JPWO2014024474A1 - 複動式摩擦攪拌接合または複動式摩擦攪拌点接合に用いられる接合ツールおよびこれを用いた接合装置 - Google Patents

複動式摩擦攪拌接合または複動式摩擦攪拌点接合に用いられる接合ツールおよびこれを用いた接合装置 Download PDF

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Abstract

本発明に係る複動式摩擦攪拌接合ツールは、少なくとも、円柱状のピン部材(11)と、このピン部材(11)の外側に位置する円筒形状であって、当該ピン部材(11)と同一の軸線周りに回転するショルダ部材(12)と、から構成される。ピン部材(11)は、被接合物(60)への当接面(11a)および外周面(11b)が、被接合物(60)に対する非親和性を有する。またショルダ部材(12)は、ピン部材(11)に面する内周面(12b)および外周面(12c)が、被接合物(60)に対する非親和性を有しており、被接合物(60)への当接面(12a)のみ、被接合物(60)に対する親和性を有している。また、ピン部材(11)およびショルダ部材(12)のクリアランスが好適化されてもよい。

Description

本発明は、複動式摩擦攪拌接合または複動式摩擦攪拌点接合に用いられる接合ツールおよびこれを用いた接合装置に関し、特に、被接合物の良好な接合を可能とする接合ツールおよびこれを用いた接合装置に関する。
摩擦攪拌接合は、回転工具である円柱状のピン部材を、金属材料からなる被接合物中に押し込んで(圧入して)、当該金属材料を軟化させて攪拌することにより、被接合物同士を接合する方法であり、接合時の入熱が少なく、軟化または歪みの程度が少ない接合手法として注目されている。
さらに、回転工具として、前記ピン部材に加えて、当該ピン部材を内挿するための中空を有する略円柱状のショルダ部材とを用いる複動式摩擦攪拌接合も知られている。この複動式摩擦攪拌接合は、ピン部材およびショルダ部材(接合ツール)は、それぞれ回転動作および進退動作を行うことができるため、ピン部材の進退動作とショルダ部材の進退動作とのタイミングを調整することで、ピン部材の圧入により形成された凹部を埋め戻すことが可能となっている。さらに、複動式摩擦攪拌点接合では、ショルダ部材の外側に略円中状のクランプ部材が用いられることが多い。
ところで、複動式摩擦攪拌接合あるいは複動式摩擦攪拌点接合(以下、複動式摩擦攪拌接合あるいは複動式摩擦攪拌点接合をまとめて「複動式摩擦攪拌接合」と称する)においては、ピン部材とショルダ部材との間に被接合物あるいは被接合物からはみ出した凝着物等(以下、「被接合物等」と称する)が入り込むことによって動作不良が生じることが知られている。さらには、ショルダ部材とクランプ部材との間にも同様に被接合物等が入り込むことによって動作不良が生じることが知られている。具体的には、接合ツールの圧入および引抜きによって被接合物等の入り込み等が生じやすく、入り込んだ被接合物等がピン部材とショルダ部材との間に入り込むと、これら接合ツールの表面(例えばピン部材であれば外周面、ショルダ部材であれば内周面)に凝着して、当該接合ツールの進退動作が円滑に行われなくなるおそれがある。そこで、例えば特許文献1には、ピン部材とショルダ部材との間に付着した被接合物等を清掃する清掃方法が開示されている。
しかしながら、複動式摩擦攪拌接合においては、前記のような清掃方法を随時実施するよりも、そもそも被接合物等が接合ツールの表面に凝着しないようにする方が、動作不良を防止する観点から好ましい。この場合、接合ツールの表面をコーティングすることが考えられる。
被接合物等の凝着を防止することを目的とするものはないが、摩擦攪拌接合において接合ツールの表面をコーティングする技術としては、例えば、特許文献2、3または4に開示される技術が知られている。これら技術は、接合ツールの耐久性の向上を図ることに加え、接合時間の短縮化も図ることを目的として、酸化アルミニウムの被膜(特許文献2)、炭化チタンからなる基層と窒化チタンからなる表層との二層の被膜(特許文献2)、窒化アルミニウムからなる被膜(特許文献3、4)等をピン部材にコーティングしており、さらに特許文献4では、窒化アルミニウム被膜のコーティングに加えて、特定組成に基材を用いることが開示されている。
さらに、特許文献5には、回転工具のプローブ(ピン部材)とショルダ部材との間に被接合物の材料が凝着することを抑制または防止することを目的として、プローブの外周面および/またはショルダ部材の内周面に、最表面がカーボンナノチューブからなるコーティング層を形成する「摩擦攪拌点接合用の回転工具」が開示されている。
特開2007−216286号公報 特開2007−268605号公報 特開2008−030096号公報 特開2009−072790号公報 特開2011−036878号公報
ここで、特許文献2ないし4に開示されるコーティングは、前述した通り接合ツールの強度向上を図ることを主たる目的とするものであり、複動式摩擦攪拌接合において、ピン部材とショルダ部材との間に入り込んだ被接合物等の凝着を抑制するためのものではない。例えば、被接合物がアルミニウムまたはアルミニウム合金(アルミニウム系材料)で構成されている場合、特許文献2ないし4に開示されるコーティングでは、被接合物であるアルミニウム系材料の凝着を有効に抑制することができないため、動作不良を有効に回避することができない。
また、被接合物等が接合ツールの表面に凝着すると、清掃により凝着物を排出させる際に当該接合ツールの表面に摩耗が生じる場合がある。また、凝着物の排出が繰り返されると接合ツールの肉厚が減少するおそれもある。このことから凝着物はなるべく少ない、あるいは出さないほうが望ましい。
一方、特許文献5に開示される技術は、ピン部材とショルダ部材との間の面にカーボンナノチューブからなるコーティング層を形成することで、これらの間に被接合物等が凝着することを抑制または防止しているが、この技術では、ピン部材の先端に被接合物等が凝着することを抑制できない。そのため、接合部の外観品質は必ずしも良好ではない。また、凝着を抑制できないことから、ピン部材の動作に伴って、当接面に被接合物の表面の一部が付着して剥離し、被接合物あるいは接合ツールそのものに影響を与える可能性がある。また、コーティング層の材料として用いられるカーボンナノチューブは非常に高価であり、コスト増を招くおそれもある。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、複動式摩擦攪拌接合または複動式摩擦攪拌点接合において、特にピン部材とショルダ部材との間で被接合物等の凝着を発生させにくくするとともに、効率的な接合を可能とし、さらに接合箇所の品質向上を図ることも可能とすることを目的とする。
本発明に係る接合ツールは、前記の課題を解決するために、被接合物を部分的に攪拌することにより接合する複動式摩擦攪拌接合または複動式摩擦攪拌点接合に用いられ、前記被接合物を攪拌するために軸線周りに回転し、かつ、当該軸線方向に進退移動可能に構成されている接合ツールであって、円柱状であって前記被接合物への当接面および外周面が、前記被接合物に対する非親和性を有するピン部材と、当該ピン部材の外側に位置し、かつ、当該ピン部材の外側を囲う円筒形状であって、当該ピン部材と同一の軸線周りに回転し、当該ピン部材に面する内周面および外周面が、前記被接合物に対する非親和性を有しており、かつ、前記被接合物への当接面のみ、前記被接合物に対する親和性を有しているショルダ部材と、から構成されている。
