JP4383307B2 - ヒンジ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、回転角度によって回転トルクが変化するヒンジ装置に関し、特に、自動車のルーフ内面に、後部座席乗員の鑑賞用のオーバーヘッド式液晶ディスプレイ装置を開閉可能に取り付けるのに最適なヒンジ装置に関する。
自動車後部座席乗員用ディスプレイは、例えば、ベース部材が車の天井に、ディスプレイ装置が蓋体に設けられ、ディスプレイ装置が設けられている蓋体は、見やすい角度に開閉・停止及び保持できるようにヒンジ装置で連結されている。このヒンジ装置は、例えば、始動位置では比較的低い回転トルク(抵抗トルク)が加わり、中間位置では比較的高い回転トルクが加わり、常用位置では停止状態を維持し得る最大の回転トルクが加わるように構成されているのが好ましい。このようなヒンジ装置として、従来、回転方向に凹部及び穴を設けた固定部材と、回転中心部から外周側へ延出されたアーム部を備え、アーム部の遊端に凸起を設けた弾性材で形成された制動部材と、制動部材を固定部材に圧接するための弾性部材とを具備し、制動部材の凸起が固定部材に摺接する領域は高トルクが加わり、周方向凹部で凸起の摺接が回避される領域は低トルクが加わり、凸起が穴に落ち込み乗り上げる際に最大トルクが加わるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来のヒンジ装置の作用を図18について説明すると、次のとおりである。
ディスプレイ装置11が天井12に収納されている0°の位置から略30°の間(T1の間)は、周方向凹部で制動部材の凸起の摺接が回避される低トルクの領域であり、ディスプレイ装置11は、ロックを解除するとディスプレイ装置11の自重により略30°程度まで落下(開く)する。次の略30°〜105°の間(T2の間)は、制動部材の凸起が固定部材に摺接する高トルクの領域であり、手で作動させる領域となり、フリーストップする。ディスプレイ装置11を鑑賞する常用の位置(T3の位置)は、固定部材の穴に制動部材の凸起が嵌合、非嵌合(嵌合から乗り上げ)することで最も大きなトルクを発生させる領域であり、車の振動などで位置ズレが発生しない。
特開2003−56547号公報
しかしながら、従来のヒンジ装置は、始動から略30°の間(T1の間)は、固定部材の凹部で制動部材の凸起の摺接が回避される低トルクの領域であるが、この低トルクは一定なためヒンジ装置の自重での落下(開き)が、始動から略30°まで急激な落下(開き)となり品位にかける課題があり、品位向上の目的で0°〜90°位までの作動がダンパー的作動としたい要望がある。
また、従来のヒンジ装置では、耐久性を向上させるためにグリスを使用するものがあるが、このヒンジ装置では低温時等において、グリスの粘性がアップし、収納状態でロック解除してもディスプレイ装置が開かなくなる(自重落下しない)課題があり、初期の跳ね出しが要望されていた。
この発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、始動から略90°の範囲に至る間の作動を急激な落下(開き)ではなく、ダンパー的作動として品位を向上させると共に、初期の跳ね出しを可能とし、ディスプレイ装置が自重落下しない(開かない)ことを防止したヒンジ装置の提供にある。
この発明のヒンジ装置は、一方の部材と他方の部材を開閉可能に連結するヒンジ装置であって、一方の部材に固定されるブラケットと、該ブラケットに回転自由に挿着され他方の部材に固定されるシャフトと、このシャフトに回転不可で軸方向には移動可能に装着され前記ブラケットの一方側面である摺接面と摺接して互いに相対回転する制動部材と、
