JPWO2014024269A1 - 壁面構築方法および壁面構造 - Google Patents

壁面構築方法および壁面構造 Download PDF

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Abstract

従来の壁面構築方法および壁面構造では、壁面の構築作業に多大な手間がかかり、作業効率が良くなかった。本発明では、一段目の各パネル1A1に備えられた第1の係合部材2a,2aは、側方に突出した端部が側方に積み上げられる二段目のパネル1A21のパネル本体1aの背面に当接して、積み上げられる二段目のパネル1A21の背面側へ倒れる力を支える。また、二段目のパネル1A21に備えられた第2の係合部材3a,3aは、下方に突出した端部が既に積まれた下方の一段目のパネル1Bのパネル本体1bの背面に当接して、下端が前面側へ迫り出すのを抑える。従って、二段目のパネル1A21は、積み上げられる際に、第1の係合部材2a,2aと第2の係合部材3a,3aとにより、下方の一段目のパネル1Bのパネル本体1bと側端が揃えられて、上端が低い一段目のパネル1B上に載置される。

Description

本発明は、複数のパネル本体が横方向において上端の高さが交互に異なって並べられ、縦方向において側端が揃えられて所定高さに積み上げられて構成される壁面の壁面構築方法および壁面構造に関するものである。
従来、この種の壁面構築方法および壁面構造としては、例えば、特許文献1に開示されたコンクリートパネル壁面材の組立に関するものがある。
このコンクリートパネル壁面材の組立においては、コンクリートパネルが水平方向に千鳥状に組み立てられ、コンクリートパネルの複数のパネル本体が横方向において上端の高さが交互に異なって並べられる。水平方向に並べられた最下段の各パネルは、それらの間の横方向に水平に添接板が取り付けられて、固定される。また、上端の高さが低いパネルの上端角部と、上端の高さが高い隣のパネルとは、それらの間に斜めに添接板が取り付けられて、固定される。各添接板にはボルト挿通穴が形成されており、ボルトがこのボルト挿通穴およびコンクリートパネルのボルト挿通穴に添接板側から挿通され、反対側にてナットと螺合されることで、各パネル間が固定される。
斜めに取り付けられた添接板にあっては、その中央部がパネルよりやや浮き出した状態になっている。新たに組み込まれるパネルは、この部位にそのコーナー部が当接されて位置決めされ、既に固定されている隣のパネルとの間で添接板が斜めに取り付けられることで、固定される。そして、コンクリートパネルは、縦方向において側端がいも積み状に揃えられて所定高さに積み上げられ、盛土中に埋設される盛土補強部材がその一面側に引っ掛けられて、その一面側に土が盛られる。
特開2005−113543号公報
しかしながら、上記従来の特許文献1に開示された壁面構築方法および壁面構造では、コンクリートパネルを積み上げて壁面を構築する際、添接板およびコンクリートパネルの各ボルト挿通穴に添接板側からボルトを挿通し、反対側にてナットと螺合して各パネルを締結させる作業が必要とされる。この作業は、1枚の添接板当たり2箇所に必要とされ、しかも、上方のパネルを下方のパネルに載置した状態を保って行う必要がある。このため、このような添接板を多数用いる従来の壁面構築方法および壁面構造では、壁面の構築作業に多大な手間がかかり、作業効率が良くなかった。
また、各パネルどうしはボルトで固く剛結されて一体化されるので、柔軟性に劣る。このため、上記従来の壁面構築方法および壁面構造によって構築される壁面が、補強土工法等のフレキシブルな構造体の壁面に使用される場合、パネルの背後にある盛土等が変形したり沈下してパネル背面に荷重が偏ってかかると、ボルトで固く互いに剛結されているパネルはこれらに追従して動くことができない。この結果、壁面を構成する一部のパネルに大きな荷重が局所的にかかり、パネルが破損する場合がある。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、
上端の高さを交互に異ならせ複数横方向に並べられた各パネル本体のうちの上端が低い各パネル本体に次段のパネル本体を側端を揃えて積み上げ、積み上げた次段のパネル本体の上端を側方のパネル本体の上端よりも高くすることで、パネル本体を所定の高さまで積み上げて壁面を構築する壁面構築方法において、
各パネル本体が、上方または側方に突出した端部が上方または側方に積み上げられるパネル本体の一面に当接して積み上げられるパネル本体の一面側へ倒れる力を支える第1の係合部材と、下方または側方に突出した端部が既に積まれた下方または側方のパネル本体の一面に当接して下端が他面側へ迫り出すのを抑える第2の係合部材とを備え、積み上げられる際に、第1の係合部材と第2の係合部材とによって下方のパネル本体と側端が揃えられて上端が低いパネル本体上に載置されることを特徴とする。
また、本発明は、
複数のパネル本体が横方向において上端の高さが交互に異なって並べられ、縦方向において側端が揃えられて所定高さに積み上げられて構成されている壁面構造において、
各パネル本体が、上方または側方に突出した端部が上方または側方のパネル本体の一面に当接して上方または側方のパネル本体の一面側へ倒れる力を支える第1の係合部材と、下方または側方に突出した端部が下方または側方のパネル本体の一面に当接して下端が他面側へ迫り出すのを抑える第2の係合部材とを備え、第1の係合部材と第2の係合部材とによって下方のパネル本体と側端が揃えられて上端が低いパネル本体上に載置されていることを特徴とする。
これらの構成によれば、各パネル本体は、上端が低いパネル本体に側端を揃えて積み上げられる際、下方または側方に隣接するパネル本体に備えられた第1の係合部材の上方または側方に突出した端部にパネル本体の一面が当接して、パネル本体の一面側へ倒れる力が支えられると共に、自身に備えられた第2の係合部材の下方または側方に突出した端部が下方または側方に隣接するパネル本体の一面に当接して、パネル本体の下端が他面側へ迫り出すのが抑えられて、上端が低いパネル本体上に載置される。
従って、次段のパネル本体を側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体上に単に載置することで、パネル本体を垂直にまたは一面側に傾斜させて積み上げることが可能となる。このため、従来行われた、隣接する各パネルをボルトおよびナットで締結させる多大な手間の掛かる作業を行うこと無く、パネル本体を積み上げられるため、壁面の構築作業の作業効率は著しく向上する。
また、各パネル本体はボルト等で剛結されて一体化される構成ではないため、補強土工法等のフレキシブルな構造体の壁面に使用される場合、パネル本体の背後にある盛土等が沈下したり変形しても、パネル本体はその沈下や変形に追従して動くことが可能である。従って、パネルどうしをボルト等で剛結させて一体化する従来の壁面のように、パネルの背後にある盛土等が沈下したり変形することで、壁面を構成する一部のパネルに大きな荷重が局所的にかかり、パネルが破損することもない。このため、フレキシブルで耐久性が増した壁面を構築できる壁面構築方法および壁面構造が提供される。
また、本発明は、
上端の高さを交互に異ならせ複数横方向に並べられた各パネル本体のうちの上端が低い各パネル本体に次段のパネル本体を側端を揃えて積み上げ、積み上げた次段のパネル本体の上端を側方のパネル本体の上端よりも高くすることで、パネル本体を所定の高さまで積み上げて壁面を構築する壁面構築方法において、
各パネル本体が、側方に突出した端部が側方に積み上げられるパネル本体の一面に当接して積み上げられるパネル本体の一面側へ倒れる力を支える係合部材を備え、既に積まれた下方のパネル本体の上端と係合して下端が他面側へ迫り出すのを抑える係合部が下端または上端に設けられ、積み上げられる際に、係合部材と係合部とによって下方のパネル本体と側端が揃えられて上端が低いパネル本体上に載置されることを特徴とする。
また、本発明は、
複数のパネル本体が横方向において上端の高さが交互に異なって並べられ、縦方向において側端が揃えられて所定高さに積み上げられて構成されている壁面構造において、
各パネル本体が、側方に突出した端部が側方のパネル本体の一面に当接して側方のパネル本体の一面側へ倒れる力を支える係合部材を備え、下方のパネル本体の上端と係合して下端が他面側へ迫り出すのを抑える係合部が下端または上端に設けられ、係合部材と係合部とによって下方のパネル本体と側端が揃えられて上端が低いパネル本体上に載置されていることを特徴とする。
これらの構成によれば、各パネル本体は、上端が低いパネル本体に側端を揃えて積み上げられる際、側方に隣接するパネル本体に備えられた係合部材の側方に突出した端部にパネル本体の一面が当接して、パネル本体の一面側へ倒れる力が支えられると共に、自身の下端に設けられた係合部または下方のパネル本体の上端に設けられた係合部によって下方のパネル本体の上端と係合して、パネル本体の下端が他面側へ迫り出すのが抑えられて、上端が低いパネル本体上に載置される。
従って、これらの構成によっても、次段のパネル本体を側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体上に単に載置することで、パネル本体を垂直にまたは一面側に傾斜させて積み上げることが可能となり、従来行われた、隣接する各パネルをボルトおよびナットで締結させる多大な手間の掛かる作業を行う必要がなくなって、壁面の構築作業の作業効率は著しく向上する。
また、これらの構成においても、各パネル本体はボルト等で剛結されて一体化される構成ではない。このため、これらの構成によっても、補強土工法等のフレキシブルな構造体の壁面に使用される場合、パネル本体は盛土等の沈下や変形に追従して動くことが可能であり、フレキシブルで耐久性が増した壁面を構築できる壁面構築方法および壁面構造が提供される。
また、本発明は、側方に突出した端部を有する係合部材が、着脱自在にまたは端部が回動自在にパネル本体に取り付けられていることを特徴とする。
この構成によれば、次段のパネル本体を上端が低い下方のパネル本体とパネル面を平行にして積む場合、次段のパネル本体に側方に突出して備えられた係合部材をパネル本体から取り外す、もしくは、その端部を回動して側方から突出させないことで、次段のパネル本体に備えられた係合部材が、次段のパネル本体の設置位置側方に既に載置されているパネル本体の側方から突出する係合部材と干渉すること無く、次段のパネル本体を側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体上に載置することができる。または、次段のパネル本体の設置位置側方に既に載置されているパネル本体の側方から突出する係合部材をパネル本体から取り外す、もしくは、その端部を回動して側方から突出させないことで、次段のパネル本体に側方に突出して備えられた係合部材が、次段のパネル本体の設置位置側方に既に載置されているパネル本体に備えられた係合部材と干渉すること無く、次段のパネル本体を側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体上に載置することができる。また、次段のパネル本体をパネル面を垂直にしてパネル面が傾いた下方のパネル本体の上端に乗せた後、一面側に傾けて積む場合、次段のパネル本体に側方に突出して備えられた係合部材をパネル本体から取り外す、もしくは、その端部を回動して側方から突出させないことで、次段のパネル本体に備えられた係合部材が、次段のパネル本体の設置位置側方に既に載置されているパネル本体と干渉すること無く、次段のパネル本体を側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体上に載置することができる。取り外した、もしくは、端部を回動させた係合部材は、他の係合部材または既に載置されているパネル本体と干渉しなくなった後、パネル本体に取り付けられる、もしくは、端部が元の位置に回動させられる。
また、本発明は、係合部材が、当接するパネル本体と所定の間隔があくように端部が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、次段のパネル本体を側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体上に載置する際、係合部材の端部とこれに当接するパネル本体との間に隙間が確保されるので、次段のパネル本体は、係合部材の端部がこれに当接するパネル本体と干渉することは無い。このため、特に、次段のパネル本体を上端が低い下方のパネル本体とパネル面を平行にして積む場合、次段のパネル本体を下方のパネル本体上にスムーズに移動させることができ、壁面の構築作業の作業効率はさらに向上する。
また、本発明は、係合部材が、パネル本体に取り付けられる取付面と取り付けられるパネル本体との間に所定の間隔を調整する調整材が介挿されて、パネル本体に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする。
この構成によれば、係合部材のパネル本体に取り付けられる取付面と係合部材が取り付けられるパネル本体との間に介挿される調整材の厚さが選択されることで、係合部材の端部とこれに当接するパネル本体との間にあく所定の間隔が、係合部材の端部とこれに当接するパネル本体とが干渉すること無く、かつ、積み上げ作業の行いやすい間隔に、調整される。
また、本発明は、係合部材が、当接するパネル本体側に出し入れ自在な調整治具を介して端部がパネル本体に当接していることを特徴とする。
この構成によれば、当接するパネル本体側に調整治具が突出しないようにその出し入れを調整することで、係合部材の端部とこれに当接するパネル本体との間に所定の間隔を確保して、次段のパネル本体を側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体上にスムーズに載置することができる。そして、パネル本体の載置後、当接するパネル本体側に調整治具が突出するようにその出し入れを調整することで、係合部材の端部を調整治具を介してパネル本体に当接させることができる。
また、本発明は、係合部材が、端部とパネル本体との間に支持治具が挿し込まれてまたは挟み込まれて端部がパネル本体に当接していることを特徴とする。
この構成によれば、パネル本体の載置後、端部とパネル本体との間に支持治具を挿し込みまたは挟み込み、係合部材の端部を支持治具を介してパネル本体に当接させることで、係合部材の端部とこれに当接するパネル本体との間に所定の間隔を確保して、次段のパネル本体を側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体上にスムーズに載置することができる。
また、本発明は、係合部材が、パネル本体との取付箇所よりも端部の反対側に離れた一端に、パネル本体の一面に当接する支点が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、パネル本体の他面側から荷重がかかり、パネル本体の一面側へ倒れる力を支える係合部材の端部側に負荷がかかっても、また、パネル本体の下端が他面側へ迫り出す荷重がかかり、その迫り出しを抑える係合部材の端部側に負荷がかかっても、係合部材の一端に設けられた支点が取付箇所を挟む反対側でパネル本体の一面に当接することにより、この負荷がパネル本体の一面に当接する支点でも受けられる。このため、係合部材の端部側にかかる負荷は、係合部材の取付箇所と係合部材の一端に設けられた支点とで支えられ、取付箇所のみで係合部材が固定されている場合に比べて、係合部材はぐらつくことなく確実にパネル本体に固定される。
また、本発明は、パネル本体が他面側へ倒れるのを防止する転倒防止部材を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、上端が低い下方のパネル本体上に側端が揃えられて載置される次段のパネル本体は、転倒防止部材によって他面側へ倒れるのが防止される。このため、パネルを垂直に積み上げる場合や、パネルの自重が軽くてパネルの傾きを保てない場合であっても、パネル本体が他面側へ倒れることなくパネル本体を積み上げられる。また、より多くのパネル本体を確実かつ安全に複数段一度に積み上げられる。この結果、パネル本体の積み上げ作業の作業効率および積み上げ作業における安全性は向上する。
本発明によれば、上記のように、次段のパネル本体を側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体上に単に載置することで、パネル本体を垂直にまたは一面側に傾斜させて積み上げることが可能となり、従来行われた、隣接する各パネルをボルトおよびナットで締結させる多大な手間の掛かる作業を行う必要がなくなって、壁面の構築作業の作業効率は著しく向上する。また、各パネル本体はボルト等で剛結されて一体化される構成ではないため、柔軟性が必要とされる補強土工法等の壁面に使用する場合、パネル本体は盛土等の沈下や変形に追従して動くことが可能であり、フレキシブルで耐久性が増した壁面を構築できる壁面構築方法および壁面構造が提供される。
(a)、(b)、(c)および(d)は、本発明の第1の実施の形態による壁面構築方法によって構築される壁面構造を構成するパネルの正面図、側面図、背面図および平面図である。 図1に示すパネルを第1の実施形態の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。 図1に示すパネルを第1の実施形態の壁面構築方法によって斜めに複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面斜視図である。 (a)、(b)、(c)および(d)は、第1の実施形態の第1変形例による壁面構築方法によって構築される壁面構造を構成するパネルの正面図、側面図、背面図および平面図である。 図4に示すパネルを第1の実施形態の第1変形例の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。 (a)、(b)、(c)および(d)は、第1の実施形態の第2変形例による壁面構築方法によって構築される壁面構造を構成するパネルの正面図、側面図、背面図および平面図である。 図6に示すパネルを第1の実施形態の第2変形例の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。 (a)、(b)、(c)および(d)は、第1の実施形態の第3変形例による壁面構築方法によって構築される壁面構造を構成するパネルの側面図、背面図、正面図および平面図である。 図8に示すパネルを第1の実施形態の第3変形例の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。 (a)、(b)、(c)および(d)は、本発明の第2の実施の形態による壁面構築方法によって構築される壁面構造を構成するパネルの正面図、側面図、背面図および平面図である。 図10に示すパネルを第2の実施形態の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。 (a)、(b)、(c)および(d)は、第2の実施形態の第1変形例による壁面構築方法によって構築される壁面構造を構成するパネルの正面図、側面図、背面図および平面図である。 図12に示すパネルを第2の実施形態の第1変形例の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。 (a)、(b)、(c)および(d)は、第2の実施形態の第2変形例による壁面構築方法によって構築される壁面構造を構成するパネルの正面図、側面図、背面図および平面図である。 図14に示すパネルを第2の実施形態の第2変形例の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。 (a)、(b)、(c)および(d)は、第2の実施形態の第3変形例による壁面構築方法によって構築される壁面構造を構成するパネルの側面図、背面図、正面図および平面図である。 図16に示すパネルを第2の実施形態の第3変形例の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。 (a)、(b)、(c)および(d)は、本発明の第3の実施の形態による壁面構築方法によって構築される壁面構造を構成するパネルの正面図、側面図、背面図および平面図である。 図18に示すパネルを第3の実施形態の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。 図18に示すパネルを第3の実施形態の壁面構築方法によって斜めに複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面斜視図である。 (a)、(b)、(c)および(d)は、本発明の第4の実施の形態による壁面構築方法によって構築される壁面構造を構成するパネルの正面図、側面図、背面図および平面図である。 図21に示すパネルを第4の実施形態の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。 (a)、(b)、(c)および(d)は、第4の実施形態の第1変形例による壁面構築方法によって構築される壁面構造を構成するパネルの正面図、側面図、背面図および平面図である。 図23に示すパネルを第4の実施形態の第1変形例の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。 (a)、(b)、(c)および(d)は、第2の実施形態の第4変形例による壁面構築方法によって構築される壁面構造を構成するパネルの正面図、側面図、背面図および平面図である。 図25に示すパネルを第2の実施形態の第4変形例の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。 第1の実施形態による壁面構築方法および壁面構造を盛土補強土壁に適用した第1の実施形態の第4変形例を示す壁面構造の側断面図である。 図27に示す壁面構造の背面図である。 第1の実施形態による壁面構築方法および壁面構造を砂防ダムの壁面に適用した第1の実施形態の第5変形例を示す壁面構造の側断面図である。 図29に示す壁面構造の背面図である。 第1の実施形態による壁面構築方法および壁面構造を両面仕様のコンクリート構造物の壁面に適用した第1の実施形態の第6変形例を示す壁面構造の側断面図である。 第1の実施形態による壁面構築方法および壁面構造を老朽化した構造物の表面を補修する壁面に適用した第1の実施形態の第7変形例を示す壁面構造の側断面図である。
