JPWO2013073516A1 - コク付与剤 - Google Patents

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良知 遠藤
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    • A23L27/00Spices; Flavouring agents or condiments; Artificial sweetening agents; Table salts; Dietetic salt substitutes; Preparation or treatment thereof
    • A23L27/88Taste or flavour enhancing agents

Abstract

小麦グルテンの液体麹加水分解液1.0容量部に対し、糖類0.1〜2.0質量部を混和溶解し、必要に応じ更にアルカリを混和溶解してpHを5.5〜7.5に調整した後、該混和物を70〜95℃で1〜50時間加熱し、必要に応じpHを3.5〜5.5に調整して、コク付与剤を得る。このコク付与剤は、醤油標準色の色番が5番以下で、グルタミン酸0.5%(w/v)以上を含有し、該グルタミン酸含量が全窒素1%(w/v)当り0.33%(w/v)以上であることが好ましい。

Description

本発明は、小麦グルテンの液体麹加水分解液を原料とする新規なコク付与剤に関する。
特に、異味、異臭がないコク付与剤であって、各種飲食品に添加した場合、該飲食品に優れた先味及びコク付与効果を奏するコク付与剤に関する。
なお、本発明でいう異味とは収斂味を、異臭とは小麦グルテンの液体麹による加水分解臭で一種の独特な臭い(以下、グルテン分解臭という)及びつんと鼻を刺すような刺激的な焦げ臭(以下、焦げ臭という)をそれぞれ意味し、また先味とは、口に入れてすぐに感じる旨味を意味し、またコク付与効果とは該コク付与剤を添加した食品の後味に深い旨味を与える効果をそれぞれ意味する。
従来、小麦グルテンを液体麹で加水分解した新しいタイプの調味液が知られている(特許文献1参照)。
この調味液は、従来の醤油などの発酵調味液とは異なり、窒素含量とグルタミン酸含量が非常に高く旨味の増強効果を有し、先味の旨味が濃厚であるが、一種の独特な臭い(グルテン分解臭)を有し、しかもコク付与効果が十分でないという問題を有する。
一方、コクを付与する成分としては、ペプチド(非特許文献1参照)、グルタチオン(特許文献2参照)、ある種のアミノ酸誘導体(特許文献3参照)、畜肉、魚介エキスの酸性不溶画分(特許文献4参照)、タンニン(特許文献5参照)などが知られている。
しかしながら、何れの成分も分離精製が複雑或いは高価であり、あるものは苦味や渋味を有し、また好ましくない臭いを併せ持つといった問題がある(特許文献6参照)。
また、コク付与効果を有するものとして醤油・糖類混合液の加熱反応物が知られている(特許文献7及び8参照)。しかしながら、この加熱反応物は、該反応物を各種飲食品に添加した場合、該飲食品の先味の旨味が淡白で、異味及び異臭も感じられる問題を有する。
特許第3590225号公報 特開昭60−9465号公報 特開平8−143551号公報 特開平9−94076号公報 特開平9−173008号公報 特許第3427775号公報 特許第3845300号公報 特開2011−3号公報
ニューフード・インダストリー,1996年,No.4,P23
