JPWO2013140752A1 - 5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−オールの製造方法 - Google Patents

5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−オールの製造方法 Download PDF

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Abstract

下記式(A)で表される5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタンを硫酸存在下で過酸化水素と反応させる、下記式(I)で表される5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−オールの製造方法。

Description

本発明は、5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−オールの製造方法、及び5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタンの製造方法に関する。
近年、半導体素子の微細化が進むに伴い、その製造におけるフォトリソグラフィー工程において、さらなる微細化が要求されている。KrF、ArF又はFエキシマレーザー光等の短波長の照射光に対応したフォトレジスト材料を用いて、微細パターンを形成させる方法が種々検討され、エキシマレーザー光等の短波長の照射光に対応できる新しいフォトレジスト材料が望まれている。
一般にフォトレジスト材料としては、酸分解性モノマー、極性モノマー、密着性モノマーの共重合体を基本とする。密着性モノマーは、各種ラクトン化合物から選ばれ、特にブチロラクトン、バレロラクトン、ノルボルナラクトンからなる化合物が汎用モノマーとして開発されている。
このような状況において、ホモアダマンタン骨格を有する5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタノールが提案されている。また、5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン(HL)も、上記5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタノール等の誘導体を、HLを原料として簡便に合成することができれば、中間体として有用であると考えられる。
上記5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタノールには複数の異性体があり、中でも橋頭位に水酸基を有する異性体の製造方法が、これまで数多く検討されている。
一方、架橋部位に水酸基を有する異性体(例えば、5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−オール(HL−2−OH)等)は、その合成が難しく、従ってそこから誘導されたモノマーの報告は少ない。
特許文献1及び2は、実施例において1−ヒドロキシ−4−アダマンタノンをメタクロロ過安息香酸(m−CPBA)により酸化して、対応するラクトン化合物(HL−2−OHの橋頭位異性体)を合成する製造方法を開示している。
非特許文献1〜3は、2−アダマンタノン(ADO)からendo−ビシクロ[3,3,1]−6−ノネン−3−カルボン酸(BNC)を合成する方法を開示している。BNCはHL−2−OH合成の中間体である。非特許文献4は、BNCをm−CPBAで酸化してHL−2−OHを合成する方法を開示している。また、特許文献3及び非特許文献5〜13はADOからHLを合成する方法を開示している。
特許文献1,2及び非特許文献4で用いるm−CPBAは工業的に非常に高価であり、非特許文献1〜3の方法ではBNCの転化率が低く収率が低いため、HL−2−OHを安価に製造する方法は得られていなかった。
また、HL−2−OHをフォトレジスト原料として用いる場合、製品中の重質物(オリゴマー)が少ないことが望ましい。しかしながら、先行文献の方法では、フォトレジスト剤原料として充分な品質の製品を得ることは困難であった。
HLの合成法についても、工業的に高価な溶媒(トリフルオロ酢酸(非特許文献3、10))、工業的に高価な酸化剤(m−CPBA(非特許文献5、8、12)、過硫酸カリウム(非特許文献6、13)))、工業的に高価な触媒(bis(2-phenyltrifluoromethanesulfonate)diselenide(非特許文献7)、benzyl3,5-bis(trifluoromethyl)phenyl selenoxide(非特許文献11))、又は爆発の危険性がある過酢酸(非特許文献9)を用いており、安価かつ安全に製造する方法は得られていなかった。
特開2000−122294号公報 特開2001−188351号公報 国際公開第2010/10458号パンフレット
