JP7279372B2 - 細胞培養不織布モジュール - Google Patents
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Description
2以上の培地流出入口を有し、該細胞培養部材が収容されたケーシングと
を備えた細胞培養モジュールであって、ここで、
前記不織布は、20%重量以上の芯鞘型複合繊維により構成される不織布であって、
不織布の目付は、1~50g/m2であり、
芯鞘型複合繊維の芯部及び鞘部はポリオレフィン系重合体からなり、鞘部の重合体の融点は芯部の重合体の融点よりも低く、及び鞘芯比率は90:10~10:90であり、
不織布は、細孔を有し;
ここで、前記ケーシング内に
(i)2以上の独立した前記細胞培養部材は、集約されて、
(ii)細胞培養部材は、折り畳まれて、
(iii)細胞培養部材は、ロール状に巻き込まれて、及び/又は、
(iv)細胞培養部材は、縄状に結ばれて、
収容されている、上記細胞培養モジュール。
[2] 芯鞘型複合繊維の繊度が0.05~2.2デシテックス(dTex)である、[1]に記載の細胞培養モジュール。
[3] 芯鞘型複合繊維同士は、熱融着により接触交点において結着部を形成する、[1]又は[2]に記載の細胞培養モジュール。
[4] 不織布が、芯鞘型複合繊維の繊度及び/又は鞘芯比率が異なる2種以上の芯鞘型複合繊維を含む、[1]~[3]のいずれか1項に記載の細胞培養モジュール。
[5] 培地流出入口の径が、細胞の径よりも大きく、かつ、不織布が流出する径よりも小さい、[1]~[4]のいずれか1項に記載の細胞培養モジュール。
[6] 親水化処理が、フッ素ガス処理、常圧プラズマ処理、真空プラズマ処理、コロナ処理、親水性単量体のグラフト重合処理、スルホン化処理、及び界面活性剤付与処理からなる群から選択される、[1]~[5]のいずれか1項に記載の細胞培養モジュール。
[7] 不織布の平均細孔が、0.01~100μmである、[1]~[6]のいずれか1項に記載の細胞培養モジュール。
[8] 不織布の総膜厚が、5~500μmである、[1]~[7]のいずれか1項に記載の細胞培養モジュール。
[9] 芯鞘型複合繊維同士によって形成された結着部の面積率が5~30%である、[1]~[8]のいずれか1項に記載の細胞培養モジュール。
[10] ケーシングが、メッシュ状の構造を有する、[1]~[9]のいずれか1項に記載の細胞培養モジュール。
[11] ケーシングが、非可撓性素材からなる、[1]~[10]のいずれか1項に記載の細胞培養モジュール。
本発明の一態様は、
親水化処理された不織布細胞培養部材と、
2以上の培地流出入口を有し、該細胞培養部材が収容されたケーシングと
を備えた細胞培養モジュールであって、ここで、
前記不織布は、20%重量以上の芯鞘型複合繊維により構成される不織布であって、
不織布の目付は、1~50g/m2であり、
芯鞘型複合繊維の芯部及び鞘部はポリオレフィン系重合体からなり、鞘部の重合体の融点は芯部の重合体の融点よりも低く、及び鞘芯比率は90:10~10:90であり、
不織布は、細孔を有し:
ここで、前記ケーシング内に
(i)2以上の独立した前記細胞培養部材は、集約されて、
(ii)細胞培養部材は、折り畳まれて、
(iii)細胞培養部材は、ロール状に巻き込まれて、及び/又は、
(iv)細胞培養部材は、縄状に結ばれて、
収容されている細胞培養モジュールに関する。該細胞培養モジュールを、以下で、「本発明の細胞培養モジュール」とも呼ぶ。なお、本明細書において、「細胞培養モジュール」との記載は、単に「モジュール」と記載することができ、相互に変更しても同一のことを意味する。
(i)2以上の独立した細胞培養部材が、集約されて、
(ii)細胞培養部材が、折り畳まれて、
(iii)細胞培養部材が、ロール状に巻き込まれて、及び/又は、
(iv)細胞培養部材が、縄状に結ばれて、
収容されている。
本明細書において、「細胞培養装置」とは、一般に、細胞培養システム、バイオリアクター、又はリアクターと同義に扱われる用語であって、相互に入れ替えても同一の意味を有する。本発明の細胞培養モジュールは、以下に例示する細胞培養装置に適用することができる。また、以下に例示する装置以外の市販の装置においても適用可能である。
