JPWO2013124915A1 - スレーブ装置、マスタ装置、及び通信システム - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、図27は特許文献1で開示されている、複数のバスマスタ機能を有する装置をバス接続した通信システムを示す。同通信システムによる方式においては、まず、バス権を要求する装置が、バス権を持つ装置からのバストランザクションへの応答の中にバス権要求を埋め込む。そして、要求を検知した装置がトランザクション完了後にバス権を要求する装置へバス権を許可する。
なお、本開示において、信号と称する場合、信号そのものに限定されず、所定のフォーマットを有するデータ(例えば、パケットデータ等)を意味する場合も含む。
なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施の形態1)
[1−1. 通信システムの構成]
本実施形態に係る通信システムは、マスタ装置1(図1)、及び一以上のスレーブ装置2(図2)を含む。
[1−1−1. マスタ装置の構成]
図1は、本実施の形態に係る通信システムに含まれる、マスタ装置1の概略構成を示す。マスタ装置1は、スレーブ装置2と接続されるバス(第1の通信線の一例)において、データ(制御信号、コマンドやその応答、ユーザデータ等を含む)の送受信を制御する機能を実行可能にするバス権(データ制御権の一例)を管理する(バス権の保持、スレーブ装置との間のバス権の移転等)。
スレーブ装置IF部11は、スレーブ装置2との通信を行うための、複数の入出力端子に接続される。入出力端子には、クロック信号を出力するCLK端子と、データを出力するDOUT端子(データ出力端子の一例)と、データを入力するDIN端子(データ入力端子の一例)と、割込み信号を入力するINT入力端子(割込み入力端子の一例)とを含む。スレーブ装置IF部11は、DOUT端子を介してデータを送信する送信制御部111、DIN端子を介してデータを受信する受信制御部112、及び、INT入力端子を介してスレーブ装置2からの割込み信号を受信する割込み制御部113と、を有する。なお、CLKを介して送信されるクロック信号(CLK信号)を生成する機能については、所定の周知技術により実施可能であるため説明を省略する。
[1−1−2. スレーブ装置の構成]
図2は、本実施の形態に係る通信システムに含まれる、スレーブ装置2の概略構成を示す。スレーブ装置2は、図2に示すように、マスタ装置IF部21(送受信部の一例)と、バックエンド部22(制御部の一例)と、を含む。
なお、スレーブ装置2は、メモリ部222及びIO部223のいずれか、あるいは両方を含まない構成であってもよい。
[1−1−3. Dual−role装置の構成]
図3は、本実施の形態に係る通信システムに含まれる、Dual−role装置3の概略構成を示す。
また、Dual−role装置3は、メモリ部322及びIO部323のいずれか、あるいは両方を含まない構成であってもよい。
なお、本実施の形態に係るマスタ装置1、スレーブ装置2、Dual−role装置3では、クロック線CLKが、信号線DOUT、信号線DINとは異なる端子によりされる構成となっているが、これに限定されることはなく、例えば、信号線にクロックを重畳するエンベデッドクロックを用いることもできる。この場合、マスタ装置1、スレーブ装置2、Dual−role装置3のCLK端子、及び、クロック線CLKは、不要である。
[1―1−4. マスタ装置、スレーブ装置、Dual−role装置の接続形態]
図4、図5及び図6は、本実施の形態に係る通信システムにおける、マスタ装置1、スレーブ装置2及びDual−role装置3の接続を説明するための図である。
図5(a)及び図5(b)は、マスタ装置1と複数のスレーブ装置2−1、2−2及びDual−role装置3がリング接続される構成を示している。スレーブ装置2、2−1、2−2及びDual−role装置3は同じIO部・メモリを持つ装置であってもよく、或いは装置毎に異なるIO部・メモリを持つようにしてもよい。
図5(a)及び図5(b)は、本実施の形態に係る通信システムにおける、特に、クロック(CLK)信号の伝送路の接続形態を示している。CLK信号は、マスタ装置1からスレーブ装置2−1、2−2、Dual−role装置3に送信される。CLK信号は、図5(a)に示すように、マスタ装置1から、スレーブ装置2−1、2−2及びDual−role装置3へマルチドロップ型に送信してもよい。或いは、CLK信号は、図5(b)に示すように、マスタ装置1から、スレーブ装置2−1、2−2及びDual−role装置3へスター型に接続してもよい。なお、前述した通り、エンベデッドクロックを使用し、クロック線CLKを省略した構成としてもよい。
[1−2.通信システムの動作]
以上のように構成された本実施の形態に係る通信システムの動作について、説明する。
[1−2−1. パケットフォーマット]
図7は、本実施の形態に係る通信システムにおける、マスタ装置1とスレーブ装置2、2−1、2−2及びDual−role装置3による通信に用いるパケットフォーマットの一例を示す図である。
図7(b)は、マスタ装置1、スレーブ装置2、2−1、2−2及びDual−role装置3がユーザデータを送受信するためのパケットフォーマットを示す図である。各データパケットは、開始信号Start、ヘッダHeader、ペイロードPayload、CRC、終了信号Endで構成され、複数のデータパケットをデータバースト開始信号BS、データバースト終了信号BEで挟んだ構成である。
[1―2―2. IDLE信号]
図8は、本実施の形態に係る通信システムにおける、IDLE信号(アイドル信号の一例)の構成を示す図である。IDLE信号は、マスタ装置1、スレーブ装置2、2−1、2−2及びDual−role装置3を接続するバス上でパケットの送受信が行なわれていない時にバスに送信される制御信号である。図8(a)に示すように、マスタ装置1とスレーブ装置2との間のバスにパケットP511、P512、P513、P514、P515、P516、P517が送信されていない区間においては、IDLE信号が流れている。
[1−2−3. 1対1接続による動作]
図9は、本実施の形態に係る通信システムにおける、マスタ装置1とスレーブ装置2とが1対1接続されている場合の、コマンド・応答・ユーザデータの送受信を時間tに沿って示した図である。なお、スレーブ装置2の代わりにDual−role装置3を接続した場合も同様の動作となる。
[1−2−4. リング接続での動作]
図10は、本実施の形態に係る通信システムにおける、マスタ装置1と複数のスレーブ装置2−1、2−2及びDual−role装置3とがリング接続されている場合の、データ信号線の接続形態を示す。なお、リング接続されるスレーブ装置及びDual−role装置の数はこれに限定されず、前述したSrc ID、Dst IDで識別可能な数の装置が接続可能である。
また、マスタ装置1とスレーブ装置2−1との間での各種情報の転送を例に本実施の形態に係る通信システムの動作を説明したが、マスタ装置1とスレーブ装置2−2或いはDual−role装置3との間での各種情報の転送の場合も同様の動作となる。
[1−2−5. リング接続におけるバイパス動作]
図12(a)〜(c)は、本実施の形態に係る通信システムにおける、マスタ装置1、スレーブ装置2及びDual−role装置3のバイパス動作を説明する図である。図12(a)〜(c)では、スレーブ装置2の動作として説明するが、マスタ装置1、Dual−role装置3のバイパス動作も同じである。
一方、図12(c)では、スレーブ装置2は、制御信号をバス上に送信する区間であることを認識し、制御信号S571を受信しながら同じ意味を持つ制御信号S572を送信する。このような動作は例えばバス上でコマンド・応答・ユーザデータ等のパケットが転送されていない区間にどのような制御信号を送信するかを予め仕様として決めておけば可能である。図12(b)及び図12(c)では、スレーブ装置2の外部端子DIN、DOUTによる動作は同じとなるため、いずれの方式を採ることも可能である。制御信号に限らずパケット以外の信号は、図12(b)及び図12(c)のいずれかの方式あるいは両方式の組み合わせによってもバイパスさせることが可能である。
[1−2−6. 割込み処理]
図13は、本実施の形態に係る通信システムにおいて、スレーブ装置2及びDual−role装置3がマスタ装置1へ専用の信号線INT(第2の通信線の一例)を用いて割込みを通知する方法を示す図である。図13(a)はマスタ装置1−スレーブ装置2間の接続を示し、図13(b)はマスタ装置1−スレーブ装置2間の信号の送受信を示す。なお、図13では、マスタ装置1とスレーブ装置2が1対1接続された場合について説明するが、図10で示したような、マスタ装置1と複数のスレーブ装置2−1、2−2及びDual−role装置3をリング接続した場合も同じ動作となる。
図13(b)では、割込み信号はローアクティブ(信号線を”0”として割込み通知)としているが、ハイアクティブ(信号線を”1”として割込み通知)としてもよい。マスタ装置1は割込み信号で割込みが通知されていることを認識すると、割込み要因を読み出すためのCMDパケットP61、つまり割込み要因を問い合わせるCMDパケットP61をスレーブ装置2に送信する。スレーブ装置2はP61を受信すると、RESパケットP62で割込み要因をマスタ装置1に通知する。マスタ装置1はP62を受信し割込み要因を識別すると共に、割込みをクリアするためのCMDパケットP63をスレーブ装置2に送信する。スレーブ装置2はP63を受信すると、RESパケットP64をマスタ装置1に送信し、割込み信号での割込み通知を終了する(T62)。なお、RESパケットP64の送信と割込み通知終了の順序は任意である。
この時、割込みを通知するスレーブ装置2とマスタ装置1との間に位置する装置は図12(a)〜図12(c)を用いて説明したバイパス動作を行い、IRQ信号が確実にマスタ装置1へ通知されるようにする。
[1−3.デバイス間転送の動作]
以上のように構成された本実施の形態に係る通信システムにおける、デバイス間転送の動作について、説明する。
[1−3−1. バス権取得]
図15は、本実施の形態に係る通信システムのリング接続を概略的に示す図である。図15に示す例では、マスタ装置1、Dual−role装置3、スレーブ装置2−1、スレーブ装置2−2が順にリング接続されており、Dual−role装置3のINT出力端子はマスタ装置1のINT入力端子へ接続されている。図15に示す例では、通常動作時には上述したようにマスタ装置1がバス権を持ち、スレーブ装置2−1、2−2及びDual−role装置3の間でコマンド・応答・ユーザデータの転送を行なう。
なお、スレーブ装置2−1、2−2は受信したパケットP712、P714について、自装置宛で無いことを認識してバイパス動作を行なう。またIDLE信号などパケット以外の制御信号についてもバイパス動作を行なう。
[1−3−2. Dual−role装置とスレーブ装置間のデータ転送]
図17及び図18は、本実施の形態に係る通信システムにおいて、Dual−role装置3がバス権を有している場合であって、スレーブ装置2−2に対してCMDパケットを発行してデータライトを行なう処理を示す図である。図17において、Dual−role装置3は、スレーブ装置2−2へデータライトを指示するCMDパケットP721を発行する。スレーブ装置2−1は受信したP721をバイパス制御によりスレーブ装置2−2に送信する。スレーブ装置2−2はP721を受信するとRESパケットP722をマスタ装置1に送信する。マスタ装置1は受信したP722をバイパス制御によりDual−role装置3に送信し、Dual−role装置3はRESパケットP722を受信する。このようにしてDual−role装置3はスレーブ装置2−2に対してCMDパケットを送信し、スレーブ装置2−2からのRESパケットを受信することができる。
なお、Dual−role装置3がスレーブ装置2−2に対してデータリードを行う場合も、Dual−role装置3及びスレーブ装置2−2の動作は図9(c)で説明した動作と同じ動作となる。
[1−3−3. バス権返還]
図18に示す例では、Dual−role装置3はマスタ装置1の指示に従ってスレーブ装置2−2との間でデータライト処理を行ない、処理が完了すると、割込み信号(INT信号)を”0”にしてマスタ装置1へ割込みを通知する(T71)。これにより、Dual−role装置3はマスタ装置1にバス権を返還する。なお、バス権の返還とは、Dual−role装置3においてバス権を無効にする、すなわち、他のスレーブ装置2との間で各種情報の送受信を行なう機能を停止させることを意味する。