本発明は、小麦グルテンの液体麹加水分解液を原料として、異味異臭がなく、コク付与効果と共に先味の旨味を強く感じるコク付与剤を得ることを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、小麦グルテンの液体麹加水分解液と糖類とを混和し、該混和物を特定の温度下で加熱することにより、上記課題を解消できるコク付与剤が得られることを知り、この知見に基づいて本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)小麦グルテンの液体麹加水分解液1.0容量部に対し、糖類を0.1〜2.0質量部混和し、70〜95℃で1〜50時間加熱してなるコク付与剤。
(2)小麦グルテンの液体麹加水分解液1.0容量部に対し、糖類0.1〜2.0質量部とアルカリとを混和溶解し、pHを5.5〜7.5に調整した後、該混和物を70〜95℃で1〜50時間加熱し、pHを3.5〜5.5に調整してなるコク付与剤。
(3)小麦グルテンの液体麹加水分解液と糖類とを混和し、該混和物を加熱してなるコク付与剤であって、醤油標準色の色番が5番以下で、グルタミン酸0.5%(w/v)以上を含有し、該グルタミン酸含量が全窒素1%(w/v)当り0.33%(w/v)以上であるコク付与剤。
(4)更に全窒素含量が0.6〜3.5%(w/v)である前記(3)に記載のコク付与剤。
本発明によれば、小麦グルテンの液体麹加水分解液を原料として、異味異臭がなく、コク付与効果を有すると共に先味の旨味を強く感じる、新規なコク付与剤を得ることができる。
(小麦グルテンの液体麹加水分解液の調製)
本発明において用いられる小麦グルテンの液体麹加水分解液とは、小麦グルテンを液体麹に混和し、25〜55℃で1〜14日間反応(加水分解)させて得られるものを言う。
液体麹は、従来公知の液体麹の製造法(例えば、特開2002−218970号公報、特公平3−22149号公報、特公平3−63350号公報及び特開昭60−164478号公報などに記載された方法)に従い、例えばアスペルギルス属に属する微生物(例えばアスペルギルス・オリーゼ、同・ソーヤ、同・タマリ、同・ウサミ、同・ニガーなど)を、該微生物が生育好適な液体培地に接種し、温度25〜40℃で、通気攪拌を行なうなどの好気的条件下で、目的とする蛋白加水分解酵素の生産蓄積量が最大となるのに十分な時間(例えば30〜90時間)培養することにより得たものが挙げられる。
アスペルギルス属に属する微生物が生育好適な液体培地としては、例えば可溶性澱粉、グルコース、小麦ふすまなどの炭素源;大豆粉、分離大豆蛋白、酵母エキスなどの窒素源;シリコーン油などの消泡剤;及び微量栄養素(CaCl2,KH2PO4,MgSO4など)などを適宜含有する培地(pH5〜8)が挙げられる。
小麦グルテンの加水分解は、25〜55℃で1〜14日間行うことが好ましく、35〜50℃で1〜10日間行うことがより好ましく、40〜45℃で4〜8日間行うことが最も好ましい。
なお、加水分解は、そのまま撹拌しつつ分解する方法、強制的に通気しつつ撹拌する方法など任意であるが、好気的条件下で行うことが好ましい。好気的条件下としては、例えばブレード式(又はプロペラ式)回転撹拌翼と、該撹拌翼の下部に通気手段を具備したタンク内で、撹拌速度10〜150rpmの通気攪拌を行なう方法等が挙げられる。
(原料配合割合)
小麦グルテンの加水分解においては、小麦グルテン及び液体麹の他に、食塩を配合するのが好ましい。また、水は配合しても配合しなくてもよい。
小麦グルテンの加水分解の際の好ましい原料配合割合の一例を下記表1に示す。
Figure 2013073516
本発明で用いる好ましい小麦グルテンの液体麹加水分解液の成分分析値を以下に示す。
Figure 2013073516
注)T.N.=全窒素、NaCl=食塩、Glu.=グルタミン酸、Col.=醤油標準色の色番(色番は数値が小さいほど濃色で、反対に大きいほど淡色であることを示す)
(コク付与剤の調製)
本発明を実施するには、小麦グルテンの液体麹加水分解液と糖類とを混和し、該混和物を加熱する。
