JP2009082070A - 飲食物の塩から味及び/又は旨味増強方法 - Google Patents

飲食物の塩から味及び/又は旨味増強方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、α,α−トレハロースよりも優れた効果を有する塩から味増強剤及び/又は旨味増強剤、及び、これを提供することを課題とする。また、本発明は、塩化ナトリウム及び/又は旨味成分を含有する、もしくは添加する飲食物又はその原料に、この塩から味増強剤及び/又は旨味増強剤を使用する塩から味増強方法及び/又は旨味増強方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 α,α−トレハロースの糖質誘導体を用いることを特徴とする飲食物の塩から味増強剤及び/又は旨味増強剤、並びに、この塩から味増強剤及び/又は旨味増強剤を使用する、塩化ナトリウム及び/又は旨味成分を含有する、もしくは添加する飲食物又はその原料の塩から味増強方法及び/又は旨味増強方法を提供することにより解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、飲食物の塩から味及び/又は旨味増強方法に関し、詳細には、α,α−トレハロースの糖質誘導体を用いることを特徴とする飲食物又はその原料の塩から味及び/又は旨味増強方法、及びα,α−トレハロースの糖質誘導体を用いて塩から味及び/又は旨味増強が図られた飲食物又はその原料、とりわけ、減塩飲食物又はその原料、並びにそれらの製造方法、さらにはα,α−トレハロースの糖質誘導体を含有してなる塩から味及び/又は旨味増強剤に関する。
塩化ナトリウム(食塩)は、塩から味を与える基本調味料として食生活と切っても切れない関係にある。近年、塩化ナトリウム(ナトリウム)の摂り過ぎが、高血圧、腎疾患、心疾患など循環器系疾病を引き起こす重要な因子になっていることが指摘されている。生理的に必要な塩化ナトリウムの量は、成人1人1日当たり、2乃至5gで足りると言われているのに対し、我が国においては、現在、平均13gも摂っているのが現状である。厚生労働省では、塩化ナトリウムの1日当たりの摂取量を10g以下に低減するよう指導しており、とりわけ、高血圧の人に対しては、7g以下に抑えることが望ましいと指導している。
既に、一部の加工食品においては、塩化ナトリウムの使用量を低減したり、塩から味を持つ代替塩を使用することが試みられている。しかしながら、一般に、塩化ナトリウムの使用量を低減した飲食物は、食味がぼけてまずくなることが知られており、また、代替塩を使用した飲食物は、塩から味に加えて異味を有し、例えば、塩化カリウムを多量使用した場合には苦味を有し、食味がまずくなることが知られている。
一方、塩化ナトリウムの塩から味を増強させ、結果として減塩飲食物を提供しようとする試みとして、例えば、特許文献1には、クエン酸生産能を有する黒麹と黄麹との混合物に加水し、消化分解して得られる分解液を配合する方法が提案されている。また、特許文献2には、酪酸やプロピオン酸などの飽和属モノカルボン酸を使用する方法が提案されている。しかしながら、これらの方法は、その使用量によっては、麹分解液や飽和属モノカルボン酸自体の味、臭みの付与が避けられず、飲食物の風味を損なう欠点がある。さらに、特許文献3には、ニゲロオリゴ糖を使用して、飲食物の風味を低減することなく食塩の低減化を図る方法が記載されているものの、ニゲロオリゴ糖は、塩かどを緩和するため、食味がぼけておいしさに物足りなさを感じる場合がある。
また、特許文献4においては、α,α−トレハロースを添加する方法が提案されており、α,α−トレハロースは、塩から味増強作用に加えて、グルタミン酸系調味量の旨味増強作用に優れていることが開示されている。
特開平2−53456号公報 特開平5−184326号公報 特開平10−210949号公報 特開平10−66540号公報
本発明は、α,α−トレハロースよりも優れた効果を有する塩から味増強剤及び/又は旨味増強剤を提供することを課題とする。また、本発明は、塩化ナトリウム及び/又は旨味成分、とりわけ、イノシン酸系旨味成分を含有する、もしくは添加する飲食物又はその原料に、この塩から味増強剤及び/又は旨味増強剤を使用する塩から味増強方法及び/又は旨味増強方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために、α,α−トレハロースよりも優れた塩から味増強作用及び/又は旨味増強作用を有する糖質の探索に着手し鋭意研究を続けてきた。その結果、α,α−トレハロースの糖質誘導体が、実質的に異味、異臭を与えることもなく、塩化ナトリウムの持つ塩から味をα,α−トレハロースよりも著しく増強しうることを見いだした。さらに、本発明者らは、α,α−トレハロースの糖質誘導体が、旨味成分、とりわけ、α,α−トレハロースの旨味増強作用が弱いイノシン酸系をはじめとする旨味成分やこれを含むダシ類の旨味を、α,α−トレハロースよりも強く増強し、結果として、食味が充実し、食味の優れた飲食物、とりわけ、減塩飲食物又はその原料を製造しうることを見いだし、本発明を完成した。
即ち、本発明は、(1)α,α−トレハロースの糖質誘導体を用いることを特徴とする飲食物又はその原料の塩から味及び/又は旨味増強方法、(2)α,α−トレハロースの糖質誘導体を用いて塩から味及び/又は旨味増強が図られた飲食物又はその原料、とりわけ、減塩飲食物又はその原料、並びに、それらの製造方法、(3)α,α−トレハロースの糖質誘導体を含有してなる塩から味及び/又は旨味増強剤、を主な構成とする。
本発明は、α,α−トレハロースの糖質誘導体を用いることを特徴とする飲食物又はその原料、とりわけ、イノシン酸系の旨味成分を含有もしくは添加する、飲食物又はその原料の塩から味及び/又は旨味増強方法に関するもので、従来、減塩飲食物が一般に薄味で物足りなさを覚えていたのに対し、本発明により、減塩飲食物でありながら、旨味及び塩から味がバランス良く増強して、通常の飲食物と同様に食味(風味や味質)が充実し、満足のいく食生活を楽しむことができる。併せて、1日当たりの塩化ナトリウムやナトリウム系調味料の摂取量を大幅に低減できるので、ナトリウムが危険因子とされる疾患の発病・増悪リスクを低減し健康の維持・増進にも貢献することができる。
本発明の塩から味及び/又は旨味増強方法には、塩化ナトリウム及び/又は旨味成分の存在が必要である。塩化ナトリウム及び/又は旨味成分は、飲食物やその原料に元々含まれていても良いし、塩から味や旨味を付けるために後から飲食物やその原料に含ませるようにしても良い。含ませる塩化ナトリウムは、塩化ナトリウムでありさえすれば良く、その形状、存在形態を問わない。従って、食塩、精製塩、食卓塩をはじめとする高純度の塩化ナトリウムが有利に利用できることはもとより、必要に応じて、不都合が生じない限り、塩から味調味料及び塩から味を呈する各種飲食物などに含まれる塩化ナトリウム、さらには、苦汁、海水、岩塩などに含まれる塩化ナトリウムなどが用いられる。含ませる旨味成分としては、飲食物やその原料に旨味を与えるものであれば良く、L−グルタミン酸モノナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウムなどの市販の旨味成分やこれらを含む昆布、カツオ節、しいたけなどの1種又は2種以上や、これらの旨味成分にクエン酸、リンゴ酸などの有機酸、香辛料、着香料、着色料などを添加した漬物塩などであっても良い。塩化ナトリウム及び/又は旨味成分を飲食物又はその原料に含ませる時期は、α,α−トレハロースの糖質誘導体を用いる前であっても良く、また、α,α−トレハロースの糖質誘導体を用いた後であっても良く、勿論、α,α−トレハロースの糖質誘導体と同時でも良い。含有させる手段としては、添加、混合、溶解、その他、公知のいかなる手段を用いても良く、単に、飲食物又はその原料の表面に振りかけるなどの手段で付着させるだけでも良い。
飲食物中の塩化ナトリウム濃度は、例えば、スープにはスープ独自の塩味があるように、また醤油には醤油独自の塩味があるように、目的とする飲食物の違いによって、大きく異なるものの、特定の飲食物についてはほぼ一定している。
本発明においては、α,α−トレハロースの糖質誘導体を用いることにより、塩化ナトリウムの塩から味を増強、旨味成分の旨味を増強、さらには、塩から味とともに旨味を増強させることができるので、それぞれの飲食物又はその原料について、その呈味の増強の程度に応じて必要とする塩化ナトリウム及び/又は旨味成分の使用濃度を低減させることができる。