前記シャフトに挿着され前記ブラケットの他方側面に押圧当接してブラケットを制動部材に押し付ける板ばね部材と、前記シャフトに巻回した状態で嵌装され前記シャフトに回転力を付与する捩りばねとより成り、
前記制動部材のブラケットとの摺接面には凸起が設けられ、前記ブラケットの制動部材との摺接面には、前記制動部材の凸起が摺接するテーパ溝又は開口幅が徐々に拡大する
凹溝と、制動部材の凸起が落ち込む穴が設けられ、前記シャフトには捩りばねにより初期トルクが初期設定されていることを特徴とする。
これにより、制動部材はシャフトと一緒に回転するが、ブラケットは回転しないので、板ばね部材で互いに押圧当接されている制動部材とブラケットは摺接して互いに相対回転する。この時、制動部材の凸起がブラケットのテーパ溝又は開口幅が徐々に拡大する凹溝を通過する位置では、制動部材の凸起の摺接がテーパ溝又は凹溝で徐々に回避されるため、徐々に低トルクとなり、制動部材の凸起がブラケットのテーパ溝又は凹溝からブラケットの摺接面に乗り上げた位置では高トルクとなり、摺接面の範囲でフリーストップ領域となり、制動部材の凸起がブラケットの穴に落ち込んだ位置では最大トルクとなり、ディスプレイ装置を確実に停止できる鑑賞用の位置とすることができる。
即ち、前記低トルクの領域では、テーパ溝の場合は徐々に深くなるテーパとなっているので、制動部材の凸起の摺接がテーパ溝で徐々に回避されるため、徐々に低トルクとなり、開口幅が徐々に拡大する凹溝の場合は、制動部材の凸起が徐々に凹溝内に嵌入するため凸起の摺接も徐々に回避され、徐々に低トルクとなる。
また、シャフトには捩りばねにより初期トルクが設定してあるので、このシャフトに固定されているディスプレイ装置は自動車室内の天井に収納されている位置(0°の位置)からロックを解除すると、前記初期トルクにより跳ね出すこととなるから、ディスプレイ装置が自重落下しない(開かない)ことが防止でき、確実に自重落下することが保証される。このディスプレイ装置の自重落下によるトルクは、0°の位置が最大で90°付近までは徐々に低下するが、ヒンジ装置のトルクも前記のように徐々に低トルクとなるので、両者のトルクがバランスを保持し、ディスプレイ装置の開きはダンパー的な作動となり、品位の向上を図ることができる。
従って、この発明のヒンジ装置によりディスプレイ装置を開閉可能に連結すれば、ディスプレイ装置は次のように作動する。
自動車室内の天井に収納されている位置(0°の位置)からロックを解除すると、前記ディスプレイ装置は捩りばねによる初期トルクにより跳ね出し、その後90°付近までディスプレイ装置は、ダンパー的作動で緩やかに開き、制動部材の凸起がブラケットのテーパ溝又は凹溝の端部段差に制止されて止まる。そこから手動で移動させると制動部材の凸起がブラケットの摺接面に乗り上げるので、高トルクが発生しフリーストップの領域となり、更に移動させると制動部材の凸起がブラケットの穴に落ち込み最大トルクが生じ、ディスプレイ装置鑑賞用の位置となる。この鑑賞用の位置は、本例ではブラケットに2個の穴が設けられているので、2カ所の位置で選択できる。
この発明のヒンジ装置によれば、次のような効果を奏する。
(1)ブラケットにテーパ溝又は開口幅が徐々に拡大する凹溝を設け、このテーパ溝又は凹溝に制動部材の凸起を摺接するようにしたので、この発生するトルクは徐々に低トルクとなるので、ディスプレイ装置の自重モーメントに沿ったトルクが得られる。従って、自動車室内の天井にディスプレイ装置を開閉可能に取付けるヒンジ装置として採用すると、ディスプレイ装置の自重落下の作動を、ダンパー的作動とすることが可能となり品位が向上する。
(2)自動車室内の天井に収納されている位置(0°の位置)からロックを解除すると、ディスプレイ装置は捩りばねによる初期トルクで跳ね出すので、ディスプレイ装置が自重落下しない(開かない)ことが防止できる。
