JPWO2013027776A1 - マルチコアファイバおよびマルチコアファイバのコアの配置方法 - Google Patents

マルチコアファイバおよびマルチコアファイバのコアの配置方法 Download PDF

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Abstract

複数本の単一モードのコアを一本の光ファイバに収納するマルチコアファイバにおいて、複数本のコアは、伝搬定数を異にする複数種の異種コアを備える。複数種の異種コアは、コア部と、コア部の外周を覆うクラッド部とを備える。クラッド部は、各コア部の外周を囲む第1のクラッドと、第1のクラッドの外側の第2のクラッドの2段クラッドの構造を備える。複数種の異種コア間において、各コア部および第1のクラッドが有する光電磁界分布は、各コア部および第1のクラッドの範囲内に閉じこめられて第2クラッドへのしみ出しが制限され、各異種コアの伝搬定数は第1のクラッドの屈折率をパラメータとして異なる。この構成により異種コアの種類数の増加によるコアを高密度化において、比屈折率差Δの異種コア間における範囲の広がりを抑制して、各コアの伝搬特性の差の増大とを抑制する。

Description

本発明は、高密度空間多重伝送のためのマルチコアファイバおよびコアの配置方法に関する。
コア間における信号の結合の状態を表す一般的な用語として、「結合状態」の用語と「不完全結合状態」の用語が用いられている。また、コア間の結合の状態をより詳細に表す用語として「完全結合状態」の用語および「非結合状態」の用語が知られている。
「結合状態」の用語は結合率がほぼ1に近い結合の状態を表し、「不完全結合状態」の用語は結合率が1より小さいが、完全には零ではない結合の状態を表している。
「完全結合状態」の用語は結合率が完全に1である結合の状態を表し、「非結合状態」の用語は結合率が測定不可能な値まで零に近い結合の状態を表している。
また、マルチコアファイバの分野においては、「結合マルチコアファイバ」の用語と「非結合マルチコアファイバ」の用語が用いられている。このとき、「結合マルチコアファイバ」における結合は、コア間の結合の状態が一般的用語の「結合状態」の意味で用いられ、「非結合マルチコアファイバ」における結合は、コア間の結合の状態が一般的用語の「不完全結合状態」の意味で用いられている。
そこで、本願発明では、マルチコアファイバの分野で用いる用語に倣って、「非結合マルチコアファイバ」における「非結合」は、詳細な意味における「非結合」ではなく、一般的用語における「不完全結合」とし、結合率が1より小さいが、完全には零ではない結合の状態を意味するものとする。
マルチコアファイバによる空間多重伝送において、単一モードの複数のコアを1本の光ファイバに収納したマルチコアファイバを用いた構成は、非特許文献1および非特許文献2などが知られている。
個々のコアを非結合状態に保つ構成として、コア間距離を離してコアを配置する構成、コアの伝搬定数を離してコアが近接した状態であっても不完全結合状態とする構成、あるいはコア間に隔壁層あるいは空孔を導入する構成等が知られている。
図32はマルチコアファイバのコア間結合を説明するための最も簡単なモデルを示している。
伝搬定数が同じ同種コアを用いて非結合系のマルチコアファイバを構成しようとすると、コア間のクロストークを回避するために、コア間の間隔をかなり大きく開ける必要があり、コア密度を高くすることは困難である。そこで、非結合系のマルチコアファイバでは、伝搬定数が異なる異種コアを用いてマルチコア化を行っている。
図32(a)は、異なる伝搬定数β0 (1)、β0 (2)を有する異種コアの独立導波路を示している。図32(b)は、伝搬定数を異にする2種の異種コアからなる非結合導波路を示している。2種の異種コアを用いるマルチコアファイバは、コアの伝搬定数β0 (1)、β0 (2)が異なることで非結合導波路を形成している。
なお、ここで、異種コアは伝搬定数が異なるコアを表し、同種コアは伝搬定数が同じコアを表している。
伝搬定数は、屈折率差、コアの直径、屈折率分布等のパラメータを変えることで異ならせることができる。図33は異なる伝搬定数の一例を示している。図33(a)は、伝搬定数が異なる3種類のコアを三角格子配列してなるマルチコアファイバの構成例を示し、図33(b)〜(d)は、屈折率差、コアの直径、屈折率分布を異ならせることによって、コアの伝搬定数を異ならせる例を示している。
図33(b)に示すコアでは、コア直径を2a−1、屈折率をn1−1とし、クラッドの屈折率をn2−1とし、図33(c)に示すコアでは、コア直径を2a−2、屈折率をn1−2とし、クラッドの屈折率をn2−2とし、図33(d)に示すコアでは、コア直径を2a−3、コア中心の屈折率をn1−3とし、クラッドの屈折率をn2−3とする屈折率分布を有している。
本願の発明者は、比屈折率差Δの異なる複数の単一モードコアを用いることによって、コア間結合を抑制して高密度にコアを収納する異種非結合マルチコアファイバ(heterogeneous uncoupled MCF)を提案している(非特許文献3)。
比屈折率差Δは、コアの屈折率をn、第1のクラッドの屈折率をnとしたとき、
Δ=(n −n )/2n
で定義され、コアと第1のクラッド間の比屈折率差Δが1に比べて十分に微小であるとき(Δ≪1)には、弱導波近似により(n−n)/nで表される。
また、第1のクラッドの屈折率をn、第2のクラッドの屈折率をnとしたとき、第1のクラッドと第2のクラッドとの比屈折率差Δcは、
Δc=(n −n )/2n
で定義される。
図33(a)は、伝搬定数が異なる多数のコアを三角格子状に三角格子配列してなるマルチコアファイバを示している。この例では、異なる伝搬定数を持つ隣接する異種コア間のコア間距離はΛであり、同じ伝搬定数を持つ同種コア間のコア間距離はDである。なお、3種類のコアを用いた三角格子配列では、異種コア間のコア間距離はΛと同種コア間のコア間距離Dとの間には、その幾何形状からD=√3×Λの関係がある。
以下、従来行われている、異種コアによる非結合マルチコアファイバの設計手順について、図34〜図37を用いて説明する。図34,図35は、異種コアのコアとクラッドとの比屈折率差が大きい高屈折率差の場合を示し、図36,図37は、異種コアのコアとクラッドとの比屈折率差が小さい低屈折率差の場合を示している。ここでは、高屈折率差としてΔ=1.10%〜1.30%の場合を示し、低屈折率差としてΔ=0.3%〜0.4%の場合を示している。
マルチコアファイバは、光ファイバ内のコア間で信号光が相互に漏れ込む結合現象に起因するクロストークの問題がある。
コア間距離が同じであれば同種コア間のクロストークは異種コア間のクロストークよりも大であり、また、クロストークが同じであれば同種コア間距離Dは異種コア間距離Λよりも大である。3種類のコアを用いた三角格子配列では、同種コア間において設定したクロストークを満たすように同種コア間距離Dを定めれば、異種コア間のクロストークは設定したクロストークよりも十分に小さくなるように異種コア間の伝搬定数差を設定することができる。
異種コアによる非結合マルチコアファイバにおいて、従来の設計手順では、はじめに同種コア間で設定したクロストークに基づいて同種コア間の距離Dを求め、次に、コア配列の幾何的関係から異種コア間の距離Λを求めている。
図34は、同種コア間距離Dを定める手順を示している。図34(a)において、比屈折率差Δを同じくする同種コア間の距離をDとしている。設計要求条件として、伝搬距離が100kmのとき同種コア間のクロストークを−30dB以下に設定したとき、同種コア間の結合長lは5000kmとなる。同種コア間の結合に起因するクロストークは、2つのコア間の結合係数をκとして、ある距離Lだけ伝搬した後の1方のコアから他方のコアへ移行した規格化電力sin(κL)で表される。結合長lは、1方のコアから他方のコアへ移行した規格化電力が1.0になる長さと定義されるので、l=π/(2κ)と表される。
図34(b)は、結合長lと同種コア間距離Dとの関係を示しており、コアの直径2a=5μmとし、比屈折率差Δが1.10%、1.15%、1.20%、1.25%、1.30%の各場合を示している。図34(b)に示す関係から、比屈折率差Δが1.20%である場合には、結合長l=5000km以上を満たす同種コア間距離Dは40μmとなる。
図35は、異種コア間のクロストークおよびコア配列を説明するための図である。図35(a)において、異種コアは同種コア間距離Dから定まる異種コア間距離Λだけ離して配置する。図35(b)は、異種コアの電力結合率(最大電力移行率とも呼ばれる)を示している。電力結合率は異種コア間のクロストークを表している。ここでは、比屈折率差Δが1.15%、1.20%、1.25%の各場合について、比屈折率差Δに対するクロストークを電力結合率Fで示している。異種コア間の結合に起因するクロストークは、電力結合率(最大電力移行率)Fで表すことができる。
2つの異種コア間の電力結合率(最大電力移行率)Fは、
F=1/[1+(β−β/(2κ)
の式で表すことができる。上記式において、κはコア間の結合係数であり、βnはコアnの伝搬定数である(非特許文献3)。
図35(b)は、異種コア間距離Λが10μm,15μm,20μmの各場合を示し、異種コア間距離Λが大きくなるほどクロストークは小さくなることを示している。異種コア間距離Λが23μmである場合には、比屈折率差Δの差が0.05%であれば、クロストークは−80dB以下となり、クロストークの設定値である−30dBを満たすものと推測される。
同種コア間距離Dが40μmであるとき、三角格子配列では異種コア間距離Λは23μm(=40/√3)であり、矩形格子配列では異種コア間距離Λyは28.3μm(=40×√3/2)である。図35(c)、(d)は、ファイバの直径が125μmとしたときにおける、19コアを配列する三角格子配列の例、および12コアを配列する矩形格子配列の例を示している。
異種コアのコアとクラッドとの比屈折率差が小さい低屈折率差の場合において、高屈折率差の場合と同様に、設計要求条件として、伝搬距離が100kmのとき同種コア間のクロストークを−30dB以下に設定したとき、同種コア間の結合長lは5000kmとなる。
図36(a)において、比屈折率差Δを同じくする同種コア間の距離Dを示し、図36(b)は、結合長lと同種コア間距離Dとの関係を示している。コアの直径2a=9μmとし、比屈折率差Δが0.3%、0.325%、0.35%、0.375%、0.40%の各場合を示している。図36(b)に示す関係から、比屈折率差0.35%である場合には、結合長l=5000km以上を満たす同種コア間距離Dは70μmとなる。
図37は、異種コア間のクロストークおよびコア配列を説明するための図である。図37(a)において、異種コアは同種コア間距離Dから定まる異種コア間距離Λだけ離して配置する。図37(b)は、異種コアの電力結合率(最大電力移行率)を示している。ここでは、比屈折率差Δが0.325%、0.350%、0.375%の各場合について、比屈折率差Δに対するクロストークを電力結合率Fで示している。
図37(b)は、異種コア間距離Λが20μm,30μm,40μmの各場合を示し、異種コア間距離Λが大きくなるほどクロストークは小さくなることを示している。異種コア間距離Λが40μmである場合には、比屈折率差Δの差が0.025%であれば、クロストークは−80dB以下となり、クロストークの設定値である−30dBを満たしていることが確認される。
