JP6941019B2 - 組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、接着性に優れた組成物に関する。
省力化、省資源及び省エネルギーの点で、常温下、短時間で接着する接着剤として、常温速硬化型接着剤組成物が使用されている。従来、常温速硬化型接着剤組成物としては、二剤型速硬化エポキシ系接着剤組成物、嫌気性接着剤組成物、瞬間接着剤組成物及び第二世代のアクリル系接着剤組成物(SGA)が知られている。
二剤型速硬化エポキシ系接着剤は、主剤と硬化剤を計量、混合して被着体に塗布し、主剤と硬化剤の反応により硬化するものである。しかしながら、二剤型速硬化エポキシ系接着剤はより高い剥離強度と衝撃強度が要求されている。
嫌気性接着剤は、被着体間において接着剤組成物を圧着して空気を遮断することにより硬化するものである。しかしながら、嫌気性接着剤組成物は、圧着する際に接着剤組成物の一部が被着体からハミ出した場合、ハミ出した部分が空気に接触しても硬化する性質が要求されている。又、被着体間のクリアランスが大きい場合にも硬化する性質が要求されている。
瞬間接着剤は通常シアノアクリレートを主成分とし、作業性に優れている。しかしながら、より高い剥離強度や衝撃強度が要求されている。
SGAは二剤型アクリル系接着剤であるが、二剤の正確な計量を必要とせず、計量や混合が不完全でも二剤の接触だけで、常温で数分〜数十分で硬化するために、作業性に優れ、しかも剥離強度や衝撃強度が高く、ハミ出し部分の硬化も良好であるために、電気・電子部品分野から土木・建築分野に至るまで幅広く用いられている。最近では、臭気を抑えたSGAも出てきており、換気設備の不十分な場所においても作業が可能である。
しかし、最近、更に、長期間大きな荷重に耐えられることが要求されるようになってきた。そのためには、引張剪断強度だけでなく、剥離強度も大きいことが必要である。更に、飛行機等では軽量化のためにアルミニウムが使用されるので、鉄以外にもアルミニウムに対する接着性も大きいことも必要である。これらの高い要求水準を満たすことにより、構造部材間の接合に用いる構造用接着剤として、色々な使用環境条件において高い強度特性を具備できるようになる。
低臭気、低揮発性の組成物が特許文献1に開示されている。しかしながら、本発明の(1−1)について記載がない。
特開2001−55423号公報
本発明は、例えば、接着性に優れる二剤型(メタ)アクリル系接着剤を提供することを目的とする。
即ち、本発明は、以下の通りである。
<1>下記(1)〜(4)を含有する組成物。
(1)(1−1)〜(1−3)を含有する重合性ビニルモノマー
(1−1)一般式(A)の化合物
Figure 0006941019

(1−2)一般式(B)の化合物
一般式(B) Z−O−(RO)p−H
〔一般式中、Zは(メタ)アクリロイル基を示す。Rはアルキレン基を示す。pは1〜10の数を示す。〕
(1−3)一般式(C)の化合物
Figure 0006941019

(2)重合開始剤
(3)還元剤
<2>更に、(4)エラストマーを含有する<1>記載の組成物。
<3>(4)エラストマーの(メタ)アクリロニトリル含有量が1〜50モル%である<2>記載の組成物。
<4>(1)重合性ビニルモノマー100質量部中、(1−1)10〜85質量部、(1−2)10〜85質量部、(1−3)1〜30質量部を含有する<1>〜<3>のうちの1項記載の組成物。
<5>更に、(5)リン酸塩を含有する<1>〜<4>のうちの1項記載の組成物。
<6>更に、パラフィン類を含有する<1>〜<5>のうちの1項記載の組成物。
<7>更に、酸化防止剤を含有する<1>〜<6>のうちの1項記載の組成物。
<8>(3)還元剤が、第3級アミン及び遷移金属塩を含有する<1>〜<7>のうちの1項記載の組成物。
<9><1>〜<8>のうちの1項記載の組成物を含有する硬化性樹脂組成物。
<10><1>〜<8>のうちの1項記載の組成物を含有する接着剤組成物。
<11>請求項1〜8のうちの1項記載の組成物を第一剤と第二剤に分け、第一剤が少なくとも(2)重合開始剤を含有し、第二剤が少なくとも(3)還元剤を含有する二剤型の組成物。
<12><1>〜<8>のうちの1項記載の組成物を使用して被着体を接合する接合体。
<13><1>〜<8>のうちの1項記載の組成物を使用して被着体を接合する接合体の製造方法。
