JPWO2012164659A1 - 真空バルブ - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、部品点数を増加させることなく簡単にガイドを取り付けられ、かつ全長の短縮化が可能な真空バルブを提供するものである。【解決手段】絶縁筒と、前記絶縁筒の一端側に取り付けられた固定側フランジと、前記絶縁筒の他端側に取り付けられた可動側フランジと、前記固定側フランジに取り付けられ、固定側電極が設けられた固定側電極棒と、前記固定側電極棒と同軸上に配置され、前記固定側電極と相対向する可動側電極が設けられ、ベローズを介して前記可動側フランジに支持される可動側電極棒と、前記可動側電極棒に取り付けられて前記ベローズを覆うベローズカバーとを備えた真空バルブであって、前記ベローズカバーは、その中心部が筒形状を成して前記可動側電極と反対方向に伸長し、前記ベローズカバーの筒形状部に絶縁物により構成されたガイドが取り付けられたものである。

Description

この発明は、例えば真空容器内に接離自在に取り付けられた固定側電極と可動側電極を擁する真空バルブに関するものである。
従来の真空バルブは、アルミナセラミックのような絶縁物を材質とする円筒状の絶縁容器両端にはメタライズ層が形成されており、容器内を高真空で気密保持すべく、金属フランジが、このメタライズ層にロウ付けによって固着されている。
絶縁容器両端に固着された金属フランジにはそれぞれ固定側電極棒、可動側電極棒が同軸上に対向して取り付けられており、各電極棒の対向面にはそれぞれ固定側電極と可動側電極が固着されている。
また、可動側電極が気密を保持しながら絶縁容器軸心上を可動できるよう可動側電極棒と金属フランジ間にベローズが設けられるが、電流遮断時に発生したアークによってベローズが汚損されることを防ぐために設けられた傘状のベローズカバーが可動側電極棒に固着されており、ベローズはベローズカバーと可動側フランジに取り付けられている。
また、絶縁容器内部にはアークシールドが対抗する電極を囲繞するように設けられており、絶縁容器の内沿面が電流遮断時に発生するアークによって汚損されることを防いでいる。
可動側金属フランジにはガイド取り付け板が固着されており、ガイド取り付け板には可動側電極棒に嵌合するガイドがネジにより取り付けられている。このガイドはネジ止めされるネジ止め部分と軸方向に伸びる可動側電極棒との摺動部分により構成され、可動側電極棒が中心軸上に沿っての開閉を可能とする軸受けの役目を果たしている(特許文献1参照)。
また、特許文献2のようにガイドがガイド押えによって保持されている例もある。この場合は可動側電極棒が端板に取り付けられ、この可動側電極棒の摺動防止として絶縁材料から構成されたガイドがあり、当該ガイドの固定用として、円板上のガイド押えがある。ガイド押えはガイドを組み込んだ後、レーザー溶接によって端板に溶接される。
特許文献3では可動側電極棒にガイドが取り付けられ、ガイドの他端が真空遮断器の可動側導体に挟み込まれることによりガイドの脱落を防止し、摺動部を可動側金属端板の端部とガイドとし、可動側金属端板に軸受け機能を持たせている。
特開平5−314870号公報 特開昭58−169830号公報 特開2005−339865号公報
上述した特許文献1および特許文献2に記載されている従来の真空バルブにおけるガイドの取り付け方法では、ネジやガイド取り付け板、あるいはガイド押えといったガイド取り付け用の部材が必要であり、部品点数の増加に繋がるという問題があった。
また、ガイドの取り付け作業に注目すると、ネジ止めやレーザー溶接を必要とし、作業時間がかかる上、レーザー溶接でガイドを取り付けるためには、高価なレーザー溶接機器が必要となるため、製作コストの増大に繋がるという問題があった。
また、上述した特許文献3に記載されている真空バルブにおけるガイド取り付け方法では、可動側主回路端子によってガイドの落下を防止させているために、閉極状態でもガイドの一端を可動側フランジ外に突出させて可動側主回路端子と接触させる必要があるため、結果的に真空バルブの全長が長くなるという問題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、部品点数を増加させることなく簡単にガイドを取り付けられ、かつ全長の短縮化が可能な真空バルブを提供するものである。