本発明において、飲食物の塩から味及び/又は旨味増強剤として飲食物に含有せしめるα,α−トレハロースの糖質誘導体とは、塩化ナトリウムの塩から味の増強、旨味成分の旨味の増強、又は塩から味とともに旨味を増強し、飲食物の食味を充実できるものであれば良い。具体的には、分子内にα,α−トレハロース構造を有する3個以上のグルコースからなる非還元性オリゴ糖から選ばれる糖質、好ましくは2種以上の混合糖質が望ましく、より具体的には、α,α−トレハロース分子の少なくとも一方のグルコースに、モノ−グルコース、ジ−グルコース、トリ−グルコース及びテトラ−グルコースから選ばれる何れかが結合したものをいう。例えば、先に、本出願人が特開平7−143876号公報、特開平8−73504号公報、特許第3182679号公報、特開2000−228980号公報などにおいて開示した、α−マルトトリオシルα−グルコシド(別名α−マルトシルα,α−トレハロース)、α−マルトシルα−マルトシド、α−イソマルトシルα−マルトシド、α−イソマルトシルα−イソマルトシドなどのジ−グルコシルα,α−トレハロース、α−マルトテトラオシルα−グルコシド(別名α−マルトトリオシルα,α−トレハロース)、α−マルトシルα−マルトトリオシド、α−パノシルα−マルトシドなどのトリ−グルコシルα,α−トレハロース、α−マルトペンタオシルα−グルコシド(別名α−マルトテトラオシルα,α−トレハロース)、α−マルトトリオシルα−マルトトリオシド、α−パノシルα−マルトトリオシドなどのテトラ−グルコシルα,α−トレハロースなど、グルコース重合度が4乃至6からなるα,α−トレハロースの糖質誘導体が好ましい。なお、グルコース重合度が3のものは、単独で使用すると、飲食物の塩から味や旨味を増強する効果を示さない場合があるので注意して使用する必要がある
これらのα,α−トレハロースの糖質誘導体は、その由来や製法は問わず、発酵法、酵素法、有機合成法などにより製造されたものでも良い。例えば、本出願人が、特開平7−143876号公報、特開平8−73504号公報、特許第3182679号公報、特開2000−228980号公報で開示した酵素法により澱粉や澱粉の部分加水分解物から直接製造しても良く、或いは、特開平7−143876号公報で開示したマルトテトラオース生成アミラーゼ、特公平7−14962号公報で開示したマルトペンタオースを高率に生成するα−アミラーゼ或いは特開平7−236478号公報で開示したマルトヘキサオース・マルトヘプタオース生成アミラーゼなどを使用して、マルトテトラオース、マルトペンタオース、マルトヘキサオース、マルトヘプタオースなどの特定のオリゴ糖の含量を高めた澱粉部分加水分解物とし、これに特開平7−143876号公報で開示した非還元性糖質生成酵素を作用させて製造することも随意である。また、澱粉、或いは、澱粉の部分加水分解物とα,α−トレハロースとを含有する溶液にシクロデキストリングルカノトランスフェラーゼなどのグリコシル基の転移能を有する酵素を作用させて調製することも随意である。さらに、これらの糖質に含まれているα,α−トレハロースの糖質誘導体の製造工程で生じる還元性糖を水素添加してその糖アルコールに変換することも随意である。これらの方法により得られる反応液は、α,α−トレハロースの糖質誘導体を含有する糖質を含む溶液として、そのままで、部分精製して、或いは、高純度に精製して使用することも随意である。これらの製造方法は、豊富で安価な澱粉質を原料とし、高効率かつ安価にα,α−トレハロースの糖質誘導体を製造できることから、工業的に有利に利用できる。
前述のα,α−トレハロースの糖質誘導体のうち、とりわけ、α−マルトシルα,α−トレハロース、α−マルトトリオシルα,α−トレハロース及びα−マルトテトラオシルα,α−トレハロースなど、分子の末端にトレハロース構造を持つ糖質が、飲食物の塩から味及び/又は旨味増強作用が強く、本発明に有利に利用できる。この糖質の一例としては、特開平7−143876号公報に開示されたα−マルトトリオシルα−グルコシド(別名α−マルトシルα,α−トレハロース)を主成分とし、他に、α−マルトシルα−グルコシド(別名α−グルコシルα,α−トレハロース)、α−テトラオシルα−グルコシド(別名α−マルトトリオシルα,α−トレハロース)、α,α−グリコシルα−グルコシド(別名α−グリコシルα,α−トレハロース)から選ばれる糖質、好ましくは2種以上の混合糖質が望ましく、とりわけ、α−マルトシルα,α−トレハロースを、無水物換算で、約5質量%(以下、本明細書では特に断らない限り、「質量%」を単に「%」と略記する。)以上、望ましくは約10%以上、さらに望ましくは約30%以上、特に望ましくは50%以上含有する糖質が、塩から味及び/又は旨味増強作用が強く望ましい。具体的には、例えば、上記方法により澱粉から製造され、無水物換算でα−マルトシルα,α−トレハロースを約52%、α−マルトトリオシルα,α−トレハロース、α−マルトテトラオシルα,α−トレハロースなどα−マルトシルα,α−トレハロース以外のα−グリコシルα,α−トレハロースを合計で約10%含有する市販のα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質(株式会社林原商事販売、商品名「ハローデックス」)を挙げることができる。
本発明の飲食物の塩から味及び/又は旨味増強方法において、有効成分として組成物に含有せしめるα,α−トレハロースの糖質誘導体は、シラップ状態やガラス状態などの非晶質状態が望ましく、非晶質状態のものを含むものであれば、その形状を問わず、例えば、シラップ、マスキット、ペースト、粉末、固状、顆粒、錠剤などの何れの形状であっても良く、そのままで、又は、必要に応じて、増量剤、賦形剤、結合剤などと混合して、顆粒、球状、短棒状、板状、立方体、錠剤など各種形状に成型して使用することも随意である。
本発明の飲食物の塩から味及び/又は旨味増強方法は、有効成分であるα,α−トレハロースの糖質誘導体を、対象とする飲食物又はその原料に含有せしめることにより、所期の効果を発揮することができる。従って、いずれの分野でも、本発明の飲食物の塩から味及び/又は旨味増強方法において、有効成分として飲食物又はその原料に含有せしめるα,α−トレハロースの糖質誘導体は、対象とする飲食物又はその原料の組成や使用目的を勘案して、原料の段階から製品が完成するまでの工程で含有せしめれば良い。その方法としては、例えば、混和、混捏、溶解、融解、分散、懸濁、乳化、逆ミセル化、浸透、晶出、散布、塗布、付着、噴霧、被覆(コーティング)、注入、浸漬、固化、担持などの公知1種又は2種以上の方法が適宜に選ばれる。また、製品完成後や飲食の際に振りかけるなどの方法であっても良い。
本発明において、飲食物又はその原料の塩から味や旨味を増強させるために必要なα,α−トレハロースの糖質誘導体の使用量は、所期の効果を得ることができるのであれば特に制限はなく、通常、α,α−トレハロースの糖質誘導体の1種又は2種以上を合計で、無水物換算で、飲食物又はその原料に対して、約0.5%以上、好ましくは、約1乃至10%、さらに好ましくは、約1乃至8%用いることにより効果的に塩から味増強効果及び/又は旨味増強効果を得ることができる。α,α−トレハロースの糖質誘導体が0.5%未満では、塩から味増強効果及び/又は旨味増強効果が不十分であり、10%を越えると、塩から味増強効果並びに旨味増強効果が弱くなる傾向がある。また、塩から味増強効果の観点から言えば、塩化ナトリウムは、無水物換算で、飲食物又はその原料に対して、約0.5%以上存在することが必要で、この量が、約0.5%未満では、α,α−トレハロースの糖質誘導体を用いても十分な塩から味の増強効果が得られず、また逆に、9%を越えて塩化ナトリウムが存在しても、α,α−トレハロースの糖質誘導体による塩から味増強効果が弱くなる傾向にある。また、塩化ナトリウムの共存下では、α,α−トレハロースの糖質誘導体による旨味増強効果がより顕著となり、この場合、塩化ナトリウムは、やはり、約0.5%以上存在することが望ましく、この量が、約0.5%未満では、α,α−トレハロースの糖質誘導体を用いても十分な旨味増強効果が得られない場合がある。旨味成分は、通常、塩化ナトリウムと併用して使用する場合、その旨味が増強される程度の量であれば特にその量を問うものではなく、例えば、塩化ナトリウムに対して、無水物換算で、等質量未満、望ましくは0.1乃至50%程度の量で良い。