J.Org.Chem.,35,12,4109(1970) J.Am.Chem.Soc.,91,12,3390(1996) J.Am.Chem.Soc.,108,15,4484(1986) J.Org.Chem.,46,26,5332(1981) Synlett,4,462(1999) J.Org.Chem.,70,26,10879(2005) Tetrahedron Lett.,46,50,8665(2005) J.Org.Chem.,45,2,346(1980) Collection of Czechoslovak Chemical Communications,52,3,752(1987) Synthesis,9,739(1991) Synlett,7,1100(2006) Tetrahedron Lett.,50,50,6938(2009) Tetrahedron,66,32,6212(2010)
本発明の目的は、安価に5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−オール及び/又は5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタンを得る新規な製造方法を提供することである。
本発明によれば、以下の5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−オールの製造方法が提供される。
1.下記式(A)で表される5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタンを硫酸存在下で過酸化水素と反応させる、下記式(I)で表される5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−オールの製造方法。
Figure 2013140752
2.前記5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタンに対して、前記過酸化水素を1.5時間以上かけて1〜3当量滴下して反応させる、請求項1に記載の製造方法。
3.前記反応させる温度が50〜120℃である請求項1又は2に記載の製造方法。
4.2−アダマンタノンを硫酸存在下で過酸化水素と反応させる、下記式(I)で表される5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−オールの製造方法。
Figure 2013140752
5.前記2−アダマンタノンに対して、前記過酸化水素を3時間以上かけて2〜4当量滴下して反応させる、請求項4に記載の製造方法。
6.第1の工程として、前記2−アダマンタノンに対して前記過酸化水素を1当量以上滴下して反応させた後に、第2の工程として、1.5時間以上かけて過酸化水素を滴下して反応させる請求項4に記載の製造方法。
7.前記第1の工程における反応の温度と前記第2の工程における反応の温度が異なる請求項6に記載の製造方法。
8.前記第2の工程における反応の温度が50〜120℃である請求項6又は7に記載の製造方法。
9.炭素数5以上のアルコール、エステル系溶媒、ケトン系溶媒及びハロゲン系溶媒から選択される1種類以上を用いて、前記反応により得られた反応液から5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−オールを抽出する請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
10.前記抽出に用いる溶媒が2−エチル−1−ヘキサノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン及びクロロホルムから選択される1種類以上である請求項9に記載の製造方法。
11.抽出した溶液をアルカリで洗浄する請求項9又は10に記載の製造方法。
12.抽出した溶液を濃縮後、貧溶媒を添加して結晶化させる請求項9〜11のいずれかに記載の製造方法。
13.2−アダマンタノンを、硫酸存在下で過酸化水素と反応させる、下記式(A)で表される5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタンの製造方法。
Figure 2013140752
本発明によれば、安価に5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−オール及び/又は5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタンを得る新規な製造方法が提供できる。
[第1の5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−オール(HL−2−OH)の製造方法]
本発明の第1のHL−2−OH(下記式(I))の製造方法は、5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン(HL:下記式(A))を硫酸存在下で過酸化水素と反応させる。
Figure 2013140752
上記の製造方法によれば、安価にHL−2−OHを製造することができる。また、収率を高くすることができる。
HLは、後述する本発明の第2のHL−2−OHの製造方法における、前段の方法、即ち、本発明のHLの製造方法により製造することができる。
硫酸の量は特に制限されないが、例えばHLに対して1〜5当量用いる。
実施例ではHLに対して2〜3.4当量の硫酸を用いたが、3.4当量より増やしても反応上の支障はない。また、2当量未満に減らした場合、HLが溶解しきれず攪拌困難になったり、硫酸濃度が低下しすぎて完結困難になることが考えられる。しかしながら、溶解性については後述する溶媒の添加により対応でき、硫酸濃度の低下については硫酸又は発煙硫酸の添加、又は反応中に水を留去することで硫酸濃度を調整することで対応できる。
