JP2012139695A - 被覆回転ツール - Google Patents

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秀樹 森口
Yoshiharu Uchiumi
慶春 内海
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博香 宮崎
Yoshinori Miyanaga
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Abstract

【課題】鋼材料のような高融点材料の接合にも、被覆層が酸化しにくくなるとともに、基材の酸化を防止し、もってツール寿命を向上した摩擦攪拌接合用ツールを提供する。
【解決手段】本発明の摩擦攪拌接合用ツールは、基材と、該基材上に形成された被覆層とを有し、該被覆層は、該被覆層の表面から基材に達する亀裂がなく、かつ1層または2層以上の窒化物層を含み、被覆層を構成する少なくとも1層の窒化物層は、1000℃以上の耐酸化性を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、摩擦攪拌接合用ツールに関する。
1991年の英国において、アルミニウム合金などの金属材料同士を接合する摩擦攪拌接合技術が確立された。本技術は、接合を目的とする金属材料同士の接合面において、先端に小径突起部が形成された円柱状の摩擦攪拌接合用ツールを押圧しながら回転させることにより、摩擦熱を発生させて、当該摩擦熱により接合部分の金属材料を軟化させて塑性流動させることにより、金属材料同士を接合するという技術である。
ここで、「接合部分」とは、金属材料を突き合わせたり、金属材料を重ねて設置させたりすることにより、それらの金属材料の接合が所望される接合界面部分をいう。この接合界面付近において、金属材料が軟化されて塑性流動が起こり、その金属材料が攪拌されることによってその接合界面が消滅し、接合が行なわれる。さらに、同時にその金属材料に動的再結晶が起こるので、この動的再結晶により接合界面付近の金属材料が微粒化することとなり、金属材料同士を高強度に接合することができる(特許文献1)。
このような金属材料としてアルミニウム合金を用いる場合、500℃程度の比較的低温で塑性流動が生じるため、安価な工具鋼からなる摩擦攪拌接合用ツールを用いても、その傷みが少なく頻繁にツールを交換しなくてもよい。このため摩擦攪拌接合技術は、アルミニウム合金を接合するのに要するコストが低廉であることから、アルミニウム合金を溶融させて接合する抵抗溶接法に代わる接合方法として、鉄道車両や自動車、飛行機の構造部品の接合技術として既に様々な用途で実用化されている。
現在のところ、摩擦攪拌接合技術は、アルミニウム合金、マグネシウム合金等のような比較的低温で塑性流動が生じる非鉄金属に主として適用されている。このような摩擦攪拌接合技術は、接合に要するコストおよび時間、接合部分の強度等の面で、抵抗溶接法に比して優れている。このため、低温で塑性流動が生じる材料の接合のみに留まらず、1000℃以上の高温で塑性流動が生じるような銅合金や鉄鋼材料の接合にも適用したいというニーズがある。
しかし、摩擦攪拌接合技術を鉄鋼材料に適用した場合、摩擦攪拌接合用ツール自体も接合時に高温に晒されることとなり、摩擦攪拌接合用ツールに塑性変形が起こるとともに、摩擦攪拌接合用ツールの被接合材に接触する部分が容易に酸化されて摩耗し、ツール寿命が非常に短くなるという問題があった。
このような問題を解決するための試みとして、たとえば特許文献1には、摩擦攪拌接合用ツールの表面のうち被接合材と接触する部分にダイヤモンド膜を被覆することにより、その表面硬度を高めるとともに被接合材であるAl合金、Mg合金等の低融点の軽合金成分が摩擦攪拌接合用ツールに溶着することを抑制し、以って摩擦攪拌接合用ツールを長寿命化する技術が開示されている。特許文献1に開示される摩擦攪拌接合用ツールは、たしかにAl合金、Mg合金等の低融点の軽合金の接合において、その表面の耐摩耗性を向上させることができ、摩擦攪拌接合用ツールを長寿命化することができる。
かかるダイヤモンド膜は低温時の接合においては抜群の耐摩耗性を発揮するものの、鉄鋼材料のように1000℃を超える融点を有する材料を摩擦攪拌接合すると、容易に酸化してしまい、十分な耐摩耗性を発揮できない問題があった。
そこで、高温時の接合にも対応できる摩擦攪拌接合用ツールとして、特許文献2では、工具鋼に代えて、立方晶窒化硼素(以下、「cBN」とも記す)焼結体などの超高圧焼結体を摩擦攪拌接合用ツールに適用することが提案されている。しかしながら、そもそもcBN焼結体は高価な材料であるため、これを用いた摩擦攪拌接合用ツールはコストの観点から実用化が進みにくいと考えられている。
