JPWO2013002033A1 - 弾性波素子およびそれを用いた弾性波装置 - Google Patents

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Abstract

SAW素子1のIDT電極5は、第1バスバー21Aから第2バスバー21B側へ延び、先端が複数の第2電極指23Bの先端と複数の第1ギャップ24Aを介して対向する複数の第1ダミー電極25Aと、第2バスバー21Bから第1バスバー21A側へ延び、先端が複数の第1電極指23Aの先端と複数の第2ギャップ24Bを介して対向する複数の第2ダミー電極25Bとを有する。複数の第1ギャップ24Aおよび複数の第2ギャップ24Bは、SAWの伝搬方向に対して互いに同一側に傾斜して配列されている。第1ギャップ24Aの並び方向および第2ギャップ24Bの並び方向のSAWの伝搬方向に対する傾斜角度をそれぞれ第1角度θA、第2角度θBとしたときに、10°≦θA≦26°、10°≦θB≦26°である。

Description

本発明は、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)素子等の弾性波素子およびそれを用いた弾性波装置に関する。
圧電基板と、圧電基板の主面上に設けられたIDT(InterDigital Transducer)電極(励振電極)とを有する弾性波素子が知られている。IDT電極は、一対の櫛歯電極を有している。各櫛歯電極は、例えば、弾性波の伝搬方向に延びるバスバーと、バスバーから弾性波の伝搬方向に直交する方向に延びる複数の電極指とを有しており、一対の櫛歯電極は、複数の電極指が互いに噛み合うように(互いに交差するように)配置される。また、各バスバーから他方のバスバー側へ延び、その先端が他方のバスバーから延びる複数の電極指の先端とギャップを介して対向するダミー電極をさらに有するIDT電極も知られている。
また、圧電基板として水晶基板やLiNbO基板等を利用する弾性波素子では、そのインピーダンス特性において、いわゆる横モードのスプリアスが生じることがあることも知られている。
特許文献1では、ダミー電極を有するIDT電極において、交差部(一対の櫛歯電極の複数の電極指が互いに交差する範囲)をSAWの伝搬方向に対して斜めに傾斜させることにより、横モードのスプリアスを抑制することができることを開示している。
特許文献2では、ダミー電極を有するIDT電極において、2本のバスバーの互いに対向する縁部を伝搬方向に対して傾斜させることにより、横モードのスプリアスを抑制することができることを開示している。また、特許文献2では、その傾斜角度を変化させて複数の弾性波素子を試作し、その評価結果に基づいて、当該傾斜角度は18°〜72°が好ましいとしている。また、特許文献2では、その図11において、特許文献1と同様に、交差部が伝搬方向に対して斜めに形成されたIDT電極も開示している。
特許文献1および2のように、交差部を伝搬方向に対して傾斜させると、電極指の先端とダミー電極の先端とのギャップも弾性波の伝搬方向に対して傾斜して配列され、弾性波が本来伝搬しようとする範囲に入り込んでいくことになる。従って、弾性波がギャップにおいて散乱しやすく、ひいては、伝搬損失が生じやすい。しかし、特許文献1および2は、いずれもスプリアスの抑制に着目しているものの、このような伝搬損失の発生については着目していない。
また、特許文献2では、バスバーの縁部の傾斜角度を変化させた試作および評価において、交差部の形状(複数のギャップの配列の傾斜角度)がどのようであったのか、一切言及されていない。また、特許文献2の図3および図5の比較から推測するに、複数の試作において、交差部の形状は正方形のままである。すなわち、特許文献2は、複数のギャップの配列の傾斜角度については、好適な数値範囲について何らの知見も示していない。
従って、伝搬損失を抑制できる弾性波素子および弾性波装置が提供されることが望まれる。
特開昭58−143620号公報 特開2000−286663号公報
本発明の一態様の弾性波素子は、圧電基板と、該圧電基板の上面に位置するIDT電極と、を有し、該IDT電極は、弾性波の伝搬方向に交差する方向において互いに対向する第1バスバーおよび第2バスバーと、前記第1バスバーから前記第2バスバー側へ延びた複数の第1電極指と、前記第2バスバーから前記第1バスバー側へ延び、前記複数の第1電極指と前記伝搬方向において隣接する部分を有する複数の第2電極指と、前記第1バスバーから前記第2バスバー側へ延び、先端が前記複数の第2電極指の先端と複数の第1ギャップを介して対向する複数の第1ダミー電極と、前記第2バスバーから前記第1バスバー側へ延び、先端が前記複数の第1電極指の先端と複数の第2ギャップを介して対向する複数の第2ダミー電極と、を有し、前記IDT電極の前記伝搬方向の所定範囲において、前記複数の第1ギャップのうち互いに隣接する前記第1ギャップ同士の配列方向を第1方向としたときに、該第1方向は前記伝搬方向に対して傾斜し、前記複数の第2ギャップのうち互いに隣接する前記第2ギャップ同士の配列方向を第2方向としたときに、該第2方向は前記伝搬方向に対して前記第1方向が傾斜する側と同じ側に傾斜し、前記第1方向の前記伝搬方向に対する傾斜角度を第1角度θAとし、前記第2方向の前記伝搬方向に対する傾斜角度を第2角度θBとしたときに、前記第1角度θAと前記第2角度θBとが、
10°≦θA≦26°
10°≦θB≦26°
の範囲にある。
本発明の一態様の弾性波素子は、圧電基板と、該圧電基板の上面に位置するIDT電極と、を有し、該IDT電極は、弾性波の伝搬方向に交差する方向において互いに対向する第1バスバーおよび第2バスバーと、前記第1バスバーから前記第2バスバー側へ延びた複数の第1電極指と、前記第2バスバーから前記第1バスバー側へ延び、前記複数の第1電極指と前記伝搬方向において隣接する部分を有する複数の第2電極指と、前記第1バスバーから前記第2バスバー側へ延び、先端が前記複数の第2電極指の先端と複数の第1ギャップを介して対向する複数の第1ダミー電極と、前記第2バスバーから前記第1バスバー側へ延び、先端が前記複数の第1電極指の先端と複数の第2ギャップを介して対向する複数の第2ダミー電極と、互いに隣接する前記第1電極指と前記第1ダミー電極との間に、かつ前記伝搬方向に見て前記第1ギャップの少なくとも一部を塞ぐ位置にあり、前記第1電極指および前記第1ダミー電極の少なくとも一方に接続された第1付加電極と、互いに隣接する前記第2電極指と前記第2ダミー電極との間に、かつ前記伝搬方向に見て前記第2ギャップの少なくとも一部を塞ぐ位置にあり、前記第2電極指および前記第2ダミー電極の少なくとも一方に接続された第2付加電極と、を有し、前記IDT電極の前記伝搬方向の所定範囲において、前記複数の第1ギャップのうち互いに隣接する前記第1ギャップ同士の配列方向を第3方向としたときに、該第3方向は前記伝搬方向に対して傾斜し、前記複数の第2ギャップのうち互いに隣接する前記第2ギャップ同士の配列方向を第4方向としたときに、該第4方向は前記伝搬方向に対して前記第3方向が傾斜する側と同一側に傾斜し、前記第3方向の前記伝搬方向に対する傾斜角度を第3角度θCとし、前記第4方向の前記伝搬方向に対する傾斜角度を第4角度θDとしたときに、前記第3角度θCと前記第4角度θDとが、
6°≦θC≦26°
6°≦θD≦26°
の範囲にある。
本発明の一態様に係る弾性波装置は、上記いずれかの弾性波素子と、該弾性波素子が実装された回路基板と、を有する。
上記の構成によれば、IDT電極のSAWの伝搬方向における所定範囲において、電極指とダミー電極との間の間隔であるギャップの配列方向を前記伝搬方向に対して所定の角度としたことによって、弾性波素子の伝搬損失を抑制できる。
図1(a)は本発明の第1の実施形態に係るSAW素子の平面図、図1(b)は図1(a)の領域Ibの拡大図、図1(a)のIc−Ic線における断面図である。 図2(a)〜図2(e)は図1のSAW素子の製造方法を説明する、図1(c)に対応する断面図である。 図1のSAW素子を適用したSAW装置の例を示す断面図である。 図4(a)〜図4(d)は横モードのスプリアスの抑制に係る効果を示す図である。 比較例および実施例の最大位相を示す図である。 実施例におけるギャップ長G毎の最大位相比率を示す図である。 図7(a)〜図7(c)は比較例の構成および最大位相比率を示す図である。 第2の実施形態に係るSAW素子の要部を示す平面図である。 第3の実施形態に係るSAW素子の要部を示す平面図である。 第4の実施形態に係るSAW素子の要部を示す平面図である。 第5の実施形態に係るデュプレクサの要部を模式的に示す平面図である。 図12(a)〜図12(c)は図11のデュプレクサの作用を説明する図である。 第6の実施形態に係るデュプレクサの要部を模式的に示す平面図である。 図14(a)〜図14(c)は第7の実施形態に係るSAW素子を説明する図である。 第8の実施形態に係るSAW素子の要部を示す平面図である。 図16(a)〜図16(c)は反射器における電極指の設定方法を説明する図である。
