり、回路パターンの自由度を向上したりすることができる。また、外部電極パッド12によって外部電源を接続することができるため、ワイヤボンディングなどの電気接続に対する耐久性を高めることができ、外部電源との接続性を向上することができる。
配線接続電極11及び外部電極パッド12は、電極引き出し部5に対応して、第1電極7及び第2電極9のそれぞれと電気的に接続するものが区分されて設けられている。配線接続電極11及び外部電極パッド12のうち、第1電極引き出し部5aを介して第1電極7と導通するものは、第1配線接続電極11a及び第1外部電極パッド12aとなる。また、配線接続電極11及び外部電極パッド12のうち、第2電極引き出し部5bを介して第2電極9と導通するものは、第2配線接続電極11b及び第2外部電極パッド12bとなる。第1配線接続電極11a及び第1外部電極パッド12aと、第2配線接続電極11b及び第2外部電極パッド12bとは、電気的に絶縁されている。それにより、外部側への電極の取り出しが可能になる。
配線板4としては、絶縁層4aの表面に導電材料層が形成されたタイプの適宜の配線板4を用いることができる。配線板4はプリント配線板によって構成されるものであってよい。また、配線板4は、絶縁層4aの両面に回路配線が形成された単層板であってもよく、単層板が複数積層された多層板であってもよい。多層板の場合、複雑な配線の引き回しが可能になる。一方、単層板の場合、より薄型化することが可能になる。
図2Bは配線板4の構造の一例である。この配線板4では、絶縁層4aの表面に導電材料が積層されて、絶縁層4aの一方の面に外部電極パッド12が形成され、他方の面に配線接続電極11が形成されている。配線接続電極11と外部電極パッド12とは、絶縁層4aの表面に線状に設けられた導電配線4cと、絶縁層4aを厚み方向に貫通する貫通配線4dとによって電気的に導通している。配線接続電極11、外部電極パッド12、導電配線4c、貫通配線4dは、同じ導電材料を用いて構成してもよい。例えば、銅、ニッケル、金などを用いることができる。本形態の配線板4では、絶縁層4aの表面には、レジスト層4bが設けられている。そして、配線接続電極11と外部電極パッド12とは、レジスト層4bに埋められて設けられている。レジスト層4bは、配線接続電極11、外部電極パッド12及び導電配線4cを所望のパターンで形成する際のレジストとなる機能を有するものである。レジスト層4bによって、導電材料をパターン形成して積層させることが容易になる。配線板4に形成される配線接続電極11及び外部電極パッド12は、目的とする配線接続電極11及び外部電極パッド12のパターンで積層形成されたものであってもよいし、表面の導電層がエッチングなどによってパターン加工されて形成されたものであってもよい。また、配線板4は銅張積層板などを用いて形成されたものであってもよい。
図2Bでは、貫通配線4dが外部電極パッド12の位置に設けられ、導電配線4cが配線板4の配線接続電極11が設けられた側の面に設けられたものを示しているが、導電配線4c及び貫通配線4dの形成パターンはこれに限定されるものではない。導電配線4c及び貫通配線4dは、配線接続電極11と外部電極パッド12とを電気的に接続する適宜のパターンで形成することができる。例えば、導電配線4cは外部電極パッド12が設けられた側の面に形成されていてもよい。また、貫通配線4dは配線接続電極11が形成されている位置や、配線接続電極11及び外部電極パッド12のどちらも形成されていない位置に設けられていてもよい。導電配線4c及び貫通配線4dは、第1電極7と第2電極9とがショートしないように設けることができる。例えば、絶縁層4aの一方の面に、第1電極7から引き出された配線部を構成する導電配線4cを形成し、絶縁層4aの他方の面に、第2電極9から引き出された配線部を構成する導電配線4cを形成してもよい。この場合、絶縁されるべき二種の導電配線4cを接触させずに平面視において交差させて配線を引き回すことが可能になり、第1電極7及び第2電極9をショートさせることなく、互いの電極の引き出し部分をそれぞれの電極パッドに集約させることができる。
配線板4の絶縁層4aは、絶縁材料が硬化して形成された板状のものであってよい。また、配線板4として、フレキシブル配線板を用いることも好ましい。フレキシブルな場合、シート状のものや、湾曲可能なものや、ロール状に巻き上げ可能なものなどを用いることにより、取扱い性を高めることができ、配線板4の貼り付けをより簡単に行うことができる。また、配線板4として、低温同時焼成セラミックス(LTCC)を用いてもよい。それにより効率よく配線板4を得ることができる。
配線板4は、封止材2の表面に両面テープや接着剤によって貼り付けることができる。配線板4の貼り付けは、封止後に行うことが好ましい。有機発光体10を封止する前の封止材2(封止基板2a)にあらかじめ配線板4を設け、その後封止することも可能であるが、封止後に行う方が製造性よく安全に配線板4を取り付けることができる。
配線板4は、その外縁を封止材2の外縁よりもはみ出させて封止材2に取り付けることができる。その際、配線接続電極11の一部又は全部が封止材2からはみ出すようにする。それにより、配線接続電極11を配線板4のはみ出した部分に設けて、配線接続電極11と電極引き出し部5とを簡単に対向配置させることができる。また、配線接続電極11は、平面視において電極引き出し部5が設けられた位置と重複する位置に設けられることが好ましい。それにより、電極引き出し部5と配線接続電極11とを容易に対向して配置することができ、塗布型導電材料3によって簡単に電気接続を行うことが可能になる。
外部電極パッド12は、配線板4の配線構造によって電極引き出し部5と電気的に接続されている。本形態では、図1に示すように、外部電極パッド12は、複数の第1配線接続電極11aと接続された第1外部電極パッド12aと、複数の第2配線接続電極11bと接続された第2外部電極パッド12bとによって構成されている。このように、複数の配線接続電極11が配線板4の配線構造(導電配線4c、貫通配線4d)によって集約してまとめられて一つ又は少数の外部電極パッド12が設けられることが好ましい形態の一つである。それにより、給電部位を少なくすることができ、外部電源からの給電を簡単に行うことができる。
図1に示すように、本形態では、配線板4は、封止材2(封止基板2a)よりも大きい矩形状のものが用いられている。そのため、配線板4は封止材2を覆うように封止材2に全面において貼り付けられている。それにより簡単に配線板4を形成することができ、配線板4の取り付けも容易になり、電気配線の引き回し(電極の集約等)も簡単になる。
