JPWO2012161320A1 - 含浸膨化食品およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、糖質層で表面が被覆加工された膨化菓子からなる被含浸食材に対して、油脂性菓子生地が含浸した、含浸膨化食品を提供する。かかる含浸膨化食品は、“カリッ”とした固い食感とともに、中から油脂性菓子が溶け出してくるような食感を併せ持つ新奇な食感を有する。

Description

本発明は、膨化菓子に油脂性菓子生地が含浸した含浸膨化食品およびその製造方法に関する。より詳細には、表面が被覆加工された厚みがある形状の膨化菓子の内部まで油脂性菓子生地が含浸した食品およびその製造方法に関する。
従来から、多孔質の食品中に液状食品を含浸させた食品またはその製造方法について、様々な提案がされている(特許文献1〜3)。
油脂性菓子生地が多孔質の食品に含浸した商品は、市場で多くみられる。特に、チョコレートが含浸した膨化菓子については、さまざまな商品が存在する。
現在市場で多くみられるチョコレート含浸膨化菓子商品の内部を観察すると、チョコレートが含浸していない膨化菓子の部分が多い。このような従来品は、最大径が25〜30mmで10mm前後の厚みを有していて、スナック特有の“サクサク”した軽い食感を有するものが多い。中心部までチョコレートが密に含浸した膨化菓子も一部の商品でみられるが、最大径が約25mmで厚さは5mm前後であり、“ザクザク”したやや固い独特の食感を有する。
国際公開第97/47207号 特開2004−254529号公報 国際公開第2010/114026号 実用新案登録第3118586号公報
上記特許文献中に、含浸される食材として多孔質の食品が多数例示されている。しかしながら、実際に工業生産ラインで製造してみると、加圧および加熱して押出膨化される方式で製造された膨化菓子に対して、チョコレートを内部まで含浸させることは難しい。これは、一般的な膨化菓子の外皮は比較的なめらかにできている上に、膨化菓子内部の空隙は独立して存在していることが原因と推定される。そこで、膨化菓子の内部までチョコレートを含浸させるために、中心部に空洞を設けて表面積を大きくした形状または、含浸しやすい面、すなわち、押出膨化された後に切断された断面を広く設けて、含浸しにくい外皮部分である厚みを薄くした形状が選択されやすい。そのため、従来品は形状に依存して食感も限定されている。
一方、膨化菓子内部にチョコレートを均等に含浸させるために、膨化菓子に複数の小孔を穿設して、チョコレートに浸漬して遠心力を作用させることによりチョコレートを含浸させた菓子が提案されている(特許文献4)。しかしながら、膨化菓子が脆い性状または小さいサイズであった場合は、小孔を穿設すると膨化菓子が崩壊し、食材としての商品価値を損なってしまう。
本発明は、これまでにない新奇な食感を有する油脂性菓子生地を含浸させた含浸膨化食品、すなわち、脆く口どけのよい食感を有する膨化菓子に対して、油脂性菓子生地を内部まで含浸させた含浸膨化食品を得ることを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、膨化菓子の表面を糖質で被覆加工した後、油脂性菓子生地を上記被覆加工された膨化菓子に含浸させた菓子は、“カリッ”とした固い食感とともに、中から油脂性菓子が溶け出してくるような食感を併せ持つことを見出した。本発明はこの知見に基づくものであり、以下に記載の事項をその特徴とするものである。
(1)糖質層で表面が被覆加工された膨化菓子からなる被含浸食材に対して、油脂性菓子生地が含浸した、含浸膨化食品。
(2)含浸膨化食品中の油脂性菓子生地の含有量が56〜70重量%である、(1)に記載の含浸膨化食品。
(3)膨化菓子の多孔質断面間の厚さが15〜25mmである、(1)または(2)に記載の含浸膨化食品。
(4)膨化菓子が食用油脂2.4〜6.0重量%、および、乳化剤0.4〜0.6重量%を含有する、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の含浸膨化食品。
(5)乳化剤がHLB4.0〜5.0の高級脂肪酸モノグリセリドおよび/またはHLB10〜12の蔗糖脂肪酸エステルである、(4)に記載の含浸膨化食品。
(6)食用油脂がパーム油、パーム核油、ショートニングまたはこれらの混合物である、(4)または(5)に記載の含浸膨化食品。
