JPWO2013008390A1 - 誘導加熱調理器及びそのプログラム - Google Patents

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Abstract

【解決手段】主加熱コイルと、この主加熱コイル周囲にある扁平形状の複数個の副加熱コイルと、主加熱コイルと副加熱コイルにそれぞれ誘導加熱電力を供給するインバーター回路と、これらインバーター回路個々に対して調理メニューに対応した通電パターンを指令する通電制御回路とを有し、この通電制御回路は、使用者が選択できる調理モードとして少なくとも「湯沸しモード」と「茹でモード」とを有し、「湯沸しモード」と「茹でモード」で前記被加熱物を加熱する場合、前記主加熱コイル単独加熱あるいは主加熱コイルと副加熱コイルの協働加熱を自動的に決定でき、さらに「茹でモード」では主加熱コイルと副加熱コイルの火力比を自動的に決定し、所定の時間間隔で繰り返し加熱駆動する通電パターンを実行する。

Description

本発明は、被調理物を収容した金属鍋等の被加熱物を、その下方から加熱する誘導加熱調理器と、その制御を実行するプログラムに関する。
金属製鍋などの被加熱物を加熱コイルにより誘導加熱する加熱調理器は、安全・清潔・高効率という優れた特徴が消費者に認知され、近年次第に普及拡大している。
そのような誘導加熱調理器は、設置形態によって流し台等の上面に置かれて使用される据置型と、流し台などの厨房家具の中にある設置空間にセットされるビルトイン(組込)型とに大別されるが、何れのタイプにおいても、上面のほぼ全体が耐熱ガラス板等から形成されたトッププレート(天板ともいう)で覆われ、その下方には、一つ又は複数個の誘導加熱源が配置されている。その誘導加熱源としては、同心上かつ略同一平面上に配置した径の異なる複数個の加熱コイルと、加熱コイル夫々に高周波電力を供給する高周波発生電力回路(インバーター回路ともいう)が使用されている(例えば特許文献1参照)。このような構成によれば、径の異なる複数の加熱コイルに対する高周波電力の出力制御を各々個別に行うことができるので、種々の加熱パターンを形成することができる。
また別の誘導加熱調理器として、中央に円形の加熱コイルを置き、その中央加熱コイルの両側に隣接するように、複数の側部加熱コイルを配置し、中央加熱コイルと側部加熱コイルを別々の高周波発生電力回路で駆動するようにしたものにおいて、複数の側部加熱コイルと中央加熱コイルに流れる高周波電流の向きを考慮することで、側部加熱コイルと中央加熱コイルの間で生ずる誘導起電力を相殺し、広い平面領域を同時加熱する用途などに対応できるようにしたものがある(例えば特許文献2参照)。
さらにまた別の誘導加熱調理器として、一つの加熱コイルの外径サイズよりも大きな底面サイズを持つ大型の鍋を加熱する際に加熱分布に偏りが生じず、調理性能を損なうことなく加熱する、誘導加熱調理器を提供するために、第1の加熱コイルと、第1の加熱コイルの近傍に配置され、加熱コイルの最小外径が第1の加熱コイルの最小外径よりも短く且つ第1の加熱コイルと異なる円心を有する、複数の加熱コイル群と、前記第1の加熱コイルを駆動する第1のインバーター回路及び前記複数の加熱コイル群を駆動する第2のインバーター回路の出力を制御する制御部と、を備えた誘導加熱調理器も提案されている(例えば特許文献3参照)。
さらにまた別の誘導加熱調理器として、トッププレートの下方に略同一平面に配置され、異なる円心を有する複数の円環状の加熱コイルと、前記複数の加熱コイルに誘導加熱電力を供給するインバーター回路と、前記インバーター回路の出力を制御する制御部と、前記制御部に加熱の開始/停止や火力設定などを指示する操作部と、を有し、前記制御部は、前記操作部の指示により、複数の前記加熱コイルのうち、半数以上、全部未満の前記加熱コイルに誘導加熱電力を供給し、残りの加熱コイルに誘導加熱電力を供給しないように制御することにより、前記被加熱物内の前記被調理物に対流を発生させるようにしたものがある(例えば特許文献4参照)。
また同様に被調理物に対流を発生させる目的で、トッププレートの下方に略同一平面に配置され、異なる円心を有する複数の円環状の加熱コイルを備えたものにおいて、その複数の加熱コイルのうち、半数以上、全部未満の前記加熱コイルに誘導加熱電力を供給する量を、残りの加熱コイルの誘導加熱電力よりも多く制御するようにしたものもある(例えば特許文献5参照)。
特許第2978069号公報(第1頁、第2頁、図1) 特許第3725249号公報(第1頁、第2頁、図3) 特開2010−73384号公報(第2頁、第7頁、図3) 特開2010−165656号公報(第1頁、第2頁、図1、図2) 特開2010−146882号公報(第1頁、第2頁、図1、図2)
しかしながら、従来においては、金属鍋等のような一つの被加熱物の底面全体を複数の円形コイルや、円形コイル(中央コイル)と(非円形の)側部コイルによって同時に加熱するというものであったので、鍋の一方の側面からそれと向い合う他方の側面に向かうような対流経路の長い対流を発生させるには未だ十分でなかった。また、複数のコイルを加熱すると煮物などの長時間煮込む調理では、なべ底が焦げ付きやすくなるという課題があった。さらに誘導加熱調理器は、仮に家庭用であっても、お湯を急速に沸かすことや煮物をそのまま高温又は所定温度状態に維持する(保温ともいう)こと、あるいはフライパンを急速に所定温度まで加熱し、しかもその全体の温度をできるだけ均一化し、鍋の外周縁部の温度、所謂鍋肌温度を所望のレベルまで上げてから(これを「予熱」という)、肉や野菜等からなる調理の具材を投入する等、使用者の希望する調理メニューは多種あり、これら調理メニューに適当な加熱コイルの駆動パターンを使用者は簡単に、あるいは自動的に選ぶことができないという課題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、少なくとも予熱動作モードと茹でモードの2つの動作モードを備えた誘導加熱調理器とそのプログラムを得ることを主な目的とするものである。
第1の発明に係る誘導加熱調理器は、
被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、
前記加熱コイルを駆動する高周波電力供給手段と、
前記高周波電力供給手段を制御し、使用者が選択できる調理モードとして少なくとも「湯沸しモード」と「茹でモード」とを有する通電制御手段と、
前記被加熱物の温度を検知する温度検出手段と、
前記通電制御手段に対して前記調理モードを指令する操作部と、を備え、
前記加熱コイルは、環状の主加熱コイルと、この主加熱コイル周囲にあって主加熱コイルが加熱可能な大きさの被加熱物よりもさらに大きな直径の被加熱物を前記主加熱コイルと協働加熱する複数個の副加熱コイルとを有し、
前記通電制御手段は、前記「湯沸しモード」で前記被加熱物を加熱する場合、前記主加熱コイル単独加熱あるいは主加熱コイルと副加熱コイルの協働加熱を自動的に決定でき、
さらに前記通電制御手段は、前記主加熱コイルと副加熱コイルの協働加熱によって前記「茹でモード」で前記被加熱物を加熱する場合、前記温度検出手段が前記被加熱物内の液体の沸騰状態を検知する前の段階では前記主加熱コイルと副加熱コイルを同時に駆動し、前記温度検出手段が前記被加熱物内の液体の沸騰状態を検知した以降の段階では前記主加熱コイルと副加熱コイルとを所定の時間間隔で駆動することを特徴とするものである。この構成であるため、茹でモードにおいて鍋等の被加熱容器中にある、液体や野菜、肉等の具材等を含んだ液体の対流を促進し、鍋底部での焦げの発生抑止も可能となる。
第2の発明に係る誘導加熱調理器は、
被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、
前記加熱コイルを駆動する高周波電力供給手段と、
前記高周波電力供給手段を制御し、使用者が選択できる調理モードとして少なくとも「湯沸しモード」と「茹でモード」とを有する通電制御手段と、
前記被加熱物の温度を検知する温度検出手段と、
前記通電制御手段に対して前記調理モードを指令する操作部と、を備え、
前記加熱コイルは、環状の主加熱コイルと、この主加熱コイル周囲にあって主加熱コイルが加熱可能な大きさの前記被加熱物よりもさらに大きな直径の被加熱物を前記主加熱コイルと協働加熱する複数個の副加熱コイルとを有し、
前記副加熱コイルは、主加熱コイルの外周縁と所定の電気的絶縁空間を保って対向し、かつその外周縁に沿うように全体が主加熱コイル側に湾曲し、その湾曲の合致率が60%以上を有した扁平形状であり、
前記通電制御手段は、前記「湯沸しモード」で前記被加熱物を加熱する場合、前記主加熱コイル単独加熱あるいは主加熱コイルと副加熱コイルの協働加熱を自動的に決定でき、
さらに前記通電制御手段は、前記主加熱コイルと副加熱コイルの協働加熱によって前記「茹でモード」で前記被加熱物を加熱する場合、前記温度検出手段が前記被加熱物内の液体の沸騰状態を検知する前の段階では前記主加熱コイルと副加熱コイルとを同時に駆動し、前記温度検出手段が前記被加熱物内の液体の沸騰状態を検知した以降の段階では前記主加熱コイルと副加熱コイルを所定の時間間隔で駆動することを特徴とするものである。この構成によれば、茹でモードにおいて鍋等の被加熱容器中にある、液体や野菜、肉等の具材等を含んだ液体の対流を促進し、鍋底部での焦げの発生抑止も可能となる。しかも副加熱コイルは、主加熱コイルの外周縁と所定の電気的絶縁空間を保って対向し、かつその外周縁に沿うように全体が主加熱コイル側に湾曲し、その湾曲の合致率が60%以上を有した扁平形状であるので、主加熱コイルを中心としてそれを囲むように副加熱コイルによる加熱部分ができ、主加熱コイルと相俟って被加熱物を効率的に副加熱コイルで加熱することができる。
第3の発明に係る誘導加熱調理器は、
被加熱物を誘導加熱する環状の主加熱コイルと、
この主加熱コイル周囲にあって主加熱コイルが加熱可能な大きさの前記被加熱物よりもさらに大きな直径の被加熱物を前記主加熱コイルと協働加熱する複数個の副加熱コイルと、
前記主加熱コイルと副加熱コイルをそれぞれ駆動する高周波電力供給手段と、
前記高周波電力供給手段を制御し、使用者が選択できる調理モードとして少なくとも「湯沸しモード」と「予熱モード」とを有する通電制御手段と、
前記被加熱物の温度を検知する温度検出手段と、
前記通電制御手段に対して前記調理モードを指令する操作部と、を備え、
前記通電制御手段は、前記「湯沸しモード」で誘導加熱する場合、前記主加熱コイル単独加熱あるいは主加熱コイルと副加熱コイルの協働加熱を自動的に決定でき、
さらに前記通電制御手段は、前記主加熱コイルと副加熱コイルの協働加熱によって前記「予熱モード」で誘導加熱する場合、被加熱物の温度が第1の予熱温度であることを前記温度検出手段が検知する前の段階では、前記主加熱コイルと副加熱コイルを所定の第1火力で同時に駆動し、前記被加熱物の温度が前記第1の予熱温度より高い第2の予熱温度を検知した以降の段階では、前記主加熱コイルと副加熱コイルとを所定の時間間隔で、かつ前記第1の火力より小さな第2の火力以下で駆動することを特徴とするものである。この構成であるため、1の予熱温度に至るまでは大きな火力で加熱することができるので、予熱時間を短縮でき、また予熱動作を自動化できる。さらに第2の温度に至り、第2の予熱温度以降の予熱工程においては、主加熱コイルと複数個の副加熱コイルを所定の時間間隔で交互に駆動し又は同時に所定の主副火力比で駆動することで、被加熱物の底面中心部から外周縁までの全体をより均一に加熱できる。
第4の発明に係る誘導加熱調理器は、
被加熱物を誘導加熱する環状の主加熱コイルと、
この主加熱コイル周囲にあって主加熱コイルが加熱可能な大きさの前記被加熱物よりもさらに大きな直径の被加熱物を前記主加熱コイルと協働加熱する複数個の副加熱コイルと、
前記主加熱コイルと副加熱コイルをそれぞれ駆動する高周波電力供給手段と、
前記高周波電力供給手段を制御し、使用者が選択できる調理モードとして少なくとも「湯沸しモード」と「予熱モード」とを有する通電制御手段と、
前記被加熱物の温度を検知する温度検出手段と、
前記通電制御手段に対して前記調理モードを指令する操作部と、を備え、
前記通電制御手段は、前記「湯沸しモード」で誘導加熱する場合、前記主加熱コイル単独加熱あるいは主加熱コイルと副加熱コイルの協働加熱を自動的に決定でき、
さらに前記通電制御手段は、前記主加熱コイルと副加熱コイルの協働加熱によって前記「予熱モード」で誘導加熱する場合、被加熱物の温度が第1の予熱温度であることを前記温度検出手段が検知する前の段階では、前記主加熱コイルと副加熱コイルを所定の第1火力で同時に駆動し、前記被加熱物の温度が前記第1の予熱温度より高い第2の予熱温度を検知した以降の段階では、前記主加熱コイルと副加熱コイルとを所定の時間間隔で、かつ前記第1の火力より小さな第2の火力以下で駆動し、
前記温度検出手段が、第2の予熱温度検知以降の段階で被加熱物の温度が第1の予熱温度以下に低下したことを検知した場合、前記通電制御装置は第1の火力から第2の火力に復帰させ、主加熱コイルと副加熱コイルで高火力加熱を行って第2の予熱温度まで迅速に復帰させることを特徴とするものである。この構成であるため、1の予熱温度に至るまでは大きな火力で加熱することができるので、予熱時間を短縮でき、また予熱動作を自動化できる。さらに第2の温度に至り、第2の予熱温度以降の予熱工程においては、主加熱コイルと複数個の副加熱コイルを所定の時間間隔で交互に駆動し又は同時に所定の主副火力比で駆動することで、被加熱物の底面中心部から外周縁までの全体をより均一に加熱できる。さらに被加熱物の温度が、冷たい野菜や肉などの具材の投入によって急に温度低下した場合、前記通電制御装置が第2の火力から第1の火力に素早く復帰させ、主加熱コイルと副加熱コイルで高火力加熱を行うから、予熱モードを使用した場合も自動的に必要な火力が維持され、炒め物や揚げ物調理を上手に行うことができる。
第5の発明は、前記第1の発明から第4の発明の誘導加熱調理器を動作させるためのコンピュータプログラムを提供するものである。
本発明によれば、主加熱コイルと、その側方に設けられた少なくとも1つの副加熱コイルで被加熱物の加熱動作が実行され、しかも第1の予熱温度に至るまでは大きな火力で加熱することができるので、予熱時間を短縮でき、また予熱動作を自動化できるので、複数の加熱コイルの協同加熱方式でありながら、使い勝手を向上させることができる誘導加熱調理器又はその制御プログラムを得ることができる。
本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器全体の基本構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の、天板を外した状態の平面図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における誘導加熱コイルの平面図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における左側の誘導加熱コイルの平面図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における左側誘導加熱コイルの平面図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における左側誘導加熱コイルの主加熱コイル説明図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における右側誘導加熱コイルとその駆動回路の構成図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器全体の基本的な加熱動作を示す制御ステップ説明図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における左側誘導加熱コイルの加熱動作説明図1である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における左側誘導加熱コイルの通電説明図1である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における左側誘導加熱コイルの変形例を示す平面図である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における左側誘導加熱コイルの加熱動作説明図2である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における左側誘導加熱コイルの通電説明図2である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における左側誘導加熱コイルの加熱動作説明図3である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における左側誘導加熱コイルの通電説明図3である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における左側誘導加熱コイルの通電説明図4である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における左側誘導加熱コイルの加熱動作説明図4である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における左側誘導加熱コイルの通電説明図5である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における左側誘導加熱コイルの通電説明図6である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における左側誘導加熱コイルの通電説明図7である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における左側誘導加熱コイルの通電説明図8である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における左側誘導加熱コイルの通電説明図9である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における表示部と操作部の一部を示す平面図1である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における表示部と操作部の一部を示す平面図2である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器における表示部と操作部の一部を示す平面図3である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の始動から沸騰モードにおける制御動作までの動作を示すプログラムのフローチャート1である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の、沸騰モードにおける制御動作を示すプログラムのフローチャート1である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の、沸騰モードにおける調理動作を示すプログラムのフローチャート2である。 本発明の実施の形態1に係るビルトイン型の誘導加熱調理器の、予熱モードにおける調理動作を示すプログラムのフローチャート3である。
実施の形態1.