本形態では、対向配置した配線接続電極11と電極引き出し部5とが、塗布型導電材料3によって電気接続されている。塗布型導電材料3で電気接続することにより、塗布型導電材料3を簡単に塗布や噴き付けなどによって設けることができるとともに、硬化させて固着させることができ、容易に導電性高く電極引き出し部5と配線接続電極11とを電気接続することができる。また、塗布型導電材料3によって電気接続する場合、封止材2よりも外部の封止外領域の幅を塗布型導電材料3による電気接続に要する程度の幅にすることが可能である。そのため、封止材2よりも外側の非発光の領域を小さくすることができ、有機EL素子における発光領域の割合を高めることができる。
塗布型導電材料とは、塗布可能な導電材料のことである。塗布型導電材料は、有機EL素子の製造前においては、流動性を有する材料であり、有機EL素子の製造に用いられた際には、硬化して固体状になって導電接続を行う材料であってよい。製造前に流動性を有することで、容易に塗布型導電材料を配置することができる。製造後に固体状になることで、導電接続を良好に行うことができる。塗布型とは流動して塗布することが可能なことを表すものであり、塗布型導電材料の配置は、塗布に限られなくてもよい。塗布型導電材料は、ペースト状、液状、ゼリー状などであってよい。塗布型導電材料は、導電物質を含むものであってよい。塗布型導電材料は、硬化して導電硬化体となる。導電硬化体は導電接続部と定義される。
塗布型導電材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、はんだ、導電性接着剤、導電性ペースト、金属ナノインクなどから選ばれる1種以上を用いることができる。はんだとしては、糸はんだ、クリームはんだ、はんだペーストなどが例示される。また、はんだとしては、特殊はんだなどが例示される。特殊はんだとしては、黒田テクノ製「サラソルザ」などが例示される。導電性接着剤としては、接着性のAgペースト、接着性のCuペーストなどが例示される。導電性ペーストとしては、Agペースト、Cuペースト、及びこれらのペーストに分散剤などを添加したものなどが例示される。金属ナノインクはとしては、Agナノインクなどが例示される。Agナノインクは、ナノオーダーの銀粒子が分散されたインクである。塗布型導電材料としては、導電性ペーストを用いることが好ましい。それにより、容易に導電性高く、導電接続を行うことができる。
塗布型導電材料3は、平面視において配線接続電極11と電極引き出し部5とが重複する位置で厚み方向に連続して設けることができる。塗布型導電材料3の設けられる平面視における位置は、厚み方向において同じ位置であってよい。塗布型導電材料3が厚み方向で設けられることによって、導電性高く電極引き出し部5と配線接続電極11とを導通させることができる。塗布型導電材料3は封止材2の側部(側面)に接して設けられていてよい。塗布型導電材料3が封止材2の側部に接することにより、塗布型導電材料3が安定して設けられるため、導通接続性を高めることができる。本形態の場合、塗布型導電材料3は封止壁部2bに接触して形成されることになる。
塗布型導電材料3は、第1電極引き出し部5aと第1配線接続電極11aとの間に設けられるものと、第2電極引き出し部5bと第2配線接続電極11bとの間に設けられるものとの二種類のものが設けられる。それにより、ショートさせずに電極を引き出すことが可能になる。塗布型導電材料3は、封止材2の側部の複数個所に設けられるものであってよい。
塗布型導電材料3としては、熱硬化性を有するものを好ましく用いることができる。その場合、熱硬化により簡単に塗布型導電材料3を硬化させて電気接続させることができる。塗布型導電材料3の硬化によって、封止材2の側部には、導電硬化体が塗布型導電材料3の硬化体として形成される。塗布型導電材料3は、流動性を有するペースト状の材料であり得るため、簡単に塗布することができる。特に、導電性ペーストでは塗布が容易である。
塗布型導電材料3に含まれる導電材料としては、特に限定されるものではないが、金属粒子を好ましく用いることができる。例えば、銀、金、銅、ニッケルなどの粒子である。このうち、銀を用いた銀ペーストが好ましい。塗布型導電材料3には、バインダーが含まれていてもよい。バインダーが含まれることにより、塗布型導電材料3の粘度や接着性が調整され得るため、取扱い性の高い塗布型導電材料3を得ることができる。塗布型導電材料3は、導電材料が溶媒などによって分散されるものであってよい。溶媒は、有機溶剤などであってよい。熱硬化の際に気化する有機溶媒を用いれば、簡単に塗布型導電材料3を硬化させることができる。塗布型導電材料3の熱硬化温度は、特に限定されるものではないが、例えば50℃以上100℃以下にすることができる。熱硬化温度が高すぎると、硬化時の熱で素子が劣化するおそれがある。
塗布型導電材料3は、配線板4を封止材2に貼り付けた後に、側方から基板1と配線板4との間に注入することにより設けることができる。それにより、配線板4に設けられた配線接続電極11と、基板1表面の電極引き出し部5とを容易に電気接続することができる。
塗布型導電材料3を基板1と配線板4との間の隙間に注入する方法としては、特に限定されるものではないが、ディスペンサーなどによる塗布により行うことができる。ディスペンサーを用いた場合、基板1と配線板4との間のわずかの隙間に効率よく塗布型導電材料3を塗布することができる。ディスペンサーとしては、エア式ディスペンサー、スクリュー式ディスペンサー、ジェット式ディスペンサーなどがあるが、そのいずれを用いてもよい。また、ノズル(針先)を基板1と配線板4との間に挿入し、塗布型導電材料3を押し出してノズルの吐出口から吐出する注射器方式のタイプのディスペンサーも用いることができる。ただし、ノズルを隙間に挿入する方式は、ノズル先端の位置制御が難しくなって塗布型導電材料3を容易に吐出することができなくなる場合がある。そのため、素子の側方から噴射して基板1と配線板4との間の隙間に塗布型導電材料3を噴き付けて塗布するディスペンサーを用いることがより好ましい。例えば、ジェット式ディスペンサーにおいては、噴射量、噴射速度、噴射位置等を高精度に制御して、塗布型導電材料3を射出して塗布することができるため好ましい。
塗布型導電材料3は硬化した際には、図2Aに示すように、外表面が平坦な面となることが好ましい一形態である。それにより、電極引き出し部5と配線接続電極11とを厚み方向に亘って略同じ断面積の導電硬化体で接続することが可能となり、導通性高く電気接続を行うことができる。また、導電硬化体の側面(表面)が平坦になることにより、クラックが生じることを抑制することができる。
本形態の有機EL素子は、封止工程までは通常の有機EL素子と同様の方法で作製することができる。例えば、基板1の表面に、第1電極7、有機発光層8及び第2電極9を積層させて有機発光体10を形成し、封止用の樹脂で封止壁部2bを形成した後、封止基板2aを接着して封止材2で有機発光体10を封止する。もちろん収納凹部を有する封止材2を用いて封止してもよい。このとき、封止材2よりも外部に第1電極7の延伸部をはみ出させることにより電極引き出し部5を形成することができる。
