JP2016055350A - 被覆回転ツール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の摩擦攪拌接合用ツールは、基材と、該基材上に形成された被覆層とを含むものであって、該被覆層は、2以上の層からなり、かつ被覆層全体として8000J/s0.5・m2・K以下の熱浸透率を有し、被覆層のうちの少なくとも一層は、六方晶型結晶系および/または非晶質を含み、被覆層のうちの少なくとも一層は、立方晶型結晶系を含み、被覆層は、圧縮応力を有することを特徴とする。
【選択図】図2
Description
<摩擦攪拌接合用ツール>
図1は、本発明の摩擦攪拌接合用ツールの概略断面図である。本発明の摩擦攪拌接合用ツール1は、図1に示されるように、基材2と、該基材2上に形成される被覆層3とを備えるものである。このような構成を有する本発明の摩擦攪拌接合用ツール1は、たとえば線接合(FSW:Friction Stir Welding)用途、点接合(スポットFSW)用途等に極めて有用に用いることができる。なお、本発明の摩擦攪拌接合用ツール1は、小径(直径2mm以上8mm以下)のプローブ部4と、大径(直径4mm以上20mm以下)の円柱部5とを備えた形状を有する。これを接合に用いる場合、プローブ部4が被接合材の接合部分に挿入または押圧された状態で回転されることにより、被接合材が接合されることとなる。この場合、線接合用途では、積層もしくは線接触状に突き合わされた2つの被接合材にプローブ部4を押圧もしくは挿入させ、回転するプローブ部4を当該積層もしくは突き合わされた部分に対して直線状に移動させることにより被接合材同士を接合する。一方、点接合用途では、上下に積層、もしくは突き合わされた2つの被接合材の所望の接合箇所に回転するプローブ部4を押圧し、その場所でプローブ部4を引き続き回転させることにより、被接合材同士を接合する。
本発明の摩擦攪拌接合用ツールの基材2としては、このような接合加工用の基材2として知られる従来公知のものを特に限定なく使用することができる。たとえば、超硬合金(たとえばWC基超硬合金、WCの他、Coを含み、あるいはさらにTi、Ta、Nb等の炭窒化物等を添加したものも含む)、サーメット(TiC、TiN、TiCN等を主成分とするもの)、高速度鋼、工具鋼、セラミックス(炭化チタン、炭化硅素、窒化硅素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、サイアロン、およびこれらの混合体など)、立方晶型窒化硼素焼結体、ダイヤモンド焼結体、cBN粒子が分散した硬質材料等をこのような基材2の例として挙げることができる。中でも、Tiの窒化物や炭窒化物を基材に含む場合は、優れた耐酸化性を期待することができるため、高温の酸化環境に曝される摩擦攪拌接合用ツールとして非常に好ましい。
本発明の摩擦攪拌接合用ツールにおいて、基材2上に形成された被覆層3は、2以上の層からなり、かつ被覆層全体として8000J/s0.5・m2・K以下の熱浸透率を有することを特徴とする。このような熱浸透率を有する被覆層3を形成することにより、摩擦攪拌接合用ツールの回転で生じた摩擦熱が基材側に伝導されにくくなるとともに被接合材に伝導しやすくなり、被接合材の昇温を促進し、被接合材の塑性流動を早めることができる。このような被覆層3の熱浸透率は、6000J/s0.5・m2・K以下であることがより好ましく、さらに好ましくは5500J/s0.5・m2・K以下である。なお、本発明において、被覆層3の熱浸透率は、サーモリフレクタンス法を用いた熱物性顕微鏡(製品名:サーマルマイクロスコープTM3(株式会社BETHEL))を用いて算出した値を採用するものとする。本発明の被覆層3が全体として熱遮蔽性を有することにより、摩擦熱が基材に浸透しにくくすることをもって本発明の効果は示される。本発明の被覆層全体として8000J/s0.5・m2・K以下の熱浸透率であることが必須であり、必ずしも被覆層を構成する一層が8000J/s0.5・m2・K以下の熱浸透率でなくてもよい。
本発明の被覆層のうちの少なくとも一層は、上述したように、物理蒸着(PVD:Physical Vapor Deposition)法により形成されることが好ましく、PVD法による限りいずれのPVD法によっても形成することができ、その形成方法の種類は特に限定されない。
本実施例では、図1に示される摩擦攪拌接合用ツールを作製する。本実施例の摩擦攪拌接合用ツールは、直径10mmで高さが20mmの略円柱形状の円柱部5と、その円柱部5の先端中央部に円柱部5と同心に突設されたプローブ部4とを有している。当該プローブ部4は、直径4mmで高さが0.7mmの略円柱形状のものである。
まず、摩擦攪拌接合用ツールの基材として、上記のようなツール形状を有し、以下の表1に示す材質の基材を用意する。なお、該基材は、超硬合金からなるものであって、WCの結晶粒を含み、この結晶粒の平均粒径(基材表面(被覆層との界面部分)のもの)は、表1記載の通りである。