図1〜図29は、本発明の実施の形態1に係る誘導加熱調理器とそのプログラムを示すものであって、ビルトイン(組込)型の誘導加熱調理器の例を示している。なお、各図において同じ部分又は相当する部分には同じ符号を付している。
本発明の実施の形態において用いられる用語をそれぞれ定義する。
加熱手段D(後述する第1の誘導加熱部6L、第2の誘導加熱部6R等を含む加熱源をいう)の「動作条件」とは、加熱するための電気的、物理的な条件を言い、通電時間、通電量(火力)、加熱温度、通電パターン(連続通電、断続通電等)等を総称したものである。つまり加熱手段Dの通電条件をいうものである。
「表示」とは、文字や記号、イラスト、色彩や発光有無や発光輝度等の変化により、使用者に調理器の動作条件や調理に参考となる関連情報(異常使用を注意する目的や異常運転状態の発生を知らせる目的のものを含む。以下、単に「調理関連情報」という)を視覚的に知らせる動作をいう。また「発光」と「点灯」とは同じ意味であるが、発光ダイオードなどの発光素子自体が光を発する場合を発光、ランプが光を発する場合を点灯と呼ぶことが多いので、以下の説明ではこのように併記する場合がある。なお、電気的又は物理的には発光又は点灯していても、使用者が目視で確認できない程度の弱い光しか使用者に到達しない場合は、使用者が「発光」または「点灯」の結果を確認できないので、特に明記しない限り、「発光」または「点灯」には該当しない。例えば後述するトッププレートは一般的に無色透明ではなく表面に塗装などをする前からその素材自体に薄い色があるので、可視光線の透過率は100%ではないから、例えば発光ダイオードの光が弱いとトッププレート21(後述する)の上からはその光が視認できないことが起こる。
表示部の「表示手段」としては、特に明示のない限り、液晶(LCD)や各種発光素子(半導体発光素子の一例としてはLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)、LD(Laser Diode)の2種類がある)、有機電界発光(Electro Luminescence:EL)素子などを含む。このため表示手段には、液晶画面やEL画面等の表示画面を含んでいる。
「報知」とは、表示又は電気的音声(電気的に作成又は合成された音声をいう)により、制御手段の動作条件や調理関連情報を使用者に認識させる目的で知らせる動作をいう。
「報知手段」とは、特に明示のない限り、ブザーやスピーカー等の可聴音による報知手段と、文字や記号、イラスト、アニメーションあるいは可視光による報知手段とを含んでいる。
以下、図1〜図29を参照しながら、本発明に係る誘導加熱調理器の実施の形態1について詳細に説明する。図1および図3は、本発明に係る誘導加熱調理器の誘導加熱コイル全体を概略的に図示する平面図である。図2は本発明に係る誘導加熱調理器全体を、天板を外した状態で示す平面図である。
図1〜図3において、本発明の誘導加熱調理器は、第1の誘導加熱部6Lと第2の誘導加熱部6Rと輻射式中央電気加熱部7を備えた、いわゆる3口の誘導加熱調理器であり、平面視で横長矩形(横長方形ともいう)の本体部Aを備えている。この本体部Aは、本体部Aの上面全体を水平に設置された平板状のトッププレート21で覆った天板部Bと、本体部Aの上面以外の周囲(外郭)を構成する筐体部C(図示せず)と、鍋や食品等を電気的エネルギー等で加熱する加熱手段Dと、使用者により操作される操作手段Eと、操作手段からの信号を受けて加熱手段を制御する制御手段Fと、加熱手段の動作条件を表示する表示手段Gと、をそれぞれ備えている。
また、加熱手段Dの一部として、実施の形態1では使用していないが、グリル庫(グリル加熱室)又はロースターと称される電気加熱手段を備えたものもある。図1においてE1は本体部Aの上面前方部に設けた操作手段Eに、静電容量変化を用いて入力有無を検知するタッチ式のキーや機械式電気接点を有する押圧式キー等によって入力操作される第1の選択部、同じくE2は第2の選択部、E3は同じく第3の選択部であり、使用者がこれら選択部を操作することにより後述する各種調理メニューが選択できる。各選択部E1〜E3の機能の特徴については後で詳しく述べる。
本体部Aの左右中心線CL1を挟んで左側には第1の誘導加熱部6Lが、また右側には第2の誘導加熱部6Rが設置されている。
100は、前記表示手段Gの表示画面であって、例えば液晶表示画面であり、左右中心線CL1を跨ぐように本体部Aの左右中心部に配置されている。
本体部Aは図2に示すように、外形形状が流し台等の厨房家具(図示せず)に形成した設置口を覆う大きさ、スペースに合わせて、略正方形に形成されている。
本体部Aの外郭を形成する金属製薄板から形成された本体ケース2の上部は、内側寸法で横幅W3が540mm(又は550mm)、奥行DP2が402mmの箱形に設計されている。この本体ケースの内部に前記第1の誘導加熱部6L、第2の誘導加熱部6R及び輻射式中央電気加熱部7がそれぞれ設置されている。第1、第2の誘導加熱部6L、6Rは、円板状に巻かれた加熱コイル6LC、6RCをそれぞれ備えている。
図2に示すように、本体ケース2の上面開口の後端部、前端部、右端部及び左端部の4個所には、それぞれ外側へL字形に一体に折り曲げて形成したフランジを有しており、後方のフランジ3B、左側のフランジ3L、右側のフランジ3R及び前側のフランジ3Fが、それぞれ厨房家具の設置部上面に載置され、加熱調理器の荷重を支えるようになっている。
前記トッププレート21の上に磁性を有する、例えば金属から成る鍋等の被加熱物N(以下、単に「被加熱容器」又は「鍋」と称する場合が有る)が置かれて、その下方に設置された第1の誘導加熱部6L、第2の誘導加熱部6R、輻射式中央電気加熱部7によって誘導加熱される構成になっている。なお、輻射式中央電気加熱部7では、金属製以外の被加熱物Nも加熱できる。
トッププレート21は、図2に破線で示すように長方形である。このトッププレート21を構成する耐熱性の強化ガラス板は、図2に示すように横幅W2が728mm、奥行寸法は前記奥行DP2よりも大きい。図2においてW1は本体部Aを構成する本体ケース2の横幅(最大)寸法である。トッププレート21の下方にある、横幅寸法がW3で、奥行き寸法がDP2の長方形の空間が、部品収納室10である。部品収納室10は、前面壁10Fと、右側壁10R、左側壁10L及び背面(後面)壁10Bをそれぞれ有している。
前記輻射式中央電気加熱部7は、本体部Aの左右中心線CL1上で、かつ、その後部寄りの位置に配置されている。輻射式中央電気加熱部7は、輻射によって加熱するタイプの電気ヒーター(例えばニクロム線やハロゲンヒーター、ラジエントヒーター)が使用され、トッププレート21を通してその下方から鍋等の被加熱物Nを加熱するものである。
図1〜図3において、MCは第1の誘導加熱部6Lの主加熱コイルであり、被加熱物Nを載せるトッププレート21の下方に接近して配置されている。第2図中、破線の円で示したのが鍋等の被加熱物Nの外形形状(輪郭)である。
またこの主加熱コイルMCは、渦巻状に0.1mm〜0.3mm程度の細い線を30本程束にして、この束(以下、集合線という)を1本又は複数本撚りながら巻き、中心点X1を基点として外形形状が円形になるようにして最終的に円盤形に成形されている。主加熱コイルMCの直径(最大外径寸法)は約180mm〜200mm程度であり(以下の説明では、180mmとして統一する)、半径R1はその半分の90mmである。この実施の形態1では例えば、定格最大消費電力(最大火力)2000Wの能力を備えている。主加熱コイルは図5と図6(B)に示すように、内側の加熱コイル6LC1と、これに直列接続された外側の加熱コイル6LC2とから構成されている。図6(B)において、WL6Aは内側の加熱コイル6LC1のコイル幅(横幅)で約10mm、WL6Bは外側の加熱コイル6LC2のコイル幅(横幅)で約10mmである。DLAは主加熱コイルMCの外側の加熱コイル6LC2の外径で、前記半径R1の2倍であるから180mmである。DLBは主加熱コイルMCの外側の加熱コイル6LC2の外径で、90mmである。
SC1〜SC4は、4個の長円形副加熱コイルであり、前記主加熱コイルMCの中心点X1を基点として前後・左右に、かつ等間隔にそれぞれ対称的に配置されており、中心点X1から放射状に見た場合の横断寸法、つまり「厚み」(「横幅寸法」ともいう)WAは、前記主加熱コイルMCの半径R1の50%〜30%程度の大きさであり、図1〜図3の例では、WAは40mmに設定されたものが使われている。また長径MWは前記R1の2倍程度、つまり主加熱コイルMCの直径(最大外径寸法)と同じく180mm程度である。なお、主加熱コイルMCの「側方」とは、特に他の説明と矛盾がない場合、図2で言えば右側、左側は勿論、上側と下側(手前側)を含んでおり、「両側」とは左右両方をいうことは勿論、前後及び斜め方向も意味している。
4個の副加熱コイルSC1〜SC4は、前記主加熱コイルMCの外周面に所定の空間(数mmから10mm程度の大きさ。以下の説明では「5mm」の例で説明する)の空間271を保って(一般には「コイルベース」と言われる、耐熱性プラスチック製の支持体に)固定されている。副加熱コイルSC1〜SC4の相互は略等間隔(相互に空間273を保って)になっている。この副加熱コイルSC1〜SC4も、集合線を1本又は複数本撚りながら巻き、外形形状が長円形や小判形になるように集合線が所定の方向に巻かれ、その後形状を保つために部分的に結束具で拘束され、又は全体が耐熱性樹脂などで固められることで形成されている。4つの副加熱コイルSC1〜SC4は平面的形状が同じで、縦・横・高さ(厚さ)寸法も全て同一寸法である。従って1つの副加熱コイルを4個製造し、それを4箇所に配置している。
これら4つの副加熱コイルSC1〜SC4は図3に示すように、中心点X1から半径R1の主加熱コイルMCの周囲において、その接線方向が丁度各副加熱コイルSC1〜SC4の長手方向の中心線と一致している。言い換えると長径方向と一致している。
副加熱コイルSC1〜SC4は、それぞれの集合線が長円形に湾曲しながら伸びて電気的に一本の閉回路を構成している。また主加熱コイルMCの垂直方向寸法(高さ寸法、厚さともいう)と各副加熱コイルSC1〜SC4の垂直方向寸法は同じであり、しかもそれら上面と前記トッププレートの下面との対向間隔は同一寸法になるように水平に設置、固定されている。
前述したように、前記した4つの副加熱コイルSC1〜SC4は図4に示すように、中心点X1から半径R2の円上において、相互に一定寸法の空間273を保って配置されており、その半径R2の円周線が丁度各副加熱コイルSC1〜SC4の長手方向の中心線と一致している。言い換えると、一つの閉回路を構成している環状の主加熱コイルMCの周囲には、その主加熱コイルMCの中心点X1から所定の半径R1の円弧に沿って、副加熱コイルSC1〜SC4が4個配置されており、前記円弧に沿った曲率半径で前記集合線が湾曲しながら伸びて電気的に閉回路を構成している。
図4に示した中心点X1に至る直線Q1は、4つの副加熱コイルSC1〜SC4の、内側の湾曲縁、言い換えると湾曲した円弧の一方の端RA(言い換えると、始点)と中心点X1を結ぶ直線である。同じく、直線Q2は、副加熱コイルSC1〜SC4の、円弧の他方の端RB(言い換えると、終点)と中心点X1を結ぶ直線である。
この2つの端RAと端RBの間(始点と終点の間)の長さ、つまり主加熱コイルMCの外周面に沿って半径R2で湾曲する(副加熱コイルSCの)円弧の長さが大きいことが加熱効率の観点から望ましい。それは後述するように、主加熱コイルMCの外周縁と、副加熱コイルSC1〜SC4との間で、高周波電流が同じ向きで流れ、磁気的干渉を低減するように工夫しているからである。しかしながら現実的には、隣り合う2つの副加熱コイルSC1〜SC4の間では高周波電流の向きが反対になるため、これによる影響が問題になる。この影響を抑制するため、一定距離(後述する空間273)を離している。このため、円弧の長さには一定の限界がある。
具体的には図4に示したものにおいて、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4との間の電気絶縁距離となる空間271が仮に5mmであった場合、主加熱コイルMCの外径はR1の2倍=180mmであるから、R2=R1(90mm)+5mm=95mmである。R2の円の円周の長さは、約596.6mm(=半径R2の2倍である190mmに、円周率3.14を乗じた結果)になる。従って副加熱コイルSC1〜SC4が4個均等に(角度90度ずつ)配置されている場合、4分の1の長さは149.15mmになる。Q1とQ2で構成される角度は90度ではなく、例えば60度〜75度である。そこで70度の場合は、前記149.15mmは、70度÷90度の比率(約0.778)×149.15mmの式から約116mmになる。つまり、各副加熱コイルSC1〜SC4の最も内側の円弧の長さは約116mmである。
またこの実施の形態1のように副加熱コイルSCが4個の場合、主加熱コイルMCの周囲360度の内、280度(=前記した70度の4倍)の範囲が主加熱コイルMCの外周面に沿って(曲率半径R2で)湾曲した(副加熱コイルSCの)円弧であるから、約77.8%(=280度÷360度)の範囲(この率を、以下の説明で「合致率」という)において主加熱コイルMC外周縁と、副加熱コイルSC1〜SC4内周縁の向きが合致(並行)していると言える。これは主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4との間で、高周波電流を同じ向きに流すことが可能となる度合いが大きいことを意味し、磁気的干渉を低減して被加熱物Nに加熱効率を高める上で貢献している。なお、図4では説明を分かり易くするため、主加熱コイルMCや副加熱コイルSC1〜SC4など各構成部分の大きさを比例尺で描いていない。合致率が大きい程、高周波電流が同じ向きに流れて、2つの加熱コイルの隣接する領域で磁束密度高め合う長さが大きく加熱効率の観点で望ましいが、実際には前記空間273を確保するため限界があり、100%にはできない。合致率は望ましくは、60%以上あれば、加熱効率をよく構成することができる。
なお、図3において、半径R3の大きさは、R2(95mm)+(副加熱コイルSCの主加熱コイルMCに隣接した側の集合線全体の平均的横幅WC1)+(副加熱コイルSCの空間幅10mm)で求められる。WC1は15mmあるから、R3は110mmである。なお、外側位置の集合線全体の平均的横幅WC2も15mmである。
図4において、4つの副加熱コイルSC1〜SC4を含む円の直径寸法DB(図3のDLBに同じである)は270mmである。これは、半径R2が95mmであるから、その2倍の寸法(190mm)に、両側にある2つの副加熱コイルの幅40mmの2倍の寸法(80mm)を足せば求められる。空間271は前記した最小寸法の5mmではなく、例えば10mmでも良い。空間271はそれぞれ別の電源から電気が供給される主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4という二つの物体間の絶縁性を保つために必要な絶縁空間であるが、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4の間を遮るように、磁器や耐熱性プラスチック等の電気絶縁物を例えば薄い板状にして介在させれば、空間271の電気絶縁性が向上し、空間271の寸法を更に小さくすることができる。このような電気絶縁物が、前記主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4の間にある場合、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4は隣接する側の面が「対向」しないが、この構造も本発明では「対向」と呼ぶ。つまり、副加熱コイルが、前記主加熱コイルの外周縁と所定の電気的絶縁空間を保って対向する、という場合、その両者間を遮るような遮蔽物があっても良い。
図3において、DWはこの調理器によって誘導加熱できる金属製の鍋等の被加熱物Nの外径寸法を示す。前記したような主加熱コイルMCの直径や副加熱コイルSC1〜SC4の厚みWAから、この図3の例では、加熱に適する被加熱物Nの(最大)外形寸法DWは270mm〜310mm程度である。
図4において、276は4つの副加熱コイルSC1〜SC4の外側に近接した位置に設置された個別発光部で、光を導く薄い湾曲した導光体と、その導光体に光を供給する発光ダイオード等の光源とから構成され、通電制御回路(制御部)200によって制御される。例えば副加熱コイルSC1が加熱動作している場合は、その側方にある個別発光部276が発光し、トッププレート21の上から円弧状の光の帯が視認できる。277は、第1の誘導加熱部6Lの加熱コイル6LCの最も外側に設置された環状の防磁リングである。275は個別発光部276の外側と防磁リング277の間の空間である。
図1は、誘導加熱調理器1に内蔵された電源装置の回路ブロック図である。電源装置は、三相交流電源を直流電流に変換するコンバーター(例えばダイオードブリッジ回路、または整流ブリッジ回路ともいう)と、コンバーターの出力端に接続された平滑用コンデンサー、この平滑用コンデンサーに並列に接続された第1の誘導加熱部6Lの主加熱コイルMCのための主インバーター回路(電源回路部)MIVと、同様に平滑用コンデンサーに並列に接続された各副加熱コイルSC1〜SC4のための副インバーター回路(電源回路部)SIV1〜SIV4を備える。なお、210Lは、第1の誘導加熱部6Lのインバーター回路であり、前記主インバーター回路MIVと、4つの副インバーター回路SIV1〜SIV4から構成されている。
210Rは、第2の誘導加熱部6Rのためのインバーター回路、210Mは輻射式中央電気加熱部7の駆動回路である。なお、前記第2の誘導加熱部6Rの加熱コイル6RCは、環状に巻かれた1つの内側の加熱コイル6RC1と、この加熱コイルと並列になっている外側の環状の加熱コイル6RC2との二重構成であるから、前記インバーター回路の構成は、前記したインバーター回路210Lの構成とは異なっている。具体的には2つの内側の環状の加熱コイル6RC1、外側の環状の加熱コイル6RC2それぞれに専用のインバーター回路210R1、210R2を備えている(図7参照)。図1では2つのインバーター回路210R1、210R2を纏めて、符号210Rで表示している。
以下具体的に説明すると、右側の加熱コイル6RCの最大外形DRMは、180mmであり、これは外側の環状の加熱コイル6RC2の外径である。
内側の環状の加熱コイル6RC1の最大外形DRAは約100mmである。この加熱コイル6RCのコイル幅WR6Bは約30mm、内側コイルのコイル幅WR6Aは約10mmである。
内側の環状の加熱コイル6RC1、外側の環状の加熱コイル6RC2に電流を流して磁界を発生させ、トッププレート21上に載置された鍋を加熱するとき、大小2つの加熱コイルに同一の電流を流すと、面積の大きい外側の環状の加熱コイル6RC2から発生する磁界が鍋の加熱に寄与する総量の方が、内側の環状の加熱コイル6RC1よりも大きくなる。
この実施の形態によれば、右側の誘導加熱部6Rの加熱コイル6RCを、外径100mmの内側の環状の加熱コイル6RC1と、この外側を囲む外径180mmの外側の環状の加熱コイル6RC2との2つの部分から構成し、かつ、この加熱コイル6RCには、それぞれ個別にインバーター回路210R1,210R2から高周波電流が供給され、2つの環状の内側の環状の加熱コイル6RC1、外側の環状の加熱コイル6RC2は互いに独立して加熱駆動される。
このため、例えば内側の環状の加熱コイル6RC1だけを駆動して、小径(例えば80mm〜120mm程度)の被加熱物Nを誘導加熱することができる一方、外側の環状の加熱コイル6RC2と内側の環状の加熱コイル6RC1を同時に駆動して(又は短時間に交互通電して)、より大きな直径、例えば200mm程度のものも加熱できる。
小径の内側の環状の加熱コイル6RC1と大径の外側の環状の加熱コイル6RC2に、それぞれにインバーター回路210R1、210R2を接続し、両方の加熱コイルに流れる電流の周波数を同一にしているため、スイッチング素子の動作周波数やデューティを変化させることにより、内側の環状の加熱コイル6RC1と大径の外側の環状の加熱コイル6RC2に流す電流を一定の範囲内で任意の異なる値に設定することができる。デューティ比を変化させて電力を調節する場合、スイッチング素子に印加される電圧値が一定の条件では、デューティ比が0.5、つまり、直列に接続された2つのスイッチング素子の導通状態と非導通状態の比率が1:1のときに最も出力が大きくなる。
