JPWO2013051335A1 - 収容装置 - Google Patents

Abstract

収容装置(10)は、ケーブル(100)を収容するハウジング(12)と、ハウジング(12)内に設けられた定滑車部(50)及び動滑車部(20)とを有する。ケーブル(100)は、定滑車部(50)の定滑車(60)と動滑車部(20)の動滑車(32)との間に架け渡される。ケーブル(100)の先端が引っ張られると、動滑車部(20)は案内ワイヤ(16)に沿って上昇し、ハウジング(12)からケーブル(100)が繰り出される。ケーブル(100)をハウジング(12)から引き出すのに要する力の調整のために、第1 錘(18)又はばね(150、152)が使用される。動滑車部(20)は、上昇の途中で、第1 錘(18)を案内ワイヤ(16)上の支持部(16c)から持ち上げ、又はばね(150、152)を圧縮する。

Description

本明細書に開示の技術は、長尺物（例えば、充電ケーブル，電気コード，ホース等）を収容する収容装置に関する。

電気コード等の長尺物を収容する収容装置が開発されている（例えば、特開２０１０−５２８６１号公報）。特開２０１０−５２８６１号公報の収容装置は、筐体に回転可能に取付けられたドラムを有しており、ドラムの外周面に電気コードが巻き付けられる。電気コードは、使用時に必要な長さだけドラムから引出され、使用後はドラムに巻き取られる。

この種の収容装置では、使用後の長尺物を収容装置に自動的に収容できれば便利である。かかる機能を特許文献１の収容装置に付加しようとした場合、ばねによってドラムを巻き取り方向に付勢することが考えられる。このような構成を採用すると、長尺物を引き出す際にばねの付勢力に抗してドラムが回転し、ばねに弾性エネルギが蓄えられる。使用後は、ばねに蓄えられた弾性エネルギによってドラムが巻き取り方向に回転し、ドラムから引出された長尺物が自動的にドラムに巻き取られる。

しかしながら、ばねによってドラムを巻き取り方向に付勢する構成では、長尺物を引き出す長さが長くなるほど長尺物を引出すための操作力が増加し、操作者の操作力が過大となるという問題がある。かかる問題を解消するために、ドラムを付勢するばねのばね定数を小さくすれば、操作者の操作力が過大となることは防止できる。しかしながら、ドラムを付勢するばねのばね定数を小さくすると、ばねに蓄えられる弾性エネルギが小さくなり、ドラムを巻取り方向に付勢する力が小さくなる。このため、長尺物をドラムに安定して巻き取ることができないという事態が生じる。

本明細書は、長尺物を引き出すための操作力が過大となることを防止でき、かつ、引出された長尺物を安定して収容することができる収容装置を提供することを目的とする。

本明細書に開示のコード収容装置は、長尺物を収容する収容装置であって、ハウジングと、動滑車と、操作力調整機構と、案内機構を有している。動滑車は、長尺物の中間部が巻き付けられると共に、ハウジングに対して案内機構に案内されて上下方向に移動可能に設けられており、ハウジングに長尺物が収容された第１位置と、ハウジングから長尺物が引出された第２位置と、第１位置と第２位置の中間に設定された第３位置とに移動可能とされている。動滑車が第１位置から第２位置に向かって上方に移動すると、ハウジングに収容された長尺物がハウジングから引出される。一方、動滑車が第２位置から第１位置に向かって下方に移動すると、ハウジングから引出された長尺物がハウジングに収容される。操作力調整機構は、動滑車が第１位置と第３位置との間を移動するときは、動滑車を第１位置に向かって付勢する第１付勢力を発生し、動滑車が第３位置と第２位置との間を移動するときは、動滑車を第３位置に向かって付勢する第２付勢力を発生する。そして、第２付勢力が第１付勢力より大きい。なお、操作力調整機構が発生する「第１付勢力」は、「第２付勢力」より小さな力であればどのような値でもよい。したがって、「第１付勢力」が「０」であってもよく、この場合は、操作力調整機構は、「０」の「第１付勢力」を発生していることとなる。

この収容装置では、ハウジングに対して動滑車が案内機構に案内されて上下方向に移動することで、ハウジングに長尺物が収容された状態と、ハウジングから長尺物が引出された状態とに切替えられる。動滑車を上方向に移動させる力は、長尺物の自重や長尺物に作用する摩擦力等を無視すれば、動滑車が第１位置から第３位置の間を移動するときは動滑車の質量及び操作力調整機構が発生する「第１付勢力」によって決まる値となり、動滑車が第３位置から第２位置の間を移動するときは動滑車の質量及び操作力調整機構が発生する「第２付勢力」によって決まる値となる。動滑車及び操作力調整機構が発生する「付勢力」は調整可能であるため、長尺物を引き出すための操作力が過大となることを防止することができる。

一方、長尺物をハウジング内に収容するために必要な力は、ハウジングから引出されている長尺物の長さが長いと大きく、ハウジングから引出されている長尺物の長さが短いと小さくなる。このため、長尺物をハウジング内に収容する力を一定とし、かつ、ハウジングから引出されている長尺物の長さが長いときに適切な大きさとなるように設定すると、ハウジングから引出されている長尺物の長さが短いときは、その力が大きくなり過ぎる。一方、長尺物をハウジング内に収容する力を一定とし、かつ、ハウジングから引出されている長尺物の長さが短いときに適切な大きさとなるように設定すると、ハウジングから引出されている長尺物の長さが長いときは、その力が小さくなり過ぎる。上記の収容装置では、長尺物をハウジング内に収容する力は、動滑車が第２位置から第３位置の間を移動するときは動滑車の質量及び操作力調整機構が発生する「第２付勢力」によって決まる値となり、動滑車が第３位置から第１位置の間を移動するときは動滑車の質量及び操作力調整機構が発生する「第１付勢力」によって決まる値となる。ここで、「第２付勢力」が「第１付勢力」より大きな値であるため、ハウジングから引出されている長尺物の長さが長いときは、動滑車の質量及び「第２付勢力」によって決まる値（大きな値）となり、ハウジングから引出されている長尺物の長さが短いときは、動滑車の質量及び「第１付勢力」によって決まる値（小さな値）となる。したがって、適切な力で安定して長尺物をハウジング内に収容することができる。

ここで、動滑車が移動する「上下方向」とは、上方に移動した動滑車が自重で下方に移動できるような方向であればよい。このため、動滑車が鉛直方向に移動する場合だけでなく、例えば、動滑車が鉛直方向に対して斜めに移動してもよい。