糖類としては、ブドウ糖、グルコース、果糖(フラクトース)などの単糖類;マルトース(麦芽糖)、ラクトース(乳糖)、アラビノースなどのオリゴ糖類;デキストリン、水飴及び異性化糖などの水溶性糖類が挙げられる。
これらの糖類は、一種又は二種以上を用いることができる。
上記糖類のうち、グルコースや異性化糖(例えば、果糖ブドウ糖液糖)は、安価で容易に入手することができるので好ましい。
糖類の混和は、小麦グルテンの液体麹加水分解液1.0容量部に対し、0.1〜2.0質量部が好ましく、0.3〜1.5質量部がより好ましく、0.5〜1.2質量部が最も好ましい。
糖類の混和量が0.1質量部よりも少ない場合、得られるコク付与剤のコク付与効果が十分でなくなり、反対に2.0質量部を超える場合、粘度が高まり取扱いが困難となるので好ましくない。
なお、小麦グルテンの液体麹加水分解液と糖類との混和物(液)はそのまま加熱しても良いが、予めアルカリを混和溶解し、pHを5.5〜7.5、好ましくは6.0〜7.5に調整した後、該混合物を加熱すると、コク付与効果を更に上昇させることができるため好ましい。
そして、加熱後の、混和物のpHについては、pH3.5〜5.5の範囲が好ましく、アルカリ、酸などを用いて調整してもよい。また、混和物のpHを4.0〜5.5になることが更に好ましい。pHがこの範囲にあると、異味異臭がなく、嗜好性が良好となるので好ましい。
上記pHの調整に用いられるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等が挙げられるが、炭酸ナトリウムが好ましい。
加熱後の混和物のpH調整は、該加熱によって前記混和物のpHは次第に低下するので、加熱後の混和物のpHが上記範囲内である場合は必要はない。しかし、加熱後の混和物のpHが上記範囲外である場合は、塩酸、乳酸あるいは酢酸などの酸や水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウムなどのアルカリ添加によりpH調整を行うことが好ましい。
混和物の加熱温度は、70〜95℃とする必要があり、80〜90℃が好ましい。
また加熱時間は、1〜50時間が好ましく、2〜25時間がより好ましく、2〜10時間が最も好ましい。
温度が70℃よりも低い場合は、得られるコク付与剤のコク付与効果が十分でなくなり、反対に温度が95℃よりも高い場合、コク付与剤に異味異臭が生ずるので好ましくない。
また、時間が1時間よりも少ない場合は、得られる最終製品のコク付与効果が十分でなくなり、反対に50時間よりも多い場合、コク付与剤に異味異臭が生ずるので好ましくない。
コク付与剤の効果は、その色と関係があり、醤油標準色の色番が5番以下のものが好ましく、5番以下のものであって、且つ10倍水希釈後の色番が2番以上、特に10番以上を有するものがより好ましい。上記色番がこのような値を有するコク付与剤は、本発明の効果を維持しつつ、またそれを添加後の飲食品の褐変を抑制できるので好ましい。
本発明のコク付与剤のうち、グルタミン酸を0.5%(w/v)以上(好ましくは0.5〜2.2%)含有し且つ該グルタミン酸含量が全窒素1%(w/v)当り0.33%(w/v)以上(好ましくは0.33〜1.35)であるコク付与剤は、先味の旨味が強く感じられ、またコク付与効果がより優れているため好ましい。
また、全窒素含量0.6〜3.5%(w/v)、NaCl含量5.0〜20.0%(w/v)、pH3.5〜5.5、Col.(醤油標準色の色番)1〜5のものは、異味異臭がなく、優れたコク付与効果を奏するので好ましい。より好ましくは、全窒素含量1.0〜2.5%(w/v)、NaCl含量7〜16%(w/v)、Col.1〜2である。
本発明のコク付与剤の好ましい成分分析値を以下に示す。