次に、本発明による壁面構築方法および壁面構造の第1の実施形態について説明する。
図1(a)、(b)、(c)および(d)は、第1の実施形態による壁面構築方法によって構築される壁面構造を構成するパネル1Aの正面図、側面図、背面図および平面図である。
パネル1Aを構成するパネル本体1aは、方形の板状をした所定の厚さ(3cm〜10cm程度)のコンクリートから成る。この厚さはパネル1Aの用途によって異なり、この例示以外の厚さのこともある。パネル本体1aは、その一面側の背面に、一対の第1の係合部材2a,2aと一対の第2の係合部材3a,3aとを備える。第1の係合部材2a,2aおよび第2の係合部材3a,3aは、それぞれ、長方形状の金属製板材の短辺方向が垂直に折り曲げ加工されて形成された断面L字形状の鋼材から成る。第1の係合部材2a,2aは、一方の各端部がそれぞれパネル本体1aの側端上方において左側方,右側方に突出し、第2の係合部材3a,3aは、一方の各端部がそれぞれ下方に突出している。
また、第1の係合部材2a,2aおよび第2の係合部材3a,3aは、その他方の各端部に穴があけられている。アンカーボルト4は、これら各穴に差し込まれて、その先端がパネル本体1aの背面に埋め込まれたインサートナット5に螺合している。この状態でナット6が締め付けられることにより、第1の係合部材2a,2aおよび第2の係合部材3a,3aは、その他方の各端部がパネル本体1aの背面に固定されている。従って、側方に突出した端部を有する第1の係合部材2a,2aは、着脱自在に、かつ、端部が回動自在に、パネル本体1aに取り付けられている。また、各アンカーボルト4はパネル本体1aの背面にその頭部が突出して立設されている。アンカーボルト4のパネル本体1aの背面からの突出高さは、アンカーボルト4自体の長さを調節することで、設定される。
図2は、図1に示すパネル1Aを本実施形態の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。なお、同図において図1と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
壁面は、各パネル1Aの側端が上段と下段とで揃えられるイモ積み方式で、垂直または斜めに各パネル1Aが複数段積み上げられて、構築される。構築されると、壁面を構成する各パネル本体1aの他面側の前面は面一になる。
図3は、斜めに各パネル1Aを複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面斜視図である。なお、同図において図2と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
最下段には半物サイズのパネル1Bが使われている。このパネル1Bは、図1に示すパネル1Aのパネル本体1aが第1の係合部材2a,2aを備える上半分にされたパネル本体1bから成り(図2参照)、パネル本体1bの高さがパネル本体1aの高さの半分にされて、第2の係合部材3a,3aを備えていない。また、最下段のパネル1Aは、端部が下方に突出する第2の係合部材3a,3aを備えておらず、第2の係合部材3a,3aを取り付けるためのアンカーボルト4のみが、パネル本体1aの背面に埋め込まれたインサートナット5に螺合して、パネル本体1aの背面から突出している。また、半物サイズのパネル1Bにも、側方の最下段のパネル1Aと対応する高さ位置において、アンカーボルト4がパネル本体1bの背面に埋め込まれたインサートナット5に螺合して、パネル本体1bの背面から突出している。
壁面の構築に際し、最初に、最下段のパネル1Aおよびパネル1Bが、上端の高さを交互に異ならせて、砕石11上の基礎12上に複数横方向に揃えて並べられ、支保工などによって仮固定される。次に、最下段のパネル1Aおよびパネル1Bの背面側に、低い各パネル1Bの上端付近の高さA(図3参照)まで、コンクリート13が打設される。打設されたこのコンクリート13が硬化することにより、各パネル本体1a,1bの背面から突出するアンカーボルト4がアンカーとなって、最下段のパネル1Aおよびパネル1Bが固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた最下段の一段目の各パネル1A,1Bのうちの、上端が低い各パネル1Bに二段目のパネル1A21が一段目のパネル1Bと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1A21の上端が側方の一段目のパネル1Aの上端よりも高くされる。このパネル本体1aの積み上げは、壁面を垂直に構築する場合には、二段目のパネル1A21のパネル本体1aを垂直に吊り上げ、上端が低い下方のパネル1Bの垂直に立つパネル本体1bとパネル面を平行にして積むことで、行われる。また、壁面を斜めに構築する場合には、二段目のパネル1A21のパネル本体1aを斜めに吊り上げ、上端が低い下方のパネル1Bの斜めに傾くパネル本体1bとパネル面を平行にして積むか、もしくは、二段目のパネル1A21のパネル本体1aをパネル面を垂直にして、パネル面が傾いた下方のパネル1Bのパネル本体1bの上端に乗せた後、背面側に傾けて積むことで、行われる。
この際、一段目の各パネル1Aに備えられた第1の係合部材2a,2aは、側方に突出した端部が側方に積み上げられる二段目のパネル1A21のパネル本体1aの背面に当接して、積み上げられる二段目のパネル1A21の背面側へ倒れる力を支える。また、二段目のパネル1A21に備えられた第2の係合部材3a,3aは、下方に突出した端部が既に積まれた下方の一段目のパネル1Bのパネル本体1bの背面に当接して、下端が前面側へ迫り出すのを抑える。従って、二段目のパネル1A21は、積み上げられる際に、第1の係合部材2a,2aと第2の係合部材3a,3aとにより、下方の一段目のパネル1Bのパネル本体1bと側端が揃えられて、上端が低い一段目のパネル1B上に載置される。
その後、各パネル1A,1A21の背面側に、上端が低い一段目の各パネル1Aの上端付近の高さB(図3参照)まで、コンクリート13が打設される。打設されたこのコンクリート13が硬化することにより、各パネル本体1aの背面から突出するアンカーボルト4がアンカーとなって、二段目の各パネル1A21が固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた一段目および二段目の各パネル1A,1A21のうちの、上端が低い一段目の各パネル1Aに二段目のパネル1A22が一段目のパネル1Aと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1A22の上端が二段目の側方のパネル1A21の上端よりも高くされる。このときも、パネル本体1aの積み上げは、壁面を垂直に構築する場合には、二段目のパネル1A22のパネル本体1aを垂直に吊り上げ、上端が低い下方のパネル1Aの垂直に立つパネル本体1aとパネル面を平行にして積むことで、行われる。また、壁面を斜めに構築する場合には、二段目のパネル1A22のパネル本体1aを斜めに吊り上げ、上端が低い下方のパネル1Aの斜めに傾くパネル本体1aとパネル面を平行にして積むか、もしくは、二段目のパネル1A22のパネル本体1aをパネル面を垂直にして、パネル面が傾いた下方のパネル1Aのパネル本体1aの上端に乗せた後、背面側に傾けて積むことで、行われる。
この際、二段目の各パネル1A21に備えられた第1の係合部材2a,2aは、側方に突出した端部が側方に積み上げられる二段目のパネル1A22のパネル本体1aの背面に当接して、積み上げられる二段目のパネル1A22の背面側へ倒れる力を支える。また、二段目のパネル1A22に備えられた第2の係合部材3a,3aは、下方に突出した端部が既に積まれた下方の一段目のパネル1Aのパネル本体1aの背面に当接して、下端が前面側へ迫り出すのを抑える。従って、二段目のパネル1A22は、積み上げられる際に、第1の係合部材2a,2aと第2の係合部材3a,3aとにより、下方の一段目のパネル1Aのパネル本体1aと側端が揃えられて、上端が低い一段目のパネル1A上に載置される。
その後、各パネル1A21,1A22の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1A21の上端付近の高さC(図3参照)まで、コンクリート13が打設される。打設されたこのコンクリート13が硬化することにより、各パネル本体1aの背面から突出するアンカーボルト4がアンカーとなって、二段目の各パネル1A22が固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた二段目の各パネル1A21,1A22のうちの上端が低い各パネル1A21に、三段目のパネル1A31が図2に矢示するように二段目のパネル1A21と側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた三段目のパネル1A31の上端が二段目の側方のパネル1A22の上端よりも高くされる。その後、各パネル1A22,1A31の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1A22の上端付近の高さまで、コンクリート13が打設され、打設されたこのコンクリート13が硬化することにより、三段目のパネル1A31が固定されて動かなくなる。
上記のように各パネル1Aは、積み上げられるパネル1Aの高さが所定の高さになるまでイモ積み方式で積み上げられ、上記の作業が繰り返される。パネル1Aの高さが所定の高さになると、最後に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられたパネル1Aのうちの上端が低いパネル1Aの上に、パネル1Aのパネル本体1aが第2の係合部材3a,3aを備える下半分にされた半物サイズのパネルが積み上げられて、壁面の上端が同じ高さに揃えられる。
このような本実施形態による壁面構築方法および壁面構造によれば、各パネル本体1aは、上端が低いパネル本体1aに側端を揃えて積み上げられる際、側方に隣接するパネル本体1aに備えられた第1の係合部材2a,2aの側方に突出した端部にパネル本体1aの背面が当接して、パネル本体1aの背面側へ倒れる力が支えられると共に、自身に備えられた第2の係合部材3a,3aの下方に突出した端部が下方に隣接するパネル本体1aの背面に当接して、パネル本体1aの下端が前面側へ迫り出すのが抑えられて、上端が低いパネル本体1a上に載置される。
従って、次段のパネル本体1aを側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体1a上に単に載置することで、パネル本体1aを垂直にまたは背面側に傾斜させて積み上げることが可能となる。このため、従来行われた、隣接する各パネル1Aをボルトおよびナットで締結させる多大な手間の掛かる作業を行うこと無く、パネル本体1aを積み上げられるため、壁面の構築作業の作業効率は著しく向上する。
なお、上記の実施形態において、各パネル1Aが図3に示す一対の転倒防止部材7を備えているように、構成してもよい。この転倒防止部材7は、第1の係合部材2a,2aおよび第2の係合部材3a,3aと同様な断面L字形状の鋼材から成り、一方の各端部がそれぞれパネル本体1aの左側方,右側方に突出し、他方の各端部がパネル本体1aの背面にボルト8によって固定されている。転倒防止部材7は、各パネル1Aが積み上げられた後に各パネル1Aが前面側へ倒れるのを防止する。従って、この構成によれば、上端が低い下方のパネル本体1a,1b上に側端が揃えられて載置される次段のパネル本体1aは、コンクリート13の硬化によって背面側が固定されるまで、転倒防止部材7によって前面側へ倒れるのが防止される。このため、パネル1Aを垂直に積み上げる場合や、斜めに積む場合でも、パネル1Aの自重が軽くて硬化する前のコンクリート13等による背面側からの側圧に耐えられなくて、パネル1Aの傾きを保てない場合であっても、パネル本体1aが前面側へ倒れることなくパネル本体1aを積み上げられる。また、より多くのパネル本体1aを確実かつ安全に複数段一度に積み上げられる。この結果、パネル本体1aの積み上げ作業の作業効率および積み上げ作業における安全性は向上する。
また、上記の実施形態において、壁面を構成するパネル1Aのパネル本体1aは長方形状をしている場合について説明したが、図4に示すように、逆凸状をしたパネル本体1cから成るパネル1Cによって壁面を構成するようにしてもよい。同図(a)、(b)、(c)および(d)は、パネル1Cの正面図、側面図、背面図および平面図であり、同図において図1と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
パネル1Cは、図1に示すパネル1Aと比較し、パネル本体1cの形状のみが相違し、一方の各端部がそれぞれパネル本体1cの側端上方において左側方,右側方に突出する第1の係合部材2a,2a、および一方の各端部がそれぞれ下方に突出する第2の係合部材3a,3aをパネル1Aと同様に備える。
図5は、図4に示すパネル1Cを第1の実施形態の第1変形例の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。なお、同図において図4と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
パネル1Aを用いた図2に示す壁面と同様、最下段には半物サイズのパネル1Dが使われている。このパネル1Dは、図4に示すパネル1Cのパネル本体1cが第1の係合部材2a,2aを備える上半分にされたパネル本体1dから成り、パネル本体1dの高さがパネル本体1cの高さの半分にされて、第2の係合部材3a,3aを備えていない。また、最下段のパネル1Cは、端部が下方に突出する第2の係合部材3a,3aを備えておらず、第2の係合部材3a,3aを取り付けるためのアンカーボルト4のみが、パネル本体1cの背面に埋め込まれたインサートナット5に螺合して、パネル本体1cの背面から突出している。また、半物サイズのパネル1Dにも、側方の最下段のパネル1Cと対応する高さ位置において、アンカーボルト4がパネル本体1dの背面に埋め込まれたインサートナット5に螺合して、パネル本体1dの背面から突出している。
パネル1Cも、パネル1Aと同様に積み上げられる。つまり、最初に、最下段のパネル1Cおよびパネル1Dが、上端の高さを交互に異ならせて、基礎12上に複数横方向に揃えて並べられる。次に、最下段のパネル1Cおよびパネル1Dの背面側に、低い各パネル1Dの上端付近の高さまでコンクリート13が打設されて、打設されたコンクリート13が硬化することにより、最下段のパネル1Cおよびパネル1Dが固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた最下段の一段目の各パネル1C,1Dのうちの、上端が低い各パネル1Dに二段目のパネル1C21が一段目のパネル1Dと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1C21の上端が側方の一段目のパネル1Cの上端よりも高くされる。その後、各パネル1C,1C21の背面側に、上端が低い一段目の各パネル1Cの上端付近の高さまでコンクリート13が打設されて、打設されたコンクリート13が硬化することにより、二段目の各パネル1C21が固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた一段目および二段目の各パネル1C,1C21のうちの、上端が低い一段目の各パネル1Cに二段目のパネル1C22が一段目のパネル1Cと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1C22の上端が二段目の側方のパネル1C21の上端よりも高くされる。その後、各パネル1C21,1C22の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1C21の上端付近の高さまでコンクリート13が打設されて、打設されたコンクリート13が硬化することにより、二段目の各パネル1C22が固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた二段目の各パネル1C21,1C22のうちの上端が低い各パネル1C21に、三段目のパネル1C31が矢示するように二段目のパネル1C21と側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた三段目のパネル1C31の上端が二段目の側方のパネル1C22の上端よりも高くされる。その後、各パネル1C22,1C31の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1C22の上端付近の高さまで、コンクリート13が打設され、打設されたコンクリート13が硬化することにより、三段目のパネル1C31が固定されて動かなくなる。
上記のように各パネル1Cは、積み上げられるパネル1Cの高さが所定の高さになるまでイモ積み方式で積み上げられ、上記の作業が繰り返される。パネル1Cの高さが所定の高さになると、最後に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられたパネル1Cのうちの上端が低いパネル1Cの上に、パネル1Cのパネル本体1cが第2の係合部材3a,3aを備える下半分にされた半物サイズのパネルが積み上げられて、壁面の上端が同じ高さに揃えられる。
このようなパネル1Cを用いた第1の実施形態の第1変形例による壁面構築方法および壁面構造によっても、上述した第1の実施形態と同様な作用効果が奏される。
また、図6に示すように、凸状をしたパネル本体1eから成るパネル1Eによって壁面を構成するようにしてもよい。同図(a)、(b)、(c)および(d)は、パネル1Eの正面図、側面図、背面図および平面図であり、同図において図1と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
パネル1Eも、図1に示すパネル1Aと比較し、パネル本体1eの形状のみが相違し、一方の各端部がそれぞれパネル本体1eの側端上方において左側方,右側方に突出する第1の係合部材2a,2a、および一方の各端部がそれぞれ下方に突出する第2の係合部材3a,3aをパネル1Aと同様に備える。
図7は、図6に示すパネル1Eを第1の実施形態の第2変形例の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。なお、同図において図6と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
パネル1Aを用いた図2に示す壁面と同様、最下段には半物サイズのパネル1Fが使われている。このパネル1Fは、図6に示すパネル1Eのパネル本体1eが第1の係合部材2a,2aを備える上半分にされたパネル本体1fから成り、パネル本体1fの高さがパネル本体1eの高さの半分にされて、第2の係合部材3a,3aを備えていない。また、最下段のパネル1Eは、端部が下方に突出する第2の係合部材3a,3aを備えておらず、第2の係合部材3a,3aを取り付けるためのアンカーボルト4のみが、パネル本体1eの背面に埋め込まれたインサートナット5に螺合して、パネル本体1eの背面から突出している。また、半物サイズのパネル1Fにも、側方の最下段のパネル1Eと対応する高さ位置において、アンカーボルト4がパネル本体1fの背面に埋め込まれたインサートナット5に螺合して、パネル本体1fの背面から突出している。
パネル1Eも、パネル1Aと同様に積み上げられる。つまり、最初に、最下段のパネル1Eおよびパネル1Fが、上端の高さを交互に異ならせて、基礎12上に複数横方向に揃えて並べられる。次に、最下段のパネル1Eおよびパネル1Fの背面側に、低い各パネル1Fの上端付近の高さまでコンクリート13が打設されて、打設されたコンクリート13が硬化することにより、最下段のパネル1Eおよびパネル1Fが固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた最下段の一段目の各パネル1E,1Fのうちの、上端が低い各パネル1Fに二段目のパネル1E21が一段目のパネル1Fと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1E21の上端が側方の一段目のパネル1Eの上端よりも高くされる。その後、各パネル1E,1E21の背面側に、上端が低い一段目の各パネル1Eの上端付近の高さまでコンクリート13が打設されて、打設されたコンクリート13が硬化することにより、二段目の各パネル1E21が固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた一段目および二段目の各パネル1E,1E21のうちの、上端が低い一段目の各パネル1Eに二段目のパネル1E22が一段目のパネル1Eと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1E22の上端が二段目の側方のパネル1E21の上端よりも高くされる。その後、各パネル1E21,1E22の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1E21の上端付近の高さまでコンクリート13が打設されて、打設されたコンクリート13が硬化することにより、二段目の各パネル1E22が固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた二段目の各パネル1E21,1E22のうちの上端が低い各パネル1E21に、三段目のパネル1E31が矢示するように二段目のパネル1E21と側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた三段目のパネル1E31の上端が二段目の側方のパネル1E22の上端よりも高くされる。その後、各パネル1E22,1E31の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1E22の上端付近の高さまでコンクリート13が打設され、打設されたコンクリート13が硬化することにより、三段目のパネル1E31が固定されて動かなくなる。