この発明に係わる真空バルブは、絶縁筒と、前記絶縁筒の一端側に取り付けられた固定側フランジと、前記絶縁筒の他端側に取り付けられた可動側フランジと、前記固定側フランジに取り付けられ、固定側電極が設けられた固定側電極棒と、前記固定側電極棒と同軸上に配置され、前記固定側電極と相対向する可動側電極が設けられ、ベローズを介して前記可動側フランジに支持される可動側電極棒と、前記可動側電極棒に取り付けられて前記ベローズを覆うベローズカバーとを備えた真空バルブであって、前記ベローズカバーは、その中心部が筒形状を成して前記可動側電極と反対方向に伸長し、前記ベローズカバーの筒形状部に絶縁物により構成されたガイドが取り付けられたものである。
また、この発明に係わる真空バルブは、絶縁筒と、前記絶縁筒の一端側に取り付けられた固定側フランジと、前記絶縁筒の他端側に取り付けられた可動側フランジと、前記固定側フランジに取り付けられ、固定側電極が設けられた固定側電極棒と、前記固定側電極棒と同軸上に配置され、前記固定側電極と相対向する可動側電極が設けられ、ベローズを介して前記可動側フランジに支持される可動側電極棒と、前記可動側電極棒に取り付けられて前記ベローズを覆うベローズカバーとを備えた真空バルブであって、前記ベローズカバーは、その中心部が筒形状を成して前記可動側電極と反対方向に伸長し、前記ベローズカバーの筒形状部に絶縁物により構成されたガイドが取り付けられ、前記可動側フランジの中心部が筒形状を成して前記ガイドの外面を前記可動側電極方向に伸長し、前記可動側フランジの筒形状部の内面と前記ガイドの外面が接することにより前記可動側フランジに軸受け機能を持たせたものである。
また、この発明に係わる真空バルブは、絶縁筒と、前記絶縁筒の一端側に取り付けられた固定側フランジと、前記絶縁筒の他端側に取り付けられた可動側フランジと、前記固定側フランジに取り付けられ、固定側電極が設けられた固定側電極棒と、前記固定側電極棒と同軸上に配置され、前記固定側電極と相対向する可動側電極が設けられ、ベローズを介して前記可動側フランジに支持される可動側電極棒と、前記可動側電極棒に取り付けられて前記ベローズを覆うベローズカバーとを備えた真空バルブであって、前記ベローズカバーは、その中心部が筒形状を成して前記可動側電極と反対方向に伸長し、前記ベローズカバーの筒形状部に絶縁物により構成されたガイドが取り付けられ、前記可動側フランジは、前記絶縁筒の他端側に取り付けられる可動側端部金具と、前記可動側端部金具に取り付けられ、前記ベローズを介して前記可動側電極棒を支持する可動側端板とにより構成され、前記可動側端板の中心部が筒形状を成して前記ガイドの外面を前記可動側電極方向に伸長し、前記可動側端板の筒形状部の内面と前記ガイドの外面が接することにより前記可動側端板に軸受け機能を持たせたものである。
この発明による真空バルブによれば、ベローズカバーはその中心部が筒形状を成して可動側電極と反対方向に伸長し、ベローズカバーの筒形状部に絶縁物により構成されたガイドを取り付けたことにより、部品点数を増加させることなく、かつ全長の短縮化が可能な真空バルブを得ることができる。
この発明の実施の形態1に係わる真空バルブを示す概略断面図である。 この発明の実施の形態1に係わる真空バルブにおけるベローズカバーとガイドの嵌合状態を示す構成図である。 この発明の実施の形態1に係わる真空バルブにおけるベローズカバーとガイドの嵌合部の拡大図である。 この発明の実施の形態2に係わる真空バルブにおけるガイドと可動側フランジを示す概略図である。 この発明の実施の形態3に係わる真空バルブにおけるガイドと可動側フランジの他の例を示す概略図である。