前記構成によれば、ピン部材およびショルダ部材の間は非親和性を有している。これにより、被接合物等がピン部材およびショルダ部材の間に入り込んでも凝着することを有効に抑制または防止することができる。それゆえ、接合ツールの動作不良を有効に回避することができ、効率的な摩擦攪拌接合または摩擦攪拌点接合を実施することができる。さらに、ピン部材およびショルダ部材の摩耗による肉厚の減少、ピン部材の折れ等の発生も有効に抑えることができるので、接合ツールの寿命の低下を防止することもできる。また、前記構成によれば、凝着物の排出が抑えられることから、ピン部材やショルダ部材が排出物を押え付ける形で圧入することも抑制することができる。それゆえ、接合箇所の表面に損傷が生じたり凹凸が発生したりすることが実質的に防止できるので、接合箇所の品質向上を図ることも可能となる。
しかも、ショルダ部材の当接面が被接合物に対して親和性を有することから、被接合物に対して十分な摩擦を与えることができ、また、ピン部材の当接面は被接合物に対する非親和性を有しているので、ピン部材の引込みに伴って当接面に被接合物の表面の一部が付着して剥離するおそれも回避することができる。それゆえ、摩擦攪拌接合または摩擦攪拌点接合をより効率的に実施することができるとともに、接合箇所の品質をより向上することもできる。 前記構成の接合ツールにおいては、前記ショルダ部材の外側に位置し、前記被接合物を一方の面から押圧するクランプ部材をさらに備え、当該クランプ部材における前記被接合物への当接面と、当該クランプ部材における前記ショルダ部材の前記外周面に面する内周面とが、前記被接合物に対する非親和性を有している構成であってもよい。
また、前記構成の接合ツールにおいては、前記被接合物に対する非親和性を有する状態は、ダイヤモンドあるいは水素フリーダイヤモンドライクカーボン(水素フリーDLC)によるコーティングで実現されている構成であってもよい。
また、前記構成の接合ツールにおいては、前記被接合物が、少なくともアルミニウムまたはその合金で構成されてもよい。
また、前記構成の接合ツールにおいては、前記被接合物に対する非親和性を有する状態とは、表面処理、ツール材質の変更、あるいは、ツール材料の性質の変更により実現される構成であってもよい。
また、本発明に係る他の接合ツールは、前記の課題を解決するために、少なくともアルミニウムまたはその合金で構成される被接合物を部分的に攪拌することにより接合する複動式摩擦攪拌接合または複動式摩擦攪拌点接合に用いられ、前記被接合物を攪拌するために軸線周りに回転し、かつ、当該軸線方向に進退移動可能に構成されている接合ツールであって、円柱状であって前記被接合物への当接面および外周面が、ダイヤモンドあるいは水素フリーダイヤモンドライクカーボンによりコーティングされているピン部材と、当該ピン部材の外側に位置し、かつ、当該ピン部材の外側を囲う円筒形状であって、当該ピン部材と同一の軸線周りに回転し、当該ピン部材に面する内周面、および外周面が、ダイヤモンドあるいは水素フリーダイヤモンドライクカーボンによりコーティングされており、かつ、前記被接合物への当接面のみ、ダイヤモンドあるいは水素フリーダイヤモンドライクカーボンではコーティングされていないショルダ部材と、から構成されてもよい。
前記構成の接合ツールにおいては、前記ショルダ部材の外側に位置し、前記被接合物を一方の面から押圧するクランプ部材をさらに備え、当該クランプ部材における前記被接合物への当接面と、当該クランプ部材における前記ショルダ部材の前記外周面に面する内周面とが、ダイヤモンドあるいは水素フリーダイヤモンドライクカーボンによりコーティングされている構成であってもよい。
また、本発明に係るさらに他の接合ツールは、前記の課題を解決するために、被接合物を部分的に攪拌することにより接合する複動式摩擦攪拌接合または複動式摩擦攪拌点接合に用いられ、前記被接合物を攪拌するために軸線周りに回転し、かつ、当該軸線方向に進退移動可能に構成されている接合ツールであって、円柱状のピン部材と、当該ピン部材の外側に位置し、かつ、当該ピン部材を囲う円筒形状であって、当該ピン部材と同一の軸線周りに回転するショルダ部材と、から構成され、前記ピン部材の外径をピン外径とし、前記ショルダ部材における前記ピン部材を内挿する貫通孔の内径をショルダ内径としたときに、前記ピン部材および前記ショルダ部材のクリアランスは、前記ピン外径と前記ショルダ内径との差分が0.01mm以上0.1mm以下の範囲内になるように設定されている構成であってもよい。
前記構成によれば、ピン部材およびショルダ部材のクリアランスを好適化しているので、被接合物等がピン部材およびショルダ部材の間に入り込みにくくすることができる。それゆえ、接合ツールの動作不良を有効に回避することができ、効率的な摩擦攪拌接合または摩擦攪拌点接合を実施することができる。また、接合箇所では、ピン部材の当接部位とショルダ部材の当接部位との間にバリが発生することを有効に抑制することができる。それゆえ、接合箇所の品質向上を図ることも可能となる。
さらに、凝着の原因となる被接合物の入り込みが仮に発生したとしても、その量は極めて少なく、入り込んだ被接合物の排出も実質的に抑制される。それゆえ、ピン部材およびショルダ部材が、これらの間からの排出物を押さえ付ける形で、被接合物に圧入することも抑制することができる。
前記構成の接合ツールにおいては、前記ショルダ部材の外側に位置し、前記被接合物を一方の面から押圧するクランプ部材をさらに備え、前記ショルダ部材の外径をショルダ外径とし、前記クランプ部材における前記ショルダ部材を内挿する貫通孔の内径をクランプ内径としたときに、前記ショルダ部材および前記クランプ部材のクリアランスは、前記ショルダ外径と前記クランプ内径との差分が0.01mm以上0.1mm以下の範囲内になるように設定されている構成であってもよい。
また、本発明には、前記いずれかの構成の接合ツールを備え、複動式摩擦攪拌接合または複動式摩擦攪拌点接合に用いられる接合装置も含まれる。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明によれば、複動式摩擦攪拌接合または複動式摩擦攪拌点接合において、特にピン部材とショルダ部材との間で被接合物等の凝着を発生させにくくするとともに、効率的な接合を可能とし、さらに接合箇所の品質向上を図ることも可能とするという効果を奏する。
本発明の実施の形態1に係る複動式摩擦攪拌接合装置の構成の一例を示す模式図である。 図1に示す複動式摩擦攪拌接合装置において、複動式摩擦攪拌接合ツールにダイヤモンドあるいは水素フリーDLCをコーティングしている箇所の一例を示す模式図である。 図1に示す複動式摩擦攪拌接合装置において、複動式摩擦攪拌接合ツールおよびそれ以外の部材にダイヤモンドあるいは水素フリーDLCをコーティングしている箇所の一例を示す模式図である。 本発明の実施の形態2に係る複動式摩擦攪拌接合装置が備える複動式摩擦攪拌接合ツールにおいて、ピン部材およびショルダ部材のクリアランス、または、ショルダ部材およびクランプ部材のクリアランスを説明する模式図である。 本発明の実施の形態1に係る複動式摩擦攪拌接合装置で、アルミニウム材の摩擦攪拌接合を行った後のピン部材の外観を示す図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
[複動式摩擦攪拌接合装置]
本発明の実施の形態に係る複動式摩擦攪拌接合装置の基本的な構成の一例について、図1を参照して具体的に説明する。なお、以下の説明では、便宜上、複動式摩擦攪拌接合装置を「摩擦攪拌接合装置」と、複動式摩擦攪拌接合ツールを「接合ツール」と、それぞれ略記する。また、前述したように、本明細書では、複動式摩擦攪拌接合あるいは複動式摩擦攪拌点接合をまとめて「複動式摩擦攪拌接合」と称するので、本実施の形態で説明する「摩擦攪拌接合装置」は、「複動式摩擦攪拌接合装置」であってもよいし「複動式摩擦攪拌点接合装置」であってもよい。
