JPWO2013021945A1 - 仮固定用接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、シリコンブロックからシリコンウエハを加工するに際して、シリコンウエハのチッピングを抑制するのに好適なアクリル系仮固定用接着剤組成物の提供することを目的とし、(1)(メタ)アクリロイル基を有するモノマー、(2)重合開始剤、(3)β−ジケトンキレート及び/又はβ−ケトエステル、(4)無機フィラーを含有してなる仮固定用接着剤組成物である。

Description

本発明は、いろいろな部材を加工するに際しての部材の仮固定方法に関するものであり、又それに好適な組成物と接着剤に関するものである。本発明は、例えば、シリコンブロックからシリコンウエハを加工するに際して、当該部材を仮固定する方法と、当該用途に好適なアクリル系仮固定用接着剤組成物に関する。
シリコンウエハ等の半導体実装部品等の仮固定用接着剤としては、両面テープやホットメルト系接着剤、エポキシ系接着剤が使用されている。これらの接着剤にて接合又は積層した部材を、所定の形状に切削加工後、接着剤を除去し、加工部材を製造することが行われている。例えば、半導体実装部品に関しては、これらの部品を両面テープにて基材に固定した後、所望の部品に切削加工を行い、更に両面テープに紫外線を照射することにより部品からの剥離を行っている。ホットメルト系接着剤の場合には、部材を接合し、加熱により間隙に接着剤を浸透させた後、所望の部品に切削加工を行い、有機溶剤中で接着剤の剥離を行っている。エポキシ系接着剤の場合には、主剤と硬化剤を計量、混合して部材と接合後、所望の部品に切削加工を行い、有機溶剤中で接着剤の剥離を行っている。
しかし、両面テープは、厚み精度を出すのが困難であったり、接着強度が弱いために部品加工時に剥離できなかったりするといった問題があった。両面テープは、100℃以上の熱をかけないと剥離できないといった問題があった。両面テープは、紫外線照射により剥離させる場合には、被着体の透過性が乏しいと剥離できないといった問題があった。
ホットメルト系接着剤は、接着時に100℃以上の熱をかけなければ貼ることができず、使用できる部材に制約があった。ホットメルト系接着剤は、剥離時に有機溶剤を使用する必要があり、アルカリ溶剤やハロゲン系有機溶剤の洗浄工程が煩雑であり、作業環境的にも問題となっていた。
エポキシ系接着剤は、主剤と硬化剤の計量と混合が不十分な場合、著しい接着性の低下を起こすことがあった。エポキシ系接着剤は、ホットメルト系接着剤と同様、剥離時に有機溶剤を使用する必要があった。エポキシ系接着剤は、アルカリ溶剤やハロゲン系有機溶剤の洗浄工程が煩雑であり、作業環境的にも問題となっていた。エポキシ系接着剤は、硬化速度が遅く、硬化までの間、十分な硬化時間を保持しておく必要があった。
これらの問題を解決するために、特許文献1〜3では水溶性ビニルモノマー等の水溶性化合物を含有する仮固定用の光硬化型若しくは加熱硬化型接着剤が提案されていた。これらの接着剤組成物では、水中での剥離性は解決されるのに対し、部品固定時の接着強度が低く、切削加工時の部材の寸法精度に乏しい課題があった。光硬化型接着剤の場合、透過性のある被着体に用途が限定され、加熱硬化型接着剤の場合、耐熱性のある被着体に用途が限定されていた。
特開平6−116534号公報 特開平11−71553号公報 特開2001−226641号公報 特開2010−248395号公報 国際公開WO2008/018252号 特開平7−153724号公報 特開平11−60400号公報
ところで、特許文献1〜3による提案においても不十分であった、上記問題を解決するために、高接着強度でかつ水中での剥離性に優れ、フィルム状に剥離するため部材に糊残りがないといった、環境的にも作業性にも優れた二剤型アクリル系接着剤が提案された(特許文献4)。しかしながら、加工条件を特に限定しなくても、加工されたウエハにチッピングが発生しないことについて記載が無い。ウエハのチッピングが大きいと、そこを基点としてウエハが破損するおそれがある。
特許文献5には粒状物質として球状シリカを含有する接着剤組成物が記載されているが、その使用量は20質量部以下であり、本願とは使用量が異なるものである。
本発明者は前記問題点を解決するために色々と検討した結果、前記接着剤に無機フィラーを充填することで、加工されたウエハのチッピングを低減できるとの知見を得て、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、本発明は、
1.(メタ)アクリロイル基を有するモノマー及び/又はオリゴマー100質量部、(2)重合開始剤、(3)β−ジケトンキレート及び/又はβ−ケトエステル、(4)25〜300質量部の無機フィラーを含有してなる仮固定用接着剤組成物。
2.更に、(5)エラストマー成分を含有してなる第1項に記載の仮固定用接着剤組成物。
3.(4)無機フィラーがシリカ、石英、アルミナ及びタルクからなる群のうちの1種又は2種以上である第1項又は第2項に記載の仮固定用接着剤組成物。
4.(1)(メタ)アクリロイル基を有するモノマー及び/又はオリゴマーが、(1−2)ビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリル酸モノマー、(1−4)芳香族基を有する(メタ)アクリレート及び(1−5)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含有してなる第1項〜第3項のいずれかに記載の仮固定用接着剤組成物。