上記の収容装置の一態様では、操作力調整機構は、第１錘を有していてもよい。この場合に、第１錘は、動滑車が第１位置と第３位置との間を移動するときは動滑車と分離しており、動滑車が第３位置と第２位置との間を移動するときは動滑車と一体となって移動してもよい。このような構成によると、動滑車が第１位置と第３位置との間を移動するときは、操作力調整機構が発生する第１付勢力は「０」となり、動滑車が第３位置と第２位置との間を移動するときは、操作力調整機構が発生する第２付勢力は第１錘の質量によって決まる値となる。錘を用いることで、長尺物をハウジングから引出す際の操作力及び長尺物をハウジングに収容する力を調整することができる。

上記の収容装置の他の態様では、操作力調整機構は、ばねを有していてもよい。この場合に、ばねは、動滑車が第１位置と第３位置との間を移動するときは、ばね長が自由長で変化せず、動滑車が第３位置と第２位置との間を移動するときは、ばね長が動滑車の位置に応じて短くなり動滑車を第３位置に向かって付勢してもよい。このような構成によると、動滑車が第１位置と第３位置との間を移動するときは、ばねが自由長であるため、ばねから動滑車に作用する復元力（すなわち、第１付勢力）は「０」となる。一方、動滑車が第３位置と第２位置との間を移動するときは、動滑車の位置に応じてばね長が短くなり、その結果、動滑車の位置に応じた復元力（第２付勢力）がばねから動滑車に作用する。ばねを用いることで、長尺物をハウジングから引出す際の操作力及び長尺物をハウジングに収容する力を調整することができる。また、ばねを用いることで、動滑車を付勢する力が徐々に増加又は減少するように調整することができる。このため、長尺物の引出し及び長尺物の収容を、スムーズに行うことができる。

上記の収容装置では、案内機構は、ハウジングに取付けられており、ハウジング内を上下方向に伸びるガイドを有していてもよい。そして、動滑車にはガイドと係合する係合部が形成されており、動滑車はガイドに案内されて上下方向に移動してもよい。このような構成によると、ガイドによって動滑車が案内されるため、動滑車を案内する機構を簡易な構成とすることができる。

上記の収容装置では、ガイドは、第１錘を支持する支持部を有していてもよい。この場合に、動滑車が第１位置と第３位置との間を移動するときは、第１錘はガイドの支持部に支持されており、動滑車が第３位置と第２位置との間を移動するときは、第１錘がガイドの支持部から離れて動滑車と一体となって移動してもよい。このような構成によると、動滑車を案内する案内機構によって、動滑車に対する第１錘の一体化と分離を行うことができる。

上記の収容装置の一態様では、案内機構は、ハウジングに取付けられると共にハウジング内を上下方向に伸びており、動滑車の回転軸方向の両側に１本ずつ配置されている２本のガイドを有していてもよい。この場合に、動滑車には、２本のガイドの一方が係合する第１係合部と、２本のガイドの他方が係合する第２係合部が形成されていてもよい。このような態様によると、動滑車の回転軸方向の両側のそれぞれがガイドによって案内されるため、動滑車の上下方向の動きを滑らかに行うことができる。

上記の場合、２本のガイドの一方及び２つの係合部の一方は、動滑車の回転軸と直交し、かつ、重力方向と直交する方向の一方側にオフセットしており、２本のガイドの他方及び２つの係合部の他方は、動滑車の回転軸と直交し、かつ、重力方向と直交する方向の他方側にオフセットしていてもよい。このような構成によると、動滑車とガイドとの間に生じる摩擦力が低減され、動滑車の上下方向の動きをより滑らかに行うことができる。

上記の収容装置の他の態様では、案内機構は、ハウジングに取付けられると共にハウジング内を上下方向に伸びており、動滑車の回転軸方向の一方の側に配置されている２本のガイドを有していてもよい。そして、動滑車には、２本のガイドの一方が係合する第１係合部と、２本のガイドの他方が係合する第２係合部が形成されていてもよい。このような構成によると、動滑車の回転軸方向の他方の側にはガイドや係合部を配さなくてもよい。このため、動滑車の回転軸方向の他方の側にスペースが無い場合にも、動滑車を案内する案内機構を設けることができる。

上記の収容装置のさらに他の態様では、案内機構は、ハウジングに取付けられると共にハウジング内を上下方向に伸びており、動滑車の回転軸と直交し、かつ、重力方向と直交する方向の両側に１本ずつ配置されている２本のガイドを有していてもよい。そして、動滑車には、２本のガイドの一方が係合する第１係合部と、２本のガイドの他方が係合する第２係合部が形成されていてもよい。このような構成によると、動滑車の回転軸方向の両側にスペースが無い場合でも、動滑車を案内する案内機構を設けることができる。

上記の場合、２本のガイドの一方及び２つの係合部の一方は、動滑車の回転軸方向の一方の側にオフセットしており、２本のガイドの他方及び２つの係合部の他方は、動滑車の回転軸方向の他方の側にオフセットしていてもよい。このような構成によると、動滑車とガイドとの間に生じる摩擦力が低減され、動滑車の上下方向の動きをより滑らかに行うことができる。

上記の各収容装置では、第２錘をさらに有していてもよい。この場合に、動滑車は、第３位置と第２位置の中間に設定された第４位置に移動可能とされており、動滑車が第１位置と第３位置との間を移動するときは、動滑車と第１錘及び第２錘が分離しており、動滑車が第３位置と第４位置との間を移動するときは、動滑車と第１錘が一体となって移動する一方、動滑車と第２錘が分離しており、動滑車が第４位置と第２位置との間を移動するときは、動滑車と第１錘と第２錘が一体となって移動してもよい。このような構成によると、長尺物を引き出すための操作力が３段階に調整され、また、長尺物をハウジング内に収容する力が３段階に調整される。これによって、長尺物の引き出しと収容を、より適切に行うことができる。