以下、本発明の実施形態に係るSAW素子およびSAW装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
第2の実施形態以降において、既に説明された実施形態の構成と同一または類似する構成については、既に説明された実施形態と同一の符号を付し、説明を省略することがある。
<第1の実施形態>
(SAW素子の構成および製造方法)
図1(a)は本発明の第1の実施形態に係るSAW素子1の要部の平面図である。図1(b)は図1(a)の領域Ibの拡大図である。図1(c)は図1(a)のIc−Ic線における断面図である。
なお、SAW素子1は、いずれの方向が上方または下方とされてもよいものであるが、以下では、便宜的に、直交座標系xyzを定義するとともに、z方向の正側を上方として、上面、下面等の用語を用いるものとする。
SAW素子1は、図1(a)に示すように、基板3と、基板3の上面3aに設けられたIDT電極5および反射器7とを有している。また、SAW素子1は、図1(c)に示すように、IDT電極5および反射器7上に設けられた付加膜9と、上面3aを付加膜9の上から覆う保護層11とを有している。なお、SAW素子1は、この他にも、IDT電極5に信号の入出力を行うための配線等を有していてもよい。
基板3は、圧電基板によって構成されている。例えば、基板3は、ニオブ酸リチウム(LiNbO)単結晶等の圧電性を有する単結晶の基板によって構成されている。より好適には、基板3は、128°±10°Y−XカットのLiNbO基板もしくは0°±10°Y−XカットのLiNbO基板によって構成されている。その他、タンタル酸リチウム(LiTaO)単結晶なども使用できる。基板3の平面形状および各種寸法は適宜に設定されてよい。一例として、基板3の厚み(z方向)は、0.2mm〜0.5mmである。
IDT電極5は、図1(a)に示すように、第1櫛歯電極13Aおよび第2櫛歯電極13Bを有している。なお、以下では、第1櫛歯電極13Aおよび第2櫛歯電極13Bを単に櫛歯電極13といい、これらを区別しないことがある。また、第1櫛歯電極13Aに係る構成等については、「第1バスバー21A」等のように、「第1」および「A」を付すことがあり、第2櫛歯電極13Bに係る構成等については、「第2バスバー21B」等のように、「第2」および「B」を付すことがあり、また、「第1」、「第2」、「A」、および「B」を省略することがある。
各櫛歯電極13は、図1(a)に示すように、互いに対向する2本のバスバー21と、各バスバー21から他のバスバー21側へ延びる複数の電極指23と、複数の電極指23の間において各バスバー21から他のバスバー21側へ延びる複数のダミー電極25と、を有している。そして、1対の櫛歯電極13は、複数の電極指23が互いに噛み合うように(交差するように)配置されている。
SAWは、複数の電極指23に直交する方向において伝搬する。従って、基板3の結晶方位を考慮したうえで、2本のバスバー21は、SAWを伝搬させたい方向に交差する方向において互いに対向するように配置され、複数の電極指23は、SAWを伝搬させたい方向に対して直交する方向に延びるように形成される。
なお、SAWの伝搬方向は複数の電極指23の向き等によって規定されるが、本実施形態では、便宜的に、SAWの伝搬方向を基準として、複数の電極指23の向き等を説明することがある。
また、直交座標系xyzは、x軸が電極指23に直交し(SAWの伝搬方向に平行であり)、y軸が電極指23に平行であり、z軸がIDT電極5に直交するように定義されているものとする。すなわち、直交座標系xyzは、基板3の外形ではなく、IDT電極5の外形(SAWの伝搬方向)を基準として定義されているものとする(図10参照)。
バスバー21は、例えば、概ね一定の幅で直線状に延びる長尺状に形成されており、SAWの伝搬方向(x方向)に対して傾斜している。従って、バスバー21の互いに対向する側の縁部21aは、直線状であり、また、伝搬方向に傾斜している。バスバー21(縁部21a)の傾斜角度は、例えば、2本のバスバー21間において互いに同一である。
複数の電極指23は、概ね一定の幅で直線状に延びる長尺状に形成されており、SAWの伝搬方向に概ね一定の間隔で配列されている。一対の櫛歯電極13の複数の電極指23は、そのピッチ(繰り返し間隔)p(図1(c)。例えば、電極指23の中心間距離)が、例えば、共振させたい周波数でのSAWの波長λの半波長と同等となるように設けられている。波長λ(2p)は、例えば、1.5μm〜6μmである。各電極指23の幅w1(図1(c))は、SAW素子1に要求される電気特性等に応じて適宜に設定され、例えば、ピッチpに対して0.4p〜0.7pである。
複数の電極指23の長さ(先端の位置)は、例えば、互いに同一とされている。また、上述のように、2本のバスバー21の縁部21a(電極指23の根元位置)は、伝搬方向に傾斜する、互いに平行な直線状である。従って、複数の第1電極指23Aの先端を結ぶ線および複数の第2電極指23Bの先端を結ぶ線は、伝搬方向に傾斜する、互いに平行な直線状であり、ひいては、複数の電極指23の交差範囲(交差幅W(図1(a))の範囲)は、平行四辺形に形成されている。これによって、いわゆる横モードのスプリアスの発生が抑制される。
複数のダミー電極25は、例えば、概ね一定の幅で直線状に延びる長尺状に形成されており、複数の電極指23間の中央に配置されている(複数の電極指23と同一のピッチで配列されている)。そして、一方の櫛歯電極13のダミー電極25の先端は、他方の櫛歯電極13の電極指23の先端とギャップ24を介して対向している。ダミー電極25の幅(x方向)は、例えば、電極指23と同等である。複数のダミー電極25の長さ(y方向)は、例えば、互いに同一である。
複数のギャップ24の配列は、伝搬方向に対して傾斜している。第1ギャップ24Aの配列方向を第1方向としたときに、第1方向の伝搬方向に対する傾斜角度(第1角度θA)は所定範囲の角度とされている。また、第2ギャップ24Bの配列方向を第2方向としたときに、第2方向の伝搬方向に対する傾斜角度(第2角度θB)も所定範囲の角度とされている。第1角度θAと第2角度θBとは、例えば、互いに同一であり、また、バスバー21の傾斜角度と同一である(ギャップ24の配列と縁部21aとは平行である。)。角度θの好ましい範囲については後述する。
ギャップ長G(ギャップ24のy方向の長さ)は、例えば、複数のギャップ長G間において互いに同一である。ギャップ長Gは、例えば、0.10μm〜0.52μmである。また、弾性波の波長をλとするとギャップ長Gは、例えば、0.1λ〜0.6λである。なお、ギャップ長Gのより好ましい範囲については後述する。
なお、角度θは、例えば、図1(b)に示すように、ギャップ24の中央位置を基準として、隣接する2つのギャップ24毎に定義もしくは測定される。ただし、本実施形態のように、複数のギャップ長Gが互いに同一の場合においては、電極指23の先端やダミー電極25の先端など、適宜な位置が基準とされてよい。複数のギャップ長Gが互いに同一の場合は、電極指23の先端などを基準としても角度θの測定結果は変わらないからである。また、本実施形態のように、複数のギャップ24が直線状に配列されている場合においては、図1(a)に示すように、複数のギャップ24を結ぶ線LとSAWの伝搬方向との角度により、角度θが定義もしくは測定されてよく、この場合において、一般には、ギャップ長Gは、IDT電極5のx方向の大きさに比較して小さいから、適宜な位置が基準とされてよい。すなわち、ギャップ長Gのばらつきは無視することができる。
IDT電極5は、例えば、金属によって形成されている。この金属としては、例えば、AlまたはAlを主成分とする合金(Al合金)が挙げられる。Al合金は、例えば、Al−Cu合金である。なお、IDT電極5は、複数の金属層から構成されてもよい。IDT電極5の各種寸法は、SAW素子1に要求される電気特性等に応じて適宜に設定される。一例として、IDT電極5の厚みe(図1(c))は、50nm〜400nmである。
なお、IDT電極5は、基板3の上面3aに直接配置されていてもよいし、別の部材を介して基板3の上面3aに配置されていてもよい。別の部材は、例えば、Ti、Cr、あるいはこれらの合金等からなる。このようにIDT電極5を別の部材を介して基板3の上面3aに配置する場合は、別の部材の厚みはIDT電極5の電気特性に殆ど影響を与えない程度の厚み(例えば、Tiの場合はIDT電極5の厚みの5%の厚み)に設定される。