次に、本形態の有機EL素子においては、封止材2の表面に配線板4を接着剤や両面テープなどで貼り付ける。このとき、配線板4の端部を封止材2よりも外側にはみ出させて、配線接続電極11が外部に露出するようにする。そして、側方からジェット式ディスペンサーなどにより、配線接続電極11と電極引き出し部5との間の位置に塗布型導電材料3を射出して塗布する。射出された塗布型導電材料3は封止壁部2bの側壁表面に付着するとともに、厚み方向に広がって配線接続電極11と電極引き出し部5との両方に接触する。もちろん、ジェット式ディスペンサー以外のディスペンサーや、その他の塗布装置によって塗布型導電材料3を塗布してもよい。要するに、塗布型導電材料3は、配線接続電極11と電極引き出し部5とを電気的に接続するように設けられればよい。その後、塗布型導電材料3が硬化する温度に加熱して、塗布型導電材料3を硬化させる。以上により、図1に示すような有機EL素子を製造することができる。
有機EL素子では、複数の有機EL素子を面状に配設して発光面積の大きい面状発光装置(照明体)を得ることができる。本形態の有機EL素子では、基板端部の非発光領域を小さくすることができるため、隣り合う有機EL素子の境界部分に形成される非発光の領域を小さくすることができ、有機EL素子の連結部分を目立たなくすることができる。また、非発光の領域が小さくなるため、発光割合を高くすることができ、発光強度の大きい発光装置を得ることができる。
図3は、有機EL素子の実施形態の他の一例であり、電極引き出し部5と配線接続電極11とを接続する塗布型導電材料3が設けられた付近を拡大して図示している。本形態では、絶縁壁部14が設けられていること以外は、図1及び図2の形態とほぼ同様の構成となっている。
本形態では、基板1における電極引き出し部5の外側に、絶縁性を有する絶縁壁部14が設けられている。このように絶縁壁部14を設けることにより、有機EL素子の外周部において絶縁距離を確保することができ、絶縁不良を低下することができる。また、複数の有機EL素子を線状に又は面状に並べたときには、隣り合う素子同士において電極が接触するとショートするおそれがあるが、絶縁壁部14で絶縁距離を確保することにより、ショート不良を抑制することができる。また、塗布型導電材料3で電気接続する場合、塗布型導電材料3は流動性を有するため、外部に向かって流れ出る可能性があるが、絶縁壁部14によって塗布型導電材料3の流れをせき止めることができるため、ショート不良をより有効に抑制することができる。特に、塗布型導電材料3を射出して封止材2の側部表面に付着させる場合には、射出した塗布型導電材料3がその勢いで横に流れ出るおそれがあるが、絶縁壁部14によって塗布型導電材料3が広がるのをせき止めることができる。絶縁壁部14と塗布型導電材料3(導電硬化体)は接していなくてもよいし、接していてもよい。塗布型導電材料3の流出がせき止められ、その状態で硬化した場合には、絶縁壁部14と導電硬化体とは接することになる。
絶縁壁部14は、電極引き出し部5の厚みよりも厚み(壁の高さ)が厚いことが好ましい。それにより、塗布型導電材料3が流れ出るのをより確実にくい止めることができる。絶縁壁部14は、基板1の外周部に亘って設けられるものであってよい。それにより、塗布型導電材料3が流れるのを抑えることができる。
なお、隣り合う素子を導通させる場合は、その部分において、絶縁壁部14の一部又は全部が設けられていなくてもよい。例えば、導通部分において絶縁壁部14が分断されていてもよい。その場合、電極引き出し部5や塗布型導電材料3が基板1の端縁にまで延伸して形成されていてもよい。
絶縁壁部14は電極引き出し部5と接していてもよいし、接していなくてもよい。絶縁壁部14と電極引き出し部5とが隙間なく接触している場合、非発光領域の割合をより小さくすることができる。一方、絶縁壁部14と電極引き出し部5とが接触しておらず、隙間が設けられている場合、流出した塗布型導電材料3を隙間に流して貯めることができるため、端部での塗布型導電材料3の流れ出しをより抑制することができ、絶縁性を向上することができる。
絶縁壁部14は内部側で電極引き出し部5の表面に重なっていてもよい。それにより、絶縁壁部14の厚みが大きくなって塗布型導電材料3が流れ出るのをより抑制することができる。また、絶縁壁部14は電極引き出し部5の上に設けられていてもよい。
絶縁壁部14は、適宜の絶縁材料で形成することができる。例えば、絶縁壁部14は、樹脂などにより構成することができる。その場合、基板1の表面に絶縁樹脂を、ディスペンサーなどにより塗布して硬化させることにより、絶縁壁部14を形成することができる。樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン、不飽和ポリエステルなどが挙げられる。あるいは、線状の樹脂体を基板1の外周端部に貼り付けて、絶縁壁部14を形成するようにしてもよい。絶縁壁部14が設けられた状態で、塗布型導電材料3を塗布すると、塗布型導電材料3は絶縁壁部14に当たってせき止められるため、外部側に流出しなくなる。そして、塗布型導電材料3を硬化することにより、導電硬化体が絶縁壁部14と接触した状態で硬化が完了して形成される。
また、絶縁壁部14の硬化と塗布型導電材料3の硬化とを同時に行うようにしてもよい。例えば、形状の保持性を有する粘度の高い樹脂材料で絶縁壁部14を形成し、この未硬化の絶縁壁部14で塗布型導電材料3をせき止め、その後、加熱して絶縁壁部14と塗布型導電材料3を同時に硬化させることができる。この場合、熱硬化を同時に行うことができるので、効率よく電気接続を行うことができる。このとき、塗布型導電材料3と未硬化の絶縁壁部14が混じらないように材料を設定するようにする。ただし、より確実に塗布型導電材料3の流出を抑制するためには、絶縁壁部14を硬化させた後に、塗布型導電材料3を塗布する方が好ましい。
絶縁壁部14の形成は、封止を行った後に行うことが好ましい。それにより、素子を傷つけることなく簡単に絶縁壁部14を設けることができる。もちろん、絶縁壁部14は、封止が終わる前の適宜の段階で形成することもできる。例えば、第1電極7及び電極引き出し部5が設けられる前の基板1の表面に形成したり、電極引き出し部5が設けられ有機層が積層される前の基板1の表面に形成したりしてもよい。また、絶縁壁部14は、封止後に設ける場合、配線板4を封止材2に貼り付ける前に形成してもよいし、配線板4を封止材2に貼り付けた後に形成してもよい。配線板4を封止材2に貼り付ける前に絶縁壁部14を形成する場合、配線板4が側方に飛び出していない状態で形成できるため、絶縁壁部14を簡単に設けることが可能になる。
なお、図3の形態では、図2Aの形態に絶縁壁部14が設けられたものを図示しているが、絶縁壁部14は塗布型導電材料3で電気接続を行う後述の各形態においても設けることができる。その場合も、絶縁壁部14を設けることにより、絶縁距離を確保することができ、導通信頼性の高い素子を得ることができる。