この発明の実施の形態4に係わる真空バルブを示す概略断面図である。 この発明の実施の形態5に係わる真空バルブにおけるベローズカバーとガイドを示す概略図である。 この発明の実施の形態6に係わる真空バルブを示す概略断面図である。 この発明の実施の形態6に係わる真空バルブにおけるベローズカバーとガイドの嵌合状態を示す構成図である。 この発明の実施の形態6に係わる真空バルブにおけるベローズカバーとガイドの嵌合部の拡大図である。 この発明の実施の形態7に係わる真空バルブを示す概略断面図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図1ないし図3に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図1はこの発明の実施の形態1に係わる真空バルブを示す概略断面図である。図2はこの発明の実施の形態1に係わる真空バルブにおけるベローズカバーとガイドの嵌合状態を示す構成図である。図3はこの発明の実施の形態1に係わる真空バルブにおけるベローズカバーとガイドの嵌合部の拡大図である。
真空バルブは、アルミナセラミック等の絶縁物を材質とする円筒状の絶縁筒1に対し、その両端側には容器を形成し、かつ内部を高真空で気密保持すべく、ステンレス鋼等の金属を材質とする固定側フランジ2と可動側フランジ3が取り付けられ、これら固定側フランジ2と可動側フランジ3は絶縁筒1の両端側に形成されたメタライズ層4に真空ロウ付けによって絶縁筒1と同軸上に固着されている。
絶縁筒1の一端側に固着された固定側フランジ2には固定側電極棒5が固着され、絶縁筒1の他端側に固着された可動側フランジ3には可動側電極棒6がベローズ7を介して取り付けられている。ベローズ7の一端側と可動側フランジ3は固着されており、ベローズ7の他端側と可動側電極棒6は電流遮断時に発生するアークによるベローズ7の汚損防止を目的として設けたベローズカバー8を介して固着されている。
固定側電極棒5と可動側電極棒6の対向面には固定側電極9および可動側電極10がそれぞれ固着されており、可動側電極9は固着している可動側電極棒6がベローズ7を介して可動側フランジ3に取り付けられているため、気密を保持したまま絶縁筒1の軸心上で、固定側電極9と接離自在となっている。
加えて、絶縁筒1の内沿面には、電流遮断時に電極間で発生するアークによる絶縁筒1の内沿面の汚損防止を目的としたアークシールド11が対向配置された固定側電極9と可動側電極10を囲繞するように設けられている。
上述したとおり、ベローズ7は可動側電極棒6にベローズカバー8を介して固着されている。図2に示すように、ベローズカバー8の中心部は筒形状を成し、例えば円筒形状の円筒形状部8aを成して電極と反対方向に伸長している。ベローズカバー8の円筒形状部8aの先端側は折曲され、円周方向に凸部8bを成している。一方、可動側フランジ3の中心部は筒形状を成し、例えば円筒形状の円筒形状部3aを成して電極方向に伸長している。
熱可塑性合成樹脂等から成るガイド12は例えば円筒形状を成しており、その内面には凹部12aが設けられている。ベローズカバー8は弾性を有する帯状部材より加工され、ガイド12を押し入れることによりガイド12の凹部12aがベローズカバー8の凸部8bに嵌合され、ガイド12のベローズカバー8への取り付けが可能となる。この時、ガイド12をベローズカバー8に対して押し入れ易くするために、図2に示すように、ガイド12の先端側にテーパ部12bを設けても良い。
ベローズカバー8においては、円筒形状部8aのみを設けて接着剤等によりガイド12を取り付けても良い。しかし、図3に示すように、ベローズカバー8の厚みをt、ベローズカバー8の凸部8bの突出寸法をa、ガイド12の凹部12aの深さ寸法をbとした時、各寸法をb>a+tとなるよう設定することで、真空バルブを真空遮断器本体に組み込んだ際、開閉動作によるガイド外れと落下の防止が図れる。
可動側フランジ3の円筒形状部3aはベローズカバー8に取り付けられたガイド12と接することにより、可動側フランジ3の円筒形状部3aとガイド12が摺動部となり、可動側フランジ3に軸受け機能を持たすことが可能となる。
この実施の形態1においては、ベローズカバー8に凸部8bを設けることで、ベローズカバー8にガイド12を取り付けることが可能となり、ガイド取り付け板等の部材を可動側フランジ3に固着させる必要がなくなり、部品点数の削減を図ることが可能となる。