IDT電極5によって基板3に電圧が印加されると、基板3の上面3a付近において上面3aに沿ってx方向に伝搬するSAWが誘起される。また、SAWは、電極指23と電極指23の非配置領域(隣接する電極指23間の長尺状の領域)との境界において反射する。そして、電極指23のピッチpを半波長とする定在波が形成される。定在波は、当該定在波と同一周波数の電気信号に変換され、電極指23によって取り出される。このようにして、SAW素子1は、共振子もしくはフィルタとして機能する。
反射器7は、格子状に形成されている。すなわち、反射器7は、SAWの伝搬方向に交差する方向において互いに対向する第3バスバー27Cおよび第4バスバー27D(以下、単に「バスバー27」といい、両者を区別しないことがある。)と、これらバスバー27間においてSAWの伝搬方向に直交する方向に延びる複数の第3電極指29とを有している。
バスバー27は、例えば、概ね一定の幅で直線状に延びる長尺状に形成されており、SAWの伝搬方向に平行に配置されている。2本のバスバー27間の距離は、例えば、IDT電極5の2本のバスバー21間の距離と概ね同一である。
また、複数の第3電極指29は、概ね一定の幅で直線状に延びる長尺状に形成されており、IDT電極5の電極指23と概ね同等のピッチで配列されている。第3電極指29の幅は、例えば、電極指23の幅と概ね同等である。
反射器7は、例えば、IDT電極5と同一の材料によって形成されるとともに、IDT電極5と同等の厚みに形成されている。
保護層11は、例えば、基板3の上面3aの概ね全面に亘って設けられており、付加膜9が設けられたIDT電極5および反射器7を覆うとともに、上面3aのうちIDT電極5および反射器7から露出する部分を覆っている。保護層11の上面3aからの厚みT(図1(c))は、IDT電極5および反射器7の厚みeよりも大きく設定されている。例えば、厚みTは、厚みeよりも100nm以上厚く、200nm〜1500nmである。また、例えば、厚みTは、別の観点では、SAWの波長λに対して0.2λ〜0.5λである。
保護層11は、絶縁性を有する材料からなる。好適には、保護層11は、温度が上昇すると弾性波の伝搬速度が速くなるSiOなどの材料によって形成されており、これによってSAW素子1の温度の変化による電気特性の変化を小さく抑えることができる。具体的には、以下のとおりである。
基板3の温度が上昇すると、基板3におけるSAWの伝搬速度が遅くなり、また、基板3の熱膨張によってピッチpが大きくなる。その結果、共振周波数が低くなり、所望の特性が得られないおそれがある。しかし、保護層11が設けられていると、SAWは、基板3だけでなく、保護層11においても伝搬する。そして、保護層11は、温度が上昇すると弾性波の伝搬速度が速くなる材料(SiO)によって形成されていることから、基板3および保護層11を伝搬するSAW全体としては、温度上昇による速度の変化が抑制されることになる。なお、保護層11は、IDT電極5を腐食等から保護することにも寄与する。
保護層11の表面は、大きな凹凸がないようにしておくことが望ましい。基板3上を伝搬するSAWの伝搬速度は保護層11の表面の凹凸に影響を受けて変化するため、保護層11の表面に大きな凹凸が存在すると、製造された各SAW素子1の共振周波数に大きなばらつきが生じることとなる。したがって、保護層11の表面を平坦にしておけば、各SAW素子の共振周波数が安定化する。具体的には、保護層11の表面の平坦度を、基板3上を伝搬するSAWの波長の1%以下とすることが望ましい。
付加膜9は、IDT電極5および反射器7の電気特性を向上させるためのものである。付加膜9は、例えば、IDT電極5および反射器7の上面の全面に亘って設けられている。付加膜9は、電極指23の長手方向(y方向)に直交する断面形状が、例えば、概ね矩形とされている。ただし、付加膜9の断面形状は、台形やドーム状とされてもよい。付加膜9の厚さt(図1(c))は、付加膜9が保護層11を露出しない範囲で適宜に設定されてよい。例えば、付加膜9の厚さは、SAWの波長λに対して0.01λ〜0.4λである。
付加膜9を構成する材料は、IDT電極5、反射器7、および保護層11を構成する材料とは音響インピーダンスが異なる材料である。音響インピーダンスの相違は、ある程度以上であることが好ましく、例えば、15MRayl以上、より好ましくは20MRayl以上であることが好ましい。
このような材料としては、例えば、IDT電極5がAl(音響インピーダンス:13.5MRayl)によって構成され、保護層11がSiO(12.2MRayl)によって構成されている場合には、WC(102.5MRayl)、TiN(56.0MRayl)、TaSiO(40.6MRayl)、Ta(33.8MRayl)、WSi(67.4MRayl)が挙げられる。
IDT電極5がAlによって構成され、保護層11がSiOによって構成されている場合においては、これらの音響インピーダンスが近いことから、電極指23と電極指23の非配置領域(隣接する電極指23間の長尺状の領域)との境界が音響的に曖昧になり、当該境界における反射係数が低下する。その結果、SAWの反射波が十分に得られず、所望の特性が得られないおそれがある。しかし、IDT電極5および保護層11の材料とは音響インピーダンスが異なる材料によって形成された付加膜9がIDT電極5の上面に設けられることにより、電極指23と電極指23の非配置領域との境界における反射係数が高くなり、所望の特性が得られやすくなる。
なお、付加膜9の材料は、IDT電極5、反射器7、および保護層11の材料よりも弾性波の伝搬速度が遅いことが好ましい。伝搬速度が遅いことによって、振動分布が付加膜9に集中しやすく、電極指23と電極指23の非配置位置との境界における反射係数が実効的に高くなる。
このような材料としては、例えば、IDT電極5がAl(伝搬速度:5020m/s)によって構成され、保護層11がSiO(5560m/s)によって構成されている場合には、TaSiO(4438m/s)、Ta(4352m/s)、WSi(4465m/s)が挙げられる。なお、IDT電極5等の材料よりも弾性波の伝搬速度が遅い材料は、IDT電極5等の材料よりも音響インピーダンスが小さい材料よりも、音響インピーダンスが大きい材料の方が選択の自由度が高いと思われる。
図2(a)〜図2(e)は、SAW素子1の製造方法の概要を説明する、製造工程毎の図1(c)に対応する断面図である。製造工程は、図2(a)から図2(e)まで順に進んでいく。なお、各種の層は、プロセスの進行に伴って形状等が変化するが、変化の前後で共通の符号を用いることがあるものとする。
図2(a)に示すように、まず、基板3の上面3a上には、IDT電極5および反射器7となる導電層15、ならびに付加膜9となる付加層17が形成される。具体的には、まず、スパッタリング法、蒸着法またはCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相堆積)法等の薄膜形成法によって、上面3a上に導電層15が形成される。次に、同様の薄膜形成法によって、付加層17が形成される。
付加層17が形成されると、図2(b)に示すように、付加層17および導電層15をエッチングするためのマスクとしてのレジスト層19が形成される。具体的には、ネガ型もしくはポジ型の感光性樹脂の薄膜が適宜な薄膜形成法によって形成され、フォトリソグラフィー法等によってIDT電極5および反射器7等の非配置位置において薄膜の一部が除去される。
次に、図2(c)に示すように、RIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)等の適宜なエッチング法によって、付加層17および導電層15のエッチングを行う。これによって、付加膜9が設けられたIDT電極5および反射器7が形成される。その後、図2(d)に示すように、適宜な薬液を用いることによって、レジスト層19は除去される。
そして、図2(e)に示すように、スパッタリング法もしくはCVD法等の適宜な薄膜形成法によって保護層11となる薄膜が形成される。この時点においては、保護層11となる薄膜の表面には、IDT電極5等の厚みに起因して凹凸が形成されている。そして、必要に応じて化学機械研磨等によって表面が平坦化され、図1(c)に示すように、保護層11が形成される。なお、保護層11は、平坦化の前もしくは後において、後述するパッド39(図3)等を露出させるために、フォトリソグラフィー法等によって一部が除去されてもよい。
上述した工程は、ダイシングされることにより基板3となる母基板に対して行われる。そして、保護層11の形成後、必要に応じて他の部材(例えば後述するカバー33)が形成され、その後、母基板がダイシングされることにより、SAW素子1が作製される。
(SAW装置の構成)
図3は、上述したSAW素子1を適用したSAW装置51の例を示す断面図である。
SAW装置51は、例えば、フィルタもしくはデュプレクサを構成している。SAW装置51は、SAW素子31と、SAW素子31が実装される回路基板53とを有している。