本発明は、接着性を向上する組成物を提供できる。
以下、本実施形態を詳細に説明する。
本実施形態は、重合性ビニルモノマーとして、(1−1)、(1−2)及び(1−3)を含有する。(1)重合性ビニルモノマーは、ラジカル重合可能であれば良い。中でも硬化速度等の点から重合性ビニルモノマーが、重合性(メタ)アクリル酸誘導体であることがより好ましい。重合性ビニルモノマー100質量部中、重合性(メタ)アクリル酸誘導体が70質量部以上であることが好ましく、重合性ビニルモノマーが全て重合性(メタ)アクリル酸誘導体であることがより好ましい。以下、(1)重合性ビニルモノマー100質量部中とは、(1−1)、(1−2)及び(1−3)の合計100質量部中であることが好ましい。使用量は特記しない限り、第一剤と第二剤の合計に対する使用量が好ましい。(1)重合性ビニルモノマーと(4)エラストマーの合計の使用量は、組成物100質量部中、50質量部以上が好ましく、75質量部以上がより好ましい。
本実施形態で使用する(1−1)一般式(A)の化合物とは以下の構造をいう。
Figure 0006941019
一般式(A)の(メタ)アクリレートとしては、ベンジル(メタ)アクリレート、メチルベンジル(メタ)アクリレート、エチルベンジル(メタ)アクリレート、プロピルベンジル(メタ)アクリレート、メトキシベンジル(メタ)アクリレート、クロロベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。一般式(A)の(メタ)アクリレートの中では、ベンジル(メタ)アクリレートが好ましい。
(1−1)一般式(A)の化合物の使用量は、(1)重合性ビニルモノマー100質量部中、10〜85質量部が好ましく、30〜60質量部がより好ましい。10質量部以上だと接着性が向上し、85質量部以下だと接着性が向上する。
本実施形態で使用する(1−2)一般式(B)の化合物とは以下の構造をいう。
一般式(B) Z−O−(RO)p−H
〔一般式中、Zは(メタ)アクリロイル基を示す。Rはアルキレン基を示す。pは1〜10の数を表す。〕
は−C−、−C−、−CHCH(CH)−、−C−又は−C12−からなる1種以上が好ましい。pは整数が好ましい。
(1−2)一般式(B)の化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中では、接着性や耐湿性の点で、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び/又は2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが好ましく、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートがより好ましい。
(1−2)一般式(B)の化合物の使用量は、(1)重合性ビニルモノマー100質量部中、10〜85質量部が好ましく、30〜60質量部がより好ましい。10質量部以上だと接着性が向上し、85質量部以下だと耐湿性が向上する。
本実施形態で使用する(1−3)一般式(C)の化合物とは以下の構造をいう。
Figure 0006941019
、R’は−C−、−C−、−CHCH(CH)−、−C−又は−C12−からなる1種以上が好ましい。q、q’は整数が好ましい。R、R’はメチル基が好ましい。
このような(メタ)アクリル系モノマーとしては、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン及び2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等が挙げられる。これらの中では、接着性の点で、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンが好ましい。
又、q、q’は0以上の数である。q、q’は1以上が好ましく、3以上がより好ましい。q、q’は15以下が好ましく、10以下がより好ましく、8以下が最も好ましい。q、q’は5が尚更好ましい。
(1−3)一般式(C)の化合物の使用量は、(1)重合性ビニルモノマー100質量部中、1〜30質量部が好ましく、3〜20質量部がより好ましい。1質量部以上だと接着性が向上し、30質量部以下だと耐湿性が向上する。