Figure 2013073516
本発明のコク付与剤は、異味異臭がなく、また先味の旨味が強く感じられ、コク付与効果にも優れている。また本発明のコク付与剤は、そのままコク付与剤として利用可能であるが、各種飲食品に0.01〜75%(v/v)、好ましくは0.05〜10%(v/v)添加することにより、摂食したとき先味の旨味とコクが強く感じられる飲食品を得ることができる。その際、糖類、アミノ酸、核酸などの併用は、本発明の目的を逸脱しない限り可能である。
本発明のコク付与剤が添加される飲食品の具体例を以下に示すが、これらの飲食品に限定されるものではない。
醤油、ぽん酢、味噌、マヨネーズ、ドレッシング、食酢、スープ(例えば、ラーメンスープ)、ソース、ケチャップ、各種たれ(例えば焼肉のたれ)、カレールー、シチュー、米菓用調味料、野菜の加工食品、栄養飲料、麺用つゆ、かまぼこ、ちくわ、てんぷらなどの魚介類加工食品、ハム、ソーセージなどの畜肉類加工食品、塩辛、さきスルメ、ふぐのみりん干しなどの珍味食品、のり、山菜、小魚などで製造された佃煮、煮豆、ポテトサラダ、昆布巻きなどの惣菜食品。
(実施例1〜10)
(液体麹の調製)
容量2000リットルの発酵タンクに、小麦ふすま80kgと水1600リットルを入れ、pHを6.5に調整し、常法により加熱殺菌(滅菌処理)し液体培地を調製した。
次いで、該液体培地に、これとは別に同液体培地で調製したアスペルギルス・オリーゼの液体培養物4リットルを混和した。そして、常法により通気攪拌培養を72時間行ない、液体麹を得た。
(小麦グルテンの液体麹加水分解液の調製)
上記液体麹1Lと粉末状小麦グルテン0.6kgと30%(w/v)食塩水0.55Lを混和し、2.1Lの混和物を得た。該混和物を通気攪拌しつつ42℃で6日酵素分解を行い、圧搾濾過後、食塩240g、水330mlを投入して小麦グルテンの液体麹加水分解液を得た。すなわち、全窒素含量=3.0%(w/v)、グルタミン酸含量=4.5%(w/v)、NaCl含量=19.0%(w/v)の分解液を得た。全窒素の分析は、基準しょうゆ分析法により行い、またグルタミン酸の分析は、固定化酵素電極・フローインジェクション方式により行ない、王子計測機器社製バイオセンサーBF−5を使用した。
(コク付与剤の調製)
表4及び5に記載したように、小麦グルテンの液体麹加水分解液1リットルに対し、果糖ブドウ糖液糖(ニュークラフトRO、昭和産業製)1kg(実施例1〜8)若しくは0.5kg(実施例10)又はブドウ糖0.6kg(実施例9)を混和し、さらに炭酸ナトリウムを混和し、水で2リットルになるように調整し、各pH(加熱前pH)を有する混和液を得た。
その後、該混和液を表4及び5に記載した加熱条件(加熱温度、加熱時間)で加熱し、コク付与剤を得た。なお、該コク付与剤については、加熱後にpHを測定し、目的のpH範囲内に入っていることを確認した。
そして、該コク付与剤について、識別能力を有する5名のパネルにより官能検査を実施した。その結果(官能評価)を表4及び5に示す。
(比較例1〜6)
(比較のためのコク付与剤の調製)
比較のため、表6記載のように、調味液と糖類とを混和し、該混和液を加熱して比較例1〜6のコク付与剤を調製した。
また、該コク付与剤について、上記実施例と同様に官能検査を実施した。
その結果(官能評価)を表6に示す。
官能評価は、パネル5人において、それぞれの項目について5:非常に強い、4:強い、3:普通、2:弱い、1:非常に弱いとして5段階で評価し、その平均を算出し、その値を基に評価した。
(1)先味の旨味、コクの項目に関しては、4.0以上を◎、3.0以上〜4.0未満を○、2.0以上〜3.0未満を△、2.0未満を×として表記した。
(2)グルテン分解臭、収斂味、つんと鼻にくる焦げ臭に関しては、2.0未満を◎、2.0以上〜3.0未満を○、3.0以上〜4.0未満を△、4.0以上を×として表記した。