5.成分(1−2)、成分(1−4)及び成分(1−5)の含有割合が、成分(1−2)、成分(1−4)及び成分(1−5)の合計100質量部中、質量比で、成分(1−2):成分(1−4):成分(1−5)=1〜20:20〜60:30〜70である第4項に記載の仮固定用接着剤組成物。
6.(1)(メタ)アクリロイル基を有するモノマー及び/又はオリゴマーが、(1−1)アルキル(メタ)アクリレート、(1−2)ビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリル酸モノマー、(1−4)芳香族基を有する(メタ)アクリレート及び(1−5)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含有してなる第1項〜第3項のいずれかに記載の仮固定用接着剤組成物。
7.成分(1−1)、成分(1−2)、成分(1−4)及び成分(1−5)の含有割合が、成分(1−1)、成分(1−2)、成分(1−4)及び成分(1−5)の合計100質量部中、質量比で、成分(1−1):成分(1−2):成分(1−4):成分(1−5)=5〜35:1〜30:20〜50:15〜45である第6項に記載の仮固定用接着剤組成物。
8.(3)β−ジケトンキレート及び/又はβ−ケトエステルが、バナジウムアセチルアセトネート、ナフテン酸銅、及びオクチル酸コバルトからなる群のうちの1種又は2種以上からなる第1項〜第7項のいずれかに記載の仮固定用接着剤組成物。
9.第1項〜第8項のいずれかに記載の仮固定用接着剤組成物を第一剤と第二剤に分け、第一剤が少なくとも成分(2)を含有してなり、第二剤が少なくとも成分(3)を含有してなる二剤型仮固定用接着剤組成物。
10.更に、パラフィン類を含有してなる第1項〜第9項のいずれかに記載の仮固定用接着剤組成物。
11.更に、重合禁止剤を含有してなる第1項〜第10項のいずれかに記載の仮固定用接着剤組成物。
12.更に、リン酸塩を含有してなる第1項〜第11項のいずれかに記載の仮固定用接着剤組成物。
13.用途がシリコン切断用、サファイア切断用、ガラス切断用及び樹脂切断用からなる群のうちの1種又は2種以上である第1項〜第12項のいずれかに記載の仮固定用接着剤組成物。
14.第1項〜第13項のいずれかに記載の仮固定用接着剤組成物を用いて、部材を接着仮固定し、前記仮固定用接着剤組成物を硬化し、該仮固定された部材を加工し、加工された部材を水に浸漬することにより、前記仮固定用接着剤組成物の硬化体を取り外すことを特徴とする部材の仮固定方法。
15.水が温水であることを特徴とする第14項に記載の部材の仮固定方法。
16.第1項〜第13項のいずれかに記載の仮固定用接着剤組成物を用いて、シリコンブロックを基材に接着仮固定した後、シリコンブロックを切断してシリコンウエハを作製し、シリコンウエハを水に浸漬することにより、シリコンウエハを基材から取り外すことを特徴とするシリコンウエハの製造方法。
17.水が温水であることを特徴とする第16項に記載の部材の仮固定方法。
18.第1項〜第13項のいずれかに記載の仮固定用接着剤組成物を使用して被着体を接着してなる接合体。
19.被着体がシリコン、サファイア、樹脂及びガラスからなる群のうちの1種又は2種以上である第18項に記載の接合体。
本発明は、例えば、以下の効果を有する。本発明の仮固定用接着剤組成物は、無機フィラーを含有することで硬度を高くし、それによって加工された部材のチッピングを抑制することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する(1) (メタ)アクリロイル基を有するモノマー及び/又はオリゴマーとしては、以下のものが挙げられる。
(1−1)アルキル(メタ)アクリレート
アルキル(メタ)アクリレートとしては、一般式(A)で示される(メタ)アクリル系モノマー等が挙げられる。
一般式(A) Z−O−R1
(式中、Zは(メタ)アクリロイル基を示し、R1は炭素数1〜20のアルキル基を表す。)
1は、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、6〜12のアルキル基がより好ましい。炭素数20を超えると表面硬化性が低下してベタツキが見られ、硬化速度が低下する場合がある。
このようなアルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート及びステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が使用できる。これらの中では、接着性が良好な点で、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
(1−2)ビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリル酸モノマー
ビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリル酸モノマーとしては、一般式(B)で示される(メタ)アクリル系モノマー等が挙げられる。
一般式(B)
Z−O−(R2O)p−C64−C(R3)(R’3)−C64−O−(R2’O)p'−Z’
(式中、Z、Z’は(メタ)アクリロイル基を示し、R2、R2’は−C24−、−C36−、−CH2CH(CH3)−、−C48−又は−C612−を示し、R3、R3’は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、p、p’は0〜8の整数を示す。)