同種コア間距離Dが70μmであるとき、三角格子配列では異種コア間距離Λは40μm(=70/√3)であり、矩形格子配列では異種コア間距離Λyは52.0μm(=70×√3/2)である。図37(c)、(d)は、ファイバの直径が125μmとしたときにおける、7コアを配列する三角格子配列の例、および6コアを配列する矩形格子配列の例を示している。
異種非結合マルチコアファイバのコア配置は、三角格子配列、矩形格子配列のように対称図形の周期的配列に基づいており、前記した例によれば、同レベルのクロストークに対する同種コア間距離は異種コア間距離よりも3倍程度大きい。そのため、異種コアの種類数を増やすことによってコア密度を高めることが提案されている(非特許文献4,5)。
図38は、異種コアの種類数の増加によるコアの高密度化を説明するための図である。図38(a)は、9種の異なるコアを配置した配置例を示している。ここで、コアの断面形状は通常は円形であるが、この図では異種コアを識別しやすく表示するために多角形等の記号で表している。この配置例では三角格子配列の格子点の重心位置を配置位置として追加することによって9種類のコアを配置している。
図38(b)は、半径R内に収納可能なコア数を示している。図38(b)中のfで示す9種類の異種コアを用いた場合には、R/Dが1.25の場合において収納可能なコア数は55本である。なお、Rはコアを配置する範囲の直径であり、Dは同種コア間距離である。なお、図38(b)において、a〜eはそれぞれ1種類のコア、2種類の異種コア、3種類の異種コア、4種類の異種コア、8種類の異種コアを配置した場合を示している。
異種コアのコアとクラッドとの比屈折率差が大きい高屈折率差の場合において、3種類の異種コアの配置例で図39(a)に示すように19コアが収納可能であるのに対して、9種類の異種コアの配置例で図39(b)に示すように55コアが収納可能であり、異種コアの種類数を増加することによってコアの高密度化が図られる。
コアの高密度化の構成として、上記したように異種コアの種類数を増加する他に、隣接するコア間のクラッド部分にトレンチと呼ばれる屈折率が低い部分を形成する構成が提案されている(非特許文献6,7)。
S. Inao, T. Sato, H. Hondo, M. Ogai, S. Sentsui, A. Otake, K. Yoshizaki, K. Ishihara, and N. Uchida, "High density multi-core-fiber cable," Proceedings of the 28th International Wire & Cable Symposium (IWCS), pp. 370−384, 1979. B. Rosinski, J. W. D. Chi, P. Grasso, and J. L. Bihan, "Multichannel transmission of a multicore fiber coupled with Vertically-Coupled- Surface- Emitting Lasers," J. Lightwave Technol., vol.17, no.5, pp.807-810, 1999. M. Koshiba, K. Saitoh, and Y. Kokubun, "Heterogeneous Multi-Core Fibers: Proposal and Design Principle," IEICE ELEX, vol6,No.2, pp.98-103, Jan.2009. 友澤,國分,"非結合系マルチコアファイバにおける最大収容コア数とファイバ径の関係",2010年電子情報通信学会総合大会,C-3-25(2010年3月) K. Tomozawa, Y. Kokubun, "Maximum core capacity of heterogeneous uncoupled multi-core fibers," 15th Optoelectronics and Communications Conference (OECC2010), Sapporo, 7C2-4, July 7 2010. K. Takenaga, Y. Arakawa, S. Tanigawa, N. Guan, S. Matsuo, K. Saitoh, M. Koshiba, "Reduction of Crosstalk by Trench-Assisted Multi-Core Fiber," in Proceedings of Optical Fiber Communications Conference 2011, paper OWJ4. T. Hayashi, T. Taru, O. Shimakawa, T. Sasaki, E. Sasaoka, "Low-Crosstalk and Low-Loss Multi-Core Fiber Utilizing Fiber Bend," in Proceedings of Optical Fiber Communications Conference 2011, paper OWJ3.
異種コアの種類の個数を増加させることによってコアの高密度化を図る場合には、異種コアの種類の個数の増加に伴って最大比屈折率差Δと最小比屈折率差Δの差の幅(比屈折率差Δの範囲)が広くなる。コアの分散や単一モード波長(最低次モードの次の高次モードがカットオフになる波長)といった伝搬特性は比屈折率差Δに依存するため、比屈折率差Δの範囲が広がると、異種コアの伝搬特性の差が大きくなるという課題がある。
図40は、比屈折率差Δが例えば1.1%を超える高屈折率差の場合において異種コアの種類数を増加したときのコアの比屈折率差Δの分布を説明するための図である。図40において、各コア間の比屈折率差Δの差を0.05%として9種類の異種コアを形成するには、全体の比屈折率差Δの範囲であるδΔ=0.4%(=0.05%×8)が必要となり、比屈折率差Δの範囲δΔが大きいほど各コアの伝搬特性の差が増大する。
異種非結合マルチコアファイバを構成する異種コアの伝搬定数を異ならせるために、単に比屈折率差Δやコア径を変えると、各コアの単一モード波長や、パルス伝送におけるパルス幅の広がりに関係する分散といった伝搬特性に差が生じるという問題が生じる。一方、異種コアの伝搬特性を揃えるには、例えば分散補償などの対策が必要となるが、これらの対策は異種コアごとに異なるため、マルチコアファイバの構成が複雑となる。特に、コアの高密度化により異種コアの種類数が増加すると、伝搬特性の差を低減させることはより難しくなる。
したがって、伝搬定数を異にする複数種の異種コアを備えるマルチコアファイバでは、各異種コアの伝搬特性に差が生じるという課題があり、さらに、この伝搬特性の差は、異種コアの種類数を増加させることによるコアの高密度化においてより増大するという課題がある。
そこで、本発明は前記した従来の問題点を解決し、伝搬定数を異にする複数種の異種コアを備えるマルチコアファイバにおいて、各異種コアの伝搬特性の差を低減することを目的とする。
また、異種コアの種類数の増加によるコアの高密度化において、比屈折率差Δの異種コア間における範囲が広がるのを抑制して、各コアの伝搬特性の差が増大することを抑制することを目的とする。
(マルチコアファイバの異種コアの構成)
本発明のマルチコアファイバは、複数本の単一モードのコアを一本の光ファイバに収納するマルチコアファイバにおいて、複数本のコアは、伝搬定数を異にする複数種の異種コアを備える。本発明のマルチコアファイバが備える複数種の異種コアは、コア部と、コア部の外周を覆うクラッド部とを備える。クラッド部は、各コア部の外周を囲む第1のクラッドと、第1のクラッドの外側の第2のクラッドの2段クラッドの構造を備える。
第1のクラッドと第2のクラッドからなる2段クラッドは、各コア部を伝搬する基本モードの伝搬定数を異ならせることで複数種の異種コアを構成する。
異種コアの各コア部および第1のクラッドは、伝搬特性に係る第1の構成と、伝搬定数に係る第2の構成とを備える。
第1の構成は、各コア部および第1のクラッドの範囲内に閉じ込められ第2のクラッドへのしみ出しを制限された光電磁界分布とすることにより各コア部の伝搬特性を同一とする。伝搬特性は、例えばコアの伝搬モード(導波モード)の電磁界分布と材料の屈折率の波長依存性によって決まる分散や、単一モード波長である。
理想的には第2クラッドへの光電磁界分布のしみ出しが全くないことが望ましいが、現実には光電磁界分布のしみ出しを完全に防ぐことは極めて困難である。ここで「制限された」とは、光電磁界分布がしみ出さない状態を意味する他、光電磁界分布がしみ出してもファイバの使用において伝搬特性に影響がない許容の範囲、すなわち実質的に無視し得る範囲に制限された状態を意味する。
第2の構成は、第1のクラッドの屈折率をパラメータとして異種コアの各コア部を伝搬する基本モードの伝搬定数を異ならせる。第2の構成は、伝搬定数が依存するパラメータの内でクラッド部の屈折率をパラメータとし、さらに、クラッド部を構成する第1のクラッドと第2のクラッドの内で第1のクラッドの屈折率をパラメータとすることによって伝搬定数を異種コア間で異ならせる。第2の構成において、2つの形態によって第1のクラッドの屈折率をパラメータとして、伝搬定数を異種コア間で異ならせることができる。
[第1の構成]
第1の構成において、各異種コアのコア部を伝搬するモードの光電磁界分布は、第1のクラッドのみによって囲まれたコアの光電磁界分布との差がコア内の光電磁界分布に与える影響を無視し得る程度である。分散や単一モード波長といった光伝搬特性が、ほぼコアと第1のクラッドの間の屈折率の関係で定まる。ここで、影響が無視し得る程度とは、第2のクラッドの屈折率による影響を受けない程度まで第1のクラッド外周部において減衰し、第2のクラッドの屈折率がコアを伝搬するモードの伝搬特性に影響を与えない範囲である。
第1の構成は、第1のクラッドと第2のクラッドの境界(第1のクラッドの端部)がコア部から十分に離れ、第2のクラッドの屈折率に関わらず、コア部と第1のクラッドとの間の比屈折率差とコア半径とコア部内の屈折率分布によって、コア内を伝搬する伝搬モード(導波モード)の伝搬特性が定まる。
各異種コアの光電磁界分布は、複数種の異種コアにおいて、コア部と第1のクラッドとの間のV値およびコア部内の屈折率分布形状を同一とすることで同様とすることができる。
第1の構成においてV値は、規格化周波数(正規化周波数)(Normalized Frequency)と呼ばれるパラメータであり、Vパラメータとも呼ばれる。V値は、コア部と第1のクラッドとの比屈折率差をΔ、コア部の直径を2a、コア部の屈折率をn、λを伝送波長としたとき、
V=(2π/λ)・n・a・(2Δ)1/2
の式で定義される。
コア部内の屈折率分布形状を例えば矩形などの形状に特定すれば、V値を同じとすることによって、分散や単一モード波長等の伝搬特性を同一とすることができる。
ここで、比屈折率差Δは、
Δ=(n −n )/2n
≒(n−n)/n
で与えられる。なお、上記式の近似(弱導波近似)は光ファイバ等のようにコアの屈折率nと第1のクラッドの屈折率nの屈折率差(n−n)が小さい場合に成り立つ。