図4は、有機EL素子の実施形態の他の一例であり、電極引き出し部5と配線接続電極11とを接続する塗布型導電材料3が設けられた付近を拡大して図示している。本形態では、塗布型導電材料3が硬化した形状が異なること以外は、図1及び図2の形態とほぼ同様の構成となっている。
本形態では、塗布型導電材料3は側方に盛り上がった凸部13を有して硬化している。このように塗布型導電材料3が硬化した導電硬化体に凸部13が設けられることが好ましい形態の一つである。凸部13を設けることにより塗布型導電材料3を太い幅で設けることができるため、導電性を高めることができる。また、塗布型導電材料3は加熱工程などの熱履歴によりクラック(裂けやひび)が生じやすくなるおそれがあるが、塗布型導電材料3が凸部13を有することによりクラックを生じにくくすることができる。ここで、本形態の有機EL素子では、封止材2に接着した配線板4と基板1との間を結ぶように塗布型導電材料3が設けられている。そのため、加熱の際の基板間の熱膨張率の差によって塗布型導電材料3に加えられる応力が不均一になって塗布型導電材料3にクラックが生じやすくなる。しかしながら、塗布型導電材料3が凸部13を有して硬化することによって、加熱の際のクラックの発生をより抑制することができる。
図4の形態においては、凸部13は厚み方向で一つ設けられている。このように凸部13が一つの場合、できるだけ少ない塗布型導電材料3の量でクラックの生じにくい構造を形成することができ、効率よく導電性と強度の高い導電硬化体を得ることができる。厚み方向とは、有機EL素子の厚みの方向である。
塗布型導電材料3が硬化したときに形成される凸部13が厚み方向に一つである場合、この凸部13の頂点Hは、基板1と配線板4との間の距離の中間Cから±20%以内の距離の範囲内に形成されていることが好ましい。すなわち、基板1と配線板4との間の距離を1とした場合に、3/10〜7/10の距離の範囲C1の位置に、凸部13の頂点Hが配置されるようにするものである。凸部13の頂点Hが基板1と配線板4との間のより中間の位置に配置されることにより、クラックを低減することができるとともに、導通接続性を高めることができる。
また、凸部13は、塗布型導電材料3と配線接続電極11との接触部分の端縁、及び、塗布型導電材料3と電極引き出し部5との接触部分の端縁よりも内側の位置で形成されていることが好ましい。このとき、図4に示すように、凸部13の頂点Hの位置H1は、塗布型導電材料3と配線接続電極11との接触部分の端縁の位置E2、及び、塗布型導電材料3と電極引き出し部5との接触部分の端縁の位置E1よりも内側に配置される。このように、凸部13が内側に配置されることにより、塗布型導電材料3の硬化した凸部13が側方に飛び出すことを抑えて、発行面積の割合を効率よく高めることができる。また、塗布型導電材料3が側方で飛び出すと、塗布型導電材料3が他の部材に接触して壊れたり、導電部材と接触して電気的にショートしたりするおそれがあるが、凸部13をできるだけ側方に飛び出させないようにすることにより、破壊や導通不良が発生するのを抑制することができる。凸部13の頂点Hの位置H1は、横方向の位置を表す。端縁の位置E1及びE2は、接触部分の外側の位置を表す。なお、図4の形態では、塗布型導電材料3の端縁の位置であるE1とE2とが略同じ位置になっているが、もちろん、E1とE2とは異なる位置であってもよい。
塗布型導電材料3は、配線接続電極11との境界部分が鋭角の傾斜角度θ2で配線接続電極11に接触していることが好ましい。それにより、塗布型導電材料3と配線接続電極11とが境界部分においてより広い面積で接触することができるため、導通接続性を高めることができる。このとき、塗布型導電材料3が硬化した導電硬化体には、配線接続電極11との境界部分では配線板4に対して内側に傾斜した傾斜面が形成される。また、塗布型導電材料3は、電極引き出し部5との境界部分が鋭角の傾斜角度θ1で電極引き出し部5に接触していることが好ましい。それにより、塗布型導電材料3と電極引き出し部5とが境界部分においてより広い面積で接触することができるため、導通接続性を高めることができる。このとき、塗布型導電材料3が硬化した導電硬化体には、電極引き出し部5との境界部分では基板1に対して内側に傾斜した傾斜面が形成される。本形態では、塗布型導電材料3の境界部分における角度θ1、θ2の両方が鋭角となった傾斜角度となっている。そのため、塗布型導電材料3の量をできるだけ少なくしながら効率よく配線接続電極11と電極引き出し部5との両方において導通接続性を高めることが可能になる。傾斜角度θ1及び傾斜角度θ2は、特に限定されるものではないが、例えば、10〜80°の範囲にすることができる。本形態では、塗布型導電材料3は、断面における表面形状がW状となっている。表面がW状となることにより、凸部13を形成しながら、厚み方向の端部に傾斜面を形成することができる。
図4の形態の有機EL素子は、例えば、側方から塗布型導電材料3をジェット式ディスペンサーにより噴射して塗布することにより形成することができる。ジェット式ディスペンサーを用いた場合、塗布型導電材料3は液滴状になって射出される。そのため、射出された塗布型導電材料3が封止材2の側壁に当たることによって凸部13を形成することができる。また、塗布型導電材料3を基板1と配線板4との中間位置Cに向けて射出することにより、凸部13を中間位置Cの±20%の範囲内に配置させることができる。また、塗布型導電材料3の量を適宜に調整しながら、中間位置Cに射出することにより、凸部13を、塗布型導電材料3と電極引き出し部5との境界部分の端縁、及び、塗布型導電材料3と配線接続電極11との境界部分の端縁よりも内側に位置させることができる。また、塗布型導電材料3の量を調整し中間位置Cに射出することにより、塗布型導電材料3と電極引き出し部5との境界部分、及び、塗布型導電材料3と配線接続電極11との境界部分が傾斜して鋭角となった導電硬化体を得ることができる。塗布型導電材料3の硬化した部分を傾斜面に形成するには、塗布型導電材料3の濡れ性を利用してもよい。すなわち、表面張力や吸着力の作用によって、塗布型導電材料3が電極材料に接触して広がるようにすれば、塗布型導電材料3の厚み方向の端部に傾斜面を形成することが可能である。
図5は、有機EL素子の実施形態の他の一例であり、電極引き出し部5と配線接続電極11とを接続する塗布型導電材料3が設けられた付近を拡大して図示している。本形態では、塗布型導電材料3が硬化した形状が異なること以外は、図1及び図2の形態とほぼ同様の構成となっている。