本実施例の収容装置の側面図であり、ハウジングを切断してその内部構造を示す図（ハウジング内に充電ケーブルを収容した状態）。 本実施例の収容装置の正面図であり、ハウジング内の内部構造を併せて示す図（ハウジング内に充電ケーブルを収容した状態）。 本実施例の収容装置の側面図であり、ハウジングを切断してその内部構造を示す図（ハウジングから充電ケーブルを引出した状態）。 本実施例の収容装置の正面図であり、ハウジング内の内部構造を併せて示す図（ハウジングから充電ケーブルを引出した状態）。 定滑車部の正面図。 図５のＶＩ−ＶＩ線に沿った位置で定滑車部を見た図。ただし、定滑車部のＶＩ−ＶＩ線に沿った断面を示すものではない。 定滑車の断面図。 定滑車部に設けられたラチェット機構を説明するための図。 動滑車部の正面図。 動滑車部の上面図。 動滑車側錘の正面図。 案内機構の概略構成を示す図。 変形例に係る収容装置の概略構成を示す図。 変形例に係る案内機構の概略構成を示す図。 他の変形例に係る案内機構の概略構成を示す正面図。 図１５に示す案内機構の底面図。 他の変形例に係る案内機構の定滑車部における構成を示す図。 他の変形例に係る案内機構の概略構成を示す正面図。 図１８に示す案内機構の底面図。 他の変形例に係る案内機構の概略構成を示す正面図。 図２０に示す案内機構の底面図。 図２０に示す案内機構の側面図。 他の変形例に係る案内機構の概略構成を示す正面図。 図２３に示す案内機構の底面図。 図２３に示す案内機構の側面図。 他の実施例の収容装置の側面図であり、ハウジングを切断してその内部構造を示す図（ハウジング内に充電ケーブルを収容した状態）。 図２６に示す実施例の変形例に係る収容装置の側面図であり、ハウジングを切断してその内部構造を示す図（ハウジング内に充電ケーブルを収容した状態）。

本実施例の収容装置１０は、いわゆる、充電スタンドであり、電気自動車（ＥＶ）又はプラグ・イン・ハイブリッド自動車（ＰＨＥＶ）に搭載されたバッテリを充電するための充電ケーブル１００を収容する。図１〜４に示すように、収容装置１０は、ハウジング１２と、ハウジング１２内に収容された滑車機構（定滑車部５０及び動滑車部２０）を有している。

ハウジング１２は、複数の板材により、例えば直方体状に形成されている。なお、ハウジング１２の形状は、直方体状には限られず、円柱状や多角柱状（例えば、六角柱状）に形成することができる。図２，４に示すように、ハウジング１２の充電ケーブル１００が引出される面にはフック１３が形成されている。フック１３は、充電ケーブル１００の先端に設けられた充電ガン１１０を保持することができる。

また、図１，３に示すように、ハウジング１２の側板には、貫通孔１４が形成されている。貫通孔１４は、ハウジング１２内に配置されたＣＣＩＤ（Charging Circuit Interrupt Device）９０と対向している。ＣＣＩＤ９０には、充電ケーブル１００の基端が接続されている。ＣＣＩＤ９０は、図示しない外部電源と電源コード１０２により接続されている。利用者は、ハウジング１２の貫通孔１４からＣＣＩＤ９０の表示部を視認することができ、それによって、バッテリの充電状態を把握することができる。

滑車機構は、定滑車部５０と動滑車部２０を有している。定滑車部５０と動滑車部２０には、後で詳述するように、充電ケーブル１００の中間部（すなわち、充電ケーブル１００の先端と基端の間の部分）が巻き付けられている。定滑車部５０は、ハウジング１２の上板に取付けられており、ハウジング１２に対して上下方向に移動不能となっている。定滑車部５０には、案内ワイヤ１６の上端が固定されており、案内ワイヤ１６の下端はハウジング１２の底板に固定されている。

動滑車部２０は、案内ワイヤ１６に案内されて、ハウジング１２内を上下方向に移動可能となっている。動滑車部２０がハウジング１２の底部に位置する状態（図１，２の状態）では、充電ケーブル１００がハウジング１２内に完全に収容されている。動滑車部２０がハウジング１２の上方に位置する状態（図３，４の状態）では、充電ケーブル１００がハウジング１２から最も引出されている。すなわち、動滑車部２０がハウジング１２内を下方から上方に向かって移動すると、ハウジング１２内に収容された充電ケーブル１００がハウジング１２から引出される。一方、動滑車部２０がハウジング１２内を上方から下方に向かって移動すると、ハウジング１２から引出された充電ケーブル１００がハウジング１２内に収容される。

なお、上述した案内ワイヤ１６には、第１錘１８が取付けられている。図１，２から明らかなように、動滑車部２０がハウジング１２の底部に位置する状態では、第１錘１８は案内ワイヤ１６に支持されている。一方、図３，４から明らかなように、動滑車部２０がハウジング１２の上方に位置する状態では、第１錘１８は動滑車部２０によって支持されている。すなわち、動滑車部２０が第１錘１８の底面と接触する位置から図３，４に示す位置との間を移動する間は、動滑車部２０と第１錘１８が一体となって移動するようになっている。

次に、定滑車部５０について詳細に説明する。図５，６に示すように、定滑車部５０は、２枚の支持板５２と、支持板５２に固定された第１シャフト５４と、第１シャフト５４に回転可能に支持された４つの定滑車６０を有している。

支持板５２は、正面視すると略矩形状の板材であり、その上端はハウジング１２の上板に取付けられている。支持板５２の略中央には取付部４６が形成されており、取付部４６には案内ワイヤ１６の上端が取付けられる。

第１シャフト５４は、その一端が２枚の支持板５２の一方に固定され、その他端が２枚の支持板５２の他方に固定されている。すなわち、第１シャフト５４は２枚の支持板５２を連結している。第１シャフト５４には、４つの定滑車６０が回転可能に取付けられている。第１シャフト５４に各定滑車６０が取付けられた状態では、４つの定滑車６０は２枚の支持板５２によって挟まれている。４つの定滑車６０は、一本の第１シャフト５４に取付けられるため、４つの定滑車６０の回転軸線は同一直線上に位置し、４つの定滑車６０は回転軸線の方向に並んで配置されている。

図７に示すように、各定滑車６０は、本体６２と、本体６２の外周面に取り付けられたゴムシート６６を有している。本体６２の内周面と第１シャフト５４の外周面の間には、ベアリング６４が配設されている。本実施例では、定滑車６０がベアリング６４を介して第１シャフト５４に支持されるため、定滑車６０は小さな力で第１シャフト５４周りに回転することができる。一方、本体６２の外周面には、充電ケーブル１００の脱落を防止するための溝６２ａが形成されている。溝６２ａの底面には、ゴムシート６６が取付けられている。このため、充電ケーブル１００が定滑車６０に巻き付けられると、充電ケーブル１００はゴムシート６６に接触することとなる。本実施例では、本体６２の外周面にゴムシート６６を設けることで、定滑車６０と充電ケーブル１００とのスベリが防止される。これによって、充電ケーブル１００のスムーズな引出し及び巻取りを可能としている。

図５、６に示すように、４つの定滑車６０のうち、充電ケーブル１００の先端側（充電ガン１１０側）が巻き付けられる定滑車６０（図６では最も右側となる定滑車）には、第１ギア８０とラチェットギア７０が固定されている。詳細には、第１ギア８０は、定滑車６０の一方の側面（図６では左側面）に固定されており、ラチェットギア７０は、定滑車６０の他方の側面（図６では右側面）に固定されている。