本構成によれば、コイルに異なる電流を流すことができるため、内外それぞれの加熱コイルから発生させる磁界量を変化させることができる。
従来、外側の加熱コイルに対して内側の加熱コイルは加熱コイル径が小さいため加熱に寄与されにくく、外側の加熱コイルが発生する磁界が大きく加熱分布がドーナツ状になっていたが、この実施の形態4では、内側と外側に別々のコイル電流を流すことによって、内側の環状の加熱コイル6RC1に流れるコイル電流を増大させ、加熱量を増やすことにより、右側の加熱コイル6RC全体に均一な加熱分布をえることができるようになる。
複数の加熱コイルで1つの鍋を加熱する場合、鍋に与える電力は、それぞれの加熱コイルが鍋に与える電力の和であるため、所定の定格最大火力(例えば2000W)の範囲内で、内側の加熱コイルに流す電流を多くして得られる火力を大きくした量に比例して、外側の加熱コイルに流す電力量を少なくすれば良く、内側と外側の加熱コイルの温度差を小さくすることができる。
また、内側の加熱コイルにたくさんの電流を流すことにより、巻数の少なかった内側の加熱コイルでも発熱量を大きくすることができる。従来のように外側環状コイルが発生する磁界が強くなりすぎて、加熱分布が平均化されず、いわゆる外周部分でドーナツ状に加熱の強度が大きかった従来例に比較し、加熱分布を均一状態に近づけることができるため、調理性能のよい誘導加熱調理器を提供することができる。
主インバーター回路MIVと副インバーター回路SIV1〜SIV4は、前記コンバーターからの直流電流を高周波電流に変換し、それぞれ主加熱コイルMCおよび副加熱コイルSC1〜SC4に高周波電流を(互いに)独立して供給するものである。
一般に、誘導加熱コイルのインピーダンスは、誘導加熱コイルの上方に載置された被加熱物Nの有無および大きさ(面積)に依存して変化するから、これに伴って前記主インバーター回路MIVと副インバーター回路SIV1〜SIV4に流れる電流量も変化する。本発明の電源装置では、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4に流れる、それぞれの電流量を検出するための電流検出部(検出手段)280を有する。この電流検出部は、後述する被加熱物載置判断部400の一種である。
本発明によれば、電流検出部280を用いて、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4に流れる電流量を検出することにより、それぞれのコイルの上方に被加熱物Nが載置されているか否か、または被加熱物Nの底部面積が所定値より大きいか否かを推定し、その推定結果を制御部(以下、「通電制御回路」という)200に伝達するので、被加熱物Nの載置状態について精度よく検出することができる。
なお、被加熱物Nの載置状態を検出するための被加熱物載置判断部400として、主インバーター回路MIVと副インバーター回路SIV1〜SIV4に流れる電流量を検出する電流検出部280を用いたが、これに限定されるものではなく、機械式センサー、光学的センサーなどの他の任意のセンサーを用いて被加熱物Nの載置状態を検知してもよい。
本発明の電源装置の通電制御回路200は、図示のように、電流検出部280に接続されており、被加熱物Nの載置状態に応じて、主インバーター回路MIVと副インバーター回路SIV1〜SIV4に制御信号を与えるものである。すなわち、通電制御回路200は、電流検出部280で検出された主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4に流れる電流量に関する信号(被加熱物Nの載置状態を示すデータ)を受け、被加熱物Nが載置されていないか、あるいは被加熱物Nの直径が所定値(例えば120mm)より小さいと判断した場合には、それら主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4への高周波電流の供給を禁止又は(既に供給開始されている場合はそれを)停止するように主インバーター回路MIVと副インバーター回路SIV1〜SIV4を選択的に制御する。
本発明によれば、通電制御回路200は、被加熱物Nの載置状態に応じた制御信号を主インバーター回路MIVと副インバーター回路SIV1〜SIV4に供給することにより、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4への給電を互いに独立して制御することができる。また、中央にある主加熱コイルMCを駆動せず(OFF状態とし)、かつ、すべての副加熱コイルSC1〜SC4を駆動する(ON状態とする)ことにより、フライパンなどの鍋肌(鍋の側面)だけを予熱するといった調理方法も実現可能となる。
次に前記表示手段Gの表示画面100について説明する。
この実施の形態1において、前記表示画面100は、全ての加熱源に共通で用いられるものであるため、統合表示手段とも呼ばれる。全ての加熱源とは、第1、第2の誘導加熱部6L、6Rと、輻射式中央電気加熱部7、更にはグリル庫(グリル加熱室)又はロースターと称される電気加熱手段を備えるものでは、当該電気加熱手段も含むものである。この実施の形態1の統合表示手段で使用されている表示画面100は、周知のドットマトリックス型液晶表示画面である。また高精細(320×240ピクセルの解像度を備えているQVGAや640×480ドット、16色の表示が可能なVGA相当)の画面を実現でき、文字を表示する場合でも多数の文字を表示することができる。液晶表示画面は1層だけではなく、表示情報を増やすために上下2層以上で表示するものを使用しても良い。また、単純マトリクス駆動方式を用いたSTN(Super Twisted Nematic)液晶によって構成しても良い。なお、この表示画面を通じて使用者が加熱動作の指令も行えるが、この点については後で説明する。
この実施の形態1において、表示画面100の表示領域は、縦(前後方向)約70mm(又は約80mm)、横約100mm(又は約120mm)の大きさの長方形である。
前記表示画面は、図示していないが、表示駆動回路で駆動される。その表示部駆動回路は前記通電制御回路200に接続されている。
また表示部駆動回路は、図示していないが、表示用メモリー、表示コントローラー、インターフェース回路、専用電源、コモンドライバー回路、およびセグメントドライバー回路をそれぞれ備えている。そのため、この表示部駆動回路は、専用電源からの電力により動作し、前記インターフェース回路により表示用メモリーからの画像情報を取得する。また表示用メモリーは、通電制御回路200から取得した画像情報を記憶する。さらに表示コントローラーは、表示用メモリーに記憶された画像情報を読み出し、この画像情報に基づいて、前記コモンドライバー回路およびセグメントドライバー回路を駆動する。コモンドライバー回路およびセグメントドライバー回路は、表示画面100の各画素に対応して設けられた互いに交差する電極に電圧を印加することで液晶を駆動する。このように、表示駆動回路は、表示用メモリーに記憶された画像情報を、必要な都度表示画面100に表示させる。なお、前記表示部駆動回路は、通電制御回路200を構成するマイクロコンピュータとは別の、専用のマイクロコンピュータによって構成されている。
31は温度検出素子(以下、「温度センサー」という)31Lを備えた温度検出回路である。前記温度センサーの温度感知部は複数個設置することが正確な温度検知の面からは望ましい。例えば図4に示した例では、5個の温度センサー31L1〜31L5を有し、その1個は、第1の誘導加熱部6Lの加熱コイル6LCの中央部に設けた主加熱コイルMCの内側空間に設置されている。これらの温度センサーは被加熱物Nから放射される赤外線の量を検知して温度を測定する赤外線式の温度センサー又は感熱式の温度センサー、例えばサーミスタ式センサーである。なお、第2の誘導加熱部6Rの加熱コイル6RCにも同様に赤外線式の温度センサー31R(図示せず)が設置されている。温度感知部は1つに限る必要はなく、被加熱物Nの底面の温度をできるだけ正確に捉えるため、間隔を置いて複数個設けても良い。例えば図4に示しているように、この実施の形態では5個所設置している。つまり主加熱コイルMCの内側と、主加熱コイルと副加熱コイルSC1〜SC4の間の空間、あるいは副加熱コイルSC1〜SC4の内側の空間に設置してある。
なお、温度センサーの数を5個ではなく、4個にする場合(図4における31L1を省略する)、図5のように、主加熱コイルMCの内側空間に全て設置することが望ましい。しかも隣り合う2つの副加熱コイルの間であるという条件を同時に満たすことが良い。例えば、副加熱コイルSC2とSC1の間には、温度センサー31L2を配置すれば、主加熱コイルMCの上方だけを覆うような直径の小さな鍋が置かれた場合は、その温度センサー31L2がその鍋底面の下方に位置することになり、また仮に主加熱コイルMC及び、2つの隣接する副加熱コイルSC2とSC1の上方を覆うような長円形や長方形の鍋が置かれた場合では、やはりその温度センサー31L2がそのような長円形や長方形の鍋底の下方に位置することになるから、小径の鍋だけではなく、大きな直径の鍋が使用された場合でも、温度検知を行うことができるという利点がある。この場合、温度センサー31L2はサーミスタ式でも赤外線式でも良い。言い換えると、前記副加熱コイルSC1〜SC4が、環状の主加熱コイルMCの周囲で、かつ主加熱コイルMCと同心円上の位置に、互いに空間271を保って4個配置されている形態においては、前記温度検出手段となる温度センサー31L2〜31L5の位置(温度検出部の位置)が、前記主加熱コイルMCの内側空間に4個所あり、それら各個所の温度検出部は、隣り合う副加熱コイルの遠い側の端部同士を結ぶ直線からそれら副加熱コイルに近い側にある場合、小径の鍋だけではなく、大きな直径の鍋が使用された場合でも、温度検知を行うことができるという利点がある。
同様に副加熱コイルSC2とSC4の間には、温度センサー31L3を配置すれば、主加熱コイルMCの上方だけを覆うような直径の小さな鍋が置かれた場合は、その温度センサー31L3がその鍋底面の下方に位置することになり、また仮に主加熱コイルMC及び、2つの隣接する副加熱コイルSC2とSC4の上方を覆うような長円形や長方形の鍋が置かれた場合では、やはりその温度センサー31L3がそのような長円形や長方形の鍋底の下方に位置することになるから、小径の鍋だけではなく、大きな直径の鍋が使用された場合でも、温度検知を行うことができるという利点がある。
なお、赤外線センサーはまだサーミスタ式に比較してコストが高いので、温度センサーを図5のように4個使用する場合、例えば1個の温度センサー31L5のみ赤外線式とし、他の3個はサーミスタ式にすればよい。
なお、温度センサーが、赤外線式の温度センサーである場合は、鍋等の被加熱物Nから放射される赤外線の量を検知して温度を測定できるフォトダイオード等から構成されており、被加熱物Nから放射された赤外線を集約させ、かつリアルタイムで(時間差が殆んどなく)受信してその赤外線量から温度を検知できることで(サーミスタ式よりも)優れている。この温度センサーは、被加熱物Nの手前にあるトッププレート21の温度と被加熱物Nとの温度が同じでなくても、またトッププレート21の温度に拘わらず、被加熱物Nの温度を検出できる。すなわち、被加熱物Nから放射される赤外線がトッププレート21に吸収されたり遮断されたりしないように工夫しているためである。
例えばトッププレート21は4.0μm又は2.5μm以下の波長域の赤外線を透過させる素材が選択されており、一方、温度センサーは4.0μm又は2.5μm以下の波長域の赤外線を検出するものが選択されている。
なお、温度センサーは、上記したように伝熱式の検知素子、例えばサーミスタ式温度センサーも3個使用している。サーミスタ等の伝熱式のものである場合には、前記した赤外線式温度センサーと比較すると急激な温度変化をリアルタイムで捕捉することでは劣るが、トッププレート21や被加熱物Nからの輻射熱を受け、被加熱物Nの底部やその直下にあるトッププレート21の温度を確実に検出できる。また被加熱物Nが無い場合でもトッププレート21の温度を検出できるものである。
また前記温度センサーと温度検出回路31は、被加熱物Nが主・副加熱コイルの上に置かれていないことを検知する手段である前記被加熱物載置判断部400の一部にもなっている。つまり電流検出部280とこの温度検出回路31は、被加熱物載置検知部であると言える。
40L、40Rは、図2に一点鎖線で示しているように、前記前側のフランジ3Fの上方に左右に離れてそれぞれ設置された上面操作部である。これら操作部は、トッププレート21の表面に形成した各種入力キーからの指令を受けて、第1の誘導加熱部6L、第2の誘導加熱部6R、輻射式中央電気加熱部7の通電時間や火力などを設定できる。後述する表示画面100の表面の静電容量式タッチ入力用の各種キーによる設定とは独立して通電条件を設定できる。
50は、第1の誘導加熱部6L、第2の誘導加熱部6R、輻射式中央電気加熱部7の全ての電源を一斉に投入・遮断する主電源スイッチ(図示せず)の操作キーであり、使用者が押し下げると電源が入り、再度押すと電源が切れるという構造になっている。
次に具体的な動作について説明するが、その前に本発明でいう制御手段Fの中核を構成している通電制御回路200で実行可能な主な調理メニューについて説明する。
「高速加熱モード」(加熱速度を優先させた調理メニューで、第1の選択部E1で選択)。
被加熱物Nに加える火力を手動で設定できる。その場合、主加熱コイルMCと副加熱コイルの合計火力は、120W〜3000Wまでの範囲で、次の16段階の中から使用者が1段階選定する。
150W、200W、300W、400W、500W、625W、750W、875W、1000W、1250W、1500W、1750W、2000W、2250W、2500W、3000W。
主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4の火力比(以下、「主副火力比」という)は、使用者が選定した上記合計火力を超えない限度で、かつ所定火力比の範囲内になるように自動的に通電制御回路200で決定され、使用者が任意に設定することはできない。例えば主副火力比は(大火力時)2:3〜(小火力時)1:1まで。
主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4は同時に駆動されるが、この場合、両者の隣接する領域での高周波電流の向きは一致させるよう制御される。
「揚げ物モード」(自動)(加熱速度と保温機能を要求される調理メニューで、第3の選択部E3で選択)。
揚げ物油を入れた被加熱物N(天ぷら鍋等)を所定の温度まで加熱し(第1工程)、その後被加熱物Nの温度を所定範囲に維持するように、通電制御回路200が火力を自動的に調節(第2工程)する。
第1工程:所定の予熱温度(例えば180℃)まで急速に加熱する。その所定の予熱温度は、180℃、190℃、200℃、210℃、220℃、230℃及び240℃の7つの温度から1つを自由に使用者は設定できる。
主加熱コイル火力は2500W
第2工程:ここで揚げ物が実施され、天ぷらの具材等が投入される。最大30分間運転。この工程では、火力設定部による(任意の)火力設定は禁止される。30分経過後に自動的に加熱動作終了(延長指令も可能)。
主副火力比は、第1工程、第2工程とも所定範囲内になるように自動的に決定され、使用者が主加熱コイルと副加熱コイルの火力比を任意に設定することはできない。例えば主副火力比は(大火力時)2:3〜(小火力時)1:1まで自動的に変化する。
主・副加熱コイルは、第1工程では同時駆動され、互いの隣接する領域でのコイルの高周波電流の流れが一致。これは、所定温度まで急速に加熱するため。第2工程でも、同様に同時駆動され、電流の流れは一致させる。但し、揚げ物途中で温度の変化が少ない状態が継続すると、電流の向きを反対にし、加熱の均一化を図る。
「予熱モード」(加熱の均一性を優先させた調理メニュー。第2の選択部E2で選択)。
火力設定や変更を禁止して、予め決められた火力で(温度センサーからの検出温度信号を利用して)被加熱物Nを第1の予熱温度まで加熱する第1予熱工程を行い、第1の予熱工程終了後は(温度センサーからの検出温度信号を利用して)被加熱物Nを第2の予熱温度まで加熱する第2の予熱工程を行い、この後は第2の予熱温度から第1の予熱温度の範囲に維持する保温工程を行うことが特徴である。
第1の予熱工程:
第1予熱温度(第1の目標温度)は、200℃(デフォルト値である。この他、使用者が180℃〜240℃の中から、10℃間隔で任意に設定できる)。
主加熱コイル2000W(最大火力時)
副加熱コイル2000W(最大火力時)
第2予熱工程:
第2予熱温度(第2の目標温度)までの工程である。第2の予熱温度は、240℃(デフォルト値)である。この他、使用者が180℃〜240℃の中から、10℃間隔で任意に設定できるが、第1の予熱温度と同じ温度は設定できず、第1の予熱温度と常に10度以上の差を確保する必要がある。
主加熱コイル500W(最大火力時)
副加熱コイル500W(最大火力時)
保温工程:最大5分間。この間に(任意の)火力設定が行われない場合、5分経過後に自動的に加熱動作終了。
主加熱コイル300W〜100W(使用者には設定不可能)
副加熱コイル300W〜100W(使用者には設定不可能)
任意の火力設定を保温工程期間中した場合、高速加熱と同じになる。
任意の火力設定は、主加熱コイルMCと副加熱コイルの合計火力が、120W〜3000Wまでの範囲で次の16段階の中から使用者が1段階を選定できる。
150W、200W、300W、400W、500W、625W、750W、875W、1000W、1250W、1500W、1750W、2000W、2250W、2500W、3000W。
保温工程は、後で詳しく述べるが、主加熱コイルMCと4つの副加熱コイルSC1〜SC4が、同時に通電され、あるいは一方だけが通電されるなど、色々な通電パターンとなるように、通電制御回路200によって制御される。その場合、主副火力比は、所定火力比の範囲内になるように自動的に通電制御回路200で決定され、使用者が任意に設定することはできない。例えば主副火力比は通電区間(所定の時間区分毎)に変化する。例えば1:4〜2:1まで。主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4の火力の組み合わせに色々なパターンがあり、それらの総和電力の大きさ及び後述する「区間」(「期間」ともいう)によって主副火力比が色々変化する。
主・副加熱コイルは、予熱工程では同時に駆動されるが、その際互いに隣接する領域での高周波電流の流れが正反対方向。これは、隣接領域では双方の加熱コイルから発生させた磁束を干渉させ、加熱強度を均一化させることを重視するため。保温工程でも同時駆動されるが、互いに隣接する領域での高周波電流の向きは反対である。これは全体の温度分布均一化のためである。
なお、保温工程では、使用者の指令に基づいて対流促進制御が開始される。この対流促進制御については後述する。
「湯沸しモード」(加熱速度を優先させた調理メニューで、第1の選択部E1で選択)。
被加熱物N内の水を、使用者が任意の火力で加熱開始し、水が沸騰(温度センサーにより、被加熱物Nの温度や温度上昇度変化等の情報から通電制御回路200が沸騰状態と判定した際に、表示手段Gによって使用者にその旨を知らせる。その後火力は自動的に設定され、そのまま2分間だけ沸騰状態維持することが特徴である。
湯沸し工程:
主加熱コイルと副加熱コイル合計の火力が120W〜3000W(火力1〜火力9まで16段階の中から任意設定。デフォルト設定値は火力13=2000W)。
主副火力比は、使用者が選定した上記合計火力を超えない限度で、所定火力比の範囲内になるように自動的に通電制御回路200で決定され、使用者が任意に設定することはできない。例えば主副火力比は(大火力時)2:3〜(小火力時)1:1まで。
保温工程:最大2分間。2分経過後に自動的に加熱動作終了。
主加熱コイル1000W以下(使用者には設定不可能)
副加熱コイル1500W以下(使用者には設定不可能)
