JPWO2012160592A1 - ヒンジ機構および車載用ディスプレイ装置 - Google Patents

ヒンジ機構および車載用ディスプレイ装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2012160592A1
JPWO2012160592A1 JP2013516068A JP2013516068A JPWO2012160592A1 JP WO2012160592 A1 JPWO2012160592 A1 JP WO2012160592A1 JP 2013516068 A JP2013516068 A JP 2013516068A JP 2013516068 A JP2013516068 A JP 2013516068A JP WO2012160592 A1 JPWO2012160592 A1 JP WO2012160592A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
display
bracket
click
angle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013516068A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5507008B2 (ja
Inventor
永見 哲郎
哲郎 永見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Application granted granted Critical
Publication of JP5507008B2 publication Critical patent/JP5507008B2/ja
Publication of JPWO2012160592A1 publication Critical patent/JPWO2012160592A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R11/00Arrangements for holding or mounting articles, not otherwise provided for
    • B60R11/02Arrangements for holding or mounting articles, not otherwise provided for for radio sets, television sets, telephones, or the like; Arrangement of controls thereof
    • B60R11/0229Arrangements for holding or mounting articles, not otherwise provided for for radio sets, television sets, telephones, or the like; Arrangement of controls thereof for displays, e.g. cathodic tubes
    • B60R11/0235Arrangements for holding or mounting articles, not otherwise provided for for radio sets, television sets, telephones, or the like; Arrangement of controls thereof for displays, e.g. cathodic tubes of flat type, e.g. LCD
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R11/00Arrangements for holding or mounting articles, not otherwise provided for
    • B60R2011/0001Arrangements for holding or mounting articles, not otherwise provided for characterised by position
    • B60R2011/0003Arrangements for holding or mounting articles, not otherwise provided for characterised by position inside the vehicle
    • B60R2011/0028Ceiling, e.g. roof rails
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R11/00Arrangements for holding or mounting articles, not otherwise provided for
    • B60R2011/0042Arrangements for holding or mounting articles, not otherwise provided for characterised by mounting means
    • B60R2011/008Adjustable or movable supports
    • B60R2011/0082Adjustable or movable supports collapsible, e.g. for storing after use

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Fittings On The Vehicle Exterior For Carrying Loads, And Devices For Holding Or Mounting Articles (AREA)
  • Pivots And Pivotal Connections (AREA)

Abstract

ブラケット30上に当接した抵抗凸部44の摺動抵抗トルクと、テーパ部34に当接したクリック凸部51の徐々に増大する摺動抵抗トルクとにより、自重回動するディスプレイ2の回動速度を徐々に減速させ、摺動凸部41が凸部逃がし穴32の縁に当接してブラケット30上に乗り上がるためのトルクによりディスプレイ2を確実に静止させる。

