JPWO2014027693A1 - 被覆細胞の製造方法、及び細胞の三次元構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

細胞の三次元構造体を簡単かつ効率よく製造可能な、被覆細胞の製造方法等の提供。少なくとも2つの開口部と開口部間を連通する流路とを有するデバイス11において、流路に細胞を導入すること、及び細胞が導入された流路に送液手段12を用いて細胞外マトリックス成分を含む液体を導入することを含み、液体の導入は、流路内に層流が形成され、細胞の表面に細胞外マトリックス成分を含有する被膜が形成されるように送液手段12を制御して行う、細胞表面が細胞外マトリックス成分含有被膜で被覆された被覆細胞を製造する方法。

Description

本発明は、被覆細胞の製造方法、細胞の三次元構造体の製造方法、被覆細胞自動製造システム、及び細胞の三次元構造体自動製造システムに関する。
近年、新たな医療として再生医療が注目され、骨や軟骨、皮膚等の構造が比較的単純な組織については、実用化され臨床応用の段階まで進んでいる。しかしながら、腎臓や肝臓等といった組織は複雑な三次元構造を有し、かつ多種の細胞が組織化されている。このため、上記のような皮膚等の比較的構造が単純な組織とは異なり、細胞を培養することのみで組織化することが困難であり、まだ基礎研究の段階である。
細胞を液体培地内で培養した場合、細胞は二次元(すなわち、平面方向)に増殖するものの、三次元(すなわち、高さ方向)には増殖し難いため、細胞を液体培地内で培養するのみでは三次元的な組織化を実現することは困難である。このため、細胞を三次元組織化する方法として様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3、及び非特許文献1〜4)。特許文献1及び非特許文献1には、まず細胞を二次元培養して二次元の細胞シートを形成し、得られた細胞シートを重ね合わせることによって細胞シートを重層化し、三次元組織を得る方法が開示されている。特許文献2には、細胞層と細胞外マトリックス成分含有層とを交互に形成することによって三次元組織を得る方法が開示されている。特許文献3には、細胞外マトリックス成分と細胞とを含む細胞培養液を循環培養する経路内にメッシュ部材と液流制御部材とが配設されたリアクターを用いて三次元組織を形成する方法が開示されている。非特許文献2には、空隙の多い繊維構造を有するハイドロゲル内で細胞を培養し、ハイドロゲル繊維の三次元ネットワークを利用して三次元組織を得る方法が開示されている。非特許文献3及び4には、マイクロ流路内に細胞を含むハイドロゲルを導入し、細胞を三次元培養する方法が開示されている。
WO2006/093153号 特開2007−228921号公報 特開2010−172247号公報
T. Sanagawa et al., Biomaterials, 2010, 31, (7) 1646-1654 A. Horii et al., PLoS ONE, 2007, (2) e190 W. Tan et al., Biomaterials, 2004, 25, (7-8) 1355-1364 Y. Ling et al., Lab Chip, 2007, 7, 756-762
しかしながら、特許文献1及び2、非特許文献1及び2の方法では、例えば、極めて煩雑であったり、三次元構造体を得るのに多大な労力や時間を要する等といった問題がある。特許文献3の方法は、同文献に開示された特別な装置が必要であるという問題等がある。また、非特許文献3及び4の方法では、複数種類の細胞が組織化された三次元構造体を製造することが困難であるという問題がある。このため、細胞の三次元構造体を簡単かつ効率よく製造可能な新たな方法が求められている。
そこで、本発明は、細胞の三次元構造体を簡単かつ効率よく製造可能な、被覆細胞の製造方法、細胞の三次元構造体の製造方法、被覆細胞自動製造システム、及び細胞の三次元構造体自動製造システムを提供する。
本発明は、一態様において、少なくとも2つの開口部と前記開口部間を連通する流路とを有するデバイスにおいて、前記流路に細胞を導入すること、及び前記細胞が導入された流路に送液手段を用いて細胞外マトリックス成分を含む液体を導入することを含み、前記液体の導入は、前記流路の少なくとも一部に層流が形成され、前記層流が前記細胞に接触するように前記送液手段を制御して行う、細胞表面が細胞外マトリックス成分含有被膜で被覆された被覆細胞を製造する方法に関する。
本発明は、その他の態様において、細胞外マトリックス成分を含む被膜で細胞の表面が被覆された被覆細胞を調製すること、及び前記被覆細胞を培養し、前記被覆細胞が積層された細胞の三次元構造体を形成することを含み、前記被覆細胞の調製は、少なくとも2つの開口部と前記開口部間を連通する流路とを有するデバイスにおいて、前記流路に細胞を導入すること、及び前記細胞が導入された流路に送液手段を用いて細胞外マトリックス成分を含む液体を導入することを含み、前記液体の導入は、前記流路の少なくとも一部に層流が形成され、前記層流が前記細胞に接触するように前記送液手段を制御して行う、細胞の三次元構造体の製造方法に関する。
本発明は、さらにその他の態様において、少なくとも2つの開口部と前記開口部間を連通する流路とを有するデバイスにおいて、前記流路に細胞を導入して細胞層を形成すること、前記細胞層上に細胞外マトリックスを形成されるように送液手段を制御して、前記細胞層が形成された流路に細胞外マトリックス成分を含む液体を導入すること、及び前記細胞外マトリックス成分を含む液体が導入された流路に、細胞を導入して前記細胞外マトリックス上に細胞層を1層以上積層することを含み、細胞の三次元構造体の製造方法に関する。
本発明は、さらにその他の態様において、少なくとも2つの開口部と前記開口部間を連通する流路とを有するデバイス、前記デバイスの流路に、細胞外マトリックス成分を含有する液体を導入するための送液手段、及び前記流路の少なくとも一部に層流が形成されるように、前記細胞外マトリックス成分を含有する液体を前記流路に導入するように前記送液手段を制御する制御部を備える被覆細胞自動製造システムに関する。
本発明は、さらにその他の態様において、少なくとも2つの開口部と前記開口部間を連通する流路とを有するデバイス、前記デバイスの流路に、細胞外マトリックス成分を含有する液体を導入するための送液手段、及び前記流路に前記細胞外マトリックス成分を含有する層が形成されるように、前記細胞外マトリックス成分を含有する液体を前記流路に導入するように前記送液手段を制御する制御部を備える、細胞の三次元構造体自動製造システムに関する。
本発明によれば、細胞の三次元構造体を簡単かつ効率よく製造可能な、被覆細胞の製造方法、細胞の三次元構造体の製造方法、被覆細胞自動製造システム、及び細胞の三次元構造体自動製造システムを提供できる。
図1は、実施形態1の被覆細胞自動製造システムの概略構成図である。 図2Aは、実施形態1におけるデバイスの斜視図である。 図2Bは、実施形態1におけるデバイスのI-I断面図である。 図2Cは、実施形態1におけるデバイスの側面図である。 図3は、実施形態1における被覆細胞自動製造システムの動作例を説明するためのフローチャートである。 図4は、実施形態2の細胞の三次元構造体自動製造システムの概略構成図である。 図5Aは、実施形態2におけるデバイスの斜視図である。 図5Bは、実施形態2におけるデバイスのII-II断面図である。 図5Cは、実施形態2におけるデバイスのIII-III断面図である。 図6は、実施形態2における細胞の三次元構造体自動製造システムの動作例を説明するためのフローチャートである。 図7は、実施形態3の細胞の三次元構造体自動製造システムの概略構成図である。 図8Aは、実施形態4におけるデバイスの上面図である。 図8Bは、実施形態4におけるデバイスのIV-IV断面図である。 図9Aは、実施形態4におけるその他の例のデバイスの上面図である。 図9Bは、実施形態4におけるその他の例のデバイスのV-V断面図である。 図10は、実施形態5の細胞の三次元構造体自動製造システムの概略構成図である。 図11Aは、実施形態5におけるデバイスの斜視図である。 図11Bは、実施形態5におけるデバイスのVI-VI断面図である。 図11Cは、実施形態5におけるデバイスの上面図である。 図12は、実施例1にて得られた三次元構造体の顕微鏡写真である。 図13は、実施例2にて得られた三次元構造体の顕微鏡写真である。 図14Aは、実施形態6におけるデバイスの斜視図である。 図14Bは、実施形態6におけるデバイスの上面図である。 図14Cは、実施形態6におけるデバイスのVIII-VIII断面図である。
本発明は、流路を有するデバイス内で細胞表面に細胞外マトリックス成分含有被膜を形成することにより、被覆細胞を簡単かつ効率よく製造することができ、細胞の三次元構造体をより簡単かつ効率よく製造できるという知見に基く。また、本発明は、細胞の被覆を流路を有するデバイス内で行うことにより、被覆細胞の製造過程における被覆細胞回収率及び/又は細胞の生存率を向上できるという知見に基く。また、本発明は、流路を有するデバイス内で細胞の三次元構造体の形成を行うことにより、細胞の三次元構造体を簡単かつ効率よく製造できるという知見に基く。
[細胞の三次元構造体]
本明細書において「細胞の三次元構造体」とは、細胞と細胞外マトリックスとの集合体によって構成されるものであって、細胞が細胞外マトリックスを介して少なくとも2層以上積層されたものをいう。また、細胞の三次元構造体は、基板に接着することなく細胞同士が接着し、成育する細胞が存在する細胞の構造体を含みうる。細胞の三次元構造体において含まれる細胞の種類は1種類であってもよいし、2種類以上であってもよい。
[被覆細胞]
本明細書において「被覆細胞」とは、細胞外マトリックス成分を含む被膜(以下、「細胞外マトリックス被膜」ともいう)と細胞とを含み、その細胞表面が該被膜によって被覆されている細胞をいう。細胞としては、一又は複数の実施形態において、例えば、繊維芽細胞、肝細胞、血管内皮細胞、リンパ管内皮細胞、上皮細胞、軟骨細胞、神経膠細胞、平滑筋細胞、幹細胞、表皮細胞、骨格筋細胞、免疫細胞、及びがん細胞等が挙げられる。幹細胞としては、一又は複数の実施形態において、例えば、組織幹細胞、及び胚性幹細胞等が挙げられる。細胞は、1種類でもよいし、2種類以上を用いてもよい。
[細胞外マトリックス]
本明細書において「細胞外マトリックス」とは、生体内で細胞の外の空間を充填し、骨格的役割、足場を提供する役割、及び/又は、生体因子を保持する役割等の機能を果たす物質を含むものをいい、さらに、in vitro細胞培養において骨格的役割、足場を提供する役割及び/又は生体因子を保持する役割等の機能を果たしうる物質を含んでいてもよい。細胞外マトリックス成分としては、上記機能を果たしうる物質であればよく、一又は複数の実施形態において、例えば、第1物質と、前記第1物質と相互作用する第2物質(以下、「第2物質」ともいう)との組み合わせが挙げられる。第1物質としては、一又は複数の実施形態において、例えば、RGD配列を有する第1物質、及び正の電荷を有する第1物質が挙げられる。第2物質としては、一又は複数の実施形態において、例えば、RGD配列を有する第1物質と相互作用する第2物質、及び負の電荷を有する第2物質が挙げられる。