なお、割込み通知によるDual−role装置3からマスタ装置1へのバス権返還は、Dual−role装置3がマスタ装置1の指示したデバイス間転送処理を全て完了した後としてもよい。この場合、マスタ装置1はDual−role装置3へのバス権取得指示を1回行なうだけでよい。
[1−3−4. デバイス間転送停止指示]
図19〜図21は、本実施の形態に係る通信システムにおいて、Dual−role装置3がバス権を取得してスレーブ装置2−2との間でデータ転送を行なっている途中でマスタ装置1がDual−role装置3へ転送停止とバス権返還を指示する処理を示す図である。
[1−4. 効果等]
以上のように、本実施の形態においては、Dual−role装置3は、データ信号線に接続されマスタ装置1からデータを受信するDIN端子と、データ信号線に接続され他のスレーブ装置2−1にデータを送信するDOUT端子と、を備える。Dual−role装置3は、マスタ装置1より付与されたバス権に応じて他のスレーブ装置2−1又は2−2との間でDOUT端子によるコマンドやデータの送信、及びDIN端子による応答やデータの受信を行う。Dual−role装置3は、マスタ装置1よりABORT信号を受信すると、データ受信及びデータ送信を行っていない状態のとき、マスタ装置1に割込み信号を送信する。Dual−role装置3は、マスタ装置1に割込み信号を送信した後、バス権に応じたデータの送受信を制御する機能を停止させる。一方、マスタ装置1は、データ信号線に接続されスレーブ装置にデータを送信するDOUT端子と、データ信号線に接続されスレーブ装置からデータを受信するDIN端子と、を備える。マスタ装置1は、スレーブ装置の一つであるDual−role装置3にバス権を付与してマスタ装置1のデータの送受信を制御する機能を停止させる。マスタ装置1は、Dual−role装置3が付与されたバス権に応じてデータの送受信を行なっている間に、Dual−role装置3にABORT信号を送信し、そのABORT信号を送信後、且つDual−role装置3より割込み信号を受信した後、マスタ装置1においてバス権に応じたデータの送受信を制御する機能を実行可能にする。
本実施の形態においては、マスタ装置1はDual−role装置3に対して、ABORT信号を、データの送信を行なっていない区間においてデータ受信及びデータ送信を終了するまで繰返し送信する。このため、データの送受信を妨げることなくマスタ装置1からDual−role装置3にバス権の返還を請求できる。
本実施の形態においては、Dual−role装置3は割込み信号を出力するINT出力端子を備え、マスタ装置1は割込み信号を入力するINT入力端子を備え、割込み信号をデータ通信線とは異なる専用線を介して送信する。このため、Dual−role装置3とマスタ装置1間におけるバス権の移転をより確実に行うことができる。
さらに、本実施の形態においては、マスタ装置1のDOUT信号がDual−role装置3のDIN信号に接続されており、マスタ装置1とDual−role装置3との間に他のスレーブ装置が存在しないため、マスタ装置の送信したABORT信号S8をDual−role装置3が確実に受信することができる。
(第2実施形態)
次に、実施の形態2について、説明する。図22は、本実施の形態に係る通信システムの構成を概略的に示す図である。
[2−1. 通信システムの動作]
[2−1−1. デバイス間転送]
図23及び図24は、本実施の形態に係る通信システムにおける、デバイス間転送の動作を示す図である。なお、本実施の形態に係る通信システムでは、マスタ装置1からDual−role装置3へのバス権取得指示動作は第1実施形態と同様である。
なお、Dual−role装置3がスレーブ装置2−1に対してデータリードを行う場合も、Dual−role装置3及びスレーブ装置2−1の動作は図9(c)で説明したのと同じ動作となる。
[2−1−2. デバイス間転送停止指示]
図25は、本実施の形態に係る通信システムにおいて、Dual−role装置3がバス権を取得してスレーブ装置2−1との間でデータ転送を行なっている途中でマスタ装置1がDual−role装置3へ転送停止とバス権返還を指示する処理を示す図である。
[2−2. 効果等]
以上のように、本実施の形態においては、マスタ装置1はDual−role装置3がスレーブ装置2−1、2−2との間でデバイス間転送を実行中であっても、バス上にパケットが送信されていない区間を利用してABORT信号S10を用いて転送停止をDual−role装置3へ要求しバス権を返還させることができる。このため、実施の形態1と同様に、マスタ装置1で優先度の高い処理が発生した場合において応答性が高い通信システムを実現することができる。
(他の実施の形態)
以上、図面を用いて本出願において開示する技術の例示として実施の形態1及び2を説明したが、本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更及び修正が可能である。
また、図26に示すように、Dual−role装置3が別のマスタ装置4とリング接続とは異なる伝送路5を介して接続されていてもよい。この場合、デバイス間転送中はDual−role装置3はマスタ装置4の指示によってスレーブ装置2−1、2−2とデータ転送を行なうようにしてもよい。伝送路5は有線伝送、無線伝送いずれの構成も可能である。
また、上記実施の形態におけるABORT信号の代わりとして、所定のパケットを繰返し送るようにしてもよい。
また上記実施形態では、データ単位としてパケット用いているが、これに限定されることなく、使用されるプロトコルに応じたデータ単位であっても本発明を適用できる。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
本開示における、マスタ装置1と、Dual−role装置3とを含むスレーブ装置2とにより構成される通信システムにおいて、マスタ装置の指示でDual−role装置がバス権を取得してスレーブ装置とデータ転送を行なっている場合でも、マスタ装置が任意のタイミングで転送停止を指示しバス権を取り戻すことができる。例えばマスタ装置1としてCPUを含むシステムLSI、スレーブ装置2として無線通信デバイスやメモリ装置を複数接続して構成する通信システムにおいて、デバイス間転送中にマスタ装置1がバス権を取り戻すのに必要な時間を短縮できる。この結果、応答性のよいシステムを実現することができるため好適である。
11 スレーブ装置IF部
111 送信制御部
112 受信制御部
113 割込み制御部
114 バイパス制御部
115 バス権制御部
2、2−1、2−2 スレーブ装置
3 Dual−role装置
21、31 マスタ装置IF部
211、311 受信制御部
212、312 送信制御部
213、313 割込み制御部
214、314 バイパス制御部
22、32 バックエンド部
222、322 メモリ部
223、323 IO部
S8、S10 ABORT信号
S9 IRQ信号
【発明の名称】スレーブ装置、マスタ装置、及び通信システム
【技術分野】
【0001】
本開示は、マスタ装置と1以上のスレーブ装置とを接続し、マスタ装置の発行するコマンドにスレーブ装置が応答して各種情報の転送を行う通信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、通信線であるバス上においてデータの送受信を制御するマスタ機能を有する装置を複数接続し、装置間で各種情報の転送を行なう通信システムが知られている。このような通信システムにおいては、複数のバスマスタ機能を有する装置間でその制御権(以下、バス権)を調停し、同時に1つの装置のみがバス権を持つようにする必要がある。
【0003】
例えば、図27は特許文献1で開示されている、複数のバスマスタ機能を有する装置をバス接続した通信システムを示す。同通信システムによる方式においては、まず、バス権を要求する装置が、バス権を持つ装置からのバストランザクションへの応答の中にバス権要求を埋め込む。そして、要求を検知した装置がトランザクション完了後にバス権を要求する装置へバス権を許可する。
【0004】
図27に示す例では、バスマスタ機能を有する装置1201a〜1201dがバス接続されており、装置1201aがバス権を保持しているものとする。装置1201bがバス権を要求する場合、装置1201aからのバストランザクション要求P121への応答P122へバス権要求Bus REQを埋め込むことにより、バス権を要求する。装置1201aは受信したP122に含まれるバス権要求を認識すると、装置1201bへバス権を許可する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0186020号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された従来技術では、バス権を持たない装置がバス権を要求する場合、バス権を持つ装置からのトランザクションに対する応答へ要求を埋め込む必要がある。すなわち、バス権を持つ装置からのトランザクションがない場合にはバス権を要求することができない。このため、バス権を持たない装置がバス権を得てバストランザクションを行なう場合の応答性が低下するという課題がある。
【0007】
本開示は、以上の問題点を解決し、応答性の高い通信システム、並びに、その通信システムを構成するスレーブ装置、マスタ装置、及び通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示におけるスレーブ装置は、第1の通信線上においてデータの送受信を制御する機能を実行可能にするデータ制御権を管理するマスタ装置と、1以上の他のスレーブ装置のうちの少なくとも一つとに第1の通信線を介して接続可能なスレーブ装置であって、第1の通信線に接続され、他のスレーブ装置のうちの少なくとも一つ又はマスタ装置からデータを受信するデータ入力端子と、第1の通信線に接続され、他のスレーブ装置のうちの少なくとも一つ又はマスタ装置にデータを送信するデータ出力端子と、を備える。同スレーブ装置は、マスタ装置より付与されたデータ制御権に応じてデータの送受信を制御している間において、マスタ装置より中断信号を受信し、且つデータ入力端子からのデータの受信及びデータ出力端子からのデータの送信を行っていない状態のとき、マスタ装置に割込み信号を送信する。マスタ装置に割込み信号を送信した後、本スレーブ装置におけるデータ制御権に応じたデータの送受信を制御する機能を停止させる。
本開示におけるマスタ装置は、第1の通信線を介して1以上のスレーブ装置に接続可能であり、第1の通信線上においてデータの送受信を制御する機能を実行可能にするデータ制御権を管理するマスタ装置であって、第1の通信線に接続され1以上のスレーブ装置からデータを受信するデータ入力端子と、第1の通信線に接続され1以上のスレーブ装置にデータを送信するデータ出力端子と、を備える。同マスタ装置は、1以上のスレーブ装置のうち第1のスレーブ装置にデータ制御権を付与し、本マスタ装置におけるデータの送受信を制御する機能を停止させ、且つ第1のスレーブ装置が付与されたデータ制御権に応じてデータの送受信を行なっている間において、第1のスレーブ装置に対し中断信号を送信する。マスタ装置は、中断信号を送信後、且つ第1のスレーブ装置より割込み信号を受信した後、本マスタ装置におけるデータ制御権に応じたデータの送受信を制御する機能を実行可能にする。
本開示における通信システムは、第1の通信線と、第1の通信線上においてデータの送受信を制御する機能を実行可能にするデータ制御権を管理するマスタ装置と、マスタ装置に第1の通信線を介して接続される1以上のスレーブ装置と、を備える。同通信システムにおいて、マスタ装置は、第1の通信線に接続され1以上のスレーブ装置からデータを受信する第1のデータ入力端子と、第1の通信線に接続され1以上のスレーブ装置にデータを送信する第1のデータ出力端子と、を有する。スレーブ装置は、第1の通信線に接続され他のスレーブ装置又はマスタ装置からデータを受信する第2のデータ入力端子と、第1の通信線に接続され、他のスレーブ装置又はマスタ装置にデータを送信する第2のデータ出力端子と、を有する。更に同通信システムにおいては、マスタ装置は、1以上のスレーブ装置のうち第1のスレーブ装置にデータ制御権を付与してマスタ装置におけるデータの送受信を制御する機能を停止させ、且つ第1のスレーブ装置が付与されたデータ制御権に応じてデータの送受信を行なっている間において、第1のスレーブ装置に対し中断信号を送信する。第1のスレーブ装置は、マスタ装置より中断信号を受信し、且つデータ入力端子からのデータの受信及びデータ出力端子からのデータの送信を行っていない状態のとき、マスタ装置に割込み信号を送信する。マスタ装置は、第1のスレーブ装置より割込み信号を受信した後、マスタ装置におけるデータ制御権に応じたデータの送受信を制御する機能を実行可能にし、第1のスレーブ装置は、マスタ装置に割込み信号を送信した後、第1のスレーブ装置におけるデータ制御権に応じたデータの送受信を制御する機能を停止させる。