SAW素子31は、例えば、いわゆるウェハレベルパッケージのSAW素子として構成されている。SAW素子31は、上述したSAW素子1と、基板3のSAW素子1側を覆うカバー33と、カバー33を貫通する端子35と、基板3のSAW素子1とは反対側を覆う裏面部37とを有している。
カバー33は、樹脂等によって構成されており、SAWの伝搬を容易化するための振動空間33aをIDT電極5および反射器7の上方(z方向の正側)に構成している。基板3の上面3a上には、IDT電極5と接続された配線38と、配線38に接続されたパッド39とが形成されている。端子35は、パッド39上において形成され、IDT電極5と電気的に接続されている。裏面部37は、例えば、特に図示しないが、温度変化等によって基板3表面にチャージされた電荷を放電するための裏面電極と当該裏面電極を覆う保護層とを有している。
回路基板53は、例えば、いわゆるリジッド式のプリント配線基板によって構成されている。回路基板53の実装面53aには、実装用パッド55が形成されている。
SAW素子31は、カバー33側を実装面53aに対向させて配置される。そして、端子35と実装用パッド55は、半田57によって接着される。その後、SAW素子31は封止樹脂59によって封止される。
図4(a)〜図4(d)は、SAW素子1における、横モードのスプリアスの抑制に係る効果を説明する図である。具体的には、図4(a)および図4(b)は、比較例のSAW素子のインピーダンス特性を示し、図4(c)および図4(d)は、SAW素子1のインピーダンス特性を示している。比較例は、角度θが0°のSAW素子である。
なお、図4は、後述する比較例および実施例に係る実験に基づくものである。具体的には、図4(a)および図4(b)は、ギャップ長Gが0.36μmのときの比較例(θ=0°)のインピーダンス特性を例示し、図4(c)および図4(d)は、ギャップ長Gが0.36μmで角度θが10°の実施例のインピーダンス特性を例示している。
図4(a)〜図4(d)において、横軸は周波数fを示している。図4(a)および図4(c)において、縦軸はインピーダンスの絶対値|Z|を示し、図4(b)および図4(d)において、縦軸はインピーダンスZの位相αを示している。
図4(a)および図4(c)に示されるように、SAW素子1においては、インピーダンスの絶対値|Z|が極小となる共振点と、インピーダンスの絶対値|Z|が極大となる反共振点とが現れる。また、図4(b)および図4(d)に示されるように、共振点と反共振点との間においては、インピーダンスの位相αが最大位相αmaxとなる。
そして、比較例(図4(a)および図4(b))では、共振点と反共振点との間において、インピーダンスの絶対値|Z|および位相αを示す線が波打っている。すなわち、高次の横モードによるスプリアスが生じている。一方、実施形態においては、高次の横モードによるスプリアスの発生が抑制されている。
このように、ギャップ24の配列がSAWの伝搬方向に対して角度θで傾斜することにより、スプリアスの発生が抑制される。これは高次の横モードの波のy方向の位置(位相)がx方向の位置に応じて互いにずれることによるものと考えられる。
(角度θおよびギャップ長Gの好ましい範囲)
SAW素子1において、角度θ等を適切に設定すると、スプリアスの抑制の効果だけでなく、伝搬損失の抑制の効果も奏される。以下では、その効果を実施例において示すとともに、主として伝搬損失の抑制の観点から、角度θ等の好ましい範囲を説明する。
角度θおよびギャップ長Gが互いに異なる複数のSAW素子(比較例および実施例のSAW素子)を作製し、そのインピーダンス等を測定した。
複数の比較例および複数の実施例の設定は以下のとおりである。
角度θ:0°〜30°まで2°刻みで変化(16種類)
ギャップ長G:0.25μm、0.36μm、0.45μmおよび0.58μm(4種類)、
なお、ギャップ長Gが0.25μmもしくは0.36μm、かつ角度θが28°もしくは30°の4種類ついては、SAW素子の作製は行っていないが、後述する検討内容から理解されるように、角度θおよびギャップ長Gの好ましい範囲の検討に影響はない。
また作製したSAW素子は、隣接する第1ギャップ24A同士の第1角度θAはIDT電極5の全範囲において等しくした。隣接する第2ギャップ24B同士の第2角度θBもIDT電極5の全範囲において等しくし、かつ第2角度θBを第1角度θAと等しくした。
以上のように、4種類の比較例(θ=0°)および56種類の実施例について、SAW素子の作製およびインピーダンス特性の測定を行った。
比較例および実施例に共通する条件を以下に示す。
基板3:126°YX−LiNbO基板
導電層15(IDT電極・反射器):
材料:Al−Cu合金
ただし、基板3と導電層15との間には6nmのTiからなる下地層あり。
厚さe(Al−Cu合金層):141nm
付加膜:
材料:Ta
厚さt:90nm
保護層:
材料:SiO
厚さT:600nm
IDT電極の電極指:
ピッチp:0.92μm
Duty(w1/p):0.5
本数:250本
交差幅W:46μm
ダミー電極長さ:4μm
反射器の電極指の本数:30本
比較例および実施例における伝搬損失の評価は、最大位相αmax(図4(d)参照)に基づいて行う。伝搬損失と最大位相αmaxとは相関があり、伝搬損失が小さいほど、最大位相αmaxは大きくなる。損失0の理想状態では、最大位相αmaxは90(°)となる。
図5は、比較例および実施例の最大位相αmaxを示す図である。横軸は角度θ(°)を示し、縦軸は最大位相αmax(°)を示している。プロットされた点は、比較例および実施例の角度θおよび最大位相αmaxを示し、ギャップ長G毎に線で結ばれている。
(角度θの好ましい範囲)
4種類のギャップ長Gの全てにおいて、θ=0°からθ=6°までθを大きくしていくと最大位相αmaxが小さくなっていき、伝搬損失が大きくなっていることがわかる。しかし、θ=6°からさらにθを大きくしていくと、一転、最大位相αmaxが大きくなっていき、伝搬損失が小さくなっていることがわかる。
θ=10°になると、θ=0°のときよりも最大位相αmaxを大きくすることができる。一方、図4(a)〜図4(d)に示すように、θ=0°からθ=10°にすることによって、横モードによるスプリアスも抑制できている。すなわち、伝搬損失の抑制と高次の横モードによるスプリアスの抑制とが両立されている。
θ=10°からさらにθを大きくしていくと、さらに最大位相αmaxが大きくなり、θ=12°〜16°付近で最大位相αmaxが最大となっている。従って、θ=12°〜16°付近で、最も伝搬損失の抑制とスプリアスの抑制とが両立できている。
さらにθを大きくしていくと、最大位相αmaxは低下していく。ただし、θ=26°までなら、θ=0°よりも最大位相αmaxを大きくすることができる。
以上のとおり、角度θは、10°≦θ≦26°であると、伝搬損失の抑制とスプリアスの抑制とを両立でき、好ましい。また、より好ましい範囲としては、12°≦θ≦16°が挙げられる。
(ギャップ長Gの好ましい範囲)
図5に示されるように、ギャップ長Gが0.25μm、0.36μm、0.45μmと大きくなっても、最大位相αmaxに大きな差は見られない。特に上述した角度θの好ましい範囲では、ギャップ長Gによって最大位相αmaxに大きな差は見られない。一方、ギャップ長Gが0.58μmになると、最大位相αmaxは、他のギャップ長Gのときに比較して、大きく低下する。
図6は、実施例における、ギャップ長G毎の最大位相比率を示す図である。図6において、横軸はギャップ長Gを波長λに対する比率で示し、縦軸は最大位相比率を示している。
最大位相比率は、ギャップ長Gが最小(0.25μm)の実施例の最大位相αmaxを基準最大位相α0とし、αmax/α0により算出したものである(ギャップ長Gが0.25μmの場合は最大位相比率は1)。なお、図6は、θ=12°の場合を例示している。
この図に示されるように、ギャップ長Gが0.28λ付近を境界として、最大位相比率が高く、伝搬損失の抑制効果が良好な領域と、当該領域に比較して、最大位相比率が低く、伝搬損失の抑制効果が低下する領域とに分かれている。
ここで、図7(b)および図7(c)に示す、交差幅が変化するアポダイズ共振子(他の比較例のSAW素子)における、図6と同様の図を図7(a)に示す。これらの比較例のSAW素子は、横モードのスプリアスの抑制を目的とするものである。
図7(b)および図7(c)に示される比較例のSAW素子は、実施例のSAW素子と静電容量が概ね同等となるように、電極指の本数が300本とされている。その他の条件については、電極指の長さ以外は、実施例の条件と同一である。なお、図7(b)および図7(c)のSAW素子において、最大交差幅は55μmであり、最小交差幅は11μmである。