(7)糖質層がスクロース、マルトース、ラクトースまたはこれらの混合物を含有する、(1)〜(6)のいずれか1つに記載の含浸膨化食品。
(8)油脂性菓子生地の粘度が、34℃において3000〜15000センチポイズである、(1)〜(7)のいずれか1つに記載の含浸膨化食品。
(9)油脂性菓子生地がチョコレートである、(1)〜(8)のいずれか1つに記載の含浸膨化食品。
(10)以下の(a)〜(c)の工程を含有する、含浸膨化食品の製造方法、
(a)小麦粉を40〜80重量%、食用油脂を2.4〜6.0重量%、および乳化剤を0.4〜0.6重量%含有する原料をエクストルーダーで吐出して膨化菓子を得る工程、
(b)上記膨化菓子にスクロース、マルトース、ラクトースのいずれか一つ以上を含む水溶液を噴霧した後乾燥させることにより被含浸食材を得る工程、次いで、
(c)上記被含浸食材に油脂性菓子生地を含浸する工程。
(11)前記水溶液が、スクロース60〜80重量%水溶液、マルトース40〜60重量%水溶液またはラクトース40〜60重量%水溶液である、(10)に記載の製造方法。

(12)(c)工程が、
(c1)密閉容器内で被含浸食材を減圧条件下におき、減圧状態を維持しながら油脂性菓子生地で被覆した後に大気圧に戻す工程、
を含む、(10)又は(11)に記載の製造方法。
(13)(c)工程が、
(c1)密閉容器内で被含浸食材を減圧条件下におき、減圧状態を維持しながら油脂性菓子生地で被覆した後、大気圧に戻す工程、次いで、
(c2)密閉容器内で被含浸食材を油脂性菓子生地で被覆した状態を維持しながら加圧条件下においた後、大気圧に戻す工程、
を含む、(10)〜(12)のいずれか1つに記載の製造方法。
(14)(c)工程が、
(c1)密閉容器内で被含浸食材を減圧条件下におき、減圧状態を維持しながら油脂性菓子生地で被覆した後、大気圧に戻す工程、次いで、
(c3)密閉容器内で被含浸食材を油脂性菓子生地で被覆した状態を維持しながら再度減圧条件下においた後、大気圧に戻す工程、
を含む、(10)〜(12)のいずれか1つに記載の製造方法。
(15)(10)〜(14)のいずれか1つに記載の方法により得られる、含浸膨化食品。
本発明により、これまでにない新奇な食感を有する油脂性菓子生地を含浸させた膨化食品、すなわち、脆く口どけのよい食感を有する膨化菓子に対して、油脂性菓子生地を内部まで含浸させた食品を得ることが可能になる。
クッキー粉砕品を10重量部および食用油脂を1.5重量部含有する原料を用いて製造された膨化菓子の多孔質断面の写真である。(実施例1、配合1−3) クッキー粉砕品を10重量部および食用油脂を4.0重量部含有する原料を用いて製造された膨化菓子の多孔質断面の写真である。(実施例1、配合1−5) 食用油脂を5.71重量%および乳化剤(HLB4.1)を0.49重量%含有する原料を用いて製造された膨化菓子の多孔質断面の写真である。(実施例2、配合2−2) 食用油脂を2.91重量%、乳化剤(HLB4.1)を0.51重量%および乳化剤(HLB11)を0.01重量%含有する原料を用いて製造された膨化菓子の多孔質断面の写真である。(実施例2、配合2−6) 減圧後に加圧処理する含浸工程により製造された、微粉混合量0重量%の含浸膨化食品の切断断面の写真である。(実施例5) 減圧処理による含浸工程により製造された、微粉混合量5重量%の含浸膨化食品の切断断面の写真である。(実施例5)
本実施形態に係る含浸膨化食品の提供を目指して、まず、以下のような特徴を有する膨化菓子を得ることを試みた。多孔質断面間の厚みが15mm以上を有する形状であること、油脂性菓子生地を内部まで含浸させる効率を高めるために、気泡サイズは大きい外観を有すること、口どけがよく噛んだ時に脆さがある食感を付与するために、気泡の膜厚がうすいこと。
上記膨化菓子は非常に脆い物性と形状を有する。そのため、油脂性菓子生地を含浸させる製造装置に投入すると微細な割れまたは欠けが発生し、微粉となって含浸用の油脂性菓子生地に混入する。上記微粉の混入量が増加すると、油脂性菓子生地が膨化菓子の内部まで含浸することを阻害する要因となり、改善が必要であった。膨化菓子に油脂性菓子生地を含浸させた食品は、膨化菓子と油脂性菓子との一体感がある食感を有する好ましいものではあったが、新奇な食感とは言い難かった。