この期間中に、使用者が任意の火力を設定した場合、高速加熱と同じになる。火力も120W〜3000Wの範囲にある16段階の中から任意に一つ選択可能。
沸騰までは、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4は同時駆動され、その際に互いに隣接する領域での高周波電流の向きは一致させるよう制御される。沸騰後は電流の向きは反対になる。
「炊飯モード」(加熱の均一性を優先させた調理メニュー。第2の選択部E2で選択)。
使用者が米飯と水を適当量入れた被加熱物Nとなる容器をセットし、その容器を所定の炊飯プログラム(吸水工程・加熱工程・沸騰工程・蒸らし工程などの一連のプログラム)に従って加熱し、自動で炊飯を行う。
吸水工程及び炊飯工程
主加熱コイル600W以下(使用者には設定不可能。工程の進行に応じて自動的に変化)
副加熱コイル700W以下(使用者には設定不可能。工程の進行に応じて自動的に変化)
蒸らし工程:5分間主コイル 加熱ゼロ(火力 0W)
保温工程:最大5分間。
主加熱コイル200W以下(使用者には設定・変更は不可能)
副加熱コイル200W以下(使用者には設定・変更は不可能)
主・副加熱コイルは同時に駆動されるが、その互いに隣接する領域での高周波の電流の流れが反対方向となるように制御される。これは、隣接領域で双方の加熱コイルから発生させる磁束を互いに干渉させ、加熱強度を均一化させることを重視するためである。
なお、炊飯工程終了後、被加熱物Nが主・副加熱コイルの上に置かれていないことが被加熱物載置判断部400によって検知された場合、または蒸らし工程や保温工程の何れかにおいて、同様に被加熱物Nが主・副加熱コイルの上に同時に置かれていないことが被加熱物載置検知部によって検知された場合、主・副加熱コイルは、加熱動作を直ちに中止する。
「茹でモード」(加熱速度を優先させた調理メニューで、第1の選択部E1で選択)。
加熱工程(沸騰まで):
被加熱物Nに加える火力を手動で設定できる。
主加熱コイルMCと副加熱コイルの合計火力は、120W〜3000Wまでの範囲で次の16段階の中から使用者が1段階選定する。
150W、200W、300W、400W、500W、625W、750W、875W、1000W、1250W、1500W、1750W、2000W、2250W、2500W、3000W。
デフォルト値は3000W(使用者が火力を選択しない場合、3000Wで加熱開始)。
主副火力比は、所定の火力比の範囲内になるように自動的に通電制御回路200で決定され、使用者が任意に設定することはできない。例えば主副火力比は通電区間(所定の時間区分毎)に変化する。例えば1:4〜2:1まで。主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4の火力の組み合わせに色々なパターンがあり、それらの総和電力の大きさ及び後述する「区間」(「期間」ともいう)によって主副火力比が色々変化する。
沸騰以後:
水が沸騰(温度検出回路31の温度センサーにより、被加熱物Nの温度や温度上昇度変化等の情報から制御部は沸騰状態と推定)した際に、使用者にその旨を知らせる。
その後連続30分間(延長可能)、沸騰状態を維持するようにデフォルト値(例えば1500W)で自動的に加熱動作を継続するが、使用者が沸騰以後の火力を任意に選んでも良い。なお、この茹でモードには、例えば後述する加熱パターン10(図22)が適している。
沸騰までの加熱工程全域に亘り、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4は同時駆動され、互いに隣接する領域での高周波電流の向きは一致させるよう制御される。また沸騰以降は(使用者が禁止操作しない限り)自動的に「対流促進制御」が開始される。この対流促進制御については後述する。
「湯沸し+保温モード」(加熱速度と均一性を優先させた調理メニューで、第3の選択部E3で選択)。
被加熱物N内の水を、使用者が任意の火力で加熱開始し、水が沸騰(温度センサーにより、被加熱物Nの温度や温度上昇度変化等の情報から制御部は沸騰状態と推定)した際に、使用者には表示手段Gによってその旨を知らせる。その後火力は自動的に設定され、そのまま2分間だけ沸騰状態維持する。
湯沸し工程:
主加熱コイルと副加熱コイル合計の火力が120W〜3000W(火力1〜火力9まで16段階の中から任意設定。デフォルト設定値は火力13=2000W)。
主副火力比は、使用者が選定した上記合計火力を超えない限度で、所定火力比の範囲内になるように自動的に通電制御回路200で決定され、使用者が任意に設定することはできない。例えば主副火力比は(大火力時)2:3〜(小火力時)1:1まで。
保温工程:最大10分間。10分経過後に自動的に加熱動作終了。
主加熱コイル1000W以下(使用者には設定・変更は不可能)
副加熱コイル1500W以下(使用者には設定・変更は不可能)
沸騰までは、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4の隣接する領域での高周波電流の向きは一致させるよう制御される。沸騰後は電流の向きは反対になる。また沸騰以降は使用者の操作に基づいて対流促進制御が開始される。この対流促進制御については後述する。
以下、図8を参照しながら、本発明に係る誘導加熱調理器の基本動作について説明する。まず主電源の操作キー50を投入して加熱準備動作を使用者が操作部(図示せず)で指令した場合、前記電流検出部280を用いて、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4に流れる電流量を検出することにより、それぞれのコイルの上方に被加熱物Nが載置されているか否か、または被加熱物Nの底部面積が所定値より大きいか否かを判定し、この結果を制御部である通電制御回路200に伝達する(ステップMS1)。
適合鍋であった場合、通電制御回路200は操作手段E又はその近傍に設置されている表示手段Gの、例えば液晶表示画面に対し、希望する調理メニューを選択するように促す表示をする(MS2)。適合しない変形鍋(底面が凹んだもの等)や異常に小さい鍋等の場合は、加熱禁止処理がされる(MS6)。
使用者が調理メニューや火力、調理時間などを操作部で選択、入力した場合、本格的に加熱動作が開始される(MS4)。
表示手段Gに表示される調理メニューとしては、上記した「高速加熱モード」、「揚げ物モード」、「湯沸しモード」、「予熱モード」、「炊飯モード」、「茹でモード」、「湯沸し+保温モード」という7つである。以下の説明では「モード」という記述を省略し、例えば「湯沸しモード」は「湯沸し」、また「高速加熱モード」は「高速加熱」と記載する場合がある。
使用者がこれら7つの調理メニューの中から任意の一つを選択した場合、それらメニューに対応した制御モードが、通電制御回路200の内蔵プログラムによって自動的に選択され、主加熱コイルMCや副加熱コイルSC1〜SC4のそれぞれの通電可否や通電量(火力)、通電時間などが設定される。調理メニューによっては使用者に任意の火力や通電時間等を設定するように促す表示が表示部にて行われる(MS5)。
なお、前記図1の選択部E1、E2、E3は合計3つであるのに対し、前記表示手段Gに表示される調理メニューは合計で7つあるが、実際には図23に示すように、E1の中に、「高速加熱」E1Aと「湯沸しE1B」、「茹で」E1Cの3つを選択できるキーがある。同様に選択部E2の中に「予熱」E2Aと「炊飯」E2Bの2つが、また選択部E3の中に「湯沸し+保温」E3Bと「揚げ物」E3Aの2つのキーがある。
(第1の焦げ付き抑制制御)
次に、本発明の特徴である焦げ付き抑制制御について説明する。なお、沸騰以降又は沸騰直前、例えば98℃まで被加熱物Nの温度が上昇したことを温度センサーが検知した場合、または調理開始からの経過時間から沸騰状態に近いと通電制御回路200が判定した場合等においては、それ以降において使用者の任意に指令した時期、例えば操作直後に、焦げ付き抑制制御が開始されるようにしておくことが望ましいが、特定の調理メニューの場合、沸騰状態になったら使用者が禁止したり、途中で加熱停止したりしない限り、自動的に焦げ付き抑制制御に移行するようにしても良い。
この制御は、主加熱コイルMCの駆動しない期間中において、副加熱コイルSC1〜SC4いずれかによって被加熱物Nを加熱するものである。
図9(A)は、主加熱コイルMCのみ主インバーター回路MIVからの高周波電流が供給され、加熱駆動されている状態を示す。この場合、被加熱物Nの発熱部は主加熱コイルMCの真上の部分になる。従ってその発熱部を基準として被加熱物Nの内部に収容された被調理物、例えばカレー、シチュー等は主加熱コイルMCの真上の部分で加熱される。また、主加熱コイルMCの火力は、200W程度の小さな火力とする。
同じく図9(B)は、副加熱コイルSC1のみに高周波電流が副インバーター回路SIV1より供給されている状態を示す。
この場合、被加熱物Nの発熱部は副加熱コイルSC1の真上の部分になる。従ってその発熱部を基準として被加熱物Nの内部に収容された被調理物、例えばカレー、シチュー等は副加熱コイルSC1の真上の部分で加熱される。また、副加熱コイルSC1の火力は、200W程度の小さな火力とする。
同じく図9(C)は、副加熱コイルSC2のみに高周波電流が副インバーター回路SIV2より供給されている状態を示す。
この場合、被加熱物Nの発熱部は副加熱コイルSC2の真上の部分になる。従ってその発熱部を基準として被加熱物Nの内部に収容された被調理物、例えばカレー、シチュー等は副加熱コイルSC2の真上の部分で加熱される。また、副加熱コイルSC2の火力は、200W程度の小さな火力とする。
同じく図9(D)は、副加熱コイルSC3のみに高周波電流が副インバーター回路SIV3より供給されている状態を示す。
この場合、被加熱物Nの発熱部は副加熱コイルSC3の真上の部分になる。従ってその発熱部を基準として被加熱物Nの内部に収容された被調理物、例えばカレー、シチュー等は副加熱コイルSC3の真上の部分で加熱される。また、副加熱コイルSC3の火力は、200W程度の小さな火力とする。
同じく図9(E)は、副加熱コイルSC4のみに高周波電流が副インバーター回路SIV4より供給されている状態を示す。
この場合、被加熱物Nの発熱部は副加熱コイルSC4の真上の部分になる。従ってその発熱部を基準として被加熱物Nの内部に収容された被調理物、例えばカレー、シチュー等は副加熱コイルSC4の真上の部分で加熱される。また、副加熱コイルSC4の火力は、200W程度の小さな火力とする。
主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜4で同時に加熱する場合、熱がこもりやすい主加熱コイルMCの真上のなべ底温度が高くなり、焦げ付きやすくなってしまう。また、カレー、シチュー等の調理で煮込み調理をする場合、具材がなべ底に張り付いている場合が多いので、具が張り付いている部分が局所的に温度が高くなり、焦げ付きやすくなってしまう。
前記の通り、主加熱コイルMC→副加熱コイルSC1→副加熱コイルSC2→副加熱コイルSC3→副加熱コイルSC4の順に加熱をすることにより、加熱箇所が次々と移動することで、具材が冷める期間が設けられ、なべ底の温度をより均一に保つことができ、焦げ付きを防止することができる。
(第1の通電パターン)
図10は、図9の加熱動作について、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜4に流れる電流のタイミングを示した説明図であり、加熱駆動される高周波電流が印加されている状態を「ON」、印加されていないOFF状態を「OFF」と表示している。この図10に示した通電形態を、以下「第1の通電パターン」と呼ぶ場合がある。
以下の説明では、通電制御の1つの期間を「区間」という。特に説明のない限り区間1はT1で示すため、T1は「期間1」ともいう。同様に区間2はT2で示し、「期間2」に相当する。以下この例に倣い、区間が10個ある場合、区間3〜区間10は、T3〜T10の符号で説明する。
図10の通り、所定の時間間隔で構成される複数個の区間T1〜T10において、T1区間は、主加熱コイルMCがON。T2区間は、全コイルOFF。T3区間は、副加熱コイルSC1がON。T4区間は、全コイルOFF。T5区間は、副加熱コイルSC2がON。T6区間は、全コイルOFF。T7区間は、副加熱コイルSC3がON。T8区間は、全コイルOFF。T9区間は、副加熱コイルSC4がON。T10区間は、全コイルOFFとなる。
この図10で示す区間T1〜10は、それぞれ1〜60秒程度でよい。以後このように所定の間隔で主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜4に流れる電流がON、OFFされる。なお、1〜60秒程度という意味は、区間T1〜T10を全て10秒間隔にし、次にまた区間T1〜T10の制御をする場合は、10秒と同じ時間にする場合、及び異なる時間にする場合、の2つのケースを意味する。後者のケースでは、例えば区間T1〜T10を全て15秒間隔にすることが考えられる。なお、区間T1とT2、また区間T3とT4の時間が異なっても良い。例えば区間T1は10秒間、T2は15秒間、T3は10秒間、T4は15秒間である。
また以上の説明では、区間T10までの動作を説明したが、T11〜T20というようにさらに区間を10個設けると、前記したT1〜T10の動作が再び行われることになる。区間T20まで設ければ、例えばT1〜T4における主加熱コイルMCと、第1、第2副加熱コイルSC1、SC2の動作は、T11〜14の期間で再びT1〜T4と同様に行われ、これら3個の加熱コイルは同じ通電パターンを2回繰り返したことになる。T21以後も同様に行って良い。これはこれ以降に述べる図13、図15、図16、図18、図19、図20、図21及び図22の通電パターン例でも同様であり、この発明は必ずしも区間T1からT10までの間で調理を完了するというものではなく、T11以後も同様な動作を繰り返し行って良い。逆にT5までの段階で調理動作を終了させても良い。
この図10から分かるように、第1の通電パターンは、主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜4いずれかのコイルがONした後は、必ずOFF期間を設ける。OFF期間を設けることにより、一度調理物が冷め、味のしみ込みを促進することでき、かつ焦げ付きを防止することができる。
また、図10の主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜4に流れる電流のタイミングは、主加熱コイルMC→副加熱コイルSC1→副加熱コイルSC2→副加熱コイルSC3→副加熱コイルSC4の順としているが、順番を変えても良い。例えば、主加熱コイルMC→副加熱コイルSC1→副加熱コイルSC4→副加熱コイルSC2→副加熱コイルSC3のように副加熱コイルのONタイミングを向かい合うコイルの順番に加熱してもよい。
また、なべ底の温度が約140℃前後になると焦げ付きが起きやすいとされている。よって、焦げ付き抑制制御で動作中に温度検出回路31が一定の温度を検知した場合、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜4の火力を下げてもよい。
(副加熱コイルの組の変形例1)(第2の通電パターン)
図11に示すように4つの副加熱コイルSC1〜4を、2個の副加熱コイルSCL、SCRとして、主加熱コイル→副加熱コイルSCL→副加熱コイルSCRというような順番に加熱してもよい。
(第3の通電パターン)(副加熱コイルの組の変形例2)
図12、図13に示すように4つの副加熱コイルSC1〜4を2組に分け、例えば、副加熱コイルSC1、SC2を第1の組、副加熱コイルSC3、SC4を第2組のように隣り合う副加熱コイルを1組にしてもよい。副加熱コイルが6つの場合は、第3の組もできる。これら1組ずつに専用のインバーター回路を設ければ、副コイルの総数に対して、それを駆動するインバーター回路の数を半分にすることができる。但し、2個の副加熱コイルを1つのインバーター回路で駆動する場合、その一方の副加熱コイルを駆動し、他方を駆動しないようにするためには、切り替え手段が必要になる。
(第4の通電パターン)(副加熱コイルの組の変形例3)
図14、15に示すように4つの副加熱コイルSC1〜4を2組として、例えば、副加熱コイルSC1、SC4を1組、副加熱コイルSC3、SC2を1組のように向かい合う副加熱コイルを1組にしてもよい。副加熱コイルが4つを超える偶数個の場合、例えば6個の場合では、同様に3つの副加熱コイルを1組にし、残りの3つの副加熱コイルを他の1組にすることもできる。
(対流促進制御)
次に、本発明の特徴である対流促進制御について説明する。対流促進制御は、大きく分けて3種類ある。なお、沸騰以降又は沸騰直前、例えば98℃(又は100℃)まで被加熱物Nの温度が上昇したことを温度センサーが検知した場合、または調理開始からの経過時間から沸騰状態に近いと通電制御回路200が判定した場合等においては、それ以降において使用者の任意に指令した時期、例えば操作直後に、対流促進制御が開始されるようにしておくことが望ましいが、特定の調理メニューの場合、沸騰状態になったら使用者が禁止したり、途中で加熱停止したりしない限り、自動的に対流促進制御に移行するようにしても良い。
(第1の対流促進制御)
この制御は、主加熱コイルMCの駆動しない期間中において、副加熱コイルSC1〜SC4全コイルによって被加熱物Nを加熱するものである。
図3(B)は、主加熱コイルMCのみ主インバーター回路MIVからの高周波電流が供給され、加熱駆動されている状態を示す。
この場合、被加熱物Nの発熱部は主加熱コイルMCの真上の部分になる。従ってその発熱部を基準として被加熱物Nの内部に収容された、例えば煮物などの煮汁は主加熱コイルMCの真上の部分で加熱され、上昇気流が発生する。従って、この状態を継続すると、図3(B)に矢印YCに示したように、外側に向かって対流を発生させることができる。このことにより具材に煮汁がかかる。また、主加熱コイルMCの火力は、300W〜1500W程度の弱〜強火力とする。
同じく図3(A)は、副加熱コイルSC1〜4に、高周波電流が副インバーター回路SIV1〜4よりそれぞれすべてに供給されている状態を示す。この場合、被加熱物Nの発熱部は副加熱コイルSC1〜4の真上とそれぞれの副加熱コイル間に亘る部分になる。従ってその発熱部を基準として被加熱物Nの内部に収容された、例えば煮物などの煮汁は副加熱コイルSC1〜4の真上とそれぞれの副加熱コイル間に亘る部分で加熱され、上昇する流れが発生する。従って、この状態を継続すると、図3(A)に矢印YCに示したように、内側に向かって対流を発生させることができる。このことにより具材に煮汁がかかる。また、副加熱コイルSC1〜4の火力の総和は、300W〜1500W程度の弱〜強火力とする。
主加熱コイルMC→副加熱コイルSC1〜4に交互に火力を入れることにより、弱〜強の火力で加熱しても、局部的になべ底の温度が上がることを防ぎ、焦げ付きを抑制できる。また、交互に火力を入れることにより、煮汁が調理物にまんべんなくかかり、使用者が調理物をかき混ぜなくても煮汁を浸透させることができる。煮魚や、肉とじゃが芋の煮物(以下通称の「肉じゃが」と呼ぶ)などの煮物料理を作る場合、途中でかき混ぜると、具材が煮崩れてしまうため、煮崩れを抑制できる。
(第5の通電パターン)
図16は、加熱動作について、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜4に流れる電流のタイミングを示した説明図であり、加熱駆動される高周波電流が印加されている状態を「ON」、印加されていないOFF状態を「OFF」と表示している。
図16の通り、所定の時間間隔で構成される複数個の区間T1〜T8において、T1区間は、主加熱コイルMCがON。T2区間は、全コイルOFF。T3区間は、副加熱コイルSC1〜4がON。T4区間は、全コイルOFF。T5区間は、主加熱コイルMCがON。T6区間は、全コイルOFF。T7区間は、副加熱コイルSC1〜4がON。T8区間は、全コイルOFFとなる。