本発明の細胞培養モジュールは、図1及び図7に示す、サイフォン式培養装置において適用可能である。サイフォン式培養装置とは、細胞培養部材(好ましくは、該細胞培養部材を含む細胞培養モジュール)と、該細胞培養部材が収容された細胞培養部と、該細胞培養部を内部に格納した液溜め部と、該液溜め部の上部に配置された培地供給手段と、該液溜め部の底部で連通された逆U字管と、該逆U字管の他端の下部に設置された培地回収手段と、該培地回収手段に配置された培地排出手段とを備える。ここで、前記培地供給手段から前記液溜め部に供給された培地の液面が前記逆U字管の頂上部に達したとき、サイフォンの原理により培地が前記培地回収手段に間歇的に吐出されることを特徴とする、細胞培養装置である。
本発明の細胞培養モジュールは、図2~5に示す、筒型気相培養装置において適用可能である。一実施形態において、筒型気相培養装置とは、細胞培養部材(好ましくは、該細胞培養部材を含む細胞培養モジュール)と、細胞培養部材が収容された細胞培養部と、該細胞培養部の上部に配置された培地供給手段と、該細胞培養部の下部に配置された培地回収手段とを備える。ここで、前記細胞培養部が、1以上の培地排出口を有する底部と、前記底部に略垂直に配置された側部とを備えた、細胞培養装置である。また、一実施形態において、筒型気相培養装置とは、細胞培養部材(好ましくは、該細胞培養部材を含む細胞培養モジュール)と、該細胞培養部材が収容された細胞培養部と、該細胞培養部の上部に配置された培地供給手段と、該細胞培養部の下部に配置された培地回収手段とを備える。ここで、前記培地回収手段が、前記細胞培養部を収容する外筒の一部である、細胞培養装置である。
本発明の細胞培養モジュールは、図4に示す、ミスト及びシャワー型培養装置において適用可能である。ミスト及びシャワー型培養装置とは、
細胞培養部材(好ましくは、該細胞培養部材を含む細胞培養モジュール)と、該細胞培養部材が載置された細胞培養部材載置部と、該細胞培養部材載置部が収容された筐体と、該筐体の内部に配置された液滴化培地供給部と、該液滴化培地供給部と連通した培地供給ラインと、該培地供給ラインに連通した培地貯留部と、該培地供給ラインの一部に設けられたポンプと、
を備え、ここで、前記細胞培養部材載置部が、スリット状又はメッシュ状の複数の培地排出口を備えた、細胞培養装置である。
本発明の細胞培養モジュールは、気相露出型回転培養装置において適用可能である。気相露出型回転培養装置とは、
細胞培養部材(好ましくは、該細胞培養部材を含む細胞培養モジュール)と、該細胞培養部材を有する細胞培養部と、該細胞培養部を貫通した軸と、該軸を回転するための回転モータと、該細胞培養部の少なくとも一部を浸漬する培地槽と、を備え、
前記軸を中心として前記細胞培養部が回転し、前記細胞培養部材に担持された細胞が気相及び液相において交互に培養されることを特徴とする、細胞培養装置である。
本発明で使用される不織布は、不織布の重量に対して、1種又は複数種の芯鞘型複合繊維により構成される。相互融着させて不織布とさせる場合、芯鞘型複合繊維は不織布に対して20重量%以上であることが好ましい。なお、芯鞘型複合繊維の含量は、30重量%以上、40重量%以上、又は50重量%以上であってもよい。
1)一軸押出機2台と複合紡糸用ノズルを備えた複合紡糸装置により、高融点成分(例えば、ポリプロピレン):低融点成分(例えば、ポリエチレン)の質量比を所望の割合で、紡糸温度280℃で紡糸し、未延伸繊維を作製し;
2)未延伸繊維を集束し、加熱可能な延伸ローラーで延伸処理して、例えば、延伸倍率4倍以上で所望の単糸繊度となるように延伸繊維を作製し;
3)ロータリーカッターで所望の繊維長(例えば、数mm)である短繊維を作製し;及び
4)上記短繊維を用いて一般的な湿式製法又は乾式製法を用いて不織布を作製する。
本発明の一態様は、
(1)懸濁された細胞を含む第1培地に、細胞培養モジュールに適用する工程、
(2)細胞培養可能な温度に維持し、前記細胞培養モジュールへ前記細胞を吸着させる工程、及び、
(3)前記細胞を吸着させた前記細胞培養モジュールを、培養容器中で、第2培地にて培養する工程、
を含み、
ここで、細胞培養モジュールが、
親水化処理された不織布を含む細胞培養部材と、
2以上の培地流出入口を有し、該細胞培養部材が収容されたケーシングと
を備えた細胞培養モジュールであって、ここで、
前記不織布は、20%重量以上の芯鞘型複合繊維により構成される不織布であって、
不織布の目付は、1~50g/m2であり、