そこで本発明者らは、膨化菓子の食感と形状を維持しながら微粉の発生を抑制し、さらに、新奇な食感とするために、膨化菓子表面の被覆加工を試みた。油脂性菓子生地を内部まで含浸させる上で、表面に被覆加工を施すことは含浸効率の低下につながるため、通常は選択されない手段である。以下、本実施形態に係る含浸膨化食品に関してさらに詳細に説明する。
本実施形態において膨化菓子とは、内部に多孔質の空隙を有する食品であり、特に、エクストルーダーによりクッキング(加熱調理)されて膨化した菓子を示す。具体的には、膨化スナックが挙げられる。
本実施形態における膨化菓子は、厚みのある形状を有することが好ましい。具体的には、多孔質断面間の厚みが15〜25mmであることがより好ましく、16〜20mmであることが更に好ましい。上記多孔質断面とは、エクストルーダーから吐出されて膨化した生地を切断した断面をいう。多孔質断面の形状に制限はなく、丸型、楕円型、ハート型、星型、三角型、四角型、その他の多角型等が挙げられる。本実施形態における膨化菓子は、後述する被覆加工を施すことによって含浸工程における微粉の発生を抑制するため、通常は回避される傾向がある四角型の多孔質断面を有する形状を採用することも可能である。
本実施形態における膨化菓子は、口中で噛み砕いた時の歯ごたえのやわらかさと、噛んだ時に脆く崩れる崩壊性の両方の食感を有する。このような食感を得るために、膨化菓子の組織は、気泡サイズが大きく、かつ、気泡の膜厚が薄いことが好ましい。通常、気泡サイズが大きい組織の膨化菓子を得ようとすると、気泡の膜は厚くなり、ガリガリした歯ごたえのある固い食感となりやすい。気泡の膜厚が薄い組織の膨化菓子を得ようとすると、気泡サイズが小さくなり、崩壊性が感じられない食感となりやすい。
本実施形態における膨化菓子には、上述した食感とするために、小麦粉を主成分とする原料に対して、食用油脂と乳化剤を配合することが好ましい。より具体的には、小麦粉を40〜80重量%含有する原料に対して、食用油脂を2.4〜6.0重量%、および、乳化剤を0.4〜0.6重量%含有させることが好ましい。
上記食用油脂として、例えば、パーム油、パーム核油、なたね油、ヤシ油、落花生油、サフラワー油、ひまわり油、綿実油、コーン油、大豆油、米油およびカカオ脂等の各種植物油脂、牛脂、豚脂、魚油、鯨油および乳脂等の各種動物油脂、並びにこれらを水素添加、分別およびエステル交換から選択される1または2以上の処理を施した加工油脂から選ばれる1種または2種以上を使用することができる。本実施形態における膨化菓子には、好ましくは、パーム油、パーム核油、ショートニングまたはこれらの混合物、より好ましくは、パーム油、ショートニングまたはこれらの混合物、最も好ましくはショートニングが用いられる。
上記乳化剤として、例えば、蔗糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、高級脂肪酸モノグリセリド、レシチン等が挙げられる。本実施形態における膨化菓子には、乳化剤として、好ましくは高級脂肪酸モノグリセリド、または、高級脂肪酸モノグリセリドおよび蔗糖脂肪酸エステルの混合物が用いられる。上記乳化剤の配合量としては、膨化菓子中に高級脂肪酸モノグリセリドが0.4〜0.6重量%であること、または、蔗糖脂肪酸エステルが0.01〜0.1重量%であることが好ましい。上記高級脂肪酸モノグリセリドはHLBが4.0〜5.0であることが好ましい。上記蔗糖脂肪酸エステルはHLBが10〜12であることが好ましい。上記乳化剤の脂肪酸としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸等が挙げられるが、上記HLBの範囲であれば特に制限はない。
本実施形態における膨化菓子には、上述した小麦粉、食用油脂、乳化剤の他に、通常用いられる原料を配合してよい。例えば、ライ麦粉、パン粉、小麦全粒粉、コーン粉、そば粉、米粉等の穀粉、砂糖等の糖質等の他、風味または色調を調整するための副原料として、全卵、卵白、乾燥全卵、乾燥卵白、脱脂粉乳、粉乳、ココアパウダー、香料、色素等が挙げられる。
本実施形態における膨化菓子は、例えば以下のような方法により製造される。原料をエクストルーダーのフィード口に投入し、エクストルーダー先端のノズル孔から吐出させて、ロープ状の膨化菓子生地を得る。エクストルーダーの運転条件は、使用する機器に応じて適宜設定すればよいが、例えば、2軸エクストルーダー(東芝機械(株)製TEM50B型)を用いる場合は、加水量2.5〜4.0kg/hr、スクリュー回転数390〜410rpm、内圧52〜60kgf/cm、材料温度167〜170℃とすることが挙げられる。得られた膨化菓子生地を好ましくは15〜25mm、より好ましくは16〜20mmに切断し、品温が室温になるまで放冷することにより、膨化菓子が得られる。