また、摩擦攪拌接合ツールの表面の劣化を抑制するための別の試みとして、特許文献3には基材上に、下地層を設け、当該下地層上にTiN、TiAlN等からなる付着阻止皮膜を設けた摩擦攪拌接合用ツールが開示されている。このような摩擦攪拌接合用ツールは、長時間使用しても被接合材の金属成分(アルミニウム)が凝着することを防止できることから、安定した加工を継続することができる。
特開2003−326372号公報 特表2003−532542号公報 特開2005−152909号公報
しかしながら、特許文献3に開示される摩擦攪拌接合用ツールを、鋼のような融点が1000℃以上の難接合材の接合に用いた場合には、摩擦攪拌接合用ツールの表面温度が1000℃以上の高温に曝され、Al合金、Mg合金などの被接合材を摩擦攪拌接合する場合に比して、被覆層の酸化によって格段に摩耗の進行が早く、ツール寿命が短いものであった。また、上記難接合材の接合時に、摩擦攪拌接合用ツールの被覆層の摩耗によって発生する摩耗粉が、被接合材の接合部分に混入し、その混入部分を起点とする破壊が生じやすく、被接合材の接合強度が低下するという問題もあった。
本発明は、上記のような現状に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、鋼材料のような高融点材料の接合にも、被覆層が酸化しにくくなるとともに、基材の酸化を防止し、もってツール寿命を向上した摩擦攪拌接合用ツールを提供することである。
本発明の摩擦攪拌接合用ツールは、基材と、該基材上に形成された被覆層とを有し、該被覆層は、該被覆層の表面から基材に達する亀裂がなく、かつ1層または2層以上の窒化物層を含み、被覆層を構成する少なくとも1層の窒化物層は、1000℃以上の耐酸化性を有することを特徴とする。
上記の被覆層を構成する少なくとも1層の窒化物層は、Al1-xxNからなり、Mは、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、およびWからなる群より選択された1種以上の元素であり、xは、0.01以上0.25以下であることが好ましい。
被覆層を構成する少なくとも1層の窒化物層は、Cr1-yMeyNからなり、Meは、Ti、Zr、Hf、Nb、Mo、W、およびVからなる群より選択された1種以上の元素であり、yは、0.01以上0.25以下であることが好ましい。
被覆層を構成する少なくとも1層の窒化物層は、Ti1-zMjzNからなり、Mjは、Hf、Nb、Mo、およびWからなる群より選択された1種以上の元素であり、zは、0.01以上0.2以下であることが好ましい。
被覆層を構成する少なくとも1層の窒化物層は、1原子%以上10原子%以下のSiを含む事が好ましい。
被覆層を構成する少なくとも1層の窒化物層は、Al、Cr、Hf、Ta、およびTiから選ばれた1種以上の元素と、1原子%以上10原子%以下のSiとの窒化物からなることが好ましい。被覆層は、その層厚が10μm以上であることが好ましく、物理蒸着法により形成されることが好ましい。
本発明は、上記の摩擦攪拌接合用ツールを用いた被接合材の接合方法であって、該接合は、融点が1000℃以上の被接合材に対して行なうことを特徴とするものである。
本発明の摩擦攪拌接合用ツールは、上記のような構成を有することにより、鋼材料のような高融点材料の接合にも、被覆層が酸化しにくくなるとともに、基材の酸化を防止し、もってツール寿命を向上させるという効果を示す。
本発明の摩擦攪拌接合用ツールの一例を示す概略断面図である。 本発明の摩擦攪拌接合用ツールの一例を示す概略断面図である。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
<摩擦攪拌接合用ツール>
本発明は、摩擦攪拌接合用ツールに係わるものである。図1は、本発明の摩擦攪拌接合用ツールの概略断面図である。本発明の摩擦攪拌接合用ツール1は、図1に示されるように、基材2と、該基材2上に形成される被覆層3とを備えるものである。このような構成を有する本発明の摩擦攪拌接合用ツール1は、たとえば線接合(FSW:Friction Stir Welding)用途、点接合(スポットFSW)用途等に極めて有用に用いることができる。なお、本発明の摩擦攪拌接合用ツール1は、小径(たとえば直径2mm以上8mm以下)のプローブ部4と、大径(たとえば直径4mm以上20mm以下)の円柱部5とを備えた形状を有し、これを接合に用いる場合、プローブ部4が被接合材の接合部分に挿入または押圧された状態で回転されることにより、被接合材が接合されることとなる。この場合、線接合用途では、積層もしくは線接触状に突き合わされた2つの被接合材にプローブ部4を押圧もしくは挿入させ、回転するプローブ部4を当該積層もしくは突き合わされた部分に対して直線状に移動させることにより被接合材同士を接合する。一方、点接合用途では、上下に積層、もしくは突き合わされた2つの被接合材の所望の接合箇所に回転するプローブ部4を押圧し、その場所でプローブ部4を引き続き回転させることにより、被接合材同士を接合する。