本開示における通信方法は、上記通信システム用いて実行される通信方法である。
なお、本開示において、信号と称する場合、信号そのものに限定されず、所定のフォーマットを有するデータ(例えば、パケットデータ等)を意味する場合も含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示における技術によれば、データ制御権を有するスレーブ装置とその他のスレーブ装置間でデータ転送を行なっている場合であっても、マスタ装置がデータ制御権の返還を要求し取得することのできるため、通信システムの応答性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1に係るマスタ装置の概略構成図
【図2】実施の形態1に係るスレーブ装置の概略構成図
【図3】実施の形態1に係るDual−role装置の概略構成図
【図4】マスタ装置−スレーブ装置間の接続、及びマスタ装置−Dual−role装置間の接続形態を説明するための図
【図5】マスタ装置、スレーブ装置、Dual−role装置間のクロック信号線の接続形態を説明するための図
【図6】マスタ装置、スレーブ装置、Dual−role装置間の割込み信号線の接続形態を説明するための図
【図7】パケットのフォーマットを示す図
【図8】IDLE信号の構成を説明する図
【図9】1対1接続におけるコマンド・応答・データ送受信を説明する図
【図10】リング接続でのデータ信号線の接続形態を説明する図
【図11】リング接続でのコマンド・応答・ユーザデータの送受信を説明する図
【図12】リング接続でのバイパス動作を説明する図
【図13】専用信号線を用いた割込み処理を説明するための図
【図14】データ信号線を用いた割込み処理を説明するための図
【図15】実施の形態1に係る通信システムの接続状態を概略的に示す図
【図16】同通信システムにおけるDual−role装置によるバス権取得処理を説明するための図
【図17】同通信システムにおいてDual−role装置がバス権を有する場合のデータ処理を説明するための図
【図18】同通信システムにおいてDual−role装置がバス権を有する場合のデータ転送処理を説明するための図
【図19】同通信システムにおいてマスタ装置からバス権返還要求があった場合のデータ処理を説明するための図
【図20】ABORT信号の構成を示す図
【図21】同通信システムにおいてマスタ装置からのバス権返還要求があった場合のデータ処理を説明するための図
【図22】実施の形態2に係る通信システムの接続を概略的に示す図
【図23】同通信システムにおけるデータ転送処理を説明するための図
【図24】同通信システムにおけるデータ転送処理を説明するための図
【図25】同通信システムにおけるデータ転送処理を説明するための図
【図26】他の実施の形態に係る通信システムにおいて、リング接続外部のマスタ装置が存在する場合の接続形態を説明するための図
【図27】従来技術を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
説明中で同じ符号、記号、数字は、特に説明が無い限り、同じ構成要素を示すものとする。また、特に説明が無い限り本発明に必須でない構成要素は図示しないものとする。
【0012】
(実施の形態1)
[1−1. 通信システムの構成]
本実施形態に係る通信システムは、マスタ装置1(図1)、及び一以上のスレーブ装置2(図2)を含む。
[1−1−1. マスタ装置の構成]
図1は、本実施の形態に係る通信システムに含まれる、マスタ装置1の概略構成を示す。マスタ装置1は、スレーブ装置2と接続されるバス(第1の通信線の一例)において、データ(制御信号、コマンドやその応答、ユーザデータ等を含む)の送受信を制御する機能を実行可能にするバス権(データ制御権の一例)を管理する(バス権の保持、スレーブ装置との間のバス権の移転等)。
【0013】
マスタ装置1は、図1に示すように、スレーブ装置IF部11(送受信部の一例)と、CPU12と、主記憶部13と、周辺回路14と、ROM/RAM15と、を含む。CPU12、主記憶部13、及びROM/RAM15は、スレーブ装置IF部11から受信するデータの処理を行なう制御部(制御部の一例)を構成する。
【0014】
スレーブ装置IF部11は、スレーブ装置2との通信を行うための、複数の入出力端子に接続される。入出力端子には、クロック信号を出力するCLK端子と、データを出力するDOUT端子(データ出力端子の一例)と、データを入力するDIN端子(データ入力端子の一例)と、割込み信号を入力するINT入力端子(割込み入力端子の一例)とを含む。スレーブ装置IF部11は、DOUT端子を介してデータを送信する送信制御部111、DIN端子を介してデータを受信する受信制御部112、及び、INT入力端子を介してスレーブ装置2からの割込み信号を受信する割込み制御部113と、を有する。なお、CLKを介して送信されるクロック信号(CLK信号)を生成する機能については、所定の周知技術により実施可能であるため説明を省略する。
【0015】
CLK、DOUT、DIN、INT信号線は、例えば、差動シリアル方式又はシングルエンド方式で信号を伝送するための伝送路である。データを送受信する信号線の数は、2本(DOUT及びDINの2本)に限定されず、より多くの信号線(例えば、DOUT0〜DOUT3、DIN0〜DIN3のそれぞれ4本の信号線やDOUT0〜DOUT7及びDIN0〜DIN7のそれぞれ8本の信号線)を用いてもよい。より多くの信号線を用いることで、マスタ装置1は、より高速な通信が可能となる。また、スレーブ装置2へデータを送信する信号線の数とスレーブ装置2からのデータを受信する信号線の数は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。またスレーブ装置2からの割込み信号を受信する信号線INTの数は1本に限定されず、より多くの信号線(例えばINT0〜3の4本)を備えてもよい。また後述するように、信号線INTを使わず、信号線DINを用いて割込み信号やデータを受信する構成も可能である。
【0016】
またマスタ装置1のスレーブ装置IF部11は、後述するバイパス機能を行なうバイパス制御部114及びバス権の取得・返還指示を行うバス権制御部115を備える。
【0017】
[1−1−2. スレーブ装置の構成]
図2は、本実施の形態に係る通信システムに含まれる、スレーブ装置2の概略構成を示す。スレーブ装置2は、図2に示すように、マスタ装置IF部21(送受信部の一例)と、バックエンド部22(制御部の一例)と、を含む。
【0018】
バックエンド部22は、CPU221と、不揮発性メモリ及びメモリ制御部を含むメモリ部222と、IO(Input/Output)機能及びIO制御部を含むIO部223と、レジスタ224と、ROM/RAM225と、を有する。IO機能とは、例えば各種無線通信や有線通信を含む。
【0019】
なお、スレーブ装置2は、メモリ部222及びIO部223のいずれか、あるいは両方を含まない構成であってもよい。
【0020】
マスタ装置IF部21は、マスタ装置1との通信を行うための、複数の入出力端子に接続される。入出力端子には、クロック信号を入力するCLK端子と、データを出力するDOUT端子(データ出力端子の一例)と、データを入力するDIN端子(データ入力端子の一例)と、割込み信号を出力するINT出力端子(割込み出力端子の一例)とを含む。マスタ装置IF部21は、DIN端子を介してデータを受信する受信制御部211、DOUT端子を介してデータを送信する送信制御部212、及び、INT出力端子を介してマスタ装置1へ割込み信号を送信する割込み制御部213と、を有する。
【0021】
CLK、DOUT、DIN、INT信号線は、例えば、差動シリアル方式又はシングルエンド方式で信号を伝送するための伝送路である。データを送受信する信号線の数は、2本(DOUT及びDINの2本)に限定されず、より多くの信号線(例えば、DOUT0〜DOUT3の4本の信号線やDOUT0〜DOUT7の信号線)を用いてもよい。より多くの信号線を用いることで、スレーブ装置2は、より高速な通信が可能となる。また、マスタ装置へデータを送信する信号線の数とマスタ装置からのデータを受信する信号線の数は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。またマスタ装置1へ割込みを通知する信号線の数は1本に限定されず、より多くの信号線(例えばINT0〜3の4本)を備えてもよい。また後述するように、信号線INTを使わず、信号線DOUTを用いて割込み信号やデータを送信する構成も可能である。さらに、割込み制御部213を含まず、マスタ装置1へ割込みを通知しない構成であってもよい。
【0022】
またスレーブ装置2のマスタ装置IF部21は、後述するバイパス動作を行なうバイパス制御部214を備える。
【0023】
[1−1−3. Dual−role装置の構成]
図3は、本実施の形態に係る通信システムに含まれる、Dual−role装置3の概略構成を示す。
【0024】
Dual−role装置3は、通常はスレーブ装置2として動作し、後述するようにマスタ装置1の指示によってバス権を得ることにより他のスレーブ装置2との間で各種情報の送受信を行なう機能を実行可能にする。図3に示すように、Dual−role装置3は、マスタ装置IF部31(送受信部の一例)と、バックエンド部32(制御部の一例)と、を含む。
【0025】
バックエンド部32は、CPU321と、不揮発性メモリ及びメモリ制御部を含むメモリ部322と、IO(Input/Output)機能及びIO制御部を含むIO部323と、レジスタ324と、ROM/RAM325と、を含んで構成される。IO機能は例えば各種無線通信や有線通信を含む。
【0026】
また、Dual−role装置3は、メモリ部322及びIO部323のいずれか、あるいは両方を含まない構成であってもよい。
【0027】
マスタ装置IF部31は、マスタ装置1との通信を行うための、複数の入出力端子に接続される。入出力端子には、クロック信号を入力するCLK端子と、データを出力するDOUT端子(データ出力端子の一例)と、データを入力するDIN端子(データ入力端子の一例)と、割込み信号を出力するINT出力端子(割込み出力端子の一例)とを含む。マスタ装置IF部31は、DIN端子を介してデータを受信する受信制御部311、DOUT端子を介してデータを送信する送信制御部312、及び、INT出力端子を介してマスタ装置1へ割込み信号を送信する割込み制御部313と、を有する。
【0028】
CLK、DOUT、DIN、INT信号線は、例えば、差動シリアル方式又はシングルエンド方式で信号を伝送するための伝送路である。データを送受信する信号線の数は、2本(DOUT及びDINの2本)に限定されず、より多くの信号線(例えば、DOUT0〜DOUT3の4本の信号線やDOUT0〜DOUT7の信号線)を用いてもよい。より多くの信号線を用いることで、Dual−role装置3は、より高速な通信が可能となる。
【0029】
また、マスタ装置1へデータを送信する信号線の数とマスタ装置1からのデータを受信する信号線の数は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。またマスタ装置へ割込み信号を送信する信号線の数は1本に限定されず、より多くの信号線(例えばINT0〜3の4本)を備えてもよい。また後述するように、信号線INTを使わず、信号線DOUTを用いて割込み信号やデータを送信する構成も可能である。
【0030】
更に、Dual−role装置3のマスタ装置IF部31は、後述するバイパス動作を制御するバイパス制御部314と、バス権の取得・返還制御を行なうバス権制御部315とを備える。
【0031】