上記V値の定義から、V値は比屈折率差Δ、コア部の直径2a、コア部の屈折率nが同じであれば同一の値となる。
また、上記した比屈折率差Δの定義式によれば、V値は、
V=(2π/λ)・a・(n −n 1/2
の式で表すこともでき、コア部の直径2aと、コア部の屈折率の2乗と第1のクラッドの屈折率の2乗の差の平方根との積で特定することができる。
第1の構成によって、各異種コアはコア部と第1のクラッドとのV値を同一とすることによって、各コアの単一モード波長、分散等の各伝搬特性を同一とすることができる。
また、複数種の異種コアにおいて比屈折率差Δは1種類であり、異種コアの種類数が増加した場合であっても増加しないため、比屈折率差Δの範囲は抑制され、各コアの伝搬特性の差の増大は抑制される。
[第2の構成]
第2の構成によって、各異種コアの伝搬定数が異なる。異種コアの伝搬定数を異ならせることによって、コアが近接した状態であってもコア間を不完全結合状態に保つことができる。
第2のクラッドが存在することによる伝搬定数に対する影響は、コア部と第1のクラッドの端部の間の距離等価屈折率の変化で評価することができる。等価屈折率の変化は、共通クラッドのみを有する(第2のクラッドの屈折率が第1のブラッドの屈折率に等しい)コアの等価屈折率neqと本願発明の2段クラッド構造のコアの等価屈折率neq´との差で表すことができ、例えば、(neq−neq´)/(neq−n)で表される。
第2のクラッドが存在することによる伝搬定数に対する影響は、例えば、コア部と第1のクラッドの端部の間の距離に対する等価屈折率の変化との関係に基づいて、第2のクラッドの存在による伝搬定数に対する影響を無視できる範囲とするコアの端部から第1のクラッドの端部までの距離で評価することができる。
本発明のマルチコアファイバは、伝搬定数についての第2の構成は、異種コア間の第1のクラッドの屈折率を2つの形態で設定することができる。
[第2の構成の第1の形態]
第2の構成の第1の形態は、第2のクラッドを各異種コア間で共通クラッドとし、この共通クラッドの屈折率を基準として第1のクラッドとの比屈折率差(Δc)が各異種コアにおいて異なる構成である。第1のクラッドと基準となる共通クラッドである第2のクラッドとの比屈折率差Δcを異ならせることによって各異種コアの伝搬定数を異ならせる。
第1のクラッドの屈折率は、第2のクラッドの屈折率よりも高く、あるいは等しく、あるいは低く設定することができ、比屈折率差Δcは、第1のクラッドの屈折率と第2のクラッドの屈折率との関係において、正、零、あるいは負の値となる。
この第1の形態によれば、各異種コアの伝搬定数はコアと第1のクラッドとの比屈折率差によって決まる。このとき、第1のクラッドの屈折率が第1のクラッドと第2のクラッドとの比屈折率差Δcに基づいて定まるため、第1のクラッドの屈折率をパラメータとして伝搬定数が異なる複数種の異種コアを形成することができる。
第1の形態は、異種コア間において第2のクラッドを共通クラッドとする構成であるため、第2のクラッドの屈折率が一定である構成に適用することができる。
[第2の構成の第2の形態]
第2の構成の第2の形態は、第1のクラッドの屈折率が各異種コアについてそれぞれ異なるが、第2のクラッドの屈折率は共通である必要はなく、それぞれ異なる屈折率であることを許容する構成である。第1のクラッドの屈折率を各異種コアについて異ならせることによって各異種コアの伝搬定数を異ならせる。第2クラッドの屈折率も変えることによって光電磁界分布の隣接コアへのしみ出し具合を制限し、結合率を下げることができる。
第2の形態によれば、各異種コアの伝搬定数はそれぞれの異種コアが備える第1のクラッドの屈折率に基づいて定まるため、第2のクラッドの屈折率が各異種コアごとに変化した場合であっても各異種コアの伝搬定数は変化することなく設定した値を保持することができる。
この第2の形態によれば、伝搬定数が第1のクラッドの屈折率に基づいて定まることから、隣接コアへの光電磁界分布のしみ出しを制限するために第2のクラッドの屈折率を異種コアごとに変化させた場合にも、各異種コアの伝搬定数を異ならせる設計には影響を与えずに,かつコア間のクロストークをより小さい値に抑制することができる。
本願発明は、クラッド部を第1のクラッドと第2のクラッドからなる2段クラッド構造の異種コアによる多種コアを用いることによってコアの高密度化を図るものである。本願発明の発明者は、この2段クラッド構造においては、第1のクラッドに発生するクラッドモードに起因してクロストークおよびパルス波形歪みが生じることを見出した。
コアモードおよび第1のクラッドのクラッドモードは、弱導波近似のもとでの直線偏光の導波モードによるLPモード表示において、それぞれLP01モードおよびLP11モードで表される。
クロストークは、第1のクラッドのLP11モードが隣接するコア間を囲む第1のクラッドを伝搬するLP11モードと結合を起こし、さらに光ファイバの接続部における軸ずれや曲げなどによって当該隣接コアに属する第1のクラッドのLP11モードと当該隣接コアのLP01モードとの間で信号が結合することに起因するものであり、第1のクラッドのLP11モードによって、単一モード光ファイバの単一モード性が維持されないことになる。
また、パルス波形の歪みは、光ファイバの接続部における軸ずれや曲げなどによってコアを伝搬するLP01モードと第1のクラッドのLP11モードとの間に結合が生じて、異なる伝搬定数および異なる群速度によって出力端において出力信号間に遅延差が生じるためである。
そこで、本願発明のマルチコアファイバは、第1のクラッドにおいてLP11モードの発生を抑制する構成とすることによって単一モードを維持して、上記したクロストークやパルス波形歪みを低減する。
本願発明のLP11モードの発生を抑制する構成は、第1のクラッドの屈折率nと第2のクラッドの屈折率nとの屈折率差Δnc(=n−n)において、LP11モードが発生する屈折率差Δncの限界値を大きくする構成である。屈折率差Δncの限界値を越えない範囲の第1のクラッドの屈折率nと第2のクラッドの屈折率nを用いることで単一モードとすることができ、上記したクロストークやパルス波形歪みを低減することができる効果を奏することができる。
さらに、本願発明のLP11モードの発生を抑制する構成は、LP11モードが発生する屈折率差Δncの限界値を大きくしてクロストークやパルス波形歪みを低減する他、屈折率差Δncの限界値が大きくなることから、各コアの屈折率の差を形成するための製造許容誤差を拡大することができるという効果を奏することができる。
[LP11モードの発生を抑制する構成]
クラッド部に低屈折率部分を設ける構成によって、第1のクラッドのLP11モードの発生を抑制する。
クラッド部において低屈折率部分は複数の範囲に設けることができ、第1のクラッド内の範囲、第1のクラッドとコア部とを跨ぐ範囲、第1のクラッドと第2のクラッドとを跨ぐ範囲、第2のクラッド内の範囲の何れかの範囲とすることができる。これらの範囲中の何れかの範囲に、第2のクラッドの屈折率よりも小さい屈折率を有する部分を少なくとも1つ設けて低屈折率部分とする。クラッド部に設けた低屈折率部分は、第1のクラッドの導波モードであるLP11モードの存在を抑制する。
低屈折率部分は、クラッド部に前記した何れかの範囲内に空孔を設けてなるエアーホールによって形成することができ、空孔の屈折率は空気の屈折率(nair=1.0)である。
低屈折率部分の設置個数は一個とする他、複数個とすることができる。複数個の低屈折率部分を設置する場合には、クラッド部の前記した範囲内の複数箇所に設ける。
第1のクラッド内の範囲に一個の低屈折率部分を設ける場合には、コア部を囲む環状の第1のクラッドの任意に定めた一つの位置に低屈折率部分を設け、第1のクラッド内の範囲に複数個の低屈折率部分を設ける場合には、コア部を囲む環状の第1のクラッドにおいて任意の角度間隔で定めた複数の位置に低屈折率部分を設ける。
第1のクラッド内の範囲に限らず、第1のクラッドとコア部とを跨ぐ範囲、第1のクラッドと第2のクラッドとを跨ぐ範囲、第2のクラッド内の範囲においても、各範囲の環状部分において任意に定めた一つの位置、あるいは、各範囲の環状部分において任意の角度間隔で定めた複数の位置に低屈折率部分を設ける。
(マルチコアファイバの異種コアの配置)
本発明のマルチコアファイバの異種コアの配置において、光ファイバの中心付近の配置においては、複数種の異種コアの内で最も屈折率が低いコア部を配置する。また、光ファイバの中心付近から光ファイバの外周方向に向かう配置においては、複数種の異種コアの内から2種類の異種コアのペアを形成し、異種コアのコア部の屈折率の差に基づいて配置する。配置する2種類の異種コアのペアは、複数の異種コアの中からコア部の屈折率の差に基づいて選択されるペアの組み合わせ内で屈折率の差が大きな組み合わせとする。
異種コアのコア部の屈折率の差に基づく配置において、2種類の異種コアのペアは、各ペアの異種コアのコア部の屈折率の差が最小となるペア以外の組み合わせ、又は、各ペアの異種コアのコア部の屈折率の差が最小となるペアの個数を最小とする組み合わせとする。
異種コアを上記配置とすることによって、コア間結合への影響を低減し、また、マルチコアファイバが湾曲して等価的な屈折率分布が変化した場合であっても、隣接するコア間の結合を抑制する。
マルチコアファイバにおいて外周部に配置されるコアはクラッド部の外側にあるポリマージャケットへ光電磁界分布がしみ出すことによってポリマー材料による吸収損失が発生する。コア部の屈折率が低いほど、クラッド部からポリマージャケットへの光電磁界分布のしみ出しは大きい。そのため、大きな吸収損失が生じる。このことから、複数種の異種コアの内で最も屈折率が低いコア部を有するコアを光ファイバの中心付近に配置し、複数種の異種コアの内で屈折率が比較的高いコア部を有するコアを光ファイバの中心から離れた位置に配置することによって、外周部のコアからクラッド部の外側のポリマージャケットへの光電磁界分布のしみ出しを低減させて吸収損失を低減することができる。
マルチコアファイバが湾曲した場合には、各異種コアの屈折率分布が等価的に変化し、隣接するコアの屈折率が接近する。したがって伝搬定数も変化するのでコア間結合への影響が高まる。本願発明は、光ファイバの中心付近から光ファイバの外周方向に向かう配置においては、複数種の異種コアの内から形成した2種類の異種コアのペアを屈折率の差に基づいて配置する。この屈折率の差が大きな組み合わせを用いて配置することによって、仮にマルチコアファイバが湾曲して異種コアの屈折率分布が変形し、隣接するコアの屈折率分布が接近した場合であっても、コア部の屈折率の差が大きいことから、コア間結合への影響を低減することができる。
一本の光ファイバに収納する複数のコアの組み合わせにおいて、異種コアの種類の個数が全コアの個数より少ない場合には、伝搬定数を異にする異種コアと、伝搬定数を同じくする同種コアとの両種類のコアを収納することによってマルチコアファイバを構成する。
また、一本の光ファイバに収納する複数のコアの組み合わせにおいて、異種コアの種類の個数が全コアの個数より多く用意できる場合には、全て伝搬定数を異にする異種コアを収納することによってマルチコアファイバを構成することができる。
複数のコアを一本の光ファイバに収納する際に、コアは三角格子配列あるいは矩形格子配列によって配置することができる。