芯鞘型複合繊維の芯部及び鞘部はポリオレフィン系重合体からなり、鞘部の重合体の融点は芯部の重合体の融点よりも低く、及び鞘芯比率は90:10~10:90であり、
不織布は、細孔を有し;そして
ここで、前記ケーシング内に
(i)2以上の独立した前記細胞培養部材は、集約されて、
(ii)細胞培養部材は、折り畳まれて、
(iii)細胞培養部材は、ロール状に巻き込まれて、及び/又は、
(iv)細胞培養部材は、縄状に結ばれて、
収容されていて、
ここで、前記第2培地が、界面活性剤を含まない、細胞の培養方法に関する。本発明の細胞の培養方法を、以下で、「本発明の細胞の培養方法」とも呼ぶ。
本発明の一態様は、
(1)懸濁された細胞を含む第1培地に、細胞培養部材を適用する工程、
(2)細胞培養可能な温度に維持し、前記細胞培養部材へ前記細胞を吸着させる工程、
を含む、懸濁された細胞の除去方法に関する。本発明の細胞の除去方法を、以下で、「本発明の細胞の除去方法」とも呼ぶ。
抗ヒトIL-8抗体産生CHO-DP12細胞(ATCC CRL-12445)を馴化・浮遊化した細胞を、培地(BalanCD(商標)CHO Growth A)を用いて浮遊培養し、1mlあたりの生細胞数が3.20×106cells/ml(総細胞数3.40×106cells/ml、生細胞率96%)になるまで培養を継続した。図8に示す様な組み合わせで培養モジュールを3種の不織布に対しそれぞれ用意し、希釈したミルトン、超純水、70%エタノール含有水にて洗浄した後、滅菌的に乾燥し、準備を完了した。各実験の構成を表2に示す。尚、各モジュールで使用した不織布のサイズは、1.0×1.0cmである。
実施例1と同様に、抗ヒトIL-8抗体産生CHO-DP12細胞(ATCC CRL-12445)を馴化・浮遊化した細胞を、培地(BalanCD(商標)CHO Growth A)を用いて浮遊培養し、1mlあたりの生細胞数が3.20×106cells/ml、(総細胞数3.40×106cells/ml、生細胞率96%)になるまで培養を継続した。図8に示す様な組み合わせで培養モジュールを3種の不織布に対して、表2に示されたモジュール形態にて用意し、希釈したミルトン、超純水、70%エタノール含有水にて洗浄した後、滅菌的に乾燥し、準備を完了した。尚、各モジュールで使用した不織布のサイズは、1.0×1.0cmである。
Claims (7)
- 親水化処理された不織布細胞培養部材と、
2以上の培地流出入口を有し、該細胞培養部材が収容されたケーシングと
を備えた細胞培養モジュールであって、ここで、
前記不織布は、20重量%以上の芯鞘型複合繊維により構成される不織布であって、
不織布の目付は、1~50g/m2であり、
芯鞘型複合繊維の芯部及び鞘部はポリオレフィン系重合体からなり、鞘部の重合体の融点は芯部の重合体の融点よりも低く、及び鞘芯比率は90:10~10:90であり、
不織布は、細孔を有し;
ここで、前記ケーシング内に
(i)2以上の独立した前記細胞培養部材は、集約されて、
(ii)細胞培養部材は、折り畳まれて、
(iii)細胞培養部材は、ロール状に巻き込まれて、及び/又は、
(iv)細胞培養部材は、縄状に結ばれて、
収容されていて、
前記不織布が、芯鞘型複合繊維の繊度及び/又は鞘芯比率が異なる2種以上の芯鞘型複合繊維を含む、上記細胞培養モジュール。 - 芯鞘型複合繊維の繊度が0.05~2.2デシテックス(dTex)である、請求項1に記載の細胞培養モジュール。
- 芯鞘型複合繊維同士は、熱融着により接触交点において結着部を形成する、請求項1又は2に記載の細胞培養モジュール。
- 培地流出入口の径が、細胞の径よりも大きく、かつ、不織布が流出する径よりも小さい、請求項1~3のいずれか1項に記載の細胞培養モジュール。
- 親水化処理が、フッ素ガス処理、常圧プラズマ処理、真空プラズマ処理、コロナ処理、親水性単量体のグラフト重合処理、スルホン化処理、及び界面活性剤付与処理からなる群から選択される、請求項1~4のいずれか1項に記載の細胞培養モジュール。
- 不織布の平均流量細孔径が、0.01~100μmである、請求項1~5のいずれか1項に記載の細胞培養モジュール。
- 不織布の総膜厚が、5~500μmである、請求項1~6のいずれか1項に記載の細胞培養モジュール。
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