このような(メタ)アクリル系モノマーとしては、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が使用できる。これらの中では、効果が大きい点で、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンが好ましい。p、p’は1以上が好ましい。
(1−3)ジシクロペンテニルオキシアルキル(メタ)アクリレート
ジシクロペンテニルオキシアルキレン(メタ)アクリレートとしては、一般式(C)で示される(メタ)アクリル系モノマー等が挙げられる。
Figure 2013021945
(式中、Zは(メタ)アクリロイル基を示し、R4は1〜12個の炭素を有するアルキレン基を表し、qは1〜20の整数を示す。)
このような(メタ)アクリル系モノマーとしては、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート及びジシクロペンテニルオキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が使用できる。これらの中では、表面硬化性が良く、容易に入手できる点で、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。R4は、樹脂強度が大きい点で、1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基が好ましく、エチレン基がより好ましい。qは、硬化物の樹脂強度が大きい点で、1〜3が好ましく、1がより好ましい。
(1−4)芳香族基を有する(メタ)アクリレート
芳香族基を有する(メタ)アクリレートとしては、一般式(D)で示される(メタ)アクリル系モノマー等が挙げられる。
一般式(D) Z−O−(R5O)r−R6
(式中、Zは(メタ)アクリロイル基を示し、R5は−C24−、−C36−、−CH2CH(CH3)−、−C48−又は−C612−を示し、R6はフェニル基又は炭素数1〜3のアルキル基を有するフェニル基を示し、rは1〜10の整数を示す。)
このような(メタ)アクリル系モノマーとしては、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート及びフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が使用できる。これらの中では、効果が大きい点で、フェノキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
(1−5)ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマー(ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)
ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマーとしては、一般式(E)で示される(メタ)アクリル系モノマー等が挙げられる。
一般式(E) Z−O−(R7O)s−H
(式中、Zは(メタ)アクリロイル基を示し、R7は−C24−、−C36−、−CH2CH(CH3)−、−C48−又は−C612−を示し、sは1〜10の整数を示す。)
このような(メタ)アクリル系モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等といったヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらの1種又は2種以上が使用できる。これらの中では、安価で接着性が良好な点で、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び/又は2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
(1−6)多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル
多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステルとしては、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、皮膚刺激性が低い点で、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート及び/又はトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
(1−7)(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマー
(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーとしては、例えば、1,2−ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、日本曹達社製、「TE−2000」、「TEA−1000」)、その水素添加物(例えば、日本曹達社製、「TEAI−1000」)、1,4−ポリブタジエン末端ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、大阪有機化学社製、「BAC−45」)、ポリイソプレン末端(メタ)アクリレート、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレート(例えば、日本合成社製、「UV−3000B」)、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート(例えば、大阪有機化学社製、「ビスコート#540」、昭和高分子社製、「ビスコートVR−77」)等が挙げられる。