本発明は、摩擦攪拌接合用ツールに係わるとともに、摩擦攪拌接合用ツールを用いた被接合材を接合する方法にも係わり、接合は、融点が1000℃以上の被接合材に対して行なうことができることを特徴とする。本発明の摩擦攪拌接合用ツールは、従来では摩擦攪拌接合用ツールによる接合が困難と考えられていた融点が1000℃以上の被接合材に対しても接合を行なうことができ、極めて優れた産業上の利用性を有するものである。
このように本発明の摩擦攪拌接合用ツール1は、各種用途に用いることができるものであるが、とりわけ従来において抵抗溶接法が主として用いられていた高張力鋼の接合に好適に用いることができる。すなわち、本発明の摩擦攪拌接合用ツール1は、このような高張力鋼の接合用途において、従来の抵抗溶接法に代替する手段を提供するものであり、摩擦攪拌接合では、固相状態で被接合材が接合される上に、接合部分に動的再結晶が生じることから、組織が微細化し、以って接合中に被接合材が液相となる従来の抵抗溶接法に比し、接合部分の強度を向上させたものである。したがって、本発明の摩擦攪拌接合用ツールは、高比強度の高張力鋼、特に980MPa以上の超高張力鋼の接合に極めて有効に使用し得るものである。しかも、このような超高張力鋼を点接合する場合にも、摩擦攪拌接合用ツールに酸化による摩耗が生じにくい。以上のような本発明の摩擦攪拌接合用ツールは、高融点の材料からなる被接合材の接合にも好適に用いることができる。
図2は、本発明の摩擦攪拌接合用ツールの好ましい一つの形態の概略断面図である。本発明の摩擦攪拌接合用ツール1は、図2に示されるように、円柱部5がホルダーにチャックされるようにチャック部7を有していることが好ましい。かかるチャック部7は、たとえば円柱部5の側面の一部が削られることにより形成することができる。一方、接合加工時に被接合材と接する部分のことをショルダー部6ともいう。
本発明の摩擦攪拌接合用ツール1は、基材2と、該基材2上であってチャック部7を含む部位の全面または部分に被覆層3とを備えることを特徴とする。基材2上のチャック部7の表面に被覆層3を形成しない場合には、摩擦熱の伝導により高温になった摩擦攪拌接合用ツール1の熱を、それが接するホルダーに逃がすことができ、以って基材2を高温になりにくくすることができる。このように基材2が高温になることを防止することにより、摩擦攪拌接合用ツール1の耐塑性変形性および耐摩耗性を向上させることができる。また、チャック部7に被覆層3を形成しないことにより、摩擦攪拌接合ツールのホルダーへの締結強度および安定性を高めることができる。基材2上のチャック部7の表面に被覆層3を形成する場合には、被覆層3の熱伝導率が小さいため、基材2の熱がホルダーに伝熱しにくくなり、もって基材2を高温に保つことができる。このように基材2からホルダーに熱が伝熱することを防止することにより、摩擦攪拌接合用ツールの回転数または押し付け荷重を大きくせずとも、被接合材に塑性流動を起こさせることができる。この結果、接合装置の負荷を低減することができ、もって省エネルギーにつながることとなる。
<基材>
本発明の摩擦攪拌接合用ツールの基材2としては、このような接合加工用の基材2として知られる従来公知のものを特に限定なく使用することができる。たとえば、超硬合金(たとえばWC基超硬合金、WCの他、Co、Niを含み、あるいはさらにTi、Ta、Nb等の炭窒化物等を添加したものも含む)、サーメット(TiC、TiN、TiCN等を主成分とするもの)、高速度鋼、工具鋼、セラミックス(炭化チタン、炭化硅素、窒化硅素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、サイアロン、およびこれらの混合体など)、立方晶型窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体、cBN粒子が分散した硬質材料、耐熱合金等をこのような基材2の例として挙げることができる。
基材2として超硬合金を使用する場合、そのような超硬合金は、組織中に遊離炭素やη相と呼ばれる異常相を含んでいても本発明の効果は示される。
<被覆層>
本発明の摩擦攪拌接合用ツールにおいて、基材2上に形成された被覆層3は、該被覆層3の表面から基材2に達する亀裂がなく、かつ1層または2層以上の窒化物層を含み、被覆層3を構成する少なくとも1層の窒化物層は、1000℃以上の耐酸化性を有することを特徴とする。このように被覆層3の表面から基材2に達する亀裂がないことにより、鋼などの高融点材料を摩擦攪拌接合したときに、被覆層中の亀裂を通じて、基材2が酸化するのを防ぐことができる。ここで、本発明における「亀裂」とは、被覆層の表面から基材にかけて欠損している部分を意味し、0.1μm以上の幅を有するものをいう。このような亀裂は、被覆層の断面を走査電子顕微鏡(SEM)等で観察することによって確認する。なお、上記の亀裂には、被覆層の表面から基材にかけて欠損していても、その欠損の幅が0.1μm未満のもの、もしくは被覆層の表面のみの欠損であって、その欠損が基材に達していないものは含まれない。