[細胞外マトリックス被膜]
本明細書において「細胞外マトリックス被膜」とは、細胞外マトリックスを形成しうる成分を含む被膜のことをいい、一又は複数の実施形態において、例えば、細胞外マトリックスを形成しうる成分によって形成することができる。形成作業の容易性、厚みの調整の容易性、及び細胞培養効率の観点から、細胞外マトリックス被膜は、第1物質を含む膜と、第2物質を含む膜とを含むことが好ましく、隣接する被覆細胞間の接着性向上の観点から、これらの膜が交互に積層されていることがより好ましい。第1物質を含む膜は、実質的に第1物質からなる膜であることが好ましく、第2物質を含む膜は、実質的に第2物質からなる膜であることが好ましい。本明細書において「実質的に第1物質(第2物質)からなる膜」とは、第1物質(第2物質)からなる膜に含まれる主成分が第1物質(第2物質)であることをいい、例えば、第1物質(第2物質)からなる膜における第1物質(第2物質)の含有量が、一又は複数の実施形態において、例えば、60重量%以上であり、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上である。
(RGD配列を有する第1物質)
RGD配列を有する第1物質とは、細胞接着活性を担うアミノ酸配列である「Arg−Gly−Asp」(RGD)配列を有するタンパク質又は高分子をいう。本明細書において「RGD配列を有する」とは、元来RGD配列を有するものでもよいし、RGD配列が化学的に結合されたものでもよい。RGD配列を有する第1物質は、生分解性であることが好ましい。
RGD配列を有するタンパク質としては、一又は複数の実施形態において、例えば、従来公知の接着性タンパク質、又はRGD配列を有する水溶性タンパク質等が挙げられる。接着性タンパク質としては、一又は複数の実施形態において、例えば、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、カドヘリン、又はコラーゲン等が挙げられる。RGD配列を有する水溶性タンパク質としては、一又は複数の実施形態において、例えば、RGD配列を結合させたコラーゲン、ゼラチン、アルブミン、グロブリン、プロテオグリカン、酵素、又は抗体等が挙げられる。
RGD配列を有する高分子としては、一又は複数の実施形態において、例えば、天然由来高分子、又は合成高分子が挙げられる。RGD配列を有する天然由来高分子としては、一又は複数の実施形態において、例えば、水溶性ポリペプチド、低分子ペプチド、α−ポリリジン又はε−ポリリジン等のポリアミノ酸、キチン又はキトサン等の糖等が挙げられる。RGD配列を有する合成高分子としては、一又は複数の実施形態において、例えば、直鎖型、グラフト型、くし型、樹状型、又は星型等のRGD配列を有するポリマー又は共重合体が挙げられる。ポリマー又は共重合体としては、一又は複数の実施形態において、例えば、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、又はこれらの共重合体、ポリエステル、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド−co−ポリアクリル酸)、ポリアミドアミンデンドリマー、ポリエチレンオキサイド、ポリε−カプロラクタム、ポリアクリルアミド、又はポリ(メタクリル酸メチル−γ−ポリメタクリル酸オキシエチレン)等が挙げられる。
RGD配列を有する第1物質は、これらの中でも、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、カドヘリン、ポリリジン、エラスチン、RGD配列を結合させたコラーゲン、RGD配列を結合させたゼラチン、キチン、又はキトサンが好ましく、より好ましくはフィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、ポリリジン、RGD配列を結合させたコラーゲン、又はRGD配列を結合させたゼラチンである。
(相互作用する第2物質)
RGD配列を有する第1物質と相互作用する第2物質とは、RGD配列を有する第1物質と相互作用するタンパク質若しくは高分子をいう。本明細書において「相互作用する」とは、一又は複数の実施形態において、例えば、静電的相互作用、疎水性相互作用、水素結合、電荷移動相互作用、共有結合形成、タンパク質間の特異的相互作用、及び/又はファンデルワールス力等により、化学的及び/又は物理的に第1物質と第2物質とが結合、接着、吸着又は電子の授受が可能な程度に近接することを意味する。相互作用する第2物質は、生分解性であることが好ましい。
第1物質と相互作用するタンパク質としては、一又は複数の実施形態において、例えば、コラーゲン、ゼラチン、プロテオグリカン、インテグリン、酵素、又は抗体等が挙げられる。第1物質と相互作用する高分子としては、一又は複数の実施形態において、例えば、天然由来高分子、又は合成高分子が挙げられる。第1物質と相互作用する天然由来高分子としては、一又は複数の実施形態において、例えば、水溶性ポリペプチド、低分子ペプチド、ポリアミノ酸、エラスチン、ヘパリン、ヘパラン硫酸又はデキストラン硫酸等の糖、及びヒアルロン酸等が挙げられる。ポリアミノ酸としては、一又は複数の実施形態において、例えば、α−ポリリジン又はε−ポリリジン等のポリリジン、ポリグルタミン酸、又はポリアスパラギン酸等が挙げられる。第1物質と相互作用する合成高分子としては、一又は複数の実施形態において、例えば、直鎖型、グラフト型、くし型、樹状型、又は星型等のRGD配列を有するポリマー又は共重合体が挙げられる。ポリマー又は共重合体としては、一又は複数の実施形態において、例えば、ポリウレタン、ポリアミド、ポリカーボネート、又はこれらの共重合体、ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリエチレングリコール−グラフト−ポリアクリル酸、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド−co−ポリアクリル酸)、ポリアミドアミンデンドリマー、ポリエチレンオキサイド、ポリε−カプロラクタム、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸メチル−γ−ポリメタクリル酸オキシエチレン)等が挙げられる。
第2物質は、これらの中でも、ゼラチン、デキストラン硫酸、ヘパリン、ヒアルロン酸、グロブリン、アルブミン、ポリグルタミン酸、コラーゲン、又はエラスチンが好ましく、より好ましくはゼラチン、デキストラン硫酸、ヘパリン、ヒアルロン酸、又はコラーゲン、さらに好ましくはゼラチン、デキストラン硫酸、ヘパリン、又はヒアルロン酸である。
第1物質と第2物質との組み合わせは、特に制限されず、相互作用する異なる物質の組み合わせであればよく、いずれか一方がRGD配列を含む高分子又はタンパク質であり、他方がこれと相互作用する高分子またはタンパク質であればよい。第1物質と第2物質との組み合わせとしては、一又は複数の実施形態において、例えば、フィブロネクチンとゼラチン、フィブロネクチンとε−ポリリジン、フィブロネクチンとヒアルロン酸、フィブロネクチンとデキストラン硫酸、フィブロネクチンとヘパリン、フィブロネクチンとコラーゲン、ラミニンとゼラチン、ラミニンとコラーゲン、ポリリジンとエラスチン、ビトロネクチンとコラーゲン、RGD結合コラーゲン又はRGD結合ゼラチンとコラーゲン又はゼラチン等が挙げられる。中でも、フィブロネクチンとゼラチン、フィブロネクチンとε−ポリリジン、フィブロネクチンとヒアルロン酸、フィブロネクチンとデキストラン硫酸、フィブロネクチンとヘパリン、又はラミニンとゼラチンが好ましく、より好ましくはフィブロネクチンとゼラチンである。なお、第1物質及び第2物質は、それぞれ一種類ずつでもよいし、相互作用を示す範囲で二種類以上をそれぞれ併用してもよい。
(正の電荷を有する第1物質)
正の電荷を有する第1物質とは、正の電荷を有するタンパク質又は高分子をいう。正の電荷を有するタンパク質としては、一又は複数の実施形態において、例えば、水溶性タンパク質が好ましい。水溶性タンパク質としては、一又は複数の実施形態において、例えば、塩基性コラーゲン、塩基性ゼラチン、リゾチーム、シトクロムc、ペルオキシダーゼ、又はミオグロビン等が挙げられる。正の電荷を有する高分子としては、一又は複数の実施形態において、例えば、天然由来高分子及び合成高分子が挙げられる。天然由来高分子としては、一又は複数の実施形態において、例えば、水溶性ポリペプチド、低分子ペプチド、ポリアミノ酸、キチン又はキトサン等の糖等が挙げられる。ポリアミノ酸としては、ポリ(α−リジン)、ポリ(ε−リジン)等のポリリジン、ポリアルギニン、又はポリヒスチジン等が挙げられる。合成高分子としては、一又は複数の実施形態において、例えば、直鎖型、グラフト型、くし型、樹状型、又は星型等のポリマー又は共重合体が挙げられる。前記ポリマー又は共重合体としては、一又は複数の実施形態において、例えば、ポリウレタン、ポリアミド、ポリカーボネート、又はこれらの共重合体、ポリエステル、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリアリルアミンハイドロクロライド、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、又はポリアミドアミンデンドリマー等が挙げられる。
(負の電荷を有する第2物質)
負の電荷を有する第2物質とは、負の電荷を有するタンパク質又は高分子をいう。負の電荷を有するタンパク質としては、一又は複数の実施形態において、例えば、水溶性タンパク質が好ましい。水溶性タンパク質としては、一又は複数の実施形態において、例えば、酸性コラーゲン、酸性ゼラチン、アルブミン、グロブリン、カタラーゼ、β−ラクトグロブリン、チログロブリン、α−ラクトアルブミン、又は卵白アルブミン等が挙げられる。負の電荷を有する高分子としては、天然由来高分子及び合成高分子が挙げられる。天然由来高分子としては、一又は複数の実施形態において、例えば、水溶性ポリペプチド、低分子ペプチド、ポリ(βリジン)等のポリアミノ酸、又はデキストラン硫酸等が挙げられる。合成高分子としては、一又は複数の実施形態において、例えば、直鎖型、グラフト型、くし型、樹状型、又は星型等のポリマー又は共重合体が挙げられる。前記ポリマー又は共重合体としては、一又は複数の実施形態において、例えば、ポリウレタン、ポリアミド、ポリカーボネート、及びこれらの共重合体、ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、末端カルボキシ化ポリエチレングリコール、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩、ポリアリルアミン塩、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、又はポリアミドアミンデンドリマー等が挙げられる。