図６によく示されるように、第１ギア８０は、第２ギア８２と噛合しており、第２ギア８２は第２シャフト８４に固定されている。第２シャフト８４の一端は一方の支持板５２に回転可能に支持され、第２シャフト８４の他端は他方の支持板５２に回転可能に支持されている。第２シャフト８４には、押圧ローラ５７が取付けられている。押圧ローラ５７は、定滑車６０に巻き付けられた充電ケーブル１００を定滑車６０側に向かって押圧し、定滑車６０と充電ケーブル１００とのスベリが抑制される。

図６から明らかなように、定滑車６０の径と押圧ローラ５７の径とは相違する。このため、定滑車６０及び押圧ローラ５７からスベリ無く充電ケーブル１００を引出すためには、定滑車６０の回転数と押圧ローラ５７の回転数とが相違する必要がある。このため、第２シャフト８４と押圧ローラ５７の間には、図示しないワンウェイクラッチが配されている。ワンウェイクラッチは、充電ケーブル１００を引出すときは第２シャフト８４に係合せず、押圧ローラ５７は第２シャフト８４に対して自由に回転することができる。したがって、定滑車６０が回転すると、その回転は第１ギア８０及び第２ギア８２を介して第２シャフト８４に伝達され、第２シャフト８４が回転する。しかしながら、ワンウェイクラッチが第２シャフト８４と係合しないため、押圧ローラ５７は定滑車６０の回転数とは異なる回転数で回転する。この結果、定滑車６０及び押圧ローラ５７と充電ケーブル１００とのスベリを抑制しながら、定滑車６０からスムーズに充電ケーブル１００が引出される。一方、後述するラチェット機構によって定滑車６０の回転が規制されているときは、第１ギア８０及び第２ギア８２を介して第２シャフト８４の回転も規制される。ワンウェイクラッチは第２シャフト８４と係合するため、押圧ローラ５７の回転も規制される。その結果、充電ケーブル１００をハウジング１２内に無理に押し込もうとしても、定滑車６０のゴムシート６６と押圧ローラ５７のワンウェイクラッチによって押圧ローラ５７が回転せず、充電ケーブル１００がハウジング１２内に押し込まれない。

図８に示すように、ラチェットギア７０は、凸部領域７４と凹部領域７６を備えている。凸部領域７４の外周面７４ａには、ラチェット溝（図示しない）が形成されている。凸部領域７４のラチェット溝には、ラチェット爪７８が係合可能となっている。凹部領域７６の外周面は、凸部領域７４の外周面７４ａより後退しており、ラチェット溝が形成されていない。このため、凹部領域７６では、ラチェットギア７０とラチェット爪７８とは係合可能とはなっていない。ラチェットギア７０は定滑車６０に固定されているため、定滑車６０が回転すると、ラチェットギア７０も回転する。定滑車６０が充電ケーブル１００を引出す方向（以下、引出し方向という）に回転する際は、ラチェットギア７０とラチェット爪７８とは係合せず、ラチェットギア７０及び定滑車６０は自由に回転することができる。一方、定滑車６０が充電ケーブル１００を巻き取る方向（以下、巻取り方向）に回転する際は、ラチェットギア７０の凸部領域７４では、ラチェット溝とラチェット爪７８とが係合し、ラチェットギア７０及び定滑車６０の回転が規制される。一方、ラチェットギア７０の凹部領域７６では、ラチェットギア７０とラチェット爪７８とが係合せず、ラチェットギア７０及び定滑車６０の回転は規制されない。このため、ラチェット爪７８がラチェットギア７０の凸部領域７４のラチェット溝と係合するまで、ラチェットギア７０及び定滑車６０は、巻取り方向に回転する。上記の構成を備えることで、本実施例の収容装置１０では、所望の長さだけ充電ケーブル１００を引出し、その状態を保持することができる。なお、ラチェット爪７８とラチェットギア７０の係合は、図示しない操作スイッチによって解除することができる。したがって、操作スイッチを操作してラチェット爪７８とラチェットギア７０の係合を解除すれば、定滑車６０は巻取り方向に回転可能となる。

なお、図５，６に示すように、支持板５２には、押圧ローラ５７以外にも、各種の案内ローラ５３，５５，５６が回転可能に取付けられている。案内ローラ５３，５５は、充電ケーブル１００の先端側を充電ガン１１０に向かって案内する。案内ローラ５６は、支持板５２の上端縁の中央に取付けられている。案内ローラ５６は、各定滑車６０から充電ケーブル１００が浮き上がることを防止している。これら案内ローラ５３，５５，５６を装備することで、充電ケーブル１００と定滑車６０との摩擦抵抗が低減される。また、支持板５２の下端縁にはストッパ５１が取付けられている。ストッパ５１は、動滑車部２０の上方への移動を規制するための部材である。動滑車部２０は、ストッパ５１に当接することで、上方への移動が規制される（図４参照）。

次に、動滑車部２０について詳細に説明する。図９，１０に示すように、動滑車部２０は、２枚の支持板２２と、支持板２２に固定された第３シャフト３０と、第３シャフト３０に回転可能に支持された３つの動滑車３２を有している。

支持板２２は、第３シャフト３０が固定される位置から下方に伸びる第１板部２６と、その第１板部２６の上端から斜め下方に伸びる２つの第２板部２４ａ，２４ｂを有している。第１板部２６の上端と下端には、案内ワイヤ１６が挿通される挿通部２８ａ，２８ｂが設けられている。支持板２２に２つの挿通部２８ａ，２８ｂを設けることで、動滑車部２０は、案内ワイヤ１６に案内され、安定した状態で上下方向に移動することができる。第２板部２４ａ，２４ｂの下端には、動滑車３２から充電ケーブル１００が脱落することを防止する押え部材３７，３７が設けられている（図１０参照）。

第３シャフト３０は、その一端が２枚の支持板２２の一方に固定され、その他端が２枚の支持板２２の他方に固定されている。２枚の支持板２２は、第３シャフト３０によって連結されている。

第３シャフト３０には、３つの動滑車３２が回転可能に取付けられている。第３シャフト３０に動滑車３２が取付けられた状態では、３つの動滑車３２は２枚の支持板２２によって挟まれている。３つの動滑車３２は、一本の第３シャフト３０に取付けられるため、３つの動滑車３２の回転軸線は同一直線上に位置し、３つの動滑車３２は回転軸線の方向に並んで配置されている。動滑車３２も、定滑車６０と同一の構成を備えており、その外周面には充電ケーブル１００の脱落を防止するための溝が形成され、その溝の底面にはゴムシート３４が配されている。また、動滑車３２も、図示しないベアリングを介して第３シャフト３０に回転可能に支持されている。動滑車３２がベアリングを介して第３シャフト３０に支持されるため、動滑車３２は小さな力で第３シャフト３０周りに回転することができる。