本実施形態で使用する(2)重合開始剤としては、熱ラジカル重合開始剤が好ましい。熱ラジカル重合開始剤の中では、有機過酸化物が好ましい。有機過酸化物としては、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンジハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド及びターシャリーブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。これらの1種以上が使用できる。これらの中では反応性の点で、クメンハイドロパーオキサイドが好ましい。
(2)重合開始剤の使用量は、(1)重合性ビニルモノマー100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましく、1〜7質量部がより好ましい。0.5質量部以上だと硬化速度が早くなり、10質量部以下だと貯蔵安定性が向上する。
本実施形態で使用する(3)還元剤は、前記重合開始剤と反応し、ラジカルを発生する公知の還元剤であれば使用できる。代表的な還元剤としては例えば、第3級アミン、チオ尿素誘導体及び遷移金属塩等が挙げられる。
第3級アミンとしては例えば、N,N−ジメチルアニリンやN,N−ジメチルパラトルイジン等の芳香族アミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン及びトリブチルアミン等が挙げられる。チオ尿素誘導体としては例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール、メチルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素及びエチレンチオ尿素等が挙げられる。遷移金属塩としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅及びバナジルアセチルアセトネート等が挙げられる。これらの中では、反応性の点で、第3級アミン及び/又は遷移金属塩が好ましく、第3級アミン及び遷移金属塩を含有することがより好ましい。
第3級アミン及び遷移金属塩を含有する場合、第3級アミン及び遷移金属塩の含有割合は、第3級アミン及び遷移金属塩の合計100質量部中、質量比で、第3級アミン:遷移金属塩=1〜99:1〜99が好ましく、10〜50:50〜90がより好ましく、20〜40:60〜80が最も好ましい。
第3級アミンの中では、芳香族アミンが好ましい。芳香族アミンの中では、N,N−ジメチルアニリンが好ましい。遷移金属塩の中では、バナジルアセチルアセトネートが好ましい。
(3)還元剤の使用量は(1)重合性ビニルモノマー100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.05〜1質量部がより好ましい。0.01質量部以上だと硬化速度が早くなり、5質量部以下だと貯蔵安定性が向上する。
本実施形態では、剥離強度と衝撃強度向上のため、(4)エラストマーを使用することが好ましい。
本実施形態で使用するエラストマーとしては、常温でゴム状弾性を有する高分子物質をいい、重合性ビニルモノマーに溶解又は分散できるものが好ましい。
エラストマーとしては、(1)を除くエラストマーが好ましい。
このようなエラストマーとしては、(メタ)アクリロニトリル−ブタジエン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリロニトリル−ブタジエン−メチル(メタ)アクリレート共重合体、メチル(メタ)アクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS)、並びに、(メタ)アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR、(メタ)アクリロニトリル−ブタジエンゴム共重合体ということもある)、線状ポリウレタン、スチレン−ブタジエン等の各種合成ゴム、天然ゴム、各種熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらのエラストマーは相溶性に問題がなければ、1種以上を使用してもよい。