また、ガイド12をベローズカバー8に取り付ける際はガイド12をベローズカバー8に押し入れるのみであり、ネジによるガイドの締め付け作業やレーザー溶接等の煩雑な作業を回避でき、ガイドの取り付け作業時間を短縮することが可能となる。図2に示すベローズカバー8はプレス加工により製作可能なため、部品単価を安価に抑えることが可能である。
加えて、ガイド12をベローズカバー8に取り付け、軸受け機能を有する可動側フランジ3の円筒形状部3aを電極方向に伸長させているため、開極状態においてもガイド12を可動側フランジ3の外部に突出させることなく可動側電極棒6を絶縁筒1の軸心に対して平行に動作させることが可能となるため、真空バルブ全長の短縮化を図ることができる。
以上で述べた部品点数の削減、ガイド取り付け作業の短縮化、ベローズカバー8の製作の容易性、真空バルブ全長の短縮化により真空バルブのコスト削減を図ることができる。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2を図4に基づいて説明する。図4はこの発明の実施の形態2に係わる真空バルブにおけるガイドと可動側フランジを示す概略図である。
この発明の実施の形態2においては、図4に示すように、可動側フランジ3の筒形状部3aに切欠部3bを設け、ガイド12の外面に切欠部3bと係合する凸部12cを設けることにより、可動側電極棒6とベローズカバー8の回動を回避し、ベローズ7のねじれを防止することが可能となる。また、図4では可動側フランジ3の筒形状部3aの切欠部3b、ガイド12の凸部12cともに1箇所の場合について述べたが、言うまでもなく2箇所以上設けても良いことは勿論のことである。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3を図5に基づいて説明する。図5はこの発明の実施の形態3に係わる真空バルブにおけるガイドと可動側フランジを示す概略図である。
この発明の実施の形態3においては、上述した実施の形態2と同様に、可動側電極棒6とベローズカバー8の回動を回避し、ベローズ7のねじれを防止するため、図5に示すように、可動側フランジ3の筒形状部3cは多角管形状を成し、多角管形状部3c内に嵌合されるようガイド12の外周面は多角形状に形成している。
図5に示すガイド12の外面と可動側フランジ3の多角管形部3cは六角形状を示しているが、言うまでもなく六角形状以外の多角形状であればいずれでも良いことは勿論のことである。
実施の形態4.
この発明の実施の形態4を図6に基づいて説明する。図6はこの発明の実施の形態4に係わる真空バルブを示す概略断面図である。
図6に示すように、1,2,4〜12については上述した実施の形態1と同様の構成である。上述した実施の形態1における可動側フランジ3に対し、この実施の形態4における可動側フランジ13は、絶縁筒1の他端側のメタライズ層4に取り付けられる可動側端部金具14と、可動側端部金具14に取り付けられ、ベローズ7を介して可動側電極棒6を支持する可動側端板15とにより構成され、可動側端板15の中心部が筒形状を成して例えば円筒形状部15aを成し、ガイド12の外面を可動側電極方向に伸長し、可動側端板15の円筒形状部15aの内面とガイド12の外面が接することにより可動側端板15に軸受け機能を持たせている。
このような構造とする理由は可動側端部の機械的強度を向上させるためである。例えば、上述した実施の形態1における可動側フランジ3の端板部分(ベローズ7の固着部分)の機械的強度を向上させるためにはフランジ全体の板厚上げれば良いが、絶縁筒1と可動側フランジ3には熱膨張係数に差があるため、板厚を上げるほど真空ロウ付け時に絶縁筒1に発生する応力が増大し、絶縁筒1に割れが生じる可能性があった。
そこで、この実施の形態4においては、可動側端部金具14をメタライズ層4に固着させ、ベローズ7の接合部品を可動側端板15に変更したことで可動側端板15の板厚を変更し機械的強度の向上が図れる構造とした。可動側端板15の板厚を厚くすれば、円筒形状部15aの板厚も厚くなり、摺動部の機械的強度も向上し、可動側端部の機械的寿命の延長が図れ、多頻度開閉用真空遮断器にも適用可能となる真空バルブを得ることができる。
実施の形態5.
