JP2023173817A - 異味抑制用の麹菌組成物 - Google Patents

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Yuki Saito
聖太 江藤
Shota Eto
忠与次 勝又
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Abstract

【課題】従来よりも飲食品の異味を抑制することのできる麹菌組成物および該麹菌組成物を用いた飲食品の風味改良方法を提供することを課題とする。【解決手段】酵母菌体、酵母エキス等を抽出した後の酵母菌体などの酵母細胞壁を含む液体培地で麹菌を培養することにより得られる麹菌組成物に従来よりも飲食品の異味をマスキングできることを見出した。【選択図】なし

Description

本発明は、食品の異味をマスキングする麹菌組成物に関するものである。
飲食品を口にしたとき、我々は多様な風味を感じる。飲食品の多様な風味は、基本味と呼ばれる、味覚の質を表す基本的な要素に加え、その他の種々の要素が複合的に関与している。
風味の中には好ましくない呈味として感じられるものがある。例えば、基本味の一つである苦味は、飲食品の味を作り上げる味質の一つであり、苦味がバランスよく組み込まれた飲食品は嗜好性が高いが、苦味が強すぎると不快な感覚が口腔内に広がり、嗜好性は著しく低下する。また、酸味に関しては、さわやかな酸味は好ましい味として扱われる場合があるが、舌を刺すような刺激のある酸味は異味として扱われ、敬遠される。渋味は収斂味とも言われ、タンニン系の味である。この味も緑茶の様な嗜好品の持つ淡い渋味はある程度好まれる味として認識されるが、渋柿に代表される強い渋味は嫌味として扱われ、一般に忌避される。エグ味は、いわゆる灰汁の味で、渋味と苦味を複合したような不快味であり、野菜などに多くみられる。また、青臭味は、野菜の持つ植物臭と渋味・エグ味が複合した不快味である。茎や葉由来の植物臭や、大豆臭は青臭味の一種と考えられる。また、容器由来の風味に影響する因子として、レトルト臭がある。これは直接的には味とはいえないが、味に密接に影響する臭いであり、シンプルな素材のレトルト製品でもレトルト臭が素材に移ってしまい、食品の嫌味となってしまう。また、レトルトのトマト製品や肉製品は、レトルト臭が強調され、他の加工方法で製造されたものと明らかに異なる味になってしまう。このようなことから、レトルト臭も異味の一種として扱うことができる。
また、この他にも、いがらっぽい味、金属味、アルカリ味等のほか、これらが混在して感じられる不快感を伴う味などは好ましくない風味、すなわち、異味として扱われることがある。
上記のような好ましくない風味を低減するため、種々の有効成分が配合された添加剤がこれまで開発されている。例えば、特許文献1には、飲食品の苦味、渋味、酸味、青臭味、エグ味を改善する呈味改善剤として、ヘスペリジン配糖体を単独で、あるいはヘスペリジン配糖体とヘスペリジンとを組み合わせて使用することが記載されている。特許文献2には、テアニンを有効成分とする風味改善組成物が記載されている。更に、特許文献3には、塩類の苦味やエグ味、魚肉の生臭み、植物性タンパクの臭いをマスキングする効果のある酵母エキス組成物が記載されている。特許文献4には、γ-アミノ酪酸によるアミノ酸及び/又は核酸の味質改善方法が記載されている。また、特許文献5には、フラボンの一種であるオリエンチンを用いて苦味を抑制する方法が示されている。特許文献6にはメチルサリシレートを有効成分として含有する苦味抑制剤の記述がある。しかしながら、これらは植物などから抽出分離する必要があるため、より簡便に苦味抑制をする方法が求められていた。特許文献7には酵母由来ペプチドを有効成分とし、5'-リボヌクレオチド類や旨みアミノ酸類を含有する事を特徴とする苦味マスキング剤についての記述がある。特許文献8には、不快な苦味を有する一般経口製品に、ペプチド含量が5重量%以上、RNA含量が5重量%以上、遊離アミノ酸含量が4重量%以下、望ましくはさらに食物繊維含量が15重量%以上である酵母エキスを添加する方法が示されている。特許文献9には、米麹に含まれるデフェリフェリクリシンに不快臭抑制効果があることが知られている。特許文献10には、麹由来原料にトマトの口腔香に対するマスキング効果が得られるこが示されている。
他方、特許文献11では、食品工業において大量に副生される酵母細胞壁を原料として用いることで、資源の有効利用を目的に酵母細胞壁を含む培地で麹菌を培養することにより抗菌性物質が得られることが知られている。