本発明の被覆層3は、その層厚が10μm以上であることが好ましい。このような厚みとすることにより耐摩耗性が向上し、ツール寿命を大幅に延長することが可能となる。本発明の被覆層の層厚は、5μm以上30μm以下とすることがより好ましく、さらに好ましくは10μm以上20μm以下とすることである。これにより、ツール寿命をさらに延長することができるとともに、耐欠損性にも優れたものとすることができる。なお、本発明において、被覆層3の厚みとは、摩擦攪拌接合用ツールの表面のいずれかの部分における被覆層の厚みをいい、たとえば摩擦攪拌接合用ツールの基材上に形成された被覆層の厚みのうち、プローブ部の先端における被覆層の厚みをいう。
また、本発明の被覆層は、基材の全面を覆うようにして形成されていることが好ましいが、基材の一部が被覆層により覆われていなかったり、基材上のいずれかの部分において被覆層の構成が異なっていたとしても、本発明の範囲を逸脱するものではない。なお、本発明における被覆層は、上記のとおり少なくとも基材上であって、接合加工時に被接合材と接する部分に少なくとも形成されることがより好ましい。
このような被覆層3は、上記のような特性を付与するために設けられるものであるが、この特性以外にも摩擦攪拌接合用ツール1の耐摩耗性、靭性、使用済みプローブの識別のための色付性等の諸特性を向上させる作用を付与することができることが好ましい。
<窒化物層>
本発明において、被覆層3に含まれる窒化物層は、優れた耐酸化性および耐摩耗性を有するため、難接合材の接合加工においても、摩耗が進行しにくいという優れた性質を示すものである。このような窒化物層の少なくとも1層は、とりわけ被覆層の耐酸化性を向上させるために、1000℃以上の耐酸化性を有することを特徴とする。好ましくは、被覆層を構成する窒化物層の全てが1000℃以上の耐酸化性を有することである。1000℃以上の耐酸化性を有することにより、接合工程中で被覆層が酸化して摩耗しやすくなったり、チッピング剥離したりすることを防止することができ、ツール寿命を長寿命化することができる。
ここで、「1000℃以上の耐酸化性を有する」とは、熱分析−示差熱熱重量同時測定(TG/DTA:Thermogravimetry/Differential Thermal Analysis)装置を用いて大気中で被覆層を評価したときに、被覆層の重量が増加する温度が1000℃以上であることを意味する。
特に、1000℃以上の耐酸化性を有する窒化物層の組成としては、TiMoSiN、TiSiN、AlWN、AlWSiN、AlTaN、AlTaSiN、AlHfN、AlHfSiN、AlMoN、AlMoSiN、AlNbSiN、AlZrN、AlZrSiN、AlSiN、VSiN、CrVN、CrMoN、CrSiN、CrZrN、CrAlN、CrWSiN、CrTiSiN、AlTiSiN、AlTiCrN、CrAlN、CrAlSiN、TiHfSiN、TiWSiN、TiAlSiN等を挙げることができる。
以下において、窒化物層の組成が化学式PxyzNで表わされる場合、x、y、zはそれぞれx、y、およびzの合計を1としたときの各金属の元素比(原子比)を示す。かかる元素比は、走査型二次電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)に付帯のEDX(エネルギー分散型ケイ光X線分析)、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)に付帯のEDX、WDX型EPMA(波長分散型X線マイクロアナライザー)、XPS(X線光電子分光)等のよく知られた方法にて求めることができる。ただし、被覆層の断面を分析することにより各層の組成分析が可能であるという観点から、SEM付帯のEDXまたはTEM付帯のEDXを用いることが好ましい。以下においては、窒化物層の好適な組成を述べる。
被覆層は、Al1-xxNからなる窒化物層を1層以上含むことが好ましい。ここで、Mは、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、およびWからなる群より選択された1種以上の元素であり、xは、0.01以上0.25以下であることが好ましい。より好ましくは、xが0.1以上0.2以下である。このような窒化物層は、耐酸化性に優れるため、融点が1000℃以上の被接合材の接合において、優れたツール寿命を発揮する。上記のMの原子比が0.01未満であると、被覆層の耐酸化性を十分に得ることができず、0.25を超えると、逆に耐酸化性が低下するため好ましくない。このようなAlを含む窒化物層の組成としては、Al0.9Mo0.1N、Al0.99Nb0.01N、Al0.97Zr0.03N、Al0.85Ta0.15N、Al0.750.25N、Al0.9Hf0.1Nなどを挙げることができる。