この図16で示す区間T1〜8は、1〜60秒程度でよい。以後このように所定の間隔で主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜4に流れる電流がON、OFFされる。なお、1〜60秒程度という意味は、区間T1〜T10を全て10秒間隔にし、次にまた区間T1〜T10の制御をする場合は、10秒と同じ時間にする場合、及び異なる時間にする場合、の2つのケースを意味する。後者のケースでは、例えば区間T1〜T10を全て15秒間隔にすることが考えられる。なお、区間T1とT2、また区間T3とT4の時間が異なっても良い。例えば区間T1は10秒間、T2は15秒間、T3は10秒間、T4は15秒間である。
この図16から分かるように、主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜4いずれかのコイルがONした後は、必ずOFF期間を設ける。OFF期間を設けることにより、一度調理物が冷め、味のしみ込みを促進することでき、かつ焦げ付きを防止することができる。
(第2の対流促進制御)
この制御は、主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜SC4を同時に加熱するが、主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜SC4の駆動電力に差をつけるものである。つまり、主加熱コイルMCに供給している誘導加熱電力より小さな電力を副加熱コイルSC1〜4それぞれに供給し、次に副加熱コイルSC1〜4それぞれに供給している誘導加熱電力を大きくし、この電力より小さな電力を主加熱コイルMCに供給し、これら動作を複数回繰り返すことを特徴とするものである。
(第6の通電パターン)
図17(A)は、主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜4に同時に高周波電流を各インバーター回路MIV、SIV1〜4から供給され、加熱駆動されている状態を示す。この場合、それぞれに設定される火力の大きさを図18に示している。つまり火力の大きさを、「主加熱コイルMC火力>副加熱コイルSC1、SC2、SC3、SC4の個々の火力」、となるように設定した場合について説明する。
このように、主加熱コイルMCに設定される火力の大きさを、副加熱コイルSC1〜4それぞれの火力より大きい火力を設定した場合、2つ以上の副加熱コイルが同時に駆動された場合では、副加熱コイル側の火力総和は、主加熱コイルMCの火力よりも大きくなる。
この加熱パターンの場合、被加熱物Nの発熱部は主加熱コイルMCの真上の部分と副加熱コイルSC1〜4の真上とそれぞれの副加熱コイル間に亘る部分になる。このとき、主加熱コイルMCの方が火力が強いため、真上の部分で加熱され、YC1方向に上昇する流れが発生する。このまま、主加熱コイルMCのみで、うどんなどの麺類をゆでると外側YC1方向に対流が起き続け、吹き零れてしまう。しかし、同時に副加熱コイルSC1〜4に火力を入れることにより、内側へのYC2方向の対流を起こし、外側YC1方向への対流を少し抑制し、吹きこぼれを抑制することができる。
図18において、区間T1では主加熱コイルMCは駆動(ON)され、その火力をPW7とすると、同じ区間T1で駆動される4つの副加熱コイルSC1〜4の火力はPW7よりも小さいPW2である。
次の区間T2では主加熱コイルMCは駆動(ON)継続し、その火力PW7はより小さい火力PW3になる。一方、同じ区間T1で駆動継続される4つの副加熱コイルSC1〜4の火力は、PW2から大きなPW6に変更される。このため、1つの副加熱コイル、例えばSC1の火力PW6は、主加熱コイルMCの火力PW3よりも大きな火力で駆動されることになり、また同時に他の3つの副加熱コイルSC2〜4と同時に駆動されているので、4つの副加熱コイルSC1〜4の総火力値(火力総和値)は、当然主加熱コイルMCの火力値はPW3よりも数倍大きくなる。
以後また区間T3では区間T1の火力で主加熱コイルMCと4つの副加熱コイルSC2〜4は同時に駆動され、その次は区間T2と同様に駆動され、以後これら区間T1、T2の駆動パターンが繰り返される。
図17(B)は、主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜4に同時に高周波電流を各インバーター回路MIV、SIV1〜4から供給され、加熱駆動されている状態を示す。この場合、それぞれに設定される火力の大きさを、図18のとおり、「主加熱コイルMC<副加熱コイルSC1、SC2、SC3、SC4」となるように設定する。つまり主加熱コイルMCに設定される火力の大きさは、4つの副加熱コイルSC1〜4それぞれの火力より小さい火力を設定する。また、主加熱コイルMCの火力は4つの副加熱コイル側の火力総和よりも遥かに小さくなる(図18の区間T2、T4など)。
この場合、被加熱物Nの発熱部は主加熱コイルMCの真上の部分と副加熱コイルSC1〜4の真上とそれぞれの副加熱コイル間に亘る部分になるになる。このとき、副加熱コイルSC1〜4個々の火力が強いため、真上の部分で加熱され、YC3方向に上昇流が発生する。このまま、副加熱コイルSC1〜4のみで、うどんなどの麺類をゆでると内側YC3方向に対流が起き続け、吹き零れてしまう。しかし、同時に主加熱コイルMCに火力を入れることにより、外側YC4方向への対流を起こし、内側YC3方向への対流を少し抑制し、吹きこぼれを抑制することができる。
以上のように、区間T1、T2の動作を複数回繰り返すことにより、うどん等の麺類を茹でるときに吹きこぼれを抑制することができる。なお、この繰り返し回数や時間間隔、つまり区間T1〜T4の長さは前記通電制御回路200に内蔵された制御プログラムによって決定される。
また、第2の対流促進制御で動作中に温度検出回路31が所定の温度を検知した場合、それ以後において吹きこぼれを電気的に検知した場合、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜4の火力を下げる動作、または火力をOFFする動作にしてもよい。なお、吹き零れを検知する方法については従来から色々提案されているので、説明は省略する。
(加熱コイル火力配分の変形例1)
加熱コイルの火力配分を「主加熱コイルMC>副加熱コイルSC1〜SC4の火力の総和」その後、「主加熱コイルMC<副加熱コイルSC1〜SC4の火力の総和」となるように加熱してもよい。
(予熱制御)(第7の通電パターン)
この制御は、主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜SC4を同時に(比較的大きな火力で)加熱駆動するが、主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜SC4の駆動電力に差をつけ、温度検出回路31により所定の温度を検知した後、主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜SC4の駆動電力(総和火力)を下げるものである。
図17(A)は、主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜4に同時に高周波電流を各インバーター回路MIV、SIV1〜4から供給され、加熱駆動されている状態を示す。この場合、それぞれに設定される火力の大きさは、最初の区間は主加熱コイルMC側を、4つの副加熱コイルSC1〜4の個々の火力総和よりも小さく、又は同等に設定して、主加熱コイルMCと4つの副加熱コイルSC1〜4を同時に駆動する。
この加熱を継続すると、被加熱物Nの発熱部は主加熱コイルMCの真上の部分と副加熱コイルSC1〜4の真上とそれぞれの副加熱コイル間に亘る部分になるになる。主加熱コイルMC側の火力を大きく、又は主加熱コイルMCの火力と副加熱コイルSC1〜SC4の総和火力が同等であると、副加熱コイルSC1〜SC4の真上とそれぞれの副加熱コイル間に亘る部分の方が主加熱コイルMCの真上部分より加熱温度が低くなり、フライパンの外側において予熱が足りず、きれいに調理物に焼き色がつかない懸念がある。そのため、この予熱制御では、温度検出回路31により所定の温度を検知した以後の区間では、副加熱コイルSC1〜4の火力総和を、主加熱コイルMCの火力と同等、もしくはそれよりも大きくなるように制御する。このような区間は予熱保温区間となり、加熱しすぎでなべを劣化させず、卵焼き、ハンバーグ、餃子などに適した温度に鍋を予熱することができる。
また、予熱保温区間で動作中に温度検出回路31が異常な温度勾配を検知した場合、発火対策のため、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜4の火力を下げる、または、火力をOFFしてもよい。
(第3の対流促進制御)(第8の通電パターン)
この制御は、主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜SC4を同時に加熱するが、温度検出回路31により所定の温度を検知した後、主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜SC4の駆動電力に差をつけるものである。
図1に示したように、円形の主加熱コイルMCと4つの扁平形状副加熱コイルSC1〜4から誘導加熱部を構成し、これら加熱コイルを駆動する場合、及び図11に示すように主加熱コイルMCを挟んで両側に配置された対称的形状の、2個の副加熱コイルSCL、SCRで構成する場合の何れでも良いが、後者の構成を前提にして説明する。
図19に示した比率は、各区間T1〜T7(T8以降を省略)において、第1の誘導加熱部6Lに投入される総和火力に対する、主加熱コイルMCと2つの扁平形状副加熱コイルSCL、SCRそれぞれの個別火力の割合である。例えば区間T1が総和火力2000Wの場合、主加熱コイルMCは80%なので、1600W。また2つの副加熱コイルSCL、SCRはそれぞれ10%ずつであるから200Wずつということである。つまり主副火力比は4:1である。
温度検出回路31により被加熱物Nの温度が所定の温度、例えば98℃(又は100℃)を検知した場合、通電制御回路200は、区間T1のように主加熱コイルMC、副加熱コイルSCL、SCRの駆動電力に差をつける。
次に区間T2では、主加熱コイルMCの2つの副加熱コイルSCL、SCRの総和火力の大きさ、つまり主副火力比を逆に1:4にする。主加熱コイルMCの火力割合は20%、副加熱コイルSCL、SCRのそれぞれの火力割合は40%に設定する。次に区間T3では再び区間T1の状態に戻り、次の区間T4では再び区間T2の状態で駆動するが、次の区間T5では主加熱コイルMCと全ての副加熱コイルSCL、SCRの駆動を休止する。この休止期間は、特に深い鍋に多量の調理液、例えばシチューやスープ、カレー等のような粘性が高いもの、水よりも比重の高い液体が入っている場合に効果的である。つまり、連続的に加熱するのではなく、短い時間休止させると、その休止期間に液体の流れが一旦停止し、落ち着いた状態で今度は逆向きの対流が発生しやすくなるからである。この例では、最初中心部にある主加熱コイルMCを中心にその真上に向かう上昇流が発生し(主加熱コイルMCがON状態で)、次に副加熱コイルSCL、SCRの真上方向に上昇する流れが発生する(副加熱コイルがON状態で)。
なお、図19では区間T1〜T4の後に休止の区間T5を設けたが、区間T1、T2の動作を更に連続して数回繰り返した後に区間T5のような休止区間を設けても良い。またT1、T2と、それ以後のT3、T4、T5等の区間の間隔(時間)は同じでなくとも良い。駆動を休止する区間T5は、例えば数秒で良いので、調理時間全体を長引かせるような影響は殆どない。
また、同等な定格加熱能力を持つ副加熱コイルを4個使用した構成においては、図19に示した例であれば、例えば第1の副加熱コイルSC1と第2の副加熱コイルSC2は、区間T1における火力割合は、それぞれ5%ずつにし、第3の副加熱コイルSC3と第4の副加熱コイルSC4は、区間T1における火力割合を、それぞれ5%ずつにすれば良い。このようにすれば、円環状の主加熱コイルMCと、主加熱コイルの側部に近接して配置され、主加熱コイルの半径より小さな横幅寸法を有する扁平形状の4個の副加熱コイルSC1〜4と、前記主加熱コイルMC及び全ての副加熱コイルSCにそれぞれ誘導加熱電力を供給するインバーター回路MIV、SIV1〜4と、前記インバーター回路の出力を制御する制御部(通電制御回路)200と、前記制御部200に加熱の動作又は条件の少なくとも何れか一方を指示する操作手段Eと、を有し、前記制御部200は、区間T1では、前記インバーター回路MIVから前記第1〜第4副加熱コイルに供給している電力の総和(全体に占める割合は20%)より大きな電力((全体に占める割合は80%)を前記主加熱コイルMCに供給し、この後、区間T2では前記第1〜第4副加熱コイルSC1〜SC4に供給している誘導加熱電力を大きくして(全体に占める割合を80%に増やし)、この第1〜第4副加熱コイルに供給している電力の総和より小さな電力(全体に占める割合は20%)を前記主インバーター回路MIVから前記主加熱コイルに対して供給し、前記制御部200は主加熱コイルMCおよび副加熱コイルSC1〜SC4に対する前記区間T1、T2に示した通電切り替え動作を複数回繰り返すものである。これにより、被加熱物Nが所定温度(例えば沸騰状態になった時点)以降において、その中にある水や煮物汁などの液体に対流の発生を促進できる。
(第2の焦げ付き抑制制御)
次に、第2の焦げ付き抑制制御について説明する。なお、沸騰以降又は沸騰直前、例えば98℃(又は100℃)まで被加熱物Nの温度が上昇したことを温度検出回路31が検知した場合、または調理開始からの経過時間から沸騰状態に近いと通電制御回路200が判定した場合等においては、それ以降において使用者の任意に指令した時期、例えば操作直後に、焦げ付き抑制制御が開始されるようにしておくことが望ましいが、特定の調理メニューの場合、沸騰状態になったら使用者が禁止したり、途中で加熱停止したりしない限り、自動的に焦げ付き抑制制御に移行するようにしても良い。
この制御は、主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜SC4を同時に加熱するが、温度検出回路31により所定の温度を検知した後、主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜SC4の駆動電力を、それぞれ小さく抑えるものである。
(第9の通電パターン)
図1に示したように、円形の主加熱コイルMCと4つの扁平形状副加熱コイルSC1〜4から誘導加熱部を構成し、これら加熱コイルを駆動する場合、及び図11に示すように主加熱コイルMCを挟んで両側に配置された対称的形状の、2個の副加熱コイルSCL、SCRで構成する場合の何れでも良いが、図20では前者の構成を前提にして説明する。
図20においてPW2〜PW7は、それぞれ火力を示す。但し、コイルが異なった場合、数字の大小が火力値の大小であるとは限らない。例えば、主加熱コイルMCのPW7と副加熱コイルSC1〜SC4のPW6は、PW7の方が大きい火力を示す場合もあるが、同等の場合もあり、また逆にPW6より小さい場合もある。但し、同じコイルの場合では、PW2よりPW3は火力が大きく、PW3、PW4と数字が大きくなっていくに従って火力は大きくなる。
温度検出回路31により被加熱物Nの温度が所定の温度、例えば98℃を検知した場合、通電制御回路200は、区間T1のように主加熱コイルMCを第1の火力であるPW7で駆動し、同時に副加熱コイルSC1〜4を第3の火力PW6で駆動する。PW7は例えば700W、PW6は例えば600Wとする。これにより区間T1における主副火力比は7:24になる。
次に区間T2では、主加熱コイルMCの火力を、第1の火力PW7から第3の火力PW3に変更する。PW3は例えば300Wとする。同時に4つの副加熱コイルSC1〜4の火力を、第2の火力PW6から第4の火力PW2に変更する。PW2は例えば200Wとする。これにより区間T2における主副火力比は3:8になる。
次に区間T3では、区間T2と同様な主副火力で駆動される。さらに区間T4では、主加熱コイルMCと、全ての副加熱コイルSC1〜4は一斉に駆動休止する。
この後、区間T5〜T8は区間T1〜T4が再度同じ通電パターン、火力で行われる。以後の区間でも区間T1〜T4の動作を繰り返して良いが、図16に示した実施の形態では、区間T9で、主加熱コイルMCの火力を、第1の火力PW7から更に小さな火力PW5(但し、第3の火力PW3より大きい)に変更する。PW5は例えば500Wとする。同時に4つの副加熱コイルSC1〜4の火力を、第2の火力PW6から更に小さな火力PW4(但し、第4の火力PW2よりも大きい)に変更する。PW4は例えば400Wとする。これにより区間T9における主副火力比は5:16になる。
次の区間T10、T11は、区間T2とそれぞれ同じである。区間T9で主加熱コイルと副加熱コイルの火力を少し落としたのは、区間T1〜T8(区間の数はこれよりも多い場合もある)を経過することにより、被加熱物Nの鍋などに入っている被調理物の含水率が徐々に低下し、同じ火力で同じ時間加熱した場合、焦げ付きが発生する懸念があるからである。つまりこの実施の形態に示すように、火力を低下させることや、図示していないが区間の時間を短くすることが焦げ付き抑制に有効である。
図21(A)は、図20に示した考え方に基づいて、具体的に主加熱コイルMCと4つの扁平形状副加熱コイルSC1〜4の火力値をワット(W)で示したものである。図20から明らかなように、区間T1では主加熱コイルMCは第1の火力PW7として200Wで駆動され、4個の副加熱コイルSC1〜4は、それぞれ第2の火力PW6として500Wで駆動され、区間T2では、第1の火力PW7の200Wは第3の火力PW2として100Wに変更されて駆動され、4個の副加熱コイルSC1〜4は、それぞれ第2の火力PW6(500W)が第4の火力PW2の300Wに落とされて駆動される。
図21(B)は、図20に示した考え方に基づいて、図11に示すように主加熱コイルMCを挟んで両側に配置された2個の副加熱コイルSCL、SCRを駆動する場合の火力値をワット(W)で示したものである。
図21(B)から明らかなように、区間T1では主加熱コイルMCは第1の火力PW7として200Wで駆動され、2個の副加熱コイルSCL、SCRは、それぞれ第2の火力PW6として750Wで駆動され、区間T2では、第1の火力PW7の200Wは第3の火力100Wに変更されて駆動され、2個の副加熱コイルSCL、SCRは、それぞれ第2の火力PW6(750W)が第4の火力PW2の350Wに落とされて駆動される。
なお、図21(A)と(B)において、第2の火力PW6と第4の火力PW2の火力値が同じではないが、これは主に副加熱コイルの大きさが異なるためである。また第1〜第4の火力は、主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜4等の寸法や素材、製造方法などによって変化するものであり、前記した例はあくまでも一例である。
(第10の通電パターン)
図22は、各区間T1〜T11における実際のワット(W)数をそのまま示しており、区間T1では、主加熱コイルMCは800Wで、4つの副加熱コイルSC1〜SC4はそれぞれ175Wであるから、区間T1は総和火力が1500Wである。また区間T3も1500Wであり、以降の全ての区間T3〜T11においても総和火力は1500Wである。従って区間T1では、主副火力比は800W対700W(175W×4)であるから、8:7である。区間2では主副火力比は7:8と逆転する。
また各区間T1〜T11は、図22の下部に表示しているような時間であり、最初の区間T1だけが60秒と長いが、加熱を休止する区間T2は2秒、以後の加熱駆動区間T3、T5、T7、T9、T11は全て20秒、また加熱休止期間T4、T6等は全て2秒に統一されている。
なお、主加熱コイルMCや副加熱コイルSC1〜4、SCL、SCRにおける以上説明した各通電パターン(第1の通電パターンから第10の通電パターン)の説明において、「駆動しない」状態(「OFF」の状態)とは、それら主加熱コイルMCや副加熱コイルSC1〜4、SCL、SCRに、物理的には少ない通電をしていても、その通電の結果が実質的に被加熱物Nに誘導加熱調理できる程度の誘導加熱を発生させない程度のものである場合には、この発明でいう「駆動しない」状態をいう。つまりOFFの状態でも完全に通電されないという意味ではない。例えば被加熱物載置判断部400の機能を発揮するため、電流検出部280によって加熱コイルに流れる電流を検知できる程度の小電力が流れている場合でもOFF状態と呼ぶ。