しかしながら、酵母細胞壁を含む液体培地で麹菌を培養することにより得られる麹菌組成物が飲食品の異味をマスキングできることは知られていなかった。
特開平11-318379号公報 特開平9-313129号公報 特開昭61-249362号公報 特開2004-275098号公報 特開2012-85604号公報 特開2012-95646号公報 特開2009-278917号公報 特開2015-019655号公報 特開2019-154282号公報 特開2014-168458号公報 WO2018/056271
本発明は、異味抑制用の麹菌組成物、および当該麹菌組成物を用いた異味マスキング方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、酵母菌体又は酵母菌体残渣などの細胞壁分解酵素処理物を含む液体培地で麹菌を培養することにより得られる麹菌組成物が異味をマスキングできることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)酵母細胞壁を含む液体培地で麹菌を培養することにより得られる異味抑制用の麹菌組成物、
(2)液体培地中における、酵母細胞壁(乾燥物換算)が0.1~10重量%である、前記(1)記載の異味抑制用の麹菌組成物、
(3)(1)又は(2)記載の異味抑制用の麹菌組成物を用いた飲食品の風味改良方法、
(4)酵母細胞壁を含む液体培地で麹菌を培養する工程を含む異味抑制用の麹菌組成物の製造方法、
(5)前記液体培地中における、酵母細胞壁(乾燥物換算)が0.1~10重量%である、前記(4)記載の異味抑制用の麹菌組成物の製造方法、
に係るものである。
本発明によれば、食経験があり安全性が認められている麹菌と、酵母菌体または酵母菌体から取得できる酵母細胞壁画分を用いて得られる麹菌組成物を経口製品に少量添加するだけで、その経口製品の不快な異味を抑制することができ、味にまとまりをもたせ、自然な風味を付与することができる。本発明の麹菌組成物は、アレルゲン性が低いため、安全性の高い異味抑制剤を得ることができる。
本発明でいう異味とは苦味、渋味、収斂味、酸味、青臭味、エグ味、植たん味、いがらっぽい味、金属味、アルカリ味および、レトルト臭からなる群から選択される一種または二種以上のことをいう。
本発明の麹菌組成物の製造に用いる麹菌とは、発酵食品の製造に利用され、食経験を有するアスペルギルス属糸状菌を指す。代表的なものとしては、醸造食品製造において食経験豊富なアスペルギルス属糸状菌として、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)であり、好ましくはそのうち白色変異株である。
本発明の実施において、麹菌を培養する培地は液体培地が好ましく、当該培地には酵母細胞壁を含有させる。酵母細胞壁としては、それを主成分とする酵母菌体をそのまま用いてもよく、また酵母菌体から精製して得られた酵母細胞壁画分を用いてもよい。
原料として用いる酵母菌体は、好ましくは、酵母エキスを抽出した際に排出される酵母エキス残渣か、ビール生産において排出されるビール酵母菌体である。酵母の種類としてはトルラ酵母、パン酵母、ビール酵母等があり、具体的には、トルラ酵母由来の「KR酵母」(興人ライフサイエンス社製)を用いることもできる。
酵母細胞壁画分は、酵母菌体から以下のようにして取得して、培地成分として使用することもできる。
酵母菌体に、細胞壁溶解酵素を添加し、望ましくは30℃以上にて1~6時間作用させる。そこで添加する細胞壁溶解酵素としてはグルカナーゼとマンナナーゼがあるが、本発明においては、細胞壁溶解酵素としてプロテアーゼ活性をほとんど有さないものを用いることが重要である。具体的には、ストレプトマイセス属由来のβグルカナーゼ「デナチームGEL」(ナガセケムテックス社製)、Taloromyces属由来のβグルカナーゼ「Filtrase BRX」(DSMジャパン社製)等がある。もしプロテアーゼを含有する酵素製剤を用いる場合には、酵素製剤中のプロテアーゼが作用しないような温度またはpHで作用させる必要がある。
酵母菌体に細胞壁溶解酵素を作用させた後は、60℃以上で20分以上加熱処理した後、遠心分離機にて細胞壁を主とする画分と蛋白質を主とする画分に分離し、細胞壁を主とする画分を酵母細胞壁画分とする。このようにして得られた酵母細胞壁画分の乾燥物中のグルカン・マンナン総含量は概ね40%以上である。
酵母菌体、または前記の方法で得られた酵母細胞壁画分を含有する培地を調製し、麹菌を培養する。培地中の酵母細胞壁画分の含量は、乾燥物換算で0.1~10重量%が望ましく、より望ましくは0.2重量%以上、さらに望ましくは0.5重量%以上である。酵母細胞壁画分の代わりに酵母菌体そのものを用いる場合は、酵母菌体のうちの細胞壁に相当する量が、前記の範囲に入るようにすることが望ましく、具体的には、培地中の酵母菌体の含量は乾燥物換算で0.2~40重量%が望ましい。