Description

この発明は、車載天井に設置されるディスプレイを所定角度まで自重回動させるヒンジ機構および車載用ディスプレイ装置に関する。
従来、ディスプレイなどを回動自在に支持するヒンジ機構は、凹凸を設けたブラケットと、ディスプレイと一体に回動してブラケット上を摺動するクリックワッシャとを備え、このクリックワッシャの弾性力により、回動に抵抗するトルクを発生させている。図11(a)は、従来の車両天井に設置されるディスプレイ用のヒンジ機構を構成するブラケット100とクリックワッシャの凸部101の断面の模式図である。図示するように、ディスプレイが収納状態から自重で回動すると、ブラケット100のテーパ部102から土手部103に向かってクリックワッシャの凸部101が摺動していき、クリックワッシャがたわんで凸部101がLだけ変位したときに、ディスプレイが静止する摺動抵抗が得られる。
他方、天井に設置される天吊りタイプのディスプレイ装置として、ディスプレイの自重により、収納位置から所定の自重開き角度までの通過範囲を回動させて垂れ下がった状態にし、その状態から視聴者が手動で使用範囲へ回動させて視聴に適した角度にするものがある。このようなディスプレイ装置に用いるヒンジ機構の一例として特許文献1がある。
上記特許文献1のディスプレイ装置は、左ヒンジ部と右ヒンジ部とで、ブラケットのテーパ部および土手部の形状を変えることにより、左右で異なるトルク特性を設定している。トルク特性は、左ヒンジ部では、ディスプレイが収納位置から回動で垂れ下がる位置までの通過範囲のうちの収納位置に近い角度にて高いトルクTLが生じ、その角度から通過範囲を超えて使用範囲の終端までトルクTLが生じたままとなる。一方、右ヒンジ部では、左ヒンジ部とは異なる位置にテーパ部と土手部が設けられており、収納位置に近い角度であってトルクTLが生じるより手前の角度からトルクが生じて徐々に大きくなり、使用範囲に入るときに所定のトルクTRに達する。そして、使用範囲では終端まで一定のトルクTRが生じたままとなる。
従って、ヒンジ全体としてみると、通過範囲では、初期段階からある程度の大きさのトルクが生じ、かつ、トルクが徐々に大きくなり、通過範囲の終わりでは、ディスプレイを視聴姿勢に保持するために必要なトルク(TL+TR)が生じる。
特許第4559816号公報
従来のヒンジ機構は以上のように構成されているので、各部品のばらつきおよび組立ばらつきが生じた場合には、図11(b)に示すようにクリックワッシャの凸部101とブラケット100との位置関係がずれ、凸部101がテーパ部102を超え土手部103に達してもL1(L1<L)しか変位しない。よって、ディスプレイが静止するために必要な摺動抵抗が得られず、静止位置がずれてしまう。このように、ばらつきにより、ディスプレイが自重で開く角度のばらつきが大きくなるという課題があり、品位が損なわれてしまう。
また、繰り返し使用時の金属磨耗によってもトルクが変化するので、自重により開く角度が安定しないという課題もあった。
これに加えて、上記特許文献1の場合は、左ヒンジ部にて常に高いトルクTLを生じているため、このトルクTLの設定によってはディスプレイが自重回動しないことがある。また、右ヒンジ部のトルクTRの設定により、視聴者が意図しない角度までディスプレイが自重回動してしまうことがある。さらに、左右で異なるトルク特性が設定されているので、ディスプレイの回動時にねじれが生じ、品位が損なわれていた。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ディスプレイが自重で開く角度のばらつきを抑制することを目的とする。
この発明のヒンジ機構は、回動部材の自重回動に抵抗するトルクを生じる第1のトルク発生部および第2のトルク発生部を備え、第1のトルク発生部は、回動部材が固定部材に保持された初期角度から自重開き角度までの間の所定角度で第1トルクを生じ、自重開き角度で当該第1トルクより大きい第2トルクを生じ、第2のトルク発生部は、回動部材が自重開き角度に近づくにつれ徐々に増大する第3トルクを生じるようにしたものである。
また、この発明の車載用ディスプレイ装置は、上述のヒンジ機構を用いて、車両の天井に固定された筐体にディスプレイを連結し、ディスプレイが筐体内に収納された状態の初期角度から所定の自重開き角度まで、ディスプレイを自重で回動させるようにしたものである。
この発明によれば、第1のトルク発生部で生じる第1トルクと第2のトルク発生部で生じる第3トルクとにより、自重で回動するディスプレイを十分に減速させた後、第1のトルク発生部で第2トルクを生じて確実に静止させることにより、ディスプレイが自重で開く角度のばらつきを抑制することができる。
この発明の実施の形態1に係るヒンジ機構を用いた天吊り式の車載用ディスプレイ装置の構成を示す斜視図であり、収納状態を示す。 実施の形態1に係るヒンジ機構を用いた天吊り式の車載用ディスプレイ装置の構成を示す斜視図であり、自重開き状態を示す。 実施の形態1に係るヒンジ機構を用いた天吊り式の車載用ディスプレイ装置の構成を示す斜視図であり、視聴状態を示す。 実施の形態1に係るヒンジ機構の構成を示す斜視図である。 実施の形態1に係るヒンジ機構の構成を示す分解斜視図である。 実施の形態1に係るヒンジ機構のクリックプレートとディスプレイの動作を示す図である。 実施の形態1に係るヒンジ機構の摺動プレートとディスプレイの動作を示す図である。 実施の形態1に係るヒンジ機構を、図6(a)に示すAA線およびBB線に沿って切断した断面図である。 実施の形態1においてディスプレイの回動に伴って発生するトルクを示すグラフである。 実施の形態1に係るヒンジ機構の変形例を示す図である。 従来のヒンジ機構を構成するブラケットとクリックワッシャの断面の模式図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
実施の形態1に係るヒンジ機構を、車両天井に設置された筐体(固定部材)からディスプレイ(回動部材)を回動させて出し入れするために用いる場合を例にして説明する。図1に示す天吊り式の車載用ディスプレイ装置1は、車両の天井に固定された筐体4にディスプレイ2が収納された状態である。同一構造の2つのヒンジ機構10は、ディスプレイ2の片側の両端に取り付けられ、ディスプレイ2を筐体4に対して回動自在に支持している。
図2は、ディスプレイ2が自重で回動し自重開き角度で静止した状態、図3は、ディスプレイ2が視聴者に視聴可能な角度で保持された状態を示す。車載用ディスプレイ装置1のディスプレイ2を、図1に示す収納状態から図3に示す視聴状態にするためには、筐体4に設けられた解除ボタン3を視聴者が押すことで、解除ボタン3に連動してロック部材5が回動してディスプレイ2の保持凹部6との係合が外れ、ディスプレイ2が2箇所のヒンジ機構10を軸として自重回動する。その後、視聴者がディスプレイ2の先端側を手で押すことにより、図3に示すようにディスプレイ画面7が視聴者側を向いて視聴しやすい位置までディスプレイ2を回動させ、映像を視聴する。
次に、ヒンジ機構10を説明する。
図4はヒンジ機構10の斜視図、図5はその分解斜視図であり、共にディスプレイ2の収納状態である。ヒンジ機構10は、ディスプレイ2の回動中心軸となるシャフト20と、シャフト20に取り付けられて回動する摺動プレート(第1のトルク発生部)40、クリックプレート(第2のトルク発生部)50および平座金60と、筐体4に固定されるブラケット30とから構成される。なお、以下の説明では、回動中心軸に沿ってディスプレイ2の中央に近い側を内側、ディスプレイ2の中央から遠い側を外側という。
シャフト20の一端側には、ブラケット30に開口した回転軸穴31の穴径よりも大きな径のフランジ部21と、その先端側に回転軸穴31の穴径よりも若干小さい直径で、かつ側面にシャフト溝23を施した中径部22と、更にその先端側に中径部22より小径で、かつ側面に平面カットを2面施した小径部24とが設けられている。なお、中径部22の軸方向の長さは、ブラケット30の板厚と摺動プレート40の板厚とを合わせた厚みよりも若干長くし、小径部24の軸方向の長さは、クリックプレート50の板厚と平座金60の板厚を合わせた厚みよりも長くしている。
また、シャフト20の他端側にはディスプレイ2が固定されている。
シャフト20の中径部22には、内側に摺動プレート40、外側にブラケット30が挿入され、小径部24には、内側にクリックプレート50、外側に平座金60が挿入されている。
この摺動プレート40のプレート軸穴43は、中径部22の径よりも若干大きい径の円弧と、シャフト溝23の径方向の深さよりも若干小さめで、かつシャフト溝23の周方向の幅よりも小さい幅の突出部42とから構成されており、突出部42とシャフト溝23とが遊びを持って係合しているので、シャフト20に対して摺動プレート40が一定の角度だけ回動可能となっている。また、摺動プレート40は金属弾性体とし、その外周部分にはブラケット30上を摺動してトルクを生じるための摺動凸部(第2の凸形状)41と、抵抗凸部(第1の凸形状)44とが設けられている。なお、プレート軸穴43を中心にした一方側に摺動凸部41、反対側に抵抗凸部44が設けられている。
また、ブラケット30は図示しないねじにより筐体4に締結されており、回転軸穴31に挿入されたシャフト20を回動自在に支持している。そのため、ディスプレイ2は筐体4に対し回動自在となっている。また、ブラケット30には、シャフト20を中心とした円周上であってクリックプレート50のクリック凸部(第3の凸形状)51が摺動する経路上に、収納凹部(第2の凹形状)33とテーパ部34とクリック凹部35a,35bとが設けられており、また、回転中心軸を中心とした円周上であって摺動プレート40の摺動凸部41が摺動する経路上に、凸部逃がし穴(第1の凹形状)32が設けられている。これらの凹凸形状の詳細は後述する。
クリックプレート50のシャフト挿入穴52は、小径部24の断面よりも若干大きい面積の穴にし、クリックプレート50とシャフト20とが一体に回動するようにする。また、クリックプレート50は金属弾性体とし、その先端には、ブラケット30上を摺動してトルクを生じると共にクリック凹部35a,35bに係合することによりクリック作用を生じるためのクリック凸部51が設けられている。
平座金60は、小径部24の断面よりも若干大きい面積のかしめ穴61が設けられており、シャフト20の先端と平座金60とがかしめ固着されることで平座金60とシャフト20とは一体に回動することになる。また、この平座金60とシャフト20のフランジ部21とで、摺動プレート40、ブラケット30およびクリックプレート50を保持する。
なお、金属弾性体であるクリックプレート50をシャフト20にかしめると、クリックプレート50がたわんだときにかしめた部分に応力が集中して緩みが生じることがあるので、本実施の形態1では金属製の平座金60をシャフト20にかしめるようにしてかしめた部分に応力が集中しない構成にしている。また、クリックプレート50がたわんだときに平座金60が押さえとなるので、クリックプレート50のばね定数が大きくなり高荷重を得ることができる。ただし、ヒンジ機構10の構成によってはこの平座金60を省略して、クリックプレート50をシャフト20の先端にかしめ固着するようにしてもよい。
次に、ヒンジ機構10の凹凸形状の詳細を説明する。
凸部逃がし穴32は、ディスプレイ2が収納角度(図1)から自重開き角度(図2)までを回動する間、摺動プレート40の摺動凸部41が入り込むための穴である。