図1に示すように、本実施の形態に係る摩擦攪拌接合装置50は、回転工具51、工具固定部52、工具駆動部53、クランプ部材54、裏当て支持部55、および裏当て部材56を備えている。
回転工具51は、工具固定部52により支持される接合ツールであって、工具駆動部53によって進退および回転駆動される。回転工具51、工具固定部52、工具駆動部53およびクランプ部材54は、C型ガン(C型フレーム)で構成される裏当て支持部55の上部に設けられ、当該裏当て支持部55の下部には裏当て部材56が設けられている。したがって、回転工具51と裏当て部材56とは互いに対向する位置で裏当て支持部55に取り付けられており、これら回転工具51と裏当て部材56との間に被接合物60が配される。なお、本発明においては、被接合物60は、アルミニウムまたはその合金(アルミニウム系材料)で構成される。
回転工具51は、ピン部材11およびショルダ部材12から構成されている。また、工具固定部52は、回転工具固定部521およびクランプ固定部522から構成され、工具駆動部53は、ピン駆動部531、ショルダ駆動部532、回転駆動部533およびスプリング534から構成されている。また、クランプ部材54は、スプリング534を介してクランプ固定部522に固定されている。
ピン部材11は、略円筒形または略円柱形であり、詳細に図示されないが、回転工具固定部521により支持されている。このピン部材11は、回転駆動部533により軸線Xr(回転軸、図中一点鎖線)周りに回転し、ピン駆動部531により、破線矢印P1方向すなわち軸線Xr方向(図1では上下方向)に沿って進退移動可能に構成されている。ショルダ部材12は、中空を有する略円筒状であり、中空内にピン部材11が内挿され、ピン部材11の外側において当該ピン部材11を囲むように回転工具固定部521により支持されている。このショルダ部材12は、回転駆動部533によりピン部材11と同一の軸線Xr周りに回転し、ショルダ駆動部532により、破線矢印P2方向すなわち軸線Xr方向に沿って進退移動可能に構成されている。
このように、ピン部材11およびショルダ部材12は、本実施の形態ではいずれも同一の回転工具固定部521によって支持され、いずれも回転駆動部533により軸線Xr周りに一体的に回転する。さらに、ピン部材11およびショルダ部材12は、ピン駆動部531およびショルダ駆動部532により、それぞれ軸線Xr方向に沿って進退移動可能に構成されている。なお、図1に示す構成では、ピン部材11は単独で進退移動可能であるとともに、ショルダ部材12の進退移動に伴っても進退移動可能となっているが、ピン部材11およびショルダ部材12が互いに独立して進退移動可能に構成されてもよい。
クランプ部材54は、ショルダ部材12の外側に設けられ、ショルダ部材12と同様に、中空を有する円筒状であって、中空内にショルダ部材12が内挿されている。したがって、ピン部材11の外周に略円筒状のショルダ部材12が位置し、ショルダ部材12の外周に略円筒状のクランプ部材54が位置している。言い換えれば、クランプ部材54、ショルダ部材12およびピン部材11が、それぞれ同軸芯状の入れ子構造を形成している。
クランプ部材54は、被接合物60を一方の面(第一面)から押圧するものであり、本実施の形態では、スプリング534を介してクランプ固定部522に支持されている。したがって、クランプ部材54は裏当て部材56側に付勢されている。また、クランプ固定部522には、回転駆動部533を介して回転工具固定部521が支持されている。クランプ固定部522は、ショルダ駆動部532によって破線矢印P3方向(破線矢印P1およびP2と同方向)に進退可能に構成されている。
なお、スプリング534はクランプ部材54に付勢を与えたり加圧力を与えたりする部材であるので、当該スプリング534に代えて、例えば、ガス圧、油圧、サーボモータ等を用いた機構も好適に用いることができる。また、スプリング534は、図1に示すようにショルダ駆動部532に取り付けられることで進退移動可能に構成されてもよいし、ショルダ駆動部532によらず独立して進退移動可能に構成されてもよい。
前記構成の回転工具51、工具固定部52、工具駆動部53およびクランプ部材54は、前述したとおり、裏当て部材56と対向するように裏当て支持部55に設けられている。回転工具51を構成するピン部材11およびショルダ部材12、並びにクランプ部材54は、それぞれ当接面11aおよび当接面12a、並びに当接面54aを備え、これら当接面11a,12a,54aは、工具駆動部53により進退移動し、裏当て部材56との間に配される被接合物60の第一面に当接可能となっている。また、裏当て部材56は、ピン部材11およびショルダ部材12、並びにクランプ部材54に対向する位置に設けられ、被接合物60の他方の面(第二面)に当接するものである。図1では、平板状の被接合物60の第二面に当接するように平坦な面を有している。
裏当て部材56は、ピン部材11およびショルダ部材12の進出方向側に位置し、被接合物60の第一面をピン部材11およびショルダ部材12に向けた状態で、当該被接合物60の第二面を支持面56aにより支持する。裏当て部材56は、摩擦攪拌点接合を実施できるように被接合物60を適切に支持することができるものであれば、その構成は特に限定されない。通常は、板状の被接合物60を安定に支持できる支持面56aを有する平板状の構成であればよいが、被接合物60の形状に合わせて平板状以外の構成も採用することができる。例えば、複数種類の形状を有する裏当て部材56が別途準備され、被接合物60の種類に応じて、裏当て支持部55から外して交換できるように構成されてもよい。
本実施の形態における回転工具51、工具固定部52および工具駆動部53の具体的な構成は、前述した構成に限定されず、広く摩擦攪拌接合の分野で公知の構成を好適に用いることができる。例えば工具駆動部53を構成するピン駆動部531、ショルダ駆動部532、および回転駆動部533は、本実施の形態では、いずれも摩擦攪拌接合の分野で公知のモータおよびギア機構等から構成されている。また、摩擦攪拌点接合装置50Aの構成上、クランプ部材54は設けられていなくてもよく、例えば、必要に応じて裏当て支持部55から着脱可能に構成されてもよい。さらに、図1には図示されない他の部材等が含まれてもよい。
また、裏当て支持部55は、本実施の形態ではC型ガンで構成されているが、これに限定されず、ピン部材11およびショルダ部材12を進退移動可能に支持するとともに、これら回転工具51に対向する位置に裏当て部材56を支持するように構成されていればよい。なお、裏当て支持部55は、図示されない摩擦攪拌点接合用ロボット装置、NC工作機械、大型のCフレーム、オートリベッター等の公知の加工用機器等に設けることができる。
このような摩擦攪拌点接合装置50を用いて実施される摩擦攪拌接合方法の一例について説明すると、まず、回転工具51を被接合物60に接近させ、クランプ部材54の当接面54aおよび裏当て部材56の支持面56aを被接合物60に当接させる。そして、回転工具51を被接合物60に近接させ、ピン部材11の当接面11aおよびショルダ部材12の当接面12aを被接合物60に当接させて回転させる。