図5の形態は、図4の形態とは異なり塗布型導電材料3が硬化した導電硬化体には凸部13が設けられていない。そして、塗布型導電材料3は、側方の表面が凹んだ凹部15が形成されて硬化している。そのため、凸部13を形成する場合に比べて塗布型導電材料3の量を減らすことができ、少ない材料量で導通接続を行うことが可能になる。また、図4の形態と同様に、塗布型導電材料3は、配線接続電極11との境界部分が鋭角の傾斜角度θ2で配線接続電極11に接触しているとともに、電極引き出し部5との境界部分が鋭角の傾斜角度θ1で電極引き出し部5に接触している。それにより、塗布型導電材料3を配線接続電極11及び電極引き出し部5との境界部分においてより広い面積で接触させることができるため、効率よく導通接続性を高めることができる。本形態では、塗布型導電材料3は、断面における表面形状がU状となっている。表面がU状となることにより、凹部15を形成しながら、厚み方向の端部に傾斜面を形成することができる。
図5の形態の有機EL素子は、例えば、エア式ディスペンサーのノズルを側方から基板1と配線板4との間に挿入し、ノズル先端から塗布型導電材料3を吐出して塗布することにより形成することができる。エア式ディスペンサーを用いた場合、塗布型導電材料3はノズル部分から広がるように射出される。そのため、射出された塗布型導電材料3が封止材2の側壁に当たることによって基板1と配線板4との両側に広がって中央部分を凹ませて凹部15を形成して塗布型導電材料3を設けることができる。このとき、塗布型導電材料3を基板1と配線板4との中間位置Cに向けて射出することが好ましい。それにより、より中間位置Cに近い位置で塗布型導電材料3を凹ますことができ、偏ることなく基板1と配線板4との両側にバランスよく塗布型導電材料3を広がらせることができて、導通性を高めることができる。また、塗布型導電材料3の量を調整し中間位置Cに射出することにより、塗布型導電材料3と電極引き出し部5との境界部分、及び、塗布型導電材料3と配線接続電極11との境界部分が傾斜して鋭角となった導電硬化体を得ることができる。
図6は、有機EL素子の実施形態の他の一例であり、電極引き出し部5と配線接続電極11とを接続する塗布型導電材料3が設けられた付近を拡大して図示している。本形態では、塗布型導電材料3が硬化した形状が異なること以外は、図1及び図2の形態とほぼ同様の構成となっている。
図6の形態では、塗布型導電材料3が硬化して形成される凸部13は複数設けられている。このように、凸部13は厚み方向に複数設けられていることが好ましい形態の一つである。それにより、導通接続性を高めることができるとともに、クラックの発生を抑制することができる。また、凸部13が複数設けられると、塗布型導電材料3が硬化した導電硬化体が肉厚になるため、導電硬化体の側部の表面をより平坦化させることができるため、クラックが生じにくく電気接続性の高い導電硬化体を得ることができる。また、凸部13を複数設ける場合には、封止材2の厚みが厚く、基板1と配線板4との厚み方向の距離が大きい場合であっても、塗布型導電材料3によって確実に電気接続を行うことが可能になる。厚み方向とは、有機EL素子の厚みの方向である。
本形態では、凸部13は厚み方向に二つ形成されている。すなわち、凸部13は、基板1側よりのものと、配線板4側よりのものが設けられている。このように凸部13が二つになった場合、できるだけ少ない塗布型導電材料3の材料量で導通性高く電気接続を行うことが可能になる。厚み方向における凸部13の個数は二個に限定されるものではなく、三個であっても、四個以上であってもよい。ただし、凸部13の個数が増えると材料の無駄が発生したり、側方において塗布型導電材料3が飛び出したりするおそれがある。そのため、凸部13の個数は例えば五個以下などに設定することができる。
凸部13が厚み方向に二つ形成される場合、凸部13は、一方が基板1と配線板4との中間位置よりも基板1側に設けられ、他方が配線板4側に設けられることが好ましい。それにより、凸部13が偏りなく設けられるので、導通接続性を効率よく高めることができる。本形態では、塗布型導電材料3は、断面における表面形状が波状となっている。表面が波状となることにより、凸部13を複数形成しながら、厚み方向に跨って塗布型導電材料3を設けることができる。
なお、図6の形態では、凸部13の頂点の位置は、塗布型導電材料3が電極引き出し部5及び配線接続電極11に接触する部分の端縁よりも外側方の位置となっているが、図4の形態と同様に、凸部13の頂点は、上記端縁の位置よりも内側であってもよい。また、塗布型導電材料3は、電極引き出し部5及び配線接続電極11に対して側方に盛り上がって境界部分が鈍角となって接触しているが、図4の形態と同様に、電極引き出し部5及び配線接続電極11に対して鋭角となった傾斜角度で接触していてもよい。
図6の形態の有機EL素子は、例えば、側方から塗布型導電材料3をジェット式ディスペンサーにより厚み方向での位置を変化させて噴射して塗布することにより形成することができる。ジェット式ディスペンサーを用いた場合、塗布型導電材料3は液滴状になって射出される。そのため、射出された塗布型導電材料3が封止材2の側壁に当たることによって凸部13を形成することができる。このとき、基板1と配線板4との間の距離における略1/4の位置と、略3/4の位置との二つの位置において塗布型導電材料3を射出することにより、厚み方向にバランスよく複数(二個)の凸部13を形成して塗布型導電材料3を設けることができる。
図7は、有機EL素子の実施形態の他の一例であり、電極引き出し部5と配線接続電極11とを接続する塗布型導電材料3が設けられた付近を拡大して図示している。本形態では、保護部20が設けられたこと以外は、図1及び図2の形態とほぼ同様の構成となっている。
塗布型導電材料3は、樹脂により形成された保護部20で被覆されていることが好ましい。図7の形態では、塗布型導電材料3が保護部20により被覆されている。すなわち、塗布型導電材料3が硬化した導電接続部分が保護部20によって被覆されている。塗布型導電材料3が保護部20によって被覆されることにより、塗布型導電材料3にダメージが加わるなどして塗布型導電材料3が分断されたりひびが入ったりすることが抑制される。そのため、接続信頼性を高めることができる。保護部20は樹脂により形成されているため、樹脂によって簡単に塗布型導電材料3を被覆することができる。保護部20は絶縁性を有することが好ましい。保護部20が絶縁性であると、塗布型導電材料3の絶縁距離を確保しやすくすることができ、接続信頼性をさらに高めることができる。保護部20を樹脂で構成すると、容易に保護部20に絶縁性を付与することができる。
保護部20は、基板1と配線板4との間に配置される。基板1と配線板4との間の隙間を埋めるように保護部20が設けられていてよい。保護部20は塗布型導電材料3に接着していることが好ましい。保護部20は、基板1に接着していることが好ましい。保護部20は、配線板4に接着していることが好ましい。保護部20は、基板1及び配線板4の両方に接着することが好ましいが、保護部20は基板1及び配線板4の一方に接着していてもよいし、基板1及び配線板4に接着していなくてもよい。保護部20は、基板1と配線板4との間における塗布型導電材料3が設けられた位置に少なくとも設けられている。保護部20は、塗布型導電材料3が設けられた有機EL素子の端部の全長に亘って設けられていてもよい。保護部20は、有機EL素子の外周に亘って設けられていてもよい。