収納凹部33は、ディスプレイ2が収納角度にあるとき、クリックプレート50のクリック凸部51が入り込むための凹みである。この収納凹部33の、クリックプレート50の回動方向には、クリック凸部51が当接するためのテーパ部34が設けられている。これら凹凸形状の位置関係として、摺動プレート40の摺動凸部41が凸部逃がし穴32に入り込んでその縁部に当接するまでの間に、クリックプレート50のクリック凸部51が収納凹部33を通過してテーパ部34に当接し、さらに摺動凸部41が凸部逃がし穴32の縁部に当接した時点ではクリック凸部51がテーパ部34の頂点を若干乗り越えた位置になるようにしている。また、摺動プレート40の抵抗凸部44は常にブラケット30の面上を摺動するように当接している。
また、クリック凹部35a,35bは、ディスプレイ2が視聴位置(図3)にあるときに、クリックプレート50のクリック凸部51が入り込んでディスプレイ2の姿勢を保持するための凹みである。クリック凹部35a,35bを設ける位置は、視聴者がディスプレイ2を視聴しやすい角度であればよく、視聴者によって視聴しやすい角度が異なるため、複数箇所に設けてもよい。本実施の形態1では、ディスプレイ2の収納角度を0°とし、100°および120°の各角度でディスプレイ2を開いて保持できるように2箇所のクリック凹部35a,35bが設けられている。
図示例では、クリック凸部51とクリック凹部35a,35bとの嵌合によるディスプレイ2の保持力を高めるために、クリック凹部35a,35bの周りを一段高くして土手部にしている。
さらに、摺動プレート40とクリックプレート50は、ブラケット30を両側から挟み込む位置に配置されてそれぞれの面上を摺動するようにしている。これにより、摺動プレート40およびクリックプレート50の押し付け力によりブラケット30が変形することを防止して、ブラケット30との間に生じる力の逃げを無くし、安定したトルクを発生させることができる。
次に、ヒンジ機構10の動作を説明する。
図6は、ヒンジ機構10のクリックプレート50とディスプレイ2の動作を示す図である。図6において平座金60は図示を省略する。図7は、ヒンジ機構10の摺動プレート40とディスプレイ2の動作を示す図である。図7においてクリックプレート50および平座金60は図示を省略する。図8は、ヒンジ機構10を図6(a)に示すAA線およびBB線に沿って切断した断面図である。
なお、図6〜図8の(a)〜(c)は各々同じディスプレイ位置に対応しており、図6(a)、図7(a)および図8(a)はディスプレイ2が筐体4内に収納された収納状態、図6(b)、図7(b)および図8(b)はディスプレイ2が収納状態から自重により回動している途中の状態、図6(c)、図7(c)および図8(c)はディスプレイ2が自重回動して静止した自重開き状態、図6(d)および図7(d)はディスプレイ2が自重開き状態からさらに回動した視聴状態を示す。
また、図9は、ディスプレイ2の回動角度に応じて生じるトルクのグラフであり、図9(a)はクリックプレート50により発生する摺動抵抗トルク値、図9(b)は摺動プレート40により発生する摺動抵抗トルク値である。
車内の天井に取り付けられた車載用ディスプレイ装置1のディスプレイ2が、図1に示す収納状態にある場合、図6(a)および図8(a)に示すように、クリックプレート50のクリック凸部51はブラケット30の収納凹部33に入り込んだ状態であり、クリック凸部51はブラケット30に当接していない。そして、ディスプレイ2が開方向にθ3°回動すると、クリック凸部51がテーパ部34に当接する。そのため、収納角度0°からθ3°までの間は、クリックプレート50はたわまず、トルクも発生しない。
また、図7(a)および図8(a)に示すように、摺動プレート40の摺動凸部41はブラケット30の凸部逃がし穴32に入り込んだ状態でディスプレイ2の収納方向の縁部36に寄せられており、ディスプレイ2が開方向にθ2°回動するまで摺動凸部41がもう一方の縁部37に当接しない位置にある。また、摺動プレート40の突出部42はシャフト20のシャフト溝23の一方の溝壁26に寄せられており、ディスプレイ2が開方向にθ1°回動するまで突出部42がもう一方の溝壁25に当接しない位置にある。更に、摺動プレート40の抵抗凸部44はブラケット30の面に圧接した状態であるため、摺動プレート40は振動等により回動することもない。
ディスプレイ2を収納状態から視聴状態にするために、視聴者が筐体4上の解除ボタン3を押すと、ディスプレイ2を保持していたロック部材5が保持凹部6から外れ、ディスプレイ2が自重により開方向へ回動し始める。
このとき、ヒンジ機構10では、ディスプレイ2に固定されたシャフト20と、このシャフト20に固定されたクリックプレート50とが同期して回動し始める。一方、摺動プレート40はθ1°の回動裕度があり、かつ、抵抗凸部44がブラケット30に押し付けられて摺動抵抗が生じているので、摺動プレート40はシャフト20に同期しない。
この状態では、図9の通り、ディスプレイ2がθ1°回動するまでヒンジ機構10にトルクが発生しないので、ディスプレイ2は自重により回動し始める。このとき、回動速度は重力により加速していく。
その後、ディスプレイ2の回動角度がθ1°になると、図7(b)に示すようにシャフト20のシャフト溝23の溝壁25が摺動プレート40の突出部42に当接する。このとき、図6(b)および図8(b)に示すように、クリックプレート50はディスプレイ2と同期して回動するが、クリック凸部51はブラケット30のテーパ部34の手前(収納凹部33)にあってまだ当接していない。
なお、図8(b)では、回動角度θ1°のとき、収納凹部33からテーパ部34への切り替え部分にクリック凸部51が位置しているが、クリック凸部51がテーパ部34に当接する手前であればどの位置であってもよい。
ディスプレイ2の回動角度がθ1°を超えると、図7(b)および図7(c)に示すように、シャフト20と摺動プレート40が同期して回動し始める。そして、摺動プレート40の抵抗凸部44がブラケット30上を摺動するので、図9(b)に示すように、θ1°を超えた時点から抵抗凸部44によるトルクT1(第1トルク)が発生する。
このとき、図6(b)に示す通り、クリックプレート50のクリック凸部51はまだブラケット30のテーパ部34に当接していないので、図9に示すように、ディスプレイ2は摺動プレート40の抵抗凸部44により発生するトルクT1の摺動抵抗のみを受け回動する。ただし、トルクT1は、ディスプレイ2の自重により回動する回動トルクTよりも小さいため、ディスプレイ2の自重による回動が止まることはないが、角加速度は小さくなっている。
ディスプレイ2の回動角度がθ1°を超えてθ3°になると、クリックプレート50のクリック凸部51がブラケット30のテーパ部34に当接し、θ3°を超えると、クリック凸部51がテーパ部34を摺動してクリックプレート50がたわみ始める。そのため、図9(a)に示すように、θ3°を超えた時点からクリックプレート50により徐々に増大するトルク(第3トルク)が生じ、最大トルクT3に近づくにつれディスプレイ2の回動速度が減速する。
そして、ディスプレイ2の回動角度がθ1°+θ2°になると、図6(c)、図7(c)および図8(c)に示すように、摺動プレート40の摺動凸部41がブラケット30の凸部逃がし穴32の縁部37に当接することでトルクT2(第2トルク)が生じ、よって、図9(b)に示すように、摺動プレート40に生じるトルクはT1+T2となり、すでに減速が始まっているディスプレイ2の回動が完全に止まり、自重開き状態となる。
なお、ディスプレイ2の回動トルクTは、トルクT3の摺動抵抗のみでは静止できないトルク値とし、トルクT3とトルクT1とを合わせることでディスプレイ2が減速するトルク値となっている。
また、説明では、摺動凸部41が凸部逃がし穴32の縁部37に当接した時点ではクリック凸部51がテーパ部34の頂点を若干乗り越えた位置になるようにして、図9のようにθ1°+θ2°より手前でトルクT3が最大になるようにしたが、これに限定されるものではなく、θ1°+θ2°と同じか、過ぎた後でトルクT3が最大になるようにしてもよい。
その後、自重開き角度で静止した状態のディスプレイ2を、視聴者が手で押し回動させて視聴位置まで開く。この回動に要する力は、摺動プレート40の抵抗凸部44により発生するトルクT1と、摺動プレート40の摺動凸部41をたわませてブラケット30の凸部逃がし穴32の縁部37を抜け出てブラケット30上を摺動させるのに必要なトルクT2と、クリックプレート50を摺動させるために必要なトルクT3とを合わせたトルク以上である。
ディスプレイ2の回動に同期してクリックプレート50がブラケット30上を摺動し、クリック凸部51がクリック凹部35aに嵌り込むと、クリック凸部51とクリック凹部35aとの嵌合によりディスプレイ2が収納角度0°から100°開いた位置で保持される。視聴者がさらにディスプレイ2を回動させると、クリック凸部51がクリック凹部35aから抜け出て隣接するクリック凹部35bに嵌り込み、図6(d)および図7(d)に示すように、クリック凸部51とクリック凹部35bとの嵌合によりディスプレイ2が収納角度0°から120°開いた位置で保持される。
なお、摺動凸部41が凸部逃がし穴32を抜け出てブラケット30を摺動することにより生じるトルクT2は、部品のばらつきおよび組み立てばらつきにより、摺動抵抗が失われる値以上に設定している。これにより、部品のばらつきおよび組立てばらつきによってクリックプレート50に生じるトルクT3が小さくなったとしても、トルクT2によりディスプレイ2は確実に所定の自重開き角度で静止させることができる。
以上より、実施の形態1によれば、ヒンジ機構10は、ディスプレイ2の自重回動に抵抗するトルクを生じる摺動プレート40およびクリックプレート50を備え、摺動プレート40は、所定角度θ1°でトルクT1を生じ、自重開き角度θ1°+θ2°でトルクT1より大きいトルクT2を生じ、クリックプレート50は、ディスプレイ2が所定角度θ3°(>θ1°)を超えた時点から自重開き角度θ1°+θ2°に近づくにつれ徐々に増大してトルクT3になるトルクを生じるように構成にした。このため、摺動プレート40で生じるトルクT1とクリックプレート50で生じるトルクT3とにより、自重で回動するディスプレイ2を十分に減速させた後、摺動プレート40でトルクT2を生じて確実に静止させることができる。よって、ディスプレイ2が自重で開く角度のばらつきを抑制することができ、品位を向上できる。
さらに、摺動プレート40の摺動凸部41をたわませてブラケット30の凸部逃がし穴32から抜け出るために必要なトルクT2は、部品のばらつき、組立ばらつきおよび金属磨耗等により摺動抵抗が失われる値以上に設定するようにしたので、部品のばらつき等によってトルクT3が小さくなったとしても、トルクT2によりディスプレイ2を確実に自重開き角度で静止させることができる。
また、実施の形態1によれば、ヒンジ機構10はディスプレイ2に固定されて回動中心軸となるシャフト20を備え、摺動プレート40は、シャフト20に対して所定角度θ1°回動可能に取り付けられ、収納角度0°から所定角度θ1°まではディスプレイ2の回動に同期せず、所定角度θ1°からはディスプレイ2に同期して回動してトルクT1,T2を生じ、クリックプレート50は、シャフト20に取り付けられてディスプレイ2に同期して回動し、所定角度θ3°を超えると回動角度に応じて増大するトルクT3を生じるように構成した。これにより、摺動プレート40とクリックプレート50とが同一のシャフト20に取り付けられて同期して回動するようになるので、組立ばらつきが少なくなり、結果としてディスプレイ2の自重による開き角度のばらつきも少なくできる。