三角格子配列は、各コアを光ファイバの断面において最近接する周囲に配列される6個の配置位置に対して等角度および等距離に配置する配列である。
各ペアのコアを光ファイバの中心付近から光ファイバの外周方向に向かって配置する際に、三角格子配列では、光ファイバの中心付近から光ファイバの外周方向に向かう放射方向に配置する。
本発明の異種コアの配置の態様によれば、マルチコアファイバにおいて、低屈折率のコアを中心に配置して、マルチコアファイバの最外周に設けたポリマージャケットとの距離を広げることによって、ポリマージャケットによる吸収損失を低減することができる。
また、本発明の異種コアの配置の態様によれば、マルチコアファイバの湾曲による隣接するコア間のコア結合において、マルチコアファイバの曲げ方向に隣接するコア間の屈折率差が大きくなるように配置することによって、マルチコアファイバの曲げによるクラッドの屈折率の接近を抑制して、屈折率分布が変形することによるコア間のクロストークの増大を抑制することができる。
以上説明したように、本発明によれば、伝搬定数を異にする複数種の異種コアを備えるマルチコアファイバにおいて、各異種コアの伝搬特性の差を低減することができる。
また、異種コアの種類数の増加によるコアの高密度化において、異種コア間における比屈折率差Δの差の範囲が広がるのを抑制して、各コアの伝搬特性の差が増大することを抑制することができる。
本発明のマルチコアファイバが備える異種コアの一構成例を説明するための図である。 異種コアの関係を示す概略図である。 第2のクラッドのほかに共通クラッド(充填材)を有する場合の異種コアの関係を示す概略図である。 9種類の異種コアの一例を示す図である。 第2のクラッドの有無で変化する等価屈折率の変化と、第1のクラッドの外周端部径との関係を示す図である。 異種コアのコア間距離Λに対する電力結合率を示す図である。 クラッド部に低屈折率部分を備えた構成を説明するための図である。 マルチコアファイバを構成する一つのコアの各モードの等価屈折率の第1のクラッドと第2のクラッドの屈折率差Δnc(=n−n)への依存性を示す図である。 LP01モードの電界振幅分布を示す図である。 LP01モードの電界ベクトルレベルを示す図である。 LP11(even)モードの電界振幅分布を示す図である。 LP11(even)モードの電界ベクトルレベルを示す図である。 LP11(odd)モードの電界振幅分布を示す図である。 LP11(odd)モードの電界ベクトルレベルを示す図である。 コア間の電力結合率(最大電力移行率)を示す図である。 低屈折率部分を有した構成例を説明するための図である。 低屈折率部分を有した構成例における9種類の異種コアの一例を示す図である。 マルチコアファイバを構成する一つのコアの各モードの等価屈折率の第1のクラッドと第2のクラッドの屈折率差Δnc(=n−n)への依存性を示す図である。 マルチコアファイバを構成する一つのコアの各モードの等価屈折率の第1のクラッドと第2のクラッドの屈折率差Δnc(=n−n)への依存性を示す図である。 マルチコアファイバを構成する一つのコアの各モードの等価屈折率の第1のクラッドと第2のクラッドの屈折率差Δnc(=n−n)への依存性を示す図である。 マルチコアファイバを構成する一つのコアの各モードの等価屈折率の第1のクラッドと第2のクラッドの屈折率差Δnc(=n−n)への依存性を示す図である。 マルチコアファイバを構成する一つのコアの各モードの等価屈折率の第1のクラッドと第2のクラッドの屈折率差Δnc(=n−n)への依存性を示す図である。 マルチコアファイバを構成する一つのコアの各モードの等価屈折率の第1のクラッドと第2のクラッドの屈折率差Δnc(=n−n)への依存性を示す図である。 低屈折率差における従来構成によるコア配置例と本願発明の2段クラッド構造によるコア配置例とを説明するための図である。 コア配置における単位格子を説明するための図である。 マルチコアファイバの曲げによる等価的な屈折率分布を説明するための図である。 本願発明のマルチコアファイバの異種コアの配列を説明するための図である。 本願発明のマルチコアファイバの配列方向による屈折率の分布を模式的に表す図である。 本願発明のマルチコアファイバの異種コアの配列の別の例を説明するための図である。 光ファイバ内に配置する異種コアの種類を全て異ならせる例を示す図である。 低屈折率部分を備えた異種コアの配置例を説明するための図である。 マルチコアファイバのコア間結合を説明するための最も簡単なモデルを示す図である。 異なる伝搬定数の例を示す図である。 異種コアのコア間の屈折率差が大きい高屈折率差の場合の同種コア間結合長を示す図である。 異種コアのコア間の屈折率差が大きい高屈折率差の場合の異種コア間の電力結合率(最大電力移行率)を示す図である。 異種コアのコア間の屈折率差が小さい低屈折率差の場合の同種コア間結合長を示す図である。 異種コアのコア間の屈折率差が小さい低屈折率差の場合の異種コア間の電力結合率(最大電力移行率)を示す図である。 異種コアの種類数の増加によるコアの高密度化を説明するための図である。 異種コアの配置例を説明するための図である。 異種コアの種類数を増加したときのコアの比屈折率差Δの分布を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。図1〜図23を用いて本発明のマルチコアファイバの構成について説明し、図24〜図31を用いて本発明のマルチコアファイバにおけるコアの配列について説明する。図1〜図6,図24〜図30は低屈折率部分を備えない構成例および異種コアの配置例を説明するための図であり、図7〜図23,図31は低屈折率部分を備えた構成例および異種コアの配置例を説明するための図である。
本願発明のマルチコアファイバは、複数本の単一モードのコアを一本の光ファイバに収納する構成であり、コアはコア部と、そのコア部の外周を囲むクラッド部とから構成され、単一モードの伝送モードで光伝送を行う。また、本願発明のマルチコアファイバが一本の光ファイバ内に収納するコアは、異種コアと同種コアを含む。
ここで、異種コアはコア間において伝搬定数が異なる関係にあるコアを示し、同種コアはコア間において伝搬定数が同じ関係にあるコアを示している。本願発明のマルチコアファイバは、一本の光ファイバ内に、伝搬定数が異なる複数種類の異種コアを備え、これら複数本の異種コアにおいて、伝搬定数が同じコア同士は同種コアの関係となる。異種コアの伝搬定数は、コアとクラッド間の比屈折率差、コアの直径、コア内の屈折率分布等のパラメータを変えることで異ならせることができる。
[マルチコアファイバの構成]
図1は、本発明のマルチコアファイバが備える異種コアの一構成例を説明するための図である。
コア1は、コア部2とクラッド部3とから構成され、コア部2の屈折率はクラッド部3の屈折率よりも高く設定される。本発明のクラッド部3は、コア部2の外周を囲む第1のクラッド4と、第1のクラッド4の外側の第2のクラッド5の2段クラッド構造である。第1のクラッド4と第2のクラッド5は屈折率を異にし、第1のクラッド4の屈折率は第2のクラッド5の屈折率よりも高く、あるいは等しく、あるいは低く設定する。第1のクラッドと第2のクラッドの屈折率の大小関係により、比屈折率差Δcは、正、零、あるいは負の値となる。
以下の説明では一例として、第1のクラッド4の屈折率が第2のクラッド5の屈折率よりも全て高い場合について説明する。
2段クラッド構造は、第1のクラッド4と第2のクラッド5との間における屈折率の段差に基づくものである。
本発明のコア1の構成によれば、コア部2と第1のクラッド4との間の屈折率差によって光をコア内に閉じ込める。図1中の曲線はコアにおける光電磁界分布を示している。光の光電磁界分布はコア部2から第1のクラッド4の外周に向かって減衰し、コア部2と第1のクラッド4との間にほぼ分布して、第1のクラッド4と第2のクラッド5との境界ではほぼ零になって、第2のクラッド5にはしみ出さない。
第1のクラッド4の端部における光電磁界分布の強度が十分に小さければ、第2のクラッド5の屈折率が変動した場合であっても、コアの伝搬定数に影響は現れない。
いま、第1のクラッドの断面形状が環状である構成例について説明する。なお、第1のクラッドの断面形状は、環状に限らず、3角形、6角形等、あるいは異なる多角形形状の組み合わせなど種々の構成とすることができる。
図1において、コア部2を半径aとし、第1のクラッド4の環状部分の外側の半径はaとし、コア部2の屈折率をn、第1のクラッド4の屈折率をn、第2のクラッド5の屈折率をnとしている。
最低次モードの光電磁界分布の強度は、コア部2の中心をピークとして第1のクラッド4の外周に向かって減衰する。第1のクラッド4の外周端部aにおける光電磁界分布の強度が十分に減衰する場合には、第2のクラッド5の屈折率nの変動による光電磁界分布の影響は、伝搬定数の変動において無視し得る許容の範囲とすることができる。
本願発明の複数種類の異種コアは、各コア部を伝搬する基本モードの伝搬定数を異ならせることで複数種の異種コアを構成し、2段クラッド構造において、異種コアの各コア部および第1のクラッドは、第1の構成によって各コア部の伝搬特性を異種コア間で同一とし、第2の構成によって伝搬定数を異種コア間で異ならせる。
第1の構成は、各コア部および第1のクラッドの範囲内に閉じ込められ第2のクラッドへのしみ出しが制限された光電磁界分布とすることにより各コア部の伝搬特性を同一とする。伝搬特性は、例えばコアの伝搬モード(導波モード)の電磁界分布と材料の屈折率の波長依存性によって決まる分散や、単一モード波長である。
第1の構成は、複数種の異種コアにおいて、コア部2と第1のクラッド4との比屈折率差(Δ)を同一とする。比屈折率差(Δ)を同一とする第1の構成によって、コアの分散、単一モード波長等の伝搬特性を複数種の異種コア間において同一とすることができる。
第2の構成は、第1のクラッドの屈折率をパラメータとして異種コアの各コア部を伝搬する基本モードの伝搬定数を異ならせる。第2の構成は、伝搬定数が依存するパラメータの内でクラッド部の屈折率をパラメータとし、さらに、クラッド部を構成する第1のクラッドと第2のクラッドの内で第1のクラッドの屈折率をパラメータとすることによって伝搬定数を異種コア間で異ならせる。第2の構成において、2つの形態によって第1のクラッドの屈折率をパラメータとして伝搬定数を異種コア間で異ならせることができる。
第2の構成は、第1のクラッドの屈折率を特定する態様によって第1の形態と第2の形態とすることができる。
図2は異種コアの関係を示す概略図であり、異種コア11,12,13の3種類の場合を示している。
異種コア11はコア部の屈折率をn11とし、第1のクラッドの屈折率をn21としている。異種コア12はコア部の屈折率をn12とし、第1のクラッドの屈折率をn22としている。異種コア13はコア部の屈折率をn13とし、第1のクラッドの屈折率をn23としている(図2(a))。
(第2の構成の第1の形態)
第2の構成の第1の形態は、複数種の異種コアにおいて、第2のクラッド5を各異種コア間において共通クラッドとし、この共通クラッドの屈折率を基準とする第1のクラッド4との比屈折率差(Δc)を各異種コアにおいて異ならせる。共通クラッドは、例えばSIOとすることができる。