培地は、未乾燥または乾燥後の酵母細胞壁画分を主成分として用いてもよいし、一般的な培地に酵母細胞壁画分を添加して調製したものでも良い。
未乾燥または乾燥後の酵母細胞壁画分を培地の主成分とする場合、培地中の糖濃度は2重量%以上が好ましいため、糖を外添する必要がある。酵母細胞壁画分として、β-1,3/1,6-グルカンに作用するグルカナーゼを作用させて、グルカンをグルコースまで分解したものを用いた場合は、酵母細胞壁画分からのグルコースの持ち込みがあるため、グルコース濃度を測定し、その足りない部分を外添すると良い。
糖としては、資化可能な任意の単糖類や二糖類、三糖以上の多糖類、デンプン、さらに、ショ糖製造時に副産物として生じるモラセス(廃糖蜜)のような混合糖類などを利用でき、特に制限は無い。好ましくはグルコースである。
酵母菌体または酵母細胞壁画分を含有する培地に、麹菌を接種して培養する。麹菌とは、発酵食品の製造に利用され、食経験を有するアスペルギルス属糸状菌を指す。代表的なものとしては、醸造食品製造において食経験豊富なアスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)である。
麹菌を接種した後、培養中はpHをコントロールすることなく培養してよい。麹菌を植菌した後の培養温度は、30℃以下で培養する。
液体培養は振とう培養や通気撹拌培養によるバッチ培養、または連続培養や通電による電気培養法も利用できる。好ましくはジャーファーメンターによる通気撹拌培養であり、溶存酸素は高いほうがよく、1ppm以上が好ましい。
麹菌の培養時間は、特に限定されるものではないが、通常24時間から168時間である。
本発明では、培養液から菌体成分を除去した培養液を使用する。培養液は、そのまま使用または保存しても良いし、乾燥して固形組成物としてもよい。菌体成分の除去方法は、凍結または粉末化して保存する。
本発明の麹菌組成物は組成物そのものを異味抑制剤とすることも可能であるが、他の飲食品に用いられる原料を用いることもできる。本発明の麹菌組成物を含む異味抑制剤を製造するには、賦形剤等の目的で食品用に利用可能な原料を用いることができる。
また、本発明の別の態様によれば、上記異味抑制用の麹菌組成物を飲食品へ添加する飲食品の風味改良方法が提供される。
本発明の風味改良とは、飲食品の異味を抑制し、味全体を調えることをいう。風味を改良させるための本発明の麹菌組成物の飲食品への添加量としては、好ましくは0.0001~1.5質量%となる量であり、より好ましくは0.001~1.5質量%となる量であり、さらに好ましくは0.01~1.5質量%となる量であり、さらに一層好ましくは0.025~1.0質量%となる量である。0.0025重量%より少ない添加量では明瞭な効果が認められず、また、1.0重量%より多く添加すると、麹菌組成物自体の風味が感じられることがあり、またコスト面でも好ましくない。
本発明の異味抑制用の麹菌組成物が添加される飲食品は、液体、固体、または半固体のいずれの形態のものであってもよく、例えば、飲料(例えば、コーヒー)、食酢、味噌、醤油、畜肉エキス、家禽エキス、魚介エキス、酵母エキス、蛋白質加水分解物等の天然調味料、スパイス類、ハーブ類等の香辛料、たれ、だし、ドレッシング、マヨネーズ、トマトケチャップ、トマトソース、ソース等の調味料、吸い物、コンソメスープ、卵スープ、ワカメスープ、フカヒレスープ、ポタージュ、味噌汁等のスープ類、麺類(そば、うどん、ラーメン、パスタ等)のつゆ、スープ、ソース類、おかゆ、雑炊、お茶漬け等の米調理食品、ハム、ソーセージ、チーズ等の畜産加工品、団子、そぼろ、かまぼこ、干物、塩辛、珍味等の水産加工品、漬物等の野菜加工品、ポテトチップス、煎餅、クッキー等のスナック菓子類、煮物、揚げ物、焼き物、カレー等の調理食品等、果汁・野菜汁飲料、豆乳、牛乳、乳加工品、炭酸飲料、スポーツドリンク、栄養補助飲料、コーヒー、紅茶、日本茶、麦茶、雑穀茶などの各種茶飲料、焼酎、日本酒、ビール等のアルコール類等、ビタミン剤などのサプリメント等が挙げられる。本発明の麹菌組成物が添加される飲食品が調味料である場合には、本発明の麹菌組成物が添加された調味料を他の飲食品に添加してもよい。