また、実施の形態1によれば、ヒンジ機構10は、筐体4に固定され、シャフト20を挿通して回動自在に支持するブラケット30を備え、摺動プレート40およびクリックプレート50は、ブラケット30を両側から挟み込む位置に配置され、ブラケット30上を摺動してトルクを生じる弾性部材としたので、摺動プレート40とクリックプレート50の押し付け力はブラケット30を挟むことで相殺され、ブラケット30は変形しづらくなる。よって、ブラケット30の変形による力の逃げを無くし、安定したトルクを発生させることができる。
また、実施の形態1によれば、車載用ディスプレイ装置1は、ディスプレイ2の両端にそれぞれヒンジ機構10を取り付けて筐体4と連結するようにしたので、左右同じトルク特性になり、ディスプレイ2が回動中ねじれにくくなる。よって、回動時の品位を向上できる。
また、実施の形態1によれば、摺動プレート40は、ディスプレイ2に同期して回動しているときブラケット30上を摺動してトルクT1を生じる抵抗凸部44と、抵抗凸部44とは異なる位置に形成され、収納角度0°のときはブラケット30の凸部逃がし穴32に入り込んでトルクを生じず、ディスプレイ2に同期して回動すると凸部逃がし穴32の縁部37に当接してトルクT2を生じる摺動凸部41とを有する構成にした。このため、摺動プレート40は0を含めた複数のトルクを段階的に発生させることができ、トルクの切り替え角度で確実に意図する回動制御が可能となる。
また、実施の形態1によれば、クリックプレート50は、収納角度0°のときはブラケット30の収納凹部33に入り込んでトルクを生じず、ディスプレイ2に同期して回動するとテーパ部34を摺動して徐々に増大するトルクT3を生じるクリック凸部51を有する構成にした。このため、収納角度0°では摺動プレート40だけでなくクリックプレート50にもトルクが生じないので、自重によりディスプレイ2を収納角度0°から確実に回動させ、かつ、自重開き角度θ1°+θ2°に近づくにつれディスプレイ2を緩やかに減速させて、品位を向上できる。
なお、上記実施の形態1では、ディスプレイ2の自重による回動を、ブラケット30のテーパ部34とクリックプレート50のクリック凸部51との摺動抵抗(T3)と、摺動プレート40の摺動抵抗(T1)とにより十分に減速させた後、摺動プレート40の摺動凸部41がブラケット30の凸部逃がし穴32に当接して確実に静止させるようにして、クリックプレート50のクリック凸部51がブラケット30のテーパ部34を乗り越えたときに静止するように構成したが(図9の通りθ1°+θ2°到達付近でトルクT3が最大値になる)、クリック凸部51がテーパ部34を乗り越える前に静止するように構成してもよい(図9とは異なりトルクT3が最大になった後でθ1°+θ2°に到達する)。具体的にはクリックプレート50のばね定数を大きくしたり、テーパ部34を急傾斜にしたりして、クリックプレート50のたわみ量を増やせばよい。これにより、ディスプレイ2が自重開き角度に近づくにつれ回動速度が減速し緩やかに静止させることができ、部品のばらつき等が生じてクリックプレート50の摺動抵抗(T3)だけでディスプレイ2が静止しなかった場合であっても、摺動凸部41が凸部逃がし穴32の縁部37に当接して確実に所定の自重開き角度で静止させることができる。
また、上記実施の形態1では、図7に示すようにシャフト20のシャフト溝23と摺動プレート40の突出部42との間に隙間を形成して、収納角度0°から所定角度θ1°まで摺動プレート40がディスプレイ2の回動に同期しないように構成したが、これに限定されるものではない。図10に、ヒンジ機構10の変形例を示す。
図10(a)はディスプレイ2が筐体4内に収納された収納状態、図10(b)はディスプレイ2が収納状態から自重により回動している途中の状態を示す。なお、クリックプレート50および平座金60は図示を省略する。この例では、シャフト20の中径部22に平面カットを施してストレート部27を形成すると共に、他方の摺動プレート40のプレート軸穴43に中径部22の断面と同形状としながら隙間をもたせたストレート部45を形成している。この構成の場合、簡単な構造で同様の性能が期待できる。
上記以外にも、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
以上のように、この発明に係るヒンジ機構は、回動部材の自重による回動を減速させた上で所定の自重開き角度で静止させるようにしたので、車両天井に設置する点吊タイプの車載用ディスプレイ装置などに用いるのに適している。
1 車載用ディスプレイ装置、2 ディスプレイ(回動部材)、3 解除ボタン、4 筐体(固定部材)、5 ロック部材、6 保持凹部、7 ディスプレイ画面、10 ヒンジ機構、20 シャフト、21 フランジ部、22 中径部、23 シャフト溝、24 小径部、25,26 溝壁、27 ストレート部、30 ブラケット、31 回転軸穴、32 凸部逃がし穴(第1の凹形状)、33 収納凹部(第2の凹形状)、34 テーパ部、35a,35b クリック凹部、36,37 縁部、40 摺動プレート(第1のトルク発生部)、41 摺動凸部(第2の凸形状)、42 突出部、43 プレート軸穴、44 抵抗凸部(第1の凸形状)、45 ストレート部、50 クリックプレート(第2のトルク発生部)、51 クリック凸部(第3の凸形状)、52 シャフト挿入穴、60 平座金、61 かしめ穴。
この発明は、車載天井に設置されるディスプレイを所定角度まで自重回動させるヒンジ機構および車載用ディスプレイ装置に関する。
従来、ディスプレイなどを回動自在に支持するヒンジ機構は、凹凸を設けたブラケットと、ディスプレイと一体に回動してブラケット上を摺動するクリックワッシャとを備え、このクリックワッシャの弾性力により、回動に抵抗するトルクを発生させている。図11(a)は、従来の車両天井に設置されるディスプレイ用のヒンジ機構を構成するブラケット100とクリックワッシャの凸部101の断面の模式図である。図示するように、ディスプレイが収納状態から自重で回動すると、ブラケット100のテーパ部102から土手部103に向かってクリックワッシャの凸部101が摺動していき、クリックワッシャがたわんで凸部101がLだけ変位したときに、ディスプレイが静止する摺動抵抗が得られる。
他方、天井に設置される天吊りタイプのディスプレイ装置として、ディスプレイの自重により、収納位置から所定の自重開き角度までの通過範囲を回動させて垂れ下がった状態にし、その状態から視聴者が手動で使用範囲へ回動させて視聴に適した角度にするものがある。このようなディスプレイ装置に用いるヒンジ機構の一例として特許文献1がある。
上記特許文献1のディスプレイ装置は、左ヒンジ部と右ヒンジ部とで、ブラケットのテーパ部および土手部の形状を変えることにより、左右で異なるトルク特性を設定している。トルク特性は、左ヒンジ部では、ディスプレイが収納位置から回動で垂れ下がる位置までの通過範囲のうちの収納位置に近い角度にて高いトルクTLが生じ、その角度から通過範囲を超えて使用範囲の終端までトルクTLが生じたままとなる。一方、右ヒンジ部では、左ヒンジ部とは異なる位置にテーパ部と土手部が設けられており、収納位置に近い角度であってトルクTLが生じるより手前の角度からトルクが生じて徐々に大きくなり、使用範囲に入るときに所定のトルクTRに達する。そして、使用範囲では終端まで一定のトルクTRが生じたままとなる。
従って、ヒンジ全体としてみると、通過範囲では、初期段階からある程度の大きさのトルクが生じ、かつ、トルクが徐々に大きくなり、通過範囲の終わりでは、ディスプレイを視聴姿勢に保持するために必要なトルク(TL+TR)が生じる。
特許第4559816号公報
従来のヒンジ機構は以上のように構成されているので、各部品のばらつきおよび組立ばらつきが生じた場合には、図11(b)に示すようにクリックワッシャの凸部101とブラケット100との位置関係がずれ、凸部101がテーパ部102を超え土手部103に達してもL1(L1<L)しか変位しない。よって、ディスプレイが静止するために必要な摺動抵抗が得られず、静止位置がずれてしまう。このように、ばらつきにより、ディスプレイが自重で開く角度のばらつきが大きくなるという課題があり、品位が損なわれてしまう。
また、繰り返し使用時の金属磨耗によってもトルクが変化するので、自重により開く角度が安定しないという課題もあった。
これに加えて、上記特許文献1の場合は、左ヒンジ部にて常に高いトルクTLを生じているため、このトルクTLの設定によってはディスプレイが自重回動しないことがある。また、右ヒンジ部のトルクTRの設定により、視聴者が意図しない角度までディスプレイが自重回動してしまうことがある。さらに、左右で異なるトルク特性が設定されているので、ディスプレイの回動時にねじれが生じ、品位が損なわれていた。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ディスプレイが自重で開く角度のばらつきを抑制することを目的とする。
この発明のヒンジ機構は、回動部材に固定され、当該回動部材の回動中心軸となるシャフトと、シャフトに対して初期角度から自重開き角度までの間の第1所定角度回動可能に取り付けられ、初期角度から第1所定角度までは回動部材の回動に同期せず、第1所定角度からは回動部材に同期して回動部材の自重回動に抵抗するトルクを生じる第1のトルク発生部と、シャフトに取り付けられて回動部材に同期して回動し、第1所定角度から自重開き角度までの間の第2所定角度を超えると回動部材の自重回動に抵抗するトルクを生じる第2のトルク発生部を備え、第1のトルク発生部は、第1所定角度で第1トルクを生じ、自重開き角度で当該第1トルクより大きい第2トルクを生じ、第2のトルク発生部は、回動部材が自重開き角度に近づくにつれ回動角度に応じて徐々に増大する第3トルクを生じるようにしたものである。
また、この発明の車載用ディスプレイ装置は、上述のヒンジ機構を用いて、車両の天井に固定された筐体にディスプレイを連結し、ディスプレイが筐体内に収納された状態の初期角度から所定の自重開き角度まで、ディスプレイを自重で回動させるようにしたものである。
この発明によれば、第1のトルク発生部で生じる第1トルクと第2のトルク発生部で生じる第3トルクとにより、自重で回動するディスプレイを十分に減速させた後、第1のトルク発生部で第2トルクを生じて確実に静止させることにより、ディスプレイが自重で開く角度のばらつきを抑制することができる。
この発明の実施の形態1に係るヒンジ機構を用いた天吊り式の車載用ディスプレイ装置の構成を示す斜視図であり、収納状態を示す。 実施の形態1に係るヒンジ機構を用いた天吊り式の車載用ディスプレイ装置の構成を示す斜視図であり、自重開き状態を示す。 実施の形態1に係るヒンジ機構を用いた天吊り式の車載用ディスプレイ装置の構成を示す斜視図であり、視聴状態を示す。 実施の形態1に係るヒンジ機構の構成を示す斜視図である。 実施の形態1に係るヒンジ機構の構成を示す分解斜視図である。 実施の形態1に係るヒンジ機構のクリックプレートとディスプレイの動作を示す図である。 実施の形態1に係るヒンジ機構の摺動プレートとディスプレイの動作を示す図である。 実施の形態1に係るヒンジ機構を、図6(a)に示すAA線およびBB線に沿って切断した断面図である。 実施の形態1においてディスプレイの回動に伴って発生するトルクを示すグラフである。 実施の形態1に係るヒンジ機構の変形例を示す図である。 従来のヒンジ機構を構成するブラケットとクリックワッシャの断面の模式図である。