図１０に示すように、左右の動滑車３２，３２の外側、及び、隣接する動滑車３２，３２の間には、動滑車側錘３６がそれぞれ配設されている。図１１に示すように、動滑車側錘３６は扇形状の板材であり、第３シャフト３０が挿し込まれる貫通孔３８が形成されている。第３シャフト３０が貫通孔３８に挿し込まれると、動滑車側錘３６は、第３シャフト３０に対して回転可能に支持される。動滑車側錘３６は、扇形状の板材であるため、自重によって扇形の弧となる部分が下方となるように第３シャフト３０に対して回転する。したがって、第３シャフト３０に動滑車側錘３６を取付けることで、動滑車部２０の重心が低くなり、動滑車部２０の挙動が安定化される。また、動滑車部２０に動滑車側錘３６を配設することで、充電ケーブル１００をハウジング１２から引出すための力、及び、充電ケーブル１００をハウジング１２内に巻き取る力が調整される。

なお、上述した定滑車部５０と動滑車部２０には、次の態様で充電ケーブル１００が巻き付けられている。すなわち、ハウジング１２内に導かれた充電ケーブル１００は、まず、第１ギア８０とラチェットギア７０が固定された定滑車６０（図６の最も右側の定滑車）に巻き付けられ、次いで、１つの動滑車３２に巻き付けられ、以下、定滑車６０、動滑車３２の順で３つの定滑車６０と２つの動滑車３２に巻き付けられる。

ここで、動滑車部２０の上下動を案内する案内機構４０について、図１２を参照して説明する。既に説明したことから明らかなように、案内機構４０は動滑車部２０を案内する案内ワイヤ１６を有している。図１２に示すように、案内ワイヤ１６の上端１６ａは、定滑車部５０の取付部４６に取付けられる。案内ワイヤ１６の下端１６ｂは、取付ブロック４２に取付けられる。取付ブロック４２は、ハウジング１２の底板にネジ４４によって固定される。これによって、案内ワイヤ１６は、ハウジング１２内を上下方向に伸びている。上述したように、動滑車部２０には挿通部２８ａ，２８ｂが設けられ、これら挿通部２８ａ，２８ｂを案内ワイヤ１６が挿通している。これによって、動滑車部２０は、案内ワイヤ１６に案内されてハウジング１２内を上下方向に移動する。

案内ワイヤ１６の中間点には、第１錘１８を支持する支持部１６ｃが設けられている。支持部１６ｃは、動滑車部２０の挿通部２８ａ，２８ｂを通過可能な大きさとなっている。一方、支持部１６ｃに支持される第１錘１８は、３つの円筒状の錘１８ａ，１８ｂ，１８ｃから構成されている。案内ワイヤ１６は円筒状の錘１８ａ，１８ｂ，１８ｃの中心孔を挿通しており、錘１８ａ，１８ｂ，１８ｃは、案内ワイヤ１６の上端１６ａと中間点（支持部１６ｃ）の間で、案内ワイヤ１６に案内されて上下方向に移動可能となっている。また、錘１８ａ，１８ｂ，１８ｃは、動滑車部２０の挿通部２８ａ，２８ｂを通過不可能な大きさとなっている。したがって、動滑車部２０が案内ワイヤ１６の下端１６ｂから中間点（支持部１６ｃ）の間を移動する際は、第１錘１８は案内ワイヤ１６の支持部１６ｃに支持されている。すなわち、動滑車部２０と第１錘１８は分離され、動滑車部２０のみが上下方向に移動する（図１，２参照）。一方、動滑車部２０が案内ワイヤ１６の中間点（支持部１６ｃ）から上端１６ａの間を移動する際は、第１錘１８は動滑車部２０に支持され、動滑車部２０と第１錘１８は一体となって上下方向に移動する（図３，４参照）。なお、第１錘１８の質量は、例えば、ハウジング１２内に収容される充電ケーブル１００の総質量の１／２程度とすることができる。

上述した収容装置１０の作用について説明する。収容装置１０から充電ケーブル１００を引出すには、利用者は充電ガン１１０を把持し、充電ガン１１０を介して充電ケーブル１００に操作力（引張力）を作用させる。これによって、動滑車部２０（すなわち、動滑車３２，３２，３２）が案内ワイヤ１６に案内されて上方に移動し、ハウジング１２内から充電ケーブル１００が引出される。利用者が充電ケーブル１００への操作力（引張力）の付与を停止すると、定滑車部５０の回転がラチェット機構（ラチェットギア７０，ラチェット爪７８）によって停止し、動滑車部２０の上下方向の移動も停止する。このため、本実施例の収容装置１０では、充電ケーブル１００がハウジング１２内から所望の長さだけ引出され、その状態が維持される。したがって、利用者は、充電ガン１１０を車体に容易に接続することができる。

ここで、動滑車部２０が案内ワイヤ１６の下端１６ｂから中間点（支持部１６ｃ）の間を移動するときは、第１錘１８は案内ワイヤ１６の支持部１６ｃに支持され、動滑車部２０のみが上下方向に移動する（図１，２参照）。したがって、充電ケーブル１００を引出すための操作力（引張力）は、動滑車部２０の質量と、滑車機構（動滑車部２０及び定滑車部５０）に巻き取られている充電ケーブル１００の質量や摩擦力等に応じた大きさとなる。滑車機構に巻き取られている充電ケーブル１００の長さは長く、その質量や摩擦力等は大きいが、動滑車部２０と第１錘１８とは分離しているため、充電ケーブル１００を引出すための操作力（引張力）が過大となることはない。

一方、動滑車部２０が案内ワイヤ１６の中間点（支持部１６ｃ）から上端１６ａの間を移動するときは、第１錘１８は動滑車部２０に支持され、動滑車部２０と第１錘１８は一体となって上下方向に移動する（図３，４参照）。動滑車部２０と第１錘１８が一体となって移動するが、滑車機構（動滑車部２０及び定滑車部５０）に巻き取られている充電ケーブル１００の長さは短く、その質量や摩擦力等は小さくなっているため、充電ケーブル１００を引出すための操作力（引張力）が過大となることはない。また、動滑車部２０と第１錘１８とが一体となることで、動滑車部２０が案内ワイヤ１６の下端１６ｂに位置する状態（図１，２の状態）と、動滑車部２０が案内ワイヤの上端１６ａに位置する状態（図３，４の状態）とで、充電ケーブル１００を引出すための操作力（引張力）が大きく相違するという事態が緩和される。