本実施形態において被含浸食材とは、膨化菓子の表面を被覆加工したものを示す。被覆加工として、具体的には糖質を用いた被覆加工、より具体的には、キャンデー溶液による被覆加工、糖質結晶を表面に付着させる被覆加工等が挙げられる。本実施形態の被含浸食材としては、糖質結晶を表面に付着させる被覆加工を施した膨化菓子が好ましい。上記加工により、膨化菓子だけでは得られない独特のカリッとした固い食感を付与するだけでなく、以降の含浸工程において効率低下の原因となる膨化菓子由来の微粉の発生を抑制することができる。
上記糖質結晶を表面に付着させる被覆加工に用いられる糖質として、例えば、スクロース、マルトース、ラクトースおよびこれらの混合物が挙げられる。上記糖質として、本実施形態では、好ましくはスクロースが用いられる。
本実施形態における被含浸食材は、例えば以下のように製造することができる。被覆加工に用いる糖質は、スクロースの場合は好ましくは60〜80重量%水溶液、より好ましくは65〜75重量%水溶液とする。マルトースおよびラクトースの場合は好ましくは40〜60重量%水溶液、より好ましくは45〜55重量%水溶液とする。上記水溶液の温度は70〜85℃とする。60〜80℃に加温したコーティングドラム内に膨化菓子を投入し、上記糖質の水溶液(糖質液)を噴霧する。膨化菓子は、回転するコーティングドラム中で全面に糖質液が付着した状態となる。被覆加工の処理後の膨化菓子を155〜175℃で4〜5分間乾燥させることにより、糖質層を表面に設けた膨化菓子(被含浸食材)が得られる。被含浸食材中の糖質層は12〜18重量%であることが好ましく、13〜16重量%であることがより好ましい。
本実施形態の含浸膨化食品とは、被含浸食材に対して油脂性菓子生地を含浸させたものを示す。
含浸膨化食品中の油脂性菓子生地の含有量は56〜70重量%であることが好ましく、58〜65重量%であることがより好ましい。
本実施形態における油脂性菓子生地として、具体的にはチョコレート生地、バター、マーガリン等の食用油脂類、上記油脂類に固体(砂糖、カカオマス、粉乳、チーズ乾燥物、各種スパイス等)を分散させたスラリー液および油性クリーム等が挙げられる。本実施形態における油脂性菓子生地としては、チョコレート生地が好ましい。チョコレート生地とは、含浸処理工程において流動性があるチョコレートを示す。本実施形態においてチョコレートとは、日本国公正取引委員会認定のルールである「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」に拘束されない。すなわち、特定の温度以下において硬化する可食性油脂の連続層からなるマトリックスに、可食成分、例えばココアパウダー、糖類、乳固形分等の微粉砕物を懸濁させた食品で、任意には各種の乳化剤、添加剤、香料等を添加してもよい。典型的には、スイートチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレート等がある。
本実施形態における油脂性菓子生地は、34℃における粘度が3000〜15000センチポイズであることが好ましく、6000〜10000センチポイズであることがより好ましい。粘度が高い油脂性菓子生地を用いる場合は、乳化剤を適宜添加することで上記範囲に調整することが好ましい。上記粘度は、単一円筒型回転粘度計(B型粘度計)を用いて、ローターNo.6、ローター回転数4r.p.m.にて測定した場合の粘度を示す。
本実施形態の含浸膨化食品は、例えば以下のように製造できる。常法にて油脂性菓子生地を調製する。油脂性菓子生地がチョコレート生地の場合は、例えば、カカオマス21.0重量%、砂糖32.2重量%、粉乳10.0重量%、カカオバター7.5重量%、植物油脂28.0重量%、乳化剤0.8重量%、香料0.5重量%からなる原料を用いることができる。被含浸食材をバスケットに投入して密閉容器内に入れ、0.008MPa(絶対真空を0MPaとした時の絶対圧表示を示す。以降の圧力表示も同様とする。)になるまで減圧し、減圧状態を維持したまま上記バスケットを35℃に保持した油脂性菓子生地中に埋没させる。次いで、徐々に圧力を開放して大気圧に戻し、バスケットを油脂性菓子生地から取り出す。上記処理で得られた被含浸食材を密閉容器から取り出して、表面に付着した油脂性菓子生地を遠心分離で除去する。これを15℃で冷却固化させて、油脂性菓子生地(チョコレート生地)が含浸した含浸膨化食品が得られる。なお、上述の減圧状態の圧力は一例であり、例えば、絶対圧で0.005〜0.07MPaの範囲において適用されうる。