上記のように各パネル1Eは、積み上げられるパネル1Eの高さが所定の高さになるまでイモ積み方式で積み上げられ、上記の作業が繰り返される。パネル1Eの高さが所定の高さになると、最後に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられたパネル1Eのうちの上端が低いパネル1Eの上に、パネル1Eのパネル本体1eが第2の係合部材3a,3aを備える下半分にされた半物サイズのパネルが積み上げられて、壁面の上端が同じ高さに揃えられる。
このようなパネル1Eを用いた第1の実施形態の第2変形例による壁面構築方法および壁面構造によっても、上述した第1の実施形態と同様な作用効果が奏される。
また、図6に示す凸状のパネル本体1eと図4に示す逆凸状のパネル本体1cとを上下につなげた図8に示すような形状をしたパネル本体1gから成るパネル1Gにより、壁面を構成するようにしてもよい。同図(a)、(b)、(c)および(d)は、パネル1Gの側面図、背面図、正面図および平面図であり、同図において図1と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
パネル1Gも、図1に示すパネル1Aと比較し、パネル本体1gの形状のみが相違し、一方の各端部がそれぞれパネル本体1gの側端上方において左側方,右側方に突出する第1の係合部材2a,2a、および一方の各端部がそれぞれ下方に突出する第2の係合部材3a,3aをパネル1Aと同様に備える。
図9は、図8に示すパネル1Gを第1の実施形態の第3変形例の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。なお、同図において図8と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
パネル1Aを用いた図2に示す壁面と同様、最下段には半物サイズのパネル1Hが使われている。このパネル1Hは、図8に示すパネル1Gのパネル本体1gが第1の係合部材2a,2aを備える上半分にされた、図6に示すパネル本体1eと同様な形状をしたパネル本体1hから成り、パネル本体1hの高さがパネル本体1gの高さの半分にされて、第2の係合部材3a,3aを備えていない。また、最下段のパネル1Gは、端部が下方に突出する第2の係合部材3a,3aを備えておらず、第2の係合部材3a,3aを取り付けるためのアンカーボルト4のみが、パネル本体1gの背面に埋め込まれたインサートナット5に螺合して、パネル本体1gの背面から突出している。また、半物サイズのパネル1Hにも、側方の最下段のパネル1Gと対応する高さ位置において、アンカーボルト4がパネル本体1hの背面に埋め込まれたインサートナット5に螺合して、パネル本体1hの背面から突出している。
パネル1Gも、パネル1Aと同様に積み上げられる。つまり、最初に、最下段のパネル1Gおよびパネル1Hが、上端の高さを交互に異ならせて、基礎12上に複数横方向に揃えて並べられる。次に、最下段のパネル1Gおよびパネル1Hの背面側に、低い各パネル1Hの上端付近の高さまでコンクリート13が打設されて、打設されたコンクリート13が硬化することにより、最下段のパネル1Gおよびパネル1Hが固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた最下段の一段目の各パネル1G,1Hのうちの上端が低い各パネル1Hに、二段目のパネル1G21が一段目のパネル1Hと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1G21の上端が側方の一段目のパネル1Gの上端よりも高くされる。その後、各パネル1G,1G21の背面側に、上端が低い一段目の各パネル1Gの上端付近の高さまでコンクリート13が打設されて、打設されたコンクリート13が硬化することにより、二段目の各パネル1G21が固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた一段目および二段目の各パネル1G,1G21のうちの上端が低い一段目の各パネル1Gに、二段目のパネル1G22が矢示するように一段目のパネル1Gと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1G22の上端が二段目の側方のパネル1G21の上端よりも高くされる。その後、各パネル1G21,1G22の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1G21の上端付近の高さまでコンクリート13が打設されて、打設されたコンクリート13が硬化することにより、二段目の各パネル1G22が固定されて動かなくなる。
上記のように各パネル1Gは、積み上げられるパネル1Gの高さが所定の高さになるまでイモ積み方式で積み上げられ、上記の作業が繰り返される。パネル1Gの高さが所定の高さになると、最後に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられたパネル1Gのうちの上端が低いパネル1Gの上に、パネル1Gのパネル本体1gが第2の係合部材3a,3aを備える下半分にされた、図4に示すパネル本体1cと同様な形状をした半物サイズのパネルが積み上げられて、壁面の上端が同じ高さに揃えられる。
このようなパネル1Gを用いた第1の実施形態の第3変形例による壁面構築方法および壁面構造によっても、上述した第1の実施形態と同様な作用効果が奏される。
次に、本発明による壁面構築方法および壁面構造の第2の実施の形態について説明する。
上記の第1の実施形態におけるパネル1A,1C,1E,1Gは、一方の各端部がそれぞれパネル本体1aの側端上方において左側方,右側方に突出する第1の係合部材2a,2aと、一方の各端部がそれぞれパネル本体1aの下方に突出する第2の係合部材3a,3aとを備えている場合について説明した。しかし、第2の実施形態におけるパネル1Jは、図10に示すように、一方の各端部がそれぞれ上方に突出する第1の係合部材2b,2bと、一方の各端部がそれぞれパネル本体1aの側端下方において左側方,右側方に突出する第2の係合部材3b,3bとを備えて、構成されている。同図(a)、(b)、(c)および(d)は、パネル1Jの正面図、側面図、背面図および平面図であり、同図において図1と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
これら第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bも、第1の係合部材2a,2aおよび第2の係合部材3a,3aと同様、断面L字形状の鋼材から成り、他方の各端部にあけられた穴がパネル本体1a背面のインサートナット5に螺合したアンカーボルト4に通され、ナット6で締め付けられて固定されている。
図11は、図10に示すパネル1Jを第2の実施形態の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。なお、同図において図10と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
壁面は、各パネル1Jの側端が上段と下段とで揃えられるイモ積み方式で、垂直または斜めに各パネル1Jが複数段積み上げられて、構築される。構築されると、壁面を構成する各パネル本体1aの前面は面一になる。
最下段には半物サイズのパネル1Kが使われている。このパネル1Kは、図10に示すパネル1Jのパネル本体1aが第1の係合部材2b,2bを備える上半分にされたパネル本体1bから成り、パネル本体1bの高さがパネル本体1aの高さの半分にされて、第2の係合部材3b,3bを備えていない。また、半物サイズのパネル1Kには、側方の最下段のパネル1Jの第2の係合部材3b,3bと対応する高さ位置において、アンカーボルト4がパネル本体1bの背面に埋め込まれたインサートナット5に螺合して、パネル本体1bの背面から突出している。
壁面の構築に際し、最初に、最下段のパネル1Jおよびパネル1Kが、上端の高さを交互に異ならせて、基礎12上に複数横方向に揃えて並べられ、支保工などによって仮固定される。次に、最下段のパネル1Jおよびパネル1Kの背面側に、低い各パネル1Kの上端付近の高さまでコンクリート13が打設される。打設されたこのコンクリート13が硬化することにより、各パネル本体1a,1bの背面から突出するアンカーボルト4がアンカーとなって、最下段のパネル1Jおよびパネル1Kが固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた最下段の一段目の各パネル1J,1Kのうちの上端が低い各パネル1Kに、二段目のパネル1J21が一段目のパネル1Kと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1J21の上端が側方の一段目のパネル1Jの上端よりも高くされる。このパネル本体1aの積み上げは、壁面を垂直に構築する場合には、二段目のパネル1J21のパネル本体1aを垂直に吊り上げ、上端が低い下方のパネル1Kの垂直に立つパネル本体1bとパネル面を平行にして積むことで、行われる。
また、壁面を斜めに構築する場合には、二段目のパネル1J21のパネル本体1aを斜めに吊り上げ、上端が低い下方のパネル1Kの斜めに傾くパネル本体1bとパネル面を平行にして積むか、または、側方に突出する第2の係合部材3b,3bを取り付けていない、もしくは、その端部を回動して側方から突出させていない二段目のパネル1J21のパネル本体1aを、パネル面を垂直にして、パネル面が傾いた下方のパネル1Kのパネル本体1bの上端に乗せた後、背面側に傾けて積むことで、行われる。
取り外した、もしくは、端部を回動させた第2の係合部材3b,3bは、既に載置されている側方の一段目のパネル1Jのパネル本体1aと干渉しなくなった後、パネル本体1aに取り付けられる、もしくは、端部が元の位置に回動させられる。また、二段目のパネル1J21のパネル本体1aを下方のパネル1Kのパネル本体1bとパネル面を平行にして積む垂直積みおよび斜め積みの場合にも、同様にして、第2の係合部材3b,3bを取り外した状態で、もしくは、その端部を回動して側方から突出させない状態で、行ってもよい。
この際、一段目の各パネル1Kに備えられた第1の係合部材2b,2bは、上方に突出した端部が上方に積み上げられる二段目のパネル1J21のパネル本体1aの背面に当接して、積み上げられる二段目のパネル1J21の背面側へ倒れる力を支える。また、二段目のパネル1J21に備えられた第2の係合部材3b,3bは、側方に突出した端部が既に積まれた側方の一段目のパネル1Jのパネル本体1aの背面に当接して、下端が前面側へ迫り出すのを抑える。従って、二段目のパネル1J21は、積み上げられる際に、第1の係合部材2b,2bと第2の係合部材3b,3bとにより、下方の一段目のパネル1Kのパネル本体1bと側端が揃えられて、上端が低い一段目のパネル1K上に載置される。
その後、各パネル1J,1J21の背面側に、上端が低い一段目の各パネル1Jの上端付近の高さまで、コンクリート13が打設される。打設されたこのコンクリート13が硬化することにより、各パネル本体1aの背面から突出するアンカーボルト4がアンカーとなって、二段目の各パネル1J21が固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた一段目および二段目の各パネル1J,1J21のうちの上端が低い一段目の各パネル1Jに、二段目のパネル1J22が一段目のパネル1Jと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1J22の上端が二段目の側方のパネル1J21の上端よりも高くされる。このときも、パネル本体1aの積み上げは、一段目のパネル1Kに二段目のパネル1J21を積み上げるときと同様にして行われる。
この際、一段目の各パネル1Jに備えられた第1の係合部材2b,2bは、上方に突出した端部が上方に積み上げられる二段目のパネル1J22のパネル本体1aの背面に当接して、積み上げられる二段目のパネル1J22の背面側へ倒れる力を支える。また、二段目のパネル1J22に備えられた第2の係合部材3b,3bは、側方に突出した端部が既に積まれた側方の二段目のパネル1J21のパネル本体1aの背面に当接して、下端が前面側へ迫り出すのを抑える。従って、二段目のパネル1J22は、積み上げられる際に、第1の係合部材2b,2bと第2の係合部材3b,3bとにより、下方の一段目のパネル1Jのパネル本体1aと側端が揃えられて、上端が低い一段目のパネル1J上に載置される。
その後、各パネル1J21,1J22の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1J21の上端付近の高さまで、コンクリート13が打設される。打設されたこのコンクリート13が硬化することにより、各パネル本体1aの背面から突出するアンカーボルト4がアンカーとなって、二段目の各パネル1J22が固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた二段目の各パネル1J21,1J22のうちの上端が低い各パネル1J21に、三段目のパネル1J31が矢示するように二段目のパネル1J21と側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた三段目のパネル1J31の上端が二段目の側方のパネル1J22の上端よりも高くされる。その後、各パネル1J22,1J31の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1J22の上端付近の高さまでコンクリート13が打設され、打設されたコンクリート13が硬化することにより、三段目のパネル1J31が固定されて動かなくなる。
上記のように各パネル1Jは、積み上げられるパネル1Jの高さが所定の高さになるまでイモ積み方式で積み上げられ、上記の作業が繰り返される。パネル1Jの高さが所定の高さになると、最後に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられたパネル1Jのうちの上端が低いパネル1Jの上に、パネル1Jのパネル本体1aが第2の係合部材3b,3bを備える下半分にされた半物サイズのパネルが積み上げられて、壁面の上端が同じ高さに揃えられる。ここで、最上段のパネル1Jには、上方に突出する第1の係合部材2b,2bは取り付けられない。
このようなパネル1Jを用いた第2の実施形態による壁面構築方法および壁面構造によっても、上述した第1の実施形態と同様な作用効果が奏される。
さらに、第2の実施形態によれば、次段のパネル本体1aを上端が低い下方のパネル本体1a,1bとパネル面を平行にして積む場合、次段のパネル本体1aに側方に突出して備えられた第2の係合部材3b,3bが、次段のパネル本体1aの設置位置側方に既に載置されているパネル本体1aと競り合って干渉したりすることがあるが、次段のパネル本体1aに側方に突出して備えられた第2の係合部材3b,3bをパネル本体1aから取り外す、もしくは、その端部を回動して側方から突出させないことで、次段のパネル本体1aに備えられた第2の係合部材3b,3bが、次段のパネル本体1aの設置位置側方に既に載置されているパネル本体1aと干渉すること無く、次段のパネル本体1aを側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体1a上に載置することができる。また、次段のパネル本体1aをパネル面を垂直にしてパネル面が傾いた下方のパネル本体1aの上端に乗せた後、背面側に傾けて積む場合、次段のパネル本体1aに側方に突出して備えられた第2の係合部材3b,3bをパネル本体1aから取り外す、もしくは、その端部を回動して側方から突出させないことで、次段のパネル本体1aに備えられた第2の係合部材3b,3bが、次段のパネル本体1aの設置位置側方に既に載置されているパネル本体1aと干渉すること無く、次段のパネル本体1aを側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体1a上に載置することができる。
なお、図10および図11に示す第2の実施形態において、壁面を構成するパネル1Jのパネル本体1aは長方形状をしている場合について説明したが、図12に示すように、逆凸状をしたパネル本体1cから成るパネル1Mによって壁面を構成するようにしてもよい。同図(a)、(b)、(c)および(d)は、パネル1Mの正面図、側面図、背面図および平面図であり、同図において図10と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
パネル1Mは、図10に示すパネル1Jと比較し、パネル本体1cの形状のみが相違し、一方の各端部がそれぞれ上方に突出する第1の係合部材2b,2b、および一方の各端部がそれぞれパネル本体1cの側端下方において左側方,右側方に突出する第2の係合部材3b,3bをパネル1Jと同様に備える。
図13は、図12に示すパネル1Mを第2の実施形態の第1変形例の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。なお、同図において図12と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
パネル1Jを用いた図11に示す壁面と同様、最下段には半物サイズのパネル1Nが使われている。このパネル1Nは、図12に示すパネル1Mのパネル本体1cが第1の係合部材2b,2bを備える上半分にされたパネル本体1dから成り、パネル本体1dの高さがパネル本体1cの高さの半分にされて、第2の係合部材3b,3bを備えていない。また、半物サイズのパネル1Nには、側方の最下段のパネル1Mの第2の係合部材3b,3bと対応する高さ位置において、アンカーボルト4がパネル本体1dの背面に埋め込まれたインサートナット5に螺合して、パネル本体1bの背面から突出している。
パネル1Mも、パネル1Jと同様に積み上げられる。つまり、最初に、最下段のパネル1Mおよびパネル1Nが、上端の高さを交互に異ならせて、基礎12上に複数横方向に揃えて並べられる。次に、最下段のパネル1Mおよびパネル1Nの背面側に、低い各パネル1Nの上端付近の高さまでコンクリート13が打設されて、打設されたコンクリート13が硬化することにより、最下段のパネル1Mおよびパネル1Nが固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた最下段の一段目の各パネル1M,1Nのうちの上端が低い各パネル1Nに、二段目のパネル1M21が一段目のパネル1Nと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1M21の上端が側方の一段目のパネル1Mの上端よりも高くされる。その後、各パネル1M,1M21の背面側に、上端が低い一段目の各パネル1Mの上端付近の高さまでコンクリート13が打設されて、打設されたコンクリート13が硬化することにより、二段目の各パネル1M21が固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた一段目および二段目の各パネル1M,1M21のうちの上端が低い一段目の各パネル1Mに、二段目のパネル1M22が一段目のパネル1Mと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1M22の上端が二段目の側方のパネル1M21の上端よりも高くされる。その後、各パネル1M21,1M22の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1M21の上端付近の高さまでコンクリート13が打設されて、打設されたコンクリート13が硬化することにより、二段目の各パネル1M22が固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた二段目の各パネル1M21,1M22のうちの上端が低い各パネル1M21に、三段目のパネル1M31が矢示するように二段目のパネル1M21と側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた三段目のパネル1M31の上端が二段目の側方のパネル1M22の上端よりも高くされる。その後、各パネル1M22,1M31の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1M22の上端付近の高さまでコンクリート13が打設され、打設されたコンクリート13が硬化することにより、三段目のパネル1M31が固定されて動かなくなる。
上記のように各パネル1Mは、積み上げられるパネル1Mの高さが所定の高さになるまでイモ積み方式で積み上げられ、上記の作業が繰り返される。パネル1Mの高さが所定の高さになると、最後に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられたパネル1Mのうちの上端が低いパネル1Mの上に、パネル1Mのパネル本体1cが第2の係合部材3b,3bを備える下半分にされた半物サイズのパネルが積み上げられて、壁面の上端が同じ高さに揃えられる。ここで、最上段のパネル1Mおよびパネル1Nには、上方に突出する第1の係合部材2b,2bは取り付けられない。