本発明の塩化ナトリウムを低減させた減塩飲食物又はその原料を製造するに際しては、α,α−トレハロースの糖質誘導体に加えて、比較的少量の塩化ナトリウムを共存させると共に、公知の塩化カリウム、クエン酸ナトリウムなどの代替塩や、麹分解液、モノカルボン酸、α,α−トレハロース、マルトテトラオース、プルランなどの他の塩から味及び/又は旨味の増強作用を有する成分や、L−グルタミン酸モノナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウムなどの旨味成分や、当該旨味成分を含む昆布やカツオ節などの粉末やそのエキスなどを併用することも有利に実施できる。また、必要に応じて、適宜の添加物、例えば、着香料、着色料、酸味料、甘味料、驕味・驕臭剤、香辛料、ビタミン、ミネラルなどの1種又は2種以上を併用して、嗜好性や栄養価を向上させた減塩飲食物又はその原料を製造することも有利に実施できる。
本発明は、α,α−トレハロースの糖質誘導体を用いて、塩から味及び/又は旨味を増強することにより食味を向上させることのできる各種飲食物又はその原料、とりわけ減塩飲食物、又はその原料に広く適用できる。
具体的には、例えば、食卓塩、調味塩、醤油、粉末醤油、味噌、粉末味噌、もろみ、ひしお、ふりかけ、お茶漬の素、マーガリン、マヨネーズ、ドレッシング、食酢、三杯酢、粉末すし酢、中華の素、天つゆ、麺つゆ、ソース、ケチャップ、焼肉のたれ、カレールウ、シチューの素、スープの素、ダシの素、複合調味料、新みりんなど各種減塩調味料に有利に利用できる。
また、塩化ナトリウム及び/又は旨味成分を調味料として利用、又は副原料として利用する飲食物、例えば、せんべい、あられ、おこし、餅類、まんじゅう、ういろう、あん類、羊羹、水羊羹、錦玉、ゼリー、カステラ、飴玉などの各種和菓子、パン、ビスケット、クラッカー、ポテトチップス、クッキー、パイ、プリン、バタークリーム、カスタードクリーム、シュークリーム、ワッフル、スポンジケーキ、ドーナツ、チョコレート、チューインガム、キャラメル、キャンディーなどの各種洋菓子、うどん、ラーメンなど麺類、すし、五目飯など米飯類、人造肉などの穀類加工品類、フラワーペースト、ピーナッツペースト、フルーツペースト、スプレッドなどのペースト類、梅干し、福神漬、べったら漬、千枚漬、らっきょう漬、味噌漬などの漬物類、たくあん漬の素、白菜漬の素などの漬物の素類、ハム、ソーセージなどの畜肉製品類、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、蒲鉾、ちくわ、天ぷらなどの魚肉製品、うに、いか、あみの塩辛、酢昆布、さきするめ、ふぐのみりん干しなどの各種珍味類、野菜、花の塩蔵品、かずのこ、めんたい、イクラなど魚卵の塩蔵品、塩いわし、塩さんま、塩さけ、塩さば、生ハム、ベーコンなど魚、畜肉の塩蔵品、塩干しいわし、あじ、さば、いかなどの塩開き干し、ビーフジャーキーなど魚、畜肉の塩干物、のり、山菜、するめ、小魚、貝などで製造される佃煮類、煮豆、ポテトサラダ、昆布巻、酢魚、魚介や畜肉の塩焼などの惣菜類、煮魚、筑前煮、おひら、なべ物などの煮物類、バター、プロセスチーズなどの乳製品、合成酒、ビール、ワイン、リキュール、カクテル、みりんなどのアルコール飲料や発酵食品、トマトジュース、スポーツ飲料、炭酸飲料、乳酸飲料、乳酸菌飲料などの清涼飲料水、魚肉、畜肉、果実、野菜のビン詰、缶詰類、プリンミックス、ホットケーキミックス、即席麺、即席しるこ、即席スープなど即席飲食物などの各種飲食物とその原料、とりわけ、減塩飲食物とその原料に有利に利用できる。原料としては、例えば、生あん、糊化澱粉ペースト、小麦粉ドウ、液卵、乳清、乳クリーム、昆布エキス、カツオ節エキス、かき肉エキス、ミートエキス、魚肉すり身、しいたけエキス、野菜エキス、果汁などの各種飲食物の中間加工原料が有利に利用できる。
また、塩化ナトリウムの1日当たりの摂取量を制限されている循環器系疾病の患者や病後の虚弱者、乳幼児、高齢者などに対しては、本発明の減塩飲食物を治療食、予防食などとして利用することも有利に実施できる。
また、本発明の減塩飲食物を、例えば、家畜、家禽など飼育動物のための健康飼料として利用することも有利に実施できる。
また、本発明のα,α−トレハロースの糖質誘導体を含有してなる塩から味或いは旨味増強剤、又は塩から味及び旨味増強剤は、従来の食卓塩、醤油、味噌、ソースなど塩化ナトリウム含有調味料に代えて、塩味が薄く食味がぼけておいしさに物足りなさを感じる、例えば、漬物、カレーライス、天ぷら、発酵食品などの各種飲食物に対して使用され、その食味を満足のいくものに仕上げることができる。
本発明の塩から味及び/又は旨味増強剤は、α,α−トレハロースの糖質誘導体自体からなるか、又はα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質を主成分とし、好ましくは、α,α−トレハロースの糖質誘導体を無水物換算で約20%以上、より好ましくは、約30%以上含有させ、必要に応じて、例えば、比較的少量の塩化ナトリウム、公知の塩化カリウム、クエン酸ナトリウムなどの代替塩、麹分解液、モノカルボン酸などの他の塩から味増強剤、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、クエン酸鉄、乳清ミネラル、苦汁などのミネラル強化剤、ルチン、ヘスペリジン、ナリンジンやこれらの誘導体などの驕味・驕臭剤、L−グルタミン酸モノナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウムなどの旨味成分を含む旨味料及び唐辛子、胡椒、山椒などの香辛料などの1種又は2種以上の適量を併用することも有利に実施できる。
このようにして製造される本発明の塩から味及び/又は旨味を増強して食味を向上させ、結果として塩化ナトリウム含量を低減させた減塩飲食物又はその原料は、高血圧、腎疾患、心疾患など循環器系疾病の治療を促進し、生活習慣病やメタボリックシンドロームを予防・改善し、さらには、美容、健康の維持、増進に大きく貢献することができる。
以下、実験に基づいてより詳細に本発明を説明する。
<実験1>
<塩化ナトリウムの塩から味に及ぼす糖質共存の影響>
塩化ナトリウムの塩から味が、共存する糖質の違いによって、どのような影響を受けるかを調べた。塩化ナトリウムとしては、試薬級の塩化ナトリウムを使用し、糖質としては、試薬級マルトース、試薬級ショ糖、食品級α,α−トレハロース(株式会社林原商事販売、商品名「トレハ」、純度98.6%)、α−グルコシルα,α−トレハロース(株式会社林原生物化学研究所調製、純度97.2%)、α−マルトシルα,α−トレハロース(株式会社林原生物化学研究所調製、純度98.1%)、α−マルトトリオシルα,α−トレハロース(株式会社林原生物化学研究所調製、純度96.5%)、α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質(株式会社林原商事販売、商品名「ハローデックス」、固形分72%、無水物換算でマルトテトラオースを17.6%、α−グルコシルα,α−トレハロースを0.8%、α−マルトシルα,α−トレハロースを52.8%含有、α−マルトトリオシルα,α−トレハロースを1.3%、その他のグリコシルα,α−トレハロースを7.0%、マルトトリオースを10.7%含有)、マルトテトラオース(株式会社林原生物化学研究所販売、純度97.6%)、マルトテトラオース含有糖質(株式会社林原商事販売、商品名「テトラップ」、固形分72%、無水物換算でマルトテトラオースを52.5%含有)、マルチトール(株式会社林原商事販売、商品名「結晶マビット」、無水物換算でマルチトールを99.2%)、酵素水飴(株式会社林原商事販売、商品名「マルトラップ」、固形分72%、DE43)、ニゲロオリゴ糖含有糖質(株式会社林原生物化学研究所製造、固形分75%、無水物換算でニゲロオリゴ糖を38.6%含有)、食品級のデキストリン(三和澱粉株式会社販売、商品名「サンデック#250」、DE24)及びプルラン(株式会社林原商事販売、商品名「プルラン」、食品添加物)を使用した。
<実験方法>