この発明の実施の形態5を図7に基づいて説明する。図7はこの発明の実施の形態5に係わる真空バルブにおけるベローズカバーとガイドを示す概略図である。そして、図7(a)は真空バルブにおけるベローズカバーとガイドを示す斜視図であり、図7(b)は真空バルブにおけるベローズカバーを示す正面図であり、図7(c)は真空バルブにおけるガイドを示す正面図である。
この実施の形態5においては、可動側電極棒とベローズカバー、ガイドの形状が異なるのみであり、それ以外の構造は上述した実施の形態1と同様であるので省略する。
真空バルブを真空遮断器本体に取り付ける際に、取り付けの作業性を考慮して可動側電極棒6を円柱形状ではなく多角形状にする場合がある。その場合、図7に示すように、ベローズカバー8に円筒形状部8aを設けるのではなく、その中心部が多角管形状を成して例えば多角管形状部8cを成し、ベローズカバー8の多角管形状部8cの側面に凸部8dを設けている。一方、ガイド12の内周面をベローズカバー8の多角管形状部8cと同様の多角形状部12dとし、その多角形状部12dの内面に凹部12eが設けられ、ベローズカバー8の凸部8dにガイド12の凹部12eが嵌合されるようになっている。
以上のような構造とすることで、可動側電極棒6を絶縁筒1の軸心に対して平行に動作させることが可能となる。
図7においては、ベローズカバー8の多角管形状部8cは六角形状を示しているが、可動側電極棒6の形状に合わせて、多角管形状部8cの形状を変えても良い。また、図7において、ベローズカバー8の多角管形状部8cの側面に設けた凸部8dは3箇所設けられた場合を示しているが、言うまでもなく何箇所設けても良く同様の効果を奏する。
この実施の形態5によって、上述した実施の形態1と同様にベローズカバー8にガイド12を取り付けることが可能であるため、ガイド取り付け板等の部材を可動側フランジに固着させる必要がなくなり、部品点数の低減を図ることが可能となる。
また、ガイド12はベローズカバー8に押し入れるのみで取り付けることができるため、ガイド12の取り付け作業時間を短縮することが可能となる。
なお、図7に示すベローズカバー8もプレス加工により製作可能なため、部品単価を安価に抑えることが可能である。
また、ガイド12をベローズカバー8に取り付け、軸受け機能を有する可動側フランジ3の円筒形状部3aを電極方向に伸長させているため、開極状態においてもガイド12を可動側フランジ3の外部に突出させることなく可動側電極棒6の軸心運動が可能なため、真空バルブ全長の短縮化を図ることができる。
加えて、ベローズカバー8の多角管形部8cの形状を可動側電極棒6の形状と合わせることによって、可動側電極棒6に対するベローズカバー8の多角管形状部8cの内接面積を増加させることができ、通電時に発生する電磁力に対する可動側電極棒6の強度をより効果的に補強することが可能となる。
また、図7に示すベローズカバー8を組み込んだ上で、図6に示す上述した実施の形態4における真空バルブの概略断面図のように可動側フランジ13を可動側端部金具14と可動側端板15によって構成しても良く同様の効果を奏する。
実施の形態6.
この発明の実施の形態6を図8ないし図10に基づいて説明するが、各図において、同一、または相当部材、部位については同一符号を付して説明する。図8はこの発明の実施の形態6に係わる真空バルブを示す概略断面図である。図9はこの発明の実施の形態6に係わる真空バルブにおけるベローズカバーとガイドの嵌合状態を示す構成図である。図10はこの発明の実施の形態6に係わる真空バルブにおけるベローズカバーとガイドの嵌合部の拡大図である。
上述した図1に示す実施の形態1における真空バルブの概略断面図と比較した場合、異なる箇所はベローズカバーとガイドの構造のみであるため、変更箇所以外の部位の説明を省略する。
この実施の形態6においては、図8に示すように、ベローズカバー8の中心部は円筒形状を成して例えば円筒形状部8aを成し、電極と反対方向に可動側電極棒6を囲繞するように伸長している。そして、ベローズカバー8の円筒形状部8aの伸長側先端部が折り返されて折り返し部8eが形成されている。(図9参照)
熱可塑性合成樹脂等から成るガイド12は円筒形状を成しているが、図9に示すように、その一端部は折り返されて折り返し部12fが形成されている。ベローズカバー8は弾性を有する帯状部材より加工され、ガイド12を押し入れることにより、ガイド12の折り返し部12dがベローズカバー8の折り返し部8eに嵌合され、ガイド12のベローズカバー8への取り付けが可能となる。