正の電荷を有する第1物質と負の電荷を有する第2物質との組み合わせとしては、一又は複数の実施形態において、例えば、ε−ポリリジン塩とポリスルホン酸塩、ε−ポリリジンとポリスルホン酸塩、キトサンとデキストラン硫酸、ポリアリルアミンハイドロクロライドとポリスチレンスルホン酸塩、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドとポリスチレンスルホン酸塩、又はポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドとポリアクリル酸塩等が挙げられ、好ましくはε−ポリリジン塩とポリスルホン酸塩、又はポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドとポリアクリル酸塩である。なお、正の電荷を有する第1物質及び負の電荷を有する第2物質は、それぞれ、一種類ずつでもよいし、相互作用を示す範囲で二種類以上をそれぞれ併用してもよい。
[被覆細胞の製造方法]
本発明は、一態様において、少なくとも2つの開口部と前記開口部間を連通する流路とを有するデバイスにおいて、前記流路に細胞を導入すること、及び前記細胞が導入された流路に送液手段を用いて細胞外マトリックス成分を含む液体を導入することを含み、前記液体の導入は、前記流路の少なくとも一部に層流が形成され、前記層流が前記細胞に接触するように前記送液手段を制御して行う、細胞表面が細胞外マトリックス成分含有被膜で被覆された被覆細胞を製造する方法(以下、「本発明の被覆細胞の製造方法」ともいう)に関する。
本発明の被覆細胞の製造方法は、流路の少なくとも一部に層流が形成されるように細胞外マトリックス成分を含む液体を導入することによって、従来手作業で行われていた細胞外マトリックス被膜の形成を、例えば、自動制御されたポンプ等を用いて自動で行うことができるという知見に基く。本発明の被覆細胞の製造方法によれば、流路内で細胞外マトリックス被膜を形成することから、被覆細胞を簡単かつ効率よく製造することができる。また、本発明の被覆細胞の製造方法によれば、細胞の被覆を流路内で行うことにより、例えば、細胞外マトリックス被膜形成時における遠心分離処理を除くことができることから、好ましくは被覆細胞の製造過程における細胞の生存率及び/又は被覆細胞の製造効率を向上できる。
本明細書において「層流」とは、流路内を流れる液体の流線が管軸と平行である流れをいう。本発明の被覆細胞の製造方法によれば、細胞が導入された流路の少なくとも一部に層流が形成されるように送液手段を制御して、細胞外マトリックス成分を含む液体を流路に導入することから、簡単かつ効率よく細胞表面に細胞外マトリックス被膜を形成することができる。流路の少なくとも一部に細胞外マトリックス成分を含む液体の層流が形成されるように該液体を導入し、その層流を細胞に接触させることにより、例えば、細胞と細胞及び/又は流路の壁面との接着、ならびに、細胞が流路の外部に流出することを抑制しつつ、細胞表面に一様な細胞外マトリックス成分を含む被膜が形成することができる。
送液手段を、流路の底面近傍で層流が形成され、かつ、流路の底面付近における液体の流れの方向が導入口となる開口部から排出口となる開口部に向かう一方向の流れとなるように制御し、細胞外マトリックス成分を含む液体を流路に導入することが好ましい。
流路内に一様な層流が形成されやすく、被膜形成時に流路内の細胞が外部に流出することを抑制する点から、細胞外マトリックス成分を含む液体が流路の底面に対して略平行に導入されるように制御されていることが好ましい。本明細書において「液体が流路の底面に対して略平行に導入される」とは、例えば、流路に導入される際の液体の流れの方向が、底面に対して略平行であることをいう。具体例を挙げると、図2Aに示すように、流路18の側面に形成された連通部19とデバイスの側面に形成された導入口16とが同じ高さとなるように配置され、導入部16と連通部19との間を通る液体の流れ方向が、流路18の底面に対して略平行であることが挙げられる。その他の例としては、図8A又は9Aに示すように、流路48の構造をチャンバー48aと、導入口となる開口部46とチャンバー48aとを接続する導入部48bとを有する構造とし、その導入部48bの底面をチャンバー48aの底面と略平行となるようにし、導入部48bを通る液体の流れ方向がチャンバー48aの平面と略平行であることが挙げられる。
細胞外マトリックス成分を含む液体の導入は、流路内に一様な層流が形成されやすく、被膜形成時に流路内の細胞が外部に流出することを抑制する点から、流路におけるレイノルズ数(Re)が、一又は複数の実施形態において、例えば、200以下、好ましくは100以下、より好ましくは10〜100となるように制御することが好ましい。なお、レイノルズ数(Re)は、下記式により定義される。
Re=U・d/ν=U・d/(μ/ρ)
上記式において、Uは平均流速(m/s)、dは代表寸法(但し、円管の場合は直径)(m)、νは動粘性係数(m2/s)、μは粘性係数(Pa・s)、ρは密度(kg/m3)を示す。
流路の形状は、底面近傍で層流が形成され、かつ、底面付近において流れの方向が導入口側となる開口部から排出口側となる開口部に向かう一方向の流れとなる形状であることが好ましい。流路の長さ方向の断面形状は、一又は複数の実施形態において、例えば、矩形、凹形状(U字形状)、及びT字形状等が挙げられ、流路内に一様な層流が形成されやすく、被膜形成時に流路内の細胞が外部に流出することを抑制する点から、凹形状又はT字形状が好ましい。本明細書において「流路の長さ方向の断面形状が凹形状である」とは、例えば、流路の中央部が下方向に湾曲又は屈折していることをいい、図2Aに示すように、略平行に向かい合う平板で構成される底部と、底部の両端に位置し、かつ、前記底部を構成する平板に対して略垂直方向に位置し、略平行に向かい合う平板で構成される屈折部とを有する形状等が挙げられる。本明細書において「流路の長さ方向の断面形状がT字形状である」とは、例えば、図8A又は9Aに示すように、液体の流れ方向に対して平行方向の断面が矩形であるチャンバーと、チャンバーの両側面の上部にそれぞれ形成された導入部及び排出部とを有し、導入部と排出部との底面がそれぞれチャンバーの底面と平行である形状等が挙げられる。
デバイスは、溝部が形成された部材と基板とを接合することによって上記流路が形成されたデバイスであってもよいし、一体成型されたデバイスであってもよい。溝部は、上述の流路形状となるように形成されている。デバイスが、溝部が形成された部材と基板とを接合したデバイスである場合、部材と基板とは剥離可能な状態で接合されていることが好ましい。被覆細胞の回収を容易に行うことができる点から、部材と基板とが剥離可能な状態で接合されて流路が形成されたデバイスであることが好ましい。
デバイスの材質は、特に限定されるものではないが、一又は複数の実施形態において、例えば、透明な材料(透明性材料)が使用でき、具体例として、ガラス、シリコン樹脂(PDMS)、メタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリスチレン樹脂(PS)、ポリカーボネート樹脂(PC)、シリコーンハイドロゲル、ポリオレフィン、及びオレフィンポリマー樹脂等が挙げられる。中でも、好ましくは医療用途に適合する材料であり、より好ましくはFDAで認可されている材料である。
細胞外マトリックス成分を含む被膜の形成において、異なる種類の液体を導入するタイミングとしては、一又は複数の実施形態において、例えば、導入した液体に含まれる被膜成分を含む被膜が細胞表面に形成された後であって、細胞がその他の細胞及び/又は流路の壁面と接着する前であればよい。また、被覆細胞の回収は、被覆細胞が隣接する細胞及び/又は流路の壁面と接着する前に行うことが好ましい。
細胞外マトリックス成分を含む液体の導入としては、一又は複数の実施形態において、例えば、第1物質を含む第1液(以下、「第1液」ともいう)と、第2物質を含む第2液(以下、「第2液」ともいう)とを導入することが挙げられ、好ましくは第1液と第2液とを交互に導入する。第1液と第2液とを交互に導入することにより、細胞の表面に第1物質を含む被膜と第2物質を含む被膜とを含む細胞外マトリックス被膜を形成することができる。より好ましくは、第1液と第2液とを交互に導入することを1セットとして、これを2回以上繰返し行うことが好ましい。
第1液は、第1物質を含み、好ましくは第1物質と溶媒又は分散媒体(以下、「溶媒」ともいう)とを含む。第1液における第1物質の含有量は、一又は複数の実施形態において、例えば、0.0001〜1質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜0.5質量%、さらに好ましくは0.02〜0.1質量%である。溶媒としては、水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)及び緩衝液等の水性溶媒が挙げられる。緩衝液としては、一又は複数の実施形態において、例えば、Tris−HCl緩衝液等のTris緩衝液、リン酸緩衝液、HEPES緩衝液、クエン酸−リン酸緩衝液、グリシルグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液、Britton−Robinson緩衝液、又はGTA緩衝液等が挙げられる。溶媒のpHは、特に制限されず、一又は複数の実施形態において、例えば、3〜11であり、好ましくは6〜8、より好ましくは7.2〜7.4である。
第2液は、第2物質を含み、好ましくは第2物質と溶媒とを含む。第2液は、第1物質に代えて第2物質を含む以外は、第1液と同様の組成とすることができる。
第1液及び第2液は、さらに必要に応じて、例えば、塩、細胞成長因子、サイトカイン、ケモカイン、ホルモン、生理活性ペプチド、疾患の治療剤、予防剤、抑制剤、抗菌剤、又は抗炎症剤等の医薬組成物等を含有してもよい。塩としては、一又は複数の実施形態において、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩化カリウム、リン酸水素ナトリウム、硫酸マグネシウム、コハク酸ナトリウム等が挙げられる。塩は、一種類でもよいし二種類以上含有していてもよい。第1液及び第2液の双方が塩を含有していてもよいし、いずれか一方が塩を含有していてもよい。第1液中の塩濃度は、特に制限されないが、一又は複数の実施形態において、例えば、1×10-6M〜2Mであり、好ましくは1×10-4M〜1M、より好ましくは1×10-4M〜0.05Mである。
本発明の被覆細胞の製造方法は、一又は複数の実施形態において、第1液の導入後及び/又は第2液の導入後に洗浄液を導入することを含むことが好ましく、より好ましくは第1液及び第2液の導入後の双方に洗浄液を導入する。これにより、被膜の形成に用いられなかった第1物質又は第2物質を除去することができ、効率よく所望の被膜を形成することができる。洗浄液の導入は、第1液及び第2液の導入と同様に、流路内に層流が形成されるように行うことが好ましく、より好ましくは流路内に層流が形成されるように制御された送液手段を用いて行われる。洗浄液としては、一又は複数の実施形態において、例えば、第1液又は第2液に用いた溶媒が使用でき、好ましくは洗浄液の導入前に導入された液(第1液又は第2液)に用いられた溶媒と同じ溶媒である。