図7(a)において、矩形の点P1は、図7(b)の比較例における最大位相比率を示し、三角の点P2は、図7(c)の比較例における最大位相比率を示している。なお、ギャップ長Gが0.25μmのときにおいては、点P1とP2とは重なっている。
図7(a)に示されるように、これらの比較例においては、ギャップ長Gの増大に伴って徐々に(線形に)最大位相比率が低下している。すなわち、これらの比較例においては、実施例のような、ある長さのギャップ長Gを境にして最大位相比率が急激に低下するような現象は生じていない。
従って、実施例とこれらの比較例とは、いずれも横モードのスプリアスを抑制するが、ギャップ長Gが伝搬損失に及ぼす影響が互いに異なることがわかる。
以上のとおり、ギャップ長Gは、0.28λ以下であることが好ましく、また、当該上限値には、臨界的意義が認められる。ギャップ長Gの下限値は、伝搬損失の抑制の観点からは、小さければ小さいほどよいことになるが、実際には、ギャップ長Gが小さすぎると、製造誤差等により電極指23とダミー電極25とが短絡するおそれがあることから、0.1μm以上であることが好ましい。従って、ギャップ長G(μm)は、0.1≦G≦0.28λであることが好ましい。
以上説明したように、複数の第1ギャップ24Aが、伝搬方向に対して傾斜する方向に配列され、複数の第2ギャップ24Bが、伝搬方向に対して第1ギャップ24Aの配列が傾斜する側と同一側へ傾斜する方向に配列され、角度θが好ましい範囲(10°≦θ≦26°)とされていることにより、横モードのスプリアスを抑制しつつ、伝搬損失の抑制を図ることができる。
さらに、ギャップ長G(μm)が好ましい範囲(0.1≦G≦0.28λ)とされることにより、ギャップ長Gの変化が最大位相αmaxに及ぼす影響が少なくなり、その結果、製造誤差等によってインピーダンス特性にばらつきが生じることも抑制される。
また、第1の実施形態においては、複数の第1ギャップ24Aに係る複数の第1角度θAは互いに同一であり、複数の第2ギャップ24Bに係る複数の第2角度θBは互いに同一であり、かつ複数の第1角度θと複数の第2角度θとは互いに同一である。
従って、構成が簡素であり、上述した角度θやギャップ長Gの影響の予測が容易である。その結果、設計が容易化される。また、交差幅Wが一定となるから、図7に例示した比較例に比較して、同一の静電容量を得るための最大交差幅を短くすることができる。すなわち、縦横比を小さくすることができる。その結果、IDT電極の中心への電力集中を緩和することができ、耐電力性が向上する。
第1バスバー21Aの第2バスバー21B側の縁部21aは、伝搬方向に延びるよりも第1ギャップ24Aの配列に対して平行になるように、伝搬方向に対して、複数の第1ギャップ24Aが傾斜する側と同一側へ傾斜して延びている。第2バスバー21Bの第1バスバー21A側の縁部21aも同様である。
従って、後述する第3の実施形態(図9)等に比較して、バスバー21と電極指23の交差範囲との距離を均一かつ短くすることができる。その結果、電気抵抗を小さくしつつ交差範囲に均等に電圧を印加することができる。なお、縁部21aは、好ましくは複数のギャップ24の配列と平行であるが、正確に平行でなくてもよい。縁部21aが、SAWの伝搬方向に延びる場合に比較して、ギャップ24の配列に対して平行になっていれば、上記の効果は多少なりとも奏される。
また、第1の実施形態では、上記のような角度θの設定、ギャップ長Gの設定もしくはバスバー21の形状設定等が、IDT電極5の、SAWの伝搬方向の全体に亘ってなされている。従って、後述する第2の実施形態(図8)等との比較において、上述した種々の効果が最大限に発揮される。
<第2の実施形態>
図8は、第2の実施形態に係るSAW素子201の要部を示す平面図である。
SAW素子201のIDT電極205では、SAWの伝搬方向(x方向)の一部の範囲(範囲R1)のみにおいて、ギャップ24の角度θ、ギャップ長Gもしくはバスバーの形状等に関する上述した好ましい条件が満たされている。
例えば、範囲R1においては、複数の第1ギャップ24Aは、伝搬方向に対して傾斜する方向に配列され、複数の第2ギャップ24Bは、伝搬方向に対して第1ギャップ24Aの配列が傾斜する側と同一側へ傾斜する方向に配列されている。そして、図1(c)に例示したように定義される、互いに隣接する第1ギャップ24Aのその並び方向の伝搬方向に対する傾斜角度θおよび互いに隣接する第2ギャップ24Bのその並び方向の伝搬方向に対する傾斜角度θは、10°≦θ≦26°である。
そして、範囲R1以外の範囲(R2およびR3)においては、例えば、上記の角度θの条件は満たされていない。図8では、第1ギャップ24Aの配列および第2ギャップ24Bの配列が、伝搬方向に対して互いに逆側に傾斜している場合を例示している。
第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、スプリアスの抑制効果および伝搬損失抑制の効果が得られる。また、第2の実施形態は、第1の実施形態のIDT電極と、交差幅が変化するIDT電極もしくは角度θが上述した好ましい範囲にないIDT電極等とを組み合わせることになるから、それぞれのIDT電極の長所を取り入れつつ、全体として見たときに所望の特性が得られるようにバランス化させて、より好適なIDT電極を実現することも期待される。
なお、図1(b)に示したように、複数のギャップ24の並び方向の特定には少なくとも2つのギャップ24が必要である。また、第1ギャップ24Aと第2ギャップ24Bとは、伝搬方向の位置が互いにずれている(交互となっている。)。従って、複数の第1ギャップ24Aの並び方向と、複数の第2ギャップ24Bの並び方向とが、伝搬方向の同一範囲において、伝搬方向に対して同一側に傾斜しているか否かの判定には、少なくとも、2つの第1ギャップ24Aおよび当該2つの第1ギャップ24Aの間に位置する1つの第2ギャップ24Bおよびそれに隣接する1つの第2ギャップ24Bが必要である。換言すれば、範囲R1の最小の大きさは、4本の電極指23に亘る範囲である。
<第3の実施形態>
図9は、第3の実施形態に係るSAW素子301の要部を示す平面図である。
SAW素子301のIDT電極305では、バスバー321(縁部321a)は、複数のギャップ24の配列に対して平行になっておらず、より具体的には、SAWの伝搬方向(x方向)に平行となっている。なお、これに伴い、複数のダミー電極325は、互いに長さが異なっている。
第3の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、スプリアスの抑制効果および伝搬損失抑制の効果が得られる。また、第3の実施形態は、従来のIDT電極と同様のバスバー321を有するから、設計変更が少なくて済むことが期待される。
なお、第1の実施形態に係るSAW素子1は、第3の実施形態に係るSAW素子301に比べて、ダミー電極25が短くなっている分、SAW素子の電気抵抗を小さくすることができる。
<第4の実施形態>
図10は、第4の実施形態に係るSAW素子401の要部を示す平面図である。
SAW素子401は、まず、反射器の形状が第1の実施形態と相違する。すなわち、SAW素子401の反射器407は、バスバー427がギャップ24の配列と平行になっている。より具体的には、バスバー427は、IDT電極5のバスバー21と概ね同一直線上に位置している。そして、これらバスバー21および427の、電極指側およびその反対側の縁部(21a、21b、427aおよび427b)も、複数のギャップ24の配列に平行に概ね同一直線上に位置している。
このように、反射器407の各バスバー427の他のバスバー427側の縁部427aが、伝搬方向に対して傾斜していることにより、反射器407において横モードのスプリアスが発生することが抑制される。さらに、縁部427aが複数のギャップ24の配列と平行になっていることにより、高次の横モードの波をずらす効果にIDT電極5と反射器407との間で連続性が確保され、スプリアス抑制の効果の予測が容易となったり、振動モードの過度の変更が抑制され、伝搬損失が抑制されたりすることが期待される。
また、SAW素子401においては、基板403は、バスバー21およびバスバー427の内側の縁部21aおよび427aに対して平行に延びる外縁(ダイシングライン)を有している。従って、基板3の小型化が図られる。
なお、バスバー427の縁部427aおよび427bは、ギャップ24の配列に正確に平行となっている必要はなく、伝搬方向に延びる場合に比較して、ギャップ24の配列に対して平行になっていれば、上記の効果が多少なりとも奏される。同様に、基板403の外縁は、バスバー21の縁部21bもしくはバスバー427の縁部427aに対して正確に平行となっている必要はなく、伝搬方向に延びる場合に比較して、これら縁部に対して平行になっていればよい。