このようなパネル1Mを用いた第2の実施形態の第1変形例による壁面構築方法および壁面構造によっても、上述した第2の実施形態と同様な作用効果が奏される。
また、図10および図11に示す第2の実施形態において、図14に示すように、凸状をしたパネル本体1eから成るパネル1Oによって壁面を構成するようにしてもよい。同図(a)、(b)、(c)および(d)は、パネル1Oの正面図、側面図、背面図および平面図であり、同図において図10と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
パネル1Oも、図10に示すパネル1Jと比較し、パネル本体1eの形状のみが相違し、一方の各端部がそれぞれ上方に突出する第1の係合部材2b,2b、および一方の各端部がそれぞれパネル本体1eの側端下方において左側方,右側方に突出する第2の係合部材3b,3bをパネル1Jと同様に備える。
図15は、図14に示すパネル1Oを第2の実施形態の第2変形例の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。なお、同図において図14と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
パネル1Jを用いた図11に示す壁面と同様、最下段には半物サイズのパネル1Pが使われている。このパネル1Pは、図14に示すパネル1Oのパネル本体1eが第1の係合部材2b,2bを備える上半分にされたパネル本体1fから成り、パネル本体1fの高さがパネル本体1eの高さの半分にされて、第2の係合部材3b,3bを備えていない。また、半物サイズのパネル1Pには、側方の最下段のパネル1Oの第2の係合部材3b,3bと対応する高さ位置において、アンカーボルト4がパネル本体1fの背面に埋め込まれたインサートナット5に螺合して、パネル本体1fの背面から突出している。
パネル1Oも、パネル1Jと同様に積み上げられる。つまり、最初に、最下段のパネル1Oおよびパネル1Pが、上端の高さを交互に異ならせて、基礎12上に複数横方向に揃えて並べられる。次に、最下段のパネル1Oおよびパネル1Pの背面側に、低い各パネル1Pの上端付近の高さまでコンクリート13が打設されて、打設されたコンクリート13が硬化することにより、最下段のパネル1Oおよびパネル1Pが固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた最下段の一段目の各パネル1O,1Pのうちの上端が低い各パネル1Pに、二段目のパネル1O21が一段目のパネル1Pと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1O21の上端が側方の一段目のパネル1Oの上端よりも高くされる。その後、各パネル1O,1O21の背面側に、上端が低い一段目の各パネル1Oの上端付近の高さまでコンクリート13が打設されて、打設されたコンクリート13が硬化することにより、二段目の各パネル1O21が固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた一段目および二段目の各パネル1O,1O21のうちの、上端が低い一段目の各パネル1Oに二段目のパネル1O22が一段目のパネル1Oと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1O22の上端が二段目の側方のパネル1O21の上端よりも高くされる。その後、各パネル1O21,1O22の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1O21の上端付近の高さまでコンクリート13が打設されて、打設されたコンクリート13が硬化することにより、二段目の各パネル1O22が固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた二段目の各パネル1O21,1O22のうちの上端が低い各パネル1O21に、三段目のパネル1O31が矢示するように二段目のパネル1O21と側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた三段目のパネル1O31の上端が二段目の側方のパネル1O22の上端よりも高くされる。その後、各パネル1O22,1O31の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1O22の上端付近の高さまでコンクリート13が打設され、打設されたコンクリート13が硬化することにより、三段目のパネル1O31が固定されて動かなくなる。
上記のように各パネル1Oは、積み上げられるパネル1Oの高さが所定の高さになるまでイモ積み方式で積み上げられ、上記の作業が繰り返される。パネル1Oの高さが所定の高さになると、最後に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられたパネル1Oのうちの上端が低いパネル1Oの上に、パネル1Oのパネル本体1eが第2の係合部材3b,3bを備える下半分にされた半物サイズのパネルが積み上げられて、壁面の上端が同じ高さに揃えられる。ここで、最上段のパネル1Oには、上方に突出する第1の係合部材2b,2bは取り付けられない。
このようなパネル1Oを用いた第2の実施形態の第2変形例による壁面構築方法および壁面構造によっても、上述した第2の実施形態と同様な作用効果が奏される。
また、図10および図11に示す第2の実施形態において、図14に示す凸状のパネル本体1eと図12に示す逆凸状のパネル本体1cとを上下につなげた図16に示すような形状をしたパネル本体1gから成るパネル1Qによって壁面を構成するようにしてもよい。同図(a)、(b)、(c)および(d)は、パネル1Qの側面図、背面図、正面図および平面図であり、同図において図10と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
パネル1Qも、図10に示すパネル1Jと比較し、パネル本体1gの形状のみが相違し、一方の各端部がそれぞれ上方に突出する第1の係合部材2b,2b、および一方の各端部がそれぞれパネル本体1gの側端下方において左側方,右側方に突出する第2の係合部材3b,3bをパネル1Jと同様に備える。
図17は、図16に示すパネル1Qを第2の実施形態の第3変形例の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。なお、同図において図16と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
パネル1Jを用いた図11に示す壁面と同様、最下段には半物サイズのパネル1Rが使われている。このパネル1Rは、図16に示すパネル1Qのパネル本体1gが第1の係合部材2b,2bを備える上半分にされた、図14に示すパネル本体1eと同様な形状をしたパネル本体1hから成り、パネル本体1hの高さがパネル本体1gの高さの半分にされて、第2の係合部材3b,3bを備えていない。また、半物サイズのパネル1Rには、側方の最下段のパネル1Qの第2の係合部材3b,3bと対応する高さ位置において、アンカーボルト4がパネル本体1hの背面に埋め込まれたインサートナット5に螺合して、パネル本体1hの背面から突出している。
パネル1Qも、パネル1Jと同様に積み上げられる。つまり、最初に、最下段のパネル1Qおよびパネル1Rが、上端の高さを交互に異ならせて、基礎12上に複数横方向に揃えて並べられる。次に、最下段のパネル1Qおよびパネル1Rの背面側に、低い各パネル1Rの上端付近の高さまでコンクリート13が打設されて、打設されたコンクリート13が硬化することにより、最下段のパネル1Qおよびパネル1Rが固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた最下段の一段目の各パネル1Q,1Rのうちの上端が低い各パネル1Rに、二段目のパネル1Q21が一段目のパネル1Rと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1Q21の上端が側方の一段目のパネル1Qの上端よりも高くされる。その後、各パネル1Q,1Q21の背面側に、上端が低い一段目の各パネル1Qの上端付近の高さまでコンクリート13が打設されて、打設されたコンクリート13が硬化することにより、二段目の各パネル1Q21が固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた一段目および二段目の各パネル1Q,1Q21のうちの上端が低い一段目の各パネル1Qに、二段目のパネル1Q22が矢示するように一段目のパネル1Qと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1Q22の上端が二段目の側方のパネル1Q21の上端よりも高くされる。その後、各パネル1Q21,1Q22の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1Q21の上端付近の高さまでコンクリート13が打設されて、打設されたコンクリート13が硬化することにより、二段目の各パネル1q22が固定されて動かなくなる。
上記のように各パネル1Qは、積み上げられるパネル1Qの高さが所定の高さになるまでイモ積み方式で積み上げられ、上記の作業が繰り返される。パネル1Qの高さが所定の高さになると、最後に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられたパネル1Qのうちの上端が低いパネル1Qの上に、パネル1Qのパネル本体1gが第2の係合部材3b,3bを備える下半分にされた、図12に示すパネル本体1cと同様な形状をした半物サイズのパネルが積み上げられて、壁面の上端が同じ高さに揃えられる。ここで、最上段のパネル1Qには、上方に突出する第1の係合部材2b,2bは取り付けられない。
このようなパネル1Qを用いた第2の実施形態の第3変形例による壁面構築方法および壁面構造によっても、上述した第2の実施形態と同様な作用効果が奏される。
次に、本発明による壁面構築方法および壁面構造の第3の実施の形態について説明する。
上記の第1の実施形態におけるパネル1Aは、一方の各端部がそれぞれパネル本体1aの側端上方において左側方,右側方に突出する第1の係合部材2a,2aと、一方の各端部がそれぞれパネル本体1aの下方に突出する第2の係合部材3a,3aとを備えている場合について説明した。しかし、第3の実施形態におけるパネル1Sは、図18に示すように、一方の各端部がそれぞれパネル本体1aの側端上方において左側方,右側方に突出する第1の係合部材2a,2aと、一方の各端部がそれぞれパネル本体1aの側端下方において左側方,右側方に突出する第2の係合部材3b,3bとを備えて、構成されている。同図(a)、(b)、(c)および(d)は、パネル1Sの正面図、側面図、背面図および平面図であり、同図において図1と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
第2の係合部材3b,3bも、第1の係合部材2a,2aと同様、断面L字形状の鋼材から成り、他方の各端部にあけられた穴が、パネル本体1aの背面のインサートナット5に螺合したアンカーボルト4に通され、ナット6で締め付けられて固定されている。
図19は、図18に示すパネル1Sを第3の実施形態の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。なお、同図において図18と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
壁面は、各パネル1Sの側端が上段と下段とで揃えられるイモ積み方式で、垂直または斜めに各パネル1Sが複数段積み上げられて、構築される。構築されると、壁面を構成する各パネル本体1aの前面は面一になる。
図20は、斜めに各パネル1Sを複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面斜視図である。なお、同図において図19と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
最下段には半物サイズのパネル1Tが使われている。このパネル1Tは、図18に示すパネル1Sのパネル本体1aが第1の係合部材2a,2aを備える上半分にされたパネル本体1bから成り、パネル本体1bの高さがパネル本体1aの高さの半分にされて、第2の係合部材3b,3bを備えていない。
壁面の構築に際し、最初に、最下段のパネル1Sおよびパネル1Tが、上端の高さを交互に異ならせて、砕石11上の基礎12上に複数横方向に揃えて並べられ、支保工などによって仮固定される。次に、最下段のパネル1Sおよびパネル1Tの背面側に、低い各パネル1Tの上端付近の高さA(図20参照)まで、コンクリート13が打設される。打設されたこのコンクリート13が硬化することにより、各パネル本体1a,1bの背面から突出するアンカーボルト4がアンカーとなって、最下段のパネル1Sおよびパネル1Tが固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた最下段の一段目の各パネル1S,1Tのうちの、上端が低い各パネル1Tに二段目のパネル1S21が一段目のパネル1Tと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1S21の上端が側方の一段目のパネル1Sの上端よりも高くされる。このパネル本体1aの積み上げは、壁面を垂直または斜めに構築する場合に、二段目のパネル1S21のパネル本体1aと、上端が低い下方のパネル1Tのパネル本体1bとの各パネル面を平行にして、側方に突出する第2の係合部材3b,3bを取り付けていない、もしくは、その端部を図20に示すように下方に回動して側方から突出させていない二段目のパネル1S21のパネル本体1aを、上端が低い下方のパネル1Tのパネル本体1bに積むことで、行われる。取り外した、もしくは、端部を回動させた第2の係合部材3b,3bは、既に載置されている側方の一段目のパネル1Sに取り付けられた第1の係合部材2a,2aと干渉しなくなった後、パネル本体1aに取り付けられる、もしくは、端部が側方に突出する元の位置に図20に矢示するように回動させられる。
また、壁面を斜めに構築する場合には、側方に突出する第2の係合部材3b,3bを取り付けていない、もしくは、その端部を回動して側方から突出させていない二段目のパネル1S21のパネル本体1aを、パネル面を垂直にして、パネル面が傾いた下方のパネル1Tのパネル本体1bの上端に乗せた後、背面側に傾けて積むことでも、行われる。取り外した、もしくは、端部を回動させた第2の係合部材3b,3bは、既に載置されている側方の一段目のパネル1Sのパネル本体1aと干渉しなくなった後、パネル本体1aに取り付けられる、もしくは、端部が側方に突出する元の位置に回動させられる。
この際、一段目の各パネル1Sに備えられた第1の係合部材2a,2aは、側方に突出した端部が側方に積み上げられる二段目のパネル1S21のパネル本体1aの背面に当接して、積み上げられる二段目のパネル1S21の背面側へ倒れる力を支える。また、二段目のパネル1S21に備えられた第2の係合部材3b,3bは、側方に突出した端部が既に積まれた側方の一段目のパネル1Sのパネル本体1aの背面に当接して、下端が前面側へ迫り出すのを抑える。従って、二段目のパネル1S21は、積み上げられる際に、第1の係合部材2a,2aと第2の係合部材3b,3bとにより、下方の一段目のパネル1Tのパネル本体1bと側端が揃えられて、上端が低い一段目のパネル1T上に載置される。
その後、各パネル1S,1S21の背面側に、上端が低い一段目の各パネル1Sの上端付近の高さB(図20参照)まで、コンクリート13が打設される。打設されたこのコンクリート13が硬化することにより、各パネル本体1aの背面から突出するアンカーボルト4がアンカーとなって、二段目の各パネル1S21が固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた一段目および二段目の各パネル1S,1S21のうちの、上端が低い一段目の各パネル1Sに二段目のパネル1S22が一段目のパネル1Sと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1S22の上端が二段目の側方のパネル1S21の上端よりも高くされる。このときも、パネル本体1aの積み上げは、二段目のパネル1S21のパネル本体1aを上端が低い下方のパネル1Tのパネル本体1bに積むときと同様にして、行われる。
この際、二段目の各パネル1S21に備えられた第1の係合部材2a,2aは、側方に突出した端部が側方に積み上げられる二段目のパネル1S22のパネル本体1aの背面に当接して、積み上げられる二段目のパネル1S22の背面側へ倒れる力を支える。また、二段目のパネル1S22に備えられた第2の係合部材3b,3bは、側方に突出した端部が既に積まれた側方の二段目のパネル1S21のパネル本体1aの背面に当接して、下端が前面側へ迫り出すのを抑える。従って、二段目のパネル1S22は、積み上げられる際に、第1の係合部材2a,2aと第2の係合部材3b,3bとにより、下方の一段目のパネル1Sのパネル本体1aと側端が揃えられて、上端が低い一段目のパネル1S上に載置される。
その後、各パネル1S21,1S22の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1S21の上端付近の高さC(図20参照)まで、コンクリート13が打設される。打設されたこのコンクリート13が硬化することにより、各パネル本体1aの背面から突出するアンカーボルト4がアンカーとなって、二段目の各パネル1S22が固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた二段目の各パネル1S21,1S22のうちの上端が低い各パネル1S21に、三段目のパネル1S31が図19に矢示するように二段目のパネル1S21と側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた三段目のパネル1S31の上端が二段目の側方のパネル1S22の上端よりも高くされる。その後、各パネル1S22,1S31の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1S22の上端付近の高さまでコンクリート13が打設され、打設されたコンクリート13が硬化することにより、三段目のパネル1S31が固定されて動かなくなる。
上記のように各パネル1Sは、積み上げられるパネル1Sの高さが所定の高さになるまでイモ積み方式で積み上げられ、上記の作業が繰り返される。パネル1Sの高さが所定の高さになると、最後に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられたパネル1Sのうちの上端が低いパネル1Sの上に、パネル1Sのパネル本体1aが第2の係合部材3b,3bを備える下半分にされた半物サイズのパネルが積み上げられて、壁面の上端が同じ高さに揃えられる。
このようなパネル1Sを用いた第3の実施形態による壁面構築方法および壁面構造によっても、上述した第1の実施形態と同様な作用効果が奏される。
さらに、第3の実施形態によれば、次段のパネル本体1aを上端が低い下方のパネル本体1aとパネル面を平行にして積む場合、次段のパネル本体1aに側方に突出して備えられた第2の係合部材3b,3bをパネル本体1aから取り外す、もしくは、その端部を回動して側方から突出させないことで、次段のパネル本体1aに備えられた第2の係合部材3b,3bが、次段のパネル本体1aの設置位置側方に既に載置されているパネル本体1aおよびそれに取り付けられた第1の係合部材2a,2aと干渉すること無く、次段のパネル本体1aを側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体1a上に載置することができる。
なお、この場合、次段のパネル本体1aの設置位置側方に既に載置されているパネル本体1aの側方から突出する第1の係合部材2a,2aをそのパネル本体1aから取り外す、もしくは、その端部を回動して側方から突出させないことで、次段のパネル本体1aおよびその側方に突出して備えられた第2の係合部材3b,3bが、次段のパネル本体1aの設置位置側方に既に載置されているパネル本体1aに備えられた第1の係合部材2a,2aと干渉すること無く、次段のパネル本体1aを側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体1a上に載置することができる。
また、次段のパネル本体1aをパネル面を垂直にしてパネル面が傾いた下方のパネル本体1aの上端に乗せた後、背面側に傾けて積む場合、次段のパネル本体1aに側方に突出して備えられた第2の係合部材3b,3bをパネル本体1aから取り外す、もしくは、その端部を回動して側方から突出させないことで、次段のパネル本体1aに備えられた第2の係合部材3b,3bが、次段のパネル本体1aの設置位置側方に既に載置されているパネル本体1aと干渉すること無く、次段のパネル本体1aを側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体1a上に載置することができる。
なお、上記の第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様、各パネル1Sが図20に示す一対の転倒防止部材7を備えているように、構成してもよい。この転倒防止部材7も、断面L字形状の鋼材から成り、一方の各端部がそれぞれパネル本体1aの左側方,右側方に突出し、他方の各端部がパネル本体1aの背面にボルト8によって固定されている。転倒防止部材7は、各パネル1Sが積み上げられた後に各パネル1Sが前面側へ倒れるのを防止する。従って、この構成によっても、転倒防止部材7を備えた第1の実施形態と同様な作用効果が奏される。