(3)部品点数が少なく、構造も簡単なので組み付けに手間もかからず容易となると共に、精度の良い組み付けが可能となり、品質も向上する。また、簡単な構造で部品点数が少なく主要部が板体で構成されているので、より軽量、小型化が可能となる。
以下、この発明のヒンジ装置をより詳細に説明するために、添付の図面に従ってこれを説明する。
図1はこの発明の実施の形態を示すヒンジ装置を右方より見た斜視図、図2はこの発明の実施の形態を示すヒンジ装置を左方より見た斜視図、図3はこの発明の実施の形態を示すヒンジ装置の側面図、図4はこの発明の実施の形態を示すヒンジ装置の分解斜視図である。
このヒンジ装置10は、一方の部材、例えば、自動車室内の天井に固定されるブラケット3と、該ブラケット3に回転自由に装着され他方の部材、例えば、ディスプレイ装置が固定されるシャフト1と、このシャフト1にブラケット3を挟み回転不可で軸方向移動自在に装着され、ブラケット3と摺接して互いに相対回転する制動部材4と板ばね部材5と、前記シャフト1に回転力を付与する捩りばね2とより成り、このとき、制動部材4および板ばね部材5はブラケット3を挟むかたちで押圧当接している。この状態で平座金6により軸方向への移動が規制されている。
即ち、シャフト1はブラケット3に対し回転自由であり、制動部材4と板ばね部材5はシャフト1に回転不可であるので、シャフト1と一緒に回転する。
従って、ブラケット3は一方の部材に固定されているので、シャフト1が回転すると制動部材4と板ばね部材5はブラケット3に摺接して回動し、互いに相対回転することになる。
前記制動部材4のブラケット3との摺接面には凸起4aが設けられ、前記ブラケット3の制動部材4との摺接面には、前記制動部材4の凸起4aが摺接するテーパ溝3a又は後述する開口幅が徐々に拡大する凹溝3f(図7参照)と、制動部材4の凸起4aが落ち込む穴3bが設けられ、前記シャフト1には捩りばね2により初期トルクが設定されている。
更に詳細に説明する。まず、シャフト1を図5に示す。図5はシャフトを示す斜視図(a)及び断面図(b)である。このシャフト1は、主軸部1a及び支持軸部1bから構成され、主軸部1a及び支持軸部1bは、非円形断面形状となっており、主軸部1a及び支持軸部1bとの境界は段部1eとなっている。本例の非円形断面形状は、W−D形状で示している。また、支持軸部1bには、他方の部材に固定する固定穴1c及び捩りばね2のフック2bを係止するピン7を挿着する穴1dが設けられている。図4及び図5では螺孔で示しておりピン7は螺入される。これはピン7を圧入してもよい。
図6はブラケットを示す斜視図(a)、正面図(b)及び側面図(c)である。このブラケット3は、一方の部材に固定する水平部3Aと制動部材4が摺接する垂直部3Bとでアングル状に形成されており、垂直部3Bの制動部材4との摺接面には、テーパ溝3aが穴3dを中心に同心円上に沿って設けられている。このテーパ溝3aは、底面が徐々に深くなるテーパ状になっているものであり、テーパ溝3aの終端は段差3gになっている。また、このテーパ溝3aの延長線上には、穴3bが設けられている。この穴3bは貫通孔でも凹部であってもよい。ブラケット3の穴3dには、シャフト1が挿入され、ブラケット3はシャフト1に回転自在に挿着される。また、ブラケット3の水平部3Aには一方の部材に固定する固定穴3eが設けられており、ブラケット3は、この水平部3Aが一方の部材に固定穴3eを使用してネジ止めなどで固定されて取り付けられる。
図7は他のブラケットを示す斜視図(a)及び正面図(b)である。このブラケット3は、前記ブラケット3のテーパ溝3aに代えて開口幅が徐々に拡大する凹溝3fとしたものであり、他は前記実施の形態と同様であるので、同一符号を付して詳細な説明は省略する。この凹溝3fは、深さは同一であるが開口幅が徐々に拡大するものである。従って、テーパ溝3aでは、制動部材4の凸起4aの摺接がテーパ面により徐々に回避されるに対し、凹溝3fでは制動部材4の凸起4aが、開口幅の拡大により徐々に凹溝3f内に入り込み徐々に回避されるようになる。