無水物換算で、塩化ナトリウムが3%と、上記糖質の何れかが、無水物換算で1%となるように溶解共存させて試験水溶液を調製し、対照として、糖質無含有の3%塩化ナトリウム水溶液を調製し、試験水溶液の塩から味が、対照(糖質無含有の3%塩化ナトリウム水溶液)と比較して、どう変化するかをパネルテストで判定した。パネラーは15名で、男性8名、女性7名の構成で、24℃の室温でパネルテストを行った。塩から味に及ぼす影響の判定は、対照に比べて塩から味が、低減する(低減)、変わらない(無変)、塩から味が強いと判断される(増強)、強いと明確に判定できる(著しく増強)の4段階で判定し、各々の糖質について、各段階の判定をしたパネラーの人数を表1に示す。
Figure 2009082070
表1から明らかなように、塩化ナトリウムの塩から味は、α,α−トレハロース、α−マルトシルα,α−トレハロース、α−マルトトリオシルα,α−トレハロース、又はα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質の何れか1種を共存させた場合には、パネラー全員が塩から味を「増強」又は「著しく増強」する効果があると判定した。また、マルトテトラオース又はプルランを共存させた場合には、約半数又は3分の1のパネラーが、それぞれ塩から味を「増強」する効果があると判定したのに対して、それら以外の糖質を共存させた場合には、「無変」、又は「低減」すると、パネラー全員が判定した。塩から味の増強効果の強さの点では、塩から味を「著しく増強」すると判定したパネラーの人数から判断すると、マルトテトラオースやプルランには弱い増強効果しかなく、また、パネラー全員が、「増強」又は「著しく増強」する効果があると判定した糖質の中では、α,α−トレハロースを共存させた場合よりも、α−マルトシルα,α−トレハロース、α−マルトトリオシルα,α−トレハロース又はα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質を共存させた場合の方が強い増強効果があり、α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質を共存させた場合に最も強い増強効果があることが判明した。これらの結果は、(1)塩化ナトリウムにα−マルトシルα,α−トレハロース又はα−マルトトリオシルα,α−トレハロースを単独で共存させた場合に比べてこれらの糖質の両方を含むα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質を共存させた場合の方が、優れた塩から味増強効果を有すること、(2)α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質とほぼ同程度のグルコース、マルトース及びマルトトリオースを含有し、含量に差はあるものの当該糖質に含まれているマルトテトラオースやグルコース重合度が5以上の糖質を含有するマルトテトラオース含有糖質やマルトテトラオース単独よりも、α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質の方が、優れた塩から味増強効果を有すること、さらに、(3)α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質に含まれる主要なα,α−トレハロースの糖質誘導体が、α−マルトシルα,α−トレハロース及びα−マルトトリオシルα,α−トレハロースであることを勘案すると、当該α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質による塩化ナトリウムの顕著な塩から味増強効果は、α,α−トレハロースの糖質誘導体に起因し、その効果はこの2種類のα,α−トレハロースの糖質誘導体を組み合わせた場合の方が、それらを単独で共存せしめた場合よりも強くなることを物語っている。なお、表1には示していないが、パネラー全員が、α,α−トレハロース、α−マルトシルα,α−トレハロース、α−マルトトリオシルα,α−トレハロース或いはα,α−トレハロースの糖質誘導体を共存させても、異味、異臭はないと回答し、これらの糖質を塩化ナトリウムと共存させても、飲食物の風味を損なう懸念のないことも判明した。
<実験2>
<塩から味増強に及ぼす塩化ナトリウム濃度とα,α−トレハロースの糖質誘導体濃度の影響>
実験1で使用した糖質の中で、α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質に最も強い塩から味増強効果があることが判明したので、塩から味増強に与える塩化ナトリウム濃度とα,α−トレハロースの糖質誘導体濃度との関係を調べた。実験1の方法に準じて、塩化ナトリウムとα,α−トレハロースの糖質誘導体とを、表2に示すように、それぞれ無水物換算で、0.25乃至9%、及び、0.25乃至10%となるように溶解共存させて試験水溶液を調製した。対照として、α,α−トレハロースの糖質誘導体無含有で、0.25乃至9%の塩化ナトリウムを含有する水溶液を調製し、試験水溶液の塩から味が、対照(α,α−トレハロースの糖質誘導体無添加の各濃度の塩化ナトリウム水溶液)の塩から味と差があるかどうかを、パネルテストで判定した。パネラーは15名で、男性8名、女性7名の構成で、24℃の室温でパネルテストを行った。判定は、対照に比べて、強く増強(+2)、増強(+1)、同等(0)、減衰(−1)、強く減衰(−2)の5段階で採点し、各試験液に対する各パネラーの評点の平均を求めた。評点の平均が0.25未満を効果なし(無変)、0.25以上0.75未満を増強効果あり(増強)、0.75以上を著しい増強効果あり(著しく増強)と判断し、その結果を表2に示す。
Figure 2009082070
表2から明らかなように、塩化ナトリウム濃度が、無水物換算で0.25%の場合には、α,α−トレハロースの糖質誘導体共存による塩から味増強効果は認められなかった。これに対して、塩化ナトリウムを無水物換算で0.5%以上、望ましくは、0.5乃至9%含有せしめると共に、α,α−トレハロースの糖質誘導体を無水物換算で0.5%以上、望ましくは、0.5乃至10%共存せしめた場合に、α,α−トレハロースの糖質誘導体共存による塩から味増強効果が著しく増強されることが判明した。但し、無水物換算で、α,α−トレハロースの糖質誘導体を塩化ナトリウムの添加量の3倍を超える量を共存せしめると、塩から味の増強が認められない場合があり、逆に、10分の1以下の量の共存下では、それよりも多い量を添加した場合に比べて、塩から味の増強効果が弱くなる場合があった。従って、効果的には塩から味増強効果を得るための、塩化ナトリウムとα,α−トレハロースの糖質誘導体との配合割合は、無水物換算で、塩化ナトリウム1質量部に対してα,α−トレハロースの糖質誘導体を、0.1乃至3質量部(0.1質量部を含まず)、望ましくは0.1乃至2質量部特に望ましくは0.1乃至1質量部と計算された。
この結果は、飲食物を製造するに際し、この増強した塩から味を利用することにより、その増強した分だけ食塩(塩化ナトリウム)の使用量を低減させることができることを物語っている。従って、本発明の減塩飲食物は、食塩の使用量を、通常より低減することができ、循環器系疾病患者の治療促進のための飲食物、生活習慣病の予防のための飲食物、さらには美容、健康の維持、増進のための飲食物などに有利に利用できる。
<実験3>
<カツオダシの旨味に及ぼす糖質共存の影響>
旨味成分としてイノシン酸を含んでいることが知られているカツオダシの旨味が、共存する糖質の違いによって、どのような影響を受けるかを調べた。以下に示す方法によりカツオダシを調製した。糖質としては、実験1で使用した糖質を使用した。
<カツオダシの調製方法>
沸騰させた水2000質量部に対して、カツオ節(マルトモ株式会社販売、商品名「花かつお」(カツオ削り節)、食塩を約0.3%含有)110質量部を加えて30秒間浸漬し、加熱を止めて、さらに3分間放置してカツオダシを抽出後、コーヒーフィルターで固形分を除去し、さらに濾紙(アドバンテック東洋株式会社販売、商品名「ADVANTEC 定量濾紙No.5A」、保留粒子径7μm)で濾過後、冷却して、1620質量部のダシ液を調製した。なお、以下、本明細書では、カツオ節で調製したダシ液は、その調製に使用した水に対するカツオ節の配合量(%)を付して表記する。従って、このダシ液の場合は、「カツオ節の配合量が5.5%のダシ液」と表記する。
<試験方法>