細胞外マトリックス成分を含む液体の導入は、一又は複数の実施形態において、細胞表面に、例えば、厚みが1nm〜1×103nmの細胞外マトリックス被膜が形成されるように行うことが好ましく、より好ましくは2nm〜1×102nmであり、被覆細胞がより密に積層された三次元構造体が得られるという理由から、3nm〜1×102nmがさらに好ましい。細胞外マトリックス成分を含む被膜の厚みは、一又は複数の実施形態において、例えば、細胞外マトリックス成分を含む液体を導入する回数、及び流量等によって適宜制御することができる。細胞外マトリックス成分を含む液体の導入は、細胞表面に、1層の細胞外マトリックス被膜が形成されるように行ってもよいし、2層以上(例えば、3、5、7、9、11、13、15層又はそれ以上の多層)の細胞外マトリックス被膜が形成されるように行ってもよい。
[被覆細胞自動製造システム]
本発明は、さらにその他の態様において、少なくとも2つの開口部と前記開口部間を連通する流路とを有するデバイス、前記デバイスの流路に、細胞外マトリックス成分を含有する液体を導入するための送液手段、及び前記流路内において細胞表面に前記細胞外マトリックス成分を含有する被膜が形成されるように、前記細胞外マトリックス成分を含有する液体を前記流路に導入するように前記送液手段を制御する制御部を備える、被覆細胞自動製造システム(以下、「本発明の被覆細胞自動制御システム」ともいう)に関する。本発明の被覆細胞自動製造システムによれば、流路内で細胞外マトリックス被膜を形成することから、被覆細胞を簡単かつ効率よく製造することができる。本発明の被覆細胞自動制御システムによれば、本発明の被覆細胞の製造方法を容易に行うことができる。
制御部は、流路内において細胞表面に細胞外マトリックス成分を含有する被膜が形成されるように、流路に細胞外マトリックス成分を含有する液体を導入するように送液手段の制御を行う。制御部は、一又は複数の実施形態において、例えば、流路内に層流が形成されるように、細胞外マトリックス成分を含有する液体が導入されるように送液手段を制御する。
制御部は、一又は複数の実施形態において、細胞外マトリックス成分を含有する液体として、第1液及び第2液をそれぞれ流路に導入するように送液手段の制御を行ってもよい。
制御部は、一又は複数の実施形態において、細胞外マトリックス成分を含む液体の導入に加えて、洗浄液を流路内に導入するように送液手段の制御を行ってもよい。洗浄液の導入は、制御部において、細胞外マトリックス成分を含有する液体と同様に、流路内に層流が形成されるように送液手段を制御することが好ましい。
デバイスは、送液手段に接続可能な開口部(導入口)と、廃液溜めに接続可能な開口部(排出口)と、これらの開口部間を連通する流路とを備える。開口部は、一又は複数の実施形態において、例えば、デバイスの側面に形成することができ、好ましくは向い合う側面にそれぞれ形成されている。導入口及び排出口の数は、特に制限されず、それぞれ1個であってもよいし、2個以上であってもよい。導入口及び排出口の数は同一であってもよいし、異なっていてもよく、例えば、導入口を1個とし、排出口を2個以上としてもよい。流路の形状、最大径等は上記の通りである。
本発明の被覆細胞自動制御システムは、一又は複数の実施形態において、さらに、例えば、細胞外マトリックス成分を含む液体、及び/又は洗浄液を収納するための収納部、及び排出された液体を回収するための廃液回収部等を備えてもよい。
[細胞の三次元構造体の製造方法]
第1の製造方法
本発明は、さらにその他の態様において、細胞外マトリックス成分を含む被膜で細胞の表面が被覆された被覆細胞を調製すること、及び前記被覆細胞を培養し、前記被覆細胞が積層された細胞の三次元構造体を形成することを含み、前記被覆細胞の調製は、少なくとも2つの開口部と前記開口部間を連通する流路とを有するデバイスにおいて、前記流路に細胞を導入すること、及び前記細胞が導入された流路に送液手段を用いて細胞外マトリックス成分を含む液体を導入することを含み、前記液体の導入は、前記流路内に層流が形成され、前記細胞の表面に前記細胞外マトリックス成分を含有する被膜が形成されるように前記送液手段を制御して行う、細胞の三次元構造体の製造方法(以下、「本発明の細胞の三次元構造体の第1の製造方法」ともいう)に関する。
被覆細胞の調製は、本発明の被覆細胞の製造方法と同様にして行うことができる。
被覆細胞の培養は、一又は複数の実施形態において、例えば、被覆細胞を一定時間インキュベーションすることにより行うことができる。このインキュベーションにより、細胞外マトリックス成分を含む被膜を介して隣接する被覆細胞が互いに接着し、被覆細胞が三次元に積層されるとともに、隣接する被覆細胞同士の間隔が密になり、緻密な構造の三次元構造体が形成される。被覆細胞の培養は流路内で行ってもよいし、他の基材等に播種して行ってもよい。
第2の製造方法
本発明は、さらにその他の態様において、少なくとも2つの開口部と前記開口部間を連通する流路とを有するデバイスにおいて、前記流路に細胞を導入して細胞層を形成すること、前記細胞層上に細胞外マトリックスを形成されるように送液手段を制御して、前記細胞層が形成された流路に細胞外マトリックス成分を含む液体を導入すること、及び前記細胞外マトリックス成分を含む液体が導入された流路に、細胞を導入して前記細胞外マトリックス上に細胞層を1層以上積層することを含む、細胞の三次元構造体の製造方法(以下、「本発明の細胞の三次元構造体の第2の製造方法」ともいう)に関する。
細胞層の形成は、一又は複数の実施形態において、流路内に導入された細胞を培養することにより行うことができる。細胞の培養は、一又は複数の実施形態において、例えば、流路に細胞を播種し、一定時間インキュベーションすることにより行うことができる。
細胞外マトリックス成分を含む液体の導入は、流路内の細胞へのダメージを軽減し、流路内の細胞が外部に流出することを抑制する点から、流路内に一様な層流が形成されるように制御されていることが好ましい。
細胞層の形成後及び/又は細胞外マトリックスの形成後に洗浄液を導入することが好ましく、より好ましくは細胞層の形成後と細胞外マトリックスの形成後との双方に洗浄液を導入することができる。これにより、細胞外マトリックスの形成に用いられなかった細胞外マトリックス成分や、細胞層の形成に用いられなかった細胞等を除去することができ、効率よく所望の細胞層及び/又は細胞外マトリックスを形成することができる。洗浄液の導入は、流路内に層流が形成されるように制御された送液手段を用いて行われることが好ましい。洗浄液は、本発明の被覆細胞の製造方法と同様である。
細胞外マトリックス成分を含む液体の導入としては、一又は複数の実施形態において、例えば、第1液と第2液とを導入することが挙げられ、好ましくは第1液と第2液とを交互に導入する。第1液と第2液とを交互に導入することにより、細胞層上に第1物質と第2物質とを含む細胞外マトリックスを形成することができる。より好ましくは、第1液と第2液とを交互に導入することを1セットとして、これを2セット、又は3セット以上繰返し行うことが好ましい。第1液及び第2液は、本発明の被覆細胞の製造方法と同様である。
第1液の導入後及び/又は第2液の導入後に洗浄液を導入することを含むことが好ましく、より好ましくは第1液及び第2液の導入後の双方に洗浄液を導入する。これにより、細胞外マトリックスの形成に用いられなかった第1物質又は第2物質を除去することができ、効率よく所望の被膜を形成することができる。洗浄液の導入は、第1液及び第2液の導入と同様に、流路内に層流が形成されるように行うことが好ましく、より好ましくは流路内に層流が形成されるように制御された送液手段を用いて行われる。洗浄液は、本発明の被覆細胞の製造方法と同様である。
[細胞の三次元構造体自動製造システム]
本発明はさらにその他の態様において、少なくとも2つの開口部と前記開口部間を連通する流路とを有するデバイス、前記デバイスの流路に、細胞外マトリックス成分を含有する液体を導入するための送液手段、及び前記流路内に前記細胞外マトリックス成分を含有する層が形成されるように、前記細胞外マトリックス成分を含有する液体を前記流路に導入するように前記送液手段を制御する制御部を備える、細胞の三次元構造体自動製造システム(以下、「本発明の細胞の三次元構造体自動製造システム」ともいう)に関する。本発明の細胞の三次元構造体自動製造システムによれば、本発明の三次元構造体の製造方法を容易に行うことができる。
制御部は、流路内の細胞層上に細胞外マトリックスが形成されるように、流路に細胞外マトリックス成分を含有する液体を導入するように送液手段の制御を行う。制御部は、一又は複数の実施形態において、例えば、流路内に層流が形成されるように、細胞外マトリックス成分を含有する液体が導入されるように送液手段を制御してもよい。
制御部は、細胞外マトリックス成分を含有する液体として、第1液及び第2液をそれぞれ流路に導入するように送液手段の制御を行ってもよい。
制御部は、細胞外マトリックス成分を含む液体の導入に加えて、洗浄液を流路内に導入するように送液手段の制御を行ってもよい。制御部は、制御部において、細胞外マトリックス成分を含有する液体と同様に、流路内に層流が形成されるように、洗浄液が流路に導入されるように送液手段を制御してもよい。
デバイスは、送液手段に接続可能な開口部(導入口)と、廃液溜めに接続可能な開口部(排出口)と、これらの開口部間を連通する流路とを備える。開口部は、一又は複数の実施形態において、例えば、デバイスの上面に形成することができ、好ましくは向い合う側面にそれぞれ形成されている。導入口及び排出口の数は、特に制限されず、それぞれ1個であってもよいし、2個以上であってもよい。導入口及び排出口の数は同一であってもよいし、異なっていてもよく、例えば、導入口を1個とし、排出口を2個以上としてもよい。流路の長さ方向の断面形状は、一又は複数の実施形態において、例えば、矩形形状、凹形状等が挙げられる。流路の水平方向の断面形状は、一又は複数の実施形態において、例えば、直線形状、Y字形状、X字形状等が挙げられる。
デバイスは、溝部が形成された部材と基板とを接合することによって上記流路が形成されたデバイスであってもよいし、一体成型されたデバイスであってもよい。
流路の幅方向(y軸方向)の断面形状は、特に制限されるものではないが、一又は複数の実施形態において、例えば、矩形、円形、及び楕円形等が挙げられる。流路の幅方向の断面形状が矩形である場合、流路の隅部に細胞塊等が形成されることを抑制する点から、隅部の形状は曲面であってもよい。
以下に、本発明を好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態の構成部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。従って、本発明は以下の各図に示されていない任意の構成部材を備え得る。
(実施形態1)
図1は、実施形態1の被覆細胞自動製造システムの概略構成図であり、図2Aは、実施形態1において使用するデバイスの斜視図、図2BはI-I断面図、図2Cは側面図である。本実施形態1の被覆細胞自動製造システムは、細胞外マトリックス成分を含む液体として第1液と第2液とを用い、これらを導入後に洗浄液を導入可能なように構成されている。