本実施形態の含浸膨化食品は、上記方法に一部工程を加えた以下の方法でも製造できる。一部工程とは、上述した減圧状態から圧力を開放して大気圧に戻した後に、被含浸食材が油脂性菓子生地と接触した状態を維持しながら、密閉容器の空間に圧縮空気等を送り込むことにより0.3MPaまで加圧して、0〜20秒維持した後、圧力を開放して大気圧に戻す工程をいう。上述した加圧工程を加えた製造法によると、処理後の油脂性菓子生地を繰り返し使用して、同様の含浸工程を実施することができる。なお、上述の加圧工程の圧力は一例であり、例えば、絶対圧で0.2〜1MPaの範囲において適用されうる。
さらに、上述した一部工程は、上述した減圧状態から圧力を開放して大気圧に戻した後に、バスケットが油脂性菓子生地に埋没した状態を維持しながら、再度減圧した後、徐々に圧力を開放して大気圧に戻す工程であってもよい。
本実施形態の含浸膨化食品には、必要に応じて追加の被覆およびトッピング等の公知の方法でさらに加工してもよい。
本実施形態により、“カリッ”とした固い食感とともに、中から油脂性菓子が溶け出してくるような食感を併せ持つ新奇な食感を有する含浸膨化食品およびその製造方法の提供が可能になる。本実施形態の含浸膨化食品は、15mm以上の厚みがある形状を有し、さらに表面に糖質の被覆加工が施されている構成をもつものでありながら、油脂性菓子生地が被含浸食材の内部まで深く含浸している。低融点の油脂性菓子生地を本実施形態の膨化菓子に含浸させた場合は、通常は夏場の高温時期に流通が難しい低融点の油脂性菓子を夏場にも味わうことが可能となる。本実施形態の製造方法によると、脆い物性の膨化菓子に油脂性菓子生地を含浸させる際に発生する割れまたは欠けを、膨化菓子表面に施した糖質層によって抑制し、油脂性菓子生地の含浸効率を維持しながら目的とする品質の含浸膨化食品を製造することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1 膨化菓子の配合・製造検討(1)
やわらかく崩壊性のよい食感を有する膨化菓子を得るために、原料にクッキーの粉砕品を配合して膨化菓子を製造した。
砂糖270重量部、小麦粉350重量部、ショートニング140重量部、全卵240重量部、香料1重量部を混合してクッキー生地を得た。得られたクッキー生地をシート状として、180℃のオーブンで15分間焼成し、シート状のクッキーを得た。得られたクッキーを粉砕して、クッキー粉砕物とした。
表1に記載した原料を2軸エクストルーダー(東芝機械(株)製TEM50B型)のフィード口に投入し、エクストルーダーの先端にある約9mm×9mmの四角形状のノズル孔から吐出させて、多孔質断面が略四角でロープ状の膨化菓子生地を得た。エクストルーダーの運転条件は表2に記載した。得られた膨化菓子生地を16〜20mmの厚さに切断し、品温が室温になるまで放冷して、厚さが約16〜20mmである略立方体形状の膨化菓子を得た。
得られた膨化菓子の食感(やわらかさ、崩壊性)、および多孔質断面の外観を評価した。「やわらかさ」は、口中で噛み砕いた時の歯ごたえが特にやわらかい場合は「S」、やわらかい場合は「A」、やや固めの場合は「B」、固い場合は「C」とした。「崩壊性」は、口中で脆く良好に崩れやすい場合は「S」、崩れやすい場合は「A」、やや崩れにくい場合は「B」、崩れにくい場合は「C」とした。多孔質断面の外観の好ましさについては、気泡サイズが大きく、気泡の膜厚が薄い場合は「S」、気泡サイズがやや大きく、気泡の膜厚がやや薄い場合は「A」、気泡サイズがやや細かく、気泡の膜厚がやや厚い場合は「B」、気泡サイズが細かく密であり、気泡の膜厚が厚い場合は「C」とした。評価結果を表2に示した。配合1−3、配合1−5の多孔質断面の写真をそれぞれ図1、図2に示した。
表2の結果より、クッキー粉砕物10重量部および食用油脂1.5〜2.0重量部を添加した小麦粉を主成分とする原料を用いてダイレクトパフした膨化菓子は、やわらかく崩壊性がある食感を有していた(図1)。また、気泡サイズが大きいため、油脂性菓子生地を含浸させる上で好ましい外観を有していた。食用油脂の添加量が4.0重量部を超えると、膨化不良でサイズが小さくなり、気泡が細かく食感が固くなった(図2)。