また、被覆層は、Cr1-yMeyNからなる窒化物層を1層以上含むことが好ましい。ここで、Meは、Ti、Zr、Hf、Nb、Mo、W、Al、およびVからなる群より選択された1種以上の元素であり、yは、0.01以上0.25以下であることが好ましい。より好ましくは、yが0.1以上0.2以下である。このような窒化物層は、耐酸化性に優れるため、融点が1000℃以上の被接合材の接合において、優れたツール寿命を発揮する。上記のMeの原子比が0.01未満であると、被覆層の耐酸化性を十分に得ることができず、0.25を超えると、逆に耐酸化性が低下するため好ましくない。このようなCrを含む窒化物層の組成としては、Cr0.85Ti0.15N、Cr0.80.2N、Cr0.97Zr0.03N、Cr0.8Al0.2N、Cr0.90.1N、Cr0.85Mo0.15N、Cr0.99Nb0.01Nなどを挙げることができる。
被覆層は、Ti1-zMjzNからなる窒化物層を1層以上含むことが好ましい。ここで、Mjは、Hf、Nb、Mo、およびWからなる群より選択された1種以上の元素であり、zは、0.01以上0.2以下であることが好ましい。より好ましくは、zが0.1以上0.15以下である。このような窒化物層は、耐酸化性および耐摩耗性に優れるため、融点が1000℃以上の被接合材の接合において、優れたツール寿命を発揮する。Mjが0.01未満であると、被覆層の耐酸化性を十分に得ることができず、Mjが0.2を超えると、逆に耐酸化性が低下するため好ましくない。このようなTiを含む窒化物層の組成としては、Ti0.9Hf0.1N、Ti0.85Mo0.15N、Ti0.8Nb0.2N、Ti0.990.01Nなどを挙げることができる。このようなTi1-zMjzNからなる窒化物層は、Tiを主成分として含むことが好ましく、上記のようなAl1-xxNまたはCr1-yMeyNからなる窒化物層に対し、Tiを主成分として含む窒化物層を積層することにより、特に優れた耐酸化性および耐摩耗性を有する摩擦攪拌接合用ツールとすることができる。
上記の被覆層を構成する少なくとも1層の窒化物層は、1原子%以上10原子%以下のSiを含むことが好ましい。このような原子比でSiを含むことにより、さらに優れた耐酸化性を発揮し、特に1000℃以上の融点の被接合材の接合においてツール寿命を長寿命化することができる。Siの原子比が1原子%未満であると、耐酸化性を向上する効果を十分に得ることができず、10原子%を超えると、耐酸化性を向上させることはできるが、1000℃以上の融点を有する代表的な被接合材である鋼に対しての化学的な反応性が大きくなり、被覆層の耐摩耗性を低下させる場合がある。
被覆層を構成する少なくとも1層の窒化物層は、Al、Cr、Hf、Ta、およびTiから選ばれた1種以上の元素と、1原子%以上10原子%以下のSiとの窒化物からなることが好ましい。このような窒化物層は、耐酸化性および耐摩耗性に優れるとともに、融点が1000℃以上の被接合材の接合において優れたツール寿命を発揮する。このような窒化物層の組成としては、Al0.92Si0.08N、Cr0.99Si0.01N、Ta0.9Si0.1N、Ti0.9Si0.1N、Ti0.5Al0.45Si0.05N、Cr0.8Al0.17Si0.03Nなどを挙げることができる。
上記で述べた全ての窒化物層は、酸素を含んでいてもよいし、炭素を含んでいてもよい。酸素を含むことにより、耐酸化性を向上させることができ、炭素を含むことにより、耐摩耗性を向上させることができる。
上記の窒化物層の層厚は、1μm以上50μm以下であることが好ましく、より好ましくは、10μm以上20μm以下である。このような層厚とすることにより、鋼などの高融点材料を摩擦攪拌接合したときに、被覆層の摩耗によって生じる摩耗粉の粒径を小さくすることができる。このため、被接合材の接合部分に摩耗粉が混入されても、この摩耗粉を起点とした破壊が生じにくくなり、接合強度を向上させることができる。上記窒化物層の層厚を1μm未満とすると、耐摩耗性が不足し、50μmを超えると、被覆層の摩耗粉を十分小さくすることができない。なお、本発明において、窒化物層の層厚は、窒化物層の断面をSEMを用いて算出した値を採用するものとする。
<被覆層の形成方法>
本発明において、被覆層3のうちの少なくとも一層は、基材2との密着性が高いように被覆されている必要があるため、基材2との密着性が高い成膜プロセスにより形成されていることが好ましい。このような成膜プロセスとしては、従来公知のいかなる成膜プロセスをも用いることができ、たとえばPVD(物理蒸着)法などの2以上の従来公知の成膜プロセスを組み合わせてもよい。