本発明の風味改良方法は、本発明の異味抑制用の麹菌組成物に関する上記記載に基づいて実施することができる。飲食品に使用可能な他の添加物の添加は、本発明の異味抑制用の麹菌組成物の添加と同時であっても別々であってもよい。さらに、異味抑制用の麹菌組成物を飲食品に使用可能な他の添加物と混合して、飲食品へ添加してもよい。異味抑制用の麹菌組成物の飲食品へ添加は、飲食品を異味抑制用の麹菌組成物へ添加する態様も含まれる。
本発明の別の態様によれば、本発明の異味抑制用の麹菌組成物を添加してなる飲食品が挙げられる。また、飲食品を本発明の異味抑制用の麹菌組成物に添加してもよく、または飲食品と、本発明の異味抑制用の麹菌組成物と混合して用いても良い。本発明の異味抑制用の麹菌組成物が添加される飲食品および添加方法等については上記と同様である。
以下の実施例により、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、特に断らない限り、「%」は重量%を意味する。
<製造例1>
(1)麹菌の調製
麹菌としては、味噌用のA.oryzae No.2007(樋口松之助商店社製)を用いた。単離・純粋培養した菌を、ポテトデキストロース寒天斜面培地(日水製薬株式会社製)に割線後、30℃で72時間培養し、適宜寒天培地ごと切り出して下記液体培養に用いた。
(2)酵母細胞壁成分入り液体培地の調製
酵母エキス抽出残渣である「KR酵母」(興人ライフサイエンス社製)、デキストリン「サンデック#70」(三和澱粉工業社製)、そしてグルコースをそれぞれ2%、2%、4%となるよう水にて調整、懸濁し、液体培地とした。
(3)麹菌の培養
麹菌の培養はラボスケールジャーファーメンターを用いて実施した。2L容ジャーファーメンターに前述のとおり酵母細胞壁成分入り液体培地1Lを移しオートクレーブした後、ポテトデキストロース寒天斜面培地から切り出した麹菌を植菌した。30℃で120時間撹拌培養した。培養終了後、培養液を10000rpm、15分間遠心分離し、上清を回収した。上清液は「FreeZone-2.5」(LABCONCO社製)を用いて乾燥することで、麹菌培養液の凍結乾燥粉末を得た。得られた凍結乾燥粉末を製造例1の組成物とした。
<製造例2>
製造例1において、 KR酵母に代えて「乾燥ビール酵母BY-G」(三菱商事ライフサイエンス社製)を用いた以外は製造例1の(2)、(3)と同様の操作で麹菌を培養し、得られた粉末を製造例2の組成物とした。
<製造例3>
製造例1において、 A.oryzae No.2007に代えて「白麹2号」(秋田今野商店製)を用いた以外は製造例1の(2)、(3)と同様の操作で麹菌を培養し、得られた粉末を製造例3の組成物とした。
<製造例4>
製造例1において、 A.oryzae No.2007に代えて「山吹2号」(秋田今野商店製)を用いた以外は製造例1の(2)、(3)と同様の操作で麹菌を培養し、得られた粉末を製造例4の組成物とした。
<比較例1>
液体培地として、一般的に微生物培養に用いられるYPD培地を使用する以外は、製造例1と同様とした。
<実施例1>
酸味料として用いられるアジピン酸について、0.2%溶液に、製造例1~4の組成物または比較例1で得られた組成物を0.05%それぞれ添加した。溶解させたものについて、酸味の強さについて官能評価した。
官能評価は3名のパネルにより行った。何も添加しないアジピン酸溶液をコントロールとし、以下に示す5点尺度法にて酸味の評価を行った。各パネルの評点の平均とコメントを表1に示す。
5点:酸味が強くなっている
4点:酸味がやや強くなっている
3点:コントロールと同程度
2点:酸味がやや弱くなっている
1点;酸味が弱くなっている
Figure 2023173817000001
表の通り、製造例1~4では酢カドがとれてまろやかになったり、酸味がマスクされていることがわかる。一方、比較例は酸味を強めることはないが、異味異臭が生じている。
<実施例2>
日持ち向上剤に汎用されるチアミンラウリル硫酸塩溶液について、製造例1~4の組成物または比較例1で得られた組成物を0.05%それぞれ添加した。これらを官能評価したところ、製造例1~4を添加した試験区では後味に残るえぐみ、苦味が軽減されていた。
以上記載したごとく、本発明によれば、風味改良効果が高い、飲食品の異味を抑制する麹菌組成物を得ることができる。

Claims (3)

  1. 酵母細胞壁を含む液体培地で麹菌を培養することにより得られる異味抑制用の麹菌組成物。
  2. 液体培地中における、酵母細胞壁(乾燥物換算)が0.1~10重量%である、請求項1記載の異味抑制用の麹菌組成物。
  3. 請求項1又は2記載の異味抑制用の麹菌組成物を用いた飲食品の風味改良方法。
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