これによりピン部材11およびショルダ部材12の当接領域が摩擦により発熱することで軟化し、塑性流動部が生じる。そこで、ピン部材11およびショルダ部材12をそれぞれ被接合物60に進入させたり後退させたりすることにより塑性流動部を攪拌することができる。それゆえ、被接合物60を部分的に攪拌して接合することができる。しかも、例えばピン部材11の進入(圧入)により生じた凹部は、ショルダ部材12で埋め戻すことができる。その後、回転工具51および裏当て部材56を被接合物60から離し、一連の摩擦攪拌接合が終了する。
[回転工具の表面処理]
次に、本実施の形態に係る摩擦攪拌接合装置50が備える回転工具51(接合ツール)においては、その表面の多くの部分が、被接合物60に対する親和性が低くなっているが、一部は被接合物60に対する親和性を有している。この点に関して、図2を参照して具体的に説明する。
本実施の形態において、回転工具51の表面が「被接合物60に対する親和性が低くなっている」状態とは、被接合物60を構成する材料(被接合物等)が付着または凝着しにくい状態を意味し、言い換えれば、「被接合物60に対して非親和性を有する」状態である。なお、「被親和性を有する」状態とは、被接合物60に対する摩擦が低い状態と言い換えることができる。それゆえ、「親和性を有する」状態とは、被接合物60に対する摩擦が高い状態と言い換えることができる。
「被接合物60に対する親和性が低くなっている」状態(非親和性を有する状態)を実現するための手法としては、代表的には、表面処理を挙げることができる。この表面処理は、被接合物60に対する凝着性が低いものであればよく、具体的には、例えば、公知の種々のコーティングを挙げることができる。中でも、ダイヤモンドあるいは水素フリーダイヤモンドライクカーボン(水素フリーDLC)のコーティングが特に好ましく用いられる。
図2において斜線のハッチング領域で模式的に示すように、回転工具51のうちピン部材11は、被接合物60に当接する当接面11aおよび外周面11bがダイヤモンドあるいは水素フリーDLCによりコーティングされている。一方、ショルダ部材12は、ピン部材11に面する内周面12bとクランプ部材54に面する外周面12cとがダイヤモンドあるいは水素フリーDLCによりコーティングされている。ただし、ショルダ部材12の当接面12aはダイヤモンドあるいは水素フリーDLCによりコーティングされていない。
ダイヤモンドあるいは水素フリーDLCによるコーティングは、一般的なDLCあるいは他のセラミック系硬質膜よりも金属材料への親和性が非常に低くなる(非親和性を有する)ことが本発明者らの検討により明らかとなった。具体的には、例えば、金属材料としてアルミニウム系材料を挙げると、ダイヤモンド状の炭素原子同士の結合構造は、アルミニウム原子と結合しにくいことから、DLCコーティングそのものが他のセラミックコーティングと比較してアルミニウム系材料への親和性が低くなる傾向にある。
しかも、コーティングに水素原子等の不純物が存在すると、当該不純物が欠陥(ポア)となってアルミニウム原子が入り込んで凝着の起点となるが、ダイヤモンドあるいは水素フリーDLCは、一般的なDLCと比較して、コーティングに含まれる水素等の不純物が少ないため、凝着の起点が非常に少なくなる。しかもダイヤモンドあるいは水素フリーDLCの摩擦係数は0.1以下であって、その摩擦係数が極めて小さいコーティングであるという特徴も有している。
それゆえ、摩擦攪拌接合時において被接合物60からはみ出したアルミニウム系材料の凝着物等が生じてピン部材11およびショルダ部材12の間に入り込んでも、当該凝着物等が凝集することがない。これにより、回転工具51の動作不良を有効に回避することができ、効率的な摩擦攪拌接合を実施することができる。また、凝着した被接合物等の排出が抑えられることから、ピン部材11やショルダ部材12が排出物を押え付ける形で圧入することも抑制することができる。それゆえ、接合箇所の表面に損傷が生じたり凹凸が発生したりすることが実質的に防止できるので、接合箇所の品質向上を図ることも可能となる。
しかも、本発明においては、回転工具51の表面全体を単純にダイヤモンドあるいは水素フリーDLCでコーティングするのではなく、ショルダ部材12の当接面12aにはダイヤモンドあるいは水素フリーDLCをコーティングせず、ピン部材11の当接面11aに対してはダイヤモンドあるいは水素フリーDLCをコーティングしている。これにより、摩擦攪拌接合をより効率的に実施することができるとともに、接合箇所のさらなる品質向上を図ることができる。
ショルダ部材12の当接面12aでは、被接合物60に対する周速度がピン部材11の当接面11aよりも相対的に高くなる。ここでショルダ部材12の当接面12aはダイヤモンドあるいは水素フリーDLCでコーティングされていないので、当該当接面12aは被接合物60に対して良好な親和性を発揮することができ、それゆえ被接合物60に十分な摩擦を与えることができる。その結果、摩擦攪拌接合をより効率的に実施することが可能となる。
一方、ピン部材11の当接面11aは、被接合物60に対する周速度が相対的に低くなるため、被接合物60との親和性が高ければピン部材11の引込みに伴って当接面11aに被接合物60の第一面の一部が付着して剥離することがある。ピン部材11の当接面11aがダイヤモンドあるいは水素フリーDLCでコーティングされていれば、被接合物60の第一面の剥離が回避されるので、接合箇所のより一層の品質向上を図ることができる。
加えて、ピン部材11およびショルダ部材12の間に被接合物等が凝着しないため、当該ピン部材11およびショルダ部材12の摩耗を有効に抑制することができる。また、ピン部材11とショルダ部材12とのクリアランスは特に限定されないものの、設計上クリアランスを狭くするとこれら回転工具51に赤熱現象が生ずるおそれがある。これに対して、ピン部材11の外周面11bとショルダ部材12の内周面12bをダイヤモンドあるいは水素フリーDLCでコーティングすると、赤熱現象の発生を抑えることが可能となる。さらには、凝着した被接合物等を押え付けながら圧入することが抑制できることから、ピン部材11の折れ等の損傷が発生する頻度も有効に低下させることができる。それゆえ、回転工具51の寿命の低下を回避することが可能となる。
ここで、水素フリーDLCは、水素原子を全く含まないDLCのみを指すものではなく、一般的なDLCと比較して水素原子の含有量が少ないものを含む。したがって、本発明においてピン部材11およびショルダ部材12をコーティングする水素フリーDLCとは、例えば、水素の含有量が10at%(原子濃度)以下のDLCを指す。このようなDLCであれば、一般的なDLCと比較してアルミニウム系材料等との親和性を低くすること(非親和性を与えること)ができ、被接合物等の凝着を有効に抑制または回避することが可能となる。
ピン部材11およびショルダ部材12にダイヤモンドあるいは水素フリーDLCをコーティングする方法は特に限定されず、公知の物理蒸着法等を好適に用いることができる。例えば、水素を含まない雰囲気条件下において、グラファイトを原料して公知の物理蒸着法によりカーボンを蒸着する方法を、好適に用いることができる。
ここで、ピン部材11およびショルダ部材12におけるコーティング面、すなわちピン部材11の当接面11a並びに外周面11b、ショルダ部材12の内周面12b並びに外周面12cは、その表面粗さが少ない方が好ましい。これにより、コーティング面にダイヤモンドあるいは水素フリーDLCを良好にコーティングすることができる。
また、ショルダ部材12の当接面12aをダイヤモンドあるいは水素フリーDLCでコーティングしないための手法については特に限定されず、物理蒸着法によりカーボンを蒸着させる際に、当接面12aを公知の方法によりマスキングしてもよいし、ショルダ部材12の表面全体をコーティングしてから、当接面12aのみダイヤモンドあるいは水素フリーDLCを研磨により除去してもよい。