図8は捩りばねを示す斜視図(a)及び正面図(b)である。この捩りばね2は、シャフト1に初期トルクを付与するものであり、一端がブラケット3に挿着するフック2aに、他端がシャフト1に取り付けたピン7に係止するフック2bとなっている。フック2aはブラケット3に取り付けられるが、フック2bはピン7に制止されているだけで、遊端となっている。これにより跳ね出し分だけの初期トルクを付与し、その後は捩りばね2のばね力は作用しないようになる。
図9は制動部材の斜視図(a)及び断面図である。この制動部材4は、前記ブラケット3と摺接して回転トルクを変化させるものであり、板状であってブラケット3との摺接面に凸起4aが設けられている。本例の制動部材4はアーム部4bを備え、このアーム部4bに凸起4aが設けられている。この制動部材4は、前記シャフト1の主軸部1aの非円形断面形状(W−D形状)に対応する非円形穴4cが設けられ、前記シャフト1の主軸部1aに回転不可で軸方向移動自在に挿着される。
図10は板ばね部材を示す斜視図(a)、平面図(b)及び正面図(c)である。この板ばね部材5A(5)は、本例ではスプリングワッシャーで示している。このスプリングワッシャー5Aは、板ばね材で円形に形成され、中心に前記シャフト1の主軸部1aの非円形断面形状(W−D形状)に対応する非円形穴5aが設けられると共に、折曲げ部5bを介して湾曲形成されたワッシャーとなっている。このスプリングワッシャー5A(5)は、シャフト1の主軸部1aに回転不可で軸方向移動自在に挿着され、前記制動部材4をブラケット3に押圧当接させる。
図11は他の板ばね部材を示す斜視図(a)及び正面図(b)である。本例の板ばね部材5B(5)は、板ばね材で円形に形成され、中心に前記シャフト1の主軸部1aの非円形断面形状に対応する非円形穴5aが設けられると共に湾曲形成(円錐形状ではない)されたスプリングワッシャーとなっている。
図10に示す板ばね部材5Aは、折曲げ部5bを有するためばね力(ばね定数)が強くなり、図11に示す板ばね部材5Bは湾曲だけなのでばね力は弱くなる。前記板ばね部材5A、5Bは板ばね部材5としての例示であって、これに制限されるものではない。使用する開閉部材のトルク特性に対応して好ましいものを選択すればよい。
図12は平座金を示す斜視図(a)及び正面図(b)である。この平座金6は中心に前記シャフト1の主軸部1aの非円形断面形状(W−D形状)に対応する非円形穴6aが設けられており、シャフト1の主軸部1aに回転不可で軸方向移動自由に挿着される。
次に、上記各部品の組み付け方法を説明する。図4に示すようにシャフト1の主軸部1aに、制動部材4、ブラケット3、板ばね部材5及び平座金6をこの順序で挿入し、シャフト1の段部1eに押し付けた格好で主軸部1aの端部をカシメて抜け止めする。この時、板ばね部材5は、撓めた状態、即ち、ブラケット3を押圧当接した状態でカシメる。この時、制動部材4とブラケット3との間およびブラケット3と板ばね部材5との間に、グリスを塗布することにより耐久性の向上を図ることができる。
次に、シャフト1の支持軸部1bに巻回した格好で捩りばね2を装着し、この捩りばね2の一端側のフック2aは、ブラケット3の穴3cに挿入して取り付け、他端部のフック2bは、支持軸部1bに設けたピン7に自由状態で係止させてある。ヒンジ装置10の取り付けの時は、シャフト1にディスプレイ装置跳ね出し分の初期トルクを付与して設定する。捩りばね2のフック2bは、シャフト1のピン7に自由状態で係止させてあるので、初期トルクを付与した後は、捩りばね2のフック2bはシャフト1のピン7と離れてしまうので、捩りばね2のばね力はそれ以上は作用しない。つまり、初期トルクだけが作用することになる。