また、上記の第3の実施形態においても、長方形状をしたパネル本体1aに限らず、逆凸状をしたパネル本体1c(図4参照)や、凸状をしたパネル本体1e(図6参照)、これらを上下につなげた形状をしたパネル本体1g(図8参照)などを用いて、これらの側端上方において左側方,右側方に突出する第1の係合部材2a,2aと、側端下方において左側方,右側方に突出する第2の係合部材3b,3bとを備えるように構成してもよい。このような構成によっても、上記の第3の実施形態と同様な作用効果が奏される。
次に、本発明による壁面構築方法および壁面構造の第4の実施の形態について説明する。
上記の第1〜第3の各実施形態におけるパネル1A,1C,1E,1G,1J,1M,1O,1Q,1Sは、一方の各端部がそれぞれパネル本体1a,1c,1e,1gの下方に突出する第2の係合部材3a,3a、または側方に突出する第2の係合部材3b,3bにより、パネル本体1a,1c,1e,1gの下端が前面側へ迫り出すのを防止した場合について説明した。
しかし、第4の実施形態におけるパネル1Uは、図21に示す、パネル本体1uの下端に溝状に設けられた凹状係合部21およびパネル本体1uの上端に突状に設けられた凸状係合部22により、パネル本体1uの下端が前面側へ迫り出すのを防止する。同図(a)、(b)、(c)および(d)は、パネル1Uの正面図、側面図、背面図および平面図であり、同図において図1と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
つまり、パネル1Uでは、既に積まれた下方のパネル本体1uの上端に設けられた凸状係合部22と、積み上げられる上方のパネル本体1uの下端に設けられた凹状係合部21とが係合して、積み上げられる上方のパネル本体1uの下端が前面側へ迫り出すのが抑えられる。また、パネル1Uは、第1の実施形態と同様に第1の係合部材2a,2aをパネル本体1uに備える。この第1の係合部材2a,2aは、側方に突出した端部が側方に積み上げられるパネル本体1uの背面に当接して、積み上げられるパネル本体1uの背面側へ倒れる力を支える。
図22は、図21に示すパネル1Uを第4の実施形態の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。なお、同図において図21と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
壁面は、各パネル1Uの側端が上段と下段とで揃えられるイモ積み方式で、垂直または斜めに各パネル1Uが複数段積み上げられて、構築される。構築されると、壁面を構成する各パネル本体1uの前面は面一になる。
最下段には半物サイズのパネル1Vが使われている。このパネル1Vは、図21に示すパネル1Uのパネル本体1uが第1の係合部材2a,2aを備える上半分にされたパネル本体1vから成り、パネル本体1vの高さがパネル本体1uの高さの半分にされている。また、最下段のパネル1Uには、側方の半物サイズのパネル1Vの第1の係合部材2a,2aと対応する高さ位置において、アンカーボルト4がパネル本体1uの背面に埋め込まれたインサートナット5に螺合して、パネル本体1uの背面から突出している。
壁面の構築に際し、最初に、最下段のパネル1Uおよびパネル1Vが、上端の高さを交互に異ならせて、基礎12上に複数横方向に揃えて並べられ、支保工などによって仮固定される。次に、最下段のパネル1Uおよびパネル1Vの背面側に、低い各パネル1Vの上端付近の高さまで、コンクリート13が打設される。打設されたこのコンクリート13が硬化することにより、各パネル本体1u,1vの背面から突出するアンカーボルト4がアンカーとなって、最下段のパネル1Uおよびパネル1Vが固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた最下段の一段目の各パネル1U,1Vのうちの上端が低い各パネル1Vに、二段目のパネル1U21が一段目のパネル1Vと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1U21の上端が側方の一段目のパネル1Uの上端よりも高くされる。このパネル本体1uの積み上げは、壁面を垂直に構築する場合には、二段目のパネル1U21のパネル本体1uを垂直に吊り上げ、上端が低い下方のパネル1Vの垂直に立つパネル本体1vとパネル面を平行にして、二段目のパネル1U21のパネル本体1uを上端が低い下方のパネル1Vのパネル本体1vに積むことで、行われる。また、壁面を斜めに構築する場合には、二段目のパネル1U21のパネル本体1uを斜めに吊り上げ、上端が低い下方のパネル1Vの斜めに傾くパネル本体1vとパネル面を平行にして積むか、もしくは、二段目のパネル1U21のパネル本体1uをパネル面を垂直にして、パネル面が傾いた下方のパネル1Vのパネル本体1vの上端に乗せた後、背面側に傾けて積むことでも、行われる。
この際、一段目の各パネル1Uに備えられた第1の係合部材2a,2aは、側方に突出した端部が側方に積み上げられる二段目のパネル1U21のパネル本体1uの背面に当接して、積み上げられる二段目のパネル1U21の背面側へ倒れる力を支える。また、二段目のパネル1U21のパネル本体1uの下端に設けられた凹状係合部21が下方のパネル1Vのパネル本体1vの上端に設けられた凸状係合部22と係合して、二段目のパネル1U21のパネル本体1uの下端が前面側へ迫り出すのが抑えられる。従って、二段目のパネル1U21は、積み上げられる際に、第1の係合部材2a,2aと凹状係合部21および凸状係合部22とにより、下方の一段目のパネル1Vのパネル本体1vと側端が揃えられて、上端が低い一段目のパネル1V上に載置される。
その後、各パネル1U,1U21の背面側に、上端が低い一段目の各パネル1Uの上端付近の高さまで、コンクリート13が打設される。打設されたこのコンクリート13が硬化することにより、各パネル本体1uの背面から突出するアンカーボルト4がアンカーとなって、二段目の各パネル1U21が固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた一段目および二段目の各パネル1U,1U21のうちの上端が低い一段目の各パネル1Uに、二段目のパネル1U22が一段目のパネル1Uと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1U22の上端が二段目の側方のパネル1U21の上端よりも高くされる。このときも、パネル本体1uの積み上げは、二段目のパネル1U21のパネル本体1uを上端が低い下方のパネル1Vのパネル本体1vに積むときと同様にして、行われる。
この際、二段目の各パネル1U21に備えられた第1の係合部材2a,2aは、側方に突出した端部が側方に積み上げられる二段目のパネル1U22のパネル本体1uの背面に当接して、積み上げられる二段目のパネル1U22の背面側へ倒れる力を支える。また、二段目のパネル1U22のパネル本体1uの下端に設けられた凹状係合部21が下方のパネル1Uのパネル本体1uの上端に設けられた凸状係合部22と係合して、二段目のパネル1U22のパネル本体1uの下端が他面側へ迫り出すのが抑えられる。従って、二段目のパネル1U22は、積み上げられる際に、第1の係合部材2a,2aと凹状係合部21および凸状係合部22とにより、下方の一段目のパネル1Uのパネル本体1uと側端が揃えられて、上端が低い一段目のパネル1U上に載置される。
その後、各パネル1U21,1U22の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1U21の上端付近の高さまで、コンクリート13が打設される。打設されたこのコンクリート13が硬化することにより、各パネル本体1uの背面から突出するアンカーボルト4がアンカーとなって、二段目の各パネル1U22が固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた二段目の各パネル1U21,1U22のうちの上端が低い各パネル1U21に、三段目のパネル1U31が矢示するように二段目のパネル1U21と側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた三段目のパネル1U31の上端が二段目の側方のパネル1U22の上端よりも高くされる。その後、各パネル1U22,1U31の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1U22の上端付近の高さまでコンクリート13が打設され、打設されたコンクリート13が硬化することにより、三段目のパネル1U31が固定されて動かなくなる。
上記のように各パネル1Uは、積み上げられるパネル1Uの高さが所定の高さになるまでイモ積み方式で積み上げられ、上記の作業が繰り返される。パネル1Uの高さが所定の高さになると、最後に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられたパネル1Uのうちの上端が低いパネル1Uの上に、パネル1Uのパネル本体1uが第1の係合部材2a,2aを備えない下半分にされた半物サイズのパネルが積み上げられて、壁面の上端が同じ高さに揃えられる。
このようなパネル1Uを用いた第4の実施形態による壁面構築方法および壁面構造によっても、上述した第1の実施形態と同様な作用効果が奏される。すなわち、次段のパネル本体1uを側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体1u,1v上に単に載置することで、パネル本体1uを垂直にまたは背面側に傾斜させて積み上げることが可能となり、従来行われた、隣接する各パネル1Uをボルトおよびナットで締結させる多大な手間の掛かる作業を行う必要がなくなって、壁面の構築作業の作業効率は著しく向上する。また、各パネル本体1u,1vはボルト等で剛結されて一体化される構成ではない。このため、補強土工法等のフレキシブルな構造体の壁面に使用される場合、パネル本体1u,1vは盛土等の沈下や変形に追従して動くことが可能であり、フレキシブルで耐久性が増した壁面を構築できる壁面構築方法および壁面構造が提供される。
また、上記の第4の実施形態においては、パネル本体1uの下端に溝状に設けられた凹状係合部21およびパネル本体1uの上端に突状に設けられた凸状係合部22により、パネル本体1uの下端が前面側へ迫り出すのを防止した場合について説明したが、パネル本体1uの下端または上端のいずれか一方にのみ、これと接するパネル本体1uの上端または下端に係合する係合部を設けるように構成してもよい。また、図23に示すパネル1Wのように、そのパネル本体1wの下端および上端に設けられた穴状係合部23、および図24に示すピン状部材24により、パネル本体1wの下端が前面側へ迫り出すのを防止するように構成してもよい。図23(a)、(b)、(c)および(d)は、パネル1Wの正面図、側面図、背面図および平面図であり、同図において図21と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
パネル1Wは、図21に示すパネル1Uと比較し、凹状係合部21および凸状係合部22に代えて穴状係合部23をパネル本体1wの下端および上端に備える点のみが相違し、パネル本体1cの側端上方において左側方,右側方に突出する第1の係合部材2a,2aをパネル1Uと同様に備える。
図24は、図23に示すパネル1Wを第4の実施形態の第1変形例の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。なお、同図において図23と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
パネル1Uを用いた図22に示す壁面と同様、最下段には半物サイズのパネル1Xが使われている。このパネル1Xは、図23に示すパネル1Wのパネル本体1wが第1の係合部材2a,2aを備える上半分にされたパネル本体1xから成り、パネル本体1xの高さがパネル本体1wの高さの半分にされている。また、最下段のパネル1Wには、側方の半物サイズのパネル1Xの第1の係合部材2a,2aと対応する高さ位置において、アンカーボルト4がパネル本体1wの背面に埋め込まれたインサートナット5に螺合して、パネル本体1wの背面から突出している。
最初に、最下段のパネル1Wおよびパネル1Xが、上端の高さを交互に異ならせて、基礎12上に複数横方向に揃えて並べられる。次に、最下段のパネル1Wおよびパネル1Xの背面側に、低い各パネル1Xの上端付近の高さまで、コンクリート13が打設される。打設されたこのコンクリート13が硬化することにより、各パネル本体1w,1xの背面から突出するアンカーボルト4がアンカーとなって、最下段のパネル1Wおよびパネル1Xが固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた最下段の一段目の各パネル1W,1Xのうちの上端が低い各パネル1Xに、二段目のパネル1W21が一段目のパネル1Xと側端を揃えて積み上げられる。この際、一段目のパネル1Xのパネル本体1xの上端に設けられた穴状係合部23にピン状部材24の下半分が予め差し込まれ、二段目のパネル1W21のパネル本体1wの下端に設けられた穴状係合部23にピン状部材24の上半分が差し込まれる。積み上げられた二段目のパネル1W21の上端は、側方の一段目のパネル1Wの上端よりも高くなる。
このパネル本体1wの積み上げも、壁面を垂直に構築する場合には、二段目のパネル1W21のパネル本体1wを垂直に吊り上げ、上端が低い下方のパネル1Xの垂直に立つパネル本体1xとパネル面を平行にして、二段目のパネル1W21のパネル本体1wを上端が低い下方のパネル1Xのパネル本体1xに積むことで、行われる。また、壁面を斜めに構築する場合には、二段目のパネル1W21のパネル本体1wを斜めに吊り上げ、上端が低い下方のパネル1Xの斜めに傾くパネル本体1xとパネル面を平行にして積むことで、行われる。または、パネル面が傾いた下方のパネル1Xのパネル本体1xの上端にピン状部材24の下半分を予め差し込んでおき、二段目のパネル1W21のパネル本体1wをパネル面を垂直にして、パネル面が傾いた下方のパネル1Xのパネル本体1xの上端に近付け、背面側に傾ける。そして、下方のパネル本体1xの上端に差し込まれたピン状部材24の上半分を、上方のパネル本体1w下端の穴状係合部23に差し込んで、パネル本体1wをパネル本体1xに乗せて積むことでも、行われる。もしくは、二段目のパネル1W21のパネル本体1wをパネル面を垂直にして、パネル面が傾いた下方のパネル1Xのパネル本体1xの上端に近付けて、下方のパネル本体1xの上端に差し込まれたピン状部材24の一部を上方のパネル本体1w下端の穴状係合部23に差し込んでから、上方のパネル本体1wを傾けて積むことでも、行われる。もしくは、二段目のパネル1W21のパネル本体1wをパネル面を垂直にして、パネル面が傾いた下方のパネル1Xのパネル本体1xの上端に乗せた後、上方のパネル本体1wを傾けながら、下方のパネル本体1xの上端に差し込まれたピン状部材24を上方のパネル本体1w下端の穴状係合部23に差し込んで、積むことでも、行われる。
この際、一段目の各パネル1Wに備えられた第1の係合部材2a,2aは、側方に突出した端部が側方に積み上げられる二段目のパネル1W21のパネル本体1wの背面に当接して、積み上げられる二段目のパネル1W21の背面側へ倒れる力を支える。また、二段目のパネル1W21のパネル本体1w下端に設けられた穴状係合部23に、下方のパネル1Xのパネル本体1xの上端に差し込まれたピン状部材24が差し込まれることで、二段目のパネル1W21のパネル本体1wの下端が前面側へ迫り出すのが抑えられる。従って、二段目のパネル1W21は、積み上げられる際に、第1の係合部材2a,2aと穴状係合部23およびピン状部材24とにより、下方の一段目のパネル1Xのパネル本体1xと側端が揃えられて、上端が低い一段目のパネル1X上に載置される。
その後、各パネル1W,1W21の背面側に、上端が低い一段目の各パネル1Wの上端付近の高さまで、コンクリート13が打設される。打設されたこのコンクリート13が硬化することにより、各パネル本体1wの背面から突出するアンカーボルト4がアンカーとなって、二段目の各パネル1W21が固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた一段目および二段目の各パネル1W,1W21のうちの上端が低い一段目の各パネル1Wに、二段目のパネル1W22が一段目のパネル1Wと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1W22の上端が二段目の側方のパネル1W21の上端よりも高くされる。このときも、パネル本体1wの積み上げは、二段目のパネル1W21のパネル本体1wを上端が低い下方のパネル1Xのパネル本体1xに積むときと同様にして、行われる。
この際、二段目の各パネル1W21に備えられた第1の係合部材2a,2aは、側方に突出した端部が側方に積み上げられる二段目のパネル1W22のパネル本体1wの背面に当接して、積み上げられる二段目のパネル1W22の背面側へ倒れる力を支える。また、二段目のパネル1W22のパネル本体1wの下端に設けられた穴状係合部23に、下方のパネル1Wのパネル本体1wの上端に差し込まれたピン状部材24が差し込まれることで、二段目のパネル1W22のパネル本体1wの下端が前面側へ迫り出すのが抑えられる。従って、二段目のパネル1W22は、積み上げられる際に、第1の係合部材2a,2aと穴状係合部23およびピン状部材24とにより、下方の一段目のパネル1Wのパネル本体1wと側端が揃えられて、上端が低い一段目のパネル1W上に載置される。
その後、各パネル1W21,1W22の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1W21の上端付近の高さまで、コンクリート13が打設される。打設されたこのコンクリート13が硬化することにより、各パネル本体1wの背面から突出するアンカーボルト4がアンカーとなって、二段目の各パネル1W22が固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた二段目の各パネル1W21,1W22のうちの上端が低い各パネル1W21に、三段目のパネル1W31が矢示するように二段目のパネル1W21と側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた三段目のパネル1W31の上端が二段目の側方のパネル1W22の上端よりも高くされる。その後、各パネル1W22,1W31の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1W22の上端付近の高さまでコンクリート13が打設され、打設されたコンクリート13が硬化することにより、三段目のパネル1W31が固定されて動かなくなる。
上記のように各パネル1Wは、積み上げられるパネル1Wの高さが所定の高さになるまでイモ積み方式で積み上げられ、上記の作業が繰り返される。パネル1Wの高さが所定の高さになると、最後に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられたパネル1Wのうちの上端が低いパネル1Wの上に、パネル1Wのパネル本体1wが第1の係合部材2a,2aを備えない下半分にされた半物サイズのパネルが積み上げられて、壁面の上端が同じ高さに揃えられる。
このようなパネル1Wを用いた第4の実施形態の第1変形例による壁面構築方法および壁面構造によっても、上述した第1の実施形態と同様な作用効果が奏される。
なお、上記の第4の実施形態および第4の実施形態の第1変形例においても、長方形状をしたパネル本体1u、1wに限らず、逆凸状をしたパネル本体1c(図4参照)や、凸状をしたパネル本体1e(図6参照)、これらを上下につなげた形状をしたパネル本体1g(図8参照)などの下端に溝状に凹状係合部21、上端に突状に凸状係合部22を設けたり、下端および上端にピン状部材24が差し込まれる穴状係合部23を設けるように構成してもよい。このような構成によっても、上記の第4の実施形態および第4の実施形態の第1変形例と同様な作用効果が奏される。
また、上述した第1〜第4の実施形態においては、第1の係合部材2a,2a、2b,2bおよび第2の係合部材3a,3a、3b,3bをパネル本体1a〜1h,1u〜1xの背面に隙間無く取り付けた場合について説明した。しかし、図25に示すパネル1Yのように、パネル本体1aの背面に第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bを所定の間隔をあけて、取り付けるように構成してもよい。同図(a)、(b)、(c)および(d)は、パネル1Yの正面図、側面図、背面図および平面図であり、同図において図10と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
パネル1Yは、図10に示す第2の実施形態のパネル1Jと比較し、第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bの他方の各端部が、当接するパネル本体1aと所定の間隔があくように設けられている点が相違する。この所定の間隔は、第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bのパネル本体1aに取り付けられる各取付面と、取り付けられるパネル本体1aの背面との間に、調整材31が介挿されることで、あけられており、調整材31の厚さを選択することで、所定の間隔を調整することが出来る。また、第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bは、アンカーボルト4およびナット6によってパネル本体1aに着脱自在に取り付けられている点は、第2の実施形態のパネル1Jと同様である。