(メタ)アクリル系モノマーの中では、効果が大きい点で、(1−5)ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを含有することが好ましい。(メタ)アクリル系モノマー中の、(1−5)ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマーの含有割合は、(メタ)アクリル系モノマー100質量部中、5〜70質量部が好ましく、10〜60質量部がより好ましい。
(メタ)アクリル系モノマーの中では、効果が大きい点で、以下(X)又は(Y)の組み合わせが好ましい。
(X)(1−2)ビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリル酸モノマー、(1−4)芳香族基を有する(メタ)アクリレート及び(1−5)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの組み合わせ。成分(1−2)、成分(1−4)及び成分(1−5)の含有割合は、成分(1−2)、成分(1−4)及び成分(1−5)の合計100質量部中、質量比で、成分(1−2):成分(1−4):成分(1−5)=1〜20:20〜60:30〜70が好ましく、5〜15:30〜55:35〜60がより好ましい。
(Y)(1−1)アルキル(メタ)アクリレート、(1−2)ビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリル酸モノマー、(1−4)芳香族基を有する(メタ)アクリレート及び(1−5)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの組み合わせ。成分(1−1)、成分(1−2)、成分(1−4)及び成分(1−5)の含有割合は、成分(1−1)、成分(1−2)、成分(1−4)及び成分(1−5)の合計100質量部中、質量比で、成分(1−1):成分(1−2):成分(1−4):成分(1−5)=5〜35:1〜30:20〜50:15〜45が好ましく、10〜30:5〜25:25〜45:20〜40がより好ましい。
本発明で使用する(2)重合開始剤としては、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド及びターシャリーブチルパーオキシベンゾエート等の有機過酸化物が好ましく、これらの1種又は2種以上が使用できる。これらの中では、成分(1)や成分(3)との反応性の点で、クメンハイドロパーオキサイドが好ましい。
本発明で使用する成分(2)の使用量は特に制限されるものではないが、成分(1)100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましく、1〜7質量部が好ましい。成分(2)の使用量が少なすぎると硬化速度が遅い場合があり、一方で多すぎると貯蔵安定性が遅い場合がある。
本発明で使用する(3)β−ジケトンキレート及び/又はβ−ケトエステルとしては、β−ジケトンキレート及び/又はβ−ケトエステルが挙げられる。β−ジケトンキレートとしては、バナジルアセチルアセトネート、コバルトアセチルアセトネート及び銅アセチルアセトネート等が挙げられる。β−ケトエステルとしては、ナフテン酸バナジル、ステアリン酸バナジル、ナフテン酸銅若しくはオクチル酸コバルト等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が使用できる。これらの中では、成分(2)との反応性の点で、還元性を有する金属塩が好ましく、バナジウムアセチルアセトネート、ナフテン酸銅、及びオクチル酸コバルトからなる群のうちの1種又は2種以上がより好ましく、バナジルアセチルアセトネートが最も好ましい。
成分(3)の使用量は特に制限されるものではないが、成分(1)100質量部に対して、0.05〜5質量部が好ましく、0.1〜2質量部がより好ましい。成分(3)の使用量が少なすぎると硬化速度が遅く、接着性が小さい場合があり、一方で多すぎると未反応の成分が残り、接着性が低下する場合がある。
本発明で使用する(4)無機フィラーとしては、石英、石英ガラス、溶融シリカ、複合酸化物からなるガラス粉、球状シリカ等のシリカ粉等や、球状アルミナ、破砕アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チタン等の酸化物類、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の窒化物類、炭化ケイ素等の炭化物類、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物類、銅、銀、鉄、アルミニウム、ニッケル、チタン等の金属類や合金類、ダイヤモンド、カーボン等の炭素系充填材、タルク、炭酸カルシウム等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせ用いても良い。シリカの中では、溶融シリカが好ましい。アルミナの中では、アルミナが好ましく、球状アルミナがより好ましい。これらの中では、部材の切断時に発生する熱を効果的に逃がすという観点から、シリカ、石英、アルミナ及びタルクからなる群のうちの1種又は2種以上が好ましく、放熱性を付与できる点で、石英及びアルミナのいずれか1種又は2種がより好ましい。
成分(4)の使用量は、成分(1)100質量部に対して、25〜300質量部が好ましく、50〜200質量部がより好ましい。成分(4)の使用量が少なすぎると硬度を高くするという効果が得られにくい場合があり、一方で多すぎると粘度が高すぎて、作業上不具合が生じたり、水中での剥離性が低下したりする場合がある。
