JPH06293483A - ケーブルなどの張力の調整機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】それ自体の重量の影響が大きいワイヤー、ケー
ブルの張力を簡単に調整することのできるケーブルなど
の張力の調整機構を提供する。 【構成】ケーブル１などの張力の調整機構は、一方の端
部を昇降体３を取り付けるケーブル１などの他端は収納
容器４を支持し、この収納容器４には懸垂した変形可能
な重量物５の下端を収納し、荷重側が下降すると収納容
器４内には重量物５が折り畳んで収納されることにより
収納容器４の重量が増加し、荷重側が上昇すると、収納
容器４内の重量物５の量が減少することにより収納容器
４の重量が減少するように構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ワイヤー、ケーブルな
どの張力の調整機構に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】エレベーターのように、重量がほぼ一定
に定まった重量物を吊り上げるワイヤーは、吊り上げ側
と反対側にカウンターウエイトを配置すると経済的であ
る。このカウンターウエイトの重量を昇降物の重量と同
一に設定しておけば、中間位置にある場合には理想的に
釣り合うことになる。これは昇降物は他のワイヤーで吊
り下げてあり、その昇降物に信号や電力を供給するケー
ブルにおいても同様である。

【０００３】

【発明が解決しようとする問題点】しかし前記したよう
なワイヤー、ケーブルなどの張力の調整機構にあって
は、次のような問題点が存在する。すなわちエレベータ
ーの搬機などを吊っているワイヤー自身にも重量があ
る。そのために中間位置から外れるとワイヤーの重量が
徐々に影響を与え、最下部あるいは最上部に至ったとき
に最も大きくバランスが崩れることになる。ただしエレ
ベーターその他の装置においては一般に吊り上げ対象物
の重量と、吊り上げワイヤーの重量との比率を比べると
ワイヤーの重量の比率はわずかであり、また昇降する位
置および高さも一定であるためにワイヤー重量の影響は
大きくない。

【０００４】他方、建設工事で地下掘削などの作業を行
う機械設備へ電力を供給するケーブル、操作信号用ケー
ブルの場合には次のような問題があり、ケーブル自体の
重量の変化が全体に大きく影響してくる。すなわち他の
ケーブルによって全重量が支持されている機体へ、電力
や信号を与えるケーブルの場合である。この種のケーブ
ルでは、掘削機械設備が水平、垂直に移動しても、ケー
ブルがたるまない程度の張力を常時与えておくことが好
ましい。ところが掘削深度は数十メートルから百メート
ルを越えるものもあり、日々深くなってくるとケーブル
の重量の与える影響が増大する。そのために最適な張力
を負荷するには、カウンターウエートを掘削深度に見合
った重量（懸垂しているケーブル重量に等しい重量）に
調整する必要がある。また機械設備を保守、点検するた
めに地上に搬出する場合は引上げい伴なってカウンター
ウエートの影響が大きくなり、引上げ荷役作業とくに水
平移動作業に悪影響を及ぼす。

【０００５】

【本発明の目的】本発明は上記したような従来の問題を
解決するためになされたもので、それ自体の重量の影響
が大きいワイヤー、ケーブル（以下ケーブルなどと称す
る）の張力を簡単に調整することのできるケーブルなど
の張力の調整機構を提供することを目的とする。

【０００６】

【問題点を解決するための手段】上記のような目的を達
成するために、本発明のケーブルなどの張力の調整機構
は、一方の端部を昇降体に取り付けるケーブルなどにお
いて、中間にシーブを介して他端には収納容器を支持
し、この収納容器には、上端を固定しかつ自由な状態で
懸垂した変形可能な重量物の下端を収納し、荷重側が下
降することにより収納容器が上昇すると、収納容器内に
は重量物が折り畳んで収納されることにより収納容器の
重量が増加し、荷重側が上昇することにより収納容器が
下降すると、収納容器内の重量物の量が減少することに
より収納容器の重量が減少するように構成した、ケーブ
ルなどの張力の調整機構を特徴としたものである。

【０００７】

【本発明の構成】以下図面を参照しながら本発明のケー
ブルなどの張力の調整機構の実施例について説明する。 ＜イ＞ケーブルなどの配置 本発明の機構の対象とするケーブル１などは、中間にシ
ーブ２を介してその一方の端部は昇降体３に取り付けて
ある。昇降体３へ取り付けることによって直接に重量を
支持する場合もあるが、図３に示すように、昇降体３は
別のワイヤーで支持し、したがって重量は支持せずに昇
降体３に信号などを送るためのケーブル１も本発明の装
置の対象となる。

【０００８】＜ロ＞収納容器 上記のケーブル１などの他端には収納容器４を取り付け
る。この収納容器４は、上端を固定しかつ自由な状態で
懸垂した変形が容易な可変重量５の下端に位置させ、収
納可能に配置する。可変重量５とは、例えばチェーンな
どが一般的であるが、多数の鉄のブロックをピンやチェ
ーン、リンクで連結したもの（図４）などを採用でき
る。そのような可変重量５の上端を上部の支持枠などに
固定し、可変容器が上昇中にはその下端側を折り畳んで
収納容器４の内部に収納する。なお昇降体３の昇降距離
よりも、収納容器４の昇降距離を小さくした方がよい場
合には、ケーブル１などを直接収納容器４に連結せず、
複数のシーブ２を介して連結すればよい。

【０００９】

【作動】次に上記した本発明の装置の作動について説明
する。 ＜イ＞昇降体３の下降 昇降体３が下降することにより収納容器４が上昇する。
一方、可変重量５はその上端が上部に固定されており、
昇降することはない。そのために、収納容器４内には可
変重量５が順次折り畳まれ、その状態で収納される。す
ると収納容器４の重量が増加し昇降体３の重量の増加に
比例してバランスを取ることになる。その結果、ケーブ
ル１などには常に一定の張力が加わり、常に弛むことな
く引っ張りすぎることもなく最適な張力を与えることが
できる。以上の作動は、ケーブル１などで直接に昇降体
３を吊り下げた場合でも、あるいは昇降体３は他のワイ
ヤーで吊り下げてある場合でも同様である。

【００１０】＜ロ＞昇降体３の上昇 昇降体３が上昇することにより収納容器４が下降する。
前記したように可変重量５はその上端が上部に固定され
ており、昇降することはない。そのために、収納容器４
内の可変重量５は収納容器４から順次引き出される。す
ると収納容器４の重量は減少し、昇降量の重量の減少に
比例してバランスが取れることになる。

【００１１】

【発明の効果】本発明のケーブルなどの張力の調整機構
は以上説明したようになるから昇降にともなって重量の
増減する装置のバランスを、きわめて簡単な構造によっ
て得ることができるものである。その結果、ケーブルな
どには常に一定の張力が加わり、常に弛むことなく、し
かも引っ張りすぎることもない最適な張力を与えること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の調整機構の作動の説明図

【図２】本発明の調整機構の作動の説明図

【図３】使用状態の一例の説明図

【図４】可変重量の一例の説明図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一方の端部を昇降物に取り付けるケーブル
   などにおいて、 中間にシーブを介して他端には収納容器を支持し、 この収納容器には、上端を固定しかつ自由な状態で懸垂
   した変形可能な重量物の下端を収納し、 荷重側が下降することにより収納容器が上昇すると、収
   納容器内には重量物が折り畳んで収納されることにより
   収納容器の重量が増加し、 荷重側が上昇することにより収納容器が下降すると、収
   納容器内の重量物の量が減少することにより収納容器の
   重量が減少するように構成した、 ケーブルなどの張力の調整機構