以下、この発明をより詳細に説明するために、この発明を実施するための形態について、添付の図面に従って説明する。
実施の形態1.
実施の形態1に係るヒンジ機構を、車両天井に設置された筐体(固定部材)からディスプレイ(回動部材)を回動させて出し入れするために用いる場合を例にして説明する。図1に示す天吊り式の車載用ディスプレイ装置1は、車両の天井に固定された筐体4にディスプレイ2が収納された状態である。同一構造の2つのヒンジ機構10は、ディスプレイ2の片側の両端に取り付けられ、ディスプレイ2を筐体4に対して回動自在に支持している。
図2は、ディスプレイ2が自重で回動し自重開き角度で静止した状態、図3は、ディスプレイ2が視聴者に視聴可能な角度で保持された状態を示す。車載用ディスプレイ装置1のディスプレイ2を、図1に示す収納状態から図3に示す視聴状態にするためには、筐体4に設けられた解除ボタン3を視聴者が押すことで、解除ボタン3に連動してロック部材5が回動してディスプレイ2の保持凹部6との係合が外れ、ディスプレイ2が2箇所のヒンジ機構10を軸として自重回動する。その後、視聴者がディスプレイ2の先端側を手で押すことにより、図3に示すようにディスプレイ画面7が視聴者側を向いて視聴しやすい位置までディスプレイ2を回動させ、映像を視聴する。
次に、ヒンジ機構10を説明する。
図4はヒンジ機構10の斜視図、図5はその分解斜視図であり、共にディスプレイ2の収納状態である。ヒンジ機構10は、ディスプレイ2の回動中心軸となるシャフト20と、シャフト20に取り付けられて回動する摺動プレート(第1のトルク発生部)40、クリックプレート(第2のトルク発生部)50および平座金60と、筐体4に固定されるブラケット30とから構成される。なお、以下の説明では、回動中心軸に沿ってディスプレイ2の中央に近い側を内側、ディスプレイ2の中央から遠い側を外側という。
シャフト20の一端側には、ブラケット30に開口した回転軸穴31の穴径よりも大きな径のフランジ部21と、その先端側に回転軸穴31の穴径よりも若干小さい直径で、かつ側面にシャフト溝23を施した中径部22と、更にその先端側に中径部22より小径で、かつ側面に平面カットを2面施した小径部24とが設けられている。なお、中径部22の軸方向の長さは、ブラケット30の板厚と摺動プレート40の板厚とを合わせた厚みよりも若干長くし、小径部24の軸方向の長さは、クリックプレート50の板厚と平座金60の板厚を合わせた厚みよりも長くしている。
また、シャフト20の他端側にはディスプレイ2が固定されている。
シャフト20の中径部22には、内側に摺動プレート40、外側にブラケット30が挿入され、小径部24には、内側にクリックプレート50、外側に平座金60が挿入されている。
この摺動プレート40のプレート軸穴43は、中径部22の径よりも若干大きい径の円弧と、シャフト溝23の径方向の深さよりも若干小さめで、かつシャフト溝23の周方向の幅よりも小さい幅の突出部42とから構成されており、突出部42とシャフト溝23とが遊びを持って係合しているので、シャフト20に対して摺動プレート40が一定の角度だけ回動可能となっている。また、摺動プレート40は金属弾性体とし、その外周部分にはブラケット30上を摺動してトルクを生じるための摺動凸部(第2の凸形状)41と、抵抗凸部(第1の凸形状)44とが設けられている。なお、プレート軸穴43を中心にした一方側に摺動凸部41、反対側に抵抗凸部44が設けられている。
また、ブラケット30は図示しないねじにより筐体4に締結されており、回転軸穴31に挿入されたシャフト20を回動自在に支持している。そのため、ディスプレイ2は筐体4に対し回動自在となっている。また、ブラケット30には、シャフト20を中心とした円周上であってクリックプレート50のクリック凸部(第3の凸形状)51が摺動する経路上に、収納凹部(第2の凹形状)33とテーパ部34とクリック凹部35a,35bとが設けられており、また、回転中心軸を中心とした円周上であって摺動プレート40の摺動凸部41が摺動する経路上に、凸部逃がし穴(第1の凹形状)32が設けられている。これらの凹凸形状の詳細は後述する。
クリックプレート50のシャフト挿入穴52は、小径部24の断面よりも若干大きい面積の穴にし、クリックプレート50とシャフト20とが一体に回動するようにする。また、クリックプレート50は金属弾性体とし、その先端には、ブラケット30上を摺動してトルクを生じると共にクリック凹部35a,35bに係合することによりクリック作用を生じるためのクリック凸部51が設けられている。
平座金60は、小径部24の断面よりも若干大きい面積のかしめ穴61が設けられており、シャフト20の先端と平座金60とがかしめ固着されることで平座金60とシャフト20とは一体に回動することになる。また、この平座金60とシャフト20のフランジ部21とで、摺動プレート40、ブラケット30およびクリックプレート50を保持する。
なお、金属弾性体であるクリックプレート50をシャフト20にかしめると、クリックプレート50がたわんだときにかしめた部分に応力が集中して緩みが生じることがあるので、本実施の形態1では金属製の平座金60をシャフト20にかしめるようにしてかしめた部分に応力が集中しない構成にしている。また、クリックプレート50がたわんだときに平座金60が押さえとなるので、クリックプレート50のばね定数が大きくなり高荷重を得ることができる。ただし、ヒンジ機構10の構成によってはこの平座金60を省略して、クリックプレート50をシャフト20の先端にかしめ固着するようにしてもよい。
次に、ヒンジ機構10の凹凸形状の詳細を説明する。
凸部逃がし穴32は、ディスプレイ2が収納角度(図1)から自重開き角度(図2)までを回動する間、摺動プレート40の摺動凸部41が入り込むための穴である。
収納凹部33は、ディスプレイ2が収納角度にあるとき、クリックプレート50のクリック凸部51が入り込むための凹みである。この収納凹部33の、クリックプレート50の回動方向には、クリック凸部51が当接するためのテーパ部34が設けられている。これら凹凸形状の位置関係として、摺動プレート40の摺動凸部41が凸部逃がし穴32に入り込んでその縁部に当接するまでの間に、クリックプレート50のクリック凸部51が収納凹部33を通過してテーパ部34に当接し、さらに摺動凸部41が凸部逃がし穴32の縁部に当接した時点ではクリック凸部51がテーパ部34の頂点を若干乗り越えた位置になるようにしている。また、摺動プレート40の抵抗凸部44は常にブラケット30の面上を摺動するように当接している。
また、クリック凹部35a,35bは、ディスプレイ2が視聴位置(図3)にあるときに、クリックプレート50のクリック凸部51が入り込んでディスプレイ2の姿勢を保持するための凹みである。クリック凹部35a,35bを設ける位置は、視聴者がディスプレイ2を視聴しやすい角度であればよく、視聴者によって視聴しやすい角度が異なるため、複数箇所に設けてもよい。本実施の形態1では、ディスプレイ2の収納角度を0°とし、100°および120°の各角度でディスプレイ2を開いて保持できるように2箇所のクリック凹部35a,35bが設けられている。
図示例では、クリック凸部51とクリック凹部35a,35bとの嵌合によるディスプレイ2の保持力を高めるために、クリック凹部35a,35bの周りを一段高くして土手部にしている。
さらに、摺動プレート40とクリックプレート50は、ブラケット30を両側から挟み込む位置に配置されてそれぞれの面上を摺動するようにしている。これにより、摺動プレート40およびクリックプレート50の押し付け力によりブラケット30が変形することを防止して、ブラケット30との間に生じる力の逃げを無くし、安定したトルクを発生させることができる。
次に、ヒンジ機構10の動作を説明する。
図6は、ヒンジ機構10のクリックプレート50とディスプレイ2の動作を示す図である。図6において平座金60は図示を省略する。図7は、ヒンジ機構10の摺動プレート40とディスプレイ2の動作を示す図である。図7においてクリックプレート50および平座金60は図示を省略する。図8は、ヒンジ機構10を図6(a)に示すAA線およびBB線に沿って切断した断面図である。
なお、図6〜図8の(a)〜(c)は各々同じディスプレイ位置に対応しており、図6(a)、図7(a)および図8(a)はディスプレイ2が筐体4内に収納された収納状態、図6(b)、図7(b)および図8(b)はディスプレイ2が収納状態から自重により回動している途中の状態、図6(c)、図7(c)および図8(c)はディスプレイ2が自重回動して静止した自重開き状態、図6(d)および図7(d)はディスプレイ2が自重開き状態からさらに回動した視聴状態を示す。
また、図9は、ディスプレイ2の回動角度に応じて生じるトルクのグラフであり、図9(a)はクリックプレート50により発生する摺動抵抗トルク値、図9(b)は摺動プレート40により発生する摺動抵抗トルク値である。
車内の天井に取り付けられた車載用ディスプレイ装置1のディスプレイ2が、図1に示す収納状態にある場合、図6(a)および図8(a)に示すように、クリックプレート50のクリック凸部51はブラケット30の収納凹部33に入り込んだ状態であり、クリック凸部51はブラケット30に当接していない。そして、ディスプレイ2が開方向にθ3°(第2所定角度)回動すると、クリック凸部51がテーパ部34に当接する。そのため、収納角度0°からθ3°までの間は、クリックプレート50はたわまず、トルクも発生しない。
また、図7(a)および図8(a)に示すように、摺動プレート40の摺動凸部41はブラケット30の凸部逃がし穴32に入り込んだ状態でディスプレイ2の収納方向の縁部36に寄せられており、ディスプレイ2が開方向にθ2°回動するまで摺動凸部41がもう一方の縁部37に当接しない位置にある。また、摺動プレート40の突出部42はシャフト20のシャフト溝23の一方の溝壁26に寄せられており、ディスプレイ2が開方向にθ1°(第1所定角度)回動するまで突出部42がもう一方の溝壁25に当接しない位置にある。更に、摺動プレート40の抵抗凸部44はブラケット30の面に圧接した状態であるため、摺動プレート40は振動等により回動することもない。
ディスプレイ2を収納状態から視聴状態にするために、視聴者が筐体4上の解除ボタン3を押すと、ディスプレイ2を保持していたロック部材5が保持凹部6から外れ、ディスプレイ2が自重により開方向へ回動し始める。
このとき、ヒンジ機構10では、ディスプレイ2に固定されたシャフト20と、このシャフト20に固定されたクリックプレート50とが同期して回動し始める。一方、摺動プレート40はθ1°の回動裕度があり、かつ、抵抗凸部44がブラケット30に押し付けられて摺動抵抗が生じているので、摺動プレート40はシャフト20に同期しない。
この状態では、図9の通り、ディスプレイ2がθ1°回動するまでヒンジ機構10にトルクが発生しないので、ディスプレイ2は自重により回動し始める。このとき、回動速度は重力により加速していく。
その後、ディスプレイ2の回動角度がθ1°になると、図7(b)に示すようにシャフト20のシャフト溝23の溝壁25が摺動プレート40の突出部42に当接する。このとき、図6(b)および図8(b)に示すように、クリックプレート50はディスプレイ2と同期して回動するが、クリック凸部51はブラケット30のテーパ部34の手前(収納凹部33)にあってまだ当接していない。