上記カツオ節の配合量が5.5%のダシ液に適量の水と、表3に示す糖質の何れかを添加し、溶解共存させて、無水物換算で糖質の濃度が1%、カツオ節の配合量が3.5%のダシ液を調製して試験水溶液とした。対照として、カツオ節の配合量が5.5%のダシ液を水で希釈して、カツオ節の配合量が、3.5%の糖質無添加のダシ液を調製した。各種糖質を共存させた試験水溶液の旨味が、対照に比べてどう変化するかをパネルテストで判定した。パネラーは15名で、男性8名、女性7名の構成で、24℃でパネルテストを行った。判定は、対照に比べて旨味が、低減する(低減)、変わらない(無変)、強いと判断される(増強)、強いと明確に判定できる(著しく増強)の4段階で判定し、各々の糖質について、各段階の判定をしたパネラーの人数を表3に示す。
Figure 2009082070
表3から明らかなように、イノシン酸を主成分とするカツオ節の旨味は、α,α−トレハロース、α−マルトシルα,α−トレハロース、α−マルトトリオシルα,α−トレハロース、α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質又はマルトテトラオースを共存させた場合には、パネラー全員が旨味を「増強」又は「著しく増強」する効果があると判定した。また、プルランを共存させた場合には8名のパネラーが、旨味を「増強」する効果があると判定し、プルランにも弱いながら、旨味増強効果が認められた。その他の糖質を共存させた場合には、マルトテトラオース含有糖質、酵素水飴又は、デキストリンを共存させた場合には、1乃至4名のパネラーが、旨味を「増強」する効果があると判定したのみで、大部分のパネラーは「無変」か、又は「低減」すると判定した。旨味の増強効果の強さの点では、旨味を「著しく増強」すると判定したパネラーの人数から判断すると、α,α−トレハロースを共存させた場合よりも、α−マルトシルα,α−トレハロース、α−マルトトリオシルα,α−トレハロース又はα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質を共存させた場合の方が強い増強効果があり、α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質を共存させた場合に最も強い増強効果があることが判明した。また、表3には示していないが、パネラー全員が、α,α−トレハロース、α−マルトシルα,α−トレハロース、α−マルトトリオシルα,α−トレハロース或いはα,α−トレハロースの糖質誘導体を共存させても、異味、異臭はないと回答し、これらの糖質をカツオ節のダシ液と共存させても、飲食物の風味を損なう懸念のないことも判明した。
<実験4>
<旨味増強に与えるα,α−トレハロースの糖質誘導体濃度の影響>
実験3で使用した糖質の中で、α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質に最も強いカツオ節のダシ液に対する旨味増強効果があることが判明したので、旨味増強に及ぼすα,α−トレハロースの糖質誘導体濃度の影響を調べた。実験3の方法に準じて、カツオ節の配合量が5.5%のダシ汁を調製し、これに、α,α−トレハロースの糖質誘導体が無水物換算で表4に示す濃度となるように、実験1で使用したα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質(株式会社林原商事販売、商品名「ハローデックス」)と適量の水を加えて、カツオ節の配合量が3.5%のダシ汁を調製した。対照として、カツオ節の配合量が5.5%のダシ液を水で希釈して、それぞれ、カツオ節の配合量が2.5%、3%、3.5%、4%及び4.5%のダシ液を調製した。各濃度のα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質を添加したダシ汁の旨味が、対照のどのカツオ節の配合量のダシ液の旨味と一致するかをパネルテストで判定した。パネラーは、実験3と同じ15名で、男性8名、女性7名の構成で、24℃の室温でパネルテストを行った。パネラーの判定した、α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質のそれぞれの濃度のダシ液の旨味に相当する糖質無添加のダシ液のカツオ節の配合量の平均を求めて、糖質無添加のカツオ節の配合量(3.5%)で除し、100倍して、旨味増強率(%)として表4に示す。また、実験3と同じ判定基準により旨味増強効果の判定を行い、ダシ汁の甘さの程度及び食味への影響と併せ評価した結果を表4に併せて示す。なお、甘さの程度については、甘みを感じない(感じない)、弱いながら甘みがある(感じる)、甘みがあることがはっきりわかる(ある)、強い甘みがある(強い)の4段階で評価した。また、食味への影響は、α,α−トレハロースの糖質誘導体無添加の場合に比して、顕著に塩から味と旨味が増強されてこくがあり美味しい(◎)、塩から味と旨味がバランス良く増強されて食味がはっきりしている(○)、甘みは強いものの塩から味と旨味のバランス良い(△)、塩から味や旨味の増強は認められない(×)の4段階で評価した。
Figure 2009082070
表4から明らかなように、旨味の増強は、α,α−トレハロースの糖質誘導体を無水物換算で0.5%以上共存せしめた場合で確認され、特に、1乃至3%共存せしめた場合には、その旨味増強率が123%以上となり、旨味増強効果が特に強いことが判明した。また、α,α−トレハロースの糖質誘導体を無水物換算で6%以上共存させた場合には、強い甘みが感じられるものの、塩から味及び旨味は依然としてバランス良く増強されることが判明した。なお、旨味増強率が124%の場合、カツオ節の配合量が3.5%のダシ汁が、カツオ節の配合量が4%の標準的なダシ汁と同等の旨味を有することを意味している。
この結果は、飲食物を製造するに際し、この増強した旨味を利用することにより、その増強した分だけカツオ節の使用量を低減させることができることを物語っている。また、和風の煮物などのように、比較的甘味が好まれる食品を製造する場合には、旨味増強に併せて、当該食品の甘味の必要程度に応じて、α,α−トレハロースの糖質誘導体を適宜増量して甘味付けに利用することも有利に実施できることを物語っている。
<実験5>
<食塩を加えたダシ汁の塩から味及び旨味増強に与えるα,α−トレハロースの糖質誘導体濃度の影響>
実験1乃至4により、α,α−トレハロースの糖質誘導体を共存させることにより、塩化ナトリウムの塩から味やカツオ節のダシ汁の旨味が増強されることが確認されたので、これらを使用したダシ汁を調製して、その塩から味及び旨味増強に与えるα,α−トレハロースの糖質誘導体濃度の影響を調べた。実験3と同様に、カツオ節の配合量が5.5%のダシ液を水で希釈してカツオ節の配合量が3%のダシ液を調製した。このダシ液を使用して、砂糖及び実験1で使用したα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質(株式会社林原商事販売、商品名「ハローデックス」)の配合割合を変えて、ダシ汁の甘味度が同じとなる表5に示す配合により、食塩濃度が、0.5%又は0.9%の試験用試料(ダシ汁:試料1乃至6)を調製した。対照として、α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質無添加のダシ汁を調製した(対照1及び2)。これら試験用試料の、塩から味、旨味及び試験用試料の味への影響を15名のパネラーによるパネルテストで判定した。パネラーは、実験3と同じ15名で、男性8名、女性7名の構成で、24℃でパネルテストを行った。その結果を表5に示す。なお、塩から味及び旨味の評価は、実験1又は実験3に準じて、試験用試料と同じ食塩濃度を有するα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質無添加のダシ汁(対照1又は2)とを比較して、対照に比して、低減する(低減)、差なし(無変)、強いと判断される(増強)、強いと明確に判定できる(著しく増強)の4段階で行った。また、試験用試料の食味評価については、試験用試料と同じ食塩濃度を有するα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質無添加のダシ汁(対照1又は2)とを比較して、対照に比して、顕著に塩から味と旨味が増強されてこくがあり美味しい(◎)、塩から味と旨味がバランス良く増強されて食味がはっきりしている(○)、差なし(△)、塩から味と旨味のバランスが悪く食味がぼけている(×)の4段階で評価した。何れの官能評価結果も、試験用試料について最も多くのパネラーの評価した段階を、その試験用試料の評価とした。また、今回の官能評価では、何れの試験用試料の場合にも、15名中12名以上が同じ段階の判定を行った。