成分(4)のレーザー回折・散乱法による平均粒径は、1〜100μmが好ましく、3〜20μmがより好ましい。平均粒径が小さすぎると粘度の上昇量が大きくなり高充填するのが難しく、一方で大きすぎると無機フィラーが沈降する虞がある。粒径分布は、レーザー回折式粒度分布測定装置(レーザー回折・散乱法)により測定される。
本発明では剥離強度と衝撃強度を向上させるために、(5)エラストマー成分を使用することが好ましい。
本発明で使用する(5)エラストマー成分としては、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリレート共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、並びにアクリロニトリル−ブタジエンゴム、線状ポリウレタン、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム及びブタジエンゴム等の各種合成ゴム、天然ゴム、スチレン−ポリブタジエン−スチレン系合成ゴムといったスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエチレン−EPDM合成ゴムといったオレフィン系熱可塑性エラストマー、並びにカプロラクトン型、アジペート型及びPTMG型といったウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリブチレンテレフタレート−ポリテトラメチレングリコールマルチブロックポリマーといったポリエステル系熱可塑性エラストマー、ナイロン−ポリオールブロック共重合体といったポリアミド系熱可塑性エラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、並びに塩ビ系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらのエラストマー成分は相溶性が良ければ、1種又は2種以上を使用することができる。
又、末端メタクリル変性したポリブタジエンも使用できる。
これらの中では、(メタ)アクリル系モノマーに対する溶解性や接着性の点で、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体及び/又はアクリロニトリル−ブタジエンゴムが好ましく、その併用がより好ましい。アクリロニトリル−ブタジエンゴムの場合、アクリロニトリル含量(ニトリル含量)は36〜45質量%が好ましい。
成分(5)を添加する場合には、成分(5)の使用量は、成分(1)100質量部に対して、5〜35質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。成分(5)の使用量が少なすぎると粘度及び接着性が低下する場合があり、一方で多すぎると粘度が高すぎて作業上、不具合が生じる場合がある。
本発明のアクリル系仮固定用接着剤組成物は、空気に接している部分の硬化を迅速にするために各種パラフィン類を使用することができる。パラフィン類としては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバろう、蜜ろう、ラノリン、鯨ろう、セレシン及びカンデリラろう等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を使用することができる。
パラフィン類を添加する場合には、パラフィン類の使用量は、成分(1)100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、0.3〜2.5質量部がより好ましい。パラフィン類の使用量が少なすぎると空気に接している部分の硬化が悪くなる場合があり、一方で多すぎると5質量部を超えると接着強度が低下する場合がある。
本発明のアクリル系仮固定用接着剤組成物は、貯蔵安定性を改良する目的で、重合禁止剤を使用することができる。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−シタイシャリーブチルーp−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、トリフェニルホスフェート、フェノチアジン及びN−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。これらの1種又は2種以上を使用することができる。重合禁止剤は酸化防止剤も含むものである。
重合禁止剤を添加する場合には、重合禁止剤の使用量は、成分(1)100質量部に対して、0.001〜3質量部が好ましく、0.01〜1質量部がより好ましい。重合禁止剤の使用量が少なすぎると効果がない場合があり、一方で多すぎると接着強度が低下する場合がある。
本発明のアクリル系仮固定用接着剤組成物は、接着性を改良する目的で、リン酸塩を使用することができる。
リン酸塩としては、一般式(F)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2013021945
(式中、R8はCH2=CR9CO(OR10u−基(但し、R9は水素又はメチル基、R10は−C24−、−C36−、−CH2CH(CH3)−、−C48−、−C612−又は
Figure 2013021945
を示し、uは1〜10の整数を示す。)を示し、tは1又は2の整数を示す。)