図1に示されているように、被覆細胞自動製造システムは、デバイス11と、送液手段12と、制御部13と、容器14と、廃液溜め15とを備える。容器14と送液手段12、送液手段12とデバイス11、デバイス11と廃液溜め15とはそれぞれチューブを介して接続されている。制御部13は送液手段12に接続され、送液手段12を制御可能なように構成されている。
デバイス11の一例としては、図2に示されているような構造のデバイスが挙げられる。図2は、流路の長さ方向(x軸方向)の断面(I-I断面)の形状が凹形状であるデバイスの一例である。
デバイス11は、2つの開口部16,17と、流路18と、開口部16,17と流路18とを接続する連通部19,20とを備える。開口部16,17は、デバイス11の向い合う側面にそれぞれ形成され、一方の開口部16は送液手段12に接続して導入口となり、他方の開口部17は廃液溜め15に接続して排出口17となりうる。流路18は、開口部16と開口部17との間を連通するようにデバイス11内に形成され、流路18の底面部101において細胞外マトリックス成分を有する被膜の形成が行われる。
連通部19,20は、流路18内に一様な層流が形成されやすく、かつ、細胞が流路18外に流出されることを抑制する点から、その管軸が流路18の底面の面方向に対して略平行であることが好ましい。導入口16及び排出口17の高さ(流路18の底面からの高さ)は、流路18の高さ等に応じて適宜決定できるが、流路18内において層流が形成されやすく、かつ、細胞が流路18外に流出されることを抑制する点から、略同じであることが好ましい。
流路18の底面の長さ(図2A及びBにおけるx)は、流路18内に層流が形成されるサイズが挙げられ、例えば、5mm〜10cmである。流路18の底面の幅(図2Aにおけるy)は、流路18内に層流が形成されるサイズが挙げられ、例えば、5mm〜10cmである。流路18の高さ(図2A及びBにおけるz)は、流路18内に層流が形成されるサイズが挙げられ、例えば、5mm〜12cmである。開口部16,17の底面からの高さ(図2A及びCにおけるu)は、流路18内に層流が形成されるサイズが挙げられ、例えば、5mm〜10cmである。流路18の底面部101の高さ(図A及びBにおけるs)は、流路18内に層流が形成されるサイズが挙げられ、例えば、50μm〜10mmである。流路18の底面部101の長さ(図2A及びBにおけるt)は、流路18内に層流が形成されるサイズが挙げられ、例えば、3mm〜8cmである。連通部19(図2Aにおけるv)の長さは、流路18内に層流が形成されるサイズが挙げられ、例えば、1mm〜2cmである。連通部19の径は、特に制限されるものではなく、流路18の大きさ等に応じて適宜決定できるが、デットボリュームを低減する点から、できる限り小さいことが好ましく、例えば、50μm〜10mmである。デバイス11の大きさは、特に制限されるものではなく、デバイス11に形成される流路18の大きさに応じて適宜決定できる。
流路18の幅方向(y軸方向)の断面形状は、特に制限されるものではないが、例えば、矩形、円形、及び楕円形等が挙げられる。流路18の幅方向の断面形状が矩形である場合、流路18の隅部に細胞塊等が形成されることを抑制する点から、隅部の形状は曲面であってもよい。
デバイス11が、図2Aに示すように、溝部が形成された部材と基板とを接合したデバイスである場合、部材と基板とは剥離可能な状態で接合されていることが好ましい。被覆細胞の回収を容易に行うことができる点から、部材と基板とが剥離可能な状態で接合されて流路が形成されたデバイスであることが好ましい。
制御部13は、送液手段12を制御可能なように構成されている。制御部13は予め設定されたプログラムに基き、流路18に液体を導入し、流路18内において細胞のコーティングが行われるように送液手段12を制御可能である。
送液手段12は、制御部13によって制御可能であり、例えば、ポンプとバルブとで構成されている。
図3に、被覆細胞自動製造システムの動作例を示すフローチャートを示す。図3に示す例は、細胞外マトリックス成分を含む液体として第1液と第2液とを用い、洗浄液、第1液、洗浄液及び第2液の順番でこれらを流路に導入し、これを9セット行うことによって細胞の表面に細胞外マトリックス被膜を形成し、被覆細胞の製造を行う一例である。
まず、制御部13は、流路18内に層流が形成されるように予め設定された条件で、細胞が導入された流路18に、洗浄液が導入されるように送液手段12を動作させる(s101)。洗浄液の導入後、制御部13は、流路18内に層流が形成され、かつ、流路18内の細胞の表面に第1物質を含む被膜が形成されるように予め設定された条件で、流路18に第1液が導入されるように送液手段12を動作させる(s102)。制御部13は、流路18内に層流が形成されるように予め設定された条件で、流路18に洗浄液が導入されるように送液手段12を動作し(s103)、ついで、流路18内に層流が形成され、かつ、流路18内の細胞の表面に第2物質を含む被膜が形成されるように予め設定された条件で、流路18に第2液が導入されるように送液手段12を動作させる(s104)。制御部13は、このs101〜s104を1セットとし、これが計9セット行われるように送液手段12を繰返し動作させる。そして、制御部23は、流路18内に層流が形成されるように予め設定された条件で、流路18に洗浄液が導入されるように送液手段12を動作し(s103)、これにより、細胞表面に細胞外マトリックス被膜が自動的に形成される。
以下に、実施形態1の被覆細胞自動製造システムを用いて被覆細胞を製造する方法について、細胞外マトリックス成分を含む液体として第1液と第2液とを用い、これらを導入後に洗浄液を導入する場合を例にとり説明する。
まず、流路18内に細胞を含む液体を導入する。細胞の導入は、例えば、媒体に分散させた細胞を流路に導入することにより行うことができる。媒体としては、例えば、培地、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、HEPES、PBS等が使用できる。培地は、細胞の種類に応じて適宜決定でき、例えば、Eagle's MEM培地、Dulbecco's Modified Eagle培地(DMEM)、Modified Eagle培地(MEM)、Minimum Essential培地、RDMI、GlutaMax培地、無血清培地等が挙げられる。細胞を含む液体は、送液手段を用いて導入してもよいし、シリンジ等を用いて行ってもよい。
ついで、制御部13を駆動させて、予め与えられたプログラムにしたがい、送液手段12を用いて洗浄液、第1液、及び第2液の導入を行う。制御部13は、流路18内において層流が形成され、かつ細胞表面に第1物質を含む被膜及び第2物質を含む被膜が交互に形成されるように予め設定されたプログラムにしたがい、送液手段12を制御する。
第1液の流速は、流路18の大きさ及び第1物質の種類等に応じて適宜決定でき、流路18内に層流が形成される流速が挙げられ、例えば、100μL/分〜10mL/分であり、流路18内に一様な層流が形成されやすく、細胞が流路18の外に排出されることを抑制する点から、100μL/分〜1000μL/分が好ましい。第1液を導入する時間は、細胞の表面に第1物質を含む膜が形成されるために十分な時間が挙げられ、例えば、30秒〜24時間であり、好ましくは1分〜60分、より好ましくは1分〜15分、さらに好ましくは1分〜10分、さらにより好ましくは1分〜5分である。第2液の流速及び第2液を導入する時間は、流路18の大きさ及び第2物質の種類等に応じて適宜決定でき、例えば、第1液と同様とすることができる。洗浄液の流速及び第2液を導入する時間は、流路18の大きさ及び洗浄液の種類等に応じて適宜決定でき、例えば、第1液と同様とすることができる。
第1液、第2液、及び洗浄液の導入は、洗浄液、第1液、洗浄液、及び第2液の順番でこれを繰返し行うようにプログラムされていることが好ましい。異なる種類の液を導入する間隔は、流路18に細胞が接着しない程度の範囲で設定されていればよく、例えば、0秒〜30分であり、好ましくは0秒〜10分である。
第1液、第2液、及び洗浄液を導入する回数は、細胞表面に形成する細胞外マトリックス被膜の厚み等に応じて適宜決定することができ、例えば、洗浄液、第1液、洗浄液及び第2液を1セットとして、2セット、3セット、4セット、又は5セット以上行うことが好ましい。
上記のようにして、細胞表面に、例えば、厚みが1nm〜1×103nm、好ましくは2nm〜1×102nmの細胞外マトリックス被膜が形成された被覆細胞を得ることができる。被覆細胞における細胞外マトリックス被膜の厚みは、被覆細胞がより密に積層された三次元構造体が得られるという理由から、3nm〜1×102nmがより好ましい。細胞外マトリックス被膜は、1層以上であり、2層以上(例えば、3、5、7、9、11、13、15層又はそれ以上の多層)であることが好ましい。
上記のようにして製造された被覆細胞の回収は、特に制限されず、例えば、導入口及び/又は排出口となりうる開口部を通じて行ってもよい。また、デバイスとして基板と溝部が形成された部材とを接合することによって流路が形成されたデバイスを使用し、被覆細胞の製造後に基板から上記部材を剥離して、基板上の被覆細胞を回収してもよいし、又は、被覆細胞の製造後にデバイスを反転させて、上記デバイスから基板を剥離して上記部材の溝部(流路)内から被覆細胞を回収してもよい。
上記のようにして得られた被覆細胞は、三次元に積層して培養することによって、例えば、人工血管、及び人工肝臓等の人工組織を作成することができる。また、被覆細胞を積層して得られた三次元構造体は、例えば、新薬の創出(スクリーニング)等における各種分子量の薬物の動態評価、被検物質の薬効試験、薬理試験及び安全性試験等の評価等に用いることができる。
被覆細胞の培養は、例えば、基材上に被覆細胞を播種し、一定時間インキュベーションすることにより行う。このインキュベーションにより、細胞外マトリックス成分を含む被膜を介して隣接する被覆細胞が互いに接着し、被覆細胞が三次元に積層されるとともに、隣接する被覆細胞同士の間隔が密になり、緻密な構造の三次元構造体が形成される。インキュベーションの条件は、特に制限されず、細胞に応じて適宜決定できる。インキュベーション温度は、例えば、4〜60℃、好ましくは20〜40℃、より好ましくは30〜37℃である。インキュベーション時間は、例えば、1時間〜168時間、好ましくは3時間〜24時間、より好ましくは3時間〜12時間である。培地は、特に制限されず、細胞に応じて適宜決定でき、上記の培地が使用できる。
(実施形態2)
図4は、実施形態2の細胞の三次元構造体自動製造システムの概略構成図であり、図5Aは、実施形態2において使用するデバイスの斜視図、図5BはII-II断面図、図5CはIII-III断面図である。本実施形態2の細胞の三次元構造体自動製造システムは、細胞外マトリックス成分を含む液体として第1液と第2液とを用い、これらを導入後に洗浄液を導入可能なように構成されている。また、これらの図面において、実施形態1で説明した構成と同じ構成には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図4に示されているように、細胞の三次元構造体自動製造システムは、デバイス21と、送液手段12と、制御部23と、容器14と、廃液溜め15とを備え、容器14と送液手段12、送液手段12とデバイス21、デバイス21と廃液溜め15とはそれぞれチューブを介して接続されている。制御部23は送液手段12に接続され、送液手段12を制御可能なように構成されている。