尚、上記反応は硫酸以外の酸(蟻酸、酢酸、メタンスルホン酸等)でも進行するが、価格と安全性から考えて硫酸が最も好ましい。
例えば、溶媒量のカルボン酸を用いた場合、過酸化水素が分解して発生した酸素により爆発性混合気体が形成される危険性がある。ただし、必要であれば硫酸にこれらの酸を添加して用いてもよい。
過酸化水素は、HLに対して、1〜3当量用いるのが好ましい。
量論的に反応が進行した場合、過酸化水素は1当量用いる。従って、過酸化水素が1当量未満の場合は収率が低下する。逆に過酸化水素が大過剰の場合、具体的には4当量以上用いた場合、硫酸の濃度が極端に低下して反応速度が低下する場合があり、好ましくない。
過酸化水素は、過酸化水素水として添加することが好ましい。過酸化水素水としては、工業的に入手可能な過酸化水素水(例えば30〜60wt%)を使用できる。
過酸化水素水は、HLと硫酸の混合液に逐次滴下して添加することが好ましい。
反応温度は120℃以下が好ましい。60wt%過酸化水素水の沸点が120℃だからである。
上記反応は、硫酸濃度が高いほど反応速度が増加する傾向があるが、副反応も起こり易くなる。また、40℃以下の反応温度で高収率を得ることは困難である。従って、反応温度は50〜120℃がより好ましく、80〜115℃がさらに好ましい。
また、上記混合液を反応温度まで昇温した後に、過酸化水素水を滴下することが好ましい。
反応温度に昇温する前に過酸化水素水を滴下する方法も可能であるが、反応初期の過酸化水素濃度が高くなりすぎ、過酸化水素の自己分解、目的生成物の逐次酸化やオリゴマー化等の副反応が進行しやすく、反応収率が低下する恐れがある。従って、これらの副反応を抑制するために、上記混合液を昇温した後に、反応温度で過酸化水素水を滴下して反応を行うことが望ましい。
尚、昇温途中から過酸化水素水を滴下し始めてもよい。
過酸化水素水の滴下時間は、1.5時間以上とすることが好ましく、2.5時間以上とすることがより好ましく、40時間以下とすることが好ましい。さらに好ましくは、3.5時間以上、28時間以下である。
過酸化水素水の滴下後も反応温度を維持し、反応液中の過酸化水素がなくならない範囲でさらに1〜5時間反応を行ってもよい。
上記反応は、溶媒を添加しなくても進行するが、必要により溶媒を添加してもよい。具体的には、ヘプタン、トルエン等の炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。
[第2のHL−2−OHの製造方法]
本発明の第2のHL−2−OHの製造方法は、2−アダマンタノン(ADO)を硫酸存在下で過酸化水素と反応させる。
Figure 2013140752
上記原料はいずれも容易に入手可能であり、安価にHL−2−OHを製造することができる。また、反応条件を制御することにより、HLとHL−2−OHを製造し分けることができる。HLはほぼ量論的に得られ(最高反応収率
99.5%)、HL−2−OHも高収率で得られる(最高反応収率81.1%)。
また、生成物の純度が高く、HLのGPC純度を99.0%、HL−2−OHのGPC純度を99.0%とすることができる。これにより、例えば、フォトレジスト原料として用いる場合、製品中の好ましくない重質物(オリゴマー)の含有量を著しく低くすることができる。
本発明の第2のHL−2−OHの製造方法は、好ましくはADOに硫酸を添加して混合液とし、過酸化水素水を滴下して反応を行う。
上記反応は、一度に行ってもよいし、ADOと硫酸の混合物に過酸化水素水を滴下してHLを合成する前段(第1の工程)反応と、さらに過酸化水素水を滴下してHL−2−OHを合成する後段(第2の工程)反応からなる2段階反応としてもよい。
上記前段の方法によれば、HLを安価に高収率で製造できる。
通常、前・後段を独立して最適な条件で反応させた方が、高い収率でHL−2−OHを得ることができるため、2段階反応が好ましい。尚、2段階反応の後段反応は、上記の第1のHL−2−OHの製造方法と同様である。
硫酸の量は特に制限されないが、例えばADOに対して1〜5当量用いる。2段階反応の場合、後段で硫酸を改めて追加する必要はない。
実施例ではADOに対して2〜3.4当量の硫酸を用いたが、3.4当量より増やしても反応上の支障はない。また、2当量未満に減らした場合、ADOが溶解しきれず攪拌困難になったり、硫酸濃度が低下しすぎて完結困難になることが考えられる。しかしながら、溶解性については上記の溶媒の添加により対応でき、硫酸濃度の低下については硫酸又は発煙硫酸の添加、又は反応中に水を留去することで硫酸濃度を調整することで対応できる。
過酸化水素水はADOに対して2〜4当量用いることが好ましい。
量論的に反応が進行した場合、過酸化水素は前段で1当量、後段で1当量用いる。従って、過酸化水素が2当量未満の場合は収率が低下する。逆に過酸化水素水が大過剰の場合、具体的には5当量以上用いた場合、硫酸の濃度が極端に低下して反応速度が低下するため好ましくない。
2段階反応とする場合、前段で用いる過酸化水素水は、好ましくはADOに対して1当量以上、より好ましくは1〜1.2当量、さらに好ましくは同等のモル当量、最も好ましくは1当量とする。尚、過酸化水素水は、工業的に入手可能な過酸化水素水(30〜60wt%)を使用できる。