リン酸塩としては、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート及びビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ホスフェート等が挙げられ、これらの1種又は2種以上が使用できる。これらの中では、効果が大きい点で、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
リン酸塩を添加する場合には、リン酸塩の使用量は、成分(1)100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、0.2〜1.0質量部がより好ましい。リン酸塩の使用量が少なすぎると接着強度が低下する場合があり、一方で多すぎると接着強度が低下する場合がある。
尚、これらの他にも所望によりカップリング剤、可塑剤、着色剤及び防腐剤等の既に知られている物質を使用することもできる。
この他に粘度や流動性を調整する目的で、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリウレタン、スチレン−アクリロニトリル共重合体及びポリメチルメタクリレート等の熱可塑性高分子等も使用しても良い。
本発明の実施態様としては、二剤型の接着剤組成物として使用することが挙げられる。二剤型については、本発明の接着剤組成物の貯蔵中は、必須成分全てを混合するのではなく、接着剤組成物を第一剤及び第二剤に分け、第一剤に少なくとも成分(2)を、第二剤に少なくとも成分(3)を別々に貯蔵する。リン酸塩は第二剤に貯蔵することが好ましい。この場合、両剤を同時に又は別々に被着体に塗布して接触、硬化することにより、二剤型の仮固定用接着剤組成物として使用できる。
別の実施態様としては、第一剤及び第二剤のいずれか一方又は両方に、(メタ)アクリロイル基を有するモノマー及び/又はオリゴマーやその他の任意の成分を予め含有せしめ、使用時に両者を混合することにより、一剤型の仮固定用接着剤組成物として使用できる。
これらの実施態様の中では、貯蔵安定性に優れる点で、二剤型の仮固定用接着剤組成物として使用することが好ましい。
本発明の仮固定用接着剤組成物の使用方法としては、固定する一方の部材又は支持基板の接着面に接着剤組成物を適量塗布し、続いてもう一方の部材を重ね合わせるという方法や、予め仮固定する部材を多数積層しておき、接着剤組成物を隙間に浸透させて塗布させる方法等により接着剤組成物を塗布し、仮固定用接着剤組成物を硬化させ、部材同士を仮固定する方法等が挙げられる。
本発明の仮固定用接着剤組成物は、二剤をほぼ等量で使用して得られるのが好ましいが、二剤の正確な計量を必要とするものではなく、不完全な計量や混合、時には二剤の接触だけでも、常温で硬化する。本発明の仮固定用接着剤組成物の硬化には、紫外線を必要としない。本発明の仮固定用接着剤組成物は、作業性に優れる。
本発明のアクリル系仮固定用接着剤組成物は各種被着体を仮固定し、部材を所望の形状に切断、研削、研磨等の加工を施した後、該部材を水に浸漬することにより、組成物を部材から剥離することができる。
仮固定方法としては、本発明の仮固定用接着剤組成物を用いて、部材を接着仮固定し、前記仮固定用接着剤組成物の硬化体を作製し、該仮固定された部材を加工し、加工された部材を水に浸漬し、前記仮固定用接着剤組成物の硬化体を取り外す仮固定方法等が挙げられる。
本発明の仮固定方法では、硬化体を取り外すのに用いる水として、例えば、適度に加熱した温水、好ましくは、90℃以下の温水を用いることが、水中での取り外しに要求される剥離性を短時間に達成でき、生産性が向上する点で、好ましい。仮固定用接着剤組成物の硬化体と水との接触の方法については、水中に接合体ごと浸漬する方法が、簡便である点で、好ましい。温水の温度は、30〜100℃が好ましく、50〜95℃がより好ましい。
前記の方法で部材を固定した後、本発明においては、仮固定された部材を所望の形状に切断、研削、研磨、孔開け等の加工を施した後、該部材を水、好ましくは温水に浸漬することにより、接着剤の硬化体を部材から剥離することができる。
本発明のアクリル系仮固定用接着剤組成物は、シリコン、樹脂、カーボン、金属、サファイア及びガラスからなる群のうちの1種又は2種以上の接着に使用できる。シリコン、サファイア、ガラス及び樹脂からなる群のうちの1種又は2種以上の接着に使用した場合、より大きな効果を有する。シリコンの接着に使用した場合、最も大きな効果を有する。
シリコンの接着に使用した場合、特に、シリコンブロックを切断してシリコンウエハを製造する場合に、本発明のアクリル系仮固定用接着剤組成物は、大きな効果を有する。
シリコンウエハを製造する方法としては、本発明の仮固定用接着剤組成物を用いて、シリコンブロックを基材に接着仮固定した後、シリコンブロックを切断してシリコンウエハを作製し、シリコンウエハを水に浸漬し、シリコンウエハを基材から取り外す方法等が挙げられる。
シリコンブロックは、固体シリコンを加熱炉内で融解、凝固させる方法等により得られる。シリコンブロックは、ワイヤーソー等により切断する。ワイヤーソーとしては、ピアノ線等が挙げられる(特許文献6〜7参照)。シリコンウエハは、太陽電池や半導体等に使用する。
以下の実験例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実験例に限定されるものではない。又、各使用材料の使用量の単位は質量部で示す。
実施例1
表1の組成で各使用材料を混合して、第一剤と第二剤からなる仮固定用接着剤組成物を調製した。結果を表1に示す。
(使用材料)
・2−ヒドロキシエチルメタクリレート:市販品
・2−ヒドロキシプロピルメタクリレート:市販品
・フェノキシエチルメタクリレート:市販品