また、パネル1Yは、第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bの上方および側方に突出する一方の各端部が、当接するパネル本体1a側に出し入れ自在な調整治具32を介して、隣接するパネル本体1aに当接する点も、第2の実施形態のパネル1Jと相違する。調整治具32は、ボルトから成り、第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bの突出する端部側の穴に溶接されたナット33に螺合することで、当接するパネル本体1a側に出し入れ自在に構成されている。なお、ナット33を溶接すること無く、第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bの突出する端部側の穴に雌ねじを直接切って、調整治具32をこの雌ねじに直接螺合させるように構成してもよい。
また、第1の係合部材2b,2bは、パネル本体1aとのアンカーボルト4による取付箇所よりも、突出する端部の反対側に離れた一端に、パネル本体1aの背面に当接する支点がボルト34によって設けられている。このボルト34は、第1の係合部材2b,2bの一端にあけられた穴に溶接されたナット35に螺合することで、当接するパネル本体1a側に出し入れ自在に構成されている。なお、このナット35も、溶接すること無く、第1の係合部材2b,2bの一端の穴に雌ねじを直接切って、ボルト34をこの雌ねじに直接螺合させるように構成してもよい。
図26は、図25に示すパネル1Yを第2の実施形態の第4変形例の壁面構築方法によって複数段積み上げて構築して行く過程における壁面構造の背面図である。なお、同図において図25と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
壁面は、各パネル1Yの側端が上段と下段とで揃えられるイモ積み方式で、垂直または斜めに各パネル1Yが複数段積み上げられて、構築される。構築されると、壁面を構成する各パネル本体1aの前面は面一になる。
最下段には半物サイズのパネル1Zが使われている。このパネル1Zは、図25に示すパネル1Yのパネル本体1aが第1の係合部材2b,2bを備える上半分にされたパネル本体1bから成り、パネル本体1bの高さがパネル本体1aの高さの半分にされて、第2の係合部材3b,3bを備えていない。また、各パネル1Yおよび1Zの第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bに設けられた調整治具32は、各パネル1Yおよび1Zが積まれる前には、その先端がパネル前面側へ突出しないようにその出し入れが調整されている、もしくは、取り付けられていない。
最初に、最下段のパネル1Yおよびパネル1Zが、上端の高さを交互に異ならせて、基礎12上に複数横方向に揃えて並べられる。そして、パネル1Yの下端側方に突出する第2の係合部材3b,3bに設けられた調整治具32の先端が、パネル前面側へ突出するようにその出し入れが調整されて、側方にあるパネル1Zのパネル本体1bの背面に当接される。次に、最下段のパネル1Yおよびパネル1Zの背面側に、低い各パネル1Zの上端付近の高さまで、コンクリート13が打設される。打設されたこのコンクリート13が硬化することにより、各パネル本体1a,1bの背面から突出するアンカーボルト4がアンカーとなって、最下段のパネル1Yおよびパネル1Zが固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた最下段の一段目の各パネル1Y,1Zのうちの上端が低い各パネル1Zに、二段目のパネル1Y21が一段目のパネル1Zと側端を揃えて積み上げられ、二段目のパネル1Y21の上端が側方の一段目のパネル1Yの上端よりも高くされる。このパネル本体1aの積み上げは、壁面を垂直に構築する場合には、二段目のパネル1Y21のパネル本体1aを垂直に吊り上げ、上端が低い下方のパネル1Zの垂直に立つパネル本体1bとパネル面を平行にして積むことで、行われる。
また、壁面を斜めに構築する場合には、二段目のパネル1Y21のパネル本体1aを斜めに吊り上げ、上端が低い下方のパネル1Zの斜めに傾くパネル本体1bとパネル面を平行にして積むか、または、側方に突出する第2の係合部材3b,3bを取り付けていない、もしくは、その端部を回動して側方から突出させていない二段目のパネル1Y21のパネル本体1aを、パネル面を垂直にして、パネル面が傾いた下方のパネル1Zのパネル本体1bの上端に乗せた後、背面側に傾けて積むことで、行われる。取り外した、もしくは、端部を回動させた第2の係合部材3b,3bは、既に載置されている一段目のパネル1Yのパネル本体1aと干渉しなくなった後、パネル本体1aに取り付けられる、もしくは、端部が元の位置に回動させられる。
その後、下方のパネル1Zから上方に突出する第1の係合部材2b,2bに設けられた調整治具32の各先端が、パネル前面側へ突出するようにその出し入れが調整されて、積み上げられたパネル1Y21のパネル本体1aの背面に当接される。また、パネル1Y21から側方に突出する第2の係合部材3b,3bに設けられた調整治具32の各先端が、パネル前面側へ突出するようにその出し入れが調整されて、側方のパネルYのパネル本体1aの背面に当接される。
この際、一段目の各パネル1Zに備えられた第1の係合部材2b,2bは、上方に突出した端部が上方に積み上げられる二段目のパネル1Y21のパネル本体1aの背面に調整治具32を介して当接し、積み上げられる二段目のパネル1Y21の背面側へ倒れる力を支える。また、二段目のパネル1Y21に備えられた第2の係合部材3b,3bは、側方に突出した端部が既に積まれた側方の一段目のパネル1Yのパネル本体1aの背面に調整治具32を介して当接し、下端が前面側へ迫り出すのを抑える。従って、二段目のパネル1Y21は、積み上げられる際に、第1の係合部材2b,2bと第2の係合部材3b,3bと調整治具32とにより、下方の一段目のパネル1Zのパネル本体1bと側端が揃えられて、上端が低い一段目のパネル1Z上に載置される。
その後、各パネル1Y,1Y21の背面側に、上端が低い一段目の各パネル1Yの上端付近の高さまで、コンクリート13が打設される。打設されたこのコンクリート13が硬化することにより、各パネル本体1aの背面から突出するアンカーボルト4がアンカーとなって、二段目の各パネル1Y21が固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた一段目および二段目の各パネル1Y,1Y21のうちの上端が低い一段目の各パネル1Yに、二段目のパネル1Y22が一段目のパネル1Yと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1Y22の上端が二段目の側方のパネル1Y21の上端よりも高くされる。このときも、パネル本体1aの積み上げは、一段目のパネル1Zに二段目のパネル1Y21を積み上げるときと同様にして行われる。
その後、下方のパネル1Yから上方に突出する第1の係合部材2b,2bに設けられた調整治具32の各先端が、パネル前面側へ突出するようにその出し入れが調整されて、積み上げられたパネル1Y22のパネル本体1aの背面に当接される。また、パネル1Y22から側方に突出する第2の係合部材3b,3bに設けられた調整治具32の各先端が、パネル前面側へ突出するようにその出し入れが調整されて、側方のパネルY21のパネル本体1aの背面に当接される。
この際、一段目の各パネル1Yに備えられた第1の係合部材2b,2bは、上方に突出した端部が上方に積み上げられる二段目のパネル1Y22のパネル本体1aの背面に調整治具32を介して当接し、積み上げられる二段目のパネル1Y22の背面側へ倒れる力を支える。また、二段目のパネル1Y22に備えられた第2の係合部材3b,3bは、側方に突出した端部が既に積まれた側方の二段目のパネル1Y21のパネル本体1aの背面に調整治具32を介して当接し、下端が前面側へ迫り出すのを抑える。従って、二段目のパネル1Y22は、積み上げられる際に、第1の係合部材2b,2bと第2の係合部材3b,3bと調整治具32とにより、下方の一段目のパネル1Yのパネル本体1aと側端が揃えられて、上端が低い一段目のパネル1Y上に載置される。
その後、各パネル1Y21,1Y22の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1Y21の上端付近の高さまで、コンクリート13が打設される。打設されたこのコンクリート13が硬化することにより、各パネル本体1aの背面から突出するアンカーボルト4がアンカーとなって、二段目の各パネル1Y22が固定されて動かなくなる。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた二段目の各パネル1Y21,1Y22のうちの上端が低い各パネル1Y21に、三段目のパネル1Y31が矢示するように二段目のパネル1Y21と側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた三段目のパネル1Y31の上端が二段目の側方のパネル1Y22の上端よりも高くされる。そして、下方のパネル1Y21から上方に突出する第1の係合部材2b,2bに設けられた調整治具32の各先端が、パネル前面側へ突出するようにその出し入れが調整されて、積み上げられたパネルY31のパネル本体1aの背面に当接される。また、パネル1Y31から側方に突出する第2の係合部材3b,3bに設けられた調整治具32の各先端が、パネル前面側へ突出するようにその出し入れが調整されて、側方のパネルY22のパネル本体1aの背面に当接される。その後、各パネル1Y22,1Y31の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1Y22の上端付近の高さまで、コンクリート13が打設され、打設されたコンクリート13が硬化することにより、三段目のパネル1Y31が固定されて動かなくなる。
上記のように各パネル1Yは、積み上げられるパネル1Yの高さが所定の高さになるまでイモ積み方式で積み上げられ、上記の作業が繰り返される。パネル1Yの高さが所定の高さになると、最後に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられたパネル1Yのうちの上端が低いパネル1Yの上に、パネル1Yのパネル本体1aが第2の係合部材3b,3bを備える下半分にされた半物サイズのパネルが積み上げられて、壁面の上端が同じ高さに揃えられる。ここで、最上段のパネル1Yには、上方に突出する第1の係合部材2b,2bは取り付けられない。
このようなパネル1Yを用いた第2の実施形態の第4変形例による壁面構築方法および壁面構造によっても、上述した第1の実施形態と同様な作用効果が奏される。
さらに、本変形例によれば、第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bの上方および側方に突出する端部が、当接するパネル本体1a,1bの背面と所定の間隔があくように設けられている。従って、次段のパネル本体1aを側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体1a,1b上に載置する際、第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bの突出する各端部とこれに当接するパネル本体1aとの間に隙間が確保されるので、次段のパネル本体1aは、第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bの突出する各端部がこれに当接するパネル本体1aと干渉することは無い。このため、特に、次段のパネル本体1aを上端が低い下方のパネル本体1a,1bとパネル面を平行にして積む場合、次段のパネル本体1aを下方のパネル本体1a,1b上にスムーズに移動させることができ、壁面の構築作業の作業効率はさらに向上する。
また、本変形例によれば、第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bは、パネル本体1a,1bに取り付けられる取付面と取り付けられるパネル本体1a,1bとの間に所定の間隔を調整する調整材31が介挿されて、パネル本体1a,1bに着脱自在に取り付けられている。従って、介挿される調整材31の厚さが選択されることで、第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bの各端部とこれに当接するパネル本体1aとの間にあく所定の間隔が、各端部とこれに当接するパネル本体1aとが干渉すること無く、かつ、積み上げ作業の行いやすい間隔に、調整される。
また、本変形例によれば、第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bは、当接するパネル本体1a側に出し入れ自在な調整治具32を介して端部がパネル本体1aに当接している。従って、当接するパネル本体1a側に調整治具32が突出しないようにその出し入れを調整することで、第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bの各端部とこれに当接するパネル本体1aとの間に所定の間隔を確保して、次段のパネル本体1aを側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体1a,1b上にスムーズに載置することができる。そして、パネル本体1aの載置後、当接するパネル本体1a側に調整治具32が突出するようにその出し入れを調整することで、第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bの各端部を調整治具32を介してパネル本体1aに当接させることができる。また、調整治具32の当接するパネル本体1a側への出し入れ量を調整することで、パネル本体1aの傾きを調整することができる。
なお、上記の本変形例において、ボルトから成る調整治具32を使わず、断面三角形状の板材から成るくさびや、断面矩形状の板状部材などを支持治具として用い、第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bの突出する各端部とパネル本体1aとの間にこの支持治具を挿し込んだり挟み込んで、突出する各端部をパネル本体1aの背面に当接させるように構成してもよい。この構成によれば、パネル本体1aの載置後、第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bの突出する各端部とパネル本体1aとの間に上記支持治具を挿し込みまたは挟み込み、各端部を支持治具を介してパネル本体1aに当接させることで、各端部とこれに当接するパネル本体1aとの間に所定の間隔を確保して、次段のパネル本体1aを側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体1a,1b上にスムーズに載置することができる。
また、くさびを支持治具にする場合には、第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bの突出する各端部とパネル本体1aとの間にこのくさびを挿し込む量を調整することで、各端部をパネル本体1aに当接させると共に、パネル本体1aの傾きを調整することが出来る。また、板状部材を支持治具にする場合には、第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bの突出する各端部とパネル本体1aとの間に挟み込むこの板状部材の厚さを調整することで、各端部をパネル本体1aに当接させると共に、パネル本体1aの傾きを調整することが出来る。
また、本変形例によれば、第1の係合部材2b,2bは、パネル本体1a,1bとのアンカーボルト4による取付箇所よりも、突出する端部の反対側に離れた一端に、パネル本体1a,1bの背面に当接する支点がボルト34によって設けられている。従って、パネル本体1a,1bの前面側から荷重がかかり、パネル本体1aの背面側へ倒れる力を支える第1の係合部材2b,2bの端部側に負荷がかかっても、第1の係合部材2b,2bの一端に設けられたボルト34によって構成される支点が、アンカーボルト4による取付箇所を挟む反対側でパネル本体1a,1bの背面に当接することにより、この負荷がパネル本体1a,1bの背面に当接する支点でも受けられる。このため、第1の係合部材2b,2bの突出する端部側にかかる負荷は、第1の係合部材2b,2bの取付箇所と第1の係合部材2b,2bの一端に設けられた支点とで支えられ、アンカーボルト4による取付箇所のみで第1の係合部材2b,2bがパネル本体1a,1bに固定されている場合に比べて、第1の係合部材2b,2bはぐらつくことなく確実にパネル本体1a,1bに固定される。
なお、上記の本変形例において、第2の係合部材3b,3bについても、パネル本体1aとのアンカーボルト4による取付箇所よりも、突出する端部の反対側に離れた一端に、パネル本体1aの背面に当接する支点をボルト34などによって設けるようにしてもよい。この構成では、パネル本体1aの下端が前面側へ迫り出す荷重がかかり、その迫り出しを抑える第2の係合部材3b,3bの端部側に負荷がかかっても、第2の係合部材3b,3bの一端に設けられた支点が、アンカーボルト4による取付箇所を挟む反対側でパネル本体1aの背面に当接することにより、この負荷がパネル本体1aの背面に当接する支点でも受けられる。このため、第2の係合部材3b,3bの突出する端部側にかかる負荷は、第2の係合部材3b,3bの取付箇所と第2の係合部材3b,3bの一端に設けられた支点とで支えられ、アンカーボルト4による取付箇所のみで第2の係合部材3b,3bがパネル本体1aに固定されている場合に比べて、第2の係合部材3b,3bはぐらつくことなく確実にパネル本体1aに固定される。
また、本変形例では、支点をボルト34によって構成する場合について説明したが、断面三角形状の板材から成るくさびや、断面矩形状の板状部材を、第1の係合部材2b,2bや第2の係合部材3b,3bの一端とパネル本体1aの背面との間に挿し込んだり挟み込んで、支点を構成するようにしてもよい。また、第1の係合部材2b,2bや第2の係合部材3b,3bの一端を折り曲げ、この折り曲げ部をパネル本体1aの背面に当接させて、支点を構成するようにしてもよい。
また、本変形例では、長方形状をしたパネル本体1aに第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bを所定の間隔をあけて取り付けた場合について説明した。しかし、長方形状をしたパネル本体1aに限らず、逆凸状をしたパネル本体1c(図4参照)や、凸状をしたパネル本体1e(図6参照)、これらを上下につなげた形状をしたパネル本体1g(図8参照)などにも同様にして、第1の係合部材2b,2bおよび第2の係合部材3b,3bを所定の間隔をあけて取り付け、必要な場合は上記の支点を設けるように構成してもよい。
また、上記の第1〜第4の各実施の形態および各変形例では、壁面の背面側にコンクリート13を打設し、パネル1A〜1H、1J、1K、1M〜1Zを構成する各パネル本体1a〜1h,1u〜1xの背面に突出するアンカーボルト4をアンカーとして、各パネル本体1a〜1h,1u〜1xを固定した場合について説明した。
しかし、各パネル1A〜1H、1J、1K、1M〜1Zを盛土補強土壁の壁面に適用するようにしてもよい。図27は、第1の実施形態による壁面構築方法および壁面構造をこの盛土補強土壁に適用した第1の実施形態の第4変形例を示す壁面構造の側断面図である。また、図28はその壁面構造の背面図である。なお、図27および図28において、図1および図2と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。
この盛土補強土壁では、パネル本体1a,1bは、盛土41中に埋設される長尺の金属板などから成る盛土補強材42により、盛土41の側面に固定される。盛土補強材42は、パネル本体1a,1bの背面に設けられた固定金具43にボルト44およびナット45で一端部が締結されている。固定金具43は、断面L字形状の金属板から成り、パネル本体1a,1bに曲げ部が埋め込まれ、端部がパネル本体1a,1bの背面から露出しており、露出したこの端部にボルト44が挿通される穴があいている。盛土補強材42は、盛土41中に埋設されることで、パネル本体1a,1bを盛土41の側面に固定する固定材、および盛土41の強度を増す補強材として機能すると共に、パネル本体1a,1bが壁面の前面側へ倒れるのを防止する転倒防止部材としても機能する。
また、第1の係合部材2a,2aおよび第2の係合部材3a,3aは、第1の実施形態における長いアンカーボルト4ではない通常のボルト4aが、パネル本体1a,1bの背面に埋設されたインサートナット5に螺合することで、パネル本体1a,1bの背面に締結されて固定されている。ボルト4aの頭部はアンカーボルト4のようにパネル本体1a,1bの背面に突出していない。
上記の盛土補強土壁の構築に際し、最初に、最下段のパネル1Aおよびパネル1Bが、上端の高さを交互に異ならせて、砕石11上の基礎12上に複数横方向に揃えて並べられ、支保工などによって仮固定される。次に、最下段のパネル1Aおよびパネル1Bの背面側に、低い各パネル1Bの上端付近の高さA(図27参照)まで盛土41を形成する土が埋められて、これが締め固められる。この際、最下段のパネル1Aの背面下方の固定金具43およびパネル1Bの背面の固定金具43に盛土補強材42がボルト44およびナット45で取り付けられ、盛土補強材42が盛土41を形成する土中に埋設される。この盛土補強材42により、最下段のパネル1Aおよびパネル1Bが固定されて、フレキシブルに支持される。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた最下段の一段目の各パネル1A,1Bのうちの上端が低い各パネル1Bに、二段目のパネル1A21が一段目のパネル1Bと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1A21の上端が側方の一段目のパネル1Aの上端よりも高くされる。このパネル本体1aの積み上げは、第1の実施形態と同様に行われる。