なお、図8(b)では、回動角度θ1°のとき、収納凹部33からテーパ部34への切り替え部分にクリック凸部51が位置しているが、クリック凸部51がテーパ部34に当接する手前であればどの位置であってもよい。
ディスプレイ2の回動角度がθ1°を超えると、図7(b)および図7(c)に示すように、シャフト20と摺動プレート40が同期して回動し始める。そして、摺動プレート40の抵抗凸部44がブラケット30上を摺動するので、図9(b)に示すように、θ1°を超えた時点から抵抗凸部44によるトルクT1(第1トルク)が発生する。
このとき、図6(b)に示す通り、クリックプレート50のクリック凸部51はまだブラケット30のテーパ部34に当接していないので、図9に示すように、ディスプレイ2は摺動プレート40の抵抗凸部44により発生するトルクT1の摺動抵抗のみを受け回動する。ただし、トルクT1は、ディスプレイ2の自重により回動する回動トルクTよりも小さいため、ディスプレイ2の自重による回動が止まることはないが、角加速度は小さくなっている。
ディスプレイ2の回動角度がθ1°を超えてθ3°になると、クリックプレート50のクリック凸部51がブラケット30のテーパ部34に当接し、θ3°を超えると、クリック凸部51がテーパ部34を摺動してクリックプレート50がたわみ始める。そのため、図9(a)に示すように、θ3°を超えた時点からクリックプレート50により徐々に増大するトルク(第3トルク)が生じ、最大トルクT3に近づくにつれディスプレイ2の回動速度が減速する。
そして、ディスプレイ2の回動角度がθ1°+θ2°になると、図6(c)、図7(c)および図8(c)に示すように、摺動プレート40の摺動凸部41がブラケット30の凸部逃がし穴32の縁部37に当接することでトルクT2(第2トルク)が生じ、よって、図9(b)に示すように、摺動プレート40に生じるトルクはT1+T2となり、すでに減速が始まっているディスプレイ2の回動が完全に止まり、自重開き状態となる。
なお、ディスプレイ2の回動トルクTは、トルクT3の摺動抵抗のみでは静止できないトルク値とし、トルクT3とトルクT1とを合わせることでディスプレイ2が減速するトルク値となっている。
また、説明では、摺動凸部41が凸部逃がし穴32の縁部37に当接した時点ではクリック凸部51がテーパ部34の頂点を若干乗り越えた位置になるようにして、図9のようにθ1°+θ2°より手前でトルクT3が最大になるようにしたが、これに限定されるものではなく、θ1°+θ2°と同じか、過ぎた後でトルクT3が最大になるようにしてもよい。
その後、自重開き角度で静止した状態のディスプレイ2を、視聴者が手で押し回動させて視聴位置まで開く。この回動に要する力は、摺動プレート40の抵抗凸部44により発生するトルクT1と、摺動プレート40の摺動凸部41をたわませてブラケット30の凸部逃がし穴32の縁部37を抜け出てブラケット30上を摺動させるのに必要なトルクT2と、クリックプレート50を摺動させるために必要なトルクT3とを合わせたトルク以上である。
ディスプレイ2の回動に同期してクリックプレート50がブラケット30上を摺動し、クリック凸部51がクリック凹部35aに嵌り込むと、クリック凸部51とクリック凹部35aとの嵌合によりディスプレイ2が収納角度0°から100°開いた位置で保持される。視聴者がさらにディスプレイ2を回動させると、クリック凸部51がクリック凹部35aから抜け出て隣接するクリック凹部35bに嵌り込み、図6(d)および図7(d)に示すように、クリック凸部51とクリック凹部35bとの嵌合によりディスプレイ2が収納角度0°から120°開いた位置で保持される。
なお、摺動凸部41が凸部逃がし穴32を抜け出てブラケット30を摺動することにより生じるトルクT2は、部品のばらつきおよび組み立てばらつきにより、摺動抵抗が失われる値以上に設定している。これにより、部品のばらつきおよび組立てばらつきによってクリックプレート50に生じるトルクT3が小さくなったとしても、トルクT2によりディスプレイ2は確実に所定の自重開き角度で静止させることができる。
以上より、実施の形態1によれば、ヒンジ機構10は、ディスプレイ2の自重回動に抵抗するトルクを生じる摺動プレート40およびクリックプレート50を備え、摺動プレート40は、所定角度θ1°でトルクT1を生じ、自重開き角度θ1°+θ2°でトルクT1より大きいトルクT2を生じ、クリックプレート50は、ディスプレイ2が所定角度θ3°(>θ1°)を超えた時点から自重開き角度θ1°+θ2°に近づくにつれ徐々に増大してトルクT3になるトルクを生じるように構成にした。このため、摺動プレート40で生じるトルクT1とクリックプレート50で生じるトルクT3とにより、自重で回動するディスプレイ2を十分に減速させた後、摺動プレート40でトルクT2を生じて確実に静止させることができる。よって、ディスプレイ2が自重で開く角度のばらつきを抑制することができ、品位を向上できる。
さらに、摺動プレート40の摺動凸部41をたわませてブラケット30の凸部逃がし穴32から抜け出るために必要なトルクT2は、部品のばらつき、組立ばらつきおよび金属磨耗等により摺動抵抗が失われる値以上に設定するようにしたので、部品のばらつき等によってトルクT3が小さくなったとしても、トルクT2によりディスプレイ2を確実に自重開き角度で静止させることができる。
また、実施の形態1によれば、ヒンジ機構10はディスプレイ2に固定されて回動中心軸となるシャフト20を備え、摺動プレート40は、シャフト20に対して所定角度θ1°回動可能に取り付けられ、収納角度0°から所定角度θ1°まではディスプレイ2の回動に同期せず、所定角度θ1°からはディスプレイ2に同期して回動してトルクT1,T2を生じ、クリックプレート50は、シャフト20に取り付けられてディスプレイ2に同期して回動し、所定角度θ3°を超えると回動角度に応じて増大するトルクT3を生じるように構成した。これにより、摺動プレート40とクリックプレート50とが同一のシャフト20に取り付けられて同期して回動するようになるので、組立ばらつきが少なくなり、結果としてディスプレイ2の自重による開き角度のばらつきも少なくできる。
また、実施の形態1によれば、ヒンジ機構10は、筐体4に固定され、シャフト20を挿通して回動自在に支持するブラケット30を備え、摺動プレート40およびクリックプレート50は、ブラケット30を両側から挟み込む位置に配置され、ブラケット30上を摺動してトルクを生じる弾性部材としたので、摺動プレート40とクリックプレート50の押し付け力はブラケット30を挟むことで相殺され、ブラケット30は変形しづらくなる。よって、ブラケット30の変形による力の逃げを無くし、安定したトルクを発生させることができる。
また、実施の形態1によれば、車載用ディスプレイ装置1は、ディスプレイ2の両端にそれぞれヒンジ機構10を取り付けて筐体4と連結するようにしたので、左右同じトルク特性になり、ディスプレイ2が回動中ねじれにくくなる。よって、回動時の品位を向上できる。
また、実施の形態1によれば、摺動プレート40は、ディスプレイ2に同期して回動しているときブラケット30上を摺動してトルクT1を生じる抵抗凸部44と、抵抗凸部44とは異なる位置に形成され、収納角度0°のときはブラケット30の凸部逃がし穴32に入り込んでトルクを生じず、ディスプレイ2に同期して回動すると凸部逃がし穴32の縁部37に当接してトルクT2を生じる摺動凸部41とを有する構成にした。このため、摺動プレート40は0を含めた複数のトルクを段階的に発生させることができ、トルクの切り替え角度で確実に意図する回動制御が可能となる。
また、実施の形態1によれば、クリックプレート50は、収納角度0°のときはブラケット30の収納凹部33に入り込んでトルクを生じず、ディスプレイ2に同期して回動するとテーパ部34を摺動して徐々に増大するトルクT3を生じるクリック凸部51を有する構成にした。このため、収納角度0°では摺動プレート40だけでなくクリックプレート50にもトルクが生じないので、自重によりディスプレイ2を収納角度0°から確実に回動させ、かつ、自重開き角度θ1°+θ2°に近づくにつれディスプレイ2を緩やかに減速させて、品位を向上できる。
なお、上記実施の形態1では、ディスプレイ2の自重による回動を、ブラケット30のテーパ部34とクリックプレート50のクリック凸部51との摺動抵抗(T3)と、摺動プレート40の摺動抵抗(T1)とにより十分に減速させた後、摺動プレート40の摺動凸部41がブラケット30の凸部逃がし穴32に当接して確実に静止させるようにして、クリックプレート50のクリック凸部51がブラケット30のテーパ部34を乗り越えたときに静止するように構成したが(図9の通りθ1°+θ2°到達付近でトルクT3が最大値になる)、クリック凸部51がテーパ部34を乗り越える前に静止するように構成してもよい(図9とは異なりトルクT3が最大になった後でθ1°+θ2°に到達する)。具体的にはクリックプレート50のばね定数を大きくしたり、テーパ部34を急傾斜にしたりして、クリックプレート50のたわみ量を増やせばよい。これにより、ディスプレイ2が自重開き角度に近づくにつれ回動速度が減速し緩やかに静止させることができ、部品のばらつき等が生じてクリックプレート50の摺動抵抗(T3)だけでディスプレイ2が静止しなかった場合であっても、摺動凸部41が凸部逃がし穴32の縁部37に当接して確実に所定の自重開き角度で静止させることができる。
また、上記実施の形態1では、図7に示すようにシャフト20のシャフト溝23と摺動プレート40の突出部42との間に隙間を形成して、収納角度0°から所定角度θ1°まで摺動プレート40がディスプレイ2の回動に同期しないように構成したが、これに限定されるものではない。図10に、ヒンジ機構10の変形例を示す。
図10(a)はディスプレイ2が筐体4内に収納された収納状態、図10(b)はディスプレイ2が収納状態から自重により回動している途中の状態を示す。なお、クリックプレート50および平座金60は図示を省略する。この例では、シャフト20の中径部22に平面カットを施してストレート部27を形成すると共に、他方の摺動プレート40のプレート軸穴43に中径部22の断面と同形状としながら隙間をもたせたストレート部45を形成している。この構成の場合、簡単な構造で同様の性能が期待できる。
上記以外にも、本願発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
1 車載用ディスプレイ装置、2 ディスプレイ(回動部材)、3 解除ボタン、4 筐体(固定部材)、5 ロック部材、6 保持凹部、7 ディスプレイ画面、10 ヒンジ機構、20 シャフト、21 フランジ部、22 中径部、23 シャフト溝、24 小径部、25,26 溝壁、27 ストレート部、30 ブラケット、31 回転軸穴、32 凸部逃がし穴(第1の凹形状)、33 収納凹部(第2の凹形状)、34 テーパ部、35a,35b クリック凹部、36,37 縁部、40 摺動プレート(第1のトルク発生部)、41 摺動凸部(第2の凸形状)、42 突出部、43 プレート軸穴、44 抵抗凸部(第1の凸形状)、45 ストレート部、50 クリックプレート(第2のトルク発生部)、51 クリック凸部(第3の凸形状)、52 シャフト挿入穴、60 平座金、61 かしめ穴。