・2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン:市販品、一般式(B)でp=5のもの
・クメンハイドロパーオキサイド:市販品
・アクリロニトリル−ブタジエンゴム(AN−BDゴム):市販品、高ニトリルNBR、ニトリル含量41質量%
・石英:平均粒径12μm、市販品
・シリカ:溶融シリカ、平均粒径3μm、市販品
・パラフィン類:市販品、パラフィンワックス
・重合禁止剤:ハイドロキノンモノメチルエーテル、市販品
・バナジルアセチルアセトネート:市販品
・リン酸塩:市販品、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート
・SPCC:市販品、SPCC−Dブラスト処理鋼板
・シリコンウエハ(Siウエハ):市販品
・シリコンブロック(Siブロック):市販品
物性については、次のようにして測定した。
[固着時間]
JIS K−6856に従い、試験片(100mm×25mm×1.6mmt、SPCC−Dブラスト処理)の片側に第一剤と第二剤を等量混合したものを塗布し、その後直ちにもう片側の試験片を重ね合わせて貼り合せたものを試料とした。試料の固着時間(単位:分)は、温度23℃、湿度50%RHの環境下で、プッシュプルゲージで引張、貼り合わせ直後から、0.4MPa以上の強度が測定されるまでの時間を測定した。
[Siウエハ/ガラス引張せん断強度]
JIS K−6856に従い、試験片(25mm×25mm×0.3mmt、Siウエハ)の片側に第一剤と第二剤を等量混合したものを塗布し、その後、直ちにもう片側の試験片(耐熱パイレックス(登録商標)ガラス(25mm×25mm×2.0mmt)を重ね合わせて貼り合わせた後、室温で24時間養生したものを試料とした。試料の引張せん断強度(単位:MPa)は、温度23℃、湿度50%RH環境下において、引張速度10mm/分で測定した。
[温水剥離試験]
上記耐熱パイレックス(登録商標)ガラス上に第一剤と第二剤を等量混合したものを塗布し、その後、直ちに上記Siウエハを90°方向に貼り合わせた後、室温で24時間養生したものを試料とした。得られた試料を、温水(90℃)に浸漬し、耐熱パイレックス(登録商標)ガラスとSiウエハが剥離する時間(90℃温水剥離時間)を測定した。剥離状態も観察した(剥離状態)。水に接触することにより接着強度が低下し、フィルム状に部材から回収でき、作業性に優れる点で、剥離状態は、界面破壊であることが好ましい。
[Siブロック加工試験]
第一剤と第二剤を等量混合したものを使用して、125mm×125mm×400mmのSiブロックと青板ガラス(125mm×400mm×20mmt)を接着硬化させた。この接着試験体のSiブロック部分のみをマルチワイヤーソーを使用して200μm厚に切断し、切断中のSiブロックの脱落の有無を観察した(Siブロック加工試験(脱落状態))。その後、Siブロックのみを切断した接着試験体を90℃の温水に浸漬し、Siブロックと青板ガラスとが剥離する時間(90℃温水剥離時間)を測定した(Siブロック加工試験(90℃温水剥離時間))。
[チッピングサイズ]
Siブロック加工試験にて得られたSiウエハの端面をオリンパス社製システム工業顕微鏡BX51で観察し、チッピングのサイズを測定した。チッピングは1枚のウエハにつき10箇所測定し、5枚のウエハの平均値をチッピングサイズとした。
Figure 2013021945
実施例2〜11
表1に示す種類の原材料を表1に示す組成で使用したこと以外は実施例1と同様にして仮固定用接着剤組成物を作製した。得られた仮固定用接着剤組成物について、実施例1と同様に上記評価を行った。結果を表1に示す。
(使用材料)
・2−エチルヘキシルメタクリレート:市販品
・メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MMA−BD−ST共重合体):市販品
・1,2−ポリブタジエン末端ウレタンメタクリレート:日本曹達社製「TE−2000」
・アルミナ:球状アルミナ、平均粒径5μm、市販品
・タルク:平均粒径1.6μm、市販品
比較例1〜4
表2に示す種類の原材料を表2に示す組成で使用したこと以外は実施例1と同様にして仮固定用接着剤組成物を作製した。得られた仮固定用接着剤組成物について、実施例1と同様に上記評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2013021945
表1〜2からわかるように、実施例1〜7、9〜11では無機フィラーを添加することで、チッピングサイズを10〜20%低減することができた。無機フィラーを添加しても接着強さにほとんど変化はなく、シリコンブロックの加工に耐えることが示された。温水剥離時間についても影響はなく、シリコンブロックの加工後は温水に浸漬することで剥離できることが確認できた。
エラストマー成分を使用しなくても、表1からわかるように、無機フィラーを添加することで、チッピングサイズを低減することができた(実施例8、比較例4)。
本発明は、例えば、以下の効果を有する。
本発明のアクリル系仮固定用接着剤組成物を使用することにより、シリコンブロック切断時のチッピングサイズを低減することができる。本発明の仮固定用接着剤組成物は短時間で硬化し、高い接着強度を発現できる。当該硬化体は水に接触することにより接着強度が低下し、部材間の接着力又は部材と治具との接着力が低下するので、容易に部材の回収ができる。本発明の仮固定用接着剤組成物は、水に浸漬することにより、早く剥離できる。本発明の仮固定用接着剤組成物を使用して、シリコンブロックを切断した場合、シリコンブロックが脱落せず、良好な加工性を示す。