なお、本実施の形態に係るマスタ装置1、スレーブ装置2、Dual−role装置3では、クロック線CLKが、信号線DOUT、信号線DINとは異なる端子によりされる構成となっているが、これに限定されることはなく、例えば、信号線にクロックを重畳するエンベデッドクロックを用いることもできる。この場合、マスタ装置1、スレーブ装置2、Dual−role装置3のCLK端子、及び、クロック線CLKは、不要である。
【0032】
[1―1−4. マスタ装置、スレーブ装置、Dual−role装置の接続形態]
図4、図5及び図6は、本実施の形態に係る通信システムにおける、マスタ装置1、スレーブ装置2及びDual−role装置3の接続を説明するための図である。
【0033】
図4(a)は、マスタ装置1と1つのスレーブ装置2が1対1で接続される状態を示す。図4(b)は、マスタ装置1と1つのDual−role装置3とが1対1接続される状態を示す。
図5(a)及び図5(b)は、マスタ装置1と複数のスレーブ装置2−1、2−2及びDual−role装置3がリング接続される構成を示している。スレーブ装置2、2−1、2−2及びDual−role装置3は同じIO部・メモリを持つ装置であってもよく、或いは装置毎に異なるIO部・メモリを持つようにしてもよい。
【0034】
いずれの場合も、マスタ装置1、スレーブ装置2、2−1、2−2及びDual−role装置3では、信号線DOUTから各種データを送信し、信号線DINで各種データを受信する。
【0035】
図5(a)及び図5(b)は、本実施の形態に係る通信システムにおける、特に、クロック(CLK)信号の伝送路の接続形態を示している。CLK信号は、マスタ装置1からスレーブ装置2−1、2−2、Dual−role装置3に送信される。CLK信号は、図5(a)に示すように、マスタ装置1から、スレーブ装置2−1、2−2及びDual−role装置3へマルチドロップ型に送信してもよい。或いは、CLK信号は、図5(b)に示すように、マスタ装置1から、スレーブ装置2−1、2−2及びDual−role装置3へスター型に送信してもよい。なお、前述した通り、エンベデッドクロックを使用し、クロック線CLKを省略した構成としてもよい。
【0036】
図6(a)及び図6(b)は、本実施の形態に係る通信システムにおける、割込み信号(INT信号)の伝送路の接続形態を示している。割込み信号はスレーブ装置2−1、2−2及びDual−role装置3からマスタ装置1への割込み通知として送信される。割込み信号は、図6(a)に示すように、スレーブ装置2−1、2−2及びDual−role装置3からの複数の割込み信号を束ねて(例えばワイヤドORして)マスタ装置1へ送信するようにしてもよい。或いは、図6(b)に示すように、マスタ装置1が複数のINT入力端子を有し、スレーブ装置2−1、2−2及びDual−role装置3からの割込み信号をマスタ装置1の異なるINT入力端子へそれぞれ送信してもよい。また図6(a)と図6(b)を組み合わせ、例えばスレーブ装置2−1、2−2からの割込み信号を束ねた信号と、Dual−role装置3からの割込み信号を、それぞれマスタ装置1の異なるINT入力端子へ送信するようにしてもよい。
【0037】
[1−2.通信システムの動作]
以上のように構成された本実施の形態に係る通信システムの動作について、説明する。
[1−2−1. パケットフォーマット]
図7は、本実施の形態に係る通信システムにおける、マスタ装置1とスレーブ装置2、2−1、2−2及びDual−role装置3による通信に用いるパケットフォーマットの一例を示す図である。
【0038】
図7(a)は、マスタ装置1、スレーブ装置2、2−1、2−2及びDual−role装置3がコマンドや応答を送受信するためのパケットフォーマットを示す図である。同パケットは、開始信号Start、ヘッダHeader、ペイロードPayload、CRC、及び終了信号Endで構成される。
図7(b)は、マスタ装置1、スレーブ装置2、2−1、2−2及びDual−role装置3がユーザデータを送受信するためのパケットフォーマットを示す図である。各データパケットは、開始信号Start、ヘッダHeader、ペイロードPayload、CRC、終了信号Endで構成され、複数のデータパケットをデータバースト開始信号BS、データバースト終了信号BEで挟んだ構成である。
図7(c)は、ヘッダHeaderの構成を示す図である。ヘッダHeaderは、パケットの送信元情報Src ID、パケットの送信先情報Dst ID、パケット種別TYPE、その他制御情報Miscを含んで構成される。Src IDはパケットの送信元装置、Dst IDはパケットの送信先装置をそれぞれ示す識別子であり、装置毎に異なる値が割当てられる。TYPEは、コマンド、応答、ユーザデータなどのパケット種別を示す。MiscにはトランザクションのIDやパケットフォーマットのバージョン番号、プロトコル種別などが含まれる。マスタ装置1、スレーブ装置2、2−1、2−2及びDual−role装置3は、ヘッダHeaderの情報に基づいてパケットの送受信制御を行なう。
図7(d)は、ペイロードPayloadの構成を示す図である。ペイロードPayloadは、パケット種別がコマンドや応答の場合はパラメータParamや各装置のステータスStatusを含み、データ転送を行なうコマンドの場合は転送開始アドレスAddrと転送データ長Lengthを含み、パケット種別がユーザデータの場合はデータペイロードを含む。
マスタ装置1、スレーブ装置2、2−1、2−2及びDual−role装置3はこれらのフォーマットで構成されるパケットを用いて各種情報の転送を行なう。
【0039】
[1―2―2. IDLE信号]
図8は、本実施の形態に係る通信システムにおける、IDLE信号(アイドル信号の一例)の構成を示す図である。IDLE信号は、マスタ装置1、スレーブ装置2、2−1、2−2及びDual−role装置3を接続するバス上でパケットの送受信が行なわれていない時にバスに送信される制御信号である。図8(a)に示すように、マスタ装置1とスレーブ装置2との間のバスにパケットP511、P512、P513、P514、P515、P516、P517が送信されていない区間においては、IDLE信号が流れている。
【0040】
IDLE信号は、図8(b)に示すように単一の状態(例えば、”1”又は”0”)を保持するように構成されている。或いはIDLE信号は、図8(c)に示すように単一のシンボル(例えば、差動伝送路で8b/10b符号化されたシンボル)を繰り返し送るよう構成されていてもよい。或いはIDLE信号は、図8(d)に示すように、複数のシンボル(例えば、IDLE0、IDLE1の2種類のシンボルを周期的あるいはランダムに送る)を繰り返し送るように構成されることも可能である。さらに、図8(c)、図8(d)に示すようにシンボルを繰り返し送る構成においては、図8(e)のように単一のシンボルIDLE0を送ってもよいし、図8(f)に示すようにシンボルの組(SYNC、IDLE0)又は(SYNC、IDLE1)を送るようにしてもよい。図8(f)の構成では、バス上でパケットが送受信されていない場合でも、マスタ装置1とスレーブ装置2、Dual−role装置3との間でクロックCLKと受信データDINとの同期を維持するためのシンボルSYNCを送ることができ、確実な通信が可能となる。
【0041】
[1−2−3. 1対1接続による動作]
図9は、本実施の形態に係る通信システムにおける、マスタ装置1とスレーブ装置2とが1対1接続されている場合の、コマンド・応答・ユーザデータの送受信を時間tに沿って示した図である。なお、スレーブ装置2の代わりにDual−role装置3を接続した場合も同様の動作となる。
【0042】
図9(a)は、マスタ装置1とスレーブ装置2がコマンド及び応答を送受信する場合を示す図である。図9(a)に示すように、マスタ装置1がコマンド(以下CMD)パケットP521を送信すると、スレーブ装置2はP521を受信し、応答(以下RES)パケットP522をマスタ装置1に送信する。CMDで指示される処理には例えば、初期化やリセット、レジスタのリード・ライトやステータス情報の取得などがある。RESに含まれる情報には例えばCMDで指示された処理の結果やスレーブ装置2の内部ステータス、レジスタ値などがある。或いは同図に示すように、マスタ装置1が送信したCMDパケットP523を受信したスレーブ装置2は、受信したCMDを処理した後、再びCMDパケットP524を送信するようにしてもよい。この場合、P524はP523と同じであってもよいし、スレーブ装置2がP523のCMDを処理した結果を元にHeaderやPayloadを更新した値であってもよい。
【0043】
図9(b)は、マスタ装置1がスレーブ装置2に対してデータライトを行なう場合を示す図である。図9(b)に示すように、マスタ装置1はスレーブ装置2に対してデータライトを指示するCMDパケットP531を送信する。スレーブ装置2はP531を受信するとRESパケットP532をマスタ装置1に送信する。マスタ装置1はP532を受信すると、データ転送要求(以下REQ)パケットP533をスレーブ装置2に送信する。スレーブ装置2はP533を受信後、ライトデータを受信可能な状態であれば、データ転送レディ(以下RDY)パケットP534をマスタ装置1に送信する。マスタ装置1はP534を受信すると、データバーストP535をスレーブ装置2に送信する。スレーブ装置2はP535を受信すると、受信データに含まれるエラーの有無を判定し、ステータス情報(以下STAT)パケットP536をマスタ装置1に送信する。マスタ装置1はP536を受信すると、データライトの成功/失敗の判定を行なう。以下、P533〜P536までのパケットの送受信を、マスタ装置1が所望のデータライトを完了するまで繰り返した後、スレーブ装置2はデータライト完了通知(以下END)パケットP537をマスタ装置1に送信する。マスタ装置1はP537を受信するとデータライト処理を完了する。
【0044】
図9(c)は、マスタ装置1がスレーブ装置2に対してデータリードを行なう場合を示す図である。図9(c)に示すように、マスタ装置1はスレーブ装置2に対してデータリードを指示するCMDパケットP541を送信する。スレーブ装置2はP541を受信すると、マスタ装置1に対しRESパケットP542を送信し、続いてREQパケットP543を送信する。マスタ装置1はP542、P543を受信後、リードデータ受信可能な状態であればRDYパケットP544をスレーブ装置2に送信する。スレーブ装置2はP544を受信すると、データバーストP545を送信する。マスタ装置1はP545を受信すると受信データに含まれるエラーの有無を判定し、STATパケットP546をスレーブ装置2に送信する。スレーブ装置2はP546を受信すると、データリードの成功/失敗の判定を行なう。以下、P543〜P546までのパケットの送受信を、マスタ装置1が所望のデータリードを完了するまで繰り返した後、スレーブ装置2はENDパケットP547をマスタ装置1に送信する。マスタ装置1はP547を受信するとデータリード処理を完了する。
【0045】
このようにマスタ装置1とスレーブ装置2の間でコマンド、応答、データなどを含むパケットを送受信し各種情報の転送を行なうことができる。
【0046】
[1−2−4. リング接続での動作]
図10は、本実施の形態に係る通信システムにおける、マスタ装置1と複数のスレーブ装置2−1、2−2及びDual−role装置3とがリング接続されている場合の、データ信号線の接続形態を示す。なお、リング接続されるスレーブ装置及びDual−role装置の数はこれに限定されず、前述したSrc ID、Dst IDで識別可能な数の装置が接続可能である。
【0047】
図10は、マスタ装置1、スレーブ装置2−1、2−2及びDual−role装置3をリング接続した場合のDIN、DOUTの接続を示す。図10に示すように、マスタ装置1、スレーブ装置2−1、2−2、Dual−role装置3は、隣接する装置から受信する信号がDIN端子へ入力され、隣接する装置へ送信する信号をDOUT端子から出力する。従って、図10では、コマンド、応答、ユーザデータを含む全てのパケット及びIDLE信号を含む全ての制御信号は常に反時計回りに転送される。
【0048】
図11(a)は、マスタ装置1とスレーブ装置2−1との間でコマンド及び応答を送受信する場合を示す図である。このときスレーブ装置2−2及びDual−role装置3は、後述するバイパス動作を行う。図11(a)に示すように、マスタ装置1がCMDパケットP551を送信すると、Dual−role装置3は受信したP551をスレーブ装置2−1へ送信する。スレーブ装置2−1は受信したP551を判定、処理しRESパケットP552をスレーブ装置2−2に送信する。スレーブ装置2−2は受信したP552をマスタ装置1へ送信する。CMDで指示される処理には例えば、初期化やリセット、レジスタのリード・ライトやステータス情報の取得などがある。RESに含まれる情報には例えばCMDで指示された処理の結果やスレーブ装置2−1の内部ステータス、レジスタ値などがある。