これらの成膜プロセスの中でも、被覆層3をコーティングした後に被覆層中に亀裂が入りにくいことにより、耐酸化性を向上させることができるという観点から、PVD法を用いることが特に好ましい。被覆層に亀裂が入ると、接合工程において摩擦攪拌接合用ツールが1000℃以上の高温に曝されたときに、亀裂を介して酸素が基材に到達し、基材が酸化されて工具損傷を加速させてしまうことから、被覆層中に亀裂を形成しないようにすることが極めて重要である。その点でPVD法は、非常に有利である。さらに、PVD法は、低温で被覆層3を形成することができるとともに、被覆層3に歪みを与えながら成膜することができるため、結晶粒を微粒子化しやすい傾向があり、被覆層が摩耗したときでも摩耗粉のサイズが小さいという利点を有する。
本発明において好適に用いられるPVD法としては、従来公知のPVD法を特に限定することなく用いることができる。このようなPVD法としては、たとえばスパッタリング法、アークイオンプレーティング法、蒸着法等を挙げることができる。特に、アークイオンプレーティング法またはマグネトロンスパッタリング法を採用することが好ましい。
また、基材2に対して小さな基板バイアス電圧をかけると、被覆層3を構成する元素がイオン状態で基材に対して低エネルギーで供給され、このためこれら両者が衝突するときの衝撃が小さくなり、成膜される被覆層中の圧縮残留応力が小さくなり、結果として被覆層3の耐チッピング性を向上し、5μmもしくは10μmよりも厚い被覆層を形成しても、摩擦攪拌接合中の膜自体の破壊を抑制することができる。
また、被覆層3を形成する前のボンバード処理は、基材2と被覆層3との界面領域における、被覆層3に含まれる結晶粒と基材に含まれるWCの結晶粒との整合性を高めるのに重要な工程である。具体的には、アルゴンガスの導入後基板バイアス電圧を−1500Vに維持し、Wフィラメントによる熱電子を放出させながら超硬合金基材の表面をボンバード処理した後、被覆層3を形成することにより、基材2と被覆層3との界面領域において、被覆層3に含まれる結晶粒と基材に含まれるWCなどの硬質相粒子の結晶粒とが整合性を有したものとすることができる。
これは、ボンバード処理により界面領域のWCなどの硬質相粒子の結晶粒の表面の汚れや酸化層を除去できるとともに、硬質相粒子の結晶粒の表面の活性度が高まることにより、被覆層の結晶粒が硬質相粒子の結晶粒と整合性をもって成長するためではないかと考えられる。このように被覆層に含まれる結晶粒と基材に含まれる硬質相粒子の結晶粒との整合性が高まることにより、被覆層と硬質相粒子の結晶粒(すなわち基材)との結合力が強固なものとなって優れた耐剥離性を実現できる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の被覆層の厚みは、SEMを用いて、その断面を直接観察することにより測定した。また、本発明において、窒化物層を構成する各金属の元素比(原子比)は、SEM付帯のEDX、EPMAを用いることにより求めた。
なお、以下では被覆層をカソードアークイオンプレーティング法により形成しているが、たとえばバランスドまたはアンバランスドスパッタリング法によっても被覆層を形成することは可能である。
<実施例1〜42、比較例1〜12>
各実施例および各比較例では、図1に示される摩擦攪拌接合用ツールを作製した。本実施例の摩擦攪拌接合用ツールは、直径10mmで高さが20mmの略円柱形状の円柱部5と、その円柱部5の先端中央部に円柱部5と同心に突設されたプローブ部4とを有しており、当該プローブ部4は、直径4mmで高さが2mmの略円柱形状のものである。
まず、摩擦攪拌接合用ツールの基材として、上記のようなツール形状を有し、以下の表1に示す材質の基材(基材No.1)を用意した。なお、該基材は、超硬合金からなるものであって、WCの結晶粒を含み、この結晶粒の平均粒径(基材表面(被覆層との界面部分)のもの)は、表1記載の通りであった。
Figure 2012139695
続いて、真空ポンプにより該装置のチャンバー内を減圧するとともに、該装置内に設置されたヒーターにより上記基材の温度を450℃に加熱し、チャンバー内の圧力が1.0×10-4Paとなるまで真空引きを行なった。
次に、アルゴンガスを導入してチャンバー内の圧力を3.0Paに保持し、上記基材の基板バイアス電源の電圧を徐々に上げながら−1500Vとし、Wフィラメントを加熱して熱電子を放出させながら基材の表面のクリーニングを15分間行なった。その後、アルゴンガスを排気した。