本発明は、二剤を混合することにより短時間で硬化するため、エポキシ系接着剤に比べて作業性及び作業時間短縮の点で著しく優れている。本発明の仮固定用接着剤組成物は、硬化体が90℃以下の温水と接触して膨潤し、フィルム状に部材から回収できるので、作業性に優れるという効果が得られる。

Claims (19)

  1. (1)(メタ)アクリロイル基を有するモノマー及び/又はオリゴマー100質量部、(2)重合開始剤、(3)β−ジケトンキレート及び/又はβ−ケトエステル、(4)25〜300質量部の無機フィラーを含有してなる仮固定用接着剤組成物。
  2. 更に、(5)エラストマー成分を含有してなる請求項1に記載の仮固定用接着剤組成物。
  3. (4)無機フィラーがシリカ、石英、アルミナ及びタルクからなる群のうちの1種又は2種以上である請求項1又は請求項2に記載の仮固定用接着剤組成物。
  4. (1)(メタ)アクリロイル基を有するモノマー及び/又はオリゴマーが、(1−2)ビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリル酸モノマー、(1−4)芳香族基を有する(メタ)アクリレート及び(1−5)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含有してなる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の仮固定用接着剤組成物。
  5. 成分(1−2)、成分(1−4)及び成分(1−5)の含有割合が、成分(1−2)、成分(1−4)及び成分(1−5)の合計100質量部中、質量比で、成分(1−2):成分(1−4):成分(1−5)=1〜20:20〜60:30〜70である請求項4に記載の仮固定用接着剤組成物。
  6. (1)(メタ)アクリロイル基を有するモノマー及び/又はオリゴマーが、(1−1)アルキル(メタ)アクリレート、(1−2)ビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリル酸モノマー、(1−4)芳香族基を有する(メタ)アクリレート及び(1−5)ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含有してなる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の仮固定用接着剤組成物。
  7. 成分(1−1)、成分(1−2)、成分(1−4)及び成分(1−5)の含有割合が、成分(1−1)、成分(1−2)、成分(1−4)及び成分(1−5)の合計100質量部中、質量比で、成分(1−1):成分(1−2):成分(1−4):成分(1−5)=5〜35:1〜30:20〜50:15〜45である請求項6に記載の仮固定用接着剤組成物。
  8. (3)β−ジケトンキレート及び/又はβ−ケトエステルが、バナジウムアセチルアセトネート、ナフテン酸銅、及びオクチル酸コバルトからなる群のうちの1種又は2種以上からなる請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の仮固定用接着剤組成物。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の仮固定用接着剤組成物を第一剤と第二剤に分け、第一剤が少なくとも成分(2)を含有してなり、第二剤が少なくとも成分(3)を含有してなる二剤型仮固定用接着剤組成物。
  10. 更に、パラフィン類を含有してなる請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の仮固定用接着剤組成物。
  11. 更に、重合禁止剤を含有してなる請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の仮固定用接着剤組成物。
  12. 更に、リン酸塩を含有してなる請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の仮固定用接着剤組成物。
  13. 用途がシリコン切断用、サファイア切断用、ガラス切断用及び樹脂切断用からなる群のうちの1種又は2種以上である請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の仮固定用接着剤組成物。
  14. 請求項1乃至請求項13のいずれか1項記載の仮固定用接着剤組成物を用いて、部材を接着仮固定し、前記仮固定用接着剤組成物を硬化し、該仮固定された部材を加工し、加工された部材を水に浸漬することにより、前記仮固定用接着剤組成物の硬化体を取り外すことを特徴とする部材の仮固定方法。
  15. 水が温水であることを特徴とする請求項14に記載の部材の仮固定方法。
  16. 請求項1乃至請求項13のいずれか1項記載の仮固定用接着剤組成物を用いて、シリコンブロックを基材に接着仮固定した後、シリコンブロックを切断してシリコンウエハを作製し、シリコンウエハを水に浸漬することにより、シリコンウエハを基材から取り外すことを特徴とするシリコンウエハの製造方法。
  17. 水が温水であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  18. 請求項1乃至請求項13記載のいずれか1項に記載の仮固定用接着剤組成物を使用して被着体を接着してなる接合体。
  19. 被着体がシリコン、サファイア、樹脂及びガラスからなる群のうちの1種又は2種以上である請求項18記載の接合体。
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