実施例2 膨化菓子の配合・製造検討(2)
実施例1で得られた膨化菓子と同等以上にやわらかく崩壊性のよい食感を有し、気泡サイズが大きく、気泡の膜厚が薄い外観を有する膨化菓子を得ることを目的として、クッキーの粉砕品に含まれている成分を配合した膨化菓子を製造した。
表3に記載した原料を2軸エクストルーダーのフィード口に投入し、実施例1と同様に膨化菓子を製造した。ただし、エクストルーダー運転条件は、加水量3.8kg/hr、スクリュー回転数410rpm、内圧52kgf/cm、材料温度170℃とした。得られた膨化菓子の評価は実施例1と同様に行った。結果を表3に示した。配合2−2、配合2−6の多孔質断面の写真をそれぞれ図3、図4に示した。
表3の結果より、小麦粉を主成分とする原料に、食用油脂を2.4〜5.71重量%、および、乳化剤を0.49〜0.52重量%を添加した膨化菓子は、崩壊性がある食感と、気泡サイズが大きく気泡の膜厚が薄い外観を有するものであった(図3、図4)。特に、食用油脂としてショートニング2.4〜2.91重量%、乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド(HLB4.1)0.51重量%および蔗糖脂肪酸エステル(HLB11)0.01重量%を含有する原料を用いて製造された膨化菓子については、やわらかく崩壊性がある食感と、気泡サイズが大きく気泡の膜厚が薄い外観を有する良好な品質となった(図4)。
試験例1 油脂性菓子生地を含浸させた膨化菓子の製造
カカオマス21.0重量%、砂糖32.2重量%、粉乳10.0重量%、カカオバター7.5重量%、植物油脂28.0重量%、乳化剤0.8重量%、香料0.5重量%からなる原料を用いて、常法にて油脂性菓子生地(チョコレート生地)を調製した。実施例2の配合2−6により得られた膨化菓子をバスケットに投入して密閉容器内に入れ、0.008MPaになるまで減圧し、減圧状態を維持したまま上記バスケットを35℃に保持した上記チョコレート生地中に埋没させた。埋没後、徐々に圧力を開放して大気圧に戻し、バスケットをチョコレート生地から取り出した。上記処理で得られた菓子を密閉容器から取り出して、表面に付着したチョコレート生地を遠心分離で除去した。これを15℃で冷却固化させて、チョコレート生地が含浸した膨化食品を得た。得られた上記食品は、チョコレート生地が多孔質の膨化菓子の内部まで浸透していて、チョコレートと膨化菓子との一体感がある食感を有していた。
処理後のチョコレート生地を2〜3回繰り返し用いて、上記食品を製造することを試みたところ、膨化菓子内部までチョコレート生地が含浸していないものが発生した。チョコレート生地を観察したところ、チョコレート生地中に膨化菓子に由来する微粉が混入し、粘度が処理前のチョコレート生地よりも高くなっていた。
実施例3 膨化菓子の表面被覆加工検討(被含浸食材の製造検討)
含浸膨化食品について、従来のような一体感がある食感ではなく、膨化菓子に由来するカリッとした固い食感と、チョコレートが溶け出すような食感の両方をバランスよく感じられる新奇な食感とすること、さらに、油脂性菓子生地の含浸工程における膨化菓子由来の微粉の発生を抑制することを目的として、膨化菓子の表面の被覆加工を検討した。
表4に記載した糖質の水溶液(糖質液)(80℃)を調製した。70℃のコーティングドラム内に膨化菓子を投入し、上記糖質液を噴霧した。上記処理によって糖質液が略立方体の全6面に付着した膨化菓子を170℃で4〜5分間乾燥させて、糖質層を表面に設けた膨化菓子(被含浸食材)を調製した。
得られた上記被含浸食材の表面状態を評価した。表面状態については、糖質の起晶が見られるものを「A」、起晶がみられないものを「C」とした。総合評価としては、上述した表面状態の評価に加えて、甘味(好ましい甘味が感じられるか)、および食感(歯ごたえがある感触が得られるか)も考慮した上で、特に好ましいものを「S」、好ましいものを「A」、やや好ましいものを「B」、あまり好ましくないものを「C」とした。結果を表4に示した。
表4の結果から、糖質としてスクロース、マルトース、ラクトースを用いた場合、膨化菓子の全表面に糖質層を設けることができることが示された。スクロースを使用した場合は、甘味と食感の好ましさも兼ね備えていた上に、膨化菓子にカリッとした固い食感を付与することが可能であり、糖の溶解度が高いために製造時の糖質溶液の取り扱いが容易であることから、被含浸食材の製造に特に好ましいことが示された。