図1において、第2のクラッド5を共通クラッドとして屈折率nを基準の屈折率とし、第1のクラッド4の屈折率nとの比屈折率差(Δc)を、異種コアにおいて異ならせる形態である。図1では、屈折率がn21の第1のクラッド4と第2のクラッド5との比屈折率差(Δc1)、屈折率がn22の第1のクラッド4と第2のクラッド5との比屈折率差(Δc2)、屈折率がn23の第1のクラッド4と第2のクラッド5との比屈折率差(Δc3)を示している。第1の形態は、図1においてコア部2に対して左側に記載した比屈折率差(Δc1)〜(Δc4)は第1の形態による第1のクラッドの屈折率の特定状態を表している。
図2(b)は第2の構成の第1の形態を示している。図2(b)は、第2のクラッド5を共通クラッドとし、この共通クラッドの屈折率nと第1のクラッド4の屈折率n21,n22,n23との比屈折率差(Δc)によって、各異種コアの伝搬定数を異ならせる構成例である。異種コア11の第1のクラッドと共通クラッドの屈折率nとの比屈折率差(Δc1)は(n21 −n )/2n21 で表され、異種コア12の第1のクラッドと共通クラッドの屈折率nとの比屈折率差(Δc2)は(n22 −n )/2n22 で表され、異種コア13の第1のクラッドと共通クラッドの屈折率nとの比屈折率差(Δc3)は(n23 −n )/2n23 で表される。各比屈折率差(Δc)に応じて、各異種コアの伝搬定数は異なる。
この場合、コア部2の屈折率と第1のクラッド4の屈折率によって決まる比屈折率差Δが一定であるので、コア部2の屈折率もn11、n12のように第1のクラッド4の屈折率nの変化に対応して変化する。第1の形態は第2のクラッド5の屈折率が共通である場合に適用することができる構成である。
(第2の構成の第2の形態)
第2の構成の第2の形態は、複数種の異種コアにおいて第1のクラッドの屈折率を異ならせるが、第2のクラッドの屈折率は共通ではない形態である。図1において、第1のクラッド4の屈折率nをそれぞれ異種コアの種類毎に異ならせるとともに、第2のクラッドの屈折率nも異種コアの種類毎に異ならせる。図2(c)では、第1のクラッド4の屈折率がn21、n22、n23で第2のクラッド5の屈折率がn、n3a、n3bの場合を示している。
この構成例では、各屈折率差は第1のクラッドにおいて任意に定めた屈折率を基準として定めることができる。第2の構成によって、異種コアの各伝搬定数に差を形成することができ、隣接コアへの光電磁界分布のしみ出しを制限するために第2のクラッドの屈折率を異種コアごとに変化させた場合にも、隣接するコア間の結合を抑制することができる。
図2(c)は、第1のクラッド4の屈折率n21,n22,n23を異ならせ、さらに第2のクラッド5の屈折率についてもn、n3a、n3bとしてそれぞれ異ならせることによって、各異種コアの伝搬定数を異ならせる構成例である。例えば、第1のクラッド4の屈折率の間にn21>n22>n23の関係を持たせることによって、各異種コアの伝搬定数を異ならせて、コア間を非結合とすることができる。
なお、光ファイバの比屈折率差Δは小さいので、第2のクラッドの比屈折率差ΔcをΔc1、Δc2、Δc3のように異ならせることと、第1のクラッドの屈折率nをn21,n22,n23のように異ならせることは、第2のクラッドの屈折率nが共通であればほぼ等価である。
図2(b)〜(c)において、コア部2と第1のクラッド4との比屈折率差(Δ)は、それぞれ(n11 −n21 )/2n11 =(n12 −n22 )/2n12 =(n13 −n23 )/2n13 であるため同一となる。比屈折率差(Δ)を同一とすることによって、異種コア間において、分散、単一モード波長等の伝搬特性を同一とすることができる。
図2(b)に示した構成例は第2のクラッドを共通クラッドとした例を示している。共通クラッドを備える構成において、共通クラッドは第2のクラッドに限らず、別に設ける構成としてもよい。図3は、第2のクラッド以外に共通クラッドを備える構成例を示している。
図3に示す構成例は、伝搬定数差を大きくする構成に加えて、隣接するコアにしみ出す光電磁界分布を小さくする構成とすることによって隣接コア間の結合(クロストーク)を低減するものである。この構成例では、第2のクラッドを共通クラッドとせずに、別に共通クラッド(n)を設け、隣接コア同士が接するまで第2のクラッドの領域を設ける。図3では、共通クラッドとして充填材を用いた場合を示している。この構成によれば、図3(c)に示すように、すべての異種コアにおいて比屈折率差Δcを同じとすることができる。この構成を付加することで、隣接コア間の結合の抑制効果を高めることができる。
図3(a)は、第2のクラッドの断面形状を環状とする例を示し、図3(b)は第2のクラッドの断面形状を6角形のハニカム状とする例を示している。
図4は9種類の異種コアの一例を示している。図4(a)は、異種コア11から異種コア19の各コア部2の屈折率がn11からn19まで順に増加し、各第1のクラッド4の屈折率がn21からn29まで順に増加する例を示している。なお、図4の例では、異種コア11の第2のクラッドの屈折率n21はマルチコアファイバの共通クラッドの屈折率nと同じ例を示している。
図4(b)に示す表は、異種コア11から異種コア19の各コア部の屈折率n11〜n19の数値例、および各第1のクラッドの屈折率n21〜n29の数値例を示している。
(2段クラッド構造の特性)
以下に、本願発明の2段クラッド構造の特性について説明する。
はじめに、図5を用いて2段クラッド構造による伝搬定数に対するの影響について説明する。
図5は、本願発明の2段クラッド構造において第2のクラッドがない(第2のクラッドの屈折率が第1のクラッドの屈折率に等しい)場合の等価屈折率(neq)と第2のクラッドが存在する場合の等価屈折率(neq')の差(neq-neq')を第2のクラッドがない場合の等価屈折率(neq)と第1のクラッドの屈折率との差(neq-n29)によって規格化した比率の第1のクラッドの外周端部の径に対する変化を示している。
単一モードのコアにおける基本モードの伝搬定数は、等価屈折率を用いてコア部の屈折率nとクラッド部の屈折率nとの比較から、コアへの光電磁界分布の閉じ込め割合などを評価できる。等価屈折率neqは、導波モードの伝搬定数βの真空中の平面波の伝搬定数kに対する比として、neq=β/kと定義される。
(neq(等価屈折率)−n(クラッド))/(n(コア)−n(クラッド))はコアへの光電磁界の閉じ込め割合をほぼ表しており、この関係から、第2のクラッドの存在による伝搬定数に対する影響は、共通クラッドのみを有する(第2のクラッドの屈折率が第1のブラッド部の屈折率に等しい)コアの等価屈折率neqと本願発明の2段クラッド構造のコアの等価屈折率neq´との差で表すことができ、例えば、(neq−neq´)/(neq−n(第1のクラッド))で表される。
伝搬定数が最も影響を受けやすい異種コアは、第1のクラッドの屈折率と第2のクラッドの屈折率との差が大きな異種コアであるので、上記した等価屈折率の差の等価屈折率と第1のクラッドの屈折率との差に対する比率は、(neq−n´eq)/(neq−n29))で表される。
等価屈折率の差の等価屈折率と第1のクラッドの屈折率との差に対する比率を用いて、第2のクラッドの存在による伝搬定数に対する影響を評価することができる。例えば、図5は、この等価屈折率の差の比率と、第1のクラッドの外周端部の径aとの関係を示している。
図5に示される、コア部と第1のクラッドの端部の間の距離に対する等価屈折率の差の比率との関係に基づいて、第2のクラッドの存在による伝搬定数に対する影響を無視し得る第1のクラッドの端部までの距離を評価することができる。
なお、図5に示す例は低屈折率差の例であって、コアの半径a=4.5μm、比屈折率差Δ=0.35%、コア部の屈折率n19=1.45145、第1のクラッドの屈折率n29=1.44636、第2のクラッドの屈折率n=1.44402としている。
図5において、例えば、第1のクラッドの外周端部の径aが8μmにおける第2のクラッドの影響は2%(=2×10−2)を示している。
したがって、各異種コアの第1のクラッドの外周端部の径aを少なくとも8μmとすることによって、2段クラッド構造とすることによる伝搬定数の変化を最大2%に抑制することができる。
次に、図6を用いて2段クラッド構造によるクロストークに対する第1のクラッドの屈折率と共通クラッドの屈折率の差の影響について説明する。図6は、異種コアのコア間距離Λに対する電力結合率(最大電力移行率)を示している。電力結合率は異種コア間のクロストークを表している。図6は、複数種類の異種コア間における電力結合率において、隣接する異種コアの第1のクラッドの屈折率が高い例として屈折率n28と屈折率n29の場合を示し、隣接する異種コアの第1のクラッドの屈折率が低い例として屈折率n21と屈折率n22の場合を示している。図6に示す特性は、第1のクラッドの屈折率と共通クラッドの屈折率との差が小さいほど電力結合率が高くクロストークが大きいことを示している。
ここで、2段クラッド構造のクロストークと、従来の異種コアによるクロストークとを比較する。
図6に示す例は、Δ=0.35%(a=4.5μm)の低屈折率差において、図37(c)で示した例と同様に、隣接コア間距離Λを40μmとしてときの3種の異種コアによる7コア配置例について比較する。3種コアの場合に想定したΔ=0.325%、0.350%、0.375%と同じ等価屈折率の差を与える第1のクラッドおよびコアの異種コア間での屈折率差としてδncl=0.00029を設定する。ここで、屈折率n21=n=1.44402とした場合には、δnc1の場合の特性線から、隣接するコア間の距離Λが23μm以上であれば、電力結合率を−40dB以下とすることができる。図37に示した7コア配置例の隣接コア間距離Λが40μmであるのに対して、2段クラッド構造の例では隣接するコア間の距離Λを23μmとすることができ、2段クラッド構造によって隣接コア間距離Λを縮めることができる。
(低屈折率部分を備えた構成例)
次に、クラッド部に低屈折率部分を備えた構成について図7〜図23を用いて説明する。
図7はクラッド部に低屈折率部分を備えた構成を説明するための図であり、前記した図1に示した構成と同様にコアの径rの方向における屈折率nを示し、クラッド部における低屈折率部分の例を示している。
ここでは、低屈折率部分6を設けるクラッド部の範囲として、第1のクラッド内の範囲の例を図7(a)に示し、第1のクラッドとコア部とを跨ぐ範囲の例を図7(b)に示し、第1のクラッドと第2のクラッドとを跨ぐ範囲の例を図7(c)に示し、第2のクラッド内の範囲の例を図7(d)に示す。
前記した範囲に、第2のクラッド5の屈折率nよりも小さい屈折率nを有する部分を少なくとも1つ設けて低屈折率部分6とする。クラッド部3に低屈折率部分6を設けることによって、第1のクラッド4の導波モードであるLP11モードの存在を抑制する。