一方、収容装置１０に充電ケーブル１００を収容する際は、ラチェット機構のラチェットギア７０とラチェット爪７８の係合を解除する。これによって、動滑車部２０が自重によって下方に移動し、それに伴って充電ケーブル１００がハウジング１２内に自動的に収容される。

ここで、動滑車部２０が案内ワイヤ１６の中間点（支持部１６ｃ）と上端１６ａとの間を移動するときは、動滑車部２０と第１錘１８が一体となって移動する（図３，４の状態）。したがって、充電ケーブル１００を巻き取る力は、動滑車部２０と第１錘１８の質量に応じた大きな力となる。一方、動滑車部２０が案内ワイヤ１６の中間点（支持部１６ｃ）と上端１６ａとの間を移動するときは、ハウジング１２から引出されている充電ケーブル１００の長さが長く、滑車機構に巻き取られている充電ケーブル１００の長さは短い。このため、充電ケーブル１００を巻き取るためには比較的大きな力が必要とされる。これらのため、本実施例の収容装置１０では、充電ケーブル１００を巻き取る力が過大となることはなく、適切な力で充電ケーブル１００を巻き取ることができる。

一方、動滑車部２０が案内ワイヤ１６の下端１６ｂと中間点（支持部１６ｃ）との間を移動するときは、動滑車部２０のみが移動する（図１，２の状態）。したがって、充電ケーブル１００を巻き取る力は、動滑車部２０の質量に応じた力となる。一方、動滑車部２０が案内ワイヤ１６の下端１６ｂと中間点（支持部１６ｃ）との間を移動するときは、ハウジング１２から引出されている充電ケーブル１００の長さが短く、滑車機構に巻き取られている充電ケーブル１００の長さは長くなっている。したがって、充電ケーブル１００を巻き取るためには大きな力が必要とされない。これらのため、充電ケーブル１００を適切な力で巻き取ることができる。

上述した説明から明らかなように、本実施例の収容装置１０では、滑車機構（定滑車部５０及び動滑車部２０）を利用して、充電ケーブル１００をハウジング１２内に収容する。したがって、動滑車の数及び移動量を調整することで、ハウジング１２内に収容できる充電ケーブルの長さを任意に調整することができる。また、単純な滑車機構を利用するため、故障が発生し難い。

また、本実施例の収容装置１０では、動滑車部２０及び第１錘１８の自重を利用して、ハウジング１２内に充電ケーブル１００を自動的に巻き取る。このため、充電ケーブル１００を引出す力が過大になることなく、充電ケーブル１００を巻き取る力を適切な大きさとすることができる。したがって、充電ケーブル１００を引出す力及び巻き取る力を安定化することができる。

また、本実施例の収容装置１０では、動滑車部２０を案内する案内機構に案内ワイヤ１６を利用する。これによって、案内機構を小型化でき、ハウジング１２を小型化することができる。また、動滑車３２及び定滑車６０がベアリングを介してシャフト３０，５４に回転可能に支持されている。これによって、動滑車３２及び定滑車６０の摩擦抵抗が低減され、充電ケーブル１００を小さな力で引出し及び巻き取ることができる。

以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。

例えば、上述した実施例では、充電コード１００をハウジング１２から引出すための操作力（すなわち、ハウジング１２内に充電コード１００を巻き取るための力）を２段階で調整するようにした。しかしながら、本明細書に開示の技術は、このような構成に限られず、充電コード１００を操作するための操作力を複数段階に調整するようにしてもよい。例えば、図１４に示す案内機構１２０のように、案内ワイヤ１１６の２箇所に錘１１８ａ，１１８ｂを支持する支持部１１６ｃ，１１６ｄを設け、操作力を３段階に調整するようにしてもよい。

具体的には、上述した実施例と同様に、案内ワイヤ１１６の上端１１６ａは、定滑車部５０の取付部１２６に取付けられ、案内ワイヤ１１６の下端１１６ｂは、取付ブロック１２２によってハウジング１２の底板に固定される。そして、案内ワイヤ１１６は、動滑車部２０の挿通部１２８ａ，１２８ｂに挿通される。

案内ワイヤ１１６の中間には、錘１１８ａを支持する支持部１１６ｃと、錘１１８ｂを支持する支持部１１６ｄと、ストッパ１１６ｅが設けられている。支持部１１６ｃ，１１６ｄは、上下方向に間隔を空けて配置されており、挿通部１２８ａ，１２８ｂが通過可能な大きさとなっている。また、支持部１１６ｄの径は、支持部１１６ｃの径よりも小さくなっている。ストッパ１１６ｅは、支持部１１６ｄと上端１１６ａの間に設けられ、錘１１８ａ，１１８ｂの上方への移動を規制する。ストッパ１１６ｅの径は、支持部１１６ｃの径と同一となっている。

錘１１８ａ，１１８ｂは円筒状の錘であり、案内ワイヤ１１６は錘１１８ａ，１１８ｂの中心孔を挿通している。錘１１８ａの中心孔は、挿通部１２８ａ，１２８ｂ、支持部１１６ｃ、及びストッパ１１６ｅが通過不可能な大きさとなっている一方で、支持部１１６ｄが通過可能な大きさとなっている。また、錘１１８ｂの中心孔は、挿通部１２８ａ，１２８ｂ、支持部１１６ｃ，１１６ｄ、及びストッパ１１６ｅが通過不可能な大きさとなっている。したがって、錘１１８ａは、案内ワイヤ１１６のストッパ１１６ｅと支持部１１６ｃ（第１中間点（請求項でいう「第３位置」の一例に相当））の間で、案内ワイヤ１６に案内されて上下方向に移動可能となっている。また、錘１１８ｂは、案内ワイヤ１１６のストッパ１１６ｅと支持部１１６ｄ（第２中間点（請求項でいう「第４位置」の一例に相当））の間で、案内ワイヤ１１６に案内されて上下方向に移動可能となっている。

ここで、錘１１８ａ，１１８ｂは、動滑車部２０の挿通部１２８ａ，１２８ｂを通過不可能な大きさとなっている。したがって、動滑車部２０が案内ワイヤ１１６の下端１１６ｂから第１中間点（支持部１１６ｃ）の間を移動する際は、錘１１８ａ，１１８ｂは案内ワイヤ１１６の支持部１１６ｃ，１１６ｄにそれぞれ支持されている。すなわち、動滑車部２０と錘１１８ａ，１１８ｂは分離され、動滑車部２０のみが上下方向に移動する。一方、動滑車部２０が案内ワイヤ１１６の第１中間点（支持部１１６ｃ）から第２中間点（支持部１１６ｄ）の間を移動する際は、錘１１８ｂは案内ワイヤ１１６の支持部１１６ｄに支持される一方、錘１１８ａは動滑車部２０に支持され、動滑車部２０と錘１１８ａは一体となって上下方向に移動する。さらに、動滑車部２０が案内ワイヤ１１６の第２中間点（支持部１１６ｄ）から上端（ストッパ１１６ｅ）の間を移動する際は、錘１１８ａ，１１８ｂは動滑車部２０に支持され、動滑車部２０と錘１１８ａ，１１８ｂは一体となって上下方向に移動する。