Claims (7)

  1. 固定部材と回動部材とを連結し、前記回動部材を、前記固定部材に対して自重で所定の自重開き角度まで回動させるヒンジ機構であって、
    前記回動部材の自重回動に抵抗するトルクを生じる第1のトルク発生部および第2のトルク発生部を備え、
    前記第1のトルク発生部は、前記回動部材が前記固定部材に保持された初期角度から前記自重開き角度までの間の所定角度で第1トルクを生じ、前記自重開き角度で当該第1トルクより大きい第2トルクを生じ、
    前記第2のトルク発生部は、前記回動部材が前記自重開き角度に近づくにつれ徐々に増大する第3トルクを生じることを特徴とするヒンジ機構。
  2. 回動部材に固定され、当該回動部材の回動中心軸となるシャフトを備え、
    第1のトルク発生部は、前記シャフトに対して所定角度回動可能に取り付けられ、初期角度から前記所定角度までは前記回動部材の回動に同期せず、前記所定角度からは前記回動部材に同期して回動して第1トルクおよび第2トルクを生じ、
    第2のトルク発生部は、前記シャフトに取り付けられて前記回動部材に同期して回動し、前記所定角度を超えると回動角度に応じて増大する第3トルクを生じることを特徴とする請求項1記載のヒンジ機構。
  3. 固定部材に固定され、シャフトを挿通して回動自在に支持するブラケットを備え、
    第1のトルク発生部および第2のトルク発生部は、前記ブラケットを両側から挟み込む位置に配置され、前記ブラケット上を摺動してトルクを生じる弾性部材であることを特徴とする請求項2記載のヒンジ機構。
  4. ブラケットは、シャフトを中心とした円周上に第1の凹形状を有し、
    第1のトルク発生部は、前記回動部材に同期して回動しているとき前記ブラケット上を摺動して第1トルクを生じる第1の凸形状と、前記第1の凸形状とは異なる位置に形成され、初期角度のときは前記ブラケットの前記第1の凹形状に入り込んでトルクを生じず、回動部材に同期して回動すると前記第1の凹形状の縁に当接して第2トルクを生じる第2の凸形状とを有することを特徴とする請求項3記載のヒンジ機構。
  5. ブラケットは、シャフトを中心とした円周上に第2の凹形状と、当該第2の凹形状の縁に形成されたテーパ部とを有し、
    第2のトルク発生部は、初期角度のときは前記ブラケットの前記第2の凹形状に入り込んでトルクを生じず、回動部材に同期して回動すると前記テーパ部を摺動して第3トルクを生じる第3の凸形状を有することを特徴とする請求項3記載のヒンジ機構。
  6. 回動部材の両端が固定部材にそれぞれ連結され、当該連結部分それぞれが第1のトルク発生部および第2のトルク発生部を1組ずつ備えることを特徴とする請求項1記載のヒンジ機構。
  7. 請求項1記載のヒンジ機構を用いた車載用ディスプレイ装置であって、
    当該ヒンジ機構は、車両の天井に固定された筐体にディスプレイを連結し、前記ディスプレイが前記筐体内に収納された状態の初期角度から所定の自重開き角度まで、前記ディスプレイを自重で回動させることを特徴とする車載用ディスプレイ装置。
JP2013516068A 2011-05-20 2011-05-20 ヒンジ機構および車載用ディスプレイ装置 Active JP5507008B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2011/002830 WO2012160592A1 (ja) 2011-05-20 2011-05-20 ヒンジ機構および車載用ディスプレイ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP5507008B2 JP5507008B2 (ja) 2014-05-28
JPWO2012160592A1 true JPWO2012160592A1 (ja) 2014-07-31