<第5の実施形態>
図11は、第5の実施形態に係るデュプレクサ500の要部を模式的に示す平面図である。なお、図11には便宜上デュプレクサ500の送信側素子と受信側素子のうち送信側素子の部分のみ示している。
デュプレクサ500は、点線で示すダイシングラインDLを外縁とする基板503(第1の実施形態の基板3に相当)を有している。そして、基板503において、図11では不図示の複数のIDT電極5および反射器7等が設けられることにより、複数のSAW素子501が設けられている。複数のSAW素子501(IDT電極5)は、配線38により直列接続や並列接続等の方式で接続され、ラダー型SAWフィルタを構成している。配線38の端部に位置する円形は外部接続パッド39である。
なお、デュプレクサ500全体が一のSAW素子として捉えられてもよいし、デュプレクサ500に含まれる一部のSAW素子501(例えば3つのSAW素子501)が一のSAW素子と捉えられてもよい。
図12(a)は、図11の領域XIIaを拡大して示す模式図である。
デュプレクサ500のSAW素子501は、第4の実施形態のIDT電極5および反射器407を有している。すなわち、IDT電極5および反射器407全体として、平行四辺形に形成されている。そして、図12(a)に示す範囲においては、複数(3つ)のSAW素子501が、バスバー21およびバスバー427(図10参照)外側の縁部21bおよび427bを互いに平行に隣接させるようにして、SAWの伝搬方向に直交する方向に一列に配列されている。また、これらのSAW素子501は、互いに直列に接続されている。なお、3つのSAW素子501は、一のSAW素子がその静電容量が保たれるように3つに分割されたものと捉えられてもよい。また、隣接するSAW素子501同士のバスバーは、両SAW素子501の間において共通化されてもよい。この場合は、第1ギャップ24Aの配列方向と第2ギャップ24Bの配列方向を平行にし、隣接するSAW素子501の第1ギャップ24A同士を平行にすることで、隣接するSAW素子501の間に無駄なスペースが殆どなくすことができ、デュプレクサ500の小型化に供することができる。
図12(b)および図12(c)を参照して、デュプレクサ500の作用を説明する。図12(b)は、比較例に係るSAW素子の図12(a)に相当する平面図である。
図12(b)に示す比較例に係るSAW素子は、図7(b)に示した比較例と同様に交差幅が変化するものであり、交差範囲は、SAWの伝搬方向および当該伝搬方向に直交する方向を対角線方向とする菱形に形成されている。そして、図12(a)のSAW素子501と同様に、比較例のSAW素子は、SAWの伝搬方向に直交する方向に一列に配列されている。
図12(a)と図12(b)との比較から理解されるように、図12(b)の比較例においては、SAW素子間に無駄なスペースSPが生じている。
図12(c)は、図12(a)において3つのSAW素子501を囲む点線RL1と、図12(b)において比較例の3つのSAW素子を囲む点線RL2とを重ねて示す平面図である。なお、図12(a)の3つのSAW素子501および図12(b)の3つのSAW素子とは、静電容量が互いに同一である。
図12(c)に示されように、本実施形態における点線RL1で囲まれる領域の面積は、比較例における点線RL2で囲まれる領域の面積よりも小さい。これは、上述したように、比較例においては無駄なスペースSPが生じていることが影響している。なお、比較例のSAW素子においては、交差幅が変化することから(交差幅が狭くなる領域があることから)、容量を確保するために、電極指の本数を増加させるなどする必要があることも影響している。
以上のとおり、本実施形態のデュプレクサでは、第1バスバー21Aの第2バスバー21Bとは反対側の縁部21aは、伝搬方向(x方向)に延びるよりも第1ギャップ24Aの配列に対して平行になるように、伝搬方向に対して、複数の第1ギャップ24Aが傾斜する側と同一側へ傾斜して延びている。第2バスバー21Bについても同様である。そして、複数のIDT電極5が伝搬方向に直交する方向(y方向)に配列されている。
従って、図12を参照して説明したように、無駄なスペースSPの発生を抑制して、デュプレクサ500の小型化を図ることができる。なお、第4の実施形態のIDT電極5および反射器407に代えて、第1の実施形態のIDT電極5および反射器7を伝搬方向に直交する方向に配列しても、無駄なスペースSPの発生は抑制される。すなわち、反射器は、平行四辺形でなくてもよい。
<第6の実施形態>
図13は、第6の実施形態に係るデュプレクサ600の要部を模式的に示す平面図である。
デュプレクサ600は、ダイシングラインDLの位置のみが第5の実施形態のデュプレクサ500と相違する。具体的には、デュプレクサ600において、ダイシングラインDLの一部は、第4の実施形態(図10)と同様に、図13では不図示の複数のギャップ24の配列方向、バスバー21の縁部21aおよび21b等に対して平行に延びている。
従って、第5の実施形態よりも、さらにデュプレクサ600の小型化を図ることができる。なお、ダイシングラインDLは、ギャップ24の配列に正確に平行となっている必要はなく、伝搬方向に延びる場合に比較して、ギャップ24の配列に対して平行になっていれば、上記の効果が多少なりとも奏される。
<第7の実施形態>
図14(a)は、第7の実施形態に係るSAW素子701の要部を示す一部拡大平面図である。
SAW素子701においては、第1ダミー電極25Aの先端部の側方から第1ギャップ24A側へ突出する第1付加電極726Aが設けられている。第1付加電極726Aは、第1ダミー電極25Aに隣接する第1電極指23Aにも接続されている。なお、特に図示しないが、第2ギャップ24B側においても同様に、付加電極726が設けられている。
そして、範囲R24において示すように、SAWの伝搬方向に見ると、ギャップ24は、少なくとも一部が、付加電極726によって塞がれている。従って、SAWのギャップ24における散乱が抑制される。
図14(b)は、本実施形態に係る実施例の最大位相αmaxを示す、図5と同様の図であり、点線Ln0は、付加電極726がない場合の最大位相αmaxを示し、実線Ln1は、付加電極726がある場合の最大位相αmaxを示している。
なお、点線Ln0は、ギャップ長Gが0.25μmのものであり、図5に示したものと同一のデータに基づいている。また、実線Ln1は、ギャップ長Gが0.30μmのものであり、また、付加電極726以外の条件は、図5の実施例と同様である。
この図に示されるように、実線Ln1で示される本実施形態の実施例は、点線Ln0で示される第1の実施形態の実施例に比較して、ギャップ長Gが大きくなっているにも関わらず、概ね最大位相αmaxが大きくなっている。すなわち、付加電極726が設けられることにより、伝搬損失の抑制が好適になされている。
図5に基づいて角度θの好適な範囲を導いたのと同様の手法により、図14に基づいて角度θの好適な範囲を導いた。なお、作製したSAW素子701において、隣接する第1ギャップ24A同士の第3角度θCはIDT電極5の全範囲において等しくした。隣接する第2ギャップ24B同士の第4角度θDもIDT電極5の全範囲において等しくし、かつ第4角度θDを第3角度θCと等しくした。角度θ(第3角度θCおよび第4角度θD)の好適な範囲は、6°≦θ≦26°であり、より好ましくは、8°≦θ≦20°である。
なお、付加電極726は、ギャップ長Gを塞いで伝搬損失を抑制するから、換言すれば、ギャップ長Gの上限値を大きくすることを可能とするから、図5および図6に基づくギャップ長Gの好ましい範囲は、本実施形態においても好ましい範囲である。また、本実施形態では、さらに広い範囲をギャップ長Gの好ましい範囲とすることが可能である。
(第7の実施形態の変形例)
図14(c)は、第7の実施形態の変形例の要部を示す一部拡大平面図である。
この変形例においては、付加電極728は、電極指23の側方から突出している。この場合においても、SAWの伝搬方向に見て、ギャップ24の少なくとも一部が塞がれていることから、伝搬損失が抑制される。
このように、付加電極は、SAWの伝搬方向において互いに隣接する電極指23とダミー電極25との間に、かつSAWの伝搬方向に見てギャップ24の少なくとも一部を塞ぐ位置にあり、電極指23およびダミー電極25の少なくとも一方に接続されていれば、その形状等は適宜に設定されてよい。
<第8の実施形態>
図15は、第8の実施形態に係るSAW素子801の要部を示す平面図である。
SAW素子801においては、複数のIDT電極5が、SAWの伝搬方向に対して、複数のギャップ24の配列が傾斜する側と同一側に傾斜する方向に配列されている。好ましくは、複数のIDT電極5のギャップ24の角度θは互いに同一であり、また、複数のIDT電極5はその角度θで伝搬方向に傾斜して配列されている。さらに好ましくは、複数のIDT電極5間において、交差幅は互いに同一である。そして、複数のIDT電極5および反射器7は、いわゆるダブルモード型SAWフィルタを構成している。