これらの中では、重合性ビニルモノマーに対する溶解性や接着性が良好な点で、末端に重合性不飽和二重結合を有しないエラストマーが好ましい。末端に重合性不飽和二重結合を有しないエラストマーとしては、(メタ)アクリロニトリル−ブタジエン−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリロニトリル−ブタジエン−メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体等といったジエン系共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、スチレン−ポリブタジエン−スチレン系合成ゴムといったスチレン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系エラストマー等が挙げられる。末端に重合性不飽和二重結合を有しないエラストマーとしては、(1)重合性ビニルモノマーに可溶なエラストマーが好ましい。
これらの中では、溶解性及び接着性の点で、ジエン系共重合体が好ましい。ジエン系共重合体の中では、(メタ)アクリロニトリル−ブタジエン−(メタ)アクリル酸共重合体及び/又は(メタ)アクリロニトリル−ブタジエン共重合体が好ましく、(メタ)アクリロニトリル−ブタジエン共重合体がより好ましい。
末端に重合性不飽和二重結合を有しないエラストマーは、(メタ)アクリロニトリル構造を有することが好ましい。(メタ)アクリロニトリル構造を有する場合、(メタ)アクリロニトリル含有量は、低温における剥離強度に優れ、強い衝撃にも耐えられる点で、10〜50モル%が好ましく、13〜25モル%がより好ましく、15〜20モル%が最も好ましい。(メタ)アクリロニトリル含有量が10モル%以上だと本実施形態の効果が得られやすく、50モル%以下だと銅等の金属が被着対象である場合にも腐食を生じにくい。
エラストマーの使用量は、(1)重合性ビニルモノマー100質量部に対して、5〜35質量部が好ましく、7〜33質量部がより好ましく、10〜30質量部が最も好ましい。5質量部以上だと接着性が向上し、35質量部以下だと接着性や作業性が向上する。
本実施形態の組成物は空気に接している部分の硬化を迅速にするために各種パラフィン類を使用することができる。パラフィン類としては例えば、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバろう、蜜ろう、ラノリン、鯨ろう、セレシン及びカンデリラろう等が挙げられる。これらの中では、パラフィンが好ましい。パラフィン類の融点は40〜100℃が好ましい。
パラフィン類の使用量は、(1)重合性ビニルモノマー100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましい。0.1質量部以上だと空気に接している部分の硬化が良くなり、5質量部以下だと接着強度が低下しない。
更に、貯蔵安定性を改良する目的で重合禁止剤を含む各種の酸化防止剤等を使用することができる。
酸化防止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシャリーブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリーブチルフェノール)、トリフェニルホスファイト、フェノチアジン及びN−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。
酸化防止剤の使用量は、(1)重合性ビニルモノマー100質量部に対して、0.001〜3質量部が好ましく、0.01〜1質量部がより好ましい。0.001質量部以上だと効果を有し、3質量部以下だと接着性が向上する。
更に、本実施形態では接着性を向上させ、硬化速度を速くするために、(5)リン酸塩を使用することが好ましい。
リン酸塩の中では、接着性や硬化速度の点で、一般式(D)の酸性リン酸化合物が好ましい。
Figure 0006941019
m、nは整数が好ましい。
この一般式(D)の酸性リン酸化合物としては、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート及びビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フォスフェート等が挙げられる。これらの中では、接着性や硬化速度の点で、アシッドホスホオキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