その後、各パネル1A,1A21の背面側に、上端が低い一段目の各パネル1Aの上端付近の高さB(図27参照)まで盛土41を形成する土が埋められて、これが締め固められる。この際、最下段のパネル1Aの背面上方の固定金具43および二段目のパネル1A21の背面下方の固定金具43に盛土補強材42がボルト44およびナット45で取り付けられ、盛土補強材42が盛土41を形成する土中に埋設される。この盛土補強材42により、二段目の各パネル1A21が固定されて、フレキシブルに支持される。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた一段目および二段目の各パネル1A,1A21のうちの上端が低い一段目の各パネル1Aに、二段目のパネル1A22が一段目のパネル1Aと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1A22の上端が二段目の側方のパネル1A21の上端よりも高くされる。
その後、各パネル1A21,1A22の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1A21の上端付近の高さC(図27参照)まで盛土41を形成する土が埋められて、これが締め固められる。この際、二段目のパネル1A21の背面上方の固定金具43および二段目のパネル1A22の背面下方の固定金具43に盛土補強材42がボルト44およびナット45で取り付けられ、盛土補強材42が盛土41を形成する土中に埋設される。この盛土補強材42により、二段目の各パネル1A22が固定されて、フレキシブルに支持される。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた二段目の各パネル1A21,1A22のうちの上端が低い各パネル1A21に、三段目のパネル1A31が二段目のパネル1A21と側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた三段目のパネル1A31の上端が二段目の側方のパネル1A22の上端よりも高くされる。その後、各パネル1A22,1A31の背面側に、上端が低い二段目の各パネル1A22の上端付近の高さD(図27参照)まで盛土41を形成する土が埋められて、これが締め固められる。この際、二段目のパネル1A22の背面上方の固定金具43および三段目のパネル1A31の背面下方の固定金具43に盛土補強材42がボルト44およびナット45で取り付けられ、盛土補強材42が盛土41を形成する土中に埋設される。この盛土補強材42により、三段目のパネル1A31が固定されて、フレキシブルに支持される。
上記のように各パネル1Aは、積み上げられるパネル1Aの高さが所定の高さになるまでイモ積み方式で積み上げられ、上記の作業が繰り返される。パネル1Aの高さが所定の高さになると、最後に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられたパネル1Aのうちの上端が低いパネル1Aの上に、半物サイズのパネルが積み上げられて、壁面の上端が同じ高さに揃えられる。
このような第1の実施形態の第4変形例による壁面構築方法および壁面構造によっても、上述した第1の実施形態と同様な作用効果が奏される。
また、本変形例では、盛土41の土圧が盛土補強材42に加えられ、盛土補強材42と盛土41との間に生じる摩擦抵抗によって盛土補強材42に引き抜き抵抗が持たされることで、盛土補強材42に接続された各パネル1Aが前面側へ倒れるのが防止される。また、パネル1Aを垂直に積み上げる場合や、斜めに積む場合でも、パネル1Aの自重が軽くて、パネル1Aに盛土補強材42を接続するまでの高さの盛土41による背面側からの側圧に耐えられなくて、パネル1Aの傾きを保てない場合には、図3に示すような転倒防止部材7等を併用する。
さらに、各パネル本体1aはボルト等で剛結されて一体化される構成ではないため、本変形例の補強土工法等のようにフレキシブルな構造体の壁面に使用される場合、パネル本体1aの背後にある盛土41等が沈下したり変形しても、パネル本体1aはその沈下や変形に追従して動くことが可能である。従って、パネル1Aどうしをボルト等で剛結させて一体化する従来の壁面のように、パネル1Aの背後にある盛土41等が沈下したり変形することで、壁面を構成する一部のパネル1Aに大きな荷重が局所的にかかり、パネル1Aが破損することもない。このため、フレキシブルで耐久性が増した壁面を構築できる壁面構築方法および壁面構造が提供される。
また、上記の第1〜第4の各実施の形態および各変形例においてコンクリート構造物の擁壁に適用した各パネル1A〜1H、1J、1K、1M〜1Zを、一度に大量のコンクリートが高く打設されて大きな側圧がかかる砂防ダムのような壁面に適用するようにしてもよい。図29は、第1の実施形態による壁面構築方法および壁面構造をこの砂防ダムの壁面に適用した第1の実施形態の第5変形例を示す壁面構造の側断面図である。また、図30はその壁面構造の背面図である。なお、図29および図30において、図1および図2と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。
この砂防ダムの壁面では、第1の実施形態と同様、壁面の背面側にコンクリート13が打設され、各パネル本体1a,1bの背面に突出するアンカーボルト4をアンカーとして、各パネル本体1a,1bが固定される。しかし、パネル本体1a,1bが前面側へ倒れるのを防止する転倒防止部材は、図3に示すパネル1Aが備える一対の転倒防止部材7ではなく、鋼棒からなる転倒防止部材51によって構成されている。各転倒防止部材51は、一端が、パネル本体1aの背面に突出するアンカーボルト4に溶接され、他端が、基礎12に一部が埋め込まれたUの字状の留め具52に溶接されている。最下段のパネル1Aおよび半物サイズのパネル1Bは、背面下方のアンカーボルト4が留め具52に直接溶接されている。
上記の砂防ダムの壁面の構築に際し、最初に、最下段のパネル1Aおよびパネル1Bが、上端の高さを交互に異ならせて、基礎12上に複数横方向に揃えて並べられる。同時に、最下段のパネル1Aおよびパネル1Bの背面下方のアンカーボルト4が留め具52に直接溶接されると共に、パネル1Aの背面上方のアンカーボルト4と留め具52との間に転倒防止部材51が溶接される。この作業により、最下段のパネル1Aおよびパネル1Bの前面側への転倒が防止される。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた最下段の一段目の各パネル1A,1Bのうちの、上端が低い各パネル1Bに二段目のパネル1A21が一段目のパネル1Bと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1A21の上端が側方の一段目のパネル1Aの上端よりも高くされる。このパネル本体1aの積み上げは、第1の実施形態と同様に行われる。その後、二段目のパネル1A21の背面下方のアンカーボルト4と留め具52との間、および二段目のパネル1A21の背面上方のアンカーボルト4と留め具52との間に転倒防止部材51が溶接される。この作業により、二段目の各パネル1A21の前面側への転倒が防止される。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた一段目および二段目の各パネル1A,1A21のうちの上端が低い一段目の各パネル1Aに、二段目のパネル1A22が一段目のパネル1Aと側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた二段目のパネル1A22の上端が二段目の側方のパネル1A21の上端よりも高くされる。その後、二段目のパネル1A22の背面下方のアンカーボルト4と留め具52との間、および二段目のパネル1A22の背面上方のアンカーボルト4と留め具52との間に転倒防止部材51が溶接される。この作業により、二段目の各パネル1A22の前面側への転倒が防止される。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた二段目の各パネル1A21,1A22のうちの上端が低い各パネル1A21に、三段目のパネル1A31が二段目のパネル1A21と側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた三段目のパネル1A31の上端が二段目の側方のパネル1A22の上端よりも高くされる。その後、三段目のパネル1A31の背面下方のアンカーボルト4と留め具52との間、および三段目のパネル1A31の背面上方のアンカーボルト4と留め具52との間に転倒防止部材51が溶接される。この作業により、三段目のパネル1A31の前面側への転倒が防止される。
次に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられた二段目および三段目の各パネル1A22,パネル1A31のうちの上端が低い二段目の各パネル1A22に、三段目のパネル1A32が二段目のパネル1A22と側端を揃えて積み上げられ、積み上げられた三段目のパネル1A32の上端が三段目の側方のパネル1A31の上端よりも高くされる。その後、三段目のパネル1A32の背面下方のアンカーボルト4と留め具52との間、および三段目のパネル1A32の背面上方のアンカーボルト4と留め具52との間に転倒防止部材51が溶接される。この作業により、三段目のパネル1A32の前面側への転倒が防止される。
その後、三段目のパネル1A31の上端付近までコンクリート13が打設される。打設されたこのコンクリート13が硬化することにより、各パネル本体1a,1bの背面に突出するアンカーボルト4がアンカーとなって、一段目から三段目の各段のパネル本体1a,1bが固定されて動かなくなる。
上記のように各パネル1Aは、積み上げられるパネル1Aの高さが所定の高さになるまでイモ積み方式で例えば三段毎に積み上げられ、例えば三段毎にコンクリート13が打設されて、上記の作業が繰り返される。この際、留め具52は、打設されたコンクリート13の表面に設けられる。パネル1Aの高さが所定の高さになると、最後に、上端の高さを交互に異ならせて複数横方向に並べられたパネル1Aのうちの、上端が低いパネル1Aの上に半物サイズのパネルが積み上げられて、壁面の上端が同じ高さに揃えられる。
このような第1の実施形態の第5変形例による壁面構築方法および壁面構造によっても、上述した第1の実施形態と同様な作用効果が奏される。
さらに、本変形例では、転倒防止部材51により、各パネル1Aが積み上げられる際に、そして、積み上げられた後にも、各パネル1Aが前面側へ倒れるのが防止される。転倒防止部材51を用いた壁面が支えられる荷重は、転倒防止部材51が壁面と基礎12との間に設けられるため、パネル本体1aの重量や厚さ、強度、並びに係合部材2a,2a、3a,3aの強度に左右され難い。これに対して前述の転倒防止部材7を用いた壁面が支えられる荷重は、パネル本体1aの積み上げる段数に応じた荷重が転倒防止部材7や係合部材2a,2a、3a,3aにかかるので、パネル本体1aの重量や厚さ、強度、並びに係合部材2a,2a、3a,3aの強度に左右され易い。このため、本変形例によれば、パネル1Aを垂直に積み上げる場合や、斜めに積む場合でも、パネル1Aの自重が軽くて硬化する前のコンクリート13等による背面側からの側圧に耐えられなくて、パネル1Aの傾きを保てない場合であっても、転倒防止部材51によってより大きな側圧が支えられるため、パネル本体1aが前面側へ倒れることなく、より一層確実にパネル本体1aを積み上げられる。また、本変形例のように、より多くのパネル本体1aを確実かつ安全に複数段一度に積み上げられる。この結果、パネル本体1aの積み上げ作業の作業効率および積み上げ作業における安全性は向上する。
特に、本変形例の砂防ダムのように壁面の裏側に作業スペースが十分にある場合、パネル本体1a,1bと基礎12との間に転倒防止部材51を設けることができるため、壁面の裏側から大量のコンクリート13等の充填材の大きな側圧が壁面にかかっても、転倒防止部材51によって壁面が倒れないようにして、壁面が大きな側圧に対抗できる。従って、壁面の背面に一度に充填するコンクリート13の量を増やすことができて、充填材を含む壁面構造全体を構築する作業時間を大幅に短縮することができる。
また、上記の第1〜第4の各実施の形態および各変形例における各パネル1A〜1H、1J、1K、1M〜1Zを、図31に示すような両面仕様のコンクリート構造物の壁面に適用するようにしてもよい。同図は、第1の実施形態による壁面構築方法および壁面構造をこのコンクリート構造物の壁面に適用した第1の実施形態の第6変形例を示す壁面構造の側断面図である。なお、同図において、図1および図2と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。
このコンクリート構造物の壁面では、第1の実施形態と同様な一対の壁面61a,61bが、互いの背面を対向させて、基礎12上に構築されている。また、各壁面61a,61bの背面に埋め込まれたインサートナット5には、頭部のないアンカーボルト4bが螺合しており、対向するアンカーボルト4bには鋼棒から成る転倒防止部材62の各端部が溶接されている。
転倒防止部材62は、パネル本体1a,1bが壁面61a,61bの各前面側へ倒れるのを防止する転倒防止部材を構成しており、壁面61a,61bの間にはコンクリート13が打設されている。本変形例では、壁面61a,61bの各前面側へ倒れるのが転倒防止部材62によって防止され、コンクリート13は、例えば本変形例のようにパネル本体1aが三段積まれる毎に打設される。
このような第1の実施形態の第6変形例による壁面構築方法および壁面構造によっても、上述した第1の実施形態の第5変形例と同様な作用効果が奏される。
また、上記の第1〜第4の各実施の形態および各変形例における各パネル1A〜1H、1J、1K、1M〜1Zを、図32に示すような老朽化した構造物71の表面を補修する壁面に適用するようにしてもよい。同図は、第1の実施形態による壁面構築方法および壁面構造をこの壁面に適用した第1の実施形態の第7変形例を示す壁面構造の側断面図である。なお、同図において、図1、図2および図3と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。
この壁面に用いられるパネル1A,1Bは、第1の実施形態と逆仕様になっており、パネル本体1a,1bの前面に第1の係合部材2a,2aおよび第2の係合部材3a,3aが取り付けられている。また、第1の係合部材2a,2aおよび第2の係合部材3a,3aは、パネル本体1a,1bの前面に埋め込まれたインサートナット5に通常のボルト4aが螺合することで、固定されている。また、各パネル本体1aには、図3に示す場合と同様に、一対の転倒防止部材7がボルト8によって取り付けられている。この転倒防止部材7により、壁面の背面側へパネル本体1aが倒れるのが防止されている。また、パネル1A,1Bと老朽化した構造物71との間にはコンクリート13が打設されている。第1の係合部材2a,2aおよび第2の係合部材3a,3a、並びに転倒防止部材7は、パネル本体1a,1bの背面に打設されたコンクリート13が硬化した後順次、または、パネル本体1a,1bの積み上げおよびコンクリート13の打設作業が全て終わった最後に、パネル本体1a,1bの前面から取り外される。
このような第1の実施形態の第7変形例による壁面構築方法および壁面構造によっても、上述した第1の実施形態と同様な作用効果が奏される。また、本変形例のように、構造物71の前面に壁面を構築することで、構造物71の壁面の補修、化粧、断熱や、耐久性等を高めることができる。
また、上記の各実施形態および各変形例では、盛土41を壁面の背面に設ける第1の実施形態の第4変形例(図27、図28参照)を除き、壁面の背面にコンクリート13を打設した場合について説明したが、必ずしもコンクリート13を打設する必要は無く、第1の実施形態の第4変形例と同様に、盛土41を壁面の背面に設けるように構成してもよい。さらに、壁面の背面に、例えば、軽量コンクリートや、グラウト材、土のう、かご枠などを設けるように構成してもよい。また、パネル本体1a,1bなどの材質もコンクリートに限定されることはなく、例えば、樹脂や石材等によって構成してもよい。また、上述した各実施形態および各変形例では、第1の係合部材2,2、第2の係合部材3,3、転倒防止部材7、および転倒防止部材51、62を鉄鋼製の材質で構成した場合について説明したが、鉄鋼製以外の材質で構成してもよい。例えば、第1の係合部材2,2および第2の係合部材3,3は、樹脂やコンクリートで構成してもよく、また、パネル本体1a〜1h,1u〜1xと一体に構成してもよい。
また、上記の各実施形態および各変形例では、パネル本体1aなどの側方、下方、もしくは上方に2個で一対の第1の係合部材2,2もしくは第2の係合部材3,3を設ける構成であったが、その個数は、2個に限らず、1個や3個以上であってもよい。例えば、パネル本体1aの両側方にそれぞれ1個の第1の係合部材2a、パネル本体1aの下方に1個の第2の係合部材3aを設ける構成などにしてもよい。
また、上述した各実施形態および各変形例では、パネル本体1a〜1h,1u〜1xの側方に設けられる第1の係合部材2a,2a、第2の係合部材3b,3bは、パネル本体1aの左方および右方にそれぞれ別個に別部品として設けられ、側端左方および側端右方にそれぞれ別個に突出する構成であった。しかし、これら第1の係合部材2a,2a、第2の係合部材3b,3bは、その長さがパネル本体1a〜1h,1u〜1xの幅より長く、1本の部品でパネル本体1a〜1h,1u〜1xの側端左方および側端右方に突出する構成にしてもよい。
また、上述した各実施形態、並びに、第1の実施形態の第4変形例(図27、図28参照)および第7変形例(図32参照)を除く各変形例では、パネル本体1a〜1h,1u〜1xの背面にアンカーボルト4を突出させて設け、アンカーボルト4をアンカーとしてコンクリート13を打設した場合について説明した。しかし、第1の実施形態の第7変形例のようにアンカーボルト4を設けること無く、パネル本体1a〜1h,1u〜1xの背面に凹凸を設けたり、背面の表面をざらつかせたり等してコンクリート付着性を高めるようにしてもよい。
また、第1および第3の実施形態並びに第1の実施形態の第5および第6変形例で説明した転倒防止部材7,51,62(図3,図20,図29,図31参照)や、第2の実施形態の第4変形例で説明した、第1の係合部材2bおよび第2の係合部材3bとパネル本体1a,1bとの間に設けた所定の間隔、調整治具32および支点(図25参照)は、他の実施形態および変形例にも同様に適用することが出来る。
【0003】
積まれた下方または側方のパネル本体の一面に当接して下端が他面側へ迫り出すのを抑える第2の係合部材とを備え、積み上げられる際に、第1の係合部材と第2の係合部材とによって下方のパネル本体と側端が揃えられて上端が低いパネル本体上に載置され、転倒防止部材によって他面側へ倒れるのが防止されることを特徴とする。
[0009]
また、本発明は、
複数のパネル本体が横方向において上端の高さが交互に異なって並べられ、縦方向において側端が揃えられて所定高さに積み上げられて構成されている壁面構造において、
各パネル本体が、上方または側方に突出した端部が上方または側方のパネル本体の一面に当接して上方または側方のパネル本体の一面側へ倒れる力を支える第1の係合部材と、下方または側方に突出した端部が下方または側方のパネル本体の一面に当接して下端が他面側へ迫り出すのを抑える第2の係合部材とを備え、第1の係合部材と第2の係合部材とによって下方のパネル本体と側端が揃えられて上端が低いパネル本体上に載置され、転倒防止部材によって他面側へ倒れるのが防止されていることを特徴とする。
[0010]
これらの構成によれば、各パネル本体は、上端が低いパネル本体に側端を揃えて積み上げられる際、下方または側方に隣接するパネル本体に備えられた第1の係合部材の上方または側方に突出した端部にパネル本体の一面が当接して、パネル本体の一面側へ倒れる力が支えられると共に、自身に備えられた第2の係合部材の下方または側方に突出した端部が下方または側方に隣接するパネル本体の一面に当接して、パネル本体の下端が他面側へ迫り出すのが抑えられて、上端が低いパネル本体上に載置される。
[0011]
従って、次段のパネル本体を側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体上に単に載置することで、パネル本体を垂直にまたは一面側に傾斜させて積み上げることが可能となる。このため、従来行われた、隣接する各パネルをボルトおよびナットで締結させる多大な手間の掛かる作業を行うこと無く、パネル本体を積み上げられるため、壁面の構築作業の作業効率は著しく向上す
【0004】
る。また、上端が低い下方のパネル本体上に側端が揃えられて載置される次段のパネル本体は、転倒防止部材によって他面側へ倒れるのが防止される。このため、パネルを垂直に積み上げる場合や、パネルの自重が軽くてパネルの傾きを保てない場合であっても、パネル本体が他面側へ倒れることなくパネル本体を積み上げられる。また、より多くのパネル本体を確実かつ安全に複数段一度に積み上げられる。この結果、パネル本体の積み上げ作業の作業効率および積み上げ作業における安全性は向上する。
[0012]
また、各パネル本体はボルト等で剛結されて一体化される構成ではないため、補強土工法等のフレキシブルな構造体の壁面に使用される場合、パネル本体の背後にある盛土等が沈下したり変形しても、パネル本体はその沈下や変形に追従して動くことが可能である。従って、パネルどうしをボルト等で剛結させて一体化する従来の壁面のように、パネルの背後にある盛土等が沈下したり変形することで、壁面を構成する一部のパネルに大きな荷重が局所的にかかり、パネルが破損することもない。このため、フレキシブルで耐久性が増した壁面を構築できる壁面構築方法および壁面構造が提供される。
[0013]
また、本発明は、