上記処理後の被含浸食材のうち、スクロースを用いて表面を被覆加工したもの約3〜3.5kgをビニール袋に入れて封じた後、箱に封入した。上記箱を東京−大阪間の宅配便で移送した後に開封したところ、被含浸食材の割れまたは欠けはビニール袋内で0〜2個程度であった。移送前後で、全体重量中に占める微粉の重量増加は最大で0.7%と低いものであった。
実施例4 被含浸食材に対する油脂性菓子生地の含浸条件の検討(1)
実施例3で得られた、スクロースを用いて表面を被覆加工した膨化菓子(被含浸食材)に対して、油脂性菓子生地(チョコレート生地)を含浸させる製造条件について検討した。
試験例1と同様にして、チョコレート生地が含浸した膨化食品を得た。ただし、含浸製造方法は、試験例1の方法(条件1)に加えて以下の条件(条件2)でも実施した。被含浸食材をバスケットに投入して密閉容器内に入れ、0.008MPaになるまで減圧し、減圧状態を維持したまま上記バスケットを35℃に保持したチョコレート生地中に埋没させた。埋没後、徐々に圧力を開放して大気圧に戻した。バスケットをチョコレート生地中に埋没させた状態で、密閉容器の空間に圧縮空気を送り込むことにより0.3MPaまで加圧して、0〜20秒維持した。徐々に圧力を開放して大気圧に戻した後、バスケットをチョコレート生地から取り出した。上記処理で得られた被含浸食材を密閉容器から取り出して、表面に付着したチョコレート生地を遠心分離で除去した。これを15℃で冷却固化させて、チョコレート生地が含浸した膨化食品を得た。
上記方法により得られた全ての含浸膨化食品は、チョコレート生地が多孔質の被含浸食材の内部まで浸透していた。食感は、試験例1で得られたものとは異なり、カリッとした固い膨化菓子の食感と、チョコレートが徐々に溶け出してくるような食感の、2つの異なる食感を併せ持つ新奇なものであった。
実施例5 被含浸食材に対する油脂性菓子生地の含浸条件の検討(2)
処理後のチョコレート生地を繰り返し用いて連続製造することを想定して、被含浸食材を粉砕して調製した微粉を混合したチョコレート生地を用いて、実施例4と同様の方法で含浸膨化食品を製造し、評価した。
実施例3で得られたスクロースを用いて表面を被覆加工した膨化菓子(被含浸食材)を粉砕して、微粉(粒度1.5mmパス)とした。試験例1と同様に調製したチョコレート生地に上記微粉を0〜5重量%混合して、実施例4の条件1および条件2にしたがって、チョコレート生地が含浸した膨化食品を製造した。得られた含浸膨化食品を、多孔質断面に対して垂直方向、および、平行方向に切断して、内部を観察して評価した。評価は、中心部までチョコレート生地が含浸している場合は「A」、中心部付近にチョコレートが含浸していない膨化菓子のみの部分がある場合は「B」、表面部のみにチョコレートが付着している場合は「C」とした。結果を表5に示した。また、条件2の微粉混合量0重量%(内部評価「A」)の切断断面を図5に、条件1の微粉混合量5重量%(内部評価「B」)の切断断面を図6に示した。
表5より、チョコレート生地中の微粉混合量が0重量%の場合は、いずれの製造条件においてもチョコレート生地は被含浸食材の中心部まで含浸していた(図5)。減圧処理のみ(条件1)でチョコレート生地を含浸させて得られた含浸膨化食品は、微粉混合量の増加にしたがって、膨化菓子の内部までチョコレート生地が含浸し難いことが示された(図6)。一方、減圧後に加圧処理(条件2)することにより得られた含浸膨化食品は、微粉混合量が5重量%まで増加した場合でも、膨化菓子の内部までチョコレートが含浸した良好な品質の含浸膨化食品が得られることが示された。
実施例6 被含浸食材に対する油脂性菓子生地の含浸条件の検討(3)
実施例3で得られた、スクロースを用いて表面を被覆加工した膨化菓子(被含浸食材)に対して、油脂性菓子生地(チョコレート生地)を含浸させる製造条件についてさらに検討した。チョコレート生地は試験例1で調製したものを用いた。