デバイス21の一例としては、図5に示されているような構造のデバイスが挙げられる。図5は、流路の長さ方向の断面形状が四角形、水平方向の断面形状がY字形状であるデバイスの一例である。
デバイス21は、3つの開口部26,27,27’と、流路28とを備える。開口部26,27,27’は、デバイス21の上面にそれぞれ形成され、開口部26は送液手段12に接続して導入口となり、開口部27,27’は廃液溜め15に接続して排出口となる。流路18は、開口部26から導入された液体が開口部27又は開口部27’に排出可能なようにデバイス21内に形成されている。
デバイス21は、図5Aに示すように、溝部が形成された部材と基板とを接合することによって上記流路が形成されたデバイスであってもよいし、一体成型されたデバイスであってもよい。デバイス21が、溝部が形成された部材と基板とを接合したデバイスである場合、部材と基板とは剥離可能な状態で接合されていることが好ましい。細胞の培養及び/又は形成された三次元構造体の回収を容易に行うことができる点から、部材と基板とが剥離可能な状態で接合されて流路が形成されたデバイスであることが好ましい。
図5A〜Cに示す構成のデバイス21において、開口部(導入口)26から分岐部までの長さ(図5Cにおけるa)は、所望の三次元構造体のサイズに応じて適宜決定でき、例えば、3〜50mmである。分岐部から開口部(排出口)27までの長さ(図5Cにおけるb)は、所望の三次元構造体のサイズに応じて適宜決定でき、例えば、3〜50mmである。分岐部から開口部(排出口)27’までの長さ(図5Cにおけるc)は、所望の三次元構造体のサイズに応じて適宜決定でき、例えば、0.5〜10mmである。分岐部から開口部(排出口)27までの長さと分岐部から開口部(排出口)27’までの長さとは同じであってもよいし、異なっていてもよい。流路28の幅(図5Cにおけるd)は、所望の三次元構造体のサイズに応じて適宜決定でき、例えば、3〜50mmである。流路28の高さ(図5Bにおけるe)は、所望の三次元構造体のサイズに応じて適宜決定でき、例えば、100〜500μmである。デバイス21の大きさは、特に制限されるものではなく、デバイス21に形成される流路28の大きさに応じて適宜決定できる。
制御部23は、送液手段12を制御可能なように構成されている。制御部23は予め設定されたプログラムに基き、流路28に液体を導入し、流路28内の細胞層上に細胞外マトリックスが形成されるように送液手段12を制御可能である。
図6に、細胞の三次元構造体自動製造システムの動作例を示すフローチャートを示す。図6に示す例は、細胞外マトリックス成分を含む液体として第1液と第2液とを用い、洗浄液、第1液、洗浄液及び第2液の導入を9セット行うことによって細胞外マトリックスを形成し、細胞層を5層積層させる一例である。
まず、流路28内の細胞層の有無を確認し(s201)、細胞層がないと判断された場合は、流路28内に細胞層を形成する(s202)。ついで、制御部23は、予め設定された条件で流路28に洗浄液が導入されるように送液手段12を動作させる(s203)。なお、流路内28内に細胞層があると判断された場合は細胞層を形成することなく、洗浄液の導入が行われる。その後、制御部23は、第1液、洗浄液、及び第2液が流路28に導入されるように送液手段12を動作させる(s204〜206)。送液手段12は、流路28内に層流が形成され、かつ、流路28内の細胞層上に第1物質又は第2物質を含む層が形成されるように予め設定された条件で第1液及び第2液の導入が行われるように制御される。このs203〜s206を1セットとし、これが計9セット行われるように送液手段12を繰返し動作させる。9セット終了後、流路28内に洗浄液が導入されるように送液手段12を動作させる(s208)。これにより、細胞層上に細胞外マトリックスが自動的に形成される。細胞外マトリックスを形成後、流路28内に積層された細胞層の数が5層であれば、動作を終了する。流路28内に積層された細胞層の数が5層未満であれば、細胞層が5層になるまで細胞層の形成(s202)及び細胞外マトリックスの形成(s203〜s208)を繰返し行う。
上記の実施形態2では、導入口の数が1個、排出口の数が2個であり、排出口の数が導入口の数よりも多かったが、本発明はこれに限定されず、例えば、導入口及び排出口の数は同一であってもよいし、導入口の数が排出口の数よりも多くてもよい。導入口及び排出口の数は、特に限定されず、例えば、1個、2個、又は3個以上である。また、上記の実施形態2では、開口部(導入口、排出口)がデバイスの上面に形成されているが、本発明はこれに限定されず、デバイスの側面に形成されていてもよい。
以下に、図4に示す細胞の三次元構造体自動製造システムを用いて細胞の三次元構造体を製造する方法について、細胞外マトリックス成分を含む液体として第1液と第2液とを用い、これらを導入後に洗浄液を導入する場合を例にとり説明する。
まず、流路28内に細胞を導入して細胞層を形成する。細胞の導入は、例えば、媒体に分散させた細胞を流路28に導入することにより行うことができる。
細胞層の形成は、流路28内で細胞を培養することにより行うことができる。細胞の培養は、例えば、流路28内に細胞を播種し、一定時間インキュベーションすることにより行う。このインキュベーションにより、播種された細胞が二次元(平面方向)に増殖して単層の細胞層が形成される。インキュベーションの条件は、特に制限されず、細胞に応じて適宜決定できる。インキュベーション温度は、例えば、4〜60℃、好ましくは20〜40℃、より好ましくは30〜37℃である。インキュベーション時間は、例えば、1時間〜168時間、好ましくは3時間〜24時間、より好ましくは3時間〜12時間である。培地は、特に制限されず、細胞に応じて適宜決定でき、例えば上述した培地が使用できる。導入する細胞は、1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。
ついで、制御部23を駆動させて、予め与えられたプログラムにしたがい、送液手段12を用いて洗浄液、第1液、及び第2液の導入を行う。制御部23は、流路28内の細胞層上に細胞外マトリックスが形成されるように予め設定されたプログラムにしたがい、送液手段12を制御する。
第1液の流速は、流路28の大きさ及び第1物質の種類等に応じて適宜決定でき、例えば、100μL/分〜10mL/分であり、流路28内の細胞層表面に一様な細胞外マトリックスが形成されやすく、細胞が流路28の外に排出されることを抑制する点から、100μL/分〜1000μL/分が好ましい。第1液を導入する時間は、細胞層上に第1物質を含む層が形成されるために十分な時間が挙げられ、例えば、30秒〜24時間であり、好ましくは1分〜60分、より好ましくは1分〜15分、さらに好ましくは1分〜10分、さらにより好ましくは1分〜5分である。第2液の流速及び第2液を導入する時間は、流路28の大きさ及び第2物質の種類等に応じて適宜決定でき、例えば、第1液と同様とすることができる。洗浄液の流速及び第2液を導入する時間は、流路28の大きさ及び洗浄液の種類等に応じて適宜決定でき、例えば、第1液と同様とすることができる。
第1液、第2液、及び洗浄液の導入は、洗浄液、第1液、洗浄液、及び第2液の順番でこれを繰返し行うようにプログラムされていることが好ましい。第1液、第2液、及び洗浄液を導入する回数は、細胞層表面に形成する細胞外マトリックスの厚み等に応じて適宜決定することができ、例えば、洗浄液、第1液、洗浄液及び第2液を1セットとして、2セット、3セット、4セット、又は5セット以上行うことが好ましい。
細胞層上に細胞外マトリックスを形成した後、流路28内に細胞を導入し、細胞層表面に形成された細胞外マトリックス上に細胞層を形成する。細胞の導入及び細胞層の形成は、上述の通りである。導入する細胞は、流路内の細胞と同じ種類の細胞であってもよいし、異なる種類の細胞であってもよい。細胞の導入は、手動で行ってもよいし、制御部23を用いて行ってもよい。また、細胞の導入に先立ち、洗浄液を流路28に導入し、細胞外マトリックス形成に用いられなかった第1液又は第2液を流路28から除去してもよい。
上記の細胞層の形成と、細胞外マトリックスの形成とを繰返し行うことにより、細胞が三次元に積層された三次元構造体を形成することができる。積層する細胞の数は特に制限されないが、例えば、3層以上であり、好ましくは4層以上、5層以上、6層以上又は7層以上である。積層する細胞の上限は特に制限されないが、例えば、100層以下、50層以下、40層以下、20層以下又は10層以下である。
上記のようにして形成された三次元構造体は、流路28内で配置された状態で使用してもよいし、流路28から回収して使用してもよい。
上記のようにして得られた三次元構造体は、例えば、動物組織の代替組織として使用することができ、新薬の創出(スクリーニング)等における各種分子量の薬物の動態評価、被検物質の薬効試験、薬理試験、及び安全性試験等の評価等に用いることができる。
(実施形態3)
図7は、実施形態3の細胞の三次元構造体自動製造システムの概略構成図である。また、図7において、実施形態1及び2で説明した構成と同じ構成には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図7に示されているように、細胞の三次元構造体自動製造システムは、デバイス31と、送液手段12と、制御部33と、容器14と、廃液溜め15とを備え、容器14と送液手段12、送液手段12とデバイス31、デバイス31と廃液溜め15とはそれぞれチューブを介して接続されている。制御部33は送液手段12に接続され、送液手段12を制御可能なように構成されている。
デバイス31は、3つの開口部36,36’,37と、流路38とを備え、水平方向の断面形状がY字形状であるデバイスの一例である。開口部36,36’,37は、デバイス31の上面にそれぞれ形成され、開口部36,36’は送液手段12に接続して導入口となり、開口部37は廃液溜め15に接続して排出口となる。流路38は、開口部36,36’から導入された液体が開口部37に排出可能なようにデバイス31内に形成されている。デバイス31は、導入口及び排出口の数が異なる以外は、実施形態2のデバイス21と同様である。
以下に、図7に示す細胞の三次元構造体自動製造システムを用いて細胞の三次元構造体を製造する方法について、第1及び第2の細胞層では開口部36及び開口部36’から同じ種類の細胞を導入し、第3の細胞層では開口部36及び開口部36’から種類の異なる細胞をそれぞれ導入して異なる種類の細胞層が流路38内で接するように形成された三次元構造体を製造する場合を例にとり説明する。
まず、開口部36,36’を通じて流路38内に細胞を導入して第1の細胞層を形成する。細胞の導入は、実施形態2と同様に行うことができる。