次のこの表示手段Gの表示画面100について説明する。
図23〜図25において、表示画面100は、前記第1の誘導加熱部6L、第2の誘導加熱部6R及び輻射式中央電気加熱部7の少なくとも何れか1つを使用する場合に起動される。
図23は第1の誘導加熱部6Lにおいて調理メニューを選択する直前の状態を示す。
図23に示したように、主電源スイッチの操作キー50を押し、その後、第1の誘導加熱部6Lを使用するような選択操作を行った場合は、最初に図23の画面が表示される。つまり、調理メニュー選択用として、高速加熱用の選択キーE1A、湯沸し用選択キーE1B、茹で選択キーE1C、予熱用選択キーE2A、炊飯選択キーE2B、揚げ物選択キーE3A、湯沸し+保温の選択キーE3Bの7つのキーが一斉に(一覧状態に)表示される。
図23において、前記7つのキーE1A、E2A、E3A等は、使用者が指などを触れることで静電容量が変化する接触式キーを採用しており、使用者がキー表面に対応した位置の、表示画面100の上面を覆うガラス製トッププレート21の上面に軽く触れることで通電制御回路200に対する有効な入力信号が発生するものである。
すなわち、前記各種入力キーE1A、E2A、E3A等の部分(区域)を構成する前記トッププレート21表面には、キーの入力機能を示す文字や図形などが印刷や刻印等で何ら表示されていないが、これらキーの下方の表示画面100には、それら入力キーの操作場面毎に、キーの入力機能を示す文字や図形を表示する構成になっている。
全ての入力キーが常に同時に表示されている訳ではない。操作しても無効なキー(操作する必要が無い入力キー)については、入力機能文字や図形を表示画面上で表示しないようにして、トッププレート21の上方から視認できない状態にしている。そのような無効状態の入力キーが操作されても、操作手段Eには何ら有効な操作指令信号が与えられないように、前記通電制御回路200の動作を定める制御プログラムで規定されている。
図23は、左側にある第1の誘導加熱部6Lを使用する場合に最初に現れる画面である。使用者に調理メニューの選択を促す。ここで仮に茹で選択キーE1Cにタッチすると、表示画面100は図24のように変化する。
図23において、22はヘルプキーであり、使用者が操作に迷ったり、間違った操作をして警報音が出たり、表示画面100に警告文字が表示された場合などに操作すると、その場面に関連した情報を図25の表示エリア35に文字で表示する。23はインフォメーションキーであり、使用する調理器具の情報や調理方法、上手に調理する注意点などを詳しく表示エリア35に文字で表示する。
図24において、24は調理メニュー選択キーであり、この図24の場面でこれにタッチすると図23の場面に戻るので、別の調理メニューを実行したい場合に使用する。
25は火力の大きさを棒グラフ状の図形で表示する火力表示図形であり、16段階の火力に合せて16本あるように表示される。26A、26Bは一対の火力調節キーであり、プラス記号のあるキー26Aは火力を増加させ、マイナス記号のあるキー26Bは火力を減らすためのものである。これらキー26A、26Bに1回触れると、その度に火力は1段階変更される。
図24において、28は加熱時間を1分単位で表示する時間表示部、27A、27Bはその加熱時間の調節キーであり、プラス記号のある調節キー27Aは時間を増加させ、マイナス記号のある調節キー27Bは時間を減らすためのものである。これら調節キー27A、27Bに1回触れると、その度に時間は1分ずつ変更される。なお、調理メニューによっては調理時間が表示されない場合もある。また自動的に標準的な時間が表示された場合、前記調節キー27A、27Bで調節すれば良い。火力の場合も同様である。調節できない(調整しない)調理メニューの場合は、調節キー27A、27B、26A、26Bが表示されない。
29は調理メニューの表示部、34は火力を数字で示す火力表示部、33は前記した対流促進制御を指令するためのキーである。常にこのキーは表示される訳ではなく、調理メニューによっては表示されない。例えば炊飯モードでは表示されない。なお、「茹で」の場合は、初期設定として自動的に沸騰後に対流促進制御を行うようにした場合、このキー33は表示されない。32Aは加熱動作開始のキーである。
図24の場面で、加熱動作開始の加熱開始キー32Aにタッチすると、その加熱開始キー32Aは図25に示すように加熱停止キー32Bに機能が変更されて表示される。図25において、35は参考情報などを文字で表示する表示エリア、35は使用者に対して安全上のために適宜文字で注意事項を表示する注意表示エリアである。37は実行中の調理メニューの名称表示部である。
加熱調理動作が開始されると、表示画面100には、図25に示すように主加熱コイルMCと4つの副加熱コイルSC1〜SC4の内の少なくとも1つとの協同加熱が行われていることを使用者に示すため、模式的な図形61が表示される。また投入されている火力の値が数字62で同時に表示される。また副加熱コイルの通電の切り替えも矢印61のような図形で表示される。これら各表示は、主加熱コイルMCと4つの副加熱コイルSC1〜SC4の駆動状態(火力状態も含む)に応じてリアルタイムで形や色等が変化する。
なお、加熱を停止したい場合は、例えば加熱停止キー32Bにタッチすれば良い。また主電源スイッチの操作キー50をOFF操作すると、表示画面100は加熱停止表示に変わる。調理終了後もトッププレート21が高温になっている場合が多いので、トッププレート21が所定温度以下になるまで高温報知を行う。その後自動的に表示画面100は消える。このため、図24、図25に示した各種キーも消え、表示されていた位置に触れても何の操作信号も発生しない。
図25において、63は時間延長キーであり、加熱調理開始後、いつでも操作可能であり、このキーにタッチすると図24に示したような、加熱時間を1分単位で表示する時間表示部28と、加熱時間の調節キー27A、27Bが表示画面100に現れる。
次に、図26と図27を参照しながら、誘導加熱調理開始から終了までの動作の一例を説明する。(調理開始前の準備段階)
調理の開始にあたっては、まず主電源のキー50を操作して主電源を投入(ステップ1。以下、ステップを「ST」と省略する)し、加熱準備動作を使用者が指令した場合、通電制御回路200の自己診断プログラムが起動し、加熱前の異常有無のチェックが行われ、表示手段Gが起動される(ST2)。
異常がない場合は、次に、前記被加熱物載置判断部400を構成する電流検出部280によって、主加熱コイルMCと副加熱コイルSCそれぞれのコイルの上方に被加熱物Nが載置されているか否か、または被加熱物Nの底部面積が所定値より大きいか否かが推定され、この推定結果が制御部である通電制御回路200に伝達される(ST3)。
通電制御回路200では、大径鍋に適する加熱処理にするか通常鍋に適する加熱処理にするか等が決定される(所定の小電流を加熱コイルに流し、その結果を電流センサーで検知する)。適合鍋であるが、通常サイズの鍋や小鍋、あるいは加熱不適合等の場合は、大径鍋とは別の処理になる。
(調理開始段階)
以上によって大径鍋を対象にした調理工程に移行する準備完了となり、調理メニュー選択後、速やかに誘導加熱動作が開始される。なお、鍋底面の直径が120mm〜180mm程度の鍋を「通常鍋」、直径120mm未満の鍋を「小型鍋」と呼んでいる。これらの鍋の場合も基本的には上記ステップと同様である。なお、ここでいう直径とは、トッププレート21の表面に接触する鍋底面の直径であるので、鍋胴体の直径寸法はこれより大きい。
「通常鍋」や「小型鍋」の場合も「湯沸し」や「保温」などの調理メニューが表示画面100に表示されるが、「通常鍋」や「小型鍋」の場合は、この実施の形態1では中心部の主加熱コイルMCだけでしか加熱しないので、制御内容(火力や通電パターンなど)は大きく異なる。当然、副加熱コイルSCの全部やその一部だけを個別に加熱駆動できないので、副加熱コイルSCを利用した加熱パターンはない。表示画面100は図23の画面を表示し、調理メニューの選択を促す(ST4)。なお、音声ガイド装置を併用している場合は、この段階で「使用する加熱源を選択して下さい」というような音声ガイドを行う。
主加熱コイルMCの電流センサーと副加熱コイルSCの4つの電流センサーによって、上方に同一の被加熱物Nが載置されているか否かを判断する基礎情報が前記被加熱物載置判断部400を構成する電流検出部280に入力される。電流変化を検出することで、前記電流検出部280は主加熱コイルMCと副加熱コイルSCのインピーダンスの変化を検出し、長方形や楕円状の鍋(被加熱物N)が載置されている主加熱コイルMCの主インバーター回路MIV及び副加熱コイルSCの各副インバーター回路SIVを駆動し、4つの副加熱コイルSC1〜SC4の内、楕円状の鍋(被加熱物N)が載置されているもの(少なくとも1つ)に高周波電流を流し、楕円状の鍋(被加熱物N)が載置されていない他の副加熱コイルに対しては、高周波電流を抑制又は停止するように前記通電制御回路200が指令信号を発する。
例えば、被加熱物載置判断部33が主加熱コイルMCと、1つの副加熱コイルSC1の上方に同一の楕円状の鍋(被加熱物N)が載置されていると判断したときに、通電制御回路200は、主加熱コイルMCと特定の副加熱コイルSC1だけを連動して動作させ、予め定めた火力割合によってそれら二つの加熱コイルにそれぞれのインバーター回路MIV、SIV1によって高周波電力を供給する。
ここで「火力割合」とは、図22の加熱パターンの説明のところで説明したように「主副火力比」のことである。例えば使用者が3000Wの火力で調理しようと調理開始している場合、通電制御回路200が、主加熱コイルMCを2400W、副加熱コイルSC1を600Wというように配分した場合、その2400Wと600Wの比のことをいう。この例の場合では4:1である。
この副加熱コイルSC1単体を駆動して誘導加熱調理することはできず、また他の3つの副加熱コイルSC2、SC3、SC4の各単体及びそれらを組み合わせても誘導加熱調理することはできないようになっている。言い換えると主加熱コイルMCが駆動される場合に初めてその周辺にある4つの副加熱コイルSC1、SC2、SC3、SC4の何れか1つ又は複数が同時に加熱駆動される。仮に、4つの副加熱コイルSC1、SC2、SC3、SC4の全ての上方を覆うような大きな外径の被加熱物Nが置かれた場合、4つの副加熱コイルが駆動される制御パターンが、通電制御回路200の制御プログラムの中に用意されている。
調理メニューの選択が行われた場合(ST5)、例えば「茹で」のメニューを選択した場合、表示画面100は図24のような画面になり、茹でる調理に必要な制御条件、例えば火力と時間を設定することを促す(ST6A)。使用者が火力を設定し(ST6B),加熱時間を設定し(ST6C)、対流促進制御を行うことをキー33で設定した場合(ST6D)、本格的に加熱動作が開始される(ST6E)。そのため図27に示すように、通電制御回路200で通電パターンが決定され(ST6F)インバーター回路210Lが駆動される(ST6G)。この通電開始段階で、通電制御回路200は時間の測定を開始する。
前記したように茹でモードは、加熱工程(沸騰まで)は火力を手動で設定できる。
すなわち、茹でモードは、加熱速度を優先させた調理メニューであり、主加熱コイルMCと副加熱コイルの合計火力は、120W〜3000Wまでの範囲で使用者が1段階選定することができる。
沸騰までの加熱工程全域に亘り、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4は同時駆動され、互いに隣接する領域での高周波電流の向きは一致させるよう制御される。また沸騰以降は(使用者が禁止操作しない限り)自動的に「対流促進制御」が開始される。なお、火力のデフォルト値は2000Wであるから火力調節キー26A、26Bを操作せずに、加熱開始キー32Aを操作した場合でも加熱開始される。
主副火力比は、所定の範囲内になるように自動的に通電制御回路200で決定され、使用者が任意に設定することはできない。
沸騰以後は、連続30分間(延長可能)、沸騰状態を維持するようにデフォルト値(1500W)で自動的に加熱動作を継続するが、使用者が沸騰以後の火力を任意に選んでも良い。前記火力調節キー26A,26Bはいつでも操作可能になっている(図25参照)。火力変更した場合でも、温度検出回路31は被加熱物Nの温度を常に監視している。但し、火力を任意に設定した場合は、通常の加熱モードになるので、図22に示したような通電パターンは実行されない。
以上のように、設定された火力で所定時間加熱継続されると、被加熱物Nの中に入れた水はお湯になり、やがて沸騰状態になる。通電制御回路200は温度検出回路31の情報から沸騰状態を検知し、沸騰状態になったと推定処理した場合(ST6H)、表示画面100にて沸騰状態になったことを表示する。なお、表示手段Gと連携するような音声ガイド装置を併用している場合は、この段階で「お湯が沸きました」というような音声ガイドを行ったり、ブザー音を出したりしても良い。
また通電制御回路200は加熱開始時点(ST6E)からこの沸騰状態を検知した時点までの経過時間(以下、「沸騰までの所要時間」という)を計算し、内蔵の半導体メモリーに蓄積する。そして引き続き以後の時間(以下、「沸騰後経過時間」という)を計測する。また火力は1500Wに自動的に変更されるが、被加熱物Nの温度が茹でる野菜などの投入直後に急激に低下した場合、温度検出回路31の働きで火力が増強され、沸騰状態に復帰するようになり、その後1500Wに維持される。
次に前記した対流促進制御の内、例えば第2の対流促進制御を開始する(ST6K)。この制御は、前記したように、主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜SC4を同時に加熱するが、主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜SC4の駆動電力に差をつけるものである。つまり、主加熱コイルMCに供給している誘導加熱電力より小さな電力を副加熱コイルSC1〜4それぞれに供給し、次に副加熱コイルSC1〜4それぞれに供給している誘導加熱電力を大きくし、この電力より小さな電力を主加熱コイルMCに供給し、これら動作を複数回繰り返すことを特徴とするものである。この制御では、図17(A)に示したように、被加熱物Nの発熱部は主加熱コイルMCの真上の部分と副加熱コイルSC1〜4の真上とそれぞれの副加熱コイル間に亘る部分になる。このとき、主加熱コイルMCの方が火力が強いため、真上の部分で加熱され、YC1方向に上昇する流れが発生する。このまま、主加熱コイルMCのみで、うどんなどの麺類をゆでると外側YC1方向に対流が起き続け、吹き零れてしまう。しかし、同時に副加熱コイルSC1〜4に火力を入れることにより、内側へのYC2方向の対流を起こし、外側YC1方向への対流を少し抑制し、吹きこぼれを抑制することができる。
そして使用者が設定した時間が来たかどうか判定される。また「沸騰後経過時間」が30分間を経過していないかどうか判定され(ST7)、時間延長操作がされていないかどうかチェックし(このステップは図示していない)、延長されていない場合は、「沸騰後経過時間」が30分以上を経過した場合はインバーター回路210Lを停止し(ST8)、表示画面100には加熱停止を表示し、かつ高温報知を行う(ST9)。
なお、前記ステップST6Jでは、通電制御回路200が「沸騰までの所要時間」の長短やそれまでの火力値などのデータから、被加熱物Nの鍋の中に調理液や水、あるいは野菜や肉などの具材が沢山入っているかどうかを推定する。例えば大きな鍋を3000Wで加熱したにも拘らず「沸騰までの所要時間」が長かった場合、例えば3000Wで1リットルのお湯を20℃から100℃まで上昇させるのに必要な時間のデータを通電制御回路200は持っているので、それとの比較結果から、2リットル以上の液体を加熱したことを推定する。このような大量の調理液では焦げ付きや吹き零れの発生が懸念されるので、このような状況に合せて最も適当と判断される制御方法を通電制御回路200が選択できるように、対流促進制御の開始(ST6K)の直後に、前記通電パターン決定の処理ステップ(ST6F)と同様な処理(ST6L)を追加しても良い。必要に応じ、より適当な加熱パターンへ変更することがある。
一方、沸騰状態になった以後、前記した対流促進制御の内、例えば第3の対流促進制御を開始した場合についてさらに説明する。
この制御は、前記した第10の通電パターンのように、主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜SC4を同時に加熱するが、温度検出回路31により所定の温度を検知した後、主加熱コイルMC、副加熱コイルSC1〜SC4の駆動電力に差をつけるものである。
図22に示したように、第10の通電パターンは、最初の60秒の区間T1では、主加熱コイルMCは800Wで、4つの副加熱コイルSC1〜SC4はそれぞれ175Wに制御され、総和火力は1500Wで駆動される。次の休止区間T2は2秒間であり、この休止期間中、被加熱物Nの中に生じた対流で動いていた麺やパスタなどの被調理物が静止する状態になる。
次の区間T3も総和火力は1500Wであり、20秒間の通電により再び前記被調理物がお湯の対流に伴って静止以降から移動し始める。以後、2秒間の休止期間を置いて20秒ずつ、総和火力が1500W、主副火力比は7:8で繰り返し加熱駆動動作が実行される。
このような間欠的な加熱動作を数十回以上繰り返すため、被加熱物Nの発熱部は主加熱コイルMCの真上の部分と副加熱コイルSC1〜4の真上とそれぞれの副加熱コイル間に亘る部分になるが、主加熱コイルMCと副加熱コイルの火力が略同等であるから、主加熱コイルMCの加熱効果の方が周囲に点在している副加熱コイルSC1〜SC4よりも強くなり、被加熱物Nの底面全体が加熱されつつも、その中心部が強く加熱され、被加熱物Nの中には、その中心部において周辺部よりも強い上昇流が発生する。しかし、周辺部も加熱されているため、被加熱物Nの周辺部、言い換えると鍋の側面に近い場所に吹き零れの原因となるような泡の発達も抑制され、被加熱物Nの全体が効率良く加熱される。つまり、吹きこぼれを抑制することができる。
なお、図22に示した第10の通電パターンは、最初の60秒の区間T1では、主加熱コイルMCは800Wで、4つの副加熱コイルSC1〜SC4の内、隣り合う又は向かい合う2つの副加熱コイルだけをそれぞれ350Wの火力で駆動し、また休止区間T2の2秒間を経て、区間T3では、主加熱コイルMCは700Wに変更し、隣り合う又は向かい合う2つの副加熱コイルだけをそれぞれ350Wの火力で駆動するというパターンに変更しても良い。このパターンにすると、被加熱物Nの底面の一方の側から反対の側に加熱される部位が所定の時間間隔で移り、被加熱物Nの中に図17で説明したような対流を発生させることができる。
なお、図22に示した第10の通電パターンでは、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4の火力の合計、つまり「総和火力」が1500W(以下、「茹で火力1」という)である場合について述べた。しかしながら、通電制御回路200の制御プログラムの中には、この第10の通電パターンとしては、総和火力の大きさに応じて「茹で火力2」と「茹で火力3」も備えている。
火力の相対的大きさの関係は、「茹で火力1」が最も小さく、「茹で火力3」が最も大きい。「茹で火力1」が総和火力1500W、「茹で火力2」は約1800W、「茹で火力3」は約2000Wである。「茹で火力1」は、最初の区間T1は60秒であった。「茹で火力2」、「茹で火力3」でも、最初の区間T1はそれぞれ60秒である。また区間T3、T5、T5等、主加熱コイルと副加熱コイルを同時に通電する区間の時間は20秒である。「茹で火力2」、「茹で火力3」では通電休止期間T2、T4、T6等は全て1秒である。このような通電時間制御によって、「茹で火力2」の総和火力は約1800W、「茹で火力3」の総和火力は約2000Wとなるように、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4は制御される。なお、「茹で火力1」と「茹で火力2」及び「茹で火力3」では、通電される各区間T3、T5、T7等において、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4の個々の火力値は、「茹で火力1」の場合と異なっている。