なお、本実施の形態では、ピン部材11、ショルダ部材12、およびクランプ部材54(回転工具51)の表面処理の一例として、コーティングを例示したが、本発明による表面処理はこれに限定されないことは言うまでもない。すなわち、本発明においては、回転工具51の表面の性質を変更することができれば、コーティング以外の公知の表面処理法であっても好適に用いることができるとともに、表面処理以外の方法であっても好適に用いることができる。
すなわち、本発明においては、回転工具51のうち、被接合物60の凝着を防止または回避したい箇所には、被接合物60に対する親和性が低く凝着し難い材質(あるいは表面状態)を採用し、ショルダ部材12の当接面(底面)12aには、被接合物60に対する親和性を有する材質(あるいは表面状態)を採用することができる。もしくは、ショルダ部材12の当接面12aに対しては、被接合物60に対して摩擦を得ることができる材質(あるいは表面状態の変更等)を採用してもよい。
また、コーティング、表面処理、あるいは、材質の部分的な変更について、その具体的な手法は特に限定されず、被接合物60の種類に応じて、親和性の低いコーティング、表面処理、あるいは材料を適宜選択して用いることができる。例えば、他のコーティングの例としては、窒化ケイ素(Si34 )等のセラミックス材を挙げることができる。なお、本実施の形態では、「親和性を低くする」手法の好ましいものとして、ダイヤモンドあるいは水素フリーDLCによるコーティングを採用しているが、これらコーティングは、一般的な金属材料に広く好適に用いることができ、汎用性の高いものである。
なお、特許文献5に開示されている技術では、ピン部材とショルダ部材との間の面にカーボンナノチューブからなるコーティング層を形成しているが、このような接合ツールでは、前述した問題点が生じることに加え、数百回程度の接合で負荷を超えてしまい、接合ができなくなってしまう。一方、本実施の形態の接合ツール(回転工具51)であれば、例えば接合回数が2000回以上であっても特に問題なく実行することができる。
ここで、本実施の形態に係る摩擦攪拌接合装置50が接合対象とする被接合物60は、代表的には、金属で構成されているものであればよく、その金属の種類は具体的に限定されない。具体的な一例としては、前述したアルミニウム系材料(アルミニウムまたはその合金)が挙げられるが、被接合物60はアルミニウム系材料以外にも、例えば、チタン、鉄等の他の金属またはその合金で構成されているものであってもよい。さらに、本実施の形態に係る摩擦攪拌接合装置50では、アルミニウムとチタン、またはアルミニウムと鉄等、異種金属の接合にも有効であるので、被接合物60は、複数種類の金属から構成されてもよい。加えて、被接合物60は金属に限定されず、各種樹脂等のように摩擦攪拌接合が適用可能な材料であってもよい。
[変形例]
前述したように、本発明に係る接合ツールは、複動式摩擦攪拌接合または複動式摩擦攪拌点接合に用いられ、軸線周りに回転する円柱状のピン部材11と、当該ピン部材11の外側を囲う円筒形状であって、ピン部材11およびショルダ部材12を備え、ピン部材11における当接面11aおよび外周面11bは、被接合物60に対する親和性が低くなっており(被接合物60に対する非親和性を有しており)、ショルダ部材12における内周面12bおよび外周面12cは、被接合物60に対する親和性が低くなっており(被接合物60に対する非親和性を有しており)、かつ、当接面12aのみ、被接合物60に対する親和性を有している構成であればよい。
また、本発明に係る接合ツールは、クランプ部材54を備えていれば、当該クランプ部材54における当接面54aと、当該クランプ部材54における内周面54bとが、被接合物60に対する親和性が低くなって(被接合物60に対する非親和性を有して)いればよい。
しかしながら、本発明は、これに限定されず、例えば、回転工具51以外の部材などに対しても、被接合物60に対する非親和性を付与してもよい。具体的には、本実施の形態では、摩擦攪拌接合装置50が備える接合ツール、すなわち回転工具51が、ショルダ部材12の当接面12aを除いて、ダイヤモンドあるいは水素フリーDLCによりコーティングされていればよいが、回転工具51以外の部材等に対しても、ダイヤモンドあるいは水素フリーDLCをコーティングしてもよい。これにより、回転工具51の動作不良をさらに一層抑えて、摩擦攪拌接合の効率を向上させることが可能となる。このような構成を採用した摩擦攪拌接合装置50(摩擦攪拌接合装置50の変形例)について、図3を参照して具体的に説明する。
具体的には、例えば、図3において斜線のハッチング領域で模式的に示すように、クランプ部材54および裏当て部材56に対してもダイヤモンドあるいは水素フリーDLCをコーティングすることができる。
クランプ部材54の場合には、被接合物60への当接面54aと、ショルダ部材12の外周面12cに面する内周面54bをダイヤモンドあるいは水素フリーDLCによりコーティングすればよい。クランプ部材54は、回転工具51とは異なり回転しないが、被接合物60を第一面から押圧するため、被接合物60に接触する当接面54aにはダイヤモンドあるいは水素フリーDLCをコーティングすることが好ましい。
また、クランプ部材54は、ショルダ部材12の周囲を覆うように位置しているので、ショルダ部材12の進退移動に伴って当該ショルダ部材12とクランプ部材54との間に被接合物等が入り込むおそれがある。そこで、ショルダ部材12に面する内周面54bもダイヤモンドあるいは水素フリーDLCでコーティングすることが好ましい。なお、クランプ部材54は、本実施の形態では摩擦攪拌接合装置50の一部であるが、ピン部材11およびショルダ部材12とともに回転工具51(摩擦攪拌接合ツール)を構成してもよい。
裏当て部材56の場合には、被接合物60を支持する支持面56aをダイヤモンドあるいは水素フリーDLCによりコーティングすればよい。裏当て部材56は、回転工具51から見て進出方向側に位置しており、被接合物60の第一面を回転工具51に向けた状態で、当該被接合物60の第二面に支持面56aを当接させて支持する構成となっている。それゆえ、裏当て部材56は、非常に大きな面積で被接合物60に当接するため、当該被接合物60から生じる被接合物等が第二面と支持面56aとの間に介在しやすくなる。そこで、支持面56aをダイヤモンドあるいは水素フリーDLCによりコーティングすることで、被接合物60と支持面56aとの間で被接合物等を凝着させにくくすることができる。
同様に、クランプ部材54の内側に設けられるブッシュ部は、クランプ部材54の内側に位置するショルダ部材12の回転時の触れを抑制するが、このブッシュ部の存在により、クランプ部材54とショルダ部材12との過剰な接触を抑制することができるため、特に回転工具51であるショルダ部材12の摩耗を軽減することができる。
なお、前記ブッシュ部がピン部材11またはショルダ部材12と接触している状態については特に限定されず、公知の潤滑剤を介した潤滑接触であってもよいし、潤滑剤等を介さない無潤滑接触であってもよい。
また、本実施の形態では、複動式摩擦攪拌接合を例に挙げて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されず、複動式でない単動式の摩擦攪拌接合にも好適に用いることができる。また、本発明は、複動式摩擦攪拌点接合にも、点接合でない摩擦攪拌接合にも好適に適用することができる。