図16はディスプレイ装置11が自動車室内の天井12にヒンジ装置10で開閉可能に取り付けられた状態を示す模式図である。この図16に示すようにヒンジ装置10は、ブラケット3が自動車室内の天井12に固定され、シャフト1の支持軸部1bにディスプレイ装置11が固定して取り付けられる。するとブラケット3に対しシャフト1は回転自在であるので、シャフト1の支持軸部1bに固定されたディスプレイ装置11は開閉可能となる。
そこで、このヒンジ装置10では、ディスプレイ装置11を開閉するとシャフト1も回動するが、制動部材4はシャフト1に回転不可で軸方向移動自在に挿着されているので、制動部材4もシャフト1と一緒に回転する。この時、制動部材4と板ばね部材5はブラケット3に押圧当接されているので、制動部材4及び板ばね部材5はブラケット3に摺接して回転する。従って、ヒンジ装置10では、この摺接回動時に、制動部材4の凸起4aがブラケット3のテーパ溝3a又は開口幅が徐々に拡大する凹溝3fに位置するときは、制動部材4の凸起4aの摺接が、テーパ溝3a又は凹溝3fで徐々に回避されるため、徐々に低トルクとなり、制動部材4の凸起4aがテーパ溝3a又は凹溝3fの端部にくると段差3gによる制止力により高トルクが生じ、制動部材4の凸起4aが、段差3gを乗り上げたブラケット3の摺接面の位置では、高トルクが発生し、制動部材4の凸起4aが、ブラケット3の穴3bに落ち込んだ(嵌入)位置は、最大トルクとなる。この回転トルクによりディスプレイ装置11の開閉・停止及び保持を行うことができる。また、制動部材4の凸起4aが、テーパ溝3a又は凹溝3fの端部の段差3gを乗り越えるとき、及び制動部材4の凸起4aがブラケット3の穴3bに落ち込んだり、復帰するときに、回転トルクが変化し、クリック感が生ずる。
しかして、ディスプレイ装置11は、自動車室内の天井に収納されている状態(0°の位置)からロックを解除すると、捩りばね2によりシャフト1に初期トルクが付与されているために、自重とこの初期トルクによりまず跳ね出し、それから自重落下により開いて行く。この自重落下によるディスプレイ装置11の開きT1は、ヒンジ装置10における制動部材4の凸起4aが、ブラケット3のテーパ溝3a又は開口幅が徐々に拡大する凹溝3fの位置を移動する範囲であり、制動部材4の凸起4aの摺接がテーパ溝3a又は凹溝3fで徐々に回避されるため、徐々に低トルクとなる領域である。一方、ディスプレイ装置11の自重モーメントは、自動車室内の天井に収納されている0°の位置が最大で、それから90°付近まで落下(開く)につれて低下する。従って、徐々に低トルクになる領域では、ディスプレイ装置の自重モーメントも徐々に低下するので、回転トルクは自重モーメントに沿ったトルクが得られることになり、ディスプレイ装置11の開きはダンパー的作動により開くことになる。これにより品位の向上を図ることができる。
ディスプレイ装置11がダンパー的作動で90°付近まで開いていくと、制動部材4の凸起4aがブラケット3のテーパ溝3a又は凹溝3fの終端の段差3gに至り、この段差3gによる制止力により停止する。 この停止状態から手動でディスプレイ装置11を更に開くと段差3gを乗り越えるクリック感と共に、制動部材4の凸起4aはブラケット3の摺接面に乗り上げ高トルクを生じ、フリーストップの領域T2となる。更に開くと、制動部材4の凸起4aは、ブラケット3の穴3bに落ち込んで、クリック感を生ずると共に最大トルクを発生し、ディスプレイ装置11の鑑賞用の位置(常用の位置)T3となる。
図13乃至図15は、前記作動時における制動部材4とブラケット3の位置関係を分解して示す説明斜視図である。