反応温度は上記第1の製造方法と同様である。2段階反応とする場合、前段の反応温度を30〜70℃とすることが好ましく、後段の反応温度を50〜120℃とすることが好ましい。
また、後段の反応温度は、前段とは異なる温度とすることが好ましい。
過酸化水素水の滴下は、第1の製造方法と同様の理由により、ADOと硫酸の混合液を反応温度まで昇温した後に、過酸化水素水を滴下することが望ましい。2段階反応とする場合の前段反応も同様である。
過酸化水素水の滴下時間は3時間以上とすることが好ましく、4時間以上とすることがより好ましく、50時間以下とすることが好ましい。さらに、5時間以上30時間以下とすることが好ましい。また、2段階反応の前段における滴下時間は、1時間以上とすることが好ましい。
上記第1の製造方法と同様に、過酸化水素水の滴下後に反応を継続してもよい。2段階反応とする場合の前段においては、滴下後の反応を行ってもよいし、行わなくてもよい。
反応溶媒及び硫酸以外の酸は、上記第1のHL−2−OHの製造方法と同様である。
[HL−2−OH、HLの分離・回収方法]
上記の第1又は第2の製造方法により得られたHL−2−OH又はHLは、これらを含む硫酸反応液を適宜希釈、中和した後、溶媒抽出することで分離回収できる。また、必要によりアルカリ洗浄を行うことでオリゴマーを除去し、GPC純度をさらに高めることができる。
これらの操作に過酸化水素除去、濃縮、晶析を適宜組み合わせて行うことで高回収率かつ高純度で目的物を得ることができる。純度は、例えばHL−2−OHの最高GPC純度99.5%、HLの最高GPC純度99.8%とすることができる。分離方法はいずれも工業的に容易に実施可能な単位操作からなり、安価かつ迅速に生産できる。
以下、HL−2−OHの分離方法について具体的に説明する。
まず、反応液を水で希釈し、又は水酸化ナトリウム水溶液等で中和し、HL−2−OHの硫酸への溶解度を下げる。必要により、硫酸濃度約40%の反応(希釈)液を、少量のトルエンで洗浄することでHLを除去できる。
次に、硫酸と完全に混和せず、HL−2−OHの溶解度が高い溶媒、具体的には炭素数5以上のアルコール、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ハロゲン系溶媒を用いて、反応希釈液からHL−2−OHを抽出することができる。
抽出溶媒としては、2−エチル−1−ヘキサノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、クロロホルムが好ましい。
2−エチル−1−ヘキサノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、クロロホルムを用いる場合には、反応液を完全に中和することなくHL−2−OHを回収できるため、処理液量を低減でき、生産性が向上するため好ましい。中でも、2−エチル−1−ヘキサノールを用いた場合は、重質物が比較的溶解し難く、他の溶媒使用時に比べ抽出後のGPC純度が向上するため特に好ましい。
尚、酢酸エチル及びメチルイソブチルケトンは、反応液を完全に中和してからであれば使用できる。酢酸エチルは硫酸残存下でHL−2−OHと反応する可能性があり、メチルイソブチルケトン等の低分子のケトンは残存過酸化水素と爆発性の過酸化物を生成する可能性がある。
上記の抽出液は少量の硫酸を含むため、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリを加えて中和する。具体的には、攪拌しながらアルカリ水溶液を滴下して、静置時の水層のpHを8〜10とする。尚、この操作はオリゴマーを除去しGPC純度を向上させる効果も有する。
アルカリ洗浄後のアルコール等の溶液に、亜硫酸ナトリウム等の還元剤の水溶液を添加して過酸化水素を除去する。添加量は反応終了時の過酸化水素残存量に対し当量以上とする。溶液中の過酸化水素量は、例えば共立化学製パックテスト等で簡便に測定可能である。
以上のようにして得られたHL−2−OH溶液を減圧濃縮し、n−ヘプタン等を添加して冷却晶析を行い、ろ過、リンス、乾燥させて結晶を得ることができる。
[5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン(HL)の製造方法]
本発明のHLの製造方法は、2−アダマンタノン(ADO)を硫酸存在下で過酸化水素と反応させる。
Figure 2013140752
本発明のHLの製造方法は、上記の本発明の第2のHL−2−OHの製造方法における、前段の方法と同一である。反応はほぼ量論的に進行し(最高反応収率99.5%)、生成物の純度が高く、HLのGPC純度を99.0%とすることができる。これにより、例えば、フォトレジスト原料として用いる場合、製品中の好ましくない重質物(オリゴマー)の含有量を著しく低くすることができる。
次に、HLの分離方法について具体的に説明する。
まず、反応液を水で希釈し、又は水酸化ナトリウム水溶液等で中和する。次に、硫酸と完全に混和せず、HLの溶解度が高い溶媒、具体的にはトルエン等の溶媒を用いて、反応希釈液からHLを抽出することができる。
抽出液のアルカリ洗浄及び亜硫酸ナトリウム等の還元剤の水溶液の添加による過酸化水素除去は、上記のHL−2−OHの製造方法と共通である。以上のようにして得られたHL溶液を減圧濃縮して冷却晶析を行い、ろ過、リンス、乾燥させて結晶を得ることができる。
上記の方法によれば、HLを安価に高収率で製造できる。