Figure 2013073516

Figure 2013073516

Figure 2013073516
比較例1の結果(表6参照)から、醤油と糖類とを混和し、該混和液を加熱してなるコク付与剤は、コク付与効果が弱く、口に入れたとき先味の旨味が弱いことが判る。
これに対し、本発明の実施例1の結果(表4参照)から、小麦グルテンの液体麹加水分解液と糖類とを混和し、該混和液を加熱するときは、グルテン分解臭(一種の不快臭)が解消し、つんと鼻を刺すような刺激的な焦げ臭がなく、口に入れてすぐに感じる先味の旨味を有し、後味に深い旨味を与えるコク付与剤が得られることが判る。
また、比較例2の結果(表6参照)から、前記混和液の加熱温度が95℃を超えると(例えば110℃)、先味の旨味が弱くなり、収斂味が強まり、焦げ臭が強くなることが判る。
また、比較例4の結果(表6参照)から、前記混和物の加熱温度が70℃より低いと(例えば65℃)、グルテン分解臭を解消することができず、また後味に深い旨味を与えるコク付与効果が弱いことが判る。
また、比較例5の結果(表6参照)から、小麦グルテンの液体麹加水分解液に糖類を混和し、加熱時間0、すなわち加熱しない区分は、先味の旨味は濃厚であるが、グルテン分解臭を有し、コク付与効果が弱いことが判る。
これに対し、本発明の実施例1〜10の結果(表4及び表5参照)から、前記混和物の加熱温度が本発明で規定する70〜95℃の範囲内(例えば80〜95℃)であるときは、異味異臭がなく、コク付与効果を有すると共に先味の旨味を強く感じる、コク付与剤が得られることが判る。
比較例6の結果(表6参照)から、前記混和物の加熱時間が50時間を超えると(例えば72時間)、先味の旨味が弱くなり本発明の目的を達成できないことが判る。
これに対し、本発明の実施例1〜10の結果(表4及び表5参照)から、前記混和物の加熱時間が1〜50時間であるときは、異味異臭がなく、コク付与効果を有すると共に先味の旨味を強く感じる、コク付与剤が得られることが判る。
比較例3の結果(表6参照)から、小麦グルテンの液体麹加水分解液と糖類の混和液を、加熱前にアルカリを混和してpHが7.5を超える値(例えば9.0)に調整し、その後加熱すると、小麦グルテン分解臭は解消できるが、得られるコク付与剤は、コク付与効果が弱く、口に入れたとき先味の旨味も弱く、収斂味及びつんと鼻にくる焦げ臭が強く感じられる問題を有することが判る。
これに対し、本発明の実施例1〜10の結果(表4及び表5参照)から、小麦グルテンの液体麹加水分解液と糖類の混和液を、加熱前にアルカリ添加により5.5〜7.5に調整した後、該混和液を加熱しpHを3.5〜5.5に調整するときは、異味異臭がなく、かつ先味の旨味が強く感じられ、またコク付与効果が非常に優れたコク付与剤が得られることが判る。
本発明の実施例1〜10の結果(表4及び表5参照)から、本発明によれば、醤油標準色の色番が5番以下で、グルタミン酸0.5%(w/v)以上を含有し、該グルタミン酸含量が全窒素1%(w/v)当り0.33%(w/v)以上であるコク付与剤が得られることが判る。
(実施例11)
(ラーメンスープの調製)
チキンストックHD30(東海物産社製)5g、食塩4gを混合し、お湯で500mlに調整したラーメンスープ原液100mlに対し、実施例2並びに比較例1及び5のコク付与剤をそれぞれ2ml添加、混合してラーメンスープを調製した。
ついで、これらの官能試験を実施した。
その結果を表7に示す。
Figure 2013073516

(官能試験)
上記3種類のラーメンスープについて、パネル5名による5点評価法で官能試験を実施した。官能評価は、パネル5人において、それぞれの項目について5:非常に強い、4:強い、3:普通、2:弱い、1:非常に弱いとして5段階で評価し、その平均を算出し、その値を基に評価した。コク、先味の旨味、全体の評価については、4.5以上を◎、3.5〜4.5未満を○、2.5以上〜3.5未満を△、1.5以上〜2.5未満を×、1.5未満を××と表記した。
表7の比較例5の結果から明らかなように、小麦グルテンの液体麹加水分解液に糖類を混和し、加熱時間0(加熱しない)の区分は、グルタミン酸含量が非常に高く旨味の増強効果を有し、先味の旨味が濃厚であるが、コク付与効果が弱い(十分でない)ことが判る。
また、比較例1の結果から明らかなように、醤油・糖類混合液の加熱反応物は、先味の旨味が弱く、またコク付与効果についても改善されないことが判る。
これに対し、小麦グルテンの液体麹加水分解液に糖類を混和し、加熱してなるコク付与剤(実施例2)を使用した区分(本発明)は、優れた先味及びコク付与効果を奏することが判る。

Claims (4)

  1. 小麦グルテンの液体麹加水分解液1.0容量部に対し、糖類を0.1〜2.0質量部混和し、70〜95℃で1〜50時間加熱してなるコク付与剤。
  2. 小麦グルテンの液体麹加水分解液1.0容量部に対し、糖類0.1〜2.0質量部とアルカリとを混和溶解し、pHを5.5〜7.5に調整した後、該混和物を70〜95℃で1〜50時間加熱し、pHを3.5〜5.5に調整してなるコク付与剤。
  3. 小麦グルテンの液体麹加水分解液と糖類とを混和し、該混和物を加熱してなるコク付与剤であって、醤油標準色の色番が5番以下で、グルタミン酸0.5%(w/v)以上を含有し、該グルタミン酸含量が全窒素1%(w/v)当り0.33%(w/v)以上であるコク付与剤。
  4. 更に全窒素含量が0.6〜3.5%(w/v)である請求項3に記載のコク付与剤。
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