図7(a)は、第1のクラッド4内の範囲に低屈折率部分6を設ける構成であり、第1のクラッド4内の範囲において低屈折率部分6を設けない個所の屈折率nは実線で示している。図7(b)は、第1のクラッド4とコア部2とを跨ぐ範囲に低屈折率部分6を設ける構成であり、第1のクラッド4とコア部2とを跨ぐ範囲において低屈折率部分6を設ける個所の屈折率n,nは破線で、低屈折率部分6を設けない個所の屈折率n,nは実線で示している。図7(c)は、第1のクラッド4と第2のクラッド5とを跨ぐ範囲に低屈折率部分6を設ける構成であり、第1のクラッド4と第2のクラッド5とを跨ぐ範囲において低屈折率部分6を設ける個所の屈折率n,nは破線で、低屈折率部分6を設けない個所の屈折率n,nは実線で示している。図7(d)は、第2のクラッド5内の範囲に低屈折率部分6を設ける構成であり、第2のクラッド5内の範囲において低屈折率部分6を設ける個所の屈折率n,nは破線で、低屈折率部分6を設けない個所の屈折率nは実線で示している。
図8は、マルチコアファイバを構成する一つのコアの各モードの等価屈折率の第1のクラッドと第2のクラッドの屈折率差Δnc(=n−n)への依存性を示し、低屈折率部分を有したコア構成のΔnc依存性と有していないコア構成のΔnc依存性を示している。図8の各モードの等価屈折率の第1のクラッドと第2のクラッドの屈折率差Δncへの依存性は、第1のクラッドと第2のクラッド部の屈折率差Δncに対する等価屈折率neqの変化によって伝搬定数の変化を示しており、等価屈折率neqの範囲はクラッド部とコア部の屈折率の範囲に対応し、等価屈折率neqの最低値は第2のクラッド5の屈折率nに対応している。
図8において、低屈折率部分を有していないコア構成の等価屈折率のΔnc依存性について、最低次モードであるコア部のLP01モードと、次の高次モードである第1のクラッドのLP11モードおよびLP21モードを示している。また、低屈折率部分を有したコア構成の等価屈折率のΔnc依存性について、最低次モードであるコア部のLP01−holeモードと、次の高次モードである第1のクラッドのLP11−holeモードを示している。
図8に示す例では、コア部の直径を9μmとし、第1のクラッド部の直径を16μmとし、第1のクラッドの屈折率nを1.44402とし、コアと第1のクラッドの比屈折率差Δを0.375%とし、空孔の直径を3.5μmとし、空孔は第1のクラッド内の範囲に存在するとしている。空孔は低屈折率部分を構成し、この部分の屈折率は空気の屈折率(1.0)である。
低屈折率部分は、空孔によって形成する他、第2のクラッド部の屈折率より小さな屈折率の部材を用い形成することができる。
各モードの等価屈折率の第1のクラッドと第2のクラッドの屈折率差Δncへの依存性において、等価屈折率neqが第2のクラッド5の屈折率nを超える範囲にあるときには伝搬モード(導波モード)であり、等価屈折率neqが第2のクラッド5の屈折率n以下であるときにはカットオフ状態にあり、伝搬モード(導波モード)とならない。
低屈折率部分を有したコア構成の第1のクラッドのLP11モードおよびLP11−holeモードについて注目すると、屈折率差Δncがカットオフ値よりも小さい範囲では、LP11モードおよびLP11−holeモードの等価屈折率neqは第2のクラッド5の屈折率n以下であり伝搬モード(導波モード)とならない。一方、屈折率差Δncがカットオフ値を超えると、LP11モードおよびLP11−holeモードの等価屈折率neqは第2のクラッド5の屈折率nを超えて伝搬モード(導波モード)となる。
図8では、低屈折率部分を有していないコア構成の第1のクラッドのLP11モードの屈折率差Δncのカットオフ値は約3×10−4であるのに対して、低屈折率部分を有したコア構成の第1のクラッドのLP11−holeモードの屈折率差Δncのカットオフ値は約5×10−3となる。
したがって、低屈折率部分を有したコア構成とすることによって、第1のクラッドのLP11モードが形成される屈折率差Δncの限界値を拡大し、この限界値の範囲内の屈折率差Δncを用いることによって第1のクラッドのLP11モードを抑制することができる。
第1のクラッドにおいてLP11モードが存在する場合には、光ファイバの接続点などにおいて軸ずれや曲げのために第1のクラッドのLP11モードとコアのLP01モードとの間で信号が結合することでクロストークが生じ、単一モード光ファイバの単一モード性が維持されないことになる。
またコアを伝搬するLP01モードと第1のクラッドのLP11モードとの間に結合が生じると、異なる伝搬定数および異なる群速度によって出力端において出力信号間に遅延差が生じるため、パルス幅広がりが発生する。
図9〜図14はLPモードの電界振幅分布および電界ベクトルレベルの一例を示している。図9はLP01モードの電界振幅分布を示し、図10はLP01モードの電界ベクトルレベルを示し、図11はLP11(even)モードの電界振幅分布を示し、図12はLP11(even)モードの電界ベクトルレベルを示し、図13はLP11(odd)モードの電界振幅分布を示し、図14はLP11(odd)モードの電界ベクトルレベルを示している。
伝搬定数を異にするモード(LP01モード、LP11モード)が伝搬すると、異なる伝搬定数によって出力端において出力パルス信号間に伝搬時間差(遅延差)が生じ、これらのモードを一括して光検出器で検出すればパルス波形に歪みが発生する要因となる。
このLP11モードによって生じるクロストークやパルス波形の歪みに対して、低屈折率部分を有したコア構成とすることによって、第1のクラッドにおいてLP11モードの発生を抑制することができ、これによって単一モードを維持して、クロストークやパルス波形歪みを低減することができる。
さらに、LP11モードの発生を抑制する構成は、LP11モードが発生する屈折率差Δncの限界値を大きくしてクロストークやパルス波形歪みを低減する他、屈折率差Δncの限界値が大きくなることから、各コアの屈折率の差を形成するための製造許容誤差を拡大することができるという効果を奏することができる。
図15は、第2のクラッドを共通クラッドとして、最も結合が大きくなる組み合わせである第1のクラッドのみで構成される(第2のクラッドの屈折率が第1のクラッドの屈折率に等しい)コアと次に屈折率が大きいコア間の電力結合率(最大電力移行率)を示している。ここでは、比屈折率差Δ=0.375%とし、コア間距離を16μmとしている。図15によれば屈折率差δncが4×10−4においてクロストークを表す電力結合率Fは、低屈折率部分を有しない場合には−20dBであるが、低屈折率部(空孔)を有する場合には−55dBとなる。
ここで、図15で用いる屈折率差δncは近接する第1のクラッドの屈折率差であり、したがって隣接するコア間の屈折率の差、および等価屈折率の差にほぼ等しい。一方、図8で示した屈折率差Δncは、第1のクラッドの屈折率と第2のクラッドの屈折率差である。
したがって、図15に示す屈折率差δncの値は、図8の屈折率差Δncの値を異種コアの個数で除算して値によって比較することができる。
図15において、屈折率差δncが0.00029、電力結合率が−20dBの点は、図6で示した低屈折率部分を有していない構成例を示している。この例で比較すると、低屈折率部分を有した構成とすることによって、クロストークを約−30dB改善することができる。
図16は、前記図3に示した低屈折率部分を有していない構成例に対して、低屈折率部分を有した構成例を示している。
図16の構成例では、各コアの第1のクラッド内に低屈折率部分として空孔を6個配置する例を示している。空孔の径は第1のクラッドの幅と一致させて、空孔の内側の縁部がコア部の外周部分に接し、空孔の外側の縁部が第2のクラッドの内周部分の接する構成とする構成に限らず、空孔の縁部とコア部および第2のクラッドと接しない構成としても良い。
図17は、図4に示した例と同様に、9種類の異種コアの例を示している。図17は、異種コア11から異種コア19の各コア部2の屈折率がn11からn19まで順に増加し、各第1のクラッド4の屈折率がn21からn29まで順に増加する例を示している。なお、図17の例では、異種コア11の第2のクラッドの屈折率n21はマルチコアファイバの共通クラッドの屈折率nと同じ例を示し、コア部の屈折率n1iと第1のクラッドの屈折率n2iの数値例を示している。各異種コアの第1のクラッドは、低屈折率部分としてそれぞれ6個の空孔を配置している。
クラッド部に設ける低屈折率部分の配置位置および配置数は、図8,16,17で示したように、第1のクラッド内の範囲に6個の低屈折率部分を設ける配置構成に限らず、第1のクラッドとコア部とを跨ぐ範囲、第1のクラッドと第2のクラッドとを跨ぐ範囲、第2のクラッド内の範囲の何れかの範囲に複数の低屈折率部分を配置する構成としてもよい。
以下、図18〜図23を用いて、クラッド部に設ける低屈折率部分の配置位置および配置数の例について示す。図18〜図23の何れの例においても、コア部の直径を9μmとし、第1のクラッド部の直径を16μmとし、第1のクラッドの屈折率nを1.44402とし、比屈折率Δを0.375%とし、空孔の直径を3.5μmとしている。空孔は低屈折率部分を構成し、この部分の屈折率は空気の屈折率(1.0)である。
図18は、第1のクラッドと第2のクラッドとを跨ぐ範囲に6個の低屈折率部分を配置する例を示している。なお、図では低屈折率部分は空孔であり、空孔の屈折率はnair=1.0であり、空孔の中心を第1のクラッドの外周の円周上に配置した例を示している。この例において、LP11モードがカットオフとなる屈折率差Δncの値は、約2.4×10−3付近である。なお、空孔の中心の配置位置は第1のクラッドの外周の円周上に限られるものではない。
図19は、第2のクラッド内の範囲に6個の低屈折率部分を配置する例を示している。なお、図では低屈折率部分は空孔であり、空孔の屈折率はnair=1.0であり、空孔の外周の一部を第1のクラッドの外側の端部に接して配置した例を示している。この例において、LP11モードがカットオフとなる屈折率差Δncの値は、約0.8×10−3付近である。なお、空孔の配置は、空孔の外周を第1のクラッドの外側の端部に接して配置する構成に限られるものではなく、空孔の外周と第1のクラッドの外側の端部との間に第の2クラッドを構成する素材を介在させる構成としてもよい。
図20は、第1のクラッド内の範囲に4個の低屈折率部分を配置する例を示している。なお、図では低屈折率部分は空孔であり、空孔の屈折率はnair=1.0であり、空孔の外周を第1のクラッドの外側の端部およびコア部の外周の両方に接して配置した例を示している。この例において、LP11モードがカットオフとなる屈折率差Δncの値は、約2.9×10−3付近である。なお、空孔の配置は、空孔の外周を第1のクラッドの外側の端部およびコア部の外周の両方に接して配置する構成に限られるものではなく、空孔の外周と第1のクラッドの外側の端部との間、または、空孔の外周とコア部の外周との間に第1クラッドを構成する素材を介在させる構成、あるいは、空孔の外周と第1のクラッドの外側の端部との間および空孔の外周とコア部の外周との間の両方の間隔に第1のクラッドを構成する素材を介在させる構成としてもよい。
図21は、第2のクラッド内の範囲に4個の低屈折率部分を配置する例を示している。なお、図では低屈折率部分は空孔であり、空孔の屈折率はnair=1.0であり、空孔の外周の一部を第1のクラッドの外側の端部に接して配置した例を示している。この例において、LP11モードがカットオフとなる屈折率差Δncの値は、約0.6×10−3付近である。なお、空孔の配置は、空孔の外周を第1のクラッドの外側の端部に接して配置する構成に限られるものではなく、空孔の外周と第1のクラッドの外側の端部との間に第2のクラッドを構成する素材を介在させる構成としてもよい。
