JP3593664B2 - ケーブルの張力の調整装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はケーブルの張力の調整装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エレベーターのように、重量がほぼ一定に定まった重量物を吊り上げるワイヤーは、吊り上げ側と反対側にカウンターウエイトを配置すると経済的である。
このカウンターウエイトの重量を昇降体の重量と同一に設定しておけば、中間位置にある場合には理想的に釣り合うことになる。
これは昇降体を他のワイヤーで吊り下げていて、その昇降体に信号や電力を供給するケーブルにおいても同様である。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】
建設工事で地下掘削などの作業を行う機械設備へ電力を供給するケーブル、操作信号用ケーブルの場合には次のような問題があり、ケーブル自体の重量の変化が全体に大きく影響してくる。
すなわち他のワイヤーによって掘削機械設備の全重量が支持されている機体へ、電力や信号を与えるケーブルが接続している場合である。
【0004】
この種のケーブルでは、掘削機械設備が水平、垂直に移動しても、ケーブルが弛まない程度の張力を常時与えておくことが好ましい。
ところが掘削深度は数十メートルから百メートルを越えるものもあり、日々深くなってくるとケーブルの重量の与える影響が増大する。
そのために最適な張力を負荷するには、カウンターウエイトを掘削深度に見合った重量(懸垂しているケーブル重量に等しい重量)に調整する必要がある。
また機械設備を保守、点検するために地上に搬出する場合は引上げに伴ってカウンターウエイトの影響が大きくなり、引上げ荷役作業とくに水平移動作業に悪影響を及ぼす。
【0005】
【本発明の目的】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、それ自体の重量の影響が大きいケーブルの張力を簡単に調整することのできるケーブルの張力の調整装置を提供することを目的とする。
【0006】
【問題点を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明は昇降体に接続し昇降体の重量を支持する ワイヤーと、一端を昇降体に取り付けた給電用または操作信号用のケーブルとを有するケーブルの張力の調整装置において、中間にシーブを介して懸垂したケーブルの他端を収納容器に連結し、この収納容器には、上端を固定しかつ自由な状態で懸垂した変形可能な重量物を収納し、昇降体側が下降することにより収納容器が上昇すると、収納容器内に重量物が順次折り畳んで収納されることにより収納容器側の重量が増加し、昇降体側が上昇することにより収納容器が下降すると、収納容器内の重量物が順次引き出されることにより収納容器側の重量が減少するように構成したことを特徴とする、ケーブルの張力の調整装置である。
【0007】
【本発明の構成】
以下図面を参照しながら本発明に係るケーブルの張力の調整装置の実施例について説明する。
<イ>ケーブルの配置
ケーブル1は、中間にシーブ2を介してその一方の端部は昇降体3に取り付けてある。
すなわち図3に示すように、昇降体3は別のワイヤーで支持し、したがって重量は支持せずに昇降体3に信号などを送るためのケーブル1が本発明の張力調整装置の対象となる。
【0008】
<ロ>収納容器
上記のケーブル1の他端には収納容器4を取り付ける。
この収納容器4は、上端を固定しかつ自由な状態で懸垂した変形が容易な可変重量5の下方に位置させ、可変重量5を収納可能に配置する。
可変重量5とは、例えばチェーンなどが一般的であるが、多数の鉄のブロックをピンやチェーン、リンクで連結したもの(図4)などを採用できる。
そのような可変重量5の上端を上部の支持枠などに固定し、収納容器4が上昇中にはその下端側を折り畳んで収納容器4の内部に収納する。
なお昇降体3の昇降距離よりも、収納容器4の昇降距離を小さくした方がよい場合には、ケーブル1を直接収納容器4に連結せず、複数のシーブ2を介して連結すればよい。
【0009】
【作動】
次に上記した本発明の張力調整装置の作動について説明する。
<イ>昇降体3の下降
昇降体3が下降することにより収納容器4が上昇する。
一方、可変重量5はその上端が上部に固定されており、昇降することはない。
そのために、収納容器4内には可変重量5が順次折り畳まれ、その状態で収納される。
すると図1に示すように、収納容器4側の重量が増加し昇降体3側のケーブル1の重量の増加に比例してバランスを取ることになる。その結果、ケーブル1には常にゆるまない程度の張力が加わり、常に弛むことなく引っ張りすぎることもなく、たるまない程度の最適な張力を与えることができる。
【0010】
<ロ>昇降体3の上昇
昇降体3が上昇することにより収納容器4が下降する。
前記したように可変重量5はその上端が上部に固定されており、昇降することはない。
そのために、収納容器4内の可変重量5は収納容器4から順次引き出される。
すると図2に示すように、収納容器4側の重量は減少し、昇降体3側のケーブル1の重量の減少に比例してケーブル1が弛まない程度の張力を与えることになる。
【0011】
【発明の効果】
本発明に係るケーブルの張力の調整装置は以上説明したようになるから、昇降体の昇降に伴って増減するケーブルの重量バランスを、きわめて簡単な構造によってとることができるものである。
その結果、ケーブルは常に弛むことなく、しかも引っ張りすぎることもない最適な張力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の調整装置の作動の説明図
【図2】本発明の調整装置の作動の説明図
【図3】使用状態の一例の説明図
【図4】可変重量の一例の説明図
Claims (1)
- 昇降体に接続し昇降体の重量を支持するワイヤーと、
一端を昇降体に取り付けた給電用または操作信号用のケーブルとを有するケーブルの張力の調整装置において、
中間にシーブを介して懸垂したケーブルの他端を収納容器に連結し、
この収納容器には、上端を固定しかつ自由な状態で懸垂した変形可能な重量物を収納し、
昇降体側が下降することにより収納容器が上昇すると、収納容器内に重量物が順次折り畳んで収納されることにより収納容器側の重量が増加し、
昇降体側が上昇することにより収納容器が下降すると、収納容器内の重量物が順次引き出されることにより収納容器側の重量が減少するように構成したことを特徴とする、
ケーブルの張力の調整装置。
Priority Applications (1)
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JP10367293A JP3593664B2 (ja) | 1993-04-07 | 1993-04-07 | ケーブルの張力の調整装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10367293A JP3593664B2 (ja) | 1993-04-07 | 1993-04-07 | ケーブルの張力の調整装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH06293483A JPH06293483A (ja) | 1994-10-21 |
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ID=14360289
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP10367293A Expired - Fee Related JP3593664B2 (ja) | 1993-04-07 | 1993-04-07 | ケーブルの張力の調整装置 |
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Country | Link |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110451391A (zh) * | 2019-08-05 | 2019-11-15 | 广州广日电梯工业有限公司 | 无机房电梯紧急救援方法及系统 |
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1993
- 1993-04-07 JP JP10367293A patent/JP3593664B2/ja not_active Expired - Fee Related
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