上述したことから明らかなように、図１４に示す案内機構１２０によると、充電コード１００をハウジング１２から引出すための操作力（充電コード１００をハウジング１２内に巻き取る力）が３段階で調整される。このため、よりスムースに充電コードの引出し及び巻取りを行うことができる。なお、図１４に示す例では、操作力を３段階に調整したが、操作力の調整は４段階以上に調整してもよく、任意の段階に調整することができる。

また、上述した実施例では、滑車部２０，５０の両面（すなわち、滑車の回転軸方向と直交する両面）の中央に２本の案内ワイヤ１６，１６を配していたが（図２，３参照）、案内ワイヤを配する場所は種々の態様を採ることができる。例えば、図１５，１６に示すように、滑車部２０，５０の一方の側面（滑車の回転軸方向と直交する面の一方）に２本の案内ワイヤ１３０ａ，１３０ｂを配置してもよい。この場合においても、案内ワイヤ１３０ａ，１３０ｂの上端は定滑車部５０の取付部１３８ａ，１３８ｂに取付けられ、案内ワイヤ１３０ａ，１３０ｂの下端はハウジング１２の底板に固定される。そして、案内ワイヤ１３０ａ，１３０ｂは、動滑車部２０の挿通部１４０ａ，１４２ａと挿通部１４０ｂ，１４２ｂに挿通され、各案内ワイヤ１３０ａ，１３０ｂの中間点には錘１３６ａ，１３６ｂが支持される。これによって、上述した実施例と同様に、充電ケーブル１００を操作する操作力を２段階に調整することができる。また、図１５，１６の例では、滑車部２０，５０の他方の側面に案内ワイヤ１３０ａ，１３０ｂが配されないため、滑車部２０，５０の他方の側面（滑車の回転軸方向と直交する面の他方）にスペースが無い場合にも、案内機構を設けることができる。

なお、滑車部２０，５０の一方の側面にのみ案内ワイヤを配する場合は、図１７に示すように、１本の案内ワイヤ１３０ｃを定滑車部５０で反転させることで、２つの案内ワイヤ部を構成するようにしてもよい。この場合、案内ワイヤ１３０ｃの両端は、それぞれハウジング１２の底板に固定される。このような構成によると、１本の案内ワイヤで動滑車が案内できるため、部品点数を削減することができる。

また、図１８，１９に示すように、滑車部２０，５０の一方の側面（滑車の回転軸方向と直交する面の一方）に配された案内ワイヤ１３０ａと、滑車部２０，５０の他方の側面（滑車の回転軸方向と直交する面の他方）に配された案内ワイヤ１３０ｂとを、滑車部２０，５０の中心からｘ軸方向にオフセットしてもよい。すなわち、図１８，１９に示すように、滑車部２０，５０の一方の側面（図の表側の面）に配される案内ワイヤ１３０ｂをｘ軸の負の方向にオフセットし、滑車部２０，５０の他方の側面（図の裏側の面）に配される案内ワイヤ１３０ａをｘ軸の正の方向にオフセットする。案内ワイヤ１３０ａのオフセット量は、案内ワイヤ１３０ｂのオフセット量と同一とする。このような構成によると、動滑車２０の傾きが抑制され、それによって、動滑車２０と案内ワイヤ１３０ａ，１３０ｂとの間に生じる摩擦力を低減することができる。その結果、充電コード１００の引出し及び巻取りをスムースに行うことができる。

さらには、図２０〜２２に示すように、滑車部２０，５０の一方の端面（滑車の回転軸方向と平行な面の一方）に案内ワイヤ１３０ａを配し、滑車部２０，５０の他方の端面（滑車の回転軸方向と平行な面の他方）に案内ワイヤ１３０ｂを配するようにしてもよい。この場合も、動滑車部２０の両端面が案内ワイヤ１３０ａ，１３０ｂでそれぞれ案内されるため、動滑車部２０をスムースに上下動させることができる。このような構成によると、滑車部２０，５０の両側面（滑車の回転軸方向と直交する両面）に案内ワイヤ１３０ａ，１３０ｂを配するスペースが無い場合でも、案内機構を設けることができる。

また、滑車部２０，５０の両端面（滑車の回転軸方向と平行な両面）に案内ワイヤ１３０ａ，１３０ｂを配する場合においても、図２３〜２５に示すように、案内ワイヤ１３０ａをｙ軸方向の負の方向にオフセットし、案内ワイヤ１３０ｂをｙ軸方向の正の方向にオフセットしてもよい。このような構成とすると、動滑車２０の傾きが抑制され、それによって、動滑車２０と案内ワイヤ１３０ａ，１３０ｂとの間に生じる摩擦力を低減することができる。

また、上述した実施例では、充電ケーブル１００を収容する収容装置（すなわち、充電スタンド）であったが、本発明はこのような例に限られず、電気コード，ホース等の長尺物を収容する収容装置とすることができる。

また、上述した実施例では、動滑車部２０に動滑車側錘３６を設けることで、充電ケーブル１００をハウジング１２から引出すための操作力（充電ケーブル１００をハウジング１２内に巻き取る力）を調整していたが、このような例に限られない。例えば、図１３に示す収容装置２００のように、動滑車部２０とハウジング１２の底板とをばね２１０で連結し、ばね２１０のばね力によって、充電ケーブル１００をハウジング１２から引出すための操作力を調整してもよい。

また、上述した実施例では、ハウジング１２内に設置された案内ワイヤ（ガイドの一例）によって動滑車部２０を案内するようにしたが、本明細書に開示の技術は、このような例に限られない。例えば、ハウジング１２の内面にガイドレールを設け、そのガイドレールに案内されて動滑車部が上下に移動するようにしてもよい。また、ガイドレールに代えて、棒状の鋼材や可撓性を有するワイヤ等を「ガイド」として用いてもよい。