図13は制動部材4の凸起4aが、ブラケット3のテーパ溝3aの始端に位置する状態であり、図14は制動部材4の凸起4aが、ブラケット3のテーパ溝3aの終端に位置する状態であり、図15は制動部材4の凸起4aが、ブラケット3の穴3bに位置する状態である。
図17は上記作用のトルク線図を示すグラフ図である。この図17によれば、ヒンジトルクとディスプレイモーメントが90°付近まで同じように低下している様子がよく理解でき、ディスプレイ装置のダンパー的作動がうかがえる。また、ヒンジトルクは100°付近及び115°付近で急激な大きなトルクを発生しており、制動部材4の凸起4aがブラケット3の穴3cに落ち込むと大きなトルクを発生すること、クリック感の生ずることが理解できる。
また、以上の説明から理解できる通り、この発明のヒンジ装置では捩りばね2の初期トルクによりディスプレイ装置が跳ね出すので、例えば、パソコン等のように水平状態で使用する場合でもディスプレイ装置のロックを解除すると、開き方向への付勢力によりディスプレイ装置が跳ね出されて操作性が向上する。また、ディスプレイ装置の操作範囲および製品仕様に応じて、テーパ溝3、制動部材4および板ばね部材5の組合せによりトルク特性を可変させて、操作フィーリングや使用状態でのフリーストップ等の使い勝手を向上させることができる。
さらに、この発明では、例えば、ヒンジ装置を左右に使用する場合、左右のヒンジ装置で板ばね部材5のばね定数の異なるものを使用し、2つのヒンジ装置で役割を分担させてもよい。例えば、一方のヒンジ装置は、ばね定数の低い板ばね部材5を使用し、ディスプレイ装置11の自重落下(自重開き)時の停止状態を滑らかにし、他方のヒンジ装置は、ばね定数の高い板ばね部材5を使用し、フリーストップ領域での回転トルクを高くし停止状態を確実とすることにより、フリーストップ領域での鑑賞も可能とする。
構成の一例を説明する。一方のばね定数の低い板ばね部材5を使用したヒンジ装置は、ブラケット3のテーパ溝3aのテーパ角度を緩やかにし、他方のばね定数の高い板ばね部材5を使用したヒンジ装置は、ブラケット3のテーパ溝3aのテーパ角度を急にし、ばね定数の高い板ばね部材5を使用したヒンジ装置では、ブラケット3のテーパ溝3aのテーパ角度が急なため、徐々に低トルクとなるのが一方ののヒンジ装置より速いので、ばね定数の高い板ばね部材5を使用しても、両者のヒンジ装置での徐々に低トルクとなる度合いはバランスしてディスプレイ装置の作動はダンパー的作動となる。ところが制動部材4の凸起4aがブラケット3の摺接面に乗り上げたフリーストップの領域では、ばね定数の高い板ばね部材5を使用したヒンジ装置により高トルクが発生し、停止状態を確実に保持できるようになる。従って、制動部材4の凸起4aがブラケット3の穴3bに落ち込んだ時ばかりでなく、このフリーストップ領域でのディスプレイ装置の鑑賞が可能となる。
なお、前記実施の形態は、この発明を制限するものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。例えば、ブラケット3のテーパ溝3aのテーパ角度、凹溝3fの開口幅が徐々に拡大する程度、ブラケット3の摺接面の面積、穴3bの数及び制動部材4の凸起4aの形状等を変えることによってトルク特性も変化する。従って、これらを使用する開閉部材に対応し好ましい範囲を選択することは自由である。
本発明にかかるヒンジ装置は、一方の部材と他方の部材を開閉可能に連結し、ロック解除時の跳ね出し、見やすい角度に開閉、停止及び保持ができるようなヒンジ装置に適しており、他にノート型パソコン、携帯電話機等の小型のOA機器や携帯端末機器、および便座本体と便座、蓋体と連結するヒンジ装置等に使用可能である。
また、例えば、レイアウトをフラットにしたい場合は、ディスプレイ装置のロックを解除すると、開き方向に力が作用し、開く(跳ね出す)ため有効である。