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、少なくともピン部材11およびショルダ部材12からなる回転工具51において、ショルダ部材12の当接面12aを除いた面に、被接合物60に対する非親和性を付与すればよいが、本発明はこれに限定されず、少なくともピン部材11およびショルダ部材12のクリアランスを設定する構成であってもよい。ピン部材11およびショルダ部材12のクリアランスを好適化することで、被接合物等の凝着を発生させにくくして、効率的な接合が可能となり、さらに接合箇所の品質向上を図ることも可能となる。この構成について、図4を参照して説明する。
本実施の形態に係る回転工具51は、図4に示すように、前記実施の形態1で説明した回転工具51と基本的に同じ構成であるが、ピン部材11およびショルダ部材12のクリアランスを好ましい範囲に設定する構成となっている。また、回転工具51は、前記実施の形態1で説明したように、ピン部材11およびショルダ部材12を備えていればよいが、さらにクランプ部材54を備えてもよく、この場合、ショルダ部材12およびクランプ部材54のクリアランスも好適な範囲に設定すればよい。
本実施の形態では、ショルダ部材12におけるピン部材11を内挿する貫通孔を「ピン部材内挿孔12d」と称する。そして、ピン部材11の外径をピン外径とし、ショルダ部材12におけるピン部材内挿孔12dの内径をショルダ内径としたときに、ピン部材11およびショルダ部材12のクリアランスは、ピン外径とショルダ内径との差分が0.01mm以上0.1mm以下の範囲内に設定されればよく、0.01mmを超え0.05mm未満の範囲内であれば好ましく、0.03mm前後であることがより好ましい。
具体的には、図4に示すように、ピン外径をRpとし、ショルダ内径をRiとすれば、RpとRiとの差分(Ri−Rp)は、Dta+Dta=2Dtaとなる。なお、図4においてブロック矢印で示すDtaは、ピン部材11の半径とショルダ内径の半径との差分である。本実施の形態では、この2Dtaが、0.01mm以上であり0.1mm以下となっていればよい(0.01mm≦2Dta≦0.1mm)。
2Dtaが0.1mmを超えると、被接合物60の接合箇所の品質が大幅に低下する。しかも、ピン部材11およびショルダ部材12に対して、無視できない程度のアルミニウムの凝着が発生し、また、ショルダ部材12には、無視できない程度の傷が発生している。
一方、2Dtaが0.01mm未満であれば、被接合物60の接合箇所の品質は良好であるが、回転工具51の取り付け精度が低い場合には、ピン部材11およびショルダ部材12が赤熱するほど過剰に熱せられる可能性がある。被接合物60がアルミニウム系材料であれば、施工中の回転工具51の温度は、一般的には450℃程度であるのが、この程度の温度では、通常、回転工具51の過剰な加熱は起こらない。それゆえ、ピン部材11およびショルダ部材12の過剰な加熱は、回転工具51の損傷につながるおそれがある。
それゆえ、本実施の形態では、ピン外径とショルダ内径との差分が0.01mm以上0.1mm以下の範囲内になるように、ピン部材11およびショルダ部材12のクリアランスを設定することが望ましい。これにより、被接合物60の接合箇所の品質を向上できるとともに、ピン部材11とショルダ部材12との間で被接合物等の凝着を発生させにくくすることができる。その結果、従来よりも効率的な接合が可能となる。
さらに、クランプ部材54を備えている場合には、ショルダ部材12およびクランプ部材54のクリアランスも好適な範囲に設定すればよい。ショルダ部材12の貫通孔と同様に、クランプ部材54におけるショルダ部材12を内挿する貫通孔を「ショルダ部材内挿孔54d」と称し、ショルダ部材12の外径をショルダ外径とし、クランプ部材54におけるショルダ部材内挿孔54dの内径をクランプ内径とすれば、ショルダ部材12およびクランプ部材54のクリアランスは、ショルダ外径とクランプ内径との差分が0.01mm以上0.1mm以下の範囲内になるように設定されればよい。
具体的には、図4に示すように、ショルダ外径をRoとし、クランプ内径をRcとすれば、RoとRcとの差分(Rc−Ro)は、Dtb+Dtb=2Dtbとなる。なお、図4においてブロック矢印で示すDtbは、ショルダ外径の半径とクランプ内径の半径との差分である。本実施の形態では、この2Dtbが、0.01mm以上であり0.1mm以下となっていればよい(0.01mm≦2Dtb≦0.1mm)。
2Dtbが0.1mmを超えると、ショルダ部材12およびクランプ部材54に対して、無視できない程度のアルミニウムの凝着が発生し、また、クランプ部材54の当接面54aには、無視できない程度のコーティングの剥離が発生している。一方、2Dtbが0.01mm未満であれば、被接合物60の接合箇所の品質は良好であるが、ショルダ部材12に前述した過剰な加熱が生じる可能性がある。このような過剰な加熱は、回転工具51の損傷につながるおそれがある。
このように、本発明においては、回転工具51を構成するピン部材11、ショルダ部材12(さらにはクランプ部材54)の適切な箇所に対して、被接合物60に対する非親和性を付与する構成であってもよいし、ピン部材11およびショルダ部材12のクリアランスを好適化してもよい。
回転工具51の適切な箇所に非親和性を付与することで、各部材の間に侵入した被接合物等が凝着することを実質的に防止することができる。一方、回転工具51のクリアランスを好適化することで、回転工具51の熱膨張または進退移動の幅を考慮しつつ、各部材の間に被接合物等が侵入するおそれを実質的に有効に防止することができる。それゆえ、回転工具51の適切な箇所に非親和性を付与するとともに、回転工具51のクリアランスを好適化することで(実施の形態1および2を組み合わせることで)、各部材の間で被接合物等の凝着をより一層発生させにくくして、効率的な接合が可能になるとともに、接合箇所の品質をより一層向上することも可能となる。また、凝着の原因となる被接合物等の入り込みが仮に発生したとしても、その量は極めて少なくなるとともに、入り込んだ被接合物等の排出も実質的に抑制される。それゆえ、回転工具51が、これらの間からの排出物を押さえ付ける形で、被接合物60に圧入することも抑制することができる。
なお、本実施の形態では、前記の通り、ピン部材11およびショルダ部材12のクリアランスは、ピン外径とショルダ内径との差分2Dtaが0.01mm≦2Dta≦0.1mm以下の範囲内であり、ショルダ部材12およびクランプ部材54のクリアランスは、ショルダ外径とクランプ内径との差分2Dtbが0.01mm≦2Dtb≦0.1mmであればよいが、後述する実施例2および参考例1〜3の結果から明らかなように、0.03mm前後の範囲内がより好ましい。したがって、本実施の形態では、ピン外径とショルダ内径との差分2Dtaは、0.03mm±0.01mmの範囲内(0.02mm≦2Dta≦0.04mm)であるとより好ましく、ショルダ外径とクランプ内径との差分2Dtbも、0.03mm±0.01mmの範囲内(0.02mm≦2Dtb≦0.04mm)であるとより好ましい。
本発明について、実施例、比較例および参考例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。
(実施例1)