図7では、保護部20は厚み方向の中心よりも厚み方向の端部において幅(横方向の長さ)が大きくなっている。保護部20は、厚み方向の両端部に近づくほど幅が大きくなっている。それにより、基板1及び配線板4との接着性を高めることができる。保護部20の表面形状はU字状になっていると言える。
保護部20を形成する樹脂としては、適宜の樹脂を用いることができる。例えば、樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ポリオレフィン、不飽和ポリエステルなどであってよい。樹脂は、熱硬化性樹脂であってもよいし、光硬化性樹脂であってもよいし、熱可塑性樹脂であってもよい。
図7の形態の有機EL素子は、例えば、塗布型導電材料3を電極引き出し部5と配線接続電極11との間に配置した後、保護部20の材料となる流動性の樹脂を基板1と配線板4との間に配置させ、さらに樹脂を硬化させることにより形成することができる。樹脂の塗布は、ジェット式ディスペンサーなど、適宜の塗布装置を用いることができる。あるいは、成形物である樹脂体を基板1と配線板4との間の隙間に配置して、保護部20を形成するようにしてもよい。あらかじめ成形された樹脂体で保護部20を構成する場合、保護部20を接着剤などで接着することが好ましい。樹脂を塗布する場合、塗布型導電材料3を硬化させた後、保護部20の樹脂を塗布することが好ましい。それにより、塗布型導電材料3を破壊することなく保護部20を設けることができる。もちろん、塗布型導電材料3と保護部20の樹脂とが混じり合わない成分である場合には、塗布型導電材料3を配置した後、塗布型導電材料3が硬化していない状態で保護部20の樹脂を配置して、塗布型導電材料3と保護部20の樹脂とを同時に硬化させてもよい。その場合、効率よく硬化を行うことができる。保護部20の樹脂の配置は、塗布型導電材料3を破壊しないように行うことが好ましい。
図7の形態では、図2で示す形状の塗布型導電材料3に保護部20を設けた例が示されているが、保護部20を設ける形態は、上記で説明した形態のいずれの塗布型導電材料3においても可能である。また、絶縁壁部14と保護部20とを両方設けることも可能である。その際、保護部20は、絶縁壁部14の外側に配置されていてよい。
図8は、有機EL素子の実施形態の他の一例であり、電極引き出し部5と配線接続電極11とを接続する塗布型導電材料3が設けられた付近を拡大して図示している。本形態では、保護部20及び絶縁シート21が設けられたこと以外は、図1及び図2の形態とほぼ同様の構成となっている。
有機EL素子では、基板1及び配線板4の少なくとも一方の側部に接着され、塗布型導電材料3の側方を覆う絶縁シート21を有することが好ましい。絶縁シート21が設けられることにより、絶縁距離をより確保しやすくなり、信頼性を向上することができる。また、絶縁シート21が設けられていると、塗布型導電材料3をより外部に露出しにくくすることができる。図8の形態では、塗布型導電材料3が保護部20で被覆され、さらに、保護部20で被覆された塗布型導電材料3の側方が絶縁シート21で覆われている。保護部20は、図7の形態で説明したものと同じであってよい。図8の形態は、図7の形態に絶縁シート21を付加したものと言える。
絶縁シート21は電気的な絶縁性を有するシート材料で構成される。絶縁シート21は樹脂シートで構成されていてよい。樹脂シートとしては、特に限定されないが、例えば、PETシート、PENシートなどが例示される。PETはポリエチレンテレフタラートのことであり、PENはポリエチレンナフタレートのことである。
絶縁シート21は、基板1及び配線板4の少なくとも一方に接着されていればよい。すなわち、絶縁シート21は、基板1のみに接着されていてもよいし、配線板4のみに接着されていてもよいし、基板1と配線板4との両方に接着されていてもよい。絶縁シート21は、基板1と配線板4との両方に接着されていることがより好ましい。それにより、基板1と配線板4との間が閉塞されるため、絶縁性をより高めることができる。絶縁シート21が、基板1及び配線板4のうちの一方のみに接着される場合には、基板1及び配線板4のうちの他方に絶縁シート21が接触していることが好ましい。それにより、絶縁性を高めることができる。絶縁シート21の接着は、接着剤により行われていてよい。絶縁シート21は、基板1と配線板4との両方に接触していてよい。
図8では、絶縁シート21が基板1及び配線板4の両方に接着されている。絶縁シート21は、厚み方向において基板1よりも外側に飛び出さないことが好ましい。基板1側は発光面側であり、絶縁シート21が基板1の表面よりも外側に飛び出すと、意匠性が低下するおそれがある。配線板4側においては、絶縁シート21は配線板4の外部側の表面よりも飛び出してもよいし、飛び出していなくてもよい。また、絶縁シート21は、内側に折り曲げられて配線板4の表面に接着されていてもよい。
図8の形態では、保護部20と絶縁シート21の両方が設けられた例が示されているが、保護部20はなくてもよい。すなわち、図2で示す形態において、絶縁シート21が設けられていてもよい。その場合も、絶縁距離を確保しやすくすることができる。また、塗布型導電材料3を側方で保護することができる。
保護部20と絶縁シート21とが両方設けられる場合、絶縁シート21と塗布型導電材料3との間が、保護部20で満たされていてもよい。それにより、保護性を高めることができる。また、保護部20を構成する樹脂が接着性を有し、その樹脂で絶縁シート21が接着されていてもよい。それにより、簡単に絶縁シート21を接着して配置することができる。
絶縁シート21は、有機EL素子の側部に配置される。絶縁シート21は、塗布型導電材料3が設けられた位置の側部に少なくとも設けられている。絶縁シート21は、塗布型導電材料3が設けられた有機EL素子の端部の全長に亘って設けられていてもよい。絶縁シート21は、有機EL素子の外周に亘って設けられていてもよい。
図8の形態の有機EL素子は、例えば、塗布型導電材料3を保護部20で被覆した後、絶縁シート21を基板1及び配線板4の一方又は両方に接着させることにより形成することができる。絶縁シート21は、有機EL素子の端部に沿って延伸する長尺のシートであってよい。接着は、絶縁シート21に接着剤を塗布して行ってもよいし、基板1及び配線板4の一方又は両方に接着剤を塗布して行ってもよい。あるいは、保護部20を構成する樹脂を接着剤として機能させて、絶縁シート21を接着してもよい。その場合、保護部20を構成する樹脂の硬化は、絶縁シート21の貼り付け後に行うことが好ましい。保護部20を有さない場合は、塗布型導電材料3が設けられた後に、絶縁シート21を接着させることにより、絶縁シート21を配置することができる。