ついで、制御部33を駆動させて、予め与えられたプログラムにしたがい、送液手段12を用いて洗浄液、第1液、及び第2液の導入を行う。開口部36及び36’からの洗浄液、第1液、及び第2液の導入は、実施形態2と同様に行うことができ、一様な細胞外マトリックスを形成する点から、開口部36と開口部36’とにおいて、導入される液体の流量、流速及び/又はレイノルズ数を略同じとすることが好ましい。
そして、上記と同様にして、第2の細胞層、及び細胞外マトリックスを形成した後、開口部36,36’を通じて異なる種類の細胞を導入し、第3の細胞層を形成する。このように、開口部36と開口部36’とで異なる種類の細胞を導入することによって、流路38において異なる種類の細胞で構成された細胞層が隣接して形成される。これにより、例えば、細胞層間の相互作用等を評価することができる。
(実施形態4)
図8Aは、実施形態1にかかる被覆細胞自動製造システムに用いられうるデバイスの上面図、図8BはIV-IV断面図である。図8A及びBに示すデバイス41は、流路の長さ方向(x軸方向)の断面(IV-IV断面)形状がT字形状であるデバイスの一例である。
デバイス41は、2つの開口部46,47と、流路48とを備える。開口部46、47は、デバイス41の上面にそれぞれ形成され、開口部46は送液手段12に接続して導入口となり、開口部47は廃液溜め15に接続して排出口となる。流路48は、チャンバー48aと、導入部48bと、排出部48cとにより形成され、流路48は、開口部46から導入部48bを通じてチャンバー48aに導入された液体が、排出部48cを通じて開口部47に排出可能なようにデバイス41内に形成されている。導入部48bの数は、特に制限されないが、チャンバー48内に細胞が一様に配置されやすい点から、複数であることが好ましく、例えば、2,3,4,5又は6個とすることができる。排出部48cの数は、特に制限されないが、チャンバー48内に細胞が一様に配置されやすい点から、複数個であることが好ましく、例えば、2,3,4,5又は6個とすることができる。開口部46,47の形状は、特に制限されず、円、及び矩形等が挙げられる。開口部46,47には、スリット状の切り込みが形成されていてもよい。
図8A及びCに示す構成のデバイス41において、チャンバー48a内で一様な層流が形成されやすい点から、導入部48bの高さがチャンバーaの高さよりも低いことが好ましく、例えば、チャンバー48aの高さの半分程度の高さとすることがより好ましい。チャンバー48a内で一様な層流が形成されやすく、チャンバー48aからの細胞の排出を抑制する点から、排出部48cの高さが導入部48bの高さよりも低いことが好ましく、例えば、導入部48bの高さの半分程度の高さとすることがより好ましい。チャンバー48aの高さは、流路48内に層流が形成されるサイズが挙げられ、例えば、1.5〜2mmである。導入部48bの高さは、流路48内に層流が形成されるサイズが挙げられ、例えば、0.7〜1mmである。排出部48cの高さは、流路48内に層流が形成されるサイズが挙げられ、例えば、0.3〜0.5mmである。チャンバー48aの幅は、流路48内に層流が形成されるサイズが挙げられ、例えば、5mm〜10cmである。チャンバー48aの長さは、流路48内に層流が形成されるサイズが挙げられ、例えば、5mm〜10cmである。
図9A及びBに本実施形態4のデバイスのその他の例を示す。図9Aは、デバイスの上面図、図9BはV-V断面図である。図9A及びBに示すように、チャンバー48aの底面に、開口部46から開口部47に向かう方向に対して直交する方向にストライプ状に突起が形成されていてもよい。
(実施形態5)
図10は、実施形態5の細胞の三次元構造体自動製造システムの概略構成図である。また、図10において、実施形態1〜3で説明した構成と同じ構成には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。実施形態5の細胞の三次元構造体自動製造システムは、例えば、実施形態2の細胞の三次元構造体自動製造システムと同様にして細胞の三次元構造体を製造することができる。
図10に示されているように、細胞の三次元構造体自動製造システム6は、デバイス61と、送液手段12と、制御部63と、容器14と、廃液溜め15とを備え、容器14と送液手段12、送液手段12とデバイス31、デバイス31と廃液溜め15とはそれぞれチューブを介して接続されている。制御部63は送液手段12に接続され、送液手段12を制御可能なように構成されている。
デバイス61の一例としては、図11A〜Cに示されているような構造のデバイスが挙げられる。図11Aは、実施形態5にかかる被覆細胞自動製造システムに用いるデバイスの斜視図、図11BはVII-VII断面図、図11CはVI-VI断面図である。図11A〜Cに示すデバイス61は、流路の長さ方向の断面(VII- VII断面)形状が凹形状であるデバイスの一例である。
デバイス61は、2つの開口部66,67と、流路68とを備え、水平方向の断面形状がY字形状であるデバイスの一例である。開口部66,67は、デバイス61の上面にそれぞれ形成され、開口部66は送液手段12に接続して導入口となり、開口部67は廃液溜め15に接続して排出口となる。流路68は、開口部66から導入された液体が開口部67に排出可能なようにデバイス61内に形成されている。
(実施形態6)
図14Bは、実施形態1にかかる被覆細胞自動製造システムに用いられうるデバイス71の斜視図、図14Bは上面図、図14CはVIII-VIII断面図である。
デバイス71は、2つの開口部76,77と、流路78とを備える。開口部76、77は、デバイス71の側面にそれぞれ形成され、開口部76は送液手段12に接続して導入口となり、開口部77は廃液溜め15に接続して排出口となる。流路78は、チャンバー78aと、導入部78bと、排出部78cとにより形成され、流路78は、開口部76から導入部78bを通じてチャンバー78aに導入された液体が、排出部78cを通じて開口部77に排出可能なようにデバイス71内に形成されている。
開口部76(又は導入部78b)及び開口部77(又は排出部78c)は、チャンバー78a内における上昇流を低減し、チャンバー78a内における細胞の移動を低減する点から、チャンバー78aの上部に位置することが好ましい。また、開口部76(又は導入部78b)及び開口部77(又は排出部78c)の中心(又は中心軸)のチャンバー78aの底面からの高さは、チャンバーの高さに応じて適宜決定でき、一又は複数の実施形態において、例えば、0.1〜20mmであり、流路加工を容易にし、及び流路内の詰まりを防ぐ点から、0.3〜10mmが好ましい。導入部78bとチャンバー78aの接続部分には、チャンバー78a内における細胞の移動を低減し、チャンバー78a内に細胞をより沈降させやすくする点から、排出部78cに向かって突出した凸部78dが形成されている。また排出部78cとチャンバー78aとの接続部分には、チャンバー78a内における液体の移動距離をより長くし、チャンバー78a内に細胞をより沈降させやすくする点から、導入部78bに向かって突出した凸部78eが形成されている。凸部78d,78eの形状は、特に限定されず、半月状等が挙げられる。チャンバー78aの水平方向の断面形状は、特に限定されず、円、及び矩形等が挙げられる。チャンバー78aが円形の底面の場合、チャンバー78aからマイクロピペット等を用いて細胞を回収する際に細胞が端に移動しにくくなり、細胞を回収しやすくなる利点がある。
導入部78b及び排出部78cは、流路78内に一様な層流が形成されやすく、かつ、細胞がチャンバー78aから排出部78cに流出することを抑制する点から、それらの中心軸がチャンバー78aの底面の面方向に対して略平行であることが好ましい。導入部78bの中心軸と排出部78cの中心軸とは、チャンバー78a内において一様な層流が形成されやすくする点から、略平行であることが好ましい。導入部78bの中心軸と排出部78cの中心軸とは同一軸上にあってもよい。
チャンバー78aの高さは、一又は複数の実施形態において、例えば、0.1〜10mmであり、チャンバー78aの加工を容易にし、細胞外マトリックス成分を含む液体を減少させ、かつ細胞操作を容易にする点から、0.5〜3mmが好ましい。チャンバー48aの径は、一又は複数の実施形態において、例えば、1〜50mmである。
デバイス71は、溝部が形成された部材と基板とを接合することによって上記流路が形成されたデバイスであってもよいし、一体成型されたデバイスであってもよい。デバイス71が、溝部が形成された部材と基板とを接合したデバイスである場合、部材と基板とは剥離可能な状態で接合されていることが好ましい。細胞の培養及び/又は形成された三次元構造体の回収を容易に行うことができる点から、部材と基板とが剥離可能な状態で接合されて流路が形成されたデバイスであることが好ましい。
上記の実施形態1〜6は例示に過ぎず、本発明は上記の実施形態1〜6に限定されず、適宜変更することができる。
以下に、実施例を用いて本発明をさらに説明する。但し、本発明は以下の実施例に限定して解釈されない。
なお、本明細書の記載において、以下の略語を使用する。
50mM Tris-HCl(pH7.4):HCl(Nacalai Tesque社製)でpH7.4に調整した50mM Trisを、0.2μm γ-raysterile filter(倉敷紡績株式会社製)で滅菌濾過したもの
BFN:Fibronectin from bovine plasma(SIGMA製)
BFN溶液:0.2mg BFN/1ml 50mM Tris-HCl(pH7.4)
DMEM:10% FBS(GIBCO社製)を含むDulbecco's eagle's medium(SIGMA社製)
Gelatin溶液:0.2mg Gelatin/1ml 50mM Tris-HCl(pH7.4)を、0.2μm γ-ray sterile filter(倉敷紡績株式会社製)で滅菌濾過したもの
(実施例1)
三次元構造体自動製造システムを用いて流路内において細胞の積層を行った。
[積層用流路の作製]
材料としてはPDMS(商品名:TSE3032、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズジャパン合同会社)を使用し、TSE3032のA液とB液とを10:1の比で混合し、デシケーター内で脱泡してPDMS混合液を得た。得られた混合液を鋳型に流し込み、この液体を70℃で1時間オーブン内で硬化させた。硬化後の流路を鋳型から取り出し、スライドガラス(松浪ガラス社製)に貼り合わせることによって積層用流路Aを作製した。得られた積層用流路Aは、図5A〜Cに示す構造であった。積層部Aの長さ(図5Cにおけるa)は7mm、積層部B及びCの長さ(図5Cにおけるb及びc)は10mm、流路の幅(図5Cにおけるd)は2mm、流路の高さ(図5Bにおけるe)は100〜500μmとした。
また、図5A〜Cに示す流路構造となるようにアクリル樹脂(三菱レイヨン社製)を切削し、流路が切削されたアクリル樹脂とスライドガラス(松浪ガラス社製)とを、上記の混合液PDMSで貼り合わせることによって積層用流路Bを得た。