まず、摩擦攪拌接合装置50として、川崎重工業株式会社製、複動式FSJロボットシステムを用い、回転工具51としては、全体を水素フリーDLCでコーティングしたピン部材11と、当該ピン部材11を進退移動可能に収容する円筒状で、当接面12aを除く全体を水素フリーDLCでコーティングしたショルダ部材12と、このショルダ部材12の外側に位置する円筒形状のクランプ部材54を用いた。この回転工具51のうち、被接合物60に対して進退移動する部分(ピン部材11およびショルダ部材12)の外径は6mmであり、この進退移動する部分を内部に収容するクランプ部材54の外径は12mmであった。
次に、被接合物60として、厚み0.025インチ(約0.635mm)のアルミニウム材(AL6061−T6)と厚み0.020インチ(約0.508mm)のアルミニウム材(AL2024C−T3)とを重ねたものを用い、この被接合物60に対して摩擦攪拌接合を952回施工した。
施工後の被接合物60の接合箇所を確認したところ、顕著な凹凸等は発生しておらず、平坦で良好な外観を有していた。また、回転工具51およびクランプ部材54を確認したところ、ショルダ部材12の内周面12bおよびクランプ部材54の内周面54bのいずれにおいても、アルミニウムの凝着は見られず、また、内周面12b,54bの顕著な損傷も見られなかった。
さらに、ピン部材11の当接面11aにもアルミニウムの凝着は見られず、図5に示すように、施工前と同様でアルミニウムの凝着は一切見られなかった。なお、図5では、ピン部材11の状態を明確に図示するために、ピン部材11を背景に対して強調するよう画像処理を行っている。
(比較例)
回転工具51として、水素フリーでないDLCで全体をコーティングした同寸法の回転工具51を用いた以外は、前記実施例と同様にして被接合物60に摩擦攪拌接合を施工した。
施工後の被接合物60の接合箇所を確認したところ、ディンプル状の小さな表面荒れが観察された。また、回転工具51およびクランプ部材54を確認したところ、ショルダ部材12の内周面12bおよびクランプ部材54の内周面54bのいずれにおいても、アルミニウムの顕著な凝着および損傷が観察された。さらに、ピン部材11の当接面11aにもアルミニウムの凝着が観察された。
(実施例2)
回転工具51として、外径3.0mmであるピン部材11と、外径が6.0mmであり、内径が3.03mmであるショルダ部材12と、外径が12mmであり、内径が6.03mmであるクランプ部材54を準備した。なお、ピン部材11、ショルダ部材12、およびクランプ部材54には、水素フリーDLCコーティングを施した。
この構成では、ピン部材11およびショルダ部材12のクリアランスは、ピン外径とショルダ内径との差分が0.03mmになるように設定され、ショルダ部材12およびクランプ部材54のクリアランスは、ショルダ外径とクランプ内径との差分が0.03mmになるように設定されている。この回転工具51を用いて、前記実施例1と同じ被接合物60に対して、接合を30回施工した。
施工後の被接合物60の接合箇所を確認したところ、ピン部材11の接触部位にもショルダ部材12の接触部位にも、外観上の大きな問題点は特に観察されなかった。また、ピン部材11の接触部位とショルダ部材12の接触部位との境界部には、バリの発生は観察されなかった。
また、施工後の回転工具51を観察したところ、まず、ピン部材11には、外観上の大きな問題点は特に観察されず、外周面11bに微量のアルミニウムの凝着が観察される程度であった。
次に、ショルダ部材12については、当接面12aには、CrNコーティングの剥離による凹凸が一部観察されたものの、大幅な凹凸の発生は観察されなかった。さらに、内周面12bおよび外周面12cにも、外観上の大きな問題点は特に観察されず、内周面12bに微量のアルミニウムの凝着が観察され、外周面12cにわずかな傷が観察される程度であった。
次に、クランプ部材54については、当接面54aおよび内周面54bにも、外観上の大きな問題点は特に観察されず、内周面54bに微量のアルミニウムの凝着が観察される程度であった。
(参考例1)
回転工具51のうち、ショルダ部材12として、外径が6.0mmであり、内径が3.05mmであるものを用い、クランプ部材54として、外径が12mmであり、内径が6.05mmであるものを用いた以外は、前記実施例2と同様にして被接合物60を接合した。
なお、この構成では、ピン部材11およびショルダ部材12のクリアランスは、ピン外径とショルダ内径との差分が0.05mmになるように設定され、ショルダ部材12およびクランプ部材54のクリアランスは、ショルダ外径とクランプ内径との差分が0.05mmになるように設定されている。
施工後の被接合物60の接合箇所を確認したところ、ピン部材11の接触部位にもショルダ部材12の接触部位にも、外観上の大きな問題点は特に観察されなかった。しかしながら、ピン部材11の接触部位とショルダ部材12の接触部位との境界部には、バリの発生が観察された。
また、施工後の回転工具51を観察したところ、まず、ピン部材11については、その外周面11bに、実施例2よりも多くのアルミニウムの凝着が観察された。
次に、ショルダ部材12については、当接面12aには、CrNコーティングの剥離による凹凸が、実施例2よりも広く発生していることが観察された。さらに、内周面12bには、実施例2よりも多くのアルミニウムの凝着が観察され、外周面12cには、実施例2よりも広範囲の傷の発生が観察された。
次に、クランプ部材54については、当接面54aの貫通孔(ショルダ部材内挿孔54d)周囲に、水素フリーDLCコーティングの脱落が観察された。また、内周面54bには、実施例2よりも多量のアルミニウムの凝着が観察された。
(参考例2)
回転工具51のうち、ショルダ部材12として、外径が6.0mmであり、内径が3.07mmであるものを用い、クランプ部材54として、外径が12mmであり、内径6.07mmであるものを用いた以外は、前記実施例2と同様にして被接合物60を接合した。
なお、この構成では、ピン部材11およびショルダ部材12のクリアランスは、ピン外径とショルダ内径との差分が0.07mmになるように設定され、ショルダ部材12およびクランプ部材54のクリアランスは、ショルダ外径とクランプ内径との差分が0.07mmになるように設定されている。
施工後の被接合物60の接合箇所を確認したところ、ショルダ部材12の接触部位にはスクラッチ痕の発生が観察された。また、ピン部材11の接触部位とショルダ部材12の接触部位との境界部には、バリの発生が観察された。
また、施工後の回転工具51を観察したところ、まず、ピン部材11については、参考例1よりも多くのアルミニウムの凝着が観察された。
次に、ショルダ部材12については、当接面12aには凹凸がほぼ全面に発生していることが観察された。さらに、内周面12bには、参考例1よりも多くのアルミニウムの凝着が観察され、外周面12cには、参考例1よりも広くかつ深い傷の発生が観察された。
次に、クランプ部材54については、当接面54aの貫通孔(ショルダ部材内挿孔54d)周囲に、参考例1よりも大きな水素フリーDLCコーティングの脱落が観察された。また、内周面54bには、参考例1よりも多量のアルミニウムの凝着が観察された。なお、クランプ部材54の内周面54bにおける凝着の範囲と、ショルダ部材12の外周面12cにおける傷の範囲とは、ほぼ対応していた。
(参考例3)
回転工具51のうち、ショルダ部材12として、外径が6.0mmであり、内径が3.01mmであるものを用い、クランプ部材54として、外径が12mmであり、内径6.01mmであるものを用いた以外は、前記実施例2と同様にして被接合物60を接合した。
この構成では、ピン部材11およびショルダ部材12のクリアランスは、ピン外径とショルダ内径との差分が0.01mmになるように設定され、ショルダ部材12およびクランプ部材54のクリアランスは、ショルダ外径とクランプ内径との差分が0.01mmになるように設定されている。