【0049】
なお、図9(a)を用いて説明したように(CMDパケットP523とP524)、マスタ装置1が送信したCMDパケットP551を受信したスレーブ装置2−1は、再びCMDパケットをマスタ装置1に送信するようにしてもよい。この場合、スレーブ装置2−1が送信したCMDパケットをマスタ装置1のみが受信するようにしてもよく、或いはスレーブ装置2−1とマスタ装置1との中間に位置する装置(この場合、スレーブ装置2−2)がCMDパケットを受信して処理するようにしてもよい。
【0050】
図11(b)は、マスタ装置1がスレーブ装置2−1に対してデータライトを行なう場合を示す図である。このときスレーブ装置2−2及びDual−role装置3は、後述するバイパス動作を行う。図11に示すように、マスタ装置1がデータライトを指示するCMDパケットP561をDual−role装置3に送信すると、Dual−role装置3は受信したP561をスレーブ装置2−1へ送信する。スレーブ装置2−1はP561を受信するとRESパケットP562をスレーブ装置2−2へ送信する。スレーブ装置2−2は受信したP562をマスタ装置1へ送信する。マスタ装置1はP562を受信すると、REQパケットP563をDual−role装置3に送信する。Dual−role装置3は受信したP563をスレーブ装置2−1へ送信する。スレーブ装置2−1はP563を受信後、ライトデータを受信可能な状態であれば、RDYパケットP564をスレーブ装置2−2に送信する。スレーブ装置2−2は受信したP564をマスタ装置1へ送信する。マスタ装置1はP564を受信すると、データバーストP565をDual−role装置3に送信する。Dual−role装置3は受信したデータバーストP565をスレーブ装置2−1へ送信する。スレーブ装置2−1はP565を受信すると受信データに含まれるエラーの有無を判定し、STATパケットP566をスレーブ装置2−2に送信する。スレーブ装置2−2は受信したP566をマスタ装置へ送信する。マスタ装置1はP566を受信するとデータライトの成功/失敗の判定を行なう。以下、P563〜P566までのパケットの送受信を、マスタ装置1が所望のデータライトを完了するまで繰り返した後、スレーブ装置2−1はENDパケットP567をスレーブ装置2−2に送信する。スレーブ装置2−2は受信したP567をマスタ装置1へ送信する。マスタ装置1はP567を受信するとデータライト処理を完了する。
【0051】
なお、マスタ装置1がスレーブ装置2−1に対してデータリードを行う場合も、マスタ装置1とスレーブ装置2−1の中間に位置するスレーブ装置2−2及びDual−role装置3が受信したパケットを送信するバイパス動作を行なう他は、マスタ装置1及びスレーブ装置2−1の動作は図9(c)で説明したのと同じ動作となる。
【0052】
また、マスタ装置1とスレーブ装置2−1との間での各種情報の転送を例に本実施の形態に係る通信システムの動作を説明したが、マスタ装置1とスレーブ装置2−2或いはDual−role装置3との間での各種情報の転送の場合も同様の動作となる。
【0053】
以上のように、マスタ装置1とスレーブ装置2−1、2−2及びDual−role装置3をリング接続した通信システムにおいても、マスタ装置1とスレーブ装置2−1,2−2及びDual−role装置3との間では、1対1接続の場合と同じ動作で各種情報の転送が可能である。
[1−2−5. リング接続におけるバイパス動作]
【0054】
図12(a)〜(c)は、本実施の形態に係る通信システムにおける、マスタ装置1、スレーブ装置2及びDual−role装置3のバイパス動作を説明する図である。図12(a)〜(c)では、スレーブ装置2の動作として説明するが、マスタ装置1、Dual−role装置3のバイパス動作も同じである。
【0055】
図12(a)は、受信パケットP571のヘッダHeaderに含まれる宛先情報Dst IDが自装置のIDと異なる場合に行うバイパス動作を示す。図12(a)では、スレーブ装置2の受信制御部211は、パケットP571を受信するとヘッダHeaderに含まれる宛先情報を参照する。受信制御部211は、同宛先情報に基づき、パケットが自装置宛ではないことを認識すると、バイパス制御部214が受信制御部211で受信したP571を送信制御部212から送信する。受信制御部211は、パケットが自装置宛であると判断した場合は、同パケットをバックエンド部22に送信し処理する。
【0056】
図12(b)、図12(c)は、制御信号S571をバイパスする動作を示す。図12(b)では、スレーブ装置2の受信制御部211は制御信号S571を受信し、受信した信号が制御信号であることを認識すると、バイパス制御部214が受信制御部211で受信したS571を送信制御部212から送信する。
【0057】
一方、図12(c)では、スレーブ装置2は、制御信号をバス上に送信する区間であることを認識し、制御信号S571を受信しながら同じ意味を持つ制御信号S572を送信する。このような動作は例えばバス上でコマンド・応答・ユーザデータ等のパケットが転送されていない区間にどのような制御信号を送信するかを予め仕様として決めておけば可能である。図12(b)及び図12(c)では、スレーブ装置2の外部端子DIN、DOUTによる動作は同じとなるため、いずれの方式を採ることも可能である。制御信号に限らずパケット以外の信号は、図12(b)及び図12(c)のいずれかの方式あるいは両方式の組み合わせによってもバイパスさせることが可能である。
このようにマスタ装置1、スレーブ装置2及びDual−role装置3は、自装置宛でないパケットや制御信号等をバイパスし、これらの装置をリング接続した通信システムにおいて、あたかも伝送路の一部であるかのように動作することができる。
【0058】
[1−2−6. 割込み処理]
図13は、本実施の形態に係る通信システムにおいて、スレーブ装置2及びDual−role装置3がマスタ装置1へ専用の信号線INT(第2の通信線の一例)を用いて割込みを通知する方法を示す図である。図13(a)はマスタ装置1−スレーブ装置2間の接続を示し、図13(b)はマスタ装置1−スレーブ装置2間の信号の送受信を示す。なお、図13では、マスタ装置1とスレーブ装置2が1対1接続された場合について説明するが、図10で示したような、マスタ装置1と複数のスレーブ装置2−1、2−2及びDual−role装置3をリング接続した場合も同じ動作となる。
【0059】
図13(b)において、スレーブ装置2は何らかのエラーを検知した場合やマスタ装置1に対して処理を要求する場合に、信号線INTを用いてマスタ装置1へ割込み信号(INT信号)を送信する(T61)。
【0060】
図13(b)では、割込み信号はローアクティブ(信号線を”0”として割込み通知)としているが、ハイアクティブ(信号線を”1”として割込み通知)としてもよい。マスタ装置1は割込み信号で割込みが通知されていることを認識すると、割込み要因を読み出すためのCMDパケットP61、つまり割込み要因を問い合わせるCMDパケットP61をスレーブ装置2に送信する。スレーブ装置2はP61を受信すると、RESパケットP62で割込み要因をマスタ装置1に通知する。マスタ装置1はP62を受信し割込み要因を識別すると共に、割込みをクリアするためのCMDパケットP63をスレーブ装置2に送信する。スレーブ装置2はP63を受信すると、RESパケットP64をマスタ装置1に送信し、割込み信号での割込み通知を終了する(T62)。なお、RESパケットP64の送信と割込み通知終了の順序は任意である。
【0061】
一方、図14は、本実施の形態に係る通信システムにおいて、スレーブ装置2及びDual−role装置3が、専用の信号線INTを用いずにデータ信号線DIN,DOUTを用いてマスタ装置1へ割込みを通知する方法を示す図である。図14(a)において、スレーブ装置2は何らかのエラーを検知した場合やマスタ装置に対して処理を要求する場合に、信号線DOUTを介してバスへIRQ信号S9を出力して通知する(T91)。マスタ装置1はバス上でIRQ信号S9を認識すると、割込み要因を読み出すCMDパケットP91、つまり割込み要因を問い合わせるCMDパケットP91をスレーブ装置2に送信する。スレーブ装置2はP91を受信すると、RESパケットP92で割込み要因をマスタ装置1に通知し、その後IRQ信号S9の出力を継続する。マスタ装置1はP92を受信し割込み要因を識別すると共に、割込みをクリアするためのCMDパケットP93をスレーブ装置2に送信する。スレーブ装置2はP93を受信するとRESパケットP94を送信してIRQ信号S9の出力を停止し、バスへIDLE信号を出力して割込み通知を終了する(T92)。IRQ信号S9の出力を停止するタイミングはCMDパケットP93受信時でも、RESパケットP94送信後でもよい。
【0062】
IRQ信号S9は、図14(b)に示すように、単一の状態(例えば、”0”又は”1”、IDLE信号と逆の極性の値を用いることができる)を保持するように構成されていてもよいし、図14(c)に示すように単一のシンボル(例えば、差動伝送路で8b/10b符号化されたシンボル)を繰り返し送るようにしてもよい。或いはIRQ信号S9は、図14(d)に示すように、複数のシンボル(例えば、IRQ0、IRQ1の2種類のシンボルを周期的あるいはランダムに送る)を繰り返し送る構成が可能である。さらに、IRQ信号S9は、図14(c)、図14(d)のようにシンボルを繰り返し送る構成においては、図14(e)のようにシンボルの組(SYNC、IRQ0)又は(SYNC、IRQ1)を繰り返し送るようにしてもよい。図14(e)の構成では、バス上でパケットが送受信されていない場合でもマスタ装置1とスレーブ装置2、Dual−role装置3との間でクロックCLKと受信データDINとの同期を維持するためのシンボルSYNCを送るようにすることで、確実な通信が可能となる。
【0063】
なお、図14では、マスタ装置1とスレーブ装置2が1対1接続された場合について説明したが、マスタ装置1と複数のスレーブ装置2−1、2−2及びDual−role装置3をリング接続した場合も同じ動作となる。
【0064】
この時、割込みを通知するスレーブ装置2とマスタ装置1との間に位置する装置は図12(a)〜図12(c)を用いて説明したバイパス動作を行い、IRQ信号が確実にマスタ装置1へ通知されるようにする。
【0065】
以降の説明では専用信号線INTを用いて割込みを通知する例を説明するが、本実施の形態に係る通信システムではスレーブ装置2、2−1、2−2及びDual−role装置3からマスタ装置1への割込み通知は、専用信号線INTを用いずにデータ信号線DOUTで送信するIRQ信号を用いてもよい。さらに、スレーブ装置2、2−1、2−2及びDual−role装置3が両方の割込み通知方法を備えてもよい。
【0066】
[1−3.デバイス間転送の動作]
以上のように構成された本実施の形態に係る通信システムにおける、デバイス間転送の動作について、説明する。
【0067】
本実施の形態に係る通信システムでは、Dual−role装置3がマスタ装置1の指示でバス権を取得し、スレーブ装置2へコマンドを発行してデータ転送を行ない、転送が完了するとマスタ装置1へバス権を返還する。この一連の動作をデバイス間転送と呼ぶ。以下、デバイス間転送動作について、図面を用いて説明する。
【0068】
[1−3−1. バス権取得]
図15は、本実施の形態に係る通信システムのリング接続を概略的に示す図である。図15に示す例では、マスタ装置1、Dual−role装置3、スレーブ装置2−1、スレーブ装置2−2が順にリング接続されており、Dual−role装置3のINT出力端子はマスタ装置1のINT入力端子へ接続されている。図15に示す例では、通常動作時には上述したようにマスタ装置1がバス権を持ち、スレーブ装置2−1、2−2及びDual−role装置3の間でコマンド・応答・ユーザデータの転送を行なう。
【0069】