Figure 2009082070
表5から明らかなように、試験用試料のダシ汁は、α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質を、無水物換算で、1.5%以上共存させた場合、塩から味及び旨味をバランス良く増強して、その食味を向上できることが判明した。しかも、2.6%或いは4.3%のα,α−トレハロースの糖質誘導体を共存させた場合、塩から味及び旨味が著しく増強されて、食味はさらに向上した。この結果は、α,α−トレハロースの糖誘導体を共存せしめることにより、食塩とイノシン酸ナトリウムなどイノシン酸系の旨味成分とを含む調味料や飲食物の塩から味や旨味をバランス良く増強し、結果として、食味を損なうことなく塩化ナトリウムやナトリウム系調味料の使用量を低減させた、飲食物の製造が容易となり、ナトリウムの過剰摂取が危険因子とされている循環器系疾病の患者や病後の虚弱者、乳幼児、高齢者などのための治療食、予防食などとして有利に利用できることを物語っている。
<実験6>
<塩化ナトリウム及びイノシン酸ナトリウム含有水溶液の塩から味及び旨味増強に与えるα,α−トレハロースの糖質誘導体濃度の影響>
実験1乃至5により、α,α−トレハロースの糖質誘導体を共存させることにより、塩化ナトリウムの塩から味やカツオ節のダシ汁の旨味が増強されることが確認されたので、カツオダシの旨味成分であるイノシン酸ナトリウムを使用して、塩化ナトリウム及びイノシン酸ナトリウム含有水溶液の塩から味及び旨味増強に与えるα,α−トレハロースの糖質誘導体濃度の影響を調べた。糖質として実験1で使用したα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質を使用し、無水物換算で、塩化ナトリウム、イノシン酸ナトリウム及びα,α−トレハロースの糖質誘導体が表6に示す配合割合となるように試験水溶液を調製した。これら試験水溶液の、塩から味、旨味及び試験水溶液の食味への影響を15名のパネラーによるパネルテストで判定した。パネラーは、実験3と同じ15名で、男性8名、女性7名の構成で、24℃でパネルテストを行った。その結果を表6に示す。なお、塩から味及び旨味の評価は、実験1又は実験3に準じて、対象とする試験水溶液と同じ濃度の塩化ナトリウムとイノシン酸ナトリウムを含有する対照とを比較して、減衰する(低減)、強いと判断される(増強)、強いと明確に判定できる(著しく増強)の4段階で行った。また、試験水溶液の食味評価については、試験水溶液に添加したα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質に替えて、その甘味と同等の甘味となるように砂糖を添加した以外は同じ配合組成の対照を調製し、その対照と比較して、顕著に塩から味と旨味が増強されてこくがあり美味しい(◎)、塩から味と旨味がバランス良く増強されて食味がはっきりしている(○)、差なし(△)、塩から味と旨味のバランスが悪く食味がぼけている(×)の4段階で評価した。何れの官能評価結果も、試験水溶液について最も多くのパネラーの評価した段階を、その試験水溶液の評価とした。また、今回の官能評価では、何れの試験水溶液の場合にも、15名中13名以上が同じ段階の判定を行った。
Figure 2009082070
表6から明らかなように、塩化ナトリウムとイノシン酸ナトリウムとを含有する試験水溶液は、α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質を、無水物換算で、0.5%以上共存させた場合、旨味の増強のみでなく、塩から味も増強できることが判明した。しかも、イノシン酸ナトリウムの旨味は、0.5%の塩化ナトリウムが共存すると、0.5%或いは8%のα,α−トレハロースの糖質誘導体を共存させた場合、0.1%の塩化ナトリウム共存下では「強い」とされた評価が、「著しく増強」と評価されており、1%の塩化ナトリウム共存下では、同様に0.5%、8%或いは10%のα,α−トレハロースの糖質誘導体を共存させた場合に、旨味の増強が認められた。
この結果は、α,α−トレハロースの糖質誘導体を使用することにより、塩化ナトリウムやイノシン酸ナトリウムなどナトリウム系調味料の塩から味や旨味を増強することが可能で、中でも、0.5%以上の塩化ナトリウムの存在下で、イノシン酸系調味料の旨味を顕著に増強することができることを物語っている。また、イノシン酸を添加する飲食物やその原料は、α,α−トレハロースの糖質誘導体を共存せしめることで、食味を損なうことなく、塩化ナトリウムやイノシン酸ナトリウムなどのナトリウム系調味料の使用量を低減させることが容易となり、ナトリウムの過剰摂取が危険因子とされている循環器系疾病の患者や病後の虚弱者、乳幼児、高齢者などのための治療食、予防食などとして有利に利用できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
<減塩醤油>
市販のα,α−トレハロースの糖質誘導体無含有の減塩醤油(キッコーマン株式会社、商品名「特撰丸大豆減塩醤油」、塩化ナトリウム8.9%含有)にα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質(株式会社林原商事販売、商品名「ハローデックス」)を5%溶解共存させて、塩から味とともに旨味を増強させた減塩醤油を製造した。本品は、α,α−トレハロースの糖質誘導体無含有の減塩醤油と比較して、明らかに塩から味及び旨味を増強しており、減塩品でありながら、通常品と同様に煮物、惣菜、焼物、汁物などの調味に有利に利用でき、食品の風味を楽しむことができる。また、本品は循環器系疾病患者の治療促進、生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防・改善、美容、健康の維持・増進などに有利に利用できる。
<減塩味噌>
市販のα,α−トレハロースの糖質誘導体無含有の減塩味噌(株式会社竹屋、商品名「タケヤみそ塩ひかえ目」、塩化ナトリウム10.4%含有)にα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質(株式会社林原商事販売、商品名「ハローデックス」)を6%溶解共存させて、塩から味とともに旨味を増強させた減塩味噌を製造した。本品は、α,α−トレハロースの糖質誘導体無含有の減塩味噌と比較して明らかに塩から味とともに旨味を増強しており、減塩品でありながら通常品と同様に、煮物、惣菜、焼物、汁物などの調味に有利に利用でき、食品の風味を楽しむことができる。また、本品は循環器系疾病患者の治療促進、生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防・改善、美容、健康の維持・増進などに有利に利用できる。
<減塩麺つゆ>
水60部に対し昆布1質量部を加えて加熱し、沸騰したら、実験3の方法に準じて、カツオ節を加え、カツオ節の配合量が3%の昆布ダシ入りのダシ液を調製した。このダシ液を使用し、糖質として、砂糖(ショ糖:市販のグラニュー糖)、実験1で使用したα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質、α,α−トレハロース及びプルランを使用して、表7に示す配合によりかけうどん用の麺つゆを調製した。これらの麺つゆを10名のパネラーにより官能評価を行った結果を表7に併せて示す。なお、プルラン以外の糖質の添加量は、通常、麺つゆの調製で使用される砂糖(0.5%)の甘味と同等となる量とした。また、官能評価は、塩から味及び旨味は糖質無添加の麺つゆと比較し、実験5に準じて行い、併せて、麺つゆの食味への影響について官能評価を行い、その結果を併せて表7に示す。なお、食味への影響の評価は、砂糖を添加した通常の麺つゆ(比較例1)と比べて、顕著に塩から味と旨味が増強されてこくがあり美味しい(◎)、塩から味と旨味がバランス良く増強されて食味がはっきりしている(○)、差なし(△)、塩から味と旨味のバランスが悪く食味がぼけている(×)の4段階で評価した。何れの官能評価も、各麺つゆについて最も多くのパネラーの評価した段階を、その麺つゆの食味の評価とした。また、今回の官能評価では、何れの糖質を添加した麺つゆの場合にも、10名中9名以上が同じ段階の判定を行った。