図9に示すように、ベローズカバー8の厚みをt、ベローズカバー8の折り返し部8eの折り返し寸法をA、ガイド12の折り返し部12fの折り返し寸法をB、ガイド12の折り返し部12fの返しの寸法をCとした時、各寸法をB>A+2tかつB−A>2tが成り立つように設定することで、ベローズカバー8の折り返し部8eとガイド12の折り返し部12fの嵌合が実現され、さらにC>t/2とすることで、真空バルブを真空遮断器本体に組み込んだ際、開閉動作によるガイド外れと落下の防止が図れる。
可動側フランジ3の円筒形状部3aは上述した実施の形態1と同様に、ベローズカバー8に取り付けられたガイド12と接することにより、可動側フランジ3の円筒形状部3aとガイド12が摺動部となり、可動側フランジ3に軸受け機能を持たすことが可能となる。
この実施の形態6においては、上述した実施の形態1と同様、ガイド取り付け板等の部材が不要となるため、部品点数の低減を図ることが可能である。また、ガイド12をベローズカバー8に取り付ける際に、ネジによるガイドの締め付け作業等の煩雑な作業を回避できるため、ガイドの取り付け作業時間を短縮することが可能である。図9に示すベローズカバー8もプレス加工により製作可能なため、部品単価を安価に抑えることが可能である。
ガイド12をベローズカバー8に取り付けたことで、開極状態においてもガイド12を可動側フランジ3の外部に突出させることなく可動側電極棒6を絶縁筒1の軸心に対して平行に動作させることが可能となるため、真空バルブ全長の短縮化を図ることができる。
また、この実施の形態6においては、ガイド12は可動側電極棒6と近接しているベローズカバー8の円筒形状部8aと可動側フランジ3の円筒形状部3aに挟み込まれる位置にあるため、薄肉化した状態でもその強度を保つことが可能となる。すなわち、薄肉化によりガイド12の材料費削減に繋がる。以上で述べた部品点数の削減、ガイド取り付け作業の短縮化、ベローズカバー8の製作の容易性、真空バルブ全長の短縮化およびガイド12の薄肉化により、真空バルブのコスト削減が実現可能となる。
ベローズカバー8は可動側電極棒6を広範囲にわたり囲繞しているため、通電時に発生する電磁力に対する補強材として可動側電極棒6の曲げ防止を効果的に図ることができる。
また、この実施の形態6においても、図4に示すように、ガイド12の外面に凸部12cを設け、可動側フランジ3に切欠部3bを設けることにより、可動側電極棒6とベローズカバー8の回動を回避し、ベローズ7のねじれを防止することが可能となる。図4ではガイド12の凸部12c、可動側フランジ3の切欠部3bともに1箇所であるが、言うまでもなく2箇所以上設けても良い。
実施の形態7.
この発明の実施の形態7を図11に基づいて説明する。図11はこの発明の実施の形態7に係わる真空バルブを示す概略断面図である。
この実施の形態7においては、図11に示すように、1,2,4〜12,8a,8e,12fについては上述した実施の形態6と同様の構成である。上述した実施の形態6における可動側フランジ3に対し、この実施の形態7における可動側フランジ13は、絶縁筒1の他端側のメタライズ層4に取り付けられる可動側端部金具14と、可動側端部金具14に取り付けられ、ベローズ7を介して可動側電極棒6を支持する可動側端板15とにより構成され、可動側端板15の中心部が筒形状を成して例えば円筒形状部15aを成し、ガイド12の外面を可動側電極方向に伸長し、可動側端板15の円筒形状部15aの内面とガイド12の外面が接することにより可動側端板15に軸受け機能を持たせている。
この実施の形態7においては、可動側端部金具14をメタライズ層4に固着させ、ベローズ7の接合部品を可動側端板15に変更したことで可動側端板15の板厚を変更し機械的強度の向上が図れる構造とした。可動側端板15の板厚を厚くすれば、円筒形状部15aの板厚も厚くなり、摺動部の機械的強度も向上し、可動側端部の機械的寿命の延長が図れ、多頻度開閉用真空遮断器にも適用可能となる真空バルブを得ることができる。
この発明は、部品点数を増加させることなく簡単にガイドを取り付けられ、かつ全長の短縮化を図ることができる真空バルブの実現に好適である。
1 絶縁筒
2 固定側フランジ
3 可動側フランジ
3a 円筒形状部
3b 切欠部
3c 多角管形状部
5 固定側電極棒
6 可動側電極棒
7 ベローズ
8 ベローズカバー
8a 円筒形状部
8b 凸部
8c 多角管形状部
8d 凸部
8e 折り返し部
9 固定側電極
10 可動側電極
12 ガイド
12a 凹部
12c 凸部
12e 凹部
12f 折り返し部
13 可動側フランジ
14 可動側封止金具
15 可動側端板
15a 円筒形状部

Claims (9)