実施例1[5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン(HL)の合成]
2Lの4口フラスコに、2−アダマンタノン(ADO)500.0g(3.33mol)、及び98.0%硫酸673.0gと水256.0gを用いて調製した71.0wt%硫酸930.0g(硫酸はADOに対して2.0当量)を入れ、冷却管、温度計、滴下ロートを取り付け、油浴に浸けて撹拌しながら50℃に昇温した。
滴下ロートに35wt%過酸化水素水324.0g(3.33mol、1.0当量)を仕込み、3時間かけて滴下した。滴下終了時のHL収率は99.5%、GPC純度は99.5%であった。
反応液を室温で分取し、17.5%水酸化ナトリウム水溶液1300gを滴下して硫酸濃度を18.2%に調節した。トルエン1500gで3回抽出し、抽出液を全て合わせて、5%水酸化ナトリウム水溶液100gを加えて振り混ぜた後、30分間静置して分液した。次に5%亜硫酸ナトリウム水溶液100gを加えて振り混ぜ、30分間静置して分液した。
油層を、エバポレーターを用い90℃、10Torrで濃縮し、溶媒をエバポレーターで蒸発乾固して結晶550.0gを得た(全収率99.5%、純度99.5%)。
[HLを原料とする、5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−オール(HL−2−OH)の調製(第1の製造方法:実施例2〜16)]
実施例2
実施例1で調製したHL10.0g(60.2mmol)と55.0wt%硫酸24.0g(硫酸はHLに対し2.0当量)を100mLの4口フラスコに入れ、冷却管、温度計、滴下ロートを取り付けた。
滴下ロートに35wt%過酸化水素水7.0g(72.0mmol、HLに対し1.2当量)を仕込み、滴下しながら油浴に浸けて加熱撹拌して0.5時間で95℃に昇温した。その後、14.5時間かけて滴下し(滴下時間:15時間)、さらに1時間反応を行った。反応後のHL−2−OHの収率は83.2%、GPC純度は99.0%であった。
実施例3
35wt%過酸化水素水を5.85g(HLに対し1.0当量)とした以外は実施例2と同様の操作を行い、HL−2−OHを得た。HL−2−OHの収率は80.9%、GPC純度は99.0%であった。
実施例4
35wt%過酸化水素水を17.5g(HLに対し3.0当量)とし、その滴下時間を40時間とした以外は実施例2と同様の操作を行い、HL−2−OHを得た。HL−2−OHの収率は66.8%、GPC純度は99.0%であった。
実施例5
硫酸とHLの混合物に、35wt%過酸化水素水7.0g(HLに対し1.2当量)を常温で1.5時間かけて滴下してから95℃に昇温し、17時間反応した以外は実施例2と同様の操作を行い、HL−2−OHを得た。HL−2−OHの収率は43.3%、GPC純度は95.8%であった。
実施例6
35wt%過酸化水素水を2.9g(HLに対し0.5当量)とした以外は実施例2と同様の操作を行い、HL−2−OHを得た。HL−2−OHの収率は44.7%、GPC純度は95.4%であった。
実施例7
35wt%過酸化水素水を23.4g(HLに対し4.0当量)とし、その滴下時間を40時間とした以外は実施例2と同様の操作を行い、HL−2−OHを得た。HL−2−OHの収率は50.2%、GPC純度は99.2%であった。
実施例8
硫酸濃度を60.0wt%、硫酸量を40.4g(HLに対し3.4当量)、35wt%過酸化水素水の滴下時間を2.5時間、滴下終了後の反応時間を3.5時間とした以外は実施例2と同様の操作を行い、HL−2−OHを得た。HL−2−OHの収率は78.3%、GPC純度は97.2%であった。
実施例9
35wt%過酸化水素水の滴下時間を2時間、滴下終了後の反応時間を4時間とした以外は実施例8と同様の操作を行い、HL−2−OHを得た。HL−2−OHの収率は71.7%、GPC純度は96.8%であった。
実施例10
35wt%過酸化水素水の滴下時間を1.5時間、滴下終了後の反応時間を4.5時間とした以外は実施例8と同様の操作を行い、HL−2−OHを得た。HL−2−OHの収率は65.1%、GPC純度は96.1%であった。
実施例11
35wt%過酸化水素水の滴下時間を1時間、滴下終了後の反応時間を5時間とした以外は実施例8と同様の操作を行い、HL−2−OHを得た。HL−2−OHの収率は41.3%、GPC純度は94.5%であった。
実施例12
硫酸濃度を44.5wt%、硫酸量を50.0g(HLに対し3.4当量)、反応温度を115℃、35wt%過酸化水素水の滴下時間を4時間(内、昇温時間は0.5時間)、滴下終了後の反応時間を1.5時間とした以外は実施例8と同様の操作を行い、HL−2−OHを得た。HL−2−OHの収率は72.2%、GPC純度は99.3%であった。
実施例13
硫酸濃度を67.0wt%、硫酸量を33.2g(ADOに対し3.4当量)、反応温度を50℃、35wt%過酸化水素水の滴下時間を20時間(内、昇温時間は0.5時間)、滴下終了後の反応時間を4時間とした以外は実施例8と同様の操作を行い、HL−2−OHを得た。HL−2−OHの収率は65.4%、GPC純度は96.5%であった。
実施例14
反応温度を40℃、35wt%過酸化水素水の滴下時間を44時間(内、昇温時間は0.5時間)、滴下終了後の反応時間を4時間とした以外は実施例13と同様の操作を行い、HL−2−OHを得た。HL−2−OHの収率は44.9%、GPC純度は95.7%であった。