図22は、第1のクラッド内の範囲に3個の低屈折率部分を配置する例を示している。なお、図では低屈折率部分は空孔であり、空孔の屈折率はnair=1.0であり、空孔の外周を第1のクラッドの外側の端部およびコア部の外周の両方に接して配置した例を示している。この例において、LP11モードがカットオフとなる屈折率差Δncの値は、約1.5×10−3付近である。なお、空孔の配置は、空孔の外周を第1のクラッドの外側の端部およびコア部の外周の両方に接して配置する構成に限られるものではなく、空孔の外周と第1のクラッドの外側の端部との間、または、空孔の外周とコア部の外周との間に第1クラッドを構成する素材を介在させる構成、あるいは、空孔の外周と第1のクラッドの外側の端部との間および空孔の外周とコア部の外周との間の両方の間隔に第1のクラッドを構成する素材を介在させる構成としてもよい。
図23は、第2のクラッド内の範囲に3個の低屈折率部分を配置する例を示している。なお、図では低屈折率部分は空孔であり、空孔の屈折率はnair=1.0であり、空孔の外周の一部を第1のクラッドの外側の端部に接して配置した例を示している。この例において、LP11モードがカットオフとなる屈折率差Δncの値は、約0.5×10−3付近である。なお、空孔の配置は、空孔の外周を第1のクラッドの外側の端部に接して配置する構成に限られるものではなく、空孔の外周と第1のクラッドの外側の端部との間に第2クラッドを構成する素材を介在させる構成としてもよい。
[異種コアの配置例]
以下、図24〜図31を用いて異種コアの配置について説明する。
図24は、低屈折率差における従来構成によるコア配置例と、本願発明の2段クラッド構造によるコア配置例とを示している。
図24(a)は従来構成によるコア配置例であり、3種類の異種コアを用いて7コアを配置する。図24(b)は本願発明の2段クラッド構造によるコア配置例であり、9種類の2段クラッド構造の異種コアを用いて19コアを配置し、高密度化が図られている。
コアの配置は、格子配列の格子点を利用することによって効率よく行うことができる。円形のファイバ内へのコアの収納は三角格子を用いて行う他、コアに種類数によっては三角格子を組み合わせた矩形格子を利用する場合もある。
図25は、格子配列の単位格子の例を示している。単位格子は格子配列の格子位置の基本単位を表している。格子配列は、この単位格子を周期的に配列することで形成することができる。
ここでは、コアの種類数が1,2,3,4,8,および9種類のコアを用いた場合のコア配置格子を示している。図25(a)は1種類のコアによる単位格子を示している。この単位格子の場合には、コアは1種類であるため、同種コア間距離Dと異種コア間距離Λは同距離となる。
図25(b)は2種類のコアによる単位格子を示している。この単位格子の場合には、x方向の異種コア間距離Λxは同種コア間距離Dの1/2であり、y方向の異種コア間距離Λyは同種コア間距離Dの√3/2である。
図25(c)は3種類のコアによる単位格子および9種類のコアによる単位格子を示している。3種類のコアによる単位格子は、図中の符号1−3が付された格子点で形成され、異種コア間距離Λは同種コア間距離Dの1/√3である。また、9種類のコアによる単位格子は、3種類のコアによる単位格子の重心位置に格子点を配置してなり、図中の符号1−3、および8,9が付された格子点で形成され、異種コア間距離Λは同種コア間距離Dの1/3である。なお、9種類のコアにおいて、4−7の格子点は省略している。
図25(d)は4種類のコアによる単位格子および8種類のコアによる単位格子を示している。
4種類のコアによる単位格子は、2種類のコアによる単位格子を2つ用意し、互いの長辺の中点にそれぞれのコアを配置することで形成することができる。4種類のコアによる単位格子は、図中の符号1−4が付された格子点で形成され、x方向の異種コア間距離Λxは同種コア間距離Dの1/2であり、y方向の異種コア距離Λyは同種コア間距離Dの√3/2である。
また、8種類のコアによる単位格子は、4種類のコアによる単位格子のx方向およびy方向のそれぞれのコア間の中間位置に格子点を配置してなり、図中の符号1−4、および7,8が付された格子点で形成され、x方向の異種コア間距離Λxは同種コア間距離Dの1/4であり、y方向の異種コア間距離Λyは同種コア間距離Dの√3/4である。なお、8種類のコアにおいて、5−6の格子点は省略している。
[マルチコアファイバのコアの配列構成]
次に、マルチコアファイバにおける異種コアの配列構成について説明する。ここでは、マルチコアファイバの曲げによるコア間結合を考慮した配列について示す。
図26はマルチコアファイバの曲げによる屈折率分布を説明するための図である。マルチコアファイバが湾曲した場合(図26(a))には、マルチコアファイバ内に配列された複数本のコアの各屈折率分布が変化する(図26(c))。
湾曲していない状態のマルチコアファイバの1つのコアの屈折率分布は図26(b)中の破線で示す直線導波路の屈折率分布で表され、湾曲した状態のマルチコアファイバの一つのコアの等価的な屈折率分布は図26(b)中の実線で示す曲がり導波路の屈折率分布で表される。
曲がり導波路の等価的な屈折率分布は、n(x,y)[1+y/R]で表される。ここで、Rは曲げ半径を表している。
上記した屈折率分布の関係を用いて、隣接するコア間において最も結合しやすい屈折率n11のコアと屈折率n12のコアとの間において、湾曲によって両コアの屈折率が等しくなる閾値曲げ半径を求めると114mmが得られる。上記したマルチコアファイバの曲げと屈折率分布との関係は、曲げ半径が114mm以上であれば、曲がりによるコア間結合の発生を抑制することができるが、曲げ半径が114mmよりも小さい場合には曲がりによってコア間結合が発生することを表している。
なお、閾値曲げ半径を求める式は以下の式を用いて求めることができる。
本願発明のマルチコアファイバの異種コアの配列において、曲げによるコア間結合を低減するために以下の配置を行う。
A:複数種の異種コアの内、最も低い屈折率のコア部を有するコアを光ファイバの中心付近に配置する。この配置によって、高い屈折率のコア部を有するコアは光ファイバの中心から離れた位置に配置される。
B:複数種の異種コアの内、2種類の異種コアのペアが光ファイバの中心付近から光ファイバの外周方向に向かって異種コアのコア部の屈折率の差に基づいて配置し、2種類の異種コアのペアは、各ペアの異種コアのコア部の屈折率の差の組み合わせの内で屈折率の差が大きな組み合わせとする。
Aの配置構成:マルチコアファイバの光ファイバは、外周部分をポリマージャケットで覆われる構成としている。そのため、ポリマージャケットまでの距離が短い外周部のコアではコアからポリマージャケットへの光電磁界分布のしみ出しによって吸収損失が発生する可能性がある。
通常、ポリマージャケットの吸収損失はコアのコア部およびクラッド部の吸収損失よりもかなり大きい。そのため、ポリマージャケットの影響による吸収損失が発生しやすいコアは、コア部および第1のクラッドの屈折率が小さなコアである。本願発明は、このコア部および第1のクラッドの屈折率が小さなコアを光ファイバの中心付近に配置することによってコア部とポリマージャケットとの距離を大きくとり、ポリマージャケットに近接するコア部および第1のクラッドの屈折率を高めることによって、ポリマージャケットによる吸収損失を低減する。
Bの配置構成:マルチコアファイバの曲がりによるコア間結合は、隣接するコア間の屈折率差が小さいほど大きな影響を受ける。このことから、本願発明は、異種コアの配列において、マルチコアファイバが曲がる方向に沿って隣接するコアのコア部の屈折率差を大きくとることによって、曲がりによるコア間結合の影響を低減させる。
コアを三角格子配列する場合には、マルチコアファイバが曲がる方向に沿って隣接するコアは放射方向に隣接するコアとなる。
図27は、本願発明のマルチコアファイバの異種コアの配列を説明するための図である。図27(a)は、9種類の異種コアについて、コア部の屈折率の大きさに順に並べた状態を示している。なお、この例では、コア部の屈折率が最も小さなコアとして、コア部の屈折率がn11であり、第1のクラッドの屈折率n21は共通クラッドの屈折率nと一致する例を示し、コア部の屈折率がn11から屈折率n19まで順に高まる例を示している。図27では、屈折率n11〜n19のコアにそれぞれ符号1〜9を付して表している。
図27(b)は、9種類の異種コア(コア部の屈折率n11〜n19)をコア部の屈折率の順に並べ、これらの異種コアの中からコアのペアを形成する例を示している。ここでは、コアn12とコアn15によってペアaを形成し、コアn13とコアn16によってペアbを形成し、コアn14とコアn17によってペアcを形成している。このコアのペアは屈折率差が大きい組み合わせであり、また、何れのペアも同等の屈折率差を有するものである。ここでは、各コアの隣接するコア間の屈折率差はほぼ等しく設定されているものとしている。なお、各ペアの屈折率差は必ずしも等しい必要はなく、異なる屈折率差としてもよい。
図27(c)は光ファイバ内に19コアを三角格子配列によって収納する例を示している。光ファイバの中心位置にコアの屈折率が最も小さなコアn11を配置し、ペアa、ペアb、ペアcをそれぞれ放射方向に配置し、ペアa、ペアb、ペアcの各間の位置にコアn18,n19を配置する例を示している。図28は図27(c)の配列例による屈折率の分布を模式的に表している。
異種コア間のクロストークを低減させるためには、隣接する異種コア同士の等価屈折率差が大きいことが望ましい。図27(c)に示した異種コアの配置例では、中央に配置したコアn11とその外周位置に配置したコアn12とが隣接する配置となるため、この異種コア間の等価屈折率差は他の異種コア間の等価屈折率差よりも小さくなる。
隣接する異種コア間の屈折率差を大きくするために、以下の構成とすることができる。光ファイバ内に19コアの収納する際に用いる9種類の異種コアとして、あらかじめ用意する異種コアの種類数を10種類以上とし、この中から、最も屈折率が小さいコアを中央コアとして選択し、屈折率が次に大きな異種コアを外して、最も屈折率が小さなコアから2段階以上離れた屈折率の異種コアから8種類を選択する構成とする。この構成によって、隣接する異種コア間の屈折率差を大きく設定することができる。
図29は、本願発明のマルチコアファイバの異種コアの別の配列例を説明するための図である。
図29(a)は、9種類の異種コア(コアn11〜コアn19)をコア部の屈折率の順に並べ、コアn12とコアn16によってペアaを形成し、コアn13とコアn17によってペアbを形成し、コアn14とコアn18によってペアcを形成している。このコアのペアは屈折率差が大きい組み合わせであり、また、何れのペアも同等の屈折率差を有するものである。ここでは、各コアの隣接するコア間の屈折率差はほぼ等しく設定されているものとしている。
光ファイバの中心位置にコアの屈折率が最も小さなコアn11を配置し、ペアa、ペアb、ペアcをそれぞれ放射方向に配置し、ペアa、ペアb、ペアcの各間の位置にコアn15とコアn19を配置する例を示している。