図16は、本実施の形態に係る通信システムにおいて、Dual−role装置3がマスタ装置1の指示でバス権を取得する処理を示す図である。図16において、マスタ装置1はDual−role装置3に対しバス権取得や、その他のスレーブ装置2−1或いは2−2との間でのデータ転送を指示するCMDパケットP711を送信する。Dual−role装置3がデータ転送を行なうスレーブ装置や、アドレス、データ長などデータ転送のためのパラメータは、マスタ装置1が予め別のCMDパケット及びデータパケットによってDual−role装置3に対し設定しておいてもよいし、CMDパケットP711のPayloadで設定してもよい。また、設定するデータの転送回数も1回に限定されず、例えばリスト形式で複数回の転送設定を一括して行なうことも可能である。Dual−role装置3はP711を受信すると、RESパケットP712をスレーブ装置2−1,2−2を介してマスタ装置1に送信することにより、バス権を取得する。
【0070】
なおマスタ装置1は、Dual−role装置3のバス権取得が成功したかどうかを、Dual−role装置3のステータスを読み出すためのCMDパケットP713を発行して確認してもよい。Dual−role装置3はP713を受信すると、バス権取得状態を示すステータス情報を含むRESパケットP714をスレーブ装置2−1、2−2を介してマスタ装置1に送信する。Dual−role装置3は、マスタ装置1からのステータス読出しCMDパケットP713を受信してから、スレーブ装置2−1或いは2−2へコマンドを発行するようにしてもよい。このようにしてDual−role装置3はマスタ装置1の指示でバス権を取得して他のスレーブ装置2−1或いは2−2へCMDパケットを発行してデータ転送を行なうことができるようになる。
【0071】
また、マスタ装置1はバス権がDual−role装置3から返還されるまではスレーブ装置2−1、2−2及びDual−role装置3へCMDパケットを発行せず、自装置宛パケット以外のパケットや制御信号については、上述したバイパス動作を行なう。
【0072】
なお、スレーブ装置2−1、2−2は受信したパケットP712、P714について、自装置宛で無いことを認識してバイパス動作を行なう。またIDLE信号などパケット以外の制御信号についてもバイパス動作を行なう。
【0073】
[1−3−2. Dual−role装置とスレーブ装置間のデータ転送]
図17及び図18は、本実施の形態に係る通信システムにおいて、Dual−role装置3がバス権を有している場合であって、スレーブ装置2−2に対してCMDパケットを発行してデータライトを行なう処理を示す図である。図17において、Dual−role装置3は、スレーブ装置2−2へデータライトを指示するCMDパケットP721を発行する。スレーブ装置2−1は受信したP721をバイパス制御によりスレーブ装置2−2に送信する。スレーブ装置2−2はP721を受信するとRESパケットP722をマスタ装置1に送信する。マスタ装置1は受信したP722をバイパス制御によりDual−role装置3に送信し、Dual−role装置3はRESパケットP722を受信する。このようにしてDual−role装置3はスレーブ装置2−2に対してCMDパケットを送信し、スレーブ装置2−2からのRESパケットを受信することができる。
図18において、Dual−role装置3は前述のとおりRESパケットP722を受信すると、REQパケットP723をスレーブ装置2−1に送信する。スレーブ装置2−1は受信したP723をバイパス制御によりスレーブ装置2−2に送信する。スレーブ装置2−2はP723を受信後、ライトデータを受信可能な状態であれば、RDYパケットP724をマスタ装置1に送信する。マスタ装置1は受信したP724をバイパス制御によりDual−role装置3に送信する。Dual−role装置3はP724を受信すると、データバーストP725をスレーブ装置2−1に送信する。スレーブ装置2−1は受信したデータバーストP725をバイパス制御によりスレーブ装置2−2へ送信する。スレーブ装置2−2はP725を受信すると受信データに含まれるエラーの有無を判定し、STATパケットP726をマスタ装置1に送信する。マスタ装置1は受信したP726をバイパス制御によりDual−role装置3に送信する。Dual−role装置3はP726を受信するとデータライトの成功/失敗の判定を行なう。以下、P723〜P726までのパケットの送受信を所望のデータのライトが完了するまで繰り返した後、スレーブ装置2−2はENDパケットP727をマスタ装置1に送信する。マスタ装置1は受信したP727をバイパス制御によりDual−role装置3に送信する。Dual−role装置3はP727を受信するとデータライト処理を完了する。
【0074】
このようにして、Dual−role装置3はマスタ装置1の代わりにスレーブ装置2−2へデータライトを行なうことができ、高速なデータ転送が可能となる。また、マスタ装置1はデバイス間転送実行中に他の処理を行うことができるため、通信システム全体の性能向上が可能となる。
【0075】
なお、Dual−role装置3がスレーブ装置2−2に対してデータリードを行う場合も、Dual−role装置3及びスレーブ装置2−2の動作は図9(c)で説明した動作と同じ動作となる。
【0076】
[1−3−3. バス権返還]
図18に示す例では、Dual−role装置3はマスタ装置1の指示に従ってスレーブ装置2−2との間でデータライト処理を行ない、処理が完了すると、割込み信号(INT信号)を”0”にしてマスタ装置1へ割込みを通知する(T71)。これにより、Dual−role装置3はマスタ装置1にバス権を返還する。なお、バス権の返還とは、Dual−role装置3においてバス権を無効にする、すなわち、他のスレーブ装置2との間で各種情報の送受信を行なう機能を停止させることを意味する。
以降、マスタ装置1とDual−role装置3は指示したデバイス間転送処理を全て完了するまで図16〜図18を繰り返し行う。
【0077】
なお、割込み通知によるDual−role装置3からマスタ装置1へのバス権返還は、Dual−role装置3がマスタ装置1の指示したデバイス間転送処理を全て完了した後としてもよい。この場合、マスタ装置1はDual−role装置3へのバス権取得指示を1回行なうだけでよい。
【0078】
[1−3−4. デバイス間転送停止指示]
図19〜図21は、本実施の形態に係る通信システムにおいて、Dual−role装置3がバス権を取得してスレーブ装置2−2との間でデータ転送を行なっている途中でマスタ装置1がDual−role装置3へ転送停止とバス権返還を指示する処理を示す図である。
【0079】
図19に示す例において、Dual−role装置3がスレーブ装置2−2へデータライトを行なっているとき(この間、マスタ装置1とスレーブ装置2−1はバイパス制御によりデータを転送)に、マスタ装置1は転送停止とバス権返還を指示するABORT信号S8(中断信号の一例)を送信する(T81)。ABORT信号はデータの送受信が行なわれていない区間(つまり、IDLE信号区間)を利用して送信される。Dual−role装置3はABORT信号S8を検知すると、スレーブ装置2−2からのENDパケットP815を受信して実行中のデータライト処理が完了してから、信号線INTを用いてマスタ装置1へ割込みを通知し、バス権を返還する。この場合、マスタ装置1から予め設定されたデバイス間転送のうち、未実行のものは実行しない。マスタ装置1は割込みを検知するとバス権が返還されたと判断してABORT信号S8の出力を停止し、バスにIDLE信号を出力する(T82)。
【0080】
ABORT信号S8は、一意のビットパターンからなるシンボルなどにより構成される。例えば、ABORT信号S8は、図20(a)に示すように単一の状態(”0”又は”1”)を保持する、或いはABORT信号S8は、図20(b)に示すように単一のシンボル(例えば、差動伝送路で8b/10b符号化されたシンボル)を繰り返し送る。或いはABORT信号S8は、図20(c)に示すように、複数のシンボル(例えば、ABRT0、ABRT1の2種類のシンボルを周期的あるいはランダムに送る)を繰り返し送るように構成されていてもよい。さらに、ABORT信号S8は、図20(b)、図20(c)のようにシンボルを繰り返し送る構成である場合は、図20(e)のようにシンボルの組(SYNC、ABRT0)又は(SYNC、ABRT1)を繰り返し送るように構成してもよい。図20(e)の構成では、バス上でパケットが送受信されていない場合でも、マスタ装置1とスレーブ装置2−1、2−2及びDual−role装置3との間でCLK信号と受信データであるDIN信号との同期を維持するためのシンボルSYNCを送るようにすることで、確実な通信が可能となる。
【0081】
また、図21に示すように、Dual−role装置3は、ABORT信号S8を検知した場合にデータ転送を中断するようにしてもよい。図21に示す例においては、Dual−role装置3がスレーブ装置2−2へデータライトを行なっているとき(この間、マスタ装置1とスレーブ装置2−1はバイパス制御によりデータを転送)に、マスタ装置1は転送停止とバス権返還を指示するABORT信号S8をDual−role装置3に送信する(T83)。Dual−role装置3は、マスタ装置1からのABORT信号S8を検知した場合において、マスタ装置1によるバイパス制御を介してスレーブ装置2−2よりSTATパケットP823を受信してデータ転送の1単位処理を終了させる。そして、Dual−role装置3は、スレーブ装置2−1によるバイパス制御を介してスレーブ装置2−2へCMDパケットP824を送信し、転送停止を指示する。次いで、Dual−role装置3は、マスタ装置1によるバイパス制御を介してスレーブ装置2−2からRESパケットP825及び転送停止完了を通知するENDパケットP826を受信する。そしてDual−role装置3は、信号線INTでマスタ装置1へ割込み信号を送信し、マスタ装置1にバス権を返還する。この場合、マスタ装置1から予め設定された、未実行のデバイス間転送処理が残っていても実行しない。マスタ装置1は割込みを検知するとバス権が返還されたと判断してABORT信号S8の出力を停止し、バスにIDLE信号を出力する(T84)。
【0082】
このようにして、マスタ装置1はDual−role装置3がスレーブ装置2−1、2−2との間でデバイス間転送を実行中であってもバス上にパケットが送信されていない区間でABORT信号S8を用いて転送停止をDual−role装置3へ要求しバス権を返還させることができる。よって、マスタ装置1で優先度の高い処理が発生した場合において応答性が高い通信システムを実現することができる。また、マスタ装置1はDual−role装置3から割込みが通知されるまでABORT信号S8を送信し続けるため、Dual−role装置3が確実にABORT信号S8を検知して転送を停止しバス権を返還することができる。
[1−4. 効果等]
以上のように、本実施の形態においては、Dual−role装置3は、データ信号線に接続されマスタ装置1からデータを受信するDIN端子と、データ信号線に接続され他のスレーブ装置2−1にデータを送信するDOUT端子と、を備える。Dual−role装置3は、マスタ装置1より付与されたバス権に応じて他のスレーブ装置2−1又は2−2との間でDOUT端子によるコマンドやデータの送信、及びDIN端子による応答やデータの受信を行う。Dual−role装置3は、マスタ装置1よりABORT信号を受信すると、データ受信及びデータ送信を行っていない状態のとき、マスタ装置1に割込み信号を送信する。Dual−role装置3は、マスタ装置1に割込み信号を送信した後、バス権に応じたデータの送受信を制御する機能を停止させる。一方、マスタ装置1は、データ信号線に接続されスレーブ装置にデータを送信するDOUT端子と、データ信号線に接続されスレーブ装置からデータを受信するDIN端子と、を備える。マスタ装置1は、スレーブ装置の一つであるDual−role装置3にバス権を付与してマスタ装置1のデータの送受信を制御する機能を停止させる。マスタ装置1は、Dual−role装置3が付与されたバス権に応じてデータの送受信を行なっている間に、Dual−role装置3にABORT信号を送信し、そのABORT信号を送信後、且つDual−role装置3より割込み信号を受信した後、マスタ装置1においてバス権に応じたデータの送受信を制御する機能を実行可能にする。
このため、バス権を有するDual−role装置3とその他のスレーブ装置2−1間でデータ転送を行なっている場合であっても、マスタ装置1がバス権の返還を要求し取得することができる。よって、応答性の高い通信システムを実現することができる。