また4つの副加熱コイルSC1〜SC4が駆動される場合、「茹で火力1」〜「茹で火力3」の何れにおいても、火力値は同等になるように通電制御回路200によって制御される。つまり、総和火力が例えば約1800Wの「茹で火力2」では、ある区間で、主副火力比が1:2であった場合、主加熱コイルMCは約600W、2つの副加熱コイルSC1、SC2の合計火力が約1200Wとなるが、この場合、2つの副加熱コイルSC1、SC2はそれぞれ約600Wで駆動されることをいう。例えば、一方の副加熱コイルSC1を約800Wにし、他方の副加熱コイルSC2を約400Wで駆動するという制御は実行しない。
次に図28に示した「茹でモード」における制御動作のフローチャートについて説明する。沸騰状態になると、使用者が「茹で火力1」〜「茹で火力3」の何れか1つを選択しなくとも前記調理メニューの選択ステップ(ST6J)、またはステップ6Lにおいて、「茹でモード」を選択した場合の火力は、デフォルト値として「茹で火力1」、つまり総和火力1500Wになるように設定されているので、図22に示したような通電パターン10が採用される。しかし、被調理物の量などの条件が異なると、ステップ(ST6J)、またはステップ6Lにおいて、「茹で火力2」又は「茹で火力3」が選択される場合もあり、また使用者が「茹で火力1」を「茹で火力2」又は「茹で火力3」に変更することも可能である。
図28の制御動作フローチャートでは、前記したように通常は茹でモードにおいては最小火力1500Wで加熱が開始される(ST6N)。そして沸騰後経過時間が30分を経過していないかどうかのチェックが短い時間間隔(例えば数秒以内)で常にチェックされる(ST7)が、使用者が火力を任意に変更した場合、火力変更有無のチェックが行われるステップ(ST6P)で、火力変更ステップ(ST6Q)へ進むようになり、火力変更ステップ(ST6Q)で使用者が指定した火力への変更処理が行われる。そして変更後の火力で加熱動作が継続し、沸騰後経過時間が30分を経過していないかどうかのチェックが行われる(ST7)。設定された時間(30分)を経過した場合は、インバーター回路MIV、SIVの動作は停止し、加熱動作は終了する。
使用者は、茹で火力1で茹で動作が行われている状況を観察している過程で、何時でも「茹で火力2」又は「茹で火力3」に変更操作可能であり、また一旦、「茹で火力2」又は「茹で火力3」に設定したあと、「茹で火力1」に戻す操作も可能である。被加熱物Nの鍋の中でお湯と「スパゲティ」や「うどん」、「ラーメン」などの素材の動きを見ながら、吹き零れが発生しないと使用者が考え、「茹で火力2」又は「茹で火力3」に変更することがあるし、また「茹で火力1」にすることも可能である。
次に前記調理メニューの選択ステップ(ST5)において、「予熱メニュー」を選択した場合について説明する。
予熱メニューを使用する場面は、例えば被加熱物Nとして大型のフライパンを使用して炒め物を行う調理がある。
予熱メニューを選択するため「予熱モード」を選択した場合、通電制御回路200は主加熱コイルMCと、副加熱コイルSC1〜SC4の一部又は全部を使用した通電パターンを決定する。表示画面100には予熱モードに対応した表示が行われる(ST6Q)。この表示画面100における表示としては、予熱調理をする場合、目標とする温度を設定することが必須であることが文字で表示される。その目標温度として180℃、200℃、240℃等が選択できることも同時に文字で明示される。使用者が希望の予熱温度を目標温度の中から1つ選択すると、予熱動作が開始される(ST6R)。
使用者が予熱温度として240℃を選択した場合、通電制御回路200はその予熱温度から「第1の予熱温度」を200℃、「第1の火力」として3000Wを選ぶ。そのため、主加熱コイルMCと4つの副加熱コイルSC1〜SC4は、総和火力3000Wになるように、自動的に主副火力比が決定され、例えば主副火力比1:1として、主加熱コイルMCは1500W、副加熱コイル群全体では1500Wになるように火力配分が行われる。予熱スピードを上げるため、この実施の形態では、基本的に最大火力で第1の温度まで一気に加熱が行われる。主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4の、互いに隣接する領域での高周波電流の向きは一致するように関係するインバーター回路が通電制御回路200で制御される。
フライパン等の被加熱物Nの底部の温度は、温度検出回路31によって監視され、第1の予熱温度(200℃)になったかどうかを常にチェックする。第1の予熱温度になったと判断された場合(ST6S),通電制御回路200は第1の火力(総和火力:3000W)から第2の火力(総和火力:1000W)になるように、火力を自動的に下げる処理を行う(ST6T)。
そして第2の予熱温度になるように引き続き加熱継続され、フライパン等の被加熱物Nの底部の温度が、第2の予熱温度(240℃)になったかどうかが、前記温度検出回路31によって常にチェックされ、第2の予熱温度になったと判断された場合(ST6U)、通電制御回路200は第2の火力(総和火力:1000W)の通電を止め、通電パターンの決定ステップ(ST6P)で決定した通電パターンになるように制御開始される(ST6V)。つまり被加熱物Nの底部の温度が第2の予熱温度を維持するように、前記温度検出回路31による温度チェック結果を常に参照しながら、通電制御回路200は火力の増減を自動的に行う。
また、第2の予熱温度になった場合、予熱完了しているので、使用者は何時でも調理の材料、例えば肉や野菜などを被加熱物Nのフライパンに投入できる。しかし、使用者がそのように調理の材料を投入しない場合も考え、所定の時間として30分間で自動停止するようになっている。そのため、選択された通電パターンよって本格的な加熱動作が開始された直後、すなわち、第2の予熱温度になった直後からの時間の計測が開始され(ST6W)、30分を経過していないかどうかのチェックが行われる(ST7)。設定された時間(30分)を経過した場合は、インバーター回路MIV、SIVの動作は停止し、加熱動作は終了する。なお、この実施の形態では、茹でモードの所定時間チェック動作(ST7)と、予熱モードでの所定時間チェック動作(ST7)では、それぞれ30分間が判定の基準になっていたが、これら2つの調理モードで、時間を異ならせても良い。
前記したように、フライパン等の被加熱物Nの底部の温度が、第2の予熱温度(240℃)に近づくように、前記温度検出回路31は5つの温度センサー31L1〜31L5を使用して、被加熱物Nの温度を常にチェックしており、使用者が冷たい野菜や肉、あるいは水やスープ等を投入した場合、被加熱物Nの温度は急速に低下する。すると、温度検出回路31からの温度低下情報に基づき、通電制御回路200は主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4により加熱能力が最大になるように制御し、瞬時に火力を最大火力(総和火力:3000W)になるように変更する。そして被加熱物Nの温度が所定の温度(240℃)に近づくに従って、総和火力を徐々に小さくするという火力制御を自動的に行う。一方、予熱完了温度(240℃)になったあとで、使用者が任意で目標温度を変更した場合、例えば230℃に下げる操作を行った場合、あるいは総和火力を変更した場合は、これらの変更操作の有無がチェックされ(ST6X)、それらの変更が行われた場合、それら変更後の設定値(火力又は温度)に近づくように、別の通電プログラムに変更の処理が行われる(ST6Y)。
なお、「第1の予熱温度」が200℃、「第1の火力」が3000W、目標とする予熱温度(第2の予熱温度)が240℃の場合の動作について一例を説明したが、第2の予熱温度が240℃の場合、常に「第1の予熱温度」が200℃である必要はない。主加熱コイルMCと4つの副加熱コイルSC1〜SC4の総和火力が3000Wになるようにして加熱速度重視で予熱動作開始したが、総和火力が例えば、2500Wの場合、同じ被加熱物Nを加熱した場合であっても、その温度上昇のカーブは緩やかになるので、第2の予熱温度にもっと近い温度でも良く、例えば220℃にしても良い。これら第1の予熱温度、第2の予熱温度までの、主加熱コイルMCと副加熱コイル群SCの個々の火力値、それによって定まる総和火力値は、それら主加熱コイルMCと副加熱コイル群の大きさや、使用される鍋の大きさ等によっても変化するので、加熱温度実験などを重ねて最適値を定めれば良い。
(まとめ)
以上の説明から明らかなように、第1の発明に係る誘導加熱調理器は、被加熱物Nを誘導加熱する加熱コイル6LCと、前記加熱コイルを駆動する高周波電力供給手段210Lと、前記高周波電力供給手段を制御し、使用者が選択できる調理モードとして少なくとも「湯沸しモード」と「茹でモード」とを有する通電制御回路200と、前記被加熱物の温度を検知する温度検出回路31と、前記通電制御手段に対して前記調理モードを指令する操作手段E(40L)と、を備え、前記加熱コイル6LCは、環状の主加熱コイルMCと、この主加熱コイル周囲にあって主加熱コイルが加熱可能な大きさの被加熱物よりもさらに大きな直径の被加熱物を前記主加熱コイルと協働加熱する複数個の副加熱コイルSC1〜SC4とを有し、前記通電制御回路200は、前記「湯沸しモード」で前記被加熱物Nを加熱する場合、前記主加熱コイルMC単独加熱あるいは主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4の協働加熱を自動的に決定でき、さらに前記通電制御回路200は、前記主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4の協働加熱によって前記「茹でモード」で前記被加熱物Nを加熱する場合、前記温度検出回路31が前記被加熱物N内の液体の沸騰状態を検知する前の段階では前記主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4を同時に駆動し、前記温度検出回路31が前記被加熱物N内の液体の沸騰状態を検知した以降の段階では前記主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4とを所定の時間間隔T1〜T11で駆動することを特徴とするものである。
この構成であるため、茹でモードにおいて鍋等の被加熱容器中にある、液体や野菜、肉等の具材等を含んだ液体の対流を促進し、鍋底部での焦げの発生抑止も可能となる。
第2の発明に係る誘導加熱調理器は、被加熱物Nを誘導加熱する加熱コイル6LCと、前記加熱コイルを駆動する高周波電力供給手段210Lと、前記高周波電力供給手段を制御し、使用者が選択できる調理モードとして少なくとも「湯沸しモード」と「茹でモード」とを有する通電制御回路200と、前記被加熱物の温度を検知する温度検出回路31と、前記通電制御手段に対して前記調理モードを指令する操作手段E(40L)と、を備え、前記加熱コイル6LCは、環状の主加熱コイルMCと、この主加熱コイル周囲にあって主加熱コイルが加熱可能な大きさの前記被加熱物よりもさらに大きな直径の被加熱物Nを前記主加熱コイルと協働加熱する複数個の副加熱コイルSC1〜SC4とを有し、前記副加熱コイルSC1〜SC4は、主加熱コイルMCの外周縁と空間271を保って対向し、かつその外周縁に沿うように全体が主加熱コイルMC側に湾曲し、その湾曲の合致率が60%以上を有した扁平形状であり、前記通電制御回路200は、前記「湯沸しモード」で前記被加熱物Nを加熱する場合、前記主加熱コイルMC単独加熱あるいは主加熱コイルと副加熱コイルSC1〜SC4の協働加熱を自動的に決定でき、さらに前記通電制御回路200は、前記主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4の協働加熱によって前記「茹でモード」で前記被加熱物Nを加熱する場合、前記温度検出回路31が前記被加熱物N内の液体の沸騰状態を検知する前の段階では前記主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4とを同時に駆動し、前記温度検出回路31が前記被加熱物内の液体の沸騰状態を検知した以降の段階では前記主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4を所定の時間間隔T1〜T11で駆動することを特徴とするものである。
この構成によれば、茹でモードにおいて鍋等の被加熱容器中にある、液体や野菜、肉等の具材等を含んだ液体の対流を促進し、鍋底部での焦げの発生抑止も可能となる。しかも副加熱コイルSC1〜SC4は、主加熱コイルMCの外周縁と所定の空間271を保って対向し、かつその外周縁に沿うように全体が主加熱コイルMC側に湾曲し、その湾曲の合致率が60%以上を有した扁平形状であるので、主加熱コイルMCを中心としてそれを囲むように副加熱コイルSC1〜SC4による加熱部分ができ、主加熱コイルと相俟って被加熱物を効率的に副加熱コイルSC1〜SC4で加熱することができる。
第3の発明に係る誘導加熱調理器は、被加熱物を誘導加熱する環状の主加熱コイルMCと、この主加熱コイル周囲にあって主加熱コイルMCが加熱可能な大きさの前記被加熱物よりもさらに大きな直径の被加熱物を前記主加熱コイルMCと協働加熱する複数個の副加熱コイルSC1〜SC4と、前記主加熱コイルと副加熱コイルSC1〜SC4をそれぞれ駆動する高周波電力供給手段と、前記高周波電力供給手段210Lを制御し、使用者が選択できる調理モードとして少なくとも「湯沸しモード」と「予熱モード」とを有する通電制御回路200と、前記被加熱物の温度を検知する温度検出回路31と、前記通電制御手段に対して前記調理モードを指令する操作手段E(40L)と、を備え、前記通電制御回路200は、前記「湯沸しモード」で誘導加熱する場合、前記主加熱コイルMC単独加熱あるいは主加熱コイルと副加熱コイルSC1〜SC4の協働加熱を自動的に決定でき、さらに前記通電制御回路200は、前記主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4の協働加熱によって前記「予熱モード」で誘導加熱する場合、被加熱物Nの温度が第1の予熱温度(例えば200℃)であることを前記温度検出回路31が検知する前の段階では、前記主加熱コイルと副加熱コイルSC1〜SC4を所定の第1火力(例えば、3000W)で同時に駆動し、前記被加熱物Nの温度が前記第1の予熱温度より高い第2の予熱温度(例えば、240℃)を検知した以降の段階では、前記主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4とを所定の時間間隔で、かつ前記第1の火力より小さな第2の火力(例えば、1000W)以下で駆動することを特徴とするものである。
この構成であるため、1の予熱温度に至るまでは大きな火力で加熱することができるので、予熱時間を短縮でき、また予熱動作を自動化できる。さらに第2の温度に至り、第2の予熱温度以降の予熱工程においては、主加熱コイルと複数個の副加熱コイルを所定の時間間隔で、所定の主副火力比で駆動することで、被加熱物の底面中心部から外周縁までの全体をより均一に加熱できる。
第4の発明に係る誘導加熱調理器は、被加熱物Nを誘導加熱する環状の主加熱コイルMCと、この主加熱コイル周囲にあって主加熱コイルが加熱可能な大きさの前記被加熱物よりもさらに大きな直径の被加熱物を前記主加熱コイルと協働加熱する複数個の副加熱コイルSC1〜SC4と、前記主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4をそれぞれ駆動する高周波電力供給手段210Lと、前記高周波電力供給手段を制御し、使用者が選択できる調理モードとして少なくとも「湯沸しモード」と「予熱モード」とを有する通電制御回路200と、前記被加熱物の温度を検知する温度検出回路31と、前記通電制御回路200に対して前記調理モードを指令する操作手段E(40L)と、を備え、前記通電制御回路200は、前記「湯沸しモード」で誘導加熱する場合、前記主加熱コイル単独加熱あるいは主加熱コイルと副加熱コイルSC1〜SC4の協働加熱を自動的に決定でき、さらに前記通電制御回路200は、前記主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4の協働加熱によって前記「予熱モード」で誘導加熱する場合、被加熱物Nの温度が第1の予熱温度(例えば、200℃)であることを前記温度検出回路31が検知する前の段階では、前記主加熱コイルMCと副加熱コイルを所定の第1火力(例えば、3000W)で同時に駆動し、前記被加熱物の温度が前記第1の予熱温度より高い第2の予熱温度(例えば、240℃)を検知した以降の段階では、前記主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4とを所定の時間間隔で、かつ前記第1の火力より小さな第2の火力(例えば、1000W)以下で駆動し、前記温度検出回路31が、第2の予熱温度検知以降の段階で被加熱物Nの温度が第1の予熱温度以下に低下したことを検知した場合、前記通電制御回路200は第1の火力から第2の火力に復帰させ、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4で高火力加熱を行って第2の予熱温度まで迅速に復帰させることを特徴とするものである。
この構成であるため、1の予熱温度に至るまでは大きな火力で加熱することができるので、予熱時間を短縮でき、また予熱動作を自動化できる。さらに第2の温度に至り、第2の予熱温度以降の予熱工程においては、主加熱コイルと複数個の副加熱コイルを所定の時間間隔で交互に駆動し又は同時に所定の主副火力比で駆動することで、被加熱物の底面中心部から外周縁までの全体をより均一に加熱できる。さらに被加熱物の温度が、冷たい野菜や肉などの具材の投入によって急に温度低下した場合、前記通電制御装置が第1の火力から第2の火力に素早く復帰させ、主加熱コイルと副加熱コイルで高火力加熱を行うから、予熱モードを使用した場合も自動的に必要な火力が維持され、炒め物や揚げ物調理を上手に行うことができる。
さらに以上の実施の形態で説明した通電制御回路200や温度検出回路31、被加熱物載置判断部400などの動作は、マイクロコンピュータや各種半導体記憶装置(ROM、RAMなど)を備えた電子機器、情報機器にて実行できるプログラムの形態で実現、提供できるものである。そのため、当該プログラムの形態で記録媒体を介して配布したり、インターネットの通信回線を用いて配信したりすることが可能となり、本実施の形態で示した新しい制御機能の配布、更新、インストール等の作業によって使い勝手の向上した調理器を提供することも期待できる。
また、主加熱コイルMCや副加熱コイル、例えば図2においてSC1で加熱される領域の温度を個別に検知できるように、温度センサーを主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1の近傍又はその内側空間にそれぞれ設け、次のような制御を行うことで更に焦げ付き防止をすることができる。
(A)温度検出回路31が、一方の副加熱コイルSC1を所定火力で駆動した場合、その副加熱コイルSC1の上方にある鍋の部分的な温度が何度であるかどうかを検知するようにする(このとき、同時に主加熱コイルMCも駆動していて良い)。
(B)主加熱コイルMCや副加熱コイルSC1等を駆動した場合の温度上昇傾向、例えば1000W投入した場合に、75℃から85℃に至る間の所要時間又は温度上昇率を、予め1000Wで水を加熱した場合のデータ(基準値1)と比較する(通電制御回路200がこのようは比較判定処理を行う)。
(C)基準値1よりも時間を要した場合、又は温度上昇率が小さい場合、被調理液体(例えばカレーなど)の粘性が高いと通電制御回路200は判定する。
(D)当該判定以後、主加熱コイルMCと副加熱コイルに対する通電状態を変化させる(例えば総和火力を1段階落として主・副加熱コイル全体で875W又は2段階落として750W以下になるようにするか、あるいは主・副加熱コイルの通電継続時間を短くし、単位時間あたりの加熱量を低下させる)。