このようなダブルモード型SAWフィルタにおいても、複数のギャップ24が伝搬方向に対して傾斜する方向に配列されることにより、横モードのスプリアスの発生が抑制される。
<反射器の電極指の本数設定>
上述の実施形態においては、共振点および反共振点付近におけるスプリアスに着目して、複数の電極指23の交差範囲がSAWの伝搬方向に対して斜めに延在する構成を提案した。以下では、共振点および反共振点よりも高周波側に離れた位置におけるスプリアスに着目し、その改善方法について説明する。
図16(a)および図16(b)は、実施例もしくは比較例のように、IDT電極(5等)および反射器(7等)よりも厚い保護層11が設けられたSAW素子におけるインピーダンス特性を示す、図4(c)および図4(d)と同様の図である。ただし、図16(a)および図16(b)は、横軸の範囲が図4(c)および図4(d)よりも広くされている。
領域Mは、共振点および反共振点が現れることが意図されていた領域(主共振の領域)である。一方、領域Sは、意図していなかった共振点および反共振点が現れた領域(スプリアスの領域)である。スプリアスは、主共振の周波数に対して、高周波側に離れた周波数において生じている。
このようなスプリアスが生じると、種々の不都合が生じる。例えば、SAW素子が携帯電話機において無線通信用の信号のフィルタリングに利用されている場合において、無線LANの通信周波数がスプリアスの周波数に一致してしまい、携帯電話機の無線通信を阻害するおそれがある。
なお、このようなスプリアスは、IDT電極および反射器よりも厚い保護層11を設けたときに生じる可能性が高く、保護層11を設けない場合においては生じる可能性が極めて低い。
本発明者は、鋭意検討の結果、反射器(7等)における電極指(29)の本数を適切に設定することによって、このようなスプリアスを抑制できることを見出した。具体的には、以下のとおりである。
反射器の電極指の本数が互いに異なる複数のSAW素子を試作して、そのインピーダンス特性を測定した。SAW素子の条件は、以下のとおりである。なお、以下では、参考のために、第1の実施形態等の符号を付している。
基板3:0°YX−LiNbO基板
導電層15(IDT電極・反射器):
材料:Al−Cu合金
ただし、基板3と導電層15との間には6nmのTiからなる下地層あり。
厚さe(Al−Cu合金層):149nm
付加膜9:
材料:Ta
厚さt:91nm
保護層11:
材料:SiO
厚さT:760nm
IDT電極の電極指:
ピッチp:1.01μm
Duty(w1/p):0.5
本数:300本
ダミー電極の長さ:4.4μm
反射器における電極指の本数n:2,4,6,8,10,12,14,16,18または20本
なお、反射器における電極指の本数nは、1つの反射器における本数である。SAW素子は、SAWの伝搬方向の両側に反射器を有し、合計では、2n本の電極指を有している。
図16(c)は、測定結果を示す図である。横軸は、反射器の電極指の本数nを示し、縦軸は、最大位相αmax(図4(d)参照)を示している。紙面左側の縦軸の目盛は、主共振(領域M)の最大位相αmaxの値を示し、紙面右側の縦軸の目盛は、スプリアス(領域S)の最大位相αmaxの値を示している。実線LSは、スプリアスの最大位相αmaxの測定結果を示し、点線LMは、主共振の最大位相αmaxの測定結果を示している。なお、主共振とはSAW素子に起こる共振のうち共振点のインピーダンスが最も小さくなっている共振のことをいう。
スプリアスの最大位相αmaxは、概ね、反射器の電極指の本数が少なくなるほど、小さくなっている(スプリアスに関してSAW素子の特性は向上する)。一方、主共振の最大位相αmaxは、反射器の電極指の本数が少なくなっても、あまり変化は見られない。ただし、反射器の電極指の本数が6本よりも少なくなると、主共振の最大位相αmaxは、小さくなる(主共振に関してSAW素子の特性は低下する)。
この結果から、反射器の電極指の本数は、主共振の最大位相αmaxが低下しない範囲において、極力少なくすることが好ましいことが分かる。
本発明者は、このような結果が得られた理由を以下のように考察した。SAW素子においては、主共振を発生させる振動モードの弾性波Iと、スプリアスを発生させる振動モードの弾性波IIとが生じている。また、弾性波IIは、弾性波Iに比較して、反射器の電極指における反射率が低い。従って、反射器の電極指の本数が6本の場合は、弾性波Iは、反射器によって全反射され、弾性波IIは、反射器によって全反射されずに一部が反射器の外側へ漏れる。そして、電極指の本数を6本よりも多くした場合は、弾性波Iは、6本の場合と同様に反射器によって全反射されるから、最大位相αmaxは変化せず、その一方、弾性波IIは、6本のときよりも反射される量が多くなるから、最大位相αmaxが大きくなる。
有限要素法によって弾性波Iおよび弾性波IIの1本の電極指に対する反射率Γを算出すると、弾性波Iは約14%、弾性波IIは1%未満であった。また、この計算結果から、弾性波Iが全反射する電極指の最小本数は7本(≒100%/14%)であり、実験結果の6本と概ね一致する。従って、上記の考察は、概ね正しいものと考えられる。なお、計算値の7本と実験値の6本との差は1本であり、これは、計算精度や加工精度等が影響しているものと考えられる。
以上の検討結果から、主共振の最大位相αmaxを大きく確保しつつ、スプリアスを小さくする観点において、反射器の電極指の本数は、[{100(%)/(弾性波Iの反射率Γ)(%)}(小数点以下四捨五入)±1]であることが最も好ましい。なお、一般には、反射器の本数nは、多いほどよいと考えられ、例えば、図1に示したような1ポート共振子では30〜40本、縦結合ダブルモード型SAWフィルタでは50〜100本とされている。
上記のように反射器の電極指の本数を設定することによる効果は、実施形態のように交差範囲が斜めに形成されているSAW素子だけでなく、交差範囲がSAWの伝搬方向に平行な長方形のSAW素子や、図7に例示したようなアポタイズが施されたSAW素子においても奏されると考えられる。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
上記の実施形態は、適宜に組み合わされてよい。例えば、第7の実施形態の付加電極は、第1の実施形態だけでなく、第2〜第6および第8の実施形態に設けられてもよい。また、例えば、第8の実施形態のダブルモード型SAWフィルタを構成するIDT電極は、第1の実施形態のIDT電極に限定されず、第2または第3の実施形態(図8、図9)のIDT電極であってもよいし、また、例えば、第8の実施形態のダブルモード型SAWフィルタの反射器は、第1の実施形態の反射器であってもよい。また、例えば、第5の実施形態(図11)のように弾性波の伝搬方向に直交する方向に配列される複数のIDT電極は、カスケード接続される2以上のダブルモード型SAWフィルタであってもよいし、ダブルモード型SAWフィルタおよびその入力側等に接続される共振子であってもよい。
弾性波素子は、(狭義の)SAW素子に限定されない。例えば、保護層(11)の厚さが比較的大きい(例えば0.5λ〜2λ)、いわゆる弾性境界波素子(ただし、広義のSAW素子に含まれる。)であってもよい。なお、弾性境界波素子においては、振動空間(33a)の形成は不要であり、ひいては、カバー33等も不要である。
弾性波素子は、ウェハレベルパッケージのものに限定されない。例えば、SAW素子は、カバー33および端子35等を有さず、基板3の上面3a上のパッド39と、回路基板53の実装用パッド55とが半田57によって直接接着されてもよい。そして、SAW素子1(保護層11)と回路基板53の実装面53aとの隙間によって振動空間が形成されてよい。また、ウェハレベルパッケージの弾性波素子も、端子が設けられず、実装用パッド55に配置された半田ボールにパッド39が当接する構成とされるなど、種々の構成とされてよい。
複数のギャップは、互いの大きさが異なっていてもよい。また、隣接する2つのギャップの並び方向の伝搬方向に対する傾斜角度θは、互いに同一でなくてもよい。すなわち、複数のギャップは、若干ジグザグするように配列されていてもよい。また、角度θは、第1ギャップと第2ギャップとにおいて互いに同一でなくてもよい。
弾性波素子において、保護層11および付加膜9は必須の要件ではない。また、保護層は、腐食防止のみを目的として設けられ、電極指の厚みよりも薄くされてもよい。
電極(電極指)の材料は、AlおよびAlを主成分とする合金に限定されず、例えば、Cu、Ag、Au、Pt、W、Ta、Mo、Ni、Co、Cr、Fe、Mn、Zn、Tiであってもよい。保護層の材料は、SiOに限定されず、例えば、SiO以外の酸化珪素であってもよい。