実施例15
硫酸濃度を80.0wt%、硫酸量を27.8g(HLに対し3.4当量)、反応温度を40℃、35wt%過酸化水素水の滴下時間を16時間(内、昇温時間は0.5時間)、滴下終了後の反応時間を1時間とした以外は実施例8と同様の操作を行い、HL−2−OHを得た。HL−2−OHの収率は45.1%、GPC純度は92.8%であった。
実施例16
反応温度を125℃、35wt%過酸化水素水の滴下時間を4時間(内、昇温時間は0.5時間)とした以外は実施例12と同様の操作を行い、HL−2−OHを得た。HL−2−OHの収率は47.8%、GPC純度は91.3%であった。
[HL−2−OHの分離(実施例17〜26)]
実施例17
実施例2の反応液に、17.5%水酸化ナトリウム水溶液23.5gを滴下して硫酸濃度を15.7%に調節した。2−エチル−1−ヘキサノール18.0gで4回抽出し、抽出液を全て合わせて、5%水酸化ナトリウム水溶液13.0gを加えて振り混ぜた後、30分間静置して油層を分液した。この時、水層のpHは12であった。
次に、油層に5%亜硫酸ナトリウム水溶液13.0gを加えて振り混ぜ、30分間静置して分液した。油層を、エバポレーターを用いて90℃、10Torrで濃縮し、2−エチル−1−ヘキサノール5.6gを含むスラリーを得た。n−ヘプタン56.0gを添加して、攪拌しながら5℃まで冷却して晶析した。結晶をヘプタン10.8gでリンスし、乾燥して結晶8.6gを得た(全収率79.2%)。この結晶のGPC純度は99.5%であった。
実施例18
抽出溶媒をn−ヘキサノールとした以外は実施例17と同様の操作を行った結果、結晶8.3gを得た(全収率76.4%)。この結晶のGPC純度は99.0%であった。
実施例19
抽出溶媒をn−オクタノールとし、この溶媒18.0gで5回抽出した以外は実施例17と同様の操作を行った結果、結晶7.9gを得た(全収率72.5%)。この結晶のGPC純度は99.0%であった。
実施例20
抽出溶媒をクロロホルムとし、この溶媒18.0gで3回抽出した以外は実施例17と同様の操作を行った結果、結晶7.8gを得た(全収率71.4%)。この結晶のGPC純度は99.0%であった。
具体的には、実施例17と同様に硫酸濃度を15.7%に調節した後、クロロホルム18.0gで3回抽出した。実施例17と同様にアルカリ洗浄及び亜硫酸ナトリウム水溶液処理を行った。エバポレーターを用い50℃、10Torrで油層からクロロホルム36.1gを留去した後、n−ヘプタン56.0gを添加して、残りのクロロホルム残り17.9gを留去した。以後、実施例17と同様の操作を行い結晶7.8gを得た(全収率71.4%)。この結晶のGPC純度は99.0%であった。
実施例21
抽出溶媒をn−ブタノールとした以外は実施例17と同様の操作を行った。n−ブタノールは反応液に混和するため、油層を分液して生成物を回収することができなかった。
実施例22
実施例2の反応液にイオン交換水43.4gを加えて硫酸濃度を16.8wt%に希釈した。25.0%水酸化ナトリウム水溶液39.0gを滴下して硫酸の全量を中和した後、5%亜硫酸ナトリウム水溶液13.0gを加えて攪拌した。酢酸エチル27.0gで3回抽出し、抽出液を全て合わせて、1.0%水酸化ナトリウム水溶液7.2gを加えて振り混ぜた後、30分間静置して油層を分液した。この時、水層のpHは12であった。
エバポレーターを用いて70℃、10Torrで油層から酢酸エチル72.3gを留去し、n−ヘプタン56.0gを添加して、酢酸エチル残り8.7gを留去した。以後、実施例17と同様の操作を行い、結晶8.6gを得た(全収率78.5%)。この結晶のGPC純度は99.3%であった。
実施例23
抽出溶媒をメチルイソブチルケトンとした以外は実施例22と同様の操作を行った結果、結晶8.2gを得た(全収率75.0%)。この結晶のGPC純度は99.0%であった。
実施例24
抽出溶媒をジエチルエーテルとし、この溶媒27.0gで5回抽出した以外は実施例22と同様の操作を行った結果、結晶2.5gを得た(全収率23.3%)。この結晶のGPC純度は98.1%であった。
実施例25
2−エチルヘキサノールにより抽出した後のアルカリ洗浄を行わない以外は実施例22と同様の操作を行った結果、結晶8.7gを得た(全収率79.8%)。この結晶のGPC純度は99.0%であった。
実施例26
酢酸エチルにより抽出した後のアルカリ洗浄を行わない以外は実施例22と同様の操作を行った結果、結晶8.7gを得た(全収率79.3%)。この結晶のGPC純度は99.0%であった。
[ADOを原料とする、HL−2−OHの調製(第2の製造方法:実施例27〜43)]
実施例27
[前段反応]
2L四口フラスコにADO500.0g(3.33mol)と、98.0%硫酸673.0gと水256.0gを用いて調製した71.0wt%硫酸930.0g(硫酸はADOに対し2.0当量)を入れ、冷却管、温度計、滴下ロートを取り付け、油浴に浸けて撹拌しながら50℃に昇温した。
滴下ロートに35wt%過酸化水素水324.0g(3.33mol、1.0当量)を仕込み、3時間かけて滴下した。滴下終了時のHL収率は99.5%、GPC純度は99.5%であった。
[後段反応]
滴下ロートに35wt%過酸化水素水389.0g(4.0mol、1.2当量)を仕込み、前段の50℃の反応液に0.08当量/hで滴下しながら95℃まで昇温した。滴下開始から昇温まで約0.5時間、昇温から滴下終了まで約14.5時間であった(滴下時間:15時間)。その後95℃で1時間加熱攪拌した。