次いで、上記基材上に直接接するように形成される被覆層として、たとえば実施例1では、Al0.98Zr0.02NとAl0.6Ti0.4Nとが、下記表2の「膜厚」の欄に記載されている厚みでそれぞれ形成されるように、予め金属蒸発源である合金製ターゲットをセットした。そして、反応ガスとして窒素ガスを導入しながら、反応ガス圧を4.0Paとし、基材バイアス電圧および基材の温度を変化させることにより、カソード電極に100Aのアーク電流を供給し、アーク式蒸発源から金属イオンを発生させることにより、基材の直上にAl0.98Zr0.02Nからなる窒化物層を形成し、さらに該窒化物層の直上に、Al0.6Ti0.4Nからなる窒化物層を形成した。なお、各実施例および各比較例においては、基材の直上に、表2〜8の「下層」の欄に示される組成の窒化物層を形成し、該下層上に表2〜8の「上層」の欄に示される組成の窒化物層を形成することにより、摩擦攪拌接合用ツールを作製した。なお、表2〜8の「製法」の欄には、下層および上層を形成した方法を示した。すなわち、PVD法を用いて窒化物層を形成した場合は「PVD」とし、CVD法を用いて窒化物層を形成した場合は「CVD」とした。
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<摩擦攪拌接合用ツールの評価>
上記で作製した各実施例および各比較例の摩擦攪拌接合用ツールの被覆層の重量が増加する温度を、TG/DTA装置(製品名:TG−DTA2020SA(ブルカー株式会社製)を用いて測定し、その結果を表2〜8の「耐酸化性」に示した。表2〜8の「耐酸化性」の欄には、被覆層の重量が増加する温度が1000℃以上であったときに「あり」と記し、その温度が1000℃未満であったときに「なし」と記した。
また、被覆層の断面をSEMで観察することにより、被覆層に亀裂があるか否かを確認し、その結果を表2〜8の「亀裂」に示した。表2〜8の「亀裂」の欄には、0.1μm以上の幅であって、かつ基材に達する亀裂が被覆層に確認されたときに「あり」と記し、被覆層に亀裂が確認されなかったとき、被覆層の表面のみで基材まで達していない亀裂であるとき、または0.1μm未満の幅の亀裂のみが被覆層に確認されたときには「なし」と記した。
各実施例および各比較例の摩擦攪拌接合用ツールのそれぞれについて、上記の表1に示す条件による点接合(スポットFSW)を行なうことにより耐摩耗性の評価を行なった。該評価は、表2〜表7においては1000スポットの点接合を、表8においては3000スポットの点接合を行なった後に、プローブ部の長さを測定し、プローブ部長さの摩耗量(長さの減少量)を測定することにより行なった。かかる耐摩耗性の評価結果を表2〜8の「寸法変化量」の欄に示す。寸法摩耗量の値が小さいほど、耐摩耗性が優れていることを示している。
表2に示す結果から、実施例1〜12の摩擦攪拌接合用ツールは、比較例1〜8のそれに比して、寸法変化量が減少していることが明らかである。これは、実施例1〜12の摩擦攪拌接合用ツールの被覆層を構成する窒化物層が1000℃以上の耐酸化性を有するものを用いたことにより、被覆層の耐酸化性が向上し、もって耐摩耗性に優れたものになったことによるものと考えられる。
一方、比較例1は、被覆層を構成する上層に1000℃以上の耐酸化性を有する組成のものを用いているが、CVD法によって被覆層を構成する上層を形成したため、被覆層の表面から基材に達する亀裂が発生し、基材が酸化しやすくなって欠損が生じたものと考えられる。また、比較例2〜7は、被覆層が1000℃以上の耐酸化性を有しないため、被覆層が酸化して摩耗しやすかったものと考えられる。
表3に示す結果から、実施例13〜18の摩擦攪拌接合用ツールは、比較例9〜10のそれに比して、寸法変化量が減少していることが明らかである。これは、実施例13〜18の摩擦攪拌接合用ツールの上層に含まれるHfの原子比が0.005〜0.25であったため、1000℃以上の耐酸化性を有するのに対し、比較例9〜10のそれの上層に含まれるHfの原子比が0.3〜0.5であったため、1000℃以上の耐酸化性を有しなかったことによるものと考えられる。特に、実施例14〜18においては、上層に含まれるHfの原子比が0.01〜0.25であったため、特に優れた耐酸化性および耐摩耗性を有するものであった。
表4に示す結果から、実施例19〜23の摩擦攪拌接合用ツールは、比較例11〜12のそれに比して、寸法変化量が減少していることが明らかである。これは、実施例19〜23の摩擦攪拌接合用ツールの上層に含まれるMoの原子比が0.005〜0.25であったため、1000℃以上の耐酸化性を有するのに対し、比較例11〜12のそれの上層に含まれるMoの原子比が0.3〜0.5であったため、1000℃以上の耐酸化性を有しなかったことによるものと考えられる。特に、実施例20〜23においては、上層に含まれるMoの原子比が0.01〜0.25であったため、特に優れた耐酸化性および耐摩耗性を有するものであった。