(5)リン酸塩の使用量は、(1)重合性ビニルモノマー100質量部に対して、0.05〜10質量部が好ましく、0.1〜7質量部がより好ましい。0.05質量部以上だと硬化速度が早くなり、特にアルミニウムへの接着性が向上し、10質量部以下だと接着性が向上する。
尚、これらの他にも所望により可塑剤、充填剤、着色剤及び防錆剤等の既に知られている物質を使用することもできる。
以上、本実施形態で使用する成分について説明したが、本実施形態の組成物には更に上記(1−1)、(1−2)及び(1−3)以外の臭気の少ない化合物を使用してもよい。
本実施態様としては、硬化性樹脂組成物として使用することが好ましい。
本実施態様としては、接着剤組成物として使用することが好ましい。この場合には例えば、二剤型の接着剤組成物として使用することが挙げられる。二剤型については、本実施形態の接着剤組成物の必須成分全てを貯蔵中は混合せず、接着剤組成物を第一剤及び第二剤に分け、第一剤に少なくとも(2)重合開始剤を、第二剤に少なくとも(3)還元剤と必要に応じて(5)リン酸塩を含有させ、別々に貯蔵する。この場合、両剤を同時に又は別々に塗布して接触、硬化することによって、二剤型の接着剤組成物として使用できる。
別の実施態様としては、第一剤及び第二剤のいずれか一方又は両方に重合性ビニルモノマー及びその他の任意の成分を予め含有せしめ、硬化時に両者を混合することによって、一剤型の接着剤組成物として使用できる。
これらの実施態様の中では、貯蔵安定性に優れる点で、二剤型の接着剤組成物として使用することが好ましい。
本実施形態では、硬化性樹脂組成物の硬化体により、被着体を接合して接合体を作製する。被着体の各種材料については、紙、木材、セラミック、ガラス、陶磁器、ゴム、プラスチック、モルタル、コンクリート及び金属等制限はないが、被着体が金属の場合、特に鉄やステンレスの場合により優れた接着性を示す。
(実験例)
以下実験例により本実施形態を更に詳細に説明する。表1に示す組成からなる接着剤組成物を調製し、各種物性を測定した。結果を表1に示す。
各種物性については、以下のようにして測定した。
各物質の使用量の単位は質量部で示す。
(使用材料)
2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンはq=5、q’=5のものを用いた。
パラフィン類としてはパラフィンを用いた。
酸化防止剤としてはハイドロキノンモノメチルエーテルを用いた。
表中に記載した各物質については、次のような略号を使用した。
NBR:アクリロニトリル−ブタジエンゴム、末端に重合性不飽和二重結合を有しないエラストマー(市販品)(AN量19.5モル%)
AN量:アクリロニトリル−ブタジエン共重合体に含まれるアクリロニトリル含有量(モル%)
〔引張剪断強度〕
試験片として100×25×1.6mmのSPCC−Dのサンドブラスト処理鋼板を用いた。温度23℃、湿度50%の環境下でJISK−6850に従い、一枚の試験片の片面に第一剤を塗布し、もう一枚の試験片に第二剤を塗布した。その後直ちに塗布面同士を重ね合わせて貼り合わせた。こののち、室温で24時間養生し、これを引張剪断強度測定用試料とした。試料の引張剪断強度(単位:MPa)は、温度23℃、湿度50%の環境下で引張速度10mm/分で測定した。
〔剥離強度〕
試験片として100×25×0.3mmのSPCC−Dのサンドブラスト処理鋼板又は100×25×0.5mmのアルミニウムA−5052のサンドブラスト処理鋼板を用いた。温度23℃、湿度50%の環境下でJISK−6854に従い、一枚の試験片の片面に第一剤を塗布し、もう一枚の試験片に第二剤を塗布した。その後直ちに塗布面同士を重ね合わせて貼り合わせた。こののち、室温で24時間養生し、これを剥離強度測定用試料とした。尚、硬化性樹脂組成物層の厚さを均一化するため、SPCC−Dのサンドブラスト処理鋼板では粒径100μmのガラスビーズを、アルミニウムA−5052のサンドブラスト処理鋼板では100μmのガラスビーズをそれぞれ微量添加した。試料の剥離強度(単位:kN/m)は、温度23℃、湿度50%の環境下で、SPCC−Dのサンドブラスト処理鋼板は引張速度50mm/分で、アルミニウムA−5052のサンドブラスト処理鋼板では引張速度100mm/分でそれぞれT剥離強度を測定した。
〔耐湿性引張剪断強度保持率〕