[三次元構造体自動製造システムを用いた細胞の積層]
まず、自動積層に先立ち、流路内にBFN膜及び細胞層の積層を行った。積層用流路Aを180℃で2時間乾熱滅菌し、乾熱滅菌した積層用流路Aを、クリーンベンチ(HITACHI社製)内で、直径3mmの培養用シャーレ(IWAKI社製)において50mM Tris-HCl(pH7.4)で洗浄した。流路内の溶液を除去した後、BFN溶液を添加し、15分間浸漬した。これにより流路上にBFN膜を形成させた。ついで、流路内の溶液を除去した後、50mM Tris-HCl(pH7.4)での洗浄及び流路内の溶液の除去を行い、細胞分散液を流路内に導入して細胞を播種した。30分間静置した後、シャーレ内をDMEMで満たし、5%CO2、37℃に保たれたインキュベーター(アステック社製)内に一晩置き、細胞を接着させた。なお、細胞分散液は以下の手順で調製した。まず、C2C12細胞を、100mmの培養シャーレ(TPP社製)に入れた10mlのDMEM中で十分に培養した。ついで、15mlの遠沈管(住友ベークライト社製)に移し、遠心機(KUBOTA社製)を用いて100rpmで3分間遠心した。沈殿させた細胞を回収し、1mlのDMEM内に分散させて細胞分散液を得た。
次に、クリーンベンチ内で、細胞を接着させた流路、バルブ、ポンプ、コントローラ、積層に用いる溶液を入れる容器、及び廃液容器を接続した。接続に用いるチューブ及び溶液を入れる容器は、予め100%エタノール(Nacalai Tesque社製)を用いて滅菌し、滅菌後しばらく放置して乾燥させたものを使用した。細胞を接着させた流路からDMEMを除去し、50mM Tris-HCl(pH7.4)、BFN溶液を50mM Tris-HCl(pH7.4)で4倍希釈した溶液、及びGelatin溶液を上記容器に入れた後、コントローラの電源を入れ、BFN及びGelatinを含む被膜の自動形成を行った。
被膜の自動形成は、下記表1に示す順番で送液されるように設定されたプログラムを用いて行い、これを4回繰り返し行った後、350μlの50mM Tris-HCl(pH7.4)を送液した。コントローラを止め、流路からチューブを外し、流路内の溶液を除去した。そして、流路内に上記の細胞分散液を導入して細胞を播種し、30分間静置した後、シャーレ内をDMEMで満たし、5%CO2、37℃に保たれたインキュベーター内に一晩置き、細胞を接着させた。これにより、C2C12細胞が2層積層された三次元構造体が得られた。得られた三次元構造体の顕微鏡写真を図12に示す。三次元構造体自動製造システムを用いて、図12に示すような複数の細胞層が積層された三次元構造体を作製できた。
(実施例2)
被覆細胞自動製造システムを用いて流路内において細胞外マトリックス成分含有被膜で被覆された細胞を作製した。
[被覆用流路の作製]
被覆用流路は、図2Aに示す流路構造とした以外は、実施例1の[積層用流路の作製]における積層用流路Aと同様に作製した。流路の大きさは、x(底面横):10mm、y(底面縦):10mm、z(高さ):12mm、s:5mm、t:6〜8mm、u(底面からの流入口及び排出口の高さ):10mmとした。
[細胞分散液の調製]
3T3細胞を、100mmの培養シャーレ(TPP社製)に入れた10mlのDMEM中で十分に培養した。ついで、15mlの遠沈管(住友ベークライト社製)に移し、遠心機(KUBOTA社製)を用いて100rpmで3分間遠心した。上清を1mlほど残して除去し、残した上清で沈殿した細胞を分散させて細胞分散液を得た。
[被覆細胞自動製造システムを用いた被覆細胞の作製]
まず、被覆用流路、及び被覆に用いる溶液を入れる容器(被覆液用容器)を、30分〜1時間殺菌灯をつけたクリーンベンチ内に置き殺菌した。次に、クリーンベンチ内で、バルブ、ポンプ、コントローラ、及び被覆液用容器を図1に示すように接続した。被覆液用容器に100%エタノールを入れ、コントローラの電源を入れしばらく運転を行い、被覆液用容器及びチューブの滅菌を行った。滅菌が終了後、被覆液用容器からエタノールを除去し、容器に液がない状態で再度運転を行いチューブ及び流路のエタノールを除去した。しばらく放置して乾燥させた後、被覆液用容器に50mM Tris-HCl(pH7.4)を入れてしばらく運転を行い、ついで容器から50mM Tris-HCl(pH7.4)を除去した。50mM Tris-HCl(pH7.4)、BFN溶液を50mM Tris-HCl(pH7.4)で4倍希釈した溶液、及びGelatin溶液をそれぞれ別の被覆液用容器に入れ、被覆用流路に細胞分散液を配置し、図1に示すように流路にチューブを接続した後、コントローラの電源を入れ、細胞への被覆を行った。
被覆は、下記表2に示す順番で送液されるように設定されたプログラムを用いて行い、これを4回繰り返し行った後、350μlの50mM Tris-HCl(pH7.4)を導入することにより行った。コントローラを止め、流路に接続したチューブを外し、流路をスライドガラスから剥がし取り、ピペットマンを用いてスライドガラス上の被覆細胞を100μlのDMEMでピペッティングして回収した。得られた被覆細胞の顕微鏡写真を図13に示す。被覆細胞自動製造システムを用いて、図13に示すように、細胞表面がBFN膜及びGelatin膜によって被覆された被覆細胞が得られた。
(実施例3)
Cell Traker Redで染色した細胞を用いた以外は実施例2と同様にして、細胞表面がBFN膜及びGelatin膜によって被覆された被覆細胞を調製した。
参考例として、被覆細胞自動製造システムを用いることなく、手動で行った以外は実施例3と同様にして被覆細胞を調製した。具体的には、Adv. Mater. 2011, 23, 3506-3510に開示された方法に基き、遠心チューブを用いて、BFN溶液の添加及び除去(BFN膜形成)、50mM Tris-HCl(pH7.4)の添加及び遠心分離(洗浄操作)、Gelatin溶液の添加及び除去(Gelatin膜形成)、及び洗浄操作を繰返し行った。BFN溶液及びGelatin溶液を添加する回数は、実施例3と同様にした。
得られた実施例3及び参考例の被覆細胞それぞれについて、共焦点蛍光顕微鏡(オリンパス社製)を用いて蛍光強度分布を求め、その平均値を高さ位置に対してプロットし、そのデータ点をガウス関数近似によって半値全幅を得ることにより、被覆細胞の厚みを近似した。その結果、実施例3で得られた被覆細胞の厚み(半値全幅)は、参考例の被覆細胞とほとんど変わらなかった。よって、本発明の方法により、手動で行う場合と同程度の厚みを有する細胞外マトリックス成分含有被膜の形成を確認できた。
本発明は、例えば、化粧品、医薬、製薬等の分野において有用である。

Claims (11)

  1. 細胞表面が細胞外マトリックス成分含有被膜で被覆された被覆細胞を製造する方法であって、
    少なくとも2つの開口部と前記開口部間を連通する流路とを有するデバイスにおいて、
    前記流路に細胞を導入すること、及び
    前記細胞が導入された流路に送液手段を用いて細胞外マトリックス成分を含む液体を導入することを含み、
    前記液体の導入は、前記流路の少なくとも一部に層流が形成され、前記層流が前記細胞に接触するように前記送液手段を制御して行う、被覆細胞の製造方法。
  2. 前記液体の導入は、RGD配列を有する第1物質を含む第1液と、前記第1物質と相互作用する第2物質を含む第2液とが交互に導入されるように送液手段を制御して行う、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記第1液及び第2液の導入を少なくとも2回以上繰返し行うことを含む、請求項2記載の製造方法。
  4. 前記第1液の導入後及び/又は第2液の導入後に洗浄液を導入することを含む、請求項2又は3に記載の製造方法。
  5. 前記第1物質は、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、カドヘリン、ポリリジン、エラスチン、RGD配列を結合させたコラーゲン、RGD配列を結合させたゼラチン、キチン、及びキトサンからなる群から選択され、
    前記第2物質は、ゼラチン、デキストラン硫酸、ヘパリン、ヒアルロン酸、グロブリン、アルブミン、ポリグルタミン酸、コラーゲン、及びエラスチンからなる群から選択される、請求項2から4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記細胞の導入は、細胞を媒体に分散させた状態で流路に導入することを含む、請求項1から5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記細胞は、繊維芽細胞、肝細胞、血管内皮細胞、リンパ管内皮細胞、上皮細胞、軟骨細胞、神経膠細胞、平滑筋細胞、幹細胞、表皮細胞、骨格筋細胞、免疫細胞、及びがん細胞からなる群から選択される、請求項1から6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 細胞外マトリックス成分を含む被膜で細胞の表面が被覆された被覆細胞を調製すること、及び
    前記被覆細胞を培養し、前記被覆細胞が積層された細胞の三次元構造体を形成することを含み、
    前記被覆細胞の調製は、
    少なくとも2つの開口部と前記開口部間を連通する流路とを有するデバイスにおいて、
    前記流路に細胞を導入すること、及び
    前記細胞が導入された流路に送液手段を用いて細胞外マトリックス成分を含む液体を導入することを含み、
    前記液体の導入は、前記流路の少なくとも一部に層流が形成され、前記層流が前記細胞に接触するように前記送液手段を制御して行う、細胞の三次元構造体の製造方法。
  9. 少なくとも2つの開口部と前記開口部間を連通する流路とを有するデバイスにおいて、
    前記流路に細胞を導入して細胞層を形成すること、
    前記細胞層上に細胞外マトリックスを形成されるように送液手段を制御して、前記細胞層が形成された流路に細胞外マトリックス成分を含む液体を導入すること、及び
    前記細胞外マトリックス成分を含む液体が導入された流路に、細胞を導入して前記細胞外マトリックス上に細胞層を1層以上積層することを含む、細胞の三次元構造体の製造方法。
  10. 少なくとも2つの開口部と前記開口部間を連通する流路とを有するデバイス、
    前記デバイスの流路に、細胞外マトリックス成分を含有する液体を導入するための送液手段、及び
    前記流路の少なくとも一部に層流が形成されるように、前記細胞外マトリックス成分を含有する液体を前記流路に導入するように前記送液手段を制御する制御部を備える、被覆細胞自動製造システム。
  11. 少なくとも2つの開口部と前記開口部間を連通する流路とを有するデバイス、
    前記デバイスの流路に、細胞外マトリックス成分を含有する液体を導入するための送液手段、及び
    前記流路に前記細胞外マトリックス成分を含有する層が形成されるように、前記細胞外マトリックス成分を含有する液体を前記流路に導入するように前記送液手段を制御する制御部を備える、細胞の三次元構造体自動製造システム。
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