さらに、上述した実施例では、錘により充電ケーブル１００を操作する操作力を調整したが、本明細書に開示の技術は、このような例に限られない。例えば、図２６に示す収容装置１０のように、定滑車部５０に取り付けたばね１５０によって操作力を調整するようにしてもよい。すなわち、ばね１５０は、その軸線が上下方向に伸びるようにハウジング１２内に配置されている。ばね１５０の上端は、定滑車部１５０に固定されており、その下端は自由端となっている。ばね１５０の内部には、案内ワイヤ１６が挿通されている。この収容装置１０において、動滑車部２０が、ハウジング１２の下端の位置（図２６に示す位置）から、動滑車部２０とばね１５０の下端とが接触する位置までの間を移動する際は、動滑車部２０とばね１５０とは接触せず、ばね１５０は自由長のまま変化しない。このため、ばね１５０から動滑車部２０に作用する復元力は「０」となる。一方、動滑車部２０がばね１５０の下端と接する位置からハウジング１２の上端までの間を上下に移動する際は、動滑車部１５０の位置に応じてばね長が短くなり、その結果、動滑車部２０の位置に応じた復元力（動滑車部２０を下方に付勢する力）がばねから動滑車部２０に作用する。したがって、ばね１５０を用いても、充電ケーブル１００を操作する操作力を調整することができる。また、ばね１５０を用いた場合は、動滑車部２０の高さが高くなるほど、動滑車部２０を下方に付勢する力が大きくなる。これによって、充電ケーブル１００の引き出しと巻取りを、よりスムーズに行うことができる。

なお、図２６に示す例では、ばね１５０が定滑車部５０に取り付けられていたが、図２７に示す例のように、ばね１５２の下端を動滑車部２０に固定するようにしてもよい。この場合も、ばね１５２の上端が定滑車部５０に当接しない状態では、ばね１５２は自由長であり、動滑車部２０を下方に付勢する力は「０」となっている。一方、動滑車部２０が上方に移動してばね１５２の上端が定滑車部５０に当接し、さらにばね１５２が圧縮されると、ばね１５２の復元力によって動滑車部２０が下方に付勢される。このような構成によっても、図２６に示す収容装置と同様の作用効果を得ることができる。

本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。

Claims (11)

1. 長尺物を収容する収容装置であって、
   ハウジングと、動滑車と、操作力調整機構と、案内機構を有しており、
   動滑車は、長尺物の中間部が巻き付けられると共に、ハウジングに対して案内機構に案内されて上下方向に移動可能に設けられており、ハウジングに長尺物が収容された第１位置と、ハウジングから長尺物が引出された第２位置と、第１位置と第２位置の中間に設定された第３位置とに移動可能とされており、
   動滑車が第１位置から第２位置に向かって上方に移動すると、ハウジングに収容された長尺物がハウジングから引出される一方、動滑車が第２位置から第１位置に向かって下方に移動すると、ハウジングから引出された長尺物がハウジングに収容され、
   操作力調整機構は、動滑車が第１位置と第３位置との間を移動するときは、動滑車を第１位置に向かって付勢する第１付勢力を発生し、動滑車が第３位置と第２位置との間を移動するときは、動滑車を第３位置に向かって付勢する第２付勢力を発生し、第２付勢力が第１付勢力より大きい、収容装置。
2. 操作力調整機構は、第１錘を有しており、
   第１錘は、動滑車が第１位置と第３位置との間を移動するときは動滑車と分離しており、動滑車が第３位置と第２位置との間を移動するときは動滑車と一体となって移動する、請求項１に記載の収容装置。
3. 操作力調整機構は、ばねを有しており、
   ばねは、動滑車が第１位置と第３位置との間を移動するときは、ばね長が自由長で変化せず、動滑車が第３位置と第２位置との間を移動するときは、ばね長が動滑車の位置に応じて短くなり動滑車を第３位置に向かって付勢する、請求項１に記載の収容装置。
4. 案内機構は、ハウジングに取付けられており、ハウジング内を上下方向に伸びるガイドを有しており、
   動滑車にはガイドに係合する係合部が形成されており、動滑車はガイドに案内されて上下方向に移動する、請求項１〜３のいずれか一項に記載の収容装置。
5. ガイドは、第１錘を支持する支持部を有しており、
   動滑車が第１位置と第３位置との間を移動するときは、第１錘はガイドの支持部に支持されており、
   動滑車が第３位置と第２位置との間を移動するときは、第１錘がガイドの支持部から離れて動滑車と一体となって移動する、請求項４に記載の収容装置。
6. 案内機構は、ハウジングに取付けられると共にハウジング内を上下方向に伸びており、動滑車の回転軸方向の両側に１本ずつ配置されている２本のガイドを有しており、
   動滑車には、２本のガイドの一方に係合する第１係合部と、２本のガイドの他方に係合する第２係合部が形成されている、請求項４又は５に記載の収容装置。
7. ２本のガイドの一方及び２つの係合部の一方は、動滑車の回転軸と直交し、かつ、重力方向と直交する方向の一方側にオフセットしており、
   ２本のガイドの他方及び２つの係合部の他方は、動滑車の回転軸と直交し、かつ、重力方向と直交する方向の他方側にオフセットしている、請求項６に記載の収容装置。
8. 案内機構は、ハウジングに取付けられると共にハウジング内を上下方向に伸びており、動滑車の回転軸方向の一方の側に配置されている２本のガイドを有しており、
   動滑車には、２本のガイドの一方と係合する第１係合部と、２本のガイドの他方と係合する第２係合部が形成されている、請求項４又は５に記載の収容装置。
9. 案内機構は、ハウジングに取付けられると共にハウジング内を上下方向に伸びており、動滑車の回転軸と直交し、かつ、重力方向と直交する方向の両側に１本ずつ配置されている２本のガイドを有しており、
   動滑車には、２本のガイドの一方と係合する第１係合部と、２本のガイドの他方と係合する第２係合部が形成されている、請求項４又は５に記載の収容装置。
10. ２本のガイドの一方及び２つの係合部の一方は、動滑車の回転軸方向の一方の側にオフセットしており、
    ２本のガイドの他方及び２つの係合部の他方は、動滑車の回転軸方向の他方の側にオフセットしている、請求項９に記載の収容装置。
11. 第２錘をさらに有しており、
    動滑車は、第３位置と第２位置の中間に設定された第４位置に移動可能とされており、
    動滑車が第１位置と第３位置との間を移動するときは、動滑車と第１錘及び第２錘が分離しており、
    動滑車が第３位置と第４位置との間を移動するときは、動滑車と第１錘が一体となって移動する一方、動滑車と第２錘が分離しており、
    動滑車が第４位置と第２位置との間を移動するときは、動滑車と第１錘と第２錘が一体となって移動する、請求項１〜１０のいずれか一項に記載の収容装置。

Images