接着耐久性の評価項目として耐湿性引張剪断強度保持率を測定した。試験片として100×25×2.0mmのアルミニウムA−5052のサンドブラスト処理鋼板を用いた。アルミニウムの引張剪断強度測定用試料を温度50℃、湿度98%の環境下に1週間放置した後、取り出して温度23℃、湿度50%の環境下で引張速度10mm/分で引張剪断強度を測定した。温度23℃、湿度50%の環境下に曝した引張剪断強度に対して、温度50℃、湿度98%の環境下に曝した引張剪断強度の割合を耐湿性引張剪断強度保持率(単位:%)とした。
〔固着時間〕
JISK−6856に従い、試験片(100mm×25mm×1.6mm、SPCC−Dのサンドブラスト処理)の片方に第一剤と第二剤を等量混合したものを塗布し、その後、直ちにもう片方の試験片を重ね合わせて貼り合わせたものを試料とした。試料の固着時間(単位:分)は、温度23℃、湿度50%の環境下で、試料をプッシュプルゲージ(ModelS、Komura社製)で引っ張り、貼り合わせ直後から、0.1MPa以上の強度が測定されるまでの時間を測定した。
〔臭気〕
各硬化性樹脂組成物の臭気の強さを次のようにした。
樹脂組成物を使用して直径10mm×厚さ1mmの硬化物を作製し、ガラス瓶に硬化物を入れて密栓し、1時間放置後、臭いセンサー(カルモア社製)を使用して臭気を測定した。尚、試験をした室内の測定値360であった。数値が大きいほど、臭気が強いことを表している。臭気の数値は、1000以下が好ましく、600以下がより好ましい。
Figure 0006941019
表から以下のことが認められる。本実施形態は、剥離強度や引張剪断強度が高く、接着性が大きい。
本実施形態は、低臭気でアルミニウムや鉄への剥離強度を含む接着性、貯蔵安定性、硬化性及び耐湿性に優れた硬化性樹脂組成物や接着剤組成物を提供する。
又、被着体と接着剤との界面に水分が浸入すると被着体が剥離する場合がある。しかし、本実施形態は、高湿度等の水分条件下でも接着性が低下しない程度の耐湿性を有する。
本実施形態の組成物により、低臭気かつ低温における剥離強度が高い二剤型(メタ)アクリル系接着剤組成物が得られる。そのため、換気が不十分な場所でも作業が可能であり、接着剤の硬化体が寒冷地域においても剥離しない、適応環境が広がった接着剤が得られる。更に、強い衝撃にも耐えられる二剤型(メタ)アクリル系接着剤を提供することができるので、作業環境の改善だけでなく、様々な産業分野に適用することができ、有益である。

Claims (12)

  1. 下記(1)〜(4)を含有する組成物。
    (1)(1−1)〜(1−3)を含有する重合性ビニルモノマー
    (1−1)一般式(A)の化合物
    Figure 0006941019
    (1−2)一般式(B)の化合物
    一般式(B) Z−O−(RO)p−H
    〔一般式中、Zは(メタ)アクリロイル基を示す。Rはアルキレン基を示す。pは1〜10の数を示す。〕
    (1−3)一般式(C)の化合物
    Figure 0006941019
    (2)重合開始剤
    (3)還元剤
    (4)エラストマー
  2. (4)エラストマーの(メタ)アクリロニトリル含有量が1〜50モル%である請求項記載の組成物。
  3. (1)重合性ビニルモノマー100質量部中、(1−1)10〜85質量部、(1−2)10〜85質量部、(1−3)1〜30質量部を含有する請求項1又は2記載の組成物。
  4. 更に、(5)リン酸塩を含有する請求項1〜のうちの1項記載の組成物。
  5. 更に、パラフィン類を含有する請求項1〜のうちの1項記載の組成物。
  6. 更に、酸化防止剤を含有する請求項1〜のうちの1項記載の組成物。
  7. (3)還元剤が、第3級アミン及び遷移金属塩を含有する請求項1〜のうちの1項記載の組成物。
  8. 請求項1〜のうちの1項記載の組成物を含有する硬化性樹脂組成物。
  9. 請求項1〜のうちの1項記載の組成物を含有する接着剤組成物。
  10. 請求項1〜のうちの1項記載の組成物を第一剤と第二剤に分け、第一剤が少なくとも(2)重合開始剤を含有し、第二剤が少なくとも(3)還元剤を含有する二剤型の組成物。
  11. 請求項1〜のうちの1項記載の組成物を使用して被着体を接合する接合体。
  12. 請求項1〜のうちの1項記載の組成物を使用して被着体を接合する接合体の製造方法。
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