Family

ID=47216701

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013516068A Active JP5507008B2 (ja) 2011-05-20 2011-05-20 ヒンジ機構および車載用ディスプレイ装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5507008B2 (ja)
WO (1) WO2012160592A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6218613B2 (ja) * 2014-01-15 2017-10-25 株式会社エー・アンド・デイ 血圧計
JP6385576B2 (ja) * 2015-06-15 2018-09-05 三菱電機株式会社 映像表示機器

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4528468B2 (ja) * 2001-08-09 2010-08-18 株式会社ニフコ ヒンジ装置
WO2006035757A1 (ja) * 2004-09-30 2006-04-06 Nhk Spring Co., Ltd. ヒンジ装置及びそのヒンジ装置を使用した開閉機構
JP4383307B2 (ja) * 2004-10-05 2009-12-16 日本発條株式会社 ヒンジ装置
JP4559816B2 (ja) * 2004-10-19 2010-10-13 パナソニック株式会社 ディスプレイ装置
DE112009005494B4 (de) * 2009-08-28 2015-03-26 Mitsubishi Electric Corp. Gelenkmechanismus

Also Published As

Publication number Publication date
WO2012160592A1 (ja) 2012-11-29
JP5507008B2 (ja) 2014-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5307637B2 (ja) ヒンジ装置
JP5345219B2 (ja) ヒンジ機構
JP6175130B2 (ja) 開閉装置
JP5228003B2 (ja) 車両用物入れ装置のヒンジ構造
JP5364047B2 (ja) ヒンジ装置
JP2004360758A (ja) 回転規制機構付2軸ヒンジ
JP6175482B2 (ja) モータ
WO2010073440A1 (ja) チルトヒンジ
JP5507008B2 (ja) ヒンジ機構および車載用ディスプレイ装置
JP2007145055A (ja) 自動車のドアヒンジ装置
WO2011154988A1 (ja) ヒンジ機構およびモニタ開閉機構
WO2011058615A1 (ja) ヒンジ装置
JP2007145055A5 (ja)
JP5135957B2 (ja) ヒンジ装置及びそのヒンジ装置を備えた機器
JP2007091002A (ja) 収納容器
JP5135958B2 (ja) ヒンジ装置及びそのヒンジ装置を備えた機器
US9428947B2 (en) Hinge mechanism and panel apparatus
JP2012211629A (ja) チルトヒンジ並びにこのチルトヒンジを備えた電子機器
JP4464986B2 (ja) ヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器
JP2001032823A (ja) チルトヒンジ
JP5188565B2 (ja) ヒンジ装置
KR101732373B1 (ko) 차량용 시트 펌핑장치
JP2001336559A (ja) ロータリーダンパ
JP4983344B2 (ja) ヒンジ装置及びそのヒンジ装置を用いた機器
JP7425154B1 (ja) ヒンジ

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5507008

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250