本実施の形態においては、マスタ装置1はDual−role装置3に対して、ABORT信号を、データの送信を行なっていない区間においてデータ受信及びデータ送信を終了するまで繰返し送信する。このため、データの送受信を妨げることなくマスタ装置1からDual−role装置3にバス権の返還を請求できる。
本実施の形態においては、Dual−role装置3はマスタ装置1からABORT信号を受信後、データの送受信を完了してから、又はデータの送受信を中止させてから、割込み信号をマスタ装置1に送信する。このため、データの送受信に影響を及ぼすことなく、バス権の移転を実行できる。
本実施の形態においては、Dual−role装置3は割込み信号を出力するINT出力端子を備え、マスタ装置1は割込み信号を入力するINT入力端子を備え、割込み信号をデータ通信線とは異なる専用線を介して送信する。このため、Dual−role装置3とマスタ装置1間におけるバス権の移転をより確実に行うことができる。
本実施の形態においては、マスタ装置1、スレーブ装置2及びDual−role装置3は、バイパス制御を行うことができるため、自装置宛でないパケットや制御信号等をバイパスし、これらの装置をリング接続した通信システムにおいて、あたかも伝送路の一部であるかのように動作することができ、迅速に通信を行なうことができる。
【0083】
さらに、本実施の形態においては、マスタ装置1のDOUT端子がDual−role装置3のDIN端子に接続されており、マスタ装置1とDual−role装置3との間に他のスレーブ装置が存在しないため、マスタ装置の送信したABORT信号S8をDual−role装置3が確実に受信することができる。
【0084】
なお、図19〜図21ではDual−role装置3がスレーブ装置2−2に対してデータライトを実行している場合について説明したが、データリードを実行している場合も同様の動作である。すなわち、マスタ装置1がバス上にパケットが送信されていない区間でABORT信号S8を用いてDual−role装置3へ転送停止を要求しバス権を返還させることができる。
【0085】
なお、図19又は図21において、Dual−role装置3は、予め設定されたデバイス間転送処理のうち、どこまで実行したか、或いは未実行のものがどれだけあるかの情報をマスタ装置1からのCMDに対するRESでマスタ装置1へ通知するようにしてもよい。
【0086】
(第2実施形態)
次に、実施の形態2について、説明する。図22は、本実施の形態に係る通信システムの構成を概略的に示す図である。
【0087】
図22に示すように、本実施の形態の通信システムでは、マスタ装置1、スレーブ装置2−1、2−2及びDual−role装置3は第1実施形態と同様の構成を有している。ただし、各装置の接続がマスタ装置1、スレーブ装置2−1、Dual−role装置3、スレーブ装置2−2の順となっている点が異なる。
【0088】
[2−1. 通信システムの動作]
[2−1−1. デバイス間転送]
図23及び図24は、本実施の形態に係る通信システムにおける、デバイス間転送の動作を示す図である。なお、本実施の形態に係る通信システムでは、マスタ装置1からDual−role装置3へのバス権取得指示動作は第1実施形態と同様である。
【0089】
図23において、バス権を有するDual−role装置3は、スレーブ装置2−1へデータライトを指示するCMDパケットP1001をスレーブ装置2−2に送信する。スレーブ装置2−2は受信したCMDパケットP1001をバイパス制御によりマスタ装置1に送信し、マスタ装置1は受信したP1001をバイパス制御によりスレーブ装置2−1に送信する。スレーブ装置2−1はP1001を受信すると、RESパケットP1002をDual−role装置3に送信する。このようにしてDual−role装置3はスレーブ装置2−1に対してCMDパケットを送信し、スレーブ装置2−1からのRESパケットP1002を受信することができる。
図24において、Dual−role装置3は前述のとおりRESパケットP1002を受信すると、REQパケットP1011をスレーブ装置2−2に送信する。スレーブ装置2−2は受信したREQパケットP1011をバイパス制御によりマスタ装置1に送信し、マスタ装置1は受信したP1011をバイパス制御によりスレーブ装置2−1に送信する。スレーブ装置2−1はP1011を受信後、ライトデータを受信可能な状態であれば、RDYパケットP1012を送信する。Dual−role装置3はP1012を受信すると、データバーストP1013をスレーブ装置2−2に送信する。スレーブ装置2−2は受信したデータバーストP1013をバイパス制御によりマスタ装置1に送信し、マスタ装置1は受信したデータバーストP1013をバイパス制御によりスレーブ装置2−1に送信する。スレーブ装置2−1はP1013を受信すると受信データに含まれるエラーの有無を判定し、STATパケットP1014をDual−role装置3に送信する。Dual−role装置3はP1014を受信するとデータライトの成功/失敗の判定を行なう。以下、P1011〜P1014までのパケットの送受信をDual−role装置3が所望のデータのライトを完了するまで繰り返した後、スレーブ装置2−1はENDパケットP1015を送信する。Dual−role装置3はP1015を受信するとデータライト処理を完了する。
【0090】
このようにして、Dual−role装置3はスレーブ装置2−1へデータライトを行なうことができるため、マスタ装置1はデバイス間転送実行中に他の処理を行うことができ、通信システム全体の性能向上が可能となる。
【0091】
なお、Dual−role装置3がスレーブ装置2−1に対してデータリードを行う場合も、Dual−role装置3及びスレーブ装置2−1の動作は図9(c)で説明したのと同じ動作となる。
【0092】
[2−1−2. デバイス間転送停止指示]
図25は、本実施の形態に係る通信システムにおいて、Dual−role装置3がバス権を取得してスレーブ装置2−1との間でデータ転送を行なっている途中でマスタ装置1がDual−role装置3へ転送停止とバス権返還を指示する処理を示す図である。
【0093】
図25において、Dual−role装置3がスレーブ装置2−1へデータライトを行なっているときにマスタ装置1は転送停止とバス権返還を指示するABORT信号S10を送信する(T101)。スレーブ装置2−1は受信したABORT信号S10をバイパス制御によりDual−role装置3に送信する。Dual−role装置3はABORT信号S10を検知すると、スレーブ装置2−1からのENDパケットP1025を受信後、信号線INTを用いてマスタ装置1へ割込みを通知し、バス権を返還する。この場合、マスタ装置1から予め設定されたデバイス間転送処理のうち未実行のものは実行しない。また、実施の形態1と同様に、Dual−role装置3はABORT信号S10を検知すると実行中の転送が完了してから割込みを通知してもよいし、実行中の転送停止をスレーブ装置2−1へ送信して転送を中断してから割込みを通知するようにしてもよい。マスタ装置1は割込みを検知するとバス権が返還されたと判断し、ABORT信号S10の出力を停止し、バスにIDLE信号を出力する(T102)。ABORT信号S10の構成は実施の形態1と同じである。
[2−2. 効果等]
【0094】
以上のように、本実施の形態においては、マスタ装置1はDual−role装置3がスレーブ装置2−1、2−2との間でデバイス間転送を実行中であっても、バス上にパケットが送信されていない区間を利用してABORT信号S10を用いて転送停止をDual−role装置3へ要求しバス権を返還させることができる。このため、実施の形態1と同様に、マスタ装置1で優先度の高い処理が発生した場合において応答性が高い通信システムを実現することができる。
また、実施の形態1と同様に、マスタ装置1はDual−role装置3から割込みが通知されるまでABORT信号S10を送信し続けると共に、スレーブ装置2−1は受信したABORT信号S10を送信するバイパス動作を行なうため、Dual−role装置3が確実にABORT信号S10を検知して転送を停止しバス権を返還することができる。
【0095】
なお、図22〜図25に示す例では、Dual−role装置3がスレーブ装置2−1に対してデータライトを実行している場合について説明したが、データリードを実行している場合も同様の動作である。すなわち、マスタ装置1がバス上にパケットが送信されていない区間でABORT信号S10を用いてDual−role装置3へ転送停止を要求しバス権を返還させることができる。
【0096】
なお、図25において、Dual−role装置3は、予め設定されたデバイス間転送処理のうち、どこまで実行したか、或いは未実行のものがどれだけあるかの情報をマスタ装置1からのCMDに対するRESでマスタ装置1へ通知するようにしてもよい。
【0097】
(他の実施の形態)
以上、図面を用いて本出願において開示する技術の例示として実施の形態1及び2を説明したが、本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更及び修正が可能である。
例えば、スレーブ装置2及びDual−role装置3の数は、1以上の任意の数が可能である。
【0098】
また、図26に示すように、Dual−role装置3が別のマスタ装置4とリング接続とは異なる伝送路5を介して接続されていてもよい。この場合、デバイス間転送中はDual−role装置3はマスタ装置4の指示によってスレーブ装置2−1、2−2とデータ転送を行なうようにしてもよい。伝送路5は有線伝送、無線伝送いずれの構成も可能である。
また、上記実施の形態においては、接続形態は1対1及びリング型を例に挙げたが、これらに限定されない。例えばスター型やツリー型等であってもよい。
また、上記実施の形態におけるABORT信号の代わりとして、所定のパケットを繰返し送るようにしてもよい。
また上記実施形態では、データ単位としてパケット用いているが、これに限定されることなく、使用されるプロトコルに応じたデータ単位であっても本発明を適用できる。
【0099】
なお、上記実施形態で説明した通信システム、マスタ装置、スレーブ装置において、各ブロックは、LSIなどの半導体装置により個別に1チップ化されても良いし、一部又は全部を含むように1チップ化されても良い。また各装置は専用回路や汎用プロセッサ、或いはFPGAで構成してもよく、一部をソフトウェアで実現してもよい。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示における、マスタ装置1と、Dual−role装置3とを含むスレーブ装置2とにより構成される通信システムにおいて、マスタ装置の指示でDual−role装置がバス権を取得してスレーブ装置とデータ転送を行なっている場合でも、マスタ装置が任意のタイミングで転送停止を指示しバス権を取り戻すことができる。例えばマスタ装置1としてCPUを含むシステムLSI、スレーブ装置2として無線通信デバイスやメモリ装置を複数接続して構成する通信システムにおいて、デバイス間転送中にマスタ装置1がバス権を取り戻すのに必要な時間を短縮できる。この結果、応答性のよいシステムを実現することができるため好適である。
【産業上の利用可能性】
本開示は、スレーブ装置が、マスタ装置の指示でバスの制御権(以下、バス権)を取得して他のスレーブ装置と各種情報の転送を行なう通信システムに関する。
【0100】
【符号の説明】
【0101】
1 マスタ装置
11 スレーブ装置IF部
111 送信制御部
112 受信制御部
113 割込み制御部
114 バイパス制御部
115 バス権制御部
2、2−1、2−2 スレーブ装置
3 Dual−role装置
21、31 マスタ装置IF部
211、311 受信制御部
212、312 送信制御部
213、313 割込み制御部
214、314 バイパス制御部
22、32 バックエンド部
222、322 メモリ部
223、323 IO部
S8、S10 ABORT信号
S9 IRQ信号
Claims (26)
- 第1の通信線上においてデータの送受信を制御する機能を実行可能にするデータ制御権を管理するマスタ装置と、1以上の他のスレーブ装置のうちの少なくとも一つとに前記第1の通信線を介して接続可能なスレーブ装置であって、
前記第1の通信線に接続され、前記他のスレーブ装置のうちの少なくとも一つ又は前記マスタ装置からデータを受信するデータ入力端子と、
前記第1の通信線に接続され、前記他のスレーブ装置のうちの少なくとも一つ又は前記マスタ装置にデータを送信するデータ出力端子と、