付加電極は、ギャップに対して伝搬方向の両側に配置される必要はなく、一方のみに配置されてもよい。また、ダミー電極の側方から突出する付加電極は、電極指に接続されていなくてもよい。付加電極の形状は種々変形可能であり、例えば、付加電極は、ギャップ側の縁部が凹となるような形状とされてもよい。
1…SAW素子(弾性波素子)、3…基板(圧電基板)、3a…上面、5…IDT電極(電極)、21…バスバー、23…電極指、25…ダミー電極、27…補助電極

Claims (12)

  1. 圧電基板と、
    該圧電基板の上面に位置するIDT電極と、
    を有し、
    該IDT電極は、
    弾性波の伝搬方向に交差する方向において互いに対向する第1バスバーおよび第2バスバーと、
    前記第1バスバーから前記第2バスバー側へ延びた複数の第1電極指と、
    前記第2バスバーから前記第1バスバー側へ延び、前記複数の第1電極指と前記伝搬方向において隣接する部分を有する複数の第2電極指と、
    前記第1バスバーから前記第2バスバー側へ延び、先端が前記複数の第2電極指の先端と複数の第1ギャップを介して対向する複数の第1ダミー電極と、
    前記第2バスバーから前記第1バスバー側へ延び、先端が前記複数の第1電極指の先端と複数の第2ギャップを介して対向する複数の第2ダミー電極と、
    を有し、
    前記IDT電極の前記伝搬方向の所定範囲において、
    前記複数の第1ギャップのうち互いに隣接する前記第1ギャップ同士の配列方向を第1方向としたときに、該第1方向は前記伝搬方向に対して傾斜し、
    前記複数の第2ギャップのうち互いに隣接する前記第2ギャップ同士の配列方向を第2方向としたときに、該第2方向は前記伝搬方向に対して前記第1方向が傾斜する側と同じ側に傾斜し、
    前記第1方向の前記伝搬方向に対する傾斜角度を第1角度θAとし、前記第2方向の前記伝搬方向に対する傾斜角度を第2角度θBとしたときに、前記第1角度θAと前記第2角度θBとが、
    10°≦θA≦26°
    10°≦θB≦26°
    の範囲にある
    弾性波素子。
  2. 前記第1角度θAは、隣接する前記第1ギャップ同士のすべてにおいて同一であり、前記第2角度θBは、隣接する前記第2ギャップ同士のすべてにおいて同一であり、かつ前記第1角度θAと前記第2角度θBとが同一である
    請求項1に記載の弾性波素子。
  3. 圧電基板と、
    該圧電基板の上面に位置するIDT電極と、
    を有し、
    該IDT電極は、
    弾性波の伝搬方向に交差する方向において互いに対向する第1バスバーおよび第2バスバーと、
    前記第1バスバーから前記第2バスバー側へ延びた複数の第1電極指と、
    前記第2バスバーから前記第1バスバー側へ延び、前記複数の第1電極指と前記伝搬方向において隣接する部分を有する複数の第2電極指と、
    前記第1バスバーから前記第2バスバー側へ延び、先端が前記複数の第2電極指の先端と複数の第1ギャップを介して対向する複数の第1ダミー電極と、
    前記第2バスバーから前記第1バスバー側へ延び、先端が前記複数の第1電極指の先端と複数の第2ギャップを介して対向する複数の第2ダミー電極と、
    互いに隣接する前記第1電極指と前記第1ダミー電極との間に、かつ前記伝搬方向に見て前記第1ギャップの少なくとも一部を塞ぐ位置にあり、前記第1電極指および前記第1ダミー電極の少なくとも一方に接続された第1付加電極と、
    互いに隣接する前記第2電極指と前記第2ダミー電極との間に、かつ前記伝搬方向に見て前記第2ギャップの少なくとも一部を塞ぐ位置にあり、前記第2電極指および前記第2ダミー電極の少なくとも一方に接続された第2付加電極と、
    を有し、
    前記IDT電極の前記伝搬方向の所定範囲において、
    前記複数の第1ギャップのうち互いに隣接する前記第1ギャップ同士の配列方向を第3方向としたときに、該第3方向は前記伝搬方向に対して傾斜し、
    前記複数の第2ギャップのうち互いに隣接する前記第2ギャップ同士の配列方向を第4方向としたときに、該第4方向は前記伝搬方向に対して前記第3方向が傾斜する側と同一側に傾斜し、
    前記第3方向の前記伝搬方向に対する傾斜角度を第3角度θCとし、前記第4方向の前記伝搬方向に対する傾斜角度を第4角度θDとしたときに、前記第3角度θCと前記第4角度θDとが、
    6°≦θC≦26°
    6°≦θD≦26°
    の範囲にある
    弾性波素子。
  4. 前記第3角度θCは、隣接する前記第1ギャップ同士のすべてにおいて同一であり、前記第4角度θDは、隣接する前記第2ギャップ同士のすべてにおいて同一であり、かつ前記第3角度θCと前記第4角度θDとが同一である
    請求項3に記載の弾性波素子。
  5. 弾性波の波長をλ(μm)としたときに、前記複数の第1ギャップおよび前記複数の第2ギャップの前記伝搬方向に直交する方向のギャップ長G(μm)が、前記所定範囲において、
    0.1≦G≦0.28λ
    の範囲にある
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の弾性波素子。
  6. 前記所定範囲において、
    前記第1バスバーの前記第2バスバー側の縁部は、前記第1ギャップの配列方向に対して平行になるように前記伝搬方向に対して傾斜し、
    前記第2バスバーの前記第1バスバー側の縁部は、前記第2ギャップの配列方向に対して平行になるように前記伝搬方向に対して傾斜している
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の弾性波素子。
  7. 前記所定範囲は、前記IDT電極の前記伝搬方向の全体である
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の弾性波素子。
  8. 前記IDT電極に対して前記伝搬方向において隣接する反射器をさらに有し、
    該反射器は、
    前記伝搬方向に交差する方向において互いに対向する、前記第1バスバー側の第3バスバーおよび前記第2バスバー側の第4バスバーと、
    前記第3バスバーおよび前記第4バスバーを結ぶように延びる複数の第3電極指と、
    を有し、
    前記第3バスバーの前記第4バスバー側の縁部は、前記第1ギャップの配列方向に対して平行になるように前記伝搬方向に対して傾斜し、
    前記第4バスバーの前記第3バスバー側の縁部は、前記第2ギャップの配列方向に対して平行になるように前記伝搬方向に対して傾斜している
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の弾性波素子。
  9. 前記第1バスバーの前記第2バスバーとは反対側の第1外側縁部は、前記第1ギャップの配列方向に対して平行になるように前記伝搬方向に対して傾斜し、
    前記第2バスバーの前記第1バスバーとは反対側の第2外側縁部は、前記第2ギャップの配列方向に対して平行になるように前記伝搬方向に対して傾斜し、
    複数の前記IDT電極が前記伝搬方向に直交する方向に配列されている
    請求項7に記載の弾性波素子。
  10. 前記伝搬方向に対して、前記複数の第1ギャップおよび前記複数の第2ギャップの配列が傾斜する側と同じ側に傾斜する方向に複数の前記IDT電極が配列されたダブルモード型SAWフィルタである
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の弾性波素子。
  11. 前記IDT電極に対して前記伝搬方向において隣接する反射器と、前記IDT電極および前記反射器を覆うようにして前記圧電基板の上面に位置している、前記IDT電極および前記反射器よりも厚みの大きい保護層とをさらに有し、
    前記反射器は、
    前記伝搬方向に交差する方向において互いに対向する、前記第1バスバー側の第3バスバーおよび前記第2バスバー側の第4バスバーと、
    前記第3バスバーおよび前記第4バスバーを結ぶように延びる複数の第3電極指と、
    を有し、
    前記IDT電極において主共振を発生させる弾性波の反射率をΓ(%)としたときに、前記第3電極指の本数が、{100(%)/Γ(%)±1}の範囲である請求項1〜7のいずれか1項に記載の弾性波素子。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の弾性波素子と、
    該弾性波素子が実装された回路基板と、
    を有する弾性波装置。
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