図8の形態では、図7の形態に絶縁シート21を設けた例が示されているが、絶縁シート21を設ける形態は、上記で説明した形態のいずれにおいても可能である。例えば、保護部20を設けないで絶縁壁部14と絶縁シート21とを両方設けることも可能であり、保護部20と絶縁壁部14と絶縁シート21とを設けることも可能である。また、塗布型導電材料3の形状も上記で説明した形状のいずれであってもよい。
図9A〜図9D及び図10A〜図10Dは、有機EL素子の実施形態の一例であり、配線板4の形態の各一例を示している。図9A〜図9Dのことをまとめて、図9という。
図10A〜図10Dのことをまとめて、図10という。図9及び図10の各形態では、有機EL素子を配線板4が設けられた側から平面視した様子を示している。
上記の図1に示す形態では、配線板4が封止材2の全面を覆っており、配線板4の材料によっては、基板1や封止材2との熱膨張性の違いにより、加熱の際に塗布型導電材料3の硬化した部分にクラックが生じるおそれがある。一般的に絶縁樹脂材料の熱膨張率はガラス材料の熱膨張率より高くなる傾向があり、この熱膨張率の差によって加熱時に膨張性が異なって、クラックが生じやすくなるのである。そのため、図9及び図10の各形態に示すように、封止材2の大きさよりも平面視において小さい大きさの配線板4を封止材2に取り付け、外部電極パッド12を封止材2の反対側に設けることも好ましい形態の一つである。この場合においても、配線板4を封止材2よりも外部側にはみ出させることにより、配線板4の外部電極パッド12とは反対側の面に設けられた配線接続電極11を電極引き出し部5と対向配置させて設けることができる。
図9A〜図9Dの各形態においては、図1に示すパターンと同様の積層パターンの有機発光体10を導通させる外部電極パッド12を設けることができる。すなわち、矩形状に形成された両側の各辺部に、第1電極引き出し部5aが三つ形成されるとともに、第2電極引き出し部5bが二つ形成され、これらが交互に配置されたパターンの電極引き出し部5に対して導通接続を行うことができる。図9の各形態では、図1と同様のパターンの有機発光体10において導通接続が可能になり、両端部から電流を流して面内において電流分布をより均一にしやすく、より均一な面発光を得ることができる。
図9A及び図9Bは、枠状の配線板4を用いた形態を示している。
図9Aでは、図1の形態で示す配線板4の形状において、中央部をくり貫いて貫通する穴を形成した矩形で枠状の配線板4を用いている。そのため、配線板4の中央部においては封止材2(封止基板2a)の表面が露出している。配線板4は、封止材2の外周部において封止材2に接着されている。配線接続電極11は、電極引き出し部5に対応する位置に複数設けられ、それぞれの配線接続電極11は、配線(導電配線4c)の引き回しによって電気的に集約されて、取出し電極として機能する外部電極パッド12にまとめられている。
本形態では、中央部に配線板4が設けられていないため、加熱の際に、配線板4が面全体で熱膨張することがなく、熱膨張の度合を低減することができ、熱膨張によって塗布型導電材料3にクラックが発生するのを抑制することができる。
図9Bでは、図9Aの形態で示す配線板4の形状において、配線接続電極11が設けられていない端部が平面視においてジグザク型の波形状に形成されて、熱膨張を吸収するための熱膨張吸収部17が設けられている。この波形状となった熱膨張吸収部17には、配線接続電極11と外部電極パッド12とを電気的に接続する配線構造(導電配線4c等)が設けられていてよい。
本形態では、配線板4の一部が波形状に形成されているため、加熱の際に、配線板4が熱膨張するときに膨張を波型の構造によって吸収して、全体の熱膨張の度合を低減することができる。そのため、熱膨張によって塗布型導電材料3にクラックが発生するのを抑制することができる。
図9C及び図9Dは、個片化された配線板4を用いた形態を示している。このうち、図9Cでは、電極引き出し部5ごとに対応して、配線接続電極11及び外部電極パッド12を有する配線板4を封止材2に設けた例を示している。
図9Cの形態では、配線板4は外部電源との接続に最低限必要な大きさまで小さくすることができ、配線板4を小さくして封止材2に設け、封止材2の全長にわたるような配線板4を設けなくてもよい。そのため、加熱の際に、配線板4が熱膨張する面積を小さくすることができ、熱膨張の度合を低減して、熱膨張によって塗布型導電材料3にクラックが発生するのを抑制することができる。
図9Dでは、図9Cの形態において、複数の外部電極パッド12がワイヤーなどの電気配線16によって電気的に接続されている。電気配線16は、第1電極7と第2電極9とがショートしないような構造で配線が接続されている。
図9Dの形態においても、配線板4は外部電源との接続に最低限必要な大きさまで小さくすることができる。また、図9Cの形態では、各配線板4は電気的に接続されていないため、各配線板4の外部電極パッド12に個々に給電する必要があるが、図9Dの形態では、外部電源に接続される電極が電気配線16によって集約されているため、給電箇所を少なくすることができる。そのため、給電の容易な有機EL素子を得ることができる。
図10A〜図10Dの各形態においては、図1に示す積層パターンとは異なり、電極引き出し部5のパターン形状を変えて端部に電極引き出し部5を偏在させた積層パターンの有機発光体10において、導電接続を行うことができる。
図10Aは、短冊状の配線板4を用いた形態を示しており、図10Bは、十字状の配線板4を用いた形態を示している。
図10Aでは、短冊状の配線板4が、封止材2の辺部に沿って接着されている。そのため、封止材2の中央部及びそれ以外の辺部においては封止材2(封止基板2a)の表面が露出している。電極引き出し部5は配線板4が設けられた側の端部(辺部)に複数設けることができる。そして、この電極引き出し部5に対応する位置に配線接続電極11が複数設けられ、それぞれの配線接続電極11が配線の引き回しによって集約されて、外部電極パッド12にまとめられている。
本形態では、配線板4の面積を小さくすることができるため、加熱の際における配線板4の熱膨張の度合を低減することができ、熱膨張によって塗布型導電材料3にクラックが発生するのを抑制することができる。また、電極引き出し部5を一つの辺部のみに設けるようにすると、他の辺部において発光領域をより広げることができるため、発光面積割合をより大きくすることができる。
図10Bでは、配線板4は十字状に形成され、この十字状の中心が封止材2の略中心の位置になるように配置されて、配線板4が封止材2に取り付けられている。封止材2における矩形状の四つの辺部の中央部分に電極引き出し部5が設けられ、その対応する位置に配線接続電極11が設けられている。配線接続電極11は、外部電極パッド12に電気的に接続されている。