(E)上記(D)の処理により例えば750W投入してさらに加熱継続した場合に、85℃から95℃に至る間の所要時間又は温度上昇率を、予め750Wで水を加熱した場合のデータ(基準値2)と比較する(通電制御回路200でこれを行う)。
(F)基準値2よりも時間が短い場合、又は温度上昇率が大きい場合、被調理液体(例えばカレーなど)の粘性は低い状態にあると通電制御回路200は判定する(例えばカレーは温度上昇に伴って途中から粘性が低くなる)。
(G)前記(F)の処理で粘性が低いと判定された場合は、前記したような対流促進制御を行う。しかし、依然として粘性が高いと判定された場合は、単一の期間(区間)毎の火力を減らしたり、あるいは各期間の時間幅を短くしたりする制御を採用する等、被加熱物Nに対する単位時間(例えば10秒)あたりの加熱量を減少させる処理をする。
以上によって、不用意に大きな火力を投入して加熱継続することを防止でき、焦げ付きの発生を更に抑制することができるという効果が期待できる。
なお、主加熱コイルMCを挟んでその両側にある1対の副加熱コイル、例えば図2においてSC1とSC4の組、またはSC2とSC3の組で加熱される領域の温度を個別に検知できるように、温度センサーを(主加熱コイルMCを挟んで)離れた2箇所以上に設けると、鍋全体の温度変化をより正確に把握することができるので望ましい。また温度センサーは赤外線式とサーミスタ等の感熱式とを併用して両者のメリットを生かすことが望ましい。
本発明に係る誘導加熱調理器は、主加熱コイルと副加熱コイルを組み合わせて加熱駆動するものであり、煮込み調理などでの焦げ付きを抑制できるため、据置型やビルトイン型の誘導加熱式加熱源専用調理器及び他の輻射式加熱源との複合型誘導加熱調理器に広く利用することができる。
A 本体部、D 加熱手段、E 操作手段、F 制御手段、G 表示手段、W 横幅寸法、CL1 本体部Aの左右中心線、CL2 第1の誘導加熱部の左右中心線、CL2 第2の誘導加熱部の左右中心線、DB 副加熱コイルの配置外径寸法、N 被加熱物(鍋)、SC 副加熱コイル(群)、SC1〜SC4 副加熱コイル、MC 主加熱コイル、MIV 主インバーター回路、PW2 第4の火力、PW3 第3の火力、PW4 火力、PW5 火力、PW6 第2の火力、PW7 第1の火力、SIV1〜SIV4 副インバーター回路、T1〜T11 期間(区間)、21 トッププレート、31 温度検出回路、100 表示画面、400 被加熱物載置判断部、X1 中心点、X2 中心点。
図1〜図3において、MCは第1の誘導加熱部6Lの主加熱コイルであり、被加熱物Nを載せるトッププレート21の下方に接近して配置されている。第2図中、破線の円で示したのが鍋等の被加熱物Nの外形形状(輪郭)である。
またこの主加熱コイルMCは、渦巻状に0.1mm〜0.3mm程度の細い線を30本程束にして、この束(以下、集合線という)を1本又は複数本撚りながら巻き、中心点X1を基点として外形形状が円形になるようにして最終的に円盤形に成形されている。主加熱コイルMCの直径(最大外径寸法)は約180mm〜200mm程度であり(以下の説明では、180mmとして統一する)、半径R1はその半分の90mmである。この実施の形態1では例えば、定格最大消費電力(最大火力)2000Wの能力を備えている。主加熱コイルは図5(B)と図6に示すように、側の加熱コイル6LC1と、これに直列接続された側の加熱コイル6LC2とから構成されている。図(B)において、WL6Aは内側の加熱コイル6LCのコイル幅(横幅)で約10mm、WL6Bは外側の加熱コイル6LCのコイル幅(横幅)で約10mmである。DLAは主加熱コイルMCの外側の加熱コイル6LCの外径で、前記半径R1の2倍であるから180mmである。DLBは主加熱コイルMCの側の加熱コイル6LC2の外径で、90mmである。
従来、外側の加熱コイルに対して内側の加熱コイルは加熱コイル径が小さいため加熱に寄与されにくく、外側の加熱コイルが発生する磁界が大きく加熱分布がドーナツ状になっていたが、この実施の形態では、内側と外側に別々のコイル電流を流すことによって、内側の環状の加熱コイル6RC1に流れるコイル電流を増大させ、加熱量を増やすことにより、右側の加熱コイル6RC全体に均一な加熱分布をえることができるようになる。
「湯沸しモード」(加熱速度を優先させた調理メニューで、第1の選択部E1で選択)。
被加熱物N内の水を、使用者が任意の火力で加熱開始し、水が沸騰(温度センサーにより、被加熱物Nの温度や温度上昇度変化等の情報から通電制御回路200が沸騰状態と判定した際に、表示手段Gによって使用者にその旨を知らせる。その後火力は自動的に設定され、そのまま2分間だけ沸騰状態維持することが特徴である。
湯沸し工程:
主加熱コイルと副加熱コイル合計の火力が120W〜3000W(火力1〜火力16まで16段階の中から任意設定。デフォルト設定値は火力13=2000W)。
主副火力比は、使用者が選定した上記合計火力を超えない限度で、所定火力比の範囲内になるように自動的に通電制御回路200で決定され、使用者が任意に設定することはできない。例えば主副火力比は(大火力時)2:3〜(小火力時)1:1まで。
保温工程:最大2分間。2分経過後に自動的に加熱動作終了。
主加熱コイル1000W以下(使用者には設定不可能)
副加熱コイル1500W以下(使用者には設定不可能)
この期間中に、使用者が任意の火力を設定した場合、高速加熱と同じになる。火力も120W〜3000Wの範囲にある16段階の中から任意に一つ選択可能。
「湯沸し+保温モード」(加熱速度と均一性を優先させた調理メニューで、第3の選択部E3で選択)。
被加熱物N内の水を、使用者が任意の火力で加熱開始し、水が沸騰(温度センサーにより、被加熱物Nの温度や温度上昇度変化等の情報から制御部は沸騰状態と推定)した際に、使用者には表示手段Gによってその旨を知らせる。その後火力は自動的に設定され、そのまま2分間だけ沸騰状態維持する。
湯沸し工程:
主加熱コイルと副加熱コイル合計の火力が120W〜3000W(火力1〜火力16まで16段階の中から任意設定。デフォルト設定値は火力13=2000W)。
主副火力比は、使用者が選定した上記合計火力を超えない限度で、所定火力比の範囲内になるように自動的に通電制御回路200で決定され、使用者が任意に設定することはできない。例えば主副火力比は(大火力時)2:3〜(小火力時)1:1まで。
保温工程:最大10分間。10分経過後に自動的に加熱動作終了。
主加熱コイル1000W以下(使用者には設定・変更は不可能)
副加熱コイル1500W以下(使用者には設定・変更は不可能)
以後また区間T3では区間T1の火力で主加熱コイルMCと4つの副加熱コイルSC〜4は同時に駆動され、その次は区間T2と同様に駆動され、以後これら区間T1、T2の駆動パターンが繰り返される。
次に区間T2では、主加熱コイルMCと、2つの副加熱コイルSCL、SCRの総和火力の大きさ、つまり主副火力比を逆に1:4にする。主加熱コイルMCの火力割合は20%、副加熱コイルSCL、SCRのそれぞれの火力割合は40%に設定する。次に区間T3では再び区間T1の状態に戻り、次の区間T4では再び区間T2の状態で駆動するが、次の区間T5では主加熱コイルMCと全ての副加熱コイルSCL、SCRの駆動を休止する。この休止期間は、特に深い鍋に多量の調理液、例えばシチューやスープ、カレー等のような粘性が高いもの、水よりも比重の高い液体が入っている場合に効果的である。つまり、連続的に加熱するのではなく、短い時間休止させると、その休止期間に液体の流れが一旦停止し、落ち着いた状態で今度は逆向きの対流が発生しやすくなるからである。この例では、最初中心部にある主加熱コイルMCを中心にその真上に向かう上昇流が発生し(主加熱コイルMCがON状態で)、次に副加熱コイルSCL、SCRの真上方向に上昇する流れが発生する(副加熱コイルがON状態で)。
温度検出回路31により被加熱物Nの温度が所定の温度、例えば98℃を検知した場合、通電制御回路200は、区間T1のように主加熱コイルMCを第1の火力であるPW7で駆動し、同時に副加熱コイルSC1〜4を第の火力PW6で駆動する。PW7は例えば700W、PW6は例えば600Wとする。これにより区間T1における主副火力比は7:24になる。
図21(A)は、図20に示した考え方に基づいて、具体的に主加熱コイルMCと4つの扁平形状副加熱コイルSC1〜4の火力値をワット(W)で示したものである。図21(A)から明らかなように、区間T1では主加熱コイルMCは第1の火力PW7として200Wで駆動され、4個の副加熱コイルSC1〜4は、それぞれ第2の火力PW6として500Wで駆動され、区間T2では、第1の火力PW7の200Wは第3の火力PW2として100Wに変更されて駆動され、4個の副加熱コイルSC1〜4は、それぞれ第2の火力PW6(500W)が第4の火力PW2の300Wに落とされて駆動される。
図24の場面で、加熱動作開始の加熱開始キー32Aにタッチすると、その加熱開始キー32Aは図25に示すように加熱停止キー32Bに機能が変更されて表示される。図25において、36は参考情報などを文字で表示する表示エリア、35は使用者に対して安全上のために適宜文字で注意事項を表示する注意表示エリアである。37は実行中の調理メニューの名称表示部である。
例えば、被加熱物載置判断部400が主加熱コイルMCと、1つの副加熱コイルSC1の上方に同一の楕円状の鍋(被加熱物N)が載置されていると判断したときに、通電制御回路200は、主加熱コイルMCと特定の副加熱コイルSC1だけを連動して動作させ、予め定めた火力割合によってそれら二つの加熱コイルにそれぞれのインバーター回路MIV、SIV1によって高周波電力を供給する。
火力の相対的大きさの関係は、「茹で火力1」が最も小さく、「茹で火力3」が最も大きい。「茹で火力1」が総和火力1500W、「茹で火力2」は約1800W、「茹で火力3」は約2000Wである。「茹で火力1」は、最初の区間T1は60秒であった。「茹で火力2」、「茹で火力3」でも、最初の区間T1はそれぞれ60秒である。また区間T3、T5、T等、主加熱コイルと副加熱コイルを同時に通電する区間の時間は20秒である。「茹で火力2」、「茹で火力3」では通電休止期間T2、T4、T6等は全て1秒である。このような通電時間制御によって、「茹で火力2」の総和火力は約1800W、「茹で火力3」の総和火力は約2000Wとなるように、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4は制御される。なお、「茹で火力1」と「茹で火力2」及び「茹で火力3」では、通電される各区間T3、T5、T7等において、主加熱コイルMCと副加熱コイルSC1〜SC4の個々の火力値は、「茹で火力1」の場合と異なっている。

Claims (14)

  1. 被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、
    前記加熱コイルを駆動する高周波電力供給手段と、
    前記高周波電力供給手段を制御し、使用者が選択できる調理モードとして少なくとも「湯沸しモード」と「茹でモード」とを有する通電制御手段と、
    前記被加熱物の温度を検知する温度検出手段と、
    前記通電制御手段に対して前記調理モードを指令する操作部と、を備え、
    前記加熱コイルは、環状の主加熱コイルと、この主加熱コイル周囲にあって主加熱コイルが加熱可能な大きさの被加熱物よりもさらに大きな直径の被加熱物を前記主加熱コイルと協働加熱する複数個の副加熱コイルとを有し、
    前記通電制御手段は、前記「湯沸しモード」で前記被加熱物を加熱する場合、前記主加熱コイル単独加熱あるいは主加熱コイルと副加熱コイルの協働加熱を自動的に決定でき、
    さらに前記通電制御手段は、前記主加熱コイルと副加熱コイルの協働加熱によって前記「茹でモード」で前記被加熱物を加熱する場合、前記温度検出手段が前記被加熱物内の液体の沸騰状態を検知する前の段階では前記主加熱コイルと副加熱コイルを同時に駆動し、前記温度検出手段が前記被加熱物内の液体の沸騰状態を検知した以降の段階では前記主加熱コイルと副加熱コイルとを所定の時間間隔で駆動することを特徴とする誘導加熱調理器。
  2. 被加熱物を誘導加熱する加熱コイルと、
    前記加熱コイルを駆動する高周波電力供給手段と、
    前記高周波電力供給手段を制御し、使用者が選択できる調理モードとして少なくとも「湯沸しモード」と「茹でモード」とを有する通電制御手段と、
    前記被加熱物の温度を検知する温度検出手段と、
    前記通電制御手段に対して前記調理モードを指令する操作部と、を備え、
    前記加熱コイルは、環状の主加熱コイルと、この主加熱コイル周囲にあって主加熱コイルが加熱可能な大きさの前記被加熱物よりもさらに大きな直径の被加熱物を前記主加熱コイルと協働加熱する複数個の副加熱コイルとを有し、
    前記副加熱コイルは、主加熱コイルの外周縁と所定の電気的絶縁空間を保って対向し、かつその外周縁に沿うように全体が主加熱コイル側に湾曲し、その湾曲の合致率が60%以上を有した扁平形状であり、
    前記通電制御手段は、前記「湯沸しモード」で前記被加熱物を加熱する場合、前記主加熱コイル単独加熱あるいは主加熱コイルと副加熱コイルの協働加熱を自動的に決定でき、
    さらに前記通電制御手段は、前記主加熱コイルと副加熱コイルの協働加熱によって前記「茹でモード」で前記被加熱物を加熱する場合、前記温度検出手段が前記被加熱物内の液体の沸騰状態を検知する前の段階では前記主加熱コイルと副加熱コイルとを同時に駆動し、前記温度検出手段が前記被加熱物内の液体の沸騰状態を検知した以降の段階では前記主加熱コイルと副加熱コイルを所定の時間間隔で駆動することを特徴とする誘導加熱調理器。
  3. 前記副加熱コイルは、主加熱コイルと同心円上に、所定の空間を置いて少なくとも2個配置され、かつ各副加熱コイルは前記主加熱コイルの中心部から放射方向における幅が、その主加熱コイルの直径の50%以下となる扁平形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導加熱調理器。
  4. 前記副加熱コイルは、主加熱コイルの外周縁と所定の電気的絶縁空間を保って対向し、かつその外周縁に沿うように全体が主加熱コイル側に湾曲した扁平形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導加熱調理器。
  5. 前記加熱コイルを駆動する高周波電力供給手段は、前記主加熱コイル用のインバーター回路と、前記副加熱コイル用のインバーター回路とから構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導加熱調理器。
  6. 前記副加熱コイルは、2個又は4個以上の偶数個配置されており、
    前記主加熱コイルと副加熱コイルを駆動する高周波電力供給手段は、前記主加熱コイル用のインバーター回路と、前記副加熱コイルの2個以上に共用されるインバーター回路とから構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導加熱調理器。
  7. 前記温度検出手段は、温度検出部が少なくとも2ヶ所あり、
    その内の1ヶ所は前記主加熱コイルの内側空間にあり、
    他の1ヶ所は前記主加熱コイルの外側でかつ全ての副加熱コイルの最も外周位置を結ぶ線で囲まれた範囲よりも内側空間にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導加熱調理器。
  8. 前記副加熱コイルは、環状の主加熱コイルの周囲で、かつ主加熱コイルと同心円上の位置に、互いに所定間隔を保って4個配置されており、
    前記温度検出手段は、温度検出部が、前記主加熱コイルの内側空間に4個所あり、それら各個所の温度検出部は、隣り合う副加熱コイルの遠い側の端部同士を結ぶ直線からそれら副加熱コイルに近い側にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の誘導加熱調理器。
  9. 被加熱物を誘導加熱する環状の主加熱コイルと、
    この主加熱コイル周囲にあって主加熱コイルが加熱可能な大きさの前記被加熱物よりもさらに大きな直径の被加熱物を前記主加熱コイルと協働加熱する複数個の副加熱コイルと、
    前記主加熱コイルと副加熱コイルをそれぞれ駆動する高周波電力供給手段と、
    前記高周波電力供給手段を制御し、使用者が選択できる調理モードとして少なくとも「湯沸しモード」と「予熱モード」とを有する通電制御手段と、
    前記被加熱物の温度を検知する温度検出手段と、
    前記通電制御手段に対して前記調理モードを指令する操作部と、を備え、
    前記通電制御手段は、前記「湯沸しモード」で誘導加熱する場合、前記主加熱コイル単独加熱あるいは主加熱コイルと副加熱コイルの協働加熱を自動的に決定でき、
    さらに前記通電制御手段は、前記主加熱コイルと副加熱コイルの協働加熱によって前記「予熱モード」で誘導加熱する場合、被加熱物の温度が第1の予熱温度であることを前記温度検出手段が検知する前の段階では、前記主加熱コイルと副加熱コイルを所定の第1火力で同時に駆動し、前記被加熱物の温度が前記第1の予熱温度より高い第2の予熱温度を検知した以降の段階では、前記主加熱コイルと副加熱コイルとを所定の時間間隔で、かつ前記第1の火力より小さな第2の火力以下で駆動することを特徴とする誘導加熱調理器。
  10. 被加熱物を誘導加熱する環状の主加熱コイルと、
    この主加熱コイル周囲にあって主加熱コイルが加熱可能な大きさの前記被加熱物よりもさらに大きな直径の被加熱物を前記主加熱コイルと協働加熱する複数個の副加熱コイルと、
    前記主加熱コイルと副加熱コイルをそれぞれ駆動する高周波電力供給手段と、
    前記高周波電力供給手段を制御し、使用者が選択できる調理モードとして少なくとも「湯沸しモード」と「予熱モード」とを有する通電制御手段と、
    前記被加熱物の温度を検知する温度検出手段と、
    前記通電制御手段に対して前記調理モードを指令する操作部と、を備え、
    前記通電制御手段は、前記「湯沸しモード」で誘導加熱する場合、前記主加熱コイル単独加熱あるいは主加熱コイルと副加熱コイルの協働加熱を自動的に決定でき、
    さらに前記通電制御手段は、前記主加熱コイルと副加熱コイルの協働加熱によって前記「予熱モード」で誘導加熱する場合、被加熱物の温度が第1の予熱温度であることを前記温度検出手段が検知する前の段階では、前記主加熱コイルと副加熱コイルを所定の第1火力で同時に駆動し、前記被加熱物の温度が前記第1の予熱温度より高い第2の予熱温度を検知した以降の段階では、前記主加熱コイルと副加熱コイルとを所定の時間間隔で、かつ前記第1の火力より小さな第2の火力以下で駆動し、
    前記温度検出手段が、第2の予熱温度検知以降の段階で被加熱物の温度が第1の予熱温度以下に低下したことを検知した場合、前記通電制御装置は第2の火力から第1の火力に復帰させ、主加熱コイルと副加熱コイルで高火力加熱を行うことを特徴とする誘導加熱調理器。
  11. 前記通電制御手段は、前記第2の予熱温度を検知した以降、前記主加熱コイルと副加熱コイルの駆動を所定の時間内に制限し、この時間を超えた場合、加熱を停止させることを特徴とする請求項9又は10に記載の誘導加熱調理器。
  12. 前記通電制御手段は、前記第2の予熱温度を検知した以降、前記主加熱コイルと副加熱コイルの駆動を所定の時間内に制限し、この制限期間中に前記操作部から時間の変更指令が行われた場合、前記主加熱コイルと副加熱コイルの駆動時間を変更することを特徴とする請求項9又は10に記載の誘導加熱調理器。
  13. 前記通電制御手段は、前記第2の予熱温度を検知した以降、前記主加熱コイルと副加熱コイルの駆動を所定の時間内に制限し、この制限期間中に前記操作部から火力の変更指令が行われた場合、前記主加熱コイルと副加熱コイルの駆動火力を変更することを特徴とする請求項9又は10に記載の誘導加熱調理器。
  14. 請求項1〜13の何れか1項に記載の誘導加熱調理器を動作させるためのコンピュータプログラム。
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