含浸製造方法は、以下の条件(条件3)で実施した。被含浸食材をバスケットに投入して密閉容器内に入れ、6kPaになるまで減圧し、減圧状態を維持したまま上記バスケットを32〜33℃に保持したチョコレート生地中に埋没させた。埋没後、徐々に圧力を開放して大気圧に戻した。バスケットをチョコレート生地中に埋没させた状態を維持したまま、再度6kPaになるまで減圧した。徐々に圧力を開放して大気圧に戻した後、バスケットをチョコレート生地から取り出した。上記処理で得られた食材を密閉容器から取り出して、表面に付着しているチョコレート生地を遠心分離で除去した。これを15℃で冷却固化させて、チョコレート生地が含浸した膨化食品を得た。
上記方法により得られた含浸膨化食品は、チョコレート生地が多孔質の被含浸食材の内部まで浸透していた。食感は、カリッとした固い膨化菓子の食感と、チョコレートが徐々に溶け出してくるような食感の、2つの異なる食感を併せ持つ新奇なものであった。

Claims (15)

  1. 糖質層で表面が被覆加工された膨化菓子からなる被含浸食材に対して、油脂性菓子生地が含浸した、含浸膨化食品。
  2. 含浸膨化食品中の油脂性菓子生地の含有量が56〜70重量%である、請求項1に記載の含浸膨化食品。
  3. 膨化菓子の多孔質断面間の厚さが15〜25mmである、請求項1または2に記載の含浸膨化食品。
  4. 膨化菓子が食用油脂2.4〜6.0重量%、および、乳化剤0.4〜0.6重量%を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の含浸膨化食品。
  5. 乳化剤がHLB4.0〜5.0の高級脂肪酸モノグリセリドおよび/またはHLB10〜12の蔗糖脂肪酸エステルである、請求項4に記載の含浸膨化食品。
  6. 食用油脂がパーム油、パーム核油、ショートニングまたはこれらの混合物である、請求項4または請求項5に記載の含浸膨化食品。
  7. 糖質層がスクロース、マルトース、ラクトースまたはこれらの混合物を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の含浸膨化食品。
  8. 油脂性菓子生地の粘度が、34℃において3000〜15000センチポイズである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の含浸膨化食品。
  9. 油脂性菓子生地がチョコレートである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の含浸膨化食品。
  10. 以下の(a)〜(c)の工程を含有する、含浸膨化食品の製造方法、
    (a)小麦粉を40〜80重量%、食用油脂を2.4〜6.0重量%、および乳化剤を0.4〜0.6重量%含有する原料をエクストルーダーで吐出して膨化菓子を得る工程、
    (b)前記膨化菓子にスクロース、マルトース、ラクトースのいずれか一つ以上を含む水溶液を噴霧した後乾燥させることにより被含浸食材を得る工程、次いで、
    (c)前記被含浸食材に油脂性菓子生地を含浸する工程。
  11. 前記水溶液が、スクロース60〜80重量%水溶液、マルトース40〜60重量%水溶液またはラクトース40〜60重量%水溶液である、請求項10に記載の製造方法。
  12. (c)工程が、
    (c1)密閉容器内で被含浸食材を減圧条件下におき、減圧状態を維持しながら油脂性菓子生地で被覆した後に大気圧に戻す工程、
    を含む、請求項10または11に記載の製造方法。
  13. (c)工程が、
    (c1)密閉容器内で被含浸食材を減圧条件下におき、減圧状態を維持しながら油脂性菓子生地で被覆した後、大気圧に戻す工程、次いで、
    (c2)密閉容器内で被含浸食材を油脂性菓子生地で被覆した状態を維持しながら加圧条件下においた後、大気圧に戻す工程、
    を含む、請求項10〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
  14. (c)工程が、
    (c1)密閉容器内で被含浸食材を減圧条件下におき、減圧状態を維持しながら油脂性菓子生地で被覆した後、大気圧に戻す工程、次いで、
    (c3)密閉容器内で被含浸食材を油脂性菓子生地で被覆した状態を維持しながら再度減圧条件下においた後、大気圧に戻す工程、
    を含む、請求項10〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
  15. 請求項10〜14のいずれか1項に記載の方法により得られる、含浸膨化食品。
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