施工後の被接合物60の接合箇所を確認したところ、ピン部材11の接触部位にもショルダ部材12の接触部位にも、外観上の大きな問題点は特に観察されなかった。また、ピン部材11の接触部位とショルダ部材12の接触部位との境界部には、バリの発生は観察されなかった。
ただし、回転工具51については、施工中に、ピン部材11およびショルダ部材12の過剰に加熱される傾向にあった。
(実施例2、参考例1〜3の対比)
実施例2および参考例1〜3の結果を対比すると、これら実施例および参考例ではいずれも、過剰なアルミニウムの凝着を抑制しつつ被接合物60を十分に接合することができる。ただし、ピン外径とショルダ内径との差分が大きくなると、被接合物60の接合箇所においてバリの発生が確認されるので、接合の品質低下を招くことになる。また、ショルダ部材12の内周面12bにアルミニウムの凝着が多くなり、凝着の厚さも大きくなる。これに伴い、ピン部材11およびショルダ部材12が互いに動作するときの負荷が大きくなり、回転工具51の寿命低下の可能性が高くなる。
また、ショルダ外径とクランプ内径との差分が大きくなると、クランプ部材54の内周面54bにアルミニウムの凝着が多くなり、凝着の厚さも大きくなる。これに伴い、ショルダ部材12およびクランプ部材54が互いに動作するときの負荷が大きくなり、回転工具51の寿命低下の可能性が高くなる。
このような結果から、本発明においては、ピン部材11およびショルダ部材12のクリアランスも、ショルダ部材12およびクランプ部材54のクリアランスも、いずれも0.01mm以上0.1mm以下であればよいが、0.01mmを超え0.05mm未満の範囲内であることが好ましく、0.03mm前後(例えば0.03±0.01mm程度)がより好ましいことがわかる。
なお、本発明は前記実施の形態の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態や複数の変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明は、様々な被接合物を摩擦攪拌接合または摩擦攪拌点接合する場合に、広く好適に用いることができる。
11 ピン部材
11a (ピン部材の)当接面
11b (ピン部材の)外周面
12 ショルダ部材
12a (ショルダ部材の)当接面
12b (ショルダ部材の)内周面
12c (ショルダ部材の)外周面
12d ピン部材内挿孔(ショルダ部材の貫通孔)
50 (複動式)摩擦攪拌接合装置
51 回転工具(接合ツール)
54 クランプ部材
54a (クランプ部材の)当接面
54b (クランプ部材の)内周面
54d ショルダ部材内挿孔(クランプ部材の貫通孔)
56 裏当て部材
56a 支持面
60 被接合物

Claims (10)

  1. 被接合物を部分的に攪拌することにより接合する複動式摩擦攪拌接合または複動式摩擦攪拌点接合に用いられ、前記被接合物を攪拌するために軸線周りに回転し、かつ、当該軸線方向に進退移動可能に構成されている接合ツールであって、
    円柱状であって前記被接合物への当接面および外周面が、前記被接合物に対する非親和性を有するピン部材と、
    当該ピン部材の外側に位置し、かつ、当該ピン部材の外側を囲う円筒形状であって、当該ピン部材と同一の軸線周りに回転し、当該ピン部材に面する内周面および外周面が、前記被接合物に対する非親和性を有しており、かつ、前記被接合物への当接面のみ、前記被接合物に対する親和性を有しているショルダ部材と、
    から構成されている、
    接合ツール。
  2. 前記ショルダ部材の外側に位置し、前記被接合物を一方の面から押圧するクランプ部材をさらに備え、
    当該クランプ部材における前記被接合物への当接面と、当該クランプ部材における前記ショルダ部材の前記外周面に面する内周面とが、前記被接合物に対する非親和性を有している、
    請求項1に記載の接合ツール。
  3. 前記被接合物に対する非親和性を有する状態は、ダイヤモンドあるいは水素フリーダイヤモンドライクカーボンによるコーティングで実現されている、
    請求項1に記載の接合ツール。
  4. 前記被接合物が、少なくともアルミニウムまたはその合金で構成されている、
    請求項3に記載の接合ツール。
  5. 前記被接合物に対する非親和性を有する状態とは、表面処理、ツール材質の変更、あるいは、ツール材料の性質の変更により実現される、
    請求項1に記載の接合ツール。
  6. 少なくともアルミニウムまたはその合金で構成される被接合物を部分的に攪拌することにより接合する複動式摩擦攪拌接合または複動式摩擦攪拌点接合に用いられ、前記被接合物を攪拌するために軸線周りに回転し、かつ、当該軸線方向に進退移動可能に構成されている接合ツールであって、
    円柱状であって前記被接合物への当接面および外周面が、ダイヤモンドあるいは水素フリーダイヤモンドライクカーボンによりコーティングされているピン部材と、
    当該ピン部材の外側に位置し、かつ、当該ピン部材の外側を囲う円筒形状であって、当該ピン部材と同一の軸線周りに回転し、当該ピン部材に面する内周面および外周面が、ダイヤモンドあるいは水素フリーダイヤモンドライクカーボンによりコーティングされており、かつ、前記被接合物への当接面のみ、ダイヤモンドあるいは水素フリーダイヤモンドライクカーボンではコーティングされていないショルダ部材と、
    から構成されている、
    接合ツール。
  7. 前記ショルダ部材の外側に位置し、前記被接合物を一方の面から押圧するクランプ部材をさらに備え、
    当該クランプ部材における前記被接合物への当接面と、当該クランプ部材における前記ショルダ部材の前記外周面に面する内周面とが、ダイヤモンドあるいは水素フリーダイヤモンドライクカーボンによりコーティングされている、
    請求項6に記載の接合ツール。
  8. 被接合物を部分的に攪拌することにより接合する複動式摩擦攪拌接合または複動式摩擦攪拌点接合に用いられ、前記被接合物を攪拌するために軸線周りに回転し、かつ、当該軸線方向に進退移動可能に構成されている接合ツールであって、
    円柱状のピン部材と、
    当該ピン部材の外側に位置し、かつ、当該ピン部材を囲う円筒形状であって、当該ピン部材と同一の軸線周りに回転するショルダ部材と、
    から構成され、
    前記ピン部材の外径をピン外径とし、前記ショルダ部材における前記ピン部材を内挿する貫通孔の内径をショルダ内径としたときに、
    前記ピン部材および前記ショルダ部材のクリアランスは、前記ピン外径と前記ショルダ内径との差分が0.01mm以上0.1mm以下の範囲内になるように設定されている、
    接合ツール。
  9. 前記ショルダ部材の外側に位置し、前記被接合物を一方の面から押圧するクランプ部材をさらに備え、
    前記ショルダ部材の外径をショルダ外径とし、前記クランプ部材における前記ショルダ部材を内挿する貫通孔の内径をクランプ内径としたときに、
    前記ショルダ部材および前記クランプ部材のクリアランスは、前記ショルダ外径と前記クランプ内径との差分が0.01mm以上0.1mm以下の範囲内になるように設定されている、
    請求項8に記載の接合ツール。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載の接合ツールを備え、複動式摩擦攪拌接合または複動式摩擦攪拌点接合に用いられる、
    接合装置。
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