この発明の実施の形態を示すヒンジ装置の右方向より見た斜視図である。 この発明の実施の形態を示すヒンジ装置の左方向より見た斜視図である。 この発明の実施の形態を示すヒンジ装置の正面図である。 この発明の実施の形態を示すヒンジ装置の分解斜視図である。 シャフトを示す斜視図(a)及び断面図(b)である。 ブラケットを示す斜視図(a)、正面図(b)及び側面図(c)である。 他のブラケットを示す斜視図(a)及び正面図(b)である。 捩りばねを示す斜視図(a)及び正面図(b)である。 制動部材を示す斜視図(a)及び断面図(b)である。 板ばね部材を示す斜視図(a)、平面図(b)及び正面図(c)である。 他の板ばね部材を示す側面図(a)及び正面図(b)である。 平座金を示す斜視図(a)及び正面図(b)である。 制動部材の凸起が、ブラケットのテーパ溝の始端に位置する状態を分解して示す説明斜視図である。 制動部材の凸起が、ブラケットのテーパ溝の終端に位置する状態を分解して示す説明斜視図である。 制動部材の凸起が、ブラケットの穴に位置する状態を分解して示す説明斜視図である。 ディスプレイ装置が自動車室内の天井にヒンジ装置で開閉可能に取り付られた状態を示す模式図である。 作用のトルク線図を示すグラフ図である。 従来のディスプレイ装置の取り付け状態を示す模式図である。
符号の説明
1 シャフト
1a 主軸部
1b 支持軸部
1d ピンの取り付け穴
2 捩りばね
2a、2b フック
3 ブラケット
3a テーパ溝
3b 穴
3c 取付穴
3f 開口幅が徐々に拡大する凹溝
3g 段差
4 制動部材
4a 凸起
5 板ばね部材
6 平座金
7 ピン

Claims (2)

  1. 一方の部材と他方の部材を開閉可能に連結するヒンジ装置であって、一方の部材に固定されるブラケットと、該ブラケットに回転自由に挿着され他方の部材に固定されるシャフトと、このシャフトに回転不可で軸方向には移動可能に装着され前記ブラケットの一方側面である摺接面と摺接して互いに相対回転する制動部材と、前記シャフトに挿着され前記ブラケットの他方側面に押圧当接してブラケットを制動部材に押し付ける板ばね部材と、前記シャフトに巻回した状態で嵌装され前記シャフトに回転力を付与する捩りばねとより成り、
    前記制動部材のブラケットとの摺接面には凸起が設けられ、前記ブラケットの制動部材との摺接面には、前記制動部材の凸起が摺接するテーパ溝と、制動部材の凸起が落ち込む穴が設けられ、前記シャフトには捩りばねにより初期トルクが設定されており、
    前記テーパ溝は、始端から終端に向かって徐々に深くなる下りテーパ面となり、終端が段部となっていることを特徴とするヒンジ装置。
  2. 一方の部材と他方の部材を開閉可能に連結するヒンジ装置であって、一方の部材に固定されるブラケットと、該ブラケットに回転自由に挿着され他方の部材に固定されるシャフトと、このシャフトに回転不可で軸方向には移動可能に装着され前記ブラケットの一方側面である摺接面と摺接して互いに相対回転する制動部材と、前記シャフトに挿着され前記ブラケットの他方側面に押圧当接してブラケットを制動部材に押し付ける板ばね部材と、前記シャフトに巻回した状態で嵌装され前記シャフトに回転力を付与する捩りばねとより成り、
    前記制動部材のブラケットとの摺接面には凸起が設けられ、前記ブラケットの制動部材との摺接面には、前記制動部材の凸起が摺接する凹溝と、制動部材の凸起が落ち込む穴が設けられ、前記シャフトには捩りばねにより初期トルクが設定されており、
    前記凹溝は、始端から終端に向かって開口幅が徐々に拡大し、制動部材の凸起が始端から終端に向かって徐々に凹溝内に陥入し、終端で凹溝内に落ち込む開口幅となっていることを特徴とするヒンジ装置。
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