HL−2−OHの収率は81.0%、GPC純度は99.0%であった。
比較例1
[endo−ビシクロ[3,3,1]−6−ノネン−3−カルボン酸(BNC)の合成]
2−アダマンタノン6.3g(42.0mmol)、メタンスルホン酸21.0ml(323.6mmol)のスラリーに、アジ化ナトリウム4.1g(63.1mmol)を、室温において十数回に分け、約30分かけて添加し、50℃でさらに1時間反応させた。ここにエタノール47.6ml,50wt%水酸化ナトリウム水溶液50.4ml(945.0mmol),水111mlを加え、還流温度で2時間反応させた後、室温まで冷却した。
反応溶液に含まれる有機不純物を抽出除去し、引き続き、濃塩酸で酸性にすると白色固体が析出した。生成した白色固体をろ過し、得られた白色ケークをTHF2.1Lで溶解させた。油水分離の後、定法により処理すると、BNC5.0g(30.0mmol、収率:71.4%)が得られた。
[HL−2−OHの合成]
BNC5.0g(30mmol),メタクロロ過安息香酸9.0g(52mmol)を二塩化メチレン400mlに溶解し、一晩加熱還流した。反応液に、亜硫酸ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、及び水で順次洗浄した。反応液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、エバポレーターを用い二塩化メチレン溶媒を留去した。得られた粗結晶を、カラムクロマトを用いて精製し、HL−2−OH3.8gを得た。本反応の収率は70.0%で、2−アダマンタノンからの全収率は50.0%であった。
実施例28
後段で滴下する35wt%過酸化水素水を324.0g(1.0当量)として、前段の滴下量と合計して2.0当量とした以外は実施例27と同様の操作を行った。
HL−2−OHの収率は79.1%、GPC純度は99.0%であった。
実施例29
後段で滴下する35wt%過酸化水素水を972.0g(3.0当量)として、滴下量の合計を4.0当量とし、滴下時間を40時間とした以外は実施例27と同様の操作を行った。
HL−2−OHの収率は65.6%、GPC純度は99.0%であった。
実施例30
前段反応として、硫酸とADOの混合物に35wt%過酸化水素水324.0g(1.0当量)を常温で1時間かけて滴下後、50℃に昇温して3時間反応を行い、続いて後段反応として、50℃で35wt%過酸化水素水389.0g(1.2当量)を1.5時間かけて滴下してから95℃に昇温して17時間反応を行った以外は実施例27と同様の操作を行った。
HL−2−OHの収率は42.4%、GPC純度は95.3%であった。
実施例31
硫酸とADOの混合物に35wt%過酸化水素水713.0g(2.2当量)を常温で1.5時間かけて滴下後、95℃に昇温して20時間反応を行った以外は実施例27と同様の操作を行った。
HL−2−OHの収率は12.2%、GPC純度は90.1%であった。
実施例32
後段で滴下する35wt%過酸化水素水を162.0g(0.5当量)として、滴下量の合計を1.5当量とした以外は実施例27と同様の操作を行った。
HL−2−OHの収率は31.3%、GPC純度は95.3%であった。
実施例33
後段で滴下する35wt%過酸化水素水を1296.0g(4.0当量)として、滴下量の合計を5.0当量とし、後段の滴下時間を40時間とした以外は実施例27と同様の操作を行った。
HL−2−OHの収率は48.2%、GPC純度は99.2%であった。
実施例34
71.0wt%硫酸の量を1550.0g(ADOに対し3.4当量)とし、後段の滴下時間を2.5時間として、滴下時間の合計を5.5時間とし、後段の滴下終了後の反応時間を3.5時間とした以外は、実施例27と同様の操作を行った。
HL−2−OHの収率は76.4%、GPC純度は97.2%であった。
実施例35
前段の35wt%過酸化水素水の滴下時間を1.5時間、後段の滴下時間を1.5時間として滴下時間の合計を3時間とし、後段の滴下終了後の反応時間を4.5時間とした以外は実施例34と同様の操作を行った。
HL−2−OHの収率は62.5%、GPC純度は96.1%であった。
実施例36
前段の35wt%過酸化水素水の滴下時間を1時間、後段の滴下時間を1時間として、滴下時間の合計を2時間とし、後段の滴下終了後の反応時間を5時間とした以外は実施例34と同様の操作を行った。
HL−2−OHの収率は39.8%、GPC純度は94.5%であった。
実施例37
前段の35wt%過酸化水素水の滴下時間を1.5時間として、滴下時間の合計を2.5時間とした以外は実施例36と同様の操作を行った。
HL−2−OHの収率は40.3%、GPC純度は95.3%であった。
実施例38
前段の35wt%過酸化水素水の滴下時間を1時間、後段の滴下時間を2時間として滴下時間の合計を3時間とし、後段の滴下終了後の反応時間を4時間とした以外は実施34と同様の操作を行った。
HL−2−OHの収率は69.7%、GPC純度は96.8%であった。
実施例39
硫酸濃度を50.0wt%、硫酸量を1400.0g(ADOに対し3.4当量)とし、前段の反応温度を70℃、後段の反応温度を115℃、後段の35wt%過酸化水素水の滴下時間を4時間(内、昇温時間は0.5時間)、後段の滴下終了後の反応時間を1.5時間とした以外は実施例34と同様の操作を行った。