  1. 絶縁筒と、前記絶縁筒の一端側に取り付けられた固定側フランジと、前記絶縁筒の他端側に取り付けられた可動側フランジと、前記固定側フランジに取り付けられ、固定側電極が設けられた固定側電極棒と、前記固定側電極棒と同軸上に配置され、前記固定側電極と相対向する可動側電極が設けられ、ベローズを介して前記可動側フランジに支持される可動側電極棒と、前記可動側電極棒に取り付けられて前記ベローズを覆うベローズカバーとを備えた真空バルブであって、前記ベローズカバーは、その中心部が筒形状を成して前記可動側電極と反対方向に伸長し、前記ベローズカバーの筒形状部に絶縁物により構成されたガイドが取り付けられたことを特徴とする真空バルブ。
  2. 絶縁筒と、前記絶縁筒の一端側に取り付けられた固定側フランジと、前記絶縁筒の他端側に取り付けられた可動側フランジと、前記固定側フランジに取り付けられ、固定側電極が設けられた固定側電極棒と、前記固定側電極棒と同軸上に配置され、前記固定側電極と相対向する可動側電極が設けられ、ベローズを介して前記可動側フランジに支持される可動側電極棒と、前記可動側電極棒に取り付けられて前記ベローズを覆うベローズカバーとを備えた真空バルブであって、前記ベローズカバーは、その中心部が筒形状を成して前記可動側電極と反対方向に伸長し、前記ベローズカバーの筒形状部に絶縁物により構成されたガイドが取り付けられ、前記可動側フランジの中心部が筒形状を成して前記ガイドの外面を前記可動側電極方向に伸長し、前記可動側フランジの筒形状部の内面と前記ガイドの外面が接することにより前記可動側フランジに軸受け機能を持たせたことを特徴とする真空バルブ。
  3. 絶縁筒と、前記絶縁筒の一端側に取り付けられた固定側フランジと、前記絶縁筒の他端側に取り付けられた可動側フランジと、前記固定側フランジに取り付けられ、固定側電極が設けられた固定側電極棒と、前記固定側電極棒と同軸上に配置され、前記固定側電極と相対向する可動側電極が設けられ、ベローズを介して前記可動側フランジに支持される可動側電極棒と、前記可動側電極棒に取り付けられて前記ベローズを覆うベローズカバーとを備えた真空バルブであって、前記ベローズカバーは、その中心部が筒形状を成して前記可動側電極と反対方向に伸長し、前記ベローズカバーの筒形状部に絶縁物により構成されたガイドが取り付けられ、前記可動側フランジは、前記絶縁筒の他端側に取り付けられる可動側端部金具と、前記可動側端部金具に取り付けられ、前記ベローズを介して前記可動側電極棒を支持する可動側端板とにより構成され、前記可動側端板の中心部が筒形状を成して前記ガイドの外面を前記可動側電極方向に伸長し、前記可動側端板の筒形状部の内面と前記ガイドの外面が接することにより前記可動側端板に軸受け機能を持たせたことを特徴とする真空バルブ。
  4. 前記ベローズカバーは、その中心部が円筒形状を成しており、前記ベローズカバーの円筒形状部の側面に凸部が設けられ、前記ガイドに凹部が設けられ、前記ベローズカバーの凸部に前記ガイドの凹部が嵌合されたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の真空バルブ。
  5. 前記可動側フランジの筒形状部に切欠部を設け、前記ガイドの外面に前記切欠部と係合する凸部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の真空バルブ。
  6. 前記可動側フランジの筒形状部は多角管形状を成し、前記多角管形状部内に嵌合されるよう前記ガイドの外周は多角形状に形成されたことを特徴とする請求項2に記載の真空バルブ。
  7. 上記ベローズカバーは、その中心部が多角管形状を成しており、前記ベローズカバーの多角管形状部に絶縁物により構成されたガイドが取り付けられたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の真空バルブ。
  8. 上記ベローズカバーは、その中心部が多角管形状を成しており、前記ベローズカバーの多角管形状部の側面に凸部が設けられ、上記ガイドに凹部が設けられ、前記ベローズカバーの凸部に前記ガイドの凹部が嵌合されたことを特徴とする請求項5に記載の真空バルブ。
  9. 上記ベローズカバーは、その中心部が円筒形状を成しており、前記ベローズカバーの円筒形状部の伸長側先端部が折り返されており、前記ガイドの一端部も折り返されており、前記ベローズカバーの折り返し部に前記ガイドの折り返し部が嵌合されことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の真空バルブ。
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