また、図29(b)は、9種類の異種コア(コアn11〜コアn19)をコア部の屈折率の順に並べ、コアn12とコアn17によってペアaを形成し、コアn13とコアn18によってペアbを形成し、コアn14とコアn19によってペアcを形成している。このコアのペアは屈折率差が大きい組み合わせであり、また、何れのペアも同等の屈折率差を有するものである。ここでは、各コアの隣接するコア間の屈折率差はほぼ等しく設定されているものとしている。
光ファイバの中心位置にコアの屈折率が最も小さなコアn11を配置し、ペアa、ペアb、ペアcをそれぞれ放射方向に配置し、ペアa、ペアb、ペアcの各間の位置にコアn15、ペアc16を配置する例を示している。
(異種コアの配置の変形例)
図30は、光ファイバ内に配置する異種コアの種類を全て異ならせる例を示している。光ファイバ内に19コアを配置する場合には、配置する異種コアとして19種類を用意し(図30(a))、これらを配列する。図30(b)は、中心にコア部の屈折率が小さなコアn11を配置し、コアn11の外周部分にコアn12〜コアn17を配置し、さらに外周部分にコアn18〜コアn119を配置する。なお、図30(b)では、各コアには1〜19の番号を付して示している。ここでは、光ファイバ内に収納するコア数と配置する異種コアの種類数とを一致させているが、用意する異種コアの種類数は収納するコア数以上とし、収納するコア数に必要な異種コアの種類を選択してもよい。
(低屈折率部分を有する異種コアの配置例)
図31は、低屈折率部分を有する異種コアについて配置した例を示している。図8および図15で示した異種コアの例において、第1のクラッドの直径を16μmとし、異種コア間の距離を16μmとした場合には直径100μmの領域内に37本のコアを配置することができる。
図8に示すΔnc依存性において、LP11モードがカットオフとなる屈折率差Δncはほぼ0.005を示している。9種類の異種コアの場合には隣接するコアの第1のクラッド同士の屈折率差δncは屈折率差Δncの1/8であり、約0.0006(≒0.005/8)となる。図15に示すコア間最大電力移行率の特性によれば、隣接するコアの第1のクラッド同士の屈折率差δncが0.0006であるときのコア間最大電力移行率は−50dB以下となる。したがって、図31に示す異種コアの配置によって9種類の異種コアを37本配置したときのクロストークは十分に小さくなる。なお、図31の異種コア間は、図15のコア間距離16μmに基づいて16μmに設定している。
低屈折率部分を有しない異種コアを用いた場合には、図24で示した例の19本配置と比較して約2倍の高密度で配置することができる。
この配置例においても、中心のコアに対して2重の外周部分にコアを配置し、外側の外周部分のコアの屈折率を内側の外周部分のコアの屈折率よりも大きくすることによって、ポリマージャケットによる吸収損失を低減することができ、また、放射方向で隣接するコア間の屈折率差を大きくすることによって、光ファイバの曲がりによるコア間結合を低減することができる。
なお、光ファイバ内のコアの配列は、上記した各例の三角格子配列に限らず、矩形格子配列に適用することができる。
本発明は、比屈折率差Δが1.10〜1.3%程度の高屈折率コアや比屈折率差Δが0.3〜0.4%程度の低屈折率コアに適用することができる。
1 コア
2 コア部
3 クラッド部
4 第1のクラッド
5 第2のクラッド
6 低屈折率部分
11,12,13 異種コア

Claims (19)

  1. 複数本の単一モードのコアを一本の光ファイバに収納するマルチコアファイバにおいて、
    前記複数本のコアは、伝搬定数を異にする複数種の異種コアを備え、
    前記複数種の異種コアはコア部と当該コア部の外周を覆うクラッド部を有し、
    前記異種コアのクラッド部は、各コア部の外周を囲む第1のクラッドと、前記第1のクラッドの外側の第2のクラッドの2段クラッド構造を備え、
    前記複数種の異種コアにおいて、各コア部を伝搬する基本モードの伝搬定数は異種コア間で異なり、
    前記各コア部および前記第1のクラッドは、前記各コア部および前記第1のクラッドの範囲内に閉じ込められ前記第2のクラッドへのしみ出しが制限された光電磁界分布とすることにより各コア部の伝搬特性を同一とし、
    前記第1のクラッドの屈折率をパラメータとして前記異種コアの各コア部を伝搬する基本モードの伝搬定数を異ならせ、前記複数種の異種コア間の伝搬定数を異ならせることを特徴とする、マルチコアファイバ。
  2. 前記クラッド部は、前記第1のクラッド内の範囲、前記第1のクラッドと前記コア部とを跨ぐ範囲、前記第1のクラッドと前記第2のクラッドとを跨ぐ範囲、前記第2のクラッド内の範囲の何れかの範囲に、前記第2のクラッドの屈折率よりも小さい屈折率を有する低屈折率部分を少なくとも1つ備え、前記第1のクラッドの導波モードであるLP11モードの存在を抑制することを特徴とする、請求項1に記載のマルチコアファイバ。
  3. 前記低屈折率部分は前記クラッド部の前記何れかの範囲内に設けられた空孔からなるエアーホールであり、空気の屈折率を有することを特徴とする、請求項2に記載のマルチコアファイバ。
  4. 前記第2のクラッドを各異種コア間において共通クラッドとし、当該共通クラッドの屈折率nを基準とする前記第1のクラッドの屈折率nとの比屈折率差Δc(=(n −n )/2n )が各異種コアにおいて正または負で異なることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のマルチコアファイバ。
  5. 異種コア間において第1のクラッドの屈折率が異なることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のマルチコアファイバ。
  6. 前記各異種コアのコア部を伝搬する基本モードの伝搬定数は、前記第2のクラッドによる影響を無視できる値であることを特徴とする、請求項4に記載のマルチコアファイバ。
  7. 各異種コアのコア部を伝搬する基本モードの伝搬定数は、第2のクラッドによる影響を無視できる値であることを特徴とする、請求項5に記載のマルチコアファイバ。
  8. 前記光電磁界分布において、前記コア部と前記第1のクラッドとの間のV値および前記コア部内の屈折率分布形状は同一であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のマルチコアファイバ。
  9. 前記V値は、前記コア部の中心の屈折率nおよび前記第1のクラッドの屈折率n、前記コア部と前記第1のクラッドとの比屈折率差Δ(=(n ―n )/2n )と前記コア部の半径aより、(2π/λ)・a・n・(2Δ)1/2により定まる値であることを特徴とする、請求項8に記載のマルチコアファイバ。
  10. 一本の光ファイバに収納する複数本のコアは、各伝搬定数を異にする異種コアと、伝搬定数を同じくする同種コアとを含み、
    前記同種コアは、複数種の異種コアにおいて伝搬定数を同じくするコアの組み合わせからなる複数本のコアにより形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマルチコアファイバ。
  11. 一本の光ファイバに収納する複数本のコアは、各伝搬定数を異にする異種コアのみを備え、各異種コアの伝搬定数はすべて異なることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のマルチコアファイバ。
  12. 複数本の単一モードのコアを一本の光ファイバに収納するマルチコアファイバのコアの配置方法において、
    前記複数本のコアは、伝搬定数を異にする複数種の異種コアを備え、
    前記複数種の異種コアはコア部と当該コア部の外周を覆うクラッド部を有し、
    前記異種コアのクラッド部は、各コア部の外周を囲む第1のクラッドと、前記第1のクラッドの外側の第2のクラッドの2段クラッド構造を備え、
    前記異種コアは、各コア部を伝搬する基本モードの伝搬定数を異種コア間で異ならせ、
    前記各コア部および前記第1のクラッドは、前記各コア部および第1のクラッドの範囲内に閉じ込められ前記第2のクラッドへのしみ出しが制限された光電磁界分布とすることにより各コア部の伝搬特性を同一とし、
    前記第1のクラッドの屈折率をパラメータとして前記異種コアの各コア部を伝搬する基本モードの伝搬定数を異ならせ、前記複数種の異種コア間の伝搬定数を異ならせ、
    前記複数種の異種コアの内、最も低い屈折率のコア部を有するコアを光ファイバの中心付近に配置し、
    前記複数種の異種コアの内、2種類の異種コアのペアを光ファイバの中心付近から光ファイバの外周方向に向かって当該異種コアのコア部の屈折率の差に基づいて配置し、
    当該2種類の異種コアのペアは、各ペアの異種コアのコア部の屈折率の差が最小となるペア以外の組み合わせ、又は、各ペアの異種コアのコア部の屈折率の差が最小となるペアの個数を最小とする組み合わせとすることを特徴とする、マルチコアファイバのコアの配置方法。
  13. 前記クラッド部は、前記第1のクラッド内の範囲、前記第1のクラッドと前記コア部とを跨ぐ範囲、前記第1のクラッドと前記第2のクラッドとを跨ぐ範囲、前記第2のクラッド内の範囲の何れかの範囲に、前記第2のクラッドの屈折率よりも小さい屈折率を有する低屈折率部分を少なくとも1つ備え、前記第1のクラッドの導波モードであるLP11モードの存在を抑制することを特徴とする、請求項12に記載のマルチコアファイバのコアの配置方法。
  14. 前記低屈折率部分は前記クラッド部内の前記何れかの範囲内に設けられた空孔からなるエアーホールであり、空気の屈折率を有することを特徴とする、請求項13に記載のマルチコアファイバのコアの配置方法。
  15. 前記第2のクラッドを各異種コア間において共通クラッドとし、当該共通クラッドの屈折率を基準とする前記第1のクラッドの屈折率との比屈折率差(Δc)が各異種コアにおいて正または負で異なることを特徴とする、請求項12〜14のいずれかに記載のマルチコアファイバのコアの配置方法。
  16. 前記異種コア間で前記第1のクラッドの屈折率が異なることを特徴とする、請求項12〜14のいずれかに記載のマルチコアファイバのコアの配置方法。
  17. 前記光電磁界分布において、前記コア部と前記第1のクラッドとの間のV値および前記コア部内の屈折率分布形状を同一とすることを特徴とする、請求項12〜14のいずれかに記載のマルチコアファイバのコアの配置方法。
  18. 前記V値を、前記コア部と前記第1のクラッドとの比屈折率差Δと前記コア部の半径a、および前記コア部の中心の屈折率nおよび前記第1のクラッドの屈折率nより、(2π/λ)・a・n・(2Δ)1/2により定めることを特徴とする、請求項17に記載のマルチコアファイバのコアの配置方法。
  19. 各コアの配置は、光ファイバの断面において最近接する周囲に配列される6個の配置位置に対して等角度および等距離である三角格子配列であり、
    前記各異種コアのペアが光ファイバの中心付近から光ファイバの外周方向に向かう配置は、三角格子配列において光ファイバの中心付近から光ファイバの外周方向に向かう放射方向の配置であることを特徴とする、請求項12〜14のいずれかに記載のマルチコアファイバのコアの配置方法。
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