HL−2−OHの収率は70.1%、GPC純度は99.3%であった。
実施例40
硫酸濃度を80.0wt%、硫酸量を2225.0g(ADOに対し3.4当量)とし、前段の反応温度を45℃、後段の反応温度を50℃、後段の35wt%過酸化水素水の滴下時間を20時間、後段の滴下終了後の反応時間を4時間とした以外は実施例34と同様の操作を行った。
HL−2−OHの収率は63.4%、GPC純度は96.5%であった。
実施例41
後段の反応温度を40℃、後段の35wt%過酸化水素水の滴下時間を44時間、後段の滴下終了後の反応時間を4時間とした以外は実施例40と同様の操作を行った。
HL−2−OHの収率は42.2%、GPC純度は95.7%であった。
実施例42
硫酸濃度を98.0wt%、硫酸量を113.0g(ADOに対し3.4当量)とし、前段の反応温度を30℃、後段の反応温度を40℃、後段の35wt%過酸化水素水の滴下時間を16時間(内、昇温時間は0.5時間)、後段の滴下終了後の反応時間を1時間とした以外は実施例33と同様の操作を行った。
HL−2−OHの収率は43.4%、GPC純度は92.8%であった。
実施例43
後段の反応温度を125℃とした以外は実施例39と同様の操作を行った。尚、後段の過酸化水素水の滴下時間4時間の内、昇温時間は0.5時間である。
HL−2−OHの収率は45.5%、GPC純度は91.2%であった。
本発明の製造方法は、回路形成材料(半導体製造用レジスト、プリント配線板等)、画像形成材料(印刷版材、レリーフ像等)等の製造に使用できる。
上記に本発明の実施形態及び/又は実施例を幾つか詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施形態及び/又は実施例に多くの変更を加えることが容易である。従って、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
この明細書に記載の文献及び本願のパリ優先の基礎となる日本出願明細書の内容を全てここに援用する。

Claims (13)

  1. 下記式(A)で表される5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタンを硫酸存在下で過酸化水素と反応させる、下記式(I)で表される5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−オールの製造方法。
    Figure 2013140752
  2. 前記5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタンに対して、前記過酸化水素を1.5時間以上かけて1〜3当量滴下して反応させる、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記反応させる温度が50〜120℃である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 2−アダマンタノンを硫酸存在下で過酸化水素と反応させる、下記式(I)で表される5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−オールの製造方法。
    Figure 2013140752
  5. 前記2−アダマンタノンに対して、前記過酸化水素を3時間以上かけて2〜4当量滴下して反応させる、請求項4に記載の製造方法。
  6. 第1の工程として、前記2−アダマンタノンに対して前記過酸化水素を1当量以上滴下して反応させた後に、第2の工程として、1.5時間以上かけて過酸化水素を滴下して反応させる請求項4に記載の製造方法。
  7. 前記第1の工程における反応の温度と前記第2の工程における反応の温度が異なる請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記第2の工程における反応の温度が50〜120℃である請求項6又は7に記載の製造方法。
  9. 炭素数5以上のアルコール、エステル系溶媒、ケトン系溶媒及びハロゲン系溶媒から選択される1種類以上を用いて、前記反応により得られた反応液から5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタン−2−オールを抽出する請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 前記抽出に用いる溶媒が2−エチル−1−ヘキサノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン及びクロロホルムから選択される1種類以上である請求項9に記載の製造方法。
  11. 抽出した溶液をアルカリで洗浄する請求項9又は10に記載の製造方法。
  12. 抽出した溶液を濃縮後、貧溶媒を添加して結晶化させる請求項9〜11のいずれかに記載の製造方法。
  13. 2−アダマンタノンを、硫酸存在下で過酸化水素と反応させる、下記式(A)で表される5−オキソ−4−オキサ−5−ホモアダマンタンの製造方法。
    Figure 2013140752
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