本形態では、配線板4の面積を小さくすることができるため、加熱の際における配線板4の熱膨張の度合を低減することができ、熱膨張によって塗布型導電材料3にクラックが発生するのを抑制することができる。また、熱膨張の影響は封止材2の矩形状の角隅部においてより受けやすいものであるが、本形態では、配線板4を封止材2の角隅部に設けないようにしているため、塗布型導電材料3のクラックの発生をより低減することができる。
図10C及び図10Dは、個片化された配線板4を用いた形態を示している。
図10Cの形態では、電極引き出し部5は、四つの辺部のうちの一つに偏って形成されている。電極引き出し部5は、第1電極7と導通するものと、第2電極9と導通するものとが各1個ずつ、合計2個形成されている。二つの電極引き出し部5は辺の中央部分に寄せられて設けられている。そして、この電極引き出し部5に対応するように配線接続電極11が設けられた配線板4が形成され、配線板4の表面に外部電極パッド12が形成されている。
熱膨張の変化は中央部分よりも端部において一般的に大きい。そのため、配線板4の位置が封止材2の角隅部に近づけば近づくほど、より熱膨張変化を受けやすくなり、塗布型導電材料3にクラックが生じやすくなるそれがある。しかしながら、本形態では、配線板4は平面視において封止材2の一辺の中央部に設けられており、封止材2の角隅部には設けられていない。そのため、加熱の際に、配線板4が熱膨張する度合をより低減して、熱膨張によって塗布型導電材料3にクラックが発生するのを抑制することができる。また、個片化された配線板4を用いるため、配線板4の面積を小さくすることができ、熱膨張の影響をより受けにくくすることができるとともに、効率よく外部電極パッド12を設けることができる。
図10Dでは、電極引き出し部5は、第1及び第2の電極引き出し部5のうちの一方が四つの辺部のうちの一つに形成され、他方がその辺部に対向する辺部に形成されている。各電極引き出し部5は、それぞれの辺部の中央部分に設けられている。そして、この電極引き出し部5に対応するように配線接続電極11が設けられた配線板4が形成され、配線板4の表面に外部電極パッド12が形成されている。
本形態においても、配線板4は平面視において封止材2の一辺の中央部に設けられており、封止材2の角隅部には設けられていない。そのため、加熱の際に、配線板4が熱膨張する度合をより低減して、熱膨張によって塗布型導電材料3にクラックが発生するのを抑制することができる。また、個片化された配線板4を用いるため、配線板4の面積を小さくすることができ、熱膨張の影響をより受けにくくすることができるとともに、効率よく外部電極パッド12を設けることができる。そして、図10Dの形態では、図10Cの形態よりもより中央の位置に配線板4を設けることができるため、熱膨張の影響を低減することができ、クラックの発生を抑制することができる。
上記の有機EL素子により、照明装置を得ることができる。照明装置は、上記の有機EL素子を備える。それにより、信頼性の高い照明装置を得ることができる。照明装置は、複数の有機EL素子が面状に配置されたものであってよい。複数の有機EL素子を面状に配置した場合、隣り合う有機EL素子の境目を目立ちにくくすることができる。照明装置は、一つの有機EL素子で構成される面状の照明体であってもよい。照明装置は、有機EL素子に給電するための配線構造を備えるものであってよい。照明装置は、有機EL素子を支持する筐体を備えるものであってよい。照明装置は、有機EL素子と電源とを電気的に接続するプラグを備えるものであってよい。照明装置は、パネル状に構成することができる。照明装置は、厚みを薄くすることができるため、省スペースの照明器具を提供することが可能である。
1 基板
2 封止材
2a 封止基板
2b 封止壁部
3 塗布型導電材料
4 配線板
4a 絶縁層
4b レジスト層
4c 導電配線
4d 貫通配線
5 電極引き出し部
6 封止間隙
6a 封止充填材
7 第1電極
8 有機発光層
9 第2電極
10 有機発光体
11 配線接続電極
12 外部電極パッド
13 凸部
14 絶縁壁部
15 凹部
16 電気配線
20 保護部
21 絶縁シート

Claims (10)

  1. 基板と、第1電極と有機発光層と第2電極とをこの順で有する有機発光体と、前記有機発光体を覆う封止材と、を備えた有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記基板の端部表面に、前記第1電極及び前記第2電極の少なくとも一方と電気的に接続された電極引き出し部が、前記封止材よりも外側に引き出されて設けられ、
    前記封止材の前記基板とは反対側に、前記電極引き出し部に対向して配置された配線接続電極を前記基板側の表面に有する配線板が設けられ、
    前記配線板は、前記配線接続電極と電気的に接続された外部電極パッドを前記配線接続電極が形成された面とは反対側の面に備えており、
    前記配線接続電極と前記電極引き出し部とは塗布型導電材料によって電気的に接続されていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記塗布型導電材料は側方に盛り上がった凸部を有して硬化していることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記凸部は厚み方向に複数設けられていることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記凸部は厚み方向に一つ設けられており、この凸部の頂点は、前記基板と前記配線板との間の距離の中間から±20%以内の距離の範囲内に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記凸部は、前記塗布型導電材料と前記配線接続電極との接触部分の端縁、及び、前記塗布型導電材料と前記電極引き出し部との接触部分の端縁よりも内側の位置で形成されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記塗布型導電材料は、前記配線接続電極との境界部分が鋭角の傾斜角度で前記配線接続電極に接触しているとともに、前記電極引き出し部との境界部分が鋭角の傾斜角度で前記電極引き出し部に接触していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記基板における前記電極引き出し部の外側に絶縁壁部が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記塗布型導電材料は、樹脂により形成された保護部で被覆されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記基板及び前記配線板の少なくとも一方の側部に接着され、前記塗布型導電材料の側方を覆う絶縁シートを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた照明装置。
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