実施例2〜7、9においては、実施例1に比して被覆層の構成および組成が下記の表2に示すように異なる他は、実施例1と同様の方法により摩擦攪拌接合用ツールを作製する。たとえば実施例3においては、基材上に0.05μmの厚みのTi0.5Al0.5N層と、0.05μmの厚みのAl0.75Ti0.25N層とを交互に各120層ずつ積層して合計240層からなる被覆層を形成する。表2の被覆層の組成の欄に、2種の組成が列記されているが、左側に記載された組成のものを先に形成してから、その直上に右側に記載された組成のものを形成することを意味する。
実施例8では、実施例3に対し、プローブ部とショルダー部以外にチャック部にも被覆層を形成することが異なる他は、実施例3と同様にして摩擦攪拌接合用ツールを作製する。
比較例1、3〜5の摩擦攪拌接合用ツールは、被覆層の組成が実施例1の被覆層と表2のように異なる他は実施例1と同様の方法により作製する。また、比較例2の摩擦攪拌接合用ツールは、公知のCVD法を用いて、表2に示す組成の被覆層を表1の基材上に形成することにより作製する。
上記で作製した実施例1〜9および比較例1〜5の摩擦攪拌接合用ツールのそれぞれについて、上記の表1に示す条件による点接合(スポットFSW)を行なうことにより、被接合材への進入速さ、耐摩耗性および耐溶着性を評価する。これらの評価は、A〜Dの4段階またはA〜Cの3段階の評価基準に基づいて行なう。これらの結果を表3に示す。なお、Aが最も優れた性能を示すことを意味する。
被接合材にプローブ部を接触させてから、ショルダー部が被接合材に接触するまでのスポット数に基づいて、以下の評価基準で進入速さの評価を行なう。ここで、スポット数とは、接合点数を意味する。
A:1スポットでショルダー部が被接合材に接触
B:2スポット以上5スポット以下でショルダー部が被接合材に接触
C:6スポット以上10スポット以下でショルダー部が被接合材に接触
D:11スポット以上でショルダー部が被接合材に接触
(耐摩耗性)
1000スポットの点接合(スポットFSW)を行なった後にプローブ部の直径を測定し、その直径減少量(mm)に基づいて、以下の評価基準で耐摩耗性の評価を行なう。
A:摩耗減少量が0.05mm未満
B:摩耗減少量が0.05mm以上0.1mm未満
C:摩耗減少量が0.1mm以上
(耐溶着性)
被接合材を接合加工したときに、被接合材がプローブ部に溶着しているか否かによって、以下の評価基準で耐溶着性の評価を行なう。
A:溶着なし
B:ほとんど溶着なし
C:少し溶着あり
D:多くの溶着あり
Claims (8)
- 基材と、該基材上に形成された被覆層とを含む摩擦攪拌接合用ツールであって、
前記被覆層は、2以上の層からなり、かつ前記被覆層全体として8000J/S0.5・m2・K以下の熱浸透率を有し、Alと、Ti、Si、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、Cr、VおよびWからなる群より選ばれた少なくとも一種以上の元素との窒化物または酸化物からなる化合物、もしくは該化合物の固溶体からなり、
前記被覆層のうちの少なくとも一層は、六方晶型結晶系および/または非晶質を含み、組み合わせる金属に対するAlの原子比が、Tiと組み合わせる場合は65%以上、Vと組み合わせる場合は70%以上、Crと組み合わせる場合は75%以上、WまたはNbと組み合わせる場合は55%以上、Hfと組み合わせる場合は20%以上であり、
前記被覆層のうちの少なくとも一層は、立方晶型結晶系を含み、
前記被覆層は、圧縮応力を有する、摩擦攪拌接合用ツール。 - 前記被覆層は、10以上の層からなる、請求項1に記載の摩擦攪拌接合用ツール。
- 前記被覆層は、100以上の層からなる、請求項1または2に記載の摩擦攪拌接合用ツール。
- 前記被覆層は、10μm以上の厚みである、請求項1〜3のいずれかに記載の摩擦攪拌接合用ツール。
- 前記摩擦攪拌接合用ツールは、ホルダーにチャックされるチャック部を有し、
前記被覆層は、前記基材上であって、前記チャック部に少なくとも形成される、請求項1〜4のいずれかに記載の摩擦攪拌接合用ツール。 - 前記被覆層は、前記基材上であって、接合加工時に被接合材と接する部分に少なくとも形成される、請求項1〜5のいずれかに記載の摩擦攪拌接合用ツール。
- 前記被覆層のうちの少なくとも一層は、物理蒸着法により形成される、請求項1〜6のいずれかに記載の摩擦攪拌接合用ツール。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の摩擦攪拌接合用ツールを用いた被接合材を接合する方法であって、
前記接合は、融点が1000℃以上の被接合材に対して行なう、被接合材を接合する方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018069328A (ja) * | 2016-11-04 | 2018-05-10 | 住友電気工業株式会社 | 摩擦撹拌接合用ツール |
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