Figure 2009082070
表7から明らかなように、α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質を添加した麺つゆ(実施例3)は、塩から味と共に、昆布及びカツオ節に由来する旨味がバランス良く増強され、砂糖を使用した場合(比較例1)よりもこくがあり食味に優れ、その美味しさが引き立った。α,α−トレハロースを使用した場合(比較例2)にも弱いながら、塩から味と旨味が増強され、砂糖を使用した通常の麺つゆに比べて美味しいと評価された。マルトース又はプルランを使用した場合には、塩から味や旨味の増強は認められなかった。この結果は、α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質を使用することにより、砂糖を使用する場合よりも、麺つゆの塩から味と旨味がバランス良く増強されて、麺つゆを一層美味しくできることを物語っている。また、本品は、醤油の使用量を減じても美味しさが保持されるので、循環器系疾病患者の治療促進、生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防・改善、美容、健康の維持・増進などに有利に利用できる。
<濃縮ダシつゆ>
水60部に対し昆布1質量部を加えて加熱し、沸騰したら、実験3で使用したカツオ節6質量部を加え、さらに、5分間加熱し後、クッキングペーパーで濾過し、水を加えて60質量部のダシ汁を調製した。このダシ汁60質量部に、食塩3.5質量部、α、α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質(株式会社林原商事販売、商品名「ハローデックス」)5質量部、α、α−トレハロース(株式会社林原商事販売、商品名「トレハ」)1質量部、砂糖5質量部、グルタミン酸ナトリウム1質量部、イノシン酸二ナトリウム0.1質量部、本みりん4質量部、濃い口醤油20質量部、糖転移ヘスペリジン(株式会社林原商事販売、商品名「林原ヘスペリジンS」)0.2質量部を加え、加熱しながら混合溶解して、濃縮ダシつゆを調製した。本品はそのままで、或いは3乃至7倍程度に水やお湯で希釈して、豆腐や麺類のつゆとして使用することができる。また、本品は、α,α−トレハロースの糖質誘導体無含有の濃縮ダシつゆと比較して明らかに塩から味とともにカツオ節及び昆布由来の旨味が増強しており、異味や異臭もなく、減塩品でありながら食味に優れている。また、本品は循環器系疾病患者の治療促進、生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防・改善、美容、健康の維持・増進などに有利に利用できる。
<すきやきのたれ>
水500質量部、α、α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質(株式会社林原商事販売、商品名「ハローデックス」)12質量部、α、α−トレハロース(株式会社林原商事販売、商品名「トレハ」)3質量部、砂糖5質量部、グルタミン酸ナトリウム3.5質量部、イノシン酸二ナトリウム0.2質量部、グアニル酸ナトリウム0.05質量部、本みりん100質量部、減塩醤油90質量部、糖転移ヘスペリジン(株式会社林原商事販売、商品名「林原ヘスペリジンS」)0.5質量部を加え、加熱しながら混合溶解して、すきやきのたれを調製した。本品は、α,α−トレハロースの糖質誘導体無含有のすきやきのたれと比較して明らかに塩から味とともに旨味が増強しており、異味や異臭もなく、減塩品でありながら食味に優れている。また、本品は循環器系疾病患者の治療促進、生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防・改善、美容、健康の維持・増進などに有利に利用できる。
<関東風おでんのつゆ>
実施例3でカツオ節と昆布で調製したダシ液(カツオ節の配合量が3%)を使用して、表8に示す配合により、関東風おでんのつゆを調製した。また、対照(比較例)として、砂糖のみを使用したおでんつゆを調製した。調製したおでんつゆの、塩から味、旨味及び食味について、10名のパネラーにより、実施例3と同じ判定基準により官能評価を行い、その結果を表8に併せて示す。また、今回の官能評価では、何れの評価項目についても、10名中8名以上が同じ段階の判定を行った。
Figure 2009082070
表8から明らかなように、本品は、対照のおでんつゆに比べて明らかに塩から味とともにカツオ節及び昆布由来の旨味が増強しており、異味や異臭もなく、減塩品でありながら食味に優れている。また、本品は循環器系疾病患者の治療促進、生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防・改善、美容、健康の維持・増進などに有利に利用できる。
<減塩すし酢>
穀物酢30質量部に対し、砂糖18質量部、塩化ナトリウム4質量部及びα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質(株式会社林原商事販売、商品名「ハローデックス」)6質量部を混合して、減塩すし酢を製造した。また、α,α−トレハロースの糖質誘導体を使用しなかった点を除いて、同様にして対照の減塩すし酢を製造した。対照の減塩すし酢は食味がぼけているのに対し、本発明の減塩すし酢は、塩化ナトリウムとα,α−トレハロースの糖質誘導体とを含有し、塩から味とともに旨味を増強しており、減塩品でありながら、通常品と同様にすし飯に利用して、その風味を楽しむことができる。
<減塩炊き込みご飯の素>
薄口醤油100質量部、酒50質量部、塩化ナトリウム5質量部及びα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質(株式会社林原商事販売、商品名「ハローデックス」)60質量部を配合して調味液を調製し、次いで、この調味液に、適当に細断したごぼう100質量部、しいたけ150質量部、とり肉300質量部、人参150質量部、油揚げ100質量部、こんにゃく100質量部、ねりごま10質量部、L−グルタミン酸モノナトリウム1質量部、イノシン酸二ナトリウム0.1質量部を加えて加熱調理し、これに、予めプルラン及び寒天3質量部ずつを水130質量部に加熱溶解した溶液を混ぜ合わせて、減塩炊き込みご飯の素を製造した。本品は、適量の炊飯米と混ぜて減塩炊き込みご飯とする。また、α,α−トレハロースの糖質誘導体を使用しなかった点を除いて、同様にして対照の減塩炊き込みご飯の素を製造した。対照の減塩炊き込みご飯の素が食味がぼけているのに対し、本発明の減塩炊き込みご飯の素は、塩化ナトリウム、α,α−トレハロースの糖質誘導体及びL−グルタミン酸モノナトリウムなどを含有し、塩から味とともに旨味を増強しており、減塩品でありながら食味に優れている。また、本品は循環器系疾病患者の治療促進、生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防・改善、美容、健康の維持・増進などに有利に利用できる。
<肉じゃが>
実施例3でカツオ節と昆布を用いて調製した、ダシ液(カツオ節の配合量が3%)を使用して、表9に示す配合により調製した煮汁を使用して肉じゃがを調製した。また、対照(比較例)として、砂糖のみを使用した煮汁使用して同様に肉じゃがを調製した。調製した肉じゃがの塩から味、旨味及び食味について、10名のパネラーにより、実施例3と同じ判定基準による官能評価を行い、その結果を表9に併せて示す。また、今回の官能評価では、何れ評価項目についても、10名中8名以上が同じ段階の判定を行った。
Figure 2009082070
本品は、砂糖のみを使用した対照の肉じゃがに比べて明らかに塩から味と共にカツオ節及び昆布由来の旨味が増強しており、異味や異臭もなく、減塩品でありながら食味に優れている。また、本品は循環器系疾病患者の治療促進、生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防・改善、美容、健康の維持・増進などに有利に利用できる。
<減塩あじの開き干し>