表5に示す結果から、実施例24〜28の摩擦攪拌接合用ツールは、実施例29〜30のそれに比して、寸法変化量が減少していることが明らかである。これは、実施例24〜28の摩擦攪拌接合用ツールの上層に含まれるMoの原子比が0.005〜0.2であったため、1000℃以上の耐酸化性を有するのに対し、実施例29〜30のそれの上層に含まれるMoの原子比が0.25〜0.4であったため、1000℃以上の耐酸化性を有しなかったことによるものと考えられる。特に、実施例25〜28においては、上層に含まれるMoの原子比が0.01〜0.2であったため、特に優れた耐酸化性および耐摩耗性を有するものであった。
表6に示す結果から、実施例31〜33の摩擦攪拌接合用ツールは、実施例34のそれに比して、寸法変化量が減少していることが明らかである。これは、実施例31〜33の下層に含まれるSiの原子比が0.005〜0.1であったため、被接合材に含まれるFeとの反応を抑制でき、耐摩耗性を向上したのに対し、実施例34の下層に含まれるSiの原子比は0.2であり、被接合材に含まれるFeとの反応を抑制できなかったため、耐摩耗性の向上効果が小さくなったことによるものと考えられる。
表7に示す結果から、実施例35〜37の摩擦攪拌接合用ツールは、実施例37、実施例35、実施例36の順に耐摩耗性に優れていた。実施例37の摩擦攪拌接合用ツールの耐摩耗性が最も優れていたのは、被覆層を構成する上層および下層のいずれもが1000℃以上の耐酸化性を有することによるものと考えられる。また、実施例35は、上層のみが耐酸化性を有し、実施例36は、下層のみが耐酸化性を有するものであったため、実施例37のそれに比して耐摩耗性が劣っていたものと推察される。
実施例35のように上層のみが1000℃以上の耐酸化性を有するほうが、実施例36のように下層のみが1000℃以上の耐酸化性を有するよりも、優れた耐摩耗性を有することが明らかとなった。
実施例39〜42のように合計膜厚が10μmを超えるほうが、実施例38のように合計膜厚が10μm未満のものよりも、優れた耐摩耗性を有することが明らかとなった。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 摩擦攪拌接合用ツール、2 基材、3 被覆層、4 プローブ部、5 円柱部、6 ショルダー部、7 チャック部。

Claims (9)

  1. 基材と、該基材上に形成された被覆層とを有し、
    前記被覆層は、該被覆層の表面から前記基材に達する亀裂がなく、かつ1層または2層以上の窒化物層を含み、
    前記被覆層を構成する少なくとも1層の前記窒化物層は、1000℃以上の耐酸化性を有する、摩擦攪拌接合用ツール。
  2. 前記被覆層を構成する少なくとも1層の窒化物層は、Al1-xxNからなり、
    前記Mは、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、およびWからなる群より選択された1種以上の元素であり、
    前記xは、0.01以上0.25以下である、請求項1に記載の摩擦攪拌接合用ツール。
  3. 前記被覆層を構成する少なくとも1層の窒化物層は、Cr1-yMeyNからなり、
    前記Meは、Ti、Zr、Hf、Nb、Mo、W、Al、およびVからなる群より選択された1種以上の元素であり、
    前記yは、0.01以上0.25以下である、請求項1または2に記載の摩擦攪拌接合用ツール。
  4. 前記被覆層を構成する少なくとも1層の窒化物層は、Ti1-zMjzNからなり、
    前記Mjは、Hf、Nb、Mo、およびWからなる群より選択された1種以上の元素であり、
    前記zは、0.01以上0.2以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の摩擦攪拌接合用ツール。
  5. 前記被覆層を構成する少なくとも1層の窒化物層は、1原子%以上10原子%以下のSiを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の摩擦攪拌接合用ツール。
  6. 前記被覆層を構成する少なくとも1層の窒化物層は、Al、Cr、Hf、Ta、およびTiから選ばれた1種以上の元素と、1原子%以上10原子%以下のSiとの窒化物からなる、請求項1〜5のいずれかに記載の摩擦撹拌接合用ツール。
  7. 前記被覆層は、その層厚が10μm以上である、請求項1〜6のいずれかに記載の摩擦攪拌接合用ツール。
  8. 前記被覆層は、物理蒸着法により形成される、請求項1〜7のいずれかに記載の摩擦攪拌接合用ツール。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の摩擦攪拌接合用ツールを用いた被接合材の接合方法であって、
    前記接合は、融点が1000℃以上の被接合材に対して行なう、被接合材の接合方法。
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