を備え、
前記マスタ装置より付与された前記データ制御権に応じて前記データの送受信を制御している間において、
前記マスタ装置より中断信号を受信し、且つ前記データ入力端子からの前記データの受信及び前記データ出力端子からの前記データの送信を行っていない状態のとき、前記マスタ装置に割込み信号を送信し、
前記マスタ装置に前記割込み信号を送信した後、本スレーブ装置における前記データ制御権に応じた前記データの送受信を制御する機能を停止させる、
スレーブ装置。 - 前記第1の通信線上の前記データの送信を行なっていない区間において、前記第1の通信線のアイドル状態を示すアイドル信号を前記データ出力端子より送信する、
請求項1記載のスレーブ装置。 - 前記割込み信号を出力する割込み出力端子を更に備え、
前記割込み出力端子は、前記第1の通信線とは異なる第2の通信線に接続される、
請求項1記載のスレーブ装置。 - 前記割込み信号を前記データ出力端子より出力する、
請求項1記載のスレーブ装置。 - 前記データ入力端子及び前記データ出力端子に接続され、前記データの受信及び前記データの送信を実行する送受信部と、
前記送受信部に接続され、前記送受信部により受信した前記データの処理を行う制御部と、
を備え、
前記送受信部は、前記データ入力端子により受信した前記データが本スレーブ装置宛てでない場合、前記データを前記制御部に送信することなく前記データ出力端子から送信する、
請求項1記載のスレーブ装置。 - 前記データ入力端子及び前記データ出力端子に接続され、前記データの受信及び前記のデータの送信を実行する送受信部と、
前記送受信部に接続され、前記送受信部により受信した前記データの処理を行う制御部と、
を備え、
前記送受信部は、前記データ入力端子により受信した前記データが本スレーブ装置宛てでない場合、前記制御部に送信することなく、前記データと同じデータを生成し、前記データ出力端子から送信する、
請求項1記載のスレーブ装置。 - 前記中断信号は、前記第1の通信線上の前記データの受信を行なっていない区間において前記データ入力端子により受信される、
請求項1記載のスレーブ装置。 - 前記マスタ装置より前記中断信号を受信した後、前記データ受信又は前記データ送信が完了したことを示す信号を受信したとき、前記マスタ装置に前記割込み信号を送信する、
請求項1記載のスレーブ装置。 - 前記マスタ装置より前記中断信号を受信した後、前記データの受信又は前記データの送信を中止する信号を送信し、前記データ受信又は前記データ送信が完了又は中断したことを示す信号を受信したとき、前記マスタ装置に前記割込み信号を送信する、
請求項1記載のスレーブ装置。 - 更に、前記マスタ装置に対し割込み要因を特定するデータを送信する、
請求項1記載のスレーブ装置。 - 第1の通信線を介して1以上のスレーブ装置に接続可能であり、前記第1の通信線上においてデータの送受信を制御する機能を実行可能にするデータ制御権を管理するマスタ装置であって、
前記第1の通信線に接続され、前記1以上のスレーブ装置からデータを受信するデータ入力端子と、
前記第1の通信線に接続され、前記1以上のスレーブ装置にデータを送信するデータ出力端子と、
を備え、
前記1以上のスレーブ装置のうち第1のスレーブ装置に前記データ制御権を付与し、本マスタ装置における前記データの送受信を制御する機能を停止させ、且つ前記第1のスレーブ装置が付与された前記データ制御権に応じてデータの送受信を行なっている間において、前記第1のスレーブ装置に対し中断信号を送信し、
前記中断信号を送信後、且つ前記第1のスレーブ装置より割込み信号を受信した後、本マスタ装置における前記データ制御権に応じた前記データの送受信を制御する機能を実行可能にする、
マスタ装置。 - 前記割込み信号を受信するまで前記中断信号を繰返し送信する、
請求項11記載のマスタ装置。 - 前記第1の通信線上の前記データの送信を行なっていない区間において、前記第1の通信線のアイドル状態を示すアイドル信号をデータ出力端子より送信する、
請求項11記載のマスタ装置。 - 前記割込み信号を受信する割込み入力端子を更に備え、
前記割込み入力端子は、前記第1の通信線とは異なる第2の通信線に接続される、
請求項11記載のマスタ装置。 - 前記割込み信号を前記データ入力端子により受信する、
請求項11記載のマスタ装置。 - 前記データ入力端子及び前記データ出力端子に接続され、前記データの受信及び前記データの送信を実行する送受信部と、
前記送受信部に接続され、前記送受信部により受信した前記データの処理を行う制御部と、
を備え、
前記送受信部は、前記データ入力端子により受信した前記データが本マスタ装置宛てでない場合、前記データを前記制御部に送信することなく前記データ出力端子から送信する、
請求項11記載のマスタ装置。 - 前記データ入力端子及び前記データ出力端子に接続され、前記データの受信及び前記データの送信を実行する送受信部と、
前記送受信部に接続され、前記送受信部により受信した前記データの処理を行う制御部と、
を備え、
前記送受信部は、前記データ入力端子により受信した前記データが本マスタ装置宛てでない場合、前記制御部に送信することなく、前記データと同じデータを生成し、前記データ出力端子から送信する、
請求項11記載のマスタ装置。 - 前記中断信号は、前記第1の通信線上の前記データの送信を行なっていない区間において前記データ出力端子より送信する、
請求項11、16又は17に記載のマスタ装置。 - 前記中断信号を送信後、且つ前記割込み信号を受信した後、前記第1のスレーブ装置に対し割込み要因を問い合わせるコマンドを送信し、
前記コマンドに対する前記第1のスレーブ装置からの応答により前記割込み要因を特定する、
請求項11記載のマスタ装置。 - 第1の通信線と、
前記第1の通信線上においてデータの送受信を制御する機能を実行可能にするデータ制御権を管理するマスタ装置と、
前記マスタ装置に前記第1の通信線を介して接続される1以上のスレーブ装置と、を備える、通信システムであって、
前記マスタ装置は、
前記第1の通信線に接続され、前記1以上のスレーブ装置からデータを受信する第1のデータ入力端子と、
前記第1の通信線に接続され、前記1以上のスレーブ装置にデータを送信する第1のデータ出力端子と、
を有し、
前記1以上のスレーブ装置は、
前記第1の通信線に接続され、他のスレーブ装置又は前記マスタ装置からデータを受信する第2のデータ入力端子と、
前記第1の通信線に接続され、前記他のスレーブ装置又は前記マスタ装置にデータを送信する第2のデータ出力端子と、
を有し、
前記マスタ装置は、前記1以上のスレーブ装置のうち第1のスレーブ装置に前記データ制御権を付与し、前記マスタ装置における前記データの送受信を制御する機能を停止させ、且つ前記第1のスレーブ装置が付与された前記データ制御権に応じてデータの送受信を行なっている間において、前記第1のスレーブ装置に対し中断信号を送信し、
前記第1のスレーブ装置は、前記マスタ装置より前記中断信号を受信し、且つ前記データ入力端子からの前記データの受信及び前記データ出力端子からの前記データの送信を行っていない状態のとき、前記マスタ装置に割込み信号を送信し、
前記マスタ装置は、前記第1のスレーブ装置より前記割込み信号を受信した後、前記マスタ装置における前記データ制御権に応じた前記データの送受信を制御する機能を実行可能にし、
前記第1のスレーブ装置は、前記マスタ装置に前記割込み信号を送信した後、前記第1のスレーブ装置における前記データ制御権に応じた前記データの送受信を制御する機能を停止させる、
通信システム。 - 前記第1のスレーブ装置は、前記割込み信号を出力する割込み出力端子を更に有し、
前記マスタ装置は、前記割込み信号を入力する割込み入力端子を更に有し、
前記割込み出力端子と前記割込み入力端子は、前記第1の通信線とは異なる第2の通信線により接続される、
請求項20記載の通信システム。 - 前記マスタ装置は、
前記第1のデータ入力端子及び前記第1のデータ出力端子に接続され、前記データの受信及び前記データの送信を実行する第1の送受信部と、
前記第1の送受信部に接続され、前記第1の送受信部により受信した前記データの処理を行う第1の制御部と、
を備え、
前記1以上のスレーブ装置は、
前記第2のデータ入力端子及び前記第2のデータ出力端子に接続され、前記データの受信及び前記データの送信を実行する第2の送受信部と、
前記第2の送受信部に接続され、前記第2の送受信部により受信した前記データの処理を行う第2の制御部と、
を備え、
前記第1の送受信部は、前記第1のデータ入力端子により受信した前記データが前記マスタ装置宛てでない場合、前記データを前記第1の制御部に送信することなく前記第1のデータ出力端子から送信し、
前記第2の送受信部は、前記第2のデータ入力端子により受信した前記データが前記1以上のスレーブ装置宛てでない場合、前記データを前記第2の制御部に送信することなく前記第のデータ出力端子から送信する、
請求項20記載の通信システム。 - 前記マスタ装置は、
前記第1のデータ入力端子及び前記第1のデータ出力端子に接続され、前記データの受信及び前記データの送信を実行する第1の送受信部と、
前記第1の送受信部に接続され、前記第1の送受信部により受信した前記データの処理を行う第1の制御部と、
を備え、
前記1以上のスレーブ装置は、
前記第2のデータ入力端子及び前記第2のデータ出力端子に接続され、前記データの受信及び前記データの送信を実行する第2の送受信部と、
前記第2の送受信部に接続され、前記第2の送受信部により受信した前記データの処理を行う第2の制御部と、
を備え、
前記第1の送受信部は、前記第1のデータ入力端子により受信した前記データが前記マスタ装置宛てでない場合、前記第1の制御部に送信することなく、前記データと同じデータを生成し、前記第1のデータ出力端子から送信し、
前記第2の送受信部は、前記第2のデータ入力端子により受信した前記データが前記1以上のスレーブ装置宛てでない場合、前記第2の制御部に送信することなく、前記データと同じデータを生成し、前記第2のデータ出力端子から送信する、
請求項20記載の通信システム。 - 前記マスタ装置は、前記第1のスレーブ装置より前記割込み信号を受信した後、更に、前記第1のスレーブ装置に対し割込み要因を問い合わせるコマンドを送信し、
前記第1のスレーブ装置は、前記コマンドに対して、割込み要因を特定する応答を前記マスタ装置に送信する、
請求項20に記載の通信システム。 - 前記マスタ装置及び前記1以上のスレーブ装置は前記第1の通信線によりリング接続され、
前記第1の通信線は差動伝送路である、
請求項20記載の通信システム。 - 第1の通信線と、前記第1の通信線上においてデータの送受信を制御する機能を実行可能にするデータ制御権を管理するマスタ装置と、前記マスタ装置に前記第1の通信線を介して接続される1以上のスレーブ装置とを用いた通信方法であって、
前記マスタ装置は、
前記第1の通信線に接続され、前記1以上のスレーブ装置からデータを受信する第1のデータ入力端子と、
前記第1の通信線に接続され、前記1以上のスレーブ装置にデータを送信する第1のデータ出力端子と、
を有し、
前記1以上のスレーブ装置は、
前記第1の通信線に接続され、他のスレーブ装置又は前記マスタ装置からデータを受信する第2のデータ入力端子と、
前記第1の通信線に接続され、前記他のスレーブ装置又は前記マスタ装置にデータを送信する第2のデータ出力端子と、
を有し、
前記マスタ装置により、前記1以上のスレーブ装置のうち第1のスレーブ装置に前記データ制御権を付与し、前記マスタ装置における前記データの送受信を制御する機能を停止させ、且つ前記第1のスレーブ装置が付与された前記データ制御権に応じてデータの送受信を行なっている間において、前記第1のスレーブ装置に対し中断信号を送信し、
前記第1のスレーブ装置により、前記マスタ装置より前記中断信号を受信し、且つ前記データ入力端子からの前記データの受信及び前記データ出力端子からの前記データの送信を行っていない状態のとき、前記マスタ装置に割込み信号を送信し、
前記マスタ装置により、前記第1のスレーブ装置より前記割込み信号を受信した後、前記マスタ装置における前記データ制御権に応じた前記データの送受信を制御する機能を実行可能にし、
前記第1のスレーブ装置により、前記マスタ装置に前記割込み信号を送信した後、前記第1のスレーブ装置における前記データ制御権に応じた前記データの送受信を制御する機能を停止させる、
通信方法。
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