上端の高さを交互に異ならせ複数横方向に並べられた各パネル本体のうちの上端が低い各パネル本体に次段のパネル本体を側端を揃えて積み上げ、積み上げた次段のパネル本体の上端を側方のパネル本体の上端よりも高くすることで、パネル本体を所定の高さまで積み上げて壁面を構築する壁面構築方法において、
各パネル本体が、側方に突出した端部が側方に積み上げられるパネル本体の一面に当接して積み上げられるパネル本体の一面側へ倒れる力を支える係合部材を備え、既に積まれた下方のパネル本体の上端と係合して下端が他面側へ迫り出すのを抑える係合部が下端または上端に設けられ、積み上げられる際に、係合部材と係合部とによって下方のパネル本体と側端が揃えられて上端が低いパネル本体上に載置され、転倒防止部材によって他面側へ倒れるのが防止されることを特徴とする。
【0005】
[0014]
また、本発明は、
複数のパネル本体が横方向において上端の高さが交互に異なって並べられ、縦方向において側端が揃えられて所定高さに積み上げられて構成されている壁面構造において、
各パネル本体が、側方に突出した端部が側方のパネル本体の一面に当接して側方のパネル本体の一面側へ倒れる力を支える係合部材を備え、下方のパネル本体の上端と係合して下端が他面側へ迫り出すのを抑える係合部が下端または上端に設けられ、係合部材と係合部とによって下方のパネル本体と側端が揃えられて上端が低いパネル本体上に載置され、転倒防止部材によって他面側へ倒れるのが防止されていることを特徴とする。
[0015]
これらの構成によれば、各パネル本体は、上端が低いパネル本体に側端を揃えて積み上げられる際、側方に隣接するパネル本体に備えられた係合部材の側方に突出した端部にパネル本体の一面が当接して、パネル本体の一面側へ倒れる力が支えられると共に、自身の下端に設けられた係合部または下方のパネル本体の上端に設けられた係合部によって下方のパネル本体の上端と係合して、パネル本体の下端が他面側へ迫り出すのが抑えられて、上端が低いパネル本体上に載置される。
[0016]
従って、これらの構成によっても、次段のパネル本体を側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体上に単に載置することで、パネル本体を垂直にまたは一面側に傾斜させて積み上げることが可能となり、従来行われた、隣接する各パネルをボルトおよびナットで締結させる多大な手間の掛かる作業を行う必要がなくなって、壁面の構築作業の作業効率は著しく向上する。また、これらの構成においても、上端が低い下方のパネル本体上に側端が揃えられて載置される次段のパネル本体は、転倒防止部材によって他面側へ倒れるのが防止される。このため、パネルを垂直に積み上げる場合や、パネルの自重が軽くてパネルの傾きを保てない場合であっても、パネル本体が他面側へ倒れることなくパネル本体を積み上げられる。また、より多くのパネル本体を確実かつ安全に複数段一度に積み上げられる。この結果、これらの構成によっても、パネル本体の積み上げ作業の作業効率および積み上げ作業における安全性は向上する。
[0017]
また、これらの構成においても、各パネル本体はボルト等で剛結されて一体化される構成ではない。このため、これらの構成によっても、補強土工法等のフレキシブルな構造体の壁面に使用される場合、パネル本体は盛土等の沈下や変形に追従して動くことが可能であり、フレキシブルで耐久性が増した壁面を構築できる壁面構築方法および壁面構造が提供される。
[0018]
また、本発明は、側方に突出した端部を有する係合部材が、着脱自在にまたは端部が回動自在にパネル本体に取り付けられていることを特徴とする。
[0019]
この構成によれば、次段のパネル本体を上端が低い下方のパネル本体とパネル面を平行にして積む場合、次段のパネル本体に側方に突出して備えられた係合部材をパネル本体から取り外す、もしくは、その端部を回動して側方から突出させないことで、次段のパネル本体に備えられた係合部材が、次段のパネル本体の設置位置側方に既に載置されているパネル本体の側方から突出する係合部材と干渉すること無く、次段のパネル本体を側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体上に載置することができる。または、次段のパネル本体の設置位置側方に既に載置されているパネル本体の側方から突出する係
【0008】
付箇所を挟む反対側でパネル本体の一面に当接することにより、この負荷がパネル本体の一面に当接する支点でも受けられる。このため、係合部材の端部側にかかる負荷は、係合部材の取付箇所と係合部材の一端に設けられた支点とで支えられ、取付箇所のみで係合部材が固定されている場合に比べて、係合部材はぐらつくことなく確実にパネル本体に固定される。
[0030]
[0031]
発明の効果
[0032]
本発明によれば、上記のように、次段のパネル本体を側端を揃えて上端が低い下方のパネル本体上に単に載置することで、パネル本体を垂直にまたは一面側に傾斜させて積み上げることが可能となり、従来行われた、隣接する各パネルをボルトおよびナットで締結させる多大な手間の掛かる作業を行う必要がなくなって、壁面の構築作業の作業効率は著しく向上する。また、パネルを垂直に積み上げる場合や、パネルの自重が軽くてパネルの傾きを保てない場合であっても、パネル本体が他面側へ倒れることなくパネル本体を積み上げられ、また、より多くのパネル本体を確実かつ安全に複数段一度に積み上げられるので、パネル本体の積み上げ作業の作業効率および積み上げ作業における安全性は向上する。また、各パネル本体はボルト等で剛結されて一体化される構成ではないため、柔軟性が必要とされる補強土工法等の壁面に使用する場合、パネル本体は盛土等の沈下や変形に追従して動くことが可能であり、フレキシブルで耐久性が増した壁面を構築できる壁面構築方法および壁面構造が提供される。
図面の簡単な説明
[0033]
[図1](a)、(b)、(c)および(d)は、本発明の第1の実施の形態による壁面構築方法によって構築される壁面構造を構成するパネルの正面図、側面図、背面図および平面図である。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、
上端の高さを交互に異ならせ複数横方向に並べられた各パネル本体のうちの上端が低い各パネル本体に次段のパネル本体を側端を揃えて積み上げ、積み上げた次段のパネル本体の上端を側方のパネル本体の上端よりも高くすることで、パネル本体を所定の高さまで積み上げて壁面を構築する壁面構築方法において、
各パネル本体が、側方に突出した端部が側方に積み上げられるパネル本体の一面に当接して積み上げられるパネル本体の一面側へ倒れる力を支える第1の係合部材と、下方または側方に突出した端部が既に積まれた下方または側方のパネル本体の一面に当接して下端が他面側へ迫り出すのを抑える第2の係合部材とを備え、積み上げられる際に、下方のパネル本体と側端が揃えられて上端が低いパネル本体上に載置され、上端が低いパネル本体の側方に積み上げられた上端が高いパネル本体の側方に突出した第1の係合部材が、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の一面に当接することにより、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の一面側へ倒れる力が支えられ、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の下方または側方に突出した第2の係合部材が、上端が低いパネル本体の一面、または上端が低いパネル本体の側方に積み上げられた上端が高いパネル本体の一面に当接することにより、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の下端が他面側へ迫り出すのが抑えられ、転倒防止部材によって他面側へ倒れるのが防止されることを特徴とする。
また、上端の高さを交互に異ならせ複数横方向に並べられた各パネル本体のうちの上端が低い各パネル本体に次段のパネル本体を側端を揃えて積み上げ、積み上げた次段のパネル本体の上端を側方のパネル本体の上端よりも高くすることで、パネル本体を所定の高さまで積み上げて壁面を構築する壁面構築方法において、
各パネル本体が、上方に突出した端部が上方に積み上げられるパネル本体の一面に当接して積み上げられるパネル本体の一面側へ倒れる力を支える第1の係合部材と、側方に突出した端部が既に積まれた側方のパネル本体の一面に当接して下端が他面側へ迫り出すのを抑える第2の係合部材とを備え、積み上げられる際に、下方のパネル本体と側端が揃えられて上端が低いパネル本体上に載置され、上端が低いパネル本体の上方に突出した第1の係合部材が、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の一面に当接することにより、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の一面側へ倒れる力が支えられ、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の側方に突出した第2の係合部材が、上端が低いパネル本体の側方に積み上げられた上端が高いパネル本体の一面に当接することにより、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の下端が他面側へ迫り出すのが抑えられ、転倒防止部材によって他面側へ倒れるのが防止されることを特徴とする。
また、本発明は、
複数のパネル本体が横方向において上端の高さが交互に異なって並べられ、縦方向において側端が揃えられて所定高さに積み上げられて構成されている壁面構造において、
各パネル本体が、側方に突出した端部が側方のパネル本体の一面に当接して側方のパネル本体の一面側へ倒れる力を支える第1の係合部材と、下方または側方に突出した端部が下方または側方のパネル本体の一面に当接して下端が他面側へ迫り出すのを抑える第2の係合部材とを備え、下方のパネル本体と側端が揃えられて上端が低いパネル本体上に載置され、上端が低いパネル本体の側方に積み上げられた上端が高いパネル本体の側方に突出した第1の係合部材が、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の一面に当接することにより、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の一面側へ倒れる力が支えられ、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の下方または側方に突出した第2の係合部材が、上端が低いパネル本体の一面、または上端が低いパネル本体の側方に積み上げられた上端が高いパネル本体の一面に当接することにより、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の下端が他面側へ迫り出すのが抑えられ、転倒防止部材によって他面側へ倒れるのが防止されていることを特徴とする。
また、複数のパネル本体が横方向において上端の高さが交互に異なって並べられ、縦方向において側端が揃えられて所定高さに積み上げられて構成されている壁面構造において、
各パネル本体が、上方に突出した端部が上方のパネル本体の一面に当接して上方のパネル本体の一面側へ倒れる力を支える第1の係合部材と、側方に突出した端部が側方のパネル本体の一面に当接して下端が他面側へ迫り出すのを抑える第2の係合部材とを備え、下方のパネル本体と側端が揃えられて上端が低いパネル本体上に載置され、上端が低いパネル本体の上方に突出した第1の係合部材が、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の一面に当接することにより、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の一面側へ倒れる力が支えられ、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の側方に突出した第2の係合部材が、上端が低いパネル本体の側方に積み上げられた上端が高いパネル本体の一面に当接することにより、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の下端が他面側へ迫り出すのが抑えられ、転倒防止部材によって他面側へ倒れるのが防止されていることを特徴とする。
これらの構成によれば、各パネル本体は、上端が低いパネル本体に側端を揃えて積み上げられる際、側方に隣接するパネル本体に備えられた第1の係合部材の側方に突出した端部にパネル本体の一面が当接して、パネル本体の一面側へ倒れる力が支えられると共に、自身に備えられた第2の係合部材の下方または側方に突出した端部が下方または側方に隣接するパネル本体の一面に当接して、パネル本体の下端が他面側へ迫り出すのが抑えられて、上端が低いパネル本体上に載置される。
または、各パネル本体は、上端が低いパネル本体に側端を揃えて積み上げられる際、下方に隣接するパネル本体に備えられた第1の係合部材の上方に突出した端部にパネル本体の一面が当接して、パネル本体の一面側へ倒れる力が支えられると共に、自身に備えられた第2の係合部材の側方に突出した端部が側方に隣接するパネル本体の一面に当接して、パネル本体の下端が他面側へ迫り出すのが抑えられて、上端が低いパネル本体上に載置される。
また、本発明は、
上端の高さを交互に異ならせ複数横方向に並べられた各パネル本体のうちの上端が低い各パネル本体に次段のパネル本体を側端を揃えて積み上げ、積み上げた次段のパネル本体の上端を側方のパネル本体の上端よりも高くすることで、パネル本体を所定の高さまで積み上げて壁面を構築する壁面構築方法において、
各パネル本体が、側方に突出した端部が側方に積み上げられるパネル本体の一面に当接して積み上げられるパネル本体の一面側へ倒れる力を支える係合部材を備え、既に積まれた下方のパネル本体の上端と係合して下端が他面側へ迫り出すのを抑える係合部が下端または上端に設けられ、積み上げられる際に、下方のパネル本体と側端が揃えられて上端が低いパネル本体上に載置され、上端が低いパネル本体の側方に積み上げられた上端が高いパネル本体の側方に突出した係合部材が、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の一面に当接することにより、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の一面側へ倒れる力が支えられ、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の下端、または上端が低いパネル本体の上端に設けられた係合部が、上端が低いパネル本体の上端、または上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の下端と係合することにより、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の下端が他面側へ迫り出すのが抑えられ、転倒防止部材によって他面側へ倒れるのが防止されることを特徴とする。
また、本発明は、
複数のパネル本体が横方向において上端の高さが交互に異なって並べられ、縦方向において側端が揃えられて所定高さに積み上げられて構成されている壁面構造において、
各パネル本体が、側方に突出した端部が側方のパネル本体の一面に当接して側方のパネル本体の一面側へ倒れる力を支える係合部材を備え、下方のパネル本体の上端と係合して下端が他面側へ迫り出すのを抑える係合部が下端または上端に設けられ、下方のパネル本体と側端が揃えられて上端が低いパネル本体上に載置され、上端が低いパネル本体の側方に積み上げられた上端が高いパネル本体の側方に突出した係合部材が、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の一面に当接することにより、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の一面側へ倒れる力が支えられ、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の下端、または上端が低いパネル本体の上端に設けられた係合部が、上端が低いパネル本体の上端、または上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の下端と係合することにより、上端が低いパネル本体上に載置されたパネル本体の下端が他面側へ迫り出すのが抑えられ、転倒防止部材によって他面側へ倒れるのが防止されていることを特徴とする。

Claims (11)

  1. 上端の高さを交互に異ならせ複数横方向に並べられた各パネル本体のうちの上端が低い各前記パネル本体に次段のパネル本体を側端を揃えて積み上げ、積み上げた前記次段のパネル本体の上端を側方の前記パネル本体の上端よりも高くすることで、前記パネル本体を所定の高さまで積み上げて壁面を構築する壁面構築方法において、
    各前記パネル本体は、上方または側方に突出した端部が上方または側方に積み上げられる前記パネル本体の一面に当接して積み上げられる前記パネル本体の一面側へ倒れる力を支える第1の係合部材と、下方または側方に突出した端部が既に積まれた下方または側方の前記パネル本体の一面に当接して下端が他面側へ迫り出すのを抑える第2の係合部材とを備え、積み上げられる際に、前記第1の係合部材と前記第2の係合部材とによって下方の前記パネル本体と側端が揃えられて上端が低い前記パネル本体上に載置されることを特徴とする壁面構築方法。
  2. 上端の高さを交互に異ならせ複数横方向に並べられた各パネル本体のうちの上端が低い各前記パネル本体に次段のパネル本体を側端を揃えて積み上げ、積み上げた前記次段のパネル本体の上端を側方の前記パネル本体の上端よりも高くすることで、前記パネル本体を所定の高さまで積み上げて壁面を構築する壁面構築方法において、
    各前記パネル本体は、側方に突出した端部が側方に積み上げられる前記パネル本体の一面に当接して積み上げられる前記パネル本体の一面側へ倒れる力を支える係合部材を備え、既に積まれた下方の前記パネル本体の上端と係合して下端が他面側へ迫り出すのを抑える係合部が下端または上端に設けられ、積み上げられる際に、前記係合部材と前記係合部とによって下方の前記パネル本体と側端が揃えられて上端が低い前記パネル本体上に載置されることを特徴とする壁面構築方法。
  3. 複数のパネル本体が横方向において上端の高さが交互に異なって並べられ、縦方向において側端が揃えられて所定高さに積み上げられて構成されている壁面構造において、
    各前記パネル本体は、上方または側方に突出した端部が上方または側方の前記パネル本体の一面に当接して上方または側方の前記パネル本体の一面側へ倒れる力を支える第1の係合部材と、下方または側方に突出した端部が下方または側方の前記パネル本体の一面に当接して下端が他面側へ迫り出すのを抑える第2の係合部材とを備え、前記第1の係合部材と前記第2の係合部材とによって下方の前記パネル本体と側端が揃えられて上端が低い前記パネル本体上に載置されていることを特徴とする壁面構造。
  4. 複数のパネル本体が横方向において上端の高さが交互に異なって並べられ、縦方向において側端が揃えられて所定高さに積み上げられて構成されている壁面構造において、
    各前記パネル本体は、側方に突出した端部が側方の前記パネル本体の一面に当接して側方の前記パネル本体の一面側へ倒れる力を支える係合部材を備え、下方の前記パネル本体の上端と係合して下端が他面側へ迫り出すのを抑える係合部が下端または上端に設けられ、前記係合部材と前記係合部とによって下方の前記パネル本体と側端が揃えられて上端が低い前記パネル本体上に載置されていることを特徴とする壁面構造。
  5. 側方に突出した前記端部を有する前記係合部材は、着脱自在にまたは前記端部が回動自在に前記パネル本体に取り付けられていることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の壁面構築方法または請求項3もしくは請求項4に記載の壁面構造。
  6. 前記係合部材は、当接する前記パネル本体と所定の間隔があくように前記端部が設けられていることを特徴とする請求項1もしくは請求項2もしくは請求項5に記載の壁面構築方法または請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の壁面構造。
  7. 前記係合部材は、前記パネル本体に取り付けられる取付面と取り付けられる前記パネル本体との間に前記所定の間隔を調整する調整材が介挿されて、前記パネル本体に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項6に記載の壁面構築方法または壁面構造。
  8. 前記係合部材は、当接する前記パネル本体側に出し入れ自在な調整治具を介して前記端部が前記パネル本体に当接していることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の壁面構築方法または壁面構造。
  9. 前記係合部材は、前記端部と前記パネル本体との間に支持治具が挿し込まれてまたは挟み込まれて前記端部が前記パネル本体に当接していることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の壁面構築方法または壁面構造。
  10. 前記係合部材は、前記パネル本体との取付箇所よりも前記端部の反対側に離れた一端に、前記パネル本体の一面に当接する支点が設けられていることを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の壁面構築方法または壁面構造。
  11. 前記パネル本体が他面側へ倒れるのを防止する転倒防止部材を備えていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の壁面構築方法または壁面構造。
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