水1000質量部に塩化ナトリウム100質量部及びα,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質(株式会社林原商事販売、商品名「ハローデックス」)75質量部を溶解した調味液に常法に従って開いたあじを30分間浸漬し、次いで、30℃の温風で1時間乾燥させて減塩あじの開き干しを製造した。また、α,α−トレハロースの糖質誘導体を使用しなかった点を除いて、同様にして対照の減塩あじの開き干しを製造した。対照の減塩あじの開き干しは食味がぼけているのに対し、本発明の減塩あじの開き干しは、塩化ナトリウムとα,α−トレハロースの糖質誘導体とを含有し、塩から味とともに旨味を増強しており、減塩品でありながら通常品以上に食味が優れているだけでなく色、艶ともに食欲をそそる製品である。また、本品は循環器系疾病患者の治療促進、生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防・改善、美容、健康の維持・増進などに有利に利用できる。
<減塩ビーフジャーキー>
牛もも肉1000質量部を、常法に従って、肉の筋に沿って5mmの厚さに切り、これに塩化ナトリウム15質量部、α,α−トレハロースの糖質誘導体含水結晶(株式会社林原商事販売、商品名「ハローデックス」)40質量部、醤油80質量部、赤ワイン200質量部、及び適量のオニオン、ガーリック、チリパウダー、胡椒及びタバスコからなる香辛料を混ぜ合わせ、冷蔵庫内で12時間塩漬し、次いで流水で肉のアクや香辛料を洗い流し、1日通風乾燥させ、さらに60℃の器内で5時間乾燥させ、続いて1時間スモークして減塩ビーフジャーキーを製造した。また、α,α−トレハロースの糖質誘導体を使用しなかった点を除いては、同様にして対照の減塩ビーフジャーキーを製造した。対照の減塩ビーフジャーキーは食味がぼけているのと比較して、本発明のビーフジャーキーは、塩化ナトリウムとα,α−トレハロースの糖質誘導体とを含有し、塩から味とともに旨味を増強しており、減塩品でありながら通常品と同様に風味が優れており、加えて、色、艶ともに食欲をそそる製品である。
<減塩佃煮>
常法に従って、砂取り、酸処理して角切りした昆布250質量部に醤油180質量部、アミノ酸液318質量部、α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質(株式会社林原商事販売、商品名「ハローデックス」)100質量部及びショ糖20質量部を加えて煮込みつつ、さらにL−グルタミン酸モノナトリウム12質量部及びカラメル8質量部を加えて炊き上げ、昆布の減塩佃煮を得た。また、α,α−トレハロースの糖質誘導体を使用しなかった点を除いて、同様にして対照の減塩佃煮を製造した。対照の減塩佃煮は食味がぼけているのに対し、本発明の減塩佃煮は、塩化ナトリウム、α,α−トレハロースの糖質誘導体及びL−グルタミン酸モノナトリウムなどを含有し、塩から味とともに旨味を増強しており、減塩品でありながら、通常品と同様に、風味が優れており、加えて色、艶ともに食欲をそそる製品である。また、本品は循環器系疾病患者の治療促進、生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防・改善、美容、健康の維持・増進などに有利に利用できる。
<減塩即席コーンポタージュスープ>
α−化コーン粉末30質量部、α−化澱粉5質量部、α−化ポテトスターチ4質量部、α−化ワキシーコーンスターチ12質量部、塩化ナトリウム7質量部、α,α−トレハロースの糖質誘導体含有糖質(株式会社林原商事販売、商品名「ハローデックス」)10質量部、脱脂粉乳7質量部、オニオンパウダー0.5質量部を磨砕してよく混合した後、これにソルビタン脂肪酸エステル0.5質量部と植物性硬化油9質量部とを加熱融解したものを添加して混合し、これを流動層造粒機に仕込み、少量の水をスプレーして造粒した後、70℃の熱風で乾燥し、篩分けして減塩即席コーンポタージュスープを製造した。本品は、熱湯を注げば容易に分散し、風味の優れたスープとなる。また、α,α−トレハロースの糖質誘導体を使用しなかった点を除いて、同様にして対照の減塩即席コーンポタージュスープを製造した。対照の減塩即席コーンポタージュスープは食味がぼけているのに対し、本発明の減塩即席コーンポタージュスープは、塩化ナトリウムとα,α−トレハロースの糖質誘導体とを含有し塩から味とともに旨味を増強しており、減塩スープとして、循環器系疾病患者の治療促進、生活習慣病メタボリックシンドロームの予防・改善、美容、健康の維持・増進などに有利に利用できる。
以上述べたように、本発明は、α,α−トレハロースの糖質誘導体を用いることを特徴とする飲食物の塩から味増強方法及び/又は旨味増強方法に関するもので、従来、減塩飲食物が一般に薄味で物足りなさを覚えていたのに対し、本発明により、減塩飲食物でありながら通常の飲食物と同様に食味が充実し、満足のいく食生活を楽しむことができるようになった。併せて、1日当たりの塩化ナトリウムの摂取量を大幅に低減できるので、高血圧、腎疾患、心疾患などの循環器系疾病患者の回復促進や生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防・改善、さらには美容、健康の維持・増進に大きく貢献できる。従って、本発明の確立は、食品業界、医薬、保健業界を含めて関連業界に与える産業的意義が極めて大きい。

Claims (16)

  1. α,α−トレハロースの糖質誘導体を用いることを特徴とする飲食物又はその原料の塩から味及び/又は旨味増強方法。
  2. 飲食物又はその原料が、塩化ナトリウムを含有しているか、及び/又は、塩化ナトリウムを含有せしめられるものである請求項1記載の飲食物又はその原料の塩から味及び/又は旨味増強方法。
  3. 塩化ナトリウムの量が、無水物換算で、飲食物又はその原料に対して、0.5質量%以上であることを特徴とする請求項2記載の飲食物又はその原料の塩から味及び/又は旨味増強方法。
  4. 飲食物又はその原料が、旨味成分を含有しているか、及び/又は、旨味成分を含有せしめられるものである請求項1乃至3の何れかに記載の飲食物又はその原料の塩から味及び/又は旨味増強方法。
  5. α,α−トレハロースの糖質誘導体を、無水物換算で、飲食物又はその原料に対して、0.5質量%以上の量で用いることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の塩から味及び/又は旨味増強方法。
  6. α,α−トレハロースの糖質誘導体を、無水物換算で、飲食物又はその原料に対して、0.5乃至10質量%の量で用いることを特徴とする請求項5記載の塩から味及び/又は旨味増強方法。
  7. α,α−トレハロースの糖質誘導体を、飲食物又はその原料に、添加及び/又は含有せしめる形で共存させることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の飲食物又はその原料の塩から味及び/又は旨味増強方法。
  8. 請求項1乃至7の何れかに記載の塩から味及び/又は旨味増強方法によって塩から味及び/又は旨味増強が図られた飲食物又はその原料。
  9. 飲食物又はその原料が、減塩飲食物又はその原料である請求項8記載の飲食物又はその原料。
  10. 飲食物が、調味料、菓子、穀類加工品、漬物、乳製品、畜肉製品、魚肉製品、発酵食品、塩辛、珍味、塩蔵品、塩干物、惣菜、煮物、ビン缶詰、清涼飲料、ケーキミックス及び即席飲食物から選ばれる請求項8又は9記載の飲食物又はその原料。
  11. 請求項1乃至7の何れかに記載の塩から味及び/又は旨味増強方法によって塩から味及び/又は旨味増強を図ることを特徴とする飲食物又はその原料の製造方法。
  12. 飲食物又はその原料が、減塩飲食物又はその原料である請求項11記載の飲食物又はその原料の製造方法。
  13. α,α−トレハロースの糖質誘導体を含有してなる塩から味及び/又は旨味増強剤。
  14. α,α−トレハロースの糖質誘導体とともに、塩化ナトリウム、代替塩、他の塩から味増強剤、ミネラル強化剤、驕味・驕臭剤、旨味成分及び香辛料から選ばれる何れか1種又は2種以上を含有してなる請求項13記載の塩から味及び/又は旨味増強剤。
  15. 旨味成分がイノシン酸系の旨味成分である請求項14記載の塩から味及び/又は旨味増強剤。
  16. 驕味・驕臭剤がルチン、ヘスペリジン、ナリンジン及びこれらの誘導体から選ばれる何れか1種又は2種以上である請求項14又は